JP2017129205A - 車両駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを上げることなく、潤滑必要部位に潤滑油を的確に供給することができる車両駆動装置を提供する。【解決手段】電動モータ1L,1Rと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する平行軸歯車減速機2L,2Rと、減速機を収容する減速機ハウジング20内の底部に潤滑油溜まりを設け、この潤滑油溜まりの潤滑油を歯車25aによって掻き上げて歯車の潤滑と冷却を行う車両駆動装置Aにおいて、減速機ハウジングは、歯車軸25の軸方向に複数に分割し、減速機ハウジングに対して別部材で形成され、はね掛けられる潤滑油を歯車に案内する給油板を備え、この給油板を分割した減速機ハウジングで挟み込んで固定する。【選択図】図1
Description
この発明は、電動モータと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する減速機とを備えた車両駆動装置に係り、減速機を収容するハウジング内に封入された潤滑油を油浴潤滑方式で歯車と軸受に供給する車両駆動装置に関するものである。
車両駆動装置として、左右の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる2基の電動モータと減速機を備えるものが特許文献1に開示されている。
この種の車両駆動装置は、左右の駆動輪のそれぞれについて独立に駆動用の電動モータを備えるので、一つの共通の電動モータによって左右の駆動輪を駆動させる1モータ車両駆動装置のように、一つの電動モータの駆動力を左右に振り分けるデファレンシャルギア等が不要になる、という利点を有する。
特許文献1に開示された従来の2基の電動モータと減速機を備えた車両駆動装置は、図12に示すように、左右の駆動輪を個別に駆動する左右の電動モータ101L、101Rと電動モータ101L、101Rの回転を減速する減速機102L、102Rを備え、左右の電動モータ101L、101Rの中央に減速機102L、102Rを配置している。
減速機102L、102Rは、図12に示すように、モータ軸112から動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸123と、等速ジョイント126および中間シャフト127からなるドライブシャフトを介して駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車軸125とを備え、入力歯車軸123と出力歯車軸125とが平行かつオフセットした配置の平行軸歯車減速機である。
減速機102L、102Rの入力歯車軸123と出力歯車軸125との間には、1つ以上の中間歯車軸124(カウンター軸)が設けられる。
そして、左右の減速機102L、102Rは、一室の減速機ハウジング128内に並列に収容されている。
この減速機ハウジング128内には、左右の減速機102L、102Rを構成する歯車列を潤滑するために、所定量の潤滑油が封入され、油浴潤滑方式により、各歯車の歯面や転がり軸受に潤滑油を供給している。
油浴潤滑方式は、歯車の回転動作により、底部に溜まった潤滑油が掻き上げられ、その際に生じる油飛沫が減速機の各歯車の歯面や転がり軸受に供給される。この油浴潤滑方式においては、歯車の潤滑及び冷却が課題である。特に、油浴されていない小歯車に対して、いかに潤滑油を供給するかが重要となる。
特許文献2には、潤滑必要部位に潤滑油を滴下するように構成した自動変速機が開示されている。この特許文献2に記載のものは、潤滑必要部位に潤滑油を滴下するためのリブをハウジング内部に形成し、リブにはね掛けられた潤滑油をリブの傾斜により案内して潤滑の必要な部位に供給する。
しかしながら、ハウジングを鋳造で製作する場合には、ハウジングを型から抜く必要があり、複雑な形状の製作は困難である。また、削り出しにより形成する場合も複雑な形状のリブをハウジングと一体に形成することが困難である。このため、リブは、単純な形状にせざるを得ず、潤滑油を所望の部位に供給することが難しかった。
そこで、この発明は、製造コストを上げることなく、潤滑必要部位に潤滑油を供給することができる車両駆動装置を提供することを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、電動モータと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する減速機と、を備え、前記減速機は、モータ軸から動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸との間に設けられる中間歯車を有する1つ以上の中間歯車軸とを有し、前記減速機を収容する減速機ハウジング内の底部に潤滑油溜まりを設け、この潤滑油溜まりの潤滑油を歯車によって掻き上げて歯車の潤滑と冷却を行う車両駆動装置において、前記減速機ハウジングを歯車軸の軸方向に複数に分割し、減速機ハウジングに対して別部材で形成され、はね掛けられる潤滑油を歯車に案内する給油板を備え、この給油板を分割した減速機ハウジングで挟み込んで固定する。
また、前記分割されたハウジングに矩形形状の凹部からなる嵌め込み部を設け、前記給油板に前記嵌め込み部に挿入される矩形形状の挿入部を設けるとよい。
また、前記給油板は、歯車のかみ合い部に向かって先細り形状に形成された壁部と、この壁部の端部に設けられた壁部の先端に潤滑油を案内する縁部とを有し、前記給油板を歯車のかみ合い部の上部に位置するように前記減速機ハウジングに固定すればよい。
また、前記各歯車軸が前記減速機ハウジングに設けられた軸受嵌合穴に嵌合された転がり軸受を介して支持され、前記給油板に、転がり軸受へ潤滑油を案内する案内部を更に設け、前記案内部は、転がり軸受に向かって先細り形状に形成された案内壁部と、前記案内壁部の端部に設けられた案内壁部の先端に潤滑油を案内する縁部とを有するように構成できる。
また、左右の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる2基の電動モータと、この2基の電動モータの動力を個別に減速して左右の駆動輪に伝達する2基の減速機とを備え、この2基の減速機を左右並列に収容する減速機ハウジングを中央にしてその左右に2基の電動モータのモータハウジングを固定配置され、2基の減速機を左右並列に収容する前記減速機ハウジングを、中央ハウジング部とこの中央ハウジング部の左右の開口部を閉塞するようにそれぞれ固定される左側面ハウジング部と右側面ハウジング部の3ピースで構成し、前記中央ハウジング部に前記給油板が貫通する貫通穴が設けられ、前記貫通部に前記給油板を貫通させ、左側面ハウジング部と右側面ハウジング部とで前記給油板を挟み込んで固定するように構成することができる。
以上のように、この発明は、減速機ハウジングとは別部材で形成された給油板を分割された減速機ハウジングで挟み込んで固定しているので、給油板を潤滑油が必要な場所に案内するような形状に形成することができ、歯車で掻き上げられて案内板にはね掛けられた潤滑油を効率良く歯車に案内することができる。
また、前記分割されたハウジングに矩形形状の凹部からなる嵌め込み部を設け、前記給油板に前記嵌め込み部に挿入される矩形形状の挿入部を設けることで、給油板をハウジングに挟み込んで固定すると、給油板は回転することなく所定の角度で固定することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す第1の実施形態にかかる2モータ式の車両駆動装置Aは、2基の減速機2L、2Rを左右並列に収容する減速機ハウジング20を中央にし、その減速機ハウジング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rのモータハウジング3L、3Rを固定配置したものである。
図2示す電気自動車Cは、前輪駆動方式であり、シャーシ71と、駆動輪としての前輪72と、後輪73と、左右の駆動輪をそれぞれに独立に駆動する2モータ式の車両駆動装置Aとを備え、2モータ式の車両駆動装置Aは、駆動輪である左右の前輪72の中央位置のシャーシ71上に搭載され、2モータ式の車両駆動装置Aの駆動力は、等速ジョイント15と中間シャフト16を介して左右の駆動輪である前輪72に伝達される。
なお、2モータ式の車両駆動装置Aの搭載形態としては、図2に示す前輪駆動方式の他、後輪駆動方式、四輪駆動方式でもよい。
2モータ式の車両駆動装置Aにおける左右の電動モータ1L、1Rは、図1に示すように、モータハウジング3L、3R内に収容されている。
モータハウジング3L、3Rは、円筒形のモータハウジング本体3aL、3aRと、このモータハウジング本体3aL、3aRの外側面を閉塞する外側壁3bL、3bRと、モータハウジング本体3aL、3aRの内側面に減速機2L、2Rと隔てる内側壁3cL、3cRとからなる。モータハウジング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRには、モータ軸12aを引き出す開口部が設けられている。
電動モータ1L、1Rは、図1に示すように、モータハウジング本体3aL、3aRの内周面にステータ11を設け、このステータ11の内周に間隔をおいてロータ12を設けたラジアルギャップタイプのものを使用している。なお、電動モータ1L、1Rは、アキシャルギャップタイプのものを使用してもよい。
ロータ12は、モータ軸12aを中心部に有し、そのモータ軸12aはモータハウジング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRの開口部からそれぞれ減速機2L、2R側に引き出されている。モータハウジング本体3aL、3aRの開口部とモータ軸12aとの間にはシール部材13が設けられている。
モータ軸12aは、モータハウジング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRと外側壁3bL、3bRとに転がり軸受14a、14bによって回転自在に支持されている(図1)。
左右並列に設けられた2基の減速機2L、2Rを収容する減速機ハウジング20は、図1および図3に示すように、中央ハウジング部20aとこの中央ハウジング部20aの左側の開口部を閉塞するように固定される左側面ハウジング部20bLと、中央ハウジング部20aの右側の開口部を閉塞するように固定される右側面ハウジング部20bRの3ピース構造になっている。そして、減速機ハウジング20は、減速機の歯車軸の軸方向に3ピースに分割されて構成されている。即ち、減速ハウジング20は、減速機の歯車軸と垂直に3ピースに分割されている。そして、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング20bRは、中央ハウジング部20aの両側の開口部を閉塞するように複数のボルト(図示しない)によって固定されている。
減速機ハウジング20の左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRのアウトボード側(車体外側)の側面と電動モータ1L、1Rのモータハウジング本体3aL、3aRの内側壁3cL、3cRとを、複数のボルト29によって固定することにより、減速機ハウジング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rが固定配置される(図1)。
中央ハウジング部20aには、図1に示すように、中央に仕切り壁21が設けられている。減速機ハウジング20は、この仕切り壁21によって左右に2分割され、2基の減速機2L、2Rを収容する独立した左右の収容室が並列に設けられている。
減速機2L、2Rは、図1及び図3に示すように、左右対称形に設けられ、モータ軸12aから動力が伝達される入力歯車23aを有する入力歯車軸23と、この入力歯車23aに噛み合う大径歯車24aと出力歯車25aに噛み合う小径歯車24bを有する中間歯車軸24と、出力歯車25aを有し、減速機ハウジング20から引き出されて等速ジョイント15、中間シャフト16(図2)を介して駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車軸25とを備える平行軸歯車減速機である。左右2基の減速機2L、2Rの各入力歯車軸23、中間歯車軸24、出力歯車軸25は、それぞれが同軸上に配置されている。
減速機2L、2Rの入力歯車軸23の両端は、中央ハウジング部20aの仕切り壁21の左右両面に形成した軸受嵌合穴27aと側面ハウジング20bL、20bRに形成した軸受嵌合穴27bに転がり軸受28a、28bを介して回転自在に支持されている。軸受嵌合穴27a、27bの底部は、転がり軸受28a、28bの外輪が当接する壁部より内周側は肉厚が薄く形成されて段付き形状になっている。
入力歯車軸23のアウトボード側の端部は、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRに設けた開口部27cからそれぞれ外側に引き出されており、開口部27cと入力歯車軸23の外側端部との間にはオイルシール31を設け、減速機2L、2Rに封入された潤滑油の漏洩および外部からの泥水などの浸入を防止している。
入力歯車軸23は中空構造であり、この中空の入力歯車軸23に、モータ軸12aが挿入される。入力歯車軸23とモータ軸12aとは、スプライン(セレーションも含む以下同じ)結合されている。
中間歯車軸24は、外周面に入力歯車23aに噛み合う大径歯車24aと出力歯車25aに噛み合う小径歯車24bを有する段付き歯車軸である。この中間歯車軸24の両端は、中央ハウジング部20aの仕切り壁21の両面に形成した軸受嵌合穴32aと左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRにそれぞれ形成した軸受嵌合穴32bとに転がり軸受34a、34bを介して支持されている。そして、軸受嵌合穴32a、32bの底部は、転がり軸受34a、34bの外輪が当接する壁部より内周側は肉厚が薄く形成されて段付き形状になっている。
出力歯車軸25は、大径の出力歯車25aを有し、中央ハウジング部20aの仕切り壁21の両面に形成した軸受嵌合穴35aと左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRにそれぞれ形成した軸受嵌合穴35bに転がり軸受37a、37bによって支持されている。そして、軸受嵌合穴35a、35bの底部は、転がり軸受37a、37bの外輪が当接する壁部より内周側は肉厚が薄く形成されて段付き形状になっている。
出力歯車軸25のアウトボード側の端部は、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRに形成した開口部35cから減速機ハウジング20の外側に引き出され、引き出された出力歯車軸25のアウトボード側の端部の外周面に、等速ジョイント15の外側継手部15aがスプライン結合されている。
出力歯車軸25に結合された等速ジョイント15は、中間シャフト16を介して駆動輪72に接続される(図2)。
出力歯車軸25のアウトボード側の端部と左側面ハウジング20bL、右側面ハウジング部20bRにそれぞれ形成した開口部35cとの間には、オイルシール39を設け、減速機2L、2Rに封入された潤滑油の漏洩および外部からの泥水などの浸入を防止している。
油浴潤滑方式では、減速機ハウジング20の底部に潤滑油溜まり20eが設けられ、大径歯車24a、出力歯車25aの一部が浸かる油面の高さになるように、減速機ハウジング20に潤滑油が封入される。潤滑油溜まり20eの潤滑油が歯車によって掻き上げられて、その際に生じる油飛沫が減速機の各歯車の歯面や転がり軸受に供給される。減速機の各歯車の歯面に供給された潤滑油により、歯車の潤滑と冷却が行われる。
そして、この第1の実施形態では、図4及び図5に示すように、減速機ハウジング20に、減速機ハウジング20を構成する中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRとは別部材で形成された給油板40が取り付けられている。この給油板40は、後述するように、中間歯車軸24に設けられた小径歯車24bのかみ合い部に潤滑油が効率良く案内するように形成され、歯車のかみ合い部の上部に位置するように減速機ハウジング20に固定されている。即ち、この小径歯車24bと出力歯車25aとのかみ合い部に、潤滑油溜まり20eの潤滑油が歯車によって掻き上げられてはね掛けられた潤滑油を効率良く給油板40で案内する。小径歯車24bは、油浴はしていないが、給油板40にはね掛けられた潤滑油を小径歯車24bへ効率良く供給することができる。
図4〜図6においては、右側の減速機2Rについて説明しているが、左側の減速機2Lにも同様に、減速機ハウジング20に、減速機ハウジング20を構成する中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRとは別部材で形成された給油板40が取り付けられている。
別部材で給油板40を製作し、減速機ハウジング20に固定する方法としては、ねじ止め、溶接、接着などがある。しかし、ねじ止め、溶接、接着については、以下のような課題がある。ねじ止めは、振動により、ねじや給油板が外れて、歯車に噛み込まれる虞がある。また、ねじの本数分締め付け作業が発生し、組立性が悪い。
溶接の場合は、溶接時の熱の影響で周辺部が変形する虞がある。溶接時に器具を入れるスペースが必要となり、減速機ハウジングが大型化する虞も生じる。
溶接の場合は、溶接時の熱の影響で周辺部が変形する虞がある。溶接時に器具を入れるスペースが必要となり、減速機ハウジングが大型化する虞も生じる。
接着の場合には、接着剤の劣化により、給油板が外れて、歯車に噛み込まれる虞がある。また、分解性が悪いという難点も生じる。そこで、この実施形態では、中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bR間に給油板40を挟み込んで固定している。
図6は、給油板40を外した状態の右側面ハウジング2bRを示している。図5及び図6に示すように、中央ハウジング部20aの内壁面、右側面ハウジング2bRの内壁面に、矩形の凹みからなる嵌め込み部20cが設けられている。左側面ハウジング2bLにも同様に矩形の凹みからなる嵌め込み部20cが設けられている。
この実施形態の第1の給油板40は、図7に示すように、歯車のかみ合い部に向かって先細り形状に形成、即ち、三角形状の壁部40aが形成されている。三角形状の壁部40aの両端には、中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRに設けられた嵌め込み部20cに挿入される矩形状の挿入部41が設けられている。そして、給油板40の壁部40aの左右端部には、縁部42が設けられ、壁部40aの先端には、流れてくる潤滑油を滴下するための開口部43が設けられている。
上記した給油板40は、減速機ハウジング20を構成する中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRとは別部材に形成されるために、プレス加工、削り出し等の加工により、簡単に所望の位置に潤滑油を滴下させる形状を製作することができる。
そして、給油板40は、前進走行時に図4中に矢印で示す方向に回転する出力歯車25aで掻き上げられる潤滑油を受け止める方向に壁部40aが向くようにして、中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRに設けられた嵌め込み部20cに挿入部41を挿入して、減速機ハウジング20を組立てることで、中央ハウジング部20aと左側面ハウジング部20bLの間、中央ハウジング部20aと右側面ハウジング部20bRとの間にそれぞれ給油板40が挟み込まれて固定される。この給油板40の部材は、減速機ハウジング20を構成する中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRの部材と同等の線膨張係数を有する部材を使用する。減速機ハウジング20が温度変化により、熱膨張又は熱収縮した際に、給油板40も熱膨張又は熱収縮して、嵌め込み部20cと挿入部41との一定の嵌め合いを確保している。
そして、嵌め込み部20c、挿入部41はそれぞれ矩形形状に形成しているので、給油板40を中央ハウジング部20aと左側面ハウジング部20bLの間、中央ハウジング部20aと右側面ハウジング部20bRとの間にそれぞれ挟み込んで固定すると、給油板40は回転することなく所定の角度で固定される。
この第1の例の給油板40を中央ハウジング部20aと左側面ハウジング部20bLの間、中央ハウジング部20aと右側面ハウジング部20bRとの間にそれぞれ挟み込み固定すると、潤滑油溜まり20eの潤滑油が歯車により掻き上げられた潤滑油が給油板40にはね掛けられ、給油板40の壁部40aに沿って潤滑油が流れ落ち、縁部42で開口部43に集められ、開口部43から小径歯車24bと出力歯車25aとのかみ合い部に潤滑油が滴下されることになる。このように、油浴していない小径歯車24bにも効率良く潤滑油が供給されるので、歯車の潤滑と冷却を行うことができる。
次に、この発明に用いられる給油板40の第2の例につき、図8を参照して説明する。図8に示すように、給油板40に小径歯車24bに潤滑油を案内する部位に壁部40aを設け、更にその両側に中間歯車軸24を支持する転がり軸受34a、34bに潤滑油を案内する案内部44を設けている。即ち、図8に示すように、3つの三角形からなる壁部40a、44aが設けられている。中央の壁部40aの両端に縁部42が設けられ、縁部42の先端には、小径歯車24bに潤滑油を滴下する開口部43が設けられている。中央の壁部40aの両側に設けられた案内部44は、転がり軸受に向かって先細り形状に形成された案内壁部44aと、案内壁部44aの端部に設けられた案内壁部44aの先端に潤滑油を案内する縁部45と、転がり軸受34a、34bに潤滑油を滴下する開口部46が設けられる。この案内壁部44aは、一方の端部に縁部45を設け、他方には縁部は設けていないが、給油板40をハウジング20の嵌め込み部20cに嵌め込むとこの端部は、減速機ハウジング20の内壁部と当接し、減速機ハウジング20の内壁部と縁部45とで転がり軸受34a、34bにそれぞれ潤滑油が案内される。
この第2の例の給油板40を減速機ハウジング20に挟み込んで固定すると、潤滑油溜まり20eの潤滑油が歯車により掻き上げられた潤滑油が給油板40にはね掛けられ、給油板40の壁部40a、案内壁部44aに沿って潤滑油が流れ落ち、中央の縁部42と左右の縁部45で潤滑油がそれぞれ集められ、中央の縁部42で集められた潤滑油は開口部43から小径歯車24bと出力歯車25aとのかみ合い部に潤滑油が滴下され、両側の縁部45で集められた潤滑油は開口部46から転がり軸受34a、34bに滴下される。
次に、この発明の第2の実施形態につき、図9から図11に従い説明する。尚、図1〜図7に示す第1の実施形態と同一の部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は割愛する。
この第2の実施形態に示す2モータ式の車両駆動装置Aは、第1の実施形態と同じく、2基の減速機2L、2Rを左右並列に収容する減速機ハウジング20を中央にし、その減速機ハウジング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rのモータハウジング3L、3Rを固定配置したものである。上記した第1の実施形態においては、減速機2L、2Rにそれぞれ給油板40を減速機ハウジング20に固定している。即ち、第1の実施形態では、2つの給油板40を用意し、中央ハウジング部20aと左側面ハウジング部20bLとで給油板40を挟み込んで取付け、中央ハウジング部20aと右側面ハウジング部20bRとで給油板40を挟み込んで取付けている。
これに対して、この第2の実施形態では、1つの給油板40で2基の減速機2L、2Rに給油板40を取り付けるように構成したものである。図9及び図11に示すように、この第2の実施形態の給油板40は、左側の減速機2L用の給油部40Lと右側の減速機2R用の給油部40Rを連結部45で一体化している。左右の給油部40L、40Rは、歯車のかみ合い部に向かってそれぞれ先細り形状、即ち、三角形状に形成されている。そして、左側の給油部40Lの端部には、左側面ハウジング部20bLに設けられた嵌め込み部20cに挿入される矩形状の挿入部41が設けられ、右側の給油部40Rの端部には、右側面ハウジング20bLに設けられた嵌め込み部20cに挿入される矩形状の挿入部41が設けられている。そして、給油部40L、40Rは歯車のかみ合い部に向かって先細り形状に形成された壁部40aと、この壁部の両端部に設けられた壁部40aの先端に潤滑油を案内する縁部42が設けられ、給油板部40L、40Rのそれぞれの壁部40aの先端には、流れてくる潤滑油を滴下するための開口部43が設けられている。
上記した給油板40は、減速機ハウジング20を構成する中央ハウジング部20a、左側面ハウジング部20bL、右側面ハウジング部20bRとは別部材に形成されるために、プレス加工、削りだし等の加工により簡単に所望の位置に潤滑油を滴下させる形状を製作することができる。
この第2の実施形態では、1つの給油板40で左右の減速機2L、2Rに給油部40L、40Rを取り付けるために、中央ハウジング部20aの仕切り壁21には、給油板40が貫通可能な貫通孔20dが設けられている。例えば、給油板40を、左側の減速機2Lから中央ハウジング部20aの貫通孔20dを通し、右側面ハウジング20bRに設けられた嵌め込み部20cに給油板40の挿入部41を嵌め込み、給油板40の他方の挿入部41を左側面ハウジング部20bLに設けた嵌め込み部20cに嵌め込んで、減速機ハウジング20を組み立てることにより、左側面ハウジング部20bLと右側面ハウジング部20bRで給油板40を挟み込んで固定することができる。
このように、この第2の実施形態においては、1つの給油板40で左右の給油部40L、40Rを設けることができるので、部品点数を減らすことができる。
上記したように、左右2つの減速機に対して、1つの給油板40を用いる場合、左側面ハウジング部20bLと右側面ハウジング部20bRで挟み込んで固定する以外の、ねじ止め、溶接、接着剤を用いた場合には、前述したように課題が残る。さらに、2基の減速機2L、2Rを左右並列に収容する減速機ハウジング20を中央にし、その減速機ハウジング20の左右に2基の電動モータ1L、1Rのモータハウジング3L、3Rを固定配置した場合には、ねじ止め、溶接、接着剤では、片持ち支持になるので、片持ち支持から離れた部分では、振動により給油板40が大きく振動し、歯車に噛み込む虞が生じる。このため、左側面ハウジング部20bLと右側面ハウジング部20bRで挟み込んで固定することが好ましい。
この第2の実施形態の給油板40においても、図8に示すような、転がり軸受に潤滑油を案内する案内部を設けてもよい。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
1L、1R :電動モータ
2L、2R :減速機
3L、3R :モータハウジング
3aL、3aR :モータハウジング本体
3bL、3bR :外側壁
3cL、3cR :内側壁
11 :ステータ
12 :ロータ
12a :モータ軸
13 :シール部材
14a、14b :転がり軸受
15 :等速ジョイント
15a :外側継手部
16 :中間シャフト
20 :減速機ハウジング
20a :中央ハウジング部
20c :嵌め込み部
20d :貫通孔
20e :潤滑油溜まり
20bL :左側面ハウジング部
20bR :右側面ハウジング部
21 :仕切り壁
23 :入力歯車軸
23a :入力歯車
24 :中間歯車軸
24a :大径歯車
24b :小径歯車
25 :出力歯車軸
25a :出力歯車
27a、27b、32a、32b、35a、35b :軸受嵌合穴
27c、35c :開口部
28a、28b、34a、34b、37a、37b :転がり軸受
29 :ボルト
31、39 :オイルシール
40 :給油板
40a、44a :壁部
40L、40R :給油部
41 :挿入部
42、45 :縁部
43、46 :開口部
44 :案内部
71 :シャーシ
72 :前輪
73 :後輪
A :車両駆動装置
C :電気自動車
2L、2R :減速機
3L、3R :モータハウジング
3aL、3aR :モータハウジング本体
3bL、3bR :外側壁
3cL、3cR :内側壁
11 :ステータ
12 :ロータ
12a :モータ軸
13 :シール部材
14a、14b :転がり軸受
15 :等速ジョイント
15a :外側継手部
16 :中間シャフト
20 :減速機ハウジング
20a :中央ハウジング部
20c :嵌め込み部
20d :貫通孔
20e :潤滑油溜まり
20bL :左側面ハウジング部
20bR :右側面ハウジング部
21 :仕切り壁
23 :入力歯車軸
23a :入力歯車
24 :中間歯車軸
24a :大径歯車
24b :小径歯車
25 :出力歯車軸
25a :出力歯車
27a、27b、32a、32b、35a、35b :軸受嵌合穴
27c、35c :開口部
28a、28b、34a、34b、37a、37b :転がり軸受
29 :ボルト
31、39 :オイルシール
40 :給油板
40a、44a :壁部
40L、40R :給油部
41 :挿入部
42、45 :縁部
43、46 :開口部
44 :案内部
71 :シャーシ
72 :前輪
73 :後輪
A :車両駆動装置
C :電気自動車
Claims (5)
- 電動モータと、この電動モータの動力を減速して駆動輪に伝達する減速機と、を備え、前記減速機は、モータ軸から動力が伝達される入力歯車を有する入力歯車軸と、駆動輪に駆動力を伝達する出力歯車を有する出力歯車軸と、入力歯車軸と出力歯車軸との間に設けられる中間歯車を有する1つ以上の中間歯車軸とを有し、前記減速機を収容する減速機ハウジング内の底部に潤滑油溜まりを設け、この潤滑油溜まりの潤滑油を歯車によって掻き上げて歯車の潤滑と冷却を行う車両駆動装置において、
前記減速機ハウジングを歯車軸の軸方向に複数に分割し、減速機ハウジングに対して別部材で形成され、はね掛けられる潤滑油を歯車に案内する給油板を備え、この給油板を分割した減速機ハウジングで挟み込んで固定することを特徴とする車両駆動装置。 - 前記分割された減速機ハウジングに矩形形状の凹部からなる嵌め込み部が設けられ、前記給油板に前記嵌め込み部に挿入される矩形形状の挿入部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動装置。
- 前記給油板は、歯車のかみ合い部に向かって先細り形状に形成された壁部と、この壁部の両端部に設けられた壁部の先端に潤滑油を案内する縁部とを有し、前記給油板を歯車のかみ合い部の上部に位置するように前記減速機ハウジングに固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両駆動装置。
- 前記各歯車軸が前記減速機ハウジングに設けられた軸受嵌合穴に嵌合された転がり軸受を介して支持され、前記給油板に、転がり軸受へ潤滑油を案内する案内部を更に設け、前記案内部は、転がり軸受に向かって先細り形状に形成された案内壁部と、前記案内壁部の端部に設けられた案内壁部の先端に潤滑油を案内する縁部とを有することを特徴とする請求項3に記載の車両駆動装置。
- 左右の駆動輪をそれぞれ独立して駆動させる2基の電動モータと、この2基の電動モータの動力を個別に減速して左右の駆動輪に伝達する2基の減速機とを備え、この2基の減速機を左右並列に収容する減速機ハウジングを中央にしてその左右に2基の電動モータのモータハウジングを固定配置され、2基の減速機を左右並列に収容する前記減速機ハウジングを、中央ハウジング部とこの中央ハウジング部の左右の開口部を閉塞するようにそれぞれ固定される左側面ハウジング部と右側面ハウジング部の3ピースで構成し、前記中央ハウジング部に前記給油板が貫通する貫通穴が設けられ、前記貫通部に前記給油板を貫通させ、左側面ハウジング部と右側面ハウジング部とで前記給油板を挟み込んで固定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両駆動装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016008840A JP2017129205A (ja) | 2016-01-20 | 2016-01-20 | 車両駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2016008840A JP2017129205A (ja) | 2016-01-20 | 2016-01-20 | 車両駆動装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017129205A true JP2017129205A (ja) | 2017-07-27 |
Family
ID=59395514
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2016008840A Pending JP2017129205A (ja) | 2016-01-20 | 2016-01-20 | 車両駆動装置 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2017129205A (ja) |
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2016
- 2016-01-20 JP JP2016008840A patent/JP2017129205A/ja active Pending
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