JP2017128792A - Acigs薄膜の低温形成方法およびそれを用いた太陽電池の製造方法 - Google Patents

Acigs薄膜の低温形成方法およびそれを用いた太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池の光吸収層として適用できるACIGS系薄膜を形成する方法に関し、相対的に低い温度で簡単な方法を用いて高効率を有するACIGS系薄膜を形成する方法の提供。【解決手段】Ag薄膜を形成する工程と、Ag薄膜の表面にCu、In、Ga及びSeを同時真空蒸着法で蒸着するACIGS形成工程と、で構成し、Cu、In、Ga及びSeを蒸着する過程でAg薄膜を構成するAgが全て拡散し、ACIGS形成工程の間に同時真空蒸発のCu、In、Ga及びSeと共にACIGSを形成する製造方法。Ag薄膜を形成し、その後CIGS元素を同時真空蒸発蒸着する、相対的に低い400℃以下、好ましくは300〜400℃の温度で1段階の同時真空蒸着法のみで発電効率が向上したACIGS薄膜を形成製造方法。ACIGS薄膜に含まれるAgの含有量がAg/(Ag+Cu)比で0.05〜0.25であることが好ましいACIGS薄膜の形成方法。【選択図】なし

Description

この研究は、韓国エネルギー技術研究院(KIER)の研究開発プログラムの枠組み(助成金第B5−2551号)、および韓国エネルギー技術評価院の国際共同エネルギー技術R&Dプログラム(財源は韓国産業通商資源部)(助成金第20138520011120号)を取得した。
本発明は、太陽電池の光吸収層として適用できるCIGS系薄膜を形成する方法に関し、さらに詳しくは、光電変換効率に優れたCIGS系薄膜を相対的に低温で形成できる方法に関する。
近年、深刻な環境汚染問題と化石エネルギーの枯渇により、次世代クリーンエネルギーの開発に対する重要性が増している。その中でも太陽電池は太陽エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であって、ほとんど公害を引き起こすことがなく、資源が無限であり、半永久的な寿命のため、未来のエネルギー問題を解決できるエネルギー源として期待されている。
太陽電池は、光吸収層に用いられる材料によって多様な種類に区分され、現在、最も多く用いられているものはシリコンを用いたシリコン太陽電池である。しかし、近年、供給不足によりシリコンの価格が急騰し、薄膜型太陽電池への関心が高まっている。薄膜型太陽電池は、薄い厚さに製作されるので、材料の消耗量が少なく、重さが軽いため、活用範囲が広い。このような薄膜型太陽電池の材料としては、高い光吸収係数を有するCIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン化物)が脚光を浴びている。これはCIGSを薄膜太陽電池の光吸収層として用いることで、高い変換効率が得られるためである。
このようなCIGS光吸収層を形成する方法は、光吸収層の効率向上のために開発されており、代表的な例としては、同時真空蒸着法や前駆体薄膜のSe/S系反応法が挙げられる。同時真空蒸着法については、CIGSを構成する元素を同時に蒸発させて蒸着する方法であり、近年、同時に蒸着される元素と温度とを3段階に分けて調整する3段階同時真空蒸着法が主に用いられている(参考文献:韓国登録特許第10−0977529号公報、韓国公開特許第10−2013−0007188号公報)。前駆体薄膜のSe/S系反応法は、Se又はS以外の元素で前駆体膜を形成し、その後SeやSを含むガス雰囲気中で熱処理することによって、セレン化又は硫化してCIGSを形成する方法である。
但し、これらの方法は処理が複雑であり、比較的処理時間が長く、そして処理温度が高いため、処理コストが増加するという欠点や、3段階同時真空蒸着法やセレン化又は硫化法の過程で温度が400℃を超えるため、適用できる基板が限定されるという短所がある。
本発明は、前述した従来技術の問題を解決するためのものであって、その目的は、相対的に低い温度で簡単な方法により高効率のCIGS系薄膜を形成する方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、Ag薄膜を形成する工程と、Ag薄膜の表面にCu、In、GaおよびSeを同時真空蒸着法を用いて蒸着するACIGS形成工程とを含むACIGS薄膜の形成方法を提供する。そのAg薄膜を構成するAgは、Cu、In、GaおよびSeが蒸着される間に完全に拡散され、ACIGS形成工程の間に真空同時蒸着されるCu、In、GaおよびSeと一緒にACIGSを形成する。
従来もCIGS系光吸収層においてCuの一部をAgに置換することにより形成されるACIGSを光吸収層として使用しようとする試みがあり、特にタンデム太陽電池の製造のためにバンドギャップを変化させる目的でACIGSを用いた例がある。
同時真空蒸着法は、1段階のCIGS同時真空蒸着法で行うことができ、300〜400℃の温度範囲で行われることが好ましい。
本発明において、ACIGS薄膜を形成する方法を改善し、相対的により簡単な1段階の同時真空蒸着法を適用でき、300〜400℃の相対的に低い温度範囲で効率に優れたACIGS薄膜を形成することができる。
そして、Ag薄膜の厚さは、製造対象であるACIGS薄膜に含まれるAgの含有量によって調整することができ、ACIGS薄膜に含まれるAgの含有量は、Ag/(Ag+Cu)比で0.05〜0.25の範囲内とすることができる。
本発明において、相対的に低温範囲で処理が行われるため、Agの含有量があまりに高い場合にはAgが均一に分散されず、したがって薄膜の組成が不均一となる。
Ag薄膜を形成する工程は、DCスパッタリング法で行うことができる。Ag薄膜を形成する方法は、それに限定されるものではないが、CIGS系太陽電池の後面電極としてMo電極層を形成する場合、DCスパッタリングが主に用いられるため、同じ方法を適用することが好ましい。
本発明の他の実施態様に係る太陽電池の製造方法は、CIGS系光吸収層を備える太陽電池を製造するために提供され、そのCIGS系光吸収層がACIGS薄膜の形成方法を用いて製造される。
本発明は、相対的に低温で単純な方法を用いてACIGS光吸収層を形成することを含む。光吸収層の形成方法以外の本願発明については、一般のCIGS系太陽電池の製造方法を制限なく適用できるので、詳細な説明は省略する。
本発明のACIGS薄膜の形成方法を使用する場合、ソーダライムガラス基板に含まれているNaが、光吸収層に他の基板よりもより多く拡散するので、ソーダライムガラス基板を適用することが好ましい。しかし、適用可能な基板の種類に特に制限があるわけではないため、ACIGS薄膜は、ステンレス、又はフレキシブル基板など多様な基板に制限なく適用され得る。
本発明のまた別の実施態様に係るACIGS薄膜は、CIGSにおいてCuをAgで部分的に置換することにより形成される。予め形成されたAg薄膜の表面に同時真空蒸着法を用いてCu、In、GaおよびSeを蒸着し、この同時真空蒸着法の間に蒸着により形成されるCIGS薄膜中にAg薄膜を構成するAgが全て拡散してCuをAgで置換し、それによりACIGS薄膜が形成される。
少量のAgが本発明の同時真空蒸着の間にさらに拡散され、それによりACIGS薄膜の結晶性が向上し、結果として結晶粒が相対的に大きくなり、表面のボイドも減少する。
このようなACIGS薄膜の微細構造は、太陽電池の効率向上に影響を及ぼす重要な特徴であって、従来のACIGS薄膜とは差別化される。しかし、この特徴を具体的に数値化することは難しく、その特徴は本発明の製造方法を用いて表現され、そのため微細構造の特徴は、本発明に係るACIGS薄膜の特徴を最も正確かつ明確に示すためにその製造方法を用いて説明される。
本発明の最後の実施態様に係る太陽電池は、CIGS系光吸収層を備え、そのCIGS系光吸収層が、ACIGS薄膜であり、予め形成されたAg薄膜の表面に同時真空蒸着法によりCu、In、GaおよびSeを蒸着し、同時真空蒸着法の間、蒸着により形成されるCIGS薄膜中に前記Ag薄膜を構成するAgが完全に拡散してCuをAgで置換し、それによりACIGS薄膜を形成する。本発明の太陽電池は、前記ACIGS薄膜を光吸収層として備えることを除いては、CIGS系太陽電池の構成を制限なく適用できるので、詳細な説明は省略する。
ACIGS薄膜のAg/(Ag+Cu)比は、0.05〜0.25の範囲とすることができる。Agの含有量があまりに少なければ、Ag薄膜による効率向上はわずかとなり、Agの含有量があまりに多ければ、光吸収層の組成不均一により太陽電池の発電効率がむしろ減少する。
また、本発明のACIGS光吸収層が製造される場合、ACIGS光吸収層はNaを含み、Naは他の基板よりもソーダライムガラス基板から相対的に多くの量が拡散されるため、ソーダライムガラス基板を用いることが好ましい。しかし、適用可能な基板の種類に特に制限があるわけではないため、ACIGS薄膜は、ステンレス、フレキシブル基板など多様な基板に制限なく適用され得る。
前述したように構成された本発明は、Ag薄膜を形成した後、CIGS元素を同時真空蒸発により蒸着することによって、相対的に低い400℃以下の温度で1段階の同時真空蒸着法のみを用いて発電効率が向上したACIGS薄膜を形成できる。
また、本発明の太陽電池は、所定の製造方法によって結晶性が向上したACIGS薄膜を光吸収層として備えることで、表面ボイドが減少し、結晶粒の配向性が向上して発電効率が向上する。
さらに、本発明の太陽電池は、特有の製造方法によって、Na(他の基板よりもソーダライムガラス基板から相対的に多くの量が拡散される)を含むACIGS光吸収層を備えることで、Na分散により発電効率の向上した太陽電池を提供できる。
本発明の上述のおよびその他の目的、特徴ならびに利益は、添付の図面と併せて次の詳細な説明からより明確に理解されるであろう。
Agの含有量による光吸収層の表面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の表面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の表面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の表面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。 Agの含有量による光吸収層のXRD測定結果を示す図である。 XRD(112)パターンを示す図である。 Agの含有量による光吸収層におけるAgおよびGaの分布を測定したSIMSプロファイルである。 Agの含有量による光吸収層におけるAgおよびGaの分布を測定したSIMSプロファイルである。 Agの含有量による光吸収層におけるAgおよびGaの分布を測定したSIMSプロファイルである。 Agの含有量による光吸収層におけるAgおよびGaの分布を測定したSIMSプロファイルである。 Agの含有量による光吸収層におけるNaの分布を測定したSIMSプロファイルである。 本発明の実施例および比較例の方法により製造された太陽電池に対するJ−V曲線を示す図である。 本発明の実施例および比較例の方法により製造された太陽電池に対する外部量子効率(external quantum efficiency)曲線を示す図である。 Agの含有量の関数として測定された開放電圧Vocを示す図である。 Agの含有量の関数として測定された短絡電流Jscを示す図である。 Agの含有量の関数として測定されたFF(曲線因子)を示す図である。 Agの含有量の関数として測定された変換効率を示す図である。
添付の図面を参照して本発明に係る実施態様を詳細に説明する。
本実施例による太陽電池の製造方法においては、まず基板を準備する。
太陽電池用基板は、多様な種類のものが用いられるが、CIGS太陽電池の効率を最も上げられるものとして知られているソーダライムガラス基板を用いられ、基板の厚さは1〜2mmである。
基板の表面には後面電極としてMo電極層を形成する。Moはソーダライムガラス基板と同様に、CIGS太陽電池の効率を上げられるものとして知られている後面電極材料であり、Mo電極層はDCスパッタリング装置を用いて1μmの厚さで形成される。
次に、Mo電極層の表面にAg薄膜を形成する。Ag薄膜は、Mo電極層と同じDCスパッタリング装置を用いて形成し、100〜360nmの範囲で多様な厚さとなるように形成し、最終的に形成されるACIGS薄膜に含まれるAgの含有量を調節する。
Ag薄膜の表面にCu、In、GaおよびSeソースを用いて同時真空蒸着法を行う。このとき、同時真空蒸着法は、CIGS光吸収層を形成するために用いられる方法をほとんどそのまま適用できる。特に、本実施例では、4つの蒸着源を同時に開く一段階同時真空蒸着法を、CIGS光吸収層の効率を向上させるために多く用いられている3段階の同時真空蒸着法の代わりに適用し、それによりチャンバの温度を350℃に維持した状態で同時真空蒸着法を行う。これにより、蒸着された光吸収層は、2〜3μmの範囲の厚さを有する。
そして、CIGS系光吸収層のバッファ層として用いられるCdS層を形成する。CdS層は、化学浴析出法(chemical bath deposition)を用いて60nmの厚さに形成する。
次に、CdS層の表面にウィンドウ層としてTCO層を形成する。TCO層の材料としてはZnOを用い、50nmの厚さのi−ZnO層と500nmの厚さのn−ZnO層の2つの層を形成する。
最後に、Alの前面グリッド電極を熱蒸着法によって800nmの厚さで形成する。
まず、Ag薄膜を形成した後に、Cu、In、GaおよびSeを1段階の同時蒸着法により蒸着させて形成される光吸収層の特性について詳察する。
図1〜図4は、Agの含有量による光吸収層の表面を撮影した電子顕微鏡写真であり、図5〜図8は、Agの含有量による光吸収層の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。
Agの含有量は、Ag/(Ag+Cu)比で計算し(Agの含有量について特に示していない場合はこれに従う)、図1および図5は、Ag薄膜を形成していない場合であり、Agが存在していない(Ag/(Ag+Cu)比=0)ということを意味している。図2および図6は、Ag/(Ag+Cu)比が0.15の場合であり、図3および図7は、Ag/(Ag+Cu)比が0.36の場合であり、図4および図8は、Ag/(Ag+Cu)比が0.63の場合である。
図面より、Ag薄膜を形成していない状態で1段階のCIGS同時真空蒸着法を行った場合には、非常に微細な結晶性CIGS光吸収層が形成されていることが確認できる。他方、表面を示す写真からは、Ag薄膜が予め形成した場合には、粒径が大きくなり、それにより表面ボイドが減少していることが確認できる。これよりAg薄膜によって光吸収層の結晶性が向上していることが分かる。
また、光吸収層の断面写真では、下側でMo電極層の表面に直接光吸収層が位置しており、これはAg薄膜が同時真空蒸着法を用いて形成される光吸収層に完全に分散したためであり、これより図2〜図4および図6〜図8の光吸収層は、ACIGS薄膜であることが分かる。
図9は、Agの含有量による光吸収層のXRD測定結果を示す。
Agが含まれることにより、Agが含まれていない光吸収層において見られる(220)/(204)および(312)/(116)のピークが弱くなり、(112)ピークが強く残り、結局のところ、Agの添加によってCIGS固有ピークである(112)面への優先配向性が向上することが確認できる。
図10は、XRD(112)パターンを示す。
図10は、Agの含有量の増加によって(112)ピークが左側へ移動する様子を示しており、これはAgが添加されてイオンの移動度が増加した結果であると考えられる。
図11〜図14は、Agの含有量による光吸収層におけるAgおよびGaの分布を測定したSIMSプロファイルである。
形成される光吸収層の組成分布は、SIMS(二次イオン質量分析法)プロファイルを用いて確認できる。Agは定量化がなされていないため、「カウント/s」の形態でCuと共にY軸に示し、Ga/IIIは右側に示す。
Agの含有量が比較的低い、すなわち0.15の場合は、組成勾配がほとんどないため、全体的に均一なACIGS薄膜が形成されたものと見られる。しかし、Agの含有量が高い場合には、不均一な組成勾配が現れ、これは、先に形成されるAg薄膜を構成するAgが不十分に拡散するためであると見られる。この不均一な組成勾配を解消するために、同時真空蒸着法の過程でチャンバ温度を上げる方法などが考慮でき、これは全体的な工程効率に基づかなければならない。本実施例によれば、Agの含有量が0.36以上の場合には、Agの組成が不均一となり、したがって、0.36よりも低い含有量でAg薄膜を形成することができる。追加の実験により、Ag/(Ag+Cu)比が0.25以下の場合、400℃以下の温度でも組成勾配の問題がないACIGS薄膜が製造されることが確認できる。
図15は、Agの含有量による光吸収層におけるNaの分布を測定したSIMSプロファイルである。
前述したように、CIGS太陽電池は、ソーダライムガラス基板を用いる場合に光電変換効率に優れ、これは製造過程で基板に含まれているNaが光吸収層に拡散して分布するためであることが知られている。
図面から、本実施例によってAg薄膜が事前に形成されている場合、Ag薄膜が形成されていない場合に比べて光吸収層にNaが多量に分散していることが確認できる。これは本実施例の方法を適用する場合に、光吸収層に拡散するNaの量が増加し、ソーダライムガラス基板の使用による効率向上の効果をさらに向上させることができることを意味する。
以下では、本実施例および比較例の製造方法により製造された太陽電池の光電圧特性について詳察する。
図16は、本実施例および比較例の方法により製造された太陽電池のJ−V曲線を示し、図17は、本実施例および比較例の方法により製造された太陽電池の外部量子効率曲線を示す。
図18〜図21は、Agの含有量の関数として、測定された開放電圧Voc、短絡電流Jsc、FF(曲線因子)および変換効率を示す。
図18〜図21の測定値を次の表1に記載する。
図面と表に示すように、Agの含有量が0.15の場合には、Ag薄膜を形成しない比較例に比べて光電変換効率が向上するが、Agの含有量が0.36の場合と0.63の場合にはむしろ効率が減少する。
これは、前述したように、Agの含有量が高い場合では薄膜内に組成の不均一が発生したことと関連して開放電圧が減少するためであると見られる。
このような太陽電池の性能テスト結果から、Agの含有量を示すAg/(Ag+Cu)比が0.05〜0.25範囲にある場合に、400℃以下の温度で1段階の同時真空蒸着法を用いて効率が向上したCIGS系光吸収層を簡単に形成できることが確認できる。
本発明の実施例において製造されたACIGS薄膜は、相対的に低い350℃の温度で簡単な1段階の同時真空蒸着法によって蒸着されているにも拘らず、予め形成されたAg薄膜によって結晶成長性が向上して結晶粒が大きくなることにより、表面ボイドが減少し、CIGS固有の(112)面の優先配向性が向上し、さらにソーダライムガラス基板から拡散したNaを多量に含んでいることが確認できる。
上述の結果は、ACIGSを光吸収層として用いる場合に、光電変換効率の向上に好影響を及ぼすものと見られる。実際に本発明の実施例において製造された太陽電池は、1段階の同時真空蒸着法を用いて形成されるCIGS光吸収層を備える太陽電池に比べて効率が向上している。
これにより、本発明のACIGS薄膜の形成方法、太陽電池の製造方法およびそれにより製造される太陽電池は、工程コストを削減しながらも、優れた効率を有する太陽電池を提供する。さらに工程温度が低いため、使用可能な基板の範囲が広くなる。したがって、多様な基板を用いてACIGS薄膜の使途の更なる拡張が可能であることが期待される。
以上、本発明の好適な実施態様が説明を目的として開示されているが、当業者は多様な改変、追加および置換が、添付の特許請求の範囲に開示されている本発明の範囲および主旨から逸脱することなく可能であることを理解する。

Claims (10)

  1. Ag薄膜を形成する工程と、
    Ag薄膜の表面にCu、In、GaおよびSeを同時真空蒸着法で蒸着するACIGS形成工程と
    を含むACIGS薄膜の形成方法であって、
    Ag薄膜を構成するAgは、Cu、In、GaおよびSeが蒸着される間に完全に拡散され、ACIGS形成工程の間に真空で同時蒸発されるCu、In、GaおよびSeと共にACIGSを形成する
    ことを特徴とするACIGS薄膜の形成方法。
  2. 前記同時真空蒸着法が1段階のCIGS同時真空蒸着法で行われることを特徴とする請求項1に記載のACIGS薄膜の形成方法。
  3. 前記ACIGS形成工程が300〜400℃の温度範囲で行われることを特徴とする請求項1に記載のACIGS薄膜の形成方法。
  4. 前記Ag薄膜の厚さは、製造対象であるACIGS薄膜に含まれるAgの含有量によって調節されることを特徴とする請求項1に記載のACIGS薄膜の形成方法。
  5. 前記製造対象であるACIGS薄膜に含まれるAgの含有量がAg/(Ag+Cu)比で0.05〜0.25の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のACIGS薄膜の形成方法。
  6. 前記Ag薄膜を形成する工程がDCスパッタリング法により行われることを特徴とする請求項1に記載のACIGS薄膜の形成方法。
  7. CIGSにおいてCuをAgで部分的に置換することにより形成されるACIGS薄膜であって、予め形成されたAg薄膜の表面に同時真空蒸着法によりCu、In、GaおよびSeを蒸着し、同時真空蒸着法により蒸着されたCIGS薄膜に前記Ag薄膜を構成するAgが全て拡散し、CuをAgで置換していることを特徴とするACIGS薄膜。
  8. 前記ACIGS薄膜が、CIGS系光吸収層を備える太陽電池の前記CIGS系光吸収層として用いられることを特徴とする請求項7に記載のACIGS薄膜。
  9. 前記ACIGS薄膜のAg/(Ag+Cu)比が0.05〜0.25の範囲であることを特徴とする請求項8に記載のACIGS薄膜。
  10. 前記太陽電池がソーダライムガラス基板に形成されることを特徴とする請求項8に記載のACIGS薄膜。
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