JP2017133894A - シンチレータアレイ、それを用いたx線検出器およびx線検査装置 - Google Patents

シンチレータアレイ、それを用いたx線検出器およびx線検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の実施形態は、高解像度化のためにシンチレータセグメントの面積を小型化しても集光効率が高く、光漏れによるノイズが少ないシンチレータアレイを提供すること、および、それを用いたX線検出器およびX線検査装置を提供することを目的としている。【解決手段】本発明の実施形態のシンチレータアレイは、発光素子であるシンチレータ材料の焼結体(インゴット)から加工した複数のシンチレータセグメント間に反射層を介して一体化したシンチレータアレイであり、前記シンチレータアレイの反射層として屈折率の差が0.4以上異なる少なくとも2種類の誘電体層を有することを特徴とするシンチレータアレイである。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、X線などの放射線を可視光線などに変換する発光素子であるシンチレータアレイおよびそのシンチレータアレイを具備したX線検出器並びにX線検査装置に関する。
医療診断や工業用非破壊検査などの分野においては、X線断層写真撮影装置(以下、X線CT装置と記す)などのX線検査装置を用いた検査が行なわれている。X線CT装置は、扇状のファンビームX線を照射するX線管(X線源)と、多数のX線検出素子を併設したX線検出器とを、被検査体の断層面を中央として対向配置して構成されている。このようなX線CT装置においてはX線検出器に向けてX線管からファンビームX線を照射し、1回照射を行う毎に断層面に対して例えば角度を1度ずつ変えてゆくことによってX線吸収データを収集した後、このデータをコンピュータで解析することによって断層面の個々の位置でのX線吸収率を算出し、その吸収率に応じた画像を構成するものである。
X線CT装置のX線検出器では、X線の刺激により可視光線等を放射するシンチレータアレイとフォトダイオードを組み合わせた検出器の開発が進められている。このシンチレータアレイを用いた検出器では、検出素子を小型化し、チャンネル数を増やすことが容易であることから、高解像度のX線CT装置を得ることが可能となる。
X線CT装置などのX線検査装置は、医療用または工業用など様々な分野に用いられている。例えば、特開2012−187137号公報(特許文献1)には、検出素子(フォトダイオードなど)を縦横に2次元的に並べてシンチレータアレイを搭載したマルチスライスX線CT装置が開示されている。マルチスライス型とすることにより、輪切り画像を重ねることができ、CT画像を立体的に示すことができる。X線検査装置に搭載されるX線検出器は、検出素子を縦横に複数列並べており、検出素子1個ずつにシンチレータセグメントを備えている。シンチレータセグメントに入射したX線が可視光に変換され、その可視光を検出素子で電気信号に変換して画像としている。
従来、X線検出器に用いられるシンチレータアレイは、発光素子であるシンチレータ材料として、例えばタングステン酸カドミウム(CdWO)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)等の単結晶体、特開昭59−27283号公報(特許文献2)に示される立方晶系希土類酸化物セラミックス、特開昭58−204088号公報(特許文献3)に示されるガドリニウム酸硫化物:プラセオジウム(GdS:Pr)セラミックス、NaGdS2等の固体とこれら固体からなるシンチレータセグメントで発光した光を集光し高感度化することと隣接する発光素子への光漏れ(クロストーク)を低減し低ノイズ化することを目的に反射層、例えば酸化チタン(ルチル型TiO)粉末を接着剤でかためたもの(特許第3104696号公報(特許文献4))、五酸化タンタル(Ta)粉末を含む接着剤でかためたもの(特許第3715164号公報(特許文献5))や白色ポリマーシートを接着したもの(特許第2930823号公報(特許文献6))などとで構成されている。
近年は、前記のX線CT装置の高解像度化に伴い、X線検出器の検出素子の面積を小型化しており、これに伴いシンチレータセグメントのサイズも小さくなっている。すなわち1発光素子に相当するシンチレータセグメントの面積を小型化する必要がある。面積を小型化した発光素子で、これまでの面積の場合と同等以上の検出能力を得るためには、より高感度なシンチレータセグメントが必要となる。一方で、シンチレータセグメントの発光効率を高くすると共にシンチレータセグメントで発光した光の集光効率をあげることが必要である。
前記のような従来のシンチレータアレイの構成では、光の集光効率を上げるためには前記の反射層を厚くする必要がある。しかしながら、シンチレータアレイの面積は一定としなくてはならないため、前記のように反射層を厚くするとシンチレータセグメントの開口率が小さくなってしまい、高感度なシンチレータアレイが得られない。さらに、隣接する発光素子への光漏れ(クロストーク)を低減するためにも、前記のような従来の反射層の構成では同様に反射層を厚くする必要があり、前記と同様にシンチレータセグメントの開口率が小さくなってしまい、高感度なシンチレータアレイが得られずX線CT装置の高解像度化の妨げとなっている。このように、反射層をシンチレータセグメントに接着する方法では、X線検出器の1素子あたりを小面積化して、かつ光漏れなどのノイズ低減を行なうことが困難であるという問題を有していた。
特開2012−187137号公報 特開昭59−27283号公報 特開昭58−204088号公報 特許第3104696号公報 特許第3715164号公報 特許第2930823号公報 特許第4959877号公報
本発明の実施形態は、このような従来技術の課題に対処するためになされたもので、高解像度化のためにシンチレータセグメントの面積を小型化しても集光効率が高く、光漏れによるノイズが少ないシンチレータアレイを提供すること、および、それを用いたX線検出器およびX線検査装置を提供することを目的としている。
本発明の実施形態は、発光素子であるシンチレータ材料の焼結体(インゴット)から加工した複数のシンチレータセグメント間に反射層を介して一体化したシンチレータアレイであり、前記シンチレータセグメント間の反射層として屈折率の差が0.4以上異なる少なくとも2種類の誘電体層を交互に積層した層を複数層有することを特徴とするシンチレータアレイである。前記シンチレータアレイにおいて、前記の屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層を蒸着法で交互に積層した層を複数層作製したシンチレータアレイである。
前記シンチレータアレイは、シンチレータ材料として、タングステン酸カドミウム(CdWO)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)の単結晶体、立方晶系希土類酸化物セラミックス、プラセオジウム賦活ガドリニウム酸硫化物(GdS:Pr)セラミックス、ガーネット、NaGdS:(BiまたはEu)の何れか1種の材料で構成されている。前記シンチレータアレイにおいて、2種類の誘電体層の1種類の誘電体材料はTa、Ti、TiO、TiO、Nbのいずれか1種の材料であり、別の1種類の誘電体材料はMgO、SiO、SiOいずれか1種の材料である。
実施形態に係るシンチレータアレイを例示する模式図である。シンチレータアレイ1は、複数のシンチレータセグメント2の間に反射層3を介して一体化されている。 実施形態に係るシンチレータセグメント間の反射層3を詳細に例示する模式図である。シンチレータアレイ1は、シンチレータセグメント2の間に、反射層3として、高屈折率誘電体材料層4と低屈折率誘電体材料層5との積層を1セットとして、これらを複数層積層しており、その間に樹脂6を介して接着されている。 実施形態に係るX線検出器を例示する模式図である。X線検出器8は、X線により発光する蛍光発生手段であるシンチレータアレイ1とこの発光出力を電気的出力に変換する光検出手段(光電変換手段)である光電変換素子(検出素子)7とで構成される。 実施形態に係るX線検査装置10を例示する模式図である。
本発明者らは、前記の課題を達成するために、(1)シンチレータセグメントと受光素子のサイズが小さくなっていること、(2)シンチレータセグメントの界面には反射層の接着のために透明な樹脂が形成されていることからシンチレータ界面から放出される光は反射層内の反射粒子である白色粉末に到達する前に透明な接着樹脂層を通って受光素子がないエリアに光が到達する、との仮説を立て鋭意研究調査を進めた。その結果、シンチレータセグメント界面に反射率が高い反射層、つまり屈折率差が大きい、少なくとも2種類の誘電体層を蒸着法で直接形成することができることを見出した。
本発明の実施形態であるシンチレータアレイは、発光素子に直接、屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層を有することを特徴としている。受光素子のX線検出器の素子間隔にあわせてスパッタ法などの蒸着法で作製した誘電体層を具備する反射層間に従来の白色粉末の反射粒子を有する反射層、もしくは遮光層が介在してもかまわない。
また、本発明の実施形態であるX線検出器は、X線により発光する蛍光発生手段と、前記蛍光発生手段からの光を受けて、前記発光出力を電気的出力に変換する光検出手段とを具備するX線検出器であり、前記蛍光発生手段として、前記のシンチレータアレイを用いたことを特徴としている。本発明の実施形態のX線CT装置は、前記のX線検出器を具備することを特徴としている。
本発明の実施形態では、シンチレータセグメントに、高屈折率誘電体材料と低屈折率誘電体材料の屈折率差が大きい、少なくとも2種類の誘電体材料から構成される誘電体層をスパッタ法でサブミクロン〜数ミクロンの膜厚で均一に直接形成することができるため、感度バラツキが小さい。高屈折率誘電体材料と低屈折率誘電体材料の屈折率差は0.4以上であることが望ましい。また、より反射率を高めるために高屈折率誘電体材料と低屈折率誘電材料を多層化した膜でも構わない。前記2種類の誘電体材料の屈折率差が0.4未満では、反射率を大きくすることが困難である。
前記の高屈折率誘電材料としては、屈折率(n)が2.0以上の材料が望ましく、より最適な屈折率は2.2以上であり、材料としては、Ta (n=2.20)、Ti (n=2.33)、TiO(n=2.35)、TiO (n=2.37)、Nb (n=2.37)などが望ましい。高屈折率誘電体材料の屈折率が2.2未満では、低屈折率誘電体材料との屈折率の差が0.4以上とすることが困難であり、反射率を大きくすることが困難である。
前記の低屈折率誘電体材料としては、屈折率が2.0未満の材料が望ましく、より最適な屈折率は1.8以下であり、材料としては、MgO(n=1.74)、SiO(n=1.7)、SiO (n=1.47)などが望ましい。低屈折率誘電体材料の屈折率が2.0以上では、高屈折率誘電材料との屈折率の差が0.4以上とすることが困難であり、反射率を大きくすることが困難である。
前記の各誘電体材料の化合物としては、酸化物以外のフッ化物および硫化物でも構わないが、安定に蒸着できる酸化物が望ましい。
前記の屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体材料層は蒸着法で作製する。蒸着法は、PVD(物理蒸着法)、CVD(化学蒸着法)のいずれか1種で作製する。前記蒸着法としては、スパッタ法で作製することが好ましい。スパッタ法であれば、蒸着膜の厚さを均一で精度よくコントロールして成膜することが可能である。
本発明を実施するための形態のシンチレータアレイを構成するシンチレータセグメントのシンチレータ材料は、タングステン酸カドミウム(CdWO)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)の単結晶体、立方晶系希土類酸化物セラミックス、プラセオジウム賦活ガドリニウム酸硫化物(GdS:Pr)セラミックス、ガーネット、NaGdS:(BiまたはEu)の何れか1種で構成される。
本発明を実施するための形態のシンチレータアレイにおいては、特に、付活剤としてプラセオジム(Pr)を含有する希土類酸硫化物系蛍光体セラミックス(シンチレータ材料)のガドリニウム(Gd)酸硫化物である焼結体からなるものが好ましい。GdはX線吸収係数が大きく、シンチレータアレイの光出力の向上に寄与する。なお、Gdの一部は他の希土類元素で置換してもよい。この際、他の希土類元素による置換量は10mol%以下とすることが好ましい。
本発明を実施するための形態においては、希土類酸硫化物系蛍光体セラミックス(シンチレータ材料)の光出力を増大させる付活剤としてプラセオジム(Pr)を使用している。Prは他の付活剤に比べてアフターグローの低減などを図ることができる。従って、付活剤としてPrを含有する希土類酸硫化物系蛍光体セラミックス(シンチレータ材料)は、X線検出器の蛍光発生手段として有効である。
Prの含有量は、蛍光体母体(例えばGdS)に対して0.001〜10mol%の範囲とすることが好ましい。Prの含有量が10mol%を超えると、逆に光出力の低下を招くことになる。一方、Prの含有量が0.001mol%未満では、主付活剤としての効果を十分に得ることができない。より好ましいPrの含有量は0.01〜1mol%の範囲である。
本発明を実施するための形態においては、主付活剤としてのPrに加えて、希土類酸硫化物系蛍光体セラミックス(シンチレータ材料)に対してCe、ZrおよびPから選ばれる少なくとも1種を共付活剤として微量含有させてもよい。これら各元素は曝射劣化の抑制、アフターグローの抑制などに対して効果を示す。これら共付活剤の含有量は総量として、蛍光体母体に対して0.00001〜0.1mol%の範囲とすることが好ましい。
さらに、本発明を実施するための形態のシンチレータアレイを構成するシンチレータセグメントを形成するシンチレータ材料の焼結体は、高純度の希土類酸硫化物系蛍光体セラミックス(シンチレータ材料)からなることが好ましい。不純物はシンチレータの感度の低下要因となるため、できるだけ不純物量は低減することが好ましい。特に、燐酸根(PO)は感度の低下原因となるため、その含有量は150ppm以下とすることが好ましい。なお、特公平5-16756号公報に記載されているように、フッ化物などを焼結助剤として使用して高密度化を図った場合には、前述したように焼結助剤が不純物として残留するため、感度の低下をもたらすことになる。
本発明を実施するための形態のX線検出器は、前記のシンチレータアレイを具備し、入射したX線に応じて前記シンチレータアレイを発光させる蛍光発生手段と、前記蛍光発生手段からの光を受け、前記光の出力を電気的出力に変換する光検出手段(光電変換手段)とを具備することを特徴とするX線検出器である。
前記蛍光発生手段は、前記シンチレータ材料の焼結体をスライスまたは溝きり加工して作製した前記のシンチレータセグメントを縦横方向に反射層を介して複数集積して構成した前記のシンチレータアレイを有することを特徴とするX線検出器である。
本発明によるX線検査装置は、被検査体に向けてX線を照射するX線源と、前記被検査体を透過したX線を検出する、前記のX線検出器とを具備することを特徴とするX線検査装置である。前記X線検査装置はX線断層写真撮影装置(X線CT装置)であることが好ましい。
図1に実施形態に係るシンチレータアレイ1を例示する模式図を示した。図中、2はシンチレータセグメントである。前記シンチレータセグメント2は、立方体形状または直方体形状の焼結体である。前記シンチレータセグメント2のサイズは体積が1mm以下であれば特に限定されるものではないが、縦、横、厚さがそれぞれ1mm以下であることが好ましい。前記シンチレータセグメント2を小型化することにより、検出される画像を高精細化することができる。
シンチレータアレイ1は、反射層3を介して複数個のシンチレータセグメント2を一体化したものである。
図2は実施形態の1例であるシンチレータアレイ1の反射層3の詳細図である。図中、1はシンチレータアレイ、2はシンチレータセグメント、3は反射層で、4は低屈折率誘電体材料層、5は高屈折率誘電体材料層、6は樹脂である。また、実施形態にかかるシンチレータアレイ1は、シンチレータセグメント2が体積1mm以下と小型化されているため反射層3の厚みを100μm以下、さらには50μm以下と薄型化することも可能である。シンチレータアレイ1は、シンチレータセグメント2の間に、反射層3として、高屈折率誘電体材料層5と低屈折率誘電体材料層4との積層を1セットとして、これらを複数層積層しており、その間に樹脂6を介して接着されている。
次にX線検出器について説明する。図3はX線検出器を例示する図である。図中、8はX線検出器、1はシンチレータアレイ、7は光電変換素子(検出素子)である。シンチレータアレイ1はX線入射面を有し、X線照射面とは反対側の面には光電変換素子7が一体的に設置されている。光電変換素子7としては、例えばフォトダイオードが使用される。光電変換素子7は、シンチレータアレイ1を構成するシンチレータセグメント2に対応する位置に配置されている。シンチレータアレイ1のX線入射面に表面反射層を設けてもよい。これらによって、X線検出器8が構成されている。図示はしていないが、シンチレータアレイ1に表面反射層を設けることによって、シンチレータアレイ1から放射される可視光の反射効率がさらに向上し、ひいてはシンチレータアレイ1の光出力を高めることができる。
次にX線検査装置について説明する。図4は実施形態のX線検査装置の一例であるX線CT装置10を示している。図4において、10はX線CT装置、11は被検体、12はX線管、13はコンピュータ、14はディスプレイ、15は被検体画像である。X線CT装置10は、実施形態のX線検出器8を備えている。X線検出器8は被検体11の撮像部位を安置する円筒の内壁面に貼り付けられている。X線検出器8が貼り付けられた円筒の円弧の略中心には、X線を出射するX線管12が設置されている。X線検出器8とX線管12との間には被検体11が配置される。X線検出器8のX線入射面側には、図示しないコリメータが設けられている。
X線検出器8およびX線管12は、被検体11を中心にしてX線による撮影を行いながら回転するように構成されている。被検体11の画像情報が異なる角度から立体的に集められる。X線撮影により得られた信号(光電変換素子7により変換された電気信号)はコンピュータ13で処理され、ディスプレイ14上に被検体画像15として表示される。被検体画像15は、例えば被検体11の断層像である。図3に示すように、シンチレータセグメント2を2次元的に配置したシンチレータアレイ1を用いることによって、マルチ断層像タイプのX線CT装置10を構成することも可能である。この場合、被検体11の断層像が複数同時に撮影され、例えば撮影結果を立体的に描写することもできる。
図4に示すX線CT装置10は、実施形態のシンチレータアレイ1を有するX線検出器8を具備している。前述したように、実施形態のシンチレータアレイ1は反射層3の構成等に基づいて、シンチレータアレイ1から放射される可視光の反射効率が高いため、優れた光出力を有している。このようなシンチレータアレイ1を有するX線検出器8を使用することによって、X線CT装置10による撮影時間を短くすることができる。その結果、被検体11の被ばく時間を短くすることができ、低被ばく化を実現することが可能になる。実施形態のX線検査装置(X線CT装置10)は、人体の医療診断用のX線検査に限らず、動物のX線検査や工業用途のX線検査等に対しても適用可能である。
本発明の実施形態はX線非破壊検査装置による検査精度の向上などに対しても寄与するものである。
(実施例1〜2、比較例1)
Gd22S:Pr(Pr濃度=0.05mol%)蛍光体粉末をラバープレスにより仮成形し、この成形体をTa製のカプセル中に脱気密封した後、これをHIP処理装置にセットした。HIP処理装置にアルゴンガスを加圧媒体として封入し、圧力147MPa、設定温度1425℃の条件で3時間処理した。このようにして、直径約80mm×高さ約120mmの円柱状の焼結体を作製した。
前記焼結体から、厚さ0.7mm×幅0.7mm×長さ0.8mmのシンチレータセグメントを長さ方向に100セグメント幅方向に30セグメントをマトリクス状に切り出して実施例および比較例に係るシンチレータアレイを作製した。
実施例および比較例に係るシンチレータアレイの製作工程は、下記の通りである。比較例は前記シンチレータセグメントを反射粒子と透明樹脂とから形成される幅方向および長さ方向に0.1mmの反射層を介して一体化した。実施例は前記シンチレータセグメントにスパッタ法により直接低屈折率誘電体材料層と高屈折誘電体材料層を交互に複数層(30層)成膜し、樹脂を介して一体化した。実施例および比較例の反射層の構成を表1に示す。
Figure 2017133894
実施例および比較例に係るシンチレータアレイについて、光出力、クロストークを測定した。これら測定値の測定結果を表2に示す。光出力の測定は、各シンチレータアレイをX線検出器にセットし、120kV、200mAのX線を照射した際に光電変換素子(検出素子)であるシリコンフォトダイオードに流れる電流値を光出力として求めた。このとき、比較例の電流値を100%として換算した%で示す。クロストークは、前記と同じX線をスリットを通して各シンチレータアレイに照射した際の、スリットを通したX線で発光したシンチレータセグメント(発光素子)に対する隣接したシンチレータセグメント(隣接素子)の出力比を発光素子の出力を100%として換算した%で示す。
Figure 2017133894
この結果から、本発明の実施形態の一つである実施例によれば、比較例と比較して、クロストークが低減し、光出力が大きくなって向上している。
以上説明したように、本発明の実施形態のシンチレータアレイによれば、このように反射層を従来の白色反射粒子を含む反射層より薄くしても同等以上の反射率をもつためX線検出器1素子あたりの面積を小さくしても光漏れなどのノイズを低減することができ、X線CT装置の高解像度化が可能である。このように作製したシンチレータアレイは、十分な発光出力を有すると共に、光漏れが極めて小さいものとなり、X線検出器のシンチレータアレイとして極めて有用なものとなる。また、このようなX線検出器を用いたX線CT装置は、信号/ノイズ比が大きく、かつ診断能、空間分解能等に優れ、高解像度化が達成できる。
さらに、そのようなシンチレータアレイを使用することによって、解像度を高め、これにより医療診断能や非破壊検査精度の向上を図ったX線検出器およびX線検査装置を提供することが可能となる。
1…シンチレータアレイ
2…シンチレータセグメント
3…反射層
4…低屈折率誘電体材料層
5…高屈折率誘電体材料層
6…樹脂
7…光電変換素子(検出素子)
8…X線検出器
10…X線検査装置
11…被検体
12…X線管
13…コンピュータ
14…ディスプレイ
15…被検体画像

Claims (13)

  1. 発光素子であるシンチレータ材料の焼結体(インゴット)から加工した複数のシンチレータセグメント間に反射層を介して一体化したシンチレータアレイであり、前記シンチレータアレイの反射層として屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層を有することを特徴とするシンチレータアレイ。
  2. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率の差が0.4以上異なる少なくとも2種類の誘電体層を有することを特徴とする請求項1に記載のシンチレータアレイ。
  3. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率差が0.4以上異なる少なくとも2種類の金属酸化物誘電体層を有することを特徴とする請求項1ないし2のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  4. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層を蒸着法で作製したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  5. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層をPVD(物理蒸着法)またはCVD(化学蒸着法)のいずれか1種で作製したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  6. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層をスパッタ法で作製したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  7. 前記シンチレータアレイにおいて、シンチレータ材料が、タングステン酸カドミウム(CdWO)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)の単結晶体、立方晶系希土類酸化物セラミックス、プラセオジウム賦活ガドリニウム酸硫化物(GdS:Pr)セラミックス、ガーネット、NaGdS:(BiまたはEu)の何れか1種で構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  8. 前記シンチレータアレイにおいて、2種類の誘電体層の1種類の誘電体材料の屈折率が2.2以上であり、別の1種類の誘電体材料の屈折率が2.0未満であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  9. 前記シンチレータアレイにおいて、2種類の誘電体層の1種類の誘電体材料はTa、Ti、TiO、TiO、Nbのいずれか1種であり、別の1種類の誘電体材料はMgO,SiO,SiOいずれか1種であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のシンチレータアレイ。
  10. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層を蒸着法で作製することを特徴とするシンチレータアレイ。
  11. 前記シンチレータアレイにおいて、屈折率が異なる少なくとも2種類の誘電体層をスパッタ法で作製することを特徴とする請求項10に記載のシンチレータアレイ。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載のシンチレータアレイを具備したことを特徴とするX線検出器。
  13. 請求項12に記載のX線検出器を具備することを特徴とするX線検査装置。
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