JP2017127990A - 発光体保護フィルム、波長変換シート、バックライトユニット、エレクトロルミネッセンス発光ユニット - Google Patents

発光体保護フィルム、波長変換シート、バックライトユニット、エレクトロルミネッセンス発光ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】発光ユニットに用いた場合に、ガスバリア層に欠陥を有していてもダークスポットの発生を抑制することが可能な発光体保護フィルムを提供すること。【解決手段】基材フィルム上にガスバリア層を備え、前記ガスバリア層上で発光体保護フィルムの最表面にバリア性を有する密着層を備えた発光体保護フィルムとし、前記密着層のバリア性は、酸素透過率が100cm3/(m2・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下であり、前記ガスバリア層が金属酸化物からなる層を含み、前記密着層がポリビニルアルコールと金属アルコキシドの加水分解物から形成される硬化物、又はエポキシ樹脂とアミン化合物により形成される硬化物、若しくは不飽和カルボン酸化合物とアミン化合物により形成される硬化物からなる発光体保護フィルムとする。【選択図】図1

Description

本発明は、発光体保護フィルム、及び該発光体保護フィルムを用いた波長変換シート、及び該波長変換シートを用いたバックライトユニット、並びに前記発光体保護フィルムを用いたエレクトロルミネッセンス発光ユニットに関する。
液晶ディスプレイのバックライトユニット及びエレクトロルミネッセンス発光ユニット等の発光ユニットでは、量子ドット等の蛍光体やエレクトロルミネッセンス発光体等の発光体が酸素又は水蒸気等と接触して長時間が経過すると、発光体としての性能が低下することがある。このためこれらの発光ユニットでは、しばしば高分子フィルムにガスバリア層が形成されたガスバリアフィルムが、発光体の保護フィルムとして使用される(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2015/013225号(英文)
しかしながら、発光体保護フィルムの製造においては、上記ガスバリア層形成の際に、異物の混入による損傷、クラック等の微小な欠陥がガスバリア層に生じることがある。これらの欠陥は酸素又は水蒸気等の侵入経路となる。その結果、ガスバリア層に上記欠陥を有する保護フィルムを発光ユニットに用いた場合、上記欠陥に近い箇所にダークスポットと呼ばれる黒点状の欠陥(非発光領域)が発生する問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、保護フィルムを発光ユニットに用いた場合に、ガスバリア層に欠陥を有していてもダークスポットの発生を抑制することが可能な発光体保護フィルム、及び該発光体保護フィルムを用いた波長変換シート、及び該波長変換シートを用いたバックライトユニット、並びに前記発光体保護フィルムを用いたエレクトロルミネッセンス発光ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、発光ユニットを保護する発光体保護フィルムであって、
基材フィルムと、前記基材フィルム上のガスバリア層と、前記ガスバリア層上で前記発光体保護フィルムの最表面にバリア性を有する密着層を備えたことを特徴とする発光体保護フィルムとしたものである。
請求項2に記載の発明は、前記密着層のバリア性は、酸素透過率が100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光体保護フィルムとしたものである。
請求項3に記載の発明は、前記ガスバリア層に、前記密着層が積層されたことを特徴とする請求項1または2に記載の発光体保護フィルムとしたものである。
請求項4に記載の発明は、前記ガスバリア層が金属酸化物からなる層を含むことを特
徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムとしたものである。
請求項5に記載の発明は、前記密着層がポリビニルアルコールと金属アルコキシドの加水分解物により形成される硬化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムとしたものである。
請求項6に記載の発明は、前記密着層がエポキシ樹脂とアミン化合物により形成される硬化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムとしたものである。
請求項7に記載の発明は、前記密着層が不飽和カルボン酸化合物とアミン化合物により形成される硬化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムとしたものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムを備えることを特徴とする波長変換シートとしたものである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の波長変換シートを備えることを特徴とするバックライトユニットとしたものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムを備えることを特徴とするエレクトロルミネッセンス発光ユニットとしたものである。
本発明によれば、保護フィルムを発光ユニットに用いた場合に、ガスバリア層に欠陥を有していてもダークスポットの発生を抑制することが可能な発光体保護フィルム、及び該発光体保護フィルムを用いた波長変換シート、及び該波長変換シートを用いたバックライトユニット、並びに前記発光体保護フィルムを用いたエレクトロルミネッセンス発光ユニットを得ることができる。
本発明の一実施形態に係る発光体保護フィルムの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る波長変換シートの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るバックライトユニットの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニットの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。尚、同一の構成要素については同一の符号を付け、重複する説明は省略する。また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(発光体保護フィルム)
図1は本実施形態に係る発光体保護フィルムの概略断面図である。図1において、発光体保護フィルム10は、基材フィルム1にガスバリア層2を積層し、ガスバリア層2上に、バリア性を有する密着層3が配置される。
密着層3の酸素透過率は、100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下である。上記酸素透過率は50cm/(m・day・atom・
30℃70%RH環境下測定)以下であることがより好ましく、さらには10cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下であることが特に好ましい。
密着層3の酸素透過率が、100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下であることにより、発光ユニットに用いた場合に、ガスバリア層が微細な欠陥を有していたとしても、ダークスポットを抑制することが可能な発光体保護フィルム10を得ることができる。上記酸素透過率の下限値は特に制限されないが、例えば、0.1cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)である。
密着層3の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。密着層3の厚さが0.01μm以上であることにより、発光体保護フィルムと発光体(またはそのシーラント層)との密着性が得られやすくなる。また上記厚さが10μm以下であることにより、ガスバリア層の欠陥を埋めてダークスポットの発生を抑制することが可能になる。
密着層3はポリビニルアルコールと金属アルコキシドの加水分解物により形成される硬化物、もしくはエポキシ樹脂とアミン化合物により形成される硬化物、もしくは不飽和カルボン酸化合物とアミン化合物により形成される硬化物からなることが好ましい。これらによる密着層は厚さ方向に、酸素透過率が100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下のガスバリア性を有し、且つ密着する相手の材料に応じて適宜選定することで発光体(またはそのシーラント層)との高い密着性が得られる。
ポリビニルアルコールと金属アルコキシドの加水分解物からなる密着層について、金属アルコキシドは、下記式(1)で表される群より選択される少なくとも1種を含む組成物から形成されることが好ましい。
M(OR(Rn−m ・・・(1)
上記式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1〜nの整数である。金属アルコキシドの加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH))である。ポリビニルアルコールとテトラエトキシシランの加水分解物は、造膜性、バリア性から重量比にして1/9〜9/1の割合で混合される。
エポキシ樹脂とアミン化合物により形成される硬化物からなる密着層について、エポキシ樹脂は飽和、不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香環を分子内に含むエポキシ樹脂のいずれでも良いが、バリア性を考慮すると芳香環をもつエポキシ樹脂が望ましい。アミン化合物はエチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ポリエチレンイミンなどのポリアミンを指し、反応性において適宜選定される。反応性が早すぎるとポットライフが短くハンドリングが悪くなる。反応性が遅すぎると硬化せずに密着層として機能しない。エポキシ樹脂とアミン化合物は、反応性、造膜性、バリア性から重量比にして1/9〜5/5の割合で混合される。
不飽和カルボン酸化合物とアミン化合物により形成される硬化物からなる密着層について、不飽和カルボン酸化合物とはイタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、シトラコン酸を指し、アミン化合物はエチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ポリエチレンイミンなどのポリアミンを指し、これらは反応性において適宜選定される。特にイタコン酸不飽和カルボン酸化合物とアミン化合物は、造膜性、バリア性から重量比にして5/5〜9/1の割合で混合される。
密着層へは、密着性、濡れ性、収縮によるクラック発生防止を考慮して、各種官能基を持つシランカップリング剤やイソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイトなどの粘土鉱物や、安定化剤、着色剤、粘度調整剤などの公知の添加剤などを、ガスバリア性を阻害しない範囲で添加する事ができる。
密着層の形成方法は、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等を用いることができる。これらの塗工方式を用いてガスバリア層の上に塗布する。硬化方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射、電子線(EB)照射などにより熱をかけて硬化させる方法、及びUV、EB照射によるラジカル重合など、これらのいずれでも、またこれらを2つ以上組み合わせてもよい。
ガスバリア層2は、高いガスバリア性を有するためには金属酸化物からなる層(金属酸化物層)を含む必要がある。金属酸化物層の成膜方法は、真空成膜法である物理気相成長法及び化学気相成長法が挙げられる。物理気相成長法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。また、化学気相成長法としては、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等が挙げられる。これらの成膜方法から適宜選択することができる。
上記金属酸化物としては、例えば、アルミニウム、銅、銀、イットリウム、タンタル、ケイ素、マグネシウム等の金属の酸化物が挙げられる。金属酸化物層は、安価でバリア性能に優れることから、酸化ケイ素(SiO、xは1.0〜2.0)であることが好ましい。xが1.0以上であると、良好なガスバリア性が得られやすい傾向がある。
金属酸化物層の厚さは、10〜300nmであることが好ましく、20〜50nmであることがより好ましい。厚さが10nm以上であることにより均一な膜が得られやすく、ガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、厚さが300nm以上であると、ロール・ツー・ロールで成膜するために必要な柔軟性に乏しく、ワレが生じてバリア性を発現しない。また金属酸化物層は厚すぎると未酸化の金属色が強く現れ、透明性が低下する。
金属酸化物層は高いバリア性を発現するが、硬く脆いため可撓性を付与するには膜厚を薄く(10〜300nm)成膜する必要がある。しかし、膜厚が薄いと割れやすく、異物の混入による損傷、クラック等の微小な欠陥が入りやすくなる。数μmの微小な欠陥は、金属酸化物層の面でのバリア性は発現するが、発光ユニットにダークスポットを発生する。しかし100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下の酸素透過率を持つ密着層を金属酸化物層上に備えることで、金属酸化物層に空いた微小な欠陥を広げることなく、割れたキズを閉じ合わせ、密着させて補修することで、クラックを塞ぐことが出来る。よって、密着層に金属酸化物層と同等の高いバリア性は必要なく、数μmの微小な欠陥ならば、100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下の酸素透過率を持つ密着層を用いればダークスポットの発生は抑えられる。
金属酸化物層の上に、金属酸化物層にキズが入りにくくする目的で保護コート層(図示せず)を設けてもよい。保護コート層の材料は、密着性、透明性を考慮するとポリアクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、厚さは0.01〜1μm程度である。1μmを超えると均一に硬化して成膜させることが出来ず、逆に表面性が悪くなってガスバリア性が低下する。0.01μm以下では保護コート層の効果は得られない。
保護コート層によってある程度の微細なキズを防ぐことが可能であるが、1μm以上の異物によるキズを完全に防ぐことは出来ず、ダークスポットにより歩留まりが低下する。保護コート層を貫通して金属蒸着層にこれらのキズやクラックによる欠陥が生じている場合も、ガスバリア性のある密着層が入り込んで欠陥を修復し、ダークスポットを抑制することが出来る。
基材フィルム1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリプロピレン及びシクロオレフィン等のポリオレフィン;ポリカーボネート;並びにトリアセチルセルロース等が挙げられるが、これらに限定されない。厚さは、特に制限されないが、3μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
基材フィルム1と金属酸化物層2との密着性を付与するために、基材フィルム1と金属酸化物層2との間にアンカーコート層(図示せず)を備えてもよい。アンカーコート層の材料は、密着性、透明性を考慮するとポリアクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、厚さは0.01〜1μm程度である。1μmを超えると均一に硬化して成膜することが出来ず、逆に表面性が悪くなってガスバリア性が低下する。0.01μm以下では密着性の発現が不均一になる。
発光体保護フィルム10は、光散乱機能を発揮させるために、基材フィルム1の、ガスバリア層2と反対側の面にマット層(図示せず)を備えていてもよい。発光体保護フィルム10がマット層を備えることにより、光散乱機能以外にも、干渉縞(モアレ)防止機能及び反射防止機能等を付与することができる。
(波長変換シート)
図2は本発明の一実施形態に係る波長変換シート30の概略断面図である。波長変換シート30は液晶ディスプレイ用バックライトユニット(後述)の光源からの光の一部の波長を変換するシートである。図2に示すように、本実施形態の波長変換シート30は、本発明の発光体保護フィルム10a、10bの密着層3a、3bと、発光ユニットの一種である蛍光体層23を接するようにして配置し、蛍光体層23を発光体保護フィルム10a、10bで挟んだ構成である。つまり波長変換シート30は、発光体保護フィルム10a、10bで、蛍光体層23が包み込まれた(即ち、封止された)構造を有する。
蛍光体層23は蛍光体21及びバインダー樹脂22を含む。蛍光体層23の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。蛍光体層23は、量子ドットからなる2種類の蛍光体を分散させたものであることが好ましい。また、蛍光体層23は、1種類の蛍光体を分散させた蛍光体層と別の種類の蛍光体を分散させた蛍光体層が2層以上積層されたものであってもよい。2種類の蛍光体には、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、バックライトユニット(後述)の光源が出射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。光源に青色発光ダイオード(青色LED)を用いる場合、各蛍光色は、赤色及び緑色である。各蛍光の波長、及び光源が出射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば、赤色で610nmであり、緑色で550nmである。
バインダー樹脂22としては、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を主剤としたものが挙げられる。特に、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂は水蒸気及び酸素に対するバリア性を有するものが多く好ましい。特にエポキシ系樹脂の場合、未架橋のエポキシ基と、本発明の発光体保護フィルムの密着層に係るアミン系硬化剤との反応によ
り密着性に優れる。
次に、蛍光体21の粒子構造を説明する。蛍光体21としては、特に発光効率の良いコア・シェル型量子ドットが好適に用いられる。コア・シェル型量子ドットは、発光部としての半導体結晶コアが保護用としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第一シェル及び第二シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCdSe、第一シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第二シェルにはZnSが使用可能である。
蛍光体層23、及び波長変換シート30の形成方法としては、特に限定されず、例えば、特表2013−544018号公報に記載される方法が挙げられる。蛍光体21を溶媒に分散して濃度調整した蛍光体分散液をバインダー樹脂22と混合し蛍光体組成物として、発光体保護フィルム10aの密着層3aの面上に塗布した後、塗布面と別の発光体保護フィルム10bの密着層3bとを貼り合わせ、蛍光体層23を硬化することにより、波長変換シート30を製造することができる。
[バックライトユニット]
上記波長変換シート30を用いることにより、バックライトユニットが得られる。図3は、上記波長変換シート30を用いて得られるバックライトユニット50の概略断面図である。図3において、バックライトユニット50は、波長変換シート30に導光板42及び反射板43がこの順で配置され、光源41は前記導光板42の側面に配置される。
導光板42及び反射板43は、光源41から出射された光を効率的に導き、反射するものであり、公知の材料が使用される。導光板42としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。光源41には、例えば、青色発光ダイオード素子が複数個設けられる。発光ダイオード素子は、紫色発光ダイオード、又はさらに長波長の発光ダイオードであってもよい。光源41から出射された光は、導光板42に入射した後、反射板43による反射や、屈折等を伴って波長変換シート30に入射する。波長変換シート30中の蛍光体層を通過した光は、蛍光体層に入射する前の光に蛍光体層で波長変換された光が混ざることで、白色光となる。
[エレクトロルミネッセンス発光ユニット]
図4は本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニットの概略断面図である。エレクトロルミネッセンス発光ユニット70は、発光ユニットの一種であるエレクトロルミネッセンス発光体層61を含む電極要素65と、電極要素65を封止するためのシーラント層66、本発明の発光体保護フィルム10c、10dとを備える。より具体的には、例えば、透明電極層62と、該透明電極層62上(図面では下)に設けられたエレクトロルミネッセンス発光体層61と、該エレクトロルミネッセンス発光体層61上に設けられた誘電体層63と、該誘電体層63上に設けられた背面電極層64を含む電極要素65を、シーラント層66を介して、本発明の第一の発光体保護フィルム10c及び第二の発光体保護フィルム10dで挟持するとともに密封することにより得られる。
第一の発光体保護フィルム10c、第二の発光体保護フィルム10dは、少なくともその一方が本発明の発光体保護フィルムとする構成であってもよい。一方のみが本発明の発光体保護フィルムであるとき、他方は例えばガラス基材であってもよい。
シーラント層の材料としてはポリオレフィン系樹脂を酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂の他に、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を主剤としたものが挙げられる。特に、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を主体にしたものが好ましい。シーラント層の材料がエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等からなることで、背面電極層や第一の発光体保護フィルムとの密着性が良好となるためである。
エレクトロルミネッセンス発光ユニットにおいても、既述と同様のメカニズムによるダークスポットの発生が考えられる。本実施形態に係るエレクトロルミネッセンス発光ユニット70によれば、シーラント層66上に設けられた保護フィルムとして、本発明の発光体保護フィルムを用いることにより、ガスバリア層が欠陥を有していたとしても、ダークスポットの発生を抑制することができる。
各電極層、エレクトロルミネッセンス発光体層及び誘電体層は、例えば、蒸着及びスパッタリング等の方法により、公知の材料を用いて、形成することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
はじめに、以下の実施例で用いた本発明の発光体保護フィルムの密着層を形成するために調製したコーティング液について説明する。
(溶液A)
金属アルコキシドの一種であるテトラエトキシシランと塩酸を混合して、混合液を30分間撹拌し、3質量%のテトラエトキシシランの加水分解溶液を得た。一方、ポリビニルアルコールを水/イソプロピルアルコールの混合溶媒(水/イソプロピルアルコール(質量比)=90:10)中に溶解させ、3質量%のポリビニルアルコール溶液を得た。テトラエトキシシランの加水分解溶液とポリビニルアルコール溶液とを1:1で混合し、溶液Aとした。
(溶液B)
エポキシ樹脂(三菱ガス化学製 M-100)とアミン化合物(三菱ガス化学製 C-115)を1対4(質量比)で混合し、水/イソプロピルアルコールの混合溶媒(メタノール/酢酸エチル(質量比)=90:10)中に溶解させ、3質量%の溶液Bとした。
(溶液C)
アミン化合物(日本触媒製 エポミンSP110)を水/イソプロピルアルコールの混合溶媒(水/イソプロピルアルコール(質量比)=50:50)中に溶解させ、3質量%のアミン溶液を得た。不飽和カルボン酸(関東化学試薬 イタコン酸)を水/イソプロピルアルコールの混合溶媒(水/イソプロピルアルコール(質量比)=50:50)中に溶解させ、3質量%の不飽和カルボン酸溶液を得た。アミン溶液と不飽和カルボン酸溶液を1:1で混合し、溶液Cとした。
(密着層及び各層の酸素透過率の評価)
[密着層A]
厚さ20μmのOPP(延伸ポリプロピレンフィルム)上に、溶液Aを塗布、乾燥させ、300nmの厚さを有する密着層を形成し、密着層Aのサンプルとした。
[密着層B]
厚さ20μmのOPPフィルム上に、溶液Bを塗布、乾燥させ、300nmの厚さを有する層を形成し、さらに50℃、2日のエージングを行って密着層を形成し、密着層Bのサンプルとした。
[密着層C]
厚さ20μmのOPPフィルム上に、溶液Cを塗布、乾燥させ、300nmの厚さを有する層を形成し、さらに15MradのEB照射を行って密着層を形成し、密着層Cのサンプルとした。
[保護コート層]
厚さ20μmのOPPフィルム上に、アクリル樹脂層(膜厚1μm)を塗布し、加熱乾燥して、保護コート層のサンプルとした。
[アンカーコート層]
厚さ20μmのOPPフィルム上に、アクリル樹脂層(膜厚1μm)を塗布し、加熱乾燥して、アンカーコート層のサンプルとした。
以上、作製した密着層A、B、C、保護コート層、アンカーコート層、及びリファレンスとしてOPPフィルムのみの6サンプルを差圧式ガス測定装置(GTRテック社製GTR-10X)を用いて、JISK7126A法に記載の方法に従って30℃70%RH環境下における各層の酸素透過率を測定した。測定結果を表1に示す。
表1の結果から、保護コート層、アンカーコート層の酸素透過率が3000cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以上とリファレンスの値とほぼ変わらず、酸素バリア性に寄与していないのに対し、密着層A、B、Cの溶液A、B、Cを用いた本発明の発光体保護フィルムで用いる密着層の酸素透過率は、いずれも100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下であり、高い酸素バリア性をもつことが分る。
次に、発光体保護フィルムの作製と評価について説明する。
<実施例1>
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル樹脂からなるアンカーコート層を1μm形成した。スパッタリング装置にSi(純度99.9%)のターゲットを用いてアルゴンガスと酸素ガスをAr:O=2:1となる流量比で導入した。圧力は5.3x10−1Paに調整し、膜厚が100nmとなるように、ガスバリア層としての酸化ケイ素膜の成膜を行った。
次に、酸化ケイ素膜上に、溶液Aを塗布、乾燥させ、300nmの厚さを有する密着層Aを形成して、実施例1の発光体保護フィルムとした。
<実施例2>
実施例1と同じ方法で形成した酸化ケイ素膜上に溶液Bを塗布、乾燥させ300nmの厚さの層を形成し、さらに50℃、2日のエージング行って密着層Bを形成して、実施例2の発光体保護フィルムとした。
<実施例3>
実施例1と同じ方法で形成した酸化ケイ素膜上に溶液Cを塗布、乾燥させ300nmの厚さの層を形成し、さらに15MradのEB照射を行って密着層Cを形成して、実施例3の発光体保護フィルムとした。
<実施例4>
実施例1と同じ方法で形成した酸化ケイ素膜の上にアクリル樹脂からなる保護コート層を1μmの厚さで形成した。この保護コート層の上に溶液Bを塗布、乾燥させ300nmの厚さの層を形成し、さらに50℃、2日のエージング行って密着層Bを形成して、実施例4の発光体保護フィルムとした。
<比較例1>
密着層Aがない以外は実施例1と同じ構成として比較例1の発光体保護フィルムとした。
<比較例2>
密着層Bがない以外は実施例4と同じ構成として比較例2の発光体保護フィルムとした。
(発光体保護フィルムの水蒸気透過率の評価)
実施例1〜4及び比較例1、2で得られた発光体保護フィルムについて、等圧式ガス測定装置(モコン社製アクアトラン)を用いて、JISK7129B法に記載の方法に従って40℃90%RH環境下における水蒸気透過率を測定した。測定結果を表2に示す。
(波長変換シートの作製)
セレン化カドミウム(CdSe)の粒子に硫化亜鉛(ZnS)を被覆したコア・シェル構造を有する蛍光体(商品名:CdSe/ZnS 530、SIGMA−ALDRICH社製)を溶媒に分散して濃度調整することで蛍光体分散液を調製した。該蛍光体分散液をエポキシ系感光性樹脂と混合して蛍光体組成物を得た。次に、実施例1〜4及び比較例1、2で作製した発光体保護フィルムの密着層面上に、前記蛍光体組成物を100μmの厚さで塗布した。
さらに前記蛍光体組成物の層上に、実施例1〜4及び比較例1、2で作製した発光体保護フィルムを、それぞれの密着層面を向けて積層した後、紫外線照射により感光性樹脂を硬化し蛍光体層を形成することで、実施例1〜4及び比較例1、2で作製した発光体保護フィルムを備えた波長変換シートを作製した。
(波長変換シートの密着性の評価)
前記のように、実施例1〜4及び比較例1、2で作製した発光体保護フィルムを備えたそれぞれの波長変換シートを、幅15mmの短冊状にカットし、ガラス板上に固定した。固定した波長変換シートの上側の発光体保護フィルムをテンシロン引張試験機(オリエンテック社製)を用いて、ガラス板に対して垂直な方向に、300mm/分の速度で、蛍光体層から剥離し、剥離に要した強度を測定した。剥離強度の測定結果を密着性の評価結果として表2に示す。剥離強度が2N/cm以上である場合に好適な密着性が得られていると判断した。
(ダークスポットの評価)
実施例1〜4及び比較例1、2で作製した発光体保護フィルムを備えた波長変換シートを、それぞれ60cmx34cm(27インチモニタに相当)に断裁し、85℃の環境下に1000時間保存した。保存後UVライトを照射し、ダークスポットの数を目視で数えた。計測結果(個数)を表2に示す。
表2の結果から、実施例1〜4及び比較例1、2の発光体保護フィルムの水蒸気透過率はどれも低く、水蒸気バリア性は高いことが分る。波長変換シートとしたときの蛍光体層との密着性では、密着層がなくガスバリア層上に保護コート層もない比較例1は密着性が低いが、保護コート層がある比較例2は密着層がなくとも実施例1〜4と同等の良好な密着性を示した。しかし、ダークスポットの発生数は、実施例1〜4で発生しないのに対し、密着層も保護コート層もない比較例1では多くのダークスポットが発生した。また比較例2では保護コート層の存在によりダークスポットの数は低減したが、十分とはいえなかった。
1・・・・基材フィルム
2・・・・ガスバリア層
3、3a、3b、3c、3d・・・・密着層
10、10a、10b・・・発光体保護フィルム
10c・・・第一の発光体保護フィルム
10d・・・第二の発光体保護フィルム
21・・・蛍光体
22・・・バインダー樹脂
23・・・蛍光体層
30・・・波長変換シート
41・・・光源
42・・・導光板
43・・・反射板
50・・・バックライトユニット
61・・・エレクトロルミネッセンス発光体層
62・・・透明電極層
63・・・誘電体層
64・・・背面電極層
65・・・電極要素
66・・・シーラント層
70・・・エレクトロルミネッセンス発光ユニット

Claims (10)

  1. 発光ユニットを保護する発光体保護フィルムであって、
    基材フィルムと、前記基材フィルム上のガスバリア層と、前記ガスバリア層上で前記発光体保護フィルムの最表面にバリア性を有する密着層を備えたことを特徴とする発光体保護フィルム。
  2. 前記密着層のバリア性は、酸素透過率が100cm/(m・day・atom・30℃70%RH環境下測定)以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光体保護フィルム。
  3. 前記ガスバリア層に、前記密着層が積層されたことを特徴とする請求項1または2に記載の発光体保護フィルム。
  4. 前記ガスバリア層が金属酸化物からなる層を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光体保護フィルム。
  5. 前記密着層がポリビニルアルコールと金属アルコキシドの加水分解物により形成される硬化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体保護フィルム。
  6. 前記密着層がエポキシ樹脂とアミン化合物により形成される硬化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体保護フィルム。
  7. 前記密着層が不飽和カルボン酸化合物とアミン化合物により形成される硬化物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光体保護フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムを備えることを特徴とする波長変換シート。
  9. 請求項8に記載の波長変換シートを備えることを特徴とするバックライトユニット。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光体保護フィルムを備えることを特徴とするエレクトロルミネッセンス発光ユニット。
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JP2021088115A (ja) * 2019-12-04 2021-06-10 三井化学東セロ株式会社 ディスプレイ素子保護用の積層フィルムの製造方法

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