JP2017133573A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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幹大 多田
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Abstract

【課題】転走面に圧痕がつかない車輪用軸受装置の提供を目的とする。
【解決手段】外方部材2と内方部材3と複列の転動体6とを備える車輪用軸受装置1において、複列の転動体6のうちインナー側のボール列6aとアウター側のボール列6bの間で外方部材2と内方部材3との隙間Cが微小となる構造部分Pを有し、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ外方部材3と内方部材2が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、車輪用軸受装置に関する。詳しくは、転走面に圧痕がつかない車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、懸架装置を構成するナックルに外方部材が固定される。また、車輪用軸受装置は、外方部材の内側に複列の転動体が介装され、この転動体によって内方部材を支持している。こうして、車輪用軸受装置は、車体に固定された状態で、内方部材に取り付けられた車輪を回転自在としているのである。
ところで、このような車輪用軸受装置は、内方部材に衝撃的な外力が加わると、転動体であるボール列の転走面に大きな荷重が掛かることとなる。例えば、車輪が縁石等に乗り上げて内方部材に衝撃的な外力が加わると、転動体であるボール列の各ボールが転走面に押し付けられ、この転走面に大きな荷重が掛かることとなる。このため、ボール列を二列から三列に増やし、転走面に掛かる荷重を抑制するとした車輪用軸受装置が提案されていた(特許文献1参照)。また、外方部材を弾性変形させて衝撃を吸収し、転走面に掛かる荷重を抑制するとした車輪用軸受装置も提案されていた(特許文献2参照)。しかし、これら車輪用軸受装置においても、ボール列の各ボールが転走面に押し付けられることにより、転走面に圧痕がついてしまう場合があった。
特開2014−206266号公報 特開2015−45372号公報
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、転走面に圧痕がつかない車輪用軸受装置の提供を目的とする。
即ち、本発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装された複列の転動体と、を備える車輪用軸受装置において、前記複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列の間で前記外方部材と前記内方部材との隙間が微小となる構造部分を有し、前記内方部材に衝撃的な外力が加わった場合にのみ前記外方部材と前記内方部材が接して一体となって荷重を受ける、ものである。
本発明は、前記外方部材の内周に径方向内側へ突出した環状凸部が形成され、この環状凸部の内周面と前記内方部材の外周面との隙間が微小となっている構成である、ものである。
本発明は、前記内方部材の外周に径方向外側へ突出した環状凸部が形成され、この環状凸部の外周面と前記外方部材の内周面との隙間が微小となっている構成である、ものである。
本発明は、前記外方部材の内周に径方向内側へ突出した外方環状凸部と前記内方部材の外周に径方向外側へ突出した内方環状凸部とが形成され、これら外方環状凸部の内周面と前記内方環状凸部の外周面との隙間が微小となっている構成である、ものである。
本発明は、前記内周面と前記外周面が前記内方部材の回転軸に対して傾斜した状態で対向している、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る車輪用軸受装置は、複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列の間で外方部材と内方部材との隙間が微小となる構造部分を有し、内方部材に衝撃的な外力が加わった場合にのみ外方部材と内方部材が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。かかる発明により、内方部材に衝撃的な外力が加わってもボール列の各ボールと転走面の接点に荷重が集中しないので、転走面に圧痕がつくのを防ぐことができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外方部材の内周に径方向内側へ突出した環状凸部が形成され、この環状凸部の内周面と内方部材の外周面との隙間が微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、内方部材に衝撃的な外力が加わってもボール列の各ボールと転走面の接点に荷重が集中しないので、転走面に圧痕がつくのを防ぐことができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内方部材の外周に径方向外側へ突出した環状凸部が形成され、この環状凸部の外周面と外方部材の内周面との隙間が微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、内方部材に衝撃的な外力が加わってもボール列の各ボールと転走面の接点に荷重が集中しないので、転走面に圧痕がつくのを防ぐことができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外方部材の内周に径方向内側へ突出した外方環状凸部と内方部材の外周に径方向外側へ突出した内方環状凸部とが形成され、これら外方環状凸部の内周面と内方環状凸部の外周面との隙間が微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、内方部材に衝撃的な外力が加わってもボール列の各ボールと転走面の接点に荷重が集中しないので、転走面に圧痕がつくのを防ぐことができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周面と外周面が内方部材の回転軸に対して傾斜した状態で対向している。かかる発明により、簡素な構成でありながら、内方部材が跳ね上げられて傾くような挙動をしてもボール列の各ボールと転走面の接点に荷重が集中しないので、転走面に圧痕がつくのを防ぐことができる。特に、インナー側の転走面とアウター側の転走面の対角にある転走面に圧痕がつくのを防ぐことができる。
車輪用軸受装置の全体構成を示す斜視図。 車輪用軸受装置の全体構成を示す断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。 第一実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第二実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第三実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第四実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第五実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。
以下に、図1から図4を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置1について説明する。なお、図2は、図1におけるA−A断面図である。図3および図4は、図2における一部領域の拡大図である。
車輪用軸受装置1は、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)、転動体6、シール部材7(以降「一側シール部材7」とする)、シール部材10(以降「他側シール部材10」とする)を具備する。なお、以下において、「一側」とは、車輪用軸受装置1の車体側、即ち、インナー側を表す。また、「他側」とは、車輪用軸受装置1の車輪側、即ち、アウター側を表す。
外方部材2は、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)を支持するものである。外方部材2は、略円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外方部材2の一側端部には、拡径部2aが形成されている。外方部材2の他側端部には、拡径部2bが形成されている。外方部材2の内周には、環状に外側転走面2cと外側転走面2dとが互いに平行となるように形成されている。外側転走面2cと外側転走面2dには、高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。なお、外方部材2の外周には、懸架装置を構成するナックルに取り付けるためのナックル取り付けフランジ2eが一体に形成されている。
内方部材3は、図示しない車輪を回転自在に支持するものである。内方部材3は、ハブ輪4と内輪5で構成されている。
ハブ輪4は、有底円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪4の一側端部には、小径段部4aが形成されている。小径段部4aには、内輪5が圧入されている。ハブ輪4の他側端部には、車輪取り付けフランジ4bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ4bには、内方部材3の回転軸Lを中心とする同心円上に等間隔にボルト穴4cが設けられ、それぞれのボルト穴4cにハブボルト4dが挿通されている。また、ハブ輪4の外周には、環状に内側転走面4eが形成されている。ハブ輪4は、小径段部4aから内側転走面4eまで高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。これにより、ハブ輪4は、車輪取り付けフランジ4bに付加される回転曲げ荷重に対して十分な機械的強度と耐久性を有している。なお、内側転走面4eは、外方部材2の外側転走面2dに対向する。
内輪5は、略円筒形状に形成されたSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。内輪5の外周には、環状に内側転走面5aが形成されている。つまり、内輪5は、ハブ輪4の小径段部4aに嵌め込まれ、小径段部4aの外周に内側転走面5aを構成している。内輪5は、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。これにより、内輪5は、車輪取り付けフランジ4bに付加される回転曲げ荷重に対して十分な機械的強度と耐久性を有している。なお、内側転走面5aは、外方部材2の外側転走面2cに対向する。
転動体6は、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4と内輪5)の間に介装されるものである。転動体6は、インナー側のボール列6a(以降「一側ボール列6a」とする)とアウター側のボール列6b(以降「他側ボール列6b」とする)を有している。一側ボール列6aと他側ボール列6bは、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。一側ボール列6aと他側ボール列6bには、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。一側ボール列6aは、複数のボールが保持器によって環状に保持されている。一側ボール列6aは、内輪5に形成されている内側転走面5aと、それに対向する外方部材2の外側転走面2cとの間に転動自在に収容されている。他側ボール列6bは、複数のボールが保持器によって環状に保持されている。他側ボール列6bは、ハブ輪4に形成されている内側転走面4eと、それに対向する外方部材2の外側転走面2dとの間に転動自在に収容されている。このようにして、一側ボール列6aと他側ボール列6bは、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4と内輪5)とで複列アンギュラ玉軸受を構成している。なお、車輪用軸受装置1は、複列アンギュラ玉軸受を構成したものであるが、これに限定するものではない。例えば、複列円錐ころ軸受等を構成したものであっても良い。また、車輪用軸受装置1は、ハブ輪4の外周に他側ボール列6bの内側転走面4eが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置であるがこれに限定するものではなく、ハブ輪4に一対の内輪5が圧入固定された第2世代構造や、ハブ輪4を備えずに外方部材2である外輪と内方部材である内輪5とから構成される第1世代構造であっても良い。
一側シール部材7は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間のインナー側端部に装着されるものである。一側シール部材7は、円環状のシールリング8と円環状のスリンガ9で構成されている。
シールリング8は、外方部材2の拡径部2aに嵌合されて外方部材2と一体的に構成される。シールリング8は、芯金81と弾性部材であるシールゴム82とを有する。
芯金81は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金81は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されている。これにより、芯金81は、円筒状の嵌合部81aと、その一端から内方部材3(内輪5)に向かって延びる円板状の側板部81bとが形成されている。嵌合部81aと側板部81bは、互いに略垂直に交わっており、嵌合部81aは、後述するスリンガ9の嵌合部9aに対向する。また、側板部81bは、後述するスリンガ9の側板部9bに対向する。なお、嵌合部81aと側板部81bには、弾性部材であるシールゴム82が加硫接着されている。
シールゴム82は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム82には、シールリップであるラジアルリップ82a、内側アキシアルリップ82bおよび外側アキシアルリップ82cが形成されている。
スリンガ9は、内方部材3の外周(内輪5の外周)に嵌合されて内方部材3と一体的に構成される。
スリンガ9は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。スリンガ9は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が略L字状に形成されている。これにより、スリンガ9は、円筒状の嵌合部9aと、その端部から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部9bとが形成されている。嵌合部9aと側板部9bは、互いに垂直に交わっており、嵌合部9aは、前述したシールリング8の嵌合部81aに対向する。また、側板部9bは、前述したシールリング8の側板部81bに対向する。なお、側板部9bには、磁気エンコーダ9cが設けられている。
一側シール部材7は、シールリング8とスリンガ9とが対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ82aは、油膜を介してスリンガ9の嵌合部9aに接触する。また、アキシアルリップ82bは、油膜を介してスリンガ9の側板部9bに接触する。そして、外側アキシアルリップ82cも、油膜を介してスリンガ9の側板部9bに接触する。このようにして、一側シール部材7は、いわゆるパックシールを構成し、砂塵等の侵入やグリースの漏出を防止しているのである。
他側シール部材10は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間のアウター側端部に装着されるものである。他側シール部材10は、円環状のシールリング11で構成されている。
他側シール部材10は、外方部材2の拡径部2bに嵌合されて外方部材2と一体的に構成される。シールリング11は、芯金111と弾性部材であるシールゴム112とを有する。
芯金111は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金111は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略C字状に形成されている。これにより、芯金111は、円筒状の嵌合部111aと、その一端から内方部材3(ハブ輪4)に向かって延びる円板状の側板部111bとが形成されている。嵌合部111aと側板部111bは、互いに湾曲しながら交わっており、嵌合部111aは、ハブ輪4の軸面部4fに対向する。また、側板部111bは、ハブ輪4の曲面部4gおよび側面部4h(車輪取り付けフランジ4bの端面を指す)に対向する。なお、側板部111bには、弾性部材であるシールゴム112が加硫接着されている。
シールゴム112は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム112には、シールリップであるラジアルリップ112a、内側アキシアルリップ112bおよび外側アキシアルリップ112cが形成されている。
他側シール部材10は、シールリング11とハブ輪4とが対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ112aは、油膜を介してハブ輪4の軸面部4fに接触する。また、アキシアルリップ112bは、油膜を介してハブ輪4の曲面部4gに接触する。そして、外側アキシアルリップ112cも、油膜を介してハブ輪4の側面部4hに接触する。このようにして、他側シール部材10は、砂塵等の侵入やグリースの漏出を防止しているのである。
次に、図5を用いて、第一実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図5は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図5における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第一実施形態である車輪用軸受装置1は、一側ボール列6aと他側ボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(詳細にはハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有している。構造部分Pは、外方部材2の内周から径方向内側へ突出した環状凸部2pによって構成されている。環状凸部2pは、その軸方向断面が略台形状となっており、その短辺が内方部材3に近接している。また、その短辺は、内方部材3に対して並行となっている。このため、隙間Cは、幅寸法がdで隙間寸法がhとなる円筒状の空間を形成している。但し、隙間寸法であるhは、数十マイクロメートル(μm)の値である。従って、構造部分Pは、環状凸部2pの内周面2mと内方部材3(ハブ輪4)の外周面4mとの隙間Cが微小であるすべり軸受のような態様となっている。このような構造部分Pを有することにより、本車輪用軸受装置1は、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受けるのである。なお、外方部材2のインナー側端部若しくはアウター側端部に構造部分Pを設けると、ボール列6aのボールと転走面(外側転走面2cと内側転走面5a)又はボール列6bのボールと転走面(外側転走面2dと内側転走面4e)のいずれか一方に掛かる荷重しか受けることができないが、ボール列6aとボール列6bの間に構造部分Pを設けることで、両方に掛かる荷重を受けることができる。
以上のように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、複列の転動体6のうちインナー側のボール列6aとアウター側のボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有し、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。かかる発明により、内方部材3に衝撃的な外力が加わっても、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に径方向内側へ突出した環状凸部2pが形成され、この環状凸部2pの内周面2mと内方部材3(ハブ輪4)の外周面4mとの隙間Cが微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、上記の効果を奏するものとしている。
次に、図6を用いて、第二実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図6は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図6における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第二実施形態である車輪用軸受装置1においても、一側ボール列6aと他側ボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(詳細にはハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有している。構造部分Pは、内方部材3の外周から径方向外側へ突出した環状凸部4pによって構成されている。環状凸部4pは、その軸方向断面が略台形状となっており、その短辺が外方部材2に近接している。また、その短辺は、外方部材2に対して並行となっている。このため、隙間Cは、幅寸法がdで隙間寸法がhとなる円筒状の空間を形成している。但し、隙間寸法であるhは、数十マイクロメートル(μm)の値である。従って、構造部分Pは、環状凸部4pの外周面4nと外方部材2の内周面2nとの隙間Cが微小であるすべり軸受のような態様となっている。このような構造部分Pを有することにより、本車輪用軸受装置1は、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受けるのである。なお、外方部材2のインナー側端部若しくはアウター側端部に構造部分Pを設けると、ボール列6aのボールと転走面(外側転走面2cと内側転走面5a)又はボール列6bのボールと転走面(外側転走面2dと内側転走面4e)のいずれか一方に掛かる荷重しか受けることができないが、ボール列6aとボール列6bの間に構造部分Pを設けることで、両方に掛かる荷重を受けることができる。
以上のように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、複列の転動体6のうちインナー側のボール列6aとアウター側のボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有し、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。かかる発明により、内方部材3に衝撃的な外力が加わっても、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、内方部材3(ハブ輪4)の外周に径方向外側へ突出した環状凸部4pが形成され、この環状凸部4pの外周面4nと外方部材2の内周面2nとの隙間Cが微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、上記の効果を奏するものとしている。
次に、図7を用いて、第三実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図7は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図7における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第三実施形態である車輪用軸受装置1においても、一側ボール列6aと他側ボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(詳細にはハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有している。構造部分Pは、外方部材2の内周から径方向内側へ突出した外方環状凸部2pと内方部材3の外周から径方向外側へ突出した内方環状凸部4pによって構成されている。外方環状凸部2pと内方環状凸部4pは、その軸方向断面が略台形状となっており、それぞれの短辺が互いに近接している。また、それぞれの短辺は、互いに対して並行となっている。このため、隙間Cは、幅寸法がdで隙間寸法がhとなる円筒状の空間を形成している。但し、隙間寸法であるhは、数十マイクロメートル(μm)の値である。従って、構造部分Pは、外方環状凸部2pの内周面2rと内方環状凸部4pの外周面4rとの隙間Cが微小であるすべり軸受のような態様となっている。このような構造部分Pを有することにより、本車輪用軸受装置1は、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受けるのである。なお、外方部材2のインナー側端部若しくはアウター側端部に構造部分Pを設けると、ボール列6aのボールと転走面(外側転走面2cと内側転走面5a)又はボール列6bのボールと転走面(外側転走面2dと内側転走面4e)のいずれか一方に掛かる荷重しか受けることができないが、ボール列6aとボール列6bの間に構造部分Pを設けることで、両方に掛かる荷重を受けることができる。
以上のように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、複列の転動体6のうちインナー側のボール列6aとアウター側のボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有し、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。かかる発明により、内方部材3に衝撃的な外力が加わっても、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に径方向内側へ突出した外方環状凸部2pと内方部材3(ハブ輪4)の外周に径方向外側へ突出した内方環状凸部4pとが形成され、これら外方環状凸部2pの内周面2rと内方環状凸部4pの外周面4rとの隙間Cが微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、上記の効果を奏するものとしている。
次に、図8を用いて、第四実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図8は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図8における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第四実施形態である車輪用軸受装置1においても、一側ボール列6aと他側ボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(詳細にはハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有している。構造部分Pは、外方部材2の内周から径方向内側へ突出した外方環状凸部2pと内方部材3の外周から径方向外側へ突出した内方環状凸部4pによって構成されている。外方環状凸部2pと内方環状凸部4pは、その軸方向断面が略三角形状となっており、外方環状凸部2pのアウター側斜辺と内方環状凸部4pのインナー側斜辺が互いに近接している。また、外方環状凸部2pのアウター側斜辺と内方環状凸部4pのインナー側斜辺は、互いに対して並行となっている。このため、隙間Cは、幅寸法がdで隙間寸法がhとなる円錐状の空間を形成している。但し、隙間寸法であるhは、数十マイクロメートル(μm)の値である。従って、構造部分Pは、外方環状凸部2pの内周面2sと内方環状凸部4pの外周面4sとの隙間Cが微小であるすべり軸受のような態様となっている。このような構造部分Pを有することにより、本車輪用軸受装置1は、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受けるのである。なお、外方部材2のインナー側端部若しくはアウター側端部に構造部分Pを設けると、ボール列6aのボールと転走面(外側転走面2cと内側転走面5a)又はボール列6bのボールと転走面(外側転走面2dと内側転走面4e)のいずれか一方に掛かる荷重しか受けることができないが、ボール列6aとボール列6bの間に構造部分Pを設けることで、両方に掛かる荷重を受けることができる。
以上のように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、複列の転動体6のうちインナー側のボール列6aとアウター側のボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有し、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。かかる発明により、内方部材3に衝撃的な外力が加わっても、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に径方向内側へ突出した外方環状凸部2pと内方部材3(ハブ輪4)の外周に径方向外側へ突出した内方環状凸部4pとが形成され、これら外方環状凸部2pの内周面2sと内方環状凸部4pの外周面4sとの隙間Cが微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、上記の効果を奏するものとしている。
更に加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、内周面2sと外周面4sが内方部材3の回転軸Lに対して傾斜した状態で対向している。かかる発明により、内方部材3が跳ね上げられて傾くような挙動をしても(図2の矢印M参照)、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。特に、インナー側の転走面2c・5aとアウター側の転走面2d・4eの対角にある転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
次に、図9を用いて、第五実施形態である車輪用軸受装置1について詳細に説明する。図9は、車輪用軸受装置1における要部構造を示す拡大断面図である。なお、図9における(A)は、領域Rを拡大した図である。
第五実施形態である車輪用軸受装置1においても、一側ボール列6aと他側ボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(詳細にはハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有している。構造部分Pは、外方部材2の内周から径方向内側へ突出した外方環状凸部2pと内方部材3の外周から径方向外側へ突出した内方環状凸部4pによって構成されている。外方環状凸部2pと内方環状凸部4pは、その軸方向断面が略三角形状となっており、外方環状凸部2pのインナー側斜辺と内方環状凸部4pのアウター側斜辺が互いに近接している。また、外方環状凸部2pのインナー側斜辺と内方環状凸部4pのアウター側斜辺は、互いに対して並行となっている。このため、隙間Cは、幅寸法がdで隙間寸法がhとなる円錐状の空間を形成している。但し、隙間寸法であるhは、数十マイクロメートル(μm)の値である。従って、構造部分Pは、外方環状凸部2pの内周面2tと内方環状凸部4pの外周面4tとの隙間Cが微小であるすべり軸受のような態様となっている。このような構造部分Pを有することにより、本車輪用軸受装置1は、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受けるのである。なお、外方部材2のインナー側端部若しくはアウター側端部に構造部分Pを設けると、ボール列6aのボールと転走面(外側転走面2cと内側転走面5a)又はボール列6bのボールと転走面(外側転走面2dと内側転走面4e)のいずれか一方に掛かる荷重しか受けることができないが、ボール列6aとボール列6bの間に構造部分Pを設けることで、両方に掛かる荷重を受けることができる。
以上のように、本発明に係る車輪用軸受装置1は、複列の転動体6のうちインナー側のボール列6aとアウター側のボール列6bの間で、外方部材2と内方部材3(ハブ輪4)との隙間Cが微小となる構造部分Pを有し、内方部材3に衝撃的な外力が加わった場合にのみ、外方部材2と内方部材3が接して一体となって荷重を受ける、としたものである。かかる発明により、内方部材3に衝撃的な外力が加わっても、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、外方部材2の内周に径方向内側へ突出した外方環状凸部2pと内方部材3(ハブ輪4)の外周に径方向外側へ突出した内方環状凸部4pとが形成され、これら外方環状凸部2pの内周面2tと内方環状凸部4pの外周面4tとの隙間Cが微小となっている構成である。かかる発明により、簡素な構成でありながら、上記の効果を奏するものとしている。
更に加えて、本発明に係る車輪用軸受装置1は、内周面2tと外周面4tが内方部材3の回転軸Lに対して傾斜した状態で対向している。かかる発明により、内方部材3が跳ね上げられて傾くような挙動をしても(図2の矢印M参照)、ボール列6a・6bの各ボールと転走面(外側転走面2c・2dと内側転走面4e・5a)の接点に荷重が集中しないので、転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。特に、インナー側の転走面2c・5aとアウター側の転走面2d・4eの対角にある転走面2c・2d・4e・5aに圧痕がつくのを防ぐことができる。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2c 外側転走面
2d 外側転走面
3 内方部材
4 ハブ輪
4a 小径段部
4b 車輪取り付けフランジ
4e 内側転走面
5 内輪
5a 内側転走面
6 転動体
6a ボール列
6b ボール列
C 隙間
L 回転軸
P 構造部分

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装された複列の転動体と、を備える車輪用軸受装置において、
    前記複列の転動体のうちインナー側のボール列とアウター側のボール列の間で前記外方部材と前記内方部材との隙間が微小となる構造部分を有し、前記内方部材に衝撃的な外力が加わった場合にのみ前記外方部材と前記内方部材が接して一体となって荷重を受ける、ことを特徴とした車輪用軸受装置。
  2. 前記外方部材の内周に径方向内側へ突出した環状凸部が形成され、この環状凸部の内周面と前記内方部材の外周面との隙間が微小となっている構成である、ことを特徴とした請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記内方部材の外周に径方向外側へ突出した環状凸部が形成され、この環状凸部の内周面と前記外方部材の内周面との隙間が微小となっている構成である、ことを特徴とした請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記外方部材の内周に径方向内側へ突出した外方環状凸部と前記内方部材の外周に径方向外側へ突出した内方環状凸部とが形成され、これら外方環状凸部の内周面と前記内方環状凸部の外周面との隙間が微小となっている構成である、ことを特徴とした請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記内周面と前記外周面が前記内方部材の回転軸に対して傾斜した状態で対向している、ことを特徴とした請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019214369A (ja) * 2019-07-31 2019-12-19 Ntn株式会社 転舵軸付ハブベアリングおよび転舵機能付ハブユニット
US11565548B2 (en) 2017-11-28 2023-01-31 Ntn Corporation Hub unit having steering function, and vehicle provided with said hub unit

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