JP2017132942A - ゴム組成物及び加硫ゴム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の芳香族第二級アミン系の加硫促進剤と同等以上に加硫速度が速く、耐摩耗性に優れる加硫ゴムが得られるゴム組成物及び耐摩耗性に優れる加硫ゴムの提供。
【解決手段】ジエン系ゴムを主成分として含むゴム成分と、塩基性アミノ酸、特に好ましくはリジン、アルギニン、及びヒスチジンから選択される少なくとも一種でアミノ酸を表面に担持しているシリカ系充填材と、カーボンブラック、加硫剤と、を含むゴム組成物。前記組成物中の塩基性アミノ酸の含有量が0.15〜6.0質量%であり、充填材の100質量部に対し、担持している塩基性アミノ酸が、0.5〜25質量部であるゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム組成物及び加硫ゴムに関する。
アミノ酸は、天然成分として、食品、化粧料等によく用いられるが、アミノ基とカルボキシ基とを有する化学的な特徴から、ゴム組成物の添加剤としても用いられるようになってきている。
例えば、特許文献1には、ゴム組成物に加硫促進効果を有し、かつ低発熱性を向上することが可能なゴム組成物を得るために、ゴム成分(A)と、アミノ酸誘導体(B)と、無機充填材(C)を含む充填材を配合してなるゴム組成物であって、かつ、硫黄及び硫黄化合物から選択される少なくとも1種を配合することが示されている。
また、例えば、特許文献2には、低発熱性を有するゴム組成物を得るために、ゴム組成物に、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム100重量部に、カーボンブラックを30〜150重量部、アミノ酸を0.1〜5重量部配合することが示されている。
国際公開第2013/129394号 特開昭61−221242号公報
ところで、ゴム組成物には、ゴムの加硫を促進するために、従来から、芳香族第二級アミン系の加硫促進剤が用いられてきた。しかし、芳香族第二級アミン系の化合物は、化石資源由来の化合物であるため、近い将来、枯渇してしまう恐れがある。
従って、化石資源由来の加硫促進剤に代わり、アミノ酸等の天然資源由来の加硫促進剤を用いることが考えられる。しかし、一般に、アミノ酸は、ゴムを加工する温度(通常、150℃程度)では固体であり、ゴム組成物の全体に分散した状態にすることが難しかった。
本発明は、従来の芳香族第二級アミン系の加硫促進剤と同等以上に加硫速度が速く、耐摩耗性に優れる加硫ゴムが得られるゴム組成物及び耐摩耗性に優れる加硫ゴムを提供することを目的とする。
本発明者らは、アミノ酸の中でも塩基性アミノ酸がゴムの加硫促進能力を有することを見出した。しかし、一般的なゴム加工時の温度では固体である塩基性アミノ酸はゴムへの溶解性が低いため、加硫促進効果は必ずしも十分ではなかった。これに対し、塩基性アミノ酸を充填材に担持して、ゴム組成物中に含有させることで、ゴムの加硫を促進することができるとともに、加硫ゴムに優れた耐摩耗性を付与し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
<1> ジエン系ゴムを主成分として含むゴム成分と、塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材と、加硫剤と、を含むゴム組成物である。
<2> 前記ゴム組成物中の前記塩基性アミノ酸の含有量が0.15〜6.0質量%である<1>に記載のゴム組成物である。
<3> 前記充填材の100質量部に対し、前記充填材に担持されている前記塩基性アミノ酸の全質量が0.5〜25質量部である<1>又は<2>に記載のゴム組成物である。
<4> 全充填材に対し、前記塩基性アミノ酸を担持している充填材の割合が、50〜100質量%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
<5> 前記塩基性アミノ酸の塩基性度がpKa6.0〜12.5である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
<6> 前記充填材がシリカを含み、更にシランカップリング剤を配合してなる<1>〜<5>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
<7> 前記充填材がカーボンブラックを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
<8> 前記塩基性アミノ酸以外の加硫促進剤を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
<9> 前記塩基性アミノ酸が、リジン、アルギニン、及びヒスチジンからなる群より選択される少なくとも一種である<1>〜<8>のいずれか1つに記載のゴム組成物である。
<10> <1>〜<9>のいずれか1つに記載のゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムである。
本発明によれば、従来の芳香族第二級アミン系の加硫促進剤と同等以上に加硫速度が速く、耐摩耗性に優れる加硫ゴムが得られるゴム組成物及び耐摩耗性に優れる加硫ゴムを提供することができる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムを主成分として含むゴム成分と、塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材と、加硫剤と、を含む。
従来から加硫促進剤として用いられている1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)等の芳香族第二級アミン系加硫促進剤は、融点が145℃前後であるため、ゴム加工温度(通常、150℃程度)において液状であり、ゴム組成物中に分散され易かった。
一方、ゴムの加工温度で固体である塩基性アミノ酸はより融点が高く、ゴム加工時にゴムと混ざり合いにくかった。
これに対し、塩基性アミノ酸を充填材の表面に担持させることで、塩基性アミノ酸はゴム組成物中に分散し易くなり、ゴム組成物の全体にわたって加硫促進機能が発現されるために、ゴムが十分に加硫され、加硫ゴムは耐摩耗性に優れると考えられる。
以下、本発明のゴム組成物に含まれる各成分について、詳細に説明する。
〔ゴム成分〕
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムを主成分として含むゴム成分を含む。
主成分とは、ゴム成分中、ジエン系ゴムを70質量%以上含むことをいい、ゴム成分中のジエン系ゴムの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。
ジエン系ゴムとは、分子構造として、ジエン構造を含むゴムであり、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)も包含される。
ジエン構造を含むゴムとしては、天然ゴムのほか、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の合成ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジエン系ゴムとして二種以上を組み合わせるときは、ジエン系ゴム全質量中の合成ゴムの含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは85質量%以上である。
天然ゴムは、加硫速度が大きいことから、本発明は、天然ゴムに比べ加硫速度の小さい合成ゴムを含むゴム組成物において有用であり、ジエン系ゴムは、合成ゴムを1種で用いること(ジエン系ゴム全質量中の合成ゴムの含有量が100質量%)がより更に好ましい。
更に、合成ゴムを、前記ゴム成分の全質量に対して50〜100質量%含むことが好ましく、70〜100質量%含むことがより好ましく、90〜100質量%含むことが更に好ましい。合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)が好ましい。
ゴム成分は、例えば、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム等の、ジエン系ゴム以外の他のゴムを、本発明の効果を損なわない限度において含んでいてもよい。
〔塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材〕
本発明のゴム組成物は、塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材を含む。
本発明のゴム組成物が塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材を含むことで、塩基性アミノ酸をゴム組成物中に行き渡らすことができ、その結果、ゴムの加硫反応を速やかに、かつ十分に行うことができるため、加硫ゴムの耐摩耗性を向上することができる。
最初に塩基性アミノ酸について説明する。
(塩基性アミノ酸)
塩基性アミノ酸とは、具体的には、塩基性度がpKa(NH基解離定数)6.0〜12.5であるアミノ酸をいい、塩基性度はpKa9.0〜12.5が好ましく、pKa10.3〜12.5がより好ましい。
塩基性アミノ酸としては、具体的には、リジン(pKa10.3)、アルギニン(pKa12.5)、ヒスチジン(pKa9.2)、オルニチン(pKa10.8)等が挙げられる。中でも、リジン、アルギニン、ヒスチジン、が好ましく、リジン、アルギニン、がより好ましい。
塩基性アミノ酸は、通常、ゴム加工温度において固体であり、具体的には、融点が160℃を超える。なお、塩基性アミノ酸の融点は、示差走査熱量計等の公知の熱分析装置を用いた公知の手法で測定することができ、例えば、リジンの融点は215℃、アルギニンの融点は222℃、ヒスチジンの融点は282℃である。
塩基性アミノ酸は、上記のうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のゴム組成物中の塩基性アミノ酸の含有量は0.15〜6.0質量%であることが好ましい。塩基性アミノ酸の含有量が0.15質量%以上であることで、ゴムの加硫を十分に促進することができ、6.0質量%以下であることで、加硫ゴム物性の低下を抑制できる。
同様の観点から、ゴム組成物中の塩基性アミノ酸の含有量は0.20質量%以上であることがより好ましく、0.30質量%以上であることが更に好ましい。また、ゴム組成物中の塩基性アミノ酸の含有量は4.5質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以下であることが更に好ましい。
(充填材)
充填材としては、カーボンブラック、無機充填材等が挙げられる。
充填材は、加硫ゴムの引張り強さ、破断強度、モジュラス、硬さ等の増加、及び耐摩耗性、引張り抵抗性の向上等の補強材として知られているが、本発明においては、塩基性アミノ酸を、ゴム加工時に、ゴム組成物の全体に行き渡らせる機能を有する。
カーボンブラックとしては、例えば、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックなどがあるが、いずれのものも使用することができ、また、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを用いることができる。
無機充填材としては、シリカ、アルミナ等の金属酸化物が挙げられ、中でもシリカが好ましい。シリカとしては、市販のあらゆるものが使用でき、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
充填材は、1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
充填材は、シリカ及びカーボンブラックからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、塩基性アミノ酸を担持する充填材は、塩基性アミノ酸を表面から離脱しにくくする観点から、シリカや金属酸化物であることが好ましく、シリカであることがより好ましい。
(シランカップリング剤)
本発明のゴム組成物が、充填材としてシリカを含む場合は、ゴム組成物はシランカップリング剤を配合してなることが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドなどのテトラスルフィド類等を挙げることができる。
このシランカップリング剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、使用するシリカ100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。当該シランカップリング剤の配合量が1質量部以上であれば、加硫ゴムの耐摩耗性が向上し、10質量部より多く配合しても、その量の割には効果の向上があまり認められない。
(塩基性アミノ酸を充填材の表面に担持する方法)
塩基性アミノ酸は、充填材の表面に担持されていれば、その担持状態については特に制限されないが、塩基性アミノ酸が充填材の表面に吸着していることが好ましい。塩基性アミノ酸が充填材の表面に吸着していることで、ゴム加工時に、塩基性アミノ酸が充填材の表面から離脱しにくく、ゴムの加硫を十分に促進することができる。
塩基性アミノ酸を機充填材の表面に担持する方法は特に制限されないが、例えば、塩基性アミノ酸と、充填剤と、塩基性アミノ酸を溶解する溶媒とを混合した後、溶媒を蒸発させることで、塩基性アミノ酸を充填材の表面に吸着させることができる。
塩基性アミノ酸を溶解する溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール、水、及びこれらの混合溶液等が挙げられ、中でも、水が好ましい。
塩基性アミノ酸と、充填剤と、塩基性アミノ酸を溶解する溶媒との混合比は特に制限されず、塩基性アミノ酸を十分に溶解し得る程度に溶媒を混合すればよく、また、充填材の表面に担持する塩基性アミノ酸の濃度に応じて、塩基性アミノ酸と、充填剤との量比を調整すればよい。
なお、充填材の表面に担持した塩基性アミノ酸の担持量は、充填材の質量と、塩基性アミノ酸が担持している充填材の質量との差分として求めることができる。
充填材の100質量部に対し、充填材に担持している塩基性アミノ酸の全質量は、0.5〜25質量部であることが好ましい。かかる範囲であることで、加硫ゴムの耐摩耗性を十分に発現することができる。
充填材に吸着している塩基性アミノ酸の全質量は、充填材の100質量部に対し1.0質量部以上であることがより好ましく、2.0質量部以上であることが更に好ましい。また、充填材の100質量部に対し20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。
充填材は、ゴム組成物に含まれる全てが塩基性アミノ酸を担持していなくてもよく、例えば、塩基性アミノ酸を担持している充填材中の塩基性アミノ酸濃度を10質量%として、塩基性アミノ酸を担持している充填材と、塩基性アミノ酸を担持していない充填材とを、前者を90質量部、後者を10質量部として、混合して用いてもよい。
ゴム組成物の加硫促進性及び加硫ゴムの耐摩耗性を向上する観点からは、塩基性アミノ酸をゴム組成物中に、同程度の濃度で分散させることが好ましい。例えば、塩基性アミノ酸を担持している充填材中の塩基性アミノ酸濃度を0.5〜3質量%とし、全充填材中の塩基性アミノ酸を担持していない充填材の割合を30質量%以下として、塩基性アミノ酸をゴム組成物中に広く薄く配置させることが好ましい。全充填材中の塩基性アミノ酸を担持していない充填材の割合は20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることがより更に好ましく、0質量%、すなわち、全充填材が塩基性アミノ酸を担持している充填材であってもよい。
塩基性アミノ酸を担持している充填材の割合は、全充填材に対し、50〜100質量%であることが好ましい。
〔加硫剤〕
本発明のゴム組成物は、加硫剤を含む。
加硫剤は、特に制限はなく、通常、硫黄を用い、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物においては、当該加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。この含有量が0.1質量部以上であることで加硫を充分に進行させることができ、10質量部以下をとすることで、加硫ゴムの耐老化性を抑制することができる。
ゴム組成物中の加硫剤の含有量はゴム成分100質量部に対して、0.5〜7.0質量部であることがより好ましく、1.0〜5.0質量部であることが更に好ましい。
〔その他の配合剤〕
本発明のゴム組成物においては、前述したゴム成分、塩基性アミノ酸、充填剤及び加硫剤と共に、ゴム業界で通常使用される配合剤、例えば、塩基性アミノ酸以外の加硫促進剤;加硫遅延剤;アロマティックオイル等のプロセスオイル;ワックス等の可塑剤;ステアリン酸等の脂肪酸;老化防止剤等を、本発明の効果が損なわれない範囲で含有させることができる。
ただし、本発明の効果を発現する観点から、全加硫促進剤中の塩基性アミノ酸以外のアミン系加硫促進剤(例えば、芳香族第二級アミン系加硫促進剤)の含有量は、50質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることが更に好ましい。
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物を製造するにあたっては、塩基性アミノ酸を十分にゴム組成物中に分散させるため、予め既述の方法にて塩基性アミノ酸を充填材の表面に担持させておくことが好ましい。
その後、前述したゴム成分及び塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材のほか、必要に応じて、加硫剤、前記配合剤等を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって、製造することができる。
ここで、ジエン系ゴムを主成分として含むゴム成分、塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材、加硫剤等の配合量は、ゴム組成物中の含有量として既述した量と同じである。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよく、例えば、第一段階において、ゴム成分と塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材、その他配合成分を混練し、第二段階において、加硫剤を混練する方法が挙げられる。第一段階でゴム成分と共に混合し得るその他配合成分としては、本発明のゴム組成物が必要に応じて含み得るプロセスオイル、可塑剤(ワックス)、脂肪酸等が挙げられる。
混練の第一段階の最高温度は、140〜160℃とすることが好ましく、第二段階の最高温度は、90〜120℃とすることが好ましい。
<加硫ゴム及びその用途>
本発明の加硫ゴムは、既述の本発明のゴム組成物を加硫してなる。
ゴム組成物の加硫方法は特に限定されず、公知の加硫方法を適用することができる。
このようにして得られた本発明の加硫ゴムは、自動車タイヤ、コンベアベルト、ホース等のゴム物品に好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって、なんら限定されるものではない。
<実施例1〜8及び比較例1〜10>
混練の第一段階において、バンバリーミキサーにて、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、充填材(シリカ又はカーボンブラック)、塩基性アミノ酸担持物、ステアリン酸、老化防止剤を混練し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃になるように調整した。
次に、混練の最終段階において、表1に記載の残りの配合成分を加えて混練し、混練の最終段階におけるゴム組成物の最高温度が110℃になるように調整した。
なお、表1及び表2の各成分の配合量の単位は「質量部」である。また、塩基性アミノ酸担持物の塩基性アミノ酸の「%」は質量基準であり、塩基性アミノ酸担持物全質量中の塩基性アミノ酸の濃度を示す。
〔塩基性アミノ酸担持物の調製〕
(1)2質量%リジン担持シリカ、2質量%アルギニン担持シリカ、及び2質量%ヒスチジン担持シリカの調製
塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、又はヒスチジン)と、シリカと、水とを、塩基性アミノ酸:シリカ:水=1:49:150(質量基準)で混合した。次いで、水を蒸発させ、塩基性アミノ酸をシリカに担持させた塩基性アミノ酸担持物を調製した。
(2)10質量%リジン担持シリカ及び10質量%リジン担持カーボンブラックの調製
塩基性アミノ酸(リジン)と、充填剤(シリカ又はカーボンブラック)と、水とを、塩基性アミノ酸:充填剤:水=5:45:150(質量基準)で混合した。次いで、水を蒸発させ、リジンをシリカ又はカーボンブラックに担持させた10質量%リジン担持シリカ及びカーボンブラックを調製した。
(3)1質量%リジン担持カーボンブラック、1質量%アルギニン担持カーボンブラック、及び1質量%ヒスチジン担持カーボンブラックの調製
塩基性アミノ酸(リジン、アルギニン、又はヒスチジン)と、カーボンブラックと、水とを、塩基性アミノ酸:カーボンブラック:水=1:99:300(質量基準)で混合した。次いで、水を蒸発させ、塩基性アミノ酸をカーボンブラックに担持させた塩基性アミノ酸担持物を調製した。
<評価>
1.ゴム組成物の加硫促進性(加硫速度指数)
東洋精機社製のレオメータ(RLR−4)を使用し、JIS K 6300−2:2001の条件に従って、190℃におけるレオメータカーブ(トルク)を測定し、ゴム組成物の加硫速度を評価した。比較例1のゴム組成物のT0.9−T.01の値を100として指数表示したものの逆数をとった。指数が大きいほど加硫促進性に優れることを示す。
2.加硫ゴムの耐摩耗性(耐摩耗性指数)
JISK6264:2005に準じたランボーン摩耗試験により評価した。スリップ率は25%とした。評価結果は比較例1のゴム組成物の摩耗量を100として指数で表示した。指数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
表1及び表2に示した配合成分の詳細は次のとおりである。
*1)シリカ:Rhodia社製、商品名「Zeosil 1165」(登録商標)
*2)カーボンブラックN220:旭カーボン社製、商品名「#80」
*3)シランカップリング剤:ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
*4)アロマティックオイル:富士興産社製、アロマックス#3(登録商標)
*5)ワックス:精工化学社製、サンタイト(登録商標)
*6)老化防止剤6PPD:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、ノクラック6C(登録商標)
*7)加硫促進剤DPG:1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
*8)加硫促進剤MBTS:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業社製、商品名「サンセラーDM」
*9)加硫促進剤TBBS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業社製、商品名「サンセラーNS」
表1から分かるように、塩基性アミノ酸担持物を含む実施例1〜4のゴム組成物は、従来の芳香族第二級アミン系の加硫促進剤DPGを用いた場合(比較例1)と同じか、より低い加硫速度指数となった。これは、実施例1〜4のゴム組成物は比較例1のゴム組成物と同程度か、それ以上に加硫が促進されていることを示す。また、実施例1〜4で得られた加硫ゴムは、耐摩耗性指数が100を超えており、比較例1の加硫ゴムよりも耐摩耗性に優れた。
一方、実施例と同じ塩基性アミノ酸を用いながらも、シリカに担持させずに、そのまま用いた比較例3〜5のゴム組成物は、加硫速度指数が大きかった。これは、比較例1のゴム組成物よりも加硫速度が小さいことを意味する。また比較例3〜5において得られた加硫ゴムの耐摩耗性指数は、比較例1よりも小さく、比較例1の加硫ゴムよりも耐摩耗性に優れないことを意味する。塩基性アミノ酸担持物も塩基性アミノ酸も含まない比較例2においては、加硫促進性及び耐摩耗性とも、比較例3〜5よりも優れなかった。
充填材として、シリカに代えて、カーボンブラックを用いた表2の実施例5〜8及び比較例6〜10においても、表1と同様の傾向が見られた。
更に、実施例1と4、実施例6と8との対比からわかるように、充填剤に担持させるアミノ酸濃度を薄くしてゴム組成物中に分散させたゴム組成物(実施例1、6)は、充填材の一部が濃度の濃いアミノ酸を担持させた充填材であるゴム組成物(実施例4、8)に比べ、加硫促進性が高く、加硫ゴムの耐摩耗性も高くなった。
本発明のゴム組成物は、従来の芳香族第二級アミン系の加硫促進剤を用いた場合と同等以上に加硫が促進されるため、石油資源の枯渇を懸念することなく、ゴム物品を生産することができる。本発明のゴム組成物から得られる加硫ゴムは耐摩耗性に優れるため、自動車用タイヤ、コンベアベルト、ホース等のゴム物品に好適である。

Claims (10)

  1. ジエン系ゴムを主成分として含むゴム成分と、塩基性アミノ酸を表面に担持している充填材と、加硫剤と、を含むゴム組成物。
  2. 前記ゴム組成物中の前記塩基性アミノ酸の含有量が0.15〜6.0質量%である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記充填材の100質量部に対し、前記充填材に担持されている前記塩基性アミノ酸の全質量が0.5〜25質量部である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 全充填材に対し、前記塩基性アミノ酸を担持している充填材の割合が、50〜100質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記塩基性アミノ酸の塩基性度がpKa6.0〜12.5である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記充填材がシリカを含み、更にシランカップリング剤を配合してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 前記充填材がカーボンブラックを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 前記塩基性アミノ酸以外の加硫促進剤を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  9. 前記塩基性アミノ酸が、リジン、アルギニン、及びヒスチジンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム。
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