JP2017128231A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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敬之 前田
Yoshiyuki Maeda
敬之 前田
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Abstract

【課題】 種々の路面でのトラクション性能及び旋回性能を高める。
【解決手段】 空気入りタイヤ1である。トレッド部2は、ジグザグ状に屈曲するブロック5の複数がタイヤ軸方向に配列されたブロック列12を具えている。少なくとも一つのブロック5の踏面5Sは、断面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧形状を維持しながらジグザグ状にのびている。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、ラリーやダートトライアル等の不整地走行に用いられる空気入りタイヤに関する。
下記特許文献1には、ラリー等に使用される不整地走行用の空気入りタイヤが提案されている。このような空気入りタイヤは、不整地路面でのトラクション性能及びコーナリング性能を得るために、トレッド部に、複数のブロックが配列されたブロック列が設けられている。
特開2008−265501号公報
発明者らは、種々実験を重ねた結果、トレッド部のブロック形状を改善することにより、種々の路面に対して良好なトラクション性能及びコーナリング性能を発揮させることが可能であることを見い出した。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ブロックの踏面を、断面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧形状を維持しながらジグザグ状にのばすことを基本として、種々の路面でのトラクション性能及び旋回性能を高めることができる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、空気入りタイヤであって、トレッド部に、ジグザグ状に屈曲するブロックの複数がタイヤ軸方向に配列されたブロック列を具え、少なくとも一つの前記ブロックの踏面は、断面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧形状を維持しながら前記ジグザグ状にのびていることを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ブロックのタイヤ軸方向の最大長さaは、前記ブロックのタイヤ周方向の最大長さbの50%〜70%であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記断面において、前記ブロックの前記踏面の曲率半径が9.0〜14.0mmであり、前記ブロックの高さが7.5〜9.0mmであるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部には、タイヤ軸方向に対して一方側に傾斜しかつタイヤ周方向に並ぶ複数本の傾斜溝と、タイヤ周方向に隣り合う前記傾斜溝間をジグザグ状にのびて継ぎかつタイヤ軸方向に並ぶ複数本の継ぎ溝とが設けられ、タイヤ周方向で隣り合う前記傾斜溝の間には、前記傾斜溝に沿って複数個の前記ブロックが配列されたブロック列が形成されているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記各継ぎ溝は、それぞれタイヤ周方向に対して5°以下の角度θ1を有する一対の端部と、タイヤ周方向に対して前記端部の角度θ1よりも大きい角度θ2を有する中央部とを含むのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記中央部は、前記傾斜溝と逆向きに傾斜しているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部の展開図において、前記継ぎ溝は、前記傾斜溝の傾斜と逆向きの傾斜軸線に沿って並べられているのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記傾斜溝は、直線状であり、前記継ぎ溝は、ジグザグ状であり、前記ブロックの踏面は、ジグザグ状であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ブロック列のタイヤ軸方向の最大長さは、トレッド接地幅の60%〜90%であるのが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部は、ランド比が60%〜75%であるのが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、ジグザグ状に屈曲するブロックの複数がタイヤ軸方向に配列されたブロック列を具えている。このようなジグザグのブロックは、例えば、矩形のブロックに比べて、大きなエッジ長さを有するため、滑りやすい路面(以下、「低μ路」ということがある。)に対してグリップを高めることができる。従って、本発明の空気入りタイヤは、低μ路でのトラクション性能及び旋回性能を向上しうる。
本発明の空気入りタイヤは、少なくとも一つのブロックの踏面が、断面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧形状を維持しながらジグザグ状にのびている。このような円弧形状のブロックは、該ブロックに作用する荷重が小さい場合、その円弧形状が維持される一方、該ブロックに作用する荷重が大きい場合、その円弧形状を平坦に潰すことができる。
砂地や泥濘地等の低μ路では、ブロックに作用する荷重が小さくなる傾向があるため、ブロックの円弧形状が維持される。これにより、ブロックは、低μ路に対する接地圧を高くすることができるため、低μ路に深く食い込んでグリップすることができる。しかも、ブロックの踏面は、円弧形状を維持しながらジグザグ状にのびているため、低μ路にジグザグ状に深く食い込むことができる。
アスファルト路面や固くしまった土の路面等(以下、単に「高μ路」ということがある。)では、ブロックに作用する荷重が大きくなる傾向があるため、ブロックの円弧形状が平坦に潰れる。これにより、ブロックは、高μ路での接地面積を大きくできるため、高μ路に対して効果的にグリップすることができる。
このように、本発明のタイヤは、低μ路や高μ路を含む種々の路面において、トラクション性能及び旋回性能を高めることができる。
本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。 図1の部分拡大図である。 本実施形態のブロックの一例を示す斜視図である。 図3のA−A断面図である。 (a)は、低μ路を走行中のブロックの断面図、(b)は、高μ路を走行中のブロックの断面図である。 (a)は、比較例のブロックの斜視図、(b)は、(a)のB−B断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)1のトレッド部2の展開図である。図2は、図1の部分拡大図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、不整地の走行に適したオールシーズン用タイヤとして好適に利用される。
図1に示されるように、本実施形態のトレッド部2には、複数本の傾斜溝3及び複数本の継ぎ溝4が設けられている。これにより、トレッド部2には、傾斜溝3及び継ぎ溝4によって区分されたブロック5の複数が、タイヤ軸方向に配列されたブロック列12が設けられる。本実施形態のブロック列12は、タイヤ周方向で隣り合う傾斜溝3、3の間に、傾斜溝3に沿って複数個のブロック5が形成されている。
傾斜溝3は、タイヤ軸方向に対して一方側に傾斜してのび、タイヤ周方向に間隔を開けて並んでいる。本実施形態の傾斜溝3は、タイヤ赤道Cを横切って右上がりにのびている。
このような傾斜溝3は、その溝内で、泥や砂等を効果的に掴むことができるため、低μ路(即ち、砂地や泥濘地等の滑りやすい路面)でのトラクション性能及び旋回性能を向上しうる。また、傾斜溝3は、高μ路(即ち、アスファルト路面や固くしまった土の路面等)において、高μ路の水膜をタイヤ軸方向外側に案内できるため、ウエット性能を向上しうる。
本明細書において、低μ路は、タイヤ1の路面に対する摩擦係数が0.4以下の路面として区分される。また、高μ路は、タイヤ1の路面に対する摩擦係数が0.4よりも大きい路面として区分される。なお、摩擦係数は、例えば、タイヤ1に作用する上下荷重と、前後力との測定結果に基づいて求めることができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、傾斜溝3のタイヤ軸方向に対する角度α1は、10〜50°に設定されるのが望ましい。なお、角度α1は、傾斜溝3の溝中心線で測定される。さらに、傾斜溝3の溝幅W1は、トレッド接地端Te、Te間のタイヤ軸方向距離であるトレッド接地幅TWの4.5%〜8.0%以下に設定されるのが望ましい。
「トレッド接地端Te」は、外観上、明瞭なエッジによって識別しうるときには当該エッジとする。なお、エッジが識別不能の場合には、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷してキャンバー角0度でトレッド部2を平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側で平面に接地する接地端が、トレッド接地端Teとして定められる。本明細書において、タイヤの各部の寸法は、特に断りがない限り、正規状態において特定される値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とするが、タイヤが乗用車用である場合には一律に180kPaとする。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" とするが、タイヤ1が乗用車用の場合には、前記荷重の88%に相当する荷重とする。
傾斜溝3の両端は、トレッド接地端Te、Teに至ることなく終端している。これにより、傾斜溝3は、その溝内において、砂や泥等をトレッド接地端Te、Te側に逃がすことなく、効果的に掴むことができる。本実施形態の傾斜溝3は、直線状にのびている。これにより、傾斜溝3は、その傾斜に沿って、高μ路の水膜を円滑に案内できるため、ウエット性能を効果的に向上しうる。
本実施形態の継ぎ溝4は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝3、3間を継ぎ、タイヤ軸方向に並んでいる。各継ぎ溝4は、一対の端部8、8と、一対の端部8、8をつなぐ中央部9とを含んで構成されている。
図2に示されるように、一対の端部8、8は、タイヤ周方向に対して5°以下の角度θ1に設定されている。換言すれば、継ぎ溝4の端部8は、実質的にタイヤ周方向に沿って直線状にのびている。なお、角度θ1は、端部8の溝中心線で測定される。
中央部9は、タイヤ周方向に対して、端部8の角度θ1よりも大きい角度θ2を有している。本実施形態では、中央部9と端部8とがなす角度α2が鈍角となるように、端部8と中央部9とが接続されている。なお。角度θ2は、中央部9の溝中心線で測定される。同様に、角度α2は、中央部9の溝中心線と、端部8の溝中心線とで測定される。
これらの一対の端部8、8及び中央部9により、各継ぎ溝4は、タイヤ周方向に隣り合う傾斜溝3、3間をジグザグ状にのびている。このような継ぎ溝4は、砂や泥等を効果的に掴みつつ、周方向に排出することができるため、悪路走破性を高めることができる。また、継ぎ溝4は、高μ路の水膜をタイヤ周方向に案内できるため、ウエット性能を向上しうる。
このような作用を効果的に発揮させるために、端部8の角度θ1は、3°以下に設定されるのが望ましい。また、中央部9の角度θ2は、55〜75°に設定されるのが望ましい。さらに、継ぎ溝4の溝幅W2は、トレッド接地幅TW(図1に示す)の4.5%〜8.0%に設定されるのが望ましい。
本実施形態の中央部9は、傾斜溝3と逆向きに傾斜している。これにより、継ぎ溝4は、直進走行時において、安定したトラクション性能を発揮しうる。また、中央部9に起因して生じる横力と、傾斜溝3に起因して生じる横力とが相殺されるため、コニシティを小さくするのに役立つ。
本実施形態の継ぎ溝4は、図1に示したトレッド部2の展開図において、傾斜溝3と逆向きの傾斜軸線n1に沿って並べられている。また、継ぎ溝4と傾斜溝3との接続部11は、傾斜軸線n1上に配されている。これにより、トレッド部2には、傾斜軸線n1上で、継ぎ溝4を介して傾斜溝3が連続する第1ジグザグ溝10(傾斜軸線n1に沿って薄く着色された領域である。)が形成される。本実施形態では、第1ジグザグ溝10が、傾斜溝3に沿って複数形成されている。
このような第1ジグザグ溝10は、例えば、旋回走行時において、傾斜軸線n1に沿って砂や泥等を効果的に掴むことができる。これにより、第1ジグザグ溝10は、例えば、旋回走行時の横滑りに対して、高い摩擦力を生成することができるため、旋回性能を高めることができる。しかも、第1ジグザグ溝10を構成する継ぎ溝4の端部8及び中央部9が、傾斜軸線n1に対してそれぞれ逆向きに傾斜しているため、上記旋回性能を効果的に高めることができる。このような作用を効果的に発揮させるために、傾斜軸線n1と傾斜溝3との交差角度α3は80°以上に設定されるのが望ましい。
また、本実施形態の継ぎ溝4は、図1に示されるトレッド部2の展開図において、タイヤ周方向にのびる周方向軸線n2に沿って並べられている。これにより、トレッド部2には、傾斜溝3を介して継ぎ溝4がタイヤ周方向に連続する第2ジグザグ溝13(周方向軸線n2に沿って薄く着色された領域である。)が形成される。本実施形態の第2ジグザグ溝13は、傾斜溝3と、継ぎ溝4の端部8と、継ぎ溝4の中央部9とを溝成分とした略台形波状のジグザグ溝として形成されている。このような第2ジグザグ溝13は、直進走行時のトラクション性能を高めつつ、溝内の砂や土等をスムーズに排出できる。
ブロック5は、タイヤ周方向で隣り合う傾斜溝3、3と、タイヤ軸方向で隣り合う継ぎ溝4、4によって区分されている。本実施形態のブロック5は、一対の端部片6、6と、一対の端部片6、6を継ぐ中央片7とを含んで構成されている。これらの一対の端部片6、6及び中央片7は、一体に形成されている。
各端部片6は、傾斜溝3と、タイヤ軸方向で隣り合う継ぎ溝4の端部8とによって区分されている。これにより、端部片6は、端部8に沿って、実質的にタイヤ周方向にのびている。図2に示されるユオに、各端部片6のタイヤ周方向の端部6tは、鋭角状に形成されている。このような端部6tにより、ブロック5は、低μ路に深く食い込んでグリップすることができる。
中央片7は、一対の端部片6、6間において、タイヤ軸方向で隣り合う継ぎ溝4の中央部9、9によって区分されている。これにより、中央片7は、タイヤ周方向に対して、端部片6よりも大きな角度で傾斜してのびている。
これらの一対の端部片6、6及び中央片7により、ブロック5は、ジグザグ状に屈曲している。このようなジグザグ状のブロック5は、例えば、矩形のブロックに比べて、大きなエッジ長さを有する。このため、ブロック5は、低μ路に対するグリップを高めて、トラクション性能及び旋回性能を向上しうる。しかも、ブロック5は、中央片7によってタイヤ軸方向のエッジ成分を大きくできるため、低μ路での直進走行時のトラクション性能を高めることができる。
ブロック5の端部片6は、高いタイヤ周方向剛性を有している。このため、ブロック5は、直進走行時の変形が抑えられるため、低μ路及び高μ路でのトラクション性能、並びに、耐摩耗性能を向上しうる。また、ブロック5は、駆動時又は制動時において、タイヤ周方向に大きなせん断力が作用した場合、中央片7が大きく変形する。このような中央片7の大きな変形により、ブロック5に作用する応力を効果的に緩和することができる。
ブロック5のタイヤ軸方向の最大長さaは、ブロック5のタイヤ周方向の最大長さbの50%〜70%に設定されるのが望ましい。なお、タイヤ軸方向の最大長さaが、タイヤ周方向の最大長さbの50%未満であると、タイヤ軸方向のエッジ長さを十分に保持できなくなり、低μ路でのトラクション性能及び旋回性能を十分に発揮できないおそれがある。さらに、中央片7が十分に変形できず、ブロック5に作用する応力を効果的に緩和できないおそれがある。逆に、タイヤ軸方向の最大長さaが、タイヤ周方向の最大長さbの70%を超えると、タイヤ周方向のエッジ長さを十分に保持できなくなり、低μ路でのトラクション性能及び旋回性能を十分に発揮できないおそれがある。さらに、端部片6のタイヤ周方向剛性を維持することができず、低μ路及び高μ路でのトラクション性能を十分に向上できないおそれがある。このような観点より、周方向の最大長さaは、好ましくは、タイヤ周方向の最大長さbの55%以上であり、好ましくは65%以下である。
図3は、本実施形態のブロック5の一例を示す斜視図である。図4は、図3のA−A断面図である。図3及び図4に示されるように、ブロック5は、傾斜溝3又は継ぎ溝4の溝底面15(図4に示す)からタイヤ半径方向外側にのびる壁面5Wと、この壁面5Wのタイヤ半径方向の外端を継ぐ踏面5Sとを含んでいる。
図4に示されるように、壁面5Wは、タイヤ半径方向に対して、ブロック5の内側に向かって傾斜してのびている。このような壁面5Wにより、ブロック5は、低μ路Laに深く食い込んでグリップすることができる。なお、ブロック5の溝底面15側の剛性を維持しつつ、低μ路Laへの食い込みを大きくするために、壁面5Wのタイヤ半径方向に対する角度α4は、5〜15°に設定されるのが望ましい。
踏面5Sは、その断面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧形状に形成されている。なお、本実施形態のブロック5の踏面5Sは、単一円弧で形成されているが、曲率半径が異なる複数の円弧を接続して形成されてもよい。
図3に示されるように、少なくとも一つのブロック5の踏面5Sは、その断面が凸の円弧形状を維持しながらジグザグ状にのびている。なお、円弧形状は、ブロック5のタイヤ周方向の端部5a、5a間の一部において、タイヤ半径方向外側に突出する頂部5uがジグザグ状にのびていれば良く、端部5a、5a間で途切れていてもよい。
図5(a)は、低μ路Laを走行中のブロック5の断面図である。低μ路Laでは、高μ路Lb(図5(b)に示す)に比べて、タイヤ1がスリップしやすい。これにより、タイヤ1の前後加速度及び横加速度が小さくなり、ブロック5に作用する荷重が小さくなる傾向がある。このような低μ路Laを走行中のタイヤ1において、ブロック5は、その円弧形状が維持される。これにより、ブロック5は、低μ路Laに対する接地圧を高くすることができるため、低μ路Laに深く食い込んでグリップすることができる。
しかも、本実施形態のブロック5の踏面5Sは、図3に示されるように、円弧形状を維持しながらジグザグ状にのびているこのため、ブロック5は、低μ路Laにジグザグ状に深く食い込むことができる。従って、本実施形態のタイヤ1は、低μ路Laにおいて、トラクション性能及び旋回性能を高めることができる。
図5(b)は、高μ路Lbを走行中のブロック5の断面図である。高μ路Lbでは、低μ路La(図5(a)に示す)に比べて、大きなトラクションを発揮することができる。これにより、タイヤ1の前後加速度及び横加速度が大きくなり、ブロック5に作用する荷重が大きくなる傾向がある。従って、ブロック5は、円弧形状の踏面5Sが平坦に潰れるため、高μ路Lbでの接地面積を大きくでき、高μ路Lbに対して効果的にグリップすることができる。
しかも、本実施形態のブロック5の踏面5Sは、図3に示されるように、円弧形状を維持しながらジグザグ状にのびているため、タイヤ周方向及びタイヤ軸方向の広範囲に亘って、高μ路Lbをグリップすることができる。従って、本実施形態のタイヤ1は、高μ路Lbでのトラクション性能及び旋回性能を高めることができる。また、円弧形状の踏面5Sにより、トレッド部2は、溝容積を大きくすることができるため、高μ路での排水性能を向上しうる。
このように、本実施形態のタイヤ1は、低μ路La(図5(a)に示す)や高μ路Lb(図5(b)に示す)を含む種々の路面において、トラクション性能及び旋回性能を高めることができる。このようなトラクション性能及び旋回性能を効果的に高めるために、図3に示されるように、ブロック5の円弧形状は、ブロック5のタイヤ周方向の端部5a、5a間を連続して、ジグザグ状にのびるのが望ましい。
上記のような円弧形状は、図1に示した全てのジグザグ状のブロック5において形成されるのが望ましい。これにより、タイヤ1は、全てのジグザグ状のブロック5を、低μ路La(図5(a)に示す)に効果的に食い込ませうるとともに、高μ路Lb(図5(b)に示す)を効果的にグリップすることができる。従って、タイヤ1は、種々の路面において、トラクション性能及び旋回性能を効果的に高めることができる。
このような作用を効果的に発揮させるために、トレッド部2のランド比は、60%〜75%に設定されるのが望ましい。これにより、タイヤ1は、トレッド部2の溝容積を維持しつつ、ブロック剛性の低下を抑えることができる。従って、タイヤ1は、低μ路及び高μ路を含む種々の路面において、トラクション性能及び旋回性能を高めることができる。ここで、ランド比は、溝底面を全て埋めたと仮定したときのトレッド部2の外表面の全面積Stに対する、ブロック5の踏面5Sの面積の総和Sbの割合Sb/Stで求められる。
なお、トレッド部2のランド比が60%未満であると、ブロック5の剛性を十分に高めることができず、高μ路でのトラクション性能及び旋回性能を発揮できないおそれがある。逆に、トレッド部2のランド比が75%を超えると、トレッド部2の溝容積が減少し、低μ路でのトラクション性能及び旋回性能、並びに、ウエット性能が低下するおそれがある。このような観点より、トレッド部2のランド比は、好ましくは63%以上であり、好ましくは72%以下である。
また、図4に示されるように、ブロック5の断面において、ブロック5の踏面5Sの曲率半径Raは、9.0〜14.0mmに設定されるのが望ましい。なお、曲率半径Raが14.0mmを超えると、ブロック5の断面が平坦に近づくため、低μ路La(図5(a)に示す)に十分に食い込むことができず、低μ路を十分にグリップできないおそれがある。逆に、曲率半径Raが9.0mm未満であると、高μ路(図5(a)に示す)において、ブロック5の断面を平坦に潰すことができず、高μ路を十分にグリップできないおそれがある。このような観点より、曲率半径Raは、好ましくは13.0mm以下であり、好ましくは10.0mm以上である。なお、曲率半径が異なる複数の円弧を接続してブロック5の踏面5Sが形成される場合は、各曲率半径が上記範囲内に設定されるのが望ましい。
さらに、ブロック5の高さHaは、7.5〜9.0mmに設定されるのが望ましい。なお、高さHaが7.5mm未満であると、ブロック5を低μ路La(図5(a)に示す)に深く食い込ませることができず、低μ路Laを十分にグリップできないおそれがある。逆に、高さHaが9.0mmを超えると、高μ路Lb(図5(b)に示す)の走行時において、ブロック5の変形が大きくなり、高μ路Lbを十分グリップできないおそれがある。このような観点より、高さHaは、好ましくは7.8mm以上であり、好ましくは8.7mm以下である。
また、ブロック5の端部片6又は中央片7において、踏面5Sのタイヤ軸方向の幅W3は、13.0〜19.0mmに設定されるのが望ましい。なお、幅W3が19.0mmを超えると、低μ路La(図5(a)に示す)にブロック5が深く食い込まないおそれがある。逆に、幅W3が13.0mm未満であると、高μ路Lb(図5(b)に示す)での接地面積を十分に維持できないおそれがある。このような観点より、幅W3は、より好ましくは18.0mm以下であり、より好ましくは14.0mm以上である。
図1に示されるように、ブロック列12のタイヤ軸方向の最大長さWmは、トレッド接地幅TWの60%〜90%に設定されるのが望ましい。なお、最大長さWmは、ブロック列12を構成するブロック5のうち、タイヤ軸方向最外側に配置される一対の最外側ブロック5A、5Aについて、各最外側ブロック5A、5Aのタイヤ軸方向の最外端縁5t、5t間の距離で特定される。
なお、ブロック列12の最大長さWmが、トレッド接地幅TWの60%未満であると、円弧形状に形成されたブロック5をトレッド部2のタイヤ軸方向に十分に配置することができず、低μ路でのトラクション性能及び旋回性能を維持できないおそれがある。逆に、最大長さWmが、トレッド接地幅TWの90%を超えると、最外側ブロック5A、5Aの最外端縁5t、5tを通る継ぎ溝4の溝幅が小さくなり、低μ路でのトラクション性能及び旋回性能、並びに、排水性を維持できないおそれがある。このような観点より、最大長さWmは、好ましくは、トレッド接地幅TWの65%以上であり、好ましくは80%以下である。
ブロック5のゴム硬度については、適宜設定されうる。なお、ゴム硬度が大きいと、高μ路において、ブロック5の断面を平坦に潰すことができず、高μ路を十分にグリップできないおそれがある。逆に、ゴム硬度が小さくても、高μ路走行時において、ブロック5の変形が大きくなり、高μ路を十分グリップできないおそれがある。さらに、低μ路において、ブロック5を低μ路に深く食い込ませることができず、低μ路を十分にグリップできないおそれがある。このような観点より、ゴム硬度は、好ましくは62度以下であり、好ましくは58度以上である。なお、本明細書においては、ゴム硬度は、JIS−K6253に基づき、デュロメータータイプAにより測定したデュロメーターA硬さとする。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本パターンを有するタイヤが、表1の仕様に基づいて製造され、各試供タイヤの性能が評価された(実施例1〜19)。また、比較のために、図6(a)、(b)に示されるように、断面矩形状に形成され、かつ踏面が平坦なブロックを有するタイヤが製造された(比較例)。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:205/65R15
リムサイズ:15×7.0J
車両:四輪駆動車(排気量:2000cc)
内圧:
前輪:210kPa
後輪:190kPa
トレッド接地幅TW:164mm
傾斜溝
角度α1:30°
溝幅W1/TW:2.4%
継ぎ溝:
幅W2/TW:2.4%
傾斜軸線n1と傾斜溝との交差角度α3:90°
ブロック:
幅W3:16.5mm
ゴム硬度:60度
側壁の角度α4:10°
テスト方法は、以下のとおりである。
<低μ路及び高μ路でのグリップ性能(旋回性能)>
各供試タイヤが上記リムにリム組みされ、上記内圧が充填されて、上記車両の全輪に装着された。この車両にドライバーが乗車して、1周1.5kmのダートトライアルコース(低μ路及び高μ路を含む)を走行し、ドライバーの官能評価により、試供タイヤのグリップ性能(旋回性能)が5点法で評価された。結果は、数値が大きい程、低μ路及び高μ路でのグリップ性能(旋回性能)が良好であることを示している。
<走行タイム>
上記車両にドライバーのみが乗車して、上記ダートトライアルコースを3周走行させた。評価は、走行タイムの逆数であり、比較例を100とする指数で表示されている。数値が大きいほど、走行タイムが小さく、低μ路及び高μ路でのトラクション性能及び旋回性能が良好であることを示している。
テストの結果を表1に示す。
Figure 2017128231
Figure 2017128231
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、低μ路及び高μ路でのトラクション性能及び旋回性能が良好であることが確認できた。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
5 ブロック
5S 踏面
12 ブロック列

Claims (10)

  1. 空気入りタイヤであって、
    トレッド部に、ジグザグ状に屈曲するブロックの複数がタイヤ軸方向に配列されたブロック列を具え、
    少なくとも一つの前記ブロックの踏面は、断面がタイヤ半径方向外側に凸の円弧形状を維持しながら前記ジグザグ状にのびていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロックのタイヤ軸方向の最大長さaは、前記ブロックのタイヤ周方向の最大長さbの50%〜70%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記断面において、前記ブロックの前記踏面の曲率半径が9.0〜14.0mmであり、前記ブロックの高さが7.5〜9.0mmである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部には、タイヤ軸方向に対して一方側に傾斜しかつタイヤ周方向に並ぶ複数本の傾斜溝と、タイヤ周方向に隣り合う前記傾斜溝間をジグザグ状にのびて継ぎかつタイヤ軸方向に並ぶ複数本の継ぎ溝とが設けられ、
    タイヤ周方向で隣り合う前記傾斜溝の間には、前記傾斜溝に沿って複数個の前記ブロックが配列されたブロック列が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記各継ぎ溝は、それぞれタイヤ周方向に対して5°以下の角度θ1を有する一対の端部と、タイヤ周方向に対して前記端部の角度θ1よりも大きい角度θ2を有する中央部とを含む請求項4記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記中央部は、前記傾斜溝と逆向きに傾斜している請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッド部の展開図において、前記継ぎ溝は、前記傾斜溝の傾斜と逆向きの傾斜軸線に沿って並べられている請求項4乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記傾斜溝は、直線状であり、
    前記継ぎ溝は、ジグザグ状であり、
    前記ブロックの踏面は、ジグザグ状である請求項4乃至7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ブロック列のタイヤ軸方向の最大長さは、トレッド接地幅の60%〜90%である請求項1乃至8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記トレッド部は、ランド比が60%〜75%である請求項1乃至9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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