JP2017136587A - 分離膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、高い膜強度と優れた分離性能を有する、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂を主成分とする分離膜を提供することである。
【解決手段】本発明は、ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、膜厚方向に対称な構造を備え、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す、分離膜に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、膜厚方向に対称な構造を備え、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す、分離膜に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い膜強度と優れた分離性能を有する、ポリアミド又はポリエステルを主成分とする分離膜に関する。
溶解物成分の透過を阻止する水処理分離膜として、微多孔性支持膜と微多孔性支持膜上に設けられた分離機能層とを備える複合半透膜や、段階的に孔径が変化する構造を備える非対称半透膜が知られている。現在分離膜は、このような非対称な構造を備えるものが主流になっている。
特許文献1には、ポリマー溶液から相分離を用いて形成されるポリアミド製の非対称膜が開示されている。
特許文献2および特許文献3には脂肪族ポリアミドを低温では相溶しないが高温で相溶する溶剤に溶解し、熱によって誘起される相分離を利用する湿式製膜法で製造された膜が示されている。
上述の特許文献1に記載の技術で得られる分離膜は、高い分離性能を示すものの、膜の大部分を多孔質が占めているため、低い強度しか実現できない。特許文献2及び3に記載の技術で得られる膜については、数nm以上の孔からなる多孔質のみからなる膜であり、高い分離性能を発現できるものではない。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、高い膜強度と優れた分離性能を有する、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂を主成分とする分離膜を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、対称膜構造を備えることにより、高い膜強度と優れた分離性能を有する分離用膜を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、膜厚方向に対称な構造を備え、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す、分離膜。
2.前記分離膜が中空糸形状である、前記1に記載の分離膜。
3.前記中空糸の外径が20〜400μmである、前記2に記載の分離膜。
4.塩阻止率が30%以上であり、膜透過流束が0.1L/m2/day以上である、前記1〜3のいずれか1に記載の分離膜。
5.長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上である、前記1〜4のいずれか1に記載の分離膜。
6.前記ポリアミドがナイロン6及びナイロン66の少なくともいずれか一方である、前記1〜5のいずれか1に記載の分離膜。
7.前記ポリエステルがポリ乳酸系重合体および5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートのいずれか一方である、前記1〜6のいずれか1に記載の分離膜。
8.前記分離膜が、ナノ濾過膜、逆浸透膜、及び正浸透膜から選ばれる少なくとも一つである、前記1〜7のいずれか1に記載の分離膜。
9.前記1〜8のいずれか1に記載の分離膜を備えた膜モジュール。
1.ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、膜厚方向に対称な構造を備え、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す、分離膜。
2.前記分離膜が中空糸形状である、前記1に記載の分離膜。
3.前記中空糸の外径が20〜400μmである、前記2に記載の分離膜。
4.塩阻止率が30%以上であり、膜透過流束が0.1L/m2/day以上である、前記1〜3のいずれか1に記載の分離膜。
5.長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上である、前記1〜4のいずれか1に記載の分離膜。
6.前記ポリアミドがナイロン6及びナイロン66の少なくともいずれか一方である、前記1〜5のいずれか1に記載の分離膜。
7.前記ポリエステルがポリ乳酸系重合体および5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートのいずれか一方である、前記1〜6のいずれか1に記載の分離膜。
8.前記分離膜が、ナノ濾過膜、逆浸透膜、及び正浸透膜から選ばれる少なくとも一つである、前記1〜7のいずれか1に記載の分離膜。
9.前記1〜8のいずれか1に記載の分離膜を備えた膜モジュール。
本発明の膜は、ポリアミド又はポリエステルを主成分とすることで高い分離性能を発現し、さらに膜厚方向に対称な構造を有することで高い膜強度を発現するという効果を奏する。
発明者らは、上記課題、つまり分離性能に優れ、高い膜強度を有する、ポリアミド系樹脂(単にポリアミドともいう)、又はポリエステル系樹脂(単にポリエステルともいう)を主成分とする分離膜について鋭意検討した結果、膜厚方向に対称構造を備え、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す膜により、かかる課題の解決に成功したものである。
すなわち本発明は、ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、膜厚方向に対称構造を備え、特定の引張弾性率を示すことを特徴とする、分離膜である。
以下、本発明の分離膜について説明する。
本発明の分離膜は、ポリアミド(A)又はポリエステル(B)を主成分とする。
(ポリアミド(A))
本発明におけるポリアミド(A)としては、例えば、各種ラクタム類の開環重合、各種ジアミン類と各種ジカルボン酸類との重縮合、及び各種アミノカルボン酸類の重縮合等によって得られる各種ポリアミド類、ないしこれらの開環重合と重縮合とを組み合わせた共重合ポリアミド類等が挙げられる。
本発明におけるポリアミド(A)としては、例えば、各種ラクタム類の開環重合、各種ジアミン類と各種ジカルボン酸類との重縮合、及び各種アミノカルボン酸類の重縮合等によって得られる各種ポリアミド類、ないしこれらの開環重合と重縮合とを組み合わせた共重合ポリアミド類等が挙げられる。
上記ポリアミド類や共重合ポリアミド類としては、具体的には例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン46、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/12共重合体(ε−カプロラクタムとラウロラクタムとの共重合体)及びナイロン6/66共重合体(ε−カプロラクタムとヘキサメチレンジアミン・アジピン酸のナイロン塩との共重合体)等のナイロンを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらのポリアミドを2種類以上混練して使用することもできる。
分離膜は、ポリアミド(A)として1種類の化合物を含有してもよいし、2種類以上の化合物を含有してもよい。
また、分離膜は、具体例として上記したポリアミド(A)のうち、特に、ナイロン6及びナイロン66の少なくともいずれか一方を含有することが好ましい。これらのポリアミド(A)を含有することで、高い分離性能を有する分離膜が実現される。
また、分離膜は、具体例として上記したポリアミド(A)のうち、特に、ナイロン6及びナイロン66の少なくともいずれか一方を含有することが好ましい。これらのポリアミド(A)を含有することで、高い分離性能を有する分離膜が実現される。
本発明におけるポリアミド(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、1万〜100万である。Mwを1万以上とすることで、溶融紡糸時の熱分解を抑制できる点、および、分離膜の膜強度が実用レベルに到達できる点で好ましい。Mwを100万以下とすることで、溶融粘度が高くなりすぎることを抑制でき安定した溶融紡糸が行える点で好ましい。
Mwは2万〜90万であることがより好ましく、3万〜80万であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC測定により算出した値をいい、実施例にて詳細に説明する。
ポリアミドは重合により形成される結合がアミド結合であり、特にアルカリと接触した場合でも主鎖の切断が生じにくいので、アルカリに対して良好な耐性を有する点で好ましい。
(ポリエステル(B))
本発明におけるポリエステル(B)は、例えば、グリコール部分及びジカルボン酸部分を有するポリエステルや、ポリ乳酸系重合体等が挙げられる。
本発明におけるポリエステル(B)は、例えば、グリコール部分及びジカルボン酸部分を有するポリエステルや、ポリ乳酸系重合体等が挙げられる。
グリコール部分及びジカルボン酸部分を有するポリエステルについては、グリコール部分としては透過性の観点から炭素数が18以下のグリコール類が好ましく、炭素数が10以下のグリコール類がより好ましく、炭素数が5以下のグリコール類がさらに好ましい。グリコール部分の炭素数は2以上であるとアルカリ加水分解に対する耐久性を高める観点から好ましい。
具体的に例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチルー1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジエチルー1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル−1,3-ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,5−プロパンジオール、及び1,12−オクタデカンジオールなどの脂肪族二価アルコール、ならびにジプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらのグリコール類は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸部分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、特に限定されないが、テレフタル酸を用いると樹脂の結晶性を高めることが可能になるため、機械的な特性に優れ、取り扱い性に優れた分離膜を得ることが可能になる。イソフタル酸を用いると過度の結晶化を抑制できるため、良好な透水性を得ることができる。ジカルボン酸は、1種類を使用しても、2種類以上を併用しても問題なく本発明の効果を発揮できる。
また本発明のグリコール部分及びジカルボン酸部分を有するポリエステルは、その特性を大きく変えない範囲で共重合を行うこともできる。共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、または上述のジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3、4、3’、4’ービフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などを用いることもできる。特に5−ナトリウムイソフタル酸を共重合成分とすることで、高分子の親水性を向上させることができ、透水性を高められる点で好ましい。
上記グリコール部分及び上記ジカルボン酸部分を有するポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及び5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
本発明におけるグリコール部分及びジカルボン酸部分を有するポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、1万〜100万である。Mwを1万以上とすることで、溶融紡糸時の熱分解を抑制できる点、また、分離膜の膜強度が実用レベルに到達できる点で好ましい。また、Mwを100万以下とすることで、溶融粘度が高くなりすぎることを抑制でき安定した溶融紡糸を行える点で好ましい。
Mwは2万〜90万であることがより好ましく、3万〜80万であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC測定により算出した値をいう。
ポリ乳酸系重合体は、L−乳酸及び/又はD―乳酸を主成分とし、重合体中の乳酸由来の成分が70重量%以上のものを示し、実質的にL−乳酸及び/又はD―乳酸からなるホモポリ乳酸が好ましく用いられる。ポリ乳酸系重合体として、例えば均一なホモポリ乳酸を用いる場合には、その光学純度が70%以上のホモポリ乳酸を使用することが好ましい。あるいは、光学純度の異なる2種以上のホモポリ乳酸を併用してもよく、例えば、結晶性を有するホモポリ乳酸と非晶性のホモポリ乳酸を併用することも可能である。
また、通常、ホモポリ乳酸は光学純度が高いほど融点が高く、例えば光学純度が98%以上のポリ−L−乳酸では融点が約170℃程度であるが、高い耐熱性を付与したい際には、使用するポリ乳酸重合体のうち少なくとも1種に光学純度が95%以上のポリ乳酸を含むことが好ましい。
ポリエステル(B)としてポリ乳酸系重合体を分離膜の主成分とすることで、使用後に廃棄物となる分離膜を堆肥化装置などによって肥料化、又は廃棄物の減量が可能となる点で好ましい。
ポリ乳酸系重合体の製造方法には、L−乳酸、D−乳酸、及びDL−乳酸(ラセミ体)等を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明において、ポリ乳酸系重合体としてホモポリ乳酸を用いる場合は、いずれの製法によって得られたものであってもよいが、ラクチド法によって得られるポリマーの場合にはポリマー中に含有されるラクチドが成形時に気化して、例えば溶融製膜時にはキャストドラム汚れの原因となるため、溶融製膜以前の段階でポリマー中に含有されるラクチドの含有量を0.3重量%以下とすることが好ましい。また、直接重合法の場合にはラクチドに起因する問題が実質的にないため、製膜性の観点からはより好適である。
本発明におけるポリ乳酸系重合体の重量平均分子量(Mw)は、通常少なくとも5万、好ましくは8万〜30万、さらに好ましくは10万〜20万である。重量平均分子量をかかる範囲とすることにより、膜強度を優れたものとすることができる。
また、本発明におけるポリ乳酸系重合体は、L−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の単量体成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。
共重合可能な単量体成分としては、例えば、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、及びペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類又はそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、及び5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類又はそれらの誘導体等が挙げられる。なお、ポリ乳酸系重合体の共重合成分としては、生分解性を有する成分を選択することが好ましい。
分離膜は、ポリエステル(B)として1種類の化合物を含有してもよいし、2種類以上の化合物を含有してもよい。
また、分離膜は、具体例として上記したポリエステルのうち、特に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、及びポリ−L−乳酸の少なくとも一方を含有することが好ましい。これらのポリエステルを含有することで、高い透水性能を有する分離膜が実現される。また、ポリエステルは、重合により形成される結合がエステル結合であり、特に酸や酸化剤と接触した場合でも主鎖の切断が生じにくいので、酸や酸化剤に対して良好な耐性を有する点で好ましい。
また、分離膜は、具体例として上記したポリエステルのうち、特に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、及びポリ−L−乳酸の少なくとも一方を含有することが好ましい。これらのポリエステルを含有することで、高い透水性能を有する分離膜が実現される。また、ポリエステルは、重合により形成される結合がエステル結合であり、特に酸や酸化剤と接触した場合でも主鎖の切断が生じにくいので、酸や酸化剤に対して良好な耐性を有する点で好ましい。
本発明の分離膜において、「ポリアミド(A)又はポリエステル(B)を主成分とする」とは、分離膜においてポリアミド(A)又はポリエステル(B)が占める割合が、70重量%以上のことをいう。
ポリアミド(A)又はポリエステル(B)が占める割合は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましい。また、分離膜は、実質的にポリアミドのみで構成されているか、実質的にポリエステルのみで構成されていてもよい。分離膜が実質的にポリアミドのみからなる場合や実質的にポリエステルのみからなる場合とは、分離膜の99重量%以上をポリアミド又はポリエステルが占めることを意図する。
(可塑剤(C))
本発明の分離膜は、可塑剤(C)を含有することができる。可塑剤(C)が製造時に製膜に用いられる樹脂組成物中に含まれる場合、溶融紡糸時にポリアミド(A)及び/又はポリエステル(B)を熱可塑化した後は、可塑剤(C)は分離膜の中に残存してもよいし、少なくとも一部の可塑剤(C)が分離膜の中から溶出してもよい。可塑剤(C)の少なくとも一部が膜外に溶出した場合、可塑剤(C)が抜けた跡が膜中における細孔となり、透過性能が良好となる。可塑剤が親水性である場合、膜中に残存することで膜の親水性が向上する点で好ましい。
本発明の分離膜は、可塑剤(C)を含有することができる。可塑剤(C)が製造時に製膜に用いられる樹脂組成物中に含まれる場合、溶融紡糸時にポリアミド(A)及び/又はポリエステル(B)を熱可塑化した後は、可塑剤(C)は分離膜の中に残存してもよいし、少なくとも一部の可塑剤(C)が分離膜の中から溶出してもよい。可塑剤(C)の少なくとも一部が膜外に溶出した場合、可塑剤(C)が抜けた跡が膜中における細孔となり、透過性能が良好となる。可塑剤が親水性である場合、膜中に残存することで膜の親水性が向上する点で好ましい。
可塑剤(C)としては、ポリアミド(A)及び/又はポリエステル(B)を熱可塑化する化合物であれば特に限定されない。また、可塑剤(C)は単独又は2種以上を併用して使用することができる。本発明における可塑剤(C)としては、多価アルコール系化合物やピロリドン環を有する化合物が好ましい。具体的には、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール共重合体、グリセリン系化合物、カプロラクトン系化合物及びその誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、ポリアミド(A)またはポリエステル(B)との良好な相溶性に起因して、少量の添加でも熱可塑性を発現するため、可塑剤による膜強度の低下を抑制する点、溶出後の細孔が微細なものとなり分離性能と透過性能の両立を可能とする点、残存した場合に親水性を向上させうる点から、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコール、およびこれらの共重合体が好ましい。
ポリアルキレングリコールの具体的な例としては、例えば、重量平均分子量(Mw)が200〜20,000である、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリブチレングリコールなどが挙げられる。
ポリビニルピロリドン系可塑剤の具体的な例としては、重量平均分子量(Mw)が3,000〜90万である、ポリビニルピロリドンやポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
ポリビニルピロリドン系可塑剤の具体的な例としては、重量平均分子量(Mw)が3,000〜90万である、ポリビニルピロリドンやポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
(酸化防止剤(D))
本発明の分離膜は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの酸化防止剤を含有することが好ましく、特にペンタエリスリトール系化合物が好ましい。リン系酸化防止剤を含有している場合、溶融紡糸時の熱分解が抑制され、その結果、膜強度の向上、膜への着色防止が可能となる。
本発明の分離膜は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などの酸化防止剤を含有することが好ましく、特にペンタエリスリトール系化合物が好ましい。リン系酸化防止剤を含有している場合、溶融紡糸時の熱分解が抑制され、その結果、膜強度の向上、膜への着色防止が可能となる。
(添加剤)
本発明の分離膜には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述したもの以外の添加剤を含有してもよい。例えば、有機滑剤、結晶核剤、有機粒子、無機粒子、末端封鎖剤、鎖延長剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、制電剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、抗酸化剤、イオン交換剤、消泡剤、着色顔料、蛍光増白剤、及び染料などが使用できる。
本発明の分離膜には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述したもの以外の添加剤を含有してもよい。例えば、有機滑剤、結晶核剤、有機粒子、無機粒子、末端封鎖剤、鎖延長剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、制電剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、抗酸化剤、イオン交換剤、消泡剤、着色顔料、蛍光増白剤、及び染料などが使用できる。
(膜形状)
本発明の分離膜の形状は特に限定されないが、中空糸形状の膜(以下、中空糸膜ともいう)又は、平面形状の膜(以下、平膜ともいう)が好ましく採用される。このなかでも、中空糸膜は効率良くモジュールに充填することが可能であり、モジュールの単位体積当たりの有効膜面積を大きくとることができるためより好ましい。
本発明の分離膜の形状は特に限定されないが、中空糸形状の膜(以下、中空糸膜ともいう)又は、平面形状の膜(以下、平膜ともいう)が好ましく採用される。このなかでも、中空糸膜は効率良くモジュールに充填することが可能であり、モジュールの単位体積当たりの有効膜面積を大きくとることができるためより好ましい。
本発明の分離膜の厚みは、透過性能を向上させる観点から、2〜100μmであることが好ましく、3〜80μmであることがより好ましく、4〜50μmであることがさらに好ましい。
中空糸膜の場合、モジュールに充填した際の有効膜面積と、膜強度を両立させる観点から、中空糸の外径が20〜400μmであることが好ましく、30〜300μmであることがより好ましく、40〜200μmであることがさらに好ましい。
また、中空糸膜の場合、中空部を流れる流体の圧損と、座屈圧との関係から、中空糸の中空率が15〜55%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましく、25〜45%であることがさらに好ましい。
中空糸の外径や中空率を上記範囲とする方法は公知の任意の方法を採用でき、特に限定されないが、例えば中空糸を製造する紡糸口金の吐出孔の形状、又は巻取速度/吐出速度で算出できるドラフト比等を適宜変更することで調整できる。
(断面構造)
本発明の分離膜は、膜厚方向に対称な構造を有する。ここでいう対称とは、膜の断面において、SEMを用いて5万倍の画像を10枚撮った際に、細孔が確認されないことである。ここでいう細孔とは、2nm以上の直径を有する細孔のことである。
ここでいう膜の断面とは、平膜の場合は、製造時の機械方向(長手方向)と垂直かつ、膜の厚み方向に平行な断面のことをいい、中空糸の場合は、膜の厚み方向に平行かつ長手方向に垂直な断面(径断面)のことをいう。製造時の機械方向が明確には無いプレス製膜などの場合は、膜の厚み方向に平行であれば、任意の方向の断面のことをいう。なお、膜の厚み方向の断面とは、膜の一方の面に垂直な断面である。
本発明の分離膜は、膜厚方向に対称な構造を有する。ここでいう対称とは、膜の断面において、SEMを用いて5万倍の画像を10枚撮った際に、細孔が確認されないことである。ここでいう細孔とは、2nm以上の直径を有する細孔のことである。
ここでいう膜の断面とは、平膜の場合は、製造時の機械方向(長手方向)と垂直かつ、膜の厚み方向に平行な断面のことをいい、中空糸の場合は、膜の厚み方向に平行かつ長手方向に垂直な断面(径断面)のことをいう。製造時の機械方向が明確には無いプレス製膜などの場合は、膜の厚み方向に平行であれば、任意の方向の断面のことをいう。なお、膜の厚み方向の断面とは、膜の一方の面に垂直な断面である。
本発明者らは鋭意検討した結果、上述の形状を備える膜が、高い膜強度を有することを見出した。
その理由として、まず、膜が対称であることで膜にかかる力を均一に分散することができ、局所的な力の集中を抑えられることが挙げられる。
その理由として、まず、膜が対称であることで膜にかかる力を均一に分散することができ、局所的な力の集中を抑えられることが挙げられる。
膜厚方向に対称な構造を有する膜の製造方法は、公知の任意の方法を採用でき、特に限定されない。例えば、溶媒を含まず、原料が加熱溶融されることで作製された樹脂組成物をスリット状の口金から吐出後、冷却することで固化させる方法や、樹脂組成物を溶媒に溶解させた溶液をガラス板上などにキャスト後、溶媒を全て蒸発させる方法等が挙げられる。
(膜透過流束)
本発明の分離膜は、良好な透過性能を発現するために、膜透過流束は0.1L/m2/day以上であることが好ましい。膜透過流束の測定条件は実施例にて詳細に説明する。膜透過流束は0.5L/m2/day以上であることがより好ましく、1.0L/m2/day以上であることがさらに好ましい。膜透過流束は高い方が好ましいが、後述する塩阻止率とのバランスから上限は300L/m2/dayである。
本発明の分離膜は、良好な透過性能を発現するために、膜透過流束は0.1L/m2/day以上であることが好ましい。膜透過流束の測定条件は実施例にて詳細に説明する。膜透過流束は0.5L/m2/day以上であることがより好ましく、1.0L/m2/day以上であることがさらに好ましい。膜透過流束は高い方が好ましいが、後述する塩阻止率とのバランスから上限は300L/m2/dayである。
(塩阻止率)
本発明の分離膜は、特に水処理用膜として使用する際に良好な分離性能を発現するために、塩阻止率は30.0%以上であることが好ましく、上限は99.5%であることが好ましい。塩阻止率の測定条件は実施例にて詳細に説明する。塩阻止率は50.0〜99.5%であることがより好ましく、80.0〜99.5%であることがさらに好ましい。
本発明の分離膜は、特に水処理用膜として使用する際に良好な分離性能を発現するために、塩阻止率は30.0%以上であることが好ましく、上限は99.5%であることが好ましい。塩阻止率の測定条件は実施例にて詳細に説明する。塩阻止率は50.0〜99.5%であることがより好ましく、80.0〜99.5%であることがさらに好ましい。
(引張弾性率)
本発明の分離膜は、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す。特に、分離膜の長手方向における引張弾性率がこの範囲内にあることが好ましい。ここで長手方向とは、製造時の機械方向のことである。引張弾性率の測定条件は実施例にて詳細に説明する。長手方向の引張弾性率が600MPa未満の場合、膜強度が不足する。長手方向の引張弾性率が6,500MPaを超える場合、分離膜を膜モジュールへ組み込む際などに必要な柔軟性が不足する。引張弾性率は1,500〜6,000MPaであることが好ましく、1,800〜5,500MPaであることがより好ましく、2,000〜5,000MPaであることがさらに好ましい。
本発明の分離膜の引張弾性率を600〜6,500MPaとする方法は、特に制限されないが、例えば、製造時の巻取速度/吐出速度で算出できるドラフト比及び/または延伸・熱固定条件を、それぞれ後述する好ましい条件とする方法等が挙げられる。
本発明の分離膜は、600〜6,500MPaの引張弾性率を示す。特に、分離膜の長手方向における引張弾性率がこの範囲内にあることが好ましい。ここで長手方向とは、製造時の機械方向のことである。引張弾性率の測定条件は実施例にて詳細に説明する。長手方向の引張弾性率が600MPa未満の場合、膜強度が不足する。長手方向の引張弾性率が6,500MPaを超える場合、分離膜を膜モジュールへ組み込む際などに必要な柔軟性が不足する。引張弾性率は1,500〜6,000MPaであることが好ましく、1,800〜5,500MPaであることがより好ましく、2,000〜5,000MPaであることがさらに好ましい。
本発明の分離膜の引張弾性率を600〜6,500MPaとする方法は、特に制限されないが、例えば、製造時の巻取速度/吐出速度で算出できるドラフト比及び/または延伸・熱固定条件を、それぞれ後述する好ましい条件とする方法等が挙げられる。
(引張強度)
本発明の分離膜は、良好な膜強度を発現するために、30MPa以上の引張強度を有することが好ましい。引張強度の測定条件は実施例にて詳細に説明する。引張強度は50MPa以上であることがより好ましく、70MPa以上であることがさらに好ましい。引張強度は高い方が好ましいが、実用上の上限は500MPaである。
本発明の分離膜は、良好な膜強度を発現するために、30MPa以上の引張強度を有することが好ましい。引張強度の測定条件は実施例にて詳細に説明する。引張強度は50MPa以上であることがより好ましく、70MPa以上であることがさらに好ましい。引張強度は高い方が好ましいが、実用上の上限は500MPaである。
(5%伸長時の応力)
本発明の分離膜は、長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上であることが好ましい。
ポリアミドまたはポリエステルを主成分とする分離膜において、長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上であるということは、ポリアミドまたはポリエステルの分子鎖の配向度が高いということを意味する。つまり、ポリアミドまたはポリエステルの分子鎖の秩序性が高いということなので、その結果、高い塩阻止性能を得ることができる。長手方向の5%伸長時の応力の測定条件は実施例にて詳細に説明する。
本発明の分離膜は、長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上であることが好ましい。
ポリアミドまたはポリエステルを主成分とする分離膜において、長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上であるということは、ポリアミドまたはポリエステルの分子鎖の配向度が高いということを意味する。つまり、ポリアミドまたはポリエステルの分子鎖の秩序性が高いということなので、その結果、高い塩阻止性能を得ることができる。長手方向の5%伸長時の応力の測定条件は実施例にて詳細に説明する。
長手方向の5%伸長時の応力を60MPa以上とするための方法は特に限定されないが、紡糸時のドラフト比、延伸時の延伸条件を、それぞれ後述する好ましい範囲とする方法が挙げられる。5%伸長時の応力は70MPa以上であることがより好ましく、90MPa以上であることがさらに好ましい。長手方向の5%伸長時の応力は高い方が好ましいが、実用上の上限は300MPaである。
(膜の種類)
本発明の分離膜は、特に水処理に利用可能な膜である。水処理用膜としては、具体的には、例えば、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜、及び正浸透膜などが挙げられる。本発明の分離膜は、上記膜が有する機能を1つ有していてもよいし、2つ以上有することもできる。本発明は特に、高い分離性能を有する点から、ナノ濾過膜、逆浸透膜及び正浸透膜に好ましく適用される。
本発明の分離膜は、特に水処理に利用可能な膜である。水処理用膜としては、具体的には、例えば、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜、及び正浸透膜などが挙げられる。本発明の分離膜は、上記膜が有する機能を1つ有していてもよいし、2つ以上有することもできる。本発明は特に、高い分離性能を有する点から、ナノ濾過膜、逆浸透膜及び正浸透膜に好ましく適用される。
(モジュール)
本発明の分離膜は、使用時には分離膜モジュールに組み込まれてもよい。分離膜モジュールは、複数本の中空糸膜で構成された膜束と、この膜束を収容する筐体とを備える。膜束はその両端または片端がポリウレタンやエポキシ樹脂等で上記筐体内に固定される。
また、平膜であれば、支持体に固定されるか、膜同士が貼り合わせられることで封筒状膜を形成し、さらに必要に応じて集水管等に装着されることでモジュール化される。
逆浸透膜用のケースでは、混合溶液を供給する孔と膜を透過した精製水が通過する孔、濃縮された排水が通過する孔が空けられている。抗圧浸透法や正浸透法用のケースでは、クロスフローになっており混合溶液を供給する孔と塩濃度が変動した水が通過する孔を2つずつ備えている。
本発明の分離膜は、使用時には分離膜モジュールに組み込まれてもよい。分離膜モジュールは、複数本の中空糸膜で構成された膜束と、この膜束を収容する筐体とを備える。膜束はその両端または片端がポリウレタンやエポキシ樹脂等で上記筐体内に固定される。
また、平膜であれば、支持体に固定されるか、膜同士が貼り合わせられることで封筒状膜を形成し、さらに必要に応じて集水管等に装着されることでモジュール化される。
逆浸透膜用のケースでは、混合溶液を供給する孔と膜を透過した精製水が通過する孔、濃縮された排水が通過する孔が空けられている。抗圧浸透法や正浸透法用のケースでは、クロスフローになっており混合溶液を供給する孔と塩濃度が変動した水が通過する孔を2つずつ備えている。
(製造方法)
次に、本発明の分離膜を製造する方法について、中空糸膜の場合を例に具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
次に、本発明の分離膜を製造する方法について、中空糸膜の場合を例に具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
上述した分離膜の製造方法としては、溶融紡糸が好ましく適用される。
溶融紡糸とは、原料を加熱により融解することで、溶媒を含まない樹脂組成物を調製する工程と、次にこの樹脂組成物をスリット状の口金から吐出し、冷却により固化する工程とを含む、膜の形成方法である。溶融紡糸は、平膜及び中空糸膜のいずれの製造にも適用可能である。
溶融紡糸とは、原料を加熱により融解することで、溶媒を含まない樹脂組成物を調製する工程と、次にこの樹脂組成物をスリット状の口金から吐出し、冷却により固化する工程とを含む、膜の形成方法である。溶融紡糸は、平膜及び中空糸膜のいずれの製造にも適用可能である。
分離膜の原料としては、上述のポリアミド(A)、ポリエステル(B)、可塑剤(C)、酸化防止剤(D)、及びその他添加剤が挙げられる。それぞれの具体例については上述したとおりである。
原料の総量(つまり溶融により得られる樹脂組成物の重量)における可塑剤(C)の含有量は、1〜50重量%であることが好ましい。可塑剤(C)の含有量を1重量%以上とすることで、ポリアミド(A)やポリエステルの熱可塑性と分離膜の透過性能が良好なものとなる。可塑剤(C)の含有量を50重量%以下とすることで、分離膜の分離性能と膜強度が良好なものとなる。可塑剤(C)の含有量は、より好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。
原料の総量における酸化防止剤(D)の含有量は、溶融紡糸する組成物に対して0.005〜3.000重量%であることが好ましい。また、0.010〜2.000重量%がより好ましく、好ましくは0.020〜1.000重量%であることがさらに好ましい。酸化防止剤(D)の含有量を上記範囲とすることにより、膜の強度が良好になる。
ポリアミド(A)又はポリエステル(B)を主成分とする樹脂組成物を溶融紡糸法により中空糸化する際、紡糸温度(紡糸パックの温度)は、該樹脂組成物の示差走査熱量計(DSC)の昇温測定における結晶融解温度をTmとしたとき、(Tm+5℃)〜(Tm+50℃)とすることが好ましい。DSCの測定条件は実施例にて詳細に説明する。紡糸温度は(Tm+5℃)〜(Tm+40℃)がより好ましく、(Tm+5℃)〜(Tm+30℃)がさらに好ましい。この紡糸温度を通常より低く抑えることで、分離膜の分離性能がより向上し、膜強度がより高くなる。
中空糸分離膜の製造には、各種の紡糸口金を使用することができ、具体的には、例えば、C型スリットの紡糸口金、弧状(アーク状)のスリット部が複数個(例えば、2〜5個)配置されて1個の吐出孔を形成する紡糸口金、及びチューブインオリフィス型の紡糸口金等が用いられる。
溶融された熱可塑性樹脂組成物は、紡糸パックの下部に取り付けられた紡糸口金の吐出孔より下方に押し出される。ここで紡糸口金の下面から冷却装置(チムニー)上端までの距離Hは0〜500mmであることが好ましく、0〜400mmであることがより好ましく、0〜300mmであることがさらに好ましい。
紡糸口金より吐出した中空糸を冷却する際、冷却装置(チムニー)の冷却風の温度は5〜40℃が好ましい。また、冷却風の風速は0.8〜2.0m/秒であることが好ましく、1.1〜2.0m/秒であることがより好ましく、1.4〜2.0m/秒であることがさらに好ましい。
冷却装置により冷却された中空糸は巻取装置により巻き取られる。巻取速度/吐出速度で算出できるドラフト比は100〜1,000であることが好ましく200〜900であることがより好ましく、400〜800であることがさらに好ましい。
紡糸された中空糸は、さらに延伸されてもよい。延伸方法は特に限定されないが、例えば、延伸前の中空糸膜を加熱ロール上で搬送すること、および/または、乾熱オーブン中を通過させることよって延伸を行う温度まで昇温し、加熱ロール間の周速差を用いて1段又は2段以上の多段で延伸を行うことができる。
延伸工程における中空糸膜の温度の好ましい範囲は20〜250℃であり、より好ましくは20〜220℃、さらに好ましくは20〜200℃である。合計の延伸倍率は1.5〜10倍が好ましく、2〜7倍がより好ましく、3〜5倍がさらに好ましい。また、必要に応じ、延伸中あるいは延伸後に熱固定を施してもよい。熱固定温度は80〜240℃であることが好ましい。
このようにして得られた中空糸膜はこのままでも使用できるが、中空糸膜を使用する前に例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液等によって膜の表面を親水化させることが好ましい。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。実施例中の各特性値は次の方法で求めたものである。
[測定及び評価方法]
(1)中空糸の外径(μm)
中空糸の長手方向と垂直な方向(繊維径方向)と、膜の厚み方向の断面を光学顕微鏡により観察、撮影し、中空糸の外径(μm)を算出した。なお、中空糸の外径は、中空糸10本を用いて算出し、その平均値とした。
(1)中空糸の外径(μm)
中空糸の長手方向と垂直な方向(繊維径方向)と、膜の厚み方向の断面を光学顕微鏡により観察、撮影し、中空糸の外径(μm)を算出した。なお、中空糸の外径は、中空糸10本を用いて算出し、その平均値とした。
(2)中空糸の中空率(%)
中空糸の長手方向に垂直な断面を光学顕微鏡により観察、撮影し、断面の全面積Saと中空部の面積Sbを測定し、下式を用いて算出した。なお、中空率は中空糸10本を用いて算出し、その平均値とした。
中空率(%)=(Sb/Sa)×100
(3)断面形状の測定
中空糸を割断し、サンプル台に両面テープで固定したものを、走査型電子顕微鏡を用いて、横断面を50,000倍に拡大して観察した。中空糸膜の外表面側から内表面側にかけてほぼ等間隔となるように10箇所撮影し、こうして得られた画像において、断面形状が対称であるか非対称であるかを観察した。
中空糸の長手方向に垂直な断面を光学顕微鏡により観察、撮影し、断面の全面積Saと中空部の面積Sbを測定し、下式を用いて算出した。なお、中空率は中空糸10本を用いて算出し、その平均値とした。
中空率(%)=(Sb/Sa)×100
(3)断面形状の測定
中空糸を割断し、サンプル台に両面テープで固定したものを、走査型電子顕微鏡を用いて、横断面を50,000倍に拡大して観察した。中空糸膜の外表面側から内表面側にかけてほぼ等間隔となるように10箇所撮影し、こうして得られた画像において、断面形状が対称であるか非対称であるかを観察した。
(4)透過性能(膜透過流束(L/m2/day))
分離膜に、濃度500ppm、温度25℃、pH6.5に調整した塩化ナトリウム水溶液を操作圧力0.75MPaで供給して、膜ろ過処理を行い、得られた透過水量に基づいて、下記式により膜透過流束を求めた。
膜透過流束(L/m2/day)=1日あたりの透過水量/膜面積
分離膜に、濃度500ppm、温度25℃、pH6.5に調整した塩化ナトリウム水溶液を操作圧力0.75MPaで供給して、膜ろ過処理を行い、得られた透過水量に基づいて、下記式により膜透過流束を求めた。
膜透過流束(L/m2/day)=1日あたりの透過水量/膜面積
(5)分離性能(塩阻止率(%))
膜透過流束と同条件で膜ろ過処理を行い、得られた透過水の塩濃度を測定した。得られた透過水の塩濃度及び供給水の塩濃度から、下記式に基づいて塩阻止率を求めた。なお、透過水の塩濃度は、電気伝導度の測定値より求めた。
塩阻止率(%)=100×{1−(透過水中の塩化ナトリウム濃度/供給水中の塩化ナトリウム濃度)}
なお、上記(4)、(5)において、分離膜が中空糸膜の場合、以下のように小型モジュールを作成して膜ろ過処理を行った。
中空糸膜を束ねて、ポリカーボネート製パイプに挿入した後、熱硬化性樹脂をパイプ端部に注入し、硬化させて端部を封止した。中空糸膜を封止した熱硬化樹脂を長軸に垂直な断面方向に切断することで中空糸膜の開口面を得て、外径基準の膜面積が約0.1m2の評価用小型モジュールを作製した。
膜透過流束と同条件で膜ろ過処理を行い、得られた透過水の塩濃度を測定した。得られた透過水の塩濃度及び供給水の塩濃度から、下記式に基づいて塩阻止率を求めた。なお、透過水の塩濃度は、電気伝導度の測定値より求めた。
塩阻止率(%)=100×{1−(透過水中の塩化ナトリウム濃度/供給水中の塩化ナトリウム濃度)}
なお、上記(4)、(5)において、分離膜が中空糸膜の場合、以下のように小型モジュールを作成して膜ろ過処理を行った。
中空糸膜を束ねて、ポリカーボネート製パイプに挿入した後、熱硬化性樹脂をパイプ端部に注入し、硬化させて端部を封止した。中空糸膜を封止した熱硬化樹脂を長軸に垂直な断面方向に切断することで中空糸膜の開口面を得て、外径基準の膜面積が約0.1m2の評価用小型モジュールを作製した。
(6)引張弾性率(MPa)
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(TENSILON(登録商標)/RTM−100、株式会社東洋ボールドウィン製)を用い、試料長100mm、引張速度100mm/minの条件にて引張弾性率(MPa)を測定した。なお測定回数は5回とし、その平均値を引張強度とした。
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(TENSILON(登録商標)/RTM−100、株式会社東洋ボールドウィン製)を用い、試料長100mm、引張速度100mm/minの条件にて引張弾性率(MPa)を測定した。なお測定回数は5回とし、その平均値を引張強度とした。
(7)膜強度(引張強度(MPa))
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(オリエンテック社製テンシロン UCT−100)を用い、試料長100mm、引張速度100mm/minの条件にて引張強度(破断強度)(MPa)を測定した。なお測定回数は5回とし、その平均値を引張強度とした。
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(オリエンテック社製テンシロン UCT−100)を用い、試料長100mm、引張速度100mm/minの条件にて引張強度(破断強度)(MPa)を測定した。なお測定回数は5回とし、その平均値を引張強度とした。
(8)5%伸長時の応力(MPa)
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(オリエンテック社製テンシロン UCT−100)を用い、試料長100mm、引張速度100mm/minの条件にて5%伸長時の応力(MPa)を測定した。分離膜なお測定回数は5回とし、その平均値を5%伸長時の応力とした。
なお、伸長方向は長手方向に平行な方向とする。本発明でいう長手方向とは、製造時の機械方向である。製造時の機械方向が明確には無いプレス製膜等の場合は、膜の任意の方向に伸長する。
温度20℃、湿度65%の環境下において、引張試験機(オリエンテック社製テンシロン UCT−100)を用い、試料長100mm、引張速度100mm/minの条件にて5%伸長時の応力(MPa)を測定した。分離膜なお測定回数は5回とし、その平均値を5%伸長時の応力とした。
なお、伸長方向は長手方向に平行な方向とする。本発明でいう長手方向とは、製造時の機械方向である。製造時の機械方向が明確には無いプレス製膜等の場合は、膜の任意の方向に伸長する。
[ポリアミド(A)]
(A1)
ナイロン6 (東レ(株)社製ナイロン6樹脂「アミラン」)
(A2)
ナイロン66 (東レ(株)社製ナイロン66樹脂「アミラン」)
(A1)
ナイロン6 (東レ(株)社製ナイロン6樹脂「アミラン」)
(A2)
ナイロン66 (東レ(株)社製ナイロン66樹脂「アミラン」)
[ポリエステル(B)]
(B1)
ポリ−L−乳酸
L−ラクチド100重量部に対しオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃ で15分間重合し、さらに2軸混練押出し機にてチップ化した後、140℃の窒素雰囲気下で3時間固相重合して、ポリ乳酸系重合体であるポリ−L−乳酸(B1)を得た。ポリ−L−乳酸(B1)についてDSC測定を行ったところ、ポリ−L−乳酸(B1)は結晶性を有し、結晶化温度は128℃、融点は172℃であった。
(B2)
5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート
得られるポリマーに対してマグネシウム原子換算で60ppm相当の酢酸マグネシウムと、テレフタル酸ジメチル58.1重量部とエチレングリコール33.8重量部、および5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル(三洋化成社製)8.1重量部を、150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応をおこない、縮合前駆体を得た。
縮合前駆体約100kgを重縮合槽に移送後、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で250ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で50ppm相当のリン酸トリメチルを、添加する30分前に別の混合槽にてエチレングリコール中で事前混合し、常温にて30分撹拌した後、その混合物を、重縮合槽中の縮合前駆体に添加した。
さらに5分後に酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを、得られるポリマーに対して酸化チタン粒子換算で0.1重量%相当添加した。
そしてさらに5分後に、反応系を減圧にして反応を開始した。
反応器内を250℃から280℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。
減圧開始から3時間後、反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、ガット状に吐出して冷却後、カッティングしてポリマー(5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート)のペレットを得た。
(B1)
ポリ−L−乳酸
L−ラクチド100重量部に対しオクチル酸錫を0.1重量部、ラウリルアルコールを0.1重量部混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中190℃ で15分間重合し、さらに2軸混練押出し機にてチップ化した後、140℃の窒素雰囲気下で3時間固相重合して、ポリ乳酸系重合体であるポリ−L−乳酸(B1)を得た。ポリ−L−乳酸(B1)についてDSC測定を行ったところ、ポリ−L−乳酸(B1)は結晶性を有し、結晶化温度は128℃、融点は172℃であった。
(B2)
5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート
得られるポリマーに対してマグネシウム原子換算で60ppm相当の酢酸マグネシウムと、テレフタル酸ジメチル58.1重量部とエチレングリコール33.8重量部、および5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル(三洋化成社製)8.1重量部を、150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応をおこない、縮合前駆体を得た。
縮合前駆体約100kgを重縮合槽に移送後、得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で250ppm相当の三酸化アンチモン、リン原子換算で50ppm相当のリン酸トリメチルを、添加する30分前に別の混合槽にてエチレングリコール中で事前混合し、常温にて30分撹拌した後、その混合物を、重縮合槽中の縮合前駆体に添加した。
さらに5分後に酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを、得られるポリマーに対して酸化チタン粒子換算で0.1重量%相当添加した。
そしてさらに5分後に、反応系を減圧にして反応を開始した。
反応器内を250℃から280℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を110Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。
減圧開始から3時間後、反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、ガット状に吐出して冷却後、カッティングしてポリマー(5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート)のペレットを得た。
[可塑剤(C)]
(C1)
ポリビニルピロリドン(K30) (BASF社製)
(C2)
ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物
平均分子量10,000のポリエチレングリコール71重量部とL−ラクチド29重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で、窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物(C2)を得た。
(C3)
ポリエチレングリコール(Mw1000、三洋化成工業株式会社製)
(C4)
エチレングリコール(東京化成株式会社製)
(C5)
ポリビニルアルコール(PVA、和光純薬株式会社製)
(C1)
ポリビニルピロリドン(K30) (BASF社製)
(C2)
ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物
平均分子量10,000のポリエチレングリコール71重量部とL−ラクチド29重量部に対し、オクチル酸錫0.07重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で、窒素雰囲気中190℃で60分間重合し、平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有する、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物(C2)を得た。
(C3)
ポリエチレングリコール(Mw1000、三洋化成工業株式会社製)
(C4)
エチレングリコール(東京化成株式会社製)
(C5)
ポリビニルアルコール(PVA、和光純薬株式会社製)
[酸化防止剤(D)]
(D1)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1098(BASF(株)社製、登録商標))
(D2)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010(BASF(株)社製、登録商標))
(D1)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1098(BASF(株)社製、登録商標))
(D2)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010(BASF(株)社製、登録商標))
[溶媒(E)]
(E1)
ジメチルホルムアミド(E1)(DMF、東京化成株式会社製)
(E2)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP、シグマアルドリッチ株式会社製)
(E3)
スルホラン(E3)(東京化成工業株式会社製)
(E4)
ジメチルスルホキシド(E4)(DMSO、和光純薬株式会社製)
(E1)
ジメチルホルムアミド(E1)(DMF、東京化成株式会社製)
(E2)
N−メチル−2−ピロリドン(NMP、シグマアルドリッチ株式会社製)
(E3)
スルホラン(E3)(東京化成工業株式会社製)
(E4)
ジメチルスルホキシド(E4)(DMSO、和光純薬株式会社製)
[分離膜の製造]
(実施例1)
ナイロン6樹脂(A1)89.5重量部、ポリビニルピロリドン(C1)(K30)10重量部、イルガノックス1098(D1)0.5重量部、を二軸押出機にて280℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを100℃、12時間真空乾燥を行った。
(実施例1)
ナイロン6樹脂(A1)89.5重量部、ポリビニルピロリドン(C1)(K30)10重量部、イルガノックス1098(D1)0.5重量部、を二軸押出機にて280℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを100℃、12時間真空乾燥を行った。
乾燥させたペレットを二軸押出機に供給し250℃にて溶融させ、紡糸温度250℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量60g/分の条件で、口金孔(弧状のスリット部が3個配置されて1個の吐出孔を形成するタイプ、吐出孔半径0.60mm、スリット間ピッチ0.10mm、スリット巾0.08mm)を72ホール有した口金より下方に紡出した。この紡出した中空糸を、口金の下面から冷却装置(チムニー)上端までの距離Hが30mmとなるように冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、ドラフト比が100となるようにワインダーで巻き取った。こうして得られた分離膜の物性を表1に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表1に示した。
なお、表1中の樹脂組成物を表4に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表1に示した。
なお、表1中の樹脂組成物を表4に示す。
(実施例2〜7)
溶融紡糸用樹脂組成物の組成、製造条件をそれぞれ表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして分離膜を得た。得られた分離膜の物性および分離膜モジュールの性能を表1に示した。
なお、表1中の樹脂組成物を表4に示す。
(実施例8)
真空中で80℃、12時間乾燥後のポリ−L−乳酸(B1)を72重量部と、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物(C2)を27.7重量部、イルガノックス1010(D2)0.3重量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを100℃、6時間真空乾燥を行った。
溶融紡糸用樹脂組成物の組成、製造条件をそれぞれ表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして分離膜を得た。得られた分離膜の物性および分離膜モジュールの性能を表1に示した。
なお、表1中の樹脂組成物を表4に示す。
(実施例8)
真空中で80℃、12時間乾燥後のポリ−L−乳酸(B1)を72重量部と、ポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物(C2)を27.7重量部、イルガノックス1010(D2)0.3重量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを100℃、6時間真空乾燥を行った。
乾燥させたペレットを二軸押出機に供給し200℃にて溶融させ、紡糸温度190℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量60g/分の条件で、口金孔(弧状のスリット部が3個配置されて1個の吐出孔を形成するタイプ、吐出孔半径0.60mm、スリット間ピッチ0.10mm、スリット巾0.08mm)を72ホール有した口金より下方に紡出した。この紡出した中空糸を、口金の下面から冷却装置(チムニー)上端までの距離Hが30mmとなるように冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、ドラフト比が100となるようにワインダーで巻き取った。こうして得られた分離膜の物性を表1に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表1に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表1に示す。
(実施例9)
5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(B2)97重量部、ポリエチレングリコール(C3)3重量部、を二軸押出機にて280℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを120℃、12時間真空乾燥を行った。
5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(B2)97重量部、ポリエチレングリコール(C3)3重量部、を二軸押出機にて280℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを120℃、12時間真空乾燥を行った。
乾燥させたペレットを二軸押出機に供給し280℃にて溶融させ、紡糸温度280℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量60g/分の条件で、口金孔(弧状のスリット部が3個配置されて1個の吐出孔を形成するタイプ、吐出孔半径0.60mm、スリット間ピッチ0.10mm、スリット巾0.08mm)を72ホール有した口金より下方に紡出した。この紡出した中空糸を、口金の下面から冷却装置(チムニー)上端までの距離Hが30mmとなるように冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、ドラフト比が100となるようにワインダーで巻き取った。
こうして得られた分離膜の物性を表1に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表1に示す。
なお、表1中の樹脂組成物を表4に示す。
こうして得られた分離膜の物性を表1に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表1に示す。
なお、表1中の樹脂組成物を表4に示す。
(比較例1)
表2の組成になるようにナイロン6(A1)、エチレングリコール(C4)(東京化成株式会社製)、およびジメチルホルムアミド(E1)を、195℃で3時間攪拌し、溶解させた。ついで、160℃、減圧下で気泡がなくなるまで脱泡して製膜原液とした。
表2の組成になるようにナイロン6(A1)、エチレングリコール(C4)(東京化成株式会社製)、およびジメチルホルムアミド(E1)を、195℃で3時間攪拌し、溶解させた。ついで、160℃、減圧下で気泡がなくなるまで脱泡して製膜原液とした。
この原液を160℃で二重管式口金の外側の管から吐出して、それと同時にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)70重量%の水溶液を二重管式口金の内側の管から吐出した。27mmの空中走行部にて表面の溶媒を揮発させた後、NMP15重量%の水溶液からなる温度10℃の水浴、続いて25℃の水浴の順に浸漬させて表面を固化した後ドラフト比が1となるよう巻き取った。続いて、25℃の水浴に20時間浸漬することで分離膜内部の固化および溶媒と水の置換を行い、続けて60℃の温浴に1時間浸漬させることで表面の緻密化を行って、分離膜を得た。こうして得られた分離膜の物性を表2に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
(比較例2)
表2の組成になるようにナイロン66(A2)、エチレングリコール(C4)(東京化成株式会社製)、およびN−メチル−2−ピロリドン(E2)を、195℃で3時間攪拌し、溶解させた。
表2の組成になるようにナイロン66(A2)、エチレングリコール(C4)(東京化成株式会社製)、およびN−メチル−2−ピロリドン(E2)を、195℃で3時間攪拌し、溶解させた。
この溶液を160℃で二重管式口金の外側の管から吐出して、それと同時に窒素ガスを二重管式口金の内側の管から吐出した。22mmの空中走行部にて表面の溶媒を揮発させた後、NMP15重量%の水溶液からなる温度10℃の水浴、続いて25℃の水浴の順に浸漬させて表面を固化した後ドラフト比が1となるよう巻き取った。続いて、25℃の水浴に20時間浸漬することで分離膜内部の固化および溶媒と水の置換を行い、続けて60℃の温浴に1時間浸漬させることで表面の緻密化を行って、非対称中空糸膜を得た。こうして得られた分離膜の物性を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
(比較例3)
表2の組成になるようにナイロン6(A1)、ポリビニルアルコール(C5)(PVA)、およびスルホラン(E3)を、195℃で3時間攪拌し、溶解させた。
表2の組成になるようにナイロン6(A1)、ポリビニルアルコール(C5)(PVA)、およびスルホラン(E3)を、195℃で3時間攪拌し、溶解させた。
この溶液を175℃で二重管式口金の外側の管から吐出して、それと同時にNMP70重量%の水溶液を二重管式口金の内側の管から吐出した。20mmの空中走行部にて表面の溶媒を揮発させた後、NMP15重量%の水溶液からなる温度10℃の水浴、続いて25℃の水浴の順に浸漬させて表面を固化した後ドラフト比が1となるよう巻き取った。続いて、25℃の水浴に20時間浸漬することで分離膜内部の固化および溶媒と水の置換を行い、続けて60℃の温浴に1時間浸漬させることで表面の緻密化を行って、非対称中空糸膜を得た。得られた分離膜の物性を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
(比較例4)
表2の組成となるように130℃で加熱しながらポリ−L−乳酸(B1)とジメチルスルホキシド(E4)を3時間撹拌し、ポリ−L−乳酸溶液を調製した。
表2の組成となるように130℃で加熱しながらポリ−L−乳酸(B1)とジメチルスルホキシド(E4)を3時間撹拌し、ポリ−L−乳酸溶液を調製した。
この溶液を100℃で二重管式口金の外側の管から吐出して、それと同時にDMSO80重量%の水溶液を二重管式口金の内側の管から吐出した。10mmの空中走行部にて表面の溶媒を揮発させた後、温度20℃の水浴に浸漬させて表面を固化した後ドラフト比が1となるよう巻き取った。続いて、25℃の水浴に20時間浸漬することで分離膜内部の固化および溶媒と水の置換を行って、非対称中空糸膜を得た。得られた分離膜の物性を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表2に示す。
(実施例10)
ナイロン6樹脂(A1)89.5重量部、ポリビニルピロリドン(C1)(K30)10重量部、イルガノックス1098(D1)0.5重量部、を二軸押出機にて280℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを100℃、12時間真空乾燥を行った。
ナイロン6樹脂(A1)89.5重量部、ポリビニルピロリドン(C1)(K30)10重量部、イルガノックス1098(D1)0.5重量部、を二軸押出機にて280℃で溶融混練した後にペレット化して、溶融紡糸用の樹脂組成物を得た。このペレットを100℃、12時間真空乾燥を行った。
乾燥させたペレットを二軸押出機に供給し250℃にて溶融させ、紡糸温度250℃とした溶融紡糸パックへ導入して、吐出量60g/分の条件で、口金孔(弧状のスリット部が3個配置されて1個の吐出孔を形成するタイプ、吐出孔半径0.60mm、スリット間ピッチ0.10mm、スリット巾0.08mm)を72ホール有した口金より下方に紡出した。この紡出した中空糸を、口金の下面から冷却装置(チムニー)上端までの距離Hが20mmとなるように冷却装置へ導き、25℃、風速1.5m/秒の冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、ドラフト比が200となるようにワインダーで巻き取った。この紡出糸を、乾熱オーブン中を通過させることよって170℃に昇温し、ロール間の周速差を用いて延伸倍率1.5倍として巻き取った。
こうして得られた分離膜の物性を表3に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表3に示した。
なお、表3中の樹脂組成物を表4に示す。
こうして得られた分離膜の物性を表3に示した。
この分離膜を備えるモジュールを作製し、イソプロピルアルコールの10wt%水溶液に1時間浸漬して親水化を行った後、膜透過流束および分離性能を評価した。その結果を表3に示した。
なお、表3中の樹脂組成物を表4に示す。
(実施例11、12)
溶融紡糸用樹脂組成物の組成、製造条件をそれぞれ表3のように変更した以外は、実施例10と同様にして分離膜を得た。得られた分離膜の物性および分離膜モジュールの性能を表3に示した。
なお、表3中の樹脂組成物を表4に示す。
溶融紡糸用樹脂組成物の組成、製造条件をそれぞれ表3のように変更した以外は、実施例10と同様にして分離膜を得た。得られた分離膜の物性および分離膜モジュールの性能を表3に示した。
なお、表3中の樹脂組成物を表4に示す。
実施例1〜12の分離膜においては、膜の断面が対称であった。
こうして得られた実施例1〜12の分離膜は、塩阻止率が30%以上であり、良好な分離性能を発現することができた。さらに、引張弾性率も600〜6,500MPaであり、良好な膜強度を発現することができた。したがって、実施例1〜9の分離膜は、高い膜強度と高い分離性能を有するものであることが分かった。
一方、比較例1〜4においては、分離性能が低いもの、及び/又は強度が低い分離膜が得られた。
こうして得られた実施例1〜12の分離膜は、塩阻止率が30%以上であり、良好な分離性能を発現することができた。さらに、引張弾性率も600〜6,500MPaであり、良好な膜強度を発現することができた。したがって、実施例1〜9の分離膜は、高い膜強度と高い分離性能を有するものであることが分かった。
一方、比較例1〜4においては、分離性能が低いもの、及び/又は強度が低い分離膜が得られた。
本発明は、分離性能に優れ、高い膜強度を有する、ポリアミド又はポリエステルを主成分とする分離膜である。本発明の分離膜は、海水、かん水、下水、及び排水などから工業用水、及び飲料水などを製造するための水処理用膜、人工腎臓や血漿分離などの医療用膜、果汁濃縮などの食品・飲料工業用膜、排気ガス、及び炭酸ガスなどを分離するガス分離膜、燃料電池セパレータなどの電子工業用膜などに用いることができる。上記水処理用膜の種類としては、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜、及び正浸透膜などに好ましく用いることができる。
Claims (9)
- ポリアミド又はポリエステルを主成分とし、
膜厚方向に対称な構造を備え、
600〜6,500MPaの引張弾性率を示す、
分離膜。 - 前記分離膜が中空糸形状である、請求項1に記載の分離膜。
- 前記中空糸の外径が20〜400μmである、請求項2に記載の分離膜。
- 塩阻止率が30%以上であり、膜透過流束が0.1L/m2/day以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分離膜。
- 長手方向の5%伸長時の応力が60MPa以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離膜。
- 前記ポリアミドがナイロン6及びナイロン66の少なくともいずれか一方である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分離膜。
- 前記ポリエステルがポリ乳酸系重合体および5−ナトリウムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートのいずれか一方である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分離膜。
- 前記分離膜が、ナノ濾過膜、逆浸透膜、及び正浸透膜から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分離膜。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の分離膜を備えた膜モジュール。
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|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|---|
| WO2020026958A1 (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | 東レ株式会社 | 分離膜及び分離膜の製造方法 |
| JP2021509448A (ja) * | 2018-01-02 | 2021-03-25 | プリマロフト,インコーポレイテッド | 生分解性向上合成繊維およびその製造方法 |
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-
2017
- 2017-01-27 JP JP2017013624A patent/JP2017136587A/ja active Pending
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