以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、一重項励起状態(S*)は、励起エネルギーを有する一重項状態のことである。一重項励起状態のうち、最も低いエネルギーを有する励起状態を、最低一重項励起状態という。また、一重項励起エネルギー準位は、一重項励起状態の励起エネルギー準位のことである。一重項励起エネルギー準位のうち、最も低い励起エネルギー準位を、最低一重項励起エネルギー(S1)準位という。
また、本明細書等において、三重項励起状態(T*)は、励起エネルギーを有する三重項状態のことである。三重項励起状態のうち、最も低いエネルギーを有する励起状態を、最低三重項励起状態という。また、最低三重項励起状態より高いエネルギーを有する三重項励起状態を、高三重項励起状態という。また、三重項励起エネルギー準位は、三重項励起状態の励起エネルギー準位のことである。三重項励起エネルギー準位のうち、最も低い励起エネルギー準位を、最低三重項励起エネルギー(T1)準位という。また、最低三重項励起エネルギー準位より高いエネルギー準位を、高三重項励起エネルギー準位という。
また、本明細書等において蛍光材料とは、一重項励起状態から基底状態へ緩和する際に可視光領域に発光を与える材料である。燐光材料とは、三重項励起状態から基底状態へ緩和する際に、室温において可視光領域に発光を与える材料である。換言すると燐光材料とは、三重項励起エネルギーを可視光へ変換可能な材料の一つである。
なお、本明細書等において、室温とは、0℃乃至40℃のいずれかの温度をいう。
また、本明細書等において、青色の波長領域とは、400nm以上550nm以下の波長領域であり、青色の発光とは該領域に少なくとも一つの発光スペクトルピークを有する発光である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1乃至図8を用いて以下説明する。
<発光素子の構成例>
まず、本発明の一態様の発光素子の構成について、図1(A)(B)及び(C)を用いて、以下説明する。
図1(A)は、本発明の一態様の発光素子120の断面模式図である。
発光素子120は、一対の電極(電極101及び電極102)を有し、該一対の電極間に設けられたEL層100を有する。EL層100は、少なくとも発光層130を有する。
また、図1(A)に示すEL層100は、発光層130の他に、機能層を有する。機能層は、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
なお、本実施の形態においては、一対の電極のうち、電極101を陽極として、電極102を陰極として説明するが、発光素子120の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層を、逆の順番にしてもよい。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層130と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番としてもよい。
なお、EL層100の構成は、図1(A)に示す構成に限定されず、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、及び電子注入層119の中から選ばれた少なくとも一つを有する構成とすればよい。あるいは、EL層100は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する機能層を有する構成としてもよい。なお、発光層130、または機能層は、それぞれ単層であっても、複数の層が積層された構成であってもよい。
図1(B)は、図1(A)に示す発光層130の一例を示す断面模式図である。図1(B)に示す発光層130は、ホスト材料131と、ゲスト材料132と、を有する。
ホスト材料131は、三重項励起エネルギーをTTAによって一重項励起エネルギーに変換する機能を有すると好ましい。そうすることで、発光層130で生成した三重項励起エネルギーの一部を、ホスト材料131におけるTTAによって一重項励起エネルギーに変換し、ゲスト材料132に移動することで、蛍光発光として取り出すことが可能となる。そのためには、ホスト材料131の最低一重項励起エネルギー(S1)準位は、ゲスト材料132のS1準位より高いことが好ましい。また、ホスト材料131の最低三重項励起エネルギー(T1)準位は、ゲスト材料132のT1準位より低いことが好ましい。
なお、ホスト材料131は単一の化合物で構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。また、ゲスト材料132としては、発光性の有機化合物を用いればよく、該発光性の有機化合物としては、蛍光を発することができる物質(以下、蛍光材料ともいう)であると好適である。以下の説明においては、ゲスト材料132として、蛍光材料を用いる構成について説明する。なお、ゲスト材料132を蛍光材料として読み替えてもよい。
<発光素子の発光機構>
まず、発光素子120の発光機構について、以下説明を行う。
本発明の一態様の発光素子120においては、一対の電極(電極101及び電極102)間に電圧を印加することにより、陰極から電子が、陽極から正孔(ホール)が、それぞれEL層100に注入され、電流が流れる。そして、注入された電子及び正孔が再結合することによって、励起子が形成される。キャリアの再結合によって生じる励起子のうち、一重項励起子と三重項励起子の比(以下、励起子生成確率)は、統計的確率により、1:3となる。
なお、以下の2つの過程により、EL層100において一重項励起子が生成し、ゲスト材料132からの発光が得られる。
(α)直接生成過程
(β)TTA過程
<(α)直接生成過程>
まず、EL層100が有する発光層130においてキャリア(電子及び正孔)が再結合し、一重項励起子が形成される場合を説明する。
なお、励起子は、キャリア(電子及び正孔)対のことである。励起子はエネルギーを有するため、励起子が生成された材料は、励起状態となる。
ホスト材料131においてキャリアが再結合する場合、励起子の生成によってホスト材料131の励起状態(一重項励起状態または三重項励起状態)が形成される。このとき、ホスト材料131の励起状態が一重項励起状態であるとき、ホスト材料131のS1準位から、ゲスト材料132のS1準位へ、一重項励起エネルギーがエネルギー移動し、ゲスト材料132の一重項励起状態が形成される。なお、ホスト材料131の励起状態が三重項励起状態であるときは、後述の(β)TTA過程にて説明する。
また、キャリアが、ゲスト材料132において再結合する場合、励起子の生成によってゲスト材料132の励起状態(一重項励起状態または三重項励起状態)が形成される。
形成されたゲスト材料132の励起状態が一重項励起状態であるとき、ゲスト材料132の一重項励起状態から発光が得られる。このとき、高い発光効率を得るためには、ゲスト材料132の蛍光量子収率は、高いことが好ましい。具体的には、ゲスト材料132の蛍光量子収率は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
一方、ゲスト材料132の三重項励起状態が形成されるとき、ゲスト材料132の三重項励起状態は、熱失活するため発光に寄与しない。しかしながら、ホスト材料131のT1準位が、ゲスト材料132のT1準位より低い場合、ゲスト材料132の三重項励起エネルギーは、ゲスト材料132のT1準位から、ホスト材料131のT1準位へ、エネルギー移動することが可能となる。その場合、後述の(β)TTA過程によって、三重項励起エネルギーから一重項励起エネルギーへの変換が可能となる。
<(β)TTA過程>
次に、発光層130におけるキャリアの再結合過程において形成された三重項励起子によって、一重項励起子が形成される場合について、説明する。
ここでは、ホスト材料131のT1準位がゲスト材料132のT1準位よりも低い場合について説明する。このときのエネルギー準位の相関を表す模式図を図1(C)に示す。また、図1(C)における表記及び符号は、以下の通りである。なお、ホスト材料131のT1準位がゲスト材料132のT1準位よりも高くても構わない。
・Host(131):ホスト材料131
・Guest(132):ゲスト材料132(蛍光材料)
・SFH:ホスト材料131のS1準位
・TFH:ホスト材料131のT1準位
・SFG:ゲスト材料132(蛍光材料)のS1準位
・TFG:ゲスト材料132(蛍光材料)のT1準位
キャリアがホスト材料131において再結合し、励起子の生成によってホスト材料131の励起状態が形成される。このとき、生成した励起子が三重項励起子であるとき、生成した2つの三重項励起子同士が近接することにより、それらの三重項励起エネルギーの一部が一重項励起エネルギーに変換されて、ホスト材料131の一重項励起状態が生じる(図1(C) TTA参照)。これは、以下の一般式(G1)で表される。
3H+3H → 1H*+1H (G1)
3H+3H → 3H*+1H (G2)
一般式(G1)は、ホスト材料131において、2つの三重項励起子(3H)から一重項励起子(1H*)が生成する反応である。また、一般式(G2)は、ホスト材料131において、2つの三重項励起子(3H)から、電子的または振動的に励起された三重項励起子(3H*)が生成する反応である。なお、一般式(G1)(G2)中、1Hはホスト材料131における一重項基底状態を表す。
なお、発光層130における三重項励起子の密度が十分に高い場合(1×10−12cm−3以上)では、三重項励起子単体の失活を無視し、2つの近接した三重項励起子による反応のみを考えることができる。
また、一般式(G2)で形成される電子的または振動的に励起された三重項励起子(3H*)は、速やかに内部転換または項間交差により、三重項励起子(3H)または一重項励起子(1H*)に変換される。したがって、一般式(G2)において、全ての電子的または振動的に励起された三重項励起子(3H*)が一重項励起子(1H*)に変換されるとすると、2個の三重項励起子(3H)から最大で1個の一重項励起子(1H*)が生成することになる。
一方、一対の電極から注入されたキャリアの再結合により直接生成する一重項励起子(1H*)と三重項励起子(3H)の統計的な生成比率は、1H*:3H=1:3である。すなわち、一対の電極から注入されたキャリアの再結合によって一重項励起子が直接生成する確率は、25%である。
したがって、一対の電極から注入されたキャリアの再結合により直接生成した一重項励起子と、TTAにより生成した一重項励起子とをあわせることで、一対の電極から注入されたキャリアの再結合により直接生成した8個の励起子(一重項励起子および三重項励起子の合計)から5個の一重項励起子が生成可能となる(一般式(G3))。すなわち、TTAによって、一重項励起子生成確率を従来の25%から最大で62.5%まで向上させることが可能となる。
21H*+63H → 21H*+(31H*+31H) (G3)
上記過程により生成した一重項励起子によって形成されるホスト材料131の一重項励起状態において、ホスト材料131のS1準位(SFH)からは、それよりも低い励起エネルギー準位であるゲスト材料132のS1準位(SFG)へのエネルギー移動が生じる(図1(C) Route A参照)。そして、一重項励起状態となったゲスト材料132が蛍光発光する。
なお、ゲスト材料132においてキャリアが再結合し、生成した励起子によって形成される励起状態が三重項励起状態である場合、ホスト材料131のT1準位(TFH)がゲスト材料のT1準位(TFG)よりも低い場合、TFGは失活することなくTFHにエネルギー移動(図1(C) Route B参照)し、TTAに利用される。
また、ゲスト材料132のT1準位(TFG)がホスト材料131のT1準位(TFH)よりも低い場合においては、ホスト材料131とゲスト材料132との重量比は、ゲスト材料132の重量比が低い方が好ましい。具体的には、ホスト材料131が1に対するゲスト材料132の重量比としては、0より大きく0.05以下が好ましい。そうすることで、ゲスト材料132でキャリアが再結合する確率を低減させることができる。また、ホスト材料131のT1準位(TFH)からゲスト材料132のT1準位(TFG)へのエネルギー移動が生じる確率を低減させることができる。
以上のように、TTAによって、発光層130で形成する三重項励起子は、一重項励起子へと変換されるため、ゲスト材料132からの発光を、効率よく得ることが可能となる。
<TTA効率について>
上記のように、TTAによって、一重項励起子の生成確率を向上させ、発光素子の発光効率を向上させることが可能となるが、高い発光効率を得るためには、TTAが生じる確率(TTA効率ともいう)を高めることが重要である。すなわち、発光素子が呈する発光のうち、TTAによる遅延蛍光成分の占める割合が高いことが重要である。
TTAが生じる確率を高めるためには、ホスト材料131はゲスト材料132より一重項励起状態のエネルギーが高く、三重項励起状態のエネルギーが低いことが好ましい。そのような化合物としてホスト材料131は、縮合芳香環骨格を有することが好ましく、アントラセン骨格やテトラセン骨格といったアセン骨格を有することが、さらに好ましい。
また、青色の発光を呈する発光素子においては、大きな励起エネルギーを有する化合物をホスト材料131として用いる必要がある。すなわち、青色の発光を呈する発光素子において発光材料またはホスト材料131として用いることができ、且つ、TTAによる遅延蛍光を示す化合物としては、アントラセン骨格を有する化合物が好ましい。中でも、高い発光効率を得るためには、アントラセン骨格を有し、高いTTA効率を示す化合物が好ましい。
陽極から正孔が、陰極から電子が、それぞれEL層に注入され、電流が流れる際、正孔及び電子は、それぞれEL層が有する化合物の最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、HOMOともいう)及び最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、LUMOともいう)に注入され、輸送される。
注入された正孔及び電子がホスト材料で再結合する場合において、ホスト材料におけるHOMO軌道とLUMO軌道とが同じ領域に分子軌道を有するときには、HOMO準位とLUMO準位とのエネルギーギャップに相当するエネルギーを有する励起子が生成される。
なお、注入された正孔及び電子がホスト材料で再結合する場合において、ホスト材料におけるHOMO軌道とLUMO軌道とが異なる領域に分子軌道を有するときには、LUMO+n軌道(HOMO軌道と同じ領域に分子軌道を有しLUMO軌道より高いエネルギーを有する軌道、ただしnは自然数)とHOMO軌道とのエネルギーギャップに相当するエネルギーを有する励起子が生成される、あるいはHOMO−n’軌道(LUMO軌道と同じ領域に分子軌道を有しHOMO軌道よりエネルギーが低い軌道、ただしn’は自然数)とLUMO軌道とのエネルギーギャップに相当するエネルギーを有する励起子が生成される。
ホスト材料における当該エネルギーギャップに相当するエネルギーは、最低一重項励起状態のエネルギーに相当する。したがって、キャリアの再結合によって形成されるホスト材料の一重項励起状態は、最低一重項励起状態となる。
また同様に、キャリアの再結合によって形成されるホスト材料の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する第1の三重項励起状態となる。第1の三重項励起状態は、最低三重項励起状態である。
なお、分子軌道は、電子が見出される可能性が高い化合物中の領域、または電子を見出す確率を表す。分子軌道によって、分子の電子配置(電子の空間的分布ならびにエネルギー)を詳細に記述することが可能である。
ホスト材料の第2の三重項励起状態および第3の三重項励起状態は、高三重項励起状態(第1の三重項励起状態より高いエネルギーを有する三重項励起状態)であり、第2の三重項励起状態は第1の三重項励起状態と異なる領域に分子軌道を有する高三重項励起状態のうち最も低い励起エネルギーを有する三重項励起状態であり、第3の三重項励起状態は第1の三重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する高三重項励起状態のうち最も低い励起エネルギーを有する三重項励起状態であるとする。TTAによって高三重項励起状態が生成する場合においては、第1の三重項励起状態と異なる領域に分子軌道を有する第2の三重項励起状態よりも、第1の三重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する第3の三重項励起状態の方が形成されやすい。なぜならば、TTAは、最低三重項励起状態である第1の三重項励起状態から生じる反応だからである。なお、形成された第3の三重項励起状態が、さらに振動励起された状態であっても、速やかに振動緩和することで、最もエネルギーが安定な振動状態を有する第3の三重項励起状態が形成され得る。
なお、化合物の基底状態における最もエネルギーが安定な状態の立体構造(以下、最安定構造)と、励起状態(一重項励起状態および三重項励起状態)における最安定構造は、異なる立体構造を有する。また、異なる励起状態における最安定構造は、それぞれ異なる立体構造を有する。また、化合物が基底状態あるいは励起状態(一重項励起状態または三重項励起状態)の電子状態であるとき、さらに振動エネルギーあるいは回転エネルギーを有する場合、振動励起あるいは回転励起された状態となる。化合物が、ある電子状態において振動励起された状態においては、該電子状態の最もエネルギーが安定な状態と、分子構造は同じであっても立体構造が異なる構造となる。例えば、第1の三重項励起状態における最安定構造(最もエネルギーが安定な状態における立体構造)と、第3の三重項励起状態の最安定構造は異なる構造である。また、第1の三重項励起状態において振動励起された状態であり、且つ第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第1の三重項励起状態の構造は、第1三重項励起状態における最安定構造とは異なる構造となる。換言すると、化合物が、ある電子状態において、異なる立体構造を有すると、異なるエネルギーを有することになる。
本発明の一態様においては、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより低いことが好ましい。そうすることで、最安定構造を有する第3の三重項励起状態から第2の三重項励起状態への内部転換が生じにくくなる。なお、第3の三重項励起状態は、第1の三重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有し、第1の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する。すなわち、第3の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する。したがって、形成された第3の三重項励起状態から最低一重項励起状態への項間交差およびエネルギー移動が生じる確率が高くなる。すなわち、TTAによって一重項励起状態の生成する確率が高くなるため、好ましい。なお、このとき、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより、0.1eV以上低いことが好ましく、0.2eV以上低いことが、さらに好ましい。
一方、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギー以上である場合、形成された第3の三重項励起状態は、内部転換によって第2の三重項励起状態へ遷移しやすくなる。なお、第2の三重項励起状態は、第1の三重項励起状態と異なる領域に分子軌道を有し、第1の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する。すなわち、第2の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と異なる領域に分子軌道を有する。したがって、第2の三重項励起状態から最低一重項励起状態への項間交差およびエネルギー移動が生じる確率は低くなる。すなわち、TTAによって一重項励起状態の生成する確率は低くなってしまう。
なお、第3の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有するため、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギー以上の場合であっても、最低一重項励起状態のエネルギーが、第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態のエネルギー以下であると好ましい。より好ましくは、最低一重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギー以下である。そうすることで、形成された第3の三重項励起状態から最低一重項励起状態への項間交差およびエネルギー移動が生じる確率が高くなる。すなわち、TTAによって一重項励起状態の生成する確率が高くなるため、好ましい。なお、このとき、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより、0.1eV以上高いことが好ましく、0.2eV以上高いことが、さらに好ましい。
なお、TTAが効率よく生じるためには、TTAが生じる有機化合物において、最低一重項励起エネルギー準位と、最低三重項励起エネルギー準位と、のエネルギー差が0.5eV以上であることが好ましい。また、最低一重項励起エネルギー準位は、最低三重項励起エネルギー準位の2倍以下のエネルギーであることが好ましい。
なお、最低一重項励起エネルギー準位は、有機化合物が一重項基底状態から最低一重項励起状態へ遷移する際の吸収スペクトルから観測することができる。もしくは、有機化合物の蛍光発光スペクトルのピーク波長から最低一重項励起エネルギー準位を推定しても良い。また、最低三重項励起エネルギー準位は、有機化合物が一重項基底状態から最低三重項励起状態へ遷移する際の吸収スペクトルから観測することができるが、該遷移が禁制であることから、観測することが困難な場合がある。その場合には、有機化合物の燐光スペクトルピーク波長より、最低三重項励起エネルギー準位を推定しても良い。
したがって、本発明の一態様の発光素子が有する有機化合物における、蛍光発光スペクトルのピーク波長と、燐光発光スペクトルのピーク波長と、のエネルギー換算値差が0.5eV以上である、ことが好ましい。
<量子化学計算による分子軌道の計算>
次に、本発明の一態様に用いることができる化合物について、量子化学計算による分子軌道の計算、及び三重項励起エネルギー準位の算出を行った一例を示す。計算に用いた化合物の構造及び略称を以下に示す。
計算方法に関しては以下の通りである。なお、量子化学計算プログラムとしては、Gaussian09を使用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(SGI社製、ICE X)を用いて行った。
まず、一重項基底状態における最安定構造を密度汎関数法(DFT)で計算した。基底関数として、6−311G(d,p)を用いた。汎関数はCAM−B3LYPを用いた。次に、時間依存密度汎関数法(TD−DFT)を用いて、一重項基底状態の最安定構造から三重項励起状態への遷移に係わるエネルギー及び分子軌道の分布を算出した。なお、DFTの全エネルギーは、ポテンシャルエネルギー、電子間静電エネルギー、電子の運動エネルギーと複雑な電子間の相互作用を全て含む交換相関エネルギーの和で表される。DFTでは、電子密度で表現された一電子ポテンシャルの汎関数(関数の関数の意)で交換相関相互作用を近似しているため、計算は高精度である。
一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に係わる分子軌道のうち、寄与が大きい分子軌道の分布を図2乃至図6に示す。
図2(A)乃至(C)に示すように、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)において、一重項基底状態から三重項励起状態151への遷移は、HOMO軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態152への遷移は、HOMO−2軌道とLUMO+1軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではフェニルカルバゾール骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態153への遷移は、HOMO軌道とLUMO+8軌道との間の遷移、及びHOMO−5軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。したがって、三重項励起状態151はアントラセン骨格に分子軌道を有し、三重項励起状態152はアントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有し、三重項励起状態153はアントラセン骨格に分子軌道を有する三重項励起状態である。なお、HOMO−2軌道およびHOMO−5軌道は、HOMO軌道より低いエネルギーを有する2つ目および5つ目の軌道を表し、LUMO+1軌道およびLUMO+8軌道は、LUMO軌道より高いエネルギーを有する1つ目および8つ目の軌道を表す。また、一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に係わるエネルギーは、三重項励起状態151、152、153の順に大きく、三重項励起状態151はCzPAにおける最低三重項励起状態である。
また、図3(A)乃至(D)に示すように、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)において、一重項基底状態から三重項励起状態161への遷移は、HOMO軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態162への遷移は、HOMO−1軌道とLUMO+2軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではナフタレン骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態163への遷移は、HOMO−2軌道とLUMO+1軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではナフタレン骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態164への遷移は、HOMO−6軌道とLUMO軌道との間の遷移、及びHOMO軌道とLUMO+6軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。したがって、三重項励起状態161はアントラセン骨格に分子軌道を有し、三重項励起状態162及び163はアントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有し、三重項励起状態164はアントラセン骨格に分子軌道を有する三重項励起状態である。なお、HOMO−1軌道、HOMO−2軌道およびHOMO−6軌道は、HOMO軌道より低いエネルギーを有する1つ目、2つ目および6つ目の軌道を表し、LUMO+1軌道、LUMO+2軌道およびLUMO+6軌道とは、LUMO軌道より高いエネルギーを有する1つ目、2つ目および6つ目の軌道を表す。また、一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に係わるエネルギーは、三重項励起状態161、162、163、164の順に大きく、三重項励起状態161はt−BuDNAにおける最低三重項励起状態である。
また、図4(A)乃至(D)に示すように、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)において、一重項基底状態から三重項励起状態171への遷移は、HOMO−1軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態172への遷移は、HOMO軌道とLUMO+1軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではフェニルジベンゾカルバゾール骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態173への遷移は、HOMO軌道とLUMO+3軌道との間の遷移、及びHOMO−3軌道とLUMO+1軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではフェニルジベンゾカルバゾール骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態174への遷移は、HOMO−1軌道とLUMO+10軌道との間の遷移、及びHOMO−7軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。したがって、三重項励起状態171はアントラセン骨格に分子軌道を有し、三重項励起状態172及び173はアントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有し、三重項励起状態174はアントラセン骨格に分子軌道を有する三重項励起状態である。なお、HOMO−1軌道、HOMO−3軌道およびHOMO−7軌道は、HOMO軌道より低いエネルギーを有する1つ目、3つ目および7つ目の軌道を表し、LUMO+1軌道、LUMO+3軌道およびLUMO+10軌道とは、LUMO軌道より高いエネルギーを有する1つ目、3つ目および10つ目の軌道を表す。また、一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に係わるエネルギーは、三重項励起状態171、172、173、174の順に大きく、三重項励起状態171はcgDBCzPAにおける最低三重項励起状態である。
また、図5(A)乃至(D)に示すように、9−(2−ナフチル)−10−[4−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン(略称:BH−1)において、一重項基底状態から三重項励起状態181への遷移は、HOMO軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態182への遷移は、HOMO−1軌道とLUMO+1軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではフェニルナフタレン骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態183への遷移は、HOMO−2軌道とLUMO+2軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではナフタレン骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態184への遷移は、HOMO軌道とLUMO+8軌道との間の遷移、及びHOMO−7軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。したがって、三重項励起状態181はアントラセン骨格に分子軌道を有し、三重項励起状態182及び183はアントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有し、三重項励起状態184はアントラセン骨格に分子軌道を有する三重項励起状態である。なお、HOMO−1軌道、HOMO−2軌道およびHOMO−7軌道は、HOMO軌道より低いエネルギーを有する1つ目、2つ目および7つ目の軌道を表し、LUMO+1軌道、LUMO+2軌道およびLUMO+8軌道とは、LUMO軌道より高いエネルギーを有する1つ目、2つ目および8つ目の軌道を表す。また、一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に係わるエネルギーは、三重項励起状態181、182、183、184の順に大きく、三重項励起状態181はBH−1における最低三重項励起状態である。
また、図6(A)乃至(D)に示すように、9−(1−ナフチル)−10−(2−ナフチル)アントラセン(略称:α,β−ADN)において、一重項基底状態から三重項励起状態191への遷移は、HOMO軌道とLUMO軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態192への遷移は、HOMO−1軌道とLUMO+2軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではナフタレン骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態193への遷移は、HOMO−2軌道とLUMO+1軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格と結合する置換基(ここではナフタレン骨格)に分子軌道を有している。また、一重項基底状態から三重項励起状態194への遷移は、HOMO−6軌道とLUMO軌道との間の遷移、及びHOMO軌道とLUMO+6軌道との間の遷移であり、それぞれアントラセン骨格に分子軌道を有している。したがって、三重項励起状態191はアントラセン骨格に分子軌道を有し、三重項励起状態192及び193はアントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有し、三重項励起状態194はアントラセン骨格に分子軌道を有する三重項励起状態である。なお、HOMO−1軌道、HOMO−2軌道およびHOMO−6軌道は、HOMO軌道より低いエネルギーを有する1つ目、2つ目および6つ目の軌道を表し、LUMO+1軌道、LUMO+2軌道およびLUMO+6軌道とは、LUMO軌道より高いエネルギーを有する1つ目、2つ目および6つ目の軌道を表す。また、一重項基底状態から三重項励起状態への遷移に係わるエネルギーは、三重項励起状態191、192、193、194の順に大きく、三重項励起状態191はα,β−ADNにおける最低三重項励起状態である。
次に、各化合物において、アントラセン骨格に分子軌道を有する高三重項励起状態(最低三重項励起状態より高い励起エネルギーを有する三重項励起状態)のうち最も低い励起エネルギーを有する三重項励起状態(三重項励起状態153、164、174、184、194)における最安定構造を時間依存密度汎関数法(TD−DFT)にて計算した。基底関数として、6−311G(d,p)を用いた。また、汎関数はCAM−B3LYPを用いた。さらに、一重項基底状態の最安定構造のエネルギーを基準とし、当該三重項励起状態の最安定構造を有する高三重項励起状態のエネルギーを算出した。ここで、最低三重項励起状態が第1の三重項励起状態(三重項励起状態151、161、171、181、191)である。また、アントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有し、且つアントラセン骨格と結合する置換基に分子軌道を有する三重項励起状態のうち最も低い励起エネルギーを有する三重項励起状態が第2の三重項励起状態(三重項励起状態152、162、172、182、192)である。また、アントラセン骨格に分子軌道を有し、且つ第1の三重項励起状態(最低三重項励起状態)以外のアントラセン骨格に分子軌道を有する三重項励起状態のうち最も低い励起エネルギーを有する三重項励起状態が第3の三重項励起状態(三重項励起状態153、164、174、184、194)である。
以上のように見積もった、各化合物における第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態、及び第3の三重項励起状態の励起エネルギー準位を図7、図8、及び表1に示す。なお、上記計算方法では、三重項励起エネルギー準位を過小評価する傾向があるため、計算値を1.066倍に補正した値を示す。
CzPA及びt−BuDNAにおいては、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより低い。そのため、最安定構造を有する第3の三重項励起状態から第2の三重項励起状態への内部転換が生じにくい。また、第3の三重項励起状態は、第1の三重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有し、第1の三重項励起状態は最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する。すなわち、第3の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する。したがって、形成された第3の三重項励起状態から最低一重項励起状態への項間交差及びエネルギー移動が生じる確率が高くなる。すなわち、TTAによって一重項励起状態の生成する確率が高くなるため、好ましい。
一方、BH−1及びα,β−ADNにおいては、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギー以上である。そのため、形成された第3の三重項励起状態は内部転換によって、速やかに第2の三重項励起状態に遷移しやすくなる。また、第2の三重項励起状態は、第1の三重項励起状態と異なる領域に分子軌道を有し、第1の三重項励起状態は最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有する。すなわち、第2の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と異なる領域に分子軌道を有する。したがって、第2の三重項励起状態から最低一重項励起状態への項間交差およびエネルギー移動が生じる確率は低くなる。すなわち、TTAによって一重項励起状態の生成する確率は低くなってしまう。
なお、cgDBCzPAにおいては、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギー以上である。また、該エネルギーの差は0.2eV以上である。また、後述するように、cgDBCzPAの吸収スペクトルの測定から算出した最低一重項励起エネルギー準位は、2.95eVである。したがって、cgDBCzPAは最低一重項励起状態のエネルギーが、第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態のエネルギー以下である、あるいは、最低一重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギー以下である。上記のように、第3の三重項励起状態は、最低一重項励起状態と同じ領域に分子軌道を有するため、形成された第3の三重項励起状態から最低一重項励起状態への項間交差及びエネルギー移動が生じる確率が高くなる。すなわち、TTAによって一重項励起状態の生成する確率が高くなるため、好ましい。
なお、後述するように、CzPA、t−BuDNA、及びcgDBCzPAの低温(10K)における燐光発光スペクトル測定から算出した最低三重項励起エネルギー準位は、それぞれ1.72eV、1.70eV、及び1.72eVである。したがって、当該化合物における第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態、及び第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態は、それぞれ第1の三重項励起状態(最低三重項励起状態)より高いエネルギーを有する三重項励起状態である。
<材料>
次に、本発明の一態様に係る発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層130において、ホスト材料131に用いることができる材料としては、呈する発光のうち三重項−三重項消滅(TTA)による遅延蛍光成分を有する有機化合物が好ましい。具体的には、第1の骨格としてアントラセン骨格を有する化合物が好ましく、アントラセン骨格に結合する置換基を第2の骨格として有する化合物が好ましい。アントラセン骨格に結合する置換基(第2の骨格)はカルバゾール骨格を有ることが好ましく、カルバゾール骨格の9位によって、第1の骨格であるアントラセン骨格またはアントラセン骨格に結合するアリール基と結合することが、さらに好ましい。あるいは、アントラセン骨格に結合する置換基(第2の骨格)はナフチル基を有し、ナフチル基の2位によって、第1の骨格であるアントラセン骨格またはアントラセンン骨格に結合するアリール基と結合することが好ましい。なお、該アリール基は、別の置換基を有していてもよい。
また、アントラセン骨格を有する有機化合物において、アントラセン骨格に結合する置換基の三重項励起エネルギー準位は、アントラセン骨格の三重項励起エネルギー準位より高いことが好ましく、該励起エネルギー準位とのエネルギー差が0.5eV以上であると、さらに好ましい。
なお、発光層130において、ホスト材料131は、一種の化合物から構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。
また、発光層130において、ゲスト材料132としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の材料を用いることができる。
5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
なお、発光層130において、ホスト材料131およびゲスト材料132以外の材料を有していても良い。
なお、発光層130に用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N,9−ジフェニル−N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記ゲスト材料132のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
なお、発光層130は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光層130へ正孔と電子を注入する機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。金属としてはアルミニウム(Al)が典型例であり、その他、銀(Ag)、タングステン、クロム、モリブデン、銅、チタンなどの遷移金属、リチウム(Li)やセシウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム(Mg)などの第2族金属を用いることができる。遷移金属としてイッテルビウム(Yb)などの希土類金属を用いても良い。合金としては、上記金属を含む合金を使用することができ、例えばMgAg、AlLiなどが挙げられる。導電性化合物としては、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物が挙げられる。導電性化合物としてグラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。上述したように、これらの材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成しても良い。
また、発光層130から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101及び電極102の少なくとも一つは可視光を透過する機能を有する。光を透過する機能を有する導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。また、光を取り出す方の電極は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。光を取り出す方の電極に金属や合金などの光透過性の低い材料を用いる場合には、可視光を透過できる程度の厚さ(例えば、1nmから10nmの厚さ)で電極101及び電極102の一方または双方を形成すればよい。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する電極には、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料を用いればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体層に加えて、酸化物半導体層、または有機物を含む有機導電体層を含む。有機物を含む有機導電体層としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を含む層、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料を含む層等が挙げられる。また、透明導電層の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
また、電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送性材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送性材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送性材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、芳香族アミン、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送性材料は高分子化合物であっても良い。
これら正孔輸送性の高い材料として、例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層130へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111のHOMO準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
上記正孔輸送性材料として、正孔注入層111の材料として例示した材料の他に、正孔輸送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)−ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のアミン化合物、カルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
なお、これら正孔輸送層112として用いることが出来る化合物を、正孔注入層111に用いても良い。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層130へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体などが挙げられる。
例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる層である。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層118と発光層130との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
電子注入層119は電極102からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料、などを用いてもよい。また、2族と16族、13族と15族、13族と17族、11族と17族、または14族と15族の元素グループを含む材料を用いてもよい。あるいは、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、アルミニウム(Al)、等の元素を有する量子ドット材料を用いてもよい。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレートからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子120を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子120の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様では、EL層が有する有機化合物はアントラセン骨格を有し、且つ、EL層が呈する発光は、三重項−三重項消滅による遅延蛍光成分を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、例えば、EL層が有する有機化合物はアントラセン骨格を有さなくともよい。または、EL層が呈する発光は、遅延蛍光成分を有さなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様では、EL層が有する有機化合物において、第1の三重項励起状態は、アントラセン骨格に分子軌道を有し、第2の三重項励起状態は、置換基に分子軌道を有し、第3の三重項励起状態は、アントラセン骨格に分子軌道を有する場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、例えば、EL層が有する有機化合物において、第1の三重項励起状態は、アントラセン骨格に分子軌道を有さなくてもよい。または、第2の三重項励起状態は、置換基に分子軌道を有さなくてもよい。または、第3の三重項励起状態は、アントラセン骨格に分子軌道を有さなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様では、EL層が有する有機化合物において、第3の三重項励起状態の最安定構造における第3の三重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造における第1の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態の最安定構造における第2の三重項励起状態のエネルギーより低い場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、例えば、EL層が有する有機化合物において、第3の三重項励起状態の最安定構造における第3の三重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造における第1の三重項励起状態のエネルギーより高くなくてもよい。または、第3の三重項励起状態の最安定構造における第3の三重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造における第2の三重項励起状態のエネルギーより低くなくてもよい。または、例えば、本発明の一態様では、EL層が有する有機化合物において、一重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造における第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態の最安定構造における第3の三重項励起状態のエネルギー以下である場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様では、例えば、EL層が有する有機化合物において、一重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造における第2の三重項励起状態のエネルギーより高くなくてもよい。または、一重項励起状態のエネルギーは、第3の三重項励起状態の最安定構造における第3の三重項励起状態のエネルギー以下でなくてもよい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す構成と異なる構成の発光素子、及び当該発光素子の発光機構について、図9及び図10を用いて、以下説明を行う。なお、図9及び図10において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例1>
図9(A)は、発光素子450の断面模式図である。
図9(A)に示す発光素子450は、一対の電極(電極401及び電極402)の間に、複数の発光ユニット(図9(A)においては、発光ユニット441及び発光ユニット442)を有する。1つの発光ユニットは、図1で示すEL層100と同様な構成を有する。つまり、図1で示した発光素子120は、1つの発光ユニットを有し、発光素子450は、複数の発光ユニットを有する。なお、発光素子450において、電極401が陽極として機能し、電極402が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子450の構成としては、逆であっても構わない。
また、図9(A)に示す発光素子450において、発光ユニット441と発光ユニット442とが積層されており、発光ユニット441と発光ユニット442との間には電荷発生層445が設けられる。なお、発光ユニット441と発光ユニット442は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット441に、図1で示すEL層100を用い、発光ユニット442に発光材料として燐光材料を有する発光層を用いると好適である。
すなわち、発光素子450は、発光層420と、発光層430と、を有する。また、発光ユニット441は、発光層420の他に、正孔注入層411、正孔輸送層412、電子輸送層413、及び電子注入層414を有する。また、発光ユニット442は、発光層430の他に、正孔注入層416、正孔輸送層417、電子輸送層418、及び電子注入層419を有する。
電荷発生層445は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層445に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態1に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニット442のように、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層445に接している場合は、電荷発生層445が発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けなくとも良い。
なお、電荷発生層445は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット441と発光ユニット442とに挟まれる電荷発生層445は、電極401と電極402とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図9(A)において、電極401の電位の方が電極402の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層445は、発光ユニット441に電子を注入し、発光ユニット442に正孔を注入する。
なお、電荷発生層445は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性を有する(具体的には、電荷発生層445に対する可視光の透過率が40%以上)ことが好ましい。また、電荷発生層445は、一対の電極(電極401及び電極402)よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層445を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図9(A)においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子450に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、図1で示すEL層100の構成を適用することによって、発光効率の高い、発光素子を提供することができる。
また、発光層420は、ホスト材料421と、ゲスト材料422とを有する。また、発光層430は、ホスト材料431と、ゲスト材料432とを有する。また、ホスト材料431は、有機化合物431_1と、有機化合物431_2と、を有する。
また、本実施の形態において、発光層420は、図1に示す発光層130と同様の構成とする。すなわち、発光層420が有するホスト材料421、及びゲスト材料422は、発光層130が有するホスト材料131、及びゲスト材料132に、それぞれ相当する。また、発光層430が有するゲスト材料432が燐光材料として、以下説明する。なお、電極401、電極402、正孔注入層411及び416、正孔輸送層412及び417、電子輸送層413及び418、電子注入層414及び419は、実施の形態1に示す、電極101、電極102、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層118、電子注入層119に、それぞれ相当する。したがって、本実施の形態においては、その詳細な説明は省略する。
≪発光層420の発光機構≫
発光層420の発光機構としては、図1に示す発光層130と同様の発光機構である。
≪発光層430の発光機構≫
次に、発光層430の発光機構について、以下説明を行う。
発光層430が有する、有機化合物431_1と、有機化合物431_2とは励起錯体を形成する。
発光層430における励起錯体を形成する有機化合物431_1と有機化合物431_2との組み合わせは、励起錯体を形成することが可能な組み合わせであればよいが、一方が正孔輸送性を有する化合物であり、他方が電子輸送性を有する化合物であることが、より好ましい。
発光層430における有機化合物431_1と、有機化合物431_2と、ゲスト材料432とのエネルギー準位の相関を図9(B)に示す。なお、図9(B)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Host(431_1):ホスト材料(有機化合物431_1)
・Host(431_2):ホスト材料(有機化合物431_2)
・Guest(432):ゲスト材料432(燐光材料)
・SPH:ホスト材料(有機化合物431_1)の一重項励起状態の最も低い準位
・TPH:ホスト材料(有機化合物431_1)の三重項励起状態の最も低い準位
・TPG:ゲスト材料432(燐光材料)の三重項励起状態の最も低い準位
・SPE:励起錯体の一重項励起状態の最も低い準位
・TPE:励起錯体の三重項励起状態の最も低い準位
有機化合物431_1と有機化合物431_2とにより励起錯体が形成される。該励起錯体の一重項励起状態の最も低い準位(SPE)と励起錯体の三重項励起状態の最も低い準位(TPE)とは互いに隣接することになる(図9(B)Route C参照)。
そして、励起錯体のSPEとTPEの双方のエネルギーを、ゲスト材料432(燐光材料)の三重項励起状態の最も低い準位(TPG)へ移動させて発光が得られる(図9(B)Route D参照)。
なお、上記に示すRoute C及びRoute Dの過程を、本明細書等においてExTET(Exciplex−Triplet Energy Transfer)と呼称する場合がある。
また、有機化合物431_1及び有機化合物431_2は、一方がホールを、他方が電子を受け取ることで励起錯体を形成する。あるいは、一方が励起状態となると、他方と相互作用することで励起錯体を形成する。したがって、発光層430における励起子のほとんどが励起錯体として存在する。励起錯体は、有機化合物431_1及び有機化合物431_2のどちらよりもバンドギャップは小さくなるため、一方のホールと他方の電子の再結合から励起錯体が形成されることにより、駆動電圧を下げることができる。
発光層430を上述の構成とすることで、発光層430のゲスト材料432(燐光材料)からの発光を、効率よく得ることが可能となる。
なお、発光層420からの発光が、発光層430からの発光よりも短波長側に発光のピークを有する構成とすることが好ましい。短波長の発光を呈する燐光材料を用いた発光素子は輝度劣化が早い傾向がある。そこで、短波長の発光を蛍光発光とすることによって、輝度劣化の小さい発光素子を提供することができる。
また、発光層420と発光層430とで異なる発光波長の光を得ることによって、多色発光の素子とすることができる。この場合、発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
また、上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層420と発光層430との光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。
また、発光層420及び発光層430のいずれか一方または双方に発光波長の異なる複数の発光物質を用いることによって、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。この場合、発光層420及び発光層430のいずれか一方または双方を層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。
<発光素子の構成例2>
次に、図9に示す発光素子と異なる構成例について、図10(A)(B)を用いて、以下説明を行う。
図10(A)は、発光素子452の断面模式図である。
図10(A)に示す発光素子452は、一対の電極(電極401及び電極402)の間にEL層400が挟まれた構造である。なお、発光素子452において、電極401が陽極として機能し、電極402が陰極として機能する。
また、EL層400は、発光層420と、発光層430と、を有する。また、発光素子452おいて、EL層400として、発光層420及び発光層430の他に、正孔注入層411、正孔輸送層412、電子輸送層418、及び電子注入層419が図示されているが、これらの積層構造は一例であり、発光素子452におけるEL層400の構成はこれらに限定されない。例えば、EL層400において、上記各層の積層順を変えてもよい。または、EL層400において、上記各層以外の機能層を設けてもよい。該機能層としては、例えば、キャリア(電子またはホール)を注入する機能、キャリアを輸送する機能、キャリアを抑止する機能、キャリアを発生する機能を有する構成とすればよい。
また、発光層420は、ホスト材料421と、ゲスト材料422とを有する。また、発光層430は、ホスト材料431と、ゲスト材料432とを有する。ホスト材料431は、有機化合物431_1と、有機化合物431_2とを有する。なお、ゲスト材料422が蛍光材料、ゲスト材料432が燐光材料として、以下説明する。
≪発光層420と発光層430の発光機構≫
発光層420の発光機構としては、図1(C)に示す発光層130と同様の発光機構である。また、発光層430の発光機構としては、図9(B)に示す発光層430と同様の発光機構である。
発光素子452に示すように、発光層420と、発光層430とが互いに接する構成を有する場合、発光層420と発光層430の界面において、励起錯体から発光層420のホスト材料421へのエネルギー移動(とくに三重項励起準位のエネルギー移動)が起こったとしても、発光層420にて上記三重項励起エネルギーを発光に変換することができる。
なお、発光層420のホスト材料421のT1準位が、発光層430が有する有機化合物431_1及び有機化合物431_2のT1準位よりも低いと好ましい。また、発光層420において、ホスト材料421のS1準位がゲスト材料422(蛍光材料)のS1準位よりも高く、且つ、ホスト材料421のT1準位がゲスト材料422(蛍光材料)のT1準位よりも低いと好ましい。
具体的には、発光層420にTTAを用い、発光層430にExTETを用いる場合のエネルギー準位の相関を図10(B)に示す。なお、図10(B)における表記及び符号は、以下の通りである。
・Fluorescence EML(420):蛍光発光層(発光層420)
・Phosphorescence EML(430):燐光発光層(発光層430)
・SFH:ホスト材料421の一重項励起状態の最も低い準位
・TFH:ホスト材料421の三重項励起状態の最も低い準位
・SFG:ゲスト材料422(蛍光材料)の一重項励起状態の最も低い準位
・TFG:ゲスト材料422(蛍光材料)の三重項励起状態の最も低い準位
・SPH:ホスト材料(有機化合物431_1)の一重項励起状態の最も低い準位
・TPH:ホスト材料(有機化合物431_1)の三重項励起状態の最も低い準位
・TPG:ゲスト材料432(燐光材料)の三重項励起状態の最も低い準位
・SE:励起錯体の一重項励起状態の最も低い準位
・TE:励起錯体の三重項励起状態の最も低い準位
図10(B)に示すように、励起錯体は励起状態でしか存在しないため、励起錯体と励起錯体との間の励起子拡散は生じにくい。また、励起錯体の励起準位(SE、TE)は、発光層430の有機化合物431_1(すなわち、燐光材料のホスト材料)の励起準位(SPH、TPH)よりも低いので、励起錯体から有機化合物431_1へのエネルギーの拡散も生じない。すなわち、燐光発光層(発光層430)内において、励起錯体の励起子拡散距離は短いため、燐光発光層(発光層430)の効率を保つことが可能となる。また、蛍光発光層(発光層420)と燐光発光層(発光層430)の界面において、燐光発光層(発光層430)の励起錯体の三重項励起エネルギーの一部が、蛍光発光層(発光層420)に拡散したとしても、その拡散によって生じた蛍光発光層(発光層420)の三重項励起エネルギーは、TTAを通じて発光されるため、エネルギー損失を低減することが可能となる。
以上のように、発光素子452は、発光層430にExTETを利用し、且つ発光層420にTTAを利用することで、エネルギー損失が低減されるため、高い発光効率の発光素子とすることができる。また、発光素子452に示すように、発光層420と、発光層430とが互いに接する構成とする場合、上記エネルギー損失が低減されるとともに、EL層400の層数を低減させることができる。したがって、製造コストの少ない発光素子とすることができる。
なお、発光層420と発光層430とは互いに接していない構成であっても良い。この場合、発光層430中で生成する、有機化合物431_1、有機化合物431_2、またはゲスト材料432(燐光材料)の励起状態から発光層420中のホスト材料421、またはゲスト材料422(蛍光材料)へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐことができる。したがって、発光層420と発光層430の間に設ける層は数nm程度の厚さがあればよい。
発光層420と発光層430の間に設ける層は単一の材料で構成されていても良いが、正孔輸送性材料と電子輸送性材料の両者が含まれていても良い。単一の材料で構成する場合、バイポーラー性材料を用いても良い。ここでバイポーラー性材料とは、電子と正孔の移動度の比が100以下である材料を指す。また、正孔輸送性材料または電子輸送性材料などを使用しても良い。もしくは、そのうちの少なくとも一つは、発光層430のホスト材料(有機化合物431_1または有機化合物431_2)と同一の材料で形成しても良い。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。さらに、正孔輸送性材料と電子輸送性材とで励起錯体を形成しても良く、これによって励起子の拡散を効果的に防ぐことができる。具体的には、発光層430のホスト材料(有機化合物431_1)あるいはゲスト材料432(燐光材料)の励起状態から、発光層420のホスト材料421あるいはゲスト材料422(蛍光材料)へのエネルギー移動を防ぐことができる。
なお、発光素子452では、キャリアの再結合領域はある程度の分布を持って形成されることが好ましい。このため、発光層420または発光層430において、適度なキャリアトラップ性があることが好ましく、特に、発光層430が有するゲスト材料432(燐光材料)が電子トラップ性を有していることが好ましい。
なお、発光層420からの発光が、発光層430からの発光よりも短波長側に発光のピークを有する構成とすることが好ましい。短波長の発光を呈する燐光材料を用いた発光素子は輝度劣化が早い傾向がある。そこで、短波長の発光を蛍光発光とすることによって、輝度劣化の小さい発光素子を提供することができる。
また、発光層420と発光層430とで異なる発光波長の光を得ることによって、多色発光の素子とすることができる。この場合、発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
また、上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層420と発光層430との光を互いに補色の関係とすることによって、白色発光を得ることができる。
また、発光層420に発光波長の異なる複数の発光物質を用いることによって、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。この場合、発光層420を層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。
<発光層に用いることができる材料の例>
次に、発光層420及び発光層430に用いることのできる材料について、以下説明する。
≪発光層420に用いることのできる材料≫
発光層420中では、ホスト材料421が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料422(蛍光材料)は、ホスト材料421中に分散される。ホスト材料421のS1準位は、ゲスト材料422(蛍光材料)のS1準位よりも高く、ホスト材料421のT1準位は、ゲスト材料422(蛍光材料)のT1準位よりも低いことが好ましい。
発光層420に用いることのできる材料としては、先の実施の形態1に示す発光層130に用いることのできる材料を援用すればよい。そうすることで、発光の遅延蛍光の占める割合が高く、発光効率の高い発光素子を作製することができる。
≪発光層430に用いることのできる材料≫
発光層430中では、ホスト材料431が重量比で最も多く存在し、ゲスト材料432(燐光材料)は、ホスト材料431中に分散される。発光層430のホスト材料431(有機化合物431_1及び有機化合物431_2)のT1準位は、発光層420のゲスト材料422(蛍光材料)のT1準位よりも高いことが好ましい。
有機化合物431_1としては、亜鉛やアルミニウム系金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。他の例としては、芳香族アミンやカルバゾール誘導体などが挙げられる。具体的には、実施の形態1で示した電子輸送性材料および正孔輸送性材料を用いることができる。
有機化合物431_2としては、有機化合物431_1と励起錯体を形成できる組み合わせとする。具体的には、実施の形態1で示した電子輸送性材料および正孔輸送性材料を用いることができる。この場合、有機化合物431_1と有機化合物431_2とで形成される励起錯体の発光ピークが、ゲスト材料432(燐光材料)の三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移の吸収帯、より具体的には、最も長波長側の吸収帯と重なるように、有機化合物431_1、有機化合物431_2、およびゲスト材料432(燐光材料)を選択することが好ましい。これにより、発光効率が飛躍的に向上した発光素子とすることができる。ただし、燐光材料に替えて熱活性化遅延蛍光材料を用いる場合においては、最も長波長側の吸収帯は一重項の吸収帯であることが好ましい。
ゲスト材料432(燐光材料)としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。金属錯体としては、ポルフィリン配位子を有する白金錯体などが挙げられる。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[6−(2−ノルボルニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
発光層430に含まれる発光材料としては、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料であればよい。該三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光材料の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。したがって、燐光材料と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光材料と読み替えても構わない。なお、熱活性化遅延蛍光材料とは、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起状態から一重項励起状態へエネルギーを変換する機能を有する材料である。そのため、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起エネルギー準位と一重項励起エネルギー準位のエネルギー差が好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
また、熱活性化遅延蛍光を示す材料は、単独で三重項励起状態から逆項間交差により一重項励起状態を生成できる材料であっても良いし、励起錯体(エキサイプレックス、またはExciplexともいう)を形成する複数の材料から構成されても良い。
熱活性化遅延蛍光材料が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光材料としては、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強く、一重項励起状態の準位と三重項励起状態の準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
また、熱活性化遅延蛍光材料をホスト材料として用いる場合、励起錯体を形成する2種類の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、上記に示した励起錯体を形成する組み合わせである電子を受け取りやすい化合物と、正孔を受け取りやすい化合物とを用いることが特に好ましい。
また、発光層420に含まれる発光材料と発光層430に含まれる発光材料の発光色に限定は無く、同じでも異なっていても良い。各々から得られる発光が混合されて素子外へ取り出されるので、例えば両者の発光色が互いに補色の関係にある場合、発光素子は白色の光を与えることができる。発光素子の信頼性を考慮すると、発光層420に含まれる発光材料の発光ピーク波長は発光層430に含まれる発光材料のそれよりも短いことが好ましい。
なお、発光ユニット441、発光ユニット441、及び電荷発生層445は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に示す構成と異なる構成の発光素子の例について、図11乃至図14を用いて以下に説明する。
<発光素子の構成例1>
図11(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図11(A)(B)において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図11(A)(B)に示す発光素子250及び発光素子252は、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子であってもよく、基板200と反対方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子であってもよい。なお、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型の発光素子であっても良い。
発光素子250及び発光素子252が、ボトムエミッション型である場合、電極101は、光を透過する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。あるいは、発光素子250及び発光素子252が、トップエミッション型である場合、電極101は、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能を有することが好ましい。
発光素子250及び発光素子252は、基板200上に電極101と、電極102とを有する。また、電極101と電極102との間に、発光層123Bと、発光層123Gと、発光層123Rと、を有する。また、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
また、発光素子252は、電極101の構成の一部として、導電層101aと、導電層101a上の導電層101bと、導電層101a下の導電層101cとを有する。すなわち、発光素子252は、導電層101aが、導電層101bと、導電層101cとで挟持された電極101の構成を有する。
発光素子252において、導電層101bと、導電層101cとは、異なる材料で形成されてもよく、同じ材料で形成されても良い。電極101が、同じ導電性材料で挟持される構成を有する場合、エッチング工程によるパターン形成が容易になるため好ましい。
なお、発光素子252において、導電層101bまたは導電層101cにおいて、いずれか一方のみを有する構成としてもよい。
なお、電極101が有する導電層101a、101b、導電層101cは、それぞれ実施の形態1で示した電極101または電極102と同様の構成および材料を用いることができる。
図11(A)(B)においては、電極101と電極102とで挟持された領域221B、領域221G、及び領域221R、の間に隔壁140を有する。隔壁140は、絶縁性を有する。隔壁140は、電極101の端部を覆い、該電極と重畳する開口部を有する。隔壁140を設けることによって、各領域の基板200が有する電極101を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
なお、発光層123Bと、発光層123Gとは、隔壁140と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。あるいは、発光層123Gと、発光層123Rとは、隔壁140と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。あるいは、発光層123Rと、発光層123Bとは、隔壁140と重畳する領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。
隔壁140としては、絶縁性であればよく、無機材料または有機材料を用いて形成される。該無機材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。該有機材料としては、例えば、アクリル樹脂、またはポリイミド樹脂等の感光性の樹脂材料が挙げられる。
また、発光層123R、発光層123G、発光層123Bは、それぞれ異なる色を呈する機能を有する発光材料を有することが好ましい。例えば、発光層123Rが赤色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Rは赤色の発光を呈し、発光層123Gが緑色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Gは緑色の発光を呈し、発光層123Bが青色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Bは青色の発光を呈する。このような構成を有する発光素子250または発光素子252を、表示装置の画素に用いることで、フルカラー表示が可能な表示装置を作製することができる。また、それぞれの発光層の膜厚は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、発光層123B、発光層123G、発光層123R、のいずれか一つまたは複数の発光層は、実施の形態1で示したTTAによる遅延蛍光成分を有する化合物を有することが好ましい。そうすることで、該発光層が呈する発光のうち、発光効率の良好な発光素子を作製することができる。
なお、発光層123B、発光層123G、発光層123R、のいずれか一つまたは複数の発光層は、2層以上が積層された構成としても良い。
以上のように、少なくとも一つの発光層が実施の形態1で示したTTAによる遅延蛍光成分を有する化合物を有し、該発光層を有する発光素子250または発光素子252を、表示装置の画素に用いることで、発光効率の高い表示装置を作製することができる。すなわち、発光素子250または発光素子252を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、光を取り出す電極上に、カラーフィルタを設けることで、発光素子250及び発光素子252の色純度を向上させることができる。そのため、発光素子250または発光素子252を有する表示装置の色純度を高めることができる。
また、光を取り出す電極上に、偏光板を設けることで、発光素子250及び発光素子252の外光反射を低減することができる。そのため、発光素子250または発光素子252を有する表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、発光素子250及び発光素子252における他の構成については、実施の形態1または実施の形態2における発光素子の構成を参酌すればよい。
<発光素子の構成例2>
次に、図11に示す発光素子と異なる構成例について、図12(A)(B)を用いて、以下説明を行う。
図12(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図12(A)(B)において、図11に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図12(A)(B)は、一対の電極間に、複数の発光層が電荷発生層115を介して積層されるタンデム型発光素子の構成例である。図12(A)に示す発光素子254は、基板200と反対の方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子、図12(B)に示す発光素子256は、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子である。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を発光素子が形成される基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型であっても良い。
発光素子254及び発光素子256は、基板200上に電極101と、電極102と、電極103と、電極104とを有する。また、電極101と電極102との間、及び電極102と電極103との間、及び電極102と電極104との間に、発光層160と、電荷発生層115と、発光層170と、を有する。また、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、電子輸送層113と、電子注入層114と、正孔注入層116と、正孔輸送層117と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。また、電極103は、導電層103aと、導電層103a上に接する導電層103bと、を有する。電極104は、導電層104aと、導電層104a上に接する導電層104bと、を有する。
図12(A)に示す発光素子254、及び図12(B)に示す発光素子256は、電極101と電極102とで挟持された領域222B、電極102と電極103とで挟持された領域222G、及び電極102と電極104とで挟持された領域222R、の間に、隔壁140を有する。隔壁140は、絶縁性を有する。隔壁140は、電極101、電極103、及び電極104の端部を覆い、該電極と重畳する開口部を有する。隔壁140を設けることによって、各領域の基板200が有する該電極を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
また、発光素子254及び発光素子256は、領域222B、領域222G、及び領域222Rから呈される光が取り出される方向に、それぞれ光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを有する基板220を有する。各領域から呈される光は、各光学素子を介して発光素子外部に射出される。すなわち、領域222Bから呈される光は、光学素子224Bを介して射出され、領域222Gから呈される光は、光学素子224Gを介して射出され、領域222Rから呈される光は、光学素子224Rを介して射出される。
また、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rは、入射される光から特定の色を呈する光を選択的に透過する機能を有する。例えば、光学素子224Bを介して射出される領域222Bから呈される光は、青色を呈する光となり、光学素子224Gを介して射出される領域222Gから呈される光は、緑色を呈する光となり、光学素子224Rを介して射出される領域222Rから呈される光は、赤色を呈する光となる。
光学素子224R、光学素子224G、及び光学素子224Bには、例えば、着色層(カラーフィルタともいう)、バンドパスフィルタ、多層膜フィルタなどを適用できる。また、光学素子に色変換素子を適用することができる。色変換素子は、入射される光を、当該光の波長より長い波長の光に変換する光学素子である。色変換素子として、量子ドット方式を用いる素子であると好適である。量子ドット方式を用いることにより、表示装置の色再現性を高めることができる。
なお、光学素子224R、光学素子224G、及び光学素子224B上に複数の光学素子を重ねて設けてもよい。他の光学素子としては、例えば円偏光板や反射防止膜などを設けることができる。円偏光板を、表示装置の発光素子が発する光が取り出される側に設けると、表示装置の外部から入射した光が、表示装置の内部で反射されて、外部に射出される現象を防ぐことができる。また、反射防止膜を設けると、表示装置の表面で反射される外光を弱めることができる。これにより、表示装置が発する発光を、鮮明に観察できる。
なお、図12(A)(B)において、各光学素子を介して各領域から射出される光を、青色(B)を呈する光、緑色(G)を呈する光、赤色(R)を呈する光、として、それぞれ破線の矢印で模式的に図示している。
また、各光学素子の間には、遮光層223を有する。遮光層223は、隣接する領域から発せられる光を遮光する機能を有する。なお、遮光層223を設けない構成としても良い。
遮光層223としては、外光の反射を抑制する機能を有する。または、遮光層223としては、隣接する発光素子から発せられる光の混色を防ぐ機能を有する。遮光層223としては、金属、黒色顔料を含んだ樹脂、カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を用いることができる。
なお、光学素子を有する基板220及び基板200としては、実施の形態1を参酌すればよい。
≪マイクロキャビティ構造≫
さらに、発光素子254及び発光素子256は、マイクロキャビティ構造を有する。
発光層160、及び発光層170から射出される光は、一対の電極(例えば、電極101と電極102)の間で共振される。また、発光層160及び発光層170は、射出される光のうち所望の波長の光が強まる位置に形成される。例えば、電極101の反射領域から発光層160の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層160の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層160から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。また、電極101の反射領域から発光層170の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層170の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層170から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。すなわち、電荷発生層115を介して複数の発光層(ここでは、発光層160及び発光層170)を積層するタンデム型の発光素子の場合、発光層160及び発光層170のそれぞれの光学距離を最適化すると好ましい。
また、発光素子254及び発光素子256においては、各領域で導電層(導電層101b、導電層103b、及び導電層104b)の厚さを調整することで、発光層160及び発光層170から呈される光のうち所望の波長の光を強めることができる。なお、各領域で正孔注入層111及び正孔輸送層112のうち、少なくとも一つの厚さを異ならせることで、発光層160及び発光層170から呈される光を強めても良い。
例えば、電極101乃至電極104において、光を反射する機能を有する導電性材料の屈折率が、発光層160または発光層170の屈折率よりも小さい場合においては、電極101が有する導電層101bの膜厚を、電極101と電極102との間の光学距離がmλB/2(mは自然数、λBは領域222Bで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。同様に、電極103が有する導電層103bの膜厚を、電極103と電極102との間の光学距離がm’λG/2(m’は自然数、λGは領域222Gで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。さらに、電極104が有する導電層104bの膜厚を、電極104と電極102との間の光学距離がm’’λR/2(m’’は自然数、λRは領域222Rで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。
上記のように、マイクロキャビティ構造を設け、各領域の一対の電極間の光学距離を調整することで、各電極近傍における光の散乱および光の吸収を抑制し、高い光取り出し効率を実現することができる。なお、上記構成においては、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、光を透過する機能を有することが好ましい。また、導電層101b、導電層103b、導電層104b、を構成する材料は、互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。また、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
なお、図12(A)に示す発光素子254、上面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aは、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能とを有することが好ましい。
また、図12(B)に示す発光素子256は、下面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。
また、発光素子254及び発光素子256において、導電層101a、導電層103a、または導電層104a、に同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。導電層101a、導電層103a、導電層104a、に同じ材料を用いる場合、発光素子254及び発光素子256の製造コストを低減できる。なお、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
また、発光層160、または発光層170の少なくとも一つの発光層に、実施の形態1で示したTTAによる遅延蛍光成分を有する化合物を用いることが好ましい。そうすることで、高い発光効率を示す発光素子を作製することができる。特に、領域222Bにおいては、発光効率の良好な青色に発光スペクトルピークを有する発光素子とすることができる。
また、発光層160及び発光層170は、例えば発光層170a及び発光層170bのように、それぞれ2層が積層された構成とすることができる。2層の発光層に、第1の化合物及び第2の化合物という、異なる色を呈する機能を有する2種類の発光材料をそれぞれ用いることで、複数の発光を同時に得ることができる。特に発光層160と、発光層170と、が呈する発光により、白色となるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
また、発光層160または発光層170は、それぞれ3層以上が積層された構成としても良く、発光材料を有さない層が含まれていても良い。
以上のように、少なくとも一つの発光層に実施の形態1で示したTTAによる遅延蛍光成分を有する化合物を有し、該発光層を有する発光素子254または発光素子256を、表示装置の画素に用いることで、発光効率の高い表示装置を作製することができる。すなわち、発光素子254または発光素子256を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、発光素子254及び発光素子256における他の構成については、発光素子250または発光素子252、あるいは実施の形態1または実施の形態2で示した発光素子の構成を参酌すればよい。
<発光層の構成要素>
次に、図11及び図12に示す発光素子における発光層の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
発光層123B、発光層123G、発光層123R、発光層160または発光層170は、紫色、青色、または青緑色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈する機能を有する第1のゲスト材料である発光性物質を有する。または、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈する機能を有する第2のゲスト材料である発光性物質を有する。また、各発光層は、第1のゲスト材料である発光性物質に加えて、電子輸送性材料または正孔輸送性材料の一方または双方を含んで構成される。また、各発光層は、第2のゲスト材料である発光性物質に加えて、電子輸送性材料または正孔輸送性材料の一方または双方を含んで構成される。
また、第1のゲスト材料としては、一重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光性物質を用いることができる。また、第2のゲスト材料としては、一重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光性物質、または三重項励起エネルギーを発光に変換できる機能を有する発光性物質を用いることができる。なお、上記発光性物質としては、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変える発光性物質としては、実施の形態1で示したゲスト材料132に用いることができる物質が挙げられる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変える発光性物質としては、例えば、燐光を発する物質が挙げられる。
発光層のホスト材料として用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、実施の形態1及び実施の形態2で示したホスト材料131、有機化合物431_1及び有機化合物431_2に用いることができる物質が挙げられる。それら及び様々な物質の中から、上記発光材料のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。また、発光物質が燐光を発する物質である場合、ホスト材料としては、発光物質の三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも三重項励起エネルギーの大きい物質を選択すれば良い。
また、発光層のホスト材料として、複数の材料を用いる場合、励起錯体を形成する2種類の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、様々なキャリア輸送材料を適宜用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するために、電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)と、正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性を有する材料)とを組み合わせることが特に好ましい。
なぜならば、電子輸送性を有する材料と、正孔輸送性を有する材料とを組み合わせて励起錯体を形成するホスト材料とする場合、電子輸送性を有する材料及び正孔輸送性を有する材料の混合比率を調節することで、発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することが容易となる。発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することにより、発光層中で電子と正孔の再結合が起こる領域が偏ることを抑制できる。再結合が起こる領域の偏りを抑制することで、発光素子の信頼性を向上させることができる。
電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。中でも、ジアジン骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性を有する材料)としては、π電子過剰型複素芳香族(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)又は芳香族アミンなどを好適に用いることができる。また、チオフェン骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物が挙げられる。中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、励起錯体を形成するホスト材料の組み合わせとしては、上述した化合物に限定されることなく、キャリアを輸送でき、且つ励起錯体を形成できる組み合わせであり、当該励起錯体の発光が、発光物質の吸収スペクトルにおける最も長波長側の吸収帯(発光物質の一重項基底状態から一重項励起状態への遷移に相当する吸収)と重なっていればよく、他の材料を用いても良い。
また、発光層の発光材料またはホスト材料として、熱活性化遅延蛍光材料を用いても良い。
<発光素子の作製方法>
次に、本発明の一態様の発光素子の作製方法について、図13及び図14を用いて以下説明を行う。なお、ここでは、図12(A)に示す発光素子254の作製方法について説明する。
図13及び図14は、本発明の一態様の発光素子の作製方法を説明するための断面図である。
以下で説明する発光素子254の作製方法は、第1乃至第7の7つのステップを有する。
≪第1のステップ≫
第1のステップは、発光素子の電極(具体的には、電極101を構成する導電層101a、電極103を構成する導電層103a、及び電極104を構成する導電層104a)を、基板200上に形成する工程である(図13(A)参照)。
本実施の形態においては、基板200上に、光を反射する機能を有する導電層を形成し、該導電層を所望の形状に加工することで、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aを形成する。上記光を反射する機能を有する導電層としては、銀とパラジウムと銅の合金膜(Ag−Pd−Cu膜、APCともいう)を用いる。このように、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aを、同一の導電層を加工する工程を経て形成することで、製造コストを安くすることができるため好適である。
なお、第1のステップの前に、基板200上に複数のトランジスタを形成してもよい。また、上記複数のトランジスタと、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aとを、それぞれ電気的に接続させてもよい。
≪第2のステップ≫
第2のステップは、電極101を構成する導電層101a上に光を透過する機能を有する導電層101bを、電極103を構成する導電層103a上に光を透過する機能を有する導電層103bを、電極104を構成する導電層104a上に光を透過する機能を有する導電層104bを、形成する工程である(図13(B)参照)
本実施の形態においては、光を反射する機能を有する導電層101a、103a、及び104a、の上にそれぞれ、光を透過する機能を有する導電層101b、103b、及び104bを形成し、これら導電層を所望の形状に加工することで、電極101、電極103、及び電極104を形成する。上記の導電層101b、103b、及び104bとしては、ITSO膜を用いる。
なお、光を透過する機能を有する導電層101b、103b、及び104bの形成方法としては、複数回に分けて形成してもよい。複数回に分けて形成することで、各領域で適したマイクロキャビティ構造となる膜厚で、導電層101b、103b、及び104bを形成することができる。
≪第3のステップ≫
第3のステップは、発光素子の各電極の端部を覆う隔壁140を形成する工程である(図13(C)参照)。
隔壁140は、電極と重なるように開口部を有する。該開口部によって露出する導電膜が発光素子の陽極として機能する。本実施の形態では、隔壁140として、ポリイミド樹脂を用いる。
なお、第1乃至第3のステップにおいては、EL層(有機化合物を含む層)を損傷するおそれがないため、さまざまな成膜方法及び微細加工技術を適用できる。本実施の形態では、スパッタリング法を用いて反射性の導電層を成膜し、リソグラフィ法を用いて、該導電層をパターン形成し、その後ドライエッチング法またはウエットエッチング法を用いて、該導電層を島状に加工することで、電極101を構成する導電層101a、電極103を構成する導電層103a、及び電極104を構成する導電層104a、を形成する。その後、スパッタリング法を用いて透明性を有する導電膜を成膜し、リソグラフィ法を用いて、該透明性を有する導電膜にパターンを形成し、その後ウエットエッチング法を用いて、該透明導電膜を島状に加工して、電極101、電極103、及び電極104を形成する。
≪第4のステップ≫
第4のステップは、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層170、電子輸送層113、電子注入層114、及び電荷発生層115を形成する工程である(図14(A)参照)。
正孔注入層111としては、正孔輸送性材料とアクセプター性物質を含む材料とを共蒸着することで形成することができる。なお、共蒸着とは、異なる複数の物質をそれぞれ異なる蒸発源から同時に蒸発させる蒸着法である。また、正孔輸送層112としては、正孔輸送性材料を蒸着することで形成することができる。
発光層170としては、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈する第2のゲスト材料を蒸着することで形成することができる。第2のゲスト材料としては、蛍光または燐光を呈する発光性の有機化合物を用いることができる。また、該発光性の有機化合物は、単独で蒸着してもよいが、他の物質と混合して蒸着してもよい。また、発光性の有機化合物をゲスト材料とし、ゲスト材料より励起エネルギーが大きなホスト材料に該ゲスト材料を分散して蒸着してもよい。また、発光層170として、発光層170a及び発光層170bの2層の構成とすることが好適である。その場合、発光層170a及び発光層170bは、それぞれ互いに異なる発光色を呈する発光物質を有することが好ましい。
電子輸送層113としては、電子輸送性の高い物質を蒸着することで形成することができる。また、電子注入層114としては、電子注入性の高い物質を蒸着することで形成することができる。
電荷発生層115としては、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された材料、または電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された材料を蒸着することで形成することができる。
≪第5のステップ≫
第5のステップは、正孔注入層116、正孔輸送層117、発光層160、電子輸送層118、電子注入層119、及び電極102を形成する工程である(図14(B)参照)。
正孔注入層116としては、先に示す正孔注入層111と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。また、正孔輸送層117としては、先に示す正孔輸送層112と同様の材料及び同様の方法により形成することができる。
発光層160としては、紫色、青色、または青緑色の中から選ばれる少なくともいずれか一つの発光を呈する第1のゲスト材料を蒸着することで形成することができる。第1のゲスト材料としては、蛍光性の有機化合物を用いることができる。また、該蛍光性の有機化合物は、単独で蒸着してもよいが、他の材料と混合して蒸着してもよい。また、蛍光性の有機化合物をゲスト材料とし、ゲスト材料より励起エネルギーが大きなホスト材料に該ゲスト材料を分散して蒸着してもよい。
電子輸送層118としては、電子輸送性の高い物質を蒸着することで形成することができる。また、電子注入層119としては、電子注入性の高い物質を蒸着することで形成することができる。
電極102としては、反射性を有する導電膜と、透光性を有する導電膜を積層することで形成することができる。また、電極102としては、単層構造、または積層構造としてもよい。
上記工程を経て、電極101、電極103、及び電極104上に、それぞれ領域222B、領域222G、及び領域222Rを有する発光素子が基板200上に形成される。
≪第6のステップ≫
第6のステップは、基板220上に遮光層223、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを形成する工程である(図14(C)参照)。
遮光層223としては、黒色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。その後、基板220及び遮光層223上に、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを形成する。光学素子224Bとしては、青色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。また、光学素子224Gとしては、緑色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。また、光学素子224Rとしては、赤色顔料の含んだ樹脂膜を所望の領域に形成する。
≪第7のステップ≫
第7のステップは、基板200上に形成された発光素子と、基板220上に形成された遮光層223、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rと、を貼り合わせ、封止材を用いて封止する工程である(図示しない)。
以上の工程により、図12(A)に示す発光素子254を形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について、図15乃至図21を用いて説明する。
<表示装置の構成例1>
図15(A)は表示装置600を示す上面図、図15(B)は図15(A)の一点鎖線A−B、及び一点鎖線C−Dで切断した断面図である。表示装置600は、駆動回路部(信号線駆動回路部601、及び走査線駆動回路部603)、並びに画素部602を有する。なお、信号線駆動回路部601、走査線駆動回路部603、及び画素部602は、発光素子の発光を制御する機能を有する。
また、表示装置600は、素子基板610と、封止基板604と、シール材605と、シール材605で囲まれた領域607と、引き回し配線608と、FPC609と、を有する。
なお、引き回し配線608は、信号線駆動回路部601及び走査線駆動回路部603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPC609しか図示されていないが、FPC609にはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。
また、信号線駆動回路部601は、Nチャネル型のトランジスタ623とPチャネル型のトランジスタ624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。なお、信号線駆動回路部601または走査線駆動回路部603は、種々のCMOS回路、PMOS回路、またはNMOS回路を用いることが出来る。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路部を形成したドライバと画素とを同一の表面上に設けた表示装置を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路部を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602は、スイッチング用のトランジスタ611と、電流制御用のトランジスタ612と、電流制御用のトランジスタ612のドレインに電気的に接続された下部電極613と、を有する。なお、下部電極613の端部を覆って隔壁614が形成されている。隔壁614としては、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることができる。
また、被覆性を良好なものとするため、隔壁614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、隔壁614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、隔壁614の上端部のみに曲率半径(0.2μm以上3μm以下)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、隔壁614として、ネガ型の感光性樹脂、またはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
なお、トランジスタ(トランジスタ611、612、623、624)の構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタを用いてもよい。また、トランジスタの極性についても特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、及びNチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族(ケイ素等)半導体、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタとしては、例えば、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、Sn、ハフニウム(Hf)、またはネオジム(Nd)を表す)等が挙げられる。
下部電極613上には、EL層616、および上部電極617がそれぞれ形成されている。なお、下部電極613は、陽極として機能し、上部電極617は、陰極として機能する。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
なお、下部電極613、EL層616、及び上部電極617により、発光素子618が形成される。発光素子618は、実施の形態1または実施の形態2の構成を有する発光素子である。なお、画素部は複数の発光素子が形成される場合、実施の形態1または実施の形態2に記載の発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
また、シール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた領域607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、領域607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605に用いることができる紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂で充填される場合もあり、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂を用いることができる。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥材を設けると水分の影響による劣化を抑制することができ、好ましい構成である。
また、発光素子618と互いに重なるように、光学素子621が封止基板604の下方に設けられる。また、封止基板604の下方には、遮光層622が設けられる。光学素子621及び遮光層622としては、それぞれ、実施の形態3に示す光学素子、及び遮光層と同様の構成とすればよい。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しにくい材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子及び光学素子を有する表示装置を得ることができる。
<表示装置の構成例2>
次に、表示装置の別の一例について、図16(A)(B)及び図17を用いて説明を行う。なお、図16(A)(B)及び図17は、本発明の一態様の表示装置の断面図である。
図16(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の下部電極1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の上部電極1026、封止層1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図16(A)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、遮光層1035をさらに設けても良い。着色層及び遮光層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び遮光層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図16(A)においては、着色層を透過する光は赤、緑、青となることから、3色の画素で映像を表現することができる。
図16(B)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
図17では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
また、以上に説明した表示装置では、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置としても良い。
<表示装置の構成例3>
トップエミッション型の表示装置の断面図の一例を図18(A)(B)に示す。図18(A)(B)は、本発明の一態様の表示装置を説明する断面図であり、図16(A)(B)及び図17に示す駆動回路部1041、周辺部1042等を省略して例示している。
この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。トランジスタと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の表示装置と同様に形成する。その後、電極1022を覆うように、第3の層間絶縁膜1037を形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1024R、1024G、1024Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図18(A)(B)のようなトップエミッション型の表示装置である場合、下部電極1024R、1024G、1024Bは光を反射する機能を有することが好ましい。また、EL層1028上に上部電極1026が設けられる。上部電極1026は光を反射する機能と、光を透過する機能を有し、下部電極1024R、1024G、1024Bと、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させると好ましい。
図18(A)のようなトップエミッションの構造では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように遮光層1035を設けても良い。なお、封止基板1031は透光性を有する基板を用いると好適である。
また、図18(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図18(B)に示すように、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図18(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図18(B)に示すように、発光素子と、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、緑色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
<表示装置の構成例4>
以上に示す表示装置は、3色(赤色、緑色、青色)の副画素を有する構成を示したが、4色(赤色、緑色、青色、黄色、あるいは赤色、緑色、青色、白色)の副画素を有する構成としてもよい。図19乃至図21は、下部電極1024R、1024G、1024B、及び1024Yを有する表示装置の構成である。図19(A)(B)及び図20は、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置であり、図21(A)(B)は、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置である。
図19(A)は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)を透明な基材1033に設ける表示装置の例である。また、図19(B)は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する表示装置の例である。また、図20は、光学素子(着色層1034R、着色層1034G、着色層1034B、着色層1034Y)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成する表示装置の例である。
着色層1034Rは赤色の光を透過し、着色層1034Gは緑色の光を透過し、着色層1034Bは青色の光を透過する機能を有する。また、着色層1034Yは黄色の光を透過する機能、あるいは青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有する。着色層1034Yが青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有するとき、着色層1034Yを透過した光は白色であってもよい。黄色あるいは白色の発光を呈する発光素子は発光効率が高いため、着色層1034Yを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図21に示すトップエミッション型の表示装置においては、下部電極1024Yを有する発光素子においても、図18(A)の表示装置と同様に、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を有する構成が好ましい。また、図21(A)の表示装置では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B、及び黄色の着色層1034Y)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。
マイクロキャビティ、及び黄色の着色層1034Yを介して呈される発光は、黄色の領域に発光スペクトルを有する発光となる。黄色は視感度が高い色であるため、黄色の発光を呈する発光素子は発光効率が高い。すなわち、図21(A)の構成を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図21(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図21(B)に示すように、黄色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青、黄の4色、または赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図21(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図21(B)に示すように、発光素子と、黄色の着色層を設けずに、赤色の着色層、緑色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、黄色または白色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態や本実施の形態中の他の構成と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置について、図22乃至図24を用いて説明を行う。
なお、図22(A)は、本発明の一態様の表示装置を説明するブロック図であり、図22(B)は、本発明の一態様の一態様の表示装置が有する画素回路を説明する回路図である。
<表示装置に関する説明>
図22(A)に示す表示装置は、表示素子の画素を有する領域(以下、画素部802という)と、画素部802の外側に配置され、画素を駆動するための回路を有する回路部(以下、駆動回路部804という)と、素子の保護機能を有する回路(以下、保護回路806という)と、端子部807と、を有する。なお、保護回路806は、設けない構成としてもよい。
駆動回路部804の一部、または全部は、画素部802と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことが出来る。駆動回路部804の一部、または全部が、画素部802と同一基板上に形成されていない場合には、駆動回路部804の一部、または全部は、COGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、実装することができる。
画素部802は、X行(Xは2以上の自然数)Y列(Yは2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動するための回路(以下、画素回路801という)を有し、駆動回路部804は、画素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(以下、走査線駆動回路804aという)、画素の表示素子を駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(以下、信号線駆動回路804b)などの駆動回路を有する。
走査線駆動回路804aは、シフトレジスタ等を有する。走査線駆動回路804aは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号が入力され、信号を出力する。例えば、走査線駆動回路804aは、スタートパルス信号、クロック信号等が入力され、パルス信号を出力する。走査線駆動回路804aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_1乃至GL_Xという)の電位を制御する機能を有する。なお、走査線駆動回路804aを複数設け、複数の走査線駆動回路804aにより、走査線GL_1乃至GL_Xを分割して制御してもよい。または、走査線駆動回路804aは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、走査線駆動回路804aは、別の信号を供給することも可能である。
信号線駆動回路804bは、シフトレジスタ等を有する。信号線駆動回路804bは、端子部807を介して、シフトレジスタを駆動するための信号の他、データ信号の元となる信号(画像信号)が入力される。信号線駆動回路804bは、画像信号を元に画素回路801に書き込むデータ信号を生成する機能を有する。また、信号線駆動回路804bは、スタートパルス、クロック信号等が入力されて得られるパルス信号に従って、データ信号の出力を制御する機能を有する。また、信号線駆動回路804bは、データ信号が与えられる配線(以下、データ線DL_1乃至DL_Yという)の電位を制御する機能を有する。または、信号線駆動回路804bは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、信号線駆動回路804bは、別の信号を供給することも可能である。
信号線駆動回路804bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。信号線駆動回路804bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、画像信号を時分割した信号をデータ信号として出力できる。また、シフトレジスタなどを用いて信号線駆動回路804bを構成してもよい。
複数の画素回路801のそれぞれは、走査信号が与えられる複数の走査線GLの一つを介してパルス信号が入力され、データ信号が与えられる複数のデータ線DLの一つを介してデータ信号が入力される。また、複数の画素回路801のそれぞれは、走査線駆動回路804aによりデータ信号のデータの書き込み及び保持が制御される。例えば、m行n列目の画素回路801は、走査線GL_m(mはX以下の自然数)を介して走査線駆動回路804aからパルス信号が入力され、走査線GL_mの電位に応じてデータ線DL_n(nはY以下の自然数)を介して信号線駆動回路804bからデータ信号が入力される。
図22(A)に示す保護回路806は、例えば、走査線駆動回路804aと画素回路801の間の配線である走査線GLに接続される。または、保護回路806は、信号線駆動回路804bと画素回路801の間の配線であるデータ線DLに接続される。または、保護回路806は、走査線駆動回路804aと端子部807との間の配線に接続することができる。または、保護回路806は、信号線駆動回路804bと端子部807との間の配線に接続することができる。なお、端子部807は、外部の回路から表示装置に電源及び制御信号、及び画像信号を入力するための端子が設けられた部分をいう。
保護回路806は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図22(A)に示すように、画素部802と駆動回路部804にそれぞれ保護回路806を設けることにより、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)などにより発生する過電流に対する表示装置の耐性を高めることができる。ただし、保護回路806の構成はこれに限定されず、例えば、走査線駆動回路804aに保護回路806を接続した構成、または信号線駆動回路804bに保護回路806を接続した構成とすることもできる。あるいは、端子部807に保護回路806を接続した構成とすることもできる。
また、図22(A)においては、走査線駆動回路804aと信号線駆動回路804bによって駆動回路部804を形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、走査線駆動回路804aのみを形成し、別途用意された信号線駆動回路が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を実装する構成としても良い。
<画素回路の構成例>
図22(A)に示す複数の画素回路801は、例えば、図22(B)に示す構成とすることができる。
図22(B)に示す画素回路801は、トランジスタ852、854と、容量素子862と、発光素子872と、を有する。
トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配線(データ線DL_n)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ852のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(走査線GL_m)に電気的に接続される。
トランジスタ852は、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子862の一対の電極の一方は、電位が与えられる配線(以下、電位供給線VL_aという)に電気的に接続され、他方は、トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
容量素子862は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ854のソース電極及びドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続される。さらに、トランジスタ854のゲート電極は、トランジスタ852のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872のアノード及びカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、トランジスタ854のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子872としては、実施の形態1に示す発光素子を用いることができる。
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図22(B)の画素回路801を有する表示装置では、例えば、図22(A)に示す走査線駆動回路804aにより各行の画素回路801を順次選択し、トランジスタ852をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路801は、トランジスタ852がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタ854のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子872は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、画素回路に、トランジスタのしきい値電圧等の変動の影響を補正する機能を持たせてもよい。図23(A)(B)及び図24(A)(B)に画素回路の一例を示す。
図23(A)に示す画素回路は、6つのトランジスタ(トランジスタ303_1乃至303_6)と、容量素子304と、発光素子305と、を有する。また、図23(A)に示す画素回路には、配線301_1乃至301_5、並びに配線302_1及び配線302_2が電気的に接続されている。なお、トランジスタ303_1乃至303_6については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
図23(B)に示す画素回路は、図23(A)に示す画素回路に、トランジスタ303_7を追加した構成である。また、図23(B)に示す画素回路には、配線301_6及び配線301_7が電気的に接続されている。ここで、配線301_5と配線301_6とは、それぞれ電気的に接続されていてもよい。なお、トランジスタ303_7については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
図24(A)に示す画素回路は、6つのトランジスタ(トランジスタ308_1乃至308_6)と、容量素子304と、発光素子305と、を有する。また、図24(A)に示す画素回路には、配線306_1乃至306_3、並びに配線307_1乃至307_3が電気的に接続されている。ここで配線306_1と配線306_3とは、それぞれ電気的に接続されていてもよい。なお、トランジスタ308_1乃至308_6については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
図24(B)に示す画素回路は、2つのトランジスタ(トランジスタ309_1及びトランジスタ309_2)と、2つの容量素子(容量素子304_1及び容量素子304_2)と、発光素子305と、を有する。また、図24(B)に示す画素回路には、配線311_1乃至配線311_3、配線312_1、及び配線312_2が電気的に接続されている。また、図24(B)に示す画素回路の構成とすることで、例えば、電圧入力−電流駆動方式(CVCC方式ともいう)とすることができる。なお、トランジスタ309_1及び309_2については、例えばPチャネル型のトランジスタを用いることができる。
また、本発明の一態様の発光素子は、表示装置の画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方式、または、表示装置の画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式のそれぞれの方式に適用することができる。
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、トランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いることが出来る。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)、又はTFD(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子は、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、これらの素子は、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ、低消費電力化や高輝度化をはかることが出来る。
アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる。または、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いないため、開口率を向上させることができ、低消費電力化、又は高輝度化などを図ることが出来る。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置、及び該表示装置に入力装置を取り付けた電子機器について、図25乃至図29を用いて説明を行う。
<タッチパネルに関する説明1>
なお、本実施の形態において、電子機器の一例として、表示装置と、入力装置とを合わせたタッチパネル2000について説明する。また、入力装置の一例として、タッチセンサを有する場合について説明する。
図25(A)(B)は、タッチパネル2000の斜視図である。なお、図25(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル2000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル2000は、表示装置2501とタッチセンサ2595とを有する(図25(B)参照)。また、タッチパネル2000は、基板2510、基板2570、及び基板2590を有する。なお、基板2510、基板2570、及び基板2590はいずれも可撓性を有する。ただし、基板2510、基板2570、及び基板2590のいずれか一つまたは全てが可撓性を有さない構成としてもよい。
表示装置2501は、基板2510上に複数の画素及び該画素に信号を供給することができる複数の配線2511を有する。複数の配線2511は、基板2510の外周部にまで引き回され、その一部が端子2519を構成している。端子2519はFPC2509(1)と電気的に接続する。また、複数の配線2511は、信号線駆動回路2503s(1)からの信号を複数の画素に供給することができる。
基板2590は、タッチセンサ2595と、タッチセンサ2595と電気的に接続する複数の配線2598とを有する。複数の配線2598は、基板2590の外周部に引き回され、その一部は端子を構成する。そして、該端子はFPC2509(2)と電気的に接続される。なお、図25(B)では明瞭化のため、基板2590の裏面側(基板2510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ2595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ2595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
なお、図25(B)に示すタッチセンサ2595は、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用した構成である。
なお、タッチセンサ2595には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ2595は、電極2591と電極2592とを有する。電極2591は、複数の配線2598のいずれかと電気的に接続し、電極2592は複数の配線2598の他のいずれかと電気的に接続する。
電極2592は、図25(A)(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で接続される形状を有する。
電極2591は四辺形であり、電極2592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置されている。
配線2594は、電極2592を挟む二つの電極2591と電気的に接続する。このとき、電極2592と配線2594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ2595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極2591及び電極2592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極2591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極2592を、電極2591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極2592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
<表示装置に関する説明>
次に、図26(A)を用いて、表示装置2501の詳細について説明する。図26(A)は、図25(B)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
表示装置2501は、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。該画素は表示素子と、該表示素子を駆動する画素回路とを有する。
以下の説明においては、白色の光を射出する発光素子を表示素子に適用する場合について説明するが、表示素子はこれに限定されない。例えば、隣接する画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なる発光素子を適用してもよい。
基板2510及び基板2570としては、例えば、水蒸気の透過率が1×10−5g・m−2・day−1以下、好ましくは1×10−6g・m−2・day−1以下である可撓性を有する材料を好適に用いることができる。または、基板2510の熱膨張率と、基板2570の熱膨張率とが、およそ等しい材料を用いると好適である。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料を好適に用いることができる。
なお、基板2510は、発光素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層2510aと、可撓性基板2510bと、絶縁層2510a及び可撓性基板2510bを貼り合わせる接着層2510cと、を有する積層体である。また、基板2570は、発光素子への不純物の拡散を防ぐ絶縁層2570aと、可撓性基板2570bと、絶縁層2570a及び可撓性基板2570bを貼り合わせる接着層2570cと、を有する積層体である。
接着層2510c及び接着層2570cとしては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
また、基板2510と基板2570との間に封止層2560を有する。封止層2560は、空気より大きい屈折率を有すると好ましい。また、図26(A)に示すように、封止層2560側に光を取り出す場合は、封止層2560は光学的な接合層を兼ねることができる。
また、封止層2560の外周部にシール材を形成してもよい。当該シール材を用いることにより、基板2510、基板2570、封止層2560、及びシール材で囲まれた領域に発光素子2550Rを有する構成とすることができる。なお、封止層2560として、不活性気体(窒素やアルゴン等)を充填してもよい。また、当該不活性気体内に、乾燥材を設けて、水分等を吸着させる構成としてもよい。また、上述のシール材としては、例えば、エポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、シール材に用いる材料としては、水分や酸素を透過しない材料を用いると好適である。
また、表示装置2501は、画素2502Rを有する。また、画素2502Rは発光モジュール2580Rを有する。
画素2502Rは、発光素子2550Rと、発光素子2550Rに電力を供給することができるトランジスタ2502tとを有する。なお、トランジスタ2502tは、画素回路の一部として機能する。また、発光モジュール2580Rは、発光素子2550Rと、着色層2567Rとを有する。
発光素子2550Rは、下部電極と、上部電極と、下部電極と上部電極の間にEL層とを有する。発光素子2550Rとして、例えば、実施の形態1乃至実施の形態3に示す発光素子を適用することができる。
また、下部電極と上部電極との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させてもよい。
また、封止層2560が光を取り出す側に設けられている場合、封止層2560は、発光素子2550Rと着色層2567Rに接する。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。これにより、発光素子2550Rが発する光の一部は着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール2580Rの外部に射出される。
また、表示装置2501には、光を射出する方向に遮光層2567BMが設けられる。遮光層2567BMは、着色層2567Rを囲むように設けられている。
着色層2567Rとしては、特定の波長帯域の光を透過する機能を有していればよく、例えば、赤色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタ、黄色の波長帯域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。各カラーフィルタは、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ技術を用いたエッチング方法などで形成することができる。
また、表示装置2501には、絶縁層2521が設けられる。絶縁層2521はトランジスタ2502tを覆う。なお、絶縁層2521は、画素回路に起因する凹凸を平坦化するための機能を有する。また、絶縁層2521に不純物の拡散を抑制できる機能を付与してもよい。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ2502t等の信頼性の低下を抑制できる。
また、発光素子2550Rは、絶縁層2521の上方に形成される。また、発光素子2550Rが有する下部電極には、該下部電極の端部に重なる隔壁2528が設けられる。なお、基板2510と、基板2570との間隔を制御するスペーサを、隔壁2528上に形成してもよい。
走査線駆動回路2503g(1)は、トランジスタ2503tと、容量素子2503cとを有する。なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
また、基板2510上には、信号を供給することができる配線2511が設けられる。また、配線2511上には、端子2519が設けられる。また、端子2519には、FPC2509(1)が電気的に接続される。また、FPC2509(1)は、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を供給する機能を有する。なお、FPC2509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
また、表示装置2501には、様々な構造のトランジスタを適用することができる。図26(A)においては、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について、例示しているが、これに限定されず、例えば、図26(B)に示す、トップゲート型のトランジスタを表示装置2501に適用する構成としてもよい。
また、トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tの極性については、特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、Nチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタ2502t及び2503tに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族の半導体(例えば、ケイ素を有する半導体)、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tのいずれか一方または双方に、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。当該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、Y、Zr、La、Ce、Sn、Hf、またはNdを表す)等が挙げられる。
<タッチセンサに関する説明>
次に、図26(C)を用いて、タッチセンサ2595の詳細について説明する。図26(C)は、図25(B)に示す一点鎖線X3−X4間の断面図に相当する。
タッチセンサ2595は、基板2590上に千鳥状に配置された電極2591及び電極2592と、電極2591及び電極2592を覆う絶縁層2593と、隣り合う電極2591を電気的に接続する配線2594とを有する。
電極2591及び電極2592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。なお、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法等を挙げることができる。
例えば、透光性を有する導電性材料を基板2590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターン形成技術により、不要な部分を除去して、電極2591及び電極2592を形成することができる。
また、絶縁層2593に用いる材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また、電極2591に達する開口が絶縁層2593に設けられ、配線2594が隣接する電極2591と電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めることができるため、配線2594に好適に用いることができる。また、電極2591及び電極2592より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線2594に好適に用いることができる。
電極2592は、一方向に延在し、複数の電極2592がストライプ状に設けられている。また、配線2594は電極2592と交差して設けられている。
一対の電極2591が1つの電極2592を挟んで設けられる。また、配線2594は一対の電極2591を電気的に接続している。
なお、複数の電極2591は、1つの電極2592と必ずしも直交する方向に配置される必要はなく、0度より大きく90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
また、配線2598は、電極2591または電極2592と電気的に接続される。また、配線2598の一部は、端子として機能する。配線2598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
なお、絶縁層2593及び配線2594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ2595を保護してもよい。
また、接続層2599は、配線2598とFPC2509(2)を電気的に接続させる。
接続層2599としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
<タッチパネルに関する説明2>
次に、図27(A)を用いて、タッチパネル2000の詳細について説明する。図27(A)は、図25(A)に示す一点鎖線X5−X6間の断面図に相当する。
図27(A)に示すタッチパネル2000は、図26(A)で説明した表示装置2501と、図26(C)で説明したタッチセンサ2595と、を貼り合わせた構成である。
また、図27(A)に示すタッチパネル2000は、図26(A)及び図26(C)で説明した構成の他、接着層2597と、反射防止層2567pと、を有する。
接着層2597は、配線2594と接して設けられる。なお、接着層2597は、タッチセンサ2595が表示装置2501に重なるように、基板2590を基板2570に貼り合わせている。また、接着層2597は、透光性を有すると好ましい。また、接着層2597としては、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂を用いることができる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
反射防止層2567pは、画素に重なる位置に設けられる。反射防止層2567pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
次に、図27(A)に示す構成と異なる構成のタッチパネルについて、図27(B)を用いて説明する。
図27(B)は、タッチパネル2001の断面図である。図27(B)に示すタッチパネル2001は、図27(A)に示すタッチパネル2000と、表示装置2501に対するタッチセンサ2595の位置が異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は、タッチパネル2000の説明を援用する。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。また、図27(B)に示す発光素子2550Rは、トランジスタ2502tが設けられている側に光を射出する。これにより、発光素子2550Rが発する光の一部は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール2580Rの外部に射出される。
また、タッチセンサ2595は、表示装置2501の基板2510側に設けられている。
接着層2597は、基板2510と基板2590の間にあり、表示装置2501とタッチセンサ2595を貼り合わせる。
図27(A)(B)に示すように、発光素子から射出される光は、基板2510側及び基板2570側のいずれか一方または双方を通して射出されればよい。
<タッチパネルの駆動方法に関する説明>
次に、タッチパネルの駆動方法の一例について、図28(A)(B)を用いて説明を行う。
図28(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図28(A)では、パルス電圧出力回路2601、電流検出回路2602を示している。なお、図28(A)では、パルス電圧が与えられる電極2621をX1−X6として、電流の変化を検知する電極2622をY1−Y6として、それぞれ6本の配線で例示している。また、図28(A)は、電極2621と、電極2622とが重畳することで形成される容量2603を示している。なお、電極2621と電極2622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路2601は、X1−X6の配線に順にパルスを印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量2603を形成する電極2621と電極2622との間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量2603の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路2602は、容量2603での相互容量の変化による、Y1−Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次に、図28(B)には、図28(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図28(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図28(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なおY1−Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示している。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
<センサ回路に関する説明>
また、図28(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量2603のみを設けるパッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを有するアクティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。アクティブマトリクス型のタッチセンサに含まれるセンサ回路の一例を図29に示す。
図29に示すセンサ回路は、容量2603と、トランジスタ2611と、トランジスタ2612と、トランジスタ2613とを有する。
トランジスタ2613はゲートに信号G2が与えられ、ソースまたはドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量2603の一方の電極およびトランジスタ2611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ2611は、ソースまたはドレインの一方がトランジスタ2612のソースまたはドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧VSSが与えられる。トランジスタ2612は、ゲートに信号G1が与えられ、ソースまたはドレインの他方が配線MLと電気的に接続する。容量2603の他方の電極には電圧VSSが与えられる。
次に、図29に示すセンサ回路の動作について説明する。まず、信号G2としてトランジスタ2613をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ2611のゲートが接続されるノードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次に、信号G2としてトランジスタ2613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。
続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量2603の相互容量が変化することに伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ2612をオン状態とする電位を与える。ノードnの電位に応じてトランジスタ2611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することができる。
トランジスタ2611、トランジスタ2612、及びトランジスタ2613としては、酸化物半導体層をチャネル領域が形成される半導体層に用いることが好ましい。とくにトランジスタ2613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnにVRESを供給しなおす動作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示モジュール及び電子機器について、図30及び図31を用いて説明を行う。
<表示モジュールに関する説明>
図30に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチセンサ8004、FPC8005に接続された表示装置8006、フレーム8009、プリント基板8010、バッテリ8011を有する。
本発明の一態様の発光素子は、例えば、表示装置8006に用いることができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチセンサ8004及び表示装置8006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチセンサ8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチセンサを表示装置8006に重畳して用いることができる。また、表示装置8006の対向基板(封止基板)に、タッチセンサ機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示装置8006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチセンサとすることも可能である。
フレーム8009は、表示装置8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール8000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
<電子機器に関する説明>
図31(A)乃至図31(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。
図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチセンサ機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図31(A)乃至図31(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図31(A)は、携帯情報端末9100を示す斜視図である。携帯情報端末9100が有する表示部9001は、可撓性を有する。そのため、湾曲した筐体9000の湾曲面に沿って表示部9001を組み込むことが可能である。また、表示部9001はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部9001に表示されたアイコンに触れることで、アプリケーションを起動することができる。
図31(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を省略して図示しているが、図31(A)に示す携帯情報端末9100と同様の位置に設けることができる。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
図31(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図31(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図31(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図31(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図31(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図31(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。ただし、本発明の一態様の発光素子は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。また、本実施の形態において述べた電子機器の表示部においては、可撓性を有し、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる構成、または折り畳み可能な表示部の構成について例示したが、これに限定されず、可撓性を有さず、平面部に表示を行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する発光装置について、図32及び図33を用いて説明する。
本実施の形態で示す、発光装置3000の斜視図を図32(A)に、図32(A)に示す一点鎖線E−F間に相当する断面図を図32(B)に、それぞれ示す。なお、図32(A)において、図面の煩雑さを避けるために、構成要素の一部を破線で表示している。
図32(A)(B)に示す発光装置3000は、基板3001と、基板3001上の発光素子3005と、発光素子3005の外周に設けられた第1の封止領域3007と、第1の封止領域3007の外周に設けられた第2の封止領域3009と、を有する。
また、発光素子3005からの発光は、基板3001及び基板3003のいずれか一方または双方から射出される。図32(A)(B)においては、発光素子3005からの発光が下方側(基板3001側)に射出される構成について説明する。
また、図32(A)(B)に示すように、発光装置3000は、発光素子3005が第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とに、囲まれて配置される二重封止構造である。二重封止構造とすることで、発光素子3005側に入り込む外部の不純物(例えば、水、酸素など)を、好適に抑制することができる。ただし、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009を、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1封止領域3007のみの構成としてもよい。
なお、図32(B)において、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009は、基板3001及び基板3003と接して設けられる。ただし、これに限定されず、例えば、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3001の上方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。または、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3003の下方に形成される絶縁膜、あるいは導電膜と接して設けられる構成としてもよい。
基板3001及び基板3003としては、それぞれ先の実施の形態3に記載の基板200と、基板220と同様の構成とすればよい。発光素子3005としては、先の実施の形態に記載の発光素子と同様の構成とすればよい。
第1の封止領域3007としては、ガラスを含む材料(例えば、ガラスフリット、ガラスリボン等)を用いればよい。また、第2の封止領域3009としては、樹脂を含む材料を用いればよい。第1の封止領域3007として、ガラスを含む材料を用いることで、生産性や封止性を高めることができる。また、第2の封止領域3009として、樹脂を含む材料を用いることで、耐衝撃性や耐熱性を高めることができる。ただし、第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とは、これに限定されず、第1の封止領域3007が樹脂を含む材料で形成され、第2の封止領域3009がガラスを含む材料で形成されてもよい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化鉛、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化リチウム、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス、バナジン酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス等を含む。赤外光を吸収させるため、少なくとも一種類以上の遷移金属を含むことが好ましい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、基板上にフリットペーストを塗布し、これに加熱処理、またはレーザ照射などを行う。フリットペーストには、上記ガラスフリットと、有機溶媒で希釈した樹脂(バインダとも呼ぶ)とが含まれる。また、ガラスフリットにレーザ光の波長の光を吸収する吸収剤を添加したものを用いても良い。また、レーザとして、例えば、Nd:YAGレーザや半導体レーザなどを用いることが好ましい。また、レーザ照射の際のレーザの照射形状は、円形でも四角形でもよい。
また、上述の樹脂を含む材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
なお、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009のいずれか一方または双方にガラスを含む材料を用いる場合、当該ガラスを含む材料と、基板3001との熱膨張率が近いことが好ましい。上記構成とすることで、熱応力によりガラスを含む材料または基板3001にクラックが入るのを抑制することができる。
例えば、第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用い、第2の封止領域3009に樹脂を含む材料を用いる場合、以下の優れた効果を有する。
第2の封止領域3009は、第1の封止領域3007よりも、発光装置3000の外周部に近い側に設けられる。発光装置3000は、外周部に向かうにつれ、外力等による歪みが大きくなる。よって、歪みが大きくなる発光装置3000の外周部側、すなわち第2の封止領域3009に、樹脂を含む材料によって封止し、第2の封止領域3009よりも内側に設けられる第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用いて封止することで、外力等の歪みが生じても発光装置3000が壊れにくくなる。
また、図32(B)に示すように、基板3001、基板3003、第1の封止領域3007、及び第2の封止領域3009に囲まれた領域には、第1の領域3011が形成される。また、基板3001、基板3003、発光素子3005、及び第1の封止領域3007に囲まれた領域には、第2の領域3013が形成される。
第1の領域3011及び第2の領域3013としては、例えば、希ガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが充填されていると好ましい。なお、第1の領域3011及び第2の領域3013としては、大気圧状態よりも減圧状態であると好ましい。
また、図32(B)に示す構成の変形例を図32(C)に示す。図32(C)は、発光装置3000の変形例を示す断面図である。
図32(C)は、基板3003の一部に凹部を設け、該凹部に乾燥剤3018を設ける構成である。それ以外の構成については、図32(B)に示す構成と同じである。
乾燥剤3018としては、化学吸着によって水分等を吸着する物質、または物理吸着によって水分等を吸着する物質を用いることができる。例えば、乾燥剤3018として用いることができる物質としては、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられる。
次に、図32(B)に示す発光装置3000の変形例について、図33(A)(B)(C)(D)を用いて説明する。なお、図33(A)(B)(C)(D)は、図32(B)に示す発光装置3000の変形例を説明する断面図である。
図33(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、第2の封止領域3009を設けずに、第1の封止領域3007とした構成である。また、図33(A)(B)(C)(D)に示す発光装置は、図32(B)に示す第2の領域3013の代わりに領域3014を有する。
領域3014としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
領域3014として、上述の材料を用いることで、いわゆる固体封止の発光装置とすることができる。
また、図33(B)に示す発光装置は、図33(A)に示す発光装置の基板3001側に、基板3015を設ける構成である。
基板3015は、図33(B)に示すように凹凸を有する。凹凸を有する基板3015を、発光素子3005の光を取り出す側に設ける構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率を向上させることができる。なお、図33(B)に示すような凹凸を有する構造の代わりに、拡散板として機能する基板を設けてもよい。
また、図33(C)に示す発光装置は、図33(A)に示す発光装置が基板3001側から光を取り出す構造であったのに対し、基板3003側から光を取り出す構造である。
図33(C)に示す発光装置は、基板3003側に基板3015を有する。それ以外の構成は、図33(B)に示す発光装置と同様である。
また、図33(D)に示す発光装置は、図33(C)に示す発光装置の基板3003、3015を設けずに、基板3016を設ける構成である。
基板3016は、発光素子3005の近い側に位置する第1の凹凸と、発光素子3005の遠い側に位置する第2の凹凸と、を有する。図33(D)に示す構成とすることで、発光素子3005からの光の取出し効率をさらに、向上させることができる。
したがって、本実施の形態に示す構成を実施することにより、水分や酸素などの不純物による発光素子の劣化が抑制された発光装置を実現することができる。または、本実施の形態に示す構成を実施することにより、光取出し効率の高い発光装置を実現することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置及び電子機器に適用する一例について、図34及び図35を用いて説明する。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで、曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、ダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図34(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図34(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図34(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図31(A)乃至図31(G)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3054に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図34(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図35は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子(発光素子1乃至発光素子3)、及び比較発光素子(比較発光素子1及び比較発光素子2)の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図は、図1(A)に示す発光素子と同じである。素子構造の詳細を表2に示す。また、本実施例で使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、発光層のホスト材料としては、実施の形態1で示した化合物を用いた。
<発光素子1の作製>
基板上に電極101として、ITSO膜を、厚さが110nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上にEL層100を形成した。正孔注入層111としては、PCPPnと酸化モリブデン(MoO3)を重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが50nmになるように共蒸着した。また、正孔輸送層112としては、PCPPnを厚さが30nmになるように蒸着した。
次に、発光層130としては、CzPAおよび1,6mMemFLPAPrnを重量比(CzPA:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.04になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、CzPAがホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
また、発光層130上に、電子輸送層118として、BPhenを厚さが25nmになるよう蒸着した。次に、電子注入層119として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
また、電極102としては、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用封止材を用いて封止基板を、EL層100を形成した基板に固定することで、発光素子1を封止した。なお、具体的には、基板に形成したEL層100の周囲に封止材を塗布し、該基板と封止基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
<発光素子2の作製>
発光素子2は、先に示す発光素子1の作製と、正孔注入層111、及び発光層130の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は、発光素子1と同様の作製方法とした。
発光素子2の正孔注入層111としては、PCPPnとMoO3を重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが60nmになるように共蒸着した。
また、発光素子2の発光層130としては、t−BuDNAおよび1,6mMemFLPAPrnを重量比(t−BuDNA:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.03なるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、t−BuDNAがホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
<発光素子3、比較発光素子1、及び比較発光素子2の作製>
発光素子3、比較発光素子1、及び比較発光素子2は、先に示す発光素子2の作製と、発光層130の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は、発光素子2と同様の作製方法とした。
発光素子3の発光層130としては、cgDBCzPAおよび1,6mMemFLPAPrnを重量比(cgDBCzPA:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、cgDBCzPAがホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
比較発光素子1の発光層130としては、BH−1および1,6mMemFLPAPrnを重量比(BH−1:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、BH−1がホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
比較発光素子2の発光層130としては、α,β−ADNおよび1,6mMemFLPAPrnを重量比(α,β−ADN:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、α,β−ADNがホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
<蛍光寿命の測定>
図36(A)(B)は、本発明の一態様である発光素子(発光素子1乃至発光素子3)、及び比較発光素子(比較発光素子1、及び比較発光素子2)の蛍光寿命を測定した結果である。なお、蛍光寿命の測定においては、蛍光材料である1,6mMemFLPAPrnが呈する青色発光を観測した。
測定にはピコ秒蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製)を用いた。本測定では、発光素子における蛍光発光の寿命を測定するため、発光素子に矩形パルス電圧を印加し、その電圧の立下りから減衰していく発光をストリークカメラにより時間分解測定した。パルス電圧は10Hzの周期で印加し、繰り返し測定したデータを積算することにより、S/N比の高いデータを得た。また、測定は室温(300K)で、印加パルス電圧が3.5V、印加パルス時間幅が100μsec、負バイアス電圧が−5V、測定時間範囲が50μsecの条件で行った。測定結果を図36(A)(B)に示す。なお、図36(A)(B)において、縦軸は、定常的にキャリアが注入されている状態(パルス電圧のON時)における発光強度で規格化した強度で示す。また、横軸は、パルス電圧の立下りからの経過時間を示す。
図36(A)(B)に示す減衰曲線について、指数関数によるフィッティングを行った。その結果、発光素子1、発光素子2、及び発光素子3の蛍光寿命τはそれぞれ2.5μsec、3.5μsec、及び2.3μsecと見積もることができた。また、比較発光素子1及び比較発光素子2の蛍光寿命τはそれぞれ4.7μsec、及び3.8μsecと見積もることができた。通常、蛍光発光の寿命は数nsecである。そのため、1μsec以上の蛍光寿命を有することから、発光素子1、発光素子2、発光素子3、比較発光素子1、及び比較発光素子2は、いずれも遅延蛍光成分を含む蛍光発光が観測されているといえる。
なお、図36(A)(B)で示した蛍光測定において、遅延蛍光が生じる要因として、三重項−三重項消滅(TTA)による一重項励起子生成以外に、パルス電圧OFF時に発光素子の内部にキャリアが残存している場合に、この残存キャリアの再結合による一重項励起子生成に起因する遅延蛍光が生じる可能性もある。しかし、本測定は、測定時の条件で負バイアス電圧(−5V)を印加しているため、該残存キャリアの再結合が抑制されている条件下での測定である。したがって、図36(A)(B)の測定結果に示される遅延蛍光成分は、三重項−三重項消滅(TTA)に由来した発光によるものであるといえる。
次に、全発光成分に対する遅延蛍光成分の占める割合を指数関数によるフィッティングによって算出した。その結果、発光素子1、発光素子2、及び発光素子3は、遅延蛍光成分の割合がそれぞれ、10%、20%、及び12%であり、遅延蛍光の割合が高い結果であった。一方、比較発光素子1及び比較発光素子2は、遅延蛍光成分がいずれも1%未満と、遅延蛍光の割合が非常に低い結果であった。
したがって、発光素子1、発光素子2、及び発光素子3の方が、比較発光素子1及び比較発光素子2よりも、TTA効率が高いと言える。
<発光素子の動作特性>
次に、作製した発光素子1、発光素子2、発光素子3、比較発光素子1、及び比較発光素子2の発光特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
ここで、1000cd/m2付近における発光素子の発光特性を以下の表3に示す。また、発光素子の電流効率−輝度特性を図37に、外部量子効率−輝度特性を図38に、輝度−電圧特性を図39に示す。また、発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流したときの電界発光スペクトルを図40に示す。
図40に示すように、発光素子1、発光素子2、発光素子3、比較発光素子1及び比較発光素子2の電界発光スペクトルピークはそれぞれ、462nm、461nm、464nm、464nm、及び463nmであり、蛍光材料である1,6mMemFLPAPrnが呈する青色発光を観測した。すなわち、いずれの発光素子も、400nm以上550nm以下の波長帯域に発光スペクトルピークを有する青色の発光を呈している。また、発光素子1乃至発光素子3において、蛍光材料が呈する発光を観測したことから、TTAによって生成した一重項励起エネルギーは、ホスト材料から蛍光材料へエネルギー移動しているといえる。
また、図37、図38、及び表3の結果より、発光素子1乃至発光素子3は、比較発光素子1及び比較発光素子2より高い電流効率および外部量子効率効率を示すことが分かる。なお、TTAを用いない蛍光発光素子において、一対の電極から注入されたキャリア(正孔及び電子)の再結合によって生成する一重項励起子の生成確率は最大で25%であるため、外部への光取り出し効率を25%であるとした場合の外部量子効率は、最大で6.25%となる。発光素子1乃至発光素子3においては、外部量子効率が6.25%より高い効率が得られている。これは、発光素子1乃至発光素子3において、一対の電極から注入されたキャリア(正孔及び電子)の再結合によって生成した一重項励起子に加えて、TTAによって生成した一重項励起子に基づいて、発光が得られているためである。
したがって、実施の形態1で示したように、ホスト材料に用いる化合物の第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第1の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより低いことが好ましい。あるいは、ホスト材料に用いる化合物の一重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギー以下であり、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第1の三重項励起状態のエネルギーより高いことが好ましい。このような構成とすることで、TTAによる遅延蛍光成分を有し、高い発光効率を示す青色発光素子を作製することができる。
また、発光素子1においては、外部量子効率が9%を超える優れた発光効率が得られている。したがって、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより低いことがより好ましく、該エネルギーより0.2eV以上低いことが、さらに好ましいといえる。
また、図39及び表3に示すように、発光素子1乃至発光素子3は、比較発光素子1及び比較発光素子2より低い電圧で駆動している。すなわち、TTAによる遅延蛍光成分を有するホスト材料を用いることで、低い電圧で駆動する青色発光素子を作製することができる。
以上のように、TTAによる遅延蛍光成分を有するホスト材料を用いることで、消費電力の低減された青色発光素子を作製することができる。
<一重項励起エネルギーおよび三重項励起エネルギー準位の測定>
なお、図36(A)(B)で示した蛍光測定において、遅延蛍光が生じる要因として、三重項励起状態から一重項励起状態への逆項間交差が生じて熱活性化遅延蛍光を呈している可能性もある。該逆項間交差が効率よく生じるためには、S1準位とT1準位との差が0eVより大きく0.2eV以下であることが好ましい。したがって、図36(A)(B)で示した遅延蛍光がTTAに起因するものであることを確認するため、上記で作製した発光素子の発光層130に用いた材料について、そのS1準位およびT1準位の測定を行った。
S1準位およびT1準位の測定は、CzPA、t−BuDNA、cgDBCzPA、及び1,6mMemFLPAPrnについて、行った。
まず、S1準位を見積もるため、石英基板上に薄膜(約50nm)を真空蒸着法により成膜し薄膜サンプルとし、吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。測定したサンプルのスペクトルから石英の吸収スペクトルを差し引いた。薄膜の吸収スペクトルのデータより、直接遷移を仮定したTaucプロットから吸収端を求め、その吸収端を光学的バンドギャップとしてS1準位を見積もった。
次に、T1準位を見積もるため、燐光発光測定を行った。なお、蛍光性の化合物は項間交差が起こりにくく、T1準位からの発光が微弱であるため、T1準位の測定が困難な場合がある。また、本発明の一態様である発光素子に用いる物質は蛍光量子収率が非常に高く、材料単体を用いた薄膜サンプルでは、低温PL測定法で燐光を直接観測することは非常に困難である。そのため、以下で説明する三重項増感剤を用いた手法により燐光発光測定を行い、T1準位を見積もった。
T1準位を測定する材料に、三重項増感剤としてIr(ppy)3を添加した共蒸着膜を作製し、これを低温PL測定法により測定し、測定された燐光スペクトルからT1準位を見積もった。測定には、顕微PL装置 LabRAM HR−PL ((株)堀場製作所)を用い、測定温度は10K、励起光としてHe−Cdレーザ(325nm)を用い、検出器にはCCD検出器を用いた。Ir(ppy)3を共蒸着させることにより、測定したい蛍光材料の項間交差の確率を高め、共蒸着をしない場合は困難である、蛍光材料からの燐光発光の測定が可能となる。
なお、薄膜は石英基板上に厚さ約50nmで成膜し、その石英基板に対し、窒素雰囲気中で、蒸着面側から別の石英基板を貼り付けた後、測定に用いた。
以上のように見積もった、S1準位の測定結果、及びT1準位の測定結果を、表4に示す。
表4より、CzPA、t−BuDNA、及びcgDBCzPAのS1準位は、青色発光を呈するゲスト材料である1,6mMemFLPAPrnのS1準位より高く、ホスト材料として十分なS1準位を有していることが分かる。
また、表4より、CzPA、t−BuDNA、及びcgDBCzPAのS1準位とT1準位のエネルギー差は、0.5eV以上であることが分かる。遅延蛍光が生じる要因として、三重項励起状態から一重項励起状態への逆項間交差に由来する熱活性化遅延蛍光もあり得るが、該逆項間交差が効率よく生じるためには、S1準位とT1準位との差が0eVより大きく0.2eV以下であることが好ましい。したがって、本実施例および実施の形態1で発光素子の発光層130に用いた材料においては、その遅延蛍光成分は熱活性化遅延蛍光に由来するものであるとは言えず、TTAに由来するものであると言える。また、S1準位のエネルギーは、T1準位のエネルギーの2倍以下であるため、TTAによって三重項励起状態から一重項励起状態へのエネルギー移動が可能であると言える。
また、CzPA、t−BuDNA、及びcgDBCzPAの薄膜の蛍光発光のスペクトルピークは、それぞれ451nm(2.75eV)、442nm(2.81eV)、442nm(2.81eV)であった。したがって、CzPA、t−BuDNA及びcgDBCzPAの蛍光発光スペクトルのピーク波長と、燐光発光スペクトルのピーク波長と、のエネルギー換算値差は0.5eV以上であった。このことからも、本実施例および実施の形態1で発光素子の発光層130に用いた材料においては、その遅延蛍光成分は熱活性化遅延蛍光に由来するものではなく、TTAに由来するものであると言える。なお、蛍光スペクトルの測定にはPL−EL測定装置(浜松ホトニクス社製)を用いた。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子(発光素子4)の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図は、図1(A)に示す発光素子と同様である。素子構造の詳細を表5に示す。また、本実施例で使用した化合物は、実施の形態1および実施例1に示した化合物である。
<発光素子4の作製>
基板上に電極101として、ITSO膜を、厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上にEL層100を形成した。正孔注入層111としては、PCPPnとMoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように、共蒸着した。また、正孔輸送層112としては、PCPPnを厚さが30nmになるように蒸着した。
次に、発光層130としては、cgDBCzPAおよび1,6mMemFLPAPrnを重量比(cgDBCzPA:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、cgDBCzPAがホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
また、発光層130上に、電子輸送層118として、cgDBCzPAとBPhenとを厚さがそれぞれ10nmになるよう、順次蒸着した。次に、電子注入層119として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるように蒸着した。
また、電極102としては、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用封止材を用いて封止基板を、EL層100を形成した基板に固定することで、発光素子4を封止した。具体的な方法は、実施例1と同様である。以上の工程により発光素子4を得た。
<発光素子4の動作特性>
次に、作製した発光素子4の発光特性について測定した。なお、測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
ここで、1000cd/m2付近における発光素子4の発光特性を以下の表6に示す。また、発光素子4の電流効率−輝度特性を図41に、外部量子効率−輝度特性を図42に、輝度−電圧特性を図43に示す。また、発光素子4に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流したときの電界発光スペクトルを図44に示す。また、発光素子4が呈する発光の角度分布を測定した結果を図45に示す。
図44に示すように、発光素子4の電界発光スペクトルピークは465nmであり、蛍光材料である1,6mMemFLPAPrnが呈する青色発光を観測した。すなわち、発光素子4は、400nm以上550nm以下の波長帯域に発光スペクトルピークを有する青色の発光を呈している。また、発光素子4において、蛍光材料が呈する発光を観測したことから、TTAによって生成した一重項励起エネルギーは、ホスト材料から蛍光材料へエネルギー移動しているといえる。
また、図41、図42、及び表6の結果より、発光素子4は高い電流効率および外部量子効率効率を示すことが分かる。発光素子4においては、外部量子効率が13%を超える優れた効率が得られている。これは、発光素子4において、一対の電極から注入されたキャリア(正孔及び電子)の再結合によって生成した一重項励起子に加えて、TTAによって生成した一重項励起子に基づいて、発光が得られているためである。
なお、発光素子4の発光の角度分布を測定した結果、図45に示すように発光素子4の発光角度分布と完全拡散面(ランバーシアン、またはLambertianともいう)との差(ランバーシアン比ともいう)は、97.5%であった。図42及び表6に示す外部量子効率は、正面における電流効率の測定結果からランバーシアン配光を仮定して算出された外部量子効率と、ランバーシアン比との積であり、全方位の真の外部量子効率を見積もった値である。
また、図43及び表6に示すように、発光素子4は低い電圧で駆動している。すなわち、TTAによる遅延蛍光成分を有するホスト材料を用いることで、低い電圧で駆動する青色発光素子を作製することができる。
次に、発光素子4の信頼性試験の測定結果を図46に示す。なお、信頼性試験は、発光素子4の初期輝度を5000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で発光素子4を駆動させた。
その結果、初期輝度の90%に劣化した時間(LT90)は180時間であり、発光素子4は優れた信頼性を示す結果となった。
したがって、実施の形態1で示したように、ホスト材料に用いる化合物の最低一重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーより高く、且つ、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第3の三重項励起状態のエネルギー以下であり、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第2の三重項励起状態のエネルギーが、第3の三重項励起状態の最安定構造を有する第1の三重項励起状態のエネルギーより高い、ことが好ましい。
以上のように、TTAによる遅延蛍光成分を有するホスト材料を用いることで、消費電力の低減され、信頼性の優れた青色発光素子を作製することができる。また、本実施例に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子(発光素子5乃至発光素子11)の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の断面模式図を図47に、素子構造の詳細を表8乃至表10に、それぞれ示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。なお、他の化合物については、実施の形態1及び実施例1を参酌すればよい。
<発光素子5乃至11の作製>
≪発光素子5の作製≫
基板510上に電極501を構成する導電層501aとして、銀とパラジウムと銅の合金膜(Ag−Pd−Cu膜、APCともいう)を厚さが100nmになるように形成した。次に、導電層501a上に接する導電層501bとして、ITSO膜を厚さが85nmになるよう形成した。以上の工程により、光を反射する機能を有する電極501を形成した。なお、電極501の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極501上に正孔注入層531として、PCPPnとMoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが20nmになるように、共蒸着した。また、正孔輸送層532としては、PCPPnを厚さが15nmになるように蒸着した。
次に、発光層521としては、cgDBCzPAおよび1,6mMemFLPAPrnを重量比(cgDBCzPA:1,6mMemFLPAPrn)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層521において、cgDBCzPAがホスト材料であり、1,6mMemFLPAPrnが蛍光材料(ゲスト材料)である。
また、発光層521上に、電子輸送層533として、cgDBCzPAとBPhenとを、それぞれ厚さが10nm、15nmになるよう、順次蒸着した。
次に、電子輸送層533上に電子注入層534として、酸化リチウム(Li2O)及び、銅フタロシアニン(略称:CuPc)を、それぞれ厚さが0.1nm、2nmになるように順次蒸着した。
次に、正孔注入層を兼ねる電荷発生層535として、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)と、MoO3とを重量比(DBT3P−II:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
次に、正孔輸送層537として、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)を厚さが15nmになるように蒸着した。
次に、発光層522として、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f、h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)と、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)と、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)2(acac))が0.8:0.2:0.06になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着し、続いて、2mDBTBPDBq−IIと、PCBBiFと、ビス[2−(5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN)−4,6−ジメチルフェニル−κC](2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dmdppr−dmp)2(dpm))と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(dmdppr−dmp)2(dpm))が0.8:0.2:0.05になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着し、続いて、2mDBTBPDBq−IIと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)2(acac)と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)2(acac))が0.8:0.2:0.05になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
次に、発光層522上に電子輸送層538として、2mDBTBPDBq−IIと、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)とを、それぞれ厚さが30nm及び15nmになるように順次蒸着した。また、電子輸送層538上に電子注入層539として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるよう蒸着した。
次に、電子注入層539上に電極502として、銀(Ag)とマグネシウム(Mg)とを厚さが15nmになるよう共蒸着し、さらに、ITO膜を厚さが70nmになるように形成した。以上の工程により、光を反射する機能と、光を透過する機能とを有する電極502を形成した。なお、AgとMgとの共蒸着膜としては、体積比(Ag:Mg)が1:0.1となるように蒸着した。
以上の工程により、基板510上に形成される一対の電極、及びEL層を形成した。なお、上述した成膜過程において、蒸着は全て抵抗加熱法にて行った。また、電極502のITO膜はスパッタリング法にて形成した。
また、発光素子5の封止基板512には、光学素子514として、赤色のカラーフィルタ(CF Red)を2.1μmの厚さで形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、有機EL用封止材を用いて封止基板512を基板510上に固定することで、発光素子5を封止した。具体的には、基板510に形成したEL層の周囲に封止材を塗布し、基板510と封止基板512とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間の熱処理をした。以上の工程により発光素子5を得た。
≪発光素子6の作製≫
発光素子6は、先に示す発光素子5の作製と、正孔注入層531及び発光層522の工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子5と同様の作製方法とした。
電極501上の正孔注入層531として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
発光層522として、2mDBTBPDBq−IIと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)2(acac)と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)2(acac))が0.8:0.2:0.06になるように、且つ厚さが20nmになるように共蒸着し、続いて、2mDBTBPDBq−IIと、PCBBiFと、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dmdppr−dmp)2(acac))、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,8−ジメチル−4,6−ノナンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:Ir(dmdppr−dmp)2(divm))と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(dmdppr−dmp)2(divm))が0.8:0.2:0.05になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着し、続いて、2mDBTBPDBq−IIと、PCBBiFと、Ir(tBuppm)2(acac)と、を重量比(2mDBTBPDBq−II:PCBBiF:Ir(tBuppm)2(acac))が0.8:0.2:0.05になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
≪発光素子7の作製≫
発光素子7は、先に示す発光素子5の作製と、導電層501b、正孔注入層531、及び光学素子514の工程が異なり、それ以外の工程は発光素子5の作製方法とした。
電極501を構成する導電層501bとして、ITSO膜を厚さが45nmになるように形成した。
電極501上に正孔注入層531として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
また、発光素子7の封止基板512には、光学素子514として、緑色のカラーフィルタ(CF Green)を1.2μmの厚さで形成した。
≪発光素子8の作製≫
発光素子8は、先に示す発光素子7の作製と、正孔注入層531の工程が異なり、それ以外の工程は発光素子7の作製方法とした。
電極501上に正孔注入層531として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが15nmになるように共蒸着した。
≪発光素子9の作製≫
発光素子9は、先に示す発光素子6の作製と、導電層501b、正孔注入層531、及び光学素子514の工程が異なり、それ以外の工程は発光素子6の作製方法とした。
電極501を構成する導電層501bとして、ITSO膜を厚さが45nmになるように形成した。
電極501上に正孔注入層531として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
また、発光素子9の封止基板512には、光学素子514として、緑色のカラーフィルタ(CF Green)を1.2μmの厚さで形成した。
≪発光素子10の作製≫
発光素子10は、先に示す発光素子5の作製と、導電層501b、正孔注入層531、及び光学素子514の工程が異なり、それ以外の工程は発光素子5の作製方法とした。
電極501を構成する導電層501bとして、ITSO膜を厚さが110nmになるように形成した。
電極501上に正孔注入層531として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが15nmになるように共蒸着した。
また、発光素子7の封止基板512には、光学素子514として、青色のカラーフィルタ(CF Blue)を0.8μmの厚さで形成した。
≪発光素子11の作製≫
発光素子11は、先に示す発光素子6の作製と、導電層501b、正孔注入層531、及び光学素子514の工程が異なり、それ以外の工程は発光素子6の作製方法とした。
電極501を構成する導電層501bとして、ITSO膜を厚さが115nmになるように形成した。
電極501上に正孔注入層531として、PCPPnと、MoO3とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが5nmになるように共蒸着した。
また、発光素子9の封止基板512には、光学素子514として、青色のカラーフィルタ(CF Blue)を0.8μmの厚さで形成した。
<発光素子5乃至11の特性>
作製した発光素子5乃至発光素子11の電流効率−輝度特性を図48及び図49に示す。また、輝度−電圧特性を図50及び図51に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子5乃至発光素子11の素子特性を表11に示す。
また、発光素子5乃至発光素子11に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトル(ELスペクトル)を図52及び図53に示す。
図48乃至図53、及び表11で示すように、発光素子5及び発光素子6は、高い電流効率で、且つ色純度の高い赤色発光が得られた。発光素子7乃至発光素子9は、高い電流効率で、且つ色純度の高い緑色発光が得られた。発光素子10及び発光素子11は、高い電流効率で、且つ色純度の高い青色発光が得られた。
<発光素子の色度の角度依存性>
次に、発光素子10において、正面方向(0°)から斜め方向(70°)で電界発光スペクトルを測定した結果を図54に示す。また、発光素子10と、光学素子514の構成のみ異なる発光素子(発光素子12)において、正面方向(0°)から斜め方向(70°)で電界発光スペクトルを測定した結果を図55に示す。なお、発光素子12の光学素子514としては、青色のカラーフィルタ(CF Blue)を1.5μmの厚さで形成した。
図54及び図55に示すように、発光素子10では、斜め方向70°において、550nm付近の発光が強く表れている。一方、発光素子12では、斜め方向70°において、550nm付近の発光が発光素子10より弱い。
また、発光素子10及び発光素子12の色度の視野角依存性について、斜め方向における正面方向からの色度差Δu’v’を算出した結果を図56に示す。
図56のように、発光素子12は0°乃至70°の角度において色度差Δu’v’が0.2未満となっており、発光素子10より色度の視野角依存性が小さい結果が得られた。すなわち、発光素子12は、発光素子10より、色度の角度依存性が良好である。
<発光素子を用いた表示装置の消費電力の見積もり>
次に、作製した発光素子5乃至発光素子11を用いて、表示装置を作製した場合における該表示装置の消費電力を見積もった。
表示領域の縦横比が16:9で、対角サイズが4.5インチで、面積が55.82cm2である表示装置において、開口率が35%と仮定して、表示装置の消費電力を見積もった。該仕様の表示装置に用いたときの発光素子及び表示装置の特性を表12に示す。なお、本実施例において、発光素子5、7、10を表示素子として用いた表示装置を表示装置1と、発光素子5、8、10を表示素子として用いた表示装置を表示装置2と、発光素子6、9、11を表示素子として用いた表示装置を表示装置3と、発光素子5、7、12を表示素子として用いた表示装置を表示装置4と、発光素子5、8、12を表示素子として用いた表示装置を表示装置5と、それぞれ呼称する。
表12のように、上記仕様の表示装置の表示素子として発光素子5、7、及び10を用いた場合(表示装置1)、発光素子5の構造を有する表示素子の輝度が675cd/m2、発光素子7の構造を有する表示素子の輝度が1631cd/m2、発光素子10の構造を有する表示素子の輝度が266cd/m2の時に、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させることができ、この時にこれらの表示素子の消費電力は427mWと見積もることができた。また、全米テレビジョン放送方式標準化委員会(NTSC)が策定した色域規格に対する該表示装置が表示可能なCIE1976色度の面積比(NTSC比)は、102%と見積もられた。
また、上記仕様の表示装置の表示素子として発光素子5、8、及び10を用いた場合(表示装置2)、発光素子5の構造を有する表示素子の輝度が576cd/m2、発光素子8の構造を有する表示素子の輝度が1728cd/m2、発光素子10の構造を有する表示素子の輝度が267cd/m2の時に、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させることができ、この時にこれらの表示素子の消費電力は393mWと見積もることができた。また、NTSC比は、95%と見積もられた。
また、上記仕様の表示装置の表示素子として発光素子6、9、及び11を用いた場合(表示装置3)、発光素子6の構造を有する表示素子の輝度が658cd/m2、発光素子9の構造を有する表示素子の輝度が1620cd/m2、発光素子11の構造を有する表示素子の輝度が294cd/m2の時に、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させることができ、この時にこれらの表示素子の消費電力は476mWと見積もることができた。また、NTSC比は、98%と見積もられた。
また、上記仕様の表示装置の表示素子として発光素子5、7、及び12を用いた場合(表示装置4)、発光素子5の構造を有する表示素子の輝度が697cd/m2、発光素子7の構造を有する表示素子の輝度が1640cd/m2、発光素子10の構造を有する表示素子の輝度が234cd/m2の時に、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させることができ、この時にこれらの表示素子の消費電力は447mWと見積もることができた。また、NTSC比は、106%と見積もられた。
また、上記仕様の表示装置の表示素子として発光素子5、8、及び12を用いた場合(表示装置5)、発光素子5の構造を有する表示素子の輝度が598cd/m2、発光素子8の構造を有する表示素子の輝度が1739cd/m2、発光素子10の構造を有する表示素子の輝度が235cd/m2の時に、色温度が6500Kの白色(色度(x,y)が(0.313,0.329))を300cd/m2で表示領域全面に表示させることができ、この時にこれらの表示素子の消費電力は413mWと見積もることができた。また、NTSC比は、100%と見積もられた。
以上のように、発光素子5乃至発光素子12の構造を有する表示素子は、消費電力が低減された表示素子となることが示された。また、上記のような表示素子を用いることで、消費電力が低減された表示装置を提供することができることが示された。
<信頼性試験結果>
次に、発光素子5、発光素子7、発光素子8、及び発光素子10の信頼性試験の結果を図57乃至図59に示す。なお、信頼性試験における発光素子の初期輝度は、上記表示装置1、及び表示装置2を想定した初期輝度とし、電流密度一定の条件で発光素子を駆動させた。また、それぞれ2個の発光素子について信頼性試験を行った。
また、発光素子5において、表示装置1の初期輝度(初期輝度675cd/m2)で試験を行った発光素子を発光素子5(1)及び発光素子5(2)と、表示装置2の初期輝度(初期輝度576cd/m2)で試験を行った発光素子を発光素子5(3)及び発光素子5(4)とした。また、発光素子7において、表示装置1の初期輝度(初期輝度1631cd/m2)で試験を行った発光素子を発光素子7(1)及び発光素子7(2)とした。また、発光素子8において、表示装置2の初期輝度(初期輝度1728cd/m2)で試験を行った発光素子を発光素子8(1)及び発光素子8(2)とした。また、発光素子10において、表示装置1及び表示装置2の初期輝度(初期輝度267cd/m2)で試験を行った発光素子を発光素子10(1)及び発光素子10(2)とした。
発光素子5(1)(2)(3)(4)の信頼性試験の結果を図57(A)(B)に、発光素子7(1)(2)及び発光素子8(1)(2)の信頼性試験の図58(A)(B)に、発光素子10(1)(2)の信頼性試験の結果を図59(A)(B)にそれぞれ示す。なお、図57(A)、図58(A)、及び図59(A)は、初期輝度を100%としたとき規格化輝度の時間変化を示し、図58(B)、図59(B)、及び図59(B)は、初期の電圧を0Vとした時の電圧変化を示す。
図57乃至図59に示すように、本発明の一態様の発光素子である発光素子5、7、8、及び10は、いずれも800時間経過後の輝度が95%以上と輝度劣化が少なく、且つ800時間経過後の電圧上昇が0.2V以下と電圧変化が少なく、信頼性に優れた発光素子であった。すなわち、本発明の一態様の発光素子は、表示装置の表示素子として好適である。
以上のように、本発明の一態様の構成を用いることで、高い電流効率を示し、高い色純度の青色発光を呈する、発光素子を提供することができる。また、本発明の一態様の構成を有する発光素子を用いることで、信頼性の優れた表示装置を提供できる。また、本発明の一態様の構成を有する発光素子を用いることで、消費電力が低く、高い色純度を示す表示装置を提供することができる。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。