JP2017132946A - 捺染インクジェットインクセット及びインクジェット捺染記録方法 - Google Patents

捺染インクジェットインクセット及びインクジェット捺染記録方法 Download PDF

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亮太 宮佐
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正和 大橋
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徹 齋藤
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雅幸 村井
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Abstract

【課題】前処理液を用いて画質を向上させる記録方法において、インクの密着性を高めることができる捺染インクジェットインクセット及びインクジェット捺染記録方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有するインクジェット捺染記録方法に用いる捺染インクジェットインクセットであって、反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物と、反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物と、を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、捺染インクジェットインクセット及びインクジェット捺染記録方法に関する。
従来から、インクジェット記録用のヘッドから吐出させた微小なインク滴によって画像等を記録する、いわゆるインクジェット記録方式が広く知られている。従来、布帛に前処理として前処理液を塗布し、前処理した布帛にカラーインクをインクジェット記録し、乾燥させた後に、ミドルコートやオーバーコートを塗布する記録方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−150454号公報
従来、インクの発色性の向上やブリード抑制(画質向上)のために、インクと反応する前処理液(前処理液)をインクの付着の前に布帛へ処理する前処理を採用している。前処理液を用いる場合、着色インクの発色や画質が良くなる半面、記録媒体へ着色インクの成分が浸透する前に早期に固体化(塗膜化)してしまうために、インクの密着性が劣る傾向があった。インクの定着樹脂の含有量を増やして密着性を高める方法もあるが、この場合インク粘度が高くなってしまい、ノズルの目詰まりやインクの保存安定性が低下してしまう。
本発明の一態様は、インク組成物の高粘度化に伴うノズル目詰まりやインクの保存安定性の低下を回避し、かつ、画像の密着性及び発色性を高めることができる捺染インクジェットインクセット及びインクジェット捺染記録方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成することにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有するインクジェット捺染記録方法に用いる捺染インクジェットインクセットであって、前記反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物と、前記反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物と、を備える。
上記構成によれば、前処理液を付与した布帛へ、反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物及び反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与することにより、密着性を向上できる。クリアインク組成物の樹脂は反応剤による凝集性を有しない樹脂とすることで、着色インク組成物中の樹脂が布帛に浸透する前に早期に凝集してしまうことを緩和できたためと推定される。また、クリインク組成物中に樹脂を添加しておくことで、着色インク組成物中の樹脂の含有量を減らせることができることから、インク組成物の粘度を上昇させることもない。
好ましくは、前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物の粘度は4.0〜7.0mPa・secである。これにより、インク組成物の目詰まりが防止される。
好ましくは、前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物の平均の樹脂量が12〜16質量%である。これにより、インク組成物の目詰まりが防止され、密着性を向上できる。クリアインク組成物及び着色インク組成物の平均樹脂量が16%を超えると目詰まりが悪化し、平均樹脂量が12%を下回ると密着性が低下する傾向にある。
例えば、前記着色インク組成物が、白色色材を含む白インク組成物、非白色色材を含む非白色インク組成物のいずれかである。
好ましくは、前記クリアインク組成物に含まれる樹脂が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の少なくともいずれかである。
好ましくは、前記着色インク組成物及び前記クリアインク組成物が、それぞれ、固形分量/保湿剤量が2.3以下である。これにより、着色インク組成物の固形分が乾燥することによるノズルの目詰まりを防止することができる。
また、本発明の一態様は、着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、前記着色インク組成物及び前記クリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有し、前記着色インク組成物が、前記反応剤による凝集性を有する樹脂を含み、前記クリアインク組成物が、前記反応剤による凝集性を有しない樹脂を含む、インクジェット捺染記録方法である。
上記構成によれば、前処理液を付与した布帛へ、反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物及び反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与することにより、密着性を向上できる。クリアインク組成物の樹脂は反応剤による凝集性を有しない樹脂とすることで、着色インク組成物中の樹脂が布帛に浸透する前に早期に凝集してしまうことを緩和できたためと推定される。また、クリインク組成物中に樹脂を添加しておくことで、着色インク組成物中の樹脂の含有量を減らせることができることから、インク組成物の粘度を上昇させることもない。
好ましくは、前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物を付着させた布帛の付着領域の塗布量比が、クリアインク組成物/着色インク組成物=0.3〜1.0である。これにより、発色性及び密着性に優れる画像が記録される。クリアインク組成物/着色インク組成物が0.3を下回ると密着性が低下する傾向にあり、1.0を超えると発色性が低下する傾向にある。
好ましくは、前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物を付着させた布帛の付着領域の前記着色インク組成物の付着量が、50〜300mg/inch2である。これにより、画像の発色性を向上することができる。
本実施形態に用い得る記録装置の構成の一例を示すブロック図を示す
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係る捺染インクジェットインクセットは、着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有するインクジェット捺染記録方法に用いる捺染インクジェットインクセットであって、反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物と、反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物と、を備える。
1.被記録媒体
本実施形態では、被記録媒体として布帛が用いられる。布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛等の天然繊維や、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、レーヨン等の合成繊維等を原料とする、織物、編み物、不織布等が挙げられる。
2.前処理液
本発明の一実施形態に係る記録方法は、前処理液(反応液)を使用するものである。前処理液は、インク組成物の成分を凝集または増粘させる反応剤(凝集剤)を含む。
反応剤は、着色インク組成物に含まれるいずれかの成分、好ましくは色材と樹脂のいずれかと反応することで、着色インク組成物に含まれる樹脂とともに色材を凝集させるという機能を有する。これにより、着色インク組成物からなる画像の発色性が向上して、布帛を良好に隠蔽することができる。
反応剤としては、多価金属塩、有機酸、カチオン性化合物の何れかが好ましく、前2つの何れかがより好ましく、前1つがさらに好ましい。前処理液に含む反応剤の含有量は1〜20質量%が好ましい。反応剤の含有量の下限は、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。反応剤の含有量の上限は、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
多価金属化合物は、2価以上の多価金属イオンとアニオンから構成される化合物である。2価以上の多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Mg2+、Cu2+、Ni2+、Zn2+、Ba2+等が挙げられる。アニオンとしては、例えば、Cl-、NO3 -、CH3COO-、I-、Br-、ClO3 -等が挙げられる。これらの中でも、上述の凝集効果が一層高まるという観点から、マグネシウム塩、カルシウム塩およびアルミニウム塩を好ましく用いることができる。
有機酸としては、以下に限定されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、及び乳酸が挙げられる。
カチオン性化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ポリアリルアミン及びポリアリルアミンの四級塩などの、水に可溶であり且つ水中で正に荷電するカチオン性高分子が挙げられる。
前処理液は、樹脂を含有してもよい。樹脂としては、特に限定されず、例えばアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。
前処理液は、界面活性剤、糊剤(例えば、デンプン物質、セルロース系物質、多糖類、タンパク質、水溶性高分子等)、水、pH調製剤、防腐剤・防かび剤等の成分を含有してもよい。
3.インクセット
本発明の一実施形態に係るインクセットは、反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物と、反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物と、を備える。本実施形態に係るインクセットは、上述した前処理液をさらに含んでいてもよい。
以下、インク毎に詳細に説明する。
3.1.着色インク組成物
本実施形態に係る着色インク組成物は、色材と、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有する樹脂とを含む。以下、着色インク組成物に含まれる成分について、詳細に説明する。
3.1.1.色材
着色インク組成物に含まれる色材として、染料又は顔料が用いられるが、発色や前処理液による凝集増粘性の点で顔料を用いることが好ましい。顔料としては、有機顔料および無機顔料のいずれも使用することができる。着色インク組成物に含まれる色材に限定はなく、白色系の色材又は非白色系の色材(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等)のいずれの色の色材も用いることができる。
このように、着色インク組成物には、いずれの色の色材を使用してもよいが、布帛への密着性の問題は白色インクにおいて顕著に表れることから、着色インク組成物には白色系の色材を用いることにより、本発明の効果をより享受できる。
白色系の色材としては、以下に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、及び酸化ジルコニウム等の白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。なお、白色系の染料を用いることもできる。
白色系の顔料のカラーインデックス(C.I.)としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.Pigment White 1(塩基性炭酸鉛)、4(酸化亜鉛)、5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、6(酸化チタン)、6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン)、7(硫化亜鉛)、18(炭酸カルシウム)、19(クレー)、20(雲母チタン)、21(硫酸バリウム)、22(天然硫酸バリウム)、23(グロスホワイト)、24(アルミナホワイト)、25(石膏)、26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素)、27(シリカ)、28(無水ケイ酸カルシウム)などが挙げられる。これらの中でも、発色性、隠蔽性、及び視認性(明度)に優れ、かつ、良好な分散粒径が得られるため、酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンの中でも、白色系の顔料として一般的なルチル型の酸化チタンが好ましい。このルチル型の酸化チタンは、自ら製造したものであってもよく、市販されているものであってもよい。ルチル型の酸化チタン(粉末状)を自ら製造する場合の工業的製造方法として、従来公知の硫酸法及び塩素法が挙げられる。ルチル型の酸化チタンの市販品としては、例えば、Tipaque(登録商標) CR−60−2、CR−67、R−980、R−780、R−850、R−980、R−630、R−670、PF−736等のルチル型(以上、石原産業社製、商品名)が挙げられる。
白色系の顔料以外の顔料とは、上述した白色系の顔料を除く顔料のことをいう。白色系の顔料以外の顔料としては、以下に限定されないが、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、及びニトロソ系などの有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等)、コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、及びニッケル等の金属類、金属酸化物及び硫化物、並びにファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、さらには黄土、群青、及び紺青等の無機顔料を用いることができる。
更に詳しくは、ブラック系の顔料として使用できるカーボンブラックとしては、例えば、MCF88、No.2300、2200B、900、33、40、45、52、MA7、8、100等(以上、三菱化学社製、商品名)、Raven 5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上、コロンビアカーボン社製、商品名)、Rega1 400R、330R、660R、Mogul L、Monarch 700、800、880、900、1000、1100、1300、1400等(以上、キャボット社製、商品名)、Color Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、Printex 35、U、V、140U、Special Black 6、5、4A、4等(以上、デグッサ社製、商品名)等が挙げられる。
イエロー系の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタ系の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、C.I.ピグメントバイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン系の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66等が挙げられる。
マゼンタ、シアン、及びイエロー以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、C.I.ピグメント ブラウン 3、5、25、26、C.I.ピグメント オレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
以上述べた顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
着色インク組成物に含まれる顔料の含有量は、使用する顔料種により異なるものの良好な発色性を確保することなどから、着色インク組成物の全質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上12質量%以下がさらに好ましい。中でも、着色インク組成物に含まれる顔料として酸化チタンを用いる場合には、酸化チタンの含有量は、沈降し難いとともに、(特に明度の低い布帛上での)隠蔽性及び色再現性に優れるため、着色インク組成物の全質量に対して、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
顔料は、インク中での分散性を高めるという観点から、表面処理を施した顔料であってもよいし、分散剤等を利用した顔料であってもよい。
表面処理を施した顔料とは、物理的処理または化学的処理によって顔料表面に親水性基(カルボキシル基、スルホン酸基等)を、直接または間接的に結合させて水性溶媒中に分散可能としたものである(以下、「自己分散型の顔料」ともいう。)。
また、分散剤を利用した顔料とは、界面活性剤や樹脂により顔料を分散させたものであり(以下、「ポリマー分散型顔料」ともいう。)、界面活性剤や樹脂としてはいずれも公知の物質を使用することが可能である。また、「ポリマー分散型顔料」の中には、樹脂により被覆された顔料も含まれる。樹脂により被覆された顔料は、酸析法、転相乳化法、及びミニエマルション重合法などにより得ることができる。
3.1.2.樹脂
着色インク組成物に含まれる樹脂は、皮膜の耐擦性、密着性、着色インク組成物の保存安定性を向上できる等の観点から、ポリマー微粒子(エマルジョン)の形態で含まれる。本実施形態では、ポリマー微粒子を構成する樹脂として、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有する樹脂を含有することにより、樹脂が色材とともに凝集し、着色インク組成物の発色性を向上できる。
樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらの中でも、設計の自由度が高く、それゆえ所望の皮膜物性(上記の皮膜伸度)を得やすいことから、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
ウレタン系樹脂としては、ウレタン骨格を有し水分散性を有するものが使用される。本実施形態では、特に、ウレタン系樹脂は、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有するウレタン系樹脂が使用される。このようなウレタン系樹脂は、例えば、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等のアニオン性の官能基を有する、アニオン性のウレタン系樹脂である。このようなアニオン性のアクリル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、サンキュアー2710、2715(日本ルーブリゾール社(The Lubrizol Corporation)製商品名)、パーマリンUA−150(三洋化成工業社(Sanyo Chemical Industries, Ltd.)製商品名)、第一工業製薬(株)製のスーパーフレックス460、460s、840等;三井化学ポリウレタン(株)製のタケラックWS−6021、W−512−A−6等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体の重合体や、アクリル系単量体と他の単量体との共重合体などが使用可能であり、他の単量体としてはスチレンなどのビニル系単量体があげられる。本実施形態では、特に、アクリル系樹脂は、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有する観点から、カルボキシ基等の官能基を有する、アクリル系樹脂であることが好ましい。このようなアクリル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば日本ゼオン製のニッポールSX-1706や新中村化学工業製のMK-100W等が挙げられる。
樹脂のうち、反応剤による凝集性を有するか、または有さない樹脂かの判断は、インクジェット捺染記録方法で用いる前処理液に対して、樹脂を含む液を滴下することでおこなう。滴下した際に、樹脂が凝固し、液と分離して水面に浮くか、もしくは底に沈んだ状態になるものを、前処理液との混合により凝集する樹脂とする。また、樹脂微粒子を滴下した際に、前処理液と樹脂が接触しても凝固せず、明確な分離をしないで全体に溶解、または白濁して混在するものを、前処理液との混合により凝集しない樹脂とする。このとき1分間の静止後の評価とする。樹脂は固形分として10質量%の水媒体液(水分散液や水溶液など)としたものを用いる。
反応剤による凝集性を有する樹脂として、例えば、自己分散型の樹脂微粒子があげられ、反応剤による凝集性を有さない樹脂として、乳化剤分散型の樹脂微粒子があげられる。あるいは、反応剤による凝集性を有する樹脂として、例えば、JIS−K2501に基づく電位差測定法による酸価が10mgKOH/g以上の樹脂があげられ、反応剤による凝集性を有さない樹脂として、上記酸価が10mgKOH/g未満の樹脂があげられる。あるいは、反応剤による凝集性を有する樹脂として、例えば、アニオン性樹脂液があげられ、反応剤による凝集性を有さない樹脂として、ノニオン性またはカチオン性樹脂液があげられる。
着色インク組成物中における樹脂の含有量は、インクの全質量に対して、固形分換算で、1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上12質量%以下であることがさらに好ましい。インク中における樹脂の含有量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、樹脂がインクの定着性を向上させる効果を十分に発揮できるので、記録される画像の耐擦性が向上する。また、上限を超えずにあることで、樹脂に起因する凝集物の発生が抑制できるので、インクの保存安定性や吐出安定性が優れたものとなる。
3.1.3.その他の成分
着色インク組成物は、水、有機溶剤、界面活性剤を含有してもよい。
<水>
水は、インクの主となる媒体であり、乾燥により蒸発飛散する成分である。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。着色インク組成物に含まれる水の含有量としては、特に限定されるものではないが、着色インク組成物の全質量に対して、例えば50質量%以上であることができ、さらには50質量%以上95質量%以下であることができる。
<水溶性有機溶剤>
前処理液は、水溶性有機溶剤を含んでもよい。水溶性有機溶剤を含むことにより、前処理液を付着させた部分における前処理液の後残りがより低減する傾向にある。水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、及び1,1,3,3−テトラメチル尿素が挙げられる。このなかでも、このなかでも、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等の水溶性有機溶剤が好ましい。
水溶性有機溶剤の含有量は、着色インク組成物の総量に対して、好ましくは7.5〜22.5質量%であり、より好ましくは10〜20質量%であり、さらに好ましくは12.5〜17.5質量%である。
上記の水溶性有機溶剤のいくつかは、ノズルからの吐出安定性を向上させる観点から保湿剤として機能する。
本願明細書において、保湿剤は、有機溶剤のうちの、ポリオール化合物、グリコール化合物の何れかである。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
保湿剤の含有量は、着色インク組成物の全質量に対して、好ましくは4〜40質量%であり、より好ましくは6〜20質量%であり、さらに好ましくは8〜11質量%である。
<界面活性剤>
界面活性剤は、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、BYK社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学工業社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
<その他>
着色インク組成物は、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜含有していてもよい。
3.1.4.その他
着色インク組成物の20℃における粘度は4.0〜7.0mPa・secであることが好ましい。これにより、インク組成物の目詰まりが防止される。
着色インク組成物における固形分量/保湿剤量が2.3以下であることが好ましい。これにより、着色インク組成物の固形分が乾燥することによるノズルの目詰まりを防止することができる。
3.2.クリアインク組成物
本実施形態に係るインクセットに含まれるクリアインク組成物は、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有しない樹脂を含み、色材を含まないインク組成物である。以下、クリアインク組成物に含まれる成分について、詳細に説明する。
3.2.1.樹脂
クリアインク組成物に含まれる樹脂は、皮膜の耐擦性、密着性、着色インク組成物の保存安定性を向上できる等の観点から、ポリマー微粒子(エマルジョン)の形態で含まれる。本実施形態では、ポリマー微粒子を構成する樹脂として、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有する樹脂を含有することにより、樹脂が色材とともに凝集し、着色インク組成物の発色性を向上できる。
樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、フルオレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これらの中でも、設計の自由度が高く、それゆえ所望の皮膜物性(上記の皮膜伸度)を得やすいことから、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
ウレタン系樹脂としては、ウレタン骨格を有し水分散性を有するものが使用される。本実施形態では、特に、ウレタン系樹脂は、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有しないウレタン系樹脂が使用される。このようなウレタン系樹脂は、例えば、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等のアニオン性の官能基を有せず、乳化剤を用いて水分散しているウレタン系樹脂である。このようなウレタン系樹脂として、市販品を用いてもよく、例えば、タケラック W−635(商品名、三井化学ポリウレタン株式会社製)、スーパーフレックス 500M(商品名、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体の重合体や、アクリル系単量体と他の単量体との共重合体などが使用可能であり、他の単量体としてはスチレンなどのビニル系単量体があげられる。本実施形態では、特に、アクリル系樹脂は、前処理液に含まれる反応剤による凝集性を有しないアクリル系樹脂が使用される。このようなアクリル系樹脂は、例えば、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等のアニオン性の官能基を有せず、乳化剤を用いて水分散しているアクリル系樹脂である。このようなアクリル系樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、モビニール966A(日本合成化学社(Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.)製商品名)、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント社(Nippon Paint Co., Ltd)製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、DIC社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン社(Zeon Corporation)製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学社(SAIDEN CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.)製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル62J、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASF社製)、ビニブラン2650(日信化学工業社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学社製商品名、固形分44%)等が挙げられる。
クリアインク組成物中における樹脂の含有量は、インクの全質量に対して、固形分換算で、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、14質量%以上22質量%以下であることがさらに好ましい。インク中における樹脂の含有量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、樹脂がインクの定着性を向上させる効果を十分に発揮できるので、記録される画像の耐擦性が向上する。また、上限を超えずにあることで、樹脂に起因する凝集物の発生が抑制できるので、インクの保存安定性や吐出安定性が優れたものとなる。
3.2.3.その他の成分
クリアインク組成物は、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調製剤、防腐剤・防かび剤等の成分を含有することができる。これらの成分は、着色インク組成物で例示した成分を用いることができ、含有量も同様の範囲とすることができるので、その説明を省略する。
3.2.4.その他
クリアインク組成物の20℃における粘度は4.0〜7.0mPa・secであることが好ましい。これにより、インク組成物の目詰まりが防止される。
クリアインク組成物における固形分量/保湿剤量が2.3以下であることが好ましい。これにより、着色インク組成物の固形分が乾燥することによるノズルの目詰まりを防止することができる。
3.3.インクセット
上述したように本実施形態に係るインクセットは、上述した着色インク組成物及びクリアインク組成物とを備える。以下に、着色インク組成物及びクリアインク組成物についての好ましい成分の含有量及び特性についてさらに説明する。
クリアインク組成物及び着色インク組成物の平均の樹脂量が12〜16質量%であることが好ましい。これにより、インク組成物の目詰まりが防止され、密着性を向上できる。クリアインク組成物及び着色インク組成物の平均樹脂量が16%を超えると目詰まりが悪化し、平均樹脂量が12%を下回ると密着性が低下する傾向にある。
3.4.調製方法
本実施形態に係るインクセットに含まれる各インク(着色インク組成物およびクリアインク組成物)は、前述した成分を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
4.記録方法
本発明の一実施形態に係るインクジェット捺染記録方法は、着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有し、着色インク組成物が、反応剤による凝集性を有する樹脂を含み、クリアインク組成物が、反応剤による凝集性を有しない樹脂を含む。
インクジェット記録方法では、上記インクセットを構成する各インクを、インクジェット記録装置に装填して使用する。当該インクジェット記録装置としては、特に限定されないが、例えばドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置が挙げられる。このドロップオンデマンド型のインクジェット記録装置には、記録ヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法を採用した装置、及び記録ヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法を採用した装置などがあり、いずれの記録方法を採用したものでもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
4.1.前処理液付着工程
本実施形態に係る記録方法は、前処理液付着工程を含む。前処理液付着工程は、布帛の記録領域へ、インク組成物の成分を凝集または増粘させる反応剤を含む前処理液を付着させる工程である。反応剤と反応するインクに含まれる成分としては前述の顔料や樹脂があげられる。
反応剤は、着色インク組成物に含まれる樹脂又は他の成分と反応することで、着色インク組成物に含まれる樹脂を凝集させるという機能を有する。これにより、着色インク組成物からなる画像の発色性が向上して、布帛を良好に隠蔽することができる。
前処理液付着工程は、前処理液中に布帛を浸漬させる手段や、前処理液を塗布または噴霧する手段等が挙げられる。また、前処理液を備えるインクセットを用いる場合、インクジェット記録装置を用いて前処理液を塗布することができる。
前処理液付着工程では、記録領域への前処理液の付着量が、2〜20mg/inch2が好ましい。付着量の下限は、5mg/inch2以上がさらに好ましく、付着量の上限は15mg/inch2以下がより好ましく、10mg/inch2以下がさらに好ましい。前処理液の付着量が2mg/inch2以上であることにより、ムラの発生がより抑制される傾向にある。また、前処理液の付着量が20mg/inch2以下であることにより、密着性の低下を抑制することができる。
4.2.インク付着工程
インク付着工程は、前処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程であり、いわゆるウェットオンウェット方式で着色インク組成物及びクリアインク組成物を付着させる。着色インク組成物及びクリアインク組成物の付着工程は、インクジェット記録装置を用いて行うことが好ましい。本願明細書において、「着色インク組成物とクリアインク組成物とをお互いに湿潤状態で付与する」とは、双方のインクを同一の走査で布帛の同じ領域へ付与する、または、異なる走査で布帛の同じ領域へ順番に付与するが、先に付与したインクの揮発成分が40質量%以上が布帛に残存している状態で後のインクを付与するか、または、先のインクの付与の完了から布帛を40℃以下で30秒以内に後のインクの付与を開始することとする。
クリアインク組成物及び着色インク組成物を付着させた布帛の付着領域の塗布量比が、クリアインク組成物/着色インク組成物=0.3〜1.0となるように、双方のインクを付着させることが好ましい。これにより、発色性及び密着性に優れる画像が記録される。クリアインク組成物/着色インク組成物が0.3を下回ると密着性が低下する傾向にあり、1.0を超えると発色性が低下する傾向にある。
クリアインク組成物及び着色インク組成物を付着させた布帛の付着領域の着色インク組成物の付着量が、50〜300mg/inch2であることが好ましい。これにより、画像の発色性を向上することができる。着色インク組成物の付着量は、着色インク付着工程において使用した着色インク組成物の総吐出量(mg)を、着色インク組成物で形成した下地層の面積(inch2)で除することで求められる。
本実施形態では、前処理液を付着した後に乾燥せずに湿潤状態でインク組成物を付着させる、いわゆるウェットオンウェット方式で前処理液上にインク組成物を付着させる。具体的には、記録領域へ付着させた前処理液の揮発成分残存率が40質量%以上の状態で、着色インク組成物の付着を行うことが好ましい。ウェットオンウェット方式では、乾燥させない分、印捺時間を短縮できるという利点ある。一般に、ウェットオンウェット方式では、水分が多いため、インク成分の凝集が布帛繊維上で起きず、布帛上の水分中で繊維から離れて起きやすくなるため、密着性が低下するという不利益があるが、本実施形態では、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成することにより、密着性の低下を抑制することができる。
前処理液の揮発成分残存率は、前処理工程に用いた前処理液に含まれる揮発成分の質量(質量A)に対する、着色インク付着工程の開始時の前処理液の層に残存する揮発成分の残存量(質量B)の比を百分率で表したものである。質量Aは、布帛へ塗布した前処理液の総塗布量から前処理液を乾燥させて揮発成分を完全に揮発させた後の前処理液の質量を引くことにより算出される。質量Bは、着色インク付着工程の開始時における前処理液の質量から前処理液を乾燥させて揮発成分を完全に揮発させた後の前処理液の質量を引くことにより算出される。
前処理液の揮発成分残存率を上記範囲にするためには、前処理液付着工程と着色インク付着工程の間に布帛を加熱して前処理液を乾燥させる工程を設けずに、前処理液の付着から90秒以内に着色インク組成物の付着を行うことが好ましい。
4.3.加熱工程
本実施形態に係るインクジェット捺染方法は、クリアインク付着工程の後に行われ、布帛を加熱する加熱工程を含んでいてもよい。すなわち、加熱工程は、布帛に形成された下地層及びその上の画像を乾燥させる工程である。これにより、各インクに含まれる樹脂が十分に皮膜化するので、耐擦性に優れた画像が得られる。
加熱工程に用いる加熱方法としては、特に限定されないが、例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。また、加熱の熱源としては、以下に限定されないが、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。また、加熱処理時の温度は、各インクに含まれる樹脂を融着し、かつ、水分を蒸発させることができればよく、例えば150〜200℃程度とすることができる。
上記加熱工程後は、印捺物を水洗し、乾燥してもよい。このとき、必要に応じてソーピング処理、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす処理を行ってもよい。
5.記録装置
図1に、本実施形態に用い得る記録装置の構成の一例を示すブロック図を示す。コンピューター130にはプリンタドライバーがインストールされており、プリンタ1に画像を記録させるため、当該画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。プリンタ1は、「記録装置」に相当する。プリンタ1は、インク供給ユニット10、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、乾燥ユニット40、メンテナンスユニット50、検出器群110、メモリー123、インターフェース121、及びコントローラー120を有する。コントローラー120は、CPU122とユニット制御回路124とを有する。外部装置であるコンピューター130から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラー120によって各ユニットを制御して、種々の記録条件を制御し、印刷データに従い、被記録媒体上に画像を記録する。プリンタ1内の状況は検出器群110によって監視されており、検出器群110は、検出結果をコントローラー120に出力する。コントローラー120は、検出器群110から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御し、インターフェース121を介して入力した印刷データをメモリー123に記憶する。メモリー123には、各ユニットを制御するための制御情報も記憶されている。乾燥ユニット40は、ヒーターや送風手段などを備え、被記録媒体に付着したインクなどの組成物を乾燥させるものである。
記録装置(プリンタ1)が有するヘッドユニット30は、前処理液又はインク組成物を被記録媒体に向けて吐出して記録を行うヘッド(インクジェットヘッド)を備える。当該ヘッドは、前処理液収容体に収容した前処理液又はインク収容体に収容したインク組成物をノズルから吐出させるキャビティと、当該キャビティ毎に設けられた、インクに吐出の駆動力を付与する吐出駆動部と、当該キャビティ毎に設けられた、ヘッドの外へインク組成物を吐出するノズルと、ノズルが形成されているノズル形成面と、を有する。キャビティ、並びにキャビティ毎に設けられる吐出駆動部及びノズルは、それぞれ互いに独立して、一のヘッドに複数個設けられていてもよい。吐出駆動部は、機械的な変形によりキャビティの容積を変化させる圧電素子のような電気機械変換素子や、熱を発することによりインクに気泡を発生させ吐出させる電子熱変換素子などを用いて形成することができる。記録装置は、1色のインクにつきヘッドを1個設けていても複数個設けていてもよく、複数個設けている場合、複数個のヘッドを被記録媒体の幅方向に並べることによりラインヘッドを構成してもよく、この場合、上述の被記録幅を長くすることができる。複数色のインク組成物を用いて記録を行う場合、記録装置はインク毎にヘッドを備える。ヘッドは、例えば、特開2009−279830号の図3等のようにして構成することができる。
記録装置がライン方式の記録装置であるラインプリンタである場合には、ヘッドとして被記録媒体の幅に相当する長さ以上の長さであるラインヘッドを備える。当該ラインヘッドと被記録媒体とが当該幅方向と交差する走査方向に相対的に位置を変えながら被記録媒体に向けて、ラインヘッドからインク組成物が吐出されるものである。ラインプリンタでは、ヘッドが(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)で記録が行われる。ラインプリンタは記録速度が速い点でシリアルプリンタよりも有利である。
ここで、上記の「被記録媒体の記録幅以上の長さのノズル列幅を有するインクジェットヘッド」は、被記録媒体の幅とラインヘッドの長さ(幅)とが完全に一致している場合に限らず、互いに異なっていてもよい。このような場合として、例えば、ラインヘッドの長さ(幅)が、インク組成物が吐出されるべき(画像が記録されるべき)被記録媒体の幅(被記録幅)に相当する長さである場合が挙げられる。
一方、シリアル方式の記録装置であるシリアルプリンタは、ヘッドが被記録媒体の副走査方向と交差した主走査方向に移動しながらインク組成物の吐出を行う主走査(パス)を行い、通常2パス以上(マルチパス)で記録を行うものである。
6.実施例
以下、本発明の実施形態を実施例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(前処理液の調製)
下記の表1に従って各成分を混合して、前処理液を調製した。なお、表1に示した成分のうち、多価金属塩及び有機酸が本発明における反応剤に相当する。
Figure 2017132946
(着色インク組成物及びクリアインク組成物の調製)
下記の表1に従って各成分を混合して、着色インク組成物(白色インク組成物)及びクリアインク組成物を調製した。
Figure 2017132946
表2の「溶剤」において、グリセリン及びトリエチレングリコールが保湿剤に相当する。表2の「色材」及び「樹脂微粒子」の含有量の数値は、分散液の使用量であり、固形分量は後述する表3に記載している。また、表2には、インク組成物の成分及び含有量の他、顔料濃度及び樹脂微粒子の固形分濃度を併記した。
(実施例及び比較例)
表3〜4は、実施例及び比較例における、前処理液の構成、着色インク(白色インク)及びクリアインクを含むインクセットの構成、並びに、使用したインクジェット記録方法の詳細を示したものである。
Figure 2017132946
Figure 2017132946
(前処理液との反応性(凝集性)の判断方法)
表3〜4のクリアインク及び白色インクの欄には、インクに使用した樹脂における前処理液との反応性(凝集性)の有無を示している。前処理液との反応性(凝集性)の判断方法は下記の通りである。容量30ccのガラス瓶に例ごとのそれぞれの前処理液(P1またはP2)を15cc入れ、その上から各樹脂微粒子をスポイトで滴下した。滴下した際に、樹脂微粒子が凝固し、前処理液と分離して水面に浮くか、もしくは瓶底に沈んだ状態になるものを、前処理液との混合により凝集する樹脂微粒子(+)とした。また、樹脂微粒子をスポイトで滴下した際に、前処理液と樹脂が接触しても凝固せず、明確な分離をしないで全体に溶解、または白濁して混在するものを、前処理液との混合により凝集しない樹脂微粒子(−)とした。樹脂微粒子は固形分として10質量%の水分散液としたものを用いた。
(保存安定性)
表3〜4には、白色インクの保存安定性の試験結果を示している。保存安定性の評価方法は下記の通りである。インクの組成表(表2)の通りに調合し、ろ過と脱気を施した直後の粘度と、さらに加熱処理(70℃、1週間)を施した直後の粘度を比較して粘度変化率を算出し、下記評価基準により保存安定性を評価した。
(評価基準)
○:粘度変化率が±5%以下
△:粘度変化率が±10%以下±5%以上
×:粘度変化率が±10%以上
(粘度)
表3〜4には、クリアインク及び白色インクの粘度測定結果を示している。粘度測定は25℃で行った。粘度計として、アントンパール社製SVM3000を用いた。下記評価基準により粘度を評価した。
(評価基準)
◎:5mPa・s未満
○:5mPa・s以上7mPa・s以下
×:7mPa・s超
(目詰まり性)
表3〜4には、クリアインク及び白色インクの目詰まり性の試験結果を示している。目詰まり性の評価方法は下記の通りである。インクジェットプリンター(商品名PX-G930、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、全ノズルが正常に吐出することを確認し、40℃/20%RH環境で下記時間放置した後、ヘッドから10ccのインク組成物を排出した。その後、各ノズルからインク組成物が正常に吐出するか否かを調べる吐出検査を行った。
(評価基準)
◎:1ヶ月後のノズル検査において、全ノズルで正常に吐出した。
○:2週間後のノズル検査において、全ノズルで正常に吐出したが、1ヶ月後のノズル検査において、一部のノズルで正常に吐出しなかった。
×:2週間後のノズル検査において、一部のノズルで正常に吐出しなかった。
(インクジェット捺染記録方法)
実施例及び比較例の印捺物を作成するための、インクジェット捺染記録方法は下記の通りである。インクジェット記録装置として、エプソン製(SC−F2000)改造機を用意し、ノズル列に、クリアインク、着色インクを充填した。まず布帛に前処理液を、ローラー塗布した。表3〜4において、「前処理液の乾燥有無」が「無」となっているものについては、前処理液塗布後、直ちにプリンタにセットした。表3〜4において、「前処理液の乾燥有無」が「有」となっているものについては、前処理液の塗布後、100℃×5分、ヒートプレスで加熱して乾燥してから、プリンタにセットした。プリンタにセットした後に、ノズル列からクリアインクと着色インクを用いて記録を行った。記録後、プリンタから排出し、100℃×5分、ヒートプレスして乾燥を行った。白インクの付着量は100mg/inch2とした。表3〜4に示すように、実施例及び比較例において、インクジェット捺染記録方法の「インク塗布量比(クリア/白)」、「白インクとクリアインクの印刷順序」、及び「印刷後乾燥タイミング」を変えている。
表3〜4に示した「白インクとクリアインクの印刷順序」は、丸数字1〜3で分類している。1は、白インク及びクリアインクを同一の走査(主走査)で同一箇所へ付着させた後に、加熱乾燥したものである。2は、先のインクを付着し終えてから布帛を戻して、同じ位置へ重ねて後のインクを付着した後に、加熱乾燥したものである。3は、先のインクを付着し終えた後、プリンタから布帛を排出し、100℃×5分でヒートプレス乾燥後、プリンタに再びセットし、後のインクを重ねて付着し、さらに加熱乾燥したものである。
表3〜4に示す、前処理液、着色インク(白色インク)及びクリアインクを含むインクセット、並びにインクジェット記録方法により、実施例及び比較例の印捺物を作成し、下記に示すように、画像の密着性及び発色性を評価した。
(密着性の評価方法)
印捺物の印捺面を、テスター(産業社製、学振式摩擦堅牢性試験機AB−301S)を用いて加重200gで150回擦る摩擦堅牢試験を行った。摩擦堅牢試験後の印捺面を、インクの剥がれ具合を確認する日本工業規格(JIS)JIS L0849に準拠して乾燥(Dry)の水準にて確認し、密着性を評価した。評価結果を表3〜4に示す。
(評価基準)
○:摩擦堅牢度が3級以上である
△:摩擦堅牢度が2級である
○:摩擦堅牢度が1級である
(発色性の評価方法)
印捺物のL*値を、発色器(商品名「Gretag Macbeth spectrolino」、X−RITE社製)により測定し、得られたL*値に基づいて、下記評価基準により発色性を評価した。評価結果を表3〜4に示す。
(評価基準)
◎:L*値が94以上
○:L*値が90以上94未満
△:L*値が85以上90未満
×:L*値が85未満
表3〜4に示すように、例1〜11(実施例)では、例12〜19(比較例)に比べて、白インクの保存安定性、画像の密着性、画像の発色性の観点から、総じて良好な結果が得られた。
比較例17,18と本実施例とを対比すると、インクセットの成分が同じでも、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成することにより、画像の密着性を向上できることがわかる。
また、実施例9及び他の実施例を対比すると、クリアインク組成物及び着色インク組成物の平均の樹脂量が12質量%以上であることにより、密着性を向上できることがわかる。
また、実施例10及び他の実施例を対比すると、クリアインク組成物及び着色インク組成物の平均の樹脂量が16質量%以下であることにより、白インクの目詰まりを防止できることがわかる。
さらに、実施例10及び他の実施例を対比すると、白色インク及びクリアインクの固形分量/保湿剤量が3.0を下回っていれば、ノズルの目詰まりを防止できることがわかる。
1…プリンタ、10…インク供給ユニット、20…搬送ユニット、30…ヘッドユニット、40…照射ユニット、50…メンテナンスユニット、110…検出器群、120…コントローラー、121…インターフェース、122…CPU、123…メモリー、124…ユニット制御回路、130…コンピューター

Claims (9)

  1. 着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、着色インク組成物及びクリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有するインクジェット捺染記録方法に用いる捺染インクジェットインクセットであって、
    前記反応剤による凝集性を有する樹脂を含む着色インク組成物と、前記反応剤による凝集性を有しない樹脂を含むクリアインク組成物と、を備える、
    捺染インクジェットインクセット。
  2. 前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物の粘度は4.0〜7.0mPa・secである、
    請求項1記載の捺染インクジェットインクセット。
  3. 前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物の平均の樹脂量が12〜16質量%である、
    請求項1又は2に記載の捺染インクジェットインクセット。
  4. 前記着色インク組成物が、白色色材を含む白インク組成物、非白色色材を含む非白色インク組成物のいずれかである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の捺染インクジェットインクセット。
  5. 前記クリアインク組成物に含まれる樹脂が、ウレタン樹脂、アクリル樹脂の少なくともいずれかである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の捺染インクジェットインクセット。
  6. 前記着色インク組成物及び前記クリアインク組成物が、それぞれ、固形分量/保湿剤量が2.3以下である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の捺染インクジェットインクセット。
  7. 着色インク組成物の成分を凝集させる反応剤と水とを含有する前処理液を布帛へ付与する工程と、前処理液を付与した布帛へ、前記着色インク組成物及び前記クリアインク組成物をお互いに湿潤状態で付与して画像を形成する工程と、を有し、
    前記着色インク組成物が、前記反応剤による凝集性を有する樹脂を含み、前記クリアインク組成物が、前記反応剤による凝集性を有しない樹脂を含む、
    インクジェット捺染記録方法。
  8. 前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物を付着させた布帛の付着領域の塗布量比が、クリアインク組成物/着色インク組成物=0.3〜1.0である、
    請求項7に記載のインクジェット捺染記録方法。
  9. 前記クリアインク組成物及び前記着色インク組成物を付着させた布帛の付着領域の前記着色インク組成物の付着量が、50〜300mg/inch2である、
    請求項7又は8に記載のインクジェット捺染記録方法。
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