JP2017134367A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高湿環境下においても良好な帯電特性を示し、ケイ素化合物により表面を覆われたトナー粒子を、効率よく製造することができる方法を提供する。【解決手段】 2官能、3官能、4官能のケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種類のケイ素化合物Aを、水系媒体中にてトナー粒子前駆体と共存させ、ケイ素化合物Aの少なくとも一部が縮合した後、1官能のケイ素化合物Bを前記水系媒体中に共存させ、ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真及び静電印刷のような画像形成方法に用いられる静電荷像を現像するためのトナー粒子の製造方法に関する。
トナーの性能を向上させる各種技術が多数提案されているが、本発明者らは、主にトナー耐久性向上の観点から、トナー粒子表面をケイ素化合物で覆う思想に注目している。
従来、トナー粒子表面に微小なシリカ粒子を付着させて各種性能を向上させる手法が多数取られてきた。一方で、トナー粒子表面に、反応させたケイ素化合物を付着させることで、微小なシリカ粒子を付着させたトナーとは違った特性を示すトナーが得られることが知られている。
特許文献1や特許文献3においては、水系媒体中にてゾルゲル法により作製した化合物を、トナー用樹脂粒子表面に固着させる技術が開示されている。特許文献2においては、エチレン性不飽和結合を含むケイ素化合物を反応させて、トナー粒子表面を覆う技術が開示されている。
特開2009−282173号公報 特開2010−181439号公報 特開2001−75304号公報
これらの文献において開示された技術は、トナー耐久性向上の観点で良好な結果が出ているが、生産性の点では、未だ改善の余地を残していた。そして、それら生産性を改善するため、各工程を簡略化したり、時間を短くしたりした場合には、トナーとしての性能、特に、高湿環境でのトナー帯電量が損なわれる傾向があり、また、トナー粒子の粒度分布がブロードになる傾向があった。
本発明の目的は、外添に頼らずにケイ素化合物により表面を覆われたトナーを効率よく生産できる、高湿環境においても良好な帯電特性を示すトナー粒子を製造する方法を提供することである。
本発明は、下記式(2)、下記式(3)および下記式(4)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類のケイ素化合物Aと、粒子状のトナー粒子前駆体と、水系媒体とを含む混合液を調製する工程(A);
前記工程(A)を経た後、混合液中の前記ケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程(B);
前記工程(B)を経た混合液中に、下記式(1)で表されるケイ素化合物Bを存在させる工程(C);および
前記工程(C)を経た後、混合液中の前記ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程(D);
を有するトナー粒子の製造方法であって、
前記工程(C)を経る前の混合液中におけるケイ素化合物Bおよびケイ素化合物Bの加水分解物の含有量が、ケイ素化合物Aおよびケイ素化合物Aの加水分解物の合計に対して1.0モル%以下であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
Figure 2017134367
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Figure 2017134367
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(式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基またはアリール基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。)
本発明によれば、ケイ素化合物により表面を覆われ、シャープな粒度分布を有するトナー粒子を簡便に得る製造方法を提供できる。また、高湿環境においても良好な帯電特性を示すトナー粒子を製造する方法を提供することができる。
電子写真装置の一例である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記工程(A)〜(D)を有するトナー粒子の製造方法であり、工程(A)、工程(B)、工程(C)および工程(D)をこの順番に進める製造方法である。
下記式(2)、下記式(3)および下記式(4)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類のケイ素化合物Aと、粒子状のトナー粒子前駆体と、水系媒体とを含む混合液を調製する工程(A)。
前記工程(A)を経た後、前記混合液中の前記ケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程(B)。
前記工程(B)を経た混合液中に、下記式(1)で表されるケイ素化合物Bを存在させる工程(C)。
前記工程(C)を経た後、混合液中の前記ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程(D)。
Figure 2017134367
Figure 2017134367
Figure 2017134367
Figure 2017134367
(式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基またはアリール基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。)
<工程(A)>
まず、工程(A)について説明する。
上記工程(A)における“粒子状のトナー粒子前駆体”とは、トナー粒子に含まれる材料そのものや、反応によりトナー粒子の構成材料となる元の原料(例えばモノマー)が含まれた組成物(樹脂組成物、単量体組成物)が、粒子状になったものである。このトナー粒子前駆体と、上記式(2)〜(4)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類のケイ素化合物Aと、水系媒体とを混合して、それらを含有する混合液を調製する工程が工程(A)である。この工程で、重要な点は、水系媒体中で、粒子状のトナー粒子前駆体とケイ素化合物Aとを共存させることである。
共存させる方法としては、大きく分類すると次の3つの方法に分けられる。
方法1:トナー粒子前駆体となる原材料にケイ素化合物Aを混合した状態で水系媒体中に投入し、造粒してトナー粒子前駆体とする方法。
この場合、トナー粒子前駆体の元となる原材料が水系媒体に投入される前から、ケイ素化合物Aがトナー前記原材料に入っているため、この状態で造粒を行う工程が、工程(A)に該当する。
方法2:トナー粒子前駆体が水系媒体中に形成された状態で、この水系媒体中にケイ素化合Aを投入する方法。
この場合、水系媒体中にケイ素化合Aを投入することが、工程(A)に該当する。
方法3:トナー粒子前駆体が形成された水系媒体と、ケイ素化合Aが投入された別の水系媒体とを混合する方法。
この場合、トナー粒子前駆体を含む水系媒体と、ケイ素化合物Aを含む水系媒体とを混合することが、工程(A)に該当する。
<工程(B)>
工程(B)は、ケイ素化合物Bが存在しない状態で、混合液中のケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程である。ケイ素化合物Aを縮合する際に、水系媒体中にケイ素化合物Bが共存すると、詳細は後述するが、本発明の効果が弱まってしまう。そのため、後述の工程(C)を経る前の混合液中においては、ケイ素化合物Bおよびケイ素化合物Bの加水分解物の合計の含有量が、ケイ素化合物Aおよびケイ素化合物Aの加水分解物の合計に対して1.0モル%以下であることが必要である。そして、液A中においては、ケイ素化合物Bおよびケイ素化合物Bの加水分解物が、全く存在しないことが特に好ましい。
有機ケイ素化合物を水系媒体で縮合させるには、加水分解性の官能基を持ったケイ素化合物を使用し、加水分解により形成されるシラノール基による脱水縮合を利用することができる。シラノール基は反応性が高いため、シラノール基が生成すると、直ちに脱水縮合を起こし、工程(A)を経た時点で、工程(B)が始まることになる。
また、加水分解前のケイ素化合物Aは疎水性であるが、加水分解してシラノール基になると、親水性が一気に強まる。よって、水系媒体中のトナー粒子前駆体表面にケイ素化合物Aの加水分解物が局在化して、さらには脱水縮合もトナー粒子前駆体表面で進むため、ケイ素化合物が表面に存在する粒子が得られる。この際に、式(2)〜(4)で表される化合物のように、複数の加水分解性の官能基を有する化合物を用いた場合には、ケイ素化合物の重縮合が連鎖的に起こる。そのため、粒子表面におけるケイ素化合物のネットワークが緻密となり、表面がケイ素化合物によってしっかりと覆われた粒子が得られる。
工程(B)において、式(1)で表される化合物が存在している場合には、式(1)で表される化合物が重縮合の停止点になってしまうため、粒子表面におけるケイ素化合物のネットワークの形成が不十分になる。また、十分に重縮合が進まなくなるため、粒子としての安定性に劣り、異形化や合一した粒子が多く生じ、粒度分布がブロードになる。
なお、工程(B)の進行の程度を厳密に捉えることは難しいが、加水分解物の発生量を定量できれば、工程(B)の進行を定性的にとらえることができる。本発明においては、工程(B)におけるケイ素化合物Aの縮合の最低の目安は、ケイ素化合物A由来の加水分解物が、1mol%以上生成することである。尚、ケイ素化合物Aが持つ加水分解性の官能基がすべて加水分解した場合に発生する加水分解物の量が100mol%である。帯電性向上の観点では、高いほど良好であり、加水分解物の生成割合の理想は100%である。一方で、粗大粒子抑制の観点では、好ましくは5〜99mol%であり、より好ましくは10〜95mol%である。
また、工程(B)において、加水分解と縮合の速度が速すぎると、トナー粒子前駆体の粒度に影響を及ぼし、粒度分布がブロードになってしまう。そこで、工程(A)、(B)の段階で用いられるケイ素化合物は、上記式(2)〜(4)で表されるような構造を有するケイ素化合物であることが必要となる。これらのケイ素化合物は、反応性が適度であり、過度な速さでの加水分解や縮合を起こしにくい化合物である。
<工程(C)>
工程(B)を経た後には、1粒のトナー粒子前駆体内にてケイ素化合物Aの縮合を完結させることが重要となる。1粒のトナー粒子前駆体でケイ素化合物Aの縮合が完結しないということは、粒子間での縮合が起こるということであり、このような場合、粗大粒子が発生することになる。この粗大粒子の発生を抑制するために、工程(C)が必要となる。
工程(C)は、上記式(1)のケイ素化合物Bが工程(B)を経た、トナー粒子前駆体の粒子の表面にケイ素化合物Aの縮合物が存在する粒子が含有されている混合液中に投入されることで達成される。水系媒体に投入されたケイ素化合物Bは、疎水性相互作用と類似構造物親和性の観点から、該粒子の表面に吸収される。但し、工程(B)において、粒子表面にケイ素重合体のネットワークが形成されているため、ケイ素化合物Bは、粒子内部への拡散は抑制され、表面に高濃度で留まると考えられる。そして、加水分解性の官能基を1分子中に1個しか持たないケイ素化合物Bが、粒子表面を覆うことによって、粒子間での縮合を抑制でき、そして粗大粒子発生を抑制できる。工程(B)でのケイ素化合物Aの縮合が進んでいないと、ケイ素化合物Bが粒子内部に拡散してしまうため、粗大粒子発生の抑制効果が薄れてしまう。
<工程(D)>
工程(D)では、加水分解したケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程である。ケイ素化合物Bに由来するシラノール基と、ケイ素化合物Aに由来するシラノール基と縮合反応を起こし、重縮合を停止することによって、ケイ素化合物Aの過度の縮合や、粒子間での縮合の発生を抑制することができる。また、縮合で形成されたケイ素化合物をトナー粒子表面に十分固定化することができる。これにより、工程(D)以降のトナー粒子製造工程を安定して進めることができる。
本発明は、上記特徴に加え、高温高湿環境においても良好な帯電特性を示すトナーを製造する方法である。すなわち、ケイ素化合物A由来の重縮合体は、高温高湿環境において帯電性を阻害する例が多々あるため、この阻害を解決する手段の提案でもある。
ケイ素化合物A由来の重縮合体は、少量の残存シラノール基が影響して、吸水による帯電阻害を発生させる場合が多い。本発明で得られたトナーは、高温高湿環境においても、優れた帯電安定性を示すものである。このようなトナーが得られる理由は、工程(B)以降の操作により、トナー粒子の最表面に式(1)のケイ素化合物のR、RおよびRが存在すると推定され、これによって吸水を抑制できたためと考えられる。
本発明で使用する式(1)、式(2)、式(3)および式(4)のケイ素化合物は、加水分解反応および縮合反応において、pHの影響を受ける。ケイ素化合物の重縮合体の構造強度、さらには縮合反応速度を制御する観点から、工程(B)や工程(D)での好ましい混合液のpHは、4.0以上10.0以下である。より好ましくは、7.0以上10.0以下である。この理由を説明する。
一般的に、有機ケイ素化合物の加水分解およびそれに続く脱水縮合は、ゾルゲル反応と言われている。ゾルゲル反応では、反応系(トナー粒子前駆体と水系媒体とを含有する混合液)のpHによって生成するシロキサン結合の結合状態が異なることが知られている。
具体的には、反応系が酸性である場合には、水素イオンが一つの反応基(例えばアルコキシ基)の酸素に親電子的に付加する。次に、水分子中の酸素原子がケイ素原子に配位して、置換反応によってヒドロシリル基になる。水が十分に存在している場合には、Hひとつで反応基(例えばアルコキシ基)の酸素をひとつ攻撃するため、媒体中のHの含有率が少ないときには、ヒドロキシ基への置換反応が遅くなる。よって、シランに付いた反応基のすべてが加水分解する前に重縮合反応が生じ、比較的容易に、一次元的な線状高分子や二次元的な高分子が生成し易い。
一方、反応系がアルカリ性の場合には、水酸化物イオンがケイ素に付加して5配位中間体を経由する。そのため全ての反応基(例えばアルコキシ基)が脱離しやすくなり、容易にシラノール基に置換される。特に、同一シランに3個以上の反応基を有するケイ素化合物を用いた場合には、加水分解及び重縮合が3次元的に生じて、3次元の架橋結合の多い有機ケイ素重合体が形成される。また、反応も短時間で終了する。従って、有機ケイ素重合体を形成するには、アルカリ性の下でゾルゲル反応を進めることが好ましい。
ケイ素化合物Aの重縮合体の構造強度の観点から、ケイ素化合物Aは、式(3)または式(4)で表される化合物が好ましく、より良好な帯電性を示す式(3)で表される化合物が最も好ましい。トナー粒子前駆体同士の縮合による粗大化抑制の観点からは、式(3)で表される化合物におけるRが、フェニル基または炭素数1以上6以下のアルキル基であることが好ましい。
工程(B)や工程(D)では、残存するシラノール基を極力減らして帯電性を向上させること、ケイ素化合物の重縮合体の構造をより強固にする観点から、混合液の温度を80℃以上105℃以下にすることが好ましい。より好ましくは、85℃以上100℃以下である。反応系の温度が高温であると、反応速度が高まり、製造に係る時間を短縮できるというメリットがある一方で、反応の制御が困難となり、粒子の粗大化が生じる可能性が高まる。本発明においては、粗大化を有効に抑制できるため、粗大化を抑制しつつ、製造に係る時間を短縮することができる、上記の温度範囲を採用することが可能となる。同様に、混合液の好ましいpHは、4.0以上10.0以下、より好ましくは、7.0以上10.0以下の条件も、本発明の粗大化抑制効果があってこその好ましい条件である。
高温高湿環境における帯電性向上の観点から、式(1)のR、RおよびRは、炭素数3以上10以下のアルキル基であることが好ましい。より好ましくは炭素数4以上6以下である。
本発明における、ケイ素化合物Aの添加量は、トナー粒子前駆体とケイ素化合物Aとの合計量を基準として、1〜20質量%が好適な範囲である。ケイ素化合物Bの添加量は、トナー粒子前駆体、ケイ素化合物Aおよびケイ素化合物Bの合計量を基準として、0.1〜5質量%が好適な範囲である。より好ましくは、ケイ素化合物Aの量やトナー粒子前駆体の粒子形状に応じて、トナー粒子表面に分子1層程度が固着される程度の量に調整することである。
ケイ素化合物Aは、下記式(2)〜(4)で表される化合物である。
Figure 2017134367
Figure 2017134367
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(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基またはアリール基であり、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。)
具体的な化合物としては、以下のものを例示することができる。メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルメトキシジクロロシラン、ブチルエトキシジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン。これらケイ素化合物Aは単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
ケイ素化合物Bは、式(1)で合わされる化合物である。
Figure 2017134367
(式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基またはアリール基であり、Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。)
具体的な化合物としては、以下のものを例示することができる。トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリ2−エチルヘキシルメトキシシラン。
以下、本発明トナーの具体的な製造方法について説明するが、これらに限定されるわけではない。
第一製法としては、重合性単量体、ケイ素化合物A及び必要に応じて着色剤などの添加剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に懸濁させて、造粒し、重合性単量体の重合と合わせて、ケイ素化合物Aの縮合を行いトナー粒子を得る方法である。この方法においては、造粒工程で形成される粒子が、“粒子状のトナー粒子前駆体”に該当する。ケイ素化合物Bは、ケイ素化合物Aの縮合の開始後に添加すれば良い。このトナー粒子は、トナー表面近傍に有機ケイ素化合物がトナー表面に析出した状態で重合されるため、トナー粒子表面に有機ケイ素重合体を含む層を形成させることができる。また、有機ケイ素化合物が均一に析出し易い利点が挙げられる。このような懸濁重合法は、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体を含む層の均一性の観点から、最も好ましい製法である。
第二製法としては、トナー粒子前駆体を得た後、水系媒体中で有機ケイ素化合物の表層を形成する方法である。トナー粒子前駆体は、結着樹脂、及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を溶融混練し、粉砕して得ても良く、結着樹脂粒子、及び必要に応じて着色剤粒子を、水系媒体中で凝集し、会合して得てもよい。あるいは、結着樹脂、及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を、有機溶媒に溶解し製造された有機相分散液を、水系媒体中に懸濁、造粒、場合によっては重合した後に有機溶媒を除去して、トナー粒子前駆体を得てもよい。
本発明において好ましい水系媒体とは、以下のものが挙げられる。水、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、これらの混合溶媒が挙げられる。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
また、重合性単量体の重合に用いることができる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5〜30.0質量部の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
また、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001〜15.000質量部である。
一方、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合に際して、架橋剤を添加してもよい。架橋性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
多官能の架橋性単量体としては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して、0.001〜15.000質量部である。
また、樹脂を用いてトナー粒子を作製する場合、次の樹脂が好例である。ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これらは単独又は混合して使用できる。
懸濁重合の際に用いられる水系媒体には、重合性単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものを使用することができる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物を例示できる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
橙色顔料としては以下のものを例示できる。パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物を例示できる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物を例示できる。具体的には以下のものを例示できる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛をそれぞれ例示できる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤及び青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して3.0〜15.0質量部であることが好ましい。
トナーには、荷電制御剤を用いることができ、公知のものが使用できる。荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して、0.01〜10.00質量部であることが好ましい。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)、粒径12.7μm以上の粒子の割合、Dv50/Dn50の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)、粒度分布粒径12.7μm以上の粒子の割合は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。そこに分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に、所定量のイオン交換水を入れる。そこに前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10〜40℃となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および粒径12.7μm以上の粒子の割合(体積%)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「算術径」が重量平均粒径(D4)である。また、同じく「↑12.7」が、12.7μm以上の粒子の体積分率(体積%)を表す数値である。
(8)また、測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、体積基準の50%D径(Dv50)および個数基準の50%D径(Dn50)を算出し、Dv50をDn50で割った値(Dv50/Dn50)を求める。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「50%D径」がDv50である。また、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「50%D径」がDn50である。
値(Dv50/Dn50)は、粒度分布のシャープさの指標であり、分布がブロードになるほど大きくなり、分布がシャープになるほど1.00に近づく。
尚、粒径12.7μm以上の粒子の割合(体積%)は5.0%以下が好ましく、Dv50/Dn50は1.40以下であることが好ましい。
<トナー表面のケイ素重合体の確認>
トナー表面に、ケイ素重合体が形成されていることを、以下ように確認した。
まず、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、40℃の雰囲気下で2日間硬化させる。得られた硬化物からダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出す。透過型電子顕微鏡(TEM)を用い1万〜10万倍の拡大倍率でトナーの断層面を観察する。ここで、EDX(エネルギー分散型X線分光法)を利用してケイ素原子マッピングを行うと、本発明のトナー表面に、ケイ素重合体が形成されていることが確認できる。なお、以下に示す実施例においては、トナー表面に、ケイ素重合体が形成されていることが確認できた。
本発明においては、ケイ素原子とトナー中のその他原子の原子量の違いを利用し、原子量が大きいとコントラストが明るくなることを利用して確認を行ってもよい。
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は、特に記載が無い限り質量部である。
<ポリエステル系樹脂(1)の製造例>
・テレフタル酸 :11.0mol部
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA)
:10.9mol部
上記単量体をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込んだ。減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置をオートクレーブに装着し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃で、Tgが68℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂(1)を得た。重量平均分子量(Mw)は7,400、数平均分子量(Mn)は3,020であった。
<ポリエステル系樹脂(2)の製造例>
(イソシアネート基含有プレポリマーの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 725質量部
・フタル酸 290質量部
・ジブチルスズオキサイド 3質量部
上記材料を220℃にて攪拌して7時間反応し、さらに減圧下で5時間反応させた後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応し、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。得られたイソシアネート基含有ポリエステル樹脂を25質量部とイソホロンジアミン1質量部を50℃で2時間反応させ、ウレア基を有するポリエステルを主成分とするポリエステル系樹脂(2)を得た。得られたポリエステル系樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は22300、数平均分子量(Mn)は2980、ピーク分子量は7200であった。
<実施例1>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた5つ口耐圧容器中に、
・イオン交換水 700質量部
・0.1モル/リットルのNaPO水溶液 1000質量部
・1.0モル/リットルのHCl水溶液 24.0質量部
を添加する。高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、12,000rpmで上記の混合液を撹拌しながら、63℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
その後、以下の原料を用いて、重合性単量体組成物を作製した。
・スチレン 75.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.1質量部
・メチルトリエトキシシラン(ケイ素化合物A) 7.5質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・ポリエステル系樹脂(2) 6.0質量部
・荷電制御剤 0.5質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤(べヘン酸ベヘニル) 10.0質量部
上記原料をアトライター(日本コークス工業社製)で3時間分散させ、重合性単量体組成物とした。次に、この重合性単量体組成物を別の容器に移し、撹拌しながら63℃で5分保持し、その後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート20.0質量部(トルエン溶液50%)を添加し、撹拌しながら5分間保持した。この工程が、「溶解工程」である。
次に、該重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、高速撹拌装置で撹拌しながら、10分間造粒した。この工程が「造粒工程」である。
その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させた。昇温に要した時間は10分間であった。さらに、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。pHは5.1であった。この工程を、「反応1工程」とする。
次に、1.0モル/リットル−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH8.0に調整し、容器内の温度を85℃まで昇温した。昇温に要した時間は20分であった。その後、容器内を85℃で3.0時間維持した。この工程を、「反応2工程」とする。
尚、重合性単量体の重合は、主に反応1工程において進み、反応2工程においては、残存する重合性単量体の重合が行われることになる。逆に、メチルトリエトキシシランの重縮合は、反応1工程においても進むが、主としては反応2工程において起こり、反応2工程を経ることによって、十分に重縮合が進み、粒子表面におけるケイ素化合物のネットワークが構築される。
反応2工程の終了後、トリイソブチルメトキシシラン(ケイ素化合物B)2.0質量部を添加した。添加に要した時間は10秒であった。次いで、還流管を取り外し、留分を回収できる蒸留装置を取り付けた。次に、容器内の温度が100℃になるまで昇温した。昇温に要した時間は30分であった。その後、容器内温度を100℃にて5.0時間維持した。この工程を「蒸留工程」とする。また、維持する温度を蒸留温度とし、維持した時間を蒸留時間とした。この工程で、トリイソブチルメトキシシランを縮合させるとともに、残存単量体やその他溶剤を除去した。蒸留開始時および終了時の容器内容物を少量取り出し、85℃時点でのpHを測定したところ、いずれも8.0であった。
蒸留工程終了直後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させ、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって、トナー粒子に含有される微粗粉を除去し、トナーを調製した。トナー粒子の処方及び製造条件を表1、2に示し、また用いたケイ素化合物に関して表9に示した。また、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と、以下に記載する帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<帯電特性の評価>
トナーの帯電量は、以下に示す方法によって求めることができる。
まずトナーと負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)を、30℃/80%RHの環境で24時間放置する。放置後にトナーの質量が5質量%となるように上記キャリアと混合し、ターブラミキサを用いて120秒間混合する。これを初期剤と定義する。次に底部に目開き20μmの導電性スクリーンを装着した金属製の容器に初期剤を0.40g入れ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量差と、容器に接続されたコンデンサに蓄積された電位とを測定する。この際、吸引圧を2.5kPaとする。前記質量差、蓄電された電位、及びコンデンサの容量から、トナーの摩擦帯電量を下記式から算出する。ここで得られた帯電量を、高温高湿初期帯電量(mC/kg)とする。また、初期剤を30℃/80%RHの環境に24h放置したものを放置剤とし、同様に放置剤を用いて測定される摩擦帯電量を、高温高湿放置帯電量(mC/kg)とする。
測定には、負帯電極性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製)は250メッシュを通過したものを使用する。
|Q|=|C×V/(W1−W2)|
Q(mC/kg):トナーの帯電量
C(μF):コンデンサの容量
V(V):コンデンサに蓄積された電位
W1−W2(g):吸引前後の質量差
本発明においては、摩擦帯電量の値を用いて、以下の基準で帯電特性の評価を行った。
A:35.0mC/kg以上
B:30.0〜34.9mC/kg
C:25.0〜29.9mC/kg
D:24.9mC/kg以下
<画像評価>
図1のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9510Cを改造し、シアンステーションだけでプリント可能とした。また、バックコントラストを任意に設定できるように改造した。このLBP9510C用トナーカートリッジを用い、トナーを200g充填した。そして、そのトナーカートリッジを高温高湿(30.0℃/80.0%RH)の環境下で24時間放置した。24時間放置後にトナーカートリッジをLBP9510Cに取り付け、1.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で15,000枚まで、ベタ画像のプリントアウトを行った。A4用紙としては、XEROX BUSINESS 4200(XEROX社製、75g/m)を用いた。
そして、初期と15,000枚出力時の画像濃度を測定することにより評価した。なお、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。評価基準を以下に示す。評価結果を表10に示す。
A:画像濃度1.40以上
B:画像濃度1.39〜1.30
C:画像濃度1.29〜1.25
D:画像濃度1.24〜1.20
E:画像濃度1.19以下
<実施例2〜31>
表1、2に示した製造条件および処方に従い、それ以外は上記実施例1に従い、トナー粒子及びトナーを作製した。また、用いたケイ素化合物に関しては表9に、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
なお、減圧蒸留および加圧蒸留の方法を以下に示す。
減圧蒸留は、空いている口に減圧機を取り付け、留分を回収する蒸留装置側に引き込まれない程度まで減圧することで行った。
加圧蒸留時は、空いている口に加圧器を取り付け、蒸留装置側に弁を取り付け、圧力の影響を受けないようにする。蒸留中は、5分に1度蒸留装置側の弁を開放して常圧に戻し、揮発分を回収した。
<実施例32>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた5つ口耐圧容器中に、
・イオン交換水 700質量部
・0.1モル/リットルのNaPO水溶液 1000質量部
・1.0モル/リットルのHCl水溶液 24.0質量部
を添加した。高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、上記の混合物を12,000rpmで撹拌しながら、63℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
その後、以下の原料を用いて、重合性単量体組成物を作製したが、この工程を溶解工程と定義する。
・スチレン 75.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.1質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・ポリエステル系樹脂(2) 6.0質量部
・荷電制御剤 0.5質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤(べヘン酸ベヘニル) 10.0質量部
上記原料をアトライター(日本コークス工業社製)で3時間分散させ、重合性単量体組成物とした。次に、この重合性単量体組成物を別の容器に移し、撹拌しながら63℃で5分保持し、その後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート20.0質量部(50%トルエン溶液;開始剤量10.0質量部)を添加し、撹拌しながら5分間保持した。ここの工程が、「溶解工程」である。
次に、上記重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、高速撹拌装置で撹拌しながら、10分間造粒した。この工程が「造粒工程」である。
造粒工程後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を70℃に昇温させた。昇温に要した時間は10分間であった。さらに、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。pHは5.1であった。この工程が、「反応1工程」である。
次に、容器内の温度を75℃まで昇温した。昇温に要した時間は7分であった。その後、容器内を75℃で3.0時間維持した。この工程を、「反応2工程」と定義する。
反応2工程後、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(ケイ素化合物A)7.5質量部を5分以内に添加し、1.0モル/リットル−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH8.0に調整した。
次いで、還流管を取り外し、留分を回収できる蒸留装置を取り付け、さらに減圧装置を取り付けた。減圧開始後、容器内温度を75℃のまま8.0時間維持した。この工程が、「蒸留工程」である。また、維持する温度を蒸留温度とし、維持した時間を蒸留時間とした。この工程で、メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを縮合させるとともに、残存単量体やその他溶剤を除去した。蒸留開始時および終了時の容器内容物を少量取り出し、75℃時点でのpHを測定したところ、いずれも8.0であった。
蒸留工程終了直後、トリイソブチルメトキシシラン(ケイ素化合物B)2.0質量部を5分以内で添加し、さらに75℃のまま8.0時間維持し、トリイソブチルメトキシシランを縮合した。この工程が「反応4工程」である。反応4工程終了時のpHを測定したところ、8.0であった。
反応4工程後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させ、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって得られたトナー粒子の微粗粉を除去し、トナーを調製した。トナー粒子の処方及び製造条件を表3、4に示し、また用いたケイ素化合物に関して表9に示した。また、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<実施例33〜34>
表3、4に示した製造条件および処方に従い、それ以外は上記実施例32に従い、トナー粒子及びトナーを作製した。用いたケイ素化合物に関しては表9に、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<実施例35>
反応1工程までは、実施例32と同様に進めた。次に、容器内の温度を85℃まで昇温し、その後、容器内を85℃で3.0時間維持した。
次いで、還流管を取り外し、留分を回収できる蒸留装置を取り付け、容器内温度を100℃まで昇温し、100℃のまま5.0時間維持した。
蒸留工程終了直後、50℃まで降温し、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(ケイ素化合物A)7.5質量部を5分以内に添加し、1.0モル/リットル−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH7.0に調整した。さらに50℃のまま8.0時間維持した。この工程が、「反応4工程」である。反応4工程終了時のpHは7.0であった。
反応4工程終了後、トリイソブチルメトキシシラン2.0質量部を5分以内で添加し、さらに50℃のまま8.0時間維持した。この工程が「反応5工程」である。反応5工程終了時のpHを測定したところ、7.0であった。
反応5工程終了後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させ、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって得られたトナー粒子から微粗粉を除去し、トナーを調製した。トナー粒子の処方及び製造条件を表5、6に示し、用いたケイ素化合物に関しては表9に示した。また、物性および評価結果を表10に示した。
<実施例36>
表5、6に示した製造条件および処方に従い、それ以外は上記実施例35に従い、トナー粒子及びトナーを作製した。用いたケイ素化合物に関しては表9に、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<実施例37>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた5つ口耐圧容器中に、
・イオン交換水 700質量部
・0.1モル/リットルのNaPO水溶液 1000質量部
・1.0モル/リットルのHCl水溶液 24.0質量部
を添加した。高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、上記の混合液を12,000rpmで撹拌しながら、63℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
その後、以下の材料をトルエン400質量部に溶解して、トナー粒子前駆体組成物を作製し、63℃まで昇温した。この工程が、「溶解工程」である。
・ポリエステル系樹脂(1) 60.0質量部
・ポリエステル系樹脂(2) 40.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・荷電性制御剤 0.5質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
次に上記組成物を水系分散媒体中に投入し、高速撹拌装置で撹拌しながら、10分間造粒した。この工程が、「造粒工程」である。
造粒工程終了後、還流管を取り外し、留分(トルエン)を回収できる蒸留装置を取り付け、容器内温度を100℃まで昇温し、100℃のまま5.0時間維持した。この工程が、「蒸留工程」である。
蒸留工程終了直後、50℃まで降温し、テトラエトキシシラン(ケイ素化合物A)7.5質量部を5分以内に添加し、1.0モル/リットル−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH7.0に調整した。さらに50℃のまま8.0時間維持した。この工程が、「反応4工程」である。反応4工程終了時のpHは7.0であった。
反応4工程終了後、トリイソブチルメトキシシラン(ケイ素化合物B)2.0質量部を5分以内で添加し、さらに50℃のまま8.0時間維持した。この工程が、「反応5工程」である。反応5工程終了時のpHを測定したところ、7.0であった。
反応5工程終了後、30℃まで冷却し、容器内に希塩酸を添加してpHを1.5まで下げて、分散安定剤を溶解させ、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によってトナー粒子から微粗粉を除去し、トナーを調製した。用いたケイ素化合物に関しては表9に、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<実施例38>
a.樹脂粒子分散液(1)の調製
・ポリエステル系樹脂(1): 100質量部
・メチルエチルケトン: 50質量部
・イソプロピルアルコール: 20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記樹脂を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて結晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液を得た。この結晶性ポリエステル溶解液の入った容器を65℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10mL/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらにエバポレータで減圧して脱溶剤を行い、結晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子分散液(1)を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、140nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
b.樹脂粒子分散液(2)の調製
・ポリエステル系樹脂(2): 100質量部
・メチルエチルケトン: 50質量部
・イソプロピルアルコール: 20質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記材料を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させて非晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル樹脂(1)溶解液の入った容器を40℃に設定し、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で3.5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10mL/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらに減圧して脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂(1)の樹脂粒子分散液(2)を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は、160nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
c.着色剤粒子分散液1の調製
・銅フタロシアニン(ピグメントブルー15:3): 45質量部
・荷電制御剤: 0.7質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製): 5質量部
・イオン交換水: 190質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザーにより10分間分散した。その後、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:(株)スギノマシン製)を用い圧力250MPaで20分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が130nmで、固形分量が20%の着色剤粒子分散液1を得た。
d.離型剤粒子分散液の調製
・ベヘン酸ベヘニル: 60質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製): 2.0質量部
・イオン交換水: 240質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで115℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径160nm、固形分量20%の離型剤粒子分散液を得た。
e.トナー粒子前駆体の作製
・樹脂粒子分散液(1): 300質量部
・樹脂粒子分散液(2): 150質量部
・着色剤粒子分散液1: 39質量部
・離型剤粒子分散液: 60質量部
フラスコ中にイオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.2質量部加えた後、以上の材料を撹拌した。次いで、1モル/リットルの硝酸水溶液を滴下してpH3.7にした後、これにポリ硫酸アルミニウム0.35質量部を加え、ウルトラタラックスで分散を行った。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃まで加熱し、40分間保持した。これにより、トナー粒子前駆体を得た。
その後、テトラエトキシシラン(ケイ素化合物A)7.5質量部を5分以内に添加し、1.0モル/リットル−NaOH水溶液を加えて10分以内にpH7.0に調整した。さらに50℃のまま8.0時間維持し、テトラエトキシシランを縮合させた。この工程が、「反応4工程」である。反応4工程終了時のpHは7.0であった。
反応4工程終了後、トリイソブチルメトキシシラン(ケイ素化合物B)2.0質量部を5分以内で添加し、さらに50℃のまま8.0時間維持し、トリイソブチルトリメトキシシランを縮合させた。この工程が、「反応5工程」である。反応5工程終了時のpHを測定したところ、7.0であった。
反応5工程終了後、30℃まで冷却し、さらに、ろ過を行った。ろ過後、得られたケーキを取りださずに、さらにイオン交換水700質量部を加えてもう一度ろ過し、洗浄を行った。この洗浄工程を5回繰り返した。
次いで、ろ過後のケーキを取り出し、30℃で1時間真空乾燥を行った。ここで得られた粒子をトナー粒子とする。
さらに、風力分級によって、得られたトナー粒子から微粗粉を除去し、トナーを調製した。用いたケイ素化合物に関しては表9に、また、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<実施例39>
表1、2に示した製造条件および処方に従い、それ以外は実施例1に従い、トナー粒子及びトナーを作製した。このとき、反応2工程において、ケイ素化合物A由来の加水分解物の影響で、pHの変動が生じた。そこで、10分ごとにpHを確認しながら、状況に応じて1.0モル/リットル−NaOH水溶液を加え、pHを制御した。実施例39では、反応2工程開始から反応2工程終了まで、pHは7.0から8.2の間で推移した。なお、蒸留工程開始時は、pHは8.0であり、終了時も8.0であった。用いたケイ素化合物に関しては表9に、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
<比較例1〜5>
表7、8に示した製造条件および処方に従い、それ以外は実施例35と同様の操作を行って、トナー粒子及びトナーを作製した。用いたケイ素化合物に関しては表9に、得られたトナー粒子およびトナーの粒度と帯電特性評価、画像評価の結果を表10に示した。
Figure 2017134367
Figure 2017134367
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Figure 2017134367
Figure 2017134367
1 感光体
2 現像ローラ
3 トナー供給ローラ
4 トナー
5 規制ブレード
6 現像装置
7 レーザー光
8 帯電装置
9 クリーニング装置
10 クリーニング用帯電装置
11 撹拌羽根
12 駆動ローラ
13 転写ローラ
14 バイアス電源
15 テンションローラー
16 転写搬送ベルト
17 従動ローラ
18 紙
19 給紙ローラ
20 吸着ローラ
21 定着装置

Claims (7)

  1. 下記式(2)、下記式(3)および下記式(4)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類のケイ素化合物Aと、粒子状のトナー粒子前駆体と、水系媒体とを含む混合液を調製する工程(A);
    前記工程(A)を経た後、混合液中の前記ケイ素化合物Aの少なくとも一部を縮合させる工程(B);
    前記工程(B)を経た混合液中に、下記式(1)で表されるケイ素化合物Bを存在させる工程(C);および
    前記工程(C)を経た後、混合液中の前記ケイ素化合物Bの少なくとも一部を縮合させる工程(D);
    を有するトナー粒子の製造方法であって、
    前記工程(C)を経る前の混合液中におけるケイ素化合物Bおよびケイ素化合物Bの加水分解物の含有量が、ケイ素化合物Aおよびケイ素化合物Aの加水分解物の合計に対して1.0モル%以下であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
    Figure 2017134367

    Figure 2017134367

    Figure 2017134367

    Figure 2017134367

    (式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル基またはアリール基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基またはアルコキシ基である。)
  2. 前記工程(B)および前記工程(D)の少なくとも一方において、前記混合液のpHを4.0以上10.0以下とする、請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記ケイ素化合物Aが、前記式(3)または式(4)で表される化合物である、請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記ケイ素化合物Aが、前記式(3)で表される化合物である、請求項3に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 下記式(3)のRが、フェニル基または炭素数1以上6以下のアルキル基である、請求項4に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 前記工程(B)および工程(D)の少なくとも一方において、前記混合液の温度を80℃以上105℃以下とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 前記ケイ素化合物Bが、前記式(1)で表される化合物であり、R、RおよびRが、それぞれ独立して、炭素数3以上10以下のアルキル基である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
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