実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
また、図面などにおいて示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面などに開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、図面において、発明の理解を容易とするため、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。また、一部の隠れ線などの記載を省略する場合がある。
本明細書等における「第1」、「第2」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、ソースおよびドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、本明細書においては、ソースおよびドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域(「チャネル形成領域」ともいう。)における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが互いに重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(「実効的なチャネル幅」ともいう。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(「見かけ上のチャネル幅」ともいう。)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体層の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつゲート電極が半導体の側面を覆うトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
また、本明細書等に示すトランジスタは、明示されている場合を除き、エンハンスメント型(ノーマリーオフ型)の電界効果トランジスタとする。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半導体のDOS(Density of States)が高くなることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、および酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
また、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」および「直交」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
なお、本明細書等において、計数値および計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」または「均一」(これらの同意語を含む)などと言う場合は、明示されている場合を除き、プラスマイナス20%の誤差を含むものとする。
また、本明細書において、フォトリソグラフィ工程を行った後にエッチング工程を行う場合は、特段の説明がない限り、フォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクは、エッチング工程終了後に除去するものとする。
また、本明細書等において、高電源電位VDD(以下、単に「VDD」または「H電位」ともいう。)とは、低電源電位VSSよりも高い電位の電源電位を示す。また、低電源電位VSS(以下、単に「VSS」または「L電位」ともいう。)とは、高電源電位VDDよりも低い電位の電源電位を示す。また、接地電位をVDDまたはVSSとして用いることもできる。例えばVDDが接地電位の場合には、VSSは接地電位より低い電位であり、VSSが接地電位の場合には、VDDは接地電位より高い電位である。
また、一般に「電圧」とは、ある電位と基準の電位(例えば、接地電位(GND電位)またはソース電位など)との電位差のことを示す場合が多い。また、「電位」は相対的なものであり、基準となる電位によって配線等に与える電位が変化する場合がある。よって「電圧」と「電位」は互いに言い換えることが可能な場合がある。なお、本明細書等では、明示される場合を除き、VSSを基準の電位とする。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
(実施の形態1)
本発明の一態様の電子機器について、図面を用いて説明する。電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)として用いることができる。
<外観>
図1は、電子機器の外観の一例である。説明のため、図中ではX方向、Y方向、Z方向を図示している。
電子機器100は、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140および表示装置150を有する。
撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140および表示装置150は、例えば筐体110内に設けることができる。
筐体110内では、Y方向に設けた開口112において眼球と向き合うように、表示装置150および撮像装置120が設けられる。
撮像装置120は、眼球の動きを撮像可能な撮像素子を有するカメラを用いることができる。眼球は角膜と強膜の境界部分がはっきりしているため、高性能な撮像素子を用いなくても眼球の動きの検出が可能である。
視線検出装置130は、撮像装置120で撮像した眼球の動きの変化をもとに、視線の動きを検出する。例えば、角膜(例えば、黒目)と強膜(白目)の境界、または目蓋と強膜の境界、の動きから視線の動き等の目の動きの情報を求める。なお視線検出装置130における視線の動きの検出は画像処理や演算処理を伴うものであるため、視線の動きの算出という場合がある。
演算装置140は、視線の動きから視認者の頭部の傾きの変化を予測し、予測に応じた表示データを生成する。なお生成された表示データは、加速度センサ等の他のデータと併せて、演算することもできる。なお演算装置140における表示データの生成はプロセッサ等の回路での処理を伴うため、表示データを演算して生成するという場合がある。
表示装置150は、EL表示装置、液晶表示装置を用いることができる。表示面を球面状とし、眼球を覆うように表示面が配置できる表示装置が好ましい。
このような構成にすることで、視線の動きに応じて頭部の傾きの変化を予測し、予測された傾きの変化に対応する表示データを生成することができる。また、加速度センサ等の他のデータによる実際の頭部の傾きに応じて生成した表示データを表示装置に表示させることで、頭部の傾きに応じた表示をリアルタイムに行うことができる。また、筐体の傾きを検出する別の手段と併せることで、より早く頭部の傾きを予測し、表示に反映することができる。
図1に示す電子機器100は、図2(A)乃至(C)の構成とすることもできる。
図2(A)に示す電子機器100Aは、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、セパレータ111、および表示装置150L、150Rを有する。セパレータ111、および表示装置150L、150Rによって左右の目で視認する表示を異ならせることで、両眼視差を生じさせることができる。この両眼視差によって、使用者に立体的な視認を感じさせることができる。
図2(B)に示す電子機器100Bは、撮像装置120L、120R、視線検出装置130L、130R、演算装置140、セパレータ111、および表示装置150L、150Rを有する。図2(A)と同様に、両眼視差によって、使用者に立体的な視認を感じさせることができる。両目の視線の動きを別々に検出することができる。
図2(C)に示す電子機器100Cは、図2(B)と同様に、撮像装置120L、120R、視線検出装置130L、130R、演算装置140、セパレータ111、および表示装置150L、150Rを有する。図2(B)と異なる点は、演算装置140を表示装置150Rの裏側から筐体の側面に配置した点である。当該構成とすることで、筐体110の先端側に装置が集中し、重心が偏ることを抑制することができる。
図3(A)、(B)は、使用者が図1に示す電子機器100を装着した際の一例を示す図である。
図3(A)は、筐体110を装着した使用者をX方向から見た図である。図3(A)において、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140および表示装置150を有する筐体110の他、使用者の眼球160、スピーカー部161、および固定具162、163を図示している。スピーカー部161、固定具162、163は、頭部に筐体110を固定するためのものである。そのため、バンド型形状の固定具に限らず、別の構成としてもよい。
図3(B)は、筐体110を装着した使用者をZ方向から見た図である。図3(B)では、図3(A)と同様に、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140および表示装置150を有する筐体110の他、使用者の眼球160、筐体110を頭部に固定するためのスピーカー部161、および固定具162、163を図示している。
図1に示す電子機器100は、図4(A)、(B)、図5(A)、(B)の構成とすることもできる。図4(A)、(B)、図5(A)、(B)は、図1に示す電子機器100に、頭部の傾きを検出するための加速度センサを取り付けた例である。
図4(A)、(B)は、加速度センサを筐体110に備えた電子機器を装着した際の一例を示す図である。図4(A)、(B)は、図3(A)、(B)と同様に、特定の方向から見た図である。
図4(A)、(B)に図示するように加速度センサ180は、筐体110内に設ける構成とすることができる。加速度センサ180は筐体110の傾きから頭部の傾きを検知することができる。
図5(A)、(B)は、加速度センサを筐体110外部に備えた電子機器を装着した際の一例を示す図である。図5(A)、(B)は、図3(A)、(B)と同様に、特定の方向から見た図である。
なお頭部の傾きの検出は、加速度センサに限らない。例えば筐体110の外側に取り付けた撮像装置等によって周辺環境を撮像し、周辺環境の画像の変化に応じて、頭部の傾き等を検出する構成としてもよい。
図5(A)、(B)に図示するように加速度センサ180A,180Bは、筐体110外部の固定具162、163に設ける構成とすることができる。加速度センサ180A,180Bは頭部の傾きを検知することができる。
<ブロック図>
図6は、電子機器100のブロック図を表している。図6のブロック図において、電子機器100は、図1と同様に、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140および表示装置150を有する。
撮像装置120は、撮像可能な撮像素子を有するカメラで、眼球を撮像する。眼球の撮像データは視線検出装置130に出力される。撮像装置120は、確実に眼球を撮像できるように、傾き等を調整できる機構を備えていてもよい。
視線検出装置130は、眼球の撮像データをもとに、視線の動きを検出する。視線の動きのデータは、演算装置140に出力される。
例えば、図7(A)に撮像する眼球160を図示する。眼球160において目として視認される領域は、角膜171(例えば、黒目)と、強膜172(白目)と、である。目蓋170は、眼球160を保護している。
視線の動きは、例えば図7(B)に示すように、角膜171および強膜172を含む撮像領域173で水平方向に走査していき(図中、矢印174の方向)、角膜171と強膜172との境界を特定して判断する。角膜171および強膜172の境界は、明暗がはっきりしているため、高性能な撮像素子を用いなくても眼球の動きの検出が可能である。
演算装置140は、視線の動きのデータをもとに、視認者の頭部の傾きの変化を予測し、予測に応じた表示データを生成する。なお生成された表示データは、視線の動きのデータ、または加速度センサ等の他のデータをもとに、表示装置150に出力される。
図8(A)は、図2(A)の電子機器100Aに対応するブロック図である。図8(A)に示す電子機器100Aは、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、セパレータ111、および表示装置150L、150Rを有する。演算装置140で生成される表示データは、表示装置150L、150Rに異なるデータとして出力される。
図8(B)は、図2(B)の電子機器100Bに対応するブロック図である。図8(B)に示す電子機器100Bは、撮像装置120L、120R、視線検出装置130L、130R、演算装置140、セパレータ111、および表示装置150L、150Rを有する。撮像装置120Lで生成される撮像データは、視線検出装置130Lに出力される。撮像装置120Rで生成される撮像データは、視線検出装置130Rに出力される。演算装置140で生成される表示データは、表示装置150L、150Rに異なるデータとして出力される。
図9(A)は、図4(A)、(B)の電子機器に対応するブロック図である。図9(A)に示す電子機器100Dは、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、セパレータ111、表示装置150、および加速度センサ180を有する。加速度センサ180で得られる頭部の傾きに関するデータは、演算装置140に出力される。
図9(B)は、図5(A)、(B)の電子機器に対応するブロック図である。図9(B)に示す電子機器100Eは、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、セパレータ111、表示装置150、および加速度センサ180A、180Bを有する。加速度センサ180A、180Bで得られる頭部の傾きに関するデータは、演算装置140に出力される。
このような構成にすることで、視線の動きに応じて頭部の傾きの変化を予測し、予測された傾きの変化に対応する表示データを生成することができる。そのため、実際の頭部の傾きよりも前に表示データを生成することができ、頭部の傾きに応じた表示をリアルタイムに行うことができる。
<フローチャート>
図10は、電子機器100の動作例を説明するフローチャートである。
ステップS01では、頭部の傾きに応じた表示を行う。頭部の傾きは、例えば加速度センサによって検出する。例えば、頭部が正面を向いて静止した状態であれば、視線の正面に表示する表示データをもとに表示を行う。このとき眼球は概略静止しているとする。例えばこのときの眼球の状態を初期状態として規定する。
撮像装置120で眼球の様子を撮像し、視線検出装置130で視線の動きを観察する。ステップS02では、視線の動きが初期状態から変化することで閾値を超えたか否かの判断を行う。閾値を越えなければ、ステップS01を継続し、閾値を超えれば、ステップS03の動作を行う。
閾値は、視線の動きがあるか否かを判断するための値である。例えば、角膜が初期状態から一定の距離だけ動いた場合、動きの変化分が閾値を超えるか否かに応じて、視線の動きを判断するために設定する値である。
視線の動きがあれば、視線の動く方向に頭部の傾きが行われる蓋然性が高い。ステップS03では、視線の動く方向に頭部が動く場合の表示データを演算装置140において生成する。つまり、視線の動きによって頭部の傾きを予測し、実際に頭部が傾くよりも先に表示データを生成する。
ステップS03で生成される表示データは、実際の頭部の傾きによっては、表示に用いないデータとなることもあり得る。つまり、本発明の一態様では、視線の動きから頭部の傾きを予測して、投機的に表示データを生成する。
ステップS04では、予測に応じた頭部の傾きを検出したか否かの判断を行う。頭部の傾きは、例えば加速度センサによって検出する。例えば、頭部が正面を向いて静止した状態から視線が右側に動く場合、視線の動きにつれて頭部も右側に傾くか否かを検出して判断を行う。頭部の傾きを検出しなければステップS01に移行し、頭部の傾きを検出すれば、ステップS05の動作を行う。
ステップS05では、ステップS03で生成した表示データを演算装置140から表示装置150に出力する。演算装置140は頭部の傾きを検出するよりも早く表示データを生成しており、頭部の傾きに応じて即座に表示データを出力することができるため、表示をリアルタイムに行うことができる。
<動作例>
図11乃至図16では、動作例について説明する。
図11は、動作を説明するために視線の動きについて説明する図である。図11には正面を向いた眼球160を中央に図示している。また、角膜171と、強膜172および目蓋170を図示している。角膜171の位置が上向き、すなわち視線が上向きである場合、図11では眼球160Nの状態として図示している。同様に、視線が右上向きである場合、図11では眼球160NEの状態として図示している。同様に、視線が右向きである場合、図11では眼球160Eの状態として図示している。同様に、視線が右下向きである場合、図11では眼球160SEの状態として図示している。同様に、視線が下向きである場合、図11では眼球160Sの状態として図示している。同様に、視線が左下向きである場合、図11では眼球160SWの状態として図示している。同様に、視線が左向きである場合、図11では眼球160Wの状態として図示している。同様に、視線が左上向きである場合、図11では眼球160NWの状態として図示している。
図12(A)は、図11の視線の動きを適用して、視線の動きが正面向き(眼球160)から右向き(眼球160E)に変化した場合を図示している。
図12(A)のように視線の動きがあると、使用者は視線の動く方向に頭部の傾きが行われる蓋然性が高い。つまり図12(B)に図示するように右向きに頭部を傾けることを開始する蓋然性が高い。この頭部の傾きの予測を利用して、演算装置では、視線の動く方向に頭部が動く場合の表示データを投機的に生成する。つまり、視線の動きによって頭部の傾く蓋然性が高いことを基に、実際に頭部が傾くか否かに関わらず表示データを生成し、頭部の傾きに備える。視線が動いても頭部の傾きがない場合もありえるが、、実際に頭部が傾くよりも先に表示データを生成することができる。
なお頭部の傾きは、図12(B)に図示するように視線が再度正面を向くことで静止する蓋然性が高い。そのため、視線の動きが正面を向いた際に、表示データの予測を停止する構成としてもよい。
図13(A)は、電子機器を装着する使用者の頭部、視認する仮想空間、および表示装置による表示領域の関係を示す図である。図13(A)では、電子機器を使用者が装着した場合、仮想空間151、表示領域152、眼球160を図示している。点線矢印は視線を表している。図13(B)では、電子機器を使用者が装着した場合におけるZ方向から見た、仮想空間151、表示領域152、眼球160を模式的に図示している。なお図13(A)、(B)において、使用者が装着する電子機器における筐体等の構成は、図示を省略している。
次いで図14乃至図16では、視線の動きに応じた表示データの予測について頭部の傾きと併せた具体的な動作を示して説明する。なお図14乃至図16では、図13(B)と同様に、仮想空間151、表示領域152、眼球160の関係を図示している。
図14(A)は、仮想空間151における表示領域152を正面に視線を向けて視認している使用者が、眼球160Eとなるように視線を右向きに動かす状態を表している。この状態では、電子機器における撮像装置が眼球160Eを撮像し、視線検出装置が視線の動きを検出することになる。
図14(B)は、使用者が視線を右向きに動かすことで生成される表示データの表示領域を表している。図14(B)では、右側に使用者の視線が向いており、頭部の傾きが右側に動く蓋然性が高い。電子機器における演算装置は、表示領域152より右側の表示領域152_1、152_2乃至152_n(nは自然数)に応じた表示データを生成する。
図15(A)は、使用者の頭部が実際に傾きを開始することで演算装置から表示装置に出力される表示データによる表示領域を表している。図15(A)では、頭部の傾きがわずかであるため、表示領域152に近い表示領域152_1を表示する。使用者の視線は、右向きのままであり、演算装置から予め生成した表示データを表示装置に出力する。
図15(B)は、使用者の視線は、右向きのままであり、演算装置から予め生成した表示データの出力を継続する。この場合、図15(B)に図示するように、頭部の傾きが図15(A)の状態からさらに右側に傾くため、表示領域152_1に近い表示領域152_2を表示する。使用者の視線は、右向きのままであり、演算装置から予め生成した表示データを表示装置に出力する。
図16は、使用者の視線は正面を向いており、演算装置から予め生成した表示データの出力を停止する。図16において、頭部の傾きが図14(B)の状態から右側に傾いて静止している。頭部の傾きによって視線の正面にある表示領域が仮想空間151の右端の場合、表示領域152_nを表示する。使用者の視線は、正面を向いており、演算装置から頭部の傾きに応じた表示データを表示装置に出力する。
以上のような動作をすることで、頭部の傾きの変化を予測することができる。頭部の傾きの変化が急であっても、緩やかであっても予測した表示データに基づいて表示を行うことができる。
<変形例1>
図17乃至図19では、図1で示した電子機器とは異なる構成例について説明する。
図17(A)に示す電子機器100Eは、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、表示装置150、および照明装置190を有する。照明装置190が射出する光で左右の眼球を照らすことで、撮像装置120で眼球の様子を撮像しやすくすることができる。なお照明装置190が射出する光は可視光に限らない。表示装置150の視認に影響を与えない光、例えば赤外光などの他の波長の光であってもよい。
図17(B)に示す電子機器100Hは、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、表示装置150、および光学装置191を有する。光学装置191を介して表示装置150を視認する構成とすることで、表示を視認しやすくすることができる。撮像装置120は、眼球の様子を撮像しやすくするように光学装置191よりも手前(眼球側)に配置する構成とすることができる。
電子機器は、網膜走査型の電子機器であってもよい。図18(A)、(B)に示す電子機器200は、網膜走査型の電子機器の一例である。
図18(A)に示す電子機器200は、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、および投影装置153を有する。図18(A)に示す電子機器200は、図18(B)に図示する眼鏡のレンズ210およびテンプル220に固定し、表示を視認することができる。
図19(A)に示す電子機器100Fは、筐体110と、表示部を有する別の電子機器113と、を組み合わせて用いる構成である。電子機器113は、スマートフォン等の情報端末である。図19(B)に示す電子機器113は、図1の電子機器100同様、撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140、および表示装置150を有する。なお電子機器113が有する撮像装置120、視線検出装置130、および/または演算装置140は、電子機器113とは別に筐体内に予め設け、通信手段等によって表示データや撮像データ等を送受信する構成としてもよい。なお視線検出装置130は、ハードウェアとして内蔵されてなくてもよく、ソフトウェア等としてメモリ等に記憶されている構成でもよい。この場合演算装置140を視線検出装置130として用いることができる。
図17乃至図19に示す構成においても、図1と同様に撮像装置120、視線検出装置130、演算装置140の他、表示を視認するための表示装置150または投影装置153を有する。このような構成にすることで、視線の動きに応じて頭部の傾きの変化を予測し、予測された傾きの変化に対応する表示データを生成することができる。そのため、実際の頭部の傾きよりも前に表示データを生成することができ、頭部の傾きに応じた表示をリアルタイムに行うことができる。
<変形例2>
図20乃至図23では、上記の電子機器とは異なる構成の電子機器、及び当該電子機器の表示システムについて説明する。
図20に、電子機器100とは異なる構成を有する電子機器100Gを用いた表示システムの一例について示す。また図21に、図20に対応する表示システムのブロック図を示す。
図20、図21に示す電子機器100Gは、入出力装置230を有する。また図20、図21に示す電子機器100Gは、電子機器100が有する演算装置140に相当する装置が電子機器の外部に設けられる。他の構成は電子機器100と同様である。
電子機器100Gは、筐体110を有する。筐体110の内部には、撮像装置120、視線検出装置130、および表示装置150が設けられている。また電子機器100Gは、図3に示す電子機器100と同様に、スピーカー部161、および固定具162、163を備えている。
入出力装置230は、外部の演算装置240Aにデータ234を送信する機能を有する。入出力装置230は、外部の演算装置240Aからデータ235を受信する機能を有する。
なお入出力装置230は、外部の演算装置240Aとのデータ234及びデータ235の送受信を、無線通信で行うことが好ましい。当該無線通信には、Wi−Fi(Wireless Fidelity:登録商標)やBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の通信規格化された方式の無線LANなどを用いればよい。このように、入出力装置230と外部の演算装置240Aとで無線通信を行うことにより、視認者は負担を感じることなく、電子機器100Gを快適に装着することができる。
また、データ234は、視線の動きのデータである。データ234は、視線検出装置130が、撮像装置120で撮像した眼球の動きの変化をもとに、視線の動きを検出して生成される。なお、データ234は、加速度センサ等の筐体110の傾きを検出する別の手段により取得したデータとしてもよい。また、データ235は、データ234から生成された表示データである。データ235は、データ234から視認者の頭部の傾きの変化を予測し、予測に応じて生成される表示データである。
外部の演算装置240Aは、ネットワーク241に接続されており、ネットワーク241を介して外部の演算装置240Bと接続されている。ここで、外部の演算装置240A及び外部の演算装置240Bは、タブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータ、サーバシステムのような大型のコンピュータ、スーパーコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ゲーム機、携帯型のゲーム機または携帯情報端末などに組み込まれたものを用いることができる。
外部の演算装置240Aは、入出力装置230とデータ234及びデータ235の送受信を行う機能を有し、且つ外部の演算装置240Bとネットワーク241を介して通信する機能を有する。外部の演算装置240Aは、例えば、デスクトップ型のコンピュータなどに組み込まれたものを用いればよい。
外部の演算装置240Bは、データ234から視認者の頭部の傾きの変化を予測し、予測に応じた表示データである、データ235を生成する機能を有する。また、外部の演算装置240Bは、外部の演算装置240Aとネットワーク241を介して通信する機能を有する。よって、外部の演算装置240Bは、外部の演算装置240Aより演算速度が速いものが好ましい。よって、外部の演算装置240Bは、例えば、サーバシステムのような大型のコンピュータに組み込まれたものを用いればよい。
このように、図20に示す表示システムでは、電子機器100Gで必要とされる演算を、ネットワーク241上の演算装置240Bに任せることができる。演算装置240Bが組み込まれたコンピュータ(例えば、サーバシステムなど)は、電子機器100Gより非常に大量の計算資源を有する。このようにクラウドコンピューティングを行うことで、電子機器100Gにおいて、より高精細な表示データをより高速に表示することができる。
また、図22に電子機器100Gを用いた表示システムを説明するフローチャートを示す。
ステップS11では、頭部の傾きに応じた表示を行う。頭部の傾きは、例えば加速度センサによって検出する。例えば、頭部が正面を向いて静止した状態であれば、視線の正面に表示する表示データをもとに表示を行う。このとき眼球は概略静止しているとする。例えばこのときの眼球の状態を初期状態として規定する。
撮像装置120で眼球の様子を撮像し、視線検出装置130で視線の動きを観察する。ステップS12では、視線の動きが初期状態から変化することで閾値を超えたか否かの判断を行う。閾値を越えなければ、ステップS11を継続し、閾値を超えれば、ステップS13の動作を行う。
閾値は、視線の動きがあるか否かを判断するための値である。例えば、角膜が初期状態から一定の距離だけ動いた場合、動きの変化分が閾値を超えるか否かに応じて、視線の動きを判断するために設定する値である。
ステップS13では、視線の動きのデータ(データ234)を、入出力装置230から外部の演算装置240Aに送信する。
ステップS14では、外部の演算装置240Aからネットワーク241を介して外部の演算装置240Bにデータ234を送信する。
ステップS15では、データ234を元に視線の動く方向に頭部が動く場合の表示データ(データ235)を演算装置240Bにおいて生成する。ここで、データ234は視線の動きを示すデータであり、視線の動きがあれば、視線の動く方向に頭部の傾きが行われる蓋然性が高い。よって、視線の動きによって頭部の傾きを予測できるので、実際に頭部が傾くよりも先にデータ235を生成することができる。
ステップS13で生成される表示データは、実際の頭部の傾きによっては、表示に用いないデータとなることもあり得る。つまり、本発明の一態様では、視線の動きから頭部の傾きを予測して、投機的に表示データを生成する。
ステップS16では、外部の演算装置240Bからネットワーク241を介して外部の演算装置240Aにデータ235を送信する。
ステップS17では、データ235を、外部の演算装置240Aから入出力装置230に送信する。
ステップS18では、予測に応じた頭部の傾きを検出したか否かの判断を行う。頭部の傾きは、例えば加速度センサによって検出する。例えば、頭部が正面を向いて静止した状態から視線が右側に動く場合、視線の動きにつれて頭部も右側に傾くか否かを検出して判断を行う。頭部の傾きを検出しなければステップS11に移行し、頭部の傾きを検出すれば、ステップS19の動作を行う。
ステップS19では、ステップS15で生成したデータ235を表示装置150に出力する。頭部の傾きを検出するよりも早く、入出力装置230にデータ235が取得されており、頭部の傾きに応じて即座に表示データを出力することができるため、表示をリアルタイムに行うことができる。
以上のように、図20乃至図22に示す構成においても、視線の動きに応じて頭部の傾きの変化を予測し、予測された傾きの変化に対応する表示データを生成することができる。そのため、実際の頭部の傾きよりも前に表示データを生成することができ、頭部の傾きに応じた表示をリアルタイムに行うことができる。
さらに、図20乃至図22に示す構成において、筐体110からデータ234からデータ235を生成する機能を有する演算装置を取り除き、データ234からデータ235を生成する演算を、外部の演算装置240A、240Bに任せることができる。よって、電子機器100Gの小型化、軽量化を図ることができるので、視認者は電子機器100Gを、より快適に装着することができる。また、電子機器100Gから上記演算装置240A、240Bを取り除くことにより、電子機器100Gの省電力化を図ることができる。また、高速な外部の演算装置240Bを用いたクラウドコンピューティングを行うことで、より高精細な表示データをより高速に表示することができる。
なお、図20乃至図22に示す構成において、筐体110の外部に演算装置を設ける構成について示したが、本発明に示す電子機器はこれに限られるものではない。例えば、図1などに示す電子機器100において、演算装置140の一部の機能に対応する部分を筐体110に設け、他の機能に対応する部分を外部の演算装置で補う構成としてもよい。
また、図20乃至図22において、ネットワーク241を介して、外部の演算装置240Bにデータ234からデータ235を生成する演算を行わせる構成について示したが、本発明に示す電子機器はこれに限られるものではない。例えば、演算装置240Bを用いずに、演算装置240Aにおいて、データ234からデータ235を生成する演算を行わせる構成としてもよい。
また、図20乃至図22において、外部の演算装置240Aを介して、外部の演算装置240Bにデータ234およびデータ235を送受信する構成について示したが、本発明に示す電子機器はこれに限られるものではない。例えば、演算装置240Aを介さず、入出力装置230がネットワーク241に接続され、演算装置240Bとデータ234およびデータ235の送受信を行う構成としてもよい。
また、図20乃至図22において、入出力装置230は、外部の演算装置240Aとのデータ234及びデータ235の送受信を、無線通信で行う構成について示したが、本発明に示す電子機器はこれに限られるものではない。例えば、図23に示すように、入出力装置230と外部の演算装置240Aが、通信ケーブル232を介して接続される構成としてもよい。また、入出力装置230は、電子機器100Gの任意の位置に設けることができる。よって、通信ケーブル232が視認者の動きを妨げないように、スピーカー部161などに設ければよい。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、表示装置150の一例について説明する。図24(A)は、表示装置500の構成例を説明するブロック図である。
図24(A)に示す表示装置500は、駆動回路511、駆動回路521a、駆動回路521b、および表示領域531を有している。なお、駆動回路511、駆動回路521a、および駆動回路521bをまとめて「駆動回路」または「周辺駆動回路」という場合がある。
駆動回路521a、駆動回路521bは、例えば走査線駆動回路として機能できる。また、駆動回路511は、例えば信号線駆動回路として機能できる。なお、駆動回路521a、および駆動回路521bは、どちらか一方のみとしてもよい。また、表示領域531を挟んで駆動回路511と向き合う位置に、何らかの回路を設けてもよい。
また、図24(A)に例示する表示装置500は、各々が略平行に配設され、且つ、駆動回路521a、および/または駆動回路521bによって電位が制御されるp本の配線535と、各々が略平行に配設され、且つ、駆動回路511によって電位が制御されるq本の配線536と、を有する。さらに、表示領域531はマトリクス状に配設された複数の画素532を有する。画素532は、画素回路534および表示素子を有する。
また、3つの画素532を1つの画素として機能させることで、フルカラー表示を実現することができる。3つの画素532は、それぞれが赤色光、緑色光、または青色光の、透過率、反射率、または発光光量などを制御する。なお、3つの画素532で制御する光の色は赤、緑、青の組み合わせに限らず、黄、シアン、マゼンタであってもよい。
また、赤色光、緑色光、青色光を制御する画素に、白色光を制御する画素532を加えて、4つの画素532をまとめて1つの画素として機能させてもよい。白色光を制御する画素532を加えることで、表示領域の輝度を高めることができる。また、1つの画素として機能させる画素532を増やし、赤、緑、青、黄、シアン、およびマゼンタを適宜組み合わせて用いることにより、再現可能な色域を広げることができる。
画素を1920×1080のマトリクス状に配置すると、いわゆるフルハイビジョン(「2K解像度」、「2K1K」、「2K」などとも言われる。)の解像度で表示可能な表示装置500を実現することができる。また、例えば、画素を3840×2160のマトリクス状に配置すると、いわゆるウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、「4K」などとも言われる。)の解像度で表示可能な表示装置500を実現することができる。また、例えば、画素を7680×4320のマトリクス状に配置すると、いわゆるスーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、「8K」などとも言われる。)の解像度で表示可能な表示装置500を実現することができる。画素を増やすことで、16Kや32Kの解像度で表示可能な表示装置500を実現することも可能である。
g行目の配線535_g(gは1以上p以下の自然数。)は、表示領域531においてp行q列(p、qは、ともに1以上の自然数。)に配設された複数の画素532のうち、g行に配設されたq個の画素532と電気的に接続される。また、h列目の配線536_h(hは1以上q以下の自然数。)は、p行q列に配設された画素532のうち、h列に配設されたp個の画素532に電気的に接続される。
〔表示素子〕
表示装置500は、様々な形態を用いること、または様々な表示素子を有することが出来る。表示素子の一例としては、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機EL素子、無機EL素子、または、有機物及び無機物を含むEL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェロメトリック・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブを用いた表示素子、など、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有するものがある。また、表示素子として量子ドットを用いてもよい。
EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。量子ドットを用いた表示装置の一例としては、量子ドットディスプレイなどがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、電子粉流体(登録商標)、又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。表示装置はプラズマディスプレイパネル(PDP)であってもよい。表示装置は網膜走査型の投影装置であってもよい。
なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
なお、LEDを用いる場合、LEDの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体層などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体層などを設けて、LEDを構成することができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体層との間に、AlN層を設けてもよい。なお、LEDが有するGaN半導体層は、MOCVDで成膜してもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDが有するGaN半導体層は、スパッタ法で成膜することも可能である。
図24(B)、図24(C)、図25(A)、および図25(B)は、画素532に用いることができる回路構成例を示している。
〔発光表示装置用画素回路の一例〕
図24(B)に示す画素回路534は、トランジスタ461と、容量素子463と、トランジスタ468と、トランジスタ464と、を有する。また、図24(B)に示す画素回路534は、表示素子として機能できる発光素子426と電気的に接続されている。
トランジスタ461のソース電極およびドレイン電極の一方は、配線536_hに電気的に接続される。さらに、トランジスタ461のゲート電極は、配線535_gに電気的に接続される。配線536_hからはビデオ信号が供給される。
トランジスタ461は、ビデオ信号のノード465への書き込みを制御する機能を有する。
容量素子463の一対の電極の一方は、ノード465に電気的に接続され、他方は、ノード467に電気的に接続される。また、トランジスタ461のソース電極およびドレイン電極の他方は、ノード465に電気的に接続される。
容量素子463は、ノード465に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ468のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続され、他方はノード467に電気的に接続される。さらに、トランジスタ468のゲート電極は、ノード465に電気的に接続される。
トランジスタ464のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線V0に電気的に接続され、他方はノード467に電気的に接続される。さらに、トランジスタ464のゲート電極は、配線535_gに電気的に接続される。
発光素子426のアノードまたはカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、ノード467に電気的に接続される。
発光素子426としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、発光素子426としては、これに限定されず、例えば無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。
例えば、電位供給線VL_aまたは電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図24(B)の画素回路534を有する表示装置500では、駆動回路521a、および/または駆動回路521bにより各行の画素532を順次選択し、トランジスタ461、およびトランジスタ464をオン状態にしてビデオ信号をノード465に書き込む。
ノード465にデータが書き込まれた画素532は、トランジスタ461、およびトランジスタ464がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、ノード465に書き込まれたデータの電位に応じてトランジスタ468のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子426は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、図25(A)に示すように、トランジスタ461、トランジスタ464、およびトランジスタ468として、バックゲートを有するトランジスタを用いてもよい。図25(A)に示すトランジスタ461、およびトランジスタ464は、ゲートがバックゲートと電気的に接続されている。よって、ゲートとバックゲートが常に同じ電位となる。また、トランジスタ468はバックゲートがノード467と電気的に接続されている。よって、バックゲートがノード467と常に同じ電位となる。
〔液晶表示装置用画素回路の一例〕
図24(C)に示す画素回路534は、トランジスタ461と、容量素子463と、を有する。また、図24(C)に示す画素回路534は、表示素子として機能できる液晶素子462と電気的に接続されている。
液晶素子462の一対の電極の一方の電位は、画素回路534の仕様に応じて適宜設定される。例えば、液晶素子462の一対の電極の一方に、共通の電位(コモン電位)を与えてもよいし、容量線CLと同電位としてもよい。また、液晶素子462の一対の電極の一方に、画素532毎に異なる電位を与えてもよい。液晶素子462の一対の電極の他方はノード466に電気的に接続されている。液晶素子462は、ノード466に書き込まれるデータにより配向状態が設定される。
液晶素子462を備える表示装置の駆動方法としては、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、またはTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。また、表示装置の駆動方法としては、上述した駆動方法の他、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、液晶素子およびその駆動方式として様々なものを用いることができる。
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、配向膜を用いないブルー相(Blue Phase)を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、かつ、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計といわれる方法を用いることができる。
また、液晶材料の固有抵抗は、1×109Ω・cm以上であり、好ましくは1×1011Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本明細書における固有抵抗の値は、20℃で測定した値とする。
g行h列目の画素回路534において、トランジスタ461のソース電極およびドレイン電極の一方は、配線536_hに電気的に接続され、他方はノード466に電気的に接続される。トランジスタ461のゲート電極は、配線535_gに電気的に接続される。配線536_hからはビデオ信号が供給される。トランジスタ461は、ノード466へのビデオ信号の書き込みを制御する機能を有する。
容量素子463の一対の電極の一方は、特定の電位が供給される配線(以下、容量線CL)に電気的に接続され、他方は、ノード466に電気的に接続される。なお、容量線CLの電位の値は、画素回路534の仕様に応じて適宜設定される。容量素子463は、ノード466に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
例えば、図24(C)の画素回路534を有する表示装置500では、駆動回路521a、および/または駆動回路521bにより各行の画素回路534を順次選択し、トランジスタ461をオン状態にしてノード466にビデオ信号を書き込む。
ノード466にビデオ信号が書き込まれた画素回路534は、トランジスタ461がオフ状態になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、表示領域531に画像を表示できる。
また、図25(B)に示すように、トランジスタ461にバックゲートを有するトランジスタを用いてもよい。図25(B)に示すトランジスタ461は、ゲートがバックゲートと電気的に接続されている。よって、ゲートとバックゲートが常に同じ電位となる。
〔周辺回路の構成例〕
図26(A)に駆動回路511の構成例を示す。駆動回路511は、シフトレジスタ512、ラッチ回路513、およびバッファ514を有する。また、図26(B)に駆動回路521aの構成例を示す。駆動回路521aは、シフトレジスタ522、およびバッファ523を有する。駆動回路521bも駆動回路521aと同様の構成とすることができる。
シフトレジスタ512およびシフトレジスタ522にはスタートパルスSP、クロック信号CLKなどが入力される。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した電子機器に用いることができるトランジスタの構造例を説明する。
本発明の一態様の電子機器は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図27(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ410の断面図である。トランジスタ410は、基板271上に絶縁層272を介して電極246を有する。また、電極246上に絶縁層226を介して半導体層242を有する。電極246はゲート電極として機能できる。絶縁層226はゲート絶縁層として機能できる。
また、半導体層242のチャネル形成領域上に絶縁層222を有する。また、半導体層242の一部と接して、絶縁層226上に電極244aおよび電極244bを有する。電極244aの一部、および電極244bの一部は、絶縁層222上に形成される。
絶縁層222は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層222を設けることで、電極244aおよび電極244bの形成時に生じる半導体層242の露出を防ぐことができる。よって、電極244aおよび電極244bの形成時に、半導体層242のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタ410は、電極244a、電極244bおよび絶縁層222上に絶縁層228を有し、絶縁層228の上に絶縁層229を有する。
なお、半導体層242に酸化物半導体を用いる場合、電極244aおよび電極244bの、少なくとも半導体層242と接する部分に、半導体層242の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層242中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n+層)となる。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる。酸化物半導体から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
半導体層242にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極244aおよび電極244bと半導体層242の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
半導体層242にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層242と電極244aの間、および半導体層242と電極244bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
絶縁層229は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層229を省略することもできる。
なお、半導体層242に酸化物半導体を用いる場合、絶縁層229の形成前または形成後、もしくは絶縁層229の形成前後に加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことで、絶縁層229や他の絶縁層中に含まれる酸素を半導体層242中に拡散させ、半導体層242中の酸素欠損を補填することができる。または、絶縁層229を加熱しながら成膜することで、半導体層242中の酸素欠損を補填することができる。
図27(A2)に示すトランジスタ411は、絶縁層229上にバックゲートとして機能できる電極223を有する点がトランジスタ410と異なる。電極223は、電極246と同様の材料および方法で形成することができる。
<バックゲートについて>
一般に、バックゲートは導電層で形成される。ゲートとバックゲートは、両者で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。バックゲートはゲートと同様に機能させることができる。バックゲートの電位は、ゲートと同電位としてもよいし、GND電位や、任意の電位としてもよい。また、バックゲートの電位をゲートと連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
電極246および電極223は、どちらもゲートとして機能することができる。よって、絶縁層226、絶縁層228、および絶縁層229は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極223は、絶縁層228と絶縁層229の間に設けてもよい。
なお、電極246または電極223の一方を、「ゲート」または「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート」または「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ411において、電極223を「ゲート電極」と言う場合、電極246を「バックゲート電極」と言う。なお、電極223を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ411をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極246および電極223のどちらか一方を、「第1のゲート」または「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート」または「第2のゲート電極」という場合がある。
半導体層242を挟んで電極246および電極223を設けることで、更には、電極246および電極223を同電位とすることで、半導体層242においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ411のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
したがって、トランジスタ411は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ411の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、集積度の高いトランジスタを有する電子機器を実現することができる。
また、ゲートとバックゲートは導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲートを半導体層よりも大きく形成し、バックゲートで半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
また、電極246(ゲート)および電極223(バックゲート)は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有するため、絶縁層272側もしくは電極223上方に生じる荷電粒子等の電荷が半導体層242のチャネル形成領域に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の電荷を印加する−GBT(Gate Bias−Temperature)ストレス試験)による劣化が抑制される。また、ドレイン電圧の大きさにより、オン電流が流れ始めるゲート電圧(立ち上がり電圧)が変化する現象を軽減することができる。なお、この効果は、電極246および電極223が、同電位、または異なる電位の場合において生じる。
なお、GBTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化(経年変化)を短時間で評価することができる。特に、GBTストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。しきい値電圧の変動量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
また、電極246および電極223を有し、且つ電極246および電極223を同電位とすることで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトランジスタにおける電気特性のばらつきも同時に低減される。
また、バックゲートを有するトランジスタは、ゲートに正の電荷を印加する+GBTストレス試験前後におけるしきい値電圧の変動も、バックゲートを有さないトランジスタより小さい。
また、バックゲートを、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好なパルス出力回路を有する電子機器を実現することができる。
図27(B1)に、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネル保護型のトランジスタ420の断面図を示す。トランジスタ420は、トランジスタ410とほぼ同様の構造を有しているが、開口231aおよび開口231bを有する絶縁層222が半導体層242を覆っている点が異なる。開口231aおよび開口231bは、半導体層242と重なる絶縁層222の一部を選択的に除去して形成される。
開口231aにおいて半導体層242と電極244aが電気的に接続している。また、開口231bにおいて、半導体層242と電極244bが電気的に接続している。絶縁層222を設けることで、電極244aおよび電極244bの形成時に生じる半導体層242の露出を防ぐことができる。よって、電極244aおよび電極244bの形成時に半導体層242の薄膜化を防ぐことができる。絶縁層222の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
図27(B2)に示すトランジスタ421は、絶縁層229上にバックゲートとして機能できる電極223を有する点が、トランジスタ420と異なる。
また、トランジスタ420およびトランジスタ421は、トランジスタ410およびトランジスタ411よりも、電極244aと電極246の間の距離と、電極244bと電極246の間の距離が長くなる。よって、電極244aと電極246の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極244bと電極246の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
図27(C1)に示すトランジスタ425は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタである。トランジスタ425は、絶縁層222を設けずに、半導体層242に接して電極244aおよび電極244bを形成する。このため、電極244aおよび電極244bの形成時に露出する半導体層242の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層229を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
図27(C2)に示すトランジスタ436は、絶縁層229上にバックゲートとして機能できる電極223を有する点が、トランジスタ425と異なる。
〔トップゲート型トランジスタ〕
図28(A1)に、トップゲート型のトランジスタの一種であるトランジスタ430の断面図を示す。トランジスタ430は、基板271の上に絶縁層272を介して半導体層242を有し、半導体層242および絶縁層272上に、半導体層242の一部に接する電極244a、および半導体層242の一部に接する電極244bを有し、半導体層242、電極244a、および電極244b上に絶縁層226を有し、絶縁層226上に電極246を有する。
トランジスタ430は、電極246および電極244a、並びに、電極246および電極244bが重ならないため、電極246および電極244aの間に生じる寄生容量、並びに、電極246および電極244bの間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極246を形成した後に、電極246をマスクとして用いて不純物255を半導体層242に導入することで、半導体層242中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図28(A3)参照)。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
なお、不純物255の導入は、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行うことができる。
不純物255としては、例えば、第13族元素または第15族元素などのうち、少なくとも一種類の元素を用いることができる。また、半導体層242に酸化物半導体を用いる場合は、不純物255として、希ガス、水素、および窒素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることも可能である。
図28(A2)に示すトランジスタ431は、電極223および絶縁層227を有する点がトランジスタ430と異なる。トランジスタ431は、絶縁層272の上に形成された電極223を有し、電極223上に形成された絶縁層227を有する。電極223は、バックゲートとして機能することができる。よって、絶縁層227は、ゲート絶縁層として機能することができる。絶縁層227は、絶縁層226と同様の材料および方法により形成することができる。
トランジスタ411と同様に、トランジスタ431は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ431の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高いトランジスタを有する電子機器を実現することができる。
図28(B1)に例示するトランジスタ440は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ440は、電極244aおよび電極244bを形成した後に半導体層242を形成する点が、トランジスタ430と異なる。また、図28(B2)に例示するトランジスタ441は、電極223および絶縁層227を有する点が、トランジスタ440と異なる。トランジスタ440およびトランジスタ441において、半導体層242の一部は電極244a上に形成され、半導体層242の他の一部は電極244b上に形成される。
トランジスタ411と同様に、トランジスタ441は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ441の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、集積度の高いトランジスタを有する電子機器を実現できる。
図29(A1)に例示するトランジスタ442は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ442は、絶縁層229上に電極244aおよび電極244bを有する。電極244aおよび電極244bは、絶縁層228および絶縁層229に形成した開口部において半導体層242と電気的に接続する。
また、電極246と重ならない絶縁層226の一部が除去されている。また、トランジスタ442が有する絶縁層226の一部は、電極246の端部を越えて延伸している。
電極246と絶縁層226をマスクとして用いて不純物255を半導体層242に導入することで、半導体層242中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図29(A3)参照)。
この時、半導体層242の電極246と重なる領域には不純物255が導入されず、電極246と重ならない領域に不純物255が導入される。また、半導体層242の絶縁層226を介して不純物255が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層226を介さずに不純物255が導入された領域よりも低くなる。よって、半導体層242中の電極246と隣接する領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
図29(A2)に示すトランジスタ443は、半導体層242の下方に電極223を有する点がトランジスタ442と異なる。また、電極223は絶縁層272を介して半導体層242と重なる。電極223は、バックゲート電極として機能することができる。
また、図29(B1)に示すトランジスタ444および図29(B2)に示すトランジスタ445のように、絶縁層226の電極246と重ならない領域を全て除去してもよい。また、図29(C1)に示すトランジスタ446および図29(C2)に示すトランジスタ447のように、絶縁層226の開口部以外を除去せずに残してもよい。
トランジスタ444乃至トランジスタ447も、電極246を形成した後に、電極246をマスクとして用いて不純物255を半導体層242に導入することで、半導体層242中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。
〔s−channel型トランジスタ〕
図30に、半導体層242として酸化物半導体を用いたトランジスタ構造の一例を示す。図30(A)はトランジスタ451の上面図である。図30(B)は、図30(A)中に一点鎖線で示した部位L1−L2の断面図(チャネル長方向の断面図)である。図30(C)は、図30(A)中に一点鎖線で示した部位W1−W2の断面図(チャネル幅方向の断面図)である。
トランジスタ451は半導体層242、絶縁層226、絶縁層272、絶縁層282、絶縁層274、電極224、電極243、電極244a、および電極244bを有する。電極243はゲートとして機能できる。電極224はバックゲートゲートとして機能できる。絶縁層226、絶縁層272、絶縁層282、および絶縁層274はゲート絶縁層として機能できる。電極244aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極244bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。
基板271上に絶縁層275が設けられ、絶縁層275上に電極224および絶縁層273が設けられている。また、電極224および絶縁層273上に絶縁層274が設けられている。また、絶縁層274上に絶縁層282が設けられ、絶縁層282上に絶縁層272が設けられている。
絶縁層272に形成された凸部の上に半導体層242aが設けられ、半導体層242aの上に半導体層242bが設けられている。また、半導体層242b上に、電極244a、および電極244bが設けられている。半導体層242bの電極244aと重なる領域が、トランジスタ451のソースまたはドレインの一方として機能できる。半導体層242bの電極244bと重なる領域が、トランジスタ451のソースまたはドレインの他方として機能できる。
また、半導体層242bの一部と接して、半導体層242cが設けられている。また、半導体層242c上に絶縁層226が設けられ、絶縁層226の上に電極243が設けられている。
トランジスタ451は、部位W1−W2において、半導体層242bの上面および側面、並びに半導体層242aの側面が半導体層242cに覆われた構造を有する。また、絶縁層272に設けた凸部の上方に半導体層242bを設けることで、半導体層242bの側面を電極243で覆うことができる。すなわち、トランジスタ451は、電極243の電界によって、半導体層242bを電気的に取り囲むことができる構造を有している。このように、導電膜の電界によって、チャネルが形成される半導体層を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。また、s−channel構造を有するトランジスタを、「s−channel型トランジスタ」もしくは「s−channelトランジスタ」ともいう。
s−channel構造では、半導体層242bの全体(バルク)にチャネルを形成することもできる。s−channel構造では、トランジスタのドレイン電流を大きくすることができ、さらに大きいオン電流を得ることができる。また、電極243の電界によって、半導体層242bに形成されるチャネル形成領域の全領域を空乏化することができる。したがって、s−channel構造では、トランジスタのオフ電流をさらに小さくすることができる。
なお、絶縁層272の凸部を高くし、また、チャネル幅を小さくすることで、s−channel構造によるオン電流の増大効果、オフ電流の低減効果などをより高めることができる。また、半導体層242bの加工時に、露出する半導体層242aを除去してもよい。この場合、半導体層242aと半導体層242bの側面が揃う場合がある。
また、トランジスタ451上に絶縁層228が設けられ、絶縁層228上に絶縁層229が設けられている。また、絶縁層229上に電極225a、電極225b、および電極225c、が設けられている。電極225aは、絶縁層229および絶縁層228に設けられた開口部で、コンタクトプラグを介して電極244aと電気的に接続されている。電極225bは、絶縁層229および絶縁層228に設けられた開口部で、コンタクトプラグを介して電極244bと電気的に接続されている。電極225cは、絶縁層229および絶縁層228に設けられた開口部で、コンタクトプラグを介して電極243と電気的に接続されている。
なお、絶縁層282を酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどで形成することで、絶縁層282を電荷捕獲層として機能させることができる。絶縁層282に電子を注入することで、トランジスタのしきい値電圧を変動させることが可能である。絶縁層282への電子の注入は、例えば、トンネル効果を利用すればよい。電極224に正の電圧を印加することによって、トンネル電子を絶縁層282に注入することができる。
[半導体層242のエネルギーバンド構造(1)]
ここで、半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cの積層により構成される半導体層242の機能およびその効果について、図38(A)に示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図38(A)は、図30(B)にD1−D2の一点鎖線で示した部位のエネルギーバンド構造を示している。すなわち、図38(A)は、トランジスタ451のチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示している。
図38(A)中、Ec382、Ec383a、Ec383b、Ec383c、Ec386は、それぞれ、絶縁層272、半導体層242a、半導体層242b、半導体層242c、絶縁層226の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、電子親和力は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(「イオン化ポテンシャル」ともいう。)からバンドギャップを引いた値となる。なお、バンドギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:8のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約3.2eV、電子親和力は約4.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のバンドギャップは約2.8eV、電子親和力は約5.0eVである。
絶縁層272と絶縁層226は絶縁物であるため、Ec382とEc386は、Ec383a、Ec383b、およびEc383cよりも真空準位に近い(電子親和力が小さい。)。
また、Ec383aは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383aは、Ec383bよりも0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、Ec383cは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383cは、Ec383bよりも0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
ここで、半導体層242aと半導体層242bとの間には、半導体層242aと半導体層242bとの混合領域を有する場合がある。また、半導体層242bと半導体層242cとの間には、半導体層242bと半導体層242cとの混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、半導体層242a、半導体層242bおよび半導体層242cの積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このとき、電子は、半導体層242a中および半導体層242c中ではなく、半導体層242b中を主として移動する。したがって、半導体層242aおよび半導体層242bの界面における界面準位密度、半導体層242bと半導体層242cとの界面における界面準位密度を低くすることによって、半導体層242b中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタ451のオン電流を高くすることができる。
また、半導体層242aと絶縁層272の界面、および半導体層242cと絶縁層226の界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位390が形成され得るものの、半導体層242a、および半導体層242cがあることにより、半導体層242bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
なお、トランジスタ451がs−channel構造を有する場合、部位W1−W2において、半導体層242bの全体にチャネルが形成される。したがって、半導体層242bが厚いほどチャネル領域は大きくなる。即ち、半導体層242bが厚いほど、トランジスタ451のオン電流を高くすることができる。例えば、10nm以上、好ましくは40nm以上、さらに好ましくは60nm以上、より好ましくは100nm以上の厚さの領域を有する半導体層242bとすればよい。ただし、トランジスタ451を有する電子機器の生産性が低下する場合があるため、例えば、300nm以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下の厚さの領域を有する半導体層242bとすればよい。なお、チャネル形成領域が縮小していくと、半導体層242bが薄いほうがトランジスタの電気特性が向上する場合もある。よって、半導体層242bの厚さが10nm未満であってもよい。
また、トランジスタ451のオン電流を高くするためには、半導体層242cの厚さは小さいほど好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有する半導体層242cとすればよい。一方、半導体層242cは、チャネルの形成される半導体層242bへ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、半導体層242cは、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する半導体層242cとすればよい。
また、信頼性を高くするためには、半導体層242aは厚く、半導体層242cは薄いことが好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する半導体層242aとすればよい。半導体層242aの厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と半導体層242aとの界面からチャネルの形成される半導体層242bまでの距離を離すことができる。ただし、トランジスタ451を有する電子機器の生産性が低下する場合があるため、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する半導体層242aとすればよい。
なお、酸化物半導体中のシリコンは、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。したがって、半導体層242bのシリコン濃度は低いほど好ましい。例えば、半導体層242bと半導体層242aとの間に、例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)において、1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm3未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、半導体層242bと半導体層242cとの間に、SIMSにおいて、1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm3未満のシリコン濃度となる領域を有する。
また、半導体層242bの水素濃度を低減するために、半導体層242aおよび半導体層242cの水素濃度を低減すると好ましい。半導体層242aおよび半導体層242cは、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下の水素濃度となる領域を有する。また、半導体層242bの窒素濃度を低減するために、半導体層242aおよび半導体層242cの窒素濃度を低減すると好ましい。半導体層242aおよび半導体層242cは、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下の窒素濃度となる領域を有する。
なお、酸化物半導体に銅が混入すると、電子トラップを生成する場合がある。電子トラップは、トランジスタのしきい値電圧がプラス方向へ変動させる場合がある。したがって、半導体層242bの表面または内部における銅濃度は低いほど好ましい。例えば、半導体層242b、銅濃度が1×1019atoms/cm3以下、5×1018atoms/cm3以下、または1×1018atoms/cm3以下となる領域を有すると好ましい。
上述の3層構造は一例である。例えば、半導体層242aまたは半導体層242cのない2層構造としても構わない。または、半導体層242aの上もしくは下、または半導体層242c上もしくは下に、半導体層242a、半導体層242bおよび半導体層242cとして例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。または、半導体層242aの上、半導体層242aの下、半導体層242cの上、半導体層242cの下のいずれか二箇所以上に、半導体層242a、半導体層242bおよび半導体層242cとして例示した半導体のいずれか一を有するg層構造(gは5以上の整数)としても構わない。
特に、本実施の形態に例示するトランジスタ451は、チャネル幅方向において、半導体層242bの上面と側面が半導体層242cと接し、半導体層242bの下面が半導体層242aと接して形成されている。このように、半導体層242bを半導体層242aと半導体層242cで覆う構成とすることで、上記トラップ準位の影響をさらに低減することができる。
また、半導体層242a、および半導体層242cのバンドギャップは、半導体層242bのバンドギャップよりも広いほうが好ましい。
本発明の一態様によれば、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを実現することができる。よって、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを有する電子機器を実現することができる。本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。よって、信頼性の良好なトランジスタを有する電子機器を実現することができる。
また、酸化物半導体のバンドギャップは2eV以上あるため、チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう。)は、オフ電流を極めて小さくすることができる。具体的には、ソースとドレイン間の電圧が3.5V、室温(25℃)下において、チャネル幅1μm当たりのオフ電流を1×10−20A未満、1×10−22A未満、あるいは1×10−24A未満とすることができる。すなわち、オンオフ比を20桁以上150桁以下とすることができる。また、OSトランジスタは、ソースとドレイン間の絶縁耐圧が高い。OSトランジスタを用いることで、出力電圧が大きく高耐圧なトランジスタを有する電子機器を提供することができる。
本発明の一態様によれば、消費電力が少ないトランジスタを実現することができる。よって、消費電力が少ないトランジスタを有する電子機器を実現することができる。
また、目的によっては、バックゲートとして機能できる電極224を設けなくてもよい。図31(A)はトランジスタ451aの上面図である。図31(B)は、図31(A)中に一点鎖線で示した部位L1−L2の断面図である。図31(C)は、図31(A)中に一点鎖線で示した部位W1−W2の断面図である。トランジスタ451aは、トランジスタ451から電極224、絶縁層273、絶縁層274、および絶縁層282を省略した構成を有する。これらの電極や絶縁層を設けないことで、トランジスタの生産性を高めることができる。よって、電子機器の生産性を高めることができる。
s−channel型トランジスタの他の一例を図32に示す。図32(A)はトランジスタ452の上面図である。図32(B)および図32(C)は、図32(A)中に一点鎖線で示した部位L1−L2および部位W1−W2の断面図である。
トランジスタ452は、トランジスタ451と同様の構成を有するが、電極244aおよび電極244bが半導体層242aおよび半導体層242bの側面と接している点が異なる。また、トランジスタ452を覆う絶縁層228として、トランジスタ451と同様の平坦な表面を有する絶縁層を用いてもよい。また、絶縁層229上に、電極225a、電極225b、および電極225cを設けてもよい。
s−channel型トランジスタの他の一例を図33に示す。図33(A)はトランジスタ453の上面図である。図33(B)は、図33(A)中に一点鎖線で示した部位L1−L2および部位W1−W2の断面図である。トランジスタ453も、トランジスタ451と同様に、絶縁層272に設けた凸部の上に半導体層242aおよび半導体層242bが設けられている。また、半導体層242b上に電極244a、および電極244bが設けられている。半導体層242bの電極244aと重なる領域が、トランジスタ453のソースまたはドレインの一方として機能できる。半導体層242bの電極244bと重なる領域が、トランジスタ453のソースまたはドレインの他方として機能できる。よって、半導体層242bの、電極244aと電極244bに挟まれた領域269が、チャネル形成領域として機能できる。
トランジスタ453は、絶縁層228の一部を除去して領域269と重なる領域に開口が設けられ、該開口の側面および底面に沿って半導体層242cが設けられている。また、該開口内に、半導体層242cを介して、かつ、該開口の側面および底面に沿って、絶縁層226が設けられている。また、該開口内に、半導体層242cおよび絶縁層226を介して、かつ、該開口の側面および底面に沿って、電極243が設けられている。
なお、該開口は、チャネル幅方向の断面において、半導体層242aおよび半導体層242bよりも大きく設けられている。よって、領域269において、半導体層242aおよび半導体層242bの側面は、半導体層242cに覆われている。
また、絶縁層228上に絶縁層229が設けられ、絶縁層229上に絶縁層277が設けられている。また、絶縁層277上に電極225a、電極225b、および電極225cが設けられている。電極225aは、絶縁層277、絶縁層229、および絶縁層228の一部を除去して形成した開口において、コンタクトプラグを介して電極244aと電気的に接続されている。また、電極225bは、絶縁層277、絶縁層229、および絶縁層228の一部を除去して形成した開口において、コンタクトプラグを介して電極244bと電気的に接続されている。また、電極225cは、絶縁層277および絶縁層229の一部を除去して形成した開口において、コンタクトプラグを介して電極243と電気的に接続されている。
また、目的によっては、バックゲートとして機能できる電極224を設けなくてもよい。図34(A)はトランジスタ453aの上面図である。図34(B)は、図34(A)中に一点鎖線で示した部位L1−L2および部位W1−W2の断面図である。トランジスタ453aは、トランジスタ453から電極224、絶縁層274、および絶縁層282を省略した構成を有する。これらの電極や絶縁層を設けないことで、トランジスタの生産性を高めることができる。よって、電子機器の生産性を高めることができる。
s−channel型トランジスタの他の一例を図35に示す。図35(A)はトランジスタ454の上面図である。図35(B)は、図35(A)に一点鎖線で示した部位L1−L2の断面図である。図35(C)は、図35(A)に一点鎖線で示した部位W1−W2の断面図である。
トランジスタ454は、バックゲート電極を有するボトムゲート型のトランジスタの一種である。トランジスタ454は、絶縁層274上に電極243が形成され、電極243を覆って絶縁層226が設けられている。また、絶縁層226上の電極243と重なる領域に半導体層242が形成されている。トランジスタ454が有する半導体層242は、半導体層242aと半導体層242bの積層を有する。
また、半導体層242の一部に接して、絶縁層226上に電極244aおよび電極244bが形成されている。また、半導体層242の一部に接して、電極244aおよび電極244b上に絶縁層228が形成されている。また、絶縁層228上に絶縁層229が形成されている。また、絶縁層229上の半導体層242と重なる領域に電極224が形成されている。
絶縁層229上に設けられた電極224は、絶縁層229、絶縁層228、および絶縁層226に設けられた開口247aおよび開口247bにおいて、電極243と電気的に接続されている。よって、電極224と電極243には、同じ電位が供給される。また、開口247aおよび開口247bは、どちらか一方を設けなくてもよい。また、開口247aおよび開口247bの両方を設けなくてもよい。開口247aおよび開口247bの両方を設けない場合は、電極224と電極243に異なる電位を供給することができる。
[半導体層242のエネルギーバンド構造(2)]
図38(B)は、図35(B)にD3−D4の一点鎖線で示す部位のエネルギーバンド構造図である。図38(B)は、トランジスタ454のチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示している。
図38(B)中、Ec384は、絶縁層228の伝導帯下端のエネルギーを示している。半導体層242を半導体層242aと半導体層242bの2層とすることで、トランジスタの生産性を高めることができる。なお、半導体層242cを設けない分、トラップ準位390の影響を受けやすくなるが、半導体層242を単層構造とした場合よりも高い電界効果移動度を実現することができる。
また、目的によっては、バックゲートとして機能できる電極224を設けなくてもよい。図36(A)はトランジスタ454aの上面図である。図36(B)および図36(C)は、図36(A)中に一点鎖線で示した部位L1−L2および部位W1−W2の断面図である。トランジスタ454aは、トランジスタ454から電極224、開口247aおよび開口247bを省略した構成を有する。これらの電極や開口を設けないことで、トランジスタの生産性を高めることができる。よって、電子機器の生産性を高めることができる。
図37に、s−channel構造を有するトランジスタの一例を示す。図37に例示するトランジスタ448は、前述したトランジスタ447とほぼ同様の構成を有する。トランジスタ448はバックゲートを有するトップゲート型のトランジスタの一種である。図37(A)はトランジスタ448の上面図である。図37(B)は、図37(A)に一点鎖線で示した部位L1−L2の断面図である。図37(C)は、図37(A)に一点鎖線で示した部位W1−W2の断面図である。
図37は、トランジスタ448を構成する半導体層242にシリコンなどの無機半導体層を用いる場合の構成例を示している。図37において、基板271の上に電極224が設けられ、電極224の上に絶縁層272が設けられている。また、絶縁層272が有する凸部の上に半導体層242が形成されている。
半導体層242は、半導体層242iと、2つの半導体層242tと、2つの半導体層242uとを有する。半導体層242iは、2つの半導体層242tの間に配置されている。また、半導体層242iと2つの半導体層242tは、2つの半導体層242uの間に配置されている。また、半導体層242iと重なる領域に電極243が設けられている。
トランジスタ448がオン状態の時に半導体層242iにチャネルが形成される。よって、半導体層242iはチャネル形成領域として機能する。また、半導体層242tは低濃度不純物領域(LDD)として機能する。また、半導体層242uは高濃度不純物領域として機能する。なお、2つの半導体層242tのうち、一方または両方の半導体層242tを設けなくてもよい。また、2つの半導体層242uのうち、一方の半導体層242uはソース領域として機能し、他方の半導体層242uはドレイン領域として機能する。
絶縁層229上に設けられた電極244aは、絶縁層226、絶縁層228、および絶縁層229に設けられた開口247cにおいて、半導体層242uの一方と電気的に接続されている。また、絶縁層229上に設けられた電極244bは、絶縁層226、絶縁層228、および絶縁層229に設けられた開口247dにおいて、半導体層242uの他方と電気的に接続されている。
絶縁層226上に設けられた電極243は、絶縁層226、および絶縁層272に設けられた開口247aおよび開口247bにおいて、電極224と電気的に接続されている。よって、電極243と電極224には、同じ電位が供給される。また、開口247aおよび開口247bは、どちらか一方を設けなくてもよい。また、開口247aおよび開口247bの両方を設けなくてもよい。開口247aおよび開口247bの両方を設けない場合は、電極243と電極224に異なる電位を供給することができる。
<成膜方法について>
本明細書等に示す電極などの導電層、絶縁層、および半導体層は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、蒸着法、またはスパッタリング法などを用いて形成することができる。一般に、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法などに分類できる。また、大気圧下で成膜を行なう常圧CVD(APCVD:Atmospheric Pressure CVD)法などもある。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法などに分類できる。
また、一般に、蒸着法は、抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、IAD(Ion beam Assisted Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などに分類できる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、MOCVD法や蒸着法などの、成膜時にプラズマを用いない成膜方法を用いると、被形成面にダメージが生じにくく、また、欠陥の少ない膜が得られる。
また、一般に、スパッタリング法は、DCスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、RFスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法などに分類できる。
対向ターゲットスパッタリング法では、プラズマがターゲット間に閉じこめられるため、基板へのプラズマダメージを低減することができる。また、ターゲットの傾きによっては、スパッタリング粒子の基板への入射角度を浅くすることができるため、段差被覆性を高めることができる。
なお、CVD法およびALD法は、ターゲットなどから放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合などに好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法などの他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、トランジスタや電子機器の生産性を高めることができる場合がある。
<基板>
基板271として用いる材料に大きな制限はない。目的に応じて、透光性の有無や加熱処理に耐えうる程度の耐熱性などを勘案して決定すればよい。例えばバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、基板271として、半導体基板、可撓性基板(フレキシブル基板)、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどを用いてもよい。
半導体基板としては、例えば、シリコン、もしくはゲルマニウムなどを材料とした単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化ガリウムを材料とした化合物半導体基板などがある。また、半導体基板は、単結晶半導体であってもよいし、多結晶半導体であってもよい。
可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アラミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。
基板271に用いる可撓性基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。基板271に用いる可撓性基板は、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性基板として好適である。
<絶縁層>
絶縁層222、絶縁層226、絶縁層228、絶縁層229、絶縁層272、絶縁層273、絶縁層274、絶縁層275、絶縁層277、および絶縁層282は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどから選ばれた材料を、単層でまたは積層して用いる。また、酸化物材料、窒化物材料、酸化窒化物材料、窒化酸化物材料のうち、複数の材料を混合した材料を用いてもよい。
なお、本明細書中において、窒化酸化物とは、酸素よりも窒素の含有量が多い化合物をいう。また、酸化窒化物とは、窒素よりも酸素の含有量が多い化合物をいう。なお、各元素の含有量は、例えば、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)等を用いて測定することができる。
特に絶縁層275および絶縁層229は、不純物が透過しにくい絶縁性材料を用いて形成することが好ましい。例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁材料を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、不純物が透過しにくい絶縁性材料として、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコンなどを挙げることができる。また、絶縁層275または絶縁層229として、絶縁性の高い酸化インジウム錫亜鉛(In−Sn−Zn酸化物)などを用いてもよい。
絶縁層275に不純物が透過しにくい絶縁性材料を用いることで、基板271側からの不純物の拡散を抑制し、トランジスタの信頼性を高めることができる。絶縁層229に不純物が透過しにくい絶縁性材料を用いることで、絶縁層229側からの不純物の拡散を抑制し、トランジスタの信頼性を高めることができる。
絶縁層222、絶縁層226、絶縁層228、絶縁層229、絶縁層272、絶縁層273、絶縁層274、絶縁層277、および絶縁層282として、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層して用いてもよい。絶縁層222、絶縁層226、絶縁層228、絶縁層229、絶縁層272、絶縁層273、絶縁層274、絶縁層277、および絶縁層282の形成方法は特に限定されず、スパッタリング法、CVD法、MBE法またはPLD法、ALD法、スピンコート法などの各種形成方法を用いることができる。
例えば、熱CVD法を用いて、酸化アルミニウムを成膜する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体化合物を含む液体(TMAなど)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてH2Oの2種類のガスを用いる。なお、トリメチルアルミニウムの化学式はAl(CH3)3である。また、他の材料液としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
例えば、PECVD法を用いて酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を形成する場合には、原料ガスとしてシリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用いることが好ましい。シリコンを含む堆積性気体の代表例としては、シラン、ジシラン、トリシラン、フッ化シラン等がある。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化二窒素、二酸化窒素等がある。
また、堆積性気体のガス流量に対する酸化性気体のガス流量を20倍以上100倍未満、または40倍以上80倍以下とし、処理室内の圧力を100Pa以下、または50Pa以下とすることで、欠陥量の少ない酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、処理室内に載置された基板を280℃以上400℃以下に保持し、処理室に原料ガスを導入して処理室内における圧力を20Pa以上250Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上250Pa以下とし、処理室内に設けられる電極に高周波電力を供給することで、緻密な酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を、有機シランガスを用いたCVD法を用いて形成することができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)などのシリコン含有化合物を用いることができる。有機シランガスを用いたCVD法を用いることで、被覆性の高い絶縁層を形成することができる。
また、絶縁層を、マイクロ波を用いたプラズマCVD法を用いて形成してもよい。マイクロ波とは300MHzから300GHzの周波数域を指す。マイクロ波において、電子温度が低く、電子エネルギーが小さい。また、供給された電力において、電子の加速に用いられる割合が少なく、より多くの分子の解離及び電離に用いられることが可能であり、密度の高いプラズマ(高密度プラズマ)を励起することができる。このため、被成膜面及び堆積物へのプラズマダメージが少なく、欠陥の少ない絶縁層を形成することができる。
また、半導体層242として酸化物半導体を用いる場合、半導体層242中の水素濃度の増加を防ぐために、絶縁層中の水素濃度を低減することが好ましい。特に、半導体層242と接する絶縁層中の水素濃度を低減することが好ましい。具体的には、絶縁層中の水素濃度を、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下とする。また、半導体層242中の窒素濃度の増加を防ぐために、絶縁層中の窒素濃度を低減することが好ましい。特に、半導体層242と接する絶縁層中の窒素濃度を低減することが好ましい。具体的には、絶縁層中の窒素濃度を、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
なお、SIMS分析によって測定された濃度は、プラスマイナス40%の変動を含む場合がある。
また、半導体層242として酸化物半導体を用いる場合、絶縁層は、加熱により酸素が放出される絶縁層(「過剰酸素を含む絶縁層」ともいう。)を用いて形成することが好ましい。特に、半導体層242と接する絶縁層は、過剰酸素を含む絶縁層とすることが好ましい。例えば、当該絶縁層の表面温度が100℃以上700℃以下、好ましくは100℃以上500℃以下の加熱処理で行われるTDS分析において、酸素原子に換算した酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、あるいは3.0×1020atoms/cm3以上である絶縁層が好ましい。
また、過剰酸素を含む絶縁層は、絶縁層に酸素を添加する処理を行って形成することもできる。酸素を添加する処理は、酸素雰囲気下による熱処理や、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行うことができる。酸素を添加するためのガスとしては、16O2もしくは18O2などの酸素ガス、亜酸化窒素ガスまたはオゾンガスなどを用いることができる。また、プラズマ処理で酸素の添加を行う場合、マイクロ波で酸素を励起し、高密度な酸素プラズマを発生させることで、絶縁層への酸素添加量を増加させることができる。なお、本明細書では酸素を添加する処理を「酸素ドープ処理」ともいう。
また、酸素を含む雰囲気中でスパッタリング法により絶縁層を成膜することで、当該絶縁層の被形成層に酸素を導入することができる。
また、一般に、容量素子は対向する二つの電極の間に誘電体を挟む構成を有し、誘電体の厚さが薄いほど(対向する二つの電極間距離が短いほど)、また、誘電体の誘電率が大きいほど容量値が大きくなる。ただし、容量素子の容量値を増やすために誘電体を薄くすると、トンネル効果などに起因して、二つの電極間に意図せずに流れる電流(以下、「リーク電流」ともいう。)が増加しやすくなり、また、容量素子の絶縁耐圧が低下しやすくなる。
トランジスタのゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層が重畳する部分は、容量素子として機能する(以下、「ゲート容量」ともいう。)。なお、半導体層の、ゲート絶縁層を介してゲート電極と重畳する領域にチャネルが形成される。すなわち、ゲート電極とチャネル形成領域が、容量素子の二つの電極として機能する。また、ゲート絶縁層が容量素子の誘電体として機能する。ゲート容量の容量値は大きいほうが好ましいが、容量値を大きくするためにゲート絶縁層を薄くすると、前述のリーク電流の増加や、絶縁耐圧の低下といった問題が生じやすい。
そこで、誘電体として、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSixOyNz(x>0、y>0、z>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlxOyNz(x>0、y>0、z>0))、酸化ハフニウム、または酸化イットリウムなどのhigh−k材料を用いると、誘電体を厚くしても、容量素子の容量値を十分確保することが可能となる。
例えば、誘電体として誘電率が大きいhigh−k材料を用いると、誘電体を厚くしても、誘電体として酸化シリコンを用いた場合と同等の容量値を実現できるため、容量素子を形成する二つの電極間に生じるリーク電流を低減できる。なお、誘電体をhigh−k材料と、他の絶縁材料との積層構造としてもよい。
また、絶縁層228は、平坦な表面を有する絶縁層である。絶縁層228としては、上記絶縁性材料のほかに、ポリイミド、アクリル系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ系樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層してもよい。
なお、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
絶縁層228の形成方法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法など)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷など)などを用いればよい。
また、試料表面にCMP処理を行なってもよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁層や導電層の被覆性を高めることができる。
<半導体層>
半導体層242としては、単結晶半導体、多結晶半導体、微結晶半導体、非晶質半導体などを用いることができる。半導体材料としては、例えば、シリコンや、ゲルマニウムなどを用いることができる。また、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体や、有機半導体などを用いることができる。
また、半導体層242として有機物半導体を用いる場合は、芳香環をもつ低分子有機材料やπ電子共役系導電性高分子などを用いることができる。例えば、ルブレン、テトラセン、ペンタセン、ペリレンジイミド、テトラシアノキノジメタン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレンなどを用いることができる。
また、前述した通り、酸化物半導体のバンドギャップは2eV以上あるため、半導体層242に酸化物半導体を用いると、オフ電流が極めて少ないトランジスタを実現することができる。また、OSトランジスタは、ソースとドレイン間の絶縁耐圧が高い。よって、信頼性の良好なトランジスタを提供できる。また、出力電圧が大きく高耐圧なトランジスタを提供できる。また、信頼性の良好なトランジスタを有する電子機器などを提供できる。また、出力電圧が大きく高耐圧なトランジスタを有する電子機器を提供することができる。
また、例えば、チャネルが形成される半導体層に結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタ(「結晶性Siトランジスタ」ともいう。)は、OSトランジスタよりも比較的高い移動度を得やすい。一方で、結晶性Siトランジスタは、OSトランジスタのように極めて少ないオフ電流の実現が困難である。よって、半導体層に用いる半導体材料は、目的や用途に応じて適宜使い分けることが肝要である。例えば、目的や用途に応じて、OSトランジスタと結晶性Siトランジスタなどを組み合わせて用いてもよい。
本実施の形態では、半導体層242として酸化物半導体を用いる場合について説明する。半導体層242に用いる酸化物半導体は、例えば、インジウム(In)を含む酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、酸化物半導体は、元素Mを含むと好ましい。
元素Mは、好ましくは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどである。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、酸化物半導体は、亜鉛を含むと好ましい。酸化物半導体は亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、半導体層242に用いる酸化物半導体は、インジウムを含む酸化物に限定されない。酸化物半導体は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物、酸化ガリウムなどの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物、ガリウムを含む酸化物、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。
例えば、半導体層242として、熱CVD法でInGaZnOX(X>0)膜を成膜する場合には、トリメチルインジウム(In(CH3)3)、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)、およびジメチル亜鉛(Zn(CH3)2)を用いる。また、これらの組み合わせに限定されず、トリメチルガリウムに代えてトリエチルガリウム(Ga(C2H5)3)を用いることもでき、ジメチル亜鉛に代えてジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)を用いることもできる。
例えば、半導体層242として、ALD法で、InGaZnOX(X>0)膜を成膜する場合には、In(CH3)3ガスとO3ガスを順次繰り返し導入してInO2層を形成し、その後、Ga(CH3)3ガスとO3ガスを順次繰り返し導入してGaO層を形成し、更にその後Zn(CH3)2ガスとO3ガスを順次繰り返し導入してZnO層を形成する。なお、これらの層の順番はこの例に限らない。また、これらのガスを用いてInGaO2層やInZnO2層、GaInO層、ZnInO層、GaZnO層などの混合化合物層を形成しても良い。なお、O3ガスに変えてAr等の不活性ガスで水をバブリングしたH2Oガスを用いても良いが、Hを含まないO3ガスを用いる方が好ましい。また、In(CH3)3ガスにかえて、In(C2H5)3ガスやトリス(アセチルアセトナト)インジウムを用いても良い。なお、トリス(アセチルアセトナト)インジウムは、In(acac)3とも呼ぶ。また、Ga(CH3)3ガスにかえて、Ga(C2H5)3ガスやトリス(アセチルアセトナト)ガリウムを用いても良い。なお、トリス(アセチルアセトナト)ガリウムは、Ga(acac)3とも呼ぶ。また、Zn(CH3)2ガスや、酢酸亜鉛を用いても良い。これらのガス種には限定されない。
酸化物半導体をスパッタリング法で成膜する場合、パーティクル数低減のため、インジウムを含むターゲットを用いると好ましい。また、元素Mの原子数比が高い酸化物ターゲットを用いた場合、ターゲットの導電性が低くなる場合がある。インジウムを含むターゲットを用いる場合、ターゲットの導電率を高めることができ、DC放電、AC放電が容易となるため、大面積の基板へ対応しやすくなる。したがって、電子機器の生産性を高めることができる。
また、前述した通り、酸化物半導体をスパッタリング法で成膜する場合、ターゲットの原子数比を、例えば、In:M:Znが3:1:1、3:1:2、3:1:4、1:1:0.5、1:1:1、1:1:2、1:4:4、5:1:7、4:2:4.1、およびこれらの近傍などとすればよい。
スパッタリング法を用いて酸化物半導体を形成する場合、基板温度を150℃以上750℃以下、または150℃以上450℃以下、または200℃以上350℃以下として成膜することで、酸化物半導体の結晶性を高めることができる。
なお、酸化物半導体をスパッタリング法で成膜すると、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の酸化物半導体が成膜される場合がある。特に、亜鉛は、ターゲットの原子数比よりも成膜された膜の原子数比が小さくなる場合がある。具体的には、ターゲットに含まれる亜鉛の原子数比の40atomic%以上90atomic%程度以下となる場合がある。
半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cは、InもしくはGaの一方、または両方を含む材料で形成することが好ましい。代表的には、In−Ga酸化物(InとGaを含む酸化物)、In−Zn酸化物(InとZnを含む酸化物)、In−M−Zn酸化物(Inと、元素Mと、Znを含む酸化物。元素Mは、Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHfから選ばれた1種類以上の元素で、Inよりも酸素との結合力が強い金属元素である。)がある。
半導体層242aおよび半導体層242cは、半導体層242bを構成する金属元素のうち、1種類以上の同じ金属元素を含む材料により形成されることが好ましい。このような材料を用いると、半導体層242aおよび半導体層242bとの界面、ならびに半導体層242cおよび半導体層242bとの界面に界面準位を生じにくくすることができる。よって、界面におけるキャリアの散乱や捕獲が生じにくく、トランジスタの電界効果移動度を向上させることが可能となる。また、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減することが可能となる。よって、良好な電気特性のトランジスタを有する電子機器を実現することが可能となる。
また、半導体層242bがIn−M−Zn酸化物であり、半導体層242aおよび半導体層242cもIn−M−Zn酸化物であるとき、半導体層242aおよび半導体層242cをIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、半導体層242bをIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]とすると、y1/x1がy2/x2よりも大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択することができる。好ましくは、y1/x1がy2/x2よりも1.5倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。さらに好ましくは、y1/x1がy2/x2よりも2倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。より好ましくは、y1/x1がy2/x2よりも3倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242cおよび半導体層242bを選択する。y1がx1以上であるとトランジスタに安定した電気特性を付与できるため好ましい。ただし、y1がx1の3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y1はx1の3倍未満であると好ましい。半導体層242aおよび半導体層242cを上記構成とすることにより、半導体層242aおよび半導体層242cを、半導体層242bよりも酸素欠損が生じにくい層とすることができる。
なお、半導体層242aおよび半導体層242cがIn−M−Zn酸化物であるとき、Inおよび元素Mの和を100atomic%としたときのZnおよびOを除いてのInと元素Mの原子数比率は、好ましくはInが50atomic%未満、元素Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、元素Mが75atomic%以上とする。また、半導体層242bがIn−M−Zn酸化物であるとき、Inおよび元素Mの和を100atomic%としたときのZnおよびOを除いてのInと元素Mの原子数比率は好ましくはInが25atomic%以上、元素Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、元素Mが66atomic%未満とする。
例えば、InまたはGaを含む半導体層242a、およびInまたはGaを含む半導体層242cとしてIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:4、1:3:6、1:4:5、1:6:4、または1:9:6およびこれらの近傍の原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物や、In:Ga=1:9などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga酸化物や、酸化ガリウムなどを用いることができる。また、半導体層242bとしてIn:Ga:Zn=3:1:2、1:1:1、5:5:6、5:1:7、または4:2:4.1およびこれらの近傍の原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物を用いることができる。なお、半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cの原子数比はそれぞれ、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス20%の変動を含む。
また、OSトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体層中の不純物及び酸素欠損を低減して高純度真性化し、半導体層242を真性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とすることが好ましい。また、少なくとも半導体層242中のチャネル形成領域が真性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とすることが好ましい。
特に、半導体層242b中の不純物および酸素欠損を低減して高純度真性化し、半導体層242bを真性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とすることが好ましい。また、少なくとも半導体層242b中のチャネル形成領域が真性または実質的に真性と見なせる半導体層とすることが好ましい。
なお、実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とは、酸化物半導体層中のキャリア密度が、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上である酸化物半導体層をいう。
また、半導体層242に酸化物半導体層を用いる場合は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)を用いることが好ましい。CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体の一つである。
また、半導体層242に用いる酸化物半導体層は、CAACでない領域が当該酸化物半導体層全体の20%未満であることが好ましい。
CAAC−OSは誘電率異方性を有する。具体的には、CAAC−OSはa軸方向およびb軸方向の誘電率よりも、c軸方向の誘電率が大きい。チャネルが形成される半導体層にCAAC−OSを用いて、ゲート電極をc軸方向に配置したトランジスタは、c軸方向の誘電率が大きいため、ゲート電極から生じる電界がCAAC−OS全体に届きやすい。よって、サブスレッショルドスイング値(S値)を小さくすることができる。また、半導体層にCAAC−OSを用いたトランジスタは、微細化によるS値の増大が生じにくい。
また、CAAC−OSはa軸方向およびb軸方向の誘電率が小さいため、ソースとドレイン間に生じる電界の影響が緩和される。よって、チャネル長変調効果や、短チャネル効果、などが生じにくく、トランジスタの信頼性を高めることができる。
ここで、チャネル長変調効果とは、ドレイン電圧がしきい値電圧よりも高い場合に、ドレイン側から空乏層が広がり、実効上のチャネル長が短くなる現象を言う。また、短チャネル効果とは、チャネル長が短くなることにより、しきい値電圧の低下などの電気特性の悪化が生じる現象を言う。微細なトランジスタほど、これらの現象による電気特性の劣化が生じやすい。
酸化物半導体層の形成後、酸素ドープ処理を行ってもよい。また、酸化物半導体層に含まれる水分または水素などの不純物をさらに低減して、酸化物半導体層を高純度化するために、加熱処理を行うことが好ましい。
例えば、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、酸化物半導体層に加熱処理を施す。なお、酸化性雰囲気とは、酸素、オゾンまたは窒化酸素などの酸化性ガスを10ppm以上含有する雰囲気をいう。また、不活性雰囲気とは、前述の酸化性ガスが10ppm未満であり、その他、窒素または希ガスで充填された雰囲気をいう。
また、加熱処理を行うことにより、不純物の放出と同時に絶縁層226に含まれる酸素を酸化物半導体層中に拡散させ、当該酸化物半導体層に含まれる酸素欠損を低減することができる。なお、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。なお、加熱処理は、酸化物半導体層の形成後であればいつ行ってもよい。
加熱処理に用いる加熱装置に特別な限定はなく、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置であってもよい。例えば、電気炉や、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。
加熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下で行えばよい。処理時間は24時間以内が好ましい。24時間を超える加熱処理は生産性の低下を招くため好ましくない。
<電極>
電極243、電極224、電極244a、電極244b、電極225a、および電極225bを形成するための導電性材料としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウムなどから選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイドなどのシリサイドを用いてもよい。これらの材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。
また、電極243、電極224、電極244a、電極244b、電極225a、および電極225bを形成するための導電性材料に、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物などの酸素を含む導電性材料、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を適用することもできる。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料、酸素を含む導電性材料、および窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。導電性材料の形成方法は特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法などの各種形成方法を用いることができる。
<コンタクトプラグ>
コンタクトプラグとしては、例えば、タングステン、ポリシリコン等の埋め込み性の高い導電性材料を用いることができる。また、当該材料の側面および底面を、チタン層、窒化チタン層またはこれらの積層からなるバリア層(拡散防止層)で覆ってもよい。この場合、バリア層も含めてコンタクトプラグという場合がある。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
上記実施の形態に示したトランジスタを用いて、シフトレジスタを含む駆動回路の一部または全体を画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。上記実施の形態に示したトランジスタを用いることが可能な表示装置の構成例について、図39および図40を用いて説明する。
〔液晶表示装置とEL表示装置〕
表示装置の一例として、液晶素子を用いた表示装置およびEL素子を用いた表示装置について説明する。図39(A)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002を囲むようにして、シール材4005が設けられ、第2の基板4006によって封止されている。図39(A)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体または多結晶半導体で形成された信号線駆動回路4003、および走査線駆動回路4004が実装されている。また、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004、または画素部4002に与えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible printed circuit)4018a、FPC4018bから供給されている。
図39(B)および図39(C)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。図39(B)および図39(C)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体または多結晶半導体で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。図39(B)および図39(C)においては、信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004、または画素部4002に与えられる各種信号および電位は、FPC4018から供給されている。
また図39(B)および図39(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング、COG(Chip On Glass)、TCP(Tape Carrier Package)、COF(Chip On Film)などを用いることができる。図39(A)は、COGにより信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004を実装する例であり、図39(B)は、COGにより信号線駆動回路4003を実装する例であり、図39(C)は、TCPにより信号線駆動回路4003を実装する例である。
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
また第1の基板上に設けられた画素部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有しており、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
図40(A)および図40(B)は、図39(B)中でN1−N2の鎖線で示した部位の断面構成を示す断面図である。図40(A)および図40(B)に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図40(A)および図40(B)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示している。図40(A)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110が設けられ、図40(B)では、絶縁層4112の上に隔壁4510が形成されている。
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に形成された電極4017を有し、電極4017上に絶縁層4103が形成されている。
電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、上記実施の形態で示したトランジスタを用いることができる。上記実施の形態で例示したトランジスタは、電気特性変動が抑制されており、電気的に安定である。よって、図40(A)および図40(B)で示す本実施の形態の表示装置を信頼性の高い表示装置とすることができる。
なお、図40(A)および図40(B)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011として、上記実施の形態に示したトランジスタ452と同様の構造を有するトランジスタを用いる場合について例示している。
また、図40(A)および図40(B)に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、トランジスタ4010のソース電極またはドレイン電極の一方の一部と、電極4021が絶縁層4103を介して重なる領域を有する。電極4021は、電極4017と同じ導電層で形成されている。
一般に、表示装置に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
例えば、液晶表示装置の画素部にOSトランジスタを用いることにより、容量素子の容量を、液晶容量に対して1/3以下、もしくは1/5以下とすることができる。OSトランジスタを用いることにより、容量素子の形成を省略することもできる。
画素部4002に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続する。図40(A)は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。図40(A)において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
またスペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
なお、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、OSトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、表示装置の駆動回路部や画素部に上記トランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。また、同一基板上に駆動回路部または画素部を作り分けて作製することが可能であるため、表示装置の部品点数を削減することができる。
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子(「EL素子」ともいう。)を適用することができる。EL素子は、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(「EL層」ともいう。)を有する。一対の電極間に、EL素子の閾値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
また、EL素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)などを有していてもよい。
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法などの方法で形成することができる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光素子を形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図40(B)は、表示素子として発光素子を用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示素子である発光素子4513は、画素部4002に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光素子4513の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光素子4513から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
発光素子4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
シール材4005には、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
また、発光素子をマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
表示素子に電圧を印加する第1の電極層および第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、および電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
上記実施の形態で示したシフトレジスタを用いることで、信頼性のよい表示装置を提供することができる。また、上記実施の形態で示したトランジスタを用いることで、表示装置の信頼性をさらに高めることができる。また、上記実施の形態で示したトランジスタを用いることで、高精細化や、大面積化が可能で、表示品質の良い表示装置を提供することができる。また、消費電力が低減された表示装置を提供することができる。
〔表示モジュール〕
上述したシフトレジスタまたはトランジスタを使用した表示モジュールについて説明する。図41に示す表示モジュール6000は、上部カバー6001と下部カバー6002との間に、FPC6003に接続されたタッチセンサ6004、FPC6005に接続された表示パネル6006、バックライトユニット6007、フレーム6009、プリント基板6010、バッテリ6011を有する。なお、バックライトユニット6007、バッテリ6011、タッチセンサ6004などは、設けられない場合もある。
本発明の一態様の電子機器は、例えば、タッチセンサ6004、表示パネル6006、プリント基板6010に実装された集積回路などに用いることができる。例えば、表示パネル6006に前述した表示装置を用いることができる。
上部カバー6001および下部カバー6002は、タッチセンサ6004や表示パネル6006などのサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチセンサ6004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチセンサを表示パネル6006に重畳して用いることができる。表示パネル6006にタッチセンサの機能を付加することも可能である。例えば、表示パネル6006の各画素内にタッチセンサ用電極を設け、静電容量方式のタッチパネル機能を付加することなども可能である。または、表示パネル6006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチセンサの機能を付加することなども可能である。また、タッチセンサ6004を設ける必要が無い場合は、タッチセンサ6004を省略することができる。
バックライトユニット6007は、光源6008を有する。光源6008をバックライトユニット6007の端部に設け、光拡散板を用いる構成としてもよい。また、表示パネル6006に発光表示装置などを用いる場合は、バックライトユニット6007を省略することができる。
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010側から発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。また、フレーム6009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号およびクロック信号を出力するための信号処理回路などを有する。電源回路に電力を供給する電源としては、バッテリ6011であってもよいし、商用電源であってもよい。なお、電源として商用電源を用いる場合には、バッテリ6011を省略することができる。
また、表示モジュール6000に、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本発明の一態様の電子機器は、HMD以外に用いることも可能である。本実施の形態では、HMD以外の電子機器の一例について説明する。
本発明の一態様に係る電子機器として、テレビ、モニタ等の表示装置、デスクトップ型或いはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、携帯情報端末、タブレット型端末、携帯型遊技機、パチンコ機などの固定式遊技機、電卓、電子手帳、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどが挙げられる。
図42(A)に示す携帯型遊技機2900は、筐体2901、筐体2902、表示部2903、表示部2904、マイク2905、スピーカー2906、操作スイッチ2907、センサ用光源29131、センサ29132等を有する。また、携帯型遊技機2900は、筐体2901の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。なお、図42(A)に示した携帯型遊技機は、2つの表示部2903と表示部2904とを有しているが、表示部の数は、これに限定されない。表示部2903は、入力装置としてタッチセンサが設けられており、スタイラス2908等により操作可能となっている。
図42(B)に示す情報端末2910は、筐体2911に、表示部2912、マイク2917、スピーカー部2914、カメラ2913、外部接続部2916、操作スイッチ2915、センサ用光源29141、およびセンサ29142等を有する。表示部2912には、可撓性基板が用いられた表示パネルおよびタッチセンサを備える。また、情報端末2910は、筐体2911の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2910は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、電子書籍端末等として用いることができる。
図42(C)に示すノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921、表示部2922、キーボード2923、およびポインティングデバイス2924、センサ用光源29231、およびセンサ29232等を有する。また、ノート型パーソナルコンピュータ2920は、筐体2921の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。
図42(D)に示すビデオカメラ2940は、筐体2941、筐体2942、表示部2943、操作スイッチ2944、レンズ2945、および接続部2946等を有する。操作スイッチ2944およびレンズ2945は筐体2941に設けられており、表示部2943、センサ用光源29431、およびセンサ29432は筐体2942に設けられている。また、ビデオカメラ2940は、筐体2941の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。そして、筐体2941と筐体2942は、接続部2946により接続されており、筐体2941と筐体2942の間の角度は、接続部2946により変えることが可能な構造となっている。筐体2941に対する筐体2942の角度によって、表示部2943に表示される画像の向きの変更や、画像の表示/非表示の切り換えを行うことができる。
図42(E)に腕時計型の情報端末の一例を示す。情報端末2960は、筐体2961、表示部2962、バンド2963、バックル2964、操作スイッチ2965、入出力端子2966、センサ用光源29631、およびセンサ29632などを備える。また、情報端末2960、筐体2961の内側にアンテナ、バッテリなどを備える。情報端末2960は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
表示部2962の表示面は湾曲しており、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、表示部2962はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部2962に表示されたアイコン2967に触れることで、アプリケーションを起動することができる。操作スイッチ2965は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、情報端末2960に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作スイッチ2965の機能を設定することもできる。
また、情報端末2960は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、情報端末2960は入出力端子2966を備え、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子2966を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は入出力端子2966を介さずに無線給電により行ってもよい。
図42(F)は固定式遊技機であるスロットマシン2970の一例を示す。スロットマシン2970は、筐体2971に表示部2973が組み込まれている。また、スロットマシン2970は、その他、スタートレバー2974やストップスイッチ2975などの操作手段、コイン投入口、スピーカ、センサ用光源29731、およびセンサ29732などを備える。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。