JP2017117847A - シリカ分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示に係るシリカ分散液の製造方法は、被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含む。本開示において「被処理シリカ分散液」は、ろ過処理に供される前のシリカスラリー(シリカ分散液)をいう。本開示における被処理シリカ分散液P(以下、分散液Pともいう)は、シリカ粒子A、含窒素塩基性化合物B及び水を含有する。分散液P及び該分散液Pをろ過後に得られるシリカ分散液としては、高研磨速度の確保、並びに、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)低減の観点から、前記超高純度シリカ分散液であることが好ましい。
分散液Pに含まれるシリカ粒子A(以下、粒子Aともいう)としては、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられ、コロイダルシリカが好ましい。粒子Aの使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。粒子Aは、超高純度シリカであることが好ましい。本開示において「超高純度シリカ」は、純度が99.99質量%以上のシリカをいう。超高純度シリカの純度としては、99.999質量%以上が好ましく、99.9999質量%以上がさらに好ましい。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
分散液Pに含まれる含窒素塩基性化合物B(以下、化合物Bともいう)としては、分散性及び保存安定性向上、並びにフィルタの長寿命化の観点から、例えば、アンモニア、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。化合物Bの具体例としては、例えば、アンモニア;水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アンモニウム化合物;水酸化テトラメチルアンモニウム等の有機アンモニウム化合物;ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、ジエチレントリアミン等のアルキルアミン化合物;及び、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N一ジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノ−ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの化合物Bは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、化合物Bとしては、分散性及び保存安定性向上の観点から、アンモニア、アンモニアとアルカノールアミン化合物との混合物が好ましく、アンモニアがより好ましい。
分散液Pに含まれる水としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。分散液P中の水の含有量は、100質量%から粒子A、化合物B及び必要に応じて添加される下記任意成分を除いた残余とすることができる。
分散液Pは、さらにその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、防腐剤、pH調整剤等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、過酸化水素、有機臭素系化合物、有機窒素硫黄系化合物、有機ヨウ素系化合物、有機硫黄系化合物及びトリアジン系化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、防腐性能及びシリカ分散液の分散性の観点から、好ましくは過酸化水素である。pH調整剤としては、例えば、酸性化合物が挙げられる。酸性化合物としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸;酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸;等が挙げられる。これらの酸は、化合物Bとの塩として存在してもよい。
本開示における分散液Pは、例えば、前記粒子A、前記化合物B、前記水及び任意成分を上述の範囲で配合することにより調製できる。本開示において「配合する」とは、粒子A、化合物B及び水、並びに必要に応じて任意成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。分散液Pの調製における各成分の配合量は、上述の本開示に係る分散液P中の各成分の含有量と同じとすることができる。
分散液PのpHは、分散性及びフィルタの長寿命化の観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは9.0以上、更に好ましくは9.5以上、更に好ましくは10.0以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.3以下、更に好ましくは11.0以下、更に好ましくは10.8以下である。本開示においてpHは25℃における値であって、pHメータを用いて測定した値である。具体的には、実施例に記載の方法で測定できる。
本開示におけるろ過工程は、生産性の観点から、フィルタを用いてろ過処理する工程を含むことが好ましい。フィルタとしては、従来から用いられているプリーツ型フィルタ、デプス型フィルタ、ろ過助剤含有フィルタ等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることができる。粗大粒子の低減の観点からは、プリーツ型フィルタが好ましく、より好ましくはデプス型フィルタとプリーツ型フィルタの組み合わせである。
前記被処理シリカ分散液Pが前記ろ過工程を経ることにより得られるシリカ分散液、すなわち、ろ過後のシリカ分散液のpHは、分散性及び品質安定性の観点から、好ましくは8.0以上、より好ましくは9.0以上、更に好ましくは9.5以上、更に好ましくは10.0以上であり、そして、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.3以下、更に好ましくは11.0以下、更に好ましくは10.8以下である。pHは前記分散液Pと同様の方法で測定できる。
前記ろ過後のシリカ分散液は、研磨剤砥粒、コーティング剤、フィラー、セラミックバインダー、触媒担体、吸着剤など、様々な分野に応用可能である。さらに、前記ろ過後のシリカ分散液は、半導体基板、磁気ディスク基板等の被研磨基板の研磨に用いられる研磨液組成物の原料シリカとして使用できる。したがって、本開示は、前記ろ過後のシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。
前記ろ過後のシリカ分散液は、上述したとおり、研磨液組成物の原料シリカとして使用でき、原料シリカは容器に充填されることで、研磨液キットの製造に用いることが可能である。したがって、本開示は、シリカ分散液が容器に充填されたシリカ分散液を含む研磨液キットの製造方法であって、本開示に係るシリカ分散液の製造方法により前記シリカ分散液を製造する工程を含む、研磨液キットの製造方法に関する。本開示によれば、研磨後の基板表面の表面粗さ及び表面欠陥を低減できる研磨液組成物を製造可能な研磨液キットを提供できる。
本開示における研磨液組成物は、例えば、半導体基板の製造方法における、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程や、被研磨シリコンウェーハを研磨する研磨工程を含む被研磨シリコンウェーハの研磨方法に用いられる。すなわち、本開示は、本開示に係る研磨液組成物の製造方法により得られる研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する研磨工程を含む、半導体基板の製造方法に関する。研磨工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨基板を挟み込み、30〜200gf/cm2の研磨圧力で被研磨基板を研磨する。本開示において研磨圧力とは、研磨時に被研磨基板の被研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。被研磨基板としては、例えば、シリコンウェーハが挙げられる。
<研磨材(シリカ粒子)の平均一次粒子径>
研磨材の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
[前処理]
(a)スラリー状の研磨材を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて測定した。
シリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量は、差動型示差熱天秤(TG−DTA)(理学電機工業株式会社製、商品名:Thermo Plus TG8120)を用いて測定した。シリカ粒子乾燥粉末を、エアーフロー(300mL/min)下、25〜700℃まで10℃/分の速度で昇温し、200℃で測定した質量の残分をSiO2の質量(g)、200〜700℃までの加熱の間の質量の減量をシラノール由来の水の質量(g)として測定し、下記の式を用いてシラノール基量(mmoL/g)を算出した。
シラノール基量(mmoL/g)=(2×水の質量×1000/18)/SiO2の質量
シリカ分散液の金属含有量は、JIS−K0133に準拠し、ICP−MS(アジレント製7700S)を用いて測定した。フッ化水素酸によりシリカ粒子を完全溶解させた水溶液を用いた。ここでは、シリカ分散液に含まれるNaとKとの合計量を、シリカ分散液の金属含有量とした。
シリカ分散液の遠心分離(ベックマンコールター製Allegra64R遠心機、25000rpm(54502G)、60分間、25℃)により、該シリカ分散液からシリカ粒子を除去した透明上澄み液を得た。そして、得られた透明上澄み液において、全炭素分析(島津製作所製「TOC−L CPH」,測定限界値:1ppm)を行うことにより炭素量を検出し、該炭素量から、シリカ100質量部に対する炭素の量を算出した。そして、該算出結果から、シリカ分散液の水溶性高分子化合物含有量(すなわち、シリカ100質量部に対する水溶性高分子化合物の量)を求めた。
シリカ分散液又は研磨液組成物の25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定した値であり、電極のシリカ分散液又は研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
研磨液組成物の濃縮液の粘度は、JIS−Z8803に準拠し、B型粘度計(東機産業製BMII、ローターNo.1、60rpm)を用い、測定温度25℃で測定した。
研磨液組成物中の研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて25℃、積算10回、平衡時間0分の条件で測定した。粒子パラメータとしてシリカの屈折率1.45、吸収係数0.01、溶媒パラメータとして水の屈折率1.333、吸収係数0を用い、Z平均値を平均二次粒子径とした。
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づいて算出した。
装置:HLC−8320 GPC(東ソー株式会社、検出器一体型)
カラム:TSKgel α−M+TSKgel α−M(カチオン、東ソー株式会社製)
溶離液:エタノール/水(=3/7)に対して、LiBr(50mmoL/L(0.43質量%))、CH3COOH(166.7mmoL/L(1.0質量%))を添加
流量:0.6mL/分
カラム温度:40℃
検出器:RI 検出器
標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール
実施例1〜6、比較例1〜4のシリカ分散液の製造方法の詳細は下記のとおりである。
室温下で撹拌しながら、粒子Aとしてのコロイダルシリカスラリー(シリカ粒子含有量:19.5質量%、pH7.1、平均一次粒子径:35nm、平均二次粒子径:70nm、会合度:2、単位質量当たりのシラノール基量:1.8mmoL/g) 50kgに、化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%) 1.3kgを添加し、更に30分間撹拌し、実施例1の分散液P(ろ過前)を得た。
実施例1の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が19.0質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が4質量部であった。そして、実施例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、実施例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、実施例1の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、実施例1の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、実施例1の分散液PのpHは10.4であった。
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を3.1kgに変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例2の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が18.5質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が9質量部であった。そして、実施例2の分散液Pは、粒子A 100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを含まない。さらに、実施例2の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、実施例2の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、実施例2の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、実施例2の分散液PのpHが11.0であった。
実施例2のろ過工程において、ろ過流速は60kg/(m2・分)であった。また、実施例2の分散液P:41kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したことから、フィルタ寿命は900kg/m2と算出した。
2段目のフィルタを、孔径0.45μmのプリーツ型フィルタ(アドバンテック製、MCS−045−C10S、膜面積0.045m2)に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして、実施例3の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例3の分散液P(ろ過前)は、実施例1の分散液Pと同じ組成及びpHの超高純度シリカ分散液であった。
実施例3のろ過工程において、ろ過流速は50kg/(m2・分)であった。また、実施例3の分散液P:38kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したことから、フィルタ寿命は850kg/m2と算出した。
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を3.1kgに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例4の分散液P(ろ過前)は、実施例2の分散液Pと同じ組成及びpHの超高純度シリカ分散液であった。
実施例4のろ過工程において、ろ過流速は60kg/(m2・分)であった。フィルタ閉塞はなかったので、フィルタ寿命は1000kg/m2以上と判断した。
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を0.67kgに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例5の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
実施例5の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が19.2質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が2質量部であった。そして、実施例5の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、実施例5の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、実施例5の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、実施例5の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、実施例5の分散液PのpHが10.2であった。
実施例5のろ過工程において、ろ過流速は40kg/(m2・分)であった。また、実施例5の分散液P:32kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したため、フィルタ寿命は700kg/m2と算出した。
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)1.3kgを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、比較例1の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
比較例1の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が19.5質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が0質量部であった。そして、比較例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、比較例1の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、比較例1の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、比較例1の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、比較例1の分散液PのpHが7.1であった。
比較例1では、比較例1の分散液P:0.2kgをろ過した時に、プリーツ型フィルタが閉塞したので、フィルタ寿命は4kg/m2と算出した。なお、得られたシリカ分散液が少なかったため、ろ過流速及びフィルタ通液量を測定できなかった。
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)1.3kgを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様に、比較例2の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
比較例2の分散液P(ろ過前)は、比較例1の分散液Pと同じ組成及びpHの超高純度シリカ分散液であった。
比較例2のろ過工程において、ろ過流速は14kg/(m2・分)であった。また、比較例2の分散液P:11kgをろ過した時にプリーツ型フィルタが閉塞したため、フィルタ寿命は250kg/m2と算出した。
化合物Bとしてのアンモニア水(NH3=29質量%)の添加量を6.7kgとしたこと以外は、実施例3と同様に、比較例3の超高純度シリカ分散液(ろ過後)を得た。
比較例3の分散液P(ろ過前)は、シリカ粒子含有量が18.0質量%、粒子A100質量部に対する化合物Bの量が20質量部であった。そして、比較例3の分散液Pは、粒子A100質量部に対するNa及びKの合計量が1×10-4質量部未満であり、Na及びKを実質的に含まない。さらに、比較例3の分散液Pは、粒子A100質量部に対する炭素量が5×10-4質量部未満であった。該炭素量から換算される、粒子A100質量部に対する水溶性高分子化合物の量が1×10-2質量部未満であり、比較例3の分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない。すなわち、比較例3の分散液P(ろ過前)は、超高純度シリカ分散液であった。そして、比較例3の分散液PのpHが12.0であった。
比較例3のろ過工程において、ろ過流速は70kg/(m2・分)であった。フィルタ閉塞がなかったため、フィルタ寿命は1000kg/m2以上と評価した。ただし、局所排気を使用しても、アンモニア臭が充満し、作業環境が悪かった。
フィルタによるろ過処理をしなかったこと以外は、実施例1と同様に、比較例4の超高純度シリカ分散液を得た。すなわち、実施例1の分散液Pを、比較例4の超高純度シリカ分散液とした。
<シリカ分散液の分散性>
シリカ分散液の分散性は、室温下、0.45μmフィルタ通液量(g/分)により評価し、表1に結果を示した。圧力計、エアーライン、スクリューコックを接続した耐圧容器(アドバンテック製、商品名:コンパクトカートリッジハウジングPSF−2000P)にシリカ分散液500gを入れ、孔径:0.45μm、材質:親水化ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、サイズ:25mmのフィルタ(アドバンテック製、商品名:DISMIC 25HP045AN、膜面積0.0004m2)で0.2MPaの加圧ろ過した時、ろ過開始4分間でフィルタを通液したシリカ分散液の質量(g)から1分当りのフィルタ通液量(g/分)を測定した。なお、実施例1、2においてのみ、ろ過開始1分間でフィルタを通液したシリカ分散液の質量を測定した。
シリカ分散液の保存安定性は、室温(25℃)で2週間静置保存後のシリカ分散液のフィルタ通液量を測定し、保存前のフィルタ通液量に対する保存後のフィルタ通液量の低下割合(%)により評価した、表1に示した。
下記の実施例6〜8、比較例5の研磨液組成物の調製に用いた水溶性高分子化合物の詳細は下記のとおりである。
ヒドロキシエチルアクリルアミド150g(1.30moL KJケミカルズ興人社製、純分99.25質量%、水分0.35質量%、重合禁止剤メチルヒドロキノン0.10質量%、APHA色相30)を100gのイオン交換水に溶解し、モノマー水溶液を調製した。また、別に、2,2’−アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド 0.035g(重合開始剤、V−50 1.30mmoL 和光純薬製)を70gのイオン交換水に溶解し、重合開始剤水溶液を調製した。ジムロート冷却管、温度計および三日月形PTFE製撹拌翼を備えた2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水1180gを投入した後、セパラブルフラスコ内を窒素置換した。次いで、オイルバスを用いてセパラブルフラスコ内の温度を68℃に昇温した後、予め調製したモノマー水溶液と重合開始剤水溶液を各々3.5時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、温度及び撹拌を4時間保持し、無色透明の10質量%ポリヒドロキシエチルアクリルアミド水溶液(HEAA単独重合体)1500gを得た。
ポリグリセリン(重量平均分子量2981)は、ダイセル化学社製のポリグリセリン40(PGLX、40重量体)を用いた。
ヒドロキシエチルセルロース(HEC、重量平均分子量250000)は、ダイセルファインケム社製のSE−400を用いた。
実施例3または比較例4で得られた超高純度シリカ分散液と、表2に示す水溶性高分子化合物と、ポリエチレングリコール((EO平均付加モル数=25、Mw:1000(カタログ値)、和光純薬(株))、含窒素塩基性化合物(29質量%、アンモニア水、関東化学(株)、電子工業用))、及び超純水(電気抵抗率18MΩ.cm)を用いて、実施例7〜9及び比較例5の研磨液組成物の濃縮液を製造した。該濃縮液を40倍に希釈して得た研磨液組成物中の各成分の含有量は、シリカ粒子の含有量が0.25質量%、水溶性高分子化合物の含有量が0.02質量%、アンモニアの含有量が0.023質量%、ポリエチレングリコールの含有量が0.0002質量%である。シリカ粒子、水溶性高分子化合物、ポリエチレングリコール、含窒素塩基性化合物を除いた残余は超純水である。
実施例6〜8及び比較例5の研磨液組成物の濃縮液をイオン交換水で40倍に希釈して得た研磨液組成物(pH10.6±0.1(25℃))について、研磨直前にフィルタ(コンパクトカートリッジフィルタ MCP−LX−C10S アドバンテック株式会社)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記のシリコンウェーハ(直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ(伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満))に対して仕上げ研磨を行った。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨液組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供したシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)は、2.680(ppm)であった。表面粗さ(ヘイズ)は、KLA Tencor社製のSurfscan SP1−DLS(商品名)を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
研磨機:片面8インチ研磨機GRIND-X SPP600s(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度64、厚さ 1.37mm ナップ長450um 開口径60um)
シリコンウェーハ研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/cm2
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:60rpm
<シリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の評価>
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)(ppm)の評価には、KLA Tencor社製のSurfscan SP1−DLS(商品名)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値を用いた。表面欠陥(LPD)(個)は、Haze測定時に同時に測定され、シリコンウェーハ表面の粒子径が45nm以上のパーティクル数を測定することによって評価した。Hazeの数値は小さいほど、表面の平坦性が高いことを示す。LPDの数値(パーティクル数)が小さいほど、表面欠陥が少ないことを示す。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の結果を表1に示した。表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の測定は、各々2枚のシリコンウェーハに対して行い、各々平均値を表2に示した。表面欠陥(LPD)の評価基準は下記のとおりである。
A:表面欠陥(LPD)が400未満の場合
B:表面欠陥(LPD)が400以上1000未満の場合
C:表面欠陥(LPD)が1000以上の場合
研磨速度は以下の方法で評価した。研磨前後の各シリコンウェーハの重さを精密天秤(Sartorius社製「BP−210S」)を用いて測定し、得られた重量差をシリコンウェーハの密度、面積及び研磨時間で除して、単位時間当たりの片面研磨速度を求めた。実施例8の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度を100とした相対値を表2に示した。
Claims (10)
- シリカ分散液の製造方法であって、
シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、
被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、
被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物、ナトリウム及びカリウムを実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法。 - シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造に用いられるシリカ分散液の製造方法であって、
シリカ粒子Aと含窒素塩基性化合物Bと水とを含有する被処理シリカ分散液Pをろ過するろ過工程を含み、
被処理シリカ分散液Pにおけるシリカ粒子A 100質量部に対する含窒素塩基性化合物Bの含有量が、1質量部以上15質量部以下であり、
被処理シリカ分散液Pは、水溶性高分子化合物を実質的に含まない、シリカ分散液の製造方法。 - 被処理シリカ分散液PのpHが、8.0以上11.5以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 含窒素塩基性化合物Bが、アンモニアである、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記ろ過工程が、プリーツ型フィルタでろ過する工程を含む、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記ろ過工程におけるろ過流速が、20kg/(m2・分)以上100kg/(m2・分)以下である、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により得られるシリカ分散液を用いて研磨液組成物を調製する工程を含む、研磨液組成物の製造方法。
- 請求項7に記載の研磨液組成物の製造方法により得られる研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
- 被研磨基板が、シリコンウェーハである、請求項8に記載の半導体基板の製造方法。
- シリカ分散液が容器に充填されたシリカ分散液を含む研磨液キットの製造方法であって、
請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により前記シリカ分散液を製造する工程を含む、研磨液キットの製造方法。
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