JP2017131978A - 封じ込めシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来必要であった密閉容器を用いずに、粉体やガス等の目に見えない物質が外部に漏れないように結晶サンプル等の処理対象物を封じ込めながら、処理対象物を複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる封じ込めシステムを提供する。【解決手段】封じ込めシステム1は、処理対象物Mを封じ込めて加熱する第1処理部としての例えば真空定温乾燥機2と、第1処理部で処理された処理対象物Mを封じ込めて処理をする第2処理部としての例えばエンクロージャ3と、第1処理部と第2処理部の間に配置されて、第1処理部内の処理対象物Mを第2処理部内へ移す際に受け渡すための受け渡し部としての昇降装置2を備え、この受け渡し部としての昇降装置2は、処理対象物Mに付着している物質を除去するフィルタユニット14を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、処理対象物に所定の処理をする際に、発生する粉体やガス等の目に見えない物質や、結晶サンプル等の少量のサンプルのような物質が外部に出ないように封じ込めながら、安全に移動させる封じ込めシステムに関する。
乾燥機は、槽内に処理対象物を収容して加熱処理するのに用いられる。この種の乾燥機であるオーブンが、特許文献1に開示されている。乾燥機の槽は箱型に作られており、開閉扉を有し、槽内の雰囲気内はヒータにより加熱される構造である。
作業者は、この扉を開けて槽内に処理対象物を配置して、この扉を閉じて槽内の処理対象物を加熱した後、再び扉を開けて加熱処理済みの処理対象物を取り出すようになっている。
特開2007−271126号公報
ところで、特許文献1に記載の乾燥機のような処理部により、例えば結晶サンプル等の処理対象物を加熱処理すると、処理対象物から粉体やガス等のハザード物質の発生が発生することがある。この処理対象物は、乾燥機のような処理部内から次の別の種類の処理部内へ移動して、次の別の処理を行うことがある。
このようにある処理部内から次の別の処理部内への処理対象物の移動を安全に行うためには、これまでは、密閉容器を用意しておく必要があった。これにより、粉体やガス等のハザード物質を含む処理対象物は、この密閉容器内に収容して封じ込めることができる。
しかし、実際の処理作業において複数の処理部間で、処理対象物を密閉容器内に封じ込めて移動する作業では、密閉容器自体の外装の汚染の問題が生じたり、密閉容器のハンドリングが煩雑になる。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、密閉容器を用いずに、粉体やガス等の目に見えない物質が外部に漏れないように処理対象物を封じ込めながら、処理対象物を複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる封じ込めシステムを提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1に記載の封じ込めシステムは、処理対象物を封じ込めて所定の処理を施す封じ込めシステムであって、前記処理対象物を封じ込めて前記処理対象物を処理する第1処理部と、前記第1処理部で処理された前記処理対象物を封じ込めて処理をする第2処理部と、前記第1処理部と前記第2処理部の間に配置されて、前記第1処理部内の前記処理対象物を前記第2処理部内へ受け渡すための受け渡し部と、を備え、前記受け渡し部は、前記処理対象物に付着している物質を除去するフィルタユニットを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の封じ込めシステムでは、受け渡し部は、第1処理部と前記第2処理部の間に配置されている。第1処理部内の処理対象物を第2処理部内へ受け渡す際に、フィルタユニットが、処理対象物に付着している物質を除去する。このため、受け渡し部は、従来必要であった密閉容器を用いずに、粉体やガス等の目に見えない物質が外部に漏れないように処理対象物を封じ込めながら、処理対象物を複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる。
請求項2に記載の封じ込めシステムでは、前記フィルタユニットは、フィルタと、前記処理対象物に付着している物質を前記フィルタに吸着させるためのファンと、を有するファンフィルタユニットであることを特徴とする。
請求項2に記載の封じ込めシステムでは、ファンの動作により、処理対象物に付着している物質はフィルタにより回収できることから、処理対象物に付着している物質が受け渡し部から外部に漏れるのを防げる。
請求項3に記載の封じ込めシステムでは、前記受け渡し部は、前記処理対象物を載せる昇降台と、前記昇降台を所定の範囲で昇降可能であり、前記第1処理部内の前記処理対象物を前記第2処理部部内へ移す際に受け渡す際に前記昇降台の高さの調整を行うアクチュエータと、前記処理対象物に付着している物質を吸着して除去する際に、前記物質を除去した後の空気を下方へ導いて排出する空気排出部と、を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の封じ込めシステムでは、アクチュエータは、昇降台の高さ位置を第1処理部と第2処理部に合わせて調整できるので、処理対象物は第1処理部から第2処理部へ、確実にしかも容易に受け渡すことができる。しかも、空気排出部は、処理対象物から生じる物質を除去した後の空気を下方に導いて排出するので、処理対象物に付着している物質が受け渡し部から外部に漏れるのを防げる。
請求項4に記載の封じ込めシステムでは、前記アクチュエータは、前記昇降台の高さを、前記第1処理部内に配置されて前記処理対象物を載せるための棚板の位置と、前記第2処理部内へ前記処理対象物を入れるための入れ込み用の開口部の位置にそれぞれ対応して調整可能であることを特徴とする。
請求項4に記載の封じ込めシステムでは、昇降台の高さ位置は、第1処理部内に配置されて処理対象物を載せるための棚板の位置と、第2処理部内へ処理対象物を入れるための入れ込み用の開口部の位置にそれぞれ合わせて調整できるので、処理対象物は、受け渡し部を介して、第1処理部内の棚板の上から第2処理部の入れ込み用の開口部を通じて、第2処理部内にスムーズにしかも安全に受け渡すことができる。
請求項5に記載の封じ込めシステムでは、前記昇降台には、前記処理対象物を載せた状態で、前記処理対象物に付着している物質と前記空気を通すための複数の孔部を有する板部材を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の封じ込めシステムでは、処理対象物は、第1処理部から昇降台の板部材の上に載せると、処理対象物に付着している物質、例えば粉体やガス等の目に見えない物質等は、板部材の孔部を通じて回収することができる。このため、処理対象物に付着している物質を外部に漏れないように処理対象物を封じ込めながら、処理対象物を複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる。
請求項6に記載の封じ込めシステムでは、前記第1処理部は、前記処理対象物を封じ込めて真空状態で加熱する真空乾燥機であり、前記第2処理部は、前記処理対象物を封じ込めるエンクロージャであることを特徴とする。
請求項6に記載の封じ込めシステムでは、処理対象物は、第1処理部である真空乾燥機により真空乾燥した後に、処理対象物に付着している物質は、受け渡し部において回収しながら、第2処理部であるエンクロージャ側に受け渡すことができる。このため、処理対象物を、真空乾燥機からエンクロージャ側に受け渡す際に、処理対象物に付着している物質を外部に漏れないように処理対象物を封じ込めることができる。
請求項7に記載の封じ込めシステムでは、前記第1処理部は、前記処理対象物を封じ込めて加熱する真空乾燥機や恒温器、安定性試験機であり、前記第2処理部は、前記処理対象物を封じ込めるエンクロージャであることを特徴とする。
請求項7に記載の封じ込めシステムでは、第1処理部としては、真空乾燥機や恒温器、安定性試験機を採用することで、各種の試験や実験等が行える。
請求項8に記載の封じ込めシステムでは、前記フィルタユニットは、バッグ内に入れて封じた状態でバッグアウト方式により取り外されることを特徴とする。
請求項9に記載の封じ込めシステムでは、前記第1処理部は、粉砕手段または分級手段であることを特徴とする。
請求項9に記載の封じ込めシステムでは、第1処理部としては、処理対象物の処理内容に応じて、固体を細かくする粉砕手段や、粉をその大きさによって級(クラス)に分ける分級手段を用いることができる。
本発明によれば、従来必要であった密閉容器を用いずに、粉体やガス等の目に見えない物質が外部に漏れないように結晶サンプル等の処理対象物を封じ込めながら、処理対象物を複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる封じ込めシステムを提供できる。
本発明の封じ込めシステムの実施形態を示す正面図である。 図1に示す封じ込めシステムの平面図である。 図1に示す封じ込めシステムのエンクロージャとHEPAフィルタボックスを左側から見た側面図である。 図1に示す封じ込めシステムのエンクロージャを右側から見た側面図である。 封じ込めシステムにおける排気系統と制御系統の例を示す図である。 昇降装置の構造を示す側面図である。 昇降装置の昇降台の構造例を示す図である。 昇降装置の構造を示す正面図である。 昇降装置の構造を示す平面図である。 封じ込めシステムの使用例を示すフロー図である。
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
図1は、本発明の封じ込めシステムの実施形態を示す正面図である。図2は、図1に示す封じ込めシステム1の平面図である。図3は、図1に示す封じ込めシステム1のエンクロージャ4とHEPAフィルタボックス5を左側から見た側面図である。図4は、図1に示す封じ込めシステム1のエンクロージャ4を右側から見た側面図である。図5は、封じ込めシステム1における排気系統と制御系統の例を示す図である。
<封じ込めシステム1の概要>
図1と図2に示す封じ込めシステム1は、例えば半乾燥状態や未乾燥状状態の結晶サンプル等の少量のサンプル等の処理対象物Mを封じ込めながら処理を行う。封じ込めシステム1は、この処理対象物Mや、この処理対象物Mに対して所定の処理をする際に発生する粉体やガス等の目に見えないハザード物質を、封じ込めシステム1の外部に漏らさないようにして処理対象物Mを封じ込めながら、複数の処理部間で安全に移動させることができる構造を有する。この封じ込めシステム1は、好ましくは次に説明する複数の装置群から構成されている。
図1と図2に示すように、封じ込めシステム1は、好ましくは、真空定温乾燥機2と、昇降装置3と、エンクロージャ4と、HEPAフィルタボックス5を備えている。
真空定温乾燥機2は、処理対象物Mを真空状態下で封じ込めて、定温加熱して乾燥させるための第1処理部の例である。エンクロージャ4は、例えば処理対象物Mを大気圧下で封じ込めて処理するための第2処理部の例である。
図1と図2に示す例では、昇降装置3は、第1処理部である真空定温乾燥機2と、第2処理部であるエンクロージャ4との間に配置されている。この昇降装置3は、処理対象物Mを封じ込めながら、真空定温乾燥機2内の処理対象物Mをエンクロージャ4内へ移して受け渡すための受け渡し部の一例である。
なお、図1と図2に示すX方向は、封じ込めシステム1の左右方向を示し、Y方向は、封じ込めシステム1の前後方向(奥行き方向)を示し、そしてZ方向は、封じ込めシステム1の上下方向(昇降方向)を示している。
図1から図4に示すように、真空定温乾燥機2と、昇降装置3と、エンクロージャ4は、それぞれアジャスタ付きの可動用のキャスタ2T、3T、4Tを有している。このため、真空定温乾燥機2と昇降装置3とエンクロージャ4の位置は、アジャスタ付きの可動用のキャスタ2T、3T、4Tを用いてそれぞれ移動することができ、真空定温乾燥機2と昇降装置3とエンクロージャ4の配置位置は変更可能である。
これにより、キャスタ2T、3T、4Tは、作業内容に応じて、真空定温乾燥機2と昇降装置3とエンクロージャ4の位置関係を、作業内容に応じて容易に変えることができる。そして、アジャスタ付きの可動用のキャスタ2T、3T、4Tのアジャスタを例えば足踏み操作することで、アジャスタは床面に突き当てることできる。従って、真空定温乾燥機2と昇降装置3とエンクロージャ4は、所定の位置で移動しないようにそれぞれ固定できる。
<真空定温乾燥機2>
図1と図2に示す真空定温乾燥機2は、例えば角型真空定温乾燥機であり、少なくとも1つの未乾燥あるいは半乾燥された処理対象物Mを、真空状態において、予め定めた定温下で、加熱して乾燥することができる。図1と図2に示すレイアウト例では、真空定温乾燥機2の開閉扉2Bは、昇降装置3の右側の位置において、昇降装置3側に向けて配置されている。
真空定温乾燥機2は、真空圧状態で、例えば薬品の結晶サンプルのような処理対象物Mを封じ込めて、パネルヒータ2Dにより定温下で加熱する機能を有する。真空定温乾燥機2は、耐熱性を有する金属、例えばステンレス等により作られた箱型の槽(チャンバ)である。
図1に示すように、真空定温乾燥機2は、本体部2Aと、開閉扉2Bと、真空吸引部2Cと、パネルヒータ2Dを有している。本体部2Aと開閉扉2Bは、図1において破線で示すように、箱型の密閉可能な直方体形状の真空加熱処理空間SRを構成している。開閉扉2Bは、本体部2Aに対して例えばヒンジを用いて片開き式で開閉可能に取り付けられている。開閉扉2Bは、閉じることで本体部2Aの前面開口部2Pを密閉状態で閉鎖する。
図1に示すパネルヒータ2Dは、真空加熱処理空間SR内の雰囲気を、定温状態で加熱する面状のヒータであり、真空加熱処理空間SRの天井面、側面、底面、そして好ましくは開閉扉2Bの内面側にも配置されている。これにより、パネルヒータ2Dは、真空加熱処理空間SR内の雰囲気内の処理対象物Mを、定温で加熱して乾燥することができる。
図1と図2に示すように、真空定温乾燥機2の開閉扉2Bは、昇降装置3に対面するように、真空定温乾燥機2の本体部2Aが昇降装置3側に向けて配置されている。これにより、作業者が、真空定温乾燥機2の開閉扉2Bの取手2Eを持って開けて、本体部2A内から処理対象物Mを取り出して、昇降装置3側に移す動作を、素早くしかも容易に行うことができる。
なお、真空定温乾燥機2は、開閉扉2Bを開閉している時には、槽内である真空加熱処理空間SR内を、排気しており、真空加熱処理空間SR内の粉体等が外部に飛散しないような構造を有する。
<昇降装置3>
図1と図2に示す昇降装置3は、処理対象物Mに付着している粉体やガス等の目に見えないハザード物質を除去するフィルタユニットを備えている。すなわち、昇降装置3は、フィルタユニット搭載型の受け渡し部の一例である。昇降装置3の位置は、可動用のキャスタ2Tを用いて移動して、しかも位置決め可能である。
特に好ましくは、昇降装置3は、処理対象物Mに付着している粉体やガス等の目に見えないハザード物質を除去するために、HEPAフィルタユニット14を搭載している。この昇降装置3は、真空定温乾燥機2とエンクロージャ4の間に配置されている。
図6は、昇降装置3の構造を示す側面図である。図7は、昇降装置3の昇降台11の構造例を示す図である。図8は、昇降装置3の構造を示す正面図である。図9は、昇降装置3の構造を示す平面図である。
図1と図2と図6から図9に示す昇降装置3は、耐熱性を有する金属、例えばステンレス等により作られている。図1と図6に示すように、昇降装置3は、基部10と、矩形型の昇降台11と、昇降用のアクチュエータ12と、フィルタユニットである好ましくはHEPAフィルタユニット14を備える。
図2と図6に示すように、基部10は、昇降台11を支えると共に、HEPAフィルタユニット14を収容している。この基部10は、Y方向に沿って長くなるように長方形状で、しかも箱型に形成されている。基部10は、昇降台11を支える領域10Aと、昇降台11からY方向に突き出てHEPAフィルタユニット14を収容している領域10Bを有する。
図1と図2に示す昇降台11は、特に耐熱性を有する金属、例えば鋼等により作られている。図7に示すように、昇降台11は、例えば矩形型の中空の部材である。図1と図2と図7に示すように、昇降台11の上面部には、作業面を形成する作業面部13が、着脱可能に配置されている。この作業面部13は、好ましくは耐熱性を有する、例えばステンレス製のパンチングした矩形型の板部材である。
図2と図7に示すように、この作業面部13には、好ましくはその全面に渡って、例えば複数の孔部13Hが、形成されている。作業面部13が、必要に応じて昇降台11から取り外せるので、作業面部13の孔部13Hが詰まった場合等における清掃等のメンテナンス作業が容易にできる。
これにより、真空定温乾燥機2において真空加熱された処理対象物Mを、受け渡す際に、この昇降台11の作業面部13の上に載せると、作業面部13は、加熱済みの処理対象物Mが発生している熱を複数の孔部13Hを通じて放散する。しかも、図7に例示するように、作業面部13は、複数の孔部13Hを通じて、処理対象物Mの粉体等のハザード物質を含む空気DRを、昇降台11の空間11S内へ通過させる。
図6と図8に示すように、基部10の領域10Aの上には、固定板部85が水平に固定されている。昇降台11の下部は、支持部材87の上部に固定されている。支持部材87の下部は、可動板部86の上に固定されている。
可動板部86は、固定板部85の上部に平行に配置されており、可動板部86と固定板部85は、図8に示すように左右のリンク部80,80により連結されている。各リンク部80の第1リンク部材81と第2リンク部材82の中間部は、連結部材83で連結している。これにより、可動板部86と昇降台11は、固定板部85に対して、Z方向に沿って移動可能である。
図2と図8に示すように、昇降用のアクチュエータ12の本体の端部は、基部10の領域10A側の固定板部85に例えばピンを用いて取り付けられている。図8に示すように、この昇降用のアクチュエータ12の伸縮ロッド12Rは、昇降台11の下部の可動板部86に例えばピンを用いて取り付けられている。昇降用のアクチュエータ12としては、例えば油圧シリンダや空気圧シリンダあるいは電動シリンダを採用できる。あるいは、昇降用のアクチュエータ12としては、モータとこのモータの出力軸に連結された送りネジとから成るリニアアクチュエータであっても良い。
図8に示す昇降用のアクチュエータ12は、制御部100の指令により、基部10側を基準として、図6に示す昇降台11の作業面部13を、Z方向に沿って所定ストロークSTだけ、上限位置ULと下限位置LLの間で、昇降台11の作業面部13を昇降する。これにより、ことにより、昇降台11の作業面部13は、ストロークST間において、複数の高さ位置において、位置決め可能である。
好ましくは、図1と図6に示すこの上限位置ULのZ方向の高さ位置は、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SRの領域の最も上段の棚板の位置に対応している。また、下限位置LLのZ方向の高さ位置は、次に説明するエンクロージャ4の入れ込み用の開口部20の位置に合わせて、設定されている。例えば、昇降台11は、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内に配置された複数段の棚板の位置に合わせて、上限位置ULと下限位置LLの間で、複数の高さ位置において、それぞれ位置決め可能である。
これにより、作業者は、図1に示す真空定温乾燥機2の開閉扉2Bを開けて、真空加熱処理空間SR内の棚板から処理対象物Mを取り出して、昇降台11の上に素早く載せて、その後この処理対象物Mを、昇降台11上から、エンクロージャ4の開口部20を通じて、エンクロージャ4内の作業空間G内に素早く移して受け渡すことができる。このため、この処理対象物Mの受け渡し作業は、昇降装置3を用いることで、容易にしかも安全に行うことができる。
また、上述したように、昇降台11が真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内に配置された複数段の棚板の位置に合わせて、上限位置ULと下限位置LLの間で、複数の高さ位置において、それぞれ位置決め可能である。このため、例えば未乾燥あるいは半乾燥された処理対象物Mを、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内に入れて乾燥処理しようとする場合に、昇降台11の上に載せたこの処理対象物Mは、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内に配置された各棚板の上に、容易に入れて載せることができる。
図6と図8に示すように、HEPAフィルタユニット14の配置位置は、基部10において、昇降台11の配置位置とは異なる位置、すなわちY方向にずれた位置に配置されている。すなわち、HEPAフィルタユニット14は、基部10の領域10A内ではなく、基部10の領域10B内に配置されている。
このHEPAフィルタユニット14の構造例は、図6と図9に示している。図6と図9に示すように、フィルタユニット14は、フィルタ15と、送風ファン16とから成るHEPA内蔵のファンフィルタユニットであり、室内開放型消音機付きの装置である。フィルタ15は、必要に応じて交換可能である。
このフィルタ15としては、排気フィルタとして例えば空気清浄が求められる分野で使用される高性能フィルタであるHEPAフィルタを使用することが好ましい。しかし、フィルタ15としては、HEPAフィルタの他には、活性炭等の吸着材を用いた吸着材フィルタを用いることができるが、特に限定されない。
図6と図9に示すように、昇降台11の位置とフィルタユニット14の位置は、Y方向に関してずらしてある。しかも、昇降台11は、Z方向に昇降する。そこで、位置の異なる昇降台11とフィルタユニット14とを接続チューブにより接続するために、昇降台11とフィルタユニット14は、伸縮自在の接続管としてのフレキシブルチューブ17により、接続されている。
図7に示すように、フレキシブルチューブ17の一端部17Aは、昇降台11の接続口11Pに対して、着脱可能に取り付けられている。この接続口11Pは、昇降台11の空間11Sに繋がっている。図6と図9に示すように、フレキシブルチューブ17の他端部17Bは、フィルタユニット14の接続口14Pに対して着脱可能に取り付けられている。この接続口14Pは、フィルタユニット14の送風ファン16の上部に位置されている。
このように、昇降台11とフィルタユニット14は、伸縮自在の接続管としてのフレキシブルチューブ17により接続されていることにより、図1に示すように昇降台11が昇降動作しても、フレキシブルチューブ17は、昇降台11とフィルタユニット14を昇降台11の昇降動作に追従しながら弾性変形することにより、確実に接続状態を維持できる。
図8と図9に例示するように、フィルタユニット14では、送風ファン16はフィルタ15の上流側に配置されている。フィルタ15の下流側には、空気排出部としての下方排気部19が配置されている。下方排気部19は下方排気スリット部ともいう。
フィルタユニット14の送風ファン16が駆動すると、図7に例示するように、処理対象物Mからの粉体等のハザード物質を含む空気DRは、作業面部13の孔部13Hを通って昇降台11の空間11Sを経て、図6に示すフレキシブルチューブ17を通ることで、フィルタユニット14側へ送るようになっている。
これにより、図8において、粉体等のハザード物質は、このフィルタユニット14のフィルタ15により捕獲されて、空気Nはクリーンになる。そして、クリーンになった空気Nは、下方排気部17を通じて、スリットである排気開口部201から外部に放出することができる。
なお、図5と図6に示す使用後のHEPAフィルタのようなフィルタ15は、例えば収容用のバッグに入れてから、さらに好ましくは回収用バッグ内には、収容用のバッグごとフィルタ15を入れて包んだままの状態で、フィルタ15を取り外すことができる。これにより、処理対象物Mを、真空定温乾燥機2内からエンクロージャ4内に移動する際に、使用後のフィルタ15から粉体等のハザード物質が、飛散するのを防止できる。
ところで、真空定温乾燥機2は、開閉扉2Bを開閉している時には、槽内である真空加熱処理空間SR内を、上述した昇降装置3のフィルタユニット14の送風ファン16を回転せることで、排気することができる。これにより、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内の粉体等が、真空定温乾燥機2の外部に飛散しない。
<エンクロージャ4>
図1と図2に示すエンクロージャ4は、昇降装置3の左側に配置されている。
このエンクロージャ4は、好ましくは、すでに説明したように真空加熱処理済みの処理対象物Mと、その処理対象物Mを処理するための対象の機器を作業空間Gに収容して、この機器を用いて、所定の処理作業を行う。この所定の処理作業としては、例えば結晶サンプルのような処理対象物Mを天秤で秤量して、処理対象物Mを小分けする作業である。
このエンクロージャ4は、その庫内の作業空間Gにおいて、作業者により機器Mを用いて、求められる作業を行う際に、好ましくは、空気を低風量ドラフトで通過させる低風量ドラフトチャンバである。この作業としては、上述したように、例えば結晶サンプルのような乾燥済みの処理対象物Mの分量を、天秤を用いて秤量して小分けしてする処理であるが、特に限定されない。
このエンクロージャ4は、近年省エネルギーの観点から、従来の風量より少ない排気風量で稼働できるものが求められている。エンクロージャ4としては、好ましくは例えば排気風量が常に一定(CAV:定風量制御)である定風量型のものが採用できる。しかし、エンクロージャ4は、これに限らず、更なる省エネルギー化の観点から、この定風量型のものに対して、VAV(可変風量制御)方式を組み合わせる可変風量型の物であっても良い。
エンクロージャ4は、作業や実験における被処理物を内部の作業空間において処理する際に、作業者が被処理物や有害物質の影響を受けないように、内部の作業空間Gの雰囲気を外部から隔離する構造を有している。エンクロージャ4は、作業者を保護することを目的とした局所排気装置であり、危険物質や有害物質の封じ込め機能と、排気機能を有した囲われた作業空間Gを持っている。
図1に示すエンクロージャ4は、例えばナノエンクロージャともいい、本体30を有する。この本体30は、例えば正面側から見ると横長の長方形になっている。本体30は、ケース部31と、架台部32を有する。ケース部31の内部の作業空間Gは、本体30の外部に対して閉じたクローズドチャンバ構造を有する。ケース部31は、架台部32と一体化された構造になっており、ケース部31は、架台部32の上に固定されている。
図1と図2に示すように、ケース部31は、前面部40と、上面部41と、背面部42と、左右の側面部43,44を有している。作業空間Gは、横長のほぼ直方体形状を有する空間である。ケース部11の前面には、横長の長方形状の前面開口45を有している。この前面開口45は、作業者が例えば対象の機器Mを作業空間G内に搬入したり、搬出するのに用いる。
図1と図2に示すように、ケース部31の前面開口45は、左側の第1前面扉51と、中央の第3前面扉52と、右側の第3前面扉53により、閉されている。第1前面扉51と第3前面扉52と第3前面扉53は、左右方向(X方向)にそれぞれ手動でスライド操作することにより、前面開口45は、開閉可能になっている。
第1前面扉51と第3前面扉52と第3前面扉53は、それぞれ透明な強化ガラスを有するスライドサッシ扉になっているので、作業者は、第1前面扉51と第3前面扉52と第3前面扉53を通して、作業空間G内の機器、例えば天秤等を直接観察することができる。
図3と図4に示す左右の側面部43,44は、好ましくは作業空間G内が見えるようにするために強化ガラスの透明板である。左側の側面部43には、グローブポート46が設けられている。このグローブポート46は、作業者の手を挿入して作業空間G内で作業を行うための挿肢口である。右側の側面部44には、上述した処理対象物Mを入れ込むための開口部20が設けられている。この処理対象物Mを入れ込むための開口部20は、開閉蓋21により手動で閉じることができる。
本体30は、図5に示すように、複数の排気口4Hを備えている。排気口4Hは、本体30の上部であってしかも後側の位置において、上方に向けて突出して設けられている。次に説明するHEPAフィルタボックス5の駆動ファン70が動作することで、作業空間G内の空気や粉体等を複数の排気口4Hを通じて作業空間G内から外部に排出できる。
<HEPAフィルタボックス5>
図2と図3に示すHEPAフィルタボックス5は、本体71を有するフィルタ装置である。HEPAフィルタボックス5は、エンクロージャ4内の作業空間G内の粉体等のハザード物質等を含む空気を集めて、粉体等のハザード物質を集塵する機能を有する。
図3に示すように、HEPAフィルタボックス5の本体71内には、プレフィルタ61と、HEPAフィルタ(PTFE)62が着脱可能に装着されている。
図3に示すように、HEPAフィルタボックス5は、駆動ファン70と、本体71と、排気部72を有する。本体71は、金属製の箱体であり、本体71の前面は、蓋部材73と、蓋部材74を有する。蓋部材73,74は、それぞれ本体71の開口部75,76を閉鎖するために、例えば複数本のネジを用いて本体71に対して固定されている。
これにより、作業者は、これらの蓋部材73を取り外すことで、開口部75を通じて、新しいプレフィルタ61を装着したり、使用済みのプレフィルタ61を取り外すことができる。同様にして、作業者は、これらの蓋部材74を取り外すことで、開口部76を通じて、新しいHEPAフィルタ62を装着したり、使用済みのHEPAフィルタ62を取り外すことができる。
プレフィルタ61は、例えば活性炭等の吸着材フィルタであり、HEPAフィルタ62は、空気清浄が求められる分野で使用される高性能フィルタである。
図3に示す駆動ファン70が駆動されることにより、エンクロージャ4のケース部31の作業空間G内の粉体等のハザード物質等を含む空気BRが本体71内に取り込まれ、プレフィルタ61が予め大きな物質を空気BRから取り除き、その後HEPAフィルタ62がより小さな物質を空気BRから取り除くようになっている。
なお、図3と図5に示す使用後のプレフィルタ61とHEPAフィルタ62は、それぞれ例えば収容用のバッグに入れてから、さらに好ましくは回収用バッグ内には、収容用のバッグごとプレフィルタ61とHEPAフィルタ62を別々に入れて、包んだままの状態でプレフィルタ61とHEPAフィルタ62を取り外すことができる。これにより、プレフィルタ61とHEPAフィルタ62に付着している粉体等のハザード物質が、外部に飛散するのを防止できる。
次に、図5を参照して、図1と図2に示す封じ込めシステム1における排気系統と、制御系統の好ましい例を説明する。
<封じ込めシステム1における排気系統200>
まず、図5を参照して、封じ込めシステム1における排気系統の好ましい例を説明する。
封じ込めシステム1における排気系統200は、昇降装置3の排気開口部201と、エンクロージャ4とHEPAフィルタボックス5とを接続する排気管路220を備える。
すでに説明したように、排気開口部201は、図6と図8に示す昇降装置3の本体10の領域10B内のフィルタユニット14の下流側に接続されている。処理対象物Mがこの昇降台11の作業面部13上に載っていると、この処理対象物Mの粉体等のハザード物質は、排気ファン16の回転により、昇降装置3内のフィルタユニット14のフィルタ15により捕獲され、図8に示すように、清浄化された空気Nが排気開口部201から、本体10の外部に排出される。
一方、図5に示す排気管路220としては、図2と図3に例示するように、例えば伸縮可能なフレキシブルチューブを用いることができる。この排気管路220の一端部221は、エンクロージャ4の上部に配置された複数の排気口4Hに着脱可能に接続されている。排気管路220の他端部222は、HEPAフィルタボックス5の駆動ファン70側の接続口に着脱可能に接続されている。
<封じ込めシステム1における制御系統300>
図5に示す制御部100は、真空定温乾燥機2における真空吸引部2Cの吸引動作と、パネルヒータ2Dの通電動作を制御する。制御部100は、昇降装置3の排気ファン16の回転動作と、昇降用のアクチュエータ12の伸縮動作の制御をする。制御部100は、HEPAフィルタボックス5の駆動ファン70の回転動作の制御をする。
<封じ込めシステム1の使用例>
次に、上述した構成を有する封じ込めシステム1の使用例を、図10を参照して説明する。
図10は、封じ込めシステム1の使用例を示すフロー図である。
図10のステップST1では、図1に示す真空定温乾燥機2の本体部2Aにおいて、開閉扉2Bを開いて、処理対象物Mは、箱型の密閉可能な直方体形状の真空加熱処理空間SR内に配置される。
この際には、昇降台11が真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内に配置された複数段の棚板の位置に合わせて、図1に示す上限位置ULと下限位置LLの間で、複数の高さ位置において、それぞれ位置決め可能になっている。
これにより、まずは、昇降台11の上に載せた未乾燥あるいは半乾燥の処理対象物Mを、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内に配置された各棚板の上に引き入れて載せる作業が、容易にしかも確実に行える。このようにして、処理対象物Mは、真空加熱処理空間SR内の複数段の棚板の内のいずれかの高さ位置の棚板の上に置かれる。
図1に示す開閉扉2Bを閉じて真空加熱処理空間SRを密閉した後、パネルヒータ2Dが、制御部100の指令により、真空加熱処理空間SR内の雰囲気を、定温状態で加熱する。これにより、未乾燥あるいは半乾燥の処理対象物Mは、所定の乾燥温度で安定して定温乾燥することができる。
処理対象物Mの定温乾燥が終了すると、図1に示す真空定温乾燥機2の開閉扉2Bを開ける。真空定温乾燥機2の開閉扉2Bは、昇降装置3に対面するように、真空定温乾燥機2の本体部2Aが向けて配置されている。これにより、作業者が、真空定温乾燥機2の開閉扉2Bの取手2Eを持って開けて、本体部2A内から乾燥された処理対象物Mを取り出して、昇降装置3側に受け渡す動作を、容易にしかも確実に行うことができる。
次に、図10のステップST2では、図8に示す制御部100の指令により、図1と図6において、昇降用のアクチュエータ12は、昇降台11を、Z方向に沿って所定ストロークSTの間で昇降して、上限位置ULと下限位置LLの間で、複数段階で位置決め可能である。例えば、昇降台11は、真空定温乾燥機2の真空加熱処理空間SR内において、乾燥後の処理対象物Mが置かれた棚板の位置に合わせて、上限位置ULと下限位置LLの間で、Z方向に関して高さ方向の位置決めが行われる。
これにより、作業者は、図1に示す真空定温乾燥機2の開閉扉2Bを開けて、真空加熱処理空間SR内から乾燥された処理対象物Mを取り出して、容易にしかも安全に、素早く昇降台11側に受け渡して昇降台11の作業面部13の上に載せることができる。
図10のステップST3では、上述したように昇降装置3が、処理対象物Mを、真空定温乾燥機2からエンクロージャ4内の作業空間G内に受け渡す際には、昇降台11に載せた状態の乾燥された処理対象物Mに付着している粉体等のハザード物質は、次のようにして安全に処理される。
具体的には、図6に示す制御部100の指令により、フィルタユニット14の送風用のファン16が駆動すると、図7に示す処理対象物Mの粉体等のハザード物質を含む空気DRは、搭載台11の空間11Sからフレキシブルチューブ17を通じて、図6に示すフィルタユニット14側へ吸引してフィルタユニット14に通す。
このため、粉体等のハザード物質を含む空気は、図8に示すこのフィルタユニット14のフィルタ15により捕獲してクリーンな空気Nとなる。そして、クリーンになった空気Nが、下方排気案内部17内に導かれた後に、排気開口部201から外部に放出する。
このようにして、昇降装置3が、処理対象物Mを、真空定温乾燥機2からエンクロージャ4内の作業空間G内に受け渡す際に、粉体等のハザード物質は、処理対象物Mから吸引して回収できるので、粉体等のハザード物質が、昇降装置3の周囲に飛散するのを防止することができる。
図10のステップST4では、図5の制御部100の指令により、図1に示す昇降用のアクチュエータ12は、昇降台11を、Z方向に沿って下限位置LLに下げると、昇降台11の位置は、エンクロージャ4の開口部20の位置に合わせることができる。
これにより、乾燥された処理対象物Mは、昇降台11上から、エンクロージャ4の開口部20を通じて、エンクロージャ4内の作業空間G内に移す受け渡し作業を、素早く行うことができ、この受け渡し作業を、容易にしかも安全に行うことができる。
図10のステップST5では、処理対象物Mには、図1に示すエンクロージャ4内の作業空間G内において、所定の処理が行われる。この所定の処理とは、例えば乾燥された結晶サンプル等の処理対象物Mを天秤で秤量して、所定量に小分けする作業等であるが、特に限定されない。
図10のステップST6では、エンクロージャ4において処理対象物Mの処理中には、図5に示す制御部100の指令により、図3に示す駆動ファン70が駆動されることにより、図3に示すエンクロージャ4のケース部31内の粉体等のハザード物質等を含む空気BRが、排気系統200の排気管路220を介して、本体71内に取り込まれる。
これにより、図3のプレフィルタ61が、粉体等のハザード物質等を含む空気BRから予め大きな物質を取り除き、その後HEPAフィルタ62が、より小さな物質を空気BRから取り除いて、排気部72から清浄化された空気Nとして排出される。エンクロージャ4内の作業空間G内から粉体等が外部に飛散することがなくなり、封じ込めシステム1が配置された周囲の環境に悪影響を与えない。
その後、図10のステップST7では、図1に示すエンクロージャ4内の作業空間G内から処理済みの処理対象物Mが、取り出される。
上述したように、図5と図3に示す使用後のフィルタ15,61,62を回収して新しいフィルタに交換する場合には、使用後のフィルタ15,61,62は、好ましくは、それぞれ収容用のバッグに入れてから、さらに好ましくは回収用バッグ内には、収容用のバッグごとフィルタ15,61,62を入れた状態で、フィルタ15,61,62を取り外すことができる。
これにより、使用後のフィルタ15,61,62を回収して交換する際に、使用後のフィルタ15,61,62から粉体等のハザード物質が、周囲に飛散するのを防止できる。このフィルタ15,61,62を取り除く方式は、バッグアウト方式(Bagout方式)と呼ぶことができる。
以上説明したように、本発明の実施形態の封じ込めシステム1は、処理対象物Mを封じ込めて、複数の処理部において順次所定の処理を施すためのシステムである。
この封じ込めシステム1は、処理対象物Mを封じ込めて加熱対象物Mを処理する第1処理部としての例えば真空定温乾燥機2と、第1処理部で処理された処理対象物Mを封じ込めて処理をする第2処理部としての例えばエンクロージャ4と、第1処理部と第2処理部の間に配置されて、第1処理部内の処理対象物Mを第2処理部内へ移す際に受け渡すための受け渡し部としての昇降装置2を備える。そして、この受け渡し部としての昇降装置2は、処理対象物Mに付着している物質を除去するフィルタユニット14を備える。
これにより、封じ込めシステム1では、受け渡し部としての昇降装置2は、第1処理部と第2処理部の間に配置されて、第1処理部内の処理対象物Mを第2処理部内へ移す際に受け渡す際に、フィルタユニット14が、処理対象物Mに付着している物質を除去する。
このため、封じ込めシステム1は、従来必要であった密閉容器を用いずに、粉体やガス等の目に見えないハザード物質のような処理対象物Mに付着している物質が外部に漏れないように結晶サンプル等の処理対象物Mを封じ込めながら、処理対象物Mを複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる。
従来では、密閉容器を用意しておき、粉体やガス等のハザード物質を密閉容器内に収容して封じ込める必要があった。このため、従来では、密閉容器自体の外装の汚染や密閉容器のハンドリングが煩雑になり、処理作業工程が複雑になっていた。
しかし、本発明の実施形態の封じ込めシステム1では、このような密閉容器が不要となり、封じ込めシステム1を用いることで、粉体やガス等の目に見えないハザード物質の移動に関わる安全度(安心度)を上げることができる。
また、このフィルタユニット14は、フィルタ15と、処理対象物Mに付着している物質を、好ましくはHEPAフィルタのようなフィルタ15に吸着させるためのファン16を有するファンフィルタユニットである。
これにより、封じ込めシステム1では、ファンの動作により、処理対象物Mに付着している物質は、好ましくはHEPAフィルタのようなフィルタ15に吸着させて回収できる。従って、処理対象物Mから生じる物質が受け渡し部としての昇降装置2から外部に漏れるのを防げる。
封じ込めシステム1では、受け渡し部としての昇降装置2は、処理対象物Mを載せる昇降台11と、昇降台11を所定の範囲で昇降可能であり、第1処理部内の処理対象物Mを第2処理部部内へ受け渡す際に昇降台11の高さの調整を行うアクチュエータ12と、処理対象物Mに付着している物質を吸着して除去する際に、物質を除去した後の空気を下方へ導いて排出する空気排出部としての下方排気部19と、を備える。
これにより、封じ込めシステム1では、アクチュエータ12は、昇降台の高さ位置を第1処理部と第2処理部に合わせて調整できるので、処理対象物Mは第1処理部から第2処理部へ、容易にしかも安全に受け渡すことができる。しかも、空気排出部としての下方排気部19は、処理対象物Mから生じる物質を除去した後の空気を下方に導いて排出するので、処理対象物Mから生じる物質が受け渡し部としての昇降装置2から外部に漏れるのを防げる。
また、封じ込めシステム1では、アクチュエータ12は、昇降台11の高さを、第1処理部例えば真空定温乾燥機2内に配置されて処理対象物Mを載せるための棚板の位置と、第2処理部としてのエンクロージャ4内へ処理対象物を入れるための入れ込み用の開口部20の位置にそれぞれ対応して調整可能である。
これにより、昇降台の高さ位置は、第1処理部内に配置されて処理対象物を載せるための棚板の位置と、第2処理部内へ処理対象物を入れるための入れ込み用の開口部の位置にそれぞれ合わせて調整できるので、処理対象物は、受け渡し部を介して、第1処理部内の棚板の上から第2処理部の入れ込み用の開口部を通じて、第2処理部内にスムーズにしかも安全に受け渡すことができる。
封じ込めシステム1では、昇降台11には、処理対象物Mを載せた状態で、処理対象物Mに付着している物質と空気を通すための複数の孔部13Hを有する板部材13を備える。
これにより、封じ込めシステム1では、処理対象物Mは、第1処理部から昇降台11の板部材13の上に載せると、粉体やガス等の目に見えない物質は、板部材の孔部13Hを通じて回収することができる。従って、粉体やガス等の目に見えない物質を外部に漏れないように処理対象物Mを封じ込めながら、処理対象物Mを複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる。
封じ込めシステム1では、第1処理部は、処理対象物Mを封じ込めて真空状態で加熱する真空乾燥機であり、第2処理部は、処理対象物Mを封じ込めるエンクロージャである。
これにより、封じ込めシステム1では、処理対象物Mは、第1処理部である真空乾燥機により真空乾燥した後に、処理対象物Mから生じる物質は、受け渡し部において回収しながら、第2処理部であるエンクロージャ側に受け渡すことができる。このため、粉体やガス等の目に見えない物質を外部に漏れないように処理対象物Mを封じ込めながら、処理対象物Mを複数の処理部間で安全にしかも容易に移動することができる。
封じ込めシステム1では、第1処理部は、処理対象物Mを封じ込めて加熱する真空乾燥機や恒温器、安定性試験機であり、第2処理部は、処理対象物を封じ込めるエンクロージャである。これにより、第1処理部としては、真空乾燥機や恒温器、安定性試験機を採用することで、各種の試験や実験等が行える。
封じ込めシステム1では、フィルタユニットは、バッグ内に入れて封じたバッグアウト方式により取り外される。これにより、取り換えの際に、フィルタユニットから粉体等のハザード物質が、周囲に飛散するのを防止できる。
封じ込めシステム1では、第1処理部としては、加熱をする真空定温乾燥機に限らず、処理対象物の処理内容に応じて、固体を細かくする粉砕手段(粉砕装置)や、粉をその大きさによって級(クラス)に分ける分級手段(分級装置)を用いることができる。この粉砕手段は、何らかの固体を何らかの方法で細かく砕くことができる。分級手段は、粉(固体が極めて細かい粒の集まりとなっている状態)をその大きさによって級(クラス)に分けることができる。分級により粒の大きさを揃えることによって、粉体の性質が変わる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、各実施形態は一例であり、特許請求の範囲に記載される発明の範囲は、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更できるものである。
第1処理部の例としては、真空状態下で処理対象物を封じ込める真空定温乾燥機2を用いている。しかし、第1処理部としては、真空定温乾燥機2以外の他の種類の機器として、大気圧下あるいは真空圧下で、処理対象物を封じ込めて加熱する恒温器、定温乾燥機、恒温乾燥機等の各種の機器であっても良い。第1処理部は、処理対象物を封じ込めて加熱する真空乾燥機や恒温器の他に、安定性試験機であっても良い。
第2処理部の例として大気圧下で処理対象物を封じ込めるエンクロージャ4を用いている。しかし、第2処理部としては、処理対象物を封じ込めることができるエンクロージャ4以外の各種の機器であっても良い。
1 封じ込めシステム
2 真空定温乾燥機(第1処理部の例)
3 昇降装置(受け渡し部の例)
4 エンクロージャ(第2処理部の例)
5 HEPAフィルタボックス
10 昇降装置の本体
11 昇降装置の昇降台
12 昇降装置のアクチュエータ
13 昇降装置の作業面部
14 フィルタユニット
15 フィルタ
16 送風ファン
19 下方排出部(空気排出部の例)
20 入れ込み用の開口部
100 制御部
200 排気系統
300 制御系統

Claims (9)

  1. 処理対象物を封じ込めて所定の処理を施す封じ込めシステムであって、
    前記処理対象物を封じ込めて前記処理対象物を処理する第1処理部と、
    前記第1処理部で処理された前記処理対象物を封じ込めて処理をする第2処理部と、
    前記第1処理部と前記第2処理部の間に配置されて、前記第1処理部内の前記処理対象物を前記第2処理部内へ移す際に受け渡すための受け渡し部と、を備え、
    前記受け渡し部は、前記処理対象物に付着している物質を除去するフィルタユニットを備えることを特徴とする封じ込めシステム。
  2. 前記フィルタユニットは、フィルタと、前記処理対象物に付着している物質を前記フィルタに吸着させるためのファンと、を有するファンフィルタユニットであることを特徴とする請求項1に記載の封じ込めシステム。
  3. 前記受け渡し部は、
    前記処理対象物を載せる昇降台と、
    前記昇降台を所定の範囲で昇降可能であり、前記第1処理部内の前記処理対象物を前記第2処理部部内へ受け渡す際に前記昇降台の高さの調整を行うアクチュエータと、
    前記処理対象物に付着している物質を吸着して除去する際に、前記物質を除去した後の空気を下方へ導いて排出する空気排出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の封じ込めシステム。
  4. 前記アクチュエータは、前記昇降台の高さを、前記第1処理部内に配置されて前記処理対象物を載せるための棚板の位置と、前記第2処理部内へ前記処理対象物を入れるための入れ込み用の開口部の位置にそれぞれ対応して調整可能であることを特徴とする請求項3に記載の封じ込めシステム。
  5. 前記昇降台には、前記処理対象物を載せた状態で、前記処理対象物に付着している物質と前記空気を通すための複数の孔部を有する板部材を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の封じ込めシステム。
  6. 前記第1処理部は、前記処理対象物を封じ込めて真空状態で加熱する真空乾燥機であり、前記第2処理部は、前記処理対象物を封じ込めるエンクロージャであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の封じ込めシステム。
  7. 前記第1処理部は、前記処理対象物を封じ込めて加熱する真空乾燥機や恒温器、安定性試験機であり、前記第2処理部は、前記処理対象物を封じ込めるエンクロージャであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の封じ込めシステム。
  8. 前記フィルタユニットは、バッグ内に入れて封じた状態でバッグアウト方式により取り外されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の封じ込めシステム。
  9. 前記第1処理部は、粉砕手段または分級手段であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の封じ込めシステム。
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