JP2017126643A - 異方性磁気シールド材の製造方法 - Google Patents

異方性磁気シールド材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
電子機器等や、病院やオフィスビル等の建物の開口部を覆うことなく、開口部における磁気ノイズ等の流出・侵入を防止することのできる磁気シールド材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上のバインダーと、厚さ2.0μm以下で、偏平状又は針状であり、アスペクト比が20以上である磁性フィラーとを含む磁気シールド塗料を、支持体上に塗布する工程Aと、工程Aで塗布した磁気シールド塗料に、同磁極の対向する磁場内を通過させることによって、磁束密度10000ガウス以上の磁場を印加する工程Bと、磁気シールド塗料を乾燥する工程Cとを有する、異方性磁気シールド材の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気シールド特性に優れた異方性磁気シールド材の製造方法に関する。
高度情報化社会の発展に伴い、病院やオフィスビル、データセンターなどでは、多くの通信機器や電子機器等が使用されるようになったが、近年、これらの機器等から発生する磁気ノイズや電磁波ノイズが大きな問題となっている。例えば、建物内に設置された機器等から発生した磁気ノイズ等が、建物内部から建物外部へと流出すると、建物外部の機器等を誤動作させる原因となるだけでなく、機密漏洩につながる恐れもある。また、磁気ノイズ等が、建物外部から内部へと侵入すると、建物内に設置された機器等が誤作動を起こす可能性が生じる。このような問題への対策として、窓やダクト等の建物の開口部に、電磁遮断性を有するガラス(特許文献1参照)や、電磁遮断性を有する装置(特許文献2参照)を取り付けることが行なわれている。
また、磁気ノイズ等による電子機器等の誤作動を防止するための対策としては、電子機器等の内部に、磁気シールド材を設けることも行なわれている。このような磁気シールド材としては、例えば、軟磁性金属粉を含む塗料を支持体に塗布した後、磁場強度100〜10000ガウスの配向磁場内を通過させることによって、軟磁性金属粉を配向させることで、磁気シールド効果を向上させた磁気シールド材が提案されている(特許文献3参照)。
なお、磁気シールド材に関するものではないが、塗料内に含まれる磁性金属を配向させる方法としては、磁性粉末を含む塗料を基体に塗布した後、磁界強度2000〜10000ガウスの配向磁場内を通過させる方法も開示されている(特許文献4参照)。
特開2002−271085号公報 特開2007−5614号公報 特開平7−22771号公報 特開平6−150314号公報
電子機器等及び建物における磁気ノイズ等の流出・侵入を防止するには、それらの開口部(例えば、通風口、窓、換気口など)における磁気ノイズ等の流出・侵入を防止することが重要である。しかし、特許文献1で提案されているような方法では、窓を開けた場合には電波を遮断する効果が得られないという問題や、換気口などには適用できないという問題があった。また、特許文献2で提案されているような方法では、開口部の開口率を低下させてしまうという問題や、外観上の問題があった。
また、特許文献3及び4で提案されているような方法は、印加する磁場強度が10000ガウス未満であるため、軟磁性金属粉を十分に配向させることができず、開口部に用いる磁気シールド材に必要とされるような十分な磁気シールド特性を得られないという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明の課題は、電子機器等や病院やオフィスビル等の建物の開口部を覆うことなく、開口部における磁気ノイズ等の流出・侵入を防止することのできる、高い異方性と優れた磁気シールド特性を有する磁気シールド材の製造方法を提供することである。
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上のバインダーと、厚さ2.0μm以下で、偏平状又は針状であり、アスペクト比が20以上である磁性フィラーとを含む磁気シールド塗料を、支持体上に塗布する工程Aと、工程Aで塗布した磁気シールド塗料を、同磁極の対向する磁場内に通過させることによって、磁束密度10000ガウス以上の磁場を印加する工程Bと、磁気シールド塗料を乾燥する工程Cとを有する、異方性磁気シールド材の製造方法。
[2]磁性フィラーが、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Feベースアモルファス、Coベースアモルファス、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトから選択される1以上である上記[1]に記載の異方性磁気シールド材の製造方法。
[3]バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70〜5/95である上記[1]又は[2]に記載の異方性磁気シールド材の製造方法。
[4]工程Aが、乾燥後の膜厚が50〜500μmとなるように磁気シールド塗料を支持体上に塗布する工程である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の異方性磁気シールド材の製造方法。
本発明によれば、電子機器等や病院やオフィスビル等の建物の開口部を覆うことなく、開口部における磁気ノイズ等の流出・侵入を防止することのできる、高い異方性と優れた磁気シールド特性を有する磁気シールド材を製造することができる。本発明により製造される異方性磁気シールド材は、その異方性の強さにより、磁気シールド材の内部における磁気の流れを略一方向に制御することができる。該異方性磁気シールド材を、例えば、電子機器等や建物の開口部の略全周囲に配置した場合、開口部から流出又は侵入しようとした磁気ノイズは、該異方性磁気シールド材の内部を循環し続け、いずれ減衰することになる。
本発明の実施の形態にかかる、工程Bの一例を示す模式図である。 本発明の製造方法により得られた異方性磁気シールド材の使用態様の一例を示す模式図である。 磁気シールド材の異方性評価の模式図である。
以下、図面等を用いて本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(磁気シールド塗料)
まず、本発明に用いる磁気シールド塗料について説明をする。本発明に用いる磁気シールド塗料は、少なくとも、以下に挙げるバインダー及び磁性フィラーを含むものである。
磁気シールド塗料に用いるバインダーは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上の樹脂である。これらの樹脂の中でも、ウレタン樹脂が好ましい。これらの樹脂を用いることで、塗布面への密着性に優れ、且つ、磁気フィラーの密度が高く、柔軟性の高い異方性磁気シールド材が得られる。
ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。ウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタンが挙げられる。中でも、破断伸度が高く柔軟性に優れている点で、ポリカーボネート系ポリウレタンが好ましい。
ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物との反応物である。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネート化合物との反応物である。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等)と、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等)とを反応させて得られるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
ポリエステル系ポリウレタンは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物との反応物である。ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸等)と、多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)とを反応させて得られるものなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートの3量体、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましい。また、ウレタン樹脂の重量平均分子量は、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましい。ウレタン樹脂の重量平均分子量が1000未満となると、異方性磁気シールド材の耐久性が低下したり、磁気シールド特性が低下する傾向にあり、ウレタン樹脂の重量平均分子量が100000を超えると、異方性磁気シールド材の柔軟性や、被塗布面との密着性が低下し、磁性フィラーの配向性が悪くなる傾向にある。
磁気シールド塗料に含まれる磁性フィラーとしては、厚さ2.0μm以下で偏平状又は針状のものを用いる。このような形状の磁性フィラーを用いることで、得られる塗膜の平面方向に磁性フィラーが配向しやすくなり、得られる塗膜が、優れた磁気シールド特性を有するものとなる。なお、扁平状とは、例えば、球状や直方体等の立体形状のものを一方向で押し潰したような形状であり、板状、鱗片状、薄膜状等の形状も含む概念である。また、針状とは、一方向に直線状に延びる細長い形状をいう。
磁性フィラーの厚さは、得られる塗膜の平面方向に磁性フィラーが配向しやすくなり、得られる塗膜の磁気シールド特性がより向上するという観点から、1.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.3μm以下であることがさらに好ましい。
また、磁気シールド塗料に含まれる磁性フィラーとしては、アスペクト比が20以上のものを用いる。アスペクト比が20以上の磁性フィラーを用いることで、得られる塗膜の平面方向に磁性フィラーが配向しやすくなり、得られる塗膜が、優れた磁気シールド特性を有するものとなる。磁性フィラーのアスペクト比は、異方性磁気シールド材の磁性フィラー間の空隙を少なくし、磁気シールド特性をより向上させるという観点から、40以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。ここで、アスペクト比とは、磁性フィラーの最も長い部分の長さを平均厚さで除したものをいう。
磁性フィラーの材質としては、軟磁性材料であれば特に限定されないが、例えば、優れた磁気シールド特性が得られるという観点から、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Feベースアモルファス、Coベースアモルファス、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトから選択される1以上であることが好ましく、Fe−Si−Al合金(例えば、センダスト)がより好ましい。
磁気シールド塗料は、バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70〜5/95であることが好ましく、25/75〜10/90であることがより好ましく、20/80〜10/90であることがさらに好ましい。バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70より大きくなると、すなわち、バインダーの固形分が多すぎると、異方性磁気シールド材の磁気シールド特性が低下する傾向にあり、バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が5/95より小さくなると、すなわち、バインダーの固形分が少なすぎると、異方性磁気シールド材の柔軟性が失われ脆くなったり、磁性フィラー間の接触が不十分になり磁気シールド特性が低下する傾向にある。
本発明で用いられる磁気シールド塗料は、溶媒として有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、酢酸ブチル、酢酸エチル、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールアセテート、キシレンなどが用いられる。中でも、乾燥性および塗布作業性の観点から、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロパノールが好ましい。
磁気シールド塗料中の溶媒の含有量としては、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、磁気シールド塗料中の溶媒の含有量は、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。磁気シールド塗料中の溶媒の含有量が30質量%未満の場合は、粘度が高くなり、得られる塗膜の平面方向に磁性フィラーが配向しにくくなる結果、得られる塗膜の磁気シールド特性が低下する傾向にある。また、磁気シールド塗料中の溶媒の含有量が70質量%を越える場合は、粘度が低くなり、塗布時に塗料がダレてしまう傾向にある。
また、本発明で用いられる磁気シールド塗料には、バインダー、磁性フィラー、有機溶剤の他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、分散剤、消泡剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、などの任意の成分が含まれていてもよい。
磁気シールド塗料の粘度は、1.0dPa・s以上であることが好ましく、2.0dPa・s以上であることがより好ましい。また、磁気シールド塗料の粘度は、100dPa・s以下であることが好ましく、50dPa・s以下であることがより好ましい。磁気シールド塗料の粘度が1.0dPa・sより低くなると、塗布時に塗料がダレてしまう傾向にある。一方、磁気シールド塗料の粘度が100dPa・sより高くなると、磁性フィラーの配向性が悪くなり、得られる塗膜の平面方向に磁性フィラーが配向しにくくなる結果、得られる塗膜の磁気シールド特性が低下する傾向にある。なお、磁気シールド塗料の粘度は、有機溶剤の含有量を調整することなどにより、調整することができる。
(工程A)
本発明の工程Aは、上記の磁気シールド塗料を、支持体上に塗布する工程である。工程Aで用いる支持体としては、後述の工程Cにて磁気シールド塗料を乾燥させた際に、磁気シールド塗膜を剥離できるものであれば、特に制限はされない。例えば、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンフィルム、テフロン(登録商標)フィルムなどのプラスチックフィルム、シリコン処理された剥離フィルム、離型処理が施された離型フィルム等が挙げられる。
支持体への磁気シールド塗料の塗布は、ロール・トゥ・ロール方式等の公知の方法により、支持体を搬送しながら行なうことが好ましい。磁気シールド塗料の塗布方法としては、特に制限されず、例えば、カーテンコータ、グラビアコータ、ドクターブレード、ナイフコータ等のフィルム状支持体に塗料を塗布する公知の方法を用いることができる。
磁気シールド塗料は、乾燥後の磁気シールド塗膜の厚さが、50μm以上となるように塗布することが好ましく、100μm以上となるように塗布することがより好ましい。また、乾燥後の磁気シールド塗膜の厚さが、500μm以下となるように塗布することが好ましく、300μm以下となるように塗布することが好ましい。乾燥後の磁気シールド塗膜の厚さが50μm未満の場合は、得られる異方性磁気シールド材に含まれる磁性フィラーの個数が減少し、磁気シールド特性が低下する傾向にあり、また、500μmを超える場合は、製造コストが上昇するため好ましくない。
(工程B)
本発明の工程Bは、工程Aで塗布した磁気シールド塗料を、例えば、ロール・トゥ・ロール方式等の公知の方法により搬送し、磁気シールド塗料が完全に乾燥する前に、同磁極の対向する磁場内を通過させることによって、磁束密度10000ガウス以上の磁場を印加する工程である。
図1は、工程Bの一例を表す模式図である。図中の矢印は、磁気シールド塗料が搬送される方向を表す。図1に示すように、磁気シールド塗料1に含まれる磁性フィラー2は、基材に塗布された磁気シールド塗料が搬送される方向と略垂直な方向に対向する同磁極の磁石4によって、磁束密度10000ガウス以上という非常に強い磁場を印加される。言い換えると、基材に塗布された磁気シールド塗料は、同磁極の対向する磁石4によって形成される磁束密度10000ガウス以上の磁場内を、磁石4の対向する方向と略垂直な方向に搬送される。その結果、磁気シールド塗料1に含まれる磁性フィラー2は略一方向(磁気シールド塗料が搬送される方向)に配向された状態となり、これを乾燥して得られる磁気シールド材は、その内部における磁気の流れを略一方向に制御することが可能な異方性の強いものとなる。なお、図中で用いている磁石4はN極とN極だが、S極とS極で構成してもよい。
磁気シールド塗料に印加する磁場の磁束密度は、磁性フィラーの配向性を高めるという観点から、10000ガウス以上であり、30000ガウス以上とすることが好ましく、50000ガウス以上とすることがより好ましい。また、磁気シールド塗料に印加する磁場の磁束密度は、100000ガウス以下とすることが好ましく、80000ガウス以下とすることがより好ましい。磁束密度が100000ガウスを超えると、磁場を印加中に磁気シールド塗料が波打つことなどにより、磁気シールド材の製造が困難になるおそれがある。
磁気シールド塗料が同磁極の対向する磁場内を通過する際の速度としては、特に制限はないが、0.1m/分以上であることが好ましく、0.3m/分以上であることがより好ましい。また、磁気シールド塗料が同磁極の対向する磁場内を通過する際の速度は、1.0m/分以下であることが好ましく、0.5m/分以下であることがより好ましい。磁気シールド塗料が同磁極の対向する磁場内を通過する際の速度が0.1m/分未満の場合は、生産性が低下する傾向にあり、また、1.0m/分を超える場合は、磁性フィラーの配向が不十分となる傾向にある。
(工程C)
工程Cは、工程Bにて磁場を印加された磁気シールド塗料を乾燥させる工程である。磁気シールド塗料を乾燥させる方法としては、特に限定されず、例えば、熱風乾燥炉により乾燥させるなどの公知の方法を用いることができる。なお、工程Cは、工程Bと同時に行なってもよい。
(用途)
図2は、本発明の製造方法により得られた異方性磁気シールド材の使用態様の一例を表した模式図である。図2に示すように、開口部5の略全周囲に渡って、本発明の製造方法により得られた異方性磁気シールド材6を配置した場合、開口部5から流出しようとする磁気ノイズは、異方性磁気シールド材6の強い異方性により、図中の矢印に示すように、磁気シールド材6の中を循環し続け、減衰していく。従って、本発明の製造方法により製造された異方性磁気シールド材は、例えば、病院やオフィスビル、データセンターなどの窓や換気口などの開口部や、電子機器等の通気口などの開口部における磁気シールド材として、非常に有用である。
以下に、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
ウレタン樹脂(荒川化学工業株式会社製、ポリカーボネート系ポリウレタン「ユリアーノ5242」、重量平均分子量14000)22.97質量部、センダスト(大同特殊鋼株式会社製、「DAPMSA10」、厚さ1.0μm、アスペクト比40)38.28質量部、分散剤としてリン酸ポリエステル系分散剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製、「BYK−111」)0.31質量部、有機溶剤としてトルエン38.28質量部、及び消泡剤として非シリコーン系消泡剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製、「BYK−1752」)0.15質量部を、ディスパーを用いて混合し、磁気シールド塗料を得た。得られた磁気シールド塗料の不揮発分は45%であり、粘度は5.0dPa・sであった。
(実施例1)
ロール・トゥ・ロール方式により、離型処理を施したポリエステルフィルム(東レ株式会社製、「ルミラー100S10」)を搬送しながら、該フィルム上に、ナイフコータを用いて、上記の磁気シールド塗料を塗布した。次に、該磁気シールド塗料が乾燥する前に、搬送される方向と垂直な方向に対向させたN極とN極の二つの磁石によって、磁束密度10000ガウスの磁場を印加した。フィルムを磁場内に通過させる速度は0.5m/分であった。次に、前記の通過させる速度のまま40℃で10分、次に40℃で10分、最後に80℃で10分の順番で3つの熱風乾燥炉内を通過させ、磁気シールド塗料を乾燥させた。乾燥後の磁気シールド塗膜の厚さは、200μmであった。磁気シールド塗膜を支持体から剥離し、実施例1の磁気シールド材を得た。
(実施例2、及び比較例1)
塗料に印加する磁束密度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2、及び比較例1の磁気シールド材を作製した。
Figure 2017126643
(異方性の評価結果)
実施例1〜2及び比較例1にて得られた磁気シールド材について、振動試料型磁力計(株式会社東栄科学産業製、「PV−M10−5」)を用いて、最大印加磁場15kOeにおける飽和磁束密度Bs(ガウス)を測定し、異方性を評価した。具体的には、図3に示すように、磁気シールド材のA方向(磁性フィラーの配向方向)での飽和磁束密度Bs(A)と、B方向(磁性フィラーの配向方向と垂直な方向)での飽和磁束密度Bs(B)を測定して、Bs(A)−Bs(B)を計算し、以下のような基準で異方性を評価した。Bs(A)−Bs(B)の値、及び評価結果を、表2に示す。
異方性あり:Bs(A)−Bs(B)≧1500
異方性なし:Bs(A)−Bs(B)<1500
Figure 2017126643
1 磁気シールド塗料
2 磁性フィラー
3 支持体
4 磁石
5 開口部
6 異方性磁気シールド材

Claims (4)

  1. ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上のバインダーと、厚さ2.0μm以下で偏平状又は針状であり、アスペクト比が20以上である磁性フィラーとを含む磁気シールド塗料を、支持体上に塗布する工程Aと、
    工程Aで塗布した磁気シールド塗料を、同磁極の対向する磁場内に通過させることによって、磁束密度10000ガウス以上の磁場を印加する工程Bと、
    磁気シールド塗料を乾燥する工程Cと
    を有する、異方性磁気シールド材の製造方法。
  2. 磁性フィラーが、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Feベースアモルファス、Coベースアモルファス、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトから選択される1以上である、請求項1に記載の異方性磁気シールド材の製造方法。
  3. バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70〜5/95である、請求項1又は2に記載の異方性磁気シールド材の製造方法。
  4. 工程Aが、乾燥後の膜厚が50〜500μmとなるように磁気シールド塗料を支持体上に塗布する工程である、請求項1〜3のいずれかに記載の異方性磁気シールド材の製造方法。
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