JP2017122012A - ガラス部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスハウスへの適用に適したガラス部材を提供する。【解決手段】ガラス基板110を有するガラス部材100において、ガラス基板110は、第1の表面および第2の表面を有し、ガラス基板110の前記第1の表面には、コーティングが設置され、該コーティングは、ガラス基板110に近い側から、酸化ケイ素を含むアンダーコート層120と、酸化スズを含む遮熱層130と、を有し、10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率Tvが78%以上であり、ヘイズ率が10%以上であり、遮蔽係数SCが0.90以下であるガラス部材100。【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス部材に関し、特に遮熱性のコーティングを有するガラス基板を含むガラス部材に関する。
近年、各国において、農作物の栽培などに使用される中規模〜大規模の園芸施設として、ガラスハウスが注目されている。ガラスハウスは、ビニールハウスよりも耐久性および密閉性に優れ、内部に様々な設備を導入できるため、生産性の高い栽培環境を実現することができる(例えば、特許文献1)。
前述の特許文献1には、透過性基板(ガラス基板)の上に断熱性の多層膜を形成し、これをガラスハウス用のガラス部材として利用することが記載されている。
しかしながら、ガラスハウス用のガラス部材に必要な特性は、断熱性に限られない。
例えば、ガラスハウスにおいて、ガラス部材を支持する骨格用のフレーム材によって、ガラスハウス内に陰が形成される場合がある。このような陰は、植物などの成長に悪影響を及し得るため、できるだけ抑制することが好ましい。しかしながら、特許文献1に記載のガラス部材では、このような「陰」の問題に対処することは難しい。
このように、実際のガラスハウスへの適用により適したガラス部材が、現在もなお要望されている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べて、ガラスハウスへの適用に適したガラス部材を提供することを目的とする。
本発明では、ガラス基板を有するガラス部材であって、
前記ガラス基板は、第1の表面および第2の表面を有し、
前記ガラス基板の前記第1の表面には、コーティングが設置され、
該コーティングは、前記ガラス基板に近い側から、
酸化ケイ素を含むアンダーコート層と、
酸化スズを含む遮熱層と、
を有し、
当該ガラス部材は、10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
当該ガラス部材は、前記ガラス基板の側から測定した場合、
ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が10%以上であり、
ISO9050:2003に準拠して測定された日射熱取得率をg値(%)とし、以下の(1)式で表される値を遮蔽係数SCとしたとき、
SC=g値/0.88 (1)式
前記SCが0.90以下である、ガラス部材が提供される。
前記ガラス基板は、第1の表面および第2の表面を有し、
前記ガラス基板の前記第1の表面には、コーティングが設置され、
該コーティングは、前記ガラス基板に近い側から、
酸化ケイ素を含むアンダーコート層と、
酸化スズを含む遮熱層と、
を有し、
当該ガラス部材は、10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
当該ガラス部材は、前記ガラス基板の側から測定した場合、
ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が10%以上であり、
ISO9050:2003に準拠して測定された日射熱取得率をg値(%)とし、以下の(1)式で表される値を遮蔽係数SCとしたとき、
SC=g値/0.88 (1)式
前記SCが0.90以下である、ガラス部材が提供される。
本発明では、従来に比べて、ガラスハウスへの適用に適したガラス部材を提供することができる。
一般に、ガラスハウスに適用されるガラス部材には、台風などに伴う強風や、雹や小石の落下などによって発生する割れを防止するため、強化処理、あるいは半強化処理が施される。強化は、ガラスの表面に圧縮応力を付与することによって達成される。強化処理の例として、軟化点付近まで加熱したガラスの表面を急冷する風冷強化と、ガラスを第一のアルカリ金属イオンが含まれる溶融塩中に浸漬し、ガラスに含まれる第二のアルカリ金属イオンとガラス表面でイオン交換する化学強化が挙げられる。大面積のガラス板を比較的低コストで効率的に強化し、コーティング付きのガラスに対しても後強化処理を実施できる点で風冷強化が優れている。コーティング付きのガラスを風冷強化する際には、コーティングにはガラス部材をガラスの軟化点付近まで再加熱しても変質しない耐熱性が必要となる。
本発明におけるガラス部材は、比較的良好な耐熱性を有する。より具体的には、本発明におけるガラス部材は、10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であるという特徴を有する。
このため、本発明におけるガラス部材では、風冷強化に伴う再加熱の際にコーティングが変質し、コーティングの遮熱性が低下するという問題を有意に抑制することができる。
なお、本願において、シート抵抗上昇率(%)は、(熱処理後のサンプルのシート抵抗−熱処理前のサンプルのシート抵抗)/(熱処理前のサンプルのシート抵抗)×100で表される。
また、本発明におけるガラス部材は、ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率Tvが78%以上である。可視光透過率は、79%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、81%以上であることがさらに好ましい。
この場合、ガラスハウス内に、十分な太陽光を取り入れることができる。従って、このようなガラス部材をガラスハウスに適用した場合、植物の成長を有意に促進することが可能になる。
また、本発明におけるガラス部材は、ガラス基板の側から測定した場合、遮蔽係数SCが0.90以下である。従って、このようなガラス部材をガラスハウスに適用した場合、太陽からの熱の侵入を有意に回避することができる。特に、夏期において、太陽熱がガラスハウス内に侵入することが抑制され、これにより、冷房代等を削減することができ、ガラスハウスのランニングコストを有意に抑制することが可能になる。
なお、遮蔽係数SCは、0.85以下であることが好ましく、0.80以下であることがより好ましく、0.76以下であることがさらに好ましい。
さらに、本発明におけるガラス部材は、ガラス基板の側から測定した場合、ヘイズ率が10%以上であり、高い光拡散性を有する。このような高い光拡散性を有するガラス部材をガラスハウスに適用した場合、ガラスハウスの骨組みを構成するフレーム材の陰が、ガラスハウス内の植物に投影されることを有意に抑制することができる。その結果、植物の好ましい成長を促進させることが可能になる。
なお、ヘイズ率は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることがより好ましく、25%以上であることがさらに好ましい。また、ヘイズ率は、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。
以上のような特徴により、本発明では、従来に比べて、ガラスハウスへの適用に、より適したガラス部材を提供することが可能になる。
(第1の構成)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態によるガラス部材(以下、「第1のガラス部材」と称する)の断面を模式的に示す。
図1に示すように、第1のガラス部材100は、ガラス基板110と、該ガラス基板110の両側に配置された各層とを有する。
より具体的には、ガラス基板110は、第1の表面112および第2の表面114を有し、第1の表面112には、ガラス基板110に近い順に、アンダーコート層120および遮熱層130が配置されている。一方、ガラス基板110の第2の表面114には、防汚層180が配置されている。
第1のガラス部材100は、第1の側102および第2の側104を有し、第1の側102は、遮熱層130の側に対応し、第2の側104は、防汚層180の側に対応する。
ガラス基板110は、例えば、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボレートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、および無アルカリガラス等で構成される。
特に、可視光透過率を高めたい場合、ガラス基板110は、鉄成分の含有量が抑制された高透過ガラス(例えばソーダライムシリケートガラス)で構成される。
ガラス基板110の厚さは、例えば1.5mm〜6mmの範囲であり、2mm〜5mmの範囲であることが好ましい。
アンダーコート層120は、遮熱層のヘイズ率を高めつつ、ガラス基板中のナトリウムが遮熱層に拡散し、遮熱性能が低下することを抑制するアルカリバリア層としての役割を有する。
アンダーコート層120は、酸化ケイ素を含む層で構成される。アンダーコート層120に含まれる酸化ケイ素の量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、アンダーコート層120は、酸化ケイ素層(SiO2)、または酸炭化ケイ素層(SiOC)等で構成されても良い。
ここで、アンダーコート層120の表面は、1nm〜150nmの範囲の算術平均粗さRaを有することが好ましい。算術平均粗さRaは、より好ましくは10nm〜100nm、20nm〜90nm、40〜80nmである。この場合、第1のガラス部材100のヘイズ率を有意に高めることが可能になる。
ただし、アンダーコート層120の表面が大きな凹凸を有する場合、ガラス基板110から遮熱層130に向かってアルカリ成分が拡散しやすくなり、遮熱層130の特性が低下する場合がある。これを防ぐため、アンダーコート層120と遮熱層130の間に、例えば、膜中に実質的に炭素を含まないシリカで構成されたアルカリバリア層を追加しても良い。これにより、そのような遮熱層130の劣化の問題を抑制することができる。
アンダーコート層120は、例えば、15nm〜150nmの厚さを有する。厚さは、より好ましくは20nm〜120nm、25nm〜100nmである。
遮熱層130は、第1のガラス部材100に、第2の側104から入射される光108による入熱を抑制する役割を有する。
遮熱層130は、酸化スズを含む層で構成される。遮熱層130に含まれる酸化スズの量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、遮熱層130は、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズ等で構成されても良い。この場合、ドーパントの含有量は、ドーパント原子/スズ原子のモル比で、0.0001〜0.09の範囲であることが好ましい。
遮熱層130は、例えば、100nm〜1000nmの厚さを有する。厚さは、より好ましくは、120nm〜800nm、140nm〜700nm、150nm〜500nmである。
防汚層180は、第1のガラス部材100の第2の側104に埃や塵などが付着して、第1のガラス部材100の透明性が低下することを抑制する役割を有する。
防汚層180は、10nm〜150nmの厚さを有する。また、防汚層180は、1nm〜13nmの表面粗さ(算術平均粗さRa)を有しても良い。
防汚層は、例えば、酸化スズ層またはシリカ層で構成されてもよい。なお、防汚層180は、必須の層ではなく、省略されても良い。
なお、第1のガラス部材100において、第1の側102および/または第2の側104は、必ずしも平面である必要はなく、これらは曲面であってもよい。
第1のガラス部材100をガラスハウスに適用する場合、第1のガラス部材100は、第1の側102がガラスハウスの内部となり、第2の側104がガラスハウスの外部となるように配置される。従って、太陽の光108は、第1のガラス部材100の第2の側104からガラスハウスに向かって入射される。
ここで、第1のガラス部材100は、10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であるという特徴を有する。シート抵抗上昇率は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。これにより、第1のガラス部材100の高温化による遮熱性の低下を、有意に抑制することができる。
また、第1のガラス部材100は、ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率Tvが78%以上であるという特徴を有する。このため、第1のガラス部材100では、ガラスハウス内に十分な太陽光を取り入れることができる。その結果、第1のガラス部材100を備えるガラスハウスでは、植物の成長を有意に促進することが可能になる。
また、第1のガラス部材100は、第2の側104から第1の側102に向かって測定されたヘイズ率が15%以上である。このため、第1のガラス部材100を備えるガラスハウスは、光拡散性に優れ、前述の「陰」の問題を有意に抑制することができる。
また、第1のガラス部材100において、第2の側104から第1の側102に向かって測定された遮蔽係数SCは0.90以下である。従って、第1のガラス部材100を備えるガラスハウスでは、良好な遮熱性が得られ、ガラスハウスのランニングコストを有意に抑制することができる。
(第2の構成)
図2には、本発明の一実施形態による別のガラス部材の断面を模式的に示す。
図2には、本発明の一実施形態による別のガラス部材の断面を模式的に示す。
図2に示すように、本発明の一実施形態による別のガラス部材(以下、「第2のガラス部材」と称する)200は、ガラス基板210と、該ガラス基板210の両側に配置された各層とを有する。
より具体的には、ガラス基板210は、第1の表面212および第2の表面214を有し、第1の表面212には、ガラス基板210に近い順に、アンダーコート層220、第1の遮熱層230、および第2の遮熱層240が配置されている。一方、ガラス基板210の第2の表面214には、防汚層280が配置されている。
第2のガラス部材200は、第1の側202および第2の側204を有し、第1の側202は、第2の遮熱層240の側に対応し、第2の側204は、防汚層280の側に対応する。
ここで、ガラス基板210は、前述の第1のガラス部材100におけるガラス基板110と同様の構成を有しても良い。
また、アンダーコート層220は、前述の第1のガラス部材100におけるアンダーコート層120と同様の材料で構成されても良い。ただし、アンダーコート層220は、第1のガラス部材100におけるアンダーコート層120とは異なり、実質的に平坦な表面を有する。これは、第2のガラス部材200では、アンダーコート層220の表面を特に荒らさなくても、好適なヘイズ率を得ることができるためである。
アンダーコート層220は、例えば、10nm〜60nmの厚さを有する。厚さは、15nm〜50nmの範囲であることが好ましく、20nm〜45nmの範囲であることがより好ましい。
第1の遮熱層230は、酸化スズを含む層で構成される。第1の遮熱層230に含まれる酸化スズの量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、第1の遮熱層230は、酸化スズ(未ドープ)で構成されても良い。
第1の遮熱層230は、例えば、100nm〜500nmの厚さを有する。厚さは、120nm〜400nmの範囲であることが好ましく、140〜350nmの範囲であることがより好ましい。
一方、第2の遮熱層240は、前述の第1のガラス部材100における遮熱層230と同様の構成を有しても良い。例えば、第2の遮熱層240は、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズ等で構成されても良い。
第2の遮熱層240は、例えば、100nm〜500nmの厚さを有する。厚さは、120nm〜400nmの範囲であることが好ましく、140〜350nmの範囲であることがより好ましい。
防汚層280は、第1のガラス部材100の防汚層180と同様の構成を有してもよい。また、防汚層280は、省略されても良い。
第2のガラス部材200も、前述の第1のガラス部材100と同様の特徴を有する。すなわち、第2のガラス部材200は、
10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が15%以上であり、
遮蔽係数SCが0.90以下である
という特徴を有する。
10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が15%以上であり、
遮蔽係数SCが0.90以下である
という特徴を有する。
従って、第2のガラス部材200においても、前述の第1のガラス部材100と同様の効果を得ることができる。すなわち、第2のガラス部材200をガラスハウスに適用した際に、高温化による遮熱性の低下を有意に抑制することができる。また、ガラスハウス内に十分な太陽光を取り入れることが可能となり、良好な光拡散性により、前述の「陰」の問題が有意に抑制されるとともに、ガラスハウスのランニングコストが有意に抑制されるという効果を得ることができる。
(第3の構成)
図3には、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス部材の断面を模式的に示す。
図3には、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス部材の断面を模式的に示す。
図3に示すように、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス部材(以下、「第3のガラス部材」と称する)300は、ガラス基板310と、該ガラス基板310の両側に配置された各層とを有する。
より具体的には、ガラス基板310は、第1の表面312および第2の表面314を有し、第1の表面312には、ガラス基板310に近い順に、第1のアンダーコート層350、第2のアンダーコート層320、第1の遮熱層330、および第2の遮熱層340が配置されている。一方、ガラス基板310の第2の表面314には、防汚層380が配置されている。
なお、第1のアンダーコート層350および防汚層380は、省略されても良い。
第3のガラス部材300は、第1の側302および第2の側304を有し、第1の側302は、第2の遮熱層340の側に対応し、第2の側304は、防汚層380の側に対応する。
ここで、ガラス基板310は、前述の第1のガラス部材100におけるガラス基板110と同様の構成を有しても良い。
一方、第1のアンダーコート層350は、例えば、酸化チタンを含む層で構成される。第1のアンダーコート層350に含まれる酸化チタンの量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、第1のアンダーコート層350は、酸化チタン層(TiO2)等で構成されても良い。
第1のアンダーコート層350は、例えば、3nm〜20nmの厚さを有する。厚さは、5nm〜15nmの範囲であることが好ましい。
また、第2のアンダーコート層320は、酸化ケイ素を含む層で構成される。第2のアンダーコート層320に含まれる酸化ケイ素の量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、第2のアンダーコート層320は、酸化ケイ素層(SiO2)等で構成されても良い。
第2のアンダーコート層320は、実質的に平坦な表面を有し、例えば、10nm〜60nmの厚さを有する。厚さは、15nm〜50nmの範囲であることが好ましく、20nm〜45nmの範囲であることがより好ましい。
第1の遮熱層330は、酸化スズを含む層で構成される。第1の遮熱層330に含まれる酸化スズの量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、第1の遮熱層330は、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズ等で構成されても良い。
第1の遮熱層330は、例えば、100nm〜500nmの厚さを有する。厚さは、120nm〜400nmの範囲であることが好ましく、140〜350nmの範囲であることがより好ましい。
一方、第2の遮熱層340も、酸化スズを含む層で構成される。第2の遮熱層340に含まれる酸化スズの量は、50質量%以上であることが好ましい。例えば、第2の遮熱層340は、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズ等で構成されても良い。
ここで、第2の遮熱層340は、第1の遮熱層330に比べて、キャリア濃度が高いという特徴を有する。例えば、第1の遮熱層330は、1×1020cm−3〜4×1020cm−3の範囲のキャリア濃度を有する。これに対して、第2の遮熱層340は、3×1020cm−3〜6×1020cm−3の範囲のキャリア濃度を有する。
第2の遮熱層340は、例えば、100nm〜500nmの厚さを有する。厚さは、120nm〜400nmの範囲であることが好ましく、140〜350nmの範囲であることがより好ましい。
防汚層380は、第1のガラス部材100の防汚層180と同様の構成を有してもよい。また、防汚層380は、省略されても良い。
第3のガラス部材300も、前述の第1のガラス部材100および第2のガラス部材200と同様の特徴を有する。すなわち、第3のガラス部材300は、
10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が15%以上であり、
遮蔽係数SCが0.90以下である
という特徴を有する。
10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が15%以上であり、
遮蔽係数SCが0.90以下である
という特徴を有する。
従って、第3のガラス部材300においても、前述の第1のガラス部材100および第2のガラス部材200と同様の効果を得ることができる。すなわち、第3のガラス部材300をガラスハウスに適用した際に、高温化による遮熱性の低下を有意に抑制することができる。また、ガラスハウス内に十分な太陽光を取り入れることが可能となり、良好な光拡散性により、前述の「陰」の問題が有意に抑制されるとともに、ガラスハウスのランニングコストが有意に抑制されるという効果を得ることができる。
(第4の構成)
図4には、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス部材の断面を模式的に示す。
図4には、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス部材の断面を模式的に示す。
図4に示すように、本発明の一実施形態によるさらに別のガラス部材(以下、「第4のガラス部材」と称する)400は、ガラス基板410と、該ガラス基板410の両側に配置された各層とを有する。
より具体的には、ガラス基板410は、第1の表面412および第2の表面414を有し、第1の表面412には、ガラス基板410に近い順に、第1のアンダーコート層450、第2のアンダーコート層420、および遮熱層430が配置されている。一方、ガラス基板410の第2の表面414には、防汚層480が配置されている。
第4のガラス部材400は、第1の側402および第2の側404を有し、第1の側402は、遮熱層430の側に対応し、第2の側404は、防汚層480の側に対応する。
ここで、ガラス基板410の第1の表面412は、比較的荒れた表面を有する。例えば、第1の表面412は、算術平均粗さRaが50μm〜1500μmの範囲であっても良い。例えば、ガラス基板410は、型板ガラスで構成されても良い。
また、ガラス基板110は、例えば、鉄成分の含有量が抑制された、高透過ガラスで構成される。ガラス基板110の厚さは、例えば、1.5mm〜6mmの範囲である。厚さは、2mm〜5mmの範囲であることが好ましい。
一方、第1のアンダーコート層450は、前述の第3のガラス部材300における第1のアンダーコート層350と同様の構成を有しても良い。また、第2のアンダーコート層420は、前述の第3のガラス部材300における第2のアンダーコート層320と同様の構成を有しても良い。
第1のアンダーコート層450は、例えば、3nm〜20nmの厚さを有する。厚さは、5nm〜15nmの範囲であることが好ましい。また、第2のアンダーコート層420は、例えば、10nm〜60nmの厚さを有する。厚さは、15nm〜50nmの範囲であることが好ましく、20nm〜45nmの範囲であることがより好ましい。
また、遮熱層430は、前述の第1のガラス部材100における遮熱層130と同様の構成を有しても良い。
遮熱層430は、例えば、100nm〜1000nmの厚さを有する。厚さは、120nm〜800nmの範囲であることが好ましく、140nm〜700nmの範囲であることがより好ましく、150nm〜500nmの範囲であることがさらに好ましい。
防汚層480は、第1のガラス部材100の防汚層180と同様の構成を有してもよい。また、防汚層480は、省略されても良い。
第4のガラス部材400も、前述の第1のガラス部材100〜第3のガラス部材300と同様の特徴を有する。すなわち、第4のガラス部材400は、
10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が10%以上であり、
遮蔽係数SCが0.90以下である
という特徴を有する。
10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が10%以上であり、
遮蔽係数SCが0.90以下である
という特徴を有する。
従って、第4のガラス部材400においても、前述の第1のガラス部材100と同様の効果を得ることができる。すなわち、第4のガラス部材400をガラスハウスに適用した際に、高温化による遮熱性の低下を有意に抑制することができる。また、ガラスハウス内に十分な太陽光を取り入れることが可能となり、良好な光拡散性により、前述の「陰」の問題が有意に抑制されるとともに、ガラスハウスのランニングコストが有意に抑制されるという効果を得ることができる。
(本発明の一実施形態によるガラス部材の製造方法)
次に、図5を参照して、前述のような特徴を有する本発明の一実施形態によるガラス部材の製造方法の一例について説明する。なお、ここでは、一例として、前述の図2に示した第2のガラス部材200を例に、その製造方法について説明する。
次に、図5を参照して、前述のような特徴を有する本発明の一実施形態によるガラス部材の製造方法の一例について説明する。なお、ここでは、一例として、前述の図2に示した第2のガラス部材200を例に、その製造方法について説明する。
図5には、第2のガラス部材200の製造方法(以下、「第1の製造方法」という)のフローの一例を概略的に示す。
図5に示すように、第1の製造方法は、
(a)ガラス基板の第1の表面に、アンダーコート層を設置するステップ(ステップS110)と、
(b)前記アンダーコート層の上に、第1の遮熱層および第2の遮熱層を順番に設置するステップ(ステップS120)と、
(c)前記ガラス基板の第2の表面に、防汚層を設置するステップ(ステップS130)と、
を有する。
(a)ガラス基板の第1の表面に、アンダーコート層を設置するステップ(ステップS110)と、
(b)前記アンダーコート層の上に、第1の遮熱層および第2の遮熱層を順番に設置するステップ(ステップS120)と、
(c)前記ガラス基板の第2の表面に、防汚層を設置するステップ(ステップS130)と、
を有する。
以下、各ステップについて、詳しく説明する。なお、以下の説明では、明確化のため、各部材を表す際に、図2に示した参照符号を使用する。
(ステップS110)
まず、ガラス基板210が準備される。
まず、ガラス基板210が準備される。
前述のように、ガラス基板210の種類は特に限られないが、ガラス基板210として、Fe成分が抑制された高透過ガラスを使用することで、可視光透過率Tvを高めることができる。例えば、ガラス基板210は、ソーダライムシリケート系の高透過ガラスである。
次に、ガラス基板の第1の表面212に、アンダーコート層220が配置される。
アンダーコート層220は、化学気相成膜(CVD)法、電子ビーム蒸層法、真空蒸着法、スパッタ法、およびスプレー法等、各種成膜方法を用いて形成することができる。
例えば、アンダーコート層220が酸化ケイ素層(SiO2)で構成される場合、アンダーコート層220は、大気圧CVD法によって成膜されてもよい。この場合、原料としては、モノシラン、テトラエトキシシラン、酸素、二酸化炭素、窒素などのガス状の原料物質を用いることができる。原料ガスは、予め混合してから、ガラス基板210の第1の表面212上に搬送してもよい。あるいは、原料ガスは、ガラス基板210の第1の表面212上で混合してもよい。
また、例えば、アンダーコート層220が酸炭化ケイ素層(SiOC)で構成される場合、アンダーコート層220を大気圧CVD法によって形成する際に、原料ガスに、メタン、エチレン、および/またはアセチレンなどの炭素含有ガスを含有させてもよい。このような炭素含有ガスを用いた場合、膜状のケイ素化合物とともに、粒子状のケイ素化合物が形成しやすくなり、ヘイズ率を高めることができる。
アンダーコート層220を形成する際のガラス基板210の温度は、700℃〜1100℃であることが好ましい。ガラス基板210の温度が700℃未満あるいは1100℃超であると、膜の形成速度が低下しやすくなる。
(ステップS120)
次に、アンダーコート層220の上に、第1の遮熱層230および第2の遮熱層240が順次形成される。
次に、アンダーコート層220の上に、第1の遮熱層230および第2の遮熱層240が順次形成される。
遮熱層230は、例えば、化学気相成膜(CVD)法、電子ビーム蒸層法、真空蒸着法、スパッタ法、およびスプレー法等、各種成膜方法を用いて形成することができる。
例えば、第1の遮熱層230が酸化スズ層(SnO2)で構成される場合、第1の遮熱層230は、大気圧CVD法によって成膜されてもよい。この場合、原料としては、四塩化スズなどの無機系のスズ化合物、あるいは有機系のスズ化合物を用いることができる。
ここで、有機系のスズ化合物とは、有機基を含むスズ化合物であって、有機基とスズ原子が、炭素原子−スズ原子の間の結合によって結合されている化合物を意味する。特に、有機基としては、アルキル基およびアルケニル基などの炭化水素基が好ましい。
スズ原子に結合する有機基の数は、2個以上であってもよい。有機基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。有機基以外のスズ原子に結合した反応基および原子としては、塩素原子が好ましい。また、有機系のスズ化合物は、4価のスズ化合物、すなわちスズ(IV)化合物であることが好ましい。有機系のスズ化合物としては、例えば、モノメチルスズトリクロライド、ジメチルスズジクロライド、モノブチルスズトリクロライド、テトラメチルスズ、テトラブチルスズ、およびジブチルスズジクロライド等があげられる。これらの中でも、モノブチルスズトリクロライド(以下、MBTCという)は、入手が容易で安価であり、取り扱いが容易であるという理由から好ましい。
次に、第2の遮熱層240が形成される。
第2の遮熱層240は、例えば、化学気相成膜(CVD)法、電子ビーム蒸層法、真空蒸着法、スパッタ法、およびスプレー法等、各種成膜方法を用いて形成することができる。
例えば、第2の遮熱層240がフッ素ドープされた酸化スズ層(SnO2)で構成される場合、第2の遮熱層240は、大気圧CVD法によって成膜されてもよい。この場合、原料として、前述の第1の遮熱層230の成膜において使用される無機系または有機系のスズ化合物と、フッ素化合物との混合物が使用される。
フッ素化合物としては、フッ化水素およびトリフルオロ酢酸などが挙げられる。フッ素化合物としては、特にフッ化水素が好ましい。
第1の遮熱層230および第2の遮熱層240のいずれの成膜においても、原料ガスは、予め混合してから、搬送されてもよい。あるいは、原料ガスは、被成膜対象の表面上で混合してもよい。原料物質が液体の場合は、バブリング法や気化装置などを用いて、原料物質を気化させてガス状としてもよい。
原料ガス中のスズ化合物1モルに対する水の量は、10〜30モルとすることが好ましい。水の量が10モル未満であると、形成する膜の抵抗値が増大しやすく、結果として遮蔽係数SCが増大しやすくなる。また、光線吸収が増大しやすくなる。
一方、水の量が30モル超であると、水の量の増加にともない、原料ガス容量が増大し、原料ガスの流速が高まることにより、着膜効率が低下するおそれがある。スズ化合物1モルに対する水の量は、15〜25モルであることがより好ましく、18〜22モルであることがさらに好ましい。
原料ガスが酸素を含有する場合、原料ガス中のスズ化合物1モルに対する酸素の量は、0モル超〜20モルとすることが好ましく、4〜20モルとすることがより好ましい。酸素の量が4モル未満であると、生成する膜の抵抗値や光線吸収が増大する場合がある。一方、酸素の量が20モル超であると、原料ガス容量が増大し、原料ガスの流速が高まることにより着膜効率が低下するおそれがある。スズ化合物1モルに対する酸素の量は6〜15モルであることがより好ましく、8〜10モルであることがさらに好ましい。
第2の遮熱層240の成膜において、原料ガス中のスズ化合物1モルに対するフッ素化合物の量は、0.2〜1.2モルとすることが好ましい。フッ素化合物の量が0.2モル未満である場合や1.2モル超である場合、形成する膜の抵抗値が増大しやすくなる。スズ化合物1モルに対するフッ素化合物の量は0.4〜1.0モルであることがより好ましく、0.5〜0.7モルであることがさらに好ましい。
第1の遮熱層230および第2の遮熱層240を形成する際のガラス基板210の温度は、500℃〜650℃であることが好ましい。ガラスの温度が500℃未満であると、第1および第2の遮熱層230、240の形成速度が低下するとともに、結晶性が低下する。その結果、ヘイズ率の低下および移動度の低下が生じる(移動度の低下は、シート抵抗の増大に対応し、シート抵抗の増大は遮熱性の低下に対応する)。一方、ガラス基板210の温度が650℃超であると、ガラスの粘性が低い状態で成膜が実施されるため、ガラスが室温まで降温される過程で、反りが生じるおそれがある。
ガラス基板210の温度は、520℃〜750℃であることが好ましく、540℃〜700℃であることがより好ましい。
なお、ステップS110およびステップS120におけるガラス基板上へのコーティングの形成は、フロート設備でガラスを作製する過程でオンライン法によって実施しても良いし、フロート法で得られたガラスを再加熱して成膜を実施するオフライン法によっても良い。
(ステップS130)
次に、ガラス基板210の第2の表面214に、防汚層280が設置される。
次に、ガラス基板210の第2の表面214に、防汚層280が設置される。
防汚層280は、例えば、化学気相成膜(CVD)法、電子ビーム蒸層法、真空蒸着法、スパッタ法、およびスプレー法等、各種成膜方法を用いて形成することができる。
以上、第2のガラス部材200を例に、その製造方法の一例について説明した。
しかしながら、説明された製造方法は、単なる一例であって、第2のガラス部材200は、その他の製造方法で製造されてもよい。
例えば、前述の例では、防汚層280は、ステップS130において、ガラス基板210の第1の表面212における各層が成膜された後に、形成される。しかしながら、最初に、ガラス基板210の第2の表面214に防汚層280を形成してから、ガラス基板210の第1の表面212に、各層220〜240を設置しても良い。
また、第1の製造方法には、さらに、ガラス基板210を風冷強化あるいは化学強化する工程(強化工程)が含まれても良い。この強化工程は、例えば、ステップS110の前、またはステップS130の後など、いかなる順番で実施されてもよい。
強化工程を実施することにより、ガラス基板210、さらには第2のガラス部材200の強度が向上する。成膜後にガラス部材に強化処理を施す場合、化学強化は表裏面のイオン交換のされ方が異なる結果ガラス部材に反りを生じさせるおそれがあるため、風冷強化による処理が好ましい。
なお、ステップS130におけるガラス基板上へのコーティングの形成は、フロート設備でガラスを作製する過程でオンライン法によって実施しても良いし、フロート法で得られたガラスを再加熱して成膜を実施するオフライン法によっても良い。
この他にも各種変更が可能であることは、当業者には明らかである。
また、前述の第1の製造方法の一部を変更することにより、第1のガラス部材100、第3のガラス部材300,および第4のガラス部材400が製造できることは、当業者には容易に推定できる。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明において、例1〜例6、例8および例10は、実施例であり、例7および例9は、比較例である。
(例1)
前述の図1に示したような構成を有するガラス部材を構成した。
前述の図1に示したような構成を有するガラス部材を構成した。
ガラス基板には、厚さが4mmの高透過ソーダライムシリケートガラスを使用した。
このガラス基板の一方の表面(第1の表面)に、アンダーコート層として、SiOC膜を成膜した。SiOC層は、CVD法により形成した(目標膜厚85nm)。なお、アンダーコート層の表面は、表面粗さ(算術平均粗さRa)が10nm〜100nmの範囲となるようにした。
次に、SiOC層の上に、遮熱層として、フッ素ドープされたSnO2層を成膜した。フッ素ドープされたSnO2層は、MBTCおよびフッ化水素を原料として、CVD法により形成した(目標膜厚340nm)。フッ素ドープ量は、フッ素化合物に対するスズ化合物のモル比として0.5〜0.7とした。
なお、ガラス基板の第2の表面に、防汚層は設置しなかった。
得られたガラス部材を「例1に係るガラス部材」と称する。
(例2)
例1と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
例1と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
ただし、この例2では、ガラス基板として、厚さが3mmのソーダライムガラスを使用した。また、アンダーコート層の表面は、表面粗さ(算術平均粗さRa)が10nm〜100nmの範囲となるようにした。
その他の条件は、例1の場合と同様である。
得られたガラス部材を「例2に係るガラス部材」と称する。
(例3)
例2と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
例2と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
ただし、この例3では、ガラス基板として、厚さが4mmのソーダライムガラスを使用した。また、第1の遮熱層の厚さは、190nmを目標とした。
その他の条件は、例2の場合と同様である。
得られたガラス部材を「例3に係るガラス部材」と称する。
(例4)
前述の図2に示したような構成のガラス部材を構成した。
前述の図2に示したような構成のガラス部材を構成した。
ガラス基板には、厚さが4mmの高透過ソーダライムシリケートガラスを使用した。
このガラス基板の一方の表面(第1の表面)に、アンダーコート層として、SiOC膜を成膜した。SiOC層は、CVD法により形成した(目標膜厚85nm)。
次に、SiOC層の上に、第1の遮熱層として、未ドープのSnO2を成膜した。SnO2層は、MBTCを原料として使用し、CVD法により形成した(目標膜厚170nm)。さらに、第1の遮熱層の上に、第2の遮熱層として、フッ素ドープされたSnO2層を成膜した。フッ素ドープされたSnO2層は、MBTCおよびフッ化水素を原料として使用し、CVD法により形成した(目標膜厚170nm)。フッ素ドープ量は、0.5〜0.7とした。
なお、ガラス基板の第2の表面に、防汚層は設置しなかった。
得られたガラス部材を「例4に係るガラス部材」と称する。
(例5)
前述の図3に示したような構成のガラス部材を構成した。
前述の図3に示したような構成のガラス部材を構成した。
ガラス基板には、厚さが4mmの高透過ソーダライムシリケートガラスを使用した。
このガラス基板の一方の表面(第1の表面)に、第1のアンダーコート層として、TiO2層を成膜した。TiO2層は、CVD法により形成した(目標膜厚10nm)。次に、第1のアンダーコート層の上に、第2のアンダーコート層として、SiO2層を成膜した。SiO2層は、CVD法により形成した(目標膜厚35nm)。
次に、SiO2層の上に、第1の遮熱層として、フッ素ドープされたSnO2層を成膜した。第1の遮熱層は、フッ化水素およびSnCl4を原料として使用し、CVD法により形成した(目標膜厚170nm)。フッ素ドープ量は、0.5〜0.7とした。
さらに、第1の遮熱層の上に、第2の遮熱層として、フッ素ドープされたSnO2層を成膜した。第2の遮熱層は、MBTCおよびフッ化水素を原料として使用し、CVD法により形成した(目標膜厚170nm)。フッ素ドープ量は、0.5〜0.7とした。
なお、ガラス基板の第2の表面に、防汚層は設置しなかった。
得られたガラス部材を「例5に係るガラス部材」と称する。
(例6)
前述の図4に示したような構成のガラス部材を構成した。
前述の図4に示したような構成のガラス部材を構成した。
ガラス基板には、厚さが4mmの型板ガラス(ソーダライムシリケートガラス)を使用した。このガラス基板の一方の表面は、算術平均粗さRaが50μm〜1500μmの範囲の表面粗さを有する。
このガラス基板の第1の表面に、第1のアンダーコート層として、TiO2層を成膜した。TiO2層は、CVD法により形成した(目標膜厚10nm)。次に、第1のアンダーコート層の上に、第2のアンダーコート層として、SiO2層を成膜した。SiO2層は、CVD法により形成した(目標膜厚35nm)。
次に、SiO2層の上に、遮熱層として、フッ素ドープされたSnO2層を成膜した。遮熱層は、MBTCおよびフッ化水素を原料として使用し、CVD法により形成した(目標膜厚350nm)。フッ素ドープ量は、0.5〜0.7とした。
なお、ガラス基板の第2の表面に、防汚層は設置しなかった。
得られたガラス部材を「例6に係るガラス部材」と称する。
(例7)
前述の例2と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
前述の例2と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
ただし、この例7では、ガラス基板として、厚さが4mmのソーダライムガラスを使用した。また、遮熱層の厚さは、490nmとした。
その他の条件は、例2の場合と同様である。
得られたガラス部材を「例7に係るガラス部材」と称する。
(例8)
前述の例2と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
前述の例2と同様の方法により、ガラス部材を構成した。
ただし、この例8では、ガラス基板として、厚さが5mmのソーダライムガラスを使用した。また、遮熱層の厚さは、340nmとした。
その他の条件は、例2の場合と同様である。
得られたガラス部材を「例8に係るガラス部材」と称する。
(例9)
例3で使用した厚さが4mmのソーダライムガラス基板を、例9に係るガラス部材とした。すなわち、例9に係るガラス部材は、ガラス基板のみから構成され、いかなるコーティングも有しない。
例3で使用した厚さが4mmのソーダライムガラス基板を、例9に係るガラス部材とした。すなわち、例9に係るガラス部材は、ガラス基板のみから構成され、いかなるコーティングも有しない。
(例10)
以下の方法で、ガラス部材を製造した。
以下の方法で、ガラス部材を製造した。
ガラス基板には、厚さが4mmの高透過ソーダライムシリケートガラスを使用した。
このガラス基板の一方の表面(第1の表面)に、第1のアンダーコート層として、TiO2層を成膜した。TiO2層は、CVD法により形成した(目標膜厚10nm)。次に、第1のアンダーコート層の上に、第2のアンダーコート層として、SiO2層を成膜した。SiO2層は、CVD法により形成した(目標膜厚35nm)。
次に、SiO2層の上に、第1の遮熱層として、フッ素ドープされたSnO2層を成膜した。第1の遮熱層は、フッ化水素およびSnCl4を原料として使用し、CVD法により形成した(目標膜厚350nm)。フッ素ドープ量は、0.5〜0.7とした。
なお、ガラス基板の第2の表面に、防汚層は設置しなかった。
得られたガラス部材を「例10に係るガラス部材」と称する。
以下の表1には、各ガラス部材の構成の概略をまとめて示す。
(遮蔽係数SC)
前述のように、遮蔽係数SCは、ISO9050:2003に準拠して測定された日射熱取得率をg値(%)としたとき、以下の(1)式で表される:
SC=g値/0.88 (1)式
ここで、g値は、分光光度計(パーキンエルマー製LAMBDA950)による測定から算出した。
前述のように、遮蔽係数SCは、ISO9050:2003に準拠して測定された日射熱取得率をg値(%)としたとき、以下の(1)式で表される:
SC=g値/0.88 (1)式
ここで、g値は、分光光度計(パーキンエルマー製LAMBDA950)による測定から算出した。
(可視光透過率Tv)
可視光透過率Tvは、前述のように、ISO9050:2003に準拠し、分光光度計(パーキンエルマー製LAMBDA950)による測定から算出した。
可視光透過率Tvは、前述のように、ISO9050:2003に準拠し、分光光度計(パーキンエルマー製LAMBDA950)による測定から算出した。
(ヘイズ率)
各ガラス部材のヘイズ率は、ヘイズメータ(スガ試験機製HZ−2)を用いて測定した。
各ガラス部材のヘイズ率は、ヘイズメータ(スガ試験機製HZ−2)を用いて測定した。
(シート抵抗上昇率)
前述のように、シート抵抗上昇率は、(熱処理後のサンプルのシート抵抗−熱処理前のサンプルのシート抵抗)/(熱処理前のサンプルのシート抵抗)×100で表される。
前述のように、シート抵抗上昇率は、(熱処理後のサンプルのシート抵抗−熱処理前のサンプルのシート抵抗)/(熱処理前のサンプルのシート抵抗)×100で表される。
なお、熱処理は、各ガラス部材から、サンプルを10mm角に切り出し、このサンプルを使用して行った。熱処理は、各サンプルを大気雰囲気下、670℃で7分30秒保持することにより実施した。
シート抵抗の測定には、三菱化学アナリテック製ロレスタMCP−T360を使用した。
各ガラス部材において得られた評価結果を、まとめて表2に示した。
これに対して、例7および例9に係るガラス部材では、SC値、可視光透過率、ヘイズ率、およびシート抵抗上昇率の少なくとも一つが所定の値を満たしていなかった。このことから、例7および例9に係るガラス部材は、例1〜例6および例8に係るガラス部材に比べて、ガラスハウスへの適用性があまり良好ではないと言える。
100 第1のガラス部材
102、202、302、402 第1の側
104、204、304、404 第2の側
108、208、308、408 光
110、210、310、410 ガラス基板
112、212、312、412 第1の表面
114、214、314、414 第2の表面
120、220 アンダーコート層
130 遮熱層
180、280、380、480 防汚層
200 第2のガラス部材
230、330、430 第1の遮熱層
240、340、440 第2の遮熱層
300 第3のガラス部材
320、420 第2のアンダーコート層
350、450 第1のアンダーコート層
400 第4のガラス部材
480 防汚層
102、202、302、402 第1の側
104、204、304、404 第2の側
108、208、308、408 光
110、210、310、410 ガラス基板
112、212、312、412 第1の表面
114、214、314、414 第2の表面
120、220 アンダーコート層
130 遮熱層
180、280、380、480 防汚層
200 第2のガラス部材
230、330、430 第1の遮熱層
240、340、440 第2の遮熱層
300 第3のガラス部材
320、420 第2のアンダーコート層
350、450 第1のアンダーコート層
400 第4のガラス部材
480 防汚層
Claims (9)
- ガラス基板を有するガラス部材であって、
前記ガラス基板は、第1の表面および第2の表面を有し、
前記ガラス基板の前記第1の表面には、コーティングが設置され、
該コーティングは、前記ガラス基板に近い側から、
酸化ケイ素を含むアンダーコート層と、
酸化スズを含む遮熱層と、
を有し、
当該ガラス部材は、10mm角に切り出したサンプルを大気雰囲気下において670℃で7分30秒熱処理したとき、シート抵抗上昇率が20%以内であり、
当該ガラス部材は、前記ガラス基板の側から測定した場合、
ISO9050:2003に準拠して測定された可視光透過率Tvが78%以上であり、
ヘイズ率が10%以上であり、
ISO9050:2003に準拠して測定された日射熱取得率をg値(%)とし、以下の(1)式で表される値を遮蔽係数SCとしたとき、
SC=g値/0.88 (1)式
前記SCが0.90以下である、ガラス部材。 - 前記遮熱層は、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズを含む、請求項1に記載のガラス部材。
- 前記遮熱層は、前記ガラス基板に近い側から、第1の層および第2の層の2層で構成され、
前記第1の層は、未ドープの酸化スズを含み、前記第2の層は、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズを含む、請求項1または2に記載のガラス部材。 - 前記遮熱層は、前記ガラス基板に近い側から、第1の層および第2の層の2層で構成され、
前記第1の層および前記第2の層は、いずれも、フッ素および/またはアンチモンがドープされた酸化スズを含み、
前記第2の層は、前記第1の層よりも高いキャリア濃度を有する、請求項1または2に記載のガラス部材。 - 前記アンダーコート層の表面における算術表面粗さRaは、1nm〜150nmの範囲である、請求項1または2に記載のガラス部材。
- 前記ガラス基板の前記第1の表面は、50μm〜1500μmの範囲の表面粗さRaを有する、請求項1または2に記載のガラス部材。
- 前記アンダーコート層は、前記ガラス基板に近い側から、底部層と上部層の2層でされ、
前記底部層は、酸化チタンを含み、前記上部層は、酸化ケイ素を含む、請求項1、2、4または6に記載のガラス部材。 - 前記ガラス基板の前記第2の表面には、防汚層が設置されている、請求項1乃至7のいずれか一つに記載のガラス部材。
- 前記ガラス基板は、高透過ガラスで構成される、請求項1乃至8のいずれか一つに記載のガラス部材。
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