JP2017134668A - 情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラム - Google Patents

情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 情報処理装置の実装密度を向上することで、情報処理システムの性能を向上する。【解決手段】 複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置と、複数の情報処理装置を管理する管理装置とを有する情報処理システムにおいて、管理装置は、複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得する取得部と、取得部が取得した複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算する計算部と、複数のグループのうち、合計消費電力値が所定の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる制御部を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムに関する。
サーバ等の情報処理装置を複数台含む情報処理システムでは、情報処理装置の消費電力値の合計が制限値を超えることを抑止するために、情報処理装置単位または情報処理装置が実装されるラック単位で消費電力値が管理される。例えば、複数のサーバの各々は、サーバ間で転送される消費電力値の情報に基づいて、複数のサーバの消費電力値の合計を算出し、合計の消費電力値が閾値を超えた場合、消費電力を抑える動作状態に切り換わる(例えば、特許文献1参照)。また、複数のサーバへの仮想マシンの配置を制御する制御装置は、サーバが実装されるラック単位で消費電力値を最小にするための整数計画問題の解に基づいて、サーバに仮想マシンを配置する(例えば、特許文献2参照)。データセンタにおいて、複数のIT(Information technology)機器が実装されるラック単位で消費電力値を算出し、算出した消費電力値が、想定値から所定の閾値以上乖離している場合、警告が出力される(例えば、特許文献3参照)。
特開2012−165549号公報 国際公開第2013/042615号 特開2013−175120号公報
サーバが実装されるラックでの消費電力値が制限値を超えないために、ラックに実装されるサーバの数は、例えば、ラックに供給される電力の最大値に安全率を乗じた値を、100%の稼働率で動作するサーバの消費電力値で除することで決められる。データセンタ等の情報処理システムに設置される全てのサーバの稼働率が100%になる可能性は低いが、ラックに実装されるサーバの数は、情報処理システムを安全に運用するために、余裕を持たせて設定される。例えば、ラックに供給される電力の定格値が4.8kW、安全率が85%、100%の稼働率で動作するサーバの消費電力値が340Wである場合、ラックに実装するサーバの数は、”12”に設定される。情報処理システムの運用時のサーバの稼働率の平均が70%である場合、ラックに実装されたサーバの消費電力値の合計(2.86kW)は、ラックに供給される電力の定格値の60%である。この場合、ラックに供給可能な4.8kWの電力のうち2kW近くの電力は、消費されず、情報処理システムの性能の向上に寄与されない。
1つの側面では、本件開示の情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムは、情報処理装置の実装密度を向上することで、情報処理システムの性能を向上することを目的とする。
一つの観点によれば、複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置と、複数の情報処理装置を管理する管理装置とを有する情報処理システムにおいて、管理装置は、複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得する取得部と、取得部が取得した複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算する計算部と、複数のグループのうち、合計消費電力値が所定の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる制御部を有する。
別の観点によれば、複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置と、複数の情報処理装置を管理する管理装置とを有する情報処理システムの制御方法は、管理装置が有する取得部が、複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得し、管理装置が有する計算部が、取得部が取得した複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算し、管理装置が有する制御部が、複数のグループのうち、合計消費電力値が所定の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる。
さらなる別の観点によれば、複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置を管理する管理装置の制御プログラムは、管理装置が有する取得部に、複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得させ、管理装置が有する計算部に、取得部が取得した複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算させ、管理装置が有する制御部に、複数のグループのうち、合計消費電力値が所定の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる。
本件開示の情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムは、情報処理装置の実装密度を向上することで、情報処理システムの性能を向上することができる。
情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムの一実施形態を示す図である。 図1に示すサーバの一例を示す図である。 図1に示す情報処理システムの動作の一例を示す図である。 図1に示す管理サーバの動作の一例を示す図である。 情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムの別の実施形態を示す図である。 図5に示すラックが設置される設置領域を含む設置場所の一例を示す図である。 図5に示す管理サーバの機能ブロックの一例を示す図である。 図7に示すサーバ管理テーブルの一例を示す図である。 図7に示すラック管理テーブルの一例を示す図である。 図6に示す管理サーバの動作の一例を示す図である。 図10に示すステップS100の処理の一例を示す図である。 図10に示すステップS200の処理の一例を示す図である。 図5に示す情報処理システムの動作の一例を示す図である。 図5に示す情報処理システムの動作の別の例を示す図である。 図5に示す情報処理システムのテスト運用時の動作の一例を示す図である。 図5に示す情報処理システムの消費電力値の一例を示す図である。 図6に示す設置場所に設置されるサーバの消費電力値と稼働率との関係の一例を示す図である。 図6に示す空調機の能力の特性の一例を示す図である。
以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1は、情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムの一実施形態を示す。図1に示す情報処理システムSYS1は、複数のラックRC(RC1、RC2、RC3)と管理サーバMSVとを有する。ラックRCは、筐体の一例である。なお、情報処理システムSYS1に含まれるラックRCの数は、3つに限定されない。
ラックRC1は、複数のサーバSV(SV11、SV12、SV13、SV14、...)を設置する空間を有する。ラックRC2は、複数のサーバSV(SV21、SV22、SV23、SV24、...)を設置する空間を有する。ラックRC3は、複数のサーバSV(SV31、SV32、SV33、SV34、...)を設置する空間を有する。サーバSVは情報処理装置の一例である。サーバSVの例は、図2に示される。
ラックRC1、RC2、RC3は、電源ケーブルPC(PC1、PC2、PC3)を介して電源の供給元からそれぞれ電力を受ける。各ラックRCに供給可能な最大の電力値は、電源ケーブルPC毎に設定される。各ラックRC内のサーバSVは、電源の供給元から受ける電力に基づいて、サーバSV内で使用する電源電圧を生成する電源ユニットPSを有する。
情報処理システムSYS1は、ネットワークを介してコンピュータ資源を提供するクラウドコンピューティングサービス等に使用される。図1では、ラックRC1、RC2に実装されるサーバSVは、少なくも1つの仮想サーバを起動し、仮想サーバによりデータ処理等を実行する。仮想サーバは、サーバSVが実行する仮想マシンの一例であり、ラックRC1、RC2の各々は、仮想マシンにより情報処理を開始する複数のサーバSVを含む処理グループの一例である。
ラックRC3に実装されるサーバSVは、ラックRC1、RC2に実装されるサーバSV上で動作する仮想サーバの移動先として使用される。ラックRC3は、処理グループ内のサーバSVから仮想マシンが移動されるサーバSVを含む移動先グループの一例である。ラックRC3に実装されるサーバSVを仮想サーバの移動先として専用に使用することで、仮想サーバの移動先を定めない場合に比べて、管理サーバMSVは、仮想サーバの移動を容易に制御できる。なお、ラックRC1、RC2に実装されるサーバSVに仮想サーバを実行させる情報処理システムSYS1は、クラウドコンピューティングサービス以外の用途に使用されてもよい。
ラックRC1、RC2からラックRC3への仮想サーバの移動は、電力を供給する電源線PCが共通に接続される単位である各ラックRC1、RC2内で消費される電力値が所定の閾値(図4で説明する閾値PVT1)を超えた場合に実行される。これにより、管理サーバMSVは、電源線PCの接続元であるブレーカ等の定格電力値と各ラックRC1、RC2で消費される電力値に基づいて、ラックRC1、RC2からラックRC3への仮想サーバの移動を制御することができる。この結果、電源線PCが共通に接続されないグループ単位で仮想サーバを移動する場合に比べて、仮想サーバの移動を容易に制御することができる。
以下では、サーバSV上で動作する仮想サーバを他のラックRCのサーバSV上に移動する動作は、ライブマイクグレーションと称される。また、以下では、仮想サーバを用いて情報処理を開始するサーバSVを含むラックRC1、RC2は、通常ラックRCとも称される。ライブマイクグレーションにより通常ラックRCのサーバSVから仮想サーバが移動されるサーバSVを含む他のラックであるラックRC3は、テンポラリラックRC3とも称される。
管理サーバMSVは、取得部PGET、計算部CALCおよび制御部CNTLを有する。管理サーバMSVおよび各サーバSVは、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して互いに接続される。特に限定されないが、管理サーバMSVは、図2に示すサーバSVと同様の構成を有する。取得部PGET、計算部CALCおよび制御部CNTLは、管理サーバMSVが実行する制御プログラムにより実現されてもよく、管理サーバMSVのハードウェアにより実現されてもよい。例えば、取得部PGET、計算部CALCおよび制御部CNTLの機能は、管理サーバMSVのCPU(Central Processing Unit)がメモリMEMに格納された制御プログラムを実行することで実現される。管理サーバMSVは、複数のサーバSVを管理する管理装置の一例である。
取得部PGETは、ネットワークを介して複数のサーバSVの各々から各サーバSVの消費電力値を取得する。計算部CALCは、共通の電源ケーブルPCに接続されるサーバSVのグループ毎に、サーバSVの消費電力値の合計である合計消費電力値を計算する。図1に示す例では、ラックRC毎に電源ケーブルPCが配線されるため、各グループは、各ラックRCに実装されるサーバSVを含む。なお、電源線PCが2つのラックRCに共通に接続される場合、各グループは、2つのラックRCに実装されるサーバSVを含む。
制御部CNTLは、複数の通常ラックRC1、RC2のうち、合計消費電力値が所定の閾値を超えた超過ラックがあるか否かを判定する。制御部CNTLは、超過ラックがある場合、超過ラックに属するサーバSVのうち、最も消費電力値が大きいサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックRC3に移動させるライブマイグレーションを実行する。仮想サーバを移動させる動作の例は、図3に示され、管理サーバMSVの動作の例は、図4に示される。
図2は、図1に示すサーバSVの一例を示す。図2に示す太い実線は、電源線を示す。サーバSVは、BMC(Baseboard Management Controller)と、CPU等のプロセッサと、メモリMEMと、I/O(Input/Output)デバイスとを有する。また、サーバSVは、HDD(Hard Disk Drive)、電源ユニットPSおよびファンFANを有する。BMC、CPU、メモリMEM、I/Oデバイス、HDDおよびファンFANは、電源電圧VDDに基づいて動作する。例えば、管理サーバMSVおよびサーバSVのBMCは、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)に準拠して設計されており、IPMIの仕様にしたがって情報を通信する。
BMCは、図1に示す管理サーバMSVからの指示に基づいて、破線で接続されるCPU、メモリMEMおよびファンFANの動作状態を管理する。例えば、BMCは、CPUにクロック周波数の変更を指示し、メモリMEMが記憶するデータのエラーを検出し、ファンFANに回転数の変更を指示する。なお、BMCは、電源電圧VDDとは別の系統の電源電圧を受けて動作してもよい。
CPUは、メモリMEMに格納されたプログラムを実行することで、サーバSVの機能を実現する。例えば、メモリMEMは、複数のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ等を含むメモリモジュールである。例えば、I/Oデバイスは、PCI(Peripheral Component Interconnect)規格のスロットに装着されるLAN(Local Area Network)カード等である。HDDは、サーバSVの起動時にメモリMEMに転送されるプログラムを保持し、CPUが処理するデータを保持する。なお、サーバSVは、HDDの代わりにSSD(Solid State Drive)を有してもよい。ファンFANは、サーバSVの吸気口または排気口に取り付けられ、サーバSV内に外気を導入して、CPU等の電子部品から発生する熱をサーバSVの外部に排出する。
電源ユニットPSは、例えば、AC(Alternating Current)/DC(Direct Current)コンバータを有する。そして、電源ユニットPSは、電源の供給元から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を電源電圧VDDとしてCPU等に出力する。
図3は、図1に示す情報処理システムSYS1の動作の一例を示す。図3では、通常ラックRC1とテンポラリラックRC3とが示される。各ラックRC1、RC3には、18個のサーバSVが設置される。図3において、各サーバSV内に括弧で示すワット数(287W等)は、各サーバSVの消費電力値の例を示す。各ラックRCのラック名の右側に括弧で示すキロワット数(4.65kW等)は、各ラックRCに実装されたサーバSVの消費電力値の合計(合計消費電力値)を示す。各サーバSVの消費電力値は、図1に示す取得部PGETが、ネットワークを介して各サーバSVに問い合わせることで取得される。各ラックRCの合計消費電力値は、図1に示す計算部CALCにより計算される。消費電力値の取得と、合計消費電力値の計算は、所定の時間間隔(例えば、30秒)で実行される。
図3では、ラックRC1内の各サーバSVは、複数の仮想サーバVSVを動作させており、ラックRC1の合計消費電力値(4.65kW)は、所定の閾値である4.6kWより大きい。例えば、所定の閾値は、各ラックRCに供給可能な最大の電力値(定格電力値)である4.8kWの96%に設定される。所定の閾値は、ライブマイグレーションの実行期間と合計消費電力値の時間当たりの増加量との関係等の経験則に基づいて決定される。あるいは、所定の閾値は、合計消費電力値が定格電力値を超えてからラックRCに電力を供給するブレーカBRKが遮断するまでの時間と、合計消費電力値の時間当たりの増加量との関係等に基づいて決定される。ラックRC3内の各サーバSVは、仮想サーバVSVを動作させておらず、消費電力値は100Wであり、ラックRC3の合計消費電力値は1.8kWである。
図1に示す管理サーバMSVの制御部CNTLは、ラックRC1の合計消費電力値が所定の閾値を超えたことに基づいて、ラックRC1内のサーバSVのうち、最も消費電力値が大きいサーバSV11を選択する。制御部CNTLは、選択したサーバSV11が実行する仮想サーバVSVを、ラックRC3内のサーバSVのいずれかに移動するライブマイグレーションを実行する。図3に示す例では、制御部CNTLは、選択したサーバSV11が実行する仮想サーバVSVを、ラックRC3のサーバSV31に移動する。
ライブマイグレーションの実行により、サーバSV11の消費電力は100Wになり、サーバSV31の消費電力は287Wになる。この結果、ラックRC1の合計消費電力値は、所定の閾値以下の4.46kWになり、ラックRC3の合計消費電力値は、1.99kWになる。これにより、ライブマイグレーションの実行前に比べて、ラックRC1の合計消費電力値が定格電力値を超える可能性を低くすることができ、情報処理システムSYS1の信頼性を向上することができる。
なお、ラックRC1内のサーバSVのうち、最も消費電力値が大きいサーバSVが複数ある場合、制御部CNTLは、最も消費電力値が大きい複数のサーバSVを選択してもよく、最も消費電力値が大きい複数のサーバSVのいずれかを選択してもよい。そして、制御部CNTLは、選択したサーバSVが実行する仮想サーバVSVを、ラックRC3内のサーバSVのいずれかに移動するライブマイグレーションを実行する。
また、ラックRC1の合計消費電力値が4.85kWの場合、ライブマイグレーションの実行によりサーバSV11で実行する仮想サーバVSVをサーバSV31に移動した後、ラックRC1の合計消費電力値は4.66kWであり、所定の閾値を超えている。この場合、制御部CNTLは、次に最も消費電力値が大きいサーバSV12が実行する仮想サーバVSVを、ラックRC3内のサーバSVのいずれかに移動する。これにより、ラックRC1の合計消費電力値は、所定の閾値以下の4.50kWになり、ラックRC3の合計消費電力値は、2.15kWになる。
最も消費電力値が大きいサーバSVを選択することで、消費電力値が最大でないサーバSVを選択する場合に比べて、ラックRC1の合計消費電力値の削減効果を高くすることができる。この結果、ライブマイグレーションを実行するサーバSVの数(すなわち、ライブマイグレーションの回数)を最小限にすることができ、ライブマイグレーションによる情報処理システムSYS1の負荷の増加を最小限にすることができる。
以上のように、各通常ラックRCの合計消費電力値に応じてライブマイグレーションを実行することで、情報処理システムSYS1の性能を維持しながら、ラックRC1の合計消費電力値が定格電力値を超えることを抑止することができる。
また、例えば、従来では、各ラックRCに搭載するサーバSVの数は、ラックRCに実装するサーバSVの定格電力値の総和が、ラックRCに供給可能な最大の電力値(定格電力値)を超えないように決められる。これに対して、情報処理装置SYS1は、通常ラックRC内のサーバSVが実行する仮想サーバVSVを通常ラックRCの外に移動できる。このため、情報処理システムSYS1では、通常ラックRCに搭載するサーバSVの定格電力値の総和を、ラックRCの定格電力値を超えて設定することができる。例えば、各ラックRCの定格電力値が4.8kWの場合、各ラックRCに搭載されるサーバSVの定格電力値の総和が電源タップPDU1の定格電力値の1.5倍(7.2kW)になるように、各ラックRCへのサーバSVの搭載数が決められる。この場合、各ラックRCへのサーバSVの搭載数を、従来に比べて1.5倍にすることができる。
このように、通常ラックRC内のサーバSVが実行する仮想サーバVSVをテンポラリラックRC3に移動することで、各通常ラックRCに従来に比べて多くのサーバSVを実装することができる。これにより、従来に比べて、サーバSVの情報処理システムSYS1への実装密度を向上することができ、情報処理システムSYS1の性能を向上することができる。
図4は、図1に示す管理サーバMSVの動作の一例を示す。図4に示す動作は、管理サーバMSVが実行する制御プログラムにより実現され、通常ラックRC毎に、所定の周期(例えば、30秒間隔)で繰り返し実行される。すなわち、図4は、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムの一例を示す。制御プログラムは、管理サーバMSVに搭載されるメモリに格納され、管理サーバMSVに搭載されるCPU等のプロセッサにより実行される。
まず、ステップS1において、管理サーバMSVの取得部PGETは、各ラックRCに実装されたサーバSVの各々から消費電力値を取得する。以下では、サーバSVの消費電力値は、サーバ電力値とも称される。次に、ステップS2において、管理サーバMSVの計算部CALCは、ステップS1で取得されたサーバ電力値に基づき、通常ラックRCの合計消費電力値を計算する。以下では、通常ラックRCの合計消費電力値は、ラック電力値とも称される。
次に、ステップS3において、管理サーバMSVの制御部CNTLは、ラック電力値が閾値PVT1を超えたか否かを判定する。すなわち、制御部CNTLは、ライブマイグレーションを実行するか否かを判定する。制御部CNTLは、ラック電力値が閾値PVT1を超えた場合、処理をステップS4に移行し、ラック電力値が閾値PVT1以下の場合、処理を終了する。
ステップS4において、管理サーバMSVの制御部CNTLは、ラック電力値が閾値PVT1を超えた通常ラックRCに実装されたサーバSVのうち、消費電力値が最も大きいサーバSVを選択する。そして、制御部CNTLは、選択したサーバSVが実行する仮想サーバVSVをテンポラリラックRC3のサーバSVのいずれかに移動し、処理を終了する。例えば、仮想サーバVSVの移動先のサーバSVは、テンポラリラックRC3に実装されたサーバSVのうち、仮想サーバVSVを実行していないサーバSVのいずかから選択される。
以上、図1から図4に示す実施形態では、通常ラックRCからテンポラリラックRC3に仮想サーバVSVを移動することで、ラック電力値が通常ラックRCの定格電力値を超えることを抑止することができる。これにより、例えば、通常ラックRCに搭載するサーバSVの定格電力値の総和を、通常ラックRCの定格電力値を超えて設定することができる。この結果、各通常ラックRCに実装可能なサーバSVの数を従来に比べて増やすことができ、情報処理システムSYS1の性能を向上することができる。ラック電力値が通常ラックRCの定格電力値を超えることを抑止できるため、情報処理システムSYS1の信頼性を向上することができる。
通常ラックRCから最も消費電力値が大きいサーバSVを選択してライブマイグレーションを実行するため、消費電力値が最大でないサーバSVを選択する場合に比べて、通常ラックRCの合計消費電力値の削減効果を高くすることができる。この結果、通常ラックRCの合計消費電力値を閾値PVT1以下にするために実行するライブマイグレーションの回数を最小限にすることができ、ライブマイグレーションによる情報処理システムSYS1の負荷の増加を最小限にすることができる。
管理サーバMSVは、電力を供給する電源線PCが共通に接続されるラックRC単位でサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックRC3に移動する。これにより、電源線PCが共通に接続されないグループ単位で仮想サーバを移動する場合に比べて、仮想サーバの移動を容易に制御することができる。ラックRC3に実装されるサーバSVを仮想サーバの移動先として専用に使用することで、仮想サーバの移動先を定めない場合に比べて、管理サーバMSVは、仮想サーバの移動を容易に制御できる。
図5は、情報処理システム、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムの別の実施形態を示す。図1に示した実施形態で説明した要素と同一または同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示す情報処理システムSYS2は、複数のラックA(A11、A12、A13、A14、...、A21、A22、A23、A24、...)、分電盤DIST(DISTA1、DISTA2)、管理サーバMSVおよびネットワークスイッチNSW1を有する。情報処理システムSYS2は、図1に示す情報処理システムSYS1と同様に、クラウドコンピューティングサービス等に使用される。
ラックA11、A12、A13、A14は、分電盤DISTA1に設けられるブレーカBRKを介して電力をそれぞれ受け、ラックA21、A22、A23、A24は、分電盤DISTA2に設けられるブレーカBRKを介して電力をそれぞれ受ける。分電盤DISTA1、DISTA2は、所定数のラックA毎に設けられる。図10および図11で説明するように、ライブマイグレーションの処理は、共通の電源線を介して電力を受けるラックA単位(すなわち、ブレーカBRK単位)で実行される。なお、各ブレーカBRKに接続された電源線が2つのラックAに共通に接続される場合、ライブマイグレーションの処理は、2つのラックA単位で実行されてもよい。これにより、電源線が共通に接続されないラック単位でライブマイグレーションが実行される場合に比べて、仮想サーバの移動を容易に制御することができる。
図5に示すラックAは、図6に示す設置場所ILの設置領域IAAに設置させる複数のラックAの一部を示している。情報処理システムSYS2は、図6に示す設置場所ILに設置される全てのラックを含む。設置場所ILに設置される各ラックは、筐体の一例である。
各サーバSVに付した左から3番目のアルファベットAは、サーバSVが設置領域IAAに設置されるラックAのいずれかに実装されることを示す。各サーバSVに付した4桁の数字のうち、上位2桁は、設置領域IAA内でのラックAの位置を識別するラック番号を示し、下位の2桁は、ラックA内でのサーバSVの収納位置を示す。図5に示す例では、各ラックAは、42個のサーバSVを収納可能な収納空間を有する。
各ラックAには、複数のサーバSVと、電源タップPDU(Power Distribution Unit)と、各サーバSVに接続されたネットワークスイッチNSW2とが実装される。各サーバSVの構成は、図2に示すサーバSVの構成と同一または同様であり、BMC、CPUおよび電源ユニットPS等を有する。電源タップPDUは、分電盤DISTA1、DISTA2のブレーカBRKを介して電力を受ける。電源タップPDUが供給可能な最大の電力値である定格電力値は、ブレーカBRKの定格電流値に対応して決まる。ネットワークスイッチNSW2は、ネットワークスイッチNSW1と各サーバSVとを接続する。各サーバSVおよびネットワークスイッチNSW2は、電源タップPDUの差し込み口に接続される電源ケーブルを介して分電盤DISTA1(またはDISTA2)からの電力を受けて動作する。以下では、電源タップPDUの定格電力値は、ラックの定格電力値とも称される。
後述する図6に示す設置領域IA(IAB、IAC、IAD、IAE、IAF、IAG、IAH、IAI、IAJ)の構成も、図5と同様である。すなわち、図6において、各設置領域IAに設置される網掛けで示す各ラックは、42個のサーバSVを設置可能な空間を有する。また、各ラックには、電源タップPDUと、各サーバSVに接続されるネットワークスイッチNSW2とが設置される。
管理サーバMSVは、ネットワークスイッチNSW1、NSW2を介して、各ラックAの各サーバSVに接続される。管理サーバMSVおよびサーバSVが、LAN(Local Area Network)を介して互いに接続される場合、ネットワークスイッチNSW1、NSW2は、LANスイッチである。また、管理サーバMSVは、通信線を介して各電源タップPDUに接続され、電源タップPDUの各差し込み口で使用する電流値を示す情報を、通信線を介して電源タップPDUから取得する。各差し込み口で使用する電流値を示す情報は、各サーバSVおよびネットワークスイッチNSW2の消費電流値を示す。管理サーバMSVは、各電源タップPDUから取得する差し込み口毎の電流値に基づき、差し込み口に接続されたサーバSVまたはネットワークスイッチNSW2の消費電力値を算出する。なお、差し込み口には、無停電電源装置UPS(Uninterruptible Power Supply)等、サーバSVおよびネットワークスイッチNSW2以外の装置が接続されてもよい。
なお、電源タップPDUが差し込み口毎の電流値を計測する機能を持たない場合、管理サーバMSVは、通信線ではなく、ネットワークスイッチNSW1、NSW2を介して、各サーバSVのBMCから各サーバSVの消費電力値を取得してもよい。この場合、管理サーバMSVは、BMCを持たないネットワークスイッチNSW2等の装置の消費電力値を、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)を利用して取得してもよい。また、管理サーバMSVは、電源タップPDUから電力を受けるラック内の装置のうち、消費電力値がほぼ一定の装置の消費電力値と、消費電力値がラック内で消費される総電力値に対して無視できる装置の消費電力値との取得を省略してもよい。管理サーバMSVは、消費電力値がほぼ一定の装置の消費電力値の取得を省略する場合、取得した他の装置の諸費電力値の合計に、消費電力値がほぼ一定の装置の消費電力値を加算する。
管理サーバMSVは、図2に示すサーバSVと同様の構成を有する。管理サーバMSVは、ネットワークスイッチNSW1、NSW2を介してパケットを送受信し、ライブマイグレーションを制御する。管理サーバMSVおよびサーバSVのBMCは、IPMIの仕様にしたがって情報を通信する。
図6は、図5に示すラックAが設置される設置領域IAAを含む設置場所ILの一例を示す。換言すれば、図6は、図5に示す情報処理システムSYS2の全体像を示す。図6では、管理サーバMSV、ネットワークスイッチNSW1および分電盤DISTの記載は省略される。
設置場所ILには、10個の設置領域IA(IAA、IAB、IAC、IAD、IAE、IAF、IAG、IAH、IAI、IAJ)が設けられる。なお、設置領域IAの数は、10個に限定されない。各設置領域IAには、網掛けで示す56個のラックと、斜線で示す4個の空調機AIRCとが設置される。56個のラックは、図6の横方向に14個、図6の縦方向に4個が配列される。例えば、設置領域IAAにおいて、ラックAに付した最初の数字は、図6の縦方向(行)の位置を示し、ラックAに付した残りの数字(1桁または2桁)は、図6の横方向(列)の位置を示す。すなわち、各ラックAに付した2桁または3桁の数字は、情報処理システムSYS2を構築するデータセンタ等におけるラックAの配置を示す。
例えば、設置領域IAA、IAB、IAC、IAD、IAE、IAF、IAG、IAH、IAIに設置されるラックである通常ラックには、仮想サーバを用いて情報処理を開始するサーバSVが実装される。設置領域IAJに設置されるラックであるテンポラリラックには、ライブマイクグレーションにより通常ラックのサーバSVから仮想サーバが移動されるサーバSVが実装される。以下では、通常ラックが設置される設置領域IAA−IAIは、通常領域とも称され、テンポラリラックが設置される設置領域IAJは、テンポラリ領域とも称される。通常ラックの各々は、仮想マシンにより情報処理を開始する複数のサーバSVを含む処理グループの一例である。テンポラリラックは、処理グループから仮想マシンが移動される移動先グループの一例である。
ここで、各ラックは、ラック内で消費される電力の計算単位であるグループに対応し、各グループは、各ラックに実装されるサーバSVを含む。テンポラリ領域IAIに設置されるテンポラリラックの各々は、通常ラックに実装されたサーバSVが実行する仮想サーバの移動先のサーバSVを含む他のグループの一例である。
図7は、図5に示す管理サーバMSVの機能ブロックの一例を示す。なお、管理サーバMSVの動作の例は、図10で説明される。管理サーバMSVは、電力監視部10、ラック電力計算部12、電力制御部14、仮想サーバ制御部16および電力キャッピング処理部18を、機能ブロックとして有する。また、管理サーバMSVは、サーバ管理テーブルSVTBLおよびラック管理テーブルRCTBLを有する。電力監視部10、ラック電力計算部12、電力制御部14、仮想サーバ制御部16および電力キャッピング処理部18は、管理サーバMSVが実行する制御プログラムにより実現されてもよく、管理サーバMSVのハードウェアにより実現されてもよい。例えば、電力監視部10、ラック電力計算部12、電力制御部14、仮想サーバ制御部16および電力キャッピング処理部18の機能は、管理サーバMSVのCPUがメモリMEMに格納された制御プログラムを実行することで実現される。
電力監視部10は、各ラックの電源タップPDUまたは各ラックの各サーバSVのBMCからサーバ電力値を所定の周期で取得し、取得した消費電力値を取得日時とともにサーバ管理テーブルSVTBLに格納する。電力監視部10は、複数のサーバSVの各々から消費電力値を取得する取得部の一例である。サーバ管理テーブルSVTBLの例は、図8に示される。
ラック電力計算部12は、サーバ管理テーブルSVTBLに格納された各サーバSVの消費電力値に基づいて、各ラックの電源タップPDUを介して使用される電力値である使用電力値を計算し、計算した使用電力値をラック管理テーブルRCTBLに格納する。以下の説明では、各ラックの電源タップPDUの使用電力値は、ラック電力値とも称される。ラック電力計算部12は、サーバ管理テーブルSVTBLが更新される毎に各ラックのラック電力値を計算し、計算したラック電力値をラック管理テーブルRCTBLに格納する。ラック電力計算部12は、複数のサーバSVの各々の消費電力値に基づき、各グループに属するサーバSVの消費電力値の合計である合計消費電力値を計算する計算部の一例である。ラック管理テーブルRCTBLの例は、図9に示される。
電源制御部14は、各種設定情報と、サーバ管理テーブルSVTBLに格納された各サーバSVの消費電力値と、ラック管理テーブルRCTBLに格納された各ラックのラック電力値に基づいて、ライブマイグレーションを実行するか否かを決定する。電源制御部14は、ライブマイグレーションの実行を決定した場合、仮想マシンの移動元のサーバSVを示す情報と、仮想マシンの移動先のサーバSVを示す情報とを仮想サーバ制御部16に通知する。
ここで、ライブマイグレーションは、通常ラックからテンポラリラックに仮想サーバを移動する処理、またはテンポラリラックから通常ラックに仮想サーバを移動する処理を示す。電源制御部14は、複数のラックのうち、合計消費電力値が閾値PVT1を超えたラックに属するサーバSVのうち、最も消費電力値が大きいサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックに移動させる制御部の一例である。
設定情報は、閾値PVT1、PVT2と、電力キャッピングを開始するラックの使用電力値であるキャッピング電力値とを含む。例えば、設定情報は、管理サーバMSV内に設けられるレジスタまたはROM(Read Only Memory)等の記憶部に保持される。閾値PVT1は、通常ラックからテンポラリラックに仮想サーバを移動するライブマイグレーションを実行するか否かを判定するために、ラック電力値と比較する電力値である。閾値PVT2は、閾値PVT1より低く、テンポラリラックから通常ラックに仮想サーバを移動するライブマイグレーションを実行するか否かを判定するために、ラック電力値と比較する電力値である。
なお、電源制御部14は、ラック電力値が閾値PVT1を超えた通常ラックからテンポラリ領域IAJのテンポラリラックへの仮想サーバの移動により、テンポラリラックのラック電力値が閾値PVT1を超える場合、ライブマイグレーションを実行しない。すなわち、電源制御部14は、テンポラリ領域IAJ内の全てのテンポラリラックのラック電力値に余裕がない場合、ライブマイグレーションの実行を抑制する。この場合、電源制御部14は、ラック電力値が閾値PVT1を超えた通常ラックに実装された電力キャッピングを実行させるサーバSVを示す情報と、設定情報に含まれるキャッピング電力値とを電力キャッピング処理部18に通知する。すなわち、電力キャッピングは、ラック電力値が閾値PVT1を超えた通常ラックに実装された全てのサーバSVで一律に実行される。
仮想サーバ制御部16は、電源制御部14から受信する情報に基づいて、ライブマイグレーションの実行対象のサーバSVを制御して、ライブマイグレーションを実行する。
電力キャッピング処理部18は、電力キャッピングを制御する電力キャッピングプログラムが参照するレジスタ領域等に、電力制御部14から受信したサーバSVを示す情報とキャッピング電力値とを格納する。電力キャッピングプログラムは、レジスタ領域等に格納された情報に基づいて、電力キャッピングの対象サーバSVに電力キャッピングを実行させる。電力キャッピングは、サーバSVの消費電力をキャッピング電力値以下に下げるために、サーバSVに搭載されるCPUの電源電圧またはクロック周波数の少なくともいずれかを下げることにより実行される。
図8は、図7に示すサーバ管理テーブルSVTBLの一例を示す。サーバ管理テーブルSVTBLは、サーバ名、実装ラック名、ラック内位置、装置名、シリアル番号、取得日時およびサーバ電力値を格納する領域を、サーバSV毎に有する。
サーバ名の領域には、各サーバSVを識別する情報が格納される。実装ラック名の領域には、各サーバSVが実装されるラックを識別する情報が格納される。ラック内位置の領域には、各サーバSVのラック内での収納位置を示す情報が格納される。装置名の領域には、サーバSVの製品名を示す情報が格納される。シリアル番号の領域には、製造番号等の各サーバSVに固有の番号が格納される。取得日時の領域には、図7に示す電力監視部10が消費電力値を取得した日時が格納される。サーバ電力値の領域には、図7に示す電力監視10が取得した各サーバSVの消費電力値(ワット数)が格納される。
なお、サーバ名、実装ラック名、ラック内位置、装置名およびシリアル番号の情報は、情報処理システムSYS2の起動時または起動前に、サーバ管理テーブルSVTBLに設定される。取得日時およびサーバ電力値の情報は、図7に示す電力監視部10により設定される。
図9は、図7に示すラック管理テーブルRCTBLの一例を示す。ラック管理テーブルRCTBLは、図8に示すサーバ管理テーブルSVTBLと同様に、サーバ名、実装ラック名、ラック内位置、装置名、シリアル番号、取得日時およびサーバ電力値を格納する領域を、サーバSV毎に有する。また、ラック管理テーブルRCTBLは、図7に示すラック電力計算部12が計算したラック電力値を格納する領域を有する。
図10は、図5に示す管理サーバMSVの動作の一例を示す。図4に示す動作と同一または同様の動作については、詳細な説明は省略する。例えば、図10に示す動作は、管理サーバMSVが実行する制御プログラムにより実現され、ラック毎に所定の周期TPで繰り返し実行される。すなわち、図10は、情報処理システムの制御方法および管理装置の制御プログラムの一例を示す。特に限定されないが、周期TPの初期値は、30秒であり、図10に示す処理に伴い、10秒から30秒の間で変化する。
まず、ステップS10において、管理サーバMSVの電力監視部10は、対象のラックに実装されたサーバSVの各々が消費する電力値を取得する。電力監視部10は、取得した消費電力値をサーバ管理テーブルSVTBLに格納する。
次に、ステップS12において、管理サーバMSVのラック電力計算部14は、ステップS10で取得されたサーバ電力値に基づき、処理対象のラックのラック電力値(すなわち、合計消費電力値)を計算する。ラック電力計算部14は、計算したラック電力値をラック管理テーブルRCTBLに格納する。
次に、ステップS14において、管理サーバMSVの電力制御部14は、ラック電力値が閾値PVT1を超えたか否かを判定する。電力制御部14は、ラック電力値が閾値PVT1を超えた場合、処理をステップS16に移行し、ラック電力値が閾値PVT1以下の場合、処理をステップS18に移行する。例えば、閾値PVT1は、ラックの定格電力値の95%前後に設定される。
ステップS16において、電力制御部14は、ラック電力値が閾値PVT1を超えた超過ラックに実装されたサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックに移動可能か否かを判定する。例えば、電力制御部14は、以下の条件1、2の両方を満たす場合、超過ラックに実装されたサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックに移動可能と判定し、ライブマイグレーションを実行するために処理をステップS100に移行する。一方、電力制御部14は、条件1、2のいずれかを満たさない場合、仮想サーバのテンポラリラックへの移動が困難であると判定し、電力キャッピングを実行するために処理をステップS300に移行する。
(条件1)閾値PVT1とテンポラリラックのいずれかのラック電力値との差が、超過ラックのラック電力値と閾値PVT1との差より大きい。すなわち、仮想サーバをテンポラリラックに移動した場合に、テンポラリラックのラック電力が閾値PVT1を超えない。
(条件2)テンポラリラックに実装されたいずれかのサーバSVのHDD等の記憶装置の記憶容量に、仮想サーバを移動可能な余裕がある。
ステップS100において、電力制御部14および仮想サーバ制御部16は、通常ラックからテンポラリラックへのライブマイグレーションを実行する。ステップS100の処理の例は、図11に示す。
ステップS300において、電力制御部14は、電力キャッピングを実行させるサーバSVを示す情報とキャッピング電力値とを電力キャッピング処理部18に通知する。例えば、キャッピング電力値は、ラックの定格電力値の97%に設定される。電力キャッピング処理部18は、電力制御14からの情報に基づいて、電力キャッピングの対象サーバSVに電力キャッピングを実行させる。すなわち、管理サーバMSVは、ラック電力が閾値PVT1を超えた通常ラックからテンポラリラックへの仮想サーバの移動が困難な場合、ラック電力が閾値PVT1を超えた通常ラックに実装されたサーバSVに電力キャッピングを実行させる。電力キャッピングは、ラック電力が閾値PVT1を超えた通常ラックに実装された全てのサーバSVで実行されることが好ましい。しかしながら、電力キャッピングは、ラック電力が閾値PVT1を超えた通常ラックに実装されたサーバSVのうち、消費電力値が所定値より高いサーバSVのみで実行されてもよい。このように、通常ラックからテンポラリラックへの仮想サーバの移動が困難な場合にも、電力キャッピングの実行により、ラック電力値がラックの定格電力値を超えることを抑止することができる。
一方、通常ラックのラック電力値が閾値PVT1以下の場合、ステップS18において、管理サーバMSVは、図10に示す動作を実行する周期TPを10秒長くし、処理をステップS20に移行する。周期TPの最大値TPmaxは30秒であるため、周期TPがすでに30秒の場合、ステップS18の処理は省略される。周期TPを長くすることで、サーバ電力の取得頻度およびラック電力の計算頻度が低くなり、情報処理システムSYS2の消費電力を下げることができる。
ステップS20において、電力制御部14は、通常ラックのラック電力値が閾値PVT2以下か否かを判定する。閾値PVT2は、テンポラリラックに移動した仮想サーバを通常ラックに戻すことが可能か否かの判定に使用され、例えば、ラックの定格電力値の80%前後に設定される。電力制御部14は、ラック電力値が閾値PVT2以下の場合、テンポラリラックから通常ラックへのライブマイグレーションが可能と判定し、処理をステップS22に移行する。電力制御部14は、ラック電力値が閾値PVT2を超える場合、テンポラリラックから通常ラックへのライブマイグレーションが困難であると判定し、処理を終了する。仮想サーバをテンポラリラックから通常ラックに戻す判断を、閾値PVT1より低い閾値PVT2を用いて実行することで、テンポラリラックから仮想サーバを移動した通常ラックのラック電力値が、閾値PVT1を超える可能性を低くすることができる。
ステップS22において、電力制御部14は、仮想サーバを実行中のテンポラリラックがあるか否かを、仮想サーバ制御部16に問い合わせる。電力制御部14は、仮想サーバを実行中のテンポラリラックがある場合、処理をステップS200に移行し、仮想サーバを実行中のテンポラリラックがない場合、処理を終了する。
ステップS200において、電力制御部14および仮想サーバ制御部16は、テンポラリラックから通常ラックへのライブマイグレーションを実行する。ステップS200の処理の例は、図11に示す。
なお、図10に示す例では、例えば、閾値PVT1、PVT2は、経験則に基づいて決定され、閾値PVT1は、ラックの定格電力値の96%に設定され、閾値PVT2は、ラックの定格電力値の83%に設定される。ここで、ラックの定格電力値は、図5に示すブレーカBRKの定格電流値に対応して決まる。
ブレーカBRKに流れる電流が定格電流値を超えてからブレーカBRKが遮断されるまでの動作時間は、「電気設備技術基準とその解釈」の第33条で規定されている。例えば、定格電流値が30アンペア以下のブレーカBRKの動作時間の最大値は、定格電流値の1.25倍の電流が流れた場合、60分であり、定格電流値の2倍の電流が流れた場合、2分である。ここで、動作時間は、規定された電流が流れてからブレーカBRKが遮断するまでの時間である。動作時間の最小値は、ブレーカBRKを製造するメーカにより保証され、ブレーカBRKに定格電流値の2倍の電流が流れた場合、動作時間の最小値が数十秒程度のものがある。なお、情報処理システムSYS2が正常に動作している状態で、定格電流値の2倍の電流が流れることはない。
このため、閾値PVT1がブレーカBRKの定格電流値に対応するラックの定格電力値に設定されても、動作時間の最小値の間に、ライブマイグレーションを実行し、ラックの消費電力値を減らすことで、ブレーカBRKの遮断を抑止することができる。換言すれば、図10に示す例では、閾値PVT1は、ライブマイグレーションを実行するために、余裕を持たせて、ラックの定格電力値の96%に設定される。また、ブレーカBRKが遮断される前にライブマイグレーションを実行するために、図10に示す処理(すなわち、サーバ電力値の取得)は、ブレーカBRKの動作時間の最小値より短い間隔で繰り返されることが望ましい。例えば、図10に示す動作の実行間隔である周期TPの最大値(30秒)は、ブレーカBRKの動作時間の最小値に合わせて設定される。サーバ電力値の取得間隔をブレーカBRKの動作時間の最小値に合わせて設定することで、ラック電力値がラックの定格電力値を超えた場合にも、ブレーカBRKが遮断される前にライブマイグレーションを実行し、ラックの消費電力値を下げることができる。
図11は、図10に示すステップS100の処理の一例を示す。まず、ステップS102において、電力制御部14は、ラック管理テーブルRCTBLに格納された情報を用いて、サーバ電力値の積算値がラック電力値と閾値PVT1との差以上になるまで、消費電力値が大きい順にサーバSVを選択する。すなわち、電力制御部14は、ラック電力値を閾値PVT1以下にするために、ライブマイグレーションを実行するサーバSVを選択する。
次に、ステップS104において、電力制御部14は、ステップS102で選択したサーバSVを示す情報と、テンポラリラックのうちラック電力値が最も小さいテンポラリラックを示す情報とを仮想サーバ制御部16に通知する。仮想サーバ制御部16は、電力制御部14からの情報に基づいて、ステップS102で選択したサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックに移動するライブマイグレーションを実行する。すなわち、管理サーバMSVは、ラック電力値が閾値PVT1を超えた通常ラックのラック電力値が閾値PVT1以下になるまで、消費電力値が大きいサーバSVから順にサーバSVが実行する仮想サーバをテンポラリラックに移動させる。これにより、ステップS100を1回実行することで、ラック電力が閾値PVT1を超えた通常ラックのラック電力値を閾値PVT1以下にすることができる。なお、通常ラックから仮想サーバを移動するテンポラリラックは、仮想サーバを移動可能であれば、ラック電力値が最も小さいテンポラリラックに限定されない。
次に、ステップS106において、電力制御部14は、ステップS102において選択したサーバSVの数が、前回のライブマイグレーションを実行したサーバSVの数より多いか否かを判定する。ステップS102において選択したサーバSVの数が、前回の処理でライブマイグレーションを実行したサーバSVの数より多い場合、処理はステップS108に移行する。ステップS102において選択したサーバSVの数が、前回のライブマイグレーションを実行したサーバSVの数以下の場合、処理は終了する。
ここで、ステップS100は通常ラック毎に実行されるため、ステップS106の判定対象は、図10に示すステップS14で判定した通常ラックである。電力制御部14は、ライブマイグレーションを実行したにも拘わらず、周期TP後にラック電力が閾値PVT1を超えた場合、ラック電力が急激に増加したと判断する。
ステップS108において、電力制御部14は、図10に示す動作を実行する周期TPを10秒短くし、処理を終了する。すなわち、電力制御部14は、テンポラリラックに移動させた仮想マシンの移動元のサーバSVを含む通常ラックのラック電力値が、増加傾向にあり、閾値PVT1を再度超えた場合、周期TPを短くする。周期TPの最小値TPminは10秒であるため、周期TPがすでに10秒の場合、ステップS108の処理は省略される。
周期TPを短くすることで、ラック電力の計算頻度が高くなり、ラック電力が閾値PVT1を超えた場合に実行されるライブマイグレーションの頻度が高くなる。この結果、ラック電力が、周期TPの間に閾値PVT1を超え、さらにラックの定格電力値を超えることを抑止することができる。
なお、周期TPは、所定値(例えば、30秒)に固定されてもよく、この場合、管理サーバMSVは、ステップS106、S108の処理と、図10に示すステップS18の処理を実行しない。また、周期TPが所定値に固定される場合、電力制御部14は、ステップS102において、ラック管理テーブルRCTBLに格納された情報を用いて、消費電力値が最も大きいサーバSVの1つを選択してもよい。この場合、ラック電力値が閾値PVT1以下になるまで、ステップS100が繰り返し実行される。
図12は、図10に示すステップS200の処理の一例を示す。まず、ステップS202において、電力制御部14は、テンポラリラックのうち、ラック電力値が最も大きいテンポラリラックを選択する。なお、電力制御部14は、LRU(Least Recently Used)またはラウンドロビン等の手法を用いて、仮想サーバを実行中のテンポラリラックのいずれか1つを選択してもよい。
次に、ステップS204において、電力制御部14は、図10に示すステップS20で判定した処理対象の通常ラックのラック電力値が閾値PVT2を超えるまで、選択したテンポラリラックから仮想サーバを移動させるライブマイグレーションを実行する。電力制御部14は、処理対象の通常ラックのラック電力が閾値PVT2を超えたか否かを、ラック管理テーブルRCTBLに格納された情報に基づいて判断する。そして、図12に示す処理が終了する。
図13は、図5に示す情報処理システムSYS2の動作の一例を示す。図13は、通常ラックからテンポラリラックに仮想サーバを移動する例を示す。例えば、管理サーバMSVは、斜線の矩形で示す期間に、処理対象の通常ラックを変更しながら、図10に示す処理を実行する。なお、図13では、電力キャッピングの処理は実行されない。
管理サーバMSVは、図6に示す全てのラック毎に、所定の周期TPでサーバ電力値を問い合わせ、各ラックの各サーバSVからサーバ電力値の通知を受ける(図13(a)、(b)、(c)、(d))。そして、管理サーバMSVは、図10で説明したように、通常ラックのラック電力値を計算し、ラック電力値が閾値PVT1を超えた場合、通常ラックからテンポラリラックに仮想サーバを移動するライブマイグレーションを実行する(図13(e))。図13に示す例では、管理サーバMSVは、通常ラックA12からテンポラリラックJ11に仮想サーバを移動する。また、管理サーバMSVは、ライブマイグレーションを実行したことを示す情報を、情報処理システムSYS2の運用者に対して通知する(図13(f))。例えば、管理サーバMSVは、ライブマイグレーションを実行したことを示す情報を表示装置に表示することで、ライブマイグレーションの実行を運用者に通知する。
図14は、図5に示す情報処理システムSYS2の動作の別の例を示す。図14は、テンポラリラックから通常ラックに仮想サーバを移動する例を示す。図13と同じ動作については、詳細な説明は省略する。なお、図14では、電力キャッピングの処理は実行されない。
管理サーバMSVは、図13と同様に、ラック毎に、所定の周期TPでサーバ電力値を問い合わせ、各ラックの各サーバSVからサーバ電力値の通知を受ける(図14(a)、(b)、(c)、(d))。管理サーバMSVは、計算により得たラック電力値が閾値PVT2以下の場合、テンポラリラックから通常ラックに仮想サーバを移動するライブマイグレーションを実行する(図14(e))。図13に示す例では、管理サーバMSVは、テンポラリラックJ11から通常ラックA12に仮想サーバを移動する。また、管理サーバMSVは、ライブマイグレーションを実行したことを示す情報を、情報処理システムSYS2の運用者に対して通知する(図14(f))。
図15は、図5に示す情報処理システムSYS2のテスト運用時の動作の一例を示す。テスト運用は、各ラックへのサーバSVの実装数を決めるために実行される。例えば、テスト運用は、14個のラックA11−A14のそれぞれに実装された10個のサーバSV(合計140個のサーバSV)を動作させて実行される。
まず、管理サーバMSVは、運用者が操作するキーボード、マウス等の入力装置を介して、ラックの定格電力値および各ラックに実装されるサーバSVの数等のテスト運用の環境情報を受信する(図15(a))。この後、各サーバSVは、実際の運用時の動作を想定したデータ処理を継続して実行する。これにより、各サーバSVの消費電力値は、実際の運用時の消費電力値と同じ傾向で変化する。
管理サーバMSVは、図13と同様に、ラックA11−A14毎に、所定の周期TPでサーバ電力値を問い合わせ、各ラックの各サーバSVからサーバ電力値の通知を受ける(図15(b))。管理サーバMSVは、各サーバSVからサーバ電力値を受ける毎に、受けたサーバ電力値をHDD等の記憶装置に保存する。
管理サーバMSVは、期間TESTPが経過するまでテスト運用を実行し、期間TESTPの経過後、HDD等の記憶装置に保存したサーバ電力値の平均値を算出する(図15(c))。例えば、期間TESTPは、1週間に設定される。管理サーバMSVは、ラックの定格電力値をサーバ電力値の平均値で除することで、各通常ラックに実装するサーバSVの数を算出する(図15(d))。そして、管理サーバMSVは、算出したサーバSVの数を運用者に対して通知する(図15(e))。
例えば、ラックの定格電力値が4.8kWで、サーバ電力値の平均値(実力値)が240Wの場合、各ラックに実装可能なサーバSVの最大数は、20台である。しかしながら、各ラックには、ネットワークスイッチNSW2等のサーバSV以外の装置も搭載されるため、各ラックに搭載するサーバSVの数は、余裕を持たせて例えば、”18”に設定される。サーバ電力値の平均値を用いて各ラックに実装可能なサーバSVの最大数を算出することで、サーバSVの定格電力値を用いて各ラックに実装可能なサーバSVの最大数を算出する場合に比べて、各ラックに実装可能なサーバSVの最大数を増やすことができる。
図16は、図5に示す情報処理システムSYS2の消費電力値の一例を示す。図6に示すように、情報処理システムSYS2が設置される設置場所ILは、9個の通常領域IAA−IAIと、1個のテンポラリ領域IAJとを有する。情報処理システムSYS2は、9個の通常領域IAA−IAIのうち、5個の通常領域IAA−IAEと1個のテンポラリ領域IAJとを使用してクラウドコンピューティングサービスを提供する。一方、比較例として示す他の情報処理システムは、設置領域ILの全ての設置領域IAA−IAJを使用してクラウドコンピューティングサービスを提供し、ライブマイグレーションは実行しない。図6に示すように、各設置領域IAには56個のラックが設置される。
情報処理システムSYS2では、各ラックに18個のサーバSVが実装される。このため、5個の通常領域IAA−IAEに実装されるサーバSVの総数は5040個であり、テンポラリ領域IAJに実装されるサーバSVの総数は1008個である。通常領域IAA−IAEにおいて、各サーバSVの消費電力値の平均が240Wの場合、各ラックの消費電力の平均値は4.32kWになる。テンポラリ領域IAJにおいて、各サーバSVの消費電力の平均値が108Wの場合、各ラックの消費電力の平均値は、1.94kWである。なお、説明を分かりやすくするため、各ラックの消費電力値は、サーバSVの消費電力値のみに基づいて算出されるとする。比較例に示す他の情報処理システムでは、10個の設置領域IAA−IAJに実装されるサーバSVの総数は5600個であり、各ラックの消費電力の平均値は2.4kWである。
情報処理システムSYS2および他の情報処理システムにおいて、各ラックに実装するサーバSVの数は、以下のように決められる。
情報処理システムSYS2において、各ラックに実装するサーバSVの数は、通常領域IAA−IAIに実装される各サーバSVの平均的な稼働率を60%とした場合の消費電力の平均値(240W)と、各ラックの電力上限値(4.6kW)に基づいて決定される。テンポラリ領域IAJの各ラックに実装されるサーバSVの数は、通常領域IAA−IAEに実装される各サーバSVの数と同じに設定される。サーバSVの稼働率と消費電力値との関係については、図17に示される。各ラックの電力上限値は、各ラックの定格電力値(例えば、4.8kW)の約95%に設定される。電力上限値は、閾値PVT1に対応しており、ライブマイグレーションの実行を判定する電力値である。
テンポラリ領域IAJの各ラックに実装されるサーバSVにおいて、ライブマイグレーションにより仮想サーバが移動される前の初期状態では、サーバSVの稼働率は0%であり、消費電力の平均値は108Wである。なお、図16では、テンポラリ領域IAJに実装される全てのサーバSVが、初期状態において108Wを消費する例を示すが、初期状態において、1ラックに実装されるサーバSVのみが108Wを消費してもよい。すなわち、残りの55個のラックに実装されるサーバSVは、ライブマイグレーションの実行による仮想サーバの移動が決定されたことに基づいて、ラック毎に電源が投入されてもよい。これにより、テンポラリ領域IAJに実装される全てのサーバSVが起動される場合に比べて、情報処理システムSYS2の消費電力を削減することができる。
比較例に示す他の情報処理システムでは、サーバSVの稼働率が60%(消費電力値=240W)の場合に、各ラックの消費電力値がラックの定格電力値(4.8kW)のほぼ50%になるように、各ラックに実装するサーバSVの数が決定される。図16に示す例では、他の情報処理システムにおいて、各ラックに実装するサーバSVの数は10である。これにより、他の情報処理システムでは、サーバSVの稼働率が100%(消費電力値=340W)の場合にも、各ラックの消費電力値は、ラックの定格電力値の70%程度である3.4kWに抑えられ、他の情報処理システムは、安定して運用される。
一方、図5に示す情報処理システムSYS2において各ラックに実装されるサーバSVの数(18個)は、他の情報処理システムにおいて各ラックに実装されるサーバSVの数(10個)の1.8倍である。また、互いに同じ情報処理を実行する場合、情報処理システムSYS2で使用する設置領域IAの数(6個)は、他の情報処理システムで使用する設置領域IAの数(10個)の60%である。すなわち、情報処理システムSYS2では、比較例として示す他の情報処理システムに比べて、使用する設置領域IAの数を減らすことができ、情報処理の性能を劣化させることなく、サーバSVの実装密度を向上することができる。
使用する設置領域IAの数を減らすことができるため、例えば、情報処理システムSYS2をクラウドコンピューティングサービスに使用する場合、他の情報処理システムに比べて、データセンタの単位面積当たりの収益を向上することができる。さらに、情報処理システムSYS2では、図6に示す設置領域IAF−IAIは、クラウドコンピューティングサービスに使用されないため、設置領域IAF−IAIに他の情報処理を実行するサーバSV(例えば、レンタルサーバ等)を実装することができる。したがって、情報処理システムSYS2の性能をさらに向上することができる。
情報処理システムSYS2において、クラウドコンピューティングサービスに使用する全サーバSV(6048個)の消費電力値は、1318kWになり、他の情報処理システムにおいて、全サーバSV(5600個)の消費電力値は、1344kWになる。また、情報処理システムSYS2において、通常領域IAA−IAEの空調機AIRCの稼働率は63%であり、テンポラリ領域IAJの空調機AIRCの稼働率は28%である。他の情報処理システムにおいて、設置領域IAA−IAIの空調機AIRCの稼働率は35%である。空調機AIRCの稼働率は、式(1)により算出される。なお、各空調機AIRCの定格電力値は、96kWとする。
各設置領域IAの消費電力値÷(各設置領域IA内の空調機の数×空調機の定格電力値) ‥‥(1)
動作係数COP(Coefficient of Performance)は、外気温と空調機AIRCの稼働率に依存する空調機AIRCの能力の特性に基づいて決まる。外気温は、空調機AIRCから出力される空気の温度であり、摂氏20度とする。また、摂氏20度の空気を取り込んだサーバSVが排出する空気の温度は、例えば、摂氏32度であるとする。空調機AIRCの能力の特性の例は、図18に示される。
各空調機AIRCの消費電力値は、式(2)に示され、式(2)中の圧縮機電力は、式(3)により示される。室内ファンおよび圧縮機は、各空調機AIRC内に設けられる。例えば、各空調機AIRCの室内ファンの消費電力値は、6kWである。
空調機の消費電力値=(室内ファンの消費電力値+圧縮機の消費電力値) ‥‥(2)
圧縮機の消費電力値=空調機の定格電力値×空調機の稼働率÷COP−室内ファンの消費電力 ‥‥(3)
式(2)および式(3)より、情報処理システムSYS2において、通常領域IAA−IAEの各空調機AIRCの消費電力値は14.4kWになり、テンポラリ領域IAJの各空調機AIRCの消費電力値は9.6kWになる。これより、情報処理システムSYS2の空調機AIRCの総消費電力値は326kW(14.4kW×4×5+9.6kW×4×1)になる。また、他の情報処理システムの各設置領域IAにおいて、各空調機AIRCの消費電力値は10.5kWになる。これより、他の情報処理システムの空調機AIRCの総消費電力値は420kW(10.5kW×4×10)になる。情報処理システムSYS2の空調機AIRCの総消費電力値は、他の情報処理システムの空調機AIRCの総消費電力値に比べて、94kW削減(22.3%)することができる。
以上より、情報処理システムSYS2の総電力値は1644kW(1318kW+326kW)になり、他の情報処理システムの総消費電力値は1764kW(1344kW+420kW)になる。情報処理システムSYS2の総消費電力値は、他の情報処理システムの総消費電力値に比べて、120kW削減(6.8%)することができる。
図17は、図6に示す設置場所ILに設置されるサーバSVの消費電力値と稼働率との関係の一例を示す。図17は、サーバSVに搭載されるプロセッサ等のLSI(Large Scale Integration)の最大発熱量の指標である熱設計電力TDP(Thermal Design Power)が、95Wの場合の特性を示す。サーバSVが稼働していない場合、すなわち、ライブマイグレーションにより仮想サーバが移動される前の初期状態では、サーバSVの稼働率は0%であり、消費電力の平均値は108Wである。また、サーバSVの平均的な稼働率を60%とした場合の消費電力値は、240Wである。サーバSVの稼働率が100%の場合の消費電力値(最大値)は、340Wである。
図18は、図6に示す空調機AIRCの能力の特性の一例を示す。図16に示す各空調機AIRCの消費電力値は、外気温が摂氏20度の場合の特性から導かれるCOPを用いて算出される。
以上、図5から図18に示す実施形態においても、図1に示す実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、通常ラックからテンポラリラックに仮想サーバを移動することで、ラック電力値が通常ラックの定格電力値を超えることを抑止することができる。これにより、通常ラックへのサーバSVの実装密度を向上することができ、情報処理システムSYS2の性能を向上することができる。ラック電力値が通常ラックの定格電力値を超えることを抑止できるため、情報処理システムSYS2の信頼性を向上することができる。テンポラリラックに実装されるサーバSVを仮想サーバの移動先として専用に使用することで、仮想サーバの移動先を定めない場合に比べて、管理サーバMSVは、仮想サーバの移動を容易に制御できる。
さらに、図5から図18に示す実施形態では、管理サーバMSVは、通常ラックから消費電力値が大きい順にサーバSVを選択してライブマイグレーションを実行する。これにより、図10に示すステップS100を1回実行することで、ラック電力が閾値PVT1を超えた通常ラックのラック電力値を閾値PVT1以下にすることができる。この結果、ライブマイグレーションによる情報処理システムSYS2の負荷の増加を最小限にすることができる。
仮想サーバをテンポラリラックから通常ラックに戻す判断を、閾値PVT1より低い閾値PVT2を用いて実行することで、テンポラリラックから仮想サーバを移動した通常ラックのラック電力値が、閾値PVT1を超える可能性を低くすることができる。電力キャッピングの実行により、通常ラックからテンポラリラックへの仮想サーバの移動が困難な場合にも、ラック電力値がラックの定格電力値を超えることを抑止することができる。
通常ラックのラック電力値が増加傾向にある場合、周期TPを短くすることで、ライブマイグレーションの頻度を高くすることができる。この結果、ラック電力が周期TPの間に閾値PVT1を超え、さらにラックの定格電力値を超えることを抑止することができる。通常ラックのラック電力値が閾値PVT1以下の場合、周期TPを長くすることで、サーバ電力の取得頻度およびラック電力の計算頻度を低くすることができ、情報処理システムSYS2の消費電力を下げることができる。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
10…電力監視部;12…ラック電力計算部;14…電力制御部;16…仮想サーバ制御部;18…電力キャッピング処理部;AIRC…空調機;BRK…ブレーカ;CALC…計算部;CNTL…制御部;DIST…分電盤;FAN…ファン;IA…設置領域;IL…設置場所;MEM…メモリ;MSV…管理サーバ;NSW1、NSW2…ネットワークスイッチ;PC…電源ケーブル;PDU…電源タップ;PGET…取得部;PS…電源ユニット;PVT1、PVT2…閾値;RC…ラック;RCTBL…ラック管理テーブル;サーバ…SV;SVTBL…管理テーブル;SYS1、SYS2…情報処理システム;VDD…電源電圧;VSV…仮想サーバ

Claims (11)

  1. 複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置を管理する管理装置とを有する情報処理システムにおいて、
    前記管理装置は、
    前記複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算する計算部と、
    前記複数のグループのうち、前記合計消費電力値が第1の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる制御部を有する情報処理システム。
  2. 前記複数のグループの各々は、複数の筐体の各々に対応し、
    前記複数のグループの各々に属する情報処理装置は、前記情報処理システムに含まれる複数の筐体の各々に設置される情報処理装置に対応する請求項1記載の情報処理システム。
  3. 前記制御部は、前記合計消費電力値が前記第1の閾値を超えたグループの合計消費電力値が前記第1の閾値以下になるまで、消費電力値が大きい情報処理装置から順に情報処理装置が実行する仮想マシンを前記他のグループに移動させる請求項1または請求項2記載の情報処理システム。
  4. 前記制御部はさらに、
    前記他のグループを除くグループのうち、前記合計消費電力値が前記第1の閾値より低い第2の閾値以下のグループに、前記他のグループが実行する仮想マシンを移動させる請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の情報処理システム。
  5. 前記制御部は、前記第2の閾値以下のグループの合計消費電力値が前記第2の閾値を超えるまで、前記他のグループが実行する仮想マシンを移動させる請求項4記載の情報処理システム。
  6. 前記制御部はさらに、
    前記複数のグループのうち、前記合計消費電力値が第1の閾値を超えたグループに属する情報処理装置が実行する仮想マシンの前記他のグループへの移動が困難な場合、前記合計消費電力値が第1の閾値を超えたグループに属する情報処理装置の少なくともいずれかに電力キャッピングの実行を指示する請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の情報処理システム。
  7. 前記取得部は、前記複数のグループの各々の情報処理装置の消費電力値を所定の周期で取得し、
    前記制御部はさらに、
    前記他のグループに移動させた仮想マシンの移動元の情報処理装置を含むグループの合計消費電力値が、増加傾向にあり、前記第1の閾値を再度超えた場合、前記所定の周期を短くする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の情報処理システム。
  8. 前記制御部はさらに、
    前記合計消費電力値が第1の閾値を超えていない場合、前記所定の周期を長くする請求項7記載の情報処理システム。
  9. 前記複数のグループは、
    仮想マシンにより情報処理を開始する複数の情報処理装置を含む処理グループと、
    前記処理グループから仮想マシンが移動される移動先グループである前記他のグループを有する請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の情報処理システム。
  10. 複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置と、前記複数の情報処理装置を管理する管理装置とを有する情報処理システムの制御方法において、
    前記管理装置が有する取得部が、前記複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得し、
    前記管理装置が有する計算部が、前記取得部が取得した前記複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算し、
    前記管理装置が有する制御部が、前記複数のグループのうち、前記合計消費電力値が所定の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる情報処理システムの制御方法。
  11. 複数のグループのいずれかに属する複数の情報処理装置を管理する管理装置の制御プログラムにおいて、
    前記管理装置が有する取得部に、前記複数の情報処理装置の各々の消費電力値をそれぞれ取得させ、
    前記管理装置が有する計算部に、前記取得部が取得した前記複数の情報処理装置の各々の消費電力値に基づき、各グループに属する情報処理装置の消費電力値の合計である合計消費電力値を計算させ、
    前記管理装置が有する制御部に、前記複数のグループのうち、前記合計消費電力値が所定の閾値を超えたグループに属する情報処理装置のうち、最も消費電力値が大きい情報処理装置が実行する仮想マシンを他のグループに移動させる管理装置の制御プログラム。
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