JP2017137752A - サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法 - Google Patents

サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法 Download PDF

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Abstract

【課題】土砂ダム(天然ダム)のような災害発生箇所や山深い場所であっても、サイフォン作用を応用して高水位域にある湛水部の水や土砂を、高水位域から低所に位置する低地域の吐出口に至るまでの間に、高水位域より高い障害物と成るものが存在し自然流下が不可能な地形に於いても、高水域の水や土砂を低地域へ移動させる送水・排土砂装置及び送水・排土砂方法を提供する。【解決手段】本発明のサイフォン送出装置100は、湛水部、揚程部及び吐出部に吐出口が配設されている送水ホース10と、湛水部90内に配置され、送水ホース10内に水を送水する送水機器20と、サイフォンによる吸水口11aを備えてなり、送水ホース10の吐出口10aは、前記湛水部の水面より低い位置に配置されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高水域にある水又は、水及び土砂を低地域に送水するサイフォン送水装置に関し、特に、限界揚程を高めて送水量を増量できるサイフォン送水装置及びサイフォン送水方法に関する。
従来から、池、沼、河、プール等の湛水部から水を送水する方法としては、水中ポンプ等の送水機器を使用して送水する方法がある。これは、高水域の湛水部に送水機器を浸漬し、サクションホースやサニーホース等の送水ホースを仮締切や盛土等の堤防の内側表面や壁面の天端に向かって上向きに配管し、さらに天端を越えて仮締切堤防や構造物の外側に吐出口を配置して排水し、そこからは自然に流下させる排水工法である。この送水機器による排水方法の場合、電気で送水機器を稼働させるため、排水ホースの吐出口の位置が湛水部の水位より高くても排水が可能であった。従って、排水計画を行う時、ポンプ機能が堤防天端までの揚程を乗越えることができるか否かが唯一の検討事項となっていた。
実際に多くの水中ポンプメーカーが送水機器の技術開発の主たる目的とする機能は「揚程に対する排水量を、いかに低コストで増量するか。」ということを主眼に開発を進めてきた。その目的は、水中ポンプの機能を確認する実験方法により明確に示されている。その実験方法とは、水中ポンプから例えば2m単位の長さで順次パイプを連結して真上に継ぎ足して伸ばし、各長さ(高さ)のパイプの上部先端から流れ落ちる流量を計測する方法で長年にわたり実験が行われてきた。なぜ配管を真上に向けて行うかというと、水中ポンプの開発目的が井戸水(地下水)等の汲み上げから始まったためと考えられ、地下水を地表まで汲み上げるための揚程に対する排水量がどれだけあるかが重要な機能として位置付けられてきたためである。つまり、メーカーの考えとしては、水を汲み上げた後はその水を利用する人の使用方法により、そのまま自然流下で水路を流して田畑へ供給するなり、プールに水を溜めるなりしてもらえばよく、水中ポンプは汲み上げることで役割を果たしているのである。従って、水中ポンプメーカーも地下水脈から地表を目指して垂直方向へ汲み上げる能力の向上のみを目指してきた。建設工事においても湛水部内にある水を仮締切堤防の外側に排水して堤防内部の施工をすることのみが目的であるため、排水計画を行う時は、湛水部の水位を基準に仮締切堤防の天端の高さまでの揚程を検討し、この高さを越えられる排水能力のある水中ポンプを選定すればよく、本発明のように湛水部の水位より吐出口の高さは低く設置しなければならないという配管の条件は、配管に余分な資材を使用しなければならないため、排水計画を立案する際の検討事項からは除外されていた。
一方で、過去に地震や豪雨に起因する土砂災害で発生した天然ダムの排水作業に使用される水中ポンプの稼働には燃料代、ヘリコプターによる燃料の運搬費用など莫大な費用がかかっていた。そこで、国土交通省ではサイフォンによる大容量の排水作業が可能な新技術の開発の必要性が提言されていた。これを受けて種々のサイフォン排水装置が提案されてきた。しかし、提案されたサイフォン送水装置は、いずれもサイフォンの排水用ホースの上流側吸水口と下流側吐出口の端部付近に開閉弁が設けてあり、サイフォン排水ホースの最頂部には水中ポンプ等からの注水口開閉弁と、注水によりサイフォン排水ホース内の排気のための排気弁が設けてあるものであった。この従来のサイフォン式排水装置の起動方法は、サイフォン用排水ホースの上下流部の開閉弁を閉じて、管頂部に設けられた注水口開閉弁を開き、水中ポンプ等を稼動してサイフォン排水ホース内が満水状態になるまで注水を続ける。満水になったら送水機器を停止し、注水口開閉弁を閉じて、上流側吸水口と下流側吐出口の開閉弁を開く。湛水部の水位と吐出口側の水頭差により、上流側の湛水部の水はサイフォン排水ホース内に吸い込まれて流下し、吐出口側に排水されることとなる。この従来型のサイフォン排水装置における送水機器の役割は、排水ホース内が満水になるまで注水することのみであった。その後、サイフォン作用が起動すると送水機器の役割はなくなる装置であった。
しかし、サイフォンによる排水作業は7m程度の揚程が限界である。揚程が7m程度を越えると最頂部ホース内に負圧による気化現象が発生し始め、さらに揚程が大きくなると送水ホース内が空洞化して流れが分断され、送水が停止するため排水作業ができないという課題があった。勿論、実際の現場では、様々な状況により揚程が7m以上においても排水作業が必要な場合が発生する。従って、揚程が7m以上においては、送水機器で排水作業を行う他には選択肢がなかったのである。Φ200mmの送水ホースを使用した場合で水頭差4m、送水ホース延長150mの場合、サイフォンの限界揚程7mでの排水量は3.9m3/minであり、水中ポンプ等は4.5m3/minの排水能力があると公表されている(例えば鶴見製作所製Φ200mmKRS2−8S)。水中ポンプ排水作業はランニングコストがサイフォンとは比較にならないほど膨大な電気又は燃料を必要とする。これに対し、水中ポンプの燃料消費量を「1」とすると、サイフォンはわずか「0.0007」という低い燃料消費の比率で排水作業が可能で揚程7mまではサイフォン排水作業を実施すべきである。電気を使用しなくても水中ポンプの87%近い排水量を確保できるメリットは大きい。勿論、同様の条件でも水頭差を大きくすることでサイフォン排水量は増大することとなる。ここで、排水作業に伴い湛水部の水位が低下して、揚程が7m以上となった場合には、水中ポンプによる排水作業を併用することとなる。各メーカーとも水中ポンプの販売に際して機種毎に前述の実験を繰り返して揚程の限界を公表しているため、利用者は現場の揚程に応じた機種を選定する。水位の変動など現場の排水環境の変化により、サイフォンの限界揚程7m以上の排水が必要となる場合を想定し、水中ポンプは現場の地形や水位の変動を鑑み、必要な高揚程の機種を選定するなどして緊急作業を施すことで、より大きな揚程での排水作業を行うことができることを各種実験により見出した。
そこで、本発明者は、サイフォン作用による排水作業と送水機器による排水作業の両方のメリットを具備することにより、同一の排水装置でサイフォンの排水機能と送水機器の排水機能を合わせたり切り替えたりすることができ、しかも高揚程で排水量も増大したサイフォン排水装置の技術を確立し、開発することに成功した。
一方で、送水に使用する通水部材としては断面形状を常に空洞に保持できる形状固定型の鋼管、塩化ビニルホース、サクションホースか又は通水時以外は断面が畳まれて縮小する柔軟な送水ホースを使用して送水作業が行われてきた。送水機器又はサイフォン作用による送水方法のいずれの場合であっても、送水ホース内に空気が残留していると送水量が低減することが知られている。しかし、送水ホースの内部の残留空気を押し出すため、流量を多くしたり、流速を速くしたりして残留空気を押し出すには、多くの水量や流速が必要であり、送水機器を規格の大きなものに取り換えるなどの作業を行わなければならないこととなる。
例えば、送水断面形状が保持できる程度の配管材料を使用し送水機器で送水した場合、特に揚程が大きな配管で、途中に上り下りを繰り返す送水ホース内では、それぞれ高い箇所のホース内に空気が圧縮されて残留する現象が発生し、この圧縮された空気により通水断面が狭小され、送水効率が低下していた。本特許権者が提案した特許第5785634号(特許文献1)のサイフォン送水装置及びサイフォン送水方法は、略Y字型の注水合流部材を使用して注水部からサイフォン起動用の呼び水を注水し、送水部からサイフォン側の送水ホース内に送水し、サイフォン側の送水ホース内が満水状態で流れるようになった後、注水作業を停止することによってサイフォン側の送水ホース内の水を下流方向へ流下させて、それに伴って注水合流部材のサイフォン吸水側の吸水ホース内の空気とともに湛水部の水を吸水し送水部を通過して下流側の吐出口へ吐出すことでサイフォンが起動する仕組みである。しかし、この場合も注水作業により注水された水が送水ホース内に残留する空気により通水断面が狭小されているため、サイフォン本来の流下能力が発揮されず、サイフォン機能を起動するための吸水機能も低下する現象が発生する場合がある。呼び水を注水する時、送水ホース内の残留空気を除去して、いかにして送水ホース内断面を満水状態で流すかが、サイフォン排水量を増大させるかにかかっている。しかし、サイフォン作用でのみの排水作業は揚程7m程度が限界であり、それ以上の揚程がある場合は燃費がかからないサイフォン排水作業を諦めて、当初より送水機器による排水作業を行うしか手段がなかった。しかし、送水機器の場合でも揚程や排水量にも各ポンプメーカーが公表している揚程と排水量のとおり限界があり、その能力の範囲でしか排水作業を行うことはできなかった。
特許第5785634号公報
そこで、本発明は、課題を解決するため、サイフォン排水機能と送水機器排水機能との両方の機能を併せもつことで、これまでのそれぞれの揚程を大きく越えて排水作業が実施でき、各揚程でのそれぞれの排水量も大きく増量できるサイフォン送水装置を提供する。また、水中ポンプの規格を上げることなく効率よく送水ホース内の空気を除去することができ、送水効率を向上させることができるサイフォン送水装置を提供する。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。本発明にかかるサイフォン作用を活用したサイフォン送水装置は、湛水部から揚程管頂部を経て前記湛水部の水面より低い位置に常時開口された吐出口が配設されているホース断面形状保持可能な材質の送水ホースと、
前記湛水部内に吸水口が配置され、前記送水ホースに連結されて水を送水することが可能な水中ポンプ、エンジン式汲み上げポンプ、災害対策排水ポンプなど送水機器を備えてなり、
揚程が概ね7m以下において、サイフォン作用を起動するため送水機器を起動して前記送水ホース内へ送水し、前記送水ホース内がほぼ満水の送水状態になったら送水機器を停止することで、前記送水ホース内の流れをサイフォンによる送水作業で稼働させることが可能であることを特徴とする。
かかる構成を採用することによって、起動時に送水機器を使用して送水ホース内がほぼ満水の送水状態になったら、送水機器を停止することでサイフォンによる送水作業で稼働させることが可能となる。多条配管のサイフォンを起動させる場合は、この送水機器と送水ホースの接続部の止水性を確保してから送水機器を取り外して、その送水機器で2本目以降のサイフォン送水装置の注水合流部の注水に使用することも可能になる。勿論、送水ホースの配管毎に送水機器を備えたままでも構わない。
また、本発明にかかるサイフォン送水装置は、サイフォン作用を活用したサイフォン送水装置であり、湛水部から揚程管頂部を経て前記湛水部の水面より低い位置に常時開口された吐出口が配設されているホース断面形状保持可能な材質の送水ホースと、
前記湛水部内に配置され、前記送水ホースに連結されて水を送水する送水機器と、
を備えてなり、
揚程が概ね7m以上において、サイフォン送水作業における管頂部の負圧による気化現象に伴い生ずる空洞部を発生させないため又は消滅させるための送水機器送水作業を加えることで、サイフォンと送水機器の相乗効果により、サイフォンの理論上の限界揚程高と送水量、及び送水機器の限界揚程高と送水量を越えて送水が可能となることを特徴とするものであってもよい。
かかるサイフォン送水装置を使用することによって、サイフォン機能の限界揚程は約7mとされているが、これは揚程が約7mを越える送水ホース管頂部の内部に負圧による気化現象が発生し始めて、送水ホース内が空洞化して流れが分断される現象が現れるため送水作業が停止する。しかし、この停止した流れに送水機器の送水機能を少し加えることで、負圧による気化現象を起こしている空洞部が元の水圧に戻ろうとするエネルギーを助けることとなり空洞部に水が吸い込められて管頂の空洞部を満水にして下流側へ流下するエネルギーに引かれて水が流れることとなりサイフォンが作用することとなる。つまり、揚程が7m以上となると管頂部に空洞ができ、見た目にはサイフォン作用が停止しているように見えるが、サイフォン作用のエネルギーは管頂部の上流側にも下流側にも働き続けているため、空洞化していた管頂部が送水機器の補助送水により満たされるとサイフォン作用が働き、送水作業が再稼働されることとなる。送水機器の補助送水により、サイフォン機能の揚程と送水量のみが向上したのではなく、送水機器の揚程と送水量も向上し、それぞれのエネルギーによる相乗効果が働いて双方の機能が大きく向上したサイフォン送水装置を提供することができる。
かかるサイフォン送水装置を使用することによって、サイフォン機能の限界揚程は約7mとされているが、この数値は揚程が約7mを越えると、送水ホース管頂部の内部に負圧による気化現象により気泡が発生し始めるが、楊程が大きくなるにつれ気泡の発生は激しくなり、送水ホース内がやがて空洞化して流れが分断される現象が現れるため送水作業が停止する。これは、管頂部を境に上流側と下流側にある送水ホース内の水が重力により下がろうとするため管頂部にマイナスのエネルギーが働き、負圧による気化現象を起こしているのである。しかし、この停止した流れの空洞部に送水機器の送水機能により水を注水することで、空洞部が水で満たされることとなり、上流側の湛水池から下流側の吐出口までの排水ホース内が水でつながることで管頂部の下流側の吐出口までの部分の水が流下しようとするため、この位置エネルギーに引かれて湛水部の水が吸水口に吸い込まれて送水ホース内を流れることとなりサイフォンが作用することとなる。つまり、揚程が7m以上となると管頂部に空洞ができ、見た目にはサイフォン作用が停止しているように見えるが、サイフォン作用のエネルギーは管頂部の上流側にも下流側にも働き続けているため、管頂部の空洞部が送水機器の補助送水により満たされるとサイフォン作用が働き、サイフォン送水作業が再稼働することとなる。送水機器の補助送水により、サイフォン機能の揚程と送水量のみが向上したのではなく、送水機器の揚程と送水量も向上し、それぞれのエネルギーによる相乗効果が働いて双方の機能が大きく向上したサイフォン送水装置を提供することができる。
また、本発明にかかるサイフォン送水装置は、湛水部から揚程管頂部を経て前記湛水部水面より低い位置に吐出口が配設されているホース断面形状保持可能な材質の送水ホースと、
前記湛水部内に配置され、前記送水ホースに連結されて水を送水する送水機器と、
を備えてなり、
揚程が概ね7m以下の場合はサイフォン作用を起動するため送水機器を起動して前記送水ホース内へ「呼び水」を送水し、前記送水ホース内断面がほぼ満水での送水状態になったら送水機器を停止することで、大気圧と前記送水ホースの管頂部から下流側の呼び水が流下しようとする位置エネルギーによって湛水部の水を引き込んでサイフォン送水作業を稼働させることが可能となり、
揚程が概ね7m以上の場合には同じ送水装置を使用してサイフォン送水作業に送水機器送水作業を加えることで、サイフォンと送水機器の相乗効果により、サイフォンの理論上の限界揚程高と送水量、及び送水機器のメーカーが実験により得た限界揚程高と排水量を大きく越えて送水が可能となるため、送水機器とサイフォン作用の相乗効果による送水作業とに楊程7m以上と7m以下を境として送水機器の電源のONとOFFにより送水方法を切替え又は併用して送水作業を行うことができることを特徴とするサイフォン送水装置である。
本発明は、図1に示すように、サイフォン機能と送水機器機能とが相乗効果機能で組み合わさったサイフォン送水装置である。かかる装置を使用することによって、同じ能力の送水機器を使用しても、サイフォン排水作用の相乗効果が加わるため限界揚程が高くなり、排水量が増量される。従って、サイフォンの限界揚程7m以上であっても送水することが可能となる。すなわち、サイフォン機能の限界揚程は約7mとされているが、これは揚程が約7mとなると送水ホース管頂部の内部に負圧による気化現象が発生し始めて、送水ホース内が空洞化して流れが分断される現象が現れるため送水作業が停止する。しかし、この停止した流れに送水機器の送水機能を少し加えることで、負圧による気化現象を起こしている空洞部を満水に戻して下流側へ流下することとなる。揚程が7m以上となると管頂部に空洞ができ、見た目にはサイフォン作用が停止しているように見えるが、サイフォン作用のエネルギーは管頂部の上流側にも下流側にも働き続けているため、空洞化していた管頂部が送水機器の補助送水により満たされるとサイフォン作用が働き、送水作業が再稼働することとなる。送水機器の補助送水により、サイフォン機能の揚程と送水量のみが向上したのではなく、送水機器の揚程と送水量も向上し、それぞれのエネルギーによる相乗効果が働いて双方の機能が大きく向上したサイフォン送水装置を提供することができる。
また、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記送水ホースには、前記湛水部からサイフォン作用により水を吸水する吸水口を備えた前記サイフォン吸水側の送水ホースと連結された第1開口部と、前記湛水部に配置された送水機器に連結された前記送水機器側の送水ホースと連結された第2開口部と、前記第1開口部と前記第2開口部とから入ってきた水を下流部へ送水し下流側吐出口に繋がる前記送水ホースと連結された第3開口部と、を有している注水合流部材を備え、前記注水合流部材において前記第1開口部からの水の流れと、前記第2開口部からの水の流れとの合流部に、流れの方向を切替えるため、それぞれの水流の水圧により押されて相手方の通水部を塞ぐ切替弁を備えていることを特徴とするものであってもよい。本発明は、図6に示すように、サイフォン送水装置の送水ホースの上流部で注水合流部材を用いて、送水ホースの側面からサイフォンの吸水側の送水ホースを合流させることで、送水機器を停止した場合にサイフォン吸水側の送水ホースから吸水し、注水合流部材を通して送水ホースへ送水し、下流部の吐出口から吐き出す送水作業に切替えることができるようにした。これにより、サイフォン送水に切替えた場合には主としてサイフォン吸水ホース側からの送水となる。このため、注水合流部材を使用しない場合の送水機器の内部にあるスクリューなど複雑な構造の中を通って送水しなくても良いため、送水量が増えることとなる。また、楊程7m以上の場合はサイフォン作用と併せて送水機器により送水ホースの管頂部に空洞を発生させないために補助送水する作業を行うが、この場合サイフォン現象により送水機器内を水が通過すると、その流量が多い場合にはスクリューを回転させるための電流が余ってしまう現象が発生し過電流の現象により送水機器が損傷するなどの原因となる。しかし、本発明の構造は送水機器側とサイフォン吸水側とのそれぞれの通水部を備えているため、サイフォン吸水による流量が増大してもサイフォンの流れは送水機器内を通過することなくサイフォン吸水ホース内を通って送水ホースへと流れるため、送水機器側からの送水量は送水機器の能力による送水の範囲内となり過電流の発生を防ぐ構造を備えた。このように、湛水部の水面の上昇や下降の変化に応じて、揚程7m以下であればサイフォン機能だけを活かして排水作業を続けることができるため、燃料の消費や運搬補給の費用が削減できる。これにより、温室効果ガスの排出も削減できることとなる。一方で、揚程7m以上となった場合でも同じ排水装置をそのまま使用して送水機器機能を併用できる構造としたため、送水機器機能を起動することでサイフォンの機能と併用で連続使用することができる。この場合においてもサイフォン機能と送水機器機能の相乗効果によりそれぞれ単独の排水機能と比較してもそれぞれが限界揚程と送水量を大きく増加させることができるサイフォン送水装置となっている。サイフォンと送水機器が稼働している場合、第1開口部と第2開口部の両方から通水があるため、切替弁は双方の間でそれぞれの流量に応じた位置に留まることとなる。また、前述したように揚程7m以上の場合に、注水合流部材を使用しないでサイフォン排水作業に加えて送水機器を稼働する場合は、吸水部は送水機器の吸水孔からだけとなる。水頭差が大きいとサイフォンにより吸水され送水機器の中を通過する流量が増大すると、送水機器のスクリューが吸水されたサイフォンの流れに後押しされる現象が起きる場合が懸念される。これにより送水機器のモーターを回転させようとする負荷が軽減され過ぎて過電流という現象が発生する。この現象が起きるとモーターが焼けるなど送水機器の故障の原因となる場合がある。そのため、その揚程に応じた送水機器の送水機能に対して送水ホースの吐出口の高さを調節して湛水部の水面との水頭差を調節してサイフォン作用による送水量を減らすなどの作業を必要とする場合もあった。この課題に対して、注水合流部材を使用することで、送水機器側とサイフォン側の吸水部を別々の構造としたため、前述のようにサイフォン送水作業を行っている状況で送水機器を稼動したとしても、サイフォンの流れは主に送水機器の中を通過しないで第1開口部側から流れ、送水機器の流れは第2開口部から流れるため送水機器に過電流の現象が発生しなくなった。このためサイフォン作用の水頭差の調節作業の必要もなくなるという特徴がある。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前述した切替弁に代えて、前記第1開口部からのサイフォンによる水の流れと、前記第2開口部からの送水機器からの水の流れの方向を切替えるため、前記第1開口部及び前記第2開口部に開口部用逆止弁を備えているものであってもよい。つまり、送水機器による送水の場合はその水圧により第2開口部に設けた開口部用逆止弁が開き、第1開口部に設けた開口部用逆止弁は閉じている。そして、送水機器を停止すると第2開口部に設けた開口部用逆止弁への水圧が消滅し逆止弁は閉じて、これに合わせて第1開口部からサイフォンにより吸水する作用により第1開口部に設けた開口部用逆止弁が水圧により開いてサイフォン送水作業を続けることとなるので前述の切替弁の効果とともに、前述の注水合流部材を備えたのと同様の効果を有することができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記注水合流部材は、前記送水機器の送水口に連結されて設けられたことを特徴とするものであってもよい。送水機器の送水口に注水合流部材を直接取り付けることで、送水機器を湛水部の水中に浸漬した時点でサイフォン側の吸水ホース部も水中に浸漬されるため、サイフォン吸水部ホース内に空気が残留することがなくなる。そのため、送水機器での送水ホース内への呼び水の送水を停止すると、送水ホースの管頂部から下流側の呼び水が流下するエネルギーでサイフォン吸水ホース内の空気を引っ張るという過程が省略でき、送水機器を停止した時点でそのままサイフォン吸水ホース内が満水状態となっているため、そのままサイフォン作用が起動することとなる。
さらに、本発明にかかるサイフォン装置において、前記注水合流部材のサイフォン吸水側に前記送水ホースが連結されていないことを特徴とするものであってもよい。前述と同様に注水合流部材の第1開口部にサイフォン吸水ホースが連結されていないため、送水機器を湛水部の水中に浸漬した際に注水合流部材も同様に水中に浸漬される。そのため、送水機器を停止すると、注水合流部材の第1開口部からサイフォン作用により直接に湛水部の水を吸い始めて送水ホースへ流す作用が始まってサイフォン作用が起動することができ、サイフォン吸水ホース内の空気を下流部へ吐出する工程が省略できることとなる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において送水能力を高めるため、前記送水ホース内に挿入されて、前記送水ホース内の残留空気を押し出すための少なくとも1つ以上の空気押出部材を備えたことを特徴とするものであってもよい。送水ホースの一部の内断面内に空気押出部材を1個以上挿入したものである。起伏の大きな地盤に送水ホースを敷設するに際しては、配管勾配を一定にできることが不可能で、地形の起伏形状に応じて配管するため、配管の高い位置に空気が残留する現象が発生する。この場合空気は水圧により圧縮されて送水ホースの通水断面を狭くするため送水量が減少する原因となっていた。この残留空気を下流側の吐出口から排出するため、空気押出部材を送水ホース内の水の水圧流れで下流側へ押し流すことで、空気押出部材が通過した上流側の送水ホース内は満水状態となり、下流側は残留空気を受け止めて溜めながら下流方向へ押して行き、最終的に吐出口から排出して、送水ホースの内断面を満水又は満水に近い断面で水が流れるようにすることで、送水量を増大させることができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において送水能力を高めるため、前記送水ホース内に送出されて、前記送水ホース内の残留空気を押し出すための少なくとも1つ以上の空気押出部材と、前記空気押出部材を送出する空気押出部材送出部を備えたことを特徴とするものであってもよい。送水ホースの一部の内断面内に空気押出部材を1個以上挿入し、この送水ホースの内断面内の一部を通水部とし、通水により空気押出部材が流れないように保持部材で保持しておいて、任意の時点で空気押出部材を放出できるようにしたものである。この残留空気を下流側の吐出口から排出するため、空気押出部材を送水ホース内の水の流れで下流側へ押し流すことで、空気押出し部材の上流側の送水ホース内は満水状態となり、下流側は残留空気を受け止めて下流方向へ押して行き、最終的に吐出口から排出して、送水ホースの内断面を満水又は満水に近い断面で水が流れるようにすることで、送水量を増大させることができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材は、挿入時に前記送水ホースの内断面と同一又は内断面より若干小さい断面形状を有することを特徴とするものであってもよい。さらに、その形状は、球形状、楕円球形状、円錐形状、多角形状、板形状、円柱形状、多角柱形状、先頭方向に円錐形状と後部方向に円柱形状を組み合わせた形状、多角柱形状及びこれらの形状を複数組み合わせた形状、布団状又は布状のものを丸め束ねたりまとめたりして送水ホース断面内へ挿入することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、送水ホースの内断面の形状に近づけることができて効果的に残留空気を空気押出し部材で吐出口に押し出すことができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材は、任意の形状の材質を集合させたものであり、かつ送水ホース内へ送出または挿入した時に送水ホース内の水流に押されて下流側へ押し流されるものであることを特徴とするものであってもよい。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材は、球形状、楕円球形状、円錐形状、先頭方向に円錐形状と後部方向に円柱形状を組み合わせた形状、多角柱形状及びこれらの形状を複数組み合わせた形状を有する柔軟な材質で作製されていることを特徴とするものであってもよい。また、前記空気押出部材は、表面の一部又は全部に、ゴム、ビニール、スポンジ又は布などの柔軟で形状復元性を有する被覆材で覆われていることを特徴とするものであってもよい。送水機器から送水された水によって空気押出部材を下流部の方向に押し流す場合は、空気押出部材が送水ホース内の内断面と同じ大きさであれば、後ろからの流水を断面一杯に受けて押し流されることとなり、残留空気を一層確実に下流側へ押し出すことができることとなる。しかし、送水ホース内は必ずしも同一断面ではなく送水ホースを連結する連結金具のボルト等が送水ホースの内断面より内側に飛び出していたり、送水ホースの配管が曲がると内断面の形状が部分的に変形したりする場合がある。その際には表面を柔軟な材質で覆うことによって、変形した断面形状に合わせてすり抜けることができることとなる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材は、全体がゴム、ビニール、スポンジ、布団状又は布状の柔軟で形状復元性を有する材質からなる復元性部材で形成されているか、又は内部に設けられるボール状又は芯状からなる硬質な芯部材と、外層に設けられる前記復元性部材とで形成されていてもよい。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材は、内部に設けられる前記送水ホースの内断面より小さく圧縮した復元性部材と、前記圧縮した復元性部材の形態を維持可能な固定用部材とを備え、
前記固定用部材は、水に接触することで切断、破壊又は溶解等により前記復元性部材が前記送水ホースの内断面と同じか若干小さい断面に膨れることを特徴とするものであってもよい。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材の全体形状は略円錐形状に形成され、略円錐形状の底面側が開口して形成されてなり、側面は底面側からスリット状の切り込みが複数設けられていることを特徴とするものであってもよい。送水ホース内で頂点側を先頭にして配置することで、流下する際送水ホース内にボルトやナット等の突起物があったり、送水ホースの配管の湾曲により断面形状が変形していたりする場合にも、スリットが衝撃を交わして障害物をすり抜けたり、変形することで湾曲部を通過することができる。通過後は、スリットは形状を復元して再び水を受けて空気押出部材は送水ホース内に残留している空気を下流方向へ押出しながら吐出口へ向かって進み続けることができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記送水ホースは、前記空気押出部材を保持するための保持部材を備えていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、任意に空気押出部材を送出することができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記送水ホースは、少なくともその一部が1又は2部材以上の柔軟な送水ホースで作製され、かつ前記送水機器と前記注水合流部材の間に連結して備えられており、前記送水機器からの注水が停止した後は前記送水ホースが大気圧に押されて収縮し通水部を閉鎖し、前記空気押出部材は、前記柔軟な送水ホース内に保持されており、送水機器からの水圧により下流へ押し出され、前記送水機器からの注水が停止した後は前記送水ホースが大気圧に押されて収縮し通水部を閉鎖することを特徴とするものであってもよい。送水ホースの上流部の一部に柔軟な送水ホース内に送水機器から注水される水が流れる通水部を備え前記空気押出部材を収容するとともに前記空気押出部材を保持し任意の時点で送出するための前記空気押出部材の保持送出部とを備えた空気押出部材送出装置を送水ホースに連結して設けられたサイフォン送水装置であり、送水機器からの注水が停止したら大気圧により柔軟な送水ホースが収縮するため通水部を閉鎖することとなる。これにより空気押出部材送出装置の上流にある注水ホース内と下流にある送水ホース内の水の動きはその場で停止するため送水作業が停止する。この現象により通常は送水機器を停止すると送水ホース内の水が溢れ出て送水機器の送水停止後にも水が流れ出てくるため緊急停止ができなかった課題と、送水機器から送水した水が送水機器を停止することで送水機器側へ逆流した水が送水機器に衝撃を与えるため送水機器の故障に繋がるウォーターハンマー現象を解決することができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材送出部は、柔軟な送水ホースと、前記柔軟な送水ホースの外周に配置された硬質な外周収容部又は捻れ防止用固定部材と、を備えていることを特徴とするものであってもよい。柔軟な送水ホース内に空気押出部材が収容されている空気押出部材送出装置として柔軟な送水ホースを連結金具を使用して直接送水ホースに連結する場合、サイフォン送水装置を移動したりすると柔軟な送水ホースが捻れる場合がある。柔軟な送水ホースが捻れることにより通水断面が狭くなり、水及び空気押出部材が流れなくなる現象が懸念される。このため、これを防ぐために柔軟な送水ホースを内部に収容可能な硬質な空気押出部材送出装置収容器を備えたことで柔軟な送水ホースの捻じれを防止することができ課題を解決することができる。尚、前記空気押出部材送出部、前記空気押出部材送出装置収容器は前述のごとく送水機器からの注水が停止したら大気圧により柔軟な送水ホースが収縮するため通水部を閉鎖する機能により、送水機器停止時に空気押出部材送出装置の上流にある注水ホース内と下流にある送水ホース内の水の動きはその場で停止して、送水作業を確実に停止させる機能を備えているため、空気押出部材をこの空気押出部材送出部から送出しない場合は、送水機器の注水停止時に確実に送水ホース内の送水を停止する装置としても使用することができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材送出部は、前記送水ホースの一部に連結して設けられてなり、前記送水ホースの側方から合流して形成される空気押出部材を放出可能な側方合流型空気押出部材送出装置であることを特徴とするものであってもよい。通水部と空気押出部材の収容部を別に備えたことで、送水機器やサイフォンの送水ホース本線の通水断面を狭めることなく送水することができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記空気押出部材送出部には空気押出部材を追加して投入する追加用投入部を備えていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、任意の数だけ空気押出部材を追加して送出することができるようになる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記送水機器の送水口径は、前記送水ホースの口径より大きな口径であることを特徴とするものであってもよい。送水ホースより大きな口径の送水機器を使用することで送水ホース内を通過する水の流量と流速を高め、水を下流部へ強力に押し流して送水ホース内に残留している空気を速やかに吐出口へ押し流すことができる。
さらに、前記送水機器の規格である送水口径は、前記送水ホースの口径より大きな口径である場合において、前記送水機器からの送水を複数に分岐して複数の前記送水ホースに連結された前記注水合流部材に連結して送水し、複数のサイフォン排水装置を同時に起動又は稼働させることを可能とした分岐送水部材を使用したことを特徴とするものであってもよい。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、空気押出し部材を送出する場合、送水機器の送水口の口径は下流部へ送水する送水ホース、又は送水ホースとサイフォン吸水側の送水ホースの口径以下であることを特徴とするものであってもよい。空気押出し部材を使用して送水作業を起動する場合、送水機器の口径が送水ホースの口径より小さくても、送水機器の機能が必要な揚程まで汲み上げる能力があれば、空気押出し部材の後ろ側に溜まって流れる水によって生じる水圧が徐々に増大するため、空気押出し部材をゆっくりではあるが確実に下流側の吐出口の方向へ押し流すことができる。これにより、空気押出し部材の下流側の送水ホース内に残留している空気は、空気押出し部材の移動とともに順次吐出口方向に押されて移動し、やがて吐出口から吐き出されることとなる。これを必要回数行うことで送水ホース内は満水状態に近づき流下することとなる。揚程が7m以下の場合はこの時点で送水機器を停止すると送水機器の口径より大きな送水ホースのサイフォン吸水ホース側からの吸水が始まり、送水ホースの下流側の吐き出し口へ排水しサイフォン作用が起動することとなる。また、揚程が7m以下の場合はサイフォンを稼働し続けることで、湛水部の水位が低下し、揚程が7m以上になった場合は送水機器を併用することで送水作業は持続することとなる。前回実施した実験で使用した送水機器の機能は、限界揚程18mで排水量0m3/minの性能のものを使用したが、限界揚程18mを超えて20mとなっても排水量は2.4m3/minを確認することができた。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記送水ホースの吐出口は、前記吐出口の高さを少なくとも前記送水ホースの直径よりも高い位置に配置するための送水ホース支持部材が吐出口の周囲に設けられていることを特徴とするものであってもよい。送水ホースの吐出口の周囲に前記送水ホースの直径よりも吐出口を高い位置に配置するための送水ホース支持部材が備えられていることで、吐出口を無造作に下ろした場合でも吐出口が鎌首を挙げている状態に送水ホース下流端を設置することができるため、吐出口からの空気の逆流を防ぐことができる。
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置において、前記送水機器、又はサイフォン吸水ホースの吸水口、及びその両方ともに浮遊物吸込防止籠が備えられ、前記浮遊物吸込防止籠の全体形状は前記送水機器、又はサイフォン吸水ホースの吸水口を囲む部分より下側のみが順次細く尖っている形状、又は上下ともに順次細く尖っている形状を成していることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、送水機器を湛水部に投入した際に、水面に浮遊するゴミが邪魔して送水機器が水の中に沈まない状況を防止でき、水面に浮遊物があっても差し込んで水の層に到達させることができる。
さらに、本発明は、上述した送出装置を使用した送水方法を提供する。すなわち、空気押出部材を使用して送水ホース内の残留している空気を吐出口から押し出すことで送水ホース内を満水状態にして流下させ送水量の増量が可能となることを特徴とする。
また、本発明にかかるサイフォン装置において、前記送水ホースの前記吸水口に吸水部材を連結し、吸水部材には少なくとも1つ以上の開閉弁と、前記開閉弁に連結物を介して連結されたフロートとを備えていることを特徴とするものであってもよい。これは吸水口にフロート付開閉弁を設け湛水部の水位が一定以下に下がらないように自動的に排水量を制限して水位調節が可能なフロート付開閉弁を設けたものである。即ち、水位が下がるとフロートが下降し連動する開閉弁が閉じて吸水口を塞ぐ。また水位が上がるとフロートが上昇し開閉弁を開口するため吸水口が開くような構成を採用することができる。水位の低下と同時に開閉弁が閉まり、再び水位が上昇するとフロートが上昇し開閉弁を開こうとする。しかし、開閉弁を開く際にはサイフォンの吸水力によって開閉弁が吸水口に吸い込まれようとする作用が働いているため、開閉弁は容易には開かないため、浮力を大きくするため大きなフロートが必要となる場合がある。このような場合には、開閉弁を複数有する吸水部材とし、それぞれの開閉弁を小さくし、1ヶ所当たりの開閉弁を開く力を小さくすることで、フロートの大きさを小さくしても容易に開閉弁を開けることができるようにした。この際に、複数の吸水口に設けた開閉弁を開閉するフロートと繋がる連結物は、例えばチェーンなどのように、長さをそれぞれ調節することで、水位が低下してきたときにフロートが高い方から順番に開閉弁を閉めることができる構造であってもよい。これにより、湛水部の水位が一定の所で1つの開閉弁が頻繁に開いたり閉じたりして排水装置全体に振動を発生することをなくすことができる。排水作業に伴い湛水部の水位が低下する原因として、湛水部への流入量より排水量が大きいことが原因となる場合がある。複数の開閉弁に繋がるフロートの高さを変えることで、水位の低下に応じて高いフロートに繋がる開閉弁から順番に閉じることで、吸水量を順次減少させることができる。これにより淡水池への流入量と排水量を同程度に調節することができるため、排水作業が一時的に停止することが少なくなる。これに伴い、吸水口が開閉する時に生じる装置全体への振動も防ぐことができる。
また、本実施形態にかかるサイフォン装置において、湛水部の水位に応じて自動的に排水量の調節が可能なように、水位に応じて水面に位置するフロートと、フロートと連結する連結物として棒状の連結部材と、前記連結部材のフロートと反対側に設けられる吸水部材とを備えているものであってもよい。吸水部材は開閉弁を備えており、この開閉弁が連結部材に連結されており、水位が上昇した場合に、開閉弁が吸水部材の内側へ開くように形成されている。これにより、湛水部の水位が上昇して開閉弁を開く必要がある場合には、開閉弁は吸水部材の外側から吸水口に吸いこまれようとする状態に逆らって開閉弁を開けるのではなく、吸水部材の内側へ流れに沿って開く構造となっているため、サイフォンの吸い込もうとする負の水圧と、湛水部の水深の水圧とが重なって開閉弁を開く作用が働くこととなる。そのため、開閉弁を開くためのフロートを小さくすることができる。棒状の連結部材にはフロートを取り付ける位置を変えてモーメントの調整を行うことができる固定角度調節用孔が備えられているものであってもよい。これにより湛水部の水位の変動に合わせて任意の水位で開閉弁が開閉作動する水位を決めることが可能となる。開閉弁と連結部材を固定する連結部には開閉弁と連結部材との角度を調節して固定することができる固定用孔が設けてあるものでもよい。これによっても湛水部の水位の変動に合わせて任意の水位で開閉弁が開閉作動する水位を決めることが可能となる。また、前記吸水部材の容器内に、送水装置の吸水孔及び送水ホースの吸水口の少なくともいずれか若しくは両方が配置されていることを特徴とするものを採用してもよい。
図1は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100の構成の概略を示す側面図である。 図2A、図2Bは、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100の機能を説明するための説明図である。 図3は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100の構成の概略を示す別実施形態である。 図4は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100の吐出口10aを示す図である。 図5は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100の構成の概略を示す側面図である。 図6は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100の注水合流部材30の形態を示す模式図である。 図7は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100の注水合流部材30の別実施形態を示す模式図である。 図8は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100において、柔軟な送水ホース25を表す図である。 図9は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100において、柔軟な送水ホース25の外周収容部28及び捻れ防止用固定部材28bを表す図である。 図10は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100において、柔軟な送水ホース25を使用した場合の閉塞状態を表す図である。 図11は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100の別実施形態を示す図である。 図12は、送水ホース10に空気が残留する状態を示す模式図である。 図13は、第3実施形態にかかるサイフォン送水装置100に空気押出部材50を送出する状態を示した模式図である。 図14は、空気押出部材50のバリエーションを示す図である。 図15は、空気押出部材50の別のバリエーションを示す図である。 図16は、空気押出部材50のさらなる別のバリエーションを示す図である。 図17は、第3−1実施形態にかかる空気押出部材送出部60を示す断面図である。 図18は、第3−1実施形態にかかる空気押出部材送出部60の応用例を示す模式図である。 図19は、第3−1実施形態にかかる空気押出部材送出部60のさらなる応用例を示す模式図である。 図20は、第3−2実施形態にかかる空気押出部材送出部60を示す図である 図21は、第3−3実施形態にかかる空気押出部材送出部60を示す図である。 図22は、第3−3実施形態にかかる空気押出部材送出部60を示す図である。 図23は、浮遊物吸込防止籠45を示す図である。 図24は、吸水口の実施形態を示す模式図である。 図25は、吸水口の別実施形態を示す模式図である。 図26は、吸水部材の別実施形態を示す模式図である。 図27は、吸水部材の固定状態を示す模式図である。 図28は、分岐送水部材37を示す模式図である。 図29は、連結部材111の別実施形態を示す模式図である。 図30は、本実施例の排水量について理論値と実測値の比較をした表である。 図31は、図30をグラフ化したものである。 図32は、サイフォン限界揚程高と頂部圧力と排水量の測定実験結果である。
上記、本発明のサイフォン送水装置100及びこのサイフォン送水装置100を使用した送水方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、揚程7m以下及び揚程7m以上のみのサイフォン送水装置100は、第1実施形態において揚程7m以下及び揚程7m以上とを切り替え可能なサイフォン装置の揚程7m以下又は揚程7m以上のいずれかの場合と同様の機能であるので、第1実施形態の説明によって、それぞれのサイフォン送水装置100の説明に代える。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100が図1に示されている。図1は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100の構成の概略を示す図である。第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100は、主として、送水ホース10と、送水ホース10の管頂部10bに発生する負圧による気化現象を防止するための水を供給する送水機器20と、を備えている。送水ホース10は、容易に断面形状が変形することがない硬質のホースが使用される。硬質な素材を使用したホースの例としては、一般的に言われるサクションホース、硬質ポリエチレンや塩化ビニール等のホースが挙げられる。
第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100は、上流域又は高水域であるプール、池、沼、河等の湛水部90に送水機器20が配置されており、送水ホース10の吐出口10aは、サイフォン作用を発揮することができるように、湛水部90の水位90aより低い位置に設置されている。送水ホース10は、吐出口10aに開閉装置が設けられておらず常に開口状態にある。
次に、本発明にかかるサイフォン送水装置100の機能について説明する。図2Aに示すように、送水機器20が湛水部90側に配置され、送水ホース10は、障害物1を乗越えて設置され、吐出口10aは、送水機器20の吸水孔20aの位置よりやや高い水位90aの水位以下の位置に障害物1を挟んで湛水部90の反対側に配置されている。湛水部90の水位は90b、90c、90dの間を変動する。水位90dは障害物1となる湛水部90の壁の天端で最高水位を表す。送水機器20を稼動して送水ホース10内へ注水して送水ホース10内が満水状態で吐出口10aから水が流れ始めたら送水機器20の電源を停止して送水機器による送水を停止する。この作業により送水機器20の吸水孔20aから湛水部90の水が送水機器20内へ吸い込まれ、送水ホース10内を通って吐出口10aに移動する。いわゆるサイフォンによる送水作業が起動することとなる。しかし、従来からサイフォン作用には揚程7mが限界とされてきたため、その範囲内で使用され送水計画が立案されてきた経緯がある。図2Bに示すように、水位90cから水位90dまでの間は水位差が約7mであるため、この水位の間でなければサイフォン作用は働かないとされてきたのである。なぜ7mが揚程の限界とされてきたかというと、サイフォン送水作業により湛水部90の水位が低下し続けると、徐々に揚程が大きくなり7mに近づくこととなる。7mを越え、例えば水位90dとなると管頂部10b付近の送水ホース10内に負圧現象に伴う気化現象が発生し、管頂部10b内が空洞化して水が送水ホース10内で分断され流れなくなる現象が起こる。このため、揚程約7mがサイフォンによる送水作業における限界値とされてきたのである。
これに対して、本発明者はサイフォン送水装置100における揚程の限界高さの課題を大きく向上させることに成功した。それは前述したように管頂部10b内に負圧による気化現象が発生し空洞化して水が分断され、見た目には送水が停止していても、図2Bで示すように、サイフォン送水作用を起こそうとするエネルギー、つまり空洞部10cの負圧エネルギーと、送水ホース10内の空洞部10cの下流側の水の重力により吐出口10aへ流下しようとする水の位置エネルギー、及び大気圧が、湛水部90の水を送水機器20の吸水孔20aから送水ホース10内へ吸い込もうとするエネルギーとして送水ホース10内に蓄えられている。この状態では、管頂部10bで負圧により分断された水が流下しようとするエネルギーと負圧により空洞化して水の流下を止めているエネルギーのバランスが均衡を保っているところへ、送水機器20の送水エネルギーにより水を押し上げてやることで、均衡を保つバランスが崩れて空洞部10cが消滅し送水ホース内が水で繋がることで、仮に湛水部90の水位が低下してサイフォンの限界揚程7mを越え、例えば揚程が20m以上と高くなってもサイフォン作用も送水機器20の送水作業も働き続けることを実験により確認した。つまり、図1に示すように、サイフォン送水機能と送水機器20の送水機能とを組み合わせることによって、サイフォンのみ又は送水機器のみの限界揚程や排水量などの数値を大きく越えることを見出した。例えば、実験では送水機器20としてKRS2−8S(株式会社鶴見製作所製)を使用したが、メーカー公表値の排水量は、限界となる楊程18mで0m3/min。揚程16mで1.2m3/minであるが、実験により現地で送水機器のみを使用した実際の排水量を計測した結果は、このメーカー公表値とは大きく下回り楊程16mで0.44m3/minの排水量でしかなかった(図30中のエ)。当然この排水量では送水ホース内を満水状態にして流すことはできないためサイフォンを起動することは不可能であった。この同じ配管状況で空気押出部材を使用してサイフォン作用を起動させ、送水機器送水と併せることで送水能力は、3.9m3/minの送水を計測したことを確認し、揚程20mとなっても排水量が2.5m3/minと、送水機器20だけ、或いはサイフォンだけの単独技術だけでは到底成し得ない送水機能を発揮するのを確認した(図30〜図32参照)。すなわち、送水機器とサイフォン作用を併せた送水によりサイフォン機能のみが向上したのではなく、送水機器20の機能もサイフォンの送水機能により向上しているのである。なぜなら、送水機器メーカーの公表している排水量は揚程16mで1.2m3/minであるため、揚程16mの実験で確認した排水量3.9m3/minから送水機器公表排水量1.2m3/minを除くと残りの2.7m3/minはサイフォンによる送水量と考えられるのである。また、送水作業中には送水機器20にかかる電流を計測し続けた。この結果、送水ホース10を使用してサイフォンによる送水現象が合わさっても送水機器20に過電流の現象が発生することはなかった。つまり送水機器20は安定した機能の範囲で稼働し続けることができていることも確認できた。これらの作業により、送水機器20の送水によりサイフォン機能を持続させるためのサイフォン送水との相乗効果が表れる補助送水エネルギーとして送水機器送水を併用して、送水ホース管頂部10bに空洞部10cが発生するのを防ぐことでサイフォン作用が続くことを見出した。つまり、揚程7m以上のサイフォン送水の場合でも送水機器による送水機能と併せることで送水ホース10内の水が管頂部で空洞部により分断しないため、サイフォンと送水機器の送水作用が相乗効果により稼働し続ける機能を見出した。また、使用した送水機器(KRS2−8S)の限界揚程である18m(18mで排水量0m3/min)をも越えることを見出した。これにより課題とした揚程の向上と併せて送水量の増量を確認した。従って、湛水部90の水面が低下してサイフォン送水の揚程が7m以上となり管頂部に空洞化現象が発生する場合は、予め送水機器20により送水ホース10内へ送水することで管頂部10b内の負圧により発生する空洞化現象を防ぐことができるため、流れが分断されることを防止することができる。これにより、サイフォンの限界揚程や送水量の理論値、及び送水機器20の公表されている限界揚程や送水量を大幅に増量し、継続して実施することが可能となった。
上述した結果を検証するための実験は以下のとおりに行った。設置した装備は以下のとおり。
送水機器:(KRS2−8S(株式会社鶴見製作所製))
送水ホース:サクションホースΦ200mm
延長長さ :280m
水頭差 :11m
・実験条件及び結果
なお、以下の実験は、実験1から実験13の順で行った。
(実験1)
条件: 揚程20m 送水機器稼働
結果: 送水水位が管長部に達しないため送水不能
(実験2)
条件: 揚程18m 送水機器稼働
結果: 送水水位が管長部に達しないため送水不能
(実験3)
条件: 揚程17m 送水機器稼働+空気押出部材(送水ホース内断面よりやや小さい大きさの物)投入
結果: 送水量が少ないため、投入後に流速測定用の塩化ビニル管Φ200mm(L=4m)の下流側に繋がる半透明のサクションホースとの連結部に2個同時に姿を現し3〜5cm/秒程度の速度で流されて移動した。その後、2個の空気押出部材が揚程17mの管頂を超えて下流に流れた後に送水ホース内の空気押出部材通過前の水位と通過後の水位の上昇を目視で確認できた。この空気押出部材を流す工程を繰り返すことで流量の増大が確認された。280m下流の吐出口に到達するまでの時間が計算上で2時間以上掛かるため、以後の楊程を下げた実験ができなくなることが懸念されたため、この楊程での実験を中断して、次の実験に移った。
(実験4)
条件: 揚程16m 送水機器稼働+空気押出部材投入
結果:
1.空気押出部材 投入前 吐出口から流出量 0.44m3/min
2.空気押出部材2個を投入 吐出口から流出量 0.87m3/min
3.空気押出部材3個目を投入 吐出口から流出量 1.03m3/min
4.空気押出部材4個目を投入 吐出口から流出量 3.93m3/min
5.空気押出部材5個目を投入 吐出口から流出量 3.87m3/min
(実験5)
条件: 揚程14m 送水機器稼働+空気押出部材投入
結果:
1.空気押出部材 投入前 吐出口から流出量 1.89m3/min
2.空気押出部材3個目を投入 吐出口から流出量 4.42m3/min
3.空気押出部材5個目を投入 吐出口から流出量 4.38m3/min
(実験6)
条件: 揚程12m 送水機器稼働のみ
結果: 流出量 4.89m3/min
(実験7)
条件: 揚程10m 送水機器稼働のみ
結果: 流出量 5.17m3/min
(実験8)
条件: 揚程10m 送水機器稼働のみ
結果: 流出量 5.30m3/min
(実験9)
条件: 揚程6m 送水機器稼働のみ
結果: 流出量 5.25m3/min
(実験10)
条件: 揚程4m 送水機器稼働のみ
結果: 流出量 5.28m3/min
(実験11)
条件: 揚程2m 送水機器稼働のみ
結果: 流出量 5.29m3/min
(実験12)
条件: 揚程12m 送水機器稼働+空気押出部材投入
結果:
1.空気押出部材 投入前 吐出口から流出量 4.88m3/min
2.空気押出部材1個目を投入 吐出口から流出量 4.84m3/min
3.空気押出部材2個目を投入 吐出口から流出量 4.85m3/min
4.空気押出部材4個目を投入 吐出口から流出量 4.85m3/min
(実験13)
条件:揚程2mで空気押出部材を使用した実験で満水状態で流れていた送水機器+サイフォンで稼働中の送水ホースの揚程を20mまで引き上げて計測した。
結果: 流出量 2.40m3/min
以上の結果と、サイフォンのみの場合の理論値及び送水機器による送水機能のメーカー公表値とを表した表及びグラフを図30、図31に示す(なお、以下図の丸数字を()で表す)。これらの結果から、送水機器の限界揚程近くで送水ホース内に水は流れていても、空気押出部材(追って説明する。)を使用しない場合はいつまで経っても送水ホース内全体が満水状態にならないためサイフォンは起動することができない(図30のア〜ソは実験を行った順番を示す)。図30の(9)でア〜カの揚程18mから揚程14mで表しているように、揚程が高い状況からサイフォンを起動するには、送水機器の送水量が少ないため、いつまで経ってもサイフォンは起動しない。ところが、送水量が少なくても空気押出部材を投入することで、少ない流れではあっても空気押出部材の上流側に堰き止められると、送水ホース下流側が上向きの場合は送水機器の水圧が、送水ホース上流側が下向きの場合は送水機器の水圧と空気押出部材の上流側に溜まっている水の位置エネルギーが蓄積されて空気押出部材を下流方向へ押し流す。このとき送水ホース内断面の大きさと同じかそれに近い大きさの空気押出部材が下流側に残留している空気を押して下流側吐出口方向へ移動する。この現象を送水ホース全延長内で起こしながら吐出口に到達する。この時点で送水パイプ内の流量は大幅に増量しているが、空気押出部材の大きさが送水ホースへ挿入時にホースの内断面と同じ場合は1度の作業で送水ホース内断面が満水状態のサイフォンの流れとなるが、空気押出部材の大きさが送水ホースへ挿入後も内断面より小さいままの場合はこの作業を必要回数繰り返すことで送水パイプ内の流量を順次増やして、やがて満水状態で流れるようにできることが(11)のオ、キ、で示されている。この状態でサイフォン作用が始まれば、揚程が小さくなる場合は勿論だが、揚程がこのままさらに大きくなる場合でも、送水機器の限界揚程や送水機器の限界揚程を超えて、排水作業を行うことができることが確認できた。
サイフォン作用と送水機器機能を併用することで、それぞれの持つ限界揚程や排水量を大きく上回って排水作業をすることができるハイブリッドなサイフォン排水装置であることが実験からも証明された。サイフォン限界揚程7m以上となった場合の気化現象が起因となる空洞部を、送水機器の送水により補充すると送水ホース内が水で繋がるためサイフォン作用が限界揚程を超えても続くことがこの実験により確認された。この、揚程が増大する目安として、その時使用する送水機器の限界揚程高さ+約7mと考えられる。図31で表されているようにサイフォン送水作業実験では低揚程〜7mまでは概ね同量の排水量となって安定しているが、楊程が7mを超えると流量が減少したため、この実験により一定の安定した流量が流れなくなる限界の揚程を7mとした。しかし、楊程が7m以上になってもサイフォン作用に送水機器送水を加えると、送水ホースの最頂部に現れるサイフォンの気化現象による空洞部の発生を防ぐことができるため、サイフォン作用は停止することなく連続稼働することができることが確認できた。図30はこの内容を確認できた本技術の排水量について理論値と実測値の比較をした表である。この図30をグラフ化したものを、図31に表す。文中の数値は図30の数値を用いて記載する。送水機器(鶴見製作所製Φ200mm・KRS−8S)を使用した排水量測定結果曲線(7)、メーカーの公表した送水機器の単独機能曲線(1)、本技術を使用した、送水機器とサイフォンによる排水量曲線(9)、同じくそれに空気押出部材を使用した排水曲線(11)、送水機器単独の排水量実測値(7)等が示されている。揚程14mの高さで、送水機器とサイフォン併用による空気押出し部材使用後の排水量曲線(11)は4.38m3/minの排水量を示しているが、これは送水機器メーカー性能曲線(1)の揚程7mの排水量の公表値4.5m3/minと近似値となっている。また、揚程20mにおける送水機器とサイフォン併用による排水量(11)は2.4m3/minを示しているが、これは送水機器メーカー性能曲線(1)の揚程13mの排水量2.6m3/minと近似値となって、それぞれ送水機器メーカー性能曲線(1)の揚程より7m程度低い揚程のポイントに示されている排水量と近似値となっている。つまり、メーカーの公表している送水機器の機能曲線(1)に、サイフォン揚程の限界値7mを加えた高さまで排水が可能となった。
図32では、サイフォンによる排水量は低揚程〜揚程7mまでは同一排水量約4.0リットル/sで推移している。揚程が7mより大きくなると送水ホース内は「負圧による気化現象」により排水量が減少している。図30及び図31では、サイフォンだけの排水量実測値曲線(2)は揚程7mまでしか計測できていない。また、サイフォン+空気押出し部材の排水量実測曲線(4)では、各揚程でサイフォンだけの排水量実測値曲線(2)の数値より10%程度増量しているが、揚程7mまでしか計測できていない。いずれもサイフォンだけの場合は揚程7mからの排水ホース内の気化現象による空洞部の発生による排水量の減少が始まり、やがては送水が停止することとなる。これに比べて、送水機器+サイフォン+空気押出し部材による排水量実測曲線(11)はサイフォンの限界揚程7mを超えても排水作業が続いている。揚程12mまでは平均5.2m3/minの排水量で推移し揚程14mから、さらに揚程が大きくなると排水量が減少している。それでも送水機器メーカーの性能曲線(1)の限界揚程18mを超えて20mでも排水作業を続けている。つまり、送水機器はメーカー公表限界揚程高より大きくなると送水不能となり、サイフォンの場合も限界揚程7mを超えるとやがて停止する。しかし本技術のようにサイフォンに送水機器を加えて併用すると、送水機器によりサイフォン作用の管頂部に発生する空洞部に水が充填されるため、送水ホース内が水で繋がることとなる。この作用によりサイフォン作用に気化現象による空洞部が発生しなくなるためサイフォン作用が持続することとなることが確認できた。また、本技術によると送水機器のメーカー公表の限界揚程も超えて排水作業が続くことを実験で確認しているが、この限界揚程を超える高さは、送水機器メーカー公表の各揚程から7m下がった数値と近似値となっている。つまり、送水機器の揚程が限界高さになれば送水がサイフォン空洞部へ届かなくなるため、空洞部の発生防止や消滅作用が働かなくなるのでサイフォン作用も停止することとなる。今回の実験の場合、揚程限界18mで排水量0m3/minの送水機器を使用した。高揚程実験は20mまでしか行っていないが、図31に(11)曲線の延長線上に点線で示してあるように、送水機器メーカーの公表限界揚程18m+サイフォン限界揚程7m=本サイフォン技術による限界揚程25mとなるため、同実験で続いて管頂部を25mまで上昇させた場合には25mで排水停止となることとなる。従来、サイフォン作用を応用した排水作業は揚程の限界7mまでとされてきた。また、送水機器排水作業もメーカー公表の揚程限界値の範囲で排水計画がされてきた。今回開発したサイフォン排水装置により排水計画を立てる場合は、排水作業開始時点の水位の高さが起動方法を2種類に分ける。つまり、1.湛水部の水位が低く天然ダムの天端を超えるためには送水機器メーカー公表の限界揚程に近いため送水機器の送水量でサイフォン作用を起動させるには少なすぎる場合は、空気押出部材を送水ホース内へ送出することで、前述したように送水ホース内の流量を満水にするとともにサイフォン作用と送水機器送水を併用して排水作業を行うことでサイフォンや送水機器の機能以上の排水作業が可能となった。また、2.湛水部の水位が高く揚程が7m以下の場合は送水機器を起動し送水ホース内へ空気押出し部材を送出し、送水ホースが満水状態で流下し始めたら送水機器を停止してサイフォン作業だけに切り替え排水作業を稼働することで燃費や維持管理のコストが大幅に削減できることとなった。1,2いずれの場合も、送水機器送水とサイフォン送水を送水機器の電源だけで切り替えたり併用させたりすることが可能となる注水合流部材を使用する。また、送水ホース内で通水断面を狭めている残留空気を吐出口に押し出す空気押出部材を使用し、サイフォン作用と従来の送水機器機能を併用することで、従来の排水限界揚程と排水量が大きく向上するサイフォン排水装置を提供できることとなった。
なお、本発明のサイフォン送水装置100は、現況地形で湛水部から吐出口を設置するまでの障害物1となる現況地盤の天端などが広く、遠くまで送水ホース10の延長を長くしても、湛水部90の水位より低く吐出口10aを設置できない場合がある。この場合は、図3に示すように、送水ホース10の延長は概ねそのままで、吐出口10aを湛水部90の水位より低く設置するために、障害物1となる現況地盤を筋掘りにより掘り下げて、吐出口10aの高さを湛水部90の水位より下げる方法を採用してもよい。送水ホース10の延長が同じで、筋掘りのための費用が発生しても、排水作業に燃料を消費しないためコスト縮減が可能となる。送水ホース10は、吐出口10aが常に開口状態にあり、開閉装置を設けていないので人力による開閉操作を省略でき、そこに近づくことによる作業員の危険を回避することができる。また、送水ホース10の吐出口10aが、図4Aに示すように、送水ホース10の直径以上の高さに位置されるように斜めに持ち上げて配置できるように、吐出口10aの周囲に送水ホース支持部材10fが設けられている。吐出口10aを高く配置することで吐出口10aから空気が侵入することを防ぐことができる。すなわち、吐出口10aが図4Cに示すように、低く形成されていると、吸い込み側(上流側)の水位が下がった場合に水位差による水圧が減少するため、吐出口10aから放水する水の勢いが減少する。これにより、送水ホース10の吐出口10aの通水断面を満たした状態での放水現象から変化し、吐出口10aから矢印F’に示すように、空気が送水ホース10の吐出口10aの上側から徐々に送水ホース10内へ進入してサイフォン作用を失う可能性がある。しかし、吐出口10aの直径の高さ以上の高さまで持ち上げて配置することで、図4Bに示すように、空気流入限界線G以下に矢印Fの空気が進入することを防止することができる。また、これにより、湛水部90にある水位が低下して排水を一時停止しようとする場合にも、例えば送水ホース10の途中に設けたホース通水断面を開閉する開閉装置を閉じることで水が送水ホース10内でそのままの状態で停止しても、吐出口10aから空気の侵入を防ぐことができるためサイフォン作用を再起動するには開閉装置を開くだけでサイフォンが再起動できる状態を維持することができる。
送水機器20は、送水ホース10内へ注水し、吐出口10aから水が排水された状態のまま送水ホース10内を満水にすることが可能な程度の能力を有するものが望ましい。
以上のように作製されたサイフォン送水装置100は、以下のようにして起動される。第1実施形態にかかるサイフォン送水装置100は、送水ホース10内の空気を一気に押し出す程の送水量を備えている送水機器が使用される。好ましくは、送水機器20の送水口径は、送水ホース10の口径より大きな口径であるとよい。そして、送水機器20によって、送水ホース10に勢いよく注水され、低地域側に流下する。この状態をしばらく続けると吐出口10aから水が排出されながら送水ホース10内の残留空気を吐出口から吐出すことで、水が流れた状態のままの送水ホース内の満水状態が維持される。最初、吐出口10aを噴出してくる水は空気と混じって白い水が吐出されてくるが、送水ホース10内の空気が吐出され満水状態になると透明な水に変化してくる。すると、送水ホース10内に自動的に水が流入するサイフォン作用が起動し始めることとなる。そして、送水ホース10内の空気等が完全に吐出口10aから排出された時点で高水位域の湛水部90の水と低地域に敷設された送水ホース10の吐出口10aとの間の送水ホース10内が満水状態で繋がり完全にサイフォン作用の稼働状態が維持されることになる。
以上のように構成されたサイフォン送水装置100によれば、揚程が7m以下の場合には、一旦準備が整いサイフォン作用により水を高水位の湛水部90から低地域に排水できるようになれば、その後は電力を必要とすることなく、サイフォン作用により湛水部90の水を吐出口10aに送り続けることができる。揚程が7mを越えるような場合でも送水機器20と併用することで送水を維持することができる。
以上のサイフォン送水装置100によれば、送水機器20による送水機能と、サイフォンによる送水機能との両方の機能を有するものとすることができる。このようなサイフォン送水装置100を使用することによって、同じ機能の送水機器20を使用しても、サイフォン排水作業とエネルギーが併せられるため相乗効果により排水量が増量され、揚程も限界揚程を大きく越えて送水作業を行うことができる。すなわち、サイフォン機能と送水機器20の送水機能の両方を向上させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100が図5に示されている。図5は、第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100の構成の概略を示す側面図である。第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100は、主として、送水ホース10と、送水ホース10の途中に設けられた注水合流部材30と、を備えている。送水ホース10は、先端が開口されていてサイフォンの機能によって水を吸引する第1送水ホース11、送水機器20と連結された第2送水ホース12及び吐出口10aを有する第3送水ホース13を備えている。第1送水ホース11及び先端に送水機器と連結した第2送水ホース12は湛水部90内に配置され、第3送水ホース13の送水ホース10の吐出口10aは、湛水部90の水面よりも低い位置で障害物1となる堤防の外側に配置されている。
注水合流部材30は、図6に示すように、第1送水ホース11、第2送水ホース12及び第3送水ホース13とそれぞれ連結される第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33とを備えている。注水合流部材30は、第1開口部31と第2開口部32の水路が鋭角となるような略Y字状に形成されている。注水合流部材30のそれぞれの開口部(31〜33)の端部は連結機能がある例えばフランジ等を備えており、送水ホース10と容易かつ堅固に連結することができる。
第1開口部31と第2開口部32との合流点の内側には切替弁35を備えている。この合流点に備えた切替弁35の構造により第1開口部31側からの水の流れを第2開口部32側へ流れ込むことを防止したり、第2開口部32側からの流れを第1開口部31側へ流れ込むことを防止する効果がある。特に第3開口部33に連結された下流側への送水ホース10の延長が長い場合や、送水ホース10が屈曲して流れに抵抗が生じた場合などは、その抵抗により流れが停滞する現象が発生するとともに別のルートに水が流れようとするためこれを防止し下流側の吐出口10aに水を流すことができる。また、サイフォンと送水機器20の両方の機能を併用して送水する場合、切替弁35は合流箇所において双方の中間でそれぞれの流量に応じた割合の開口面積を保持しつつ押されていることとなる。
第1開口部31又は第2開口部32からの水の流入の切り替え方法においては、上述した切替弁35の他に、以下の方法も考えられる。
(1)例えば、図7に示すように、第1開口部31と第2開口部32の端部に別途開閉機能を有する開口部用逆止弁35aを設けても良い。開口部用逆止弁35aを開閉することによって第2開口部32からの水の流れを第1開口部31の流れに変更することができる。
(2)また、図8Aに示すように、送水機器20と第2開口部32との間にサニーホースなどの柔軟な送水ホース25を1本以上配置してもよい。これにより、1本の場合は送水機器により送水ホース25内へ注水が完了して送水機器20を停止した場合、柔軟な送水ホース25が大気圧と送水ホース25内の水の移動により押し締められて空気を通さないため、送水機器20に繋がる送水ホース10側内へも、下流側吐出口側に繋がる送水ホース10内へも空気が入らない状態を保つことができるので、送水ホース内10内の水の移動を停止させることができる。また、柔軟な送水ホース25を2本以上連続して配置した場合は、図8Bに示すように、送水機器20により送水ホース10内へ注水が完了して送水機器20を停止した場合に、連結した2本以上の柔軟な送水ホース25相互の連結部を切り離しても、連結を切り離した柔軟な送水ホース25の相方が大気圧と送水ホース25内の水の移動により押し締められて空気を通さないため、一方は送水機器20に繋がる送水ホース10側内へ、他方は下流側吐出口側に繋がる送水ホース10内へ空気が入らない状態であるため送水ホース内10内の水が停止した状態で切り離すことができる。柔軟な送水ホース25は、直接送水ホースに連結する場合、サイフォン送水装置100を移動したりすると柔軟な送水ホース25が捻じれる場合がある。柔軟な送水ホース25が捻じれることにより通水断面が狭くなり、水が流れなくなる現象が懸念される。このため、図9Aに示すように、これを防ぐために柔軟な送水ホース25を内部に収容可能な硬質な外周収容部28を設けたり、又は図9Bに示すように、柔軟な送水ホース25の捻れ等を防止するため、複数の鉄筋棒等で固定する等の捻れ防止用固定部材28bを設けることで、こうした現象を防止することができる。このように柔軟な送水ホース25を配置することによって、図10に示すように、送水機器20の送水を止めると柔軟な送水ホース25の内部の水圧と外部の気圧との圧力差により、柔軟な送水ホース25の断面が萎んで閉塞状態とすることができる。これにより、第2開口部32側から第1開口部31側への流れに変更することができる。外周収容部28の取り付け方法は、特に限定するものではないが、本実施形態においては、図9に示すように、柔軟な送水ホース25と通常の送水ホース10とを連結する連結金具81にアタッチメント82を取り付け、このアタッチメント82に取り付けられるようにされている。
さらに、図11Aに示すように、注水合流部材30は、送水機器20に直接連結して設けられたものであってもよい。送水機器20に注水合流部材30を直接取り付けることで、送水機器20を湛水部90の水中に浸漬した時点でサイフォン側の第1送水ホース11も水中に浸漬されるため、サイフォン側の第1送水ホース11内に空気が残留する可能性を低減することができる。そのため、送水機器20での第3送水ホース13内への呼び水の送水を停止すると、呼び水が流下するエネルギーでサイフォン側の第1送水ホース11内の空気を引っ張るという過程が省略できる。
さらに、図11Bに示すように、注水合流部材30のサイフォン吸水側となる第1開口部31に第1送水ホース11が連結されていないものであってもよい。前述と同様に注水合流部材30の第1開口部31にサイフォン側の第1送水ホース11が連結されていないため、送水機器20を湛水部90の水中に浸漬した際に注水合流部材30も同様に水中に浸漬されるため、送水機器を停止すると直接、湛水部90の水を注水合流部材30の第1開口部31からサイフォン作用により吸い始めてサイフォン作用が始まることとなり、サイフォン側の第1送水ホース11内の空気を下流部へ吐出する工程が省略できることとなる。なお、送水機器側送水ホース20bとサイフォン側送水ホース10dを合流させる注水合流部材30は、サイフォン側送水ホース10dが送水機器側送水ホース20bの下方に位置するよう配置することで、サイフォン送水作業中においてサイフォン側送水ホース10d内を流れてきた土砂等が送水機器側送水ホース20cへ流入することを防止する効果がある。
以上のように構成されたサイフォン送水装置100について、図5を参照して設置方法及び使用方法について説明する。まず、送水ホース10の全延長のいずれかの位置に注水合流部材30を設置した状態で、それぞれ第1送水ホース11の吸水口11aを湛水部90に配置し、第2送水ホース12の先端に接続された送水機器20も同様に湛水部90内に配置される。第3送水ホース13は、吐出口10aが湛水部90の水面より低い位置に配置される。
次に第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100の起動方法について説明する。第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100は、送水ホース10内の空気を一気に押し出す程の送水量を備えている送水機器20が使用される。好ましくは、送水機器20の送水口径は、送水ホース10の口径より大きな口径であるとよい。そして、送水機器20によって、注水合流部材30の第2開口部32へ水を注水する。すると、水は注水合流部材30を経由して第3送水ホース13に勢いよく注水され、低地域側に流下する。この状態をしばらく続けると、吐出口10aから水と共に送水ホース10内の残留空気が排出されながら送水ホース10内は水が流れた状態のままの満水状態が維持される。最初、吐出口10aを噴出してくる水は空気と混じって白い水が吐出されてくるが、送水ホース10内が満水状態になると透明な水に変化してくる。この状態が確認できたら、送水機器20を停止し第3送水ホース13への水の注水を停止する。水の注水が止まっても下流側となる低地域の常時開口している吐出口10aからは引き続き水が地球の引力に引かれるため、送水ホース10内の満水状態の水が位置エネルギーにより吐出口10aへ流れ出る作用が働く。この下流側へ流れようとする作用により、第1送水ホース11内の空気が下流側へと引き込まれる現象とともに高水位域の湛水部90に配置された吸水口11aから水が第1送水ホース11内へ吸い込まれ、送水ホース10内に流れて送水ホース10内の空気等が完全に吐出口10aから排出された時点で高水位域の湛水部90の水と低地域に敷設された送水ホース10の吐出口10aとの間の送水ホース10内が満水状態で繋がり完全にサイフォン作用の稼働状態が維持されることになる。このように、送水ホース10の口径より大きな口径の送水機器20を使用した場合、図6に示すように、その流れを複数に分岐して複数の送水ホース10に連結されたそれぞれの注水合流部材30の送水機器20からの送水ホース12が連結される第2開口部32に連結して送水し、複数のサイフォン排水装置100を同時に起動又は稼働させることを可能とすることができる。
なお、切替弁35に代えて、図7に示すように、開口部用逆止弁35aによって、第1開口部31からの水の流れと、第2開口部32からの水の流れの方向を切替えてもよい。また、双方に流れがある場合は、それぞれの流量の割合により双方の開口部用逆止弁を開いて通水することとなる。
以上のように構成されたサイフォン送水装置100によれば、揚程差7m以内であれば、一旦準備が整いサイフォン作用により水を高水位の湛水部90から低地域に排水できるようになれば、その後は電力を必要とすることなく、サイフォン作用によって、湛水部90の水を低地域に流し続けることができる。そのため、その後電気も発電用の燃料の搬入や補給作業も行う必要がない。これによりサイフォン送水装置100の送水コストや送水作業の維持管理に大幅なコスト削減が可能となるのである。また、作業員が水中にある吸水口11aや吐出口10a近辺に近づいて開閉装置の危険な開閉作業をする必要もなくなるので、安全な場所から監視することで作業員などの二次災害が防止できることとなる。また、揚程7m以上となった場合でもサイフォン排水作業に使用していた送水装置をそのまま使用して送水機器20併用による稼働に切替えることができる。切り替えた状態では既存のサイフォン機能と送水機器との機能とを組み合わせることにより、それぞれの相乗効果で、双方の機能がこれまで常識とされた限界の楊程や排水量の数値を越えて排水機能を高めることができる。
この第2実施形態にかかるサイフォン送水装置100によれば、第1実施形態と異なり、第1実施形態では解決できなかった送水機器20の稼働に欠かせない燃料消費の課題、送水機器20の小さな吸水孔20aに詰まるゴミ撤去のメンテナンスの課題が解決される。すなわち、サイフォンの吸水口11aは送水機器20の吸水孔20aとは違い口径が大きく開閉弁など障害物もないため、送水機器20の小さな吸水孔20aに詰まるようなゴミは、そのままに送水ホース10内に吸い込まれ下流側の吐出口10aに吐出されるためゴミ詰まり防止となり撤去作業も不要となる。サイフォンの吸水口11aは吸水力が強力なため吸水口の開口部の大きさより大きな物を吸いつけると離れなくなり、送水作業が止まるため吸水口の周囲には間隔を空けてゴミ除けカゴを備えることが望ましい。また、第1送水ホース11の吸水口11aが備えられる前はサイフォンによる送水経路として送水機器20内を通過することとなっていたが、第1送水ホース11の吸水口11aが備えられたため、送水機器20内を通過経路とするサイフォンの流れが大幅に減少した。これによりサイフォンの流れが送水機器のモーターの回転を後押しすることで送水に働くモーターの負荷が減少して生ずる過電流の発生を、いっそう防止することができることとなった。
(第3実施形態)
この第3実施形態は、送水ホース10内の残留空気を排出して、できる限り送水ホース10内を満水にするための技術であり、前述した第1実施形態又は第2実施形態と組み合わせて使用する技術である。
この第3実施形態は、送水ホース10内に空気押出部材50を使用して空気を吐出口10aから排出するための手段である。送水ホース10を配設する場合、送水ホース10の勾配を一定に敷設可能なことは少なく、図12に示すように、地形の起伏に応じて敷設するため、送水ホース10の高い位置に空気が溜まる傾向がある。この場合、残留空気Hは圧縮されて送水ホース10の通水断面を侵すため送水量が減少することとなる。本技術は、この残留空気Hを送水ホース10に挿入後に送水ホース10の内断面と同じか又はやや小さい断面を有する空気押出部材50を水の流れによって生じる水圧により下流側へ押し流し、空気押出部材50が送水ホース10の内断面いっぱいの満水又は満水に近い状態で下流側へ押し流されていくことで、送水ホース10内の残留空気を吐出口10aから押し出し、水を送水ホース10の内断面にできるだけ近い断面となるように満たして流すことにより、送水量を増大させることを可能とした手段である。
空気押出部材50は、図13に示すように送水ホース10内を流れることによって、送水ホース10内に残留している残留空気Hを吐出口10aから押し出すためのものである。
空気押出部材50は、挿入前から送水ホース10送水ホース10の内断面と同一又は内断面より若干小さい断面形状を有するものであってもよいが、挿入前においては、送水ホースの内断面より大きく、挿入することによって内断面と同一又は内断面より若干小さくなるものを使用するとよい。例えば、空気押出部材50は、例えばスポンジ等のような柔軟な材質により構成されていて、挿入又は送出前は送水ホース10の内断面より大きく、挿入時又は送出時には送水ホース10の内断面と同じになるものや、硬質の芯材の周囲に水に溶解可能な柔軟な素材(例えばトイレットペーパ)を被覆しておいて、送水ホース10内で流れつつ周囲が除去されるような形態等が挙げられる。このような空気押出部材50が送水ホース10内を水の流れにより生じる水圧によって下流側の空気を押し集めつつ前進して、最終的には空気といっしょに吐出口10aから排出される。なお、内断面が小さい空気押出部材50であっても構わない。これは、図13の矢印2のように、送水ホース10内を流れる水が送水ホース10と空気押出部材50との隙間から勢い良く流れるため、空気も前方に押し出されるので、空気が大きく取り残されることが防止されるからである。
空気押出部材50の形態は、送水ホース10内の空気を押し出しつつ、送水ホース10内を進行することが可能な形態であれば、特にその形態は限定されるものではない。例えば、球形状、楕円球形状、円錐形状、多角形状、板形状、円柱形状、多角柱形状及びこれらの形状を複合的に組み合わせた形状のもの、無造作な形状に引きちぎった布状、スポンジ状、シリコン状のものを1つに丸めて送水ホース内へ送出または挿入した時に送水ホース内の水流に押されて下流側へ押し流されるものである球形状、楕円球形状、多角形状、板形状、円柱形状、多角柱形状の他、図14に示すような円錐形状、先頭方向に円錐形状と後部方向に円柱形状を組み合わせた形状であってもよい。特に円錐形状、先頭方向に円錐形状と後部方向に円柱形状を組み合わせた形状の底面側を開口形状に形成して、底面側から切り込まれた複数のスリット51を設けた空気押出部材50を使用してもよい。かかる形態を使用することによって、送水ホース10の配管が湾曲して配置されている場所であったり、送水ホース10の内側にボルトやナット等の突起物があったりする場合であっても、送水ホース10内で頂点側を先頭にして配置することで、スリット51において形状を変形させたり、また、スリット51が衝撃をかわしたりすることで、湾曲部を容易に通過でき、障害物をすり抜けることができる。こうした湾曲部や障害物を通過した後は、スリット51は再び水を受けることができるように形状を復元して、空気押出部材50は送水ホース10内に残留している空気を下流方向へ押し集めながら吐出口10aへ向かって進み続けることができる。
また、空気押出部材50の材質は、硬質な材質であっても柔軟な材質であっても構わないが、より好ましくは、図15に示すように、空気押出部材50自体が柔軟な材料で作製されているか、又は図16に示すように、硬質な材料の芯部材50aの周囲の一部又は全体に、例えば、ゴム、ビニール、スポンジ、シリコン又は布などの柔軟で形状復元性を有する被覆材50bで覆って形成してもよい。このように作製することによって、図15又は図16に示すように、送水ホース10の内側にボルトやナット等の突起物があったり、湾曲していたりする場合であっても、形態を変化させることによって、障害物をすり抜けたり、湾曲部を容易に通過できる。また、柔軟な材質で作製することによって、送水ホース10より大きな直径を有する空気押出部材50を採用し、送水ホース10内で圧縮された状態で挿入することにより、送水ホース10内で周囲に隙間がでることを防止することができる。また、内部に設けられる送水ホース10の内断面より小さく圧縮した復元性部材と、圧縮した復元性部材の形態を周囲から被覆したり、巻回したりして維持可能な固定用部材とで形成し、固定用部材が水に接触することで切断、破壊又は溶解等により復元性部材が送水ホース10の内断面と同じか若干小さい断面に送水ホース10内で膨れるように形成してもよい。
次に、空気押出部材50を送水ホース10内に送出するための空気押出部材送出部60について説明する。空気押出部材送出部60は、大きく分けて、送水ホース10自体の本流の流れの中に設けられる場合(図17、18、19参照)と、送水ホース10の本流の流れの中ではなく送水ホース10の側面に別途送水ホース10内に空気押出部材50を送り出すことができる空気押出部材送出装置85を設ける場合(図20、21,22参照)と、がある。空気押出部材送出部60又は空気押出部材送出装置85は、送水ホース10のどの位置に設けても構わないが、第2実施形態においては、好ましくは、第2送水ホース12に設けるとよい。第2送水ホース12に設けることで空気押出部材50を送水機器20で押し出すことができる。
こうした空気押出部材50を使用することによって、排水作業起動時において、揚程が送水機器のメーカーの公表した限界揚程高さ以内であれば少量でも水が流れることで空気押出し部材50を水圧で押し流すことができるため、送水ホース10に空気押出部材50を投入することで、徐々に送水ホース10内の残留空気を押し集めて下流側の吐出し口へ吐出すことが可能であり、最終的には送水ホース10内を満水状態としてサイフォン作用による排水が可能となる。この際、送水装置の楊程の大きさが7m以下であればサイフォン作用のみで排水作業が稼働でき、楊程7m以上の場合は、送水機器20を併用で排水することができる。また、この現象を応用して、送水ホース10より口径の小さな送水機器20を使用して送水ホース10内へ送水し、そこへ空気押出部材50を投入することで送水ホース10の口径を使用したサイフォン排水量を確保することができるので、起動に使用した口径の小さな送水機器20の送水量より排水量をより増量させることができる。このように増量した状態の送水作業が続き、湛水部の水位が下降した場合、揚程は大きくなるが、送水機器20の公表値やサイフォンの理論値より大きくなる場合であっても送水ホース10内が、予めサイフォンと送水機器併用の排水作業により通水している状態であれば引き続き排水作業を継続することができる。つまり、高楊程の送水機器としてはφ150mm、全楊程120mもの製品も存在する。この送水機器は楊程130mで排水量が0m3/minとなるが、メーカー公表の数値では楊程120mでは1.4m3/minの排水機能があるため、サイフォン作用と併用して排水作業を行うことで、楊程120m以上でもサイフォン作用と送水機器併用の排水作業が可能ということとなる。
(第3−1実施形態)
まず、空気押出部材送出部60が送水ホース10自体に設けられる場合について説明する。第3−1実施形態が図17に示されている。第3−1実施形態にかかる空気押出部材送出部60は、送水ホースのうち柔軟な送水ホース25の部分に設けられた例を示している。本実施形態にかかる空気押出部材送出部60は、図17に示すように、柔軟な送水ホース25の一部に空気押出部材50を配置し、この空気押出部材50を保持することが可能な略コの字状の金属で作製された保持部材70によって柔軟な送水ホース25の外側から保持されている。この保持された状態では、図17Aに示したように一部のみ水流を流すことができる隙間αが形成されている。この状態から保持部材70を外すことによって、空気押出部材50を送水ホース10内に押し出すことができる。なお、硬質な送水ホース10を空気押出部材送出部60として使用する場合は、保持部材70を使用しないため空気押出部材50を送水ホース10内へ挿入又は送出した後に、送水機器20によって送水された水圧を受けて下流側へ移動し始めることとなるため、送水機器20の送水開始が空気押出部材50の送出を開始するタイミングとなる。
第3−1実施形態における空気押出部材送出部60は、第1実施形態であれば、送水機器20の下流側で揚程部の管頂付近より上流部、第2実施形態であれば、送水機器20の送水側にあたる注水合流部材30の第2開口部32の下流側近傍に設置することが好ましいが、これに限定するものではない。
さらに、第3−1実施形態の応用例として、図18に示すように、柔軟な送水ホース25内に空気押出部材50を複数配置して、それぞれの空気押出部材50に対して保持部材70を設けておき、流下側から順次、保持部材70を外していくことで複数個の空気押出部材50を送出することができる。
また、柔軟な送水ホース25を内部に収容可能な硬質な外周収容部28を設けた場合には、図19に示すように、外周収容部28に保持部材70を差し込むことができる挿入孔28aを設けておくことでより保持部材70を容易に設置することができる。
(第3−2実施形態)
次に、空気押出部材送出部60が、送水ホース10の側面に空気押出部材送出装置85を設ける場合について説明する。第3−2実施形態が図20に示されている。第3−2実施形態は、図20に示すように、送水ホース10の側面側に、柔軟な送水ホース25で作製された空気押出部材送出装置85が設けられている。そして、第3−1実施形態と同様に、柔軟な送水ホース25の一部に空気押出部材50を配置し、この空気押出部材50を保持することが可能な略コの字状の金属で作製された保持部材70によって柔軟な送水ホース25の外側から保持されている。この状態から保持部材70を外すことによって、空気押出部材50を送水ホース10内に押し出すことができる。なお、空気押出部材50の後端部は、開口されていてこの後端部から空気押出部材50を挿入することができる。後端部は、挟持部材88で閉塞させることができる。
(第3−3実施形態)
第3−3実施形態が図21に示されている。第3−3実施形態は、図21に示すように、送水ホース10の側面に硬質の材質で作製された側方合流方式の空気押出部材送出装置86が設けられている。側方合流方式の空気押出部材送出装置85は、内部に複数個の空気押出部材50が挿入されており、それぞれが可動自由な材質でできた保持部材71によって保持されている。側方合流方式の空気押出部材送出装置85の端部には、空気押出部材50を押すための押し出し棒87が設けられており、これを押すことで、1つずつ空気押出部材50を送水ホース10内に送出することができる。
なお、図22に示すように、空気押出部材送出装置85の側面に柔軟な送水ホース25で作製された追加投入部89が設けられているものであってもよい。かかる構成を採用することで、この追加投入部89から空気押出部材50を随時投入することができる。
このように空気押出部材50によって、空気を下流側へ押し流すことで、送水ホース10内の残留空気Hを吐出口10aから押し出して、水流が送水ホース10の内断面に近い断面で流れるようにすることができ、送水量を増大させることができる。
実験結果を数値で表すと、送水機器200mm、送水ホースΦ200mm、総数ホース延長280m、管頂部10bの揚程16mの条件で送水量測定実験を行った。この条件の場合、送水機器メーカーの送水量曲線では1.2m3/minであるのに対し、実測値は0.44m3/minであった。5個の空気押出部材50を間隔を開けて送出して、送水ホース10内の空気をそれぞれ押し出した後の送水量を5回計測した平均流量は4.9m3/minと計測され、メーカー公表値の4.1倍、実測値で11.1倍の送水量を確保することができることを確認した。
また、同じ設備で送水ホース10の管頂部10bをクレーンで吊り上げて揚程16mから揚程を20mに上げて実験を行った。送水機器メーカーの送水量曲線では揚程18m以上は排水不可能であるはずが2.4m3/minの排水量を計測した。これらの実験結果により、空気押出部材50を使用して送水ホース10内を満水に近い状態で送水することで、サイフォン作用と送水機器機能を合わせることにより、従来のサイフォンの理論値や送水機器メーカー公表の性能値を大きく上回る揚程や排水量の送水装置となる。このサイフォン送水装置によると送水設備の規模削減や、燃費の節約などにより大幅な送水作業のコスト縮減が達成できることとなる。
例えば、本実施形態にかかるサイフォン送水装置において、図23に示すように送水機器20又はサイフォン吸水用送水ホース10の吸水口11aの少なくとも一方に浮遊物吸込防止籠45が備えられていてもよい。この浮遊物吸込防止籠45の全体形状は先端に向かって順次細く尖っている形状を成している。かかる構成とすることによって、送水機器を湛水部90に投入する際に、水面の浮遊物が邪魔して送水機器が水の中に沈まない状況を防止でき、水面に浮遊物があっても差し込んで水の層に到達させることができる。
また、本実施形態にかかるサイフォン装置において、図24に示すように、吸水口に湛水部90の水位が一定以下に下がらないように自動的に排水量を制限して水位調節が可能なフロート付の開閉弁115aを備えた吸水部材115を設けてもよい。即ち、水位が下がるとフロートが下降し連動する開閉弁115aが閉じて吸水口を塞ぐ。また水位が上がるとフロートが上昇し開閉弁115aを開く構成を採用することができる。水位の低下と同時にフロートが降下して開閉弁115aが閉まり、再び水位が上昇するとフロートが上昇して開閉弁115aを開こうとする。しかし、開閉弁115aが吸水口の外側で外向きに開く構造の場合には、サイフォンの吸水力によって開閉弁115aが吸水口に吸い込まれようとする作用が働いているため、開閉弁115aが吸水口に吸い付いて容易には開かないため、浮力を大きくするための大きなフロートが必要となる場合がある。そこで、図24Aに示すように、開閉弁115aを複数有する吸水部材115とし、それぞれの開閉弁115aを小さくし、開閉弁115aの1ヶ所当たりの開閉弁115aを開く力を小さくすることで、フロートの大きさを小さくしても容易に開閉弁115aを開けることができるようにした。この際に、図24Bに示すように、複数の吸水口に設けた開閉弁115aを開閉するフロートと繋がる連結物115bは、例えばチェーンなどの長さを、それぞれ調節することで、水位が低下してきたときにフロートが高い方から順番に開閉弁115aを閉めることができる。これにより、課題でもあった湛水部90の水位が一定の高さで保たれるために1つの大きな開閉弁115aが水位の変動に応じて頻繁に開いたり閉じたりする時に生ずる、排水装置全体への激しい振動を防ぐことができる。排水装置の送水ホース内が満水状態で繋がっているため、送水の開始より停止の時にはそれほどの振動も発生しないが、流れているのを停止する時はかなりの大きな衝撃が送水ホース全体に及んでいた。これにより送水ホースの連結部が緩んだりする現象も現れていた。しかし、排水作業に伴い湛水部の水位が低下する原因として、湛水部への流入量より排水量が大きい場合は、この現象が発生することは避けられないのである。この対策として、吸水部材115の吸水ヵ所を複数ヵ所設けることとし、しかも開閉弁に繋がるフロートの浮かぶ高さを変えることで、水位の低下に応じて高いフロートから低いフロートに繋がる開閉弁が順番に閉じることで、排水量を順次減少させることができる。これにより湛水部への流入量と排水量を同量程度に調節することができることとなったため、排水作業において一定の間隔で全体の送水が一時的に停止することがなくなった。これに伴い、1つの吸水口が開閉する度に生じる装置全体への大きな振動も防ぐことができることとなった。
また、本実施形態にかかるサイフォン装置において、図25に示すように、湛水部90の水位に応じて、自動的に排水量の調節が可能となるように、任意の水位に応じて水面に位置するようセットすることができるフロート110と、フロート110と連結している棒状の連結部材111と、連結部材111のフロート110と反対側に設けられる吸水部材115とを備えている。吸水部材115は、全体が容器状に形成されており、容器内と容器外との水に流出入が可能な吸水部材用吸水口115dを開閉可能な開閉弁115aを備えている。この開閉弁115aが連結部材111に連結されており、水位が上昇した場合にフロート110の位置が上昇し、開閉弁115aが吸水部材115の吸水部材用吸水口115dの内側へ開くように形成されている。このように、湛水部90の水位が上昇して開閉弁115aを開く必要がある場合には、開閉弁115aは吸水部材115の外側へ向けて開けるのではなく、吸水部材115の吸水口の内側へ流れ込む流れに沿って開く構造となっているため、サイフォンが吸込もうとする水圧と、湛水部90に設けた吸水部材115に対する水深による水圧とが重なって開閉弁115aを開く作用が働くこととなる。そのため、開閉弁115aを開くためのフロートを小さくすることができる。また、棒状の連結部材111にはフロート110を取り付ける位置を変えて、それ以上水位が下がらないように設定する水深を決める働きと、設定した水位で開閉弁115aを閉じるときに必要なフロート110の重さをモーメントで計算して取り付け位置の調整と、を行うことができるフロート取付け距離調節用孔111aが備えられている。また、開閉弁115aと連結部材111を固定する連結部115bには開閉弁115aと連結部材111との角度を調節してフロート110の重さにより開閉弁115aを閉じるための水位を設定し調節するための固定角度調節用孔111bが設けてある。また、この際に、図26Aに示すように、容器状の吸水部材115内に送水機器20の吸水孔20aを設けても良く、送水機器20全体を吸水部材115内へ入れるように覆って配置しても良い。さらに、図26Bのように送水機器20とは別にサイフォン用の送水ホース10の吸水口11aを容器状の吸水部材115内に設けても良い。大きな開口部を形成する吸水口11aを吸水部材115内に配置することによって、吸水部材用吸水口115dから流入したゴミ等は大きな開口部を形成する送水ホースの吸水口11aから吸引されるため、小さな開口部で形成される送水機器の吸水孔20aを詰まらせる可能性を低減することができる。この場合も送水機器20全体を吸水部材115内へ入れるように覆って配置しても良い。なお、これらの場合、送水機器側送水ホース20bとサイフォン側送水ホース10dを合流させる注水合流部材30は、サイフォン側送水ホース10dが送水機器側送水ホース20bの下方に位置するよう配置することで、サイフォン送水作業中においてサイフォン側送水ホース10d内を流れてきた土砂等が送水機器側送水ホース20cへ流入することを防止する効果がある。
なお、図27に示すように、フロート110と、フロート110と連結している棒状の連結部材111と、連結部材111のフロート110と反対側に設けられる吸水部材115とからなるすべての部材を防塵籠120内に固定配置して、籠の形状と重量で吸水部材を安定させてもよい。なお、この際に、連結部材111に、ウエイト116を設けても良い。開閉弁115aは、水位が低下した際に、フロート110の位置もそれに伴って低下するため、開閉弁115aが吸水部材115の内側で開閉弁の取付け部を支点を軸として上向きに回動し、上側にある開口部にしっかり密着することで止水性が確保される。従って、ウエイト116が備えられていることで、支点を軸としてウエイト116の重さにより開閉弁が上向きに回動しようとする力が高まるため吸水部材用吸水口115dの外周枠部分との密着度が高まる効果がある。勿論この吸水部材用吸水口115dの内側の外周枠部分にゴム、シリコンなどの弾力性のある素材を外周に連続して備えることで一段と水密性及び止水性の効果を高めることができる。
本実施形態にかかるサイフォン装置100において、図28に示すように、送水機器20の規格である送水口径が送水ホース10の口径より大きな口径である場合において、送水機器20からの送水を複数に分岐して複数の送水ホース10に連結された注水合流部材30に連結して送水し、複数のサイフォン排水装置100を同時に起動又は稼働させることを可能とした分岐送水部材37を使用してもよい。
また、本実施形態にかかるサイフォン装置100における、送水機器30と送水ホース20との連結方法について、送水機器メーカー毎、及び想定する水圧の違いにより、ボルト用孔の位置の中心線A又はBの違いや、その数がそれぞれ異なるため、送水ホースと連結する場合に送水ホース側のフランジのボルト用孔の数や位置が合わないため送水機器と送水ホースが連結できない状況が発生していた。災害対応など緊急時にも送水機器を選んで連結できない事態を避ける必要がある。そこで、各種メーカーや機種においても連結ができるよう孔状ではなく深い溝状に形成された緊結部材用切込部115を設けたフランジを備えた連結部材111を図29に示す。これによれば、送水機器のメーカー毎に異なるボルト固定用の孔の間隔や、対角線上にある孔との中心間の距離(中心線)や孔の数の違いを検討することなく、送水機器30と送水ホース20とを連結することが可能となる。ボルト用切込部115が孔状ではなく深い溝状に形成されているためボルト用切込部115の範囲内であれば、相手側のフランジに設けられた孔の位置と数をボルト・ナット等緊結部材を用いて連結する。これによりそれぞれ対角線上に有る深い溝状に形成されたボルト用切込部115の範囲内で固定される。また、各種メーカーのボルト用孔の対角線上にある中心線Aと中心線Bの大きさの差異はボルト用孔の直径よりも小さいため対角線上で緊結部材を用いて固定すれば、連結部材が抜けることは無くなるという特徴を持つものである。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
上述した実施の形態で示すように、河川、湖沼、土砂ダムや氷河湖等の貯留部の水を安全に安価に効率よく排水する装置として利用することができる。
1…障害物、10…送水ホース、10a…吐出口、10b…管頂部、10c…空洞部、
10d…サイフォン側送水ホース、10f…送水ホース支持部材、11…第1送水ホース、11a…吸水口、12…第2送水ホース、13…第3送水ホース、20…送水機器、20a…吸水孔、20b…送水機器側送水ホース、25…柔軟な送水ホース、28…外周収容部、28a…挿入孔、28b…捻じれ防止用固定部材、30…注水合流部材、31…第1開口部、32…第2開口部、33…第3開口部、35…切替弁、35a…開口部用逆止弁、37…分岐送水部材、45…浮遊物吸込防止籠、50…空気押出部材、50a…中心部、50b…被覆材、51…スリット、60…空気押出部材送出部、70…保持部材、71…保持部材、81…連結金具、82…アタッチメント、85…空気押出部材送出装置、86…空気押出部材送出装置、87…棒、88…挟持部材、89…追加投入部、90…湛水部、90a…水位、90c…水位、90d…水位、100…サイフォン装置、110…フロート、111…連結部材、111a…フロート取付距離調節用孔、111b…固定角度調節用孔、113…分岐送水部材、115…吸水部材、115a…開閉弁、115b…連結部、115d…吸水部材用吸水口、ウエイト116、防塵籠…120

Claims (37)

  1. サイフォン作用を活用したサイフォン送水装置であり、湛水部から揚程管頂部を経て前記湛水部の水面より低い位置に常時開口された吐出口が配設されている断面形状保持可能な材質の送水ホースと、
    前記湛水部内に配置され、前記送水ホースに連結されて水を送水する送水機器と
    を備えてなり、
    揚程が概ね7m以下において、サイフォン作用を起動するため前記送水機器を起動して前記送水ホース内へ送水し、前記送水ホース内がほぼ満水の送水状態になったら前記送水機器を停止することで、前記送水ホース内の流れをサイフォンによる送水作業で稼働させることが可能であることを特徴とするサイフォン送水装置。
  2. サイフォン作用を活用したサイフォン送水装置であり、湛水部から揚程管頂部を経て前記湛水部の水面より低い位置に常時開口された吐出口が配設されている断面形状保持可能な材質の送水ホースと、
    前記湛水部内に配置され、前記送水ホースに連結されて水を送水する送水機器と、
    を備えてなり、
    揚程が概ね7m以上の場合にはサイフォン送水作業における管頂部の負圧による気化現象に伴い生ずる空洞部を発生させないため又は消滅させるための送水機器送水作業を加えることが可能であり、サイフォンと前記送水機器の相乗効果により、サイフォンの理論上の限界揚程高と送水量、及び前記送水機器の限界揚程高と排水量を越えて送水が可能となることを特徴とするサイフォン送水装置。
  3. サイフォン作用を活用したサイフォン送水装置であり、湛水部から揚程管頂部を経て前記湛水部の水面より低い位置に常時開口された吐出口が配設されている断面形状保持可能な材質の送水ホースと、
    前記湛水部内に配置され、前記送水ホースに連結されて水を送水する送水機器と、
    を備えてなり、
    揚程が概ね7m以下の場合はサイフォン作用を起動するため前記送水機器を起動して前記送水ホース内へ送水し、前記送水ホース内がほぼ満水の送水状態になったら前記送水機器を停止することで、前記送水ホース内の流れをサイフォンによる送水作業で稼働させることが可能となり、
    揚程が概ね7m以上の場合にはサイフォン送水作業における管頂部の負圧による気化現象に伴い生ずる空洞部を発生させないため又は消滅させるための送水機器送水作業を加えることが可能であり、サイフォンと前記送水機器の相乗効果により、サイフォンの理論上の限界揚程高と送水量、及び前記送水機器の限界揚程高と排水量を越えて送水が可能となるため、
    楊程7m以上と7m以下を境として前記送水機器の電源のONとOFFにより送水方法を切替え又は併用して送水作業を行うことを特徴とするサイフォン送水装置。
  4. 前記送水装置の前記送水ホースには、前記湛水部からサイフォン作用により水を吸水する前記送水ホースと連結された第1開口部と、前記湛水部に配置された前記送水機器に連結された前記送水ホースと連結された第2開口部と、前記第1開口部と前記第2開口部とから入ってきた水を下流部へ送水する前記送水ホースと連結された第3開口部と、を有している注水合流部材を備え、
    前記注水合流部材において、前記第1開口部からの水の流れと、前記第2開口部からの水の流れとの合流部に、流れの方向を切替えるための切替弁を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  5. 前記送水ホースには、前記湛水部からサイフォン作用により水を吸水する前記送水ホースと連結された第1開口部と、前記湛水部に配置された前記送水機器に連結された前記送水ホースと連結された第2開口部と、前記第1開口部と前記第2開口部とから入ってきた水を下流部へ送水する前記送水ホースと連結された第3開口部と、を有している注水合流部材を備え、
    前記第1開口部からの水の流れと、前記第2開口部からの水の流れの方向を切替えるため、前記第1開口部及び前記第2開口部に開口部用逆止弁を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  6. 前記注水合流部材は、前記送水機器の送水口に連結されて設けられたことを特徴とする請求項4又は5に記載のサイフォン送水装置。
  7. 前記注水合流部材のサイフォン吸水側に前記送水ホースが連結されていないことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  8. 前記送水ホース内に送出されて、前記送水ホース内の残留空気を押し出すための少なくとも1つ以上の空気押出部材と、
    前記空気押出部材を送出する空気押出部材送出部を備え、又は連結される送水ホースの一部を空気押出部材送出部としたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  9. 前記空気押出部材は、前記送水ホース内に挿入、又は送出される以前は前記送水ホース内断面より大きく、前記送水ホース内に挿入、又は送出された時点で前記送水ホースの内断面と同一又は内断面より若干小さい断面形状を有することを特徴とする請求項8記載のサイフォン送水装置。
  10. 前記空気押出部材は、球形状、楕円球形状、円錐形状、多角形状、板形状、円柱形状、多角柱形状及びこれらの形状を複合的に組み合わせた形状を有することを特徴とする請求項8又は9に記載のサイフォン送水装置。
  11. 前記空気押出部材は、軟質な材質で任意の形状に作製されてなり、前記送水ホース内へ送出または挿入し、前記送水ホース内の水流及び水圧に押されて下流側へ押し流されるものであることを特徴とする請求項8又は9に記載のサイフォン送水装置。
  12. 前記空気押出部材は、布状、ゴム状、スポンジ状、シリコン状など柔軟な材質で作製されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  13. 前記空気押出部材は、全体がゴム、ビニール、スポンジ、シリコン、布団状又は布状の柔軟で形状復元性を有する材質からなる復元性部材で形成されているか、又は内部に設けられるボール状又は芯状からなる硬質な芯部材と、外層に設けられる前記復元性部材とで形成されていることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  14. 前記空気押出部材は、内部に設けられる前記送水ホースの内断面より小さく圧縮した前記復元性部材と、圧縮した前記復元性部材の形態を維持可能な固定用部材とを備え、
    前記固定用部材は、水に接触することで切断、破壊又は溶解等により前記復元性部材が前記送水ホースの内断面と同じか若干小さい断面に膨れることを特徴とする請求項13に記載のサイフォン送水装置。
  15. 前記空気押出部材の全体形状は略円錐形状に形成され、略円錐形状の底面側が開口して形成されてなり、側面は底面側から切り込まれたスリットが複数設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載のサイフォン送水装置。
  16. 前記送水ホースは、前記空気押出部材を保持するための保持部材を備えていることを特徴とする請求項8から15のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  17. 前記送水ホースは、少なくともその一部が1又は2部材以上の柔軟な送水ホースで作製され、かつ前記送水機器と前記注水合流部材の間に連結して備えられており、前記送水機器からの注水が停止した後は前記柔軟な送水ホースが大気圧に押されて収縮し通水部を閉鎖し、前記空気押出部材は、前記柔軟な送水ホース内に保持されており、前記送水機器からの水圧により下流へ押し出され、前記送水機器からの注水が停止した後は前記送水ホースが大気圧に押されて収縮し通水部を閉鎖することを特徴とする請求項8から16のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  18. 前記空気押出部材送出部は、前記柔軟な送水ホースと、前記柔軟な送水ホースの外周に配置された硬質な外周収容部又は捻れ防止用固定部材と、を備えていることを特徴とする請求項17に記載のサイフォン送水装置。
  19. 前記空気押出部材送出部は、前記送水ホースの一部に連結して設けられてなり、前記送水ホースの側方から合流して形成され、前記空気押出部材を送出可能な側方合流方式の空気押出部材送出装置であることを特徴とする請求項8から18のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  20. 前記送水機器より下流で前記送水ホースに連結され、前記送水ホースとは別に側面から合流して備えられ、前記空気押出部材が流出しないように保持する保持部を有する空気押出部材送出装置を備えていることを特徴とする請求項8から19のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  21. 前記空気押出部材送出装置には前記空気押出部材を追加投入する追加投入部を備えていることを特徴とする請求項19から20のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  22. 前記送水機器の規格である送水口径は、前記送水ホースの口径より大きな口径であることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  23. 前記送水機器の規格である送水口径は、前記送水ホースの口径より大きな口径である場合において、前記送水機器からの送水を複数に分岐して複数の前記送水ホースに連結された前記注水合流部材に連結して送水し、複数のサイフォン排水装置を同時に起動又は稼働させることを可能とした分岐送水部材を使用したことを特徴とする請求項4から22のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  24. 前記空気押出部材を使用するサイフォン送水装置において、前記送水機器の規格である送水口の口径は、前記送水ホースの口径よりも小さな口径であることを特徴とする請求項8から請求項21のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  25. 前記送水ホースの吐出口は、前記吐出口の高さを少なくとも前記送水ホースの直径よりも高い位置に配置するための送水ホース支持部材が前記吐出口の周囲に設けられていることを特徴とする請求項1から24のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  26. 前記送水機器及び前記送水ホースの前記吸水口の少なくとも一方に浮遊物吸込防止籠が備えられてなり、
    前記浮遊物吸込防止籠の全体形状は、一方の先端に向かって順次細く尖っている形状を成していることを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  27. 前記送水ホースの吸水口に吸水部材を連結し、前記吸水部材には少なくとも1つ以上の開閉弁と、前記開閉弁に連結物を介して連結されたフロートとを備えていることを特徴とする請求項1から26のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  28. 前記吸水部材には少なくとも2つ以上の前記開閉弁と、前記開閉弁にロープ、チェーン等の長さの調節可能な連結物により連結された前記フロートと、を備えていることを特徴とする請求項27に記載のサイフォン送水装置。
  29. 前記開閉弁は、開く時には前記開閉弁の前記吸水部材への取付部を軸として前記吸水部材の内側に回動することを特徴とする請求項27又は28に記載のサイフォン送水装置。
  30. 前記開閉弁と連結部材を固定する連結部には、前記開閉弁と前記連結部材との角度を調節するための固定角度調節用機能が設けてあることを特徴とする請求項27〜29のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  31. 前記連結部材には、前記開閉弁と前記フロートとの距離を調節するためのフロート取付距離調節用機能を備えていることを特徴とする請求項30に記載のサイフォン送水装置。
  32. 前記吸水部材の容器内に、送水装置の送水孔及び前記送水ホースの吸水口の少なくともいずれか若しくは両方が配置されていることを特徴とする請求項27から31のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  33. 前記送水機器は、前記送水ホースの吸水口が配置される湛水部とは異なる前記湛水部内に配置されていることを特徴とする請求項1から32のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置
  34. 前記送水機器と前記送水ホースとの連結は、一方は各種フランジのボルト用孔に合う複数の切欠き部を設けたフランジを備え、他方は既定のボルト用孔を備えた連結部材を使用することを特徴とする請求項1から33のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  35. 前記注水合流部材はサイフォン送水側の前記送水ホースと連結された第1開口部が、前記送水機器側の前記送水ホースと連結された第2開口部の下方になるよう配置されたことを特徴とする請求項4から34のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置。
  36. 請求項1から35のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置を使用した送水方法。
  37. 揚程が概ね7m以下の場合はサイフォン作用を起動するため送水機器を起動して前記送水ホース内へ送水し、前記送水ホース内がほぼ満水の送水状態になったら前記送水機器を停止することで、前記送水ホース内の流れをサイフォンによる送水作業で稼働させることが可能となり、
    揚程が概ね7m以上になった場合にはサイフォン送水作業における管頂部の負圧による気化現象に伴い生ずる空洞部を発生させないように送水機器送水作業を加えることで、サイフォンと前記送水機器の相乗効果により、サイフォンの理論上の限界揚程高と送水量、及び前記送水機器の限界揚程高と排水量を越えて送水が可能となる請求項1から35のいずれか1項に記載のサイフォン送水装置を使用した送水方法。

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