JP2017132953A - 構造用接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、消費者のニーズに対応して自動車の高性能化や高級化も進んでおり、走行性能、操作性能、衝突安全性等の向上を目的として車体の剛性を高める検討もなされている。車体の剛性を高めるために、従来は構造部材の厚肉化や補強板の組み付け等が行われていたが、構造部材の厚肉化や補強板の組み付けは、車体の重量増加に繋がり、自動車の軽量化のトレンドに対応できないでいた。
スポット溶接前に接合部位に塗布される接着剤としては、エポキシ樹脂系の加熱硬化型接着剤(構造用接着剤)が広く用いられており、接合部位に塗布した接合部間の接着剤はスポット溶接直後に加熱によって硬化させることも可能であるが、工数の低減やコスト削減等の観点から、通常は、車体組み立て工程の後に行われる電着塗装工程後の塗装乾燥炉での電着塗膜の焼付と同時に、塗装乾燥炉の熱を利用して硬化される。
ここで、上述したように、車体組立工程で接合部位に塗布した接着剤は電着塗装工程後の塗装乾燥炉の熱を利用して硬化させているため、電着塗装工程における洗浄処理の際には、かかる接着剤は未硬化の状態にある。
このため、電着塗装工程内において電着塗装の前処理で施される洗浄処理に使用される水流の力(流水圧)によって、接合部位に塗布した接着剤が千切れたり破壊されたりして、飛散、変形(位置ずれ)、流出、脱落等する恐れがある。
また、被塗布物に塗布する際に加熱によって減粘させて塗布するホットアプライとすることにより塗布作業性を改善できも、粘度が高すぎる場合には、塗布する際の加熱によって十分に減粘させることができず、良好な塗布作業性を確保できない。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
ここで、上記粘度は、JIS−K2220に基づき剪断速度15.5s-1の測定条件で測定されたものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
ここで、上記粘度は、JIS−K2220に基づき剪断速度15.5s-1の測定条件で測定されたものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
ここで、上記粘度は、JIS−K2220に基づき剪断速度15.5s-1の測定条件で測定されたものである。
なお、上記の数値は、厳格なものでなく概ねであり、当然、材料の種類、測定等による誤差を含む概略値であり、数割の誤差を否定するものではない。
即ち、接着性を低下させることなく、かつ、ホットアプライによる塗布作業性や低温下でのウエルドボンド工法による接合強度の低下を招くことなく、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度における粘度を向上させることができる。
40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度が極めて高いことで、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、耐流水圧性が極めて高くなり洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難くなるから、接合部位への塗布範囲を広げたり塗布厚みを増やしたりすることが可能である。即ち、接合部位への塗布範囲を広げることで、また、塗布厚みを増やすことで接合端部から接着剤組成物が食み出したとしても、その接着剤組成物の余剰部が洗浄時の流水圧等によって未硬化状態の接着剤組成物が飛散等し難いことで車体に付着して塗装不良や電着液の汚染を招く恐れがない。
また、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であるから、低温下でもウエルドボンド工法のスポット溶接時において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、 また、適度な定着性で、高い接合強度が得られる。
更に、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内であるから、硬化を生じさせない温度での加熱によって塗布作業に適した粘度特性を有し、塗布後も垂れ難く形状保持性が高い。
また、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であるから、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度特性が極めて高くても温度変化に対する粘度変動が小さいことで、低温下でもウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰される粘度特性を有し、接合する構造部材同士を密着できて通電不良を生じさせることがなく、高い接合強度が得られる。
更に、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であるから、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)での粘度特性が極めて高くても温度変化に対する粘度変動が小さいことで、硬化を生じさせない温度での加熱によって十分に減粘が可能な粘度特性を有して塗布作業性を確保でき、塗布後も垂れ難いものとなっている。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の構造用接着剤組成物(以下、「接着剤組成物」と省略することもある)は、少なくとも汎用エポキシ樹脂と、変性エポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有するものである。
汎用エポキシ樹脂は、一般的に変性エポキシ樹脂と比較して、接着剤組成物硬化後の硬化物(接着剤組成物の塗膜)において高い柔軟性や強度を付与できるものであり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を始めとし、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂ビスフェノールP型エポキシ樹脂等のビスフェノール型のニ官能エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが可能である。
中でも、入手が容易で安価であり、高粘度の選択が可能で粘度調整も容易にできることから、また、硬化した際の強度や硬さの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
また、ゴム変性エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2個以上有し、骨格がゴムであるエポキシ樹脂であればよく、骨格を形成するゴムとしては、例えば、ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、両末端にカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(カルボキシル基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム(carboxyl-terminated butadiene-nitrile rubber:CTBN))、両末端にアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(アミノ基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム(amino-terminated butadiene-nitrile rubber:ATBN))、両末端にカルボキシル基およびアミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリルゴム(カルボキシル基末端及びアミノ基末端ポリブタジエン−アクリロニトリルゴム)等が挙げられる。
なお、汎用エポキシ樹脂や変性エポキシ樹脂は、取扱性や接着剤組成物の調製の点から、室温で液状のものが好ましい。室温で液状の汎用エポキシ樹脂は、通常、数平均分子量が300〜1000、エポキシ当量が150〜600である。
さらに、本発明を実施する場合には、必要に応じて、汎用エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂の他に、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールまたはフェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、鎖状・脂環式エポキシ樹脂等の三官能以上の多官能エポキシ樹脂を配合することも可能である。
ここで、コアシェル型ゴム粒子のコア層は、コアシェル型ゴム粒子の内側部分を意味し、コアシェル型ゴム粒子の内部のドメインを形成し得るものである。このコア層としては、ゴム弾性状物質であればよく、典型的には、エラストマーであり、例えば、共役ジエン及び/または低級アルキル(メタ)アクリレートが重合してなるポリマーや、これらと共重合可能なモノマーとが共重合したコポリマーや、ポリシロキサンゴム等からなることが好ましく、更に、エポキシ樹脂に不要であることが好ましい。
低級アルキル(メタ)アクリレートとしては、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートは、得られる重合体のゴムとしての性質が良好で、重合が容易である点から特に好ましい。
また、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の官能基を持ったモノマーを共重合させることもできる。例えば、エポキシ基を持つモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、カルボキシル基を持つモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられ、水酸基を持つモノマーとしては、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、コアシェル型ゴム粒子のコアを構成する成分として、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(イソ)シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル、フタル酸ジアリル等の架橋性モノマー(多官能性モノマー)や、マレイン酸ジアリル、フマール酸モノアリル等の反応性の等しくない2つ以上の不飽和部位を有し反応部位の少なくとも1つは非共役であるグラフト用モノマーを用いることもできる。このような架橋性モノマーまたはグラフト用モノマーを少量、好ましくは、コアシェル型ゴム粒子全体の10重量%以下で用いた場合には、層間の結合が得られ、加熱時においても粒子が変形し難いものとなる。
更に、本発明を実施する場合においては、コアシェル型ゴム粒子が、ゴム弾性を示すコア層が、ゴム弾性を示さないシェル層によって被覆された構造であれば、2層より多い層数で構成されていてもよい。例えば、1つのゴム状材料からなる中心コア層は、その内側に非弾性材料からなる別の層を設けてもよく、また、異なるゴム状材料からなる第2のコア層で囲まれていてもよい。更に、ゴム状コア層は異なる化学組成および/または特性を有する2つ以上のシェル層によって囲まれていてもよく、例えば、軟質(ソフト)コア層、硬質(ハード)シェル層、軟質シェル層、硬質シェル層の構造等とすることも可能である。
なお、接着剤組成物中におけるコアシェル型ゴム粒子の分散形態は、粒子単体としての一次粒子状態、及び/または、単体の粒子が集まって不定形の凝集状態となった二次凝集体状態で分散される。また、コアシェル型ゴム粒子は、乾燥粉末状態の形態で接着剤組成物に添加してもよいし、エポキシ樹脂中に分散された状態で添加してもよい。好ましいコアシェル型ゴム粒子の一次平均粒径は、100nm〜500nmの範囲内であり、該範囲内であれば、分散性も良く、接着強度、粘度特性等の物性が安定的に得られる。
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤に用いられるもの、即ち、加熱活性形(一般的に、80〜250℃で活性化)の共反応型(多官能型)である潜在性硬化剤や触媒性硬化剤(硬化触媒、硬化促進剤、硬化助剤とも呼ばれる)として知られた任意のものを使用することができ、加熱によって活性化されるものであれば良く、触媒的に機能するものも含まれる。例えば、ジシアンジアミド(DICY)、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等のポリアミン、2−n−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、アジピン酸ジヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、二塩基酸ヒドラジド等の有機酸ヒドラジド系化合物、N,N−ジアルキル尿素誘導体やN,N−ジアルキルチオ尿素誘導体等の尿素系化合物、テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物、セミカルバジド、シアノアセトアミド、ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、3級アミン等のアミン系化合物、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等のアミノトリアゾール、N−アミノエチルピペラジン、メラミン類、アセトグアナミンやベンゾグアナミン等のグアナミン類、グアニジン類、ジメチルウレア類、三フッ化ホウ素錯化合物、三塩化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の液状フェノール、ポリチオール、トリフェニルホスフィン、ケチミン化合物、スルホニウム塩、オニウム塩、フェノールノボラック樹脂等のエポキシ基と反応する共反応性(多官能性)硬化剤や、アミン系(例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチル尿素(DCMU)、三級アミン、三フッ化モノエチルアミン、三塩化アミン錯体等のアミン錯体、アミンアダクト化合物等)、イミダゾール系(例えば、2−ペプタデシルイミダゾール(C17Z)、2−ウンデシルイミダゾール(C11Z)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、1,2−ジメチルイミダゾール(1,2DMZ)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、イミダゾールアダクト化合物等)、ヒドラジッド化合物(例えば、アジピン酸ジヒドラジッド、ドデカン二酸ジヒドラジッド)、尿素化合物(例えば、1,1’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)、フェニル−ジメチル尿素、メチレン−ジフェニル−ビスジメチル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素等の尿素誘導体、フェニルジメチルウレア(PDMU))等の触媒性硬化剤等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、接着強度、保存安定性、ポットライフ等の観点から、ジシアンジアミドまたはその誘導体(例えば、ポリエポキシド付加変性物、アミド化変性物、マンニッヒ化変性物、ミカエル付加変性物)が好適である。
ここで、接着剤組成物の材料粘度を上昇させるために、単純に、高粘度のエポキシ樹脂や、炭酸カルシウム等の充填剤や、コアシェル型ゴム粒子の配合を増やしても、その分だけ相対的に硬化後の接着性が低下する。また、一般的には粘度が高くなるほど温度変化に対する粘度変動も大きくなることから、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度(40℃付近)での粘度を従来よりも高く設計しようにも、その他の温度領域の粘度も高くなるため、低温下ではウエルドボンド工法においてスポット溶接時に通電不良が生じたり、また、塗布する際に加熱しても十分に減粘できず塗布が困難となったりする。
なお、汎用エポキシ樹脂がビフェノールA型エポキシ樹脂であり、変性エポキシ樹脂がウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であれば、低コストで、高い剪断強度や剥離強度が得られて高い接着性を確保できる。
なお、上記数値は、必ずしも厳格であることを要求されず、使用するコアシェル型ゴム粒子の種類や、接着剤組成物を構成する他の材料等との関係で上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
これに対し、本実施の形態の構造用接着剤組成物においては、ゴム粒子がコアシェル型であるコアシェル型ゴム粒子が配合されているため、分散性もよく、エポキシ樹脂との反応性も小さいので貯蔵安定性もよく、また、ゴム粒子のゴム成分が硬化後のエポキシ樹脂相に溶解残存することはなく、そして、ゴム成分がエポキシ樹脂相に溶解残存することで生じる弾性率等の物性の低下もなく、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)においてより高い粘度を安定して確保でき、信頼性が高いものとなる。
なお、上記数値は、必ずしも厳格であることを要求されず、使用する反応性希釈剤の種類や、接着剤組成物を構成する他の材料等との関係で上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
そして、調製した本実施の形態にかかる構造用接着剤組成物は、公知の方法、例えば、スプレー、シーラーガン、刷毛塗り等の方法で被接着体に塗布される。
本実施の形態の構造用接着剤組成物によれば、上述の配合によって、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)において高い粘度特性を有しても、温度変化に対する粘度変動が少ないことで、50℃〜60℃条件下でも粘度が高くなり過ぎることはなく、良好な塗布作業性が確保される。
この際、本実施の形態の構造用接着剤組成物を塗布した被接着体が車体の構造部材等の場合には、ウエルドボンド工法として接着剤組成物の塗布後に適宜スポット溶接を施すことで、接合を強化できる。
次に、本発明の実施の形態にかかる構造用接着剤組成物の実施例を具体的に説明する。
まず、本実施の形態の構造用接着剤組成物の配合組成として表1に示した内容で、実施例1乃至実施例8にかかる接着剤組成物を調製した。また、比較のために、比較例1乃至比較例4にかかる接着剤組成物も調製した。各実施例及び各比較例の配合内容を表1の上段に示す。
変性エポキシ樹脂としては、ウレタン変性エポキシ樹脂(ADEKA(株)社製:「アデカレジンEPU−78−11」)、または、ゴム(NBR)変性エポキシ樹脂(ADEKA(株)社製:「アデカレジンEPR−2007」、粘度;120,000〈mPa・s/25℃〉)を使用した。
反応性希釈剤としては、グリシジルエーテル(ADEKA(株)製:「アデカグリシロールED−503」を使用した。
また、上記エポキシ樹脂に対する硬化剤としては、ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン(株)製:「jerキュアDICY15」)を用い、更にその硬化触媒として、アミンアダクト系(味の素ファインテクノ(株)製:「アミキュアPN50」)を使用した。
即ち、比較例1においては、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を30重量部と、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルを25重量部の配合としている。
比較例2においては、汎用エポキシ樹脂のビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂のウレタン変性エポキシ樹脂を併用し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重量部、ウレタン変性エポキシ樹脂を100重量部、そして、コアシェル型ゴム粒子を30重量部の配合となっている。
この比較例3の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合割合が重量比で1:3であり、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が40重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が22重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
この比較例4の配合では、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との配合割合が重量比で3:1であり、変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が120重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が50重量部となっている。なお、汎用エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂としてのウレタン変性エポキシ樹脂との合計配合量を100重量部としたとき、それに対するコアシェル型ゴム粒子の配合量は30重量部、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量は12.5重量部となっている。
粘度については、SOD粘度計((株)離合社製:「Cat.No.860R-01M」)を用いて、JIS−K2220の規定に基づき、剪断速度15.5s-1の測定条件にて、5℃、40℃、60℃の3水準のぞれぞれの温度(循環高温槽またはヒータにて温度制御)での接着剤組成物の粘度(材料粘度)を測定した。
具体的には、試験用パネルとして、10mm×100mm×1.6mmの鋼板を2枚1組で用意し、その一方のパネルの長手方向の一端部から10mmの長さ範囲に亘って、各接着剤組成物を厚さ0.15mmで塗布し、その接着剤組成物が塗布された面にもう一方のパネルの一端部を重ね直線状に接着した(両パネルの接合部間の接着剤層:10mm×10mm×厚さ0.15mm)。次いで、一般的な車体の電着塗装塗膜の焼付条件と同様、各接着剤組成物を170℃×30分の条件で熱風オーブン中で加熱硬化させ、完全に硬化した接着剤組成物層を介して接合された接着試験体を作製した。この接着試験体の両端を、引張り試験機(島津製作所製)を用い、10mm/分の引張り速度で長手方向に引張り、室温(20℃)にて剪断強度を測定した。
このときの剪断強度が25MPa以上であれば構造用接着剤組成物に求められる接着性として十分に高いものであるから○と評価し、25MPa未満のものについては接着性が低いとして×と評価した。
更に、一般的な車体の電着塗装の焼付条件で加熱し、完全に硬化させた後の剪断強度も十分に高いものである。
このような配合の比較例1においては、コアシェル型ゴム粒子の配合が少ないことで、40℃における粘度が300Pa・sと低粘度であり、300Pa・sの低粘度では、接着剤組成物の塗布範囲を広くしたり塗布厚みを増やしたりした場合、洗浄処理時の流水圧に対して十分に抵抗できず、接着剤組成物の飛散、変位(位置ずれ)、流出等が多く生じて塗装不良や電着液の汚染等を招きやすい。また、5℃における粘度が3500Pa・s、60℃における粘度が90Pa・sの低粘度であることで、塗布後の垂れ等により接合強度の低下を招く。更に、比較例1では剪断強度も劣っている。
このような配合の比較例2においては、40℃における粘度が800Pa・sと高い粘度であり剪断強度も良好であるものの、反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルが配合されていないことで、5℃における粘度が25000Pa・sで40℃粘度に対する5℃粘度の粘度比は31.3であり、また、60℃における粘度が350Pa・sで40℃粘度に対する60℃粘度の粘度比は0.44であり、温度変化に対する粘度変動が大きいものとなっている。
したがって、塗布時に加熱処理しても、十分に減粘することができず、その塗布が困難であったり、例え塗布を行うことができても、冬場のような低温下ではウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されず接合する構造部材同士を密着できないことでスポット溶接時に通電不良が生じ接合強度が低下する。
このような配合の比較例3においては、40℃における粘度が700Pa・sと高い粘度であり、また、60℃における粘度が220Pa・sでホットアプライによる塗布作業性にも適し、剪断強度も良好であるものの、5℃における粘度が12000Pa・sで40℃粘度に対する50℃粘度の粘度比は17.1であり、低温側において温度変化に対する粘度変動が大きく、冬場のような低温下ではウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されず接合する構造部材同士を密着できないことでスポット溶接時に通電不良が生じ接合強度が低下する。
このような配合の比較例4においては、高い剪断強度が得られるものの、40℃における粘度が400Pa・sと低く、接着剤組成物の塗布範囲を広くしたり塗布厚みを増やしたりした場合、洗浄処理時の流水圧に対して十分に抵抗できず、接着剤組成物の飛散、変位(位置ずれ)、流出等が多く生じて塗装不良や電着液の汚染等を招きやすい。また、5℃における粘度が4000Pa・s、60℃における粘度が95Pa・sの低粘度であることで、塗布後の垂れ等により接合強度の低下を招く。
加えて、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内で5℃における粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であるから、ウエルドボンド工法において接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着され、スポット溶接時に通電不良が生じることなく、良好なスポット溶接性を確保でき、接合部において高い接合強度が得られ、接合の信頼性が高いものとなる。また、スポット溶接時のスポットガン電極への接着剤組成物の付着も少なく、作業性も良くできる。
そして、本実施例においては、粘度が向上したことで、硬化させるときの加熱処理初期の接着剤の粘度低下に伴う流下も少なくできて、接着不良を少なくできた。特に、充填剤としてシリカが配合されていることで、加熱硬化中に粘度が低下することによるジシアンジアミドの沈降・不均一化が防止され、ジシアンジアミドの沈降・不均一化により生じる界面破壊も防止された。
一方で、コアシェル型ゴム粒子の配合量が多すぎると、本発明者らの実験研究によれば変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対してコアシェル型ゴム粒子の配合量が90重量部を超えると、相対的にその他の材料の配合量が小さくなることで、接着性が低下する。更に、材料の粘度上昇が大きくなって塗布時に所定温度で加熱しても十分に減粘させることができず、塗布作業性が低下したり、冬場のような低温環境下におけるウエルドボンド工法による接合強度も低下する。
一方で、反応性希釈剤の配合量が多すぎると、本発明者らの実験研究によれば、変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して反応性希釈剤としてのグリシジルエーテルの配合量が40重量部を超えると、相対的にその他の材料の配合量が小さくなることで、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高粘度特性が得られなかったり、硬化後の接着性が低下したりする。
即ち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とウレタン変性エポキシ樹脂・ゴム変性エポキシ樹脂の配合重量比が1:2〜2:1を外れると、ウエルドボンド工法において良好な接合強度が得られなかったり、洗浄処理を有する電着塗装工程内の雰囲気温度条件(40℃付近)において所望とする高い粘度特性が得られなかったりする。
更に、40℃における粘度が500〜700Pa・sの高い粘度特性としても、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内で40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であるから、低温下でもウエルドボンド工法における接着剤組成物塗布後のスポット溶接時において、粘度が高くなり過ぎず、接合部位に塗布された接着剤組成物が十分に押し潰されて接合する構造部材同士が密着されることで通電不良を生じさせることがなく、また、適度な定着性で、良好な接合強度が得られる。
加えて、洗浄工程時の雰囲気温度条件(40℃付近)における粘度を高くしても、硬化後の剪断接着強度に影響を及すことがなく十分な剪断接着強度を保つことができる。
なお、上記粘度(Pa・s)や粘度比の数値は、上述の粘度評価にもあるように本発明者らの実験研究によって好適とされたものであり、必ずしも厳格であることを要求されず、数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
更に、汎用エポキシ樹脂がビフェノールA型エポキシ樹脂であり、変性エポキシ樹脂がウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であることで、低コストで、高い剪断強度や剥離強度が得られて高い接着性を有する。
即ち、接着性を低下させることなく、かつ、ウエルドボンド工法による低温下での接合強度の低下やホットアプライによる塗布作業性の低下を招くことなく、洗浄工程を有する電着塗装工程内の雰囲気温度における粘度を向上させることができる。
Claims (5)
- 少なくともエポキシ樹脂と、コアシェル型ゴム粒子と、反応性希釈剤と、硬化剤とを含有する構造用接着剤組成物であって、
前記エポキシ樹脂として、汎用エポキシ樹脂と変性エポキシ樹脂を配合重量比1:2〜2:1の範囲内で併用し、
前記変性エポキシ樹脂の配合量100重量部に対して、前記コアシェル型ゴム粒子を45〜90重量部の範囲内、前記反応性希釈剤を18〜40重量部の範囲内で配合したことを特徴とする構造用接着剤組成物。 - 前記汎用エポキシ樹脂と前記変性エポキシ樹脂は、粘度が5000〜200000mPa・s/25℃の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の構造用接着剤組成物。
- 前記汎用エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、前記変性エポキシ樹脂は、ウレタン変性エポキシ樹脂及び/またはゴム変性エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の構造用接着剤組成物。
- 前記構造用接着剤組成物は、5℃の粘度が5000〜8000Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、60℃の粘度が140〜280Pa・sの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の構造用接着剤組成物。
- 前記構造用接着剤組成物は、40℃の粘度が500〜700Pa・sの範囲内であり、40℃の粘度に対する60℃の粘度比が0.28〜0.40の範囲内であり、かつ、40℃の粘度に対する5℃の粘度比が9.3〜12.3の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の構造用接着剤組成物。
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