以下、添付図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の治療システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、治療システム1は、寝台110と、第1照射部112、113と、放射線検出部116、117(第1検出部の一例)と、追跡装置100(医用画像処理装置の一例)と、制御部123と、第2照射部120とを、備える。
本実施形態の治療システム1では、寝台110に寝ている被検体111の内部のオブジェクトが被検体111の呼吸、心拍、及び腸の動きなどが原因で3次元的に移動するため、追跡装置100を用いてオブジェクトを追跡し、追跡したオブジェクトに基づいて、被検体111の患部に対し、放射線治療を行う。
本実施形態では、被検体111として患者を想定しているが、これに限定されるものではない。またオブジェクトは、被検体111の体内の患部であってもよいし、患部付近に留置されたマーカであってもよい。マーカは、第1照射部112、113から照射される放射線114、115を透過させづらい材質(例えば、金やプラチナ)でできていればよく、例えば、直径2mm程度の球や円筒などの形状とすることができる。なお放射線治療には、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、及び、重粒子線による治療も含まれるものとする。
また本実施形態では、追跡装置100を放射線治療に用いる例について説明するが、追跡装置100の用途はこれに限定されるものではない。例えば、追跡装置100は、カテーテル検査やステントグラフト治療において、カテーテルやステントグラフトの位置を追跡するために利用できる。または、放射線治療の撮像系の射影行列を求めるためのキャリブレーション時に、キャリブレーション用のファントムに埋め込まれたマーカを検出するためにも利用できる。
第1照射部112、113は、それぞれ、被検体111に放射線114、115を照射する。本実施形態では、第1照射部112、113が可動式であることを想定しているが、これに限定されず、固定式であってもよい。なお本実施形態では、第1照射部の台数を2台としているが、これに限定されず、1台としてもよいし、3台以上としてもよい。
放射線114、115は、被検体111の内部の透視用に用いられるものであり、例えば、X線とすることができるが、これに限定されるものではない。
放射線検出部116は、被検体111を透過した放射線114を検出して、被検体111の内部を透視した透視画像118を生成し、タイミング信号131とともに追跡装置100に出力する。放射線検出部117は、被検体111を透過した放射線115を検出して、被検体111の内部を透視した透視画像119を生成し、タイミング信号132とともに追跡装置100に出力する。なお、透視画像118と透視画像119とでは、被検体111の内部の透視方向が異なるものとする。
放射線検出部116、117は、例えば、イメージインテンシファイアとカメラとの組み合わせ、カラーイメージインテンシファイアとカメラとの組み合わせ、又はフラットパネルディテクタなどにより実現できる。本実施形態では、放射線検出部116、117が可動式であることを想定しているが、これに限定されず、固定式であってもよい。なお本実施形態では、放射線検出部の台数を2台としているが、これに限定されず、第1照射部の台数と同一台数であれば何台であってもよい。
追跡装置100は、被検体111の内部のオブジェクトを追跡するものであり、メモリ101(記憶部の一例)と、算出部102と、検出部103(第2検出部の一例)と、管理部104とを、備える。追跡装置100は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)や、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える制御装置などにより実現できる。
メモリ101には、管理部104にタイミング信号131が通知されるタイミングで、放射線検出部116から透視画像118が書き込まれ、管理部104にタイミング信号132が通知されるタイミングで、放射線検出部117から透視画像119が書き込まれる。
管理部104には、放射線検出部116から、放射線検出部116によるメモリ101への透視画像118の書き込みタイミングを通知するタイミング信号131が送られ、放射線検出部117から、放射線検出部117によるメモリ101への透視画像119の書き込みタイミングを通知するタイミング信号132が送られる。
管理部104は、タイミング信号131、132に基づいて、メモリ101への透視画像118、119の書き込みタイミングを管理する。また管理部104は、メモリ101の記憶領域のアドレス管理を行う。また管理部104は、メモリ101から算出部102に情報139を送るタイミングを管理するために、タイミング信号138を算出部102に送る。情報139は、透視画像118、119である。
算出部102は、タイミング信号138に基づいて、メモリ101から情報139を取得する。情報139は、上述の通り、透視画像118、119である。算出部102は、透視画像に対し、注目画素毎に、当該注目画素の周辺の2以上の第1画素を含む第1領域と、2以上の第1画素とは異なる1以上の第2画素を含む第2領域とを設定する。
第1領域の形状は、オブジェクトの形状に依存する形状とすることが望ましい。具体的には、第1領域の形状は、透視画像に写るオブジェクトの像の形状とする。例えば、オブジェクトの形状が球であれば、透視画像に写るオブジェクトの像の形状は円となるため、第1領域の形状は、円とする。
本実施形態では、算出部102は、オブジェクトの形状及びサイズに関するオブジェクト情報と3次元座標を透視画像に射影する射影行列とを取得し、取得したオブジェクト情報と射影行列とを用いて、透視画像に写るオブジェクトの像の形状及びサイズを算出し、当該像の形状及びサイズで第1領域を設定する。算出部102は、例えば事前にユーザが入力したモードを指定する情報に基づいて、オブジェクトの形状又は種類を判定することが可能である。
例えば、オブジェクトが被検体111の患部である場合、治療計画時に撮影したCT画像や、治療計画時より前の診断時に撮影したCT画像から、患部の形状及びサイズを特定できる。但し、CT画像には、医師などのユーザにより患部の3次元的な輪郭が入力されているものとする。なお、治療計画とは、どこにどれだけの治療ビームを届けるかを計算するための計画である。
このため、オブジェクトが患部である場合、算出部102は、治療計画装置(図1では、図示省略)からCT画像を取得するとともに、後述の制御部123から透視画像の射影行列を取得し、取得したCT画像と射影行列とを用いて、透視画像に写る患部の像の形状及びサイズを算出し、当該像の形状及びサイズで第1領域を設定すればよい。
また例えば、オブジェクトが被検体111の患部付近に留置されたマーカである場合、マーカの形状及びサイズは既知であるため、医師や放射線技師などのユーザが入力装置(図1では、図示省略)からマーカの形状及びサイズを入力すればよい。
このため、オブジェクトがマーカである場合、算出部102は、入力装置からマーカの形状及びサイズを取得するとともに、後述の制御部123から透視画像の射影行列を取得し、取得したマーカの形状及びサイズと射影行列とを用いて、透視画像に写るマーカの像の形状及びサイズを算出し、当該像の形状及びサイズで第1領域を設定すればよい。
なお算出部102は、オブジェクトがマーカである場合でも、オブジェクトが患部である場合と同様に、CT画像等を用いて透視画像に写るマーカの像の形状及びサイズを算出し、当該像の形状及びサイズで第1領域を設定してもよい。
また算出部102は、第1領域の周囲の領域など、第1領域に対しオブジェクトの像が支配的となる場合に、当該オブジェクトの像が支配的とならない領域、即ち、当該オブジェクトの像以外が支配的となる領域を第2領域に設定すればよい。第1領域と第2領域とは、隣接させることが好ましいが、これに限定されず、第1領域と第2領域とを離れさせても、第1領域と第2領域とを重複させることもできる。
そして算出部102は、注目画素毎に、第1領域を構成する2以上の第1画素の画素値が互いに近く、かつ2以上の第1画素の画素値と第2領域を構成する1以上の第2画素の画素値とが離れているほど値が大きくなる尤度を算出する。尤度は、例えば、2以上の第1画素の画素値と1以上の第2画素の画素値との相関比とすることができるが、これに限定されるものではない。
なお算出部102は、オブジェクトを透視する方向によって透視画像に写るオブジェクトの像の形状が異なる場合には、取り得るオブジェクトの像の形状に合わせて、注目画素毎に、第1領域及び第2領域を複数設定し、設定した第1領域及び第2領域毎に尤度を算出し、最も値が大きい尤度を当該注目画素の尤度としてもよい。
また算出部102は、オブジェクトを透視する方向によって透視画像に写るオブジェクトの像の形状が異なる場合には、いずれのオブジェクトの像であっても支配的となる領域を第1領域に設定すればよい。
なお本実施形態では、算出部102は、透視画像118、119それぞれに対し、注目画素毎に、第1領域と第2領域とを設定し、尤度135を算出し、検出部103に出力する。また本実施形態では、透視画像118、119それぞれの各画素が注目画素となる。つまり本実施形態では、算出部102は、透視画像118、119それぞれの各画素について尤度135を算出し、検出部103に出力する。
図2は、本実施形態の尤度の算出手法の一例の説明図である。図2に示す例では、透視画像118の注目画素200を例に取り尤度の算出手法を説明するが、透視画像118の他の注目画素や透視画像119の注目画素についても尤度の算出手法は同様である。また図2に示す例では、オブジェクトの形状が球であるものとする。
図2に示す例では、算出部102は、オブジェクトの形状が球であり、透視画像118に写るオブジェクトの像の形状は円となるため、透視画像118に対し、注目画素200を中心とした円形の第1領域201を設定するとともに、第1領域201を包含する矩形の内部かつ第1領域201の外部を第2領域202に設定している。この場合、第1領域201を構成する画素が第1画素となり、第2領域202を構成する画素が第2画素となる。
そして図2に示す例の場合、注目画素200の尤度は、σb 2/σt 2で表される。σtは、第1領域201と第2領域202の和集合(第1画素と第2画素の和集合)に含まれる全画素の値の標準偏差を示し、σbは、数式(1)で表される。
ここで、n1は、第1領域201を構成する第1画素の画素数を示し、n2は、第2領域202を構成する第2画素の画素数を示し、ntは、第1領域201と第2領域202の和集合(第1画素と第2画素の和集合)に含まれる画素の画素数を示す。m1は、第1領域201を構成する第1画素の画素値の平均値を示し、m2は、第2領域202を構成する第2画素の画素値の平均値を示し、mtは、第1領域201と第2領域202の和集合(第1画素と第2画素の和集合)に含まれる画素の画素値の平均値を示す。
つまり、σb 2/σt 2は、第1領域201を構成する第1画素の画素値の集合と第2領域202を構成する第2画素の画素値の集合との相関比となる。
なお、σb 2/σt 2は、0から1の値をとり、第1領域201を構成する第1画素の画素値が互いに近く、かつ第1領域201を構成する第1画素の画素値と第2領域202を構成する第2画素の画素値とが離れているほど値が大きくなる(値が1に近くなる)。
従って、第1領域201に対しオブジェクトの像が支配的となり、第2領域202に対しオブジェクト以外の像が支配的となる場合に、σb 2/σt 2の値が大きくなる。一方、第1領域201、第2領域202ともに、同じ組成のものの像が支配的となれば、σb 2/σt 2の値が小さくなる(値が0に近くなる)。
特に本実施形態では、透視画像に写るオブジェクトの像(図2に示す例では、円)の形状及びサイズで第1領域を設定しているため、オブジェクトの像と第1領域201とが合致した場合、オブジェクトの像と第1領域201とが合致していない場合と比べ、σb 2/σt 2の値が顕著に大きくなる。
なお、σw 2=σt 2+σb 2と定義すると、数式(2)が成立するため、1/((σw 2/σb 2)+1)によってもσb 2/σt 2を計算できる。σb 2/σt 2の分母σt 2は0になり得るため、σb 2/(σt 2+ε)を注目画素200の尤度としてもよい。なお、εは正の小さい値である。σw 2/σb 2の分母σb 2は0になり得るため、1/((σw 2/(σb 2+ε))+1)を注目画素200の尤度としてもよい。
また図2に示す例では、注目画素200の尤度(σb 2/σt 2)を、第1領域201を構成する第1画素の画素値の集合と第2領域202を構成する第2画素の画素値の集合との相関比としたが、第1画素の画素値が互いに近く、かつ第1画素の画素値と第2画素の画素値とが離れているほど、値が大きくなれば、相関比でなくてもよい。
例えば、第1領域201を構成する第1画素の画素値が互いに近く、第1画素の画素値が放射線の透過率が低いことを表し、かつ第1画素の画素値と第2画素の画素値とが離れているほど、値が大きくなる尤度であってもよい。
但し、透視画像は濃淡を逆転させる場合もあり、放射線の透過率が低い場合に画素の値が小さくなる場合もあれば、大きくなる場合もあるので、放射線の透過率が低い場合に値が大きくなる尤度は、透視画像の仕様に応じて設計する必要がある。このため、放射線の透過率が低い場合に画素値が小さくなる透過画像の場合、m1が所定の閾値未満の場合の尤度を0または小さい正の値εとし、m1が所定の閾値以上の場合の尤度をσb 2/σt 2とすればよい。
検出部103は、算出部102により算出された透視画像の注目画素それぞれの尤度に基づいて、被検体111の内部のオブジェクトの位置を検出する。具体的には、検出部103は、値の大きさが所定条件を満たす尤度の注目画素に、オブジェクトの像が位置することを検出する。
本実施形態では、検出部103は、3次元座標を透視画像118に射影する射影行列及び3次元座標を透視画像119に射影する射影行列を取得し、透視画像118、119それぞれについて、注目画素それぞれの尤度135のうち、値の大きさが所定条件を満たす尤度の注目画素を検出する。
これにより、検出部103は、透視画像118、119それぞれについて、検出した注目画素上にオブジェクトの像が位置することを検出する。なお、透視画像118、119それぞれの射影行列は、後述の制御部123から取得できる。また所定条件は、値が最も大きい、値が閾値を超えている、又は、値が閾値を超え、かつ最も大きいなどとすることができる。
そして検出部103は、透視画像118、119それぞれの射影行列及び透視画像118、119それぞれから検出した注目画素を用いて、オブジェクトの3次元位置を検出する。例えば、検出部103は、透視画像118、119それぞれの射影行列を用いたエピポーラ幾何によって、透視画像118、119それぞれから検出した注目画素(オブジェクトの像)から、オブジェクトの3次元位置を算出し、算出した3次元位置を示す位置情報122を制御部123に出力する。
なお、被検体111の内部にオブジェクトが複数存在する場合、検出部103は、透視画像118、119それぞれについて、複数のオブジェクトの像それぞれの存在が期待される第3領域を示す領域情報を取得する。
例えば、前述のCT画像において、医師などのユーザによりオブジェクト毎の第3領域が入力されていれば、検出部103は、前述の治療計画装置(図1では、図示省略)から、透視画像118、119それぞれに対応するCT画像を領域情報として取得する。
また例えば、透視画像118、119に対し、医師や放射線技師などのユーザによりオブジェクト毎の第3領域が入力されるのであれば、検出部103は、算出部102から透視画像118、119を取得することで、領域情報を取得する。
この場合、表示装置(図1では、図示省略)に表示されている透視画像118、119に対し、ユーザにマウスのクリックやタッチパネル操作で点を指定させ、指定された点の周囲の領域を第3領域とすればよい。このようにすれば、透視画像118、119が動画として再生されている場合であっても、ユーザは簡易に第3領域を入力できる。
次に検出部103は、透視画像118、119それぞれについて、注目画素それぞれの尤度135のうち、値の大きさが所定条件を満たす尤度の注目画素を複数検出する。なお所定条件は、値の大きさの順位が上位オブジェクト数に収まる、値が閾値を超えている、又は、値が閾値を超え、かつ値の大きさの順位が上位オブジェクト数に収まるなどとすることがきる。
次に検出部103は、透視画像118の領域情報を用いて透視画像118から検出した複数の注目画素それぞれがいずれの第3領域に存在するかを検出するとともに、透視画像119の領域情報を用いて透視画像119から検出した複数の注目画素それぞれがいずれの第3領域に存在するかを検出して、透視画像118、119それぞれで検出された複数の注目画素(複数のオブジェクトの像)を透視画像118、119間で対応付ける。
次に検出部103は、透視画像118、119それぞれの射影行列及び透視画像118、119それぞれから検出され、透視画像118、119間で対応付けられた複数の注目画素(複数のオブジェクトの像)を用いて、複数のオブジェクトの3次元位置を検出する。
図3A及び図3Bは、本実施形態のオブジェクトの像の対応付け手法の一例の説明図である。図3A及び図3Bに示す例では、オブジェクトの数が3つであり、図3Aに示すように、透視画像118では、3つのオブジェクトの像がそれぞれ位置する注目画素301、302、303が検出され、図3Bに示すように、透視画像119では、3つのオブジェクトの像がそれぞれ位置する注目画素311、312、313が検出されている。
この場合、検出部103は、透視画像118の領域情報を用いて透視画像118から検出した注目画素301、302、303それぞれがいずれの第3領域に存在するかを検出するとともに、透視画像119の領域情報を用いて透視画像119から検出した注目画素311、312、313それぞれがいずれの第3領域に存在するかを検出する。
例えば、透視画像118、119の領域情報には、それぞれ、ID=1〜3の第3領域が示されており、ここでは、注目画素301は、透視画像118のID=1の第3領域に存在し、注目画素302は、透視画像118のID=2の第3領域に存在し、注目画素303は、透視画像118のID=3の第3領域に存在し、注目画素311は、透視画像119のID=1の第3領域に存在し、注目画素312は、透視画像119のID=2の第3領域に存在し、注目画素313は、透視画像119のID=3の第3領域に存在するものとする。なお、透視画像118、119において、IDが一致する第3領域は同一領域である。
このため、検出部103は、透視画像118、119間で、注目画素301と注目画素311、注目画素302と注目画素312、及び注目画素303と注目画素313を、対応付ける。
これにより、オブジェクトが複数存在する場合であっても、透視画像118、119間で同一オブジェクトの像を対応付けることができ、当該オブジェクトの3次元位置の算出が可能となる。
制御部123は、検出部103からの位置情報122に基づいて、制御信号128を第2照射部120に出力し、第2照射部120によるオブジェクト(患部)への治療ビーム121の照射を制御する。
制御信号128は、待ち伏せ照射法の場合、第2照射部120による治療ビーム121の照射タイミングを制御する信号であり、追尾照射法の場合、オブジェクト(患部)の位置情報である。
また制御部123は、タイミング信号124、125、126、127を、それぞれ、第1照射部112、113、放射線検出部116、117に出力し、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の動作タイミングを制御する。
また制御部123は、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117を制御して透視画像118、119の試験生成(撮像)などを行うことで、透視画像118、119の射影行列を予め生成し、保持しておく。
制御部123は、例えば、CPU、RAM、及びROM等を備える制御装置などにより実現できる。なお、追跡装置100も制御装置で実現する場合、追跡装置100と制御部123とを同一の制御装置で実現してもよいし、異なる制御装置で実現してもよい。
第2照射部120は、検出部103により検出されたオブジェクトの3次元位置に基づいて、オブジェクト(患部)に治療ビーム121を照射する。具体的には、第2照射部120は、制御部123からの制御信号128に基づいて、オブジェクト(患部)に治療ビーム121を照射する。
本実施形態では、治療ビーム121が、重粒子線であることを想定しているが、これに限定されず、X線、γ線、電子線、陽子線、及び中性子線などであってもよい。
図4は、本実施形態の放射線114、115及び治療ビーム121の照射タイミングの一例を示すタイミングチャート図である。
本実施形態では、放射線114、115及び治療ビーム121を同時に照射すると、放射線の散乱の影響で、透視画像118、119がノイジーになるため、制御部123は、放射線114、115及び治療ビーム121それぞれが独立に照射されるように、第1照射部112、113及び第2照射部120を制御する。
例えば、1秒に各方向から30回照射を行う場合、制御部123は、図4に示すように、1/30秒ごとに、放射線114、115及び治療ビーム121を独立に照射するように、第1照射部112、113及び第2照射部120を制御する。なお、時間401、402は、1/30秒を示している。
図5は、本実施形態の追跡装置100の処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、メモリ101に、放射線検出部116から透視画像118が書き込まれ、放射線検出部117から透視画像119が書き込まれる(ステップS101)。
続いて、算出部102は、メモリ101から情報139(透視画像118、119)を読み出し、透視画像118、119それぞれに対し、注目画素毎に、第1領域と第2領域とを設定し、尤度135を算出する(ステップS103)。
続いて、検出部103は、透視画像118、119それぞれについて、値の大きさが所定条件を満たす尤度の注目画素を検出し、透視画像118、119それぞれの射影行列及び透視画像118、119それぞれから検出した注目画素を用いて、オブジェクトの3次元位置を検出する(ステップS105)。
オブジェクトの3次元位置の追跡を続行する場合(ステップS107でNo)、ステップS101に戻り、オブジェクトの3次元位置の追跡を終了する場合(ステップS107でYes)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、治療時に生成される透視画像からオブジェクトの位置を検出できるため、テンプレート登録などオブジェクトの位置検出のための事前の放射線による透視が不要となり、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
また本実施形態のように、尤度に相関比を用いた場合、当該尤度はノイズに頑健なため、透視用の放射線の強度を弱めてもオブジェクトを検出でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例1)
上記実施形態では、被検体111の内部にオブジェクトが複数存在する場合、検出部103は、透視画像118、119それぞれの領域情報を用いて、透視画像118、119間で同一オブジェクトの像を対応付けたが、変形例1では、エピポーラ幾何により透視画像118、119間で同一オブジェクトの像を対応付ける例について説明する。
この場合、検出部103は、透視画像118、119それぞれの射影行列を用いたエピポーラ幾何によって、透視画像118、119それぞれで検出された複数の注目画素(複数のオブジェクトの像)を透視画像118、119間で対応付ければよい。
図6A及び図6Bは、変形例1のオブジェクトの像の対応付け手法の一例の説明図である。図6A及び図6Bに示す例では、オブジェクトの数が3つであり、図6Aに示すように、透視画像118では、3つのオブジェクトの像がそれぞれ位置する注目画素301、302、303が検出され、図6Bに示すように、透視画像119では、3つのオブジェクトの像がそれぞれ位置する注目画素311、312、313が検出されている。
なお、図6A及び図6Bに示す例では、透視画像118の注目画素302の対応付け手法について説明するが、透視画像118の注目画素301、303についても同様の手法で対応付けできる。
検出部103は、注目画素302及び透視画像118、119それぞれの射影行列を用いて、注目画素302に対応する透視画像119のエピポーラ線602を算出する。そして検出部103は、エピポーラ線602に対する注目画素311、312、313それぞれの射影長(垂線の長さ)を算出し、射影長が最も短い注目画素312を注目画素302と対応付ける。
これにより、オブジェクトが複数存在する場合であっても、透視画像118、119間で同一オブジェクトの像を対応付けることができ、当該オブジェクトの3次元位置の算出が可能となる。
なお図6A及び図6Bに示す例では、最小の射影長と2番目に小さい射影長との差が大きいため、対応付けを誤る可能性は少ないが、最小の射影長と2番目に小さい射影長との差が小さい場合、対応付けを誤る可能性がある。この場合、対応付けの判断を次フレームに先送りしてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、透視画像の各画素を注目画素として尤度を算出したが、変形例2では、透視画像において、オブジェクトの像の存在が期待される第3領域を構成する各画素を注目画素として尤度を算出する例について説明する。
この場合、算出部102は、透視画像においてオブジェクトの像の存在が期待される第3領域を示す領域情報を取得し、領域情報が示す第3領域において、注目画素毎に尤度を算出するようにすればよい。領域情報は、上記実施形態と同様の手法で取得すればよい。
変形例2によれば、透視画像の一部の画素で尤度を算出すれば足りるため、尤度算出時間を短縮することができる。この結果、治療ビームを照射すべきタイミングまでに尤度の算出を終わらせる確率を高めることができ、尤度の算出が終わらずに治療ビームを照射できない事態を低減でき、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。また、透視画像の生成(撮像)から治療ビーム照射までの時間を短縮できる。
なお変形例2の手法は、透視画像のフレームレートが高いほど有効である。
(変形例3)
上記実施形態では、透視画像の各画素を注目画素として尤度を算出したが、変形例3では、透視画像において、一旦、オブジェクトの像を検出した後は、所定運動モデルに基づいて、オブジェクトの像の存在が期待される第4領域(オブジェクトの像の移動先)を予測し、予測した第4領域を構成する各画素を注目画素として尤度を算出する例について説明する。
この場合、算出部102は、所定運動モデルに基づいて、透視画像においてオブジェクトの像の存在が期待される第4領域を予測し、当該第4領域において、注目画素毎に尤度を算出するようにすればよい。所定運動モデルは、例えば、等速度運動モデルや等加速度運動モデルである。
変形例3によれば、透視画像の一部の画素で尤度を算出すれば足りるため、尤度算出時間を短縮することができる。この結果、治療ビームを照射すべきタイミングまでに尤度の算出を終わらせる確率を高めることができ、尤度の算出が終わらずに治療ビームを照射できない事態を低減でき、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。また、透視画像の生成(撮像)から治療ビーム照射までの時間を短縮できる。
なお変形例3の手法は、透視画像のフレームレートが高いほど有効である。
(変形例4)
変形例3では、所定運動モデルに基づいて予測した第4領域で尤度を算出したが、変形例4では、第4領域の尤度に加え、所定運動モデルに基づく事前確率も用いて、オブジェクトの位置を検出する例について説明する。
この場合、検出部103は、オブジェクトの像が所定運動モデルに基づいて移動する位置に近いほど値が大きくなる事前確率を第4領域に設定し、注目画素それぞれの尤度と事前確率とに基づいて、オブジェクトの位置を検出すればよい。例えば、検出部103は、注目画素それぞれの尤度と事前確率とを乗じた事後確率を算出し、算出した事後確率に基づいて、オブジェクトの位置を検出すればよい。
図7は、変形例4の事後確率を用いたオブジェクトの位置の検出手法の一例の説明図である。図7に示す例では、あるフレームで、透視画像118の注目画素701がオブジェクトの像の位置として検出され、次フレームで、所定運動モデルに基づいてオブジェクトの像が矢印702の方向へ移動すると予測され、第4領域に第4領域を構成する各画素の事前確率の分布703が設定されている。分布703は、例えば、2次元正規分布で設定すればよい。
分布703は、所定運動モデルに従ってオブジェクトの像が移動すると予測される位置で値が最も大きく、当該位置から離れるほど値が小さくなる分布となっている。但し、分布703を、当該位置からの距離が同じであっても、矢印702の方向に沿った位置の方が、矢印702の方向と垂直な方向の位置よりも値が大きくなる分布としてもよい。
また、透視画像118、119のうちの一方でオブジェクトの像が検出されている場合、他方の第4領域に設定する事前確率の分布を、所定運動モデルに従ってオブジェクトの像が移動すると予測される位置で値が最も大きく、当該位置から離れるほど値が小さくなり、当該位置からの距離が同じであっても、矢印702の方向に沿った位置の方が、矢印702の方向と垂直な方向の位置よりも値が大きく、エピポーラ線に沿った位置の方が、エピポーラ線と垂直な方向の位置よりも値が大きくなる分布としてもよい。
変形例4によれば、透視画像のノイズにロバストな追跡を実現できる。この結果、透視用の放射線の線量を下げても追跡が可能になるため、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例5)
変形例4では、注目画素それぞれの尤度と事前確率とを乗じた事後確率に基づいて、オブジェクトの位置を検出したが、あるフレームの事後確率を次フレームの事前確率として当該次フレームの事後確率を算出し、算出した事後確率に基づいて、オブジェクトの位置を検出してもよい。
変形例5によれば、透視画像のノイズにロバストな追跡を実現できる。この結果、透視用の放射線の線量を下げても追跡が可能になるため、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例6)
変形例3では、所定運動モデルに基づいて予測した第4領域で尤度を算出し、オブジェクトの位置を検出したが、パーティクルフィルタで、事後確率を最大化する位置を検出してもよい。
変形例6によれば、透視画像のノイズにロバストな追跡を実現できる。この結果、透視用の放射線の線量を下げても追跡が可能になるため、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例7)
変形例4において、被検体111の内部にオブジェクトが複数存在する場合、オブジェクト間の距離に応じて、事前確率の分布703の尖度を変更してもよい。
この場合、算出部102は、所定運動モデルに基づいて、透視画像において複数のオブジェクトの像それぞれの存在が期待される第4領域を予測し、複数の第4領域それぞれにおいて、注目画素毎に尤度を算出するようにすればよい。
また、検出部103は、オブジェクトの像毎に、当該像が所定運動モデルに基づいて移動する位置に近いほど値が大きくなり、かつ複数の像同士の距離が閾値以下の場合に尖度を高くした事前確率を、当該像の存在が期待される第4領域に設定し、第4領域毎に、注目画素それぞれの尤度と事前確率とに基づいて、オブジェクトの位置を検出すればよい。
変形例7によれば、複数の像同士の距離が閾値以下の場合、現在のフレームの透視画像の見えに基づく尤度よりも、過去のフレームからの所定運動モデルに基づく予測位置の方が優先されるため、複数の像同士が交差する場合であっても、像を取り違える可能性を低減することができる。この結果、オブジェクトの像を追跡できないフレームが減るため、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例8)
変形例7では、オブジェクトの像同士の距離が閾値以下の場合に、事前確率の分布の尖度を高くしてオブジェクトの像を取り違える可能性を低減したが、変形例8では、オブジェクトの像同士の距離が閾値以下の場合に、オブジェクトの像同士の距離が閾値以下にならないように、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の少なくともいずれかの位置を制御する例について説明する。但し、変形例7では、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117は可動式である必要がある。
この場合、検出部103は、オブジェクトの像毎に、当該像が所定運動モデルに基づいて移動する位置に近いほど値が大きくなる事前確率を、当該像の存在が期待される第4領域に設定し、第4領域毎に、注目画素それぞれの尤度と事前確率とに基づいて、オブジェクトの位置を検出する。
そして検出部103は、複数の像同士の距離が閾値以下の場合、複数の像同士の距離が閾値を超えるように透視画像が生成される第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の少なくともいずれかの位置情報を算出すればよい。
例えば、検出部103は、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117それぞれについて、動きうる位置の中の数通りに対応する射影行列を取得し、各オブジェクトの3次元座標と各射影行列から、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の位置に応じて撮像される透視画像118、119における各オブジェクトの像の画像座標を算出する。そして検出部103は、オブジェクトの像間の距離が閾値を超える(好ましくは、最大となる)第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の位置情報を抽出すればよい。
また検出部103は、各オブジェクトの3次元座標の所定運動モデルに従う予測位置と各射影行列から、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の位置に応じて撮像される透視画像118、119における各オブジェクトの像の画像座標を算出してもよい。
制御部123は、検出部103により算出された位置情報に基づいて、第1照射部112、113、及び放射線検出部116、117の少なくともいずれかの位置を制御すればよい。
変形例8によれば、複数の像同士が交差しなくなるため、像の取り違えが生じない。この結果、オブジェクトの像を追跡できないフレームが減るため、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例9)
変形例3では、所定運動モデルに基づいて予測した第4領域を構成する各画素を注目画素として尤度を算出したが、エピポーラ線によって第4領域を更に限定して尤度を算出するようにしてもよい。
例えば、透視画像118でオブジェクトの像を検出した場合、透視画像119のエピポーラ線上にも当該オブジェクトの像が存在する。なお、透視画像の歪みを補正できていない場合であっても、エピポーラ線付近に当該オブジェクトの像が存在する。
このため、算出部102は、透視画像119において予測された第4領域かつエピポーラ線付近において、注目画素毎に尤度を算出するようにすればよい。
変形例9によれば、透視画像の一部の画素で尤度を算出すれば足りるため、尤度算出時間を短縮することができる。この結果、治療ビームを照射すべきタイミングまでに尤度の算出を終わらせる確率を高めることができ、尤度の算出が終わらずに治療ビームを照射できない事態を低減でき、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。また、透視画像の生成(撮像)から治療ビーム照射までの時間を短縮できる。
なお変形例9の手法は、透視画像のフレームレートが高いほど有効である。
(変形例10)
上記実施形態では、メモリ101の透視画像への書き込みが完了後に、メモリ101から透視画像が読み出され、尤度の算出が開始されたが、変形例10では、最初に尤度の算出が行われる注目画素での尤度の算出に必要な全ての画素がメモリに書き込まれるタイミング後に、尤度の算出を開始する例について説明する。
この場合、メモリ101には、透視画像を構成する各画素が所定順序で書き込まれる。
また管理部104は、算出部102により最初に尤度の算出が行われる注目画素での尤度の算出に必要な全ての画素がメモリ101に書き込まれるタイミングを管理し、当該タイミング後に透視画像の読み出しを開始する。
例えば、管理部104は、透視画像118の場合、タイミング信号131を受け取ってからのクロック数で、透視画像118のどの画素の値までを受け取ったかを管理できるので、タイミング信号131を受け取ってからのクロック数で、算出部102により最初に尤度の算出が行われる注目画素での尤度の算出に必要な全ての画素がメモリ101に書き込まれるタイミングを管理する。
図8は、変形例10のタイミング管理手法の一例の説明図である。図8に示す例では、透視画像118の各画素が左上からラスタスキャン順にメモリ101に書き込まれる。図8に示す例では、注目画素800で算出部102により最初に尤度の算出が行われ、注目画素800での尤度の算出に必要な全ての画素は、第1領域801を構成する第1画素及び第2領域802を構成する第2画素である。
このため管理部104は、タイミング信号131を受け取ってからのクロック数で、第1画素と第2画素の全てがメモリ101に書き込まれるタイミングを管理し、注目画素800での尤度の算出に必要な全ての画素がメモリ101に書き込まれるタイミングを管理する。
そして算出部102は、当該タイミング後に透視画像が読み出されると、注目画素毎の尤度の算出を開始する。
変形例10によれば、尤度の算出開始時間を早めることができるため、尤度の算出終了時間も早めることができ、尤度算出時間を短縮することができる。この結果、治療ビームを照射すべきタイミングまでに尤度の算出を終わらせる確率を高めることができ、尤度の算出が終わらずに治療ビームを照射できない事態を低減でき、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。また、透視画像の生成(撮像)から治療ビーム照射までの時間を短縮できる。
(変形例11)
上記実施形態では、透視画像の全画素をメモリ101へ書き込んだが、尤度の算出に必要な画素をメモリ101へ書き込むようにしてもよい。
変形例11によれば、透視画像の転送時間を短縮できる。この結果、治療ビームを照射すべきタイミングまでに尤度の算出を終わらせる確率を高めることができ、尤度の算出が終わらずに治療ビームを照射できない事態を低減でき、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。また、透視画像の生成(撮像)から治療ビーム照射までの時間を短縮できる。
なお変形例11の手法は、透視画像のフレームレートが高いほど有効である。
(変形例12)
上記実施形態では、全ての色成分の画像を透視画像としたが、オブジェクトの透過率に応じた色成分の画像を透視画像としてもよい。
例えば、放射線検出部116、117を、カラーイメージインテンシファイアと、ベイヤー型のカラーフィルタを利用してベイヤーRAW画像を撮影するカメラと、の組み合わせで実現する場合、ベイヤーRAW画像の特定の色成分を透視画像118、119としてもよい。
カラーイメージインテンシファイアとベイヤー型のカメラの組み合わせでは、透過率が低いものの感度はR(赤)成分が最も高く、透過率が高いものの感度はB(青)成分が最も高い。このため、オブジェクトが透過率の低いマーカである場合、ベイヤーRAW画像のR成分を透視画像118、119とし、オブジェクトが透過率の低くない患部である場合、ベイヤーRAW画像のG成分又はB成分を透視画像118、119としてもよい。
また、ベイヤーRAW画像をデモザイキングして、特定の色成分を透視画像118、119としてもよい。なお、デモザイキングしない場合、その色成分の画素数が少ないため、画像処理の時間を短縮できる。
また例えば、放射線検出部116、117を、カラーイメージインテンシファイアと、特定の色成分のみを撮影するカメラと、の組み合わせで実現する場合、特定の色成分の画像を透視画像118、119としてもよい。
例えば、オブジェクトが透過率の低いマーカである場合、R成分を透過させるカラーフィルタを利用したカメラを用い、R成分のみからなる画像を透視画像118、119としてもよい。また、オブジェクトが透過率の低くない患部である場合、G成分又はB成分を透過させるカラーフィルタを利用したカメラを用い、G成分又はB成分のみからなる画像を透視画像118、119としてもよい。
デモザイキングの内挿処理で画像がぼけるため、この場合、ベイヤーRAW画像をデモザイキングした画像のその色成分だけの画像よりも、ぼけが少ない画像を得られる。
変形例12によれば、オブジェクトの追跡に失敗する確率を低減することができる。この結果、オブジェクトの像を追跡できないフレームが減るため、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例13)
上記実施形態において、値の大きさが所定条件を満たす尤度が算出されなかった場合、検出部103は、警告信号を制御部123に出力し、制御部123は、警告信号に基づいて、警告装置(図1では、図示省略)に警告を行わせる制御を行わせるようにしてもよい。
この場合、透視画像118、119においてオブジェクトの像がはっきりと見えない状態であり、オブジェクトの位置の誤検出が生じる可能性がある。例えば、透過率が低い骨とオブジェクトとが放射線114、115の線上に重なると、オブジェクトの像がはっきりと見えない状態となる。
変形例13によれば、このような状態であることが、医師や放射線技師などのユーザに警告されるため、ユーザに、放射線114、115の強度を強めたり、放射線114、115の照射方向を変更させたりさせるように促すことができ、このような状態を早期に解消することができる。この結果、オブジェクトの像を追跡できないフレームが減るため、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
また、値の大きさが所定条件を満たす尤度が算出されなかった場合、検出部103は、放射線の強度を高めさせる制御信号を制御部123に出力し、制御部123は、制御信号に基づいて、第1照射部112、113に放射線の強度を高めさせる制御を行わせるようにしてもよい。
このようにすれば、透視画像118、119のどのフレームにおいてもオブジェクトの像がはっきりと見えるようになるため、オブジェクトの像がはっきりと見えない状態を早期に解消することができる。この結果、オブジェクトの像を追跡できないフレームが減るため、透視画像の生成(撮像)回数を低減でき、透視用の放射線による被検体の被曝量を低減させることができる。
(変形例14)
上記実施形態では、オブジェクトの像の周辺で、尤度の値が総じて大きくなる場合があるため、近傍で尤度が高ければ、マージしてもよい。これにより、本来1つのオブジェクトを複数として検出するミスがなくなる。
(変形例15)
上記実施形態では、オブジェクトらしい部分で大きな値をとる尤度を算出し、尤度が大きい部分をオブジェクトとして検出したが、オブジェクトらしい部分で小さな値をとる特徴量を算出し、特徴量が小さい部分をオブジェクトとして検出するようにしてもよい。この特徴量は、第1画素の画素値が互いに近く、かつ第1画素の画素値と第2画素の画素値とが離れているほど、値が小さくなるように設計すればよい。例えば、σt 2/σb 2やσw 2/σb 2を特徴量として利用できる。
(ハードウェア構成)
図9は、本実施形態及び各変形例の治療システム1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。さきほどまでは、治療ビームが重粒子線の想定で説明したが、図9はX線である場合のブロック図である。図9に示すように、治療システム1は、コンソール10、撮像装置20、寝台装置30、治療計画装置40、及び放射線治療装置(ライナック:治療計画データに基づいて放射線を照射して治療を行なう放射線治療装置)50を備える。なお、撮像装置20がCT装置である例について述べるが、これに限定されるものではない。
コンソール10は、追跡装置100及び制御部123に対応し、寝台装置30は、寝台110に対応し、治療計画装置40は、上記実施形態で図示を省略した治療計画装置に対応し、放射線治療装置50は、第2照射部120に対応する。
撮像装置20、寝台装置30、及び放射線治療装置50は、通常は検査室に設置される。一方、コンソール10は、通常は検査室に隣接する制御室に設置される。治療計画装置40は、検査室及び制御室の外側に設置される。なお、治療計画装置40は、制御室に設置されてもよいし、コンソール10と一体の装置であってもよい。また、撮像装置20の代表的な例としては、X線CT装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置、X線装置等が挙げられる。以下、撮像装置20として、X線CT装置20aを用いる場合について説明する。
治療システム1のコンソール10は、図9に示すように、コンピュータをベースとして構成されており、図示しない病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークと相互通信可能である。コンソール10は、大きくは、CPU11、メインメモリ12、画像メモリ13、HDD(hard disc drive)14、入力装置15、表示装置16、及び追跡装置100等の基本的なハードウェアから構成される。表示装置16は、上述の警告装置を兼ねる。CPU11は、共通信号伝送路としてのバスを介して、コンソール10を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、コンソール10は、記録媒体ドライブを具備してもよい。
CPU11は、半導体で構成された電子回路が複数の端子を持つパッケージに封入されている集積回路(LSI)の構成をもつ制御装置である。医師等の操作者によって入力装置15が操作等されることにより指令が入力されると、CPU11は、メインメモリ12に記憶しているプログラムを実行する。又は、CPU11は、HDD14に記憶しているプログラム、ネットワークから転送されてHDD14にインストールされたプログラム、又は記録媒体ドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD14にインストールされたプログラムを、メインメモリ12にロードして実行する。
メインメモリ12は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等の要素を兼ね備える構成をもつ記憶装置である。メインメモリ12は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)及びデータを記憶したり、CPU11のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いられたりする。
画像メモリ13は、透視画像、2次元画像データとしてのスライスデータや、3次元画像データとしての治療計画ボリュームデータ及び治療直前ボリュームデータを記憶する記憶装置である。
HDD14は、磁性体を塗布又は蒸着した金属のディスクが着脱不能で内蔵されている構成をもつ記憶装置である。HDD14は、コンソール10にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、データを記憶する記憶装置である。また、OSに、術者等の操作者に対する表示装置16への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力装置15によって行なうことができるGUI(graphical user interface)を提供させることもできる。
入力装置15は、操作者によって操作が可能なポインティングデバイスであり、操作に従った入力信号がCPU11に送られる。
表示装置16は、図示しない画像合成回路、VRAM(video random access memory)、及びディスプレイ等を含んでいる。画像合成回路は、画像データに種々のパラメータの文字データ等を合成した合成データを生成する。VRAMは、合成データを、ディスプレイに表示する表示画像データとして展開する。ディスプレイは、液晶ディスプレイやCRT(cathode ray tube)等によって構成され、表示画像データを表示画像として順次表示する。
コンソール10は、X線CT装置20a、寝台装置30、及び放射線治療装置50の動作を制御する。また、コンソール10は、X線CT装置20aのDAS24から入力された生データに対して対数変換処理や、感度補正等の補正処理(前処理)を行なって投影データを生成し、投影データを基に2次元画像データとしてのスライスデータや3次元画像データとしてのボリュームデータを生成する。
治療システム1のX線CT装置20aは、被検体111の患部等の治療部位を含む領域の画像データを表示するために、治療部位を含む領域を撮像する。X線CT装置20aは、放射線源としてのX線管21、絞り22、X線検出器23、DAS(data acquisition system)24、回転部25、高電圧供給装置26、絞り駆動装置27、回転駆動装置28、及び撮像コントローラ29を設ける。
X線管21は、高電圧供給装置26から供給された管電圧に応じて金属製のターゲットに電子線を衝突させることで制動X線を発生させ、X線をX線検出器23に向かって照射する。X線管21から照射されるX線によって、ファンビームX線やコーンビームX線が形成される。
絞り22は、絞り駆動装置27によって、X線管21から照射されるX線の照射範囲を調整する。すなわち、絞り駆動装置27によって絞り22の開口を調整することによって、X線照射範囲を変更できる。
X線検出器23は、マトリクス状、すなわち、チャンネル方向に複数チャンネル、スライス方向に複数列のX線検出素子を有する2次元アレイ型のX線検出器(マルチスライス型検知器ともいう。)である。X線検出器23のX線検出素子は、X線管21から照射されたX線を検出する。
DAS24は、X線検出器23の各X線検出素子が検出する透過データの信号を増幅してデジタル信号に変換する。DAS24の出力データは、撮像コントローラ29を介してコンソール10に供給される。
回転部25は、X線管21、絞り22、X線検出器23、及びDAS24を一体として保持する。回転部25は、X線管21とX線検出器23とを対向させた状態で、X線管21、絞り22、X線検出器23、及びDAS24を一体として被検体111の周りに回転できるように構成されている。なお、回転部25の回転中心軸と平行な方向をz軸方向、そのz軸方向に直交する平面をx軸方向、y軸方向で定義する。
高電圧供給装置26は、撮像コントローラ29による制御によって、X線の照射に必要な電力をX線管21に供給する。
絞り駆動装置27は、撮像コントローラ29による制御によって、絞り22におけるX線のスライス方向の照射範囲を調整する機構を有する。
回転駆動装置28は、撮像コントローラ29による制御によって、回転部25がその位置関係を維持した状態で空洞部の周りを回転するように回転部25を回転させる機構を有する。
撮像コントローラ29は、CPU及びメモリによって構成される。撮像コントローラ29は、X線管21、X線検出器23、DAS24、高電圧供給装置26、絞り駆動装置27、及び回転駆動装置28等の制御を行なうことで、寝台装置30の動作を伴ってスキャンを実行させる。
治療システム1の寝台装置30は、天板31、天板駆動装置32、及び寝台コントローラ39を備える。
天板31は、被検体111を載置可能である。天板駆動装置32は、寝台コントローラ39による制御によって、天板31をy軸方向に沿って昇降動させる機構と、天板31をz軸方向に沿って進退動させる機構と、天板31をy軸方向を軸として回転させる機構とを有する。
寝台コントローラ39は、CPU及びメモリによって構成される。寝台コントローラ39は、天板駆動装置32等の制御を行なうことで、X線CT装置20aの動作を伴ってスキャンを実行させる。また、寝台コントローラ39は、天板駆動装置32等の制御を行なうことで、放射線治療装置50の動作を伴って放射線治療を実行させる。
治療システム1の治療計画装置40は、X線CT装置20aを用いて撮像されてコンソール10によって生成されたスライスデータ及びボリュームデータを基に、放射線治療装置50によって放射線治療を行なうための治療計画データを生成する。治療計画装置40によって生成された治療計画データに基づくコンソール10の制御の下、放射線治療装置50によって被検体111の診療部位に治療ビームが照射される。治療計画装置40は、コンピュータをベースとして構成されており、図示しない病院基幹のLAN等のネットワークと相互通信可能である。治療計画装置40は、大きくは、CPU41、メインメモリ42、治療計画メモリ43、HDD44、入力装置45、及び表示装置46等の基本的なハードウェアから構成される。CPU41は、共通信号伝送路としてのバスを介して、治療計画装置40を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、治療計画装置40は、記録媒体ドライブを具備してもよい。
CPU41の構成は、コンソール10のCPU11の構成と同等である。操作者によって入力装置45が操作等されることにより指令が入力されると、CPU41は、メインメモリ42に記憶しているプログラムを実行する。又は、CPU41は、HDD44に記憶しているプログラム、ネットワークから転送されてHDD44にインストールされたプログラム、又は記録媒体ドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD44にインストールされたプログラムを、メインメモリ42にロードして実行する。
メインメモリ42の構成は、コンソール10のメインメモリ12の構成と同等である。メインメモリ42は、IPL、BIOS及びデータを記憶したり、CPU41のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いられたりする。
治療計画メモリ43は、治療計画データを記憶する記憶装置である。HDD44の構成は、コンソール10のHDD14の構成と同等である。入力装置45は、コンソール10の入力装置15の構成と同等である。表示装置46は、コンソール10の表示装置16の構成と同等である。
治療計画装置40は、X線CT装置20aによって生成された画像データを基に、被検体111の治療部位の位置及び治療部位の形状を求め、治療部位に照射すべき治療ビーム(X線、電子線、中性子線、陽子線、又は重粒子線等)や、そのエネルギー、及び照射野を決定する。
治療システム1の放射線治療装置50は、一般的にMV級の放射線を発生させることができる。放射線治療装置50は、放射線の発生口部分に絞り(コリメータ)を設置し、絞りによって治療計画に基づく照射形状及び線量分布を実現する。近年は、絞りとして複数の可動リーフにより複雑な腫瘍の形状に対応した線量分布を形成することができるマルチリーフコリメータ(MLC)が多く用いられる。放射線治療装置50は、絞りによって形成される照射野により放射線の照射量を調整し、被検体111の治療部位を消滅又は縮小させる。
放射線治療装置50は、放射線源としての放射線源51、絞り52、アーム部55、高電圧供給装置56、絞り駆動装置57、回転駆動装置58、及び治療コントローラ59を備える。
放射線源51は、高電圧供給装置56から供給された管電圧に応じて放射線を発生させる。
絞り52は、絞り駆動装置57によって、放射線源51から照射される放射線の照射範囲を調整する。すなわち、絞り駆動装置57によって絞り52の開口を調整することによって、放射線の照射範囲を変更できる。
アーム部55は、放射線源51及び絞り52を一体として保持する。アーム部55は、放射線源51及び絞り52を一体として被検体111の周りに回転できるように構成されている。
高電圧供給装置56は、治療コントローラ59による制御によって、放射線の照射に必要な電力を放射線源51に供給する。
絞り駆動装置57は、治療コントローラ59による制御によって、絞り52における放射線の照射範囲を調整する機構を有する。
回転駆動装置58は、治療コントローラ59による制御によって、アーム部55と支持部との接続部を中心として回転するようにアーム部55を回転させる機構を有する。
治療コントローラ59は、CPU及びメモリによって構成される。治療コントローラ59は、治療計画装置40によって生成される治療計画データに従って放射線源51、高電圧供給装置56、及び絞り駆動装置57等の制御を行なうことで、寝台装置30の動作を伴って治療のための放射線の照射を実行させる。
以上説明したとおり、本実施形態及び各変形例によれば、透視用の放射線による被曝量を低減させることができる。
なお本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
例えば、上記実施形態のフローチャートにおける各ステップを、その性質に反しない限り、実行順序を変更し、複数同時に実施し、あるいは実施毎に異なった順序で実施してもよい。