以下において、軌道200の下方の地山400に小断面ボックスカルバート310を挿入して地下横断構造物300を構築するための刃口ユニット10及び刃口ユニット10を用いた地盤切削ボックス挿入工法について、図1乃至図12とともに説明する。
図1は軌道200の下方に構築する地下横断構造物300についての概略斜視図を示し、図2は同状態の概略縦断面図を示している。なお、図2は、複線の軌道200の中間部分、つまり挿入方向Xの中間部分を省略して図示している。また、本明細書において、上述の小断面ボックスカルバート310の長手方向X、並びに小断面ボックスカルバート310の挿入方向Xは同じ方向であるため、同じ符号Xで示している。また、挿入方向Xの前方を先端側とし、挿入方向Xの後方を後端側としている。さらに、機長とは、刃口本体部21において、挿入方向Xに沿う方向の長さである。
図3、図4は刃口ユニット10の説明図を示し、図5は地盤切削ボックス挿入工法について説明する概略正面図を示し、図6は地盤切削ボックス挿入システム1のブロック図を示し、図7は地盤切削ボックス挿入工法のフローチャートを示し、図8、図9は刃口姿勢制御の説明図を示し、図10は別の地盤切削ボックス挿入工法のフローチャートを示し、図11は矩形の到達立坑420bの説明図を示し、図12は円形の到達立坑420bの説明図を示している。
詳しくは、図3(a)は、小断面ボックスカルバート310の先端に刃口ユニット10を装着した状態の平面図を示し、図3(b)は同状態の平面方向断面図を示し、図3(c)は同状態の概略正面図を示している。
また、図4(a)は、小断面ボックスカルバート310の先端に刃口ユニット10を装着した状態の概略斜視図を示し、図4(b)は、刃口ユニット10を各部材ごとに分割した分割した状態の分割斜視図を示し、図4(c)は、刃口ユニット10の各部材を各要素ごとに分割した分割した状態の分割斜視図を示している。
また、図8(a)はアダプタ部30を挿入方向Xに伸長した状態の刃口ユニット10の正面図を示し、図8(b)は刃口20を上向きに姿勢制御した状態の正面図を示し、図8(c)は刃口20を下向きに姿勢制御した状態の正面図を示している。
さらに、図9(a)はアダプタ部30を挿入方向Xに伸長した状態の刃口ユニット10の平面図を示し、図9(b)は刃口20を右向きに姿勢制御した状態の平面図を示し、図9(c)は刃口20を左向きに姿勢制御した状態の平面図を示している。
図11(a)は刃口ユニット10を分割して搬出可能な矩形の到達立坑420bの平面図を示し、図11(b)は分割できない刃口ユニット10aを搬出可能な矩形の到達立坑420bの平面図を示し、図12(a)は刃口ユニット10を分割して搬出可能な円形の到達立坑420bの平面図を示し、図12(b)は分割できない刃口ユニット10aを搬出可能な円形の到達立坑420bの平面図を示している。なお、図3(b)、図5、図8(b)、(c)、図9(b)、(c)、図11、及び図12では土砂侵入防止板54の図示を省略している。
小断面ボックスカルバート310を挿入して、下方に地下横断構造物300を構築する軌道200は、図1及び図2に示すように、地山400の上部に、路床401aと路盤401bとを盛土して盛土部401を構成し、盛土部401の上にバラスト402を締め固め、枕木202を長手方向に等間隔で載置し、枕木202の上に軌条201を固定して構成している。
軌道200を横断する方向X(図2において左右方向)に構築する地下横断構造物300は、上床部300aが所定の土被りとなる位置で、地山400に構築される矩形断面のボックスである。なお、図1及び図2では内側表面や端部がむき出したままの地下横断構造物300を図示しているが、地下横断構造物300の用途に応じて、地下横断構造物300の内部空間300bや端部に舗装やコンクリートを構築したり、化粧版を設置して地下横断構造物300を完成させてもよい。
このように、地下横断構造物300は、図2に示すように軌道200の横断方向両側に予め建て込んだ土留め壁(図示省略)を用いて掘り下げて構築した立坑420(発進立坑420a,到達立坑420b)間の軌道200の下方の地山400を貫通する構造物である。
そして、地下横断構造物300は、図1及び図2に示すように、正面視横長四角形状に配置した矩形中空断面の小断面ボックスカルバート310を挿入方向Xに複数連結して、挿入方向Xに貫通する内部空間300bを内部に有するトンネル構造として構築している。
小断面ボックスカルバート310は、略四角形型に形成され、断面矩形枠状のプレキャストコンクリート製であり、所定の長さに形成している。そして、所定の長さに形成した小断面ボックスカルバート310を複数、長手方向(挿入方向)Xに配置し、接続部材(図示省略)で接続して、地下横断構造物300を構成している。
このような構成の小断面ボックスカルバート310は、図3,4,5に示すような刃口ユニット10を、長手方向Xの先端側の小断面ボックスカルバート310の先端に装着し、刃口ユニット10を構成する先端側の刃口20の内部で掘削作業員が掘削する人力掘削によって、刃口20の前方の地山400を掘削しながら、発進立坑420aから基押しジャッキ80で推進して地山400に挿入する。
刃口ユニット10は、図3に示すように、刃口20と、小断面ボックスカルバート310の先端と刃口20とを連結するアダプタ部30とで構成している。
刃口20は、小断面ボックスカルバート310と略同じ外形を有する側面視略正方形の外殻状である刃口本体部21と、刃口本体部21の上面が前方(図4(a)において左方向)に突出する板状の刃先板22と、刃先板22の前方において刃先板22に対して平行に循環するワイヤーソー23を駆動するワイヤーソー装置24とで構成している。
刃口本体部21における先端側は、刃先板22の下方において、下向きに後方に向かって傾斜する正面視略台形状に形成している。
詳しくは、刃口本体部21は、底面部21aと、底面部21aより挿入方向Xの先端側に長い上面部21bと、底面部21aと上面部21bとを連結する正面視略台形状の側面部21cとで、側面視矩形状に構成している。
また、底面部21aの挿入方向Xの先端側には、図3(c)a部拡大図に示すように、挿入方向Xの先端側に向かって上方に傾斜するテーパ面部21aaを設けている。
さらに、テーパ面部21aaの先端において、複数の調整ブロック25を脱着可能に備えている。調整ブロック25は、先端側に向かって下方に傾斜する下向き傾斜面を有する正面視楔型であり、上向きに傾斜するテーパ面部21aaの先端に対して着脱可能に取り付けられる。
そして、ワイヤーソー装置24は刃口本体部21の内部及び後述するアダプタ部30の内部を跨いで配置され、刃先板22の幅方向外側の少し前方には、ワイヤーソー装置24で回転駆動するワイヤーソー23の方向を変換する回転プーリー23aを備えている。
平面視左側の回転プーリー23aの前方には、傾斜センサ91を備えている。
なお、ワイヤーソー23及びワイヤーソー装置24についての詳しい構成は、出願人らによって出願された発明(特開2010―174542号公報)に開示されているため、詳細な説明を省略する。また、ワイヤーソー装置24は、後述する地盤切削ボックス挿入システム1の制御部70(図6参照)に接続され、制御部70によって駆動制御するように構成している。
このように構成された刃口本体部21は、複数の刃口分割部材210を構成している。
詳述すると、刃口本体部21を構成する刃口分割部材210は、図4(c)に示すように、上面部21bと側面部21cの上部における挿入方向Xの先端側を構成する先端側上部刃口分割部材211(211a,211b)、上面部21bと側面部21cの上部における挿入方向Xの後端側を構成する後端側上部刃口分割部材212(212a,212b)、及び底面部21aと側面部21cの下部を構成する下部刃口分割部材213(213a,213b)とで構成されている。
また、刃口分割部材210(211,212,213)は、断面形状における角部を跨ぐ側面視L型部材であり、挿入方向Xに対して平面視左右方向に分割可能に、左右それぞれの部材があり、各部材には対向面にフランジを設けて、フランジ同士を対向させて組み付け可能に構成している。
なお、刃口分割部材210は上述したように6種類あり、これらをボルト接合して刃口本体部21を構成している。また、内面側には、挿入方向X及び断面方向のリブやフランジを設けて所要の強度を有している。
刃口20とともに、刃口ユニット10を構成するアダプタ部30は、刃口本体部21の後端側に装着される刃口側櫛形アダプタ部40と、小断面ボックスカルバート310の先端に装着される部材側アダプタ部50と、これらを伸縮自在に連結する連結ジャッキ60とで構成している。
刃口側櫛形アダプタ部40は、刃口本体部21と同じ側面形状かつ外殻状であり、連結ジャッキ60の先端側を枢動可能に取り付けるジャッキ支持部42(図3(b)参照)を備えている。なお、ジャッキ支持部42は、側面視略正方形状の刃口側櫛形アダプタ部40における隅角部付近のそれぞれに配置している。
また、刃口側櫛形アダプタ部40は、先端側に、部材側アダプタ部50に向かって、つまり挿入方向Xの後端側に向かって突出する凸部411が外面に沿って複数配置されるとともに、隣り合う刃口側凸部411同士の間に凹部412が形成されている。なお、側面視四角形状の角部には刃口側凸部411が配置されるように、外面に沿って、刃口側凸部411と刃口側凹部412とが順に配置されている。
また、刃口側凸部411は先端側に向かって(挿入方向Xの後端側に向かって)、先細りとなる等脚台形状に形成するとともに、突出方向に向かって板厚が徐々に薄肉化する先薄形状である。
また、刃口側凸部411の先端部には、先端(挿入方向Xの後端側)に向かって板厚が徐々に薄肉化する傾斜面による開先部411aが形成されている。さらには、図8(a)のb部の内面側の拡大図に示すように、刃口側凸部411の先端には、先端側(挿入方向Xの後端側)に突出する先端突起部材413が備えられている。
なお、刃口側櫛形アダプタ部40は、図4(c)に示すように、側面視四角形状の各角部を跨ぐ4つの分割L型接続部材41a,41b,41c,41dを組み合わせて構成している。詳しくは、上段において挿入方向Xに向かって右側の上段右側分割L型接続部材41a、左側の上段左側分割L型接続部材41b、及び下段において挿入方向Xに向かって右側の下段右側分割L型接続部材41d、左側の下段左側分割L型接続部材41cを組付けて、側面視四角形状の外殻体を構成している。
また、4つの分割L型接続部材41a,41b,41c,41dはそれぞれ構成の板材で構成されるとともに、内面側には、挿入方向Xと断面方向の適宜のリブやフランジを設けて所定強度の分割L型接続部材を構成している。なお、4つの分割L型接続部材41a,41b,41c,41dはフランジ同士を対向させて組み付け、ボルト接合して刃口側櫛形アダプタ部40を構成している。
部材側アダプタ部50は、先端側の櫛形接続部51と、後端側の部材側アダプタ部本体52と、土砂侵入防止板54とで構成している。
部材側アダプタ部本体52は、小断面ボックスカルバート310の先端に、図示省略する取り付け治具で取り付けられ、小断面ボックスカルバート310と同じ側面視四角形状の枠体であり、側面視四角形状の各角部を跨ぐ4つの分割L型部材52a,52b,52c,52dを組み合わせて構成している。
詳しくは、上段において挿入方向Xに向かって右側の上段右側分割L型部材52a、左側の上段左側分割L型部材52b、及び下段において挿入方向Xに向かって右側の下段右側分割L型部材52d、左側の下段左側分割L型部材52cを組付けて、側面視四角形状の枠体を構成している。
なお、4つの分割L型接続部材52a,52b,52c,52dはH型鋼で構成するとともに、端面を構成するフランジ同士を対向させて組み付け、ボルト接合して部材側アダプタ部本体52を構成している。
櫛形接続部51は、先端側に、刃口側櫛形アダプタ部40に向かって突出する凸部511が外面に沿って複数配置されるとともに、隣り合う部材側凸部511同士の間に凹部512が形成されている。なお、側面視四角形状の角部には部材側凹部512が配置されるように、外面に沿って、部材側凸部511と部材側凹部512とが順に配置されている。
また、部材側凸部511は先端側(挿入方向Xの先端側)に向かって、つまり刃口側櫛形アダプタ部40に向かって先細りとなる等脚台形状に形成するとともに、前記突出方向に向かって板厚が徐々に薄肉化する先薄形状である。
また、図8(a)のb部の内面側の拡大図に示すように、部材側凸部511の先端部には、先端に向かって(挿入方向Xの先端側に向かって)板厚が徐々に薄肉化する傾斜面による開先部511aが形成されている。
さらには、部材側凸部511の先端には、先端側(挿入方向Xの先端側)に突出する先端突起部材513が備えられるとともに、部材側凹部512を跨いで隣り合う部材側凸部511の両内面に接続される断面方向規制部材514が設けられている。
また、櫛形接続部51の内面側においてジャッキ支持部42に対応する位置にジャッキ支持部53(図3(b)参照)を設けている。
なお、櫛形接続部51は、側面視四角形状の各角部を跨ぐ4つの分割L型接続部材51a,51b,51c,51dを組み合わせて構成している。詳しくは、上段において挿入方向Xに向かって右側の上段右側分割L型接続部材51a、左側の上段左側分割L型接続部材51b、及び下段において挿入方向Xに向かって右側の下段右側分割L型接続部材51d、左側の下段左側分割L型接続部材51cを組付けて、側面視四角形状の外殻体を構成している。
また、4つの分割L型接続部材51a,51b,51c,51dはそれぞれ構成の板材で構成されるとともに、内面側には、挿入方向Xと断面方向の適宜のリブやフランジを設けて所定強度の分割L型接続部材を構成している。また、4つの分割L型接続部材51a,51b,51c,51dはフランジ同士を対向させて組み付け、ボルト接合して櫛形接続部51を構成している。
土砂侵入防止板54は、外殻としての強度を有さない(厚みをもたない)板材で構成された寝位の四角筒状体であり、挿入方向Xの後端側が櫛形接続部51に固定され、刃口側櫛形アダプタ部40と部材側アダプタ部50との凹凸嵌合部分30aの外側を囲繞している。詳しくは、アダプタ部30において、刃口側櫛形アダプタ部40の刃口側凸部411と部材側アダプタ部50の部材側凹部512が挿入方向Xに凹凸嵌合するとともに、その断面方向の隣において刃口側櫛形アダプタ部40の刃口側凹部412と部材側アダプタ部50の部材側凸部511とが凹凸嵌合する凹凸嵌合部分30aの外側を囲繞するように構成している。
また、土砂侵入防止板54は、上面板材541と、2枚の側面板材542と、底面板材543とを組み合わせて、側面視四角形状に構成している。
連結ジャッキ60は、刃口側櫛形アダプタ部40のジャッキ支持部42と、部材側アダプタ部本体52のジャッキ支持部53とに、枢動可能に接続された油圧ジャッキであり、後述する地盤切削ボックス挿入システム1の制御部70に接続され、制御部70によって伸縮制御するように構成している。なお、本実施例において、上部に配置された連結ジャッキを上部連結ジャッキ60a(図6参照)とし、下部に配置された連結ジャッキを下部連結ジャッキ60b(図6参照)としている。
このように構成してアダプタ部30は、刃口20の刃口本体部21の後端部に対して刃口側櫛形アダプタ部40を固定し、小断面ボックスカルバート310の先端に対して部材側アダプタ部本体52を介して櫛形接続部51が固定され、刃口側櫛形アダプタ部40の刃口側凸部411及び刃口側凹部412と、対向する部材側アダプタ部50の部材側凹部512及び部材側凸部511とを凹凸嵌合させて組み付けている。
また、各部材を上述のように構成した刃口ユニット10では、刃口本体部21及び刃口側櫛形アダプタ部40と、櫛形接続部51と、部材側アダプタ部本体52とが、断面方向における分割位置が異なるため、断面方向において断面位置が一致する場合に比べて強度の高いユニットを構成することができる。
なお、刃口側櫛形アダプタ部40は、アダプタ部30の構成部品とせず、刃口本体部21の後端側の一部で構成してもよい。また、連結ジャッキ60は、直接刃口本体部21の後端や、小断面ボックスカルバート310の先端に接続してもよい。
このように構成した刃口ユニット10を用いた地盤切削ボックス挿入システム1は、刃口ユニット10以外に、図6に示すように、小断面ボックスカルバート310を挿入する位置である設計値や、各装置を制御する制御プログラムなどを記憶する記憶部71と、記憶部71に記憶した制御プログラムと協働して、各装置を制御する制御部70と、制御部70に対して入力操作するための操作部72と、検出センサ90と、発進立坑420aに配置した基押しジャッキ80とを備えている。
操作部72は、修正距離入力部72aや、記憶部71に記憶する設計値を入力する設計値入力部として機能することができる。
本実施例では、検出センサ90として、刃口本体部21の姿勢を検出する傾斜センサ91と、基押しジャッキ80の伸長量に基づいて、小断面ボックスカルバート310の挿入量を検出する挿入量検出センサ92とを備えている。
また、基押しジャッキ80は、図5に示すように、発進立坑420aにおいて、反力壁430を反力として、押輪431を介して、小断面ボックスカルバート310を元押して、地山400に挿入するための油圧ジャッキであって、例えば、小断面ボックスカルバート310の大きさや小断面ボックスカルバート310を地山400に挿入する挿入力に応じて、複数本備えている(80a,80b,・・・・)。
なお、押輪431は、基押しジャッキ80で伸長するストロークに対応し、基押しジャッキ80を伸長して小断面ボックスカルバート310を挿入し、基押しジャッキ80を縮短するとともに、基押しジャッキ80が縮短した部分に押輪431を設置して、さらに基押しジャッキ80を伸長して小断面ボックスカルバート310を地山400に挿入するように構成している。
このように構成した地盤切削ボックス挿入システム1は、連結ジャッキ60(60a,60b)、記憶部71、操作部72、ワイヤーソー装置24、傾斜センサ91、挿入量検出センサ92、基押しジャッキ80(80a,80b・・・)がそれぞれ制御部70に接続され、制御部70によって制御されている。なお、制御部70、記憶部71及び操作部72は、例えば、パーソナルコンピュータで構成してもよいし、専用のコンピュータシステムで構成してもよい。
続いて、地盤切削ボックス挿入システム1によって小断面ボックスカルバート310を地山400に挿入する地盤切削ボックス挿入工法の施工方法について、図7とともに説明する。
まず、図5に示すように、発進立坑420aにおいて、反力壁430、押輪431及び基押しジャッキ80を設置するとともに、刃口ユニット10及び小断面ボックスカルバート310を配置する準備工程を行う(ステップs1)。
準備工程(ステップs1)後に、連結ジャッキ60に接続されたワイヤーソー装置24を駆動制御しながら、基押しジャッキ80を伸長制御し、傾斜センサ91で常時、姿勢を計測しながら刃口20を地山400に挿入する(ステップs2)。
詳しくは、刃口20を、発進立坑420aに配置した基押しジャッキ80を伸長制御すると、ワイヤーソー23で刃先板22の前方の地山400を切断し、ワイヤーソー23によって切断された地山400の切断跡に刃先板22を挿入することができる。
なお、刃口20における回転プーリー23aは、あらかじめ地山400に挿入方向Xに挿通されたガイドパイプ440(図3)の内部に配置されているため、回転プーリー23aでワイヤーソー23の方向を変換して、刃口20の刃先板22の挿入を許容する切断スリットを地山400に形成する。そして、刃口20の先端が地山400に近づくと、刃口20内の作業員によって、刃口20の前方の地山400を人力掘削して、刃口20を地山400に挿入する。
また、刃口20の前方の地山400を掘削しても、掘削箇所の上部は先に挿入された刃先板22によって支持されているため、刃口20の前方掘削による地山400の応力解放の影響を防止することができる。
このようにして、刃口20を地山400に挿入しながら、小断面ボックスカルバート310の挿入を進めるが、小断面ボックスカルバート310の挿入中は、傾斜センサ91で刃口20の姿勢を常時計測しており、その計測結果に基づいて、刃口20が正しい姿勢でない場合(ステップs3:No)、制御部70は、連結ジャッキ60を制御して、刃口20の姿勢を調整する(ステップs4)。
詳しくは、刃口20の姿勢が、挿入方向Xに対して下向きである場合、下部連結ジャッキ60bを伸長したり、上部連結ジャッキ60aを縮短したり、さらには、上部連結ジャッキ60aを縮短するとともに、下部連結ジャッキ60bを伸長して、刃口20が所定の姿勢(上向き)となるように制御する(図8(b)参照)。
逆に、刃口20の姿勢が、挿入方向Xに対して上向きである場合、上部連結ジャッキ60aを伸長したり、下部連結ジャッキ60bを縮短したり、さらには、下部連結ジャッキ60bを縮短するとともに、上部連結ジャッキ60aを伸長して、刃口20が所定の姿勢(下向き)となるように制御する(図8(c)参照)。
また、刃口20の姿勢が、挿入方向Xに対して左向きである場合、右側の連結ジャッキ60a,60bを縮短したり、左側の連結ジャッキ60a,60bを伸長したり、さらには、左側の連結ジャッキ60a,60bを伸長するとともに、右側の連結ジャッキ60a,60bを縮短して、刃口20が所定の姿勢(右向き)となるように制御する(図9(b)参照)。
逆に、刃口20の姿勢が、挿入方向Xに対して右向きである場合、左側の連結ジャッキ60a,60bを縮短したり、右側の連結ジャッキ60a,60bを伸長したり、さらには、右側の連結ジャッキ60a,60bを伸長するとともに、左側の連結ジャッキ60a,60bを縮短して、刃口20が所定の姿勢(左向き)となるように制御する(図9(c)参照)。
さらには、これらの連結ジャッキ60の伸縮制御を調整し、側面視斜め方向に刃口20の姿勢を制御してもよい。
このように連結ジャッキ60を伸縮制御して刃口20の姿勢を調整した場合であっても、図8及び図9に示すように、連結ジャッキ60を伸長することで、アダプタ部30の凹凸嵌合部分30aにおいて凹凸嵌合した凸部411と凹部512との間及び凸部511と凹部412との間(以下において、凸部(411,511)と凹部(512,412)との間という)にクリアランスが形成され、スムーズに姿勢調整することができる。
また、凸部(411,511)と凹部(512,412)とが凹凸嵌合する凹凸嵌合部分30aの外側を土砂侵入防止板54が囲繞しているため、凹凸嵌合した凸部(411,511)と凹部(512,412)との間に形成されたクリアランスから土砂が侵入することを防止することができる。
なお、刃口20の姿勢が上向き、下向き、右向き、左向き、あるいは斜め向きになっているということは、絶対的に向きであることのみならず、設計勾配などの基準に対する相対的な向きであってもよい。
このような刃口20の姿勢制御を正しい姿勢になるまで繰り返し(ステップs5:No)、刃口20の姿勢制御により正しい姿勢になったり(ステップs5:Yes)、計測結果が正しい姿勢であることを検出した場合(ステップs3:Yes)、制御部70は、挿入量検出センサ92に基づいて、小断面ボックスカルバート310が所定の挿入量、つまり貫通したか否かを判定し、その日の施工ノルマなど、挿入量に達してない場合(ステップs6:No)、ステップs2に戻って、基押しジャッキ80を伸長して小断面ボックスカルバート310を地山400に挿入する。逆に、上述したような所定挿入量を挿入した場合(ステップs6:Yes)、挿入工程を終了する。なお、挿入工程(ステップs2乃至s6)後の撤去工程(ステップs7)については後述する。
次に、地盤切削ボックス挿入システム1による別の挿入工程について、図10とともに説明する。
上述の図7に基づく説明では、基押しジャッキ80によって、刃口ユニット10及び小断面ボックスカルバート310を地山400に挿入し、連結ジャッキ60によって、刃口20の姿勢制御を行う方法について説明したが、図10とともに説明する別の挿入方法では、連結ジャッキ60で予め刃口20を挿入し、その後、連結ジャッキ60を縮短制御しながら、基押しジャッキ80を伸長制御して小断面ボックスカルバート310を挿入する方法である。
なお、以降の説明では、刃口20の姿勢を設計値と比較してズレていた場合に、姿勢制御しながら連結ジャッキ60を伸長制御する方法として説明するが、上述の図7とともに説明した上述の方法においても、設計値と比較して刃口20の姿勢制御を行ってもよい。
具体的には、上述の準備工程(ステップt1)後に、記憶部71に記憶した設計値を呼び出したうえで(ステップt2)、傾斜センサ91で刃口20の姿勢を検出して、設計値と比較する(ステップt3)。
その結果、刃口20の姿勢が設計値通りであれば(ステップt4:Yes)、
刃口20の前方の地山400を掘削しながら、図8(a)及び図9(a)に示すように、全連結ジャッキ60を伸長制御して、小断面ボックスカルバート310に対して刃口20を前方移動(先端側に移動)する(ステップt5)。
そして、挿入量検出センサ92で小断面ボックスカルバート310の挿入量、つまり基押しジャッキ80の伸長量を検出しながら、基押しジャッキ80を伸長制御するとともに、刃口20の姿勢を維持しながら、連結ジャッキ60を縮短制御する(ステップt6)。つまり、基押しジャッキ80の伸長と、連結ジャッキ60の縮短とを、刃口20の姿勢を維持しながら、同期させて制御することで、刃口20の位置は維持されたまま、小断面ボックスカルバート310が前方移動(先端側に移動)して地山400に挿入される。
逆に、刃口20の姿勢が設計値通りでない場合、つまり設計値からズレている場合(ステップt4:No)、操作部72の修正距離入力部72aを操作して、修正距離及び修正量を入力し(ステップt7)、制御部70は、入力された修正距離でズレた刃口20の姿勢を修正するように制御する(ステップt8)。
具体的には、挿入量検出センサ92で小断面ボックスカルバート310の挿入量、つまり基押しジャッキ80の伸長量を検出しながら、基押しジャッキ80を伸長制御するとともに、刃口20の姿勢を修正しながら、連結ジャッキ60を縮短制御する(ステップt9)。
つまり、基押しジャッキ80の伸長と、連結ジャッキ60の縮短とを、刃口20の姿勢を修正しながら、同期させて制御することで、位置が維持された刃口20の姿勢は修正されながら、小断面ボックスカルバート310が前方移動(先端側に移動)して地山400に挿入される。
そして、入力された修正距離に達すまで繰り返し(ステップt10:No)、修正距離に達した状態で(ステップt10:Yes)、刃口20の姿勢が設計値通りであるか否かを判定し、刃口20の姿勢が設計値通りでない場合(ステップt11:No)はステップt7に戻って、刃口20の姿勢が設計値通りになるまで繰り返す。
刃口20の姿勢が設計値通りになったことが検出されると(ステップt11:Yes)、制御部70は、挿入量検出センサ92に基づいて、小断面ボックスカルバート310が所定の挿入量あるいは、その日の施工ノルマなど、挿入量に達してない場合(ステップt12:No)、ステップt3に戻って、連結ジャッキ60を伸長して刃口20を地山400に挿入する。逆に、上述したような所定挿入量を挿入した場合(ステップt12:Yes)、挿入工程(ステップt2乃至t12)を終了する。
上述の挿入工程(ステップs2乃至s6,ステップt2乃至t12)つまり刃口20が到達立坑420bに到達すると、撤去工程(ステップs7,t13)では、図11及び図12に示すように、刃口ユニット10を分割部材に分割しながら到達立坑420bから搬出して、本施工は完了する。
詳しくは、到達立坑420bに到達した刃口ユニット10のうち先端側から順次到達立坑420b内部まで押し出して、到達立坑420bの内部で、押し出された各部材を分割部材ごとに分割して、到達立坑420bより地上に引き上げて刃口ユニット10を撤去する。
本実施例においては、まずは、刃口ユニット10の先端側の刃口20を分割する。具体的には、刃口本体部21から刃先板22、ワイヤーソー23及びワイヤーソー装置24を撤去するとともに、刃口本体部21を刃口分割部材210に分割し、到達立坑420bより刃口分割部材210を地上に引き上げて刃口20を撤去する。
刃口20の撤去後、さらに、基押しジャッキ80を伸長して小断面ボックスカルバート310ごと前方移動(先端側に移動)させ、到達立坑420b内部に刃口側櫛形アダプタ部40が押し出されると、刃口側櫛形アダプタ部40を4つの分割L型接続部材41a,41b,41c,41dに分割してから、到達立坑420bより分割L型接続部材41a,41b,41c,41dを地上に引き上げて刃口側櫛形アダプタ部40を撤去する。
刃口側櫛形アダプタ部40の撤去後、さらに、基押しジャッキ80を伸長して小断面ボックスカルバート310ごと前方移動(先端側に移動)させ、到達立坑420b内部に部材側アダプタ部50が押し出されると、まずは土砂侵入防止板54を上面板材541と、2枚の側面板材542と、底面板材543とに分割し、到達立坑420bより上面板材541と、2枚の側面板材542と、底面板材54を地上に引き上げて土砂侵入防止板54を撤去する。
次に、部材側アダプタ部本体52から取り外すとともに、櫛形接続部51を4つの分割L型部材51a,51b,51c,51dに分割してから、到達立坑420bより分割L型部材51a,51b,51c,51dを地上に引き上げて櫛形接続部51を撤去する。
最後に、部材側アダプタ部本体52を4つの分割L型部材52a,52b,52c,52dに分割してから、到達立坑420bより分割L型部材52a,52b,52c,52dを地上に引き上げて部材側アダプタ部本体52を撤去し、撤去工程(ステップs7,t13)の完了に伴って本施工は完了する。
なお、図11(a)は本実施例の刃口20を分割して搬出可能なサイズの矩形の到達立坑420bを図示し、図11(b)は分割できない刃口ユニット10aを搬出可能なサイズの矩形の到達立坑420bを図示している。同様に、図12(a)は本実施例の刃口20を分割して搬出可能なサイズの円形の到達立坑420bを図示し、図12(b)は分割できない刃口ユニット10aを搬出可能なサイズの円形の到達立坑420bを図示している。
また、分割した刃口ユニット10を到達立坑420bから搬出せずとも、地山400に挿入された小断面ボックスカルバート310の内部、つまり地下横断構造物300の内部空間300bから搬出してもよい。
上述したように、長尺状で閉断面形状であり、地山400に挿入される小断面ボックスカルバート310における挿入方向Xの先端側に配置される閉断面形状の刃口20を、断面方向において複数に分割可能な断面分割部材で構成しているため、所定位置に到達した刃口20を容易に撤去することができる。
詳述すると、地山400に挿入される小断面ボックスカルバート310における挿入方向Xの先端側に配置される閉断面形状の刃口20を、断面方向において複数に分割可能な断面分割部材で構成しているため、到達立坑420bまで到達すると、分割可能に構成した刃口20を容易に分割することができる。
したがって、例えば、小断面ボックスカルバート310の内部を通り発進側まで運搬して撤去したり、小型化された刃口20を到達立坑420bから容易に搬出することができる。よって、図11及び図12に示すように、分割できない刃口ユニット10aの場合のように、刃口20を撤去するために到達立坑420bが大型化することを防止できる。さらには、到達立坑420bが不要な地下構造物である場合においては、刃口20を撤去するための到達立坑420bを構築する必要もなくなる。
また、分割して搬出した刃口本体部21を再利用または転用できるとともに、断面分割部材の組み合わせをアレンジすることで、異なる断面形状の刃口を構成する、つまり断面分割部材を組み替えて容易に所望の断面形状の刃口を構成することができる。
また、刃口20の刃口本体部21は、底面部21a、底面部21aと対向する上面部21b、並びに底面部21a及び上面部21bを連結する一対の側面部21cとで構成される矩形断面形状であり、底面部21a、上面部21b、及び側面部21cのそれぞれで分割可能、且つ矩形断面形状の角部を跨ぐ刃口分割部材210で構成することにより、矩形断面の刃口20を分割して刃口分割部材210として小型化して搬出することができる。また、刃口分割部材210は矩形断面の角部を跨ぐ形状であるため、例えば、断面一文字状の断面分割部材に比べて強度を有する断面分割部材を構成することができる。
また、角部を跨ぐ刃口分割部材210を組み合わせて構成した刃口20は、一文字状の断面分割部材を組み合わせて構成した刃口より、正確な矩形断面を構成することができるとともに、刃口20の断面強度を向上することができる。
また、刃口分割部材210は、上面部21b及び側面部21cの上部を構成する、先端側に配置される先端側上部刃口分割部材211と、後端側に配置される後端側上部刃口分割部材212と、底面部21aと側面部21cの下部を構成する下部刃口分割部材213とで分割可能に構成されているため、刃口分割部材210をさらに小型化することができる。刃口20の機長が長い場合、断面方向に分割された断面分割部材は断面方向において小型化するものの、断面分割部材は機長分の長さを有するため、例えば、狭隘な到達立坑420bや小断面ボックスカルバート310の内部を運搬するための取り扱い性は低くなる。しかしながら、刃口分割部材210を、先端側上部刃口分割部材211と、後端側上部刃口分割部材212と、下部刃口分割部材213とで分割可能に構成することで断面分割部材をより小型化することができる。したがって、狭隘な到達立坑420bや小断面ボックスカルバート310の内部を運搬するための取り扱い性を向上することができる。
なお、上述の説明では、刃口本体部21を上面部21bと側面部21cの上部における挿入方向Xの先端側を構成する先端側上部刃口分割部材211(211a,211b)、上面部21bと側面部21cの上部における挿入方向Xの後端側を構成する後端側上部刃口分割部材212(212a,212b)、及び底面部21aと側面部21cの下部を構成する下部刃口分割部材213(213a,213b)との6種類の刃口分割部材210で構成したが、例えば、上面部21b、側面部21c及び底面部21aを断面方向及び/又は挿入方向Xにおいて3つ以上に分割してもよい。この場合、断面方向において、角部を構成する刃口分割部材210以外に各面の中央部分を構成する刃口分割部材210を設けることになる。
また、底面部21aにおける先端側に、先端側に向かって上向きに傾斜するテーパ面部21aaが設けられているため、刃口20で掘削した掘削箇所に挿入する小断面ボックスカルバート310の沈下を防止し、設置精度を向上することができる。
詳述すると、地中において刃口20の前方の地山400を掘削して掘進するが、この掘削によって地山400の応力が解放して緩みが生じる。このため、刃口20で掘削した掘削箇所に挿入された小断面ボックスカルバート310は上載荷重や自重などの影響により時間の経過とともに、所望の設置高さよりも沈下する傾向がある。
これに対し、底面部21aにおける先端側に設けられたテーパ面部21aaは、図3(c)のa部拡大図に示すように、掘削により緩みが生じた地山400を刃口20の掘進に伴って下方に押し付け、緩んだ地山400を締め固めるため、刃口20の通過後に挿入された小断面ボックスカルバート310の沈下を防止し、小断面ボックスカルバート310の設置精度を向上することができる。
また、底面部21aの先端に、テーパ面部21aaによる締固め効果を調整する調整ブロック25が着脱可能に設けられているため、掘削により緩みが生じた地山400を刃口ユニット10の掘進に伴って下方に押し付けて締め付けるテーパ面部21aaによる締固め効果を調整することができる。
詳述すると、図3(c)のa部拡大図―1に示すように、調整ブロック25を底面部21aの先端に装着することで、調整ブロック25と底面部21aの後端側で支持でき、つまり、テーパ面部21aaは地山400に接触しないため、テーパ面部21aaによる締固め効果は奏しない。逆に、図3(c)のa部拡大図―2に示すように、調整ブロック25を取り外すことで、テーパ面部21aaは地山400に接触して、図中において矢印で示すような締固め効果を発揮することができる。
さらには、高さの異なる調整ブロック25を複数用意し、装着する調整ブロック25を取り替えて、テーパ面部21aaによる締固め効果を調整してもよいし、幅方向に複数装着する調整ブロック25の装着数や配置によってテーパ面部21aaの締固め効果を調整してもよい。
なお、図4では、構成を明確にするため、調整ブロック25を、刃口本体部21の底面部21aの先端において幅方向に隙間を開けて図示しているが、隙間なく配置してもよいし、図示するように隙間を開けて配置してもよい。
このように、掘削する地山400の地質や挿入方向などに応じて調整ブロック25の着脱を選択して所望の挿入方向Xに挿入することができる。
また、刃口20と、刃口20と小断面ボックスカルバート310の先端とを接続するアダプタ部30と、小断面ボックスカルバート310の先端と刃口20とを伸縮可能に連結する連結ジャッキ60とが刃口ユニット10に備えられているため、連結ジャッキ60を伸縮させて、小断面ボックスカルバート310に対する刃口20の姿勢を変更させて、刃口ユニット10の姿勢を変更したり、修正したりすることができる。
また、アダプタ部30を、刃口20に接続する刃口側櫛形アダプタ部40と、小断面ボックスカルバート310に接続する部材側アダプタ部50とで構成するとともに、刃口側櫛形アダプタ部40及び部材側アダプタ部50を相対移動可能に接続する凹凸嵌合部分30aが構成されるため、連結ジャッキ60を伸縮させて、アダプタ部30を構成する刃口側櫛形アダプタ部40と部材側アダプタ部50とを凹凸嵌合部分30aによって相対移動させることで、小断面ボックスカルバート310に対する刃口20の姿勢を所望の姿勢に調整することができる。
また、刃口側櫛形アダプタ部40及び部材側アダプタ部50の対向部分において、他方に向かって突出するとともに、断面方向に所定間隔を隔てて複数配置された凸部(411,511)と、断面方向において隣り合う凸部(411,511)同士の間に形成された凹部(412,512)とが設けられ、挿入方向Xにおいて対向するとともに、凹凸嵌合する凸部(411,511)と凹部(412,512)で凹凸嵌合部分30aを構成しているため、可動するアダプタ部30に土砂が噛み込んでも容易に除去することができる。
例えば、刃口ユニット10の挿入方向Xをスムーズに曲げるためには、アダプタ部30に中折れなどの可動部分を設けるが、このようなアダプタ部30を可動させるために、内外方向の二重構造で構成されている場合、刃口ユニット10を曲げることはできるものの、例えば、可動状態の二重構造の可動部分に土砂が侵入すると、可動状態から非可動状態(曲げ状態から非曲げ状態)に戻す際に進入した土砂が噛み込む可動部分に噛み込み、可動状態から非可動状態に戻せなかったり、噛み込んだ土砂を除去することが困難であった。
これに対し、断面方向に所定間隔を隔てて複数配置された凸部(411,511)と、断面方向において隣り合う凸部(411,511)同士の間に形成された凹部(412,512)とが凹凸嵌合する凹凸嵌合部分30aを可動させることで、凹凸嵌合する凸部(411,511)と凹部(412,512)とは断面方向の一部において離間するが、仮に、その隙間から土砂が侵入して噛み込んだとしても、二重構造の可動接続部に比べて、凹凸嵌合する凸部(411,511)と凹部(412,512)とをそのままさらに離間させることで、可動状態を維持したまま、つまり部材側アダプタ部50に対する刃口側櫛形アダプタ部40の向きを維持したまま、凸部(411,511)と凹部(412,512)との間の隙間を拡大させて、噛み込んだ土砂を容易に除去することができる。
さらにまた、二重構造の可動接続部を有するアダプタ部に比べて軽量化できるととともに、刃口ユニット10をアダプタ部30で挿入方向Xに分割した際の機長を短縮することができる。したがって、到達後の撤去工程(ステップs7,t13)において撤去作業の作業性を向上することができる。
また、凸部(411,511)が、突出方向に向かって突出幅が細くなる先細り形状であるため、凸部(411,511)と凹部(412,512)とを確実に凹凸嵌合することができる。
詳述すると、先細り形状の凸部(411,511)と挿入方向Xに対向する凹部(412,512)の開口幅は、嵌合方向の後端側(凹部(412,512)と凸部(411,511)とが嵌合開始する側、つまり凹部(412,512)を形成する凸部(411,511)の先端側)が広く、嵌合方向の先端側(凹部(412,512)を形成する凸部(411,511)の後端側)が狭くなる嵌合方向に沿って先細り形状の凹部(412,512)となる。
そのため、凹部(412,512)と凸部(411,511)の嵌合開始状態では、開口幅の広い凹部(412,512)に対して突出幅の狭い凸部(411,511)が嵌合するため、凸部(411,511)と凹部(412,512)とに多少のズレがあっても、凹部(412,512)に凸部(411,511)を嵌合させることができる。
また、凹部(412,512)と凸部(411,511)とが完全に凹凸嵌合した状態から離間させることで、凹部(412,512)と凸部(411,511)との間に容易にクリアランスを拡大することができる。したがって、刃口側櫛形アダプタ部40及び部材側アダプタ部50を相対移動させて、嵌合方向(挿入方向X)に対して交差する方向に向けることができる。したがって、アダプタ部30を介して、小断面ボックスカルバート310の先端に対して刃口20の向きを変更することができる。
また、凸部(411,511)を等脚台形状で形成しているため、凸部(411,511)の突出幅が突出方向において徐々に先細りとなり、凹部(412,512)と凸部(411,511)との間にさらに容易にクリアランスを拡大することができ、刃口側櫛形アダプタ部40及び部材側アダプタ部50を相対移動させて、嵌合方向(挿入方向X)に対して交差する方向にスムーズに向けることができる。
また、凸部(411,511)が、突出方向に向かって板厚が徐々に薄肉化する先薄形状であるため、後端側は強度があり、先端に向かって板厚方向の変形性の高い凸部(411,511)を構成することができる。
また、凸部(411,511)と凹部(412,512)とが深く嵌合した嵌合状態であっても、板厚方向に深い凹部(412,512)の基部に先薄の凸部(411,511)の先端部分が嵌合することとなり、土砂が凹部(412,512)と凸部(411,511)のクリアランス部分に噛み込んでも、噛み込んだ土砂を容易に除去することができる。
また、凸部(411,511)の突出方向の先端に、突出方向に向かうとともに板厚方向に傾斜する開先部411a,511aが設けられているため、凹凸嵌合状態において、凹部(412,512)の基部と凸部(411,511)の先端との間に土砂が噛み込むことを防止することができる。
また、凸部(411,511)の突出方向の先端に、先端より突出し、凹凸嵌合する凹部(412,512)の基部の内面に沿う先端突起部材413,513が備えられているため、凹部(412,512)に凹凸嵌合する凸部(411,511)が深く嵌合して凹部(412,512)の基部に乗り上げるような過嵌合を防止することができる。凹凸嵌合状態において、凸部(411,511)から突出する先端突起部材413,513が凹部(412,512)の基部の内面に沿うことで、凹凸嵌合状態のアダプタ部30の強度を向上することができる。
また、部材側アダプタ部50に、断面方向において、凹部512を跨いで隣り合う凸部511の両内面に接続される断面方向規制部材514が設けられているため、嵌合状態において凸部511の内部側に凸部411が潜り込むことを防止することができるとともに、部材側アダプタ部50における凸部511の強度向上を図ることができる。
また、凸部(411,511)と凹部(412,512)が凹凸嵌合する凹凸嵌合部分30aの外側を土砂侵入防止板54が囲繞するため、凹部(412,512)と凸部(411,511)とが凹凸嵌合する凹凸嵌合部分30aへの土砂の侵入を抑制することができる。
また、閉断面形状は、底面部21a、底面部21aと対向する上面部21b、並びに底面部21a及び上面部21bを連結する一対の側面部21cとで構成される矩形断面形状の角部に凸部411及び凹部512が配置されているため、強度のあるアダプタ部30を構成することができる。
例えば、嵌合状態における凸部(411,511)と凹部(412,512)との境界が角部に沿う態様のアダプタ部30に比べ、凸部411及び凹部512が矩形断面形状の角部に配置されるため、強度のあるアダプタ部30を構成することができる。
また、角矩形断面形状の角部ごとに、刃口側櫛形アダプタ部40及び部材側アダプタ部50のいずれの凸部(411,511)が配置されているか異なる場合に比べて、安定して凹凸嵌合することができる。
また、刃口20の姿勢を検知する傾斜センサ91が備えられ、傾斜センサ91による検知結果と関連付けて、連結ジャッキ60が制御部70によって伸縮制御されるため、小断面ボックスカルバート310を地山400に挿入して地下横断構造物300を構築する際の地表面への影響を低減することができる。
例えば、既設の軌道200の下方に、地下横断構造物300を構築するアンダーパス構造では、上部の軌道200の安全確保のため、掘進に伴う地表面の変位を極力小さくすることが求められているが、周辺の地山400の土圧の作用によって、刃口20の姿勢が小断面ボックスカルバート310の挿入方向Xに対してズレた場合などにおいて方向修正するための余掘りや、刃口20における掘削に伴う地山400の内部応力の解放などの影響によって、周辺の地山400に影響を与えるおそれがある。
また、刃口20の姿勢が挿入方向Xに対して、上向きや下向きにズレた場合において、そのままの姿勢で挿入方向Xに掘進しようとすると、挿入抵抗が増大し、前方の地山400を押し上げ、地表面に大きな変位が生じるおそれもある。
特に、挿入方向Xに対して下向きにズレた姿勢を上向きに修正するため、下部に修正部材を設置して掘進する場合においては、刃口20の急激な姿勢変化に伴って、地表面に大きな変位が生じるおそれがある。
これに対し、刃口20の姿勢を傾斜センサ91で検知し、その検知結果に基づいて、小断面ボックスカルバート310の先端に装着されたアダプタ部30と刃口20とを連結する連結ジャッキ60を制御手段で伸縮制御することができ、仮に、挿入方向Xに対して、刃口20の姿勢がズレた場合であっても、例えば、刃口20の挿入量と同期しながら連結ジャッキ60を縮短制御したり、地表面に影響が及ばないように、刃口20の姿勢を維持しながら刃口20を挿入したり、修正したりすることができる。
例えば、制御部70が、伸長した連結ジャッキ60を、小断面ボックスカルバート310の挿入量に応じて縮短制御する、連結ジャッキ60を、小断面ボックスカルバート310の挿入に同期して伸長制御する、または、小断面ボックスカルバート310の挿入量を検出する挿入量検出センサ92を備え、挿入量検出センサ92によって検出した小断面ボックスカルバート310の挿入量に応じて、制御部70が、伸長した連結ジャッキ60を縮短制御する、あるいは、連結ジャッキ60を伸長制御する場合、小断面ボックスカルバート310の挿入量に応じて連結ジャッキ60を縮短制御することによって、例えば、小断面ボックスカルバート310の挿入量とは関係なくむやみに連結ジャッキ60を縮短して刃口20の姿勢を制御することで応力解放された地山400が刃口20の前方に露出して崩落するなどの不具合の発生を防止し、安全に刃口20の姿勢を制御して、地表面の影響をより低減することができる。
また、例えば、予め挿入量に応じた伸長量で連結ジャッキ60を伸長して刃口20を先行して挿入し、小断面ボックスカルバート310の挿入に伴って、連結ジャッキ60を縮短することで、あたかも尺取虫のようにして、小断面ボックスカルバート310を挿入することができる。この場合、刃口20の姿勢を維持したり、修正したりするための制御を行いながら連結ジャッキ60を伸長できるとともに、刃口20の挿入と小断面ボックスカルバート310の挿入とを段階的に行うため、上部の地山400の引き摺りによる地表面への影響を低減することができる。
さらにまた、傾斜センサ91による検知結果に基づいて、小断面ボックスカルバート310を挿入する位置を示す設計値に対して刃口20がズレた姿勢である場合に、制御部70が、設計値に対してズレた姿勢である刃口20を設計値に沿う姿勢となるように姿勢を修正するための距離である修正距離を設定するとともに、設定した修正距離及び修正量に対して、小断面ボックスカルバート310の挿入量に応じて連結ジャッキ60を伸縮制御する、あるいは、小断面ボックスカルバート310を挿入する位置を示す設計値を記憶する記憶部71と、設計値に対してズレた姿勢である刃口20を設計値に沿う姿勢となるように姿勢を修正するための距離である修正距離を設定する修正距離入力部72aとを備え、制御部70が、傾斜センサ91による検知結果に基づいて、設計値に対して刃口20がズレた姿勢である場合に、設計値に沿う姿勢となるように、設定した修正距離及び修正量に対して、小断面ボックスカルバート310の挿入量に応じて連結ジャッキ60を伸縮制御するため、設計値に応じた姿勢に刃口20を維持しながら、小断面ボックスカルバート310を挿入することができる。
したがって、刃口20が設計値からズレたまま、小断面ボックスカルバート310を設計値通りの方向に無理やり挿入することで地表面に大きな変位が生じるなどの不具合の発生を防止することができる。
また、設定した所望の修正距離に応じて徐々に刃口20の姿勢を制御することで、設計値に対して刃口20の姿勢がズレた場合であっても、急激に刃口20の姿勢を修正制御することによる地表面への影響を防止することができる。また、設定した所望の修正距離に応じて徐々に刃口20の姿勢を修正制御することで、地山400へ挿入することによって小断面ボックスカルバート310に作用する負荷を低減することができる。
さらに、連結ジャッキ60を矩形断面における隅角部に配置しているため、刃口20、アダプタ部30及び小断面ボックスカルバート310が円形断面である場合に比べてローリングに関する刃口20の姿勢が地表面に与える影響は大きく、また、挿入時における上部の地山400との摩擦による地表面への影響が大きくなるが、隅角部に連結ジャッキ60を備えるとともに、挿入に同期して伸縮制御することで、矩形断面の小断面ボックスカルバート310に対する刃口20の姿勢を高精度で制御できるため、地表面への影響を低減しながら高精度で地山400に挿入することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、この発明の閉断面構造部材は、小断面ボックスカルバート310に対応し、
以下同様に、
断面L型分割部材は刃口分割部材210に対応し、
先端側分割部材は先端側上部刃口分割部材211に対応し、
後端側分割部材は後端側上部刃口分割部材212に対応し、
効果調整手段は調整ブロック25に対応し、
伸縮手段は連結ジャッキ60に対応し、
刃口側アダプタ部は刃口側櫛形アダプタ部40に対応し、
可動接続部は凹凸嵌合部分30aに対応し、
姿勢検知手段は傾斜センサ91に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、小断面ボックスカルバート310の代わりに、閉断面形状で長尺状のエレメント、あるいは閉断面形状で短尺状のセグメントを連結したものを刃口側アダプタ部400に挿入してもよい。
なお、刃口ユニット10や小断面ボックスカルバート310の断面形状としては、長方形、正方形あるいは台形などの矩形断面のみならず、多角形断面や、円形、半円形、楕円形などの曲断面であってもよい。
上記連結ジャッキ60は、刃口20及びアダプタ部30に対して断面における4か所に備えたが、上下2本のジャッキで構成してもよいし、ヒンジとジャッキとを併用し、ヒンジを枢軸として枢動可能に構成してもよい。また、油圧ジャッキのみならず、機械式のねじジャッキやラック駆動ジャッキ、あるいは空気式のエアージャッキなどで構成しもよい。
また、刃口20の姿勢を傾斜センサ91で検出したが、刃口20における二点の三次元位置を計測して刃口20の姿勢を算出してもよく、あるいは、姿勢が既知であるアダプタ部30に対する相対位置によってアダプタ部30の姿勢を算出してもよい。
なお、上述の説明では、隅角部に配置した連結ジャッキ60によって、刃口20の姿勢を上下方向及び左右方向に調整制御可能に構成したが、上下方向及び左右方向のいずれか一方のみの姿勢を調整に可能に構成してもよい。
また、上述の説明では、凸部(411,511)を等脚台形状に形成し、凹部(412,512)を対応する形状で形成したが、例えば、二等辺三角形や略半楕円形あるいは半円形などであってもよいし、これらの先細り形状の基部に平行部分を有する形状であってもよい。