JP2017117847A - シリカ分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散性及び保存安定性に優れ、フィルタの長寿命化が可能なシリカ分散液の製造方法の提供。【解決手段】シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、分散液Pにおける粒子A 100質量部に対する化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下、分散液Pは、水溶性高分子化合物、ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法に関する。又は、シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造に用いられるシリカ分散液の製造方法であって、シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、分散液Pにおける粒子A 100質量部に対する化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下、分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、シリカ分散液の製造方法、並びに、シリカ分散液を用いた研磨液組成物の製造方法、半導体基板の製造方法、及び研磨液キットに関する。
アルカリ金属含有量が極めて低い超高純度シリカは、研磨剤砥粒、コーティング剤、フィラー、セラミックバインダー、触媒担体、吸着剤など、様々な分野で利用されている。特に、シリコンウェーハなどの半導体基板用途には、超高純度のシリカ砥粒が好ましく利用されている。
近年、半導体メモリの高記録容量化に対する要求の高まりから半導体装置のデザインルールは微細化が進んでいる。このため半導体装置の製造過程で行われるフォトリソグラフィーにおいて焦点深度は浅くなり、シリコンウェーハ(ベアウェーハ)の欠陥低減や平滑性に対する要求はますます厳しくなっている。
シリコンウェーハの品質を向上する目的で、シリコンウェーハの研磨は多段階で行われている。特に研磨の最終段階で行われる仕上げ研磨は、表面粗さ(ヘイズ)の抑制と、研磨後のシリコンウェーハ表面の濡れ性向上(親水化)によるパーティクルやスクラッチ、ピット等の表面欠陥(LPD:Light point defects)の抑制とを目的として行われている。
シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨液組成物として、良好な生産性が確保される研磨速度の担保、及び表面欠陥(LPD)と表面粗さ(ヘイズ)の低減を目的とし、シリカ粒子と、含窒素塩基性化合物と、アミド誘導体やセルロース誘導体などの水溶性高分子化合物と、を含むシリコンウェーハの研磨液組成物が開示されている(特許文献1、2)。更に、研磨液組成物をろ過して、研磨液組成物中のシリカ凝集物の含有量を低減させることにより、シリコンウェーハの品質を向上させることが開示されている(特許文献2)。
一方、コロイダルシリカをデプス型フィルタとプリーツ型フィルタでろ過する工程を含む磁気ディスク基板用研磨液組成物の製造方法が開示されている(特許文献3)。
特開2013―222863号公報 国際公開第2013―108777号 特開2006―136996号公報
特許文献1〜2に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物では、シリコンウェーハの品質の観点から、改善の余地がある。また、特許文献2記載の研磨液組成物の製造方法では、研磨液組成物、すなわち水溶性高分子化合物を含有するシリカ分散液をろ過するため、ろ過速度が遅く、生産性が低い。特許文献3記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物の製造方法では、コロイダルシリカをデプス型フィルタとプリーツ型フィルタでろ過する工程が開示されているが、シリコンウェーハ用研磨液組成物に使用される超高純度コロイダルシリカに対しては、性能、生産性が不十分である。また、コロイダルシリカに粗大粒子が含まれていると、フィルタ寿命が短くなる。
そこで、本発明では、分散性及び保存安定性に優れ、フィルタの長寿命化が可能なシリカ分散液の製造方法、並びに、これを用いた研磨液組成物の製造方法、半導体基板の製造方法、及び研磨液キットを提供する。
本開示は、シリカ分散液の製造方法であって、シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物、ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法に関する。
本開示は、シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造に用いられるシリカ分散液の製造方法であって、シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法に関する。
本開示は、本開示に係るシリカ分散液の製造方法により得られるシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。
本開示は、本開示に係る研磨液組成物の製造方法により得られる研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本開示は、シリカ分散液が容器に充填されたシリカ分散液を含む研磨液キットの製造方法であって、本開示に係るシリカ分散液の製造方法により前記シリカ分散液を製造する工程を含む、研磨液キットの製造方法に関する。
本開示によれば、フィルタの長寿命化を可能にしつつ、分散性及び保存安定性に優れるシリカ分散液を製造できるという効果を奏し得る。そして、前記シリカ分散液を用いることで、研磨後の基板表面の表面粗さ及び表面欠陥を低減可能な研磨液組成物を製造できるという効果を奏し得る。さらに、前記研磨液組成物を用いて、前記表面粗さ及び表面欠陥が低減された半導体基板を製造できるという効果を奏し得る。
一般的に、超高純度シリカ分散液は、水溶性高分子化合物を実質的に含まず、かつ、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属を実質的に含まないシリカ分散液のことをいい、シリコンウェーハ等の半導体基板用研磨液組成物の製造に適用可能である。
本開示は、被処理シリカ分散液に含窒素塩基性化合物を含有させてろ過することで、フィルタの長寿命化を可能にしつつ、分散性及び保存安定性に優れるシリカ分散液を製造できるという知見に基づく。
本開示の効果が発現するメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推定される。すなわち、被処理シリカ分散液に含窒素塩基性化合物を含有させることで、被処理シリカ分散液中のシリカ粒子の表面状態が変化すると考えられる。シリカ粒子の表面状態は、含窒素塩基性化合物の濃度、すなわち、シリカ粒子に対する含窒素塩基性化合物の含有量により主に支配されると考えられる。シリカ粒子に対する含窒素塩基性化合物の含有量を特定することにより、シリカ粒子の表面の負電荷が大きくなってシリカ粒子同士が電荷反発し、シリカ粒子の分散性が向上し、さらにフィルタの長寿命化につながると推察される。さらに、シリカ粒子の表面のアルカリ溶解が抑制され、シリカ粒子の表面構造が化学的に安定になり、ろ過後のシリカ粒子の再凝集が抑制され、分散性及び保存安定性が良好になると推察される。但し、本開示はこの推定に限定して解釈されなくてもよい。
したがって、本開示は、シリカ分散液の製造方法であって、シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物、ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法に関する。さらに、本開示は、シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造に用いられるシリカ分散液の製造方法であって、シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法に関する。本開示によれば、フィルタの長寿命化を可能にしつつ、分散性及び保存安定性に優れるシリカ分散液を得ることができる。そして、該シリカ分散液を用いることで、研磨後の基板表面の表面粗さ及び表面欠陥を低減可能な研磨液組成物を製造できる。さらに、該研磨液組成物を用いて、前記表面粗さ及び表面欠陥が低減された半導体基板を製造できる。
本開示において「粗大粒子」とは、粒子径が0.5μm以上の粗大なシリカ粒子であり、シリカ分散液中の粗大粒子数は、後述の実施例に記載の0.45μmフィルタ通液量により評価できる。該通液量が多いほど、シリカ分散液中の粗大粒子数が少なく、分散性及びろ過精度が高いことを意味する。本開示において、シリカ分散液中のシリカ粒子は、一次粒子のみならず、一次粒子が凝集した凝集粒子をも含むものとする。
本開示において「超高純度シリカ分散液」とは、シリカ粒子を含有するシリカ分散液であって、水溶性高分子化合物を実質的に含まず、かつ、ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない分散液をいう。本開示において「水溶性高分子化合物を実質的に含まない」とは、シリカ粒子100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部以下であることをいう。本開示において「ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない」とは、シリカ粒子100質量部に対するナトリウム及びカリウムの合計量が1×10-3質量部以下であることをいう。
[被処理シリカ分散液P]
本開示に係るシリカ分散液の製造方法は、被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含む。本開示において「被処理シリカ分散液」は、ろ過処理に供される前のシリカスラリー(シリカ分散液)をいう。本開示における被処理シリカ分散液P(以下、分散液Pともいう)は、シリカ粒子A、含窒素塩基性化合物B及び水を含有する。分散液P及び該分散液Pをろ過後に得られるシリカ分散液としては、高研磨速度の確保、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)低減の観点から、前記超高純度シリカ分散液であることが好ましい。
[シリカ粒子A]
分散液Pに含まれるシリカ粒子A(以下、粒子Aともいう)としては、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられ、コロイダルシリカが好ましい。粒子Aの使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。粒子Aは、超高純度シリカであることが好ましい。本開示において「超高純度シリカ」は、純度が99.99質量%以上のシリカをいう。超高純度シリカの純度としては、99.999質量%以上が好ましく、99.9999質量%以上がさらに好ましい。
粒子Aの平均一次粒子径は、高研磨速度の確保の観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上、更により好ましくは30nm以上であり、そして、高研磨速度の確保、表面粗さ(ヘイズ)の低減、及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下である。
本開示において、粒子Aの平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。比表面積は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
粒子Aの平均二次粒子径は、高研磨速度の確保の観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは30nm以上、更に好ましくは60nm以上であり、そして、高研磨速度の確保、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは80nm以下である。本開示においてシリカ粒子の平均二次粒子径は、実施例に記載の方法により測定できる。
粒子Aの会合度は、高研磨速度の確保、表面粗さ(ヘイズ)の低減、及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.0以上、そして、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下である。
本開示において粒子Aの会合度とは、シリカ粒子の形状を表す係数であり、下記式により算出される。平均二次粒子径は、動的光散乱法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
本開示においてシリカ粒子の会合度の調整方法としては、例えば、特開平6−254383号公報、特開平11−214338号公報、特開平11−60232号公報、特開2005−060217号公報、特開2005−060219号公報等に記載の方法を採用することができる。
粒子Aの単位質量あたりのシラノール基量は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは1.0mmoL/g以上、より好ましくは1.3mmoL/g以上、更に好ましくは1.5mmoL/g以上であり、そして、好ましくは10mmoL/g以下、より好ましくは5mmoL/g以下、更に好ましくは2mmoL/g以下である。本開示において粒子Aの単位質量あたりのシラノール基量は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
分散液P中の粒子Aの含有量は、経済性の観点、並びに、分散性及び保存安定性向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
[含窒塩基性化合物B]
分散液Pに含まれる含窒素塩基性化合物B(以下、化合物Bともいう)としては、分散性及び保存安定性向上、並びにフィルタの長寿命化の観点から、例えば、アンモニア、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。化合物Bの具体例としては、例えば、アンモニア;水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アンモニウム化合物;水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機アンモニウム化合物;ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、ジエチレントリアミン等のアルキルアミン化合物;及び、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N一ジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノ−ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの化合物Bは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、化合物Bとしては、分散性及び保存安定性向上の観点から、アンモニア、アンモニアとアルカノールアミン化合物との混合物が好ましく、アンモニアがより好ましい。
分散液P中の化合物Bの含有量は、経済性の観点、並びに、分散性及び保存安定性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.8質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
分散液P中の粒子A 100質量部に対する化合物Bの含有量は、分散性及び保存安定性向上、並びにフィルタの長寿命化の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、そして、好ましくは15質量部以下、より好ましくは12質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。
[水]
分散液Pに含まれる水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。分散液P中の水の含有量は、100質量%から粒子A、化合物B及び必要に応じて添加される下記任意成分を除いた残余とすることができる。
[その他の成分]
分散液Pは、さらにその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、防腐剤、pH調整剤等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、過酸化水素、有機臭素系化合物、有機窒素硫黄系化合物、有機ヨウ素系化合物、有機硫黄系化合物及びトリアジン系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、防腐性能及びシリカ分散液の分散性の観点から、好ましくは過酸化水素である。pH調整剤としては、例えば、酸性化合物が挙げられる。酸性化合物としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸;等が挙げられる。これらの酸は、化合物Bとの塩として存在してもよい。
分散液PのpHは、化合物Bの量で調整することができ、分散液Pは、前記pH調整剤を含まなくてもよい。また、分散液Pは、防腐剤を含まなくてもよい。分散液Pが防腐剤を含む場合、その含有量は0ppm超であり、そして、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。
[分散液Pの調製]
本開示における分散液Pは、例えば、前記粒子A、前記化合物B、前記水及び任意成分を上述の範囲で配合することにより調製できる。本開示において「配合する」とは、粒子A、化合物B及び水、並びに必要に応じて任意成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。分散液Pの調製における各成分の配合量は、上述の本開示に係る分散液P中の各成分の含有量と同じとすることができる。
[分散液P]
分散液PのpHは、分散性及びフィルタの長寿命化の観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは9.0以上、更に好ましくは9.5以上、更に好ましくは10.0以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.3以下、更に好ましくは11.0以下、更に好ましくは10.8以下である。本開示においてpHは25℃における値であって、pHメータを用いて測定した値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
分散液Pは、分散性及び保存安定性向上、並びにフィルタの長寿命化の観点から、水溶性高分子化合物を実質的に含まないことが好ましい。すなわち、分散液P中の粒子A 100質量部に対する水溶性高分子化合物の量は、同様の観点から、好ましくは1×10-2質量部以下、より好ましくは1×10-3質量部以下、更に好ましくは0質量部である。本開示においてシリカ分散液中の水溶性高分子化合物の含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
分散液Pは、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点、並びに、半導体基板の品質向上の観点から、ナトリウム(Na)及びカリウム(K)を実質的に含まないことが好ましい。すなわち、分散液P中の粒子A 100質量部に対するNa及びKの合計量は、同様の観点から、好ましくは1×10-3質量部以下、より好ましくは8×10-4質量部以下、更に好ましくは0質量部である。
さらに分散液Pは、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点、並びに、半導体基板の品質向上の観点から、Na及びK以外の金属も実質的に含まないことが好ましい。すなわち、分散液P中の粒子A 100質量部に対する金属の合計量は、好ましくは1×10-3質量部以下、より好ましくは1×10-4質量部以下であり、更に好ましくは0質量部である。上記Na及びK以外の金属としては、Na及びK以外のアルカリ金属;Mg、Ca等のアルカリ土類金属;Al等の第III族金属;Fe、Zn、Ti、Cr、Mn、Ni、Cu等の遷移金属;Ag、Pb等の重金属;等が挙げられる。本開示においてシリカ分散液中の金属含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
[ろ過工程]
本開示におけるろ過工程は、生産性の観点から、フィルタを用いてろ過処理する工程を含むことが好ましい。フィルタとしては、従来から用いられているプリーツ型フィルタ、デプス型フィルタ、ろ過助剤含有フィルタ等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることができる。粗大粒子の低減の観点からは、プリーツ型フィルタが好ましく、より好ましくはデプス型フィルタとプリーツ型フィルタの組み合わせである。
プリーツ型フィルタとしては、一般にろ過材をひだ状(プリーツ状)に成形加工して、中空円筒形状のカートリッジタイプにしたもの(アドバンテック東洋社、日本ポール社、CUNO社、ダイワボウ社等)を用いることができる。プリーツ型フィルタは、厚み方向の各部分で捕集するデプス型フィルタとは異なり、ろ過材の厚みが薄く、フィルタ表面での捕集が主体といわれており、一般的にろ過精度が高いことが特徴である。プリーツ型フィルタは1段で用いてもよいし、多段(例えば直列配列)で用いてもよい。
デプス型フィルタの具体例としては、バッグ式(住友スリーエム社等)のフィルタや、カートリッジ式(アドバンテック東洋社、日本ポール社、CUNO社、ダイワボウ社等)のフィルタが挙げられる。デプス型フィルタとは、ろ過材の孔構造が、入口側で粗く、出口側で細かく、かつ、入口側から出口側に向かうにつれて連続的又は段階的に細かくなる特徴を有するフィルタである。よって、粗大粒子の中でも大きな粒子は入口側付近で捕集され、小さな粒子は出口側付近で捕集される。デプス型フィルタの形状としては、袋状のバッグタイプや、中空円筒形状のカートリッジタイプが挙げられる。また、前記特徴を有するろ過材を単にひだ状に成形加工したものは、デプス型フィルタの機能を有するため、デプス型フィルタに分類される。デプス型フィルタは、1段で用いてもよいし、多段(例えば直接配列)で組み合わせて用いてもよいし、孔径の異なるフィルタを孔が大きい順に多段に組み合わせて用いてもよい。さらに、バッグタイプとカートリッジタイプを組み合わせて用いてもよい。
ろ過助剤含有フィルタは、ろ過助剤を含むフィルタである。ろ過助剤としては、例えば、二酸化ケイ素、カオリン、酸性白土、珪藻土、パーライト、ベントナイト、タルク等の不溶性の鉱物性物質が挙げられる。前記ろ過助剤のうち、分散性向上の観点から、二酸化ケイ素、珪藻土、パーライトが好ましく、珪藻土、パーライトがより好ましく、珪藻土がさらに好ましい。ろ過助剤含有フィルタは、前記ろ過助剤をフィルタ表面及びフィルタ内部のいずれか一方若しくは両方に含有するものとすることができる。
フィルタ孔径は、生産性、及びフィルタの長寿命化の観点から、0.1μm以上が好ましく、そして、分散性向上の観点から、1μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。
ろ過流速は、生産性の観点から、好ましくは20kg/(m2・分)以上、より好ましくは30kg/(m2・分)以上、更に好ましくは40kg/(m2・分)以上であり、そして、分散性向上、及びフィルタの長寿命化の観点から、好ましくは100kg/(m2・分)以下、より好ましくは80kg/(m2・分)以下、更に好ましくは65kg/(m2・分)以下である。本開示におけるろ過流速とは、単位面積当たりにろ過される時間あたりの重量であって、ろ過出口である2次側の弁を調整することにより調節できる。
ろ過方法としては、繰り返しろ過する循環式でもよく、1パス方式でもよい。また、1パス方式を繰り返すバッチ式を用いてもよい。通液方法は、加圧するために、循環式では好ましくはポンプが用いられ、1パス方式ではポンプを用いる他に、タンクに空気圧等を導入することでフィルタ入口圧力の変動幅が小さい加圧ろ過法を用いることができる。
(ろ過後のシリカ分散液)
前記被処理シリカ分散液Pが前記ろ過工程を経ることにより得られるシリカ分散液、すなわち、ろ過後のシリカ分散液のpHは、分散性及び品質安定性の観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは9.0以上、更に好ましくは9.5以上、更に好ましくは10.0以上であり、そして、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.3以下、更に好ましくは11.0以下、更に好ましくは10.8以下である。pHは前記分散液Pと同様の方法で測定できる。
ろ過後のシリカ分散液中の各成分(粒子A、化合物B、水、任意成分)の含有量は、前記分散液Pと同様とすることができる。
ろ過後のシリカ分散液中の粒子A 100質量部に対する化合物Bの含有量は、分散性及び保存安定性の向上、並びにフィルタの長寿命化の観点から、前記分散液Pと同様の値が好ましい。
ろ過後のシリカ分散液は、分散性及び保存安定性向上、並びにフィルタの長寿命化の観点から、前記分散液Pと同様、水溶性高分子化合物を実質的に含まないことが好ましく、ろ過後のシリカ分散液中の粒子A 100質量部に対する水溶性高分子化合物の量は、前記分散液Pと同様の値とすることができる。
ろ過後のシリカ分散液は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点、並びに、半導体基板の品質向上の観点から、前記分散液Pと同様、Na及びKを実質的に含まないことが好ましく、金属を実質的に含まないことがより好ましい。ろ過後のシリカ分散液中の粒子A 100質量部に対するNa及びKの合計量は、前記分散液Pと同様の値とすることができる。
ろ過後の分散液中の粗大粒子の含有量は、フィルタの長寿命化の観点、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)低減の観点、並びに、半導体基板の品質向上の観点から、好ましくは0個/mL以上、より好ましくは1×104個/mL以上であり、そして、100×104個/mL以下が好ましく、70×104個/mL以下がより好ましく、50×104個/mL以下が更に好ましく、40×104個/mL以下が更により好ましい。本開示において、粗大粒子の含有量は、PSS社製の「アキュサイザー780APS」を用いて検出される0.5μm以上のサイズの粒子数により算出される。
ろ過後の分散液の0.45μmフィルタの通液量は、フィルタの長寿命化の観点、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは10g/分以上、より好ましくは20g/分以上、更に好ましくは70g/分以上、更に好ましくは100g/分以上であり、そして、生産性の観点からは、好ましくは500g/分以下である。本開示において、0.45μmフィルタの通液量は、実施例に記載の方法に算出できる。
(研磨液組成物の製造方法)
前記ろ過後のシリカ分散液は、研磨剤砥粒、コーティング剤、フィラー、セラミックバインダー、触媒担体、吸着剤など、様々な分野に応用可能である。さらに、前記ろ過後のシリカ分散液は、半導体基板、磁気ディスク基板等の被研磨基板の研磨に用いられる研磨液組成物の原料シリカとして使用できる。したがって、本開示は、前記ろ過後のシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。
一般的に、研磨液組成物は、原料シリカ、水及び必要に応じて添加剤を配合してなるものである。したがって、本開示に係る研磨液組成物の製造方法は、前記ろ過後のシリカ分散液と水と添加剤とを公知の方法で配合する工程を含むことができる。本開示において「配合する」とは、前記ろ過後のシリカ分散液、水及び必要に応じて添加剤を同時に又は任意の順序で混合することを含む。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の混合器を用いて行うことができる。本開示において添加剤とは、被研磨基板の研磨に用いる研磨液組成物に配合され得る、原料シリカ以外の他の成分をいう。原料シリカ以外の他の成分としては、水溶性高分子化合物、酸、酸化剤、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物等が挙げられる。
本開示における研磨液組成物中の粒子Aの平均二次粒子径は、高研磨速度の確保の観点から、好ましくは70nm以上、より好ましくは90nm以上、更に好ましくは100nm以上であり、そして、高研磨速度の確保、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減の観点から、好ましくは150nm以下、より好ましくは140nm以下、更に好ましくは130nm以下である。本開示において研磨液組成物中のシリカ粒子の平均二次粒子径は、実施例に記載の方法により測定できる。研磨液組成物中の粒子Aの平均二次粒子径が、上述の分散液中の粒子Aの平均二次粒子径よりも大きくなる理由は、定かではないが、研磨液組成物中の水溶性高分子化合物の存在により粒子Aが架橋凝集すること等が考えられる。本開示における研磨液組成物中の粒子Aの一次粒子径は、上述の分散液中の粒子Aの一次粒子径と同様の値とすることができる。
本開示における研磨液組成物中の粒子Aの含有量は、高研磨速度の確保の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、そして、分散性及び保存安定性向上の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更により好ましくは1質量%以下、更により好ましくは0.5質量%以下である。
本開示における研磨液組成物中の化合物Bの含有量は、分散性及び保存安定性の向上の観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であり、そして、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.03質量%以下である。
本開示における研磨液組成物は、高研磨速度の確保、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、pH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤及び非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これら任意成分の含有量は、研磨速度確保の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.0025質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。
上記において説明した各成分の含有量は、研磨工程での使用時における含有量であり、本開示における研磨液組成物は、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び供給されてもよい。この場合、製造及び輸送コストをさらに低くできる点で好ましい。研磨液組成物の濃縮液は、必要に応じて前述の水で適宜希釈して研磨工程で使用することができる。希釈割合は5〜100倍とすることができる。
本開示に係る研磨液組成物の濃縮液の粘度は、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減、並びに高研磨速度の確保の観点から、1〜10mPa.sが好ましく、2〜9mPa.sがより好ましく、5〜8mPa.sが更に好ましい。本開示において、研磨液組成物の濃縮液の粘度は、実施例に記載の方法により測定できる。
本開示における研磨液組成物の25℃におけるpHは、高研磨速度の確保の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは10以上であり、安全性の観点から、好ましくは12以下、より好ましくは11以下である。本開示において、研磨液組成物のpHは、前記分散液Pと同様の方法により測定できる。
本開示における研磨液組成物の実施形態は、全ての成分が予め混合された状態で市場に供給される、いわゆる1液型であってもよいし、使用時に混合される、いわゆる2液型であってもよい。
(研磨液キットの製造方法)
前記ろ過後のシリカ分散液は、上述したとおり、研磨液組成物の原料シリカとして使用でき、原料シリカは容器に充填されることで、研磨液キットの製造に用いることが可能である。したがって、本開示は、シリカ分散液が容器に充填されたシリカ分散液を含む研磨液キットの製造方法であって、本開示に係るシリカ分散液の製造方法により前記シリカ分散液を製造する工程を含む、研磨液キットの製造方法に関する。本開示によれば、研磨後の基板表面の表面粗さ及び表面欠陥を低減できる研磨液組成物を製造可能な研磨液キットを提供できる。
本開示における研磨液キットは、例えば、上記ろ過後のシリカ分散液(第1液)と、被研磨物の研磨に用いる研磨液組成物に配合され得る添加剤を含有する溶液を含む添加剤水溶液(第2液)とが、相互に混合されていない状態で保存されており、これらが使用時に混合される研磨液キット(2液型研磨液組成物)が挙げられる。添加剤としては、例えば、水溶性高分子化合物、酸、酸化剤、複素環芳香族化合物、脂肪族アミン化合物、脂環式アミン化合物等が挙げられる。前記第1液及び第2液には、各々必要に応じて任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、例えば、増粘剤、防錆剤、界面活性剤等が挙げられる。前記第1液と第2液における各成分の含有量は、これらを混合し、更に必要に応じて水系媒体を添加することにより得られる研磨液組成物中の各成分の含有量、研磨液組成物の25℃におけるpHが、前記1液型研磨液組成物におけるそれと同じになるように設定されればよい。第1液と第2液の混合は、研磨対象面への供給前に行われてもよいし、これらは別々に供給されて被研磨基板の表面上で混合されてもよい。2液型の研磨液組成物では、第1液と第2液とが、互いに分けて保管されるので、第1液と第2液との混合時に、例えば、第2液の使用量を調整することにより、研磨液組成物中の添加剤の濃度を調整でき、種々の研磨液組成物を調整できる。
(半導体基板の製造方法)
本開示における研磨液組成物は、例えば、半導体基板の製造方法における、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程や、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む被研磨シリコンウェーハの研磨方法に用いられる。すなわち、本開示は、本開示に係る研磨液組成物の製造方法により得られる研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。研磨工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、30〜200gf/cm2の研磨圧力で被研磨基板を研磨する。本開示において研磨圧力とは、研磨時に被研磨基板の被研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。被研磨基板としては、例えば、シリコンウェーハが挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。
1.各種パラメータの測定方法
<研磨材(シリカ粒子)の平均一次粒子径>
研磨材の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
研磨材の比表面積は、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の研磨材を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
<研磨材(シリカ粒子)の平均二次粒子径>
研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて測定した。
<シリカ粒子のシラノール基量の測定>
シリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量は、差動型示差熱天秤(TG−DTA)(理学電機工業株式会社製、商品名:Thermo Plus TG8120)を用いて測定した。シリカ粒子乾燥粉末を、エアーフロー(300mL/min)下、25〜700℃まで10℃/分の速度で昇温し、200℃で測定した質量の残分をSiO2の質量(g)、200〜700℃までの加熱の間の質量の減量をシラノール由来の水の質量(g)として測定し、下記の式を用いてシラノール基量(mmoL/g)を算出した。
シラノール基量(mmoL/g)=(2×水の質量×1000/18)/SiO2の質量
<シリカ分散液の金属含有量>
シリカ分散液の金属含有量は、JIS−K0133に準拠し、ICP−MS(アジレント製7700S)を用いて測定した。フッ化水素酸によりシリカ粒子を完全溶解させた水溶液を用いた。ここでは、シリカ分散液に含まれるNaとKとの合計量を、シリカ分散液の金属含有量とした。
<シリカ分散液の水溶性高分子化合物含有量>
シリカ分散液の遠心分離(ベックマンコールター製Allegra64R遠心機、25000rpm(54502G)、60分間、25℃)により、該シリカ分散液からシリカ粒子を除去した透明上澄み液を得た。そして、得られた透明上澄み液において、全炭素分析(島津製作所製「TOC−L CPH」,測定限界値:1ppm)を行うことにより炭素量を検出し、該炭素量から、シリカ100質量部に対する炭素の量を算出した。そして、該算出結果から、シリカ分散液の水溶性高分子化合物含有量(すなわち、シリカ100質量部に対する水溶性高分子化合物の量)を求めた。
<シリカ分散液及び研磨液組成物のpH測定>
シリカ分散液又は研磨液組成物の25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定した値であり、電極のシリカ分散液又は研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
<研磨液組成物の濃縮液の粘度>
研磨液組成物の濃縮液の粘度は、JIS−Z8803に準拠し、B型粘度計(東機産業製BMII、ローターNo.1、60rpm)を用い、測定温度25℃で測定した。
<研磨液組成物中の研磨材(シリカ粒子)の平均二次粒子径>
研磨液組成物中の研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて25℃、積算10回、平衡時間0分の条件で測定した。粒子パラメータとしてシリカの屈折率1.45、吸収係数0.01、溶媒パラメータとして水の屈折率1.333、吸収係数0を用い、Z平均値を平均二次粒子径とした。
<重量平均分子量の測定>
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づいて算出した。
装置:HLC−8320 GPC(東ソー株式会社、検出器一体型)
カラム:TSKgel α−M+TSKgel α−M(カチオン、東ソー株式会社製)
溶離液:エタノール/水(=3/7)に対して、LiBr(50mmoL/L(0.43質量%))、CH3COOH(166.7mmoL/L(1.0質量%))を添加
流量:0.6mL/分
カラム温度:40℃
検出器:RI 検出器
標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール
2.シリカ分散液の調製
実施例1〜6、比較例1〜4のシリカ分散液の製造方法の詳細は下記のとおりである。
(実施例1)
室温下で撹拌しながら、粒子Aとしてのコロイダルシリカスラリー(シリカ粒子含有量:19.5質量%、pH7.1、平均一次粒子径:35nm、平均二次粒子径:70nm、会合度:2、単位質量当たりのシラノール基量:1.8mmoL/g) 50kgに、化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%) 1.3kgを添加し、更に30分間撹拌し、実施例1の分散液P(ろ過前)を得た。
実施例1の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が19.0質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が4質量部であった。そして、実施例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、実施例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、実施例1の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、実施例1の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、実施例1の分散液PのpHは10.4であった。
そして、室温下で、分散液Pをフィルタでろ過し、実施例1の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。フィルタには、1段目に孔径0.2μmデプス型フィルタ(ポール社製、プロファイII RM1F002H21)、2段目に孔径0.2μmプリーツ型フィルタ(アドバンテック社製、MCS−020−C10S、膜面積0.045m2)を直列接続した2段フィルタを用いた。ろ過工程におけるろ過流速は、ダイアフラムポンプ(ヤマダ製、DP−10F、元圧0.2MPa)を用いて調節した。実施例1において、プリーツ型フィルタ膜面積当りの平均ろ過流速(以下、単にろ過流速という)は50kg/(m2・分)であった。また、実施例1の分散液P:35kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したことから、フィルタ寿命は780kg/m2と算出した。
(実施例2)
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を3.1kgに変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例2の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が18.5質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が9質量部であった。そして、実施例2の分散液Pは、粒子A 100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを含まない。さらに、実施例2の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、実施例2の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、実施例2の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、実施例2の分散液PのpHが11.0であった。
実施例2のろ過工程において、ろ過流速は60kg/(m2・分)であった。また、実施例2の分散液P:41kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したことから、フィルタ寿命は900kg/m2と算出した。
(実施例3)
2段目のフィルタを、孔径0.45μmのプリーツ型フィルタ(アドバンテック製、MCS−045−C10S、膜面積0.045m2)に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして、実施例3の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例3の分散液P(ろ過前)は、実施例1の分散液Pと同じ組成及びpHの超高純度シリカ分散液であった。
実施例3のろ過工程において、ろ過流速は50kg/(m2・分)であった。また、実施例3の分散液P:38kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したことから、フィルタ寿命は850kg/m2と算出した。
(実施例4)
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を3.1kgに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例4の分散液P(ろ過前)は、実施例2の分散液Pと同じ組成及びpHの超高純度シリカ分散液であった。
実施例4のろ過工程において、ろ過流速は60kg/(m2・分)であった。フィルタ閉塞はなかったので、フィルタ寿命は1000kg/m2以上と判断した。
(実施例5)
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を0.67kgに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例5の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例5の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が19.2質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が2質量部であった。そして、実施例5の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、実施例5の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、実施例5の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、実施例5の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、実施例5の分散液PのpHが10.2であった。
実施例5のろ過工程において、ろ過流速は40kg/(m2・分)であった。また、実施例5の分散液P:32kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したため、フィルタ寿命は700kg/m2と算出した。
(比較例1)
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)1.3kgを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、比較例1の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
比較例1の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が19.5質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が0質量部であった。そして、比較例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、比較例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、比較例1の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、比較例1の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、比較例1の分散液PのpHが7.1であった。
比較例1では、比較例1の分散液P:0.2kgをろ過した時に、プリーツ型フィルタが閉塞したので、フィルタ寿命は4kg/m2と算出した。なお、得られたシリカ分散液が少なかったため、ろ過流速及びフィルタ通液量を測定できなかった。
(比較例2)
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)1.3kgを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様に、比較例2の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
比較例2の分散液P(ろ過前)は、比較例1の分散液Pと同じ組成及びpHの超高純度シリカ分散液であった。
比較例2のろ過工程において、ろ過流速は14kg/(m2・分)であった。また、比較例2の分散液P:11kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したため、フィルタ寿命は250kg/m2と算出した。
(比較例3)
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を6.7kgとしたこと以外は、実施例3と同様に、比較例3の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
比較例3の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が18.0質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が20質量部であった。そして、比較例3の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、比較例3の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、比較例3の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、比較例3の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、比較例3の分散液PのpHが12.0であった。
比較例3のろ過工程において、ろ過流速は70kg/(m2・分)であった。フィルタ閉塞がなかったため、フィルタ寿命は1000kg/m2以上と評価した。ただし、局所排気を使用しても、アンモニア臭が充満し、作業環境が悪かった。
(比較例4)
フィルタによるろ過処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様に、比較例4の超高純度シリカ分散液を得た。すなわち、実施例1の分散液Pを、比較例4の超高純度シリカ分散液とした。
3.シリカ分散液の評価
<シリカ分散液の分散性>
シリカ分散液の分散性は、室温下、0.45μmフィルタ通液量(g/分)により評価し、表1に結果を示した。圧力計、エアーライン、スクリューコックを接続した耐圧容器(アドバンテック製、商品名:コンパクトカートリッジハウジングPSF−2000P)にシリカ分散液500gを入れ、孔径:0.45μm、材質:親水化ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、サイズ:25mmのフィルタ(アドバンテック製、商品名:DISMIC 25HP045AN、膜面積0.0004m2)で0.2MPaの加圧ろ過した時、ろ過開始4分間でフィルタを通液したシリカ分散液の質量(g)から1分当りのフィルタ通液量(g/分)を測定した。なお、実施例1、2においてのみ、ろ過開始1分間でフィルタを通液したシリカ分散液の質量を測定した。
<シリカ分散液の保存安定性>
シリカ分散液の保存安定性は、室温(25℃)で2週間静置保存後のシリカ分散液のフィルタ通液量を測定し、保存前のフィルタ通液量に対する保存後のフィルタ通液量の低下割合(%)により評価した、表1に示した。
Figure 2017117847
表1に示されるように、実施例1〜5では、シリカ粒子 100質量部に対する化合物Bの含有量が1質量部未満の比較例1及び2、ろ過処理しない比較例4に比べて、分散性に優れる超高純度シリカ分散液が得られ、また、フィルタ寿命が長かった。実施例1〜5の超高純度シリカ分散液は、シリカ粒子100質量部に対する化合物Bの含有量が15質量部を超える比較例3に比べて、保存安定性に優れていた。
4.水溶性高分子化合物の詳細
下記の実施例6〜8、比較例5の研磨液組成物の調製に用いた水溶性高分子化合物の詳細は下記のとおりである。
[HEAA単独重合体]
ヒドロキシエチルアクリルアミド150g(1.30moL KJケミカルズ興人社製、純分99.25質量%、水分0.35質量%、重合禁止剤メチルヒドロキノン0.10質量%、APHA色相30)を100gのイオン交換水に溶解し、モノマー水溶液を調製した。また、別に、2,2’−アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド 0.035g(重合開始剤、V−50 1.30mmoL 和光純薬製)を70gのイオン交換水に溶解し、重合開始剤水溶液を調製した。ジムロート冷却管、温度計および三日月形PTFE製撹拌翼を備えた2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水1180gを投入した後、セパラブルフラスコ内を窒素置換した。次いで、オイルバスを用いてセパラブルフラスコ内の温度を68℃に昇温した後、予め調製したモノマー水溶液と重合開始剤水溶液を各々3.5時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、温度及び撹拌を4時間保持し、無色透明の10質量%ポリヒドロキシエチルアクリルアミド水溶液(HEAA単独重合体)1500gを得た。
調製されたHEAA単独重合体の重量平均分子量(Mw)は720000、数平均分子量(Mn)は150000、分子量分布(Mw/Mn)は4.8、残存モノマー濃度は0.1質量%、金属濃度は、Na=740ppb、Mg=100ppb、Al=18ppb、K=150ppb、Ca=130ppb、Ti=2ppb、Cr=3ppb、Mn=3ppb、Fe=43ppb、Ni=3ppb、Cu=2ppb、Zn=14ppb、Ag<1ppb、Pb=7ppbであった。
[ポリグリセリン]
ポリグリセリン(重量平均分子量2981)は、ダイセル化学社製のポリグリセリン40(PGLX、40重量体)を用いた。
[HEC]
ヒドロキシエチルセルロース(HEC、重量平均分子量250000)は、ダイセルファインケム社製のSE−400を用いた。
5.研磨液組成物の調製
実施例3または比較例4で得られた超高純度シリカ分散液と、表2に示す水溶性高分子化合物と、ポリエチレングリコール((EO平均付加モル数=25、Mw:1000(カタログ値)、和光純薬(株))、含窒素塩基性化合物(29質量%、アンモニア水、関東化学(株)、電子工業用))、及び超純水(電気抵抗率18MΩ.cm)を用いて、実施例7〜9及び比較例5の研磨液組成物の濃縮液を製造した。該濃縮液を40倍に希釈して得た研磨液組成物中の各成分の含有量は、シリカ粒子の含有量が0.25質量%、水溶性高分子化合物の含有量が0.02質量%、アンモニアの含有量が0.023質量%、ポリエチレングリコールの含有量が0.0002質量%である。シリカ粒子、水溶性高分子化合物、ポリエチレングリコール、含窒素塩基性化合物を除いた残余は超純水である。
<研磨方法>
実施例6〜8及び比較例5の研磨液組成物の濃縮液をイオン交換水で40倍に希釈して得た研磨液組成物(pH10.6±0.1(25℃))について、研磨直前にフィルタ(コンパクトカートリッジフィルタ MCP−LX−C10S アドバンテック株式会社)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記のシリコンウェーハ(直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ(伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満))に対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨液組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供したシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)は、2.680(ppm)であった。表面粗さ(ヘイズ)は、KLA Tencor社製のSurfscan SP1−DLS(商品名)を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
<仕上げ研磨条件>
研磨機:片面8インチ研磨機GRIND-X SPP600s(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度64、厚さ 1.37mm ナップ長450um 開口径60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/cm2
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:60rpm
仕上げ研磨後、シリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ水溶液をノズルから流速1L/分で回転(600rpm)するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5質量%のフッ化水素アンモニウム(特級:ナカライテクス株式会社)を含んだ水溶液をノズルから流速1L/分で回転(600rpm)するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
7.研磨評価
<シリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の評価>
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)(ppm)の評価には、KLA Tencor社製のSurfscan SP1−DLS(商品名)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値を用いた。表面欠陥(LPD)(個)は、Haze測定時に同時に測定され、シリコンウェーハ表面の粒子径が45nm以上のパーティクル数を測定することによって評価した。Hazeの数値は小さいほど、表面の平坦性が高いことを示す。LPDの数値(パーティクル数)が小さいほど、表面欠陥が少ないことを示す。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の結果を表1に示した。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の測定は、各々2枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を表2に示した。表面欠陥(LPD)の評価基準は下記のとおりである。
A:表面欠陥(LPD)が400未満の場合
B:表面欠陥(LPD)が400以上1000未満の場合
C:表面欠陥(LPD)が1000以上の場合
<研磨速度の評価>
研磨速度は以下の方法で評価した。研磨前後の各シリコンウェーハの重さを精密天秤(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、得られた重量差をシリコンウェーハの密度、面積及び研磨時間で除して、単位時間当たりの片面研磨速度を求めた。実施例8の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度を100とした相対値を表2に示した。
Figure 2017117847
表2に示されるように、実施例3の超高純度シリカ分散液(ろ過処理したもの)を用いて製造された実施例6〜8の研磨液組成物は、比較例4の超高純度シリカ分散液(ろ過処理していないもの)を用いて製造された比較例5の研磨液組成物に比べて、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)が低減されていた。
本開示に係るシリカ分散液を用いた研磨液組成物は、様々な半導体基板の製造過程で用いられる研磨液組成物として有用であり、なかでも、シリコンウェーハの仕上げ研磨用の研磨液組成物として有用である。

Claims (10)

  1. シリカ分散液の製造方法であって、
    シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、
    被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、
    被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物、ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法。
  2. シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造に用いられるシリカ分散液の製造方法であって、
    シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、
    被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、
    被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法。
  3. 被処理シリカ分散液PのpHが、8.0以上11.5以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 含窒素塩基性化合物Bが、アンモニアである、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記ろ過工程が、プリーツ型フィルタでろ過する工程を含む、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記ろ過工程におけるろ過流速が、20kg/(m2・分)以上100kg/(m2・分)以下である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により得られるシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製する工程を含む、研磨液組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の研磨液組成物の製造方法により得られる研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
  9. 被研磨基板が、シリコンウェーハである、請求項8に記載の半導体基板の製造方法。
  10. シリカ分散液が容器に充填されたシリカ分散液を含む研磨液キットの製造方法であって、
    請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により前記シリカ分散液を製造する工程を含む、研磨液キットの製造方法。
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