JP2017122709A - 可撓部材を備え、原子炉の吸収材と緩和材の少なくとも一方を作動および挿入する装置、および当該装置を備えている核燃料アセンブリ - Google Patents

可撓部材を備え、原子炉の吸収材と緩和材の少なくとも一方を作動および挿入する装置、および当該装置を備えている核燃料アセンブリ Download PDF

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Abstract

【課題】簡素かつ信頼性のある構造を有し、安全で高い動作正確性を有するパッシブ型の原子炉中性子吸収材作動・挿入装置を提供する。【解決手段】吸収材(2)を被挿入位置に係止する保持手段(11)が設けられたカプセル(10)を備えている。保持手段(11)は、少なくとも三つの可撓部材(20)と係止面(31)を備えている。可撓部材(20)は、アセンブリ(2)の端部材(2.1)用の座部を形成している。当該アセンブリ(2)は、可撓部材(20)の間に配置されている。係止面(31)は、冷却剤の温度が作動温度を下回っている限り端部材(2.1)が前記座部から脱落するのを防いでいる。端部材(2.1)の解放は、可撓部材(20)の変形による係止解除の後になされる。当該変形は、挿入されるアセンブリ(2)の質量によって加えられる力によってもたらされる。【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも一つの部材を作動および挿入する自律装置に関連する。挿入に供される当該部材は、いわゆる炉心溶融時に使用される吸収材と緩和材の少なくとも一方でありうる。緩和材とは、沸点を下げることが可能な材料を意味する。当該材料は、核燃料棒アセンブリのクラディングを構成している材料と共晶である。当該材料は、溶融した炉心あるいは炉心内におけるコリウム吸収材や緩和材の取出しを妨げる塞栓の形成を回避するためのものである。
自律作動挿入装置は、特にナトリウム冷却高速中性子炉(SFRとして知られる)および当該装置を備えている核燃料アセンブリにおいて使用されることを意図している。
原子炉の炉心の活動を規制し、炉の機能不全に至る事態を制限するために、中性子吸収材料を含んでいる部材が炉に挿入される。通常動作時において、当該部材は炉の上方に懸架された制御棒の形態をとりうる。炉の反応を抑制する必要性が検出されると、吸収材が核分裂の生じている領域に挿入される。
炉の機能不全の例としては、炉冷却回路(一次回路など)における問題、ナトリウム冷却炉の場合における液体ナトリウムの循環を減速するポンプの停止などが挙げられる。
抗反応挿入が行なわれない場合、上記の機能不全は、炉心温度の上昇を誘発しうる。これにより、少なくとも一つのアセンブリの溶融(場合によっては炉心溶融)が生じ、原子炉の完全性が損なわれうる。
吸収材を炉心に挿入する目的は、中性子反応を円滑にし、対処すべき機能不全について認められている基準に適した温度に炉心を安定化させることにある。
さらに、原子炉の制御における最大限の安全を保証するために、冗長的、分散的、かつ独立した停止システムが提供され、共通モード故障を補償する。
これまでSFR(従来型とみなされうるもの)において実施されている停止システムは、外部の電気的指令や電気信号の消失によって吸収材の挿入が作動されるという意味において、アクティブ装置に基づいている。
次世代SFRについては、従来の停止システムが故障した場合に新たな停止システムを付加することが考えられている。よって、この「緊急」停止システムの装置は、従来の停止システムに先んじて作動されてはならない。設備分散の論理に従い、設備電気チェーンや指令・論理チェーンの故障から逃れるために、電気的指令を介するのではなく物理現象によって吸収材の挿入が直接作動されるという意味でのパッシブ装置が考えられている。例えば、流量変化や温度上昇に感応する作動手段が考えられうる。当該パッシブ装置については様々な研究がなされているが、前述のように、原子炉においては未実施である。
特許文献1は、被挿入アセンブリを作動および挿入する装置を記載している。当該装置は、ナトリウムが充填されたベローズを備えている。当該ベローズの一端は懸架されており、原子炉内の温度に応じて膨張する。被挿入部材を結合する手段は、カップ形状を有している。具体的には、角取りされた底部と二つの側壁を有している。当該側壁は、非変形状態において外方に傾いており、その自由端は、懸架された部材を支持している。ナトリウムが膨張すると、ベローズが延伸する。原子炉内の温度が所定値を上回ると、ベローズの自由端は、上記カップの角取りされた底部に圧力を加える。これにより、上記の側壁は相互に接近し、被挿入アセンブリの支持が除去される。被挿入アセンブリは、重力によって落下する。
この作動装置は、相対変位が可能な小型の自由部品の集合体を備えており、トライボロジー的リスク、腐食、不純物の存在、拡散溶接などに起因する原子炉の不慮の動作を回避し、部品間の相対変位を保証するために、幾つかの領域において顕著な空隙が設けられている。空隙の存在は、装置の作動正確性に悪影響を及ぼす。
さらに、上記の装置は、長期にわたってベローズの信頼性を保証可能であることが求められる。
米国特許第5051229号
よって本発明は、簡素かつ信頼性のある構造を有し、非常に安全で高い動作正確性を提供するパッシブ型の作動・挿入装置を提案することを目的とする。
上記の目的は、少なくとも一つの吸収材と緩和材の少なくとも一方含むアセンブリの挿入を作動させる装置によって達成される。当該装置は、前記アセンブリを挿入領域の上方に懸架する手段と、当該懸架手段を係止する手段を備えている。前記懸架手段は、複数の可撓部材によって形成されている。前記複数の可撓部材は、前記アセンブリを懸架する第一位置と、前記アセンブリを解放する第二位置を少なくともとりうる。前記第一位置から前記第二位置への移行は、前記係止手段による係止が解除された後になされる。係止の解除は、前記複数の可撓部材へ加えられる圧力によって、あるいは前記アセンブリの重量の効果によってなされる。作動・挿入装置の動作の少なくとも一部は、前記係止手段を動かすシェルの膨張と、必要に応じて圧力の印加によって達成される。
本発明に係る作動・挿入装置は、簡潔な構成かつ非常に安定であり、機能不全のリスクを大幅に抑制する。実際、本発明は、引っ掛かりの虞がある機械的連結を備えておらず、装置挿入の信頼性を高めている。温度上昇が所定の閾値を上回ることによる炉心の異常動作時における高いレベルの安全性と高い動作の正確性の双方を提供する。吸収材と緩和材の少なくとも一方の挿入は、通常動作時に遂行されることもあるが、不慮の挿入は回避される。
一実施形態において、複数の可撓部材は、挿入されるアセンブリを支持するのに十分な剛性を有しており、当該アセンブリの解放は、シェルによる可撓部材の変形によってなされる。
別実施形態においては、複数の可撓部材は、挿入されるアセンブリを自身で支持するのに十分な剛性を有しておらず、係止手段が当該可撓部材の低い剛性を補っている。当該アセンブリの解放は、当該アセンブリの質量が加える力によって係止が解除されると直ちになされる。
特に有用な手法として、上記の作動・挿入装置は、核燃料アセンブリの上部に配置され、当該アセンブリのほぼ軸上に配置されることが好ましい。これにより、当該作動・挿入装置は、ベアリングアセンブリの燃料クラスタから流出する液体の流量全体に向き合う。これは事実上、標準的な燃料アセンブリの出力に等しく、装置の作動および挿入されるアセンブリの解放に係る正確性および信頼性が向上する。
好ましくは、挿入されるアセンブリは、カプセル内に収容される。当該カプセルの上部は、本発明に係る作動・挿入装置内に配置される。
好ましくは、核燃料と挿入されるアセンブリの双方を備えるベアリングアセンブリが製造される。当該アセンブリの挿入は、本発明に係る装置によって実行される。当該装置は、ベアリングアセンブリの上部に配置される。挿入の作動は、吸収材や緩和材のみを対象とするアセンブリと比較すると、より迅速かつより正確である。燃料アセンブリの冷却剤の供給流量が吸収材アセンブリのそれよりも遥かに重要だからである。
よって、本発明の一態様は、原子炉の核分裂領域へのアセンブリの挿入を作動させる装置であって、
当該原子炉内には冷却剤が流れており、
当該原子炉は、ほぼ垂直方向を向けられる長手軸を有しており、
当該装置は、軸方向に固定される部分および軸方向に可動である部分を備えており、
前記固定される部分は、前記核分裂領域の上方における懸架位置に前記アセンブリを保持する保持手段を備えており、
前記アセンブリは、少なくとも前記可動である部分の動きによって解放可能であり、
前記可動である部分は、前記懸架位置に前記保持手段を係止する係止手段、および変位手段を備えており、
前記係止手段は、少なくとも係止面と称される第一の面によって形成されており、
前記変位手段は、前記係止面の前記長手軸に沿って変位するシェルによって形成されており、
前記シェルは、前記冷却剤の温度上昇の効果として前記固定される部分に対して差動方式で長手方向に膨張可能であり、
前記係止面は、前記冷却剤の温度の上昇中に前記保持手段から軸方向に離れる方向に移動するように配置されており、
前記係止面は、少なくとも前記冷却剤が作動温度であるときに前記保持手段から離間しており、
前記保持手段は、前記長手軸の周囲に広がっている少なくとも三つの可撓部材を備えており、
前記可撓部材は、前記アセンブリの端部材用の座部を形成する形状とされており、
前記アセンブリは、前記可撓部材の間に配置されるように構成されており、
前記係止面は、少なくとも前記冷却剤の温度が前記作動温度以下の所定値を下回っている間は前記端部材が前記座部から脱落しないように、前記可撓部材に対して配置されており、
前記端部材の解放は、前記可撓部材の変形によって行なわれ、当該変形は、シェルの膨張または前記アセンブリの質量によって加わる力によってもたらされる。
好ましくは、前記可撓部材は、径方向に変形可能なチューリップ形状の保持座部を区画している。
好適な例においては、前記係止面は、前記可撓部材の径方向外側に配置されている。
第一実施形態においては、
前記可撓部材は、前記係止面が存在しない場合に前記アセンブリの質量によって生じる力によって径方向に離間するような剛性を有しており、
前記所定の温度は、前記作動温度に等しい。
この場合、前記可撓部材は、0.5mmと1.5mmの間の厚みを有している。
第二実施形態においては、
前記可撓部材は、前記係止面が存在しない場合でも前記アセンブリを支持するような剛性を有しており、
前記所定の温度は、前記作動温度未満であり、
前記可動である部分は、作動面を備えており、
前記作動面は、前記シェルによって変位されるとともに、少なくとも前記作動温度において前記長手軸から離れるように前記可撓部材を変形させるように構成されている。
この場合、前記可撓部材は、2mmと4mmの間の厚みを有している。
第二実施形態においては、
前記作動面は、スリーブの長手方向端部によって形成された環状の面であり、
前記スリーブは、前記シェルの下流側端部の内側に固定されており、
前記可撓部材の各々は、前記長手軸に向かって傾斜した領域を備えており、当該領域は、前記作動面と協働して前記長手軸から離れるように構成されている。
付加的な特徴として、
前記固定される部分は、前記長手軸と同軸であり前記シェルの内側に配置された略円筒状の部分を少なくとも一つ備えており、
前記シェルの上流側端部と前記固定される部分を軸方向に固定する固定手段を備えており、
前記固定手段は、前記冷却剤の温度によって作動される。
前記固定手段は、前記シェルと前記固定される部分の間に配置されたスリーブを備えており、
前記スリーブは、複数のリブと溝の組によって前記シェルおよび前記固定される部分と協働する。
前記挿入・作動装置は、前記可撓部材が固定された支持スリーブを備えうる。前記支持スリーブは、前記固定される部分に挿入される。
第一実施形態においては、
前記可動である部分は、前記係止面を保持している制御ヘッドを備えており、
前記制御ヘッドは、前記シェルによって延長される。
第二実施形態においては、
前記可動である部分は、前記係止面と前記作動面を保持している制御ヘッドを備えており、
前記制御ヘッドは、前記シェルによって延長される。
例えば、前記シェルは、オーステナイト鋼からなり、前記固定される部分は、タングステン合金からなる。あるいは、前記シェルは、オーステナイト鋼からなり、前記固定される部分は、フェライト鋼またはフェライト−マルテンサイト鋼からなる。
本発明の別態様は、作動・挿入システムであって、
本発明に係る作動・挿入装置と、
長手軸を有し、前記固定される部分の一部を形成しているカプセルと、
前記アセンブリと、
を備えており、
前記カプセルは、
長手軸を有し、前記アセンブリが収容される筒体と、
把持ヘッドと、
を備えており、
前記把持ヘッドによって、前記システムが保持可能とされており、
前記作動・挿入装置は、前記冷却剤の流れ方向における前記把持ヘッドよりも上流側に配置されている。
好ましくは、前記カプセルは、その下端において開放されており、前記冷却剤の進入および前記シェルとの接触を可能にしている。
好ましくは、前記アセンブリは、前記複数の可撓部材によって形成される前記座部に受容される端部材を備えうる。この場合、前記端部材の形状と前記可撓部材に対する配置は、両者の間にボールジョイントリンクが形成されるように定められる。
より好ましくは、
前記端部材は、少なくとも一つの半球状部分を備えており、
前記半球状部分の外径と無変形状態における前記座部の内径との差は、前記係止面と前記可撓部材における当該係止面に対向する部分との間の距離よりも大きい。
本発明の別態様は、核燃料アセンブリであって、
核分裂領域と、
その上端から前記核分裂領域の少なくとも一部にまで延びている中央自由空間と、
本発明に係る作動・挿入システムと、
前記作動・挿入システム内に懸架された前記挿入されるアセンブリと、
を備えており、
前記カプセルの下端は、前記中央自由空間に挿入されている。
前記核燃料アセンブリは、前記中央自由空間を区画し、前記カプセルの下端を受容しているシースを備えうる。
前記挿入されるアセンブリは、中性子吸収材と中性子緩和材の少なくとも一方を少なくとも一つ備えうる。
好ましくは、前記挿入されるアセンブリは、積み重ねられた複数の部材を備えており、
前記複数の部材の一つは、結合ヘッドを形成しており、
前記結合ヘッドは、前記作動・挿入装置を保持する手段と協働する。
前記複数の部材の少なくとも一部は、球形状であることが好ましい。前記複数の部材は、例えば、ケーブルにねじ込まれている。
例えば、前記複数の吸収部材は、第一吸収材料からなる第一部材および第二吸収材料からなる第二部材を備えている。
本発明の別態様は、原子炉であって、複数の核燃料棒、および本発明に係る核燃料アセンブリを少なくとも一つのみを収容している複数のアセンブリを備えている。当該原子炉は、好ましくは、ナトリウム冷却高速中性子炉である。
本発明は、以降の説明と添付の図面に基づいてよりよく理解される。
本発明の第一実施形態に係る作動・挿入装置を備えている作動・挿入システムの原理の実現例を模式的に示す縦断面図である。 ハンドリング温度における図1の制御ヘッドの部分を詳細に示す図である。 係止解除温度における図1のシステムを詳細に示す図である。 公称動作温度における図1のシステムを詳細に示す図である。 作動温度における図1にシステムを詳細に示す図である。 図1のシステムのカプセルとシェルの接続部分におけるシェルと固定される部分との間の(シュリンクフィット型の)機械的リンクの詳細を示す図である。 図6Aにおける面A−Aに沿う断面図である。 本発明の第二実施形態に係る作動・挿入装置を備えている作動・挿入システムの原理を模式的に示す縦断面図であり、ハンドリング温度における制御ヘッドの部分を示している。 ハンドリング温度における図7のシステムを示している。 作動温度における図7のシステムを示している。 図7の作動・挿入装置の部分断面図である。 図10Aに対応する斜視図である。
上記の図面は、発明の本質を例示するものであって、限定するものではない。
本明細書において、「ベアリングアセンブリ」とは、核燃料と吸収材の双方を備えている本発明に係るアセンブリを指し、「標準アセンブリ」とは核燃料のみを備えているアセンブリを指す。
本明細書において、「通常動作」あるいは「公称動作」とは、正常温度条件下における原子炉の動作を指し、「異常動作」とは、冷却剤の温度が所定の閾値温度を超えて上昇することにより、原子炉の温度が安全閾値を超えた状態を指す。
「上流」と「下流」という語は、冷却流体の流れ(すなわち図面の下方から上方)に関して用いられる。本願において、「下方」と「上方」という語は、それぞれ「上流」と「下方」の類義語として用いられる。作動・挿入システムは、縦置きされることを前提としている。
以降、被挿入部材は、中性子吸収材料からなる部材のアセンブリとして説明される。しかしながら、本発明は、緩和材アセンブリの挿入にも適用可能である。
一般に、原子炉は、内部に複数の核燃料アセンブリが並べられた容器を備えている。当該アセンブリは、原子炉の炉心を形成する。SFRの場合、当該アセンブリは、六角形の横断面外形状を有することが一般的である。その他の原子炉の場合、当該アセンブリは、円形や矩形などの横断面外形状を有しうる。冷却剤は当該アセンブリの内部と間を流れ、核燃料により発生した熱を取り出す一次回路を形成する。当該アセンブリは、例えばロッド内に敷設された核燃料を収容している。核燃料を含む当該アセンブリの一部は、核分裂領域と称される。原子炉の炉心の動作を規制するために、抗反応性の部材が当該領域に挿入され、中性子吸収材料が導入される。特定のSFR(例えばフランスのもの)においては、制御棒の吸収材料は、当該アセンブリ内に残る(より正確には、制御棒の移動はアセンブリ内で可能とされる)。挿入機構は、当該アセンブリとコアカバープラグ(CCP)の間に設けられる。通常動作時において、吸収材料は、核分裂領域内に部分的に挿入されているか(制御棒)、核分裂領域上に懸架されている(付加停止棒)。原子炉を停止させるために、吸収材料は、燃料棒バンドル内で核分裂領域へ完全に導入される。
吸収材料は、制御棒や付加停止棒の形態をとっており、好ましくは、吸収材料からなる部材は、細長い(楕円形状、円筒形状など)、あるいは球形状の形態をとる。
図1から図6Bは、本発明の第一実施形態例に係る作動・挿入システムSIを確認できる。当該システムは、作動・挿入装置DIを備えている。当該装置は、温度が閾値温度を下回る場合に吸収材アセンブリ2を保持し(図1から図4)、当該閾値温度を上回る場合に吸収材アセンブリ2を解放する(図5)ように構成されている。
当該システムは、設備C(図1)内に結合部材によって懸架され、核アセンブリの上方に配置されている。
本例において、吸収材アセンブリ2は、端部材と中性子吸収材料からなる少なくとも一つの部材を備えている。端部材は、作動・挿入装置と協働するように構成されている。上述のように、吸収材料は、制御棒や不可停止棒の形態をとりうる。好ましくは、吸収材アセンブリ2は、中性子吸収材料からなる複数の球状部材を備えている。当該球状部材は、ある程度の可撓性を得るようにケーブルに嵌め込まれている。
本例において、端部材2.1は、略半球形状を有する上方を向いた凸部を備えている。
簡略化のため、以降は「吸収材アセンブリ」2を「アセンブリ」2と表記する。
特に本例において、システムSIは、長手軸Xに沿って延びる筒体によって形成されたカプセル10を備えている。図1に示されるように、当該筒体の下端と上端は開放されており、その内部にアセンブリ2が収容されている。カプセル10は、アセンブリ内に固定されるように構成されている。
カプセル10の開放された下端は、被挿入アセンブリが核分裂領域に落下するためのものである一方、冷却流体がカプセル10内に進入し、内部に位置する作動装置の一部に接触するためのものでもある。
カプセル10は、タングステン合金などの耐熱性材料からなる。タングステン合金の例としては、W−5Re(5%のレニウムを含有するタングステン)やWE−ODSが挙げられる。これらの合金は、機械加工などの製造工程に適した延性と弾性、および輸送と原子炉の稼動に耐えうる機械的強度を有している。
作動・挿入装置DIとカプセル10によって形成されるアセンブリは、後述する作動・挿入システムSIを構成する。
カプセル10は、結合部材9も備えている。結合部材9は、作動・挿入システムSIの結合と運搬を可能にするように構成されている。
液体ナトリウムなどの冷却剤は、長手軸Xに沿って下方から上方へ当該アセンブリ内を流れる。
特に図2に示されるように、作動・挿入装置DIの一部は、カプセル10内に配置されている。装置DIは、アセンブリ2を保持する手段11、当該手段11を係止する手段13、および起動手段15を備えている。起動手段15は、異常状況下においてアセンブリ2の解放を可能にする。
作動・挿入装置DIは、長手軸Xについて回転対称な形状を有している。
作動・挿入装置DIは、制御ヘッド18とシェル19を備えている。好ましくは、シェル19は、カプセル10の内側に位置し、カプセル10の高さ方向全体にわたって延びている。すなわち、シェル19は、カプセル10よりも大きな高さ寸法を有し、より大きな膨張を生じうる。シェル19が大きな寸法を有することの利点は、冷却剤との非常に大きな熱交換面を有することにより、局所的な熱的不均一性を少なくして作動信頼性を向上できることにある。
シェル19は、堅固であることが好ましい。これにより、冷却剤はシェル19とカプセル10の間を流れ、冷却を実現する。
シェル19は、カプセル10の材料よりも高い熱膨張係数を有する材料からなる。シェル19だけでなく制御ヘッド18もまた、鋼などの高い熱膨張係数を有する材料からなる。当該材料の具体例としては、棒のクラディングに使用される冷延鋼Z10 CNDT 15.15 B(15/15 Ti)などのオーステナイト鋼が挙げられる。
シェル19は、オーステナイト鋼から形成されうる。固定される部分は、鉄鋼や鉄−オーステナイト鋼から形成されうる。
シェル19とカプセル10は、両者の下端において少なくとも軸方向について堅固に接続されうる。
図示の例においては、カプセル10の上流側端部の内側かつシェル19の上流側端部の周囲に接続スリーブ21が配置されている。
図示の例においては、接続スリーブ21は、その上端にベース21.1を備えている。ベース21.1は、カプセル10の上流側端部を押圧している。また、図6Aと図6Bに示されるように、接続スリーブ21は、その外周壁に複数の突壁を備えている。突壁は、軸方向に延びており、カプセル10の内面に形成された軸方向に延びる溝内に進入している。
図示の例においては、接続スリーブ21は、その内面に複数の溝を備えている。シェル19の外面から突出する突条が、当該溝内に進入している。これにより、軸Xを中心とするシェル19とカプセル10の相対回転の阻止が可能とされる。また、突条とリブの協働により、シェル19のカプセル10に対する回転方向の位置決めが可能とされる。
好ましくは、接続スリーブ21の外径は、接続スリーブ21とカプセル10の間に生じる径方向の膨張量の相違を考慮した内部結合が起こるように定められている。接続スリーブ21は、シェル19のように鋼などからなる。温度が上昇すると、接続スリーブ21は、カプセル10よりも大きく径方向に膨張する。これにより、接続スリーブ21とカプセル10の間の締結が開始される。
好ましくは、不図示の手段が、内部結合が起こらない運搬温度においてシェル19の接続スリーブ21に対する並進変位を制限する。
あるいは、接続スリーブ21とシェル19の間の組立て、および接続スリーブ21とカプセル10の間の組立ては、別の方法で実現されうる。
加えて、温度に依らず永続的な内部結合が実現されうる。あるいは、ねじ止めによる結合が実現されうる。圧接による締結も可能である。シェル19は、機械加工によって製造された特定の形状を有している。
さらに別例においては、接続スリーブ21とシェル19は、一体成形品とされうる。
制御棒18は、シェル19に固定されている。制御棒18は、アセンブリ2を保持する手段11と当該手段11を係止する手段13を備えている。さらに、本実施形態においては、制御棒18は、解放手段15も備えている。
挿入装置の「固定部F」とは、少なくともカプセル10と当該カプセル10に固定された保持手段11を含むアセンブリを指す。挿入装置の「可動部M」とは、少なくとも係止手段13とシェル19を含むアセンブリを指す。後述するように、可動部Mは、シェル19とカプセル10の膨張係数の差に基づいて、固定部Fに対して長手方向に変位可能である。
図示の例においては、被保持体はシェル19と一体に形成されている。当該被保持体は、結合部材9を備えている。
保持手段11は、長手軸Xの周囲に配置された少なくとも三つの可撓部材20を備えている。三つの可撓部材20の形状は、アセンブリ2の端部材2.1用の保持座部を形成するように定められている。
可撓部材20は、長手軸Xの周囲に等間隔に配置されていることが好ましい。
図10Aと図10Bは、第二実施形態に係る装置の斜視図であり、符号120で指示される複数の可撓部材が確認できる(6個設けられているが、5個だけ図示されている)。可撓部材120の配置と数は、第一実施形態に係る装置にも適用できる。
図示の例において、各可撓部材20は、保持座部を形成するようにストリップ形状を有している。以降の説明において用いられる「ストリップ」という語、および「可撓ストリップ」という表現は、可撓部材を指している。
図2に示されるように、各可撓ストリップ20は、上流側から下流側に向かって第一部分20.1、第二部分20.2、第三部分20.3、および第四部分20.4を備えている。第一部分20.1は、ほぼ平坦な固定用の領域22と湾曲した領域24を含んでいる。領域24は、作動手段15と協働するために長手軸Xに向かって湾曲している。第二部分20.2は、長手軸Xに対して外方に湾曲しており、保持座部を形成している。第三部分20.3は、長手軸Xに向かって湾曲している。直線的な第四部分20.4は、長手軸Xとほぼ平行に延びており、ストリップの下流側自由端を備えている。当該自由端は、係止手段13と協働するように構成されている。
例えば、上記のストリップは、オーステナイト鋼で形成されうる。
複数のストリップのアセンブリは、カップ型あるいはチューリップ型の保持座部を形成することが好ましい。アセンブリ2の端部材2.1は、ストリップ20の第二部分2.2と協働する。その半球状の上流側部分によって、制御棒18と端部材2.1の間の結合は、ボールジョイントリンクとなる。これにより、重力によるパッシブな制御棒13のセンタリングが可能になる。
なお、ストリップの数と形状は、上記に限定されない。ストリップの形状は、吸収材アセンブリのパッシブ重力センタリングを可能にする結合(好ましくはボールジョイントリンク)を端部材2.1との間に形成するように選択される。
保持座部は、別の形状を有しうる。例えば、端部材が別の形状を有しうる。端部材が円錐台形状を有する場合、ストリップは、円錐状の座部を形成するように構成されうる。
複数のストリップ20は、カプセル10に固定され、シェル19の下流側端部を包囲するように配置される。複数のストリップ20は、その第一部分20.1の湾曲した領域24がシェル19の自由端の下流側に位置するように配置される。
図示された例において、複数のストリップ20は、カプセル10の上側領域に装着された支持スリーブ26に固定される。支持スリーブ26は、その下流側端部にベース28を備えている。ベース28は、カプセル10の下流側端部を押圧している。支持スリーブ26の装着の仕方は、接続スリーブ21と同様であることが好ましい。
図示された例において、複数のストリップ20は、ネジによって支持スリーブ26に固定されている。
図10Bに示されるように、支持スリーブ26の下面は、各ストリップ用の縦ハウジング30を備えていることが好ましい。
本実施形態において、ストリップ20は、挿入されるアセンブリの自己支持を可能にするのに十分な剛性を有している。すなわち、稼働中にクリープ変形したり破損したりしない程度に十分な剛性を有している。後述するように、係止手段13は、ストリップ20の自由端を径方向に係止しておらず、複数のストリップ20は、アセンブリ2の重量によってスラスト力が作用すると、互いに離間する向きにのみ変位する。ストリップ20は、例えば3kgから9kgの質量を有する吸収材を挿入する場合、2mmから4mmの間の厚さを有する。
ストリップ20の厚さと数は、挿入する吸収材アセンブリの質量とシェル19の機械的拘束強度の関数として選ばれる。
係止手段13は、シェル19の下流側に配置され、温度がいわゆる係止解除温度を下回る場合にストリップ20の自由端の径方向外側におけるストッパを形成するように構成されている。
第一実施形態において、係止手段13は、温度が公称発電温度を下回る場合に不慮の挿入がなされる虞を回避する。
係止手段13は、所定の温度未満ではストリップ20の径方向ストッパを形成することにより、複数のストリップ20が互いに離間して被挿入アセンブリが不慮の落下に至る事態を確実に防止する。
図示の例において、係止手段13は、ネジ止めによってシェル19に接続されていることが好ましい。これにより、作動条件を精密に調節できる。あるいは、係止手段13とシェル19は一体に形成されうる。
図10Aと図10Bから明らかなように、シェル19と係止手段13は、両者の間にストリップ20が配置されるように、複数のロッド32によって接続されている。図示の例においては、6個の窓34を区画する6本のロッド32が係止手段13とシェル19を接続している。
符号j1は、無変形状態におけるストリップ20の径方向外側面と係止面31の間の距離を示している。符号j2は、端部材2.1の半球部の外径と無変形状態におけるストリップ20により区画される通路の内径との差を示している。
好ましくは、j2はj1よりも大きくなるように選ばれる。よって、係止状態において、複数のストリップ20が互いに離間すると、挿入されるアセンブリ2の端部材2.1の通過を可能にするのに十分な径の通路を形成したところで当該離間が不能となる。
作動手段15は、作動面36によって形成されている。作動面36は、複数のストリップ20の間に区画された空間内に位置している。作動面36は、シェル19の下流側端部とストリップ20における領域24の上流側に対して軸方向に堅固に接続されている。
より具体的には、作動温度を下回る温度において、作動面36は、ストリップ20における領域24の軸方向上流側に位置している。当該領域24は、長手軸Xに向かって傾斜している。作動温度においては、作動面36は、十分な押圧力を領域24に付与し、ストリップ20が長手軸Xから離間するように外方へ変形させる。これにより、端部材2.1が解放される。
図示の例において、好ましくは、作動面36は、シェル19の下流側端部の内側に固定されたスリーブ38の下流側端部によって形成される。これにより、作動面36は、シェル19に対して堅固に固定される。作動面36は、ストリップ20の内面24の回転軸の下流側に位置しているので、ストリップ20の変形に対して有利である。
スリーブ38は、ピンなどによってシェル19に固定される。当該ピンは、スリーブ38とシェル19に圧入される。
制御棒18の本体は、冷却剤を流れるようにする窓40をその下流側端面に備えている(図10B参照)。冷却剤は、ロッド32の間の窓34を通じても流れる。
作動システムの動作について以下説明する。
本発明に係る作動・挿入システムの稼働中においては、曝される温度に応じて四つの主要な状態が区別される。
・ベアリングアセンブリ内に作動・挿入システムSIがマウントされているマウント状態
温度:常温(20℃など);「マウント温度」と称する
・作動・挿入システムSIを備えたベアリングアセンブリの原子炉の炉心内におけるハンドリング状態
温度:180℃から250℃程度;「ハンドリング温度」と称する
・上記アセンブリが炉心内で動作している動作状態
温度:550℃程度;「公称発電温度」と称する。
・核分裂領域への吸収材の挿入が必要とされる作動状態
温度:本発明においては、例えば660℃程度;「閾値温度」と称する
マウント状態は図示されていないが、図1と図2に示されているものと非常に似ている。マウント状態においては、作動・挿入システムにおける各部材は、熱膨張により変形していない。複数のストリップ20は、アセンブリ2を支持している。係止面31は、ストリップ20の下流側端部を形成している第四部分20.4に対向している。作動面36は、傾斜領域24の上流側から離間している。ストリップ20は係止されており、アセンブリ2の解放は不可能である。本システムのハンドリングは、燃料棒の束が不慮の挿入に至るリスクがない完全な安全状態下で行なわれる。
係止面31に対向する各ストリップ20の第四部分20.4の軸Xに沿う向きの寸法は、例えば5mmである。
ハンドリング状態においては、作動・挿入システムは、原子炉内に配置されたベアリングアセンブリ内に搭載される。原子炉内の温度と、カプセル10、シェル19、および制御棒18の材料間の熱膨張係数の差とに起因し、カプセル10、シェル19、および制御棒18の間で異なる膨張が生じる。よって、カプセル10、シェル19、および制御棒18の間で異なる変形が生じ、係止面31とストリップの間で相対変位が起こる。異なる膨張に起因して、ストリップ20は、係止面31から離れる。係止面31とストリップ20の第四部分20.4の相対変位は、図3において確認されうる。
図3に示されるハンドリング状態においては、作動・挿入システムの幾つかの部材が僅かに膨張し始めている。この変形は、主に長手軸Xに沿って生じる。
しかしながら、マウント状態とハンドリング状態の間で膨張が生じても、ストリップ20は、係止面31に対して変位はするものの、依然として係止面31に対向している。よって、アセンブリ2は保持位置に係止されたままである。すなわち、ストリップ20は、アセンブリ2を支持している。アセンブリ2の解放は不可能である。よって、システムのハンドリングは、核分裂中の炉心へ挿入がなされる虞のない完全な安全状態下で行なわれる。
動作状態は、図4に示されている。作動・挿入システムの幾つかの部材が動作状態温度の冷却剤中に浸っている。シェル19は、カプセル10の上流側端部を通じて流れる冷却剤と接している。よって、シェル19は、アセンブリの動作状態に感応する。
ハンドリング状態と動作状態の間で冷却剤の温度が上昇することにより、作動・挿入システムにおける幾つかの部材の熱膨張による変形が増大し続ける。動作状態温度において、シェル19とカプセル10の膨張量の差は、係止面31がストリップ20と対向できない程度となる。他方、作動面36は、ストリップ20と接触する。しかしながら、ストリップ20は、依然として十分に長手軸Xに向かって傾斜しており、アセンブリ2を確実に保持している(図4参照)。この係止解除は、380℃程度の温度で行なわれる。
動作温度と作動温度の間で、冷却剤の温度上昇とともに部材の膨張は継続する。スラスト面は、ストリップ20の領域24に長手方向に沿う上向きの圧力を加える。当該部分は長手軸Xに向かって傾斜する姿勢であるため、当該圧力はストリップ20を外方へ変位させる。これにより、ストリップ20は径方向外側へ向かって変形し、端部材の座部が変形するに至る。
温度が作動温度に達すると、作動面36とストリップ20の相対変位は、複数のストリップ20が充分に離間してそれらの間に通路を形成する程度に至る。当該通路の内径は端部材20.1の外径よりも大きい。図5に示されるように、アセンブリ2は、核分裂中の炉心に向かって落下する。
吸収材が挿入されると中性子の連鎖反応が途絶する。これにより、炉心支持構造の完全性を維持できる温度で炉心の溶解を短時間で回避し、回復作業の実施に十分な期間を確保できる。
シェルとカプセルの間に形成された通路によって作動・挿入システムが冷却剤に浸されているため、システムの温度は冷却剤の温度に近づく。結果としてシステム作動の正確性が非常に高まる。
作動システムは、全体としてパッシブであり、連結を伴う部品を備えていない。これにより、熱固着のリスクを回避できる。
図7〜図10Bには、第二実施形態に係る作動・挿入システムSI’が示されている。
第一実施形態に係るシステムの部材と同一または同様の形状や機能を有する第二実施形態に係る作動・挿入システムの部材を指示するために、同じ参照符号が使用される。
第二実施形態に係る作動・挿入システムSI’は、作動手段を備えていない点において第一実施形態に係るシステムと異なる。
複数のストリップ120の形状と寸法の少なくとも一方は、十分に低い剛性を有するように選ばれる。これにより、挿入されるアセンブリを自己支持する座部が複数のストリップ120の間に形成されることはない。例えば、ストリップ120は、0.5mmと1.5mmの間の厚みを有する。
よって、挿入されるアセンブリのストリップによる懸架を可能にするために、ストリップは、作動温度までは係止手段によって当該アセンブリの端部材用の座部の形態で保持される。
本実施形態においては、間隙J1が存在する第一実施形態とは異なり、ストリップの下流側端部は、その低い剛性に基づいて係止面31を押圧している。
作動システムの動作について説明する。
マウント状態は図示されていないが、図7に示されているものと非常に似ている。マウント状態においては、作動・挿入システムにおける各部材は、熱膨張により変形していない。複数のストリップ120は、アセンブリ2を支持している。ストリップ120の第四部分120.4は、係止面31を押圧している。ストリップ120は、アセンブリ2を保持する位置に係止されている。本システムのハンドリングは、燃料棒の束が不慮の挿入に至るリスクがない完全な安全状態下で行なわれる。
一例として、係止面に対向するストリップの第四部分120.4の軸Xに沿う向きの寸法は、10mmである。
ハンドリング状態においては、作動・挿入システムは、原子炉内に配置されたベアリングアセンブリ内に搭載される。原子炉内の温度と、カプセル10、シェル19、および制御棒18の材料間の熱膨張係数の差とに起因し、カプセル10、シェル19、および制御棒18の間で異なる膨張が生じる。よって、カプセル10、シェル19、および制御棒18の間で異なる変形が生じ、係止面とストリップの間で相対変位が起こる。異なる膨張に起因して、ストリップは、上流側に変位する。係止面とストリップの第四部分120.4の相対変位は、図8において確認されうる。この相対変位の量は、比較的小さい。
図7に示されるハンドリング状態においては、作動・挿入システムの幾つかの部材が僅かに膨張し始めている。この変形は、主に長手軸Xに沿って生じる。
動作状態は、図9に示されている。作動・挿入システムの幾つかの部材が動作状態温度の冷却剤中に浸っている。
ハンドリング状態と動作状態の間で冷却剤の温度が上昇することにより、作動・挿入システムにおける幾つかの部材の熱膨張による変形が増大し続ける。動作状態温度において、シェル19とカプセル10の膨張量の差は、ストリップと係止面に対向する面がかなり減少するものの、挿入されるアセンブリを保持する位置に依然としてストリップ120が軽視されている程度となる(図8参照)。
動作温度と作動温度の間で、冷却剤の温度上昇とともに部材の膨張は継続する。ストリップ120に対向する係止面の一部は、依然として当該ストリップを係止している。
温度が作動温度に達すると、ストリップの下流側端部全体が係止面から離脱する。ストリップは、もはや挿入されるアセンブリを保持する位置には係止されていない。ストリップの剛性が低いため、挿入されるアセンブリの重量によってストリップ同士が離間する。これにより、ストリップによる保持からの端部材の解放が可能とされる。アセンブリは、重力によって落下する(図9参照)。
本実施形態においては、吸収材アセンブリを解放するために膨張差によって弾性ストリップに圧力を加えて変形させる部分が存在しない。
また、当該アセンブリが不慮の挿入に供される虞がない。冷却剤が挿入温度に達するまでストリップが係止面によって保持されるからである。
第二実施形態に関しては、作動・挿入システムは、完全にパッシブである。また、運動学的な繋がりが短いため、作動・挿入の正確性が非常によい。
以降の説明は、上記二つの実施形態に適用される。カプセル10の材料は、パッシブ作動手段を構成する材料よりも明確に低い膨張係数を有しているものが選ばれる。W−Re5合金(すなわち5%のレニウムを含有するタングステン合金)などのタングステン合金が選ばれうる。また、W−ODSのような合金の使用も考えうる。タングステンは膨張係数が低いものの、その屈折特性ゆえに、想定される温度における放射下でもスウェリングが僅かであるという利点を有する。
また、W−5Re合金は、想定される設計規則ごとに許容されうる延性を提供できる点において有利である。
あるいは、作動・挿入装置へ適合されたものであれば、カプセルについてZ10 CNDT 15/15B合金が、シェルについてW−Re5合金が選ばれうる。
好ましくは、吸収材アセンブリは、中性子吸収材料からなる複数の部材を備える。当該部材は球形であり、一定の可撓性を確保するようにケーブル6内にねじ込まれている。当該吸収材アセンブリは、その上流側端部に上端部材を備えうる。当該上端部材は、作動・挿入装置と協働するように構成されている点において他の部材と区別される。当該上端部材は、円錐台形状を有しており、球状部材の側に向けられた幅広の基部と、側面とからなる。
吸収材は、任意の中性子吸収材料から形成されうる。中性子吸収材料の例としては、程度の差はあれ10Bの存在比が高められた炭化ホウ素(BC)が挙げられる。WO2012/079664に記載された材料の全ては、本願に適用されうる。
冷却剤は、任意の液体金属(ナトリウムなど)によって形成されうる。高速炉において想定されうる他の液体金属の例としては、鉛や鉛−ビスマスが挙げられる。
好ましくは、ナトリウムが良好な熱伝導をもたらす。また、ホウ素吸収材の場合、10Bから生じるヘリウムによりベセル(燃料棒、カプセルなど)が高圧になることに起因しうる問題の回避を液体金属媒質が可能にする。金属媒質の高い粘度は、落下運動の最後における確実かつプログレッシブな減速を可能にする。これにより、吸収材セラミックが破砕するリスクがかなり抑制される。
本発明に係る作動・挿入装置において、吸収材アセンブリのセンタリングは、端部材2.1とストリップの結合により重力を利用して行なわれる。当該結合は、ボールジョイントリンクであることが好ましい。
図示の例においては、作動・挿入システムは、ベアリングアセンブリから完全に独立するように内蔵される。よって、燃料アセンブリから独立して管理される点において有利である。
したがって、アセンブリ2の作動・落下などの動作試験を、実験施設内(すなわち原子炉外)で、カプセル10に固有のスケールで遂行できる。当該動作試験は、アセンブリへの初期実装前に系統的に遂行されうる。
システムが機能不全の場合、必要に応じて作動・挿入装置の確認や変更、あるいはリセットを、燃料アセンブリの他の部材とは独立して行なうことができる。交換やリセットは、アセンブリ全体を廃棄することなく遂行できる。これにより、挿入システムの寿命を燃料アセンブリの寿命から独立して管理できるという利点が得られる。製造コストの低減やサイクルの終了時における放射化廃棄物の量の最小化が望まれる場合、当該利点が有効でありうる。
本発明に係る作動・挿入装置は、特に取り外し可能な作動・挿入システムに適している。実際、当該作動・挿入装置によって、より具体的にはハンドリング温度における係止を実現する係止手段によって、ハンドリング状況下における係止解除のリスクが回避される。よって、カプセルがベアリングアセンブリ内に搭載されている間に衝撃が加わったときなどにおいて、ストリップ、結合ヘッド、あるいはケーブルが破損しない限りは、吸収材アセンブリの結合解除が不能である。この利点は、アセンブリの炉心への実装時(前述のハンドリング状態)においても同様に得られる。
本発明に係る燃料アセンブリの構造が本発明に係る作動・挿入システムに実装されることにより、燃料の体積分率が僅かに低減される。炉心における中性子の挙動についても同様である。
また、本発明に係るアセンブリの構成によれば、従来のアセンブリの燃料サイクルへの適用が最小限の修正で可能であり、コストを最適化できる。
加えて、本発明に係るアセンブリの構造によれば、燃料ベアリングアセンブリのヘッドロス、すなわち炉心の熱水力特性の最適化への影響が少ない。
本発明に係る作動・挿入装置と協働して、本発明に係るアセンブリは、燃料アセンブリの流量を最適な手法で使用する。これにより、作動の迅速性と最大の正確性が得られる。実際、アセンブリ内におけるシェルの中央配置とその構造によって、標準的な燃料アセンブリと非常に近い流量が得られる。よって、膨張は、冷却材の温度すなわちアセンブリの状態を反映する。
本発明に係る作動・挿入システムは、他の停止システムから完全に独立しているため、全体として非常に高レベルの安全性が得られる。
本発明に係る作動・挿入装置、作動・挿入システム、およびベアリングアセンブリは、特にナトリウム冷却高速中性子炉での実施に適している。これらは、他種の原子炉(鉛や鉛−ビスマスなどの液体金属で冷却される高速炉、気体で冷却される高速炉、加圧水原子炉、沸騰水原子炉)にも適用されうる。

Claims (27)

  1. 原子炉の核分裂領域へのアセンブリ(2)の挿入を作動させる装置であって、
    当該原子炉内には冷却剤が流れており、
    当該原子炉は、ほぼ垂直方向を向けられる長手軸(X)を有しており、
    当該装置は、軸方向に固定される部分(F)および軸方向に可動である部分(M)を備えており、
    前記固定される部分(F)は、前記核分裂領域の上方における懸架位置に前記アセンブリ(2)を保持する保持手段(11)を備えており、
    前記アセンブリ(2)は、少なくとも前記可動である部分(M)の動きによって解放可能であり、
    前記可動である部分(M)は、前記懸架位置に前記保持手段(11)を係止する係止手段(13)、および変位手段を備えており、
    前記係止手段(13)は、少なくとも係止面と称される第一の面(31)によって形成されており、
    前記変位手段は、前記係止面(31)の前記長手軸(X)に沿って変位するシェル(19)によって形成されており、
    前記シェル(19)は、前記冷却剤の温度上昇の効果として前記固定される部分(F)に対して差動方式で長手方向に膨張可能であり、
    前記係止面(31)は、前記冷却剤の温度の上昇中に前記保持手段(11)から軸方向に離れる方向に移動するように配置されており、
    前記係止面(31)は、少なくとも前記冷却剤が作動温度であるときに前記保持手段(11)から離間しており、
    前記保持手段(11)は、前記長手軸の周囲に広がっている少なくとも三つの可撓部材(20)を備えており、
    前記可撓部材(20)は、前記アセンブリ(2)の端部材用の座部を形成する形状とされており、
    前記アセンブリ(2)は、前記可撓部材(20)の間に配置されるように構成されており、
    前記係止面(31)は、少なくとも前記冷却剤の温度が前記作動温度以下の所定値を下回っている間は前記端部材が前記座部から脱落しないように、前記可撓部材(20)に対して配置されており、
    前記端部材の解放は、前記可撓部材(20)の変形によって行なわれ、当該変形は、シェル(19)の膨張または前記アセンブリ(2)の質量によって加わる力によってもたらされる、
    作動・挿入装置。
  2. 前記可撓部材(20)は、径方向に変形可能なチューリップ形状の保持座部を区画している、
    請求項1に記載の作動・挿入装置。
  3. 前記係止面(31)は、前記可撓部材(20)の径方向外側に配置されている、
    請求項1または2に記載の作動・挿入装置。
  4. 前記可撓部材(20)は、前記係止面(31)が存在しない場合に前記アセンブリ(2)の質量によって生じる力によって径方向に離間するような剛性を有しており、
    前記所定の温度は、前記作動温度に等しい、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  5. 前記可撓部材(20)は、0.5mmと1.5mmの間の厚みを有している、
    請求項4に記載の作動・挿入装置。
  6. 前記可撓部材(20)は、前記係止面(31)が存在しない場合でも前記アセンブリ(2)を支持するような剛性を有しており、
    前記所定の温度は、前記作動温度未満であり、
    前記可動である部分(M)は、作動面(38)を備えており、
    前記作動面(38)は、前記シェル(19)によって変位されるとともに、少なくとも前記作動温度において前記長手軸(X)から離れるように前記可撓部材(20)を変形させるように構成されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  7. 前記可撓部材(20)は、2mmと4mmの間の厚みを有している、
    請求項6に記載の作動・挿入装置。
  8. 前記作動面(38)は、スリーブの長手方向端部によって形成された環状の面であり、
    前記スリーブは、前記シェル(19)の下流側端部の内側に固定されており、
    前記可撓部材(20)の各々は、前記長手軸(X)に向かって傾斜した領域を備えており、当該領域は、前記作動面(38)と協働して前記長手軸(X)から離れるように構成されている、
    請求項6または7に記載の作動・挿入装置。
  9. 前記固定される部分(F)は、前記長手軸(X)と同軸であり前記シェル(19)の内側に配置された略円筒状の部分を少なくとも一つ備えており、
    前記シェル(19)の上流側端部と前記固定される部分(F)を軸方向に固定する固定手段を備えており、
    前記固定手段は、前記冷却剤の温度によって作動される、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  10. 前記固定手段は、前記シェル(19)と前記固定される部分(F)の間に配置されたスリーブ(21)を備えており、
    前記スリーブ(21)は、複数のリブと溝の組によって前記シェル(19)および前記固定される部分(F)と協働する、
    請求項9に記載の作動・挿入装置。
  11. 前記可撓部材(20)が固定された支持スリーブ(26)を備えており、
    前記支持スリーブ(26)は、前記固定される部分(F)に挿入されている、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  12. 前記可動である部分(M)は、前記係止面(31)を保持している制御ヘッド(18)を備えており、
    前記制御ヘッド(18)は、前記シェル(19)によって延長される、
    請求項4または5に記載の作動・挿入装置。
  13. 前記可動である部分(M)は、前記係止面(31)と前記作動面(38)を保持している制御ヘッド(18)を備えており、
    前記制御ヘッド(18)は、前記シェル(19)によって延長される、
    請求項6から8のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  14. 前記シェル(19)は、オーステナイト鋼からなり、
    前記固定される部分(F)は、タングステン合金からなる、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  15. 前記シェル(19)は、オーステナイト鋼からなり、
    前記固定される部分(F)は、フェライト鋼またはフェライト−マルテンサイト鋼からなる、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の作動・挿入装置。
  16. 作動・挿入システムであって、
    請求項1から15のいずれか一項に記載の作動・挿入装置と、
    長手軸を有し、前記固定される部分(F)の一部を形成しているカプセル(10)と、
    前記アセンブリ(2)と、
    を備えており、
    前記カプセル(10)は、
    長手軸を有し、前記アセンブリ(2)が収容される筒体と、
    把持ヘッド(9)と、
    を備えており、
    前記把持ヘッド(9)によって、前記システムが保持可能とされており、
    前記作動・挿入装置は、前記冷却剤の流れ方向における前記把持ヘッド(9)よりも上流側に配置されている、
    作動・挿入システム。
  17. 前記カプセル(10)は、その下端において開放されており、前記冷却剤の進入および前記シェル(19)との接触を可能にしている、
    請求項16に記載の作動・挿入システム。
  18. 前記アセンブリ(2)は、前記複数の可撓部材(20)によって形成される前記座部に受容される端部材(2.1)を備えており、
    前記端部材(2.1)の形状と前記可撓部材(20)に対する配置は、両者の間にボールジョイントリンクが形成されるように定められている、
    請求項16または17に記載の作動・挿入システム。
  19. 前記端部材(2.1)は、少なくとも一つの半球状部分を備えており、
    前記半球状部分の外径と無変形状態における前記座部の内径との差は、前記係止面(31)と前記可撓部材(20)における当該係止面(31)に対向する部分との間の距離よりも大きい、
    請求項6から8、および13のいずれか一項を引用する請求項18に記載の作動・挿入システム。
  20. 長手軸を有するケースと、
    核分裂領域と、
    その上端から前記核分裂領域の少なくとも一部にまで延びている中央自由空間と、
    請求項16から19のいずれか一項に記載の作動・挿入システムと、
    前記作動・挿入システム(SI)内に懸架された前記アセンブリ(2)と、
    を備えており、
    前記カプセル(10)の下端は、前記中央自由空間に挿入されている、
    核燃料アセンブリ。
  21. 前記中央自由空間(52)を区画し、前記カプセル(10)の下端を受容しているシース(26)を備えている、
    請求項20に記載の核燃料アセンブリ。
  22. 前記アセンブリ(2)は、中性子吸収材と中性子緩和材の少なくとも一方を少なくとも一つ備えている、
    請求項20または21に記載の核燃料アセンブリ。
  23. 前記アセンブリ(2)は、積み重ねられた複数の部材(4)を備えており、
    前記複数の部材(4)の一つは、結合ヘッド(2.1)を形成しており、
    前記結合ヘッド(2.1)は、前記作動・挿入装置(DI)を保持する手段(11)と協働する、
    請求項22に記載のベアリングアセンブリ。
  24. 前記複数の部材(4)は、ケーブル(6)にねじ込まれている、
    請求項23に記載のベアリングアセンブリ。
  25. 前記複数の吸収部材(4)は、第一吸収材料からなる第一部材および第二吸収材料からなる第二部材を備えている、
    請求項23または24に記載のベアリングアセンブリ。
  26. 複数の核燃料棒、および請求項20から25のいずれか一項に記載の核燃料アセンブリを少なくとも一つのみを収容している複数のアセンブリを備えている、原子炉。
  27. 複数の核燃料棒、および請求項20から25のいずれか一項に記載の核燃料アセンブリを少なくとも一つのみを収容している複数のアセンブリを備えている、ナトリウム冷却高速中性子炉。
JP2016207133A 2015-10-23 2016-10-21 可撓部材を備え、原子炉の吸収材と緩和材の少なくとも一方を作動および挿入する装置、および当該装置を備えている核燃料アセンブリ Pending JP2017122709A (ja)

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