JP2017132968A - ゲル粉砕物含有液の製造方法 - Google Patents

ゲル粉砕物含有液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、均一性が極めて優れたゲル粉砕物含有液の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法は、ゲルを製造するゲル製造工程と、前記ゲル中の溶媒を他の溶媒に置換する溶媒置換工程と、前記ゲルを前記他の溶媒中で粉砕するゲル粉砕工程と、を含む、ゲル粉砕物含有液の製造方法であって、前記粉砕工程を、複数の粉砕段階に分けて行ない、さらに、前記溶媒置換工程後、最初の粉砕段階開始前に、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なう濃度調整工程を含み、最初の粉砕段階開始時以降において、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なわないことを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、ゲル粉砕物含有液の製造方法に関する。
シリカ化合物材料(ケイ素化合物材料)等の多孔体を原料に用い、空隙構造を形成可能なゲル粉砕物含有液については、これまで様々な検討がされている。前記ゲル粉砕物含有液の製造方法の一例としては、例えば、シリカ化合物等の多孔体を一度ゲル化し(ゲル化工程)、前記ゲル化した多孔体(多孔体ゲル)を粉砕する(粉砕工程)。そして、前記製造したゲル粉砕物含有液をコーティングすることで空隙構造を形成させる。前記空隙構造は、例えば、空隙層として、様々な対象物に適用でき、具体的には、光学部材等に適用できる。
従来の前記粉砕工程としては、例えば、特許文献1および非特許文献1に、超音波処理により、前記多孔体ゲルを1段階で粉砕することが開示されている。
特開2006−11175号公報
J.Mater.Chem.,2011,21,14830−14837
前記ゲル化工程により製造したゲルは、例えば、塊状の状態である。このため、例えば、特許文献1のように、前記粉砕工程を施すことにより、前記粉砕されたゲルは、前記混合工程において、前記溶液と混合しやすくなる。これにより、ゲル含有液を製造しやすくなる。
一方、近年では、均一性が極めて優れたゲル粉砕物含有液が求められている。
しかし、ゲル粉砕物含有液の製造、特に、工業レベルでの大量生産において、一段階でのゲル粉砕では、粉砕後のゲルの粒子径が不均一になりやすい。そこで、ゲル粉砕物の粒子径を均一にするために、ゲルの粉砕を多段階(複数段階)で行なう方法が考えられる。さらに、ゲル粉砕物含有液を用いた製品(例えば、空隙層、光学部材等)の品質を安定させるためには、ゲル粉砕物含有液の濃度も均一にする必要がある。
しかしながら、多段階の粉砕を行ないながら濃度の調整を行なうのでは、ゲルと溶媒とが均一に混ざり合わず、不均一になるおそれがある。例えば、最終の粉砕段階よりも前の粗粉砕段階で濃度調整を行なった場合、ゲル粉砕物の粒子径が大きい(粗い)ために、ゲル含有液が均一に混ざりにくい。このため、ゲルと溶媒の均一化を図るため、濃度調整の度に粗粉砕の再実施が必要となる。また、最終の粉砕(例えば、ゲル粒子をナノメートルオーダーの粒子径に粉砕する、ナノ粉砕)段階後では、濃度調整が困難である。具体的には、最終の粉砕段階後のゲル粉砕物含有液は、高濃度が必要なことが多い。しかし、最終の粉砕段階後に高濃度化しようとすると、ゲル粉砕物の粒子径が細かいために、粒子が凝集してしまうおそれがある。また、最終の粉砕段階後に低濃度化しようとしても、そもそも、最終目標とする濃度よりも高濃度では、高粘度になりすぎてしまい、粉砕工程装置中での詰まりの発生等により粉砕が困難となるおそれがある。
そこで、本発明は、均一性が極めて優れたゲル粉砕物含有液の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法は、ゲルを製造するゲル製造工程と、前記ゲル中の溶媒を他の溶媒に置換する溶媒置換工程と、前記ゲルを前記他の溶媒中で粉砕するゲル粉砕工程と、を含む、ゲル粉砕物含有液の製造方法であって、前記粉砕工程を、複数の粉砕段階に分けて行ない、さらに、前記溶媒置換工程後、最初の粉砕段階開始前に、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なう濃度調整工程を含み、最初の粉砕段階開始時以降において、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なわないことを特徴とする。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法によれば、前述のとおり、粉砕工程を、複数の粉砕段階に分けて行ない、かつ、最初の粉砕段階開始時以降において、ゲルを含む液の濃度調整を行なわない。このため、工業レベルの大量生産においても、均一性が極めて優れたゲル粉砕物含有液を製造できる。
図1は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、基材10上に機能性多孔体20を形成する方法の一例を模式的に示す工程断面図である。 図2は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、機能性多孔体を製造する工程の一部と、それに用いる装置の一例とを模式的に示す図である。 図3は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、機能性多孔体を製造する工程の一部と、それに用いる装置の別の一例とを模式的に示す図である。 図4は、本発明において、基材上に機能性多孔体を形成する方法の別の一例を模式的に示す工程断面図である。 図5は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、機能性多孔体を製造する工程の一部と、それに用いる装置のさらに別の一例とを模式的に示す図である。 図6は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、機能性多孔体を製造する工程の一部と、それに用いる装置のさらに別の一例とを模式的に示す図である。 図7は、本発明において、基材上に機能性多孔体を形成する方法のさらに別の一例を模式的に示す工程断面図である。 図8は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、機能性多孔体を製造する工程の一部と、それに用いる装置のさらに別の一例とを模式的に示す図である。 図9は、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、機能性多孔体を製造する工程の一部と、それに用いる装置のさらに別の一例とを模式的に示す図である。
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法は、前述のとおり、ゲルを粉砕するための粉砕工程を、複数の粉砕段階に分けて行なう。前記粉砕段階数は、特に限定されず、例えば、2段階でも良いし、3段階以上でも良い。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法において、例えば、前記複数の粉砕段階が、前記ゲルを粉砕するための第1の粉砕段階および第2の粉砕段階を含み、前記第1の粉砕段階は、前記ゲルを粉砕して体積平均粒子径0.5〜100μmの粒子とする段階であり、前記第2の粉砕段階は、前記第1の粉砕工程後に、前記粒子をさらに粉砕して体積平均粒子径10〜1000nmの粒子とする段階であっても良い。また、この場合において、前記複数の粉砕段階が、前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階以外の粉砕段階を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
なお、本発明において、「粒子」(例えば、前記ゲルの粉砕物の粒子等)の形状は、特に限定されず、例えば、球状でも良いが、非球状系等でも良い。また、本発明において、前記粉砕物の粒子は、例えば、ゾルゲル数珠状粒子、ナノ粒子(中空ナノシリカ・ナノバルーン粒子)、ナノ繊維等であっても良い。
本発明において、例えば、前記ゲルが多孔質ゲルであることが好ましく、前記ゲルの粉砕物が多孔質であることが好ましいが、これには限定されない。
本発明において、前記ゲル粉砕物は、例えば、粒子状、繊維状、平板状の少なくとも一つの形状を有する構造からなっていていも良い。前記粒子状および平板状の構成単位は、例えば、無機物からなっていても良い。また、前記粒子状構成単位の構成元素は、例えば、Si、Mg、Al、Ti、ZnおよびZrからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含んでいても良い。粒子状を形成する構造体(構成単位)は、実粒子でも中空粒子でもよく、具体的にはシリコーン粒子や微細孔を有するシリコーン粒子、シリカ中空ナノ粒子やシリカ中空ナノバルーン等が挙げられる。前記繊維状の構成単位は、例えば、直径がナノサイズのナノファイバーであり、具体的にはセルロースナノファイバーやアルミナナノファイバー等が挙げられる。平板状の構成単位は、例えば、ナノクレイが挙げられ、具体的にはナノサイズのベントナイト(例えばクニピアF[商品名])等が挙げられる。前記繊維状の構成単位は、特に限定されないが、例えば、カーボンナノファイバー、セルロースナノファイバー、アルミナナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー、ポリマーナノファイバー、ガラスナノファイバー、およびシリカナノファイバーからなる群から選択される少なくとも一つの繊維状物質であっても良い。
本発明の製造方法において、前記複数の粉砕段階(例えば、前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階)は、前述のとおり、前記「他の溶媒」中で行なう。なお、前記「他の溶媒」についての詳細は、後述する。
なお、本発明において、「溶媒」(例えば、ゲル製造用溶媒、空隙構造フィルム製造用溶媒、置換用溶媒等)は、ゲルまたはその粉砕物等を溶解しなくても良く、例えば、前記ゲルまたはその粉砕物等を、前記溶媒中に分散させたり沈殿させたりしても良い。
前記第1の粉砕段階後の前記ゲルの体積平均粒子径は、例えば、0.5〜100μm、1〜100μm、1〜50μm、2〜20μm、または3〜10μmであっても良い。前記第2の粉砕段階後の前記ゲルの体積平均粒子径は、例えば、10〜1000nm、100〜500nm、または200〜300nmであっても良い。前記体積平均粒子径は、前記ゲルを含む液(ゲル含有液)における前記粉砕物の粒度バラツキを示す。前記体積平均粒子径は、例えば、動的光散乱法、レーザー回折法等の粒度分布評価装置、および走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡等により測定することができる。
また、前記第1の粉砕工程直後における前記液のせん断粘度は、10001/sのせん断速度において、例えば、50mPa/s以上、1000mPa・s以上、2000mPa・s以上、または3000mPa・s以上であっても良く、例えば、100Pa・s以下、50Pa・s以下、または10Pa・s以下であっても良い。前記第2粉砕工程直後における前記液のせん断粘度は、例えば、1mPa・s以上、2mPa・s以上、または3mPa・s以上であっても良く、例えば、1000mPa・s以下、100mPa・s以下、または50mPa・s以下であっても良い。なお、せん断粘度の測定方法は、特に限定されないが、例えば、後述の実施例に記載のとおり、振動式粘度測定機(セコニック社製、商品名FEM−1000V)を用いて測定することができる。
前記第1の粉砕段階後において、例えば、前記粒子を含む液のせん断粘度が50mPa・s以上であり、前記粒子の体積平均粒子径が0.5〜50μmであっても良い。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法の前記濃度調整工程において、前記ゲルを含む液のゲル濃度を、例えば、1重量%以上、1.5重量%以上、1.8重量%以上、2.0重量%以上、または2.8重量%以上に調整しても良く、例えば、5重量%以下、4.5重量%以下、4.0重量%以下、3.8重量%以下、または3.4重量%以下に調整しても良い。前記濃度調整工程において、前記ゲルを含む液のゲル濃度を、例えば、1〜5重量%、1.5〜4.0重量%、2.0〜3.8重量%、または2.8〜3.4重量%に調整しても良い。ゲル粉砕工程での取り扱いやすさの観点からは、高粘度になり過ぎないために前記ゲル濃度が高すぎないことが好ましい。また、後述する塗工液として用いる観点からは、低粘度になり過ぎないために前記ゲル濃度が低すぎないことが好ましい。前記ゲルを含む液のゲル濃度は、例えば、前記液の重量と、前記液の溶媒を除去した後の固形分(ゲル)の重量とを測定し、後者の測定値を前者の測定値で割って算出することができる。
なお、前記濃度調整工程は、例えば、前記ゲルを含む液のゲル濃度を適切に調整するために、溶媒添加による濃度低下または溶媒揮発による濃度上昇等を行なっても良い。または、前記濃度調整工程は、例えば、前記ゲルを含む液のゲル濃度を測定した結果、ゲル濃度が適切であれば、濃度低下または濃度上昇(濃度調整)を行なわず、前記ゲルを含む液を、そのまま次の工程に供しても良い。または、前記濃度調整工程は、例えば、測定しなくても前記ゲルを含む液のゲル濃度が適切であることが明らかであれば、測定および濃度調整を何ら行なわず、前記ゲルを含む液を、そのまま次の工程に供しても良い。
前記ゲル粉砕工程において、最初の粉砕段階開始直前から最後の粉砕段階終了直後までにおける、前記ゲルを含む液の重量%濃度変化が、例えば、±3%以内、±2.8%以内、±2.6%以内、±2.4%以内、または±2.2%以内であっても良い。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法において、さらに、前記溶媒置換工程に先立ち、前記ゲルの形状および大きさを制御するゲル形態制御工程を含むことが好ましい。前記ゲル形態制御工程において、ゲルの大きさが小さくなりすぎないように制御することが好ましい。ゲルの大きさが小さすぎなければ、細かく粉砕されたゲルの周囲に溶媒が多量に付着することにより、溶媒濃度の測定値が実濃度よりも低かったり、溶媒が残存して実濃度より高くなってしまったり、さらに測定バラつきが大きいという問題を防止しやすいためである。また、前記溶媒置換工程に先立ち、ゲルの大きさが大きすぎなければ、溶媒置換効率が良いためである。また、前記ゲル形態制御工程後において、各ゲルの大きさがほぼ均一となるように制御することが好ましい。各ゲルの大きさがほぼ均一であれば、ゲル粉砕物含有液の各ロット間でのゲル粉砕物の粒子径、ゲル濃度等のバラツキが抑制でき、均一性が極めて優れたゲル粉砕物含有液が得やすいためである。
前記ゲル形態制御工程において、前記ゲルの短径を、例えば、0.5cm以上、0.6cm以上、0.7cm以上、または0.8cm以上となるように制御してもよく、例えば、15cm以下、13cm以下、10cm以下、または8cm以下となるように制御しても良い。また、前記ゲル形態制御工程において、前記ゲルの長径を、例えば、30cm以下、30cm未満、28cm以下、25cm以下、または20cm以下となるように制御してもよく、例えば、1cm以上、2cm以上、3cm以上、4cm以上、または5cm以上となるように制御しても良い。なお、本発明において、立体(3次元体)の「短径」は、前記立体の長さの測定可能な箇所において、最も長さが短くなる箇所で測定した長さをいう。また、本発明において、立体(3次元体)の「長径」は、前記立体の長さの測定可能な箇所において、最も長さが長くなる箇所で測定した長さをいう。
前記ゲル形態制御工程後における前記ゲルの形状は、特に限定されず、例えば、直方体(立方体も含む)、円柱形、多角形の立体(例えば三角柱、六角柱等の多角柱)、球型、または楕円球(例えばラグビーボールのような形状)等となるように制御すれば良い。前記ゲル形態制御工程後において、前記ゲルの形状が、直方体またはほぼ直方体となるように制御することが、簡便で好ましい。前記ゲル形態制御工程において、前記ゲルが直方体となるように制御する場合、短辺が、例えば、0.5cm以上、0.6cm以上、0.7cm以上、または0.8cm以上となるように制御してもよく、例えば、15cm以下、13cm以下、10cm以下、または8cm以下となるように制御しても良い。また、前記ゲル形態制御工程において、前記ゲルが直方体となるように制御する場合、長辺が、例えば、30cm以下、30cm未満、28cm以下、25cm以下、または20cm以下となるように制御してもよく、例えば、1cm以上、2cm以上、3cm以上、4cm以上、または5cm以上となるように制御しても良い。なお、本発明において、直方体の「短辺」は、最も短い片をいい、「長辺」は、最も長い片をいう。
前記ゲル形態制御工程は、例えば、前記ゲル製造工程後に行っても良いし、前記ゲル製造工程中に(前記ゲル製造工程と同時に)行っても良い。より具体的には、例えば、以下のとおりである。
前記ゲル形態制御工程においては、例えば、前記ゲルが固定された状態で、前記ゲルを切断することにより、前記ゲルを前記立体に制御しても良い。前記ゲルの脆性が極めて高い場合、ゲルを切断するときに、ゲルが切断方向とは関係なく不均一に崩れてしまうおそれがある。そこで、ゲル周囲を固定することにより、切断時にかかる圧縮方向の圧力がゲル自身に均一にかかるため、ゲルを切断方向に均一に切断することが可能となる。例えば、前記溶媒置換工程前における前記ゲルの形状が、ほぼ直方体であり、前記ゲル形態制御工程において、前記ほぼ直方体のゲル表面の6面のうち5面が他の物質と接触していることにより前記ゲルが固定され、かつ、他の1面が露出した状態で、前記露出面から前記ゲルに対して切断治具を挿入することにより、前記ゲルを切断しても良い。前記切断治具としては、特に限定されないが、例えば、ナイフ、ワイヤー状の細い形状の治具、薄くて鋭利な板状の形状の治具等が挙げられる。また、前記ゲルの切断は、例えば、前記他の溶媒中で行なっても良い。
また、例えば、前記ゲル製造工程において、前記ゲルの原料を、前記立体の形状および大きさに対応した型枠(容器)内で固化させることにより、前記ゲルを前記立体に制御しても良い。これにより、ゲルの脆性が極めて高い場合でも、前記ゲルを切断する必要なく、前記ゲルを所定の形状および大きさに制御することができるので、ゲルを切断するときに、ゲルが切断方向とは関係なく不均一に崩れてしまうことを防止できる。
また、本発明のゲル粉砕物含有液製造方法において、例えば、最初の粉砕段階終了後、最後の粉砕段階終了前に、前記ゲルを含む液(ゲル含有液)のゲル濃度を測定し、前記ゲル濃度が所定の数値範囲内である前記液のみをその後の粉砕段階に供するようにしても良い。なお、ゲル濃度測定する際には、均一液である必要があり、そのためには、前記粉砕段階終了後に、ある程度高粘度の固液分離しづらい液となっていることが好ましい。前述のとおり、ゲル含有液の取扱い易さの観点から、高粘度になり過ぎないためにゲル濃度が高すぎないことが好ましく、塗工液として用いる観点からは、低粘度になり過ぎないためにゲル濃度が低すぎないことが好ましい。例えばそのような観点から、前記ゲル濃度が所定の数値範囲内である液のみを、一貫して最終の粉砕段階終了後まで供するようにしても良い。前記ゲル濃度の所定の数値範囲は、例えば前述のとおりであり、例えば、2.8重量%以上、かつ3.4重量%以下でも良いが、これには限定されない。また、前記ゲル濃度測定(濃度管理)は、前述のとおり、最初の粉砕段階終了後、最後の粉砕段階終了前に行っても良いが、これに加え、またはこれに代えて、前記溶媒置換工程後前記ゲル粉砕工程前と、最終の粉砕段階(例えば、前記第2の粉砕段階)後との一方または両方で行っても良い。そして、前記ゲル濃度測定後、例えば、前記ゲル濃度が所定の数値範囲内である前記液のみを、その後の粉砕段階に供するか、または完成品であるゲル粉砕物含有液として供する。また、前記溶媒置換工程後前記ゲル粉砕工程前に前記ゲル濃度測定を行なった場合、その後、必要に応じ、前記濃度調整工程を行なっても良い。
なお、前記溶媒置換工程後前記ゲル粉砕工程前の濃度管理では、ゲルに付着する溶媒量が不安定なため、濃度測定値の測定ごとのバラつきが大きくなる場合がある。そのため、前記溶媒置換工程後前記ゲル粉砕工程前の濃度管理に先立ち、前述のゲル形態制御工程により、前記ゲルの形状および大きさがほぼ均一になるように制御することが好ましい。これにより、安定的に濃度測定できる。また、これにより、例えば、前記ゲル含有液のゲル濃度を一元的に精度よく管理することが可能である。
本発明の製造方法において、前記複数の粉砕段階の少なくとも一つが、他の少なくとも一つの粉砕段階と粉砕方式が異なることが好ましい。前記複数の粉砕段階における粉砕方式は、全て異なっていても良いが、同じ粉砕方式で行う粉砕段階があっても良い。例えば、前記複数の粉砕段階が3段階である場合、3段階の全てを異なる方式で(すなわち、3つの粉砕方式を用いて)行っても良いし、いずれか2つの粉砕段階を同じ粉砕方式で行い、他の1つの粉砕段階のみを異なる粉砕方式で行っても良い。なお、粉砕方式としては、特に限定されないが、例えば、後述するキャビテーション方式、メディアレス方式等がある。
本発明の製造方法において、前記ゲル粉砕物含有液は、例えば、前記ゲルを粉砕して得られた粒子(粉砕物の粒子)を含有したゾル液である。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法において、前記複数の粉砕段階が、粗粉砕段階および本粉砕段階を含み、前記粗粉砕段階により、塊状ゾル粒子を得た後に、前記本粉砕段階により、多孔質ゲルネットワークを維持したゾル粒子を得ても良い。
本発明の製造方法は、例えば、前記複数段階の粉砕段階の少なくとも一つ(例えば、前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階の少なくとも一方)の後に、前記ゲルの粒子を分級する分級工程をさらに含む。
本発明の製造方法は、例えば、塊状の多孔体を溶媒中でゲル化して前記ゲルとするゲル化工程を含む。この場合、例えば、前記複数段階の粉砕段階のうち最初の粉砕段階(例えば、前記第1の粉砕段階)において、前記ゲル化工程によりゲル化した前記ゲルを使用する。
本発明の製造方法は、例えば、ゲル化した前記ゲルを溶媒中で熟成する熟成工程を含む。この場合、例えば、前記複数段階の粉砕段階のうち最初の粉砕段階(例えば、前記第1の粉砕段階)において、前記熟成工程後の前記ゲルを使用する。
本発明の製造方法は、例えば、前記ゲル化工程後、前記溶媒を他の溶媒に置換する前記溶媒置換工程を行う。この場合、例えば、前記複数段階の粉砕段階のうち最初の粉砕段階(例えば、前記第1の粉砕段階)において、前記他の溶媒中の前記ゲルを使用する。
本発明の製造方法の前記複数段階の粉砕段階の少なくとも一つ(例えば、前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階の少なくとも一方)において、例えば、前記液のせん断粘度を測定しながら前記多孔体の粉砕を制御する。
本発明の製造方法の前記複数段階の粉砕段階の少なくとも一つ(例えば、前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階の少なくとも一方)を、例えば、高圧メディアレス粉砕により行う。
本発明の製造方法において、前記ゲルが、例えば、3官能以下の飽和結合官能基を少なくとも含むケイ素化合物のゲルである。
なお、以下において、前記本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法により得られるゲル粉砕物含有液を「本発明のゲル粉砕物含有液」ということがある。
本発明のゲル粉砕物含有液によれば、例えば、その塗工膜を形成し、前記塗工膜中の前記粉砕物同士を化学的に結合することで、機能性多孔体を形成できる。本発明のゲル粉砕物含有液によれば、例えば、前記機能性多孔体を、様々な対象物に付与することができる。具体的には、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて得られる機能性多孔体は、例えば、空気層に代えて、断熱材、吸音材、再生医療用足場材、結露防止剤、光学部材等として使用できる。したがって、本発明のゲル粉砕物含有液およびその製造方法は、例えば、前記機能性多孔体の製造において有用である。
本発明のゲル粉砕物含有液は、前述の通り、極めて優れた均一性を有しているため、例えば、前記機能性多孔体を、光学部材等の用途に適用した場合、その外観を良好にすることができる。
本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、前記ゲル粉砕物含有液を基板上に塗工(コーティング)し、さらに乾燥することで、高い空隙率を有する層(高空隙層)を得るための、ゲル粉砕物含有液であっても良い。また、本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、高空隙率多孔体(厚みが大きい、または塊状のバルク体)を得るためのゲル粉砕物含有液であっても良い。前記バルク体は、例えば、前記ゲル粉砕物含有液を用いてバルク製膜を行うことで得ることができる。
例えば、前記本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法により本発明のゲル粉砕物含有液を製造する工程と、前記ゲル粉砕物含有液を基板上に塗工して塗工膜を形成する工程と、前記塗工膜を乾燥させる工程とを含む製造方法により、高い空隙率を有する層(高空隙層)を製造することができる。このような製造方法を、以下において「本発明の高空隙層の製造方法」ということがある。また、以下において、本発明の高空隙層の製造方法により製造される高空隙層を「本発明の高空隙層」ということがある。本発明の高空隙層は、例えば、空隙率が60体積%以上の高空隙層であっても良い。
また、例えば、前記本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法により本発明のゲル粉砕物含有液を製造する工程と、前記ゲル粉砕物含有液を乾燥させる工程とを含む製造方法により、高い空隙率を有する多孔体(高空隙率多孔体)を製造することができる。このような製造方法を、以下において「本発明の高空隙率多孔体の製造方法」ということがある。また、以下において、本発明の高空隙率多孔体の製造方法により製造される高空隙率多孔体を「本発明の高空隙率多孔体」ということがある。本発明の高空隙率多孔体は、例えば、空隙率が60体積%以上の高空隙率多孔体であっても良い。
また、例えば、前記本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法により本発明のゲル粉砕物含有液を製造する工程と、ロール状の前記樹脂フィルムを繰り出す工程と、繰り出された前記樹脂フィルムに前記ゲル粉砕物含有液を塗工して塗工膜を形成する工程と、前記塗工膜を乾燥させる工程と、前記乾燥させる工程後に、前記高空隙層が前記樹脂フィルム上に形成された積層フィルムを巻き取る工程とを含む製造方法により、積層フィルムロールを製造することができる。このような製造方法を、以下において「本発明の積層フィルムロールの製造方法」ということがある。また、以下において、本発明の積層フィルムロールの製造方法により製造される高空隙率多孔体を「本発明の積層フィルムロール」ということがある。本発明の積層フィルムロールにおいて、前記高空隙層は、例えば、空隙率が60体積%以上の高空隙層であっても良い。
[1.ゲル粉砕物含有液及びその製造方法]
本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、前記粉砕工程(例えば、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階)により粉砕したゲルの粉砕物と、前記他の溶媒とを含む。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法は、前述のように、前記ゲル(例えば、多孔体ゲル)を粉砕するための粉砕工程を複数段階含み、例えば、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階を含む。以下、主に、本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法が前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階を含む場合を例に挙げて説明する。以下、主に、前記ゲルが多孔体(多孔体ゲル)である場合について説明する。しかし、本発明はこれに限定されず、前記ゲルが多孔体である場合以外も、前記ゲルが多孔体(多孔体ゲル)である場合の説明を類推適用することができる。また、以下、本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法における前記複数の粉砕段階(例えば、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階)を合わせて「粉砕工程」ということがある。
本発明のゲル粉砕物含有液は、後述するように、空気層と同様の機能(例えば、低屈折性)を奏する機能性多孔体の製造に使用できる。具体的に、本発明の製造方法により得られるゲル粉砕物含有液は、前記多孔体ゲルの粉砕物を含んでおり、前記粉砕物は、未粉砕の前記多孔体ゲルの三次元構造が破壊され、前記未粉砕の多孔体ゲルとは異なる新たな三次元構造を形成できる。このため、例えば、前記ゲル粉砕物含有液を用いて形成した塗工膜(機能性多孔体の前駆体)は、前記未粉砕の多孔体ゲルを用いて形成される層では得られない新たな孔構造(新たな空隙構造)が形成された層となる。これによって、前記層は、空気層と同様の機能(例えば、同様の低屈折性)を奏することができる。また、本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、前記粉砕物が残留シラノール基を含むことにより、前記塗工膜(機能性多孔体の前駆体)として新たな三次元構造が形成された後に、前記粉砕物同士を化学的に結合させることができる。これにより、形成された機能性多孔体は、空隙を有する構造であるが、十分な強度と可撓性とを維持できる。このため、本発明によれば、容易且つ簡便に、機能性多孔体を様々な対象物に付与できる。本発明の製造方法により得られるゲル粉砕物含有液は、例えば、空気層の代替品となり得る前記多孔質構造の製造において、非常に有用である。また、前記空気層の場合、例えば、部材と部材とを、両者の間にスペーサー等を介することで間隙を設けて積層することにより、前記部材間に空気層を形成する必要があった。しかし、本発明のゲル粉砕物含有液を用いて形成される前記機能性多孔体は、これを目的の部位に配置するのみで、前記空気層と同様の機能を発揮させることができる。したがって、前述のように、前記空気層を形成するよりも、容易且つ簡便に、前記空気層と同様の機能を、様々な対象物に付与することができる。具体的には、前記多孔質構造は、例えば、空気層に代えて、断熱材、吸音材、再生医療用足場材、結露防止材等として使用できる。
本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、前記機能性多孔体の形成用溶液、または、低屈折層の形成用溶液ということもできる。本発明のゲル粉砕物含有液において、前記多孔体は、その粉砕物である。
本発明のゲル粉砕物含有液において、粉砕物(多孔体ゲルの粒子)の体積平均粒子径の範囲は、例えば、10〜1000nmであり、100〜500nmであり、200〜300nmである。前記体積平均粒子径は、本発明のゲル粉砕物含有液における前記粉砕物の粒度バラツキを示す。前記体積平均粒子径は、前述のとおり、例えば、動的光散乱法、レーザー回折法等の粒度分布評価装置、および走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等の電子顕微鏡等により測定することができる。
また、本発明のゲル粉砕物含有液において、前記粉砕物のゲル濃度は、特に制限されず、例えば、粒径10〜1000nmの粒子が、2.5〜4.5重量%、2.7〜4.0重量%、2.8〜3.2重量%である。
本発明のゲル粉砕物含有液において、前記ゲル(例えば、多孔体ゲル)は、特に制限されず、例えば、ケイ素化合物等が挙げられる。
前記ケイ素化合物は、特に制限されないが、例えば、少なくとも3官能以下の飽和結合官能基を含むケイ素化合物が挙げられる。前記「3官能基以下の飽和結合官能基を含む」とは、ケイ素化合物が、3つ以下の官能基を有し、且つ、これらの官能基が、ケイ素(Si)と飽和結合していることを意味する。
前記ケイ素化合物は、例えば、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2017132968
前記式(2)中、例えば、Xは、2、3または4であり、
およびRは、それぞれ、直鎖もしくは分枝アルキル基であり、
およびRは、同一でも異なっていても良く、
は、Xが2の場合、互いに同一でも異なっていても良く、
は、互いに同一でも異なっていても良い。
前記XおよびRは、例えば、前記式(1)におけるXおよびRと同じである。また、前記Rは、例えば、後述する式(1)におけるRの例示が援用できる。
前記式(2)で表されるケイ素化合物の具体例としては、例えば、Xが3である下記式(2’)に示す化合物が挙げられる。下記式(2’)において、RおよびRは、それぞれ、前記式(2)と同様である。RおよびRがメチル基の場合、前記ケイ素化合物は、トリメトキシ(メチル)シラン(以下、「MTMS」ともいう)である。
Figure 2017132968
本発明のゲル粉砕物含有液において、前記溶媒における前記多孔体ゲルの粉砕物の濃度は、特に制限されず、例えば、0.3〜50%(v/v)、0.5〜30%(v/v)、1.0〜10%(v/v)である。前記粉砕物の濃度が高すぎると、例えば、前記ゲル粉砕物含有液の流動性が著しく低下し、塗工時の凝集物・塗工スジを発生させる可能性がある。一方で、前記粉砕物の濃度が低すぎると、例えば、溶媒の乾燥に相当の時間がかかるだけでなく、乾燥直後の残留溶媒も高くなるために、空隙率が低下してしまう可能性がある。
本発明のゲル粉砕物含有液の物性は、特に制限されない。前記ゲル粉砕物含有液のせん断粘度は、例えば、10001/sのせん断速度において、例えば、1mPa・s〜1Pa・s、1mPa・s〜500mPa・s、1mPa・s〜50mPa・s、1mPa・s〜30mPa・s、1mPa・s〜10mPa・s、10mPa・s〜1Pa・s、10mPa・s〜500mPa・s、10mPa・s〜50mPa・s、10mPa・s〜30mPa・s、30mPa・s〜1Pa・s、30mPa・s〜500mPa・s、30mPa・s〜50mPa・s、50mPa・s〜1Pa・s、50mPa・s〜500mPa・s、または500mPa・s〜1Pa・sの範囲である。前記せん断粘度が高すぎると、例えば、塗工スジが発生し、グラビア塗工の転写率の低下等の不具合が見られる可能性がある。逆に、せん断粘度が低すぎる場合は、例えば、塗工時のウェット塗布厚みを厚くすることができず、乾燥後に所望の厚みが得られない可能性がある。
本発明のゲル粉砕物含有液において、前記溶媒としては、例えば、分散媒等が挙げられる。前記分散媒(以下、「塗工用溶媒」ともいう)は、特に制限されず、例えば、後述するゲル化溶媒および粉砕用溶媒があげられ、好ましくは前記粉砕用溶媒である。前記塗工用溶媒としては、沸点が70℃以上180℃未満であり、かつ、20℃での飽和蒸気圧が15kPa以下である有機溶媒を含む。
前記有機溶媒としては、例えば、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、1−ペンチルアルコール(ペンタノール)、エチルアルコール(エタノール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−ノルマル−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、キシレン、クレゾール、クロロベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ノルマル−ブチル、酢酸ノルマル−プロピル、酢酸ノルマル−ペンチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、スチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、トルエン、1−ブタノール、2−ブタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノン、メチル−ノルマル−ブチルケトン、イソペンタノール、等が挙げられる。また、前記分散媒中には、表面張力を低下させるペルフルオロ系界面活性剤やシリコン系界面活性剤等を適量含んでもよい。
本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、前記分散媒に分散させたゾル状の前記粉砕物であるゾル粒子液等が挙げられる。本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、基材上に塗工・乾燥した後に、後述する結合工程により化学架橋を行うことで、一定レベル以上の膜強度を有する空隙層を、連続成膜することが可能である。なお、本発明における「ゾル」とは、ゲルの三次元構造を粉砕することで、粉砕物(つまり、空隙構造の一部を保持したナノ三次元構造の多孔体ゾルの粒子)が、溶媒中に分散して流動性を示す状態をいう。
本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、前記ゲルの粉砕物同士を化学的に結合させるための触媒を含んでいても良い。前記触媒の含有率は、特に限定されないが、前記ゲルの粉砕物の重量に対し、例えば、0.01〜20重量%、0.05〜10重量%、または0.1〜5重量%である。
また、本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、さらに、前記ゲルの粉砕物同士を間接的に結合させるための架橋補助剤を含んでいても良い。前記架橋補助剤の含有率は、特に限定されないが、例えば、前記ゲルの粉砕物の重量に対して0.01〜20重量%、0.05〜15重量%、または0.1〜10重量%である。
なお、本発明のゲル粉砕物含有液は、前記ゲルの構成単位モノマーの官能基のうち、ゲル内架橋構造に寄与していない官能基の割合が、例えば、30mol%以下、25mol%以下、20mol%以下、15mol%以下であっても良く、例えば、1mol%以上、2mol%以上、3mol%以上、4mol%以上であっても良い。前記ゲル内架橋構造に寄与していない官能基の割合は、例えば、下記のようにして測定することができる。
(ゲル内架橋構造に寄与していない官能基の割合の測定方法)
ゲルを乾燥後、固体NMR(Si-NMR)を測定し、NMRのピーク比から架橋構造に寄与していない残存シラノール基(ゲル内架橋構造に寄与していない官能基)の割合を算出する。また、前記官能基がシラノール基以外の場合でも、これに準じて、NMRのピーク比からゲル内架橋構造に寄与していない官能基の割合を算出することができる。
以下に、本発明の製造方法を説明するが、本発明のゲル粉砕物含有液は、特に記載しない限り、以下の説明を援用できる。
本発明の製造方法において、混合工程は、前記多孔体ゲルの粒子(粉砕物)と前記溶媒とを混合する工程であり、あってもよいし、なくてもよい。前記混合工程の具体例としては、例えば、少なくとも3官能以下の飽和結合官能基を含むケイ素化合物から得られたゲル状のケイ素化合物(ケイ素化合物ゲル)の粉砕物と分散媒とを混合する工程が挙げられる。本発明において、前記多孔体ゲルの粉砕物は、後述する粉砕工程により、前記多孔体ゲルから得ることができる。また、前記多孔体ゲルの粉砕物は、例えば、後述する熟成工程を施した熟成処理後の前記多孔体ゲルから得ることができる。
本発明の製造方法において、ゲル化工程は、例えば、塊状の多孔体を溶媒中でゲル化して前記多孔体ゲルとする工程であり、前記ゲル化工程の具体例としては、例えば、前記少なくとも3官能以下の飽和結合官能基を含むケイ素化合物を溶媒中でゲル化して、ケイ素化合物ゲルを生成する工程である。
以下では、前記ゲル化工程を、前記多孔体が、ケイ素化合物である場合を例にとって説明する。
前記ゲル化工程は、例えば、モノマーの前記ケイ素化合物を、脱水縮合触媒の存在下、脱水縮合反応によりゲル化する工程であり、これによって、ケイ素化合物ゲルが得られる。前記ケイ素化合物ゲルは、例えば、残留シラノール基を有し、前記残留シラノール基は、後述する前記ケイ素化合物ゲルの粉砕物同士の化学的な結合に応じて、適宜、調整することが好ましい。
前記ゲル化工程において、前記ケイ素化合物は、特に制限されず、脱水縮合反応によりゲル化するものであればよい。前記脱水縮合により、例えば、前記ケイ素化合物間が結合される。前記ケイ素化合物間の結合は、例えば、水素結合または分子間力結合である。
前記ケイ素化合物は、例えば、下記式(1)で表されるケイ素化合物が挙げられる。前記式(1)のケイ素化合物は、水酸基を有するため、前記式(1)のケイ素化合物間は、例えば、それぞれの水酸基を介して、水素結合または分子間力結合が可能である。
Figure 2017132968
前記式(1)中、例えば、Xは、2、3または4であり、Rは、直鎖もしくは分枝アルキル基、である。前記Rの炭素数は、例えば、1〜6、1〜4、1〜2である。前記直鎖アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、前記分枝アルキル基は、例えば、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。前記Xは、例えば、3または4である。
前記式(1)で表されるケイ素化合物の具体例としては、例えば、Xが3である下記式(1’)に示す化合物が挙げられる。下記式(1’)において、Rは、前記式(1)と同様であり、例えば、メチル基である。Rがメチル基の場合、前記ケイ素化合物は、トリス(ヒドロキシ)メチルシランである。前記Xが3の場合、前記ケイ素化合物は、例えば、3つの官能基を有する3官能シランである。
Figure 2017132968
また、前記式(1)で表されるケイ素化合物の具体例としては、例えば、Xが4である化合物が挙げられる。この場合、前記ケイ素化合物は、例えば、4つの官能基を有する4官能シランである。
前記ケイ素化合物は、例えば、加水分解により前記式(1)のケイ素化合物を形成する前駆体でもよい。前記前駆体としては、例えば、加水分解により前記ケイ素化合物を生成できるものであればよく、具体例として、前記式(2)で表される化合物が挙げられる。
前記ケイ素化合物が前記式(2)で表される前駆体の場合、本発明の製造方法は、例えば、前記ゲル化工程に先立って、前記前駆体を加水分解する工程を含んでもよい。
前記加水分解の方法は、特に制限されず、例えば、触媒存在下での化学反応により行うことができる。前記触媒としては、例えば、シュウ酸、酢酸等の酸等が挙げられる。前記加水分解反応は、例えば、シュウ酸の水溶液を、前記ケイ素化合物前駆体のジメチルスルホキシド溶液に、室温環境下でゆっくり滴下混合させた後に、そのまま30分程度撹拌することで行うことができる。前記ケイ素化合物前駆体を加水分解する際は、例えば、前記ケイ素化合物前駆体のアルコキシ基を完全に加水分解することで、その後のゲル化・熟成・空隙構造形成後の加熱・固定化を、さらに効率良く発現することができる。
本発明において、前記ケイ素化合物は、例えば、トリメトキシ(メチル)シランの加水分解物が例示できる。
前記モノマーのケイ素化合物は、特に制限されず、例えば、製造する機能性多孔体の用途に応じて、適宜選択できる。前記機能性多孔体の製造において、前記ケイ素化合物は、例えば、低屈折率性を重視する場合、低屈折率性に優れる点から、前記3官能シランが好ましく、また、強度(例えば、耐擦傷性)を重視する場合は、耐擦傷性に優れる点から、前記4官能シランが好ましい。また、前記ケイ素化合物ゲルの原料となる前記ケイ素化合物は、例えば、一種類のみを使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。具体例として、前記ケイ素化合物として、例えば、前記3官能シランのみを含んでもよいし、前記4官能シランのみを含んでもよいし、前記3官能シランと前記4官能シランの両方を含んでもよいし、さらに、その他のケイ素化合物を含んでもよい。前記ケイ素化合物として、二種類以上のケイ素化合物を使用する場合、その比率は、特に制限されず、適宜設定できる。
前記ケイ素化合物等の多孔体のゲル化は、例えば、前記多孔体間の脱水縮合反応により行うことができる。前記脱水縮合反応は、例えば、触媒存在下で行うことが好ましく、前記触媒としては、例えば、塩酸、シュウ酸、硫酸等の酸触媒、およびアンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基触媒等の、脱水縮合触媒が挙げられる。前記脱水縮合触媒は、酸触媒でも塩基触媒でも良いが、塩基触媒が好ましい。前記脱水縮合反応において、前記多孔体に対する前記触媒の添加量は、特に制限されず、前記多孔体1モルに対して、触媒は、例えば、0.01〜10モル、0.05〜7モル、0.1〜5モルである。
前記ケイ素化合物等の多孔体のゲル化は、例えば、溶媒中で行うことが好ましい。前記溶媒における前記多孔体の割合は、特に制限されない。前記溶媒は、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチルラクトン(GBL)、アセトニトリル(MeCN)、エチレングリコールエチルエーテル(EGEE)等が挙げられる。前記溶媒は、例えば、1種類でもよいし、2種類以上を併用してもよい。前記ゲル化に使用する溶媒を、以下、「ゲル化用溶媒」ともいう。
前記ゲル化の条件は、特に制限されない。前記多孔体を含む前記溶媒に対する処理温度は、例えば、20〜30℃、22〜28℃、24〜26℃であり、処理時間は、例えば、1〜60分、5〜40分、10〜30分である。前記脱水縮合反応を行う場合、その処理条件は、特に制限されず、これらの例示を援用できる。前記ゲル化を行うことで、前記多孔体がケイ素化合物である場合、例えば、シロキサン結合が成長し、前記ケイ素化合物の一次粒子が形成され、さらに反応が進行することで、前記一次粒子同士が、数珠状に連なり三次元構造のゲルが生成される。
前記ゲル化工程において得られる前記多孔体のゲル形態は、特に制限されない。「ゲル」とは、一般に、溶質が、相互作用のために独立した運動性を失って集合した構造をもち、固化した状態をいう。また、ゲルの中でも、一般に、ウェットゲルは、分散媒を含み、分散媒中で溶質が一様な構造をとるものをいい、キセロゲルは、溶媒が除去されて、溶質が、空隙を持つ網目構造をとるものをいう。本発明において、前記ケイ素化合物ゲルは、例えば、ウェットゲルを用いることが好ましい。前記多孔体ゲルがケイ素化合物ゲルである場合、前記ケイ素化合物ゲルの残量シラノール基は、特に制限されず、例えば、後述する範囲が同様に例示できる。
前記ゲル化により得られた前記多孔体ゲルは、例えば、このまま前記溶媒置換工程および前記第1の粉砕段階に供してもよいが、前記第1の粉砕段階に先立ち、前記熟成工程において熟成処理を施してもよい。前記熟成工程は、ゲル化した前記多孔体(多孔体ゲル)を溶媒中で熟成する。前記熟成工程において、前記熟成処理の条件は、特に制限されず、例えば、前記多孔体ゲルを、溶媒中、所定温度でインキュベートすればよい。前記熟成処理によれば、例えば、ゲル化で得られた三次元構造を有する多孔体ゲルについて、前記一次粒子をさらに成長させることができ、これによって前記粒子自体のサイズを大きくすることが可能である。そして、結果的に、前記粒子同士が接触しているネック部分の接触状態を、例えば、点接触から面接触に増やすことができる。上記のような熟成処理を行った多孔体ゲルは、例えば、ゲル自体の強度が増加し、結果的には、粉砕を行った後の前記粉砕物の三次元基本構造の強度をより向上できる。これにより、前記本発明のゲル粉砕物含有液を用いて塗工膜を形成した場合、例えば、塗工後の乾燥工程においても、前記三次元基本構造が堆積した空隙構造の細孔サイズが、前記乾燥工程において生じる前記塗工膜中の溶媒の揮発に伴って、収縮することを抑制できる。
前記熟成処理の温度は、その下限が、例えば、30℃以上、35℃以上、40℃以上であり、その上限が、例えば、80℃以下、75℃以下、70℃以下であり、その範囲が、例えば、30〜80℃、35〜75℃、40〜70℃である。前記所定の時間は、特に制限されず、その下限が、例えば、5時間以上、10時間以上、15時間以上であり、その上限が、例えば、50時間以下、40時間以下、30時間以下であり、その範囲が、例えば、5〜50時間、10〜40時間、15〜30時間である。なお、熟成の最適な条件については、例えば、前述したように、前記多孔体ゲルにおける、前記一次粒子のサイズの増大、および前記ネック部分の接触面積の増大が得られる条件に設定することが好ましい。また、前記熟成工程において、前記熟成処理の温度は、例えば、使用する溶媒の沸点を考慮することが好ましい。前記熟成処理は、例えば、熟成温度が高すぎると、前記溶媒が過剰に揮発してしまい、前記塗工液の濃縮により、三次元空隙構造の細孔が閉口する等の不具合が生じる可能性がある。一方で、前記熟成処理は、例えば、熟成温度が低すぎると、前記熟成による効果が十分に得られず、量産プロセスの経時での温度バラツキが増大することとなり、品質に劣る製品ができる可能性がある。
前記熟成処理は、例えば、前記ゲル化工程と同じ溶媒を使用でき、具体的には、前記ゲル処理後の反応物(つまり、前記多孔体ゲルを含む前記溶媒)に対して、そのまま施すことが好ましい。前記多孔体ゲルが、前記ケイ素化合物ゲルである場合、ゲル化後の熟成処理を終えた前記ケイ素化合物ゲルに含まれる残留シラノール基のモル数は、例えば、ゲル化に使用した原材料(例えば、前記ケイ素化合物またはその前駆体)のアルコキシ基のモル数を100とした場合の残留シラノール基の割合であり、その下限が、例えば、50%以上、40%以上、30%以上であり、その上限が、例えば、1%以下、3%以下、5%以下であり、その範囲が、例えば、1〜50%、3〜40%、5〜30%である。前記ケイ素化合物ゲルの硬度を上げる目的では、例えば、残留シラノール基のモル数が低いほど好ましい。残留シラノール基のモル数が高すぎると、例えば、前記機能性多孔体の形成において、前記機能性多孔体の前駆体が架橋されるまでに、空隙構造を保持できなくなる可能性がある。一方で、残留シラノール基のモル数が低すぎると、例えば、前記結合工程において、前記機能性多孔体の前駆体を架橋できなくなり、十分な膜強度を付与できなくなる可能性がある。なお、上記は、残留シラノール基の例であるが、例えば、前記ケイ素化合物ゲルの原材料として、前記ケイ素化合物を各種反応性官能基で修飾したものを使用する場合は、各々の官能基に対しても、同様の現象を適用できる。
前記ゲル化により得られた前記多孔体ゲルは、例えば、前記熟成工程において熟成処理を施した後、溶媒置換工程を施し、さらにその後、前記粉砕工程に供する。前記溶媒置換工程は、前記溶媒を他の溶媒に置換する。
本発明において、前記粉砕工程は、前述のように、前記多孔体ゲルを粉砕する工程である。前記粉砕は、例えば、前記ゲル化工程後の前記多孔体ゲルに施してもよいし、さらに、前記熟成処理を施した前記熟成後の多孔体ゲルに施してもよい。
また、前述のとおり、前記溶媒置換工程に先立ち(例えば、前記熟成工程後に)、前記ゲルの形状および大きさを制御するゲル形態制御工程を行っても良い。前記ゲル形態制御工程において制御する前記ゲルの形状および大きさは、特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。前記ゲル形態制御工程は、例えば、前記ゲルを、適切な大きさおよび形状の立体(3次元体)に分割する(例えば、切り分ける)ことにより行っても良い。
さらに、前述のとおり、前記ゲルに前記溶媒置換工程を施してから前記粉砕工程を行なう。前記溶媒置換工程は、前記溶媒を他の溶媒に置換する。前記溶媒を前記他の溶媒に置換しないと、例えば、ゲル化工程で使用した触媒および溶媒が、前記熟成工程後も残存することで、さらに経時にゲル化が生じて最終的に得られるゲル粉砕物含有液のポットライフに影響するおそれ、前記ゲル粉砕物含有液を用いて形成した塗工膜を乾燥した際の乾燥効率が低下するおそれ等があるためである。なお、前記ゲル粉砕工程における前記他の溶媒を、以下、「粉砕用溶媒」ともいう。
前記粉砕用溶媒(他の溶媒)は、特に制限されず、例えば、有機溶媒が使用できる。前記有機溶媒は、例えば、沸点140℃以下、130℃以下、沸点100℃以下、沸点85℃以下の溶媒が挙げられる。具体例としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノール、メタノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルセロソルブ、アセトン等が挙げられる。前記粉砕用溶媒は、例えば、1種類でもよいし、2種類以上の併用でもよい。
また、前記粉砕用溶媒の極性が低い場合等は、例えば、前記溶媒置換工程を複数の溶媒置換段階に分けて行ない、前記溶媒置換段階において、後に行う段階の方が、先に行う段階よりも、前記他の溶媒の親水性が低くなるようにしても良い。このようにすることで、例えば、溶媒置換効率を向上させ、前記ゲル中のゲル製造用溶媒(例えばDMSO)の残存量をきわめて低くすることも可能である。具体例として、例えば、前記溶媒置換工程を3段階の溶媒置換段階に分けて行ない、第1の溶媒置換段階で、ゲル中のDMSOをまず水に置換し、つぎに、第2の溶媒置換段階で、ゲル中の前記水をIPAに置換し、さらに、第3の置換段階で、ゲル中の前記IPAをイソブチルアルコールに置換しても良い。
前記ゲル化用溶媒と前記粉砕用溶媒との組合せは、特に制限されず、例えば、DMSOとIPAとの組合せ、DMSOとエタノールとの組合せ、DMSOとイソブチルアルコールとの組合せ、DMSOとn−ブタノールとの組合せ等が挙げられる。このように、前記ゲル化用溶媒を前記破砕用溶媒に置換することで、例えば、後述する塗膜形成において、より均一な塗工膜を形成することができる。
前記溶媒置換工程は、特に限定されないが、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、前記ゲル製造工程により製造したゲル(例えば、前記熟成処理後のゲル)を、前記他の溶媒に浸漬もしくは接触させ、前記ゲル中のゲル製造用触媒、縮合反応で生成したアルコール成分、水等を、前記他の溶媒中に溶解させる。その後、前記ゲルを浸漬もしくは接触させた溶媒を捨てて、新たな溶媒に再度前記ゲルを浸漬もしくは接触させる。これを、前記ゲル中のゲル製造用溶媒の残存量が、所望の量となるまで繰り返す。1回あたりの浸漬時間は、例えば0.5時間以上、1時間以上、または1.5時間以上であり、上限値は特に限定されないが、例えば10時間以下である。また上記溶媒の浸漬は前記溶媒のゲルへの連続的な接触で対応してもよい。また、前記浸漬中の温度は特に限定されないが、例えば20〜70℃、25〜65℃、または30〜60℃であっても良い。加熱を行なうと溶媒置換が早く進行し、置換させるのに必要な溶媒量が少なくて済むが、室温で簡便に溶媒置換を行なってもよい。また、例えば、前記溶媒置換工程を複数の溶媒置換段階に分けて行なう場合は、前記複数の溶媒置換段階のそれぞれを、前述のようにして行っても良い。
そして、前記溶媒置換工程後に、前記ゲルを前記粉砕用溶媒中で粉砕する、ゲル粉砕工程を行なう。また、例えば、前述のとおり、前記溶媒置換工程後、前記ゲル粉砕工程に先立ち、必要に応じ、ゲル濃度測定を行なっても良く、さらにその後、必要に応じ、前記ゲル濃度調整工程を行なっても良い。前記溶媒置換工程後前記ゲル粉砕工程前のゲル濃度測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、前記溶媒置換工程後、前記他の溶媒(粉砕用溶媒)中からゲルを取り出す。このゲルは、例えば、前記ゲル形態制御工程により、適切な形状および大きさ(例えば、ブロック状)の塊に制御されている。次に、前記ゲルの塊の周囲に付着する溶媒を除去した後、重量乾燥法にて一つのゲルの塊に占める固形分濃度を測定する。この時、測定値の再現性をとるために、測定を、ランダムに取り出した複数(例えば6つ)の塊で行ない、その平均値と値のバラつきを算出する。前記濃度調整工程は、例えば、さらに前記他の溶媒(粉砕用溶媒)を加えることにより、前記ゲル含有液のゲル濃度を低下させても良い。また、前記濃度調整工程は、逆に、前記他の溶媒(粉砕用溶媒)を蒸発させることにより、前記ゲル含有液のゲル濃度を上昇させても良い。
本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法では、前述の通り、前記粉砕工程として、前記粉砕工程を、複数の粉砕段階に分けて行ない、具体的には、例えば、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階を行なう。但し、前記粉砕工程は、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階に加えて、さらに粉砕工程を施してもよい。すなわち、本発明の製造方法において、前記粉砕工程は、2段階の粉砕段階のみに限定されず、3段階以上の粉砕段階を含んでもよい。
以下、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階について説明する。
前記第1の粉砕段階は、前記多孔体ゲルを粉砕する工程である。前記第2の粉砕段階は、前記第1の粉砕段階後に、前記多孔体ゲルの粒子をさらに粉砕する工程である。
前記第1の粉砕段階により得られる前記多孔体ゲルの粒子の体積平均粒子径、および、前記第2の粉砕段階により得られる前記多孔体ゲルの粒子の体積平均粒子径は、例えば、前述のとおりである。前記体積平均粒子径の測定方法についても、例えば、前述のとおりである。
前記第1の粉砕段階直後および前記第2の粉砕段階直後における前記ゲル粉砕物含有液のせん断粘度は、例えば、前述のとおりである。前記せん断粘度の測定方法についても、例えば、前述のとおりである。
なお、例えば、前述のとおり、前記第1の粉砕段階直後に、ゲル含有液のゲル濃度を測定し、前記ゲル濃度が所定の数値範囲内である前記液のみを前記第2の粉砕段階に供することで、前記ゲル含有液の濃度管理を行なっても良い。
前記多孔体ゲルの粉砕方法は、特に制限されず、例えば、高圧メディアレス粉砕装置、超音波ホモジナイザー、高速回転ホモジナイザー、高圧押し出し粉砕装置、その他のキャビテーション現象を用いる湿式メディアレス粉砕装置等により行うことができる。前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階を同一の粉砕方法を施してもよいし、互いに異なる粉砕方法を施してもよいが、互いに異なる粉砕方法を施すことが好ましい。
前記粉砕方法として、前記第1の粉砕段階及び前記第2の粉砕段階の少なくとも一方を、エネルギーを制御することにより前記多孔体ゲルを粉砕する方法で施すことが好ましい。前記エネルギーを制御することにより前記多孔体ゲルを粉砕する方法としては、例えば、高圧メディアレス粉砕装置等により行う方法が挙げられる。
超音波により前記多孔体ゲルを粉砕する方法では、粉砕強度が強いが、粉砕制御(加減)が難しい。これに対し、エネルギーを制御することにより前記多孔体ゲルを粉砕する方法であれば、前記粉砕を制御(加減)しながら粉砕することができる。これにより、限られた仕事量で均一なゲル粉砕物含有液を製造することができる。このため、前記ゲル粉砕物含有液を、例えば、量産ベースで製造可能である。
ボールミル等のメディア粉砕を行う装置は、例えば、粉砕時にゲルの空隙構造を物理的に破壊するのに対し、ホモジナイザー等のキャビテーション方式粉砕装置は、例えば、メディアレス方式のため、ゲル三次元構造にすでに内包されている比較的弱い結合の多孔質粒子接合面を、高速のせん断力で剥離する。このように、前記多孔体ゲルを粉砕することで、新たなゾル三次元構造が得られ、前記三次元構造は、例えば、塗工膜の形成において、一定範囲の粒度分布をもつ空隙構造を保持することができ、塗工・乾燥時の堆積による空隙構造を再形成できる。前記粉砕の条件は、特に制限されず、例えば、瞬間的に高速の流れを与えることで、溶媒を揮発させることなくゲルを粉砕することができることが好ましい。例えば、前述のような粒度バラツキ(例えば、体積平均粒子径または粒度分布)の粉砕物となるように粉砕することが好ましい。仮に、粉砕時間・強度等の仕事量が不足した場合は、例えば、粗粒が残ることとなり、緻密な細孔を形成できず、外観欠点も増加し、高い品質を得ることができない可能性がある。一方で、前記仕事量が過多な場合は、例えば、所望の粒度分布よりも微細なゾル粒子となり、塗工・乾燥後に堆積した空隙サイズが微細となり、所望の空隙率に満たない可能性がある。
前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階の少なくとも一方において、前記液のせん断粘度を測定しながら前記多孔体の粉砕を制御することが好ましい。具体的な方法としては、例えば、前記粉砕段階の途中段階で、所望のせん断粘度及び極めて優れた均一性を両立したゾル液を調整する方法、インラインで前記液のせん断粘度をモニターし、前記粉砕段階にフィードバックする方法が挙げられる。これにより、所望のせん断粘度及び極めて優れた均一性を両立したゲル粉砕物含有液を製造可能である。このため、例えば、前記ゲル粉砕物含有液を、その用途に応じて、特性を制御する事ができる。
前記粉砕段階後、前記多孔体ゲルが前記ケイ素化合物ゲルである場合、前記粉砕物に含まれる残留シラノール基の割合は、特に制限されず、例えば、前記熟成処理後のケイ素化合物ゲルについて例示した範囲と同様である。
本発明の製造方法において、さらに前記粉砕工程(前記第1の粉砕段階および前記第2の粉砕段階)の少なくとも一方の後に、分級工程を行ってもよい。前記分級工程は、前記多孔体ゲルの粒子を分級する。前記「分級」とは、例えば、前記多孔体ゲルの粒子を、粒径に応じて分別することをいう。分級の方法は、特に制限されないが、篩を用いて行うことができる。このように、複数段階で粉砕処理を施すことにより、前述のとおり、均一性が極めて優れたものであるため、光学部材等の用途に適用した場合、その外観を良好なものとすることができるが、さらに分級処理を施すことにより、その外観をより良好なものとすることができる。
前記粉砕工程及び任意の前記分級工程後、前記粉砕物を含む前記溶媒における前記粉砕物の割合は、特に制限されず、例えば、前述した前記本発明のゲル粉砕物含有液における条件が例示できる。前記割合は、例えば、前記粉砕工程後における前記粉砕物を含む溶媒そのものの条件でもよいし、前記粉砕工程後であって、前記ゲル粉砕物含有液として使用する前に、調整された条件であってもよい。
以上のようにして、前記微細孔粒子(ゲル状化合物の粉砕物)を含む液(例えば懸濁液)を作製することができる。さらに、前記微細孔粒子を含む液を作製した後に、または作製工程中に、前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させる触媒を加えることにより、前記微細孔粒子および前記触媒を含む含有液を作製することができる。前記触媒の添加量は、特に限定されないが、前記ゲル状ケイ素化合物の粉砕物の重量に対し、例えば、0.01〜20重量%、0.05〜10重量%、または0.1〜5重量%である。前記触媒は、例えば、前記微細孔粒子同士の架橋結合を促進する触媒であっても良い。前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させる化学反応としては、シリカゾル分子に含まれる残留シラノール基の脱水縮合反応を利用することが好ましい。シラノール基の水酸基同士の反応を前記触媒で促進することで、短時間で空隙構造を硬化させる連続成膜が可能である。前記触媒としては、例えば、光活性触媒および熱活性触媒が挙げられる。前記光活性触媒によれば、例えば、前記空隙層形成工程において、加熱によらずに前記微細孔粒子どうしを化学的に結合(例えば架橋結合)させることができる。これによれば、例えば、前記空隙層形成工程において、前記空隙層全体の収縮が起こりにくいため、より高い空隙率を維持できる。また、前記触媒に加え、またはこれに代えて、触媒を発生する物質(触媒発生剤)を用いても良い。例えば、前記光活性触媒に加え、またはこれに代えて、光により触媒を発生する物質(光触媒発生剤)を用いても良いし、前記熱活性触媒に加え、またはこれに代えて、熱により触媒を発生する物質(熱触媒発生剤)を用いても良い。前記光触媒発生剤としては、特に限定されないが、例えば、光塩基発生剤(光照射により塩基性触媒を発生する物質)、光酸発生剤(光照射により酸性触媒を発生する物質)等が挙げられ、光塩基発生剤が好ましい。前記光塩基発生剤としては、例えば、9−アントリルメチル N,N−ジエチルカルバメート(9-anthrylmethyl N,N-diethylcarbamate、商品名WPBG−018)、(E)−1−[3−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノイル]ピペリジン((E)-1-[3-(2-hydroxyphenyl)-2-propenoyl]piperidine、商品名WPBG−027)、1−(アントラキノン−2−イル)エチル イミダゾールカルボキシレート(1-(anthraquinon-2-yl)ethyl imidazolecarboxylate、商品名WPBG−140)、2−ニトロフェニルメチル 4−メタクリロイルオキシピペリジン−1−カルボキシラート(商品名WPBG−165)、1,2−ジイソプロピル−3−〔ビス(ジメチルアミノ)メチレン〕グアニジウム 2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオナート(商品名WPBG−266)、1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウム n−ブチルトリフェニルボラート(商品名WPBG−300)、および2-(9-オキソキサンテン-2-イル)プロピオン酸1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(東京化成工業株式会社)、4-ピペリジンメタノールを含む化合物(商品名HDPD-PB100:ヘレウス社製)等が挙げられる。なお、前記「WPBG」を含む商品名は、いずれも和光純薬工業株式会社の商品名である。前記光酸発生剤としては、例えば、芳香族スルホニウム塩(商品名SP-170:ADEKA社)、トリアリールスルホニウム塩(商品名CPI101A:サンアプロ社)、芳香族ヨードニウム塩(商品名Irgacure250:チバ・ジャパン社)等が挙げられる。また、前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させる触媒は、前記光活性触媒および前記光触媒発生剤に限定されず、例えば、熱活性触媒または熱触媒発生剤でも良い。前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させる触媒は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基触媒、塩酸、酢酸、シュウ酸等の酸触媒等が挙げられる。これらの中で、塩基触媒が好ましい。前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させる触媒もしくは触媒発生剤は、例えば、前記粉砕物(微細孔粒子)を含むゾル粒子液(例えば懸濁液)に、塗工直前に添加して使用する、または前記触媒もしくは触媒発生剤を溶媒に混合した混合液として使用することができる。前記混合液は、例えば、前記ゾル粒子液に直接添加して溶解した塗工液、前記触媒もしくは触媒発生剤を溶媒に溶解した溶液、または、前記触媒もしくは触媒発生剤を溶媒に分散した分散液でもよい。前記溶媒は、特に制限されず、例えば、水、緩衝液等が挙げられる。
[2.ゲル粉砕物含有液の使用方法]
本発明のゲル粉砕物含有液の使用方法として、以下に、前記機能性多孔体の一例であるシリコーン多孔体の製造方法を例示するが、本発明は、これには限定されない。
前記シリコーン多孔体の製造方法は、例えば、前記本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、前記シリコーン多孔体の前駆体を形成する前駆体形成工程、および、前記前駆体に含まれる前記ゲル粉砕物含有液の前記粉砕物同士を化学的に結合させる結合工程を含むことを特徴とする。前記前駆体は、例えば、塗工膜ということもできる。
前記シリコーン多孔体の製造方法によれば、例えば、空気層と同様の機能を奏する多孔質構造が形成される。その理由は、例えば、以下のように推測されるが、本発明は、この推測には制限されない。
前記シリコーン多孔体の製造方法で使用する前記本発明のゲル粉砕物含有液は、前記ケイ素化合物ゲルの粉砕物を含むことから、前記ゲル状シリカ化合物の三次元構造が、三次元基本構造に分散された状態となっている。このため、前記シリコーン多孔体の製造方法では、例えば、前記ゲル粉砕物含有液を用いて前記前駆体(例えば、塗工膜)を形成すると、前記三次元基本構造が堆積され、前記三次元基本構造に基づく空隙構造が形成される。つまり、前記シリコーン多孔体の製造方法によれば、前記ケイ素化合物ゲルの三次元構造とは異なる、前記三次元基本構造の前記粉砕物から形成された新たな三次元構造が形成される。また、前記シリコーン多孔体の製造方法においては、さらに、前記粉砕物同士の化学的に結合させるため、前記新たな三次元構造が固定化される。このため、前記シリコーン多孔体の製造方法により得られる前記シリコーン多孔体は、空隙を有する構造であるが、十分な強度と可撓性とを維持できる。本発明により得られるシリコーン多孔体は、例えば、空隙を利用する部材として、断熱材、吸音材、光学部材、インク受像層等の幅広い分野の製品に使うことが可能で、さらに、各種機能を付与した積層フィルムを作製することができる。
前記シリコーン多孔体の製造方法は、特に記載しない限り、前記本発明のゲル粉砕物含有液の説明を援用できる。
前記多孔体の前駆体の形成工程においては、例えば、前記本発明のゲル粉砕物含有液を、前記基材上に塗工する。本発明のゲル粉砕物含有液は、例えば、基材上に塗工し、前記塗工膜を乾燥した後に、前記結合工程により前記粉砕物同士を化学的に結合(例えば、架橋)することで、一定レベル以上の膜強度を有する空隙層を、連続成膜することが可能である。
前記基材に対する前記ゲル粉砕物含有液の塗工量は、特に制限されず、例えば、所望の前記シリコーン多孔体の厚み等に応じて、適宜設定できる。具体例として、厚み0.1〜1000μmの前記シリコーン多孔体を形成する場合、前記基材に対する前記ゲル粉砕物含有液の塗工量は、前記基材の面積1mあたり、例えば、前記粉砕物0.01〜60000μg、0.1〜5000μg、1〜50μgである。前記ゲル粉砕物含有液の好ましい塗工量は、例えば、液の濃度や塗工方式等と関係するため、一義的に定義することは難しいが、生産性を考慮すると、できるだけ薄層で塗工することが好ましい。塗布量が多すぎると、例えば、溶媒が揮発する前に乾燥炉で乾燥される可能性が高くなる。これにより、溶媒中でナノ粉砕ゾル粒子が沈降・堆積し、空隙構造を形成する前に、溶媒が乾燥することで、空隙の形成が阻害されて空隙率が大きく低下する可能性がある。一方で、塗布量が薄過ぎると、基材の凹凸・親疎水性のバラツキ等により塗工ハジキが発生するリスクが高くなる可能性がある。
前記基材に前記ゲル粉砕物含有液を塗工した後、前記多孔体の前駆体(塗工膜)に乾燥処理を施してもよい。前記乾燥処理によって、例えば、前記多孔体の前駆体中の前記溶媒(前記ゲル粉砕物含有液に含まれる溶媒)を除去するだけでなく、乾燥処理中に、ゾル粒子を沈降・堆積させ、空隙構造を形成させることを目的としている。前記乾燥処理の温度は、例えば、50〜250℃、60〜150℃、70〜130℃であり、前記乾燥処理の時間は、例えば、0.1〜30分、0.2〜10分、0.3〜3分である。乾燥処理温度、および時間については、例えば、連続生産性や高い空隙率の発現の関連では、より低く短いほうが好ましい。条件が厳しすぎると、例えば、基材が樹脂フィルムの場合、前記基材のガラス転移温度に近づくことで、前記基材が乾燥炉の中で伸展してしまい、塗工直後に、形成された空隙構造にクラック等の欠点が発生する可能性がある。一方で、条件が緩すぎる場合、例えば、乾燥炉を出たタイミングで残留溶媒を含むため、次工程でロールと擦れた際に、スクラッチ傷が入る等の外観上の不具合が発生する可能性がある。
前記乾燥処理は、例えば、自然乾燥でもよいし、加熱乾燥でもよいし、減圧乾燥でもよい。前記乾燥方法は、特に制限されず、例えば、一般的な加熱手段が使用できる。前記加熱手段は例えば、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等が挙げられる。中でも、工業的に連続生産することを前提とした場合は、加熱乾燥を用いることが好ましい。また、使用される溶媒については、乾燥時の溶媒揮発に伴う収縮応力の発生、それによる空隙層(前記シリコーン多孔体)のクラック現象を抑える目的で、表面張力が低い溶媒が好ましい。前記溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)に代表される低級アルコール、ヘキサン、ペルフルオロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記基材は、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂製の基材、ガラス製の基材、シリコンに代表される無機基板、熱硬化性樹脂等で成形されたプラスチック、半導体等の素子、カーボンナノチュープに代表される炭素繊維系材料等が好ましく使用できるが、これらに限定されない。前記基材の形態は、例えば、フィルム、プレート等があげられる。前記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、トリアセテート(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等があげられる。
前記シリコーン多孔体の製造方法において、前記結合工程は、前記多孔体の前駆体(塗工膜)に含まれる前記粉砕物同士を化学的に結合させる工程である。前記結合工程によって、例えば、前記多孔体の前駆体における前記粉砕物の三次元構造が、固定化される。従来の焼結による固定化を行う場合は、例えば、200℃以上の高温処理を行うことで、シラノール基の脱水縮合、シロキサン結合の形成を誘発する。本発明における前記結合工程においては、上記の脱水縮合反応を触媒する各種添加剤を反応させることで、例えば、基材が樹脂フィルムの場合に、前記基材にダメージを起こすことなく、100℃前後の比較的低い乾燥温度、および数分未満の短い処理時間で、連続的に空隙構造を形成、固定化することができる。
前記化学的に結合させる方法は、特に制限されず、例えば、前記ケイ素化合物ゲルの種類に応じて、適宜決定できる。具体例として、前記化学的な結合は、例えば、前記粉砕物同士の化学的な架橋結合により行うことができ、その他にも、例えば、酸化チタン等の無機粒子等を、前記粉砕物に添加した場合、前記無機粒子と前記粉砕物とを化学的に架橋結合させることも考えられる。また、酵素等の生体触媒を担持させる場合も、触媒活性点とは別の部位と前記粉砕物とを化学架橋結合させる場合もある。したがって、本発明は、例えば、前記ゾル粒子同士で形成する空隙層(シリコーン多孔体)だけでなく、有機無機ハイブリッド空隙層、ホストゲスト空隙層等の応用展開が考えられるが、これらに限定されない。
前記結合工程は、例えば、前記ケイ素化合物ゲルの粉砕物の種類に応じて、触媒存在下での化学反応により行うことができる。本発明における化学反応としては、前記ケイ素化合物ゲルの粉砕物に含まれる残留シラノール基の脱水縮合反応を利用することが好ましい。シラノール基の水酸基同士の反応を前記触媒で促進することで、短時間で空隙構造を硬化させる連続成膜が可能である。前記触媒としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基触媒、塩酸、酢酸、シュウ酸等の酸触媒等が挙げられるが、これらに限定されない。前記脱水縮合反応の触媒は、塩基触媒が特に好ましい。また、光(例えば紫外線)を照射することで触媒活性が発現する、光酸発生触媒や光塩基発生触媒等も好ましく用いることができる。光酸発生触媒および光塩基発生触媒としては、特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。前記触媒は、例えば、前述のとおり、前記粉砕物を含むゾル粒子液に、塗工直前に添加して使用する、または、前記触媒を溶媒に混合した混合液として使用することが好ましい。前記混合液は、例えば、前記ゾル粒子液に直接添加して溶解した塗工液、前記触媒を溶媒に溶解した溶液、前記触媒を溶媒に分散した分散液でもよい。前記溶媒は、特に制限されず、前述のとおり、例えば、水、緩衝液等が挙げられる。
また、例えば、本発明のゲル含有液には、さらに、前記ゲルの粉砕物同士を間接的に結合させるための架橋補助剤を添加してもよい。この架橋補助剤が、粒子(前記粉砕物)同士の間に入り込み、粒子と架橋補助剤が各々相互作用もしくは結合することで、距離的に多少離れた粒子同士も結合させることが可能であり、効率よく強度を上げることが可能となる。前記架橋補助剤としては、多架橋シランモノマーが好ましい。前記多架橋シランモノマーは、具体的には、例えば、2以上3以下のアルコキシシリル基を有し、アルコキシシリル基間の鎖長が炭素数1以上10以下であっても良く、炭素以外の元素も含んでもよい。前記架橋補助剤としては、例えば、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)プロパン、ビス(トリメトキシシリル)プロパン、ビス(トリエトキシシリル)ブタン、ビス(トリメトキシシリル)ブタン、ビス(トリエトキシシリル)ペンタン、ビス(トリメトキシシリル)ペンタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)-N-ブチル-N-プロピル-エタン-1,2-ジアミン、トリス-(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス-(3-トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。この架橋補助剤の添加量としては、特に限定されないが、例えば、前記ケイ素化合物の粉砕物の重量に対して0.01〜20重量%、0.05〜15重量%、または0.1〜10重量%である。
前記触媒存在下での化学反応は、例えば、事前に前記ゲル粉砕物含有液に添加された前記触媒もしくは触媒発生剤を含む前記塗工膜に対し光照射もしくは加熱、または、前記塗工膜に、前記触媒を吹き付けてから光照射もしくは加熱、または、前記触媒もしくは触媒発生剤を吹き付けながら光照射もしくは加熱することによって、行うことができる。例えば、前記触媒が光活性触媒である場合は、光照射により、前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させて前記シリコーン多孔体を形成することができる。また、前記触媒が、熱活性触媒である場合は、加熱により、前記微細孔粒子どうしを化学的に結合させて前記シリコーン多孔体を形成することができる。前記光照射における光照射量(エネルギー)は、特に限定されないが、@360nm換算で、例えば、200〜800mJ/cm、250〜600mJ/cm、または300〜400mJ/cmである。照射量が十分でなく触媒発生剤の光吸収による分解が進まず効果が不十分となることを防止する観点からは、200mJ/cm以上の積算光量が良い。また、空隙層下の基材にダメージがかかり熱ジワが発生することを防止する観点からは、800mJ/cm以下の積算光量が良い。前記光照射における光の波長は、特に限定されないが、例えば、200〜500nm、300〜450nmである。前記光照射における光の照射時間は、特に限定されないが、例えば、0.1〜30分、0.2〜10分、0.3〜3分である。前記加熱処理の条件は、特に制限されず、前記加熱温度は、例えば、50〜250℃、60〜150℃、70〜130℃であり、前記加熱時間は、例えば、0.1〜30分、0.2〜10分、0.3〜3分である。また、使用される溶媒については、例えば、乾燥時の溶媒揮発に伴う収縮応力の発生、それによる空隙層のクラック現象を抑える目的で、表面張力が低い溶媒が好ましい。例えば、イソプロピルアルコール(IPA)に代表される低級アルコール、ヘキサン、ペルフルオロヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
以上のようにして、シリコーン多孔体を製造することができる。なお、このようにして製造されるシリコーン多孔体を、以下において「本発明のシリコーン多孔体」ということがある。ただし、本発明のシリコーン多孔体の製造方法は、上記に限定されない。また、本発明のシリコーン多孔体は、例えば、本発明の高空隙層または本発明の高空隙率多孔体の1種であるということができる。
なお、得られた本発明のシリコーン多孔体に対し、例えば、加熱エージング等の処理をして強度を向上させる強度向上工程(以下「エージング工程」ともいう場合がある。)を行っても良い。例えば、本発明のシリコーン多孔体が樹脂フィルム上に積層されている場合、前記強度向上工程(エージング工程)により、前記樹脂フィルムに対する粘着ピール強度を向上させることができる。前記強度向上工程(エージング工程)においては、例えば、本発明のシリコーン多孔体を加熱しても良い。前記エージング工程における温度は、例えば40〜80℃、50〜70℃、55〜65℃である。前記反応の時間は、例えば5〜30hr、7〜25hr、または10〜20hrである。前記エージング工程においては、例えば、加熱温度を低温にすることで、前記シリコーン多孔体の収縮を抑制しながら粘着ピール強度を向上させ、高空隙率と強度の両立を達成できる。
前記強度向上工程(エージング工程)において起こる現象およびメカニズムは不明であるが、例えば、本発明のシリコーン多孔体中に含まれる触媒により、前記微細孔粒子どうしの化学的な結合(例えば架橋反応)がさらに進むことにより、強度が向上すると考えられる。具体例として、前記シリコーン多孔体中に残留シラノール基(OH基)が存在する場合、前記残留シラノール基どうしが架橋反応により化学的に結合すると考えられる。なお、本発明のシリコーン多孔体中に含まれる触媒は、特に限定されないが、例えば、前記結合工程で用いた触媒でも良いし、前記結合工程で用いた光塩基発生触媒が光照射により発生した塩基性物質、前記結合工程で用いた光酸発生触媒が光照射により発生した酸性物質等でも良い。ただし、この説明は例示であり、本発明を限定しない。
また、本発明のシリコーン多孔体上に、さらに粘接着層を形成しても良い(粘接着層形成工程)。具体的には、例えば、本発明のシリコーン多孔体上に、粘着剤または接着剤を塗布(塗工)することにより、前記粘接着層を形成しても良い。また、基材上に前記粘接着層が積層された粘着テープ等の、前記粘接着層側を、本発明のシリコーン多孔体上に貼り合せることにより、本発明のシリコーン多孔体上に前記粘接着層を形成しても良い。この場合、前記粘着テープ等の基材は、そのまま貼り合せたままにしても良いし、前記粘接着層から剥離しても良い。本発明において、「粘着剤」および「粘着層」は、例えば、被着体の再剥離を前提とした剤または層をいう。本発明において、「接着剤」および「接着層」は、例えば、被着体の再剥離を前提としない剤または層をいう。ただし、本発明において、「粘着剤」と「接着剤」は、必ずしも明確に区別できるものではなく、「粘着層」と「接着層」は、必ずしも明確に区別できるものではない。本発明において、前記粘接着層を形成する粘着剤または接着剤は特に限定されず、例えば、一般的な粘着剤または接着剤等が使用できる。前記粘着剤または接着剤としては、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤、ゴム系接着剤等があげられる。また、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等もあげられる。これら粘着剤および接着剤は、1種類のみ用いても、複数種類を併用(例えば、混合、積層等)しても良い。前記粘接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、0.1〜100μm、5〜50μm、10〜30μm、または12〜25μmである。
さらに、本発明のシリコーン多孔体を、前記粘接着層と反応させて、本発明のシリコーン多孔体と前記粘接着層との中間に配置された中間層を形成しても良い(中間層形成工程)。前記中間層により、例えば、本発明のシリコーン多孔体と前記粘接着層とが剥離しにくくなる。この理由(メカニズム)は不明であるが、例えば、前記中間層の投錨性(投錨効果)によると推測される。前記投錨性(投錨効果)とは、前記空隙層と前記中間層との界面付近において、前記中間層が前記空隙層内部に入り組んだ構造をしていることにより、前記界面が強固に固定される現象(効果)をいう。ただし、この理由(メカニズム)は、推測される理由(メカニズム)の一例であり、本発明を限定しない。本発明のシリコーン多孔体と前記粘接着層との反応も、特に限定されないが、例えば、触媒作用による反応でも良い。前記触媒は、例えば、本発明のシリコーン多孔体中に含まれる触媒でも良い。具体的には、例えば、前記結合工程で用いた触媒でも良いし、前記結合工程で用いた光塩基発生触媒が光照射により発生した塩基性物質、前記結合工程で用いた光酸発生触媒が光照射により発生した酸性物質等でも良い。また、本発明のシリコーン多孔体と前記粘接着層との反応は、例えば、新たな化学結合が生成される反応(例えば架橋反応)でも良い。前記反応の温度は、例えば40〜80℃、50〜70℃、55〜65℃である。前記反応の時間は、例えば5〜30hr、7〜25hr、または10〜20hrである。また、この中間層形成工程が、本発明のシリコーン多孔体の強度を向上させる前記強度向上工程(エージング工程)を兼ねていても良い。
このようにして得られる本発明のシリコーン多孔体は、例えば、さらに、他のフィルム(層)と積層して、前記多孔質構造を含む積層構造体としてもよい。この場合、前記積層構造体において、各構成要素は、例えば、粘着剤または接着剤を介して積層させてもよい。
前記各構成要素の積層は、例えば、効率的であることから、長尺フィルムを用いた連続処理(いわゆるRoll to Roll等)により積層を行ってもよく、基材が成形物・素子等の場合はバッチ処理を行ったものを積層してもよい。
以下に、前記本発明のゲル粉砕物含有液を用いて、基材上に前記シリコーン多孔体を形成する方法について、図1〜3を用いて例をあげて説明する。図2については、前記シリコーン多孔体を製膜した後に、保護フィルムを貼合して巻き取る工程を示しているが、別の機能性フィルムに積層を行う場合は、上記の手法を用いてもよいし、別の機能性フィルムを塗工、乾燥した後に、上記成膜を行った前記シリコーン多孔体を、巻き取り直前に貼り合せることも可能である。なお、図示した製膜方式は、あくまで一例であり、これらに限定されない。
図1の断面図に、前記基材上に前記シリコーン多孔体を形成する方法における工程の一例を、模式的に示す。図1において、前記シリコーン多孔体の形成方法は、基材10上に、前記本発明のゲル粉砕物含有液20’’を塗工する塗工工程(1)、ゲル粉砕物含有液20’’を乾燥させて、前記シリコーン多孔体の前駆層である塗工膜20’を形成する塗工膜形成工程(乾燥工程)(2)、および、塗工膜20’に化学処理(例えば、架橋処理)をして、シリコーン多孔体20を形成する化学処理工程(例えば、架橋処理工程)(3)を含む。このようにして、図示のとおり、基材10上にシリコーン多孔体20を形成できる。なお、前記シリコーン多孔体の形成方法は、前記工程(1)〜(3)以外の工程を、適宜含んでいても良いし、含んでいなくても良い。
前記塗工工程(1)において、ゲル粉砕物含有液20’’の塗工方法は特に限定されず、一般的な塗工方法を採用できる。前記塗工方法としては、例えば、スロットダイ法、リバースグラビアコート法、マイクログラビア法(マイクログラビアコート法)、ディップ法(ディップコート法)、スピンコート法、刷毛塗り法、ロールコート法、フレキソ印刷法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、リバースコート法等が挙げられる。これらの中で、生産性、塗膜の平滑性等の観点から、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ロールコート法、マイクログラビアコート法等が好ましい。ゲル粉砕物含有液20’’の塗工量は、特に限定されず、例えば、多孔質構造(シリコーン多孔体)20の厚みが適切になるように、適宜設定可能である。多孔質構造(シリコーン多孔体)20の厚みは、特に限定されず、例えば、前述の通りである。
前記乾燥工程(2)において、ゲル粉砕物含有液20’’を乾燥し(すなわち、ゲル粉砕物含有液20’’に含まれる分散媒を除去し)、塗工膜(前駆層)20’を形成する。乾燥処理の条件は、特に限定されず、前述の通りである。
さらに、前記化学処理工程(3)において、塗工前に添加した前記触媒(例えば、光活性触媒、光触媒発生剤、熱活性触媒または熱触媒発生剤)を含む塗工膜20’に対し、光照射または加熱し、塗工膜(前駆体)20’中の前記粉砕物同士を化学的に結合させて(例えば、架橋させて)、シリコーン多孔体20を形成する。前記化学処理工程(3)における光照射または加熱条件は、特に限定されず、前述の通りである。
つぎに、図2に、スロットダイ法の塗工装置およびそれを用いた前記シリコーン多孔体の形成方法の一例を模式的に示す。なお、図2は、断面図であるが、見易さのため、ハッチを省略している。
図示のとおり、この装置を用いた方法における各工程は、基材10を、ローラによって一方向に搬送しながら行う。搬送速度は、特に限定されず、例えば、1〜100m/分、3〜50m/分、5〜30m/分である。
まず、送り出しローラ101から基材10を繰り出して搬送しながら、塗工ロール102において、基材に本発明のゲル粉砕物含有液20’’を塗工する塗工工程(1)を行い、続いて、オーブンゾーン110内で乾燥工程(2)に移行する。図2の塗工装置では、塗工工程(1)の後、乾燥工程(2)に先立ち、予備乾燥工程を行う。予備乾燥工程は、加熱をせずに、室温で行うことができる。乾燥工程(2)においては、加熱手段111を用いる。加熱手段111としては、前述のとおり、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等を適宜用いることができる。また、例えば、乾燥工程(2)を複数の工程に分け、後の乾燥工程になるほど乾燥温度を高くしても良い。
乾燥工程(2)の後に、化学処理ゾーン120内で化学処理工程(3)を行う。化学処理工程(3)においては、例えば、乾燥後の塗工膜20’が光活性触媒を含む場合、基材10の上下に配置したランプ(光照射手段)121で光照射する。または、例えば、乾燥後の塗工膜20’が熱活性触媒を含む場合、ランプ(光照射装置)121に代えて熱風器(加熱手段)を用い、基材10の上下に配置した熱風器121で基材10を加熱する。この架橋処理により、塗工膜20’中の前記粉砕物同士の化学的結合が起こり、シリコーン多孔体20が硬化・強化される。そして、化学処理工程(3)の後、基材10上にシリコーン多孔体20が形成された積層体を、巻き取りロール105により巻き取る。なお、図2では、前記積層体の多孔質構造20を、ロール106から繰り出される保護シートで被覆して保護している。ここで、前記保護シートに代えて、長尺フィルムから形成された他の層を多孔質構造20上に積層させても良い。
図3に、マイクログラビア法(マイクログラビアコート法)の塗工装置およびそれを用いた前記多孔質構造の形成方法の一例を模式的に示す。なお、同図は、断面図であるが、見易さのため、ハッチを省略している。
図示のとおり、この装置を用いた方法における各工程は、図2と同様、基材10を、ローラによって一方向に搬送しながら行う。搬送速度は、特に限定されず、例えば、1〜100m/分、3〜50m/分、5〜30m/分である。
まず、送り出しローラ201から基材10を繰り出して搬送しながら、基材10に本発明のゲル粉砕物含有液20’’を塗工する塗工工程(1)を行う。ゲル粉砕物含有液20’’の塗工は、図示のとおり、液溜め202、ドクター(ドクターナイフ)203およびマイクログラビア204を用いて行う。具体的には、液溜め202に貯留されているゲル粉砕物含有液20’’を、マイクログラビア204表面に付着させ、さらに、ドクター203で所定の厚さに制御しながら、マイクログラビア204で基材10表面に塗工する。なお、マイクログラビア204は、例示であり、これに限定されるものではなく、他の任意の塗工手段を用いても良い。
つぎに、乾燥工程(2)を行う。具体的には、図示のとおり、オーブンゾーン210中に、ゲル粉砕物含有液20’’が塗工された基材10を搬送し、オーブンゾーン210内の加熱手段211により加熱して乾燥する。加熱手段211は、例えば、図2と同様でも良い。また、例えば、オーブンゾーン210を複数の区分に分けることにより、乾燥工程(2)を複数の工程に分け、後の乾燥工程になるほど乾燥温度を高くしても良い。乾燥工程(2)の後に、化学処理ゾーン220内で、化学処理工程(3)を行う。化学処理工程(3)においては、例えば、乾燥後の塗工膜20’が光活性触媒を含む場合、基材10の上下に配置したランプ(光照射手段)221で光照射する。または、例えば、乾燥後の塗工膜20’が熱活性触媒を含む場合、ランプ(光照射装置)221に代えて熱風器(加熱手段)を用い、基材10の下方に配置した熱風器(加熱手段)221で、基材10を加熱する。この架橋処理により、塗工膜20’中の前記粉砕物同士の化学的結合が起こり、シリコーン多孔体20が形成される。
そして、化学処理工程(3)の後、基材10上にシリコーン多孔体20が形成された積層体を、巻き取りロール251により巻き取る。その後に、前記積層体上に、例えば、他の層を積層させてもよい。また、前記積層体を巻き取りロール251により巻き取る前に、前記積層体に、例えば、他の層を積層させてもよい。
なお、図4〜6に、本発明のシリコーン多孔体を形成する方法における連続処理工程の別の一例を示す。図4の断面図に示すとおり、この方法は、シリコーン多孔体20を形成する化学処理工程(例えば、架橋処理工程)(3)の後に、強度向上工程(エージング工程)(4)を行うこと以外は、図1〜3に示す方法と同じである。図4に示すとおり、強度向上工程(エージング工程)(4)においては、シリコーン多孔体20の強度を向上させ、強度が向上したシリコーン多孔体21とする。強度向上工程(エージング工程)(4)は、特に限定されないが、例えば前述のとおりである。
図5は、スロットダイ法の塗工装置およびそれを用いた前記シリコーン多孔体の形成方法の、図2と別の一例を示す模式図である。図示のとおり、この塗工装置は、化学処理工程(3)を行う化学処理ゾーン120の直後に、強度向上工程(エージング工程)(4)を行う強度向上ゾーン(エージングゾーン)130を有すること以外は、図2の装置と同じである。すなわち、化学処理工程(3)の後に、強度向上ゾーン(エージングゾーン)130内で強度向上工程(エージング工程)(4)を行い、シリコーン多孔体20の樹脂フィルム10に対する粘着ピール強度を向上させて、粘着ピール強度が向上したシリコーン多孔体21を形成する。強度向上工程(エージング工程)(4)は、例えば、基材10の上下に配置した熱風器(加熱手段)131を用いて、前述のようにシリコーン多孔体20を加熱することにより行っても良い。加熱温度、時間等は、特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。その後、図3と同様に、基材10上にシリコーン多孔体21が形成された積層フィルムを、巻き取りロール105により巻き取る。
図6は、マイクログラビア法(マイクログラビアコート法)の塗工装置およびそれを用いた前記多孔質構造の形成方法の、図3と別の一例を示す模式図である。図示のとおり、この塗工装置は、化学処理工程(3)を行う化学処理ゾーン220の直後に、強度向上工程(エージング工程)(4)を行う強度向上ゾーン(エージングゾーン)230を有すること以外は、図3の装置と同じである。すなわち、化学処理工程(3)の後に、強度向上ゾーン(エージングゾーン)230内で強度向上工程(エージング工程)(4)を行い、シリコーン多孔体20の樹脂フィルム10に対する粘着ピール強度を向上させて、粘着ピール強度が向上したシリコーン多孔体21を形成する。強度向上工程(エージング工程)(4)は、例えば、基材10の上下に配置した熱風器(加熱手段)231を用いて、前述のようにシリコーン多孔体20を加熱することにより行っても良い。加熱温度、時間等は、特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。その後、図3と同様に、基材10上にシリコーン多孔体21が形成された積層フィルムを、巻き取りロール251により巻き取る。
また、図7〜9に、本発明のシリコーン多孔体を形成する方法における連続処理工程の別の一例を示す。図7の断面図に示すとおり、この方法は、シリコーン多孔体20を形成する化学処理工程(例えば、架橋処理工程)(3)の後に、シリコーン多孔体20上に粘接着層30を塗工する粘接着層塗工工程(粘接着層形成工程)(4)、および、シリコーン多孔体20を粘着層30と反応させて中間層22を形成する中間層形成工程(5)を含む。これら以外は、図7〜9の方法は、図4〜6に示す方法と同じである。また、図7では、中間層形成工程(5)が、シリコーン多孔体20の強度を向上させる工程(強度向上工程)を兼ねており、中間層形成工程(5)の後に、シリコーン多孔体20が、強度の向上したシリコーン多孔体21に変化している。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、中間層形成工程(5)の後にシリコーン多孔体20が変化していなくても良い。粘接着層塗工工程(粘接着層形成工程)(4)および中間層形成工程(5)は、特に限定されないが、例えば前述のとおりである。
図8は、スロットダイ法の塗工装置およびそれを用いた前記シリコーン多孔体の形成方法の、さらに別の一例を示す模式図である。図示のとおり、この塗工装置は、化学処理工程(3)を行う化学処理ゾーン120の直後に、粘接着層塗工工程(4)を行う粘接着層塗工ゾーン130aを有すること以外は、図5の装置と同じである。同図において、粘接着層塗工ゾーン130aの直後に配置された中間層形成ゾーン(エージングゾーン)130は、基材10の上下に配置した熱風器(加熱手段)131により、図5の強度向上ゾーン(エージングゾーン)130と同様の加熱処理を行うことができる。すなわち、図8の装置では、化学処理工程(3)の後に、粘接着層塗工ゾーン130a内で、粘接着層塗工手段131aにより、シリコーン多孔体20上に粘着剤または接着剤を塗布(塗工)し、粘接着層30を形成する粘接着層塗工工程(粘接着層形成工程)(4)を行う。また、前述のとおり、粘着剤または接着剤の塗布(塗工)に代えて、粘接着層30を有する粘着テープ等の貼合(貼付)でも良い。さらに、中間層形成ゾーン(エージングゾーン)130内で中間層形成工程(エージング工程)(5)を行い、シリコーン多孔体20と粘着層30を反応させて中間層22を形成する。また、前述のとおり、この工程で、シリコーン多孔体20は、強度が向上したシリコーン多孔体21となる。熱風器(加熱手段)131による加熱温度、時間等は、特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。
図9は、マイクログラビア法(マイクログラビアコート法)の塗工装置およびそれを用いた前記多孔質構造の形成方法の、さらに別の一例を示す模式図である。図示のとおり、この塗工装置は、化学処理工程(3)を行う化学処理ゾーン220の直後に、粘接着層塗工工程(4)を行う粘接着層塗工ゾーン230aを有すること以外は、図6の装置と同じである。同図において、粘接着層塗工ゾーン230aの直後に配置された中間層形成ゾーン(エージングゾーン)230は、基材10の上下に配置した熱風器(加熱手段)231により、図6の強度向上ゾーン(エージングゾーン)230と同様の加熱処理を行うことができる。すなわち、図9の装置では、化学処理工程(3)の後に、粘接着層塗工ゾーン230a内で、粘接着層塗工手段231aにより、シリコーン多孔体20上に粘着剤または接着剤を塗布(塗工)し、粘接着層30を形成する粘接着層塗工工程(粘接着層形成工程)(4)を行う。また、前述のとおり、粘着剤または接着剤の塗布(塗工)に代えて、粘接着層30を有する粘着テープ等の貼合(貼付)でも良い。さらに、中間層形成ゾーン(エージングゾーン)230内で中間層形成工程(エージング工程)(5)を行い、シリコーン多孔体20と粘着層30を反応させて中間層22を形成する。また、前述のとおり、この工程で、シリコーン多孔体20は、強度が向上したシリコーン多孔体21となる。熱風器(加熱手段)231による加熱温度、時間等は、特に限定されないが、例えば、前述のとおりである。
[3.機能性多孔体]
本発明の機能性多孔体は、例えば、膜強度を示すベンコット(登録商標)による耐擦傷性が、60〜100%であり、可撓性を示すMIT試験による耐折回数が、100回以上であっても良いが、これには限定されない。
本発明の機能性多孔体は、例えば、前記多孔体ゲルの粉砕物を使用していることから、前記多孔体ゲルの三次元構造が破壊され、前記多孔体ゲルとは異なる新たな三次元構造が形成されている。このように、本発明の機能性多孔体は、前記多孔体ゲルから形成される層では得られない新たな孔構造(新たな空隙構造)が形成された層となったことで、空隙率が高いナノスケールの機能性多孔体を形成することができる。また、本発明の機能性多孔体は、例えば、前記機能性多孔体がシリコーン多孔体である場合、例えば、ケイ素化合物ゲルのシロキサン結合官能基数を調整しつつ、前記粉砕物同士を化学的に結合する。また、前記機能性多孔体の前駆体として新たな三次元構造が形成された後に、結合工程で化学結合(例えば、架橋)されるため、本発明の機能性多孔体は、例えば、前記機能性多孔体が機能性多孔体である場合、空隙を有する構造であるが、十分な強度と可撓性とを維持できる。したがって、本発明によれば、容易且つ簡便に、機能性多孔体を、様々な対象物に付与することができる。具体的には、本発明の機能性多孔体は、例えば、空気層に代えて、断熱材、吸音材、再生医療用足場材、結露防止材、光学部材等として使用できる。
本発明の機能性多孔体は、例えば、前述のように多孔体ゲルの粉砕物を含み、前記粉砕物同士が化学的に結合している。本発明の機能性多孔体において、前記粉砕物同士の化学的な結合(化学結合)の形態は、特に制限されず、前記化学結合の具体例は、例えば、架橋結合等が挙げられる。なお、前記粉砕物同士を化学的に結合させる方法は、後述する前記機能性多孔体の製造方法において、詳細を述べる。
前記架橋結合は、例えば、シロキサン結合である。シロキサン結合は、例えば、以下に示す、T2の結合、T3の結合、T4の結合が例示できる。本発明のシリコーン多孔体がシロキサン結合を有する場合、例えば、いずれか一種の結合を有してもよいし、いずれか二種の結合を有してもよいし、三種全ての結合を有してもよい。前記シロキサン結合のうち、T2およびT3の比率が多いほど、可撓性に富み、ゲル本来の特性を期待できるが、膜強度が脆弱になる。一方で、前記シロキサン結合のうちT4比率が多いと、膜強度と発現しやすいが、空隙サイズが小さくなり、可撓性が脆くなる。このため、例えば、用途に応じて、T2、T3、T4比率を変えることが好ましい。
Figure 2017132968
本発明の機能性多孔体が前記シロキサン結合を有する場合、T2、T3およびT4の割合は、例えば、T2を「1」として相対的に表した場合、T2:T3:T4=1:[1〜100]:[0〜50]、1:[1〜80]:[1〜40]、1:[5〜60]:[1〜30]である。
また、本発明の機能性多孔体は、例えば、含まれるケイ素原子がシロキサン結合していることが好ましい。具体例として、前記シリコーン多孔体に含まれる全ケイ素原子のうち、未結合のケイ素原子(つまり、残留シラノール)の割合は、例えば、50%未満、30%以下、15%以下、である。
本発明の機能性多孔体は、孔構造を有しており、孔の空隙サイズは、空隙(孔)の長軸の直径および短軸の直径のうち、前記長軸の直径を指すものとする。空孔サイズは、例えば、5nm〜200nmである。前記空隙サイズは、その下限が、例えば、5nm以上、10nm以上、20nm以上であり、その上限が、例えば、1000μm以下、500μm以下、100μm以下であり、その範囲が、例えば、5nm〜1000μm、10nm〜500μm、20nm〜100μmである。空隙サイズは、空隙構造を用いる用途に応じて好ましい空隙サイズが決まるため、例えば、目的に応じて、所望の空隙サイズに調整する必要がある。空隙サイズは、例えば、以下の方法により評価できる。
(空隙サイズの評価)
本発明において、前記空隙サイズは、BET試験法により定量化できる。具体的には、比表面積測定装置(マイクロメリティック社製:ASAP2020)のキャピラリに、サンプル(本発明の機能性多孔体)を0.1g投入した後、室温で24時間、減圧乾燥を行って、空隙構造内の気体を脱気する。そして、前記サンプルに窒素ガスを吸着させることで吸着等温線を描き、細孔分布を求める。これによって、空隙サイズが評価できる。
本発明の機能性多孔体は、例えば、膜強度を示すベンコット(登録商標)による耐擦傷性が、60〜100%である。本発明は、例えば、このような膜強度を有することから、各種プロセスでの耐擦傷性に優れる。本発明は、例えば、前記機能性多孔体を製膜した後の巻き取りおよび製品フィルムを取り扱う際の生産プロセス内での、耐キズ付き性を有する。また一方で、本発明の機能性多孔体は、例えば、空隙率を減らす代わりに、後述する加熱工程での触媒反応を利用して、前記ケイ素化合物ゲルの粉砕物の粒子サイズ、および前記粉砕物同士が結合したネック部の結合力を上げることができる。これにより、本発明の機能性多孔体は、例えば、本来脆弱である空隙構造に、一定レベルの強度を付与することができる。
前記耐擦傷性は、その下限が、例えば、60%以上、80%以上、90%以上であり、その上限が、例えば、100%以下、99%以下、98%以下であり、その範囲が、例えば、60〜100%、80〜99%、90〜98%である。
前記耐擦傷性は、例えば、以下のような方法により測定できる。
(耐擦傷性の評価)
(1) アクリルフィルムに塗工・成膜をした空隙層(本発明の機能性多孔体)を、直径15mm程度の円状にサンプリングする。
(2) 次に、前記サンプルについて、蛍光X線(島津製作所社製:ZSX PrimusII)でケイ素を同定して、Si塗布量(Si)を測定する。つぎに、前記アクリルフィルム上の前記空隙層について、前述のサンプリングした近傍から、50mm×100mmに前記空隙層をカットし、これをガラス板(厚み3mm)に固定した後、ベンコット(登録商標)摺動試験を行う。摺動条件は、重り100g、10往復とする。
(3) 摺動を終えた前記空隙層から、前記(1)と同様にサンプリングおよび蛍光X測定を行うことで、擦傷試験後のSi残存量(Si)を測定する。耐擦傷性は、ベンコット(登録商標)試験前後のSi残存率(%)で定義し、以下の式で表される。
耐擦傷性(%)=[残存したSi量(Si)/Si塗布量(Si)]×100(%)
本発明のシリコーン多孔体は、例えば、可撓性を示すMIT試験による耐折回数が、100回以上である。本発明は、例えば、このような可撓性を有することから、例えば、製造時における巻き取りや使用時等における取扱い性に優れる。
前記耐折回数は、その下限が、例えば、100回以上、500回以上、1000回以上であり、その上限が、特に制限されず、例えば、10000回以下であり、その範囲が、例えば、100〜10000回、500〜10000回、1000〜10000回である。
前記可撓性は、例えば、物質の変形のし易さを意味する。前記MIT試験による耐折回数は、例えば、以下のような方法により測定できる。
(耐折試験の評価)
前記空隙層(本発明の機能性多孔体)を、20mm×80mmの短冊状にカットした後、MIT耐折試験機(テスター産業社製:BE−202)に取り付け、1.0Nの荷重をかける。前記空隙層を抱き込むチャック部は、R2.0mmを使用し、耐折回数を最大10000回行い、前記空隙層が破断した時点の回数を耐折回数とする。
本発明の機能性多孔体において、空隙率を示す膜密度は、特に制限されず、その下限が、例えば、1g/cm以上、5g/cm以上、10g/cm以上、15g/cm以上であり、その上限が、例えば、50g/cm以下、40g/cm以下、30g/cm以下、2.1g/cm以下であり、その範囲が、例えば、5〜50g/cm、10〜40g/cm、15〜30g/cm、1〜2.1g/cmである。
前記膜密度は、例えば、以下のような方法により測定できる。
(膜密度の評価)
アクリルフィルムに空隙層(本発明の機能性多孔体)を形成した後、X線回折装置(RIGAKU社製:RINT−2000)を用いて全反射領域のX線反射率を測定した。Intensityと2θのフィッティグを行った後に、空隙層・基材の全反射臨界角から空孔率(P%)を算出した。膜密度は以下の式で表すことができる。
膜密度(%)=100(%)−空孔率(P%)
本発明の機能性多孔体は、前述のように孔構造(多孔質構造)を有していればよく、例えば、前記孔構造が連続した連泡構造体であってもよい。前記連泡構造体とは、例えば、前記機能性多孔体において、三次元的に、孔構造が連なっていることを意味し、前記孔構造の内部空隙が連続している状態ともいえる。多孔質体が連泡構造を有する場合、これにより、バルク中に占める空隙率を高めることが可能であるが、中空シリカのような独泡粒子を使用する場合は、連泡構造を形成できない。これに対して、本発明の機能性多孔体は、ゾル粒子(ゾルを形成する多孔体ゲルの粉砕物)が三次元の樹状構造を有するために、塗工膜(前記多孔体ゲルの粉砕物を含むゾルの塗工膜)中で、前記樹状粒子が沈降・堆積することで、容易に連泡構造を形成することが可能である。また、本発明の機能性多孔体は、より好ましくは、連泡構造が複数の細孔分布を有するモノリス構造を形成することが好ましい。前記モノリス構造は、例えば、ナノサイズの微細な空隙が存在する構造と、同ナノ空隙が集合した連泡構造として存在する階層構造を指すものとする。前記モノリス構造を形成する場合、例えば、微細な空隙で膜強度を付与しつつ、粗大な連泡空隙で高空隙率を付与し、膜強度と高空隙率とを両立することができる。それらのモノリス構造を形成するには、例えば、まず、前記粉砕物に粉砕する前段階の前記多孔体ゲルにおいて、生成する空隙構造の細孔分布を制御することが重要である。また、例えば、前記多孔体ゲルを粉砕する際、前記粉砕物の粒度分布を、所望のサイズに制御することで、前記モノリス構造を形成させることができる。
本発明の機能性多孔体において、柔軟性を示す引き裂きクラック発生伸び率は、特に制限されず、その下限が、例えば、0.1%以上、0.5%以上、1%以上であり、その上限が、例えば、3%以下である。前記引き裂きクラック発生伸び率の範囲は、例えば、0.1〜3%、0.5〜3%、1〜3%である。
前記引き裂きクラック発生伸び率は、例えば、以下のような方法により測定できる。
(引き裂きクラック発生伸び率の評価)
アクリルフィルムに空隙層(本発明の機能性多孔体)を形成した後に、5mm×140mmの短冊状にサンプリングを行う。次に、前記サンプルを引っ張り試験機(島津製作所社製:AG−Xplus)に、チャック間距離が100mmになるようにチャッキングした後に、0.1mm/sの引張速度で引っ張り試験を行う。試験中の前記サンプルを、注意深く観察し、前記サンプルの一部にクラックが入った時点で試験を終了し、クラックが入った時点の伸び率(%)を、引き裂きクラック発生伸び率とする。
本発明の機能性多孔体において、透明性を示すヘイズは、特に制限されず、その下限が、例えば、0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上であり、その上限が、例えば、10%以下、5%以下、3%以下であり、その範囲が、例えば、0.1〜10%、0.2〜5%、0.3〜3%である。
前記ヘイズは、例えば、以下のような方法により測定できる。
(ヘイズの評価)
空隙層(本発明の機能性多孔体)を50mm×50mmのサイズにカットし、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所社製:HM−150)にセットしてヘイズを測定する。ヘイズ値については、以下の式より算出を行う。
ヘイズ(%)=[拡散透過率(%)/全光線透過率(%)]×100(%)
前記屈折率は、一般に、真空中の光の波面の伝達速度と、媒質内の伝播速度との比を、その媒質の屈折率という。本発明のシリコーン多孔体の屈折率は、特に制限されず、その上限が、例えば、1.3以下、1.3未満、1.25以下、1.2以下、1.15以下であり、その下限が、例えば、1.05以上、1.06以上、1.07以上であり、その範囲が、例えば、1.05以上1.3以下、1.05以上1.3未満、1.05以上1.25以下、1.06以上〜1.2未満、1.07以上〜1.15以下である。
本発明において、前記屈折率は、特に断らない限り、波長550nmにおいて測定した屈折率をいう。また、屈折率の測定方法は、特に限定されず、例えば、下記の方法により測定できる。
(屈折率の評価)
アクリルフィルムに空隙層(本発明の機能性多孔体)を形成した後に、50mm×50mmのサイズにカットし、これを粘着層でガラス板(厚み:3mm)の表面に貼合する。前記ガラス板の裏面中央部(直径20mm程度)を黒マジックで塗りつぶして、前記ガラス板の裏面で反射しないサンプルを調製する。エリプソメーター(J.A.Woollam Japan社製:VASE)に前記サンプルをセットし、500nmの波長、入射角50〜80度の条件で、屈折率を測定し、その平均値を屈折率とする。
本発明の機能性多孔体の厚みは、特に制限されず、その下限が、例えば、0.05μm以上、0.1μm以上であり、その上限が、例えば、1000μm以下、100μm以下であり、その範囲が、例えば、0.05〜1000μm、0.1〜100μmである。
本発明の機能性多孔体の形態は、特に制限されず、例えば、フィルム形状でもよいし、ブロック形状等でもよい。
本発明の機能性多孔体の製造方法は、特に制限されないが、例えば、以下に示す前記機能性多孔体の製造方法により製造することができる。
[4.機能性多孔体の用途]
前記本発明のゲル粉砕物含有液を用いて製造される前記機能性多孔体は、前述のように、空気層と同様の機能を奏することから、前記空気層を有する対象物に対して、前記空気層に代えて利用することができる。
前記機能性多孔体を含む部材としては、例えば、断熱材、吸音材、結露防止材、光学部材等が挙げられる。これらの部材は、例えば、空気層が必要な個所に配置することで使用できる。これらの部材の形態は、特に制限されず、例えば、フィルムでもよい。
また、前記機能性多孔体を含む部材としては、例えば、再生医療用足場材が挙げられる。前述のように前記機能性多孔体は、空気層と同様の機能を発揮する多孔構造を有している。前記機能性多孔体の空隙は、例えば、細胞、栄養源、空気等の保持に適していることから、前記多孔質構造は、例えば、再生医療用の足場として有用である。
前記機能性多孔体を含む部材としては、これらの他に、例えば、全反射部材、インク受像材、単層AR(減反射)、単層モスアイ(moth eye)、誘電率材等があげられる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。
[実施例1]
まず、ケイ素化合物のゲル化(下記工程(1))および熟成工程(下記工程(2))を行ない、多孔質構造を有するゲル(シリコーン多孔体)を製造した。この参考例の工程は、本発明のゲル粉砕物含有液の製造方法における前記「ゲル製造工程」に相当する。ただし、本発明において、前記熟成工程は、前述のとおり、任意である。さらにその後、下記(3)形態制御工程、(4)溶媒置換工程、(5)濃度測定(濃度管理)および濃度調整工程、(6)粉砕工程を行ない、ゲル粉砕物含有液を得た。なお、本実施例では、下記のとおり、下記(3)形態制御工程を、下記工程(1)とは別の工程として行なった。しかし、本発明は、これに限定されず、例えば、下記(3)形態制御工程を、下記工程(1)中に行なっても良い。
(1)ケイ素化合物のゲル化
DMSO 22kgに、ケイ素化合物の前駆体であるMTMSを9.5kg溶解させた。前記混合液に、0.01mol/Lのシュウ酸水溶液を5kg添加し、室温で120分、撹拌を行うことでMTMSを加水分解して、トリス(ヒドロキシ)メチルシランを生成した。
DMSO 55kgに、28%濃度のアンモニア水3.8kg、および純水2kgを添加した後、さらに、前記加水分解処理した前記混合液を追添し、室温で60分撹拌した。60分撹拌後の液を、長さ30cm×幅30cm×高さ5cmのステンレス容器中に流し込んで室温で静置することにより、トリストリス(ヒドロキシ)メチルシランのゲル化を行い、ゲル状ケイ素化合物を得た。
(2)熟成工程
前記ゲル化処理を行なって得られた、ゲル状ケイ素化合物を40℃で20時間インキュベートして、熟成処理を行ない、前記直方体形状の塊のゲルを得た。このゲルは、原料中におけるDMSO(沸点130℃以上の高沸点溶媒)の使用量が、原料全体の約83重量%であったことから、沸点130℃以上の高沸点溶媒を50重量%以上含んでいることが明らかであった。また、このゲルは、原料中におけるMTMS(ゲルの構成単位であるモノマー)の使用量が、原料全体の約8重量%であったことから、ゲルの構成単位であるモノマー(MTMS)の加水分解により発生する沸点130℃未満の溶媒(この場合はメタノール)の含有量は、20重量%以下であることが明らかであった。
(3)形態制御工程
前記工程(1)(2)によって前記30cm×30cm×5cmのステンレス容器中で合成されたゲル上に、置換溶媒であるイソブチルアルコールを流し込んだ。つぎに、前記ステンレス容器中でゲルに対して上部から切断用治具の切断刃をゆっくり挿入し、ゲルを1.5cm×2cm×5cmのサイズの直方体に切断した。
(4)溶媒置換工程
さらに、切断したゲルを別容器に移し、ゲルの形状を崩さないようにしながら、イソブチルアルコールを体積比でゲルの4倍量投入し、6h静置したあと溶媒を入れ替える溶媒置換を4回行なった。
(5)濃度測定(濃度管理)および濃度調整工程
前記(3)の溶媒置換工程後、前記ブロック状のゲルを取出し、ゲルの周囲に付着する溶媒を除去した。その後、重量乾燥法にて一つのゲルブロックに占める固形分濃度を測定した。この時、測定値の再現性をとるために、ランダムに取り出した6つのブロックで測定を行ない、その平均値と値のバラつきを算出した。この時のゲル中固形分の濃度(ゲル濃度)の平均値は5.20重量%であり、6つのゲルにおける前記ゲル濃度の値のバラつきは±0.1%以内であった。この測定値を元にゲル固形分の濃度(ゲル濃度)が約3.0重量%になるようにイソブチルアルコール溶媒を添加して調整した。
(6)粉砕工程
前記(4)濃度測定(濃度管理)および濃度調整工程後の前記ゲル(ゲル状ケイ素化合物)に対して、第1の粉砕段階で連続式乳化分散(太平洋機工社製、マイルダーMDN304型)、第2の粉砕段階で高圧メディアレス粉砕(スギノマシン社製、スターバーストHJP−25005型)の2段階で粉砕を行なった。この粉砕処理は、前記溶媒置換されたゲル状ケイ素化合物を溶媒含有したゲル43.4kgに対しイソブチルアルコール26.6kgを追加、秤量した後、第1の粉砕段階は循環粉砕にて20分間、第2の粉砕段階は粉砕圧力100MPaの粉砕を行なった。このようにして、ナノメートルサイズの粒子(前記ゲルの粉砕物)が分散したイソブチルアルコール分散液(ゲル粉砕物含有液)を得た。
また、前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)後、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)前に、前記液(高粘度ゲル粉砕液)の固形分濃度(ゲル濃度)を測定したところ、3.01重量%であった。前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)後、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)前において、前記ゲルの粉砕物の体積平均粒子径は3〜5μmであり、前記液のせん断粘度は4,000mPa・sであった。このときの高粘度ゲル粉砕液は高粘度のため固液分離せず、均一液としての取り扱いが可能であったため、前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)後の測定値をそのまま採用した。さらに、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後において、前記ゲルの粉砕物の体積平均粒子径は250〜350nmであり、前記液のせん断粘度は5m〜10mPa・sであった。さらに、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後において、再度、前記液(ゲル粉砕物含有液)の固形分濃度(ゲル濃度)を測定したところ、3.01重量%であり、前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)後と変化していなかった。
なお、本実施例において、前記第1の粉砕段階後および前記第2の粉砕段階後における前記ゲルの粉砕物(ゾル粒子)の平均粒子径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計(日機装社製、商品名UPA−EX150型)にて確認した。また、本実施例において、前記第1の粉砕段階後および前記第2の粉砕段階後における前記液のせん断粘度は、振動式粘度測定機(セコニック社製、商品名FEM−1000V)にて確認した。以下の各実施例および比較例においても同様である。
また、前記第1の粉砕工程(粗粉砕工程)後に、前記ゲル粉砕物含有液の固形分(ゲル)において、構成単位モノマーの官能基(シラノール基)のうち、ゲル内架橋構造に寄与していない官能基(残存シラノール基)の割合を測定(算出)したところ、11mol%という測定値が得られた。なお、前記ゲル内架橋構造に寄与していない官能基(残存シラノール基)の割合は、ゲルを乾燥後、固体NMR(Si-NMR)を測定し、NMRのピーク比から架橋構造に寄与していない残存シラノール基の割合を算出する方法により測定した。
[実施例2]
実施例1記載の前記(3)形態制御工程を前記(1)のゲル合成工程(ケイ素化合物のゲル化)と同時に行なった。実施例(1)に記載の混合溶液を、長さ2cm×幅3cm×高さ5cmの直方体の仕切りが並んだステンレス容器中に流し込み(1)ゲル化および(2)熟成工程を行ない、前記直方体形状の塊のゲルを得た。その塊のゲルを、切断せずに容器の各仕切り中から取出しそのまま次の(4)溶媒置換工程に供した。これら以外は実施例1と同様にしてゲル粉砕物含有液を製造した。
[比較例1]
実施例1記載の前記(4)溶媒置換工程後に前記(5)の濃度調整工程を行なわず、ゲル中固形分の濃度(ゲル濃度)の平均値が5.20重量%のままで、前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)を行なった。その結果、前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)中に液が高粘度になりすぎて粉砕が不十分となり、5mmサイズ以上のゲル塊を目視で確認した。さらに濃度調整をするために前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)後に溶媒を添加したところ、固液分離が起こり均一液として取り扱えず濃度測定が行なえなかった。
[比較例2]
実施例1記載の前記(5)濃度測定(濃度管理)および濃度調整工程において、ゲル固形分の濃度(ゲル濃度)を、約3.0重量%に代えて約1.0重量%となるように調整した。その後、実施例1と同様の方法で、前記(6)粉砕工程における前記第1の粉砕段階(粗粉砕工程)および前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)を行ない、ゲル粉砕物含有液を得た。そして、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後に、高空隙層の塗膜厚みを上げる目的で真空脱気および加熱による溶媒除去でゲル粉砕物含有液の濃度UP(濃度調整)を実施したところ、粒子の凝集が確認され、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後の液中で粒子固体の沈殿が確認された。
実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2の結果を、下記表1にまとめて示す。下記表1に示すとおり、前記溶媒置換工程後、最初の粉砕段階開始前に、前記ゲルを含む液の濃度調整(濃度調整工程)を行ない、最初の粉砕段階(前記第1の粉砕段階)開始時以降において、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なわなかった実施例1および2では、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後に得られたゲル粉砕物含有液の均一性が極めて優れていた。これに対し、前記ゲルを含む液の濃度を適切に調整しなかった比較例1では、前述のとおり、前記液が高粘度になりすぎて粉砕が不十分となり、ゲル濃度の測定も行なえなかった。また、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後にゲル粉砕物含有液の濃度UP(濃度調整)を実施した比較例2では、前述のとおり、前記第2の粉砕段階(ナノ粉砕工程)後の液中で粒子固体の沈殿が起こり、均一なゲル粉砕物含有液が得られなかった。
Figure 2017132968
以上、説明したとおり、本発明によれば、工業レベルの大量生産においても、均一性が極めて優れた高空隙構造を形成可能なゲル粉砕物含有液の製造方法を提供可能である。本発明のゲル粉砕物含有液を用いれば、例えば、前記粉砕物同士を化学的に結合させることで、多孔質構造が固定化されるため、得られる多孔質構造は、空隙を有する構造であるが、十分な強度を維持できる。このため、前記多孔質構造は、容易且つ簡便に、機能性多孔体を、様々な対象物に付与することができる。具体的には、前記多孔質構造は、例えば、空気層に代えて、断熱材、吸音材、再生医療用足場材、結露防止材、光学部材等の広範な分野において、産業上利用可能である。
10 基材
20 多孔質構造
20’ 塗工膜(前駆層)
20’’ ゲル粉砕物含有液
21 強度が向上した多孔質構造
101 送り出しローラ
102 塗工ロール
110 オーブンゾーン
111 熱風器(加熱手段)
120 化学処理ゾーン
121 ランプ(光照射手段)または熱風器(加熱手段)
130a 粘接着層塗工ゾーン
130 強度向上ゾーン、中間層形成ゾーン
131a 粘接着層塗工手段
131 熱風器(加熱手段)105 巻き取りロール
106 ロール
201 送り出しローラ
202 液溜め
203 ドクター(ドクターナイフ)
204 マイクログラビア
210 オーブンゾーン
211 加熱手段
220 化学処理ゾーン
221 ランプ(光照射手段)または熱風器(加熱手段)
230a 粘接着層塗工ゾーン
230 強度向上ゾーン、中間層形成ゾーン
231a 粘接着層塗工手段
231 熱風器(加熱手段)
251 巻き取りロール

Claims (9)

  1. ゲルを製造するゲル製造工程と、
    前記ゲル中の溶媒を他の溶媒に置換する溶媒置換工程と、
    前記ゲルを前記他の溶媒中で粉砕するゲル粉砕工程と、
    を含む、ゲル粉砕物含有液の製造方法であって、
    前記粉砕工程を、複数の粉砕段階に分けて行ない、
    さらに、前記溶媒置換工程後、最初の粉砕段階開始前に、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なう濃度調整工程を含み、
    最初の粉砕段階開始時以降において、前記ゲルを含む液の濃度調整を行なわないことを特徴とする製造方法。
  2. 前記複数の粉砕段階が、前記ゲルを粉砕するための第1の粉砕段階および第2の粉砕段階を含み、
    前記第1の粉砕段階は、前記ゲルを粉砕して体積平均粒子径0.5〜100μmの粒子とする段階であり、
    前記第2の粉砕段階は、前記第1の粉砕工程後に、前記粒子をさらに粉砕して体積平均粒子径10〜1000nmの粒子とする段階である、
    請求項1記載の製造方法。
  3. 前記第1の粉砕段階後において、前記粒子を含む液のせん断粘度が50mPa・s以上であり、前記粒子の体積平均粒子径が0.5〜50μmである請求項2記載の製造方法。
  4. 前記濃度調整工程において、前記ゲルを含む液のゲル濃度を、1〜5重量%に調整する請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記ゲル粉砕工程において、最初の粉砕段階開始直前から最後の粉砕段階終了直後までにおける、前記ゲルを含む液の重量%濃度変化が、±3%以内である請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. さらに、前記溶媒置換工程に先立ち、前記ゲルの形状および大きさを制御するゲル形態制御工程を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記ゲル形態制御工程において、前記ゲルを、短径0.5cm以上であり長径30cm以下である立体に制御する請求項6記載の製造方法。
  8. 前記ゲル形態制御工程において、前記ゲルを、短辺が0.5cm以上であり長辺が30cm以下である直方体に制御する請求項6記載の製造方法。
  9. 最初の粉砕段階終了後、最後の粉砕段階終了前に、前記ゲルを含む液のゲル濃度を測定し、前記ゲル濃度が所定の数値範囲内である前記液のみをその後の粉砕段階に供する請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法。
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