JP2017120122A - ホースおよびその製法 - Google Patents

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Kota Katsuki
宏大 香月
亮 平井
Akira Hirai
亮 平井
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Abstract

【課題】押出成形による寸法安定性に優れるホース、およびその製法を提供する。【解決手段】セルロース短繊維を含有するゴム組成物からなるホースであって、セルロース短繊維2が、ホース1の長手方向に対して平行に配向している。また、ホースの製法であって、セルロース短繊維を含有するゴム組成物を、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形して加硫する工程を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ホース、水系ホース、エアーホース等として用いられる、ホースおよびその製法に関するものである。
自動車用の燃料配管等に用いられる燃料ホースでは、そのホース材料として、燃料バリア性が高いことから、アクリロニトリルブタジエンゴム中にポリ塩化ビニルを熱溶融させたポリマー(NBR−PVC)等が好ましく用いられる。通常、上記ホースは、ゴム材料をホース状に押出成形した後にマンドレルを用いて曲げ成型することにより製造されるが、近年、マンドレルを用いずに上記ゴム材料をホース状に中空押出成形する製法もあり、さらには、偏肉させながら中空押出成形を行うことにより、マンドレルや金型を用いなくとも曲管のホースを製造する技術も開発されている(例えば、特許文献1等参照)。
特許第3374513号公報
しかしながら、上記のようにゴム材料をホース状に押出成形する際、スウェル(押出時の厚肉化)の発生による寸法精度の低下といった課題がある。従来では、このようなスウェルは、押出し時に未加硫ゴムホースを引き取ることにより対処していた。しかし、このような対処法では加硫する際の熱による収縮が大きくなることから、寸法精度の低下といった問題がある。さらに、マンドレルを用いない中空押出成形では、加硫する際にマンドレルによる収縮抑制ができないため、より寸法安定性の高さが求められている。よって、これらの問題にも対処した、寸法安定性の高いゴムホースが求められている。
また、NBR−PVC製のホースは、先に述べたように燃料バリア性に優れることから、燃料ホースとして有用であるが、その燃料バリア性をより高めるためにニトリル量の多いグレードのNBR−PVCを用いると、加硫時の熱により軟化しやすく、ホースのへたりが発生するといった問題もある。この問題は、中空押出成形によりホースを製造する際に顕著にみられ、その解決が求められる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、押出成形による寸法安定性に優れるホース、およびその製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、セルロース短繊維を含有するゴム組成物からなるホースであって、上記セルロース短繊維が、ホースの長手方向に対して平行に配向しているホースを第一の要旨とする。
また、本発明は、上記第一の要旨のホースの製法であって、セルロース短繊維を含有するゴム組成物を、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形して加硫する工程を備えているホースの製法を第二の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、ホース材料であるゴム組成物中に、ホースの寸法安定性が得られるようになるまでフィラーを添加することを検討した。しかしながら、ホースの寸法安定性が得られるようになるまでフィラーを添加するには、多量にフィラーを添加しなければならず、押出加工性の悪化、ホースの柔軟性の悪化等の問題が新たに生じたことから、このような問題を生じずに、ホースの寸法安定性の改善に特化したフィラーの検討を行った。その結果、セルロース短繊維をフィラーとして用いたところ、ゴム成分との親和性もよく、ゴム成分中で良好な分散性を示すことを見いだした。そして、上記セルロース短繊維は、多量に添加しなくとも、そのセルロース短繊維が、ホースの押出成形時に、ホースの長手方向に対して平行に配向することにより、上記押出時におけるゴム組成物の流れを押出方向に拘束する作用を示すため、押出時におけるゴム組成物の流れの乱れからくるスウェル等の問題を解消することができ、さらに加硫時の収縮も抑えられ、しかも加硫時のへたりに対する補強性も高まるようになることを突き止めた。これらのことから、セルロース短繊維がホースの長手方向に対して平行に配向してなる本発明のホースは、寸法安定性の高いゴムホースとなることを見いだし、本発明に到達した。
また、上記ホースの製造において、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形して加硫すると、マンドレル使用の加硫の際に時々みられるホース内周面のアバタの発生を解消することができることを突き止めた。なお、上記アバタは、ホース製造時に使用するマンドレルと、ホース内周面との間に溜まった水分および離型剤が蒸発し、その力にゴムの弾性力が負けて発生した気泡痕であり、燃料ホースにおいては、燃料洩れの要因となりうる。そして、本発明のように、セルロース短繊維を含有するゴム組成物を、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形すると、従来の中空押出成形において頻繁にみられたスウェル等の問題や、加硫時の収縮の問題、さらには加硫時のへたりの問題も解消することができる。さらに、偏肉させながら中空押出成形を行うことにより、マンドレルや金型を用いなくとも曲管のホースを製造することも可能となる。
以上のように、本発明のホースは、セルロース短繊維を含有するゴム組成物からなるホースであって、上記セルロース短繊維が、ホースの長手方向に対して平行に配向しているホースである。そのため、押出成形による寸法安定性に優れており、寸法精度の高いゴムホースとすることができる。
特に、上記セルロース短繊維の平均繊維長が50〜500μmの範囲であると、より寸法安定性に優れるようになる。
また、上記ゴム組成物におけるセルロース短繊維の含有割合が、ゴム成分100重量部に対し3〜120重量部の範囲であると、押出加工性の悪化、押出肌の悪化、硬さや伸びの悪化によるホースの柔軟性の悪化等の問題を生じることなく、良好な寸法安定性のホースとすることができる。
また、上記ゴム組成物におけるゴム成分が、アクリロニトリルブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドポリマー(NBR−PVC)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、およびエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群から選ばれた少なくとも一つであると、汎用ポリマーであるため、コストが下がるなどの点で優れるようになる。
また、本発明のホースが、さらに脱水剤を含有する上記ゴム組成物からなると、ゴム組成物中の水分が蒸発することに起因するゴム発泡の問題を効果的に解消することができる。
また、本発明のホースが、さらに加硫温度における最小トルク値(ML値)が0.2N・m以上の上記ゴム組成物からなり、かつ脱水剤を含有する上記ゴム組成物からなると、ゴム組成物中の加硫ガスの発生や水分が蒸発することに起因するゴム発泡の問題を効果的に解消することができる。
また、上記ホースが単層構造であると、製造が容易であることにより、加工費が下がるなどの点で優れるようになる。
また、上記ホースが曲管ホースであり、その曲がり形状部の、外側の肉厚が、内側の肉厚よりも厚く形成されていると、R部内側に曲げやすくなるなど車両やシステムへの組み付け性が優れるようになる場合もある。
また、上記ホースの製造において、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形して加硫すると、マンドレル使用の加硫の際に時々みられるホース内周面のアバタの発生を解消することができる。そして、本発明のように、セルロース短繊維を含有するゴム組成物を、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形すると、従来の中空押出成形において頻繁にみられたスウェル等の問題や、加硫時の収縮の問題、さらには加硫時のへたりの問題も解消することができる。さらに、偏肉させながら中空押出成形を行うことにより、マンドレルや金型を用いなくとも曲管のホースを製造することも可能となる。
そして、上記のようなホースの製法において、上記ゴム組成物として、その加硫温度における最小トルク値が0.2N・m以上のゴム組成物を用いると、特に大気圧下での加硫時に問題となるゴム発泡の問題を解消することができる。
また、上記のようなホースの製法において、上記ゴム組成物として、その加硫温度における10%加硫時間が0.1〜7.0分のゴム組成物を用いると、上記加硫時のゴム発泡の問題を、より解消することができる。
また、上記のようなホースの製法において、上記ゴム組成物として、さらに脱水剤を含有する上記ゴム組成物を用いると、ゴム組成物中の水分が蒸発することに起因するゴム発泡の問題を効果的に解消することができる。
本発明のホースの一例を示す説明図である。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明のホースは、セルロース短繊維を含有するゴム組成物からなるホースであって、図1に示すように、セルロース短繊維2が、ホース1の長手方向に対して平行に配向しているホースである。この「平行」とは、ホースの長手方向に対して30°以内であることを示す。なお、図示の矢印部分は、ホース1の長手方向の断面状態(セルロース短繊維2の配向状態)を示す要部拡大図である。そして、上記セルロース短繊維の配向は、ホースを長手方向に半割し、その断面をSEM(電子顕微鏡)により観察することにより確認することができる。
上記ゴム組成物におけるゴム成分としては、アクリロニトリルブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドポリマー(NBR−PVC)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンアクリレートゴム(AEM)、塩素化ポリエチレン(CM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、クロロプレンゴム(CR)等が用いられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、汎用性に優れるNBR−PVC、NBR、EPDMが好ましく用いられる。
上記ゴム組成物中に配合される、セルロース短繊維とは、セルロース繊維の繊維長が短く、本発明のホースの材料中のフィラーとして用い得るものであり、ホースの寸法安定性の改善において有効に作用するものである。そして、ホースの寸法安定性の改善効果の観点から、上記セルロース短繊維の平均繊維長が50〜500μmであることが好ましい。より好ましくは平均繊維長190〜370μmのセルロース短繊維、さらに好ましくは270〜330μmのセルロース短繊維、が用いられる。すなわち、上記平均繊維長が短すぎると、本発明に要求される寸法安定性の改善効果が得られにくくなり、上記平均繊維長が長すぎると、押出加工性の悪化、ホースの柔軟性の悪化等の問題を生じるようになるからである。なお、上記セルロース短繊維の平均繊維径は、通常、10〜30μmである。そして、上記セルロース短繊維の平均繊維長および平均繊維径は、例えば、SEM(電子顕微鏡)観察等により測定することができる。
また、上記ゴム組成物におけるセルロース短繊維の含有割合は、ゴム成分100重量部に対し3〜120重量部の範囲であることが、押出加工性の悪化、押出肌の悪化、硬さや伸びの悪化によるホースの柔軟性の悪化等の問題を生じることなく、良好な寸法安定性のホースとする観点から、好ましい。同様の観点から、上記セルロース短繊維の含有割合は、より好ましくは4〜50重量部の範囲、さらに好ましくは5〜20重量部の範囲である。すなわち、上記セルロース短繊維の含有割合が少なすぎると、本発明に要求される寸法安定性の改善効果が得られにくくなり、多すぎると、押出加工性の悪化、押出肌の悪化、ホースの柔軟性の悪化等の問題を生じるようになるからである。
本発明のホースの材料であるゴム組成物は、上記ゴム成分、セルロース短繊維とともに、必要に応じて、架橋剤、加硫促進剤、加硫助剤、リターダー、可塑剤、共架橋剤、表面改質剤、老化防止剤、脱水剤、カーボンブラック等の充填剤等を配合し、これらをニーダー,バンバリーミキサー,ロール等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
なお、上記のように、脱水剤を含有するゴム組成物を用いると、ゴム組成物中の水分が蒸発することに起因するゴム発泡の問題を効果的に解消することができるため、好ましい。上記脱水剤としては、例えば、酸化カルシウム、塩化カルシウム、シリカゲル等が、単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、酸化カルシウムが、よりゴム組成物中の水分の脱水効果に優れているため、好ましい。また、上記のような効果を得る観点から、上記脱水剤の含有割合は、ゴム成分100重量部に対し、好ましくは3〜20重量部の範囲である。
そして、本発明のホースは、上記のようにして調製されたゴム組成物を用い、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、上記のようにして調製したゴム組成物を管状(円筒状)に押出成形し、未加硫ホースを作製する。なお、本発明のホースは、上記押出成形の際に、マンドレルを用いなくとも、寸法安定性に優れることが特徴であるが、必要に応じ、マンドレル上にゴム組成物を押出成形してもよい。そして、上記のように押出成形した後、所定の条件(140〜160℃×30〜60分)で、スチーム加硫等によって加硫することにより、所望のホースを得ることができる。
なお、本発明のホースの製法においては、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形して加硫すると、マンドレル使用の加硫の際に時々みられるホース内周面のアバタの発生を解消することができる。そして、本発明のように、セルロース短繊維を含有するゴム組成物を、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形すると、従来の中空押出成形において頻繁にみられたスウェル等の問題や、加硫時の収縮の問題、さらには加硫時のへたりの問題も解消することができる。さらに、偏肉させながら中空押出成形を行うことにより、マンドレルや金型を用いなくとも曲管のホースを製造することも可能となる。
ところで、上記のように偏肉させながら中空押出成形を行うと、得られた未加硫ゴムホースにおいて、ゴムの応力や自重による曲げ戻りやへたりが発生しやすく、未加硫ゴムホースの形状保持に支障をきたすといった問題も懸念されるが、上記ゴム組成物の60℃におけるグリーン強度が0.6MPa以上のゴム組成物を使用することにより、そのような問題も解消することができる。同様の観点から、上記グリーン強度は、好ましくは、0.8MPa以上である。なお、上記ゴム組成物のグリーン強度は、そのゴム組成物を用いて予備成形した未加硫シートよりJIS1号のダンベルを採取し、60℃雰囲気下で引張試験を行い、25%伸長時の引張応力を測定した値(M(モジュラス)25)を採用した。
また、上記のようなホースの製法において、上記ゴム組成物として、その加硫温度における最小トルク値が0.2N・m以上のゴム組成物を用いると、特に大気圧下での加硫時に問題となるゴム発泡の問題を解消することができるため、好ましい。上記ゴム組成物の最小トルク値(ML値)は、上記と同様の観点から、より好ましくは、0.3〜0.8N・mの範囲である。なお、上記ゴム組成物の最小トルク値(ML値)は、JIS K 6300−2の加硫曲線解析の方法により、トルクが最小となる値を読みとったものであり、上記トルクは、例えば、ローターレス型のレオメーター等により測定することができる。また、上記の「加硫温度」は、ゴム種により異なり、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドポリマー(NBR−PVC)のときは140〜160℃であり、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)のときは140〜160℃であり、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)のときは140〜160℃であり、水素添加アクリロニトリルブタジエンゴム(H−NBR)のときは150〜170℃であり、アクリルゴム(ACM)のときは150〜170℃であり、エチレンアクリレートゴム(AEM)のときは160℃であり、塩素化ポリエチレン(CM)のときは150〜170℃であり、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)のときは140〜160℃であり、フッ素ゴム(FKM)のときは150〜170℃であり、クロロプレンゴム(CR)のときは140〜160℃である。
さらに、上記のようなホースの製法において、上記ゴム組成物として、その加硫温度における10%加硫時間が0.1〜7.0分(6秒〜7分)のゴム組成物を用いると、より加硫速度が速いことから、ゴム強度が高くなる速度が速く、それにより上記加硫時のゴム発泡の問題を、より解消することができるため、好ましい。同様の観点から、上記10%加硫時間(T10)は、より好ましくは0.5〜4.5分(30秒〜4分30秒)である。なお、上記ゴム組成物の10%加硫時間(T10)は、JIS K 6300−2の加硫曲線解析の方法により、最小トルク値(ML値)を示す時間から、最小トルク値(ML値)と最大トルク値(MH値)とのトルク差の10%にまでトルク値が上昇するまでの時間を読みとったものである。
なお、本発明において、ゴム発泡の問題とは、発泡によりホースの外観が損なわれるといった問題や、ゴムの伸びが短くなる等のホース性能に支障をきたすといった問題のことを意味する。
このようにして得られた本発明のホースは、単層構造であることが、製造が容易であることにより、加工費が下がるなどの点で好ましい。また、上記ホースが曲管ホースであり、その曲がり形状部の、外側の肉厚が、内側の肉厚よりも厚く形成されていることが、R部内側に曲げやすくなるなど、車両やシステムへの組み付け性の点から好ましい。
また、本発明のホースは、必要に応じ、上記のようにして得られた単層構造のホースの外周に、ゴム層、樹脂層、補強糸層を形成して、多層構造のホースとしても差し支えない。
上記のようにして得られた本発明のホースにおいて、その最内層の厚み(単層構造の場合は、その厚み)は、1〜15mmが好ましく、特に好ましくは2〜10mmである。また、ホース内径は、6〜60mmが好ましく、特に好ましくは15〜40mmである。すなわち、この範囲に設定することにより、先に述べたような、本発明のホースに求められる寸法安定性を有利に得ることができる。
本発明のホースは、そのポリマーであるゴム成分の種類に応じ、ホース全般に使用することが可能であり、例えば、フィラーホース,エバポホース,ブリーザーホース等の燃料系ホース、ラジエーターホース,ヒーターホース,ドレーンホース等の水系ホース、ターボエアーホース,バキュームブレーキホース等のエアーホースとして使用することができる。そして、上記ホースは、自動車,トラクター,耕運機,船舶等の輸送機やこれらホースの機能を必要とするシステムや設備に、好適に用いられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔NBR−PVC〕
日本ゼオン社製、ニポールDN508SCR(5重量%油添されたNBR−PVC)
〔NBR〕
日本ゼオン社製、ニポールDN003
〔EPDM〕
住友化学社製、エスプレン505A
〔カーボンブラック1〕
東海カーボン社製、シーストV
〔カーボンブラック2〕
キャボット社製、ショウブラックIP200
〔ステアリン酸〕
花王社製、ルナックS−70V
〔酸化亜鉛〕
三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2種
〔可塑剤1〕
ADEKA社製、アデカサイザーRS−107
〔可塑剤2〕
出光石油社製、ダイアナプロセスPW−380
〔老化防止剤1〕
川口化学工業社製、アンテージRD
〔老化防止剤2〕
川口化学工業社製、アンテージ3C
〔表面改質剤〕
理研ビタミン社製、エマスター510P
〔加硫促進剤1〕
川口化学工業社製、アクセルCZ
〔加硫促進剤2〕
川口化学工業社製、アクセルTMT
〔加硫促進剤3〕
三新化学工業社製、サンセラーTT−G
〔加硫促進剤4〕
三新化学工業社製、サンセラーTET−G
〔加硫促進剤5〕
三新化学工業社製、サンセラーCZ−G
〔加硫促進剤6〕
大内新興化学工業社製、ノクセラーBZ−G
〔加硫促進剤7〕
川口化学工業社製、アクセルM
〔リターダー〕
アンスコーチCTP、川口化学工業社製
〔架橋剤1〕
三新化学工業社製、サンミックスS−80NBR
〔架橋剤2〕
鶴見化学工業社製、サルファックスT−10
〔酸化カルシウム〕
CML−21、近江化学工業社製
〔セルロース繊維1〕
平均繊維長370μm、平均粒子径25μmのセルロース繊維(日本製紙社製、KCフロックW−50GK)
〔セルロース繊維2〕
平均繊維長300μm、平均粒子径25μmのセルロース繊維(日本製紙社製、KCフロックW−100GK)
〔セルロース繊維3〕
平均繊維長190μm、平均粒子径16μmのセルロース繊維(日本製紙社製、KCフロックW−400G)
〔シリカ〕
東ソー・シリカ社製、ニプシールER
《実施例1〜16、比較例1,2》
上記各成分を後記の表1および表2に示す割合(NBR−PVCは油添分を除いた割合)で配合し、バンバリーミキサーおよびオープンロールを用いて混練して、ゴム組成物を調製した。具体的には、架橋剤および加硫促進剤を除く成分を、バンバリーミキサーで混練し、150℃に達したときに放出し、マスターバッチを得た後、そのマスターバッチに、架橋剤および加硫促進剤を同表に示す割合で配合し、これらをオープンロールで混練してゴム組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例のゴム組成物を用い、下記の基準に従いゴムホースを作製して、その際の各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
≪加硫収縮性≫
各ゴム組成物を、内径30mm、肉厚4mmで管状(円筒状)に中空押出成形した後、長さ300mmにカットした。このようにして得られた未加硫ゴムホースを二本用意し、一方には外径30mmのストレート金属マンドレルを内挿し、もう一方にはマンドレルを内挿しなかった。そして、これらの未加硫ゴムホースに対し、160℃で20分間スチームにて加圧加硫を行い、ゴムホースを得た。
なお、上記のようにマンドレルを内挿して加硫したゴムホースを「マンドレルあり」とし、マンドレルを内挿せずに加硫したゴムホースを「マンドレルなし」とした。そして、「マンドレルあり」の場合と、「マンドレルなし」の場合との、ゴムホースの加硫収縮率を、下記の式(1)により求めた。そして、その加硫収縮率が6.5%以下のものを○と評価し、加硫収縮率が6.5%を超えるものを×と評価した。
加硫収縮率(%)=〔(未加硫ゴムホースの長さ−加硫後のゴムホースの長さ)/未加硫ゴムホースの長さ〕×100……(1)
≪スウェル≫
各ゴム組成物を中空押出成形する際のダイスとスピンドルの空間に対する、中空押出成形品(ゴムホース)の肉厚の変化率を、下記の式(2)により求めた。そして、その変化率が1〜1.24のものを○と評価し、変化率が1.24を超えるものを×と評価した。 変化率=中空押出成形品の肉厚/〔(ダイスサイズ−スピンドルサイズ)/2)〕……(2)
≪硬さ≫
上記「加硫収縮性」評価の際に作製したゴムホースからテストピースを切り出し、JIS K 6253に準拠し、そのテストピースの硬さ(JIS−A)を測定した。そして、その硬さが80以下のものを◎、90以下のものを○と評価した。
≪伸び≫
上記「加硫収縮性」評価の際に作製したゴムホースからテストピースを切り出し、JIS K 6251に準拠して引張試験を実施し、破断時の伸び(%)を測定した。そして、その伸びが150%以上のものを○と評価した。
Figure 2017120122
Figure 2017120122
上記表1および表2の結果より、実施例のホースは、加硫収縮が少なく、スウェルの発生も抑えられていることから、寸法安定性に優れていることがわかる。なお、実施例のホースを長手方向に半割し、その断面をSEM(電子顕微鏡)により観察したところ、セルロース短繊維が、ホースの長手方向に対して平行に配向していることが認められた。
これに対し、比較例1のホースは、実施例のホースに比べ、加硫収縮率が高く、スウェルも発生しているため、寸法安定性に劣る結果となった。比較例2のホースは、シリカを含有するものであり、実施例のホースに比べ、加硫収縮率がやや高く、スウェルも発生しているため、寸法安定性に劣る結果となった。
なお、実施例と比較例のゴムホースにおいて、マンドレルを内挿して加硫したゴムホースで、そのホース内周面を目視観察したところ、実施例のゴムホースの内周面にはアバタがみられなかったが、比較例のゴムホースの内周面には気泡痕(アバタ)が散見された。
また、更なる実験として、実施例14、15および16のゴム組成物を用い、以下に示す各物性の測定・評価を行った。その結果を、後記の表3に併せて示した。
<ML値>
ローターレス型のレオメーター(東洋精機製作所社製)により、150℃におけるゴム組成物のトルクを測定し、JIS K 6300−2の加硫曲線解析の方法により、その最小トルク値(ML値)を読みとった。
<グリーン強度>
上記ゴム組成物を用いて100℃で予備成形して得られた未加硫シートより、JIS1号のダンベルを採取し、60℃雰囲気下で引張試験を行い、25%伸長時の引張応力の値(M(モジュラス)25)を測定した。そして、その値を、グリーン強度(MPa)とした。
<T10>
JIS K 6300−2の加硫曲線解析の方法により、150℃における上記ゴム組成物が最小トルク値(ML値)を示す時間から、最小トルク値(ML値)と最大トルク値(MH値)とのトルク差の10%にまでトルク値が上昇するまでの時間を読みとり、その値を、T10とした。
<伸び>
上記ゴム組成物を用いて160℃で40分間熱風炉にて大気圧加硫して得られた加硫シートからテストピースを切り出し、JIS K 6251に準拠して引張試験を実施し、破断時の伸び(%)を測定した。
≪断面観察≫
上記ゴム組成物を用いて、内径30mm、肉厚4mmで管状(円筒状)に中空押出成形した後、長さ300mmにカットした。このようにして得られた未加硫ゴムホースを、熱風炉を用いて、大気圧下で、160℃×40分の熱風加硫を行い、ゴムホースを得た。そして、得られたゴムホースをカットし、その断面を、光学顕微鏡(KEYENCE社製)により、視野範囲20mm×3.7mmで観察し、直径0.1mm以上の発泡数を数えた。
Figure 2017120122
上記表3の結果より、実施例14および15のホースの材料であるゴム組成物は、その加硫温度におけるML値が0.2N・m以上である。そのため、大気圧下で加硫を行っているにもかかわらず、ホースの外観に支障をきたすような数のゴム発泡が、断面観察からは見受けられなかった。また、上記のようにゴム発泡が抑えられたことから、伸びも抑えられる結果となった。特に、実施例15のホースの材料であるゴム組成物は、さらに脱水剤である酸化カルシウムを含有しており、ゴム発泡がより抑えられる結果となった。また、実施例14および15のホースの材料であるゴム組成物は、グリーン強度が高く、中空押出成形後にヘタリが生じることもなかった。
これに対し、実施例16のホースの材料であるゴム組成物は、その加硫温度におけるML値が0.2N・m未満であることから、実施例14および15に比べ、大気圧下での加硫で多数のゴム発泡がみられた。
本発明のホースは、例えば、フィラーホース,エバポホース,ブリーザーホース等の燃料系ホース、ラジエーターホース,ヒーターホース,ドレーンホース等の水系ホース、ターボエアーホース,バキュームブレーキホース等のエアーホースとして使用することができる。そして、上記ホースは、自動車,トラクター,耕運機,船舶等の輸送機やこれらホースの機能を必要とするシステムや設備に使用することができる。
1 ホース
2 セルロース短繊維

Claims (11)

  1. セルロース短繊維を含有するゴム組成物からなるホースであって、上記セルロース短繊維が、ホースの長手方向に対して平行に配向していることを特徴とするホース。
  2. 上記セルロース短繊維の平均繊維長が50〜500μmの範囲である、請求項1記載のホース。
  3. 上記ゴム組成物におけるセルロース短繊維の含有割合が、ゴム成分100重量部に対し3〜120重量部の範囲である、請求項1または2記載のホース。
  4. 上記ゴム組成物におけるゴム成分が、アクリロニトリルブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドポリマー(NBR−PVC)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、およびエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載のホース。
  5. さらに脱水剤を含有する上記ゴム組成物からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホース。
  6. 上記ホースが単層構造である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のホース。
  7. 上記ホースが曲管ホースであり、その曲がり形状部の、外側の肉厚が、内側の肉厚よりも厚く形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のホース。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のホースの製法であって、セルロース短繊維を含有するゴム組成物を、マンドレルを用いずにホース状に中空押出成形して加硫する工程を備えていることを特徴とするホースの製法。
  9. 上記ゴム組成物として、その加硫温度における最小トルク値が0.2N・m以上のゴム組成物を用いる、請求項8記載のホースの製法。
  10. 上記ゴム組成物として、その加硫温度における10%加硫時間が0.1〜7.0分のゴム組成物を用いる、請求項8または9記載のホースの製法。
  11. 上記ゴム組成物として、さらに脱水剤を含有する上記ゴム組成物を用いる、請求項8〜10のいずれか一項に記載のホースの製法。
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