JP2017128277A - 走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーブ走行中においてカーブ内側の走行区画線を認識できなくなってしまう恐れを低減できる走行制御装置を提供する。【解決手段】走行制御ECU1は、車載カメラ2の撮像画像から走行車線の区画線の位置を認識する画像処理部11と、自車両前方の道路の構造を示す前方道路情報を取得する道路情報取得部13と、前方道路情報に基づいて走行軌道を計画する走行軌道計画部14を備える。走行軌道計画部14は、自車両前方にカーブが存在する場合、予め設定されている基本軌道決定手法に基づき、当該カーブでの走行軌道を仮設定する。そして、その仮設定した走行軌道に沿ってカーブを走行した場合の、車載カメラ2がカーブ内側の区画線を撮像できる量である撮像量を予測する。予測した撮像量が、区画線認識部112が撮像画像から内側区画線の位置を認識するための認識要件を充足しない場合には、カーブでの走行軌道を内側維持軌道へと変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両を自動走行させる機能を提供する走行制御装置に関する。
従来、自車両の周辺領域(例えば車両前方)を撮影する車載カメラが撮影した画像を解析したり、レーザレーダにより区画線からの反射光を検知したりすることで、車線の境界としての区画線を検出し、撮影画像中における区画線の位置に基づいて、自車両が現在走行している車線(以降、自車走行車線)内における走行位置を特定する技術が知られている。
また、そのように特定された自車走行車線内における走行位置を示す情報は、ドライバのステアリング操作を支援する処理や、車両を所定の走行経路に沿って自動的に走行(つまり自動走行)させる処理に利用される。例えば特許文献1には、車載カメラの撮影画像から特定される区画線の位置に基づいて、自車両が車線中央付近を走行するようにドライバのステアリング操作を支援する技術が開示されている。
特開2007−334450号公報
自車走行車線内における自車両の走行位置を特定するためには、車載カメラが自車走行車線の境界を示す区画線(以降、走行区画線)を撮像できている必要がある。しかしながら、道路の形状は様々であり、走行している間いつも走行区画線を撮像できるとは限らない。
例えば、カーブを走行する場合、カーブ内側に設けられている走行区画線は、車載カメラの撮影範囲から外れやすい。換言すれば、カーブを走行する場合には、カーブ内側の走行区画線が車載カメラの撮影画像に映り込む量は、直線路を走行している場合に比べて低減される。このような傾向は、カーブの曲率半径が小さいほど強まる。さらに、カーブ内側に設けられている走行区画線が破線やボッツドッツなどの不連続に配置されたオブジェクトによって実現されている場合には、当該走行区画線が車載カメラの撮像画像に映り込む量はより一層低減される。
つまり、カーブ走行中にはカーブ内側の走行区画線(以降、内側区画線)の位置を認識できなくなってしまう場合がある。当然、内側区画線の位置が認識できていない場合には、車線内の走行位置に応じた支援や走行制御を実施することが困難となる。
なお、ここでは、区画線の位置を認識するための情報を取得する装置(以降、撮像装置)として車載カメラを採用した場合を例にとって本発明が解決しようとする課題について説明したが、これに限らない。撮像装置は、背景技術の冒頭でも述べた通り、レーザレーダであってもよい。撮像装置としてレーザレーダを採用した場合にも、撮像装置が車載カメラである場合と同様の課題が生じる。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、カーブ走行中においてカーブ内側の走行区画線を認識できなくなってしまう恐れを低減できる走行制御装置を提供することにある。
その目的を達成するための本発明は、車両で用いられ、車両の前方に存在する道路の構造を示す情報である前方道路情報を取得する道路情報取得部(13)と、車両周辺の所定範囲を撮像する撮像装置の撮像画像を取得する画像取得部(111)と、車両の現在位置を特定する現在位置特定部(12)と、撮像画像における区画線の位置を認識する区画線認識部(112)と、車両が走行している車線の境界を示す区画線である走行区画線に対する車両の走行軌道を計画する走行軌道計画部(14)と、走行軌道計画部が計画した走行軌道に沿って車両が走行するための制御を実施する車両制御部(15)と、走行軌道計画部が計画した走行軌道に沿って車両の前方に存在するカーブを走行した場合に、撮像装置がカーブ内側の走行区画線である内側区画線を撮像できる量である撮像量が、区画線認識部が撮像画像から内側区画線の位置を認識するための認識要件を充足するか否かを、車両における撮像装置の取り付け位置及び撮像可能範囲を示す撮像パラメータと、前方道路情報と、に基づいて判定する認識要件判定部(143)と、を備え、走行軌道計画部は、認識要件判定部がカーブにおける撮像量が認識要件を充足しないと判定した場合、撮像量が大きくなるように走行区画線に対する走行位置を変更した走行軌道を再計画することを特徴とする。
以上の構成では、認識要件判定部によって、カーブ走行時における内側区画線の撮像量が、区画線認識部がカメラの撮像画像から内側区画線の位置を認識するための認識要件を充足しないと判定された場合、走行軌道計画部は、内側区画線の撮像量が大きくなるようにカーブでの走行軌道を修正する。このような構成によれば、カーブ走行中において内側区画線を撮像できる量を増加させることができる。その結果、カーブ走行中においてカーブ内側の走行区画線を認識できなくなってしまう恐れを低減できる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
走行制御システム100の概略的な構成を示すブロック図である。 車線の境界を示す区画線の実現態様の一例を示す概念図である。 車線の境界を示す区画線の実現態様の一例を示す概念図である。 走行軌道計画処理に対応するフローチャートである。 図4に示すフローチャートの続きである。 従来構成の作動を表す概念図である。 本実施形態の作動及び効果を説明するための図である。 本実施形態の作動及び効果を説明するための図である。 変形例1の作動を説明するための図である。 実施形態によって定まる走行軌道の一例を表す概念図である。 変形例3の走行制御ECU1が実施する処理の手順を説明するためのフローチャートである。 変形例3の作動及び効果を説明するための図である。 変形例7における走行制御システム100の構成を示すブロック図である。 変形例7における走行制御ECU1の作動及び効果を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。図1は、本発明に係る走行制御装置が適用された走行制御システム100の概略的な構成の一例を示す図である。走行制御システム100は、車両に搭載されており、図1に示すように走行制御ECU1、車載カメラ2、GNSS受信機3、地図データ記憶部4、操舵ECU5、動力制御ECU6、及びブレーキECU7を備える。走行制御ECU1が請求項に記載の走行制御装置に相当する。便宜上、走行制御システム100が搭載されている車両を以降では自車両とも記載する。
<全体の構成>
走行制御ECU1は、車載カメラ2、GNSS受信機3、地図データ記憶部4、操舵ECU5、動力制御ECU6、及びブレーキECU7のそれぞれと相互通信可能に接続されている。走行制御ECU1は、自分自身と接続している各部材から入力される信号に基づいて自車両の速度と操舵角を自動制御するECU(Electronic Control Unit)である。つまり、走行制御ECU1は、自動走行機能を提供する。例えば、走行制御ECU1は、操舵ECU5と協働して自車両の操舵角を制御したり、動力制御ECU6と協働して自車両を加速させたり、ブレーキECU7と協働して自車両の車速を減速させたりする。
この走行制御ECU1は通常のコンピュータとして構成されており、CPU、RAM、フラッシュメモリ、ROM、I/O、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えている。フラッシュメモリには、通常のコンピュータを走行制御ECU1として機能させるためのプログラム(以降、走行制御プログラム)や、後述するカメラパラメータ等が格納されている。この走行制御ECU1が提供する機能の詳細は後述する。
車載カメラ2は、光学式のカメラであって、例えばCMOSカメラやCCDカメラ等を用いることができる。車載カメラ2は、自車両前方の所定範囲を撮像するように、例えばウインドシールド上端部等に設置される。車載カメラ2が撮像した画像データは逐次走行制御ECU1に提供される。なお、他の態様として車載カメラ2は、赤外線カメラや近赤外線カメラなどであってもよい。さらに、車載カメラ2はステレオカメラであってもよい。
車載カメラ2の自車両における設置位置や、取付姿勢、撮像画角、レンズの歪み係数、焦点距離、画素サイズ、画素比などのデータは、前述のカメラパラメータとしてフラッシュメモリに登録されている。また、撮像画角のうち、後述する区画線の認識処理に利用可能な画角(以降、有効画角)もまた、カメラパラメータとして登録されている。
車載カメラ2の設置位置は、車両の所定の基準点に対する車幅方向の位置や、前後方向の位置、高さ方向の位置などによって表されれば良い。また、車載カメラ2の取付姿勢は、例えば、車両の前後方向、車幅方向、上下方向のそれぞれに対する車載カメラ2の光軸の為す角度(つまり、ロール角、ピッチ角、ヨー角)によって表されれば良い。
なお、カメラパラメータは、上述した全ての情報を備えている必要はない。少なくとも設置位置及び取付姿勢(いわゆる設置位置と向きが一意に定まる6自由度の値)と、有効画角を含んでいれば良い。
GNSS受信機3は、衛星航法システムであるGNSS(Global Navigation Satellite System)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信し、受信した航法信号に基づいて現在位置を逐次算出する。現在位置を示す位置情報は、例えば、緯度、経度、高度により表されればよい。現在位置は所定の座標系を用いて表されればよい。GNSS受信機3が算出した現在位置を示す位置情報は、逐次走行制御ECU1に提供される。
地図データ記憶部4は、道路の接続関係や、道路の形状(換言すれば道路構造)等を示す道路地図データを記憶している。地図データ記憶部4は、ハードディスクドライブや、メモリカードによって実現されればよい。また、他の態様として地図データ記憶部4は、車両外部に設けられたセンタが備えるデータベースであってもよい。その場合、走行制御ECU1は、広域通信網を介して地図データ記憶部4としてのデータベースにアクセス可能な構成となっているものとする。
道路地図データは、ノード毎のノードデータと、リンク毎のリンクデータを含む。ノードとは、例えば複数の道路が交差、合流、分岐する地点などといった、道路の接続関係を表す上で適宜設定される地点であり、リンクとは、ノード間を結ぶ道路である。
ノードデータは、ノードID、ノード座標、ノード名称、ノード種別、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、接続リンク間の接続角度等を備える。
リンクデータは、リンクID、リンク長、リンク形状、リンクの始端と終端とのノード座標(緯度/経度)、道路幅員、車線情報、制限速度等を備える。車線情報には、そのリンクが備える車線の数や、車線の幅員(以降、車線幅)、車線毎の区画線についての情報を示す区画線情報が含まれる。
ここでの区画線とは、例えば白線や黄線、ボッツドッツ等といった、車線の境界を示すための道路上に配置されている線又は点列を指す。区画線情報としては、その区画線が、どのような態様によって実現されているかを表している。実現態様としては、黄色や白色の実線で実現されているパターン(以降、実線パターン)や、白色の破線で実現されているパターン(以降、破線パターン)、ボッツドッツ、キャッツアイ等がある。区画線情報は、車線の進行方向右側と左側のそれぞれの区画線についての情報を含む。
なお、本実施形態ではより好ましい態様として、区画線が、図2や図3に示すように破線パターンや、ボッツドッツなどの不連続パターンで実現されている場合には、区画線として機能する個々の要素が進行方向に沿って配置されている間隔(以降、クリアランス)L1を区画線情報として備えるものとする。また、区画線が破線パターンで実現されている場合には、そのペイントが施されている部分の長さ(以降、ペイント長)L2も、区画線情報に含まれる。もちろん、これらの情報を地図データとして備えることは、より好ましい態様であって必須ではない。図2、図3中の破線は、車線の境界を表しており、矢印は車線の進行方向を表している。車線は、区画線によって区画される帯状の車道部分を指す。
操舵ECU5は、操舵軸を回転させる操舵アクチュエータを制御することで、自車両の操舵角を制御するECUであり、走行制御ECU1から操舵指示を受信した場合には、操舵指示に基づいて操舵角を変化させる。
動力制御ECU6は、自車両の動力源が発生する動力を制御するECUである。動力源としては、エンジンやモータがある。走行制御ECU1から、加速指示を受信した場合には、動力制御ECU6は、動力源が発生する動力を増加させることで、自車を加速させる。ブレーキECU7は、ブレーキアクチュエータを制御するECUであり、走行制御ECU1から減速指示を受信した場合には、減速指示に基づいて自車両を減速させる。
なお、本実施形態では一例として走行制御ECU1は、操舵ECU5などの他のECUを介して操舵アクチュエータなどのメカシステムを制御する態様とするが、これに限らない。他の態様として走行制御ECU1が直接的にメカシステムを制御してもよい。
<走行制御ECU1の機能について>
次に、走行制御ECU1が備える機能について説明する。走行制御ECU1は、CPUが上述の走行制御プログラムを実行することによって実現される機能ブロックとして、画像処理部11、現在位置特定部12、道路情報取得部13、走行軌道計画部14、及び車両制御部15を備える。画像処理部11は、より細かい機能ブロックとして画像取得部111、及び区画線認識部112を備える。走行軌道計画部14は、より細かい機能ブロックとして基本軌道計画部141、撮像量予測部142、認識要件判定部143、及び軌道修正部144を備える。
なお、走行制御ECU1が備える機能ブロックの一部又は全部は、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に実現してもよい。また、CPUによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
画像取得部111は、車載カメラ2が撮像した画像のデータを逐次取得する。区画線認識部112は、画像取得部111が取得した画像データを解析することで、撮像画像における区画線を撮像している部分を検出(換言すれば認識)する。つまり、撮像画像内における区画線の検出は、動的輪郭モデル(Active Contour Model)を用いた解析手法や、ハフ変換を用いた解析手法等、周知の方法を用いて実現できる。
そして、区画線認識部112は、画像中における区画線の位置と、カメラパラメータとに基づいて、自車両に対する区画線の位置を特定し、区画線に対する自車両の走行位置や姿勢等を認識する。なお、区画線認識部112が区画線の位置を認識するためには、後述する認識要件が充足されている必要がある。
ここでの走行位置とは、車線内の車幅方向における自車両の位置であって、右側の区画線と左側の区画線のそれぞれからの距離を表す。画像中における区画線の位置と、カメラパラメータとに基づいて、走行位置を特定する処理も、周知の方法を用いて実施すれば良い。便宜上以降では、道路上に設けられている種々の区画線のうち、走行車線の境界を示す区画線を走行区画線とも記載する。区画線認識部112が特定した走行位置は、走行軌道計画部に逐次提供される。
現在位置特定部12は、GNSS受信機3での測位結果に基づいて、自車両の現在位置を特定する。また、現在位置特定部12は、特定している現在位置と、地図データ記憶部4が記憶している地図データに基づいて走行車線を特定する。
なお、現在位置特定部12は、自車両に搭載されている図示しないジャイロセンサや加速度センサ等の検出値を用いて、GNSS受信機3の検出結果を補正して用いることで、現在位置や走行車線を特定しても良い。さらに、後述する道路情報取得部13が取得する道路地図データを用いてマップマッチング処理を実施することによって、現在位置及び走行車線を特定してもよい。
マップマッチング処理は、複数時点における車両の進行方向や車速、位置情報から車両の走行軌跡を求め、この車両の走行軌跡と地図情報から得た道路形状とを比較して車両の現在位置を特定する処理である。マップマッチング処理は周知の技術であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、現在位置特定部12は、GNSS受信機3の測位結果に加えて、画像処理部11と協働し、車載カメラ2の撮像画像に基づいて、自車両の現在位置や走行車線を特定してもよい。
道路情報取得部13は、自車両前方(換言すれば進行方向)に存在する道路の構造を示す情報(以降、前方道路情報)を取得する。ここでの前方道路情報には、自車両が走行している車線(以降、走行車線)の幅や、現在位置から所定距離以内における走行車線の形状、走行車線及び隣接車線の区画線情報等が含まれる。走行車線の形状には曲率半径などが含まれる。
本実施形態では一例として、道路情報取得部13は、前方道路情報として、自車両がこれから走行する道路に対応するリンクデータやノードデータを取得する。具体的には、現在位置特定部12が特定している現在位置から定まる自車両が現在走行しているリンクと、当該リンクに対して道なりに接続するリンクのデータを取得する。
つまり、道路情報取得部13は、現在位置特定部12が特定している現在位置周辺の地図データを地図データ記憶部4から読み出す。リンクデータには、道路の形状や車線情報が含まれているためである。なお、道路情報取得部13は、目的地までの走行経路を示す情報を参照することで、自車両がこれから走行する道路(換言すれば読み出すべきリンクデータ)を特定してもよい。
また、本実施形態では地図データ記憶部4から前方道路情報を取得する態様とするが、これに限らない。画像処理部11が車載カメラ2により撮像された画像を解析することで、前方道路情報を取得してもよい。その場合、画像処理部11が、道路情報取得部13として機能する。さらに、走行制御ECU1は、地図データと、車載カメラの撮像画像に基づく環境認識とを併用して、前方道路情報を取得してもよい。例えば区画線情報は、車載カメラの撮像画像を解析することで特定してもよい。
走行軌道計画部14は、道路情報取得部13が取得している前方道路情報に基づいて、自車両の走行軌道を計画する。ここでの走行軌道とは、道路上の区画線に対してどの位置を走行するかを表したものである。走行軌道計画部14は、現在の走行車線内の走行位置だけでなく、他の車線への車線変更が必要であると判定した場合には、車線変更を実施する地点や、車線変更先の車線における走行位置等も計画する。走行軌道計画部14が備える基本軌道計画部141や、撮像量予測部142、認識要件判定部143、軌道修正部144については別途既読計画関連処理の説明の中で言及する。
車両制御部15は、走行軌道計画部14が計画した走行軌道に沿って自車両が走行するように、操舵ECU5や、動力制御ECU6、ブレーキECU7に指示を出力する。
走行制御ECU1は上述した種々の機能ブロックが協働することで前述の自動走行機能を提供する。なお、走行制御ECU1は、自動走行モードとして、標準制御モードと、単区画線基準モードを備える。標準制御モードは、区画線認識部112が自車両両側の区画線を認識できている状態における動作モードであって、両側の区画線の位置に基づいて、走行車線における自車両の姿勢や走行位置を特定し、種々の制御目標量を決定する。
単区画線基準モードは、自車両の片側の区画線を区画線認識部112が認識できていない状態における動作モードである。単区画線基準モードでは、認識できている方の区画線の位置に基づいて、自車両の姿勢や走行位置を特定し、種々の制御目標量を決定する。ここでは、カーブ走行時において、カーブ外側の区画線を基準として自車両の姿勢や走行位置を特定する単区画線基準モードを、外郭線基準モードとも記載する。ここでのカーブとは曲率半径Rが所定の閾値未満となっている区間を指す。
<走行軌道計画処理>
次に、図4及び図5に示すフローチャートを用いて、走行制御ECU1が走行軌道を計画するために実施する一連の処理(以降、走行軌道計画処理)について説明する。この走行軌道計画処理は、所定の周期で定期的に開始されればよい。
まず、ステップS1では画像取得部111が車載カメラ2の撮像画像を取得してステップS2に移る。ステップS2では現在位置特定部12が、GNSS受信機3の測位結果に基づいて、自車両の現在位置を特定してステップS3に移る。なお、ステップS2に伴って道路情報取得部13が前方道路情報を取得する。ステップS3では現在位置特定部12が、先のステップS2で特定した現在位置に基づいて走行車線を特定してステップS4に移る。
ステップS4では基本軌道計画部141が、自車両の現在位置、走行車線、及び前方道路情報に基づいて、予め設定された基本軌道決定手法に基づき自車両の走行軌道を計画してステップS5に移る。例えば、基本軌道計画部141は、曲率半径Rが所定の閾値以上となっている区間である直線区間(つまり直線路)においては、走行車線の幅方向における中央部(以降、車線中央部)を走行するように走行軌道を計画する。また、カーブにおいては、走行軌道の曲率半径Rが同一車線内において最大となるように、アウトインアウト方式の軌道を計画する。つまり、カーブの開始地点及び退出地点では、走行位置を車線中央部よりもカーブ外側に寄せ、かつ、カーブの開始地点と退出地点の中間地点付近では、走行位置を車線中央部よりもカーブ内側の区画線に寄せた軌道を計画する。これにより、乗員や車体に作用する遠心力を抑制し、車両走行の安定性を向上させる。
また、基本軌道計画部141は、直線区間においても、カーブが開始する地点から所定距離手前となる地点からは、カーブでの走行軌道となめらかに接続するように、走行位置をカーブ外側に所定の幅寄せ比率で寄せていく走行軌道を計画する。カーブが終了する地点からも徐々に所定の幅寄せ比率でカーブ外側から車線中央部へと寄せていく軌道を計画する。幅寄せ比率は、進行方向への走行距離に対する車幅方向への移動距離の比率を表すものであって、具体的な値は適宜設計されればよい。
基本軌道計画部141は、カーブでの走行位置を外側区画線寄り又は内側区画線寄りに設定する場合、走行位置が区画線から最小マージン以上離れるように走行軌道を計画する。最小マージンは、車両が安全に走行するためのパラメータとして適宜設計されれば良い。
なお、走行軌道を計画する上で用いられる走行車線の曲率半径Rは、前方道路情報に示される道路形状を解析することで特定すればよい。直線区間とカーブとを切り分けるための閾値は、適宜設計されればよく、例えば500メートルなどとすればよい。道路形状から曲率半径Rを特定する方法は周知の方法を援用すればよい。
また、基本軌道計画部141が走行軌道を計画する範囲(以降、軌道計画範囲)は、適宜設計されれば良い。例えば軌道計画範囲は、一定距離としてもよいし、自車両の走行速度に応じた長さとしてもよい。軌道計画範囲を自車両の走行速度に応じた長さとする場合には、走行速度が大きいほど長くすればよい。本実施形態では一例として基本軌道計画部141は、現時点から1分以内に通過する道路区間に対して走行軌道を計画するものとする。もちろん、軌道計画範囲は適宜設計されればよく、目的地までを軌道計画範囲としてもよい。
ステップS5では撮像量予測部142が、道路情報取得部13が取得している前方道路情報に基づいて、自車両前方にカーブが存在するか否かを判定する。ここでの自車両前方が指す範囲も適宜設計されればよく、例えば500メートル程度とすればよい。また、自車両の走行速度に応じた長さとしてもよい。
自車両前方にカーブが存在する場合、ステップS5が肯定判定されてステップS6に移る。また、自車両前方にカーブが存在しない場合には、ステップS5が否定判定されて本フローを終了する。自車両前方にカーブが存在しない場合、車両制御部15は、基本軌道計画部141が計画した走行軌道に沿って自車両が走行するように制御を行う。
ステップS6では撮像量予測部142が、ステップS2で検出した前方カーブ走行中において、車載カメラ2が撮像可能なカーブ内側の区画線の量である撮像量を予測する。以降ではカーブ内側の区画線を単に内側区画線とも記載する。
撮像量の予測は、走行軌道上の一定距離毎の地点毎に実施してもよいし、撮像量が低減されると想定される予め設定された条件を満たす地点においてのみ実施する態様としてもよい。なお、撮像量が低減されると想定される地点とは、カーブでの走行軌道が車線中央部よりもカーブ外側となる地点や、内側区画線の接線方向に対して車載カメラ2の光軸方向がカーブ外側を向く地点とすればよい。
走行軌道上の或る地点での撮像量は、カメラパラメータと、車線幅Wと、曲率半径Rとに基づいて算出されれば良い。具体的には、車線幅W、曲率半径R、及び、その地点での走行位置(換言すれば内側区画線との離隔)に基づいて、車載カメラ2の有効撮像範囲に収まる内側区画線の長さ(つまり撮像量)を特定する。
ここでの有効撮像範囲とは、有効画角に対応する路面の撮像範囲であって、カメラパラメータによって定まる。撮像量は、区画線を示す実体(ペイント部分やボッツドッツ)が存在する領域だけでなく、クリアランス部分を含めた、区画線として機能する路面領域の長さとすればよい。もちろん、撮像量予測部142は、前方道路情報として内側区画線の区画線情報を取得できており、かつ、内側区画線が破線パターンやボッツドッツなどで実現されている場合には、内側区画線のクリアランスL1やペイント長L2などを用いて撮像量を特定することが好ましい。なお、以降において、クリアランス部分を含めた区画線として機能する路面領域、換言すれば、区画線を示す実体部材が存在しうる領域のことを、区画線存在領域とも記載する。
ステップS7では認識要件判定部143が、撮像量予測部142が予測したカーブ走行中での内側区画線の撮像量が、区画線認識部112が区画線の位置を認識するための要件である認識要件を充足するか否かを判定する。ここでは一例として、撮像量が所定の検出必要量以下となる状態が継続する時間(以降、ロスト継続時間)が、所定のロスト許容時間以上となる場合に、認識要件が充足しないと判定する。
検出必要量は、区画線認識部112が撮像画像から区画線を検出するために必要な、画像中の区画線の長さである。撮像量が所定の検出必要量以下となる状態(以降、ロスト状態)とは、撮像画像内に含まれる区画線部分の長さが短すぎたり、そもそも撮像画像に含まれていなかったりすることに起因して、撮像画像から区画線を検出できなくなる状態に相当する。検出必要量は、画像認識処理のアルゴリズムなどによって定まる。認識要件判定部143は、カーブ走行中において連続的に撮像量が所定の検出必要量以下となる区間を特定し、当該区間を走行する際の予定速度で除算することで、ロスト継続時間を算出する。
ロスト許容時間は、ロスト状態が継続することを許容する時間の上限値である。ロスト許容時間もまた、画像認識アルゴリズム等によって定まる値であって、適宜設計されれば良い。なお、ロスト継続時間を認識要件として含める理由は、瞬間的に車載カメラ2の有効撮像範囲から区画線が外れたとしても、一定時間以内に再び区画線を捕捉できれば、区画線の位置を認識できる可能性が高い(又は所定の認識精度を保証できる)ためである。
ステップS7において認識要件判定部143がカーブ走行中、認識要件が充足されないと判定した場合にはステップS7が否定判定されてステップS8に移る。一方、認識要件が充足されると判定した場合には、ステップS7が肯定判定されて本フローを終了する。
なお、認識要件が充足されると判定した場合、基本軌道計画部141が計画した走行軌道が実際の走行軌道として採用され、前方のカーブでの走行軌道はアウトインアウト方式に則った軌道となる。
ステップS8では軌道修正部144が、基本軌道計画部141が計画したカーブでの一連の走行軌道を、車線中央部よりカーブ内側であって、かつ、内側区画線とのマージンが所定値となる軌道(以降、内側保維持軌道)へと修正してステップS9に移る。内側区画線とのマージンは、車載カメラ2の有効画角や、検出必要用量等から定まる。内側区画線とのマージンは、予め設定されている最小マージン以上とする。本実施形態では一例として軌道修正部144は、内側維持軌道として、内側区画線とのマージンが最小マージン値となる軌道を計画するものとする。もちろん、内側維持軌道を形成するための内側区画線とのマージンは、最小マージン以上となる範囲において適宜設計されれば良い。
ステップS9では撮像量予測部142が、軌道修正部144によって修正された走行軌道を採用した場合の、カーブでの内側区画線の撮像量を予測してステップS10に移る。予測の方法はステップS6と同様である。
ステップS10では認識要件判定部143が、ステップS7と同様に、先のステップS9で予測された内側区画線の撮像量をもとに、カーブ走行中における内側区画線に対する認識要件が充足されるか否かを判定する。内側区画線に対する認識要件が充足されないと判定した場合にはステップS10が否定判定されてステップS11に移る。一方、認識要件が充足されると判定した場合には、ステップS10が肯定判定されて本フローを終了する。
なお、ステップS10において認識要件が充足されると判定された場合、車両制御部15は、実際の走行軌道として、軌道修正部144が修正して得られた走行軌道を採用する。つまり、前方のカーブの開始地点から退出地点までの走行軌道は、現在の走行車線内において、車線中央部よりもカーブ内側に寄せた軌道となる。
ステップS11では軌道修正部144が、道路情報取得部13が取得している前方道路情報に基づいて、現在の走行車線からみてカーブ内側となる方向に、走行車線と同じ方向を進行方向とする隣接車線(以降、内側隣接車線)が存在するか否かを判定する。内側隣接車線が存在する場合には、ステップS11が肯定判定されてステップS12に移る。一方、内側隣接車線が存在しない場合には、ステップS12が否定判定されてステップS16に移る。
ステップS12では撮像量予測部142が、1つ内側の車線に車線変更した場合の、前方カーブでの内側区画線の撮像量を予測する。ここで予測の対象とする内側区画線とは、内側隣接車線にとっての内側区画線である。
車線変更先での内側区画線の撮像量は、車線変更先でのカーブでの走行位置は車線中央部が維持されるものとして予測すればよい。もちろん、他の態様として、車線変更後のカーブでの走行軌道を、アウトインアウト軌道や内側維持軌道として、内側区画線の撮像量を予測してもよい。
ステップS13では、先のステップS12での予測結果に基づき、1つ内側の車線に車線変更することで、内側区画線に対する認識要件が充足されるか否かを判定する。認識要件が充足される場合にはステップS13が肯定判定されてステップS14に移る。一方、認識要件が充足されない場合にはステップS13が否定判定されてステップS11に戻る。なお、ステップS13が否定判定されてステップS11に戻った場合には、これまで車線変更先として想定していた車線よりもさらに1つカーブ内側の車線を対象として、ステップS11〜S13を実施する。
ステップS14では、ステップS13において認識要件を充足するという判定結果が得られた車線へと車線変更することを決定してステップS15に移る。ステップS15では軌道修正部144が、カーブへ進入するまでに先のステップS14で決定した車線へ車線変更することを組み込んだ走行軌道を計画して本フローを終了する。
ステップS16では現在の走行車線の外側区画線(以降、外郭線)のみで車両制御を実施する外郭線基準モードへ移行できるか否かを判定する。予測されるカーブでの外郭線の撮像量や道路の法定速度、自車両前後の車両の速度や位置から、外郭線基準モードを実施するために必要な要件(以降、モード移行要件)を充足していない場合、外郭線基準モードへは移行できないと判定してステップS18に移る。一方、カーブでの外郭線の撮像量が、モード移行要件を充足している場合には外郭線基準モードへ移行できると判定してステップS17に移る。モード移行要件は、走行車線に対する自車両の姿勢(走行位置も含む)の認識精度が自動走行を実施する上で十分であることを保証するための要件である。モード移行要件の具体的な内容は適宜設計されればよい。
ステップS17では、外郭線基準モードへと移行して本フローを終了する。ステップS18では、ドライバに運転操作の権限を移譲することを決定して本フローを終了する。なお、ドライバへの権限移譲は、ドライバによって運転操作の権限を受け取ることを示す操作が実施された場合に実行されればよい。
<実施形態のまとめ>
次に、以上で述べた本実施形態の作動及び効果について、比較構成を導入して説明する。ここでの比較構成とは、カーブでの走行軌道としてアウトインアウト方式のみを採用する構成とする。そのような比較構成では、前述の通りカーブの曲率半径Rや車線幅Wによっては内側区画線が認識できなくなってしまう場合がある。その結果、走行車線に対する自車両の姿勢の認識精度が低下し、自動走行を継続できなくなってしまう恐れがある。自動走行を実施するためには、走行車線に対する自車両の姿勢の認識精度が所定の閾値以上となっている必要があるためである。
特に、カーブにおいては区画線自体が湾曲しているため、片側だけの区画線に基づいて車線に対する自車両の姿勢を精度良く認識することは困難となる。そのため、仮に外郭線だけを目安に自動走行を継続する場合であっても、車線上における自車両の姿勢や走行位置の認識精度が悪化し、不自然な車幅方向の加速度(いわゆる横G)を発生させてしまう恐れが生じる。
なお、比較構成において内側区画線の撮像量が認識要件を充足しにくい地点とは例えば、図6に示すようにカーブへの進入する地点P1や、退出する地点P2などである。カーブへの進入する地点P1や退出地点P2の付近では、走行位置がカーブ外側寄りとなったり、車載カメラ2の光軸が内側区画線の接線方向に対してカーブ外側を向いたりし、内側区画線が有効撮像範囲の外側となりやすいためである。
一方、本実施形態の構成では、アウトインアウト方式の走行軌道では内側区画線の撮像量が認識要件を充足しなくなると予測される場合には(ステップS7 NO)、図7に示すようにカーブでの一連の走行軌道を、内側維持軌道に計画し直す。なお、図7中のQ1、Q2は図6におけるP1、P2に対応する地点を表している。内側維持軌道を採用することによって、内側区画線が有効撮像範囲の外側となる可能性を抑制し、内側区画線の撮像量が認識要件を充足する可能性を高めることができる。その結果、カーブ走行中において自動走行の継続が不能となったり、不自然な横Gを発生させたりする恐れを低減することができる。
また、上述した実施形態では、現在の走行車線内での走行位置の調整だけでは内側区画線を十分に撮像できないと判定した場合には(ステップS10 NO)、ステップS11からステップS14を実施することによって、認識要件を充足するという判定結果が得られるカーブ内側の隣接車線へと車線変更する走行軌道を計画する。このような態様によれば、内側区画線を認識できている状態を維持しつつ、カーブを走行できる可能性をより一層高めることができる。
ところで、カーブ内側の車線ほど、図8に示すように曲率半径Rが小さくなる。そのため、仮に内側隣接車線における内側区画線が破線パターンである場合には、現在の走行車線から内側隣接車線へと車線変更したとしても撮像量が認識要件を満たす可能性は小さい。換言すれば、カーブ内側となる車線に車線変更することで内側区画線の撮像量が認識要件を充足するようになる場合とは、車線変更先とする車線の内側区画線が実線パターンで提供されている場合である。内側区画線が実線パターンである場合には、クリアランス部分に由来する撮像量の低減が生じず、撮像量が増加することが期待できるためである。
なお、図8は、同一方向を進行方向とする2つの車線Ln1、Ln2を備える片側2車線のカーブにおいて、自車両がカーブ外側の車線Ln1を走行している状況を表している。図中のR1は車線Ln1の曲率半径Rを表しており、R2は車線Ln2の曲率半径Rを表している。車線Ln1の内側区画線は破線パターンで提供されており、車線Ln2の内側区画線は実線パターンで提供されている。
このような作動を鑑みれば、本実施形態におけるステップS11からステップS14の一連の処理は、内側区画線が実線パターンで提供される車線へ車線変更することを決定する処理に相当する場合がある。つまり、上述した実施形態は、現在の走行車線内での走行位置の調整だけでは内側区画線を十分に撮像できないと判定した場合に(ステップS10 NO)、実線パターンの内側区画線を有する隣接車線に車線変更する走行軌道を計画する態様を開示している。
なお、上述した実施形態では、内側の隣接車線に車線変更した場合の撮像量を予測し、内側の隣接車線に車線変更することで認識要件を充足できると判定した場合に、当該車線へ車線変更する走行軌道を計画する態様を例示したが、これに限らない。他の態様として、例えばステップS12〜S13の処理は、車線変更先の候補としている隣接車線の内側区画線が実線パターンで提供されているか否かを判定し、実線パターンで提供されている場合に当該隣接車線に車線変更することを決定する処理としてもよい。このような態様によっても、現在の走行車線内での走行位置の調整だけでは内側区画線を十分に撮像できないと判定した場合に(ステップS10 NO)、実線パターンの内側区画線を有する隣接車線に車線変更する走行軌道を計画することができる。
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。もちろん、下記の種々の変形例は、下記に示す1つ又は複数の他の変形例と組み合わせることが出来る。さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
なお、前述の実施形態で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[変形例1]
上述した実施形態では、内側区画線の撮像量が認識要件を充足する状態(以降、認識状態)を維持するための方策として、内側維持軌道を採用する他、カーブ内側の車線に車線変更することを選択可能な態様を例示したが、これに限らない。内側維持軌道を採用しても認識要件を充足できないと判定した場合には、ステップS16以降の処理を実施する態様としてもよい。つまり、カーブ内側の車線に車線変更することを検討することは必須の要素ではない。
[変形例2]
また、カーブでの認識状態を維持するための方策として、図9に示すように、カーブ外側の車線に車線変更することを選択できる態様としてもよい。カーブ外側の車線に車線変更すれば、曲率半径Rが大きくなり、内側区画線を有効撮像範囲に捉えることができる可能性が高まるためである。
例えば、ステップS10において現在の走行車線において内側維持軌道を採用しても認識状態を維持できないと判定した場合には、1つ外側の隣接車線に車線変更した場合の、前方カーブでの内側区画線の撮像量を予測する。
なお、車線変更先での撮像量は、例えば、車線変更先でのカーブでの走行位置は車線中央部が維持されるものとして予測すればよい。そして、カーブ外側の隣接車線に車線変更することで、カーブでの認識状態を維持できると判定した場合には、当該隣接車線に車線変更することを決定すればよい。もちろん、この変形例2は、上述した実施形態や変形例1と組み合わせることができる。
なお、以上によれば、カーブでの認識状態を維持するための方策(以降、認識状態維持方策)として、現在の走行車線内での走行軌道の修正、カーブ内側の隣接車線への車線変更、カーブ外側の隣接車線への車線変更を提案している。種々の認識状態維持方策を検討する優先順位は、適宜設計されればよい。
例えば、現在の走行車線内での走行軌道の修正、1つ内側の車線への車線変更、1つ外側の車線への車線変更、2つ内側の車線への車線変更の順番に、認識要件を充足できるか否かを判定していけば良い。種々の認識状態維持方策に対する優先順位は、カーブでの認識要件が充足された状態を維持するために必要となる車線変更の数が低減されるように設定することが好ましい。
また、1つ内側の隣接車線への車線変更と、1つ外側の隣接車線への車線変更の両方を、認識状態維持方策として採用可能な構成となっている場合には、どちらの方策を採用したほうが内側区画線の撮像量が多くなるかを撮像量予測部142が予測し、走行軌道計画部14が、予測される撮像量が多いほうの車線へ車線変更する走行軌道を計画する態様としてもよい。
[変形例3]
自車両がこれから走行する最初のカーブ(以降、第1カーブ)から、その次に走行するカーブ(以降、第2カーブ)に進入するまでの走行軌道は、第2カーブにおいて認識要件が充足されるか否かを考慮して計画することが好ましい。例えば図10に示すように、第2カーブの走行軌道として内側維持軌道を採用することによって、第1カーブから第2カーブの間に不必要な横Gを生じさせる恐れがあるためである。
具体的には次の通りである。図10は、第1カーブC1と第2カーブC2とが不必要な横Gを生じさせうる接続構造となっている場合の一例を表している。図10は、第1カーブC1と第2カーブC2とが近接しており、それぞれの旋回方向が左右逆となっている。また、第1カーブC1の曲率半径Rは認識状態を継続できるほど十分に大きい一方、第2カーブC2の曲率半径Rは認識状態を継続できないほど小さい値となっている。図中のStは、第1カーブC1と第2カーブC2とを接続する直線区間を表している。
このような道路構造となっている場合、走行軌道計画部14は第1カーブC1に対してはアウトインアウト方式の走行軌道を計画するため、自車両は、当該走行軌道に則って第1カーブC1をアウトインアウトで走行し、第1カーブC1を退出すると自車両は車線右側から車線中央部に向かい始める。しかし、走行軌道計画部14は第2カーブC2に対して内側維持軌道を計画するため、車両制御部15は、車線中央部に戻る途中、又は戻ってから所定の時間(例えば5秒)が経過しないうちに、カーブ内側に相当する車線右側へと走行位置を寄せ始める。
その結果、直線区間Stにおいて、車線の右側から車線中央部に戻ろうとする動きと、車線中央部から車線右側に寄せようとする動きが相対的に短い時間に実施され、乗員に横Gを感じさせてしまう恐れが生じる。また、このような軌道は、燃費等の観点からも効率的ではない。
そこで、本変形例3の走行軌道計画部14は、第1カーブから所定の距離以内に第2カーブが存在する場合には、第1カーブだけでなく第2カーブまでの一連の走行軌道を計画する。
なお、第1カーブと第2カーブとが所定距離以上離れている場合には、上述した問題が生じにくい。また、直線区間Stを走行する時間が相対的に長い場合、車線の右側に寄ったまま走行し続けるよりも車線中央部に戻ったほうがよい。そのため、ここでは第2カーブまでの一連の走行軌道を計画する条件として、第1カーブと第2カーブとが所定の距離以内となっていることを採用している。所定距離は適宜設計されればよい。もちろん、他の態様として、第1カーブと第2カーブとの距離に関わらず、第2カーブまでの一連の走行軌道を計画してもよい。
この変形例3における走行制御ECU1は例えば図11に示す手順で作動すればよい。なお、以下の処理の準備処理として、走行軌道計画部14は、道路情報取得部13が第1カーブの道路構造を示す第1カーブ情報と、第2カーブの道路構造を示す第2カーブ情報が含む前方道路情報を取得した場合、第1カーブと第2カーブとが所定距離以内となっているか否かの判定を行うものとする。以下の処理は、前方道路情報に基づき、第1カーブから第2カーブまでの距離が所定距離以内となっていると判定した場合の処理である。
まず、ステップS100では、前述の実施形態と同様の手順で第1カーブでの走行軌道である第1カーブ軌道を決定し、第1カーブ退出地点での走行位置を決定する。これにより、第1カーブを退出する時点(換言すれば直線区間への進入時点)の走行位置が、車線中央部よりも右側であるか左側であるかが定まる。便宜上、車線中央部に対して第1カーブを退出する時点での走行位置が属する側を、第1カーブ退出サイドと記載する。第1カーブを退出する時点での走行位置が請求項に記載の第1カーブ退出位置に相当する。
次に、ステップS200では、第2カーブでの走行軌道である第2カーブ軌道を前述の実施形態と同様の手順で決定し、第2カーブ進入地点での走行位置を決定する。これにより、第2カーブに進入する時点(換言すれば直線区間を退出する時点)での走行位置が、車線中央部よりも右側であるか左側であるかが定まる。便宜上、車線中央部に対して第2カーブに進入する時点での走行位置が属する方向を、第2カーブ進入サイドと記載する。第2カーブに進入する時点での走行位置が請求項に記載の第2カーブ進入位置に相当する。
ステップS300では、第1カーブ退出サイドと第2カーブ退出サイドとが一致しているか否かを判定し、一致している場合にはステップS400へ移る。また、一致していない場合にはステップS500へ移る。
ステップS400では、第1カーブと第2カーブとを接続する直線区間の走行軌道として、車線中央部へは戻らずに、第1カーブの退出時点での走行位置から第2カーブ進入時点での走行位置へ直接向かう軌道を計画する。ステップS500では、第1カーブから所定距離以内に第2カーブが存在しない場合と同様に、いったん車線中央部に戻ってから第2カーブでの走行軌道と滑らかに接続する軌道を計画する。
以上のような構成によれば、例えば図10で示したような道路構造となっている場合であっても、図12に示すように、第1カーブを退出してから第2カーブに進入するまでの間において不要な横移動を実施しない、効率的な軌道を計画することができる。その結果、直線区間走行中に、乗員に横Gを感じさせてしまう恐れを低減できる。
[変形例4]
GNSS受信機3の受信状況を悪い場合には測位精度が劣化し、車線内の詳細な自車位置が不明となってしまう場合も想定される。そのように現在位置の信頼度が低下している場合であって、かつ、前方のカーブの走行軌道として内側維持軌道が設定されている場合、車両制御部15は、どのタイミングで車線中央部からカーブ内側の区画線に向けて走行位置を寄せ始めれば良いかを判定することが困難となる。カーブまでの正確な残り距離が不明となるためである。
この変形例4に開示する走行制御ECU1は、そのような状況に対応するものであって、具体的には次のように実現されればよい。
まず、現在位置特定部12は、GNSS受信機3の測位結果に対する信頼度を評価するための指標となる情報を、GNSS受信機3から逐次取得し、GNSS受信機3の測位結果の信頼度を評価する。GNSS受信機3の測位結果に対する信頼度を評価するための指標となる情報とは、例えばGNSS受信機3が捕捉している航法衛星の数や、航法信号の受信信号強度、SN比等である。
そして、現在位置特定部12は、上述した指標に基づいて測位結果の信頼度が低レベルとなっているか否かを逐次判定し、その判定結果を車両制御部15に提供する。なお、現在位置特定部12は、GNSS受信機3による一定時間(例えば数秒)当りの測位結果の車幅方向におけるばらつき等を、信頼度を評価する上での指標として用いてもよい。
また、区画線認識部112は、現在の撮像画像において認識できている内側区画線の量を示す実撮像量を逐次算出し、走行軌道計画部14や車両制御部15に提供する。
車両制御部15は、走行軌道計画部14によって内側維持軌道が計画されている状態において、現在位置特定部12からGNSS受信機3の測位結果の信頼度が低レベルとなっている旨を示すデータが提供された場合には、区画線認識部112から提供される内側区画線の実撮像量を監視し始める。
そして、内側区画線の実撮像量が減少し始めたことや、所定の閾値以下となったことをトリガとして、走行位置をカーブ内側に寄せ始める。内側区画線の実撮像量が低下し始めたということは、カーブに進入したことを示唆しているためである。
なお、内側区画線の撮像量が不足しがちな状況であっても外郭線の位置については認識できるほど十分に撮像できていることが期待できる。そのため、車両制御部15は、外郭線の検出位置に基づいて内側区画線の位置を推定し、認識されている外郭線の位置と、推定した内郭線の位置とに基づいて、走行軌道に沿った走行位置となるように車両を制御すればよい。
このような態様によれば、現在位置の信頼度が低レベルとなっている場合であっても、適切なタイミングで走行位置をカーブ内側に寄せることができ、カーブ走行中でも区画線認識状態を維持できる可能性を高めることができる。
[変形例5]
カーブにおける内側区画線の撮像量が認識要件を充足するか否かは、カーブでの曲率半径Rや、車線幅W、区画線の実現態様などといった種々のパラメータが、各パラメータに対して適宜設定されている所定の条件(以降、要素条件とする)を充足しているか否かによって判定されてもよい。
例えば、認識要件判定部143は、曲率半径Rが所定の閾値Rth未満であって、かつ、内側区画線の実現態様が実線パターン以外である場合には、カーブ走行中の認識要件が充足しないと判定する。また、内側区画線の実現態様が、破線パターンであっても、クリアランスL1が所定の閾値以下である場合には、認識要件は充足されると判定してもよい。
各種の閾値は適宜設計されれば良い。また、曲率半径R以外のパラメータに対して設定する認識要素条件は、曲率半径Rに応じた条件としてもよい。なお、認識要件に関連する情報は道路情報取得部13によって取得される。
このような態様によれば、撮像量を示す具体的な数値を算出必要がないため、より簡略な処理によって認識要件が充足されるか否かを判定することができる。
[変形例6]
以上において基本軌道計画部141は、予め設定された基本軌道決定手法に基づく走行軌道(以降、基本軌道)として、アウトインアウト方式の軌道を計画する態様を例示したが、これに限らない。例えば、基本軌道計画部141は、カーブにおける基本軌道として、車線中央部を走行位置とする軌道を計画する態様としてもよい。また、カーブにおける基本軌道はインインアウト方式の軌道であってもよいし、アウトインイン方式の軌道であっても良い。つまり、基本軌道決定手法はどのような軌道を計画するものであっても良く、予め定義されていればよい。
なお、上述のインインアウト方式の軌道とは、カーブの開始地点から中間地点までは、走行位置を車線中央部よりもカーブ内側に寄せた軌道とし、かつ、退出地点では、走行位置を車線中央部よりもカーブ外側の区画線に寄せた軌道である。また、アウトインイン方式の軌道とは、カーブの開始地点では、走行位置を車線中央部よりもカーブ外側に寄せた状態とし、かつ、カーブの中間地点及び退出地点では、走行位置を車線中央部よりもカーブ内側の区画線に寄せた軌道である。
また、基本軌道をアウトインアウト方式とする場合であっても、実際の走行軌道を決定する方法は上述した方法に限らない。例えば、走行軌道計画部14は、いったんカーブの走行軌道の曲率半径が最大となるアウトインアウト方式の走行軌道を計画し、その走行軌道ではカーブ走行時の認識状態を維持できないと判定した場合、曲率半径を最大値よりも所定量小さくしたアウトインアウト方式の走行軌道を再計画する。そして、曲率半径を所定量小さくしたアウトインアウト方式の走行軌道の再計画を繰り返すことで徐々にカーブでの走行軌道を内側維持軌道に近づけていく態様としてもよい。その過程において、認識状態を維持できる走行軌道が得られた場合には、その軌道を実際の走行軌道として採用すればよい。
[変形例7]
夜間走行時などの車両周辺が相対的に暗くなっている場合、画像処理部11が車載カメラ2の撮像画像から区画線を認識するためには、区画線が配置されている路面が、ヘッドライト等の光源からの光によって照らされている必要がある。周辺が暗い場合、輝度不足に由来して、撮像画像に含まれているはずの区画線を検出することが困難となるためである。
したがって、車両周辺が暗いと判定できる場合には、ヘッドライトの照射範囲と区画線との位置関係を鑑みて、カーブでの認識要件が充足されるか否かを判定することが好ましい。なお、車両周辺が暗いか否かは、明るさを検出する周知の照度センサの出力や、ヘッドライトが点灯しているか否かに基づいて判定されればよい。
例えば走行制御ECU1は、ヘッドライトが点灯している場合に車両周辺が暗いと判定し、ヘッドライトの照射範囲と区画線との位置関係を鑑みて、認識要件が充足されるか否かを判定する。具体的には、撮像量予測部142は、ヘッドライトの照射範囲と車載カメラ2の有効撮像範囲とが重なる路面領域を真の有効撮像範囲として用いてカーブ内側区画線の撮像量を予測する。そして、認識要件判定部143がその撮像量に基づいて認識要件が充足されるか否かを判定する。
車両に対するヘッドライトの照射範囲は、ヘッドライトの照射角範囲等を示すパラメータに基づいて特定されれば良い。また、ヘッドライトが点灯しているか否かは、ヘッドライトの点灯状態を切り替えるスイッチの接続状態に基づいて判定されれば良い。なお、ヘッドライトの照射範囲は、ヘッドライトの点灯状態として備えうる、ハイビームとロービームとを区別して特定されることが好ましい。
[変形例8]
変形例7に関連し、自車両においてヘッドライトの路面に対する照射範囲(以降、照射態様)が調整可能に構成されている場合、前述の実施形態や種々の変形例に示す走行制御ECU1は、カーブ走行時、より多くの内側区画線に対して光を照射できるようにヘッドライトの照射方向を制御しても良い。そのような態様を変形例8とする。
この変形例8は、例えば図13に示すシステム構成によって実現されればよい。すなわち、走行制御ECU1は、車両内に構築された通信ネットワーク(つまり、LAN:Local Area Network)を介して、ライト制御ECU8と相互通信可能に接続されており、ライト制御ECU8はヘッドライトユニット9と相互通信可能に接続されている。
ヘッドライトユニット9は、光源としてのヘッドライト91と、ヘッドライト91の照射方向を車幅方向に変更するためのモータ92とを備える。モータ92は、ライト制御ECU8の指示に基づいて駆動し、車幅方向(換言すれば水平方向)におけるヘッドライト91の照射方向を変更する。
なお、ヘッドライトの照射方向を動的に制御する従来の技術としては、例えば、ステアリング舵角と車速に応じて、ロービームの照射方向を車幅方向にコントロールするAFS(Adaptive Front-lighting System)等がある。ヘッドライトの照射方向を変更する具体的な構成は、AFSシステム等で用いられる周知の構成を援用して実現することもできる。
ライト制御ECU8は、ヘッドライトユニット9の動作を制御するECUであって、ヘッドライト91の点灯/消灯を切り替えたり、モータ92と協働してヘッドライト91の照射方向を変更させたりする。
このような構成における走行制御ECU1は、例えば次のように作動すれば良い。すなわち、走行制御ECU1はまずステップS6において、道路情報取得部13が取得した前方道路情報と、基本軌道としての定義されている車線内での走行位置、現在のヘッドライト91の照射範囲とに基づいて、ヘッドライト91の照射範囲に含まれる区画線存在領域の長さ(以降、照射区画線量)を算出する。
そして、認識要件を充足するために必要な撮像量に対して照射区画線量が不足している場合には、ライト制御ECU8と協働して、照射区画線量が増える方向にヘッドライト91の照射方向を変更させる。例えば図14に示すように、前方カーブが右カーブである場合には、照射方向を車両の正面方向よりも右側に設定する。
そして、照射方向の変更だけでは認識要件を充足するために十分な照射区画線量を確保できない場合や、照射区画線量は十分であっても車載カメラ2の有効撮像範囲から定まる撮像量自体が十分ではない場合には、ステップS8からステップS15を実施することで、認識要件が充足される走行軌道を計画する。
なお、図14において、符号Cmrで示す領域は車載カメラ2の有効撮像範囲を表している。また、符号Hdftで示す領域は車両の正面方向を照射方向としている場合の照射範囲(換言すればデフォルトの照射範囲)を、符号Hchgで示す領域は照射方向変更後の照射範囲を、それぞれ表している。一点鎖線は区画線存在領域を表しており、一点鎖線上の実線部分が、ヘッドライト91の照射方向を変更することで得られる照射区画線量を表している。
照射方向を車両正面方向から変更させる角度(以降、変位角)θは、認識要件を充足するために必要な撮像量に対して、予測した照射区画線量が不足している量(以降、不足量)に応じた角度とすることが好ましい。また、変位角θは、前方カーブの曲率や操舵角に応じて予め設定されている量としてもよい。
以上の構成によれば、走行制御ECU1はヘッドライト91の照射範囲と区画線存在領域との重なりが不十分であると判定した場合には、照射方向を調整して照射区画線量の増加を試みる。そして、その試みを実施したとしても認識要件が充足されない場合には、認識要件が充足される走行軌道を再計画する。
したがって、以上の構成によれば上述した変形例7において、照射区画線量が不足していることに起因して余分に走行位置をカーブ内側に寄せた走行軌道を計画してしまう恐れを低減することができる。
なお、以上では、ヘッドライト91の照射方向を調整することで照射区画線量の増加を試みる態様を例示したが、これに限らない。例えば、ヘッドライトユニット9は、ヘッドライト91の光軸方向に対して照射光が拡がる範囲(換言すれば照射角度)を調整する照射角度機構を備える場合もある。そのような場合には、走行制御ECU1はヘッドライト91の照射角度を大きくすることで照射区画線量の増加を試みる態様としてもよい。もちろん、照射角度の調整と、照射方向の調整を組み合わせて、照射区画線量の増加を試みる態様としてもよい。
[変形例9]
車載カメラ2が水平方向における撮像方向(つまりヨー角)を調整できるように構成されている場合、走行制御ECU1は、上述した種々の認識状態維持方策と、車載カメラ2のヨー角の調整とを組み合わせて、撮像量の増加を試みてもよい。
例えば前方カーブが右カーブである場合には、車載カメラ2のヨー角を車両右側に所定角だけ向けさせる。ヨー角を変更させる角度は、前方カーブの曲率や、操舵角等に応じた値とすればよい。車載カメラ2の撮像方向をカーブ内側に向けさせることで、有効撮像範囲に含まれる区画線存在領域の長さ(すなわち、撮像量)の増加が期待できる。
したがって、この変形例9の構成によれば、車載カメラ2のヨー角を調整することで、基本軌道計画部141が計画した走行軌道から走行位置を内側区画線側に寄せる量を抑制したり、認識要件を充足させるための車線変更を実施したりする頻度を抑制したりすることができる。
[変形例10]
以上では、区画線の位置を認識するための情報を走行制御ECU1に提供する装置(請求項に記載の撮像装置)として、車載カメラ2を採用する態様を例示したが、これに限らない。撮像装置は、レーザレーダであってもよい。レーザレーダが取得する反射光の受光強度や検出距離等も、検知範囲に存在する物体の像を表す情報として機能するためである。レーザレーダの検出結果を示すデータもまた、請求項に記載されている撮像画像の概念に含まれる。
撮像装置としてレーザレーダを採用する場合、画像処理部11は、レーザレーダが検出するターゲットとの距離や、反射光の受光強度等を解析し、区画線の位置を認識すればよい。なお、レーザレーダが検出するターゲットとの距離や、反射光の受光強度等などから区画線を認識するためのアルゴリズムは周知のものを援用すれば良い。
[その他の変形例]
以上では、道路の形状を表す指標として曲率半径Rを採用する態様を例示したが、当然、曲率半径Rの代わりに、曲率(=1/R)を道路の形状を表す指標として採用してもよい。
また、以上では、車載カメラ2を車両前方の所定の範囲を撮像するように設置する態様を例示したが、これに限らない。車両後方や側方の所望の範囲を撮影するように設置されていても良い。撮像装置としてレーザレーダを採用する場合も同様である。車両に対する撮像装置の撮像範囲は適宜設計されれば良い。ただし、撮像装置は、自車両が走行している車線の境界を示す区画線を撮像できるように設定されている必要がある。具体的には、前輪又は後輪から所定距離以内となる範囲を撮像範囲に含むように構成されていることが好ましい。
100 走行制御システム、1 走行制御ECU、2 車載カメラ、3 GNSS受信機、4 地図データ記憶部、5 操舵ECU、6 動力制御ECU、7 ブレーキECU、11 画像処理部、12 現在位置特定部、13 道路情報取得部、14 走行軌道計画部、15 車両制御部、111 画像取得部、112 区画線認識部、141 基本軌道計画部、142 撮像量予測部、143 認識要件判定部、144 軌道修正部

Claims (8)

  1. 車両で用いられ、
    前記車両の前方に存在する道路の構造を示す情報である前方道路情報を取得する道路情報取得部(13)と、
    前記車両周辺の所定範囲を撮像する撮像装置の撮像画像を取得する画像取得部(111)と、
    前記車両の現在位置を特定する現在位置特定部(12)と、
    前記撮像画像における区画線の位置を認識する区画線認識部(112)と、
    前記車両が走行している車線の境界を示す前記区画線である走行区画線に対する前記車両の走行軌道を計画する走行軌道計画部(14)と、
    前記走行軌道計画部が計画した前記走行軌道に沿って前記車両が走行するための制御を実施する車両制御部(15)と、
    前記走行軌道計画部が計画した前記走行軌道に沿って前記車両の前方に存在するカーブを走行した場合に、前記撮像装置がカーブ内側の前記走行区画線である内側区画線を撮像できる量である撮像量が、前記区画線認識部が前記撮像画像から前記内側区画線の位置を認識するための認識要件を充足するか否かを、前記車両における前記撮像装置の取り付け位置及び撮像可能範囲を示す撮像パラメータと、前記前方道路情報と、に基づいて判定する認識要件判定部(143)と、を備え、
    前記走行軌道計画部は、前記認識要件判定部が前記カーブにおける前記撮像量が前記認識要件を充足しないと判定した場合、前記撮像量が大きくなるように前記走行区画線に対する走行位置を変更した前記走行軌道を再計画することを特徴とする走行制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記走行軌道計画部は、
    所定の基本軌道決定手法に基づき直線路及びカーブにおける前記走行軌道を計画するものであって、
    前記認識要件判定部は、前記基本軌道決定手法に基づいて計画されている前記走行軌道である基本軌道に沿って前記カーブを走行した場合に、前記カーブでの前記撮像量が前記認識要件を充足するか否かを判定し、
    前記走行軌道計画部は、前記認識要件判定部が前記カーブにおける前記撮像量が前記認識要件を充足しないと判定した場合、前記基本軌道よりもカーブ内側を走行する軌道を再計画することを特徴とする走行制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記道路情報取得部は、前記前方道路情報として、前記車両がこれから走行する最初のカーブである第1カーブについての第1カーブ情報と、その次に走行するカーブである第2カーブについての第2カーブ情報と、を取得し、
    前記走行軌道計画部は、
    前記第1カーブの前記走行軌道である第1カーブ軌道を計画することで、前記第1カーブを退出する時点での走行位置である第1カーブ退出位置を決定するとともに、
    前記第2カーブの前記走行軌道である第2カーブ軌道を計画することで、前記第2カーブに進入する時点での走行位置である第2カーブ進入位置を決定し、
    前記第1カーブ退出位置と前記第2カーブ進入位置とが車線中央部に対して同じ側となっている場合には、前記第1カーブと前記第2カーブとの間に存在する直線区間の前記走行軌道として、前記第1カーブ退出位置から前記第2カーブ進入位置へ直進で向かう軌道を計画することを特徴とする走行制御装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記現在位置特定部は、
    衛星航法システムが備える航法衛星が送信する航法信号に基づいて前記車両の現在位置を特定するものであって、
    前記航法信号の受信状況に基づいて、現在位置を示す位置情報の信頼度が低い状態であるか否かを判定し、
    前記区画線認識部は、直線区間走行中において、前記カーブでの前記内側区画線となる前記走行区画線の現在撮像できている量である実撮像量を特定し、
    前記車両制御部は、前記現在位置特定部によって前記信頼度が低い状態であると判定されており、かつ、前記カーブでの前記走行軌道として前記基本軌道よりもカーブ内側に寄せた軌道が採用されている状況において、前記区画線認識部が特定している実撮像量が減少し始めたことを検出した場合又は所定の閾値以下となった場合に、走行位置をカーブ内側に寄せ始めることを特徴とする走行制御装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項において、
    前記前方道路情報は、
    前記車両が現在走行している車線である走行車線と同一の方向を進行方向とする隣接車線が存在するか否かの情報と、
    前記走行車線及び前記隣接車線に設けられている前記区画線が実線パターンによって提供されているか否かを示す区画線情報と、を含み、
    前記走行軌道計画部は、前記カーブにおいてカーブ内側となる方向に前記隣接車線が存在し、かつ、前記カーブでの前記走行車線の前記内側区画線が実線パターンでなく、かつ、前記隣接車線の内側区画線が実線パターンとなっている場合には、前記カーブに進入するまでに前記隣接車線へ車線変更する前記走行軌道を計画することを特徴とする走行制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項において、
    前記前方道路情報は、前記車両が現在走行している車線である走行車線と同一の方向を進行方向とする隣接車線が存在するか否かの情報を含み、
    前記走行軌道計画部は、前記カーブにおいてカーブ外側となる方向に前記隣接車線が存在し、かつ、前記認識要件判定部によって前記カーブにおける前記撮像量が前記認識要件を充足しないと判定されている場合、前記カーブにおいてカーブ外側となる前記隣接車線へ前記カーブに進入するまでに車線変更する前記走行軌道を計画することを特徴とする走行制御装置。
  7. 請求項6において、
    前記走行軌道計画部は、
    前記走行車線内における走行位置を前記撮像量が大きくなるように再計画して得られる走行軌道での前記撮像量が前記認識要件を充足するか否かを再び判定し、
    再計画された前記走行軌道での前記撮像量が前記認識要件を充足しないと判定した場合には、前記カーブにおいて、カーブ外側となる方向とカーブ内側となる方向の両方に前記隣接車線が存在するか否かを判定し、
    前記カーブにおいてカーブ外側となる方向と、カーブ内側となる方向の両方に前記隣接車線が存在する場合には、どちらの方向の前記隣接車線に車線変更したほうが前記内側区画線の前記撮像量が多くなるかを判定し、
    前記内側区画線の前記撮像量が多くなる方の前記隣接車線へ、前記カーブに進入するまでに車線変更する前記走行軌道を計画することを特徴とする走行制御装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項において、
    前記車両における前記撮像装置の取り付け位置を示す撮像パラメータと、前記前方道路情報と、前記走行軌道に基づいて、前記カーブでの前記内側区画線の前記撮像量を予測する撮像量予測部(142)を備えることを特徴とする走行制御装置。
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