JP2017121364A - イップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニングセット - Google Patents

イップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニングセット Download PDF

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Abstract

【課題】イップス解消のためのイップス改善用トレーニング装具の提供を目的とする。【解決手段】使用者の足にそれぞれ装着する一対の板部と、板部を使用者の足に固定する固定部と、板部の下面に固定され下側に突出する突起部と、を備え、固定部は、平面視で、板部の前端部を使用者の足の拇指球および小指球より後方に位置させ、しかも突起部の頂点を使用者の足の拇指球と小指球と踵骨とを結ぶ三角形の内側に位置させて、板部を使用者の足に固定する、イップス改善用トレーニング装具。【選択図】図2

Description

本発明は、イップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニングセットに関するものである。
従来から、各種スポーツにおけるバランス感覚および体幹を鍛えるためのバランス訓練器具が様々開発されている(例えば特許文献1)。
特開2014−239790号公報
一方で、野球やゴルフの競技者にとって本来容易な動作を思い通りに実行することができなくなるイップスと呼ばれる症例が報告されている。本発明者は、イップスの改善には体幹の中心を貫く体軸を獲得するトレーニングが有用であるとの知見を得た。
本発明は、イップス解消のためのイップス改善用トレーニング装具の提供を目的とする。
本発明の第1の態様によれば、使用者の足にそれぞれ装着する一対の板部と、前記板部を前記使用者の足に固定する固定部と、前記板部の下面に固定され下側に突出する突起部と、を備え、前記固定部は、平面視で、前記板部の前端部を前記使用者の足の拇指球および小指球より後方に位置させ、しかも前記突起部の頂点を前記使用者の足の前記拇指球と前記小指球と踵骨とを結ぶ三角形の内側に位置させて、前記板部を前記使用者の足に固定する、イップス改善用トレーニング装具が提供される。
本発明によれば、イップス解消のためのイップス改善用トレーニング装具を提供できる。
第1実施形態のイップス改善用トレーニングセットの分解斜視図である。 第1実施形態のイップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニング装具を装着した足の側面図である。 第1実施形態のイップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニング装具を装着した足の正面図である。 第1実施形態のイップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニング装具を装着した足の下面図である。 変形例1の突起部を採用したイップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニング装具を装着した足の側面図である。 変形例2の突起部を採用したイップス改善用トレーニング装具およびイップス改善用トレーニング装具を装着した足の側面図である。 第2実施形態のイップス改善用トレーニング装具の分解斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図面を用いて第1実施形態のイップス改善用トレーニング装具1(以下、単にトレーニング装具と呼ぶ)およびイップス改善用トレーニングセット2(トレーニングセット)について説明する。なお、各図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、各図において、トレーニング装具1のうち、使用者の一方の足に固定される部材についてのみ図示されており、他方の足に固定される部材については、省略した。
本明細書において、前後左右上下の各方向は、トレーニング装具1を装着して起立した使用者を基準とした方向として説明する。また、以下の説明において、特に断りのない場合、「足」とは、くるぶしより先の部位を示すものとする。
図1は、本実施形態のトレーニング装具1を含むトレーニングセット2の分解斜視図である。
図2〜図4は、本実施形態のトレーニング装具1およびトレーニング装具1を装着した使用者50の足51を示し、図2は側面図であり、図3は正面図であり、図4は下面図である。
図1〜図4に示すように、トレーニング装具1は、使用者50の足51を搭載する板部10と、板部10に使用者50の足51を固定する固定部20と、板部10の下面10bに固定され下側に突出する突起部30と、を有する。また、図1に示すように、トレーニングセット2は、上述のトレーニング装具1に加えて、突起部30と交換可能な複数種類の突起部30A、30Bを有する。なお、トレーニング装具1およびトレーニングセット2は、使用者50の両足にそれぞれ固定されるため、図示された構成の部材と同構成の部材をさらに備える。
<板部>
板部10は、矩形状の板体であり、使用者50の足51を搭載する上面10aと、上面10aの反対側に位置し地面Gと対向する下面10bと、を有する。板部10の下面10bには、突起部30が固定される。
板部10の下面10bには、凹部(段部)12が設けられている。凹部12は、平面視で前後方向に延びる矩形状を有する。凹部12は、前後方向に延びて左右方向に対向する対向面12aを有する。
板部10の凹部12の内側には、上下に貫通する複数(本実施形態では5つ)の貫通孔11が設けられている。複数の貫通孔11は、約5mm間隔で前後方向に並んでいる。複数の貫通孔11のうち何れかには、板部10に突起部30を図示略の固定ボルト35が挿通され、固定ボルト35により突起部30が板部10に固定される。板部10に対する突起部30の固定位置は、固定ボルト35を挿通する貫通孔11を選ぶことで、使用者50の体格に応じて変更することができる。すなわち、複数の貫通孔11は、板部10と突起部30との前後方向の位置関係の調整を可能とする前後位置調整手段として機能する。なお、板部10の上面10a側に位置する貫通孔11の開口には、図示略のザグリが設けられており、当該ザグリに固定ボルト35の頭部が収容される。
図1に示すように、板部10の四隅には、固定部20の固定バンド21A、21Bを挿通するための4つのバンド挿通孔15が設けられている。バンド挿通孔15は、それぞれ前後方向に延びる長孔である。
板部10は、想定される使用者50の足51の裏の大きさより小さいことが好ましい。一例として、使用者50として、小学生から成人までの男女を想定する場合には、板部10の前後方向の大きさを130mm〜150mmとし、左右方向の大きさを50mm〜70mmとすることが好ましい。
<固定部>
固定部20は、図2〜図4に示すように、板部10を使用者50の足51に対して固定する。本実施形態では、靴55を履いた状態の足51に固定することが想定されるが、イップスに係る競技が、素足で行うものである場合には、素足に固定してもよい。
図1に示すように、固定部20は、板部10の前方を足51と固定する前方固定部20Aと、板部10の後方を足51と固定する後方固定部20Bと、を有する。前方固定部20Aおよび後方固定部20Bは、それぞれ第1の固定バンド21と、第2の固定バンド22と、結束具24と、を有する。
第1の固定バンド21および第2の固定バンド22は、板部10のバンド挿通孔15に挿通させループさせた後にリベット23をかしめることで板部10と接続されている。結束具24は、第1の固定バンド21の先端に固定されている。結束具24は、第2の固定バンド22と着脱可能に接続可能であるとともに接続位置を容易に変更することが可能である。これにより、前方固定部20Aおよび後方固定部20Bは、足51を締め付けて板部10を足51に確実に固定できる。なお、固定部20は、使用者50の足51に板部10を固定可能であれば他の構成を採用できる。例えば、第1の固定バンド21と第2の固定バンド22とを固定する結束具24として、サイドリリースバックルを採用してもよい。
<突起部>
突起部30は、図1に示すように、板部10の下面10bに固定ボルト35により固定されている。突起部30は、平坦な上面32を有する半球形状であり、下側に向かって突出している。突起部30は、下側の最下点として頂点Cを有する。頂点Cは、トレーニング装具1を装着した使用者50が直立した状態で、地面Gと接触する接点となる。また、突起部30は、左右方向反対側を向き、互いに平坦かつ平行な端面31が設けられている。端面31同士の左右方向に沿う距離は、凹部12の対向面12a同士の距離と同じか若干小さい。突起部30は、凹部12内に位置することで、端面31が対向面12a同士の間に嵌る。このとき、端面31と対向面12aとは、互いに接触する。これにより、突起部30の板部10に対する回転が抑制され、固定ボルト35が緩むことがない。
<作用効果>
本実施形態のトレーニング装具1は、イップスを抱える使用者50の両足に装着させた状態で、使用者50にイップスに係る動作を繰り返し行わせることで、イップス改善を図るものである。ここで、イップスに係る動作とは、使用者のイップス症状が現れる競技動作を意味し、トレーニング装具1は、各種スポーツにおけるイップスに効果を奏する。イップスに係る動作としては、野球の投球動作、ゴルフのパター、テニスのサーブなどが例示される。本実施形態のトレーニング装具1は、特に野球の投球動作に対するイップスに高い効果を奏することが確認されている。
本発明者は、イップスを抱える競技者に対する聞き取り調査およびイップスの改善に対する試行錯誤の中で以下の知見を得るに至った。すなわち、本発明者は、イップスを抱える競技者が体軸の喪失感を感じていることに着目し、体軸を体感させるトレーニングを行うことで、イップスを改善させることができるという知見を得た。ここで、体軸とは、競技者にとって身体の中を上下に貫くようにイメージされる1本の直線である。また、体軸とは、競技者の体幹の中心となるイメージおよび意識としての抽象的な観念である。本来、体軸の意識又はイメージは、競技者の無意識下にあることが多い。したがって、通常の競技者にとって体軸は意識に上らないと考えられている。
また、イップスを抱える競技者は、自身の足の裏が、地面から受ける反力(床反力)の感覚を喪失した感覚に陥っていると考えられている。通常の競技者は、無意識化で足裏に受ける床反力を感じて競技動作時の自身の体重移動を制御する。これに対し、イップスを抱える競技者は、床反力の感覚を喪失していることで、体重移動の制御が不安定となるばかりか、上半身の動作に伴う慣性力により体軸が感覚以上に移動してしまい、体軸の喪失感が促進された状態となる。
トレーニング装具1は、体軸の感覚を失った使用者50(イップスを抱える競技者)の身体のバランスを取りにくい状態とする。使用者50は、バランスがとりにくい状態でイップスに係る動作を繰り返し行うことで、無意識下で体軸の感覚を思い出すことができる。すなわち、使用者50は、バランスを取ろうとする動作の中で体軸を再び獲得し、体幹を安定させ、イップスを改善できる。
また、本実施形態のトレーニング装具1は、イップスを抱えない競技者が使用する場合であっても、体軸の感覚および床反力の感覚を強化し、体幹を安定させ、反復動作の再現精度を高めることができる。すなわち、各種スポーツにおけるパフォーマンスアップに効果を奏する。さらに、本実施形態のトレーニング装具1は姿勢矯正、歩行制御にも効果を奏する。とりわけ円背姿勢となった高齢者の歩行制御又は姿勢矯正のリハビリに効果を奏する。すなわち、トレーニング装具1によれば、姿勢を矯正して、歩行を円滑とすることができる。
本実施形態のトレーニング装具1は、突起部30の高さおよび半径並びに固定部20により固定される板部10および突起部30の位置などの各構成が、イップス改善効果を奏するために最適化されている。以下、各構成及びその効果について、具体的に説明する。
本実施形態の固定部20によれば、図2に示すように、前方固定部20Aおよび後方固定部20Bが、ともに足51の甲56の上側を通過している。すなわち、固定バンド21、22が、アキレス腱の上側を通過することがない。したがって、使用者50は、トレーニング装具1を装着した状態で、足首を自由に動作させることが可能である。また、本実施形態において、前方固定部20Aは、前端部10cより後方で板部10から延びているため、前端部10cより後方で足51を固定している。また、上述したように、前端部10cは、足51の拇指球53および小指球54より後方に位置している。したがって、固定部20は、拇指球53および小指球54より後方で、足51を板部10に固定する。このため、固定部20は、足51のつま先側の屈曲動作を妨げることがない。固定部20は、これらの構成により、使用者50の動作を妨げることがなく、使用者50にイップスに係る動作を再現させることができる。
加えて本実施形態の固定部20は、ループさせた固定バンド21、22により、使用者50の足51の甲56を締め付ける。このような固定部20を採用することで、調整作業を行うことなく、所定の位置に容易に板部10を位置決めして、トレーニング装具1を足51に装着できる。
本実施形態の固定部20は、図4に示すように、平面視で、板部10の前端部10cを足51の拇指球53および小指球54より後方に位置させた状態で、板部10を使用者50の足51に固定する。より具体的には、足51に装着された板部10の前端部10cは、平面視で拇指球53の中心と小指球54の中心とを結んだ仮想線59より後方に位置する。これにより、つま先側を下側として足の裏面を傾けた場合に、足51の拇指球53および小指球54の両方で地面Gを押すことが可能となり、使用者50がイップスに係る動作をスムーズに行うことができる。
ここで、右利きの使用者50が野球の投球動作を行う場合を例として、より具体的に説明する。トレーニング装具1を装着した使用者50は、野球の投球動作を行う際に、左足を前方に踏み出した後に、右足で地面Gを蹴って体幹を前方に移動させる。使用者50は、トレーニング装具1を装着した状態で拇指球53および小指球54の両方を地面Gに接触させることができるため、このような地面Gを蹴り出す動作をスムーズに行うことができる。このような、地面Gを蹴る動作は、野球の投球動作に限らず多くの競技に存在する。すなわち、トレーニング装具1は、使用者50がイップスに係る動作を行うための妨げることなく競技動作を行わせて、体軸の意識を思い出させることができる。これにより、トレーニング装具1は、使用者50の体軸獲得の効果を高めることができる。
また、本実施形態の固定部20は、平面視で、板部10の後端部10dを足51の踵骨52の下端52aに対して後方に位置させた状態で、板部10を使用者50の足51に固定する。ここで、踵骨52の下端52aとは、踵骨52の最も下側に位置する先端を意味し、足の裏で地面Gに自立する際の、地面Gとの接点となる部分を指す。後端部10dが踵骨52の下端52aより後方に位置することで、足51の踵が確実に板部10上に搭載された状態となる。これにより、板部10と足51の裏との固定を安定させることができ、使用者50がトレーニング装具1を装着した状態でイップスに係る動作を行った場合であっても、板部10が足51の裏からずれにくくなる。板部10が足51の裏で位置ずれしてしまうと、動作を行う中で意識すべき体軸が、動作中に移動したように錯覚してしまい、体軸獲得の妨げとなる虞がある。本実施形態のトレーニング装具1によれば、後端部10dが踵骨52の下端52aより後方に位置することで、使用者50に装着の違和感なくイップスに係る動作を再現させることができ、イップス改善に寄与できる。
本実施形態の固定部20は、平面視における頂点Cを、足51の拇指球53と小指球54と踵骨52とを結ぶ三角形Tの内側に位置させた状態で、板部10を使用者50の足51に固定する。使用者50は、拇指球53、小指球54および踵骨52の3点により足51の裏で体重を支持している。このため、これらの3点を結ぶ三角形Tの内側に頂点Cが設けられていることで、使用者50は、自身の体重を足51の裏に感じて、バランスを取りながら自立することができる。これにより、使用者50は、自身の体軸を意識しやすくなり、イップス改善の効果が高まる。また、頂点Cは、使用者50を側方からみて使用者50の重心線P上に位置することが好ましい。これにより、使用者50は、直立した状態から姿勢を傾斜状態に移行することで、自身の体重を重心線Pの直下の突起部30の頂点Cで支える感覚をより明確に得ることができ、体軸の獲得がより促進され、使用者50のイップスが改善される。
突起部30の頂点Cの高さは、板部10の下面10bに対して、15mm以上40mm以下であることが好ましい。頂点Cの高さを15mm以上とすることで、使用者50の姿勢を十分に不安定とすることができ、体軸獲得の効果を奏することができる。一方で、頂点Cの高さが40mmを超すと、使用者50の姿勢が不安定となりすぎて、イップスに係る動作を行うことができなくなる虞がある。このため、頂点Cの高さは40mm以下とすることが好ましい。
突起部30の半径は、15mm以上35mm以下であることが好ましい。突起部30の半径が大きい場合、使用者50の姿勢(すなわち体軸)および足51の裏面の傾きの速度に対する重心線Pの移動の速度が緩やかとなる。一方で、突起部30の半径が小さい場合、使用者50の姿勢および足51の裏面の傾きの速度に対する重心線Pの移動の速度が速くなる。すなわち、突起部30の半径に応じて不安定さの応答性が変わる。突起部30の半径を15mm以上35mm以下とすることで、イップス改善に効果的な、不安定さの応答性を実現することが可能となる。
なお、本実施形態において突起部30は球形状を有しており、頂点Cから前後左右に向かう半径が同一である。しかしながら、頂点Cから前方、後方、左方および右方に向かう傾斜の半径は、15mm以上35mm以下の範囲で、それぞれ異なっていてもよく、また、傾斜の途中において曲率半径が連続的に変わってもよい。すなわち、突起部30は、頂点Cから前方、後方、左方および右方に向かって、それぞれ15mm以上、35mm以下の連続的な曲率半径で傾斜すればよい。
<トレーニングセット>
図1に示すように、トレーニング装具1は、突起部30と交換可能な複数種類の突起部30A、30Bとともに、トレーニングセット2を構成する。突起部30A、30Bは、上述の突起部30と同様に、平坦な上面32を有する半球形状であり、下側に向かって突出している。突起部30A、30Bは、突起部30と比較して、頂点Cの高さ並びに半球形状の半径が異なる。トレーニングセット2は、上述した突起部30、30A、30Bの他に、頂点Cの高さ並びに前方、後方、左方および右方の曲率半径のうち、何れか一つ又は二つ以上が異なる複数種類の突起部を有していてもよい。使用者50は、自身の体格に応じて、複数の種類の突起部30、30A、30Bの中から最適なものを選択して板部10に固定する。また、板部10に対する突起部30、30A、30Bの固定は、複数の貫通孔11の中から使用者50の体格に応じて選択された貫通孔11に固定ボルト35を挿通することで行われる。これらの構成により、幅広い体格の使用者50にとって、イップス改善に効果的なトレーニング装具1を提供できる。
<変形例>
次に、上述したトレーニング装具1およびトレーニングセット2に採用可能な、変形例1の突起部130および変形例2の突起部230について説明する。
図5は、変形例1の突起部130を採用したトレーニング装具1Aおよびトレーニング装具1Aを装着した使用者50の足51の側面図である。図6は、変形例2の突起部230を採用したトレーニング装具1Bおよびトレーニング装具1を装着した使用者50の足51の側面図である。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
変形例1の突起部130は、図5に示すように、頂点Cから前方に向かう曲率半径R1が、頂点Cから後方に向かう曲率半径R2より大きい。一方で、変形例2の突起部230は、図6に示すように、頂点Cから後方に向かう曲率半径R4が、頂点Cから前方に向かう曲率半径R3より大きい。なお、曲率半径R1、R2、R3、R4は、15mm以上35mm以下であり、必ずしも一様でなくてもよい。
体軸の感覚を失うことでイップスを抱える競技者は、イップスに係る動作において前傾姿勢になる傾向がある競技者と後傾姿勢になる傾向にある競技者とに概ね大別される。
後傾姿勢になる傾向の競技者は、後傾姿勢となった状態でバランスを崩すように構成されたトレーニング装具を用いることが好ましい。したがって、このような競技者は、変形例1の突起部130を備えたトレーニング装具1Aを使用することが好ましい。トレーニング装具1Aは、前方に向かう曲率半径R1が、後方に向かう曲率半径R2より大きいため、装着した使用者50が、後傾した際の重心線Pの後方への移動が、前傾した際の重心線Pの前方への移動と比較して応答性が高くなる。したがって、使用者50は、後傾姿勢になろうとした場合にバランス維持が難しくなり自立困難となる。これにより、自身が後傾姿勢となっていることを自覚して、正しい体軸の獲得を促進できる。
一方で、前傾姿勢になる傾向の競技者は、変形例2の突起部230を備えたトレーニング装具1Bを使用することが好ましい。トレーニング装具1Bを使用することで、使用者50は、前傾姿勢になろうとした場合に自立が困難となり、自身が前傾姿勢となっていることを自覚して、正しい体軸の獲得を促進できる。
変形例1の突起部130および変形例2の突起部230は、共通部品であってもよい。すなわち、突起部230として、突起部130を前後逆転して板状部に固定してもよい。これにより、トレーニング装具1Bの構成部品点数を少なくしてコスト削減を図ることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態のトレーニング装具301について説明する。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態のトレーニング装具301の分解斜視図である。トレーニング装具301は、板部10と、固定部20(前方固定部20Aおよび後方固定部20B)と、板部10の下面10bに固定され下側に突出する突起部330と、を備える。また、突起部330は、下端に位置し頂点Cから前方、後方、左方および右方に向かってそれぞれ連続的な曲率半径で傾斜する下端部材335と、下端部材335と板部10の間に介在する複数(図示例では2つ)の介在部材336と、を有する。
板部10の下面10bには、凹部(段部)312が設けられている。凹部312は、平面視で前後方向に延びる矩形状を有する。凹部312は、前後方向に延びる対向面312aを有する。板部10の下面10bには、対向面312aにかかるように、上下に貫通する複数の貫通孔11が設けられている。複数の貫通孔11のうち何れかには、板部10に突起部330を図示略の固定ボルト35が挿通され、固定ボルト35により突起部330が板部10に固定される。
介在部材336は、円柱形状を有する。介在部材336には、上下に貫通する貫通孔337が設けられている。貫通孔337には固定ボルト35が挿入される。また、介在部材336の上面336aおよび下面336bには、それぞれ段差338が設けられている。上面336aおよび下面336bの段差338は、平面視で互いに重なり合っている。したがって、介在部材336の厚さH1(例えば5mm)は、何れの位置であっても一定である。上面336aの段差338は、左右方向を向く第1の端面338aを有する。同様に、下面336bの段差338は、左右方向を向く第2の端面338bを有する。第1の端面338aと第2の端面338bとは、互いに逆方向を向く。
2つの介在部材336のうち上側の介在部材336の第1の端面338aは、板部10の対向面312aに対向して接触する。これにより、上側の介在部材336は、板部10に対する回転が抑制される。
また、上側の介在部材336の第2の端面338bは、下側の介在部材336の第1の端面338aに対向して接触する。これにより、下側の介在部材336は、上側の介在部材336に対する回転が抑制される。
下端部材335は、略半球形状であり下側に向かって高さH2(例えば15mm)だけ突出している。下端部材335は、下側の最下点として頂点Cを有する。下端部材335は、頂点Cから前方、後方、左方および右方に向かってそれぞれ連続的な曲率半径で傾斜する。下端部材335は、上面332に段差338が設けられている。上面332の段差338は、左右方向を向く端面331を有する。上面332には、端面331にかかるように、上下に延びるネジ孔339が設けられている。ネジ孔339には、介在部材336に挿入された固定ボルト35が螺合される。これにより、下端部材335および2つの介在部材336が板部10に固定される。下端部材335の端面331は、下側の介在部材336の第2の端面338bに対向して接触する。これにより、下端部材335は、下側の介在部材336に対する回転が抑制され、固定ボルト35が緩むことがない。
本実施形態のトレーニング装具301は、突起部330が下端部材335と複数の介在部材336とを有する。介在部材336は、上下方向に沿って板部10と下端部材335との間に挟まれている。したがって、介在部材336の使用個数を調整することで、板部10の下面10bに対する突起部330の頂点Cの高さを容易に調整できる。なお、本実施形態においても突起部330の頂点Cの高さは、板部10の下面10bに対して、15mm以上40mm以下であることが好ましい。本実施形態において、下端部材335の高さH2を15mmとし、介在部材336の高さH1を5mmとする。これにより、突起部330は、介在部材336を使用しない場合に頂点Cの高さを15mmとすることができる。また、突起部330は、介在部材336を5つ使用する場合に、頂点Cの高さを40mmとすることができる。すなわち、突起部330は、介在部材336の使用個数を0個から5個の間で調整することで、頂点Cの高さを15mm〜40mmの間で段階的に調整できる。
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態において、固定部は、固定バンドにより板部を使用者の足に固定するものであったが同様の効果を奏するものであれば他の構成を採用してもよい。また、上述の実施形態において、板部に対する突起部の固定は、1つの固定ボルトによりなされていたが、他の構成を採用しもよい。さらに、板部に対する突起部の前後位置調整手段は、互いの位置関係を前後に調整可能であれば、他の構成を採用できる。
1,1A,1B、301…トレーニング装具(イップス改善用トレーニング装具)、2…トレーニングセット(イップス改善用トレーニングセット)、10…板部、10c…前端部、10d…後端部、11…貫通孔(前後位置調整手段)、12、312…凹部(段部)、12a、312a…対向面、20…固定部、30,30A,130,230、330…突起部、31、331、338a、338b…端面、50…使用者、51…足、52…踵骨、53…拇指球、54…小指球、335…下端部材、336…介在部材、C…頂点、P…重心線、R1,R2,R3,R4…曲率半径、T…三角形

Claims (6)

  1. 使用者の足にそれぞれ装着する一対の板部と、
    前記板部を前記使用者の足に固定する固定部と、
    前記板部の下面に固定され下側に突出する突起部と、を備え、
    前記固定部は、平面視で、前記板部の前端部を前記使用者の足の拇指球および小指球より後方に位置させ、しかも前記突起部の頂点を前記使用者の足の前記拇指球と前記小指球と踵骨とを結ぶ三角形の内側に位置させて、前記板部を前記使用者の足に固定する、イップス改善用トレーニング装具。
  2. 前記固定部は、前記使用者の側方から見て、前記突起部の頂点を前記使用者の重心線上に位置させて、前記板部を前記使用者の足に固定する、請求項1に記載のイップス改善用トレーニング装具。
  3. 前記板部と前記突起部との前後方向の相対位置を調整する前後位置調整手段を備える、請求項1又は2に記載のイップス改善用トレーニング装具。
  4. 前記板部の下面には、前後方向に延びる対向面を有する段部が設けられ、
    前記突起部には、互いに左右方向を向く端面が設けられ、
    前記突起部が、前記端面を前記対向面と対向させ接触させて前記板部に固定される、請求項1〜3の何れか一項に記載のイップス改善用トレーニング装具。
  5. 前記突起部は、下端に位置し頂点から前方、後方、左方および右方に向かってそれぞれ連続的な曲率半径で傾斜する下端部材と、前記下端部材と前記板部の間に介在する介在部材と、を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のイップス改善用トレーニング装具。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のイップス改善用トレーニング装具を含むイップス改善用トレーニングセットであって、
    前記板部の下面に対する頂点の高さ並びに前方、後方、左方および右方の曲率半径のうち、何れか一つ又は二つ以上が異なる複数種類の前記突起部を有し、
    前記使用者の体格に応じて、前記板部に固定する前記突起部を選択可能である、イップス改善用トレーニングセット。
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