JP2017138390A - 光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】測定用の干渉光学系を構成する可動ミラーの位置を精度良く検出することができる光モジュールを提供する。【解決手段】光モジュール1Aは、方向Aに沿って移動する可動部16を有するアクチュエータ10と、第1可動ミラー21、第1固定ミラー22及び第1ビームスプリッタ23aを有する第1干渉光学系20と、第2可動ミラー31、第2固定ミラー32及び第2ビームスプリッタ33aを有する第2干渉光学系30と、を備える。第1干渉光学系20は、第1ビームスプリッタ23aと第1可動ミラー21との間において方向Aに沿って第1光L1bがm回(mは自然数)往復するように構成されている。第2干渉光学系30は、第2ビームスプリッタ33aと第2可動ミラー31との間において方向Aに沿って第2光L2bがn回(nはmよりも大きい自然数)往復するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術が用いられた光モジュールに関する。
特許文献1には、MEMS技術によってSOI(Silicon On Insulator)基板に干渉光学系が形成された光モジュールが記載されている。このような光モジュールは、小型且つ低コストのフーリエ変換型赤外分光分析器(FTIR)を提供し得るため、注目されている。
特開2010−170029号公報
上述したような光モジュールにおいては、測定用の干渉光学系を構成する可動ミラーの位置を精度良く検出することが求められる。それは、波長再現性、波長分解能、S/N比といった分光器の主要なパラメータを決める上で可動ミラーの位置精度が特に重要だからである。
本発明は、測定用の干渉光学系を構成する可動ミラーの位置を精度良く検出することができる光モジュールを提供することを目的とする。
本発明の光モジュールは、所定方向に沿って移動する可動部を有するアクチュエータと、可動部に設けられた第1可動ミラー、並びに、位置が固定された第1固定ミラー及び第1ビームスプリッタを有し、第1光の干渉波を得る第1干渉光学系と、可動部に設けられた第2可動ミラー、並びに、位置が固定された第2固定ミラー及び第2ビームスプリッタを有し、第2光の干渉波を得る第2干渉光学系と、を備え、第1干渉光学系は、第1ビームスプリッタと第1可動ミラーとの間において所定方向に沿って第1光がm回(mは自然数)往復するように構成されており、第2干渉光学系は、第2ビームスプリッタと第2可動ミラーとの間において所定方向に沿って第2光がn回(nはmよりも大きい自然数)往復するように構成されている。
この光モジュールでは、第1光が第1ビームスプリッタにおいて第1可動ミラー側と第1固定ミラー側とに分割され、第1可動ミラー側に分割された第1光が、所定方向に沿ってm回(mは自然数)往復した後、第1固定ミラー側に分割された第1光と第1ビームスプリッタにおいて合成される。一方、第2光が第2ビームスプリッタにおいて第2可動ミラー側と第2固定ミラー側とに分割され、第2可動ミラー側に分割された第2光が、所定方向に沿ってn回(nはmよりも大きい自然数)往復した後、第2固定ミラー側に分割された第2光と第2ビームスプリッタにおいて合成される。したがって、第2光の干渉波に生じる位相差は、第2可動ミラー側に進行した第2光が所定方向に沿って例えばn回往復する場合に比べ、大きくなる。これは、より短い波長を有する光を第2光に使用しているのと等価であり、第2光の干渉波に基づく位置検出の分解能が高いことを意味する。ここで、第1可動ミラー及び第2可動ミラーは、可動部に設けられており、互いに同期した状態で所定方向に沿って移動する。したがって、第2光の干渉波に基づいて所定方向における第2可動ミラーの位置を検出することで、所定方向における第1可動ミラーの位置を検出することができる。以上により、第1光を測定用の光として使用し、第2光を位置検出用の光として使用することで、測定用の干渉光学系を構成する可動ミラー(すなわち、第1可動ミラー)の位置を精度良く検出することができる。
本発明の光モジュールでは、mは1であり、nは2であってもよい。これによれば、第1干渉光学系及び第2干渉光学系の構成が複雑になるのを抑制しつつ、測定用の干渉光学系を構成する可動ミラー(すなわち、第1可動ミラー)の位置を十分な精度で検出することができる。
本発明の光モジュールでは、第2光はレーザ光であってもよい。これによれば、第2可動ミラー側に進行した第2光が所定方向に沿って往復する回数を増やしても、第2光の干渉波を効率良く得ることができる。
本発明の光モジュールでは、第1可動ミラーは、所定方向における可動部の一端部に設けられており、第2可動ミラーは、所定方向における可動部の他端部に設けられていてもよい。これによれば、所定方向に沿って可動部をバランス良く移動させることができる。
本発明の光モジュールは、第1光を入射させる第1光入射部と、第1光の干渉波を出射させる第1光出射部と、第2光を入射させる第2光入射部と、第2光の干渉波を出射させる第2光出射部と、を更に備えてもよい。これによれば、第1干渉光学系及び第2干渉光学系の設計の自由度を向上させることができる。
本発明の光モジュールは、第2光を出力する発光素子と、第2光の干渉波を検出する受光素子と、を更に備えてもよい。これによれば、発光素子及び受光素子が光モジュールに搭載されるので、光モジュールの取り扱いを容易化することができる。
本発明の光モジュールでは、第1可動ミラー及び第2可動ミラーは、所定方向における可動部の端部に設けられており、少なくとも一部を共有していてもよい。これによれば、光モジュールを小型化することができる。
本発明の光モジュールは、第1光を入射させる第1光入射部と、第2光を入射させる第2光入射部と、第1光の干渉波及び第2光の干渉波を出射させる光出射部と、を更に備えてもよい。これによれば、第1干渉光学系及び第2干渉光学系の設計の自由度を向上させることができる。
本発明の光モジュールは、第2光を出力する発光素子と、第1光の干渉波及び第2光の干渉波を検出する受光素子と、を更に備えてもよい。これによれば、発光素子及び受光素子が光モジュールに搭載されるので、光モジュールの取り扱いを容易化することができる。
本発明によれば、測定用の干渉光学系を構成する可動ミラーの位置を精度良く検出することができる光モジュールを提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の光モジュールの平面図である。 図1のII−II線に沿っての断面図である。 本発明の第2実施形態の光モジュールの一部平面図である。 本発明の第2実施形態の光モジュールの一部平面図である。 可動ミラーの位置(光学距離)と干渉信号との関係を示す図である。 校正信号及び測定信号のスペクトルを示す図である。 校正信号及び測定信号のスペクトルを示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する部分を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示されるように、光モジュール1Aは、基板2と、基板2上に形成された絶縁層3と、絶縁層3上に形成された半導体層4と、キャップ5と、を備えている。基板2上には、主に半導体層4の一部によって、アクチュエータ10、第1干渉光学系20、第2干渉光学系30及び枠部41が形成されている。枠部41は、アクチュエータ10、第1干渉光学系20及び第2干渉光学系30を囲んでおり、絶縁層3を介して基板2に固定されている。光モジュール1Aは、SOI基板から形成されたMEMSデバイスである。つまり、この例では、基板2及び半導体層4はシリコンからなり、絶縁層3は酸化シリコンからなる。
アクチュエータ10は、静電アクチュエータであり、一対の第1固定部11と、第1櫛歯部12と、一対の第2固定部13と、支持部14と、第2櫛歯部15と、可動部16と、を有している。
一対の第1固定部11は、Y軸方向において並設されており、絶縁層3を介して基板2に固定されている。第1櫛歯部12は、各第1固定部11における一方の側の側面に設けられている。第1櫛歯部12は、その直下の絶縁層3が除去されることで、基板2に対して浮いた状態となっている。第1固定部11及び第1櫛歯部12は、半導体層4の一部によって一体的に形成されている。各第1固定部11には、第1電極17が設けられている。
一対の第2固定部13は、Y軸方向において並設されており、絶縁層3を介して基板2に固定されている。一対の第2固定部13は、一対の第1固定部11に対して一方の側に配置されている。支持部14は、各第2固定部13と可動部16との間に掛け渡されている。第2櫛歯部15は、その各櫛歯が第1櫛歯部12の各櫛歯間に位置するように、支持部14に設けられている。可動部16は、一対の第1固定部11間及び一対の第2固定部13間を通るように、X軸方向に沿って延在している。支持部14、第2櫛歯部15及び可動部16は、それらの直下の絶縁層3が除去されることで、基板2に対して浮いた状態となっている。第2固定部13、支持部14、第2櫛歯部15及び可動部16は、半導体層4の一部によって一体的に形成されている。各第2固定部13には、第2電極18が設けられている。
可動部16は、支持部14が板ばねを連結した構造を有しているため、X軸方向に平行な方向(所定方向)Aに沿って移動可能である。支持部14は、可動部16が初期位置に戻るように可動部16に弾性力を作用させる。これにより、第1電極17と第2電極18との間に電圧が印加されると、その電圧(電位差)に応じて、第1櫛歯部12と第2櫛歯部15との間に静電引力が作用し、当該静電引力と支持部14による弾性力とが釣り合う位置まで、方向Aに沿って可動部16が移動させられる。
第1干渉光学系20は、第1可動ミラー21と、第1固定ミラー22と、光学ブロック23と、を有しており、マイケルソン干渉光学系を構成している。第1干渉光学系20には、第1光入射部6を介して第1光L1が入射し、第1干渉光学系20からは、第1光出射部7を介して第1光の干渉波L10が出射する。第1光入射部6及び第1光出射部7は、例えば光ファイバであり、枠部41に固定されている。
第1可動ミラー21は、方向Aにおける可動部16の一端部16aに設けられている。第1可動ミラー21は、反射面21aを有している。反射面21aは、方向Aに垂直な面である。第1固定ミラー22は、光学ブロック23の一側面に設けられている。つまり、第1固定ミラー22の位置は、固定されている。第1固定ミラー22は、反射面22aを有している。反射面22aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して所定角度傾斜している。光学ブロック23は、半導体層4の一部によって形成されており、絶縁層3を介して基板2に固定されている。光学ブロック23における第1可動ミラー21側の側面は、第1ビームスプリッタ23aとして機能する。つまり、第1ビームスプリッタ23aの位置は、固定されている。第1ビームスプリッタ23aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。
第1光入射部6を介して第1干渉光学系20に入射した第1光L1は、光学ブロック23内を進行し、第1ビームスプリッタ23aにおいて第1可動ミラー21側と第1固定ミラー22側とに分割される。第1固定ミラー22側に分割された第1光L1aは、第1固定ミラー22の反射面22aで反射され、同一光路上を第1ビームスプリッタ23aに戻る。一方、方向Aに沿って第1可動ミラー21側に分割された第1光L1bは、第1可動ミラー21の反射面21aで反射され、同一光路上を第1ビームスプリッタ23aに戻る。そして、第1ビームスプリッタ23aに戻った第1光L1a及び第1光L1bは、第1ビームスプリッタ23aにおいて合成され、第1光の干渉波L10となる。第1光の干渉波L10は、第1光出射部7を介して第1干渉光学系20から出射する。このように、第1光の干渉波L10を得る第1干渉光学系20は、第1ビームスプリッタ23aと第1可動ミラー21との間において方向Aに沿って第1光L1bが1回往復するように構成されている。
第2干渉光学系30は、第2可動ミラー31と、第2固定ミラー32と、光学ブロック33,34と、を有しており、マイケルソン干渉光学系を構成している。第2干渉光学系30には、第2光入射部8を介して第2光L2が入射し、第2干渉光学系30からは、第2光出射部9を介して第2光の干渉波L20が出射する。第2光入射部8及び第2光出射部9は、例えば光ファイバであり、枠部41に固定されている。
第2可動ミラー31は、方向Aにおける可動部16の他端部16bに設けられている。第2可動ミラー31は、反射面31a,31b,31cを有している。反射面31aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。反射面31bは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して、反射面31aとは反対側に45度傾斜している。反射面31cは、方向Aに垂直な面である。第2固定ミラー32は、光学ブロック33の一側面に設けられている。つまり、第2固定ミラー32の位置は、固定されている。第2固定ミラー32は、反射面32aを有している。反射面32aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して所定角度傾斜している。
各光学ブロック33,34は、半導体層4の一部によって形成されており、絶縁層3を介して基板2に固定されている。光学ブロック33における第2可動ミラー31側の側面は、第2ビームスプリッタ33aとして機能する。つまり、第2ビームスプリッタ33aの位置は、固定されている。第2ビームスプリッタ33aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。光学ブロック34における第2可動ミラー31側の側面は、反射面34aとして機能する。つまり、反射面34aの位置は、固定されている。反射面34aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して、第2ビームスプリッタ33aとは反対側に45度傾斜している。
第2光入射部8を介して第2干渉光学系30に入射した第2光L2は、光学ブロック33内を進行し、第2ビームスプリッタ33aにおいて第2可動ミラー31側と第2固定ミラー32側とに分割される。第2固定ミラー32側に分割された第2光L2aは、第2固定ミラー32の反射面32aで反射され、同一光路上を第2ビームスプリッタ33aに戻る。一方、方向Aに沿って第2可動ミラー31側に分割された第2光L2bは、第2可動ミラー31の反射面31a及び反射面31bで順次反射され、方向Aに沿って第2ビームスプリッタ33a側に進行する。方向Aに沿って第2ビームスプリッタ33a側に進行した第2光L2bは、第2ビームスプリッタ33a、及び光学ブロック34の反射面34aで順次反射され、方向Aに沿って第2可動ミラー31の反射面31c側に進行する。方向Aに沿って反射面31c側に進行した第2光L2bは、反射面31cで反射され、同一光路上を第2ビームスプリッタ33aに戻る。そして、第2ビームスプリッタ33aに戻った第2光L2a及び第2光L2bは、第2ビームスプリッタ33aにおいて合成され、第2光の干渉波L20となる。第2光の干渉波L20は、第2光出射部9を介して第2干渉光学系30から出射する。このように、第2光の干渉波L20を得る第2干渉光学系30は、第2ビームスプリッタ33aと第2可動ミラー31との間において方向Aに沿って第2光L2bが2回往復するように構成されている。
図2に示されるように、キャップ5は、天板部51と、枠部52と、突出部53,54と、を有している。枠部52は、Z軸方向から見た場合に枠部41と重なるように、天板部51に対して基板2側に設けられている。枠部52は、枠部41と気密に接合されている。突出部53は、第1固定部11のうち第1電極17が設けられた部分に対応するように、天板部51に対して基板2側に設けられている。突出部53は、第1固定部11のうち第1電極17が設けられた部分と気密に接合されている。突出部54は、第2固定部13に対応するように、天板部51に対して基板2側に設けられている。突出部54は、第2固定部13と気密に接合されている。天板部51、枠部52及び突出部53,54は、例えばシリコンによって一体的に形成されている。なお、天板部51、枠部52及び突出部53,54を構成する材料は、例えば石英等のガラスであってもよい。
キャップ5には、貫通孔53a,54aが形成されている。貫通孔53aは、Z軸方向に沿って天板部51及び突出部53を貫通している。貫通孔54aは、Z軸方向に沿って天板部51及び突出部54を貫通している。光モジュール1Aでは、貫通孔53aを介して外部から第1電極17への電気的なコンタクトが実現されると共に、貫通孔54aを介して外部から第2電極18への電気的なコンタクトが実現される。
ここで、第2干渉光学系30における第2光L2bの位相について説明する。方向Aに沿って第2可動ミラー31側に進行した第2光L2bが、第2可動ミラー31で反射され、同一光路上を第2ビームスプリッタ33aに戻るとすると、第2可動ミラー31の移動距離1に対して2倍の位相ずれが生じる。すなわち、第2可動ミラー31の移動距離Xに対して、波長λの第2光L2bに生じる位相差Φは、Φ=2π×(2X/λ)となる。これに対し、第2光L2bは、上述したように、第2ビームスプリッタ33aと第2可動ミラー31との間において方向Aに沿って2回往復する。よって、第2可動ミラー31の移動距離Xに対して、波長λの第2光L2bに生じる位相差Φは、Φ=2π×(4X/λ)=2π×{2X/(λ/2)}となる。これは、波長λ/2の光を第2光L2に使用しているのと等価であり、第2光の干渉波L20に基づく位置検出の分解能が高いことを意味する。
以上説明したように、光モジュール1Aでは、第1光L1が第1ビームスプリッタ23aにおいて第1可動ミラー21側と第1固定ミラー22側とに分割され、第1可動ミラー21側に分割された第1光L1bが、方向Aに沿って1回往復した後、第1固定ミラー22側に分割された第1光L1aと第1ビームスプリッタ23aにおいて合成される。一方、第2光L2が第2ビームスプリッタ33aにおいて第2可動ミラー31側と第2固定ミラー32側とに分割され、第2可動ミラー31側に分割された第2光L2bが、方向Aに沿って2回往復した後、第2固定ミラー32側に分割された第2光L2aと第2ビームスプリッタ33aにおいて合成される。したがって、第2光の干渉波L20に生じる位相差は、第2可動ミラー31側に進行した第2光L2bが方向Aに沿って例えば1回往復する場合の2倍になる。これは、1/2の波長を有する光を第2光L2に使用しているのと等価であり、第2光の干渉波L20に基づく位置検出の分解能が高いことを意味する。ここで、第1可動ミラー21及び第2可動ミラー31は、可動部16に設けられており、互いに同期した状態で(すなわち、同一のタイミングで同一の側に同一の移動距離だけ)方向Aに沿って移動する。したがって、第2光の干渉波L20に基づいて方向Aにおける第2可動ミラー31の位置を検出することで、方向Aにおける第1可動ミラー21の位置を検出することができる。以上により、第1光L1を測定用の光として使用し、第2光L2を位置検出用の光として使用することで、測定用の干渉光学系となる第1干渉光学系20を構成する第1可動ミラー21の位置を精度良く検出することができる。
なお、光モジュール1Aでは、第2光L2としてレーザ光が使用されることが好ましい。その場合、第2光の干渉波L20に基づく位置検出の分解能をより高めるために、第2可動ミラー31側に進行した第2光L2bが方向Aに沿って往復する回数を増やしても、第2光の干渉波L20を効率良く得ることができる。
また、光モジュール1Aでは、第1可動ミラー21が方向Aにおける可動部16の一端部16aに設けられており、第2可動ミラー31が方向Aにおける可動部16の他端部16bに設けられている。これにより、方向Aに沿って可動部16をバランス良く移動させることができる。
また、光モジュール1Aでは、第1光入射部6を介して第1干渉光学系20に第1光L1が入射し、第1光出射部7を介して第1干渉光学系20から第1光の干渉波L10が出射する。同様に、第2光入射部8を介して第2干渉光学系30に第2光L2が入射し、第2光出射部9を介して第2干渉光学系30から第2光の干渉波L20が出射する。つまり、光モジュール1Aの使用時には、例えば、光ファイバである第1光入射部6の光入射端に白色光源が接続され、光ファイバである第1光出射部7の光出射端に光検出素子が接続される。同様に、例えば、光ファイバである第2光入射部8の光入射端にレーザ光源が接続され、光ファイバである第2光出射部9の光出射端に光検出素子が接続される。このように、光源及び光検出素子を光モジュール1Aに搭載する必要がなくなるため、第1干渉光学系20及び第2干渉光学系30の設計の自由度を向上させることができる。
[第2実施形態]
図3及び図4に示されるように、光モジュール1Bは、可動ミラー101と、固定ミラー102,104と、光学ブロック103と、を備えている。図示は省略されているが、光モジュール1Bにおけるアクチュエータ10等の構成は、上述した光モジュール1Aと同様である。
可動ミラー101は、Y軸方向に平行な方向Aにおける可動部16の一端部16a(図示省略)に設けられている。可動ミラー101は、反射面101a,101b,101c,101dを有している。反射面101aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。反射面101bは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して、反射面101aとは反対側に45度傾斜している。反射面101cは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して、反射面101bとは反対側に45度傾斜している。反射面101dは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して、反射面101cとは反対側に45度傾斜している。
固定ミラー102は、反射面102a,102bを有している。反射面102aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。反射面102bは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して、反射面102aとは反対側に45度傾斜している。固定ミラー104は、反射面104aを有している。反射面104aは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。一例として、各固定ミラー102,104は、半導体層4の一部によって形成され且つ絶縁層3を介して基板2に固定された光学ブロック(図示省略)の側面である。
光学ブロック103は、光入出射面103a,103bを有している。各光入出射面103a,103bは、XY平面に垂直な面であり、方向Aに対して45度傾斜している。光学ブロック103は、半導体層4の一部によって形成されており、絶縁層3を介して基板2に固定されている。
光モジュール1Bは、光入射部(第1光入射部)105と、発光素子106と、受光素子107と、を更に備えている。光入射部105は、第1光L1を入射させる。光入射部105は、例えば光ファイバであり、枠部41に固定されている。発光素子106は、第2光L2を出力する。発光素子106は、例えば半導体レーザ等のレーザ光源であり、光モジュール1Bに搭載されている。受光素子107は、第1光の干渉波L10及び第2光の干渉波L20を検出する。受光素子107は、例えばフォトダイオード等の光検出素子であり、光モジュール1Bに搭載されている。
図3に示されるように、光入射部105を介して入射した第1光L1は、光学ブロック103の光入出射面103aにおいて可動ミラー101側と固定ミラー102側とに分割される。固定ミラー102側に分割された第1光L1aは、固定ミラー102の反射面102a及び反射面102bで順次反射され、光学ブロック103の光入出射面103aに入射する。光入出射面103aに入射した第1光L1aは、光学ブロック103内を進行し、光学ブロック103の光入出射面103bに至る。一方、可動ミラー101側に分割された第1光L1bは、光学ブロック103内を進行し、光学ブロック103の光入出射面103bから出射する。方向Aに沿って光入出射面103bから出射した第1光L1bは、可動ミラー101の反射面101a及び反射面101bで順次反射され、方向Aに沿って光学ブロック103の光入出射面103bに至る。そして、光入出射面103bに至った第1光L1a及び第1光L1bは、光入出射面103bにおいて合成され、第1光の干渉波L10となる。第1光の干渉波L10は、受光素子107に入射する。
この場合、可動ミラー101、固定ミラー102、及び光学ブロック103の光入出射面103aは、それぞれ、上述した光モジュール1Aにおける第1可動ミラー21、第1固定ミラー22及び第1ビームスプリッタ23aと同等に機能する。つまり、この場合、可動ミラー101、固定ミラー102及び光学ブロック103は、第1光の干渉波L10を得る第1干渉光学系20と同等に機能し、光学ブロック103の光入出射面103aと可動ミラー101との間において方向Aに沿って第1光L1bを1回往復させる。
図4に示されるように、発光素子106から出射された第2光L2は、光学ブロック103の光入出射面103aに入射し、光学ブロック103内を進行する。光学ブロック103内を進行した第2光L2は、光学ブロック103の光入出射面103bにおいて可動ミラー101側と光入出射面103a側とに分割される。光入出射面103a側に分割された第2光L2aは、光入出射面103aで反射され、光学ブロック103の光入出射面103bに至る。一方、可動ミラー101側に分割された第2光L2bは、固定ミラー104の反射面104aで反射され、方向Aに沿って可動ミラー101側に進行する。方向Aに沿って可動ミラー101側に進行した第2光L2bは、可動ミラー101の反射面101d及び反射面101cで順次反射され、方向Aに沿って固定ミラー104側に進行する。固定ミラー104側に進行した第2光L2bは、固定ミラー104の反射面104aで反射され、光学ブロック103の光入出射面103b側に進行する。光入出射面103b側に進行した第2光L2bは、光入出射面103bで反射され、可動ミラー101側に進行する。方向Aに沿って可動ミラー101側に進行した第2光L2bは、可動ミラー101の反射面101a及び反射面101bで順次反射され、方向Aに沿って光学ブロック103の光入出射面103bに至る。そして、光入出射面103bに至った第2光L2a及び第2光L2bは、光入出射面103bにおいて合成され、第2光の干渉波L20となる。第2光の干渉波L20は、受光素子107に入射する。
この場合、可動ミラー101、光学ブロック103の光入出射面103a、及び光学ブロック103の光入出射面103bは、それぞれ、上述した光モジュール1Aにおける第2可動ミラー31、第2固定ミラー32及び第2ビームスプリッタ33aと同等に機能する。つまり、この場合、可動ミラー101、固定ミラー104及び光学ブロック103は、第2光の干渉波L20を得る第2干渉光学系30と同等に機能し、光学ブロック103の光入出射面103bと可動ミラー101との間において方向Aに沿って第2光L2bを2回往復させる。
以上説明したように、光モジュール1Bでは、図3に示されるように、第1光L1が光学ブロック103の光入出射面103aにおいて可動ミラー101側と固定ミラー102側とに分割され、可動ミラー101側に分割された第1光L1bが、方向Aに沿って1回往復した後、固定ミラー102側に分割された第1光L1aと光学ブロック103の光入出射面103bにおいて合成される。一方、図4に示されるように、第2光L2が光学ブロック103の光入出射面103bにおいて可動ミラー101側と光学ブロック103の光入出射面103a側とに分割され、可動ミラー101側に分割された第2光L2bが、方向Aに沿って2回往復した後、光入出射面103a側に分割された第2光L2aと光入出射面103bにおいて合成される。したがって、第2光の干渉波L20に生じる位相差は、可動ミラー101側に進行した第2光L2bが方向Aに沿って例えば1回往復する場合の2倍になる。これは、1/2の波長を有する光を第2光L2に使用しているのと等価であり、第2光の干渉波L20に基づく位置検出の分解能が高いことを意味する。以上により、第1光L1を測定用の光として使用し、第2光L2を位置検出用の光として使用することで、可動ミラー101の位置を精度良く検出することができる。
また、光モジュール1Bでは、第2光L2としてレーザ光が使用される。これにより、第2光の干渉波L20に基づく位置検出の分解能をより高めるために、可動ミラー101側に進行した第2光L2bが方向Aに沿って往復する回数を増やしても、第2光の干渉波L20を効率良く得ることができる。
また、光モジュール1Bでは、可動ミラー101が方向Aにおける可動部16の一端部16aに設けられており、可動ミラー101が、上述した光モジュール1Aにおける第1可動ミラー21及び第2可動ミラー31が少なくとも一部を共有しているのと等価の構成を有している。これにより、光モジュール1Bを小型化することができる。
また、光モジュール1Bには、第2光L2を出力する発光素子106、並びに、第1光の干渉波L10及び第2光の干渉波L20を検出する受光素子107が搭載されている。これにより、光モジュール1Bの取り扱いを容易化することができる。なお、測定用の光としては白色光が使用されることが多く、その場合には、測定用の発光素子として外部に準備された白色光源から出力された第1光L1が測定試料に照射され、その反射波或いは透過波が光モジュール1Bに入射するので、測定用の発光素子を光モジュール1Bに搭載する必要性は低い。
[可動ミラーの位置検出方式]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、レーザ光の干渉波(第2光の干渉波L20)に基づいて可動ミラー(第1可動ミラー21、可動ミラー101)の位置を検出している。可動ミラーの位置を検出する方式としては、上述した第1実施形態及び第2実施形態で用いられたレーザ光モニタ方式の他に、電圧モニタ方式及び静電容量モニタ方式がある。
電圧モニタ方式は、第1電極17と第2電極18との間に印加する電圧に基づいて可動ミラーの位置を検出する方式である。図1に示されるアクチュエータ10では、可動ミラーの移動距離が電圧の2乗に比例するため、移動距離が大きくなればなるほど、電圧に対して移動距離が敏感になるため、より精度良く電圧を検出する必要がある。このことは、可動ミラーの可動域全体に渡って同じ精度で可動ミラーの位置を算出することを難しくする理由の1つとなっているが、更に原理的な課題も存在している。
電圧モニタ方式は、アクチュエータ10の動作速度が相対的に低い場合には有効であるが、アクチュエータ10の動作速度が相対的に高い場合には単純ではない。それは、アクチュエータ10が共振周波数を有していることに起因する。機械の共振動作は、共振動作の中心周波数である共振周波数と、その広がりを意味するQ値とで表される。Q値が無限大でない限り、共振周波数の周辺でも、ある程度の共振動作を示すことを意味する。その影響の範囲(周波数範囲)は、Q値の大きさに関係し、Q値が小さいほど、より低周波までその影響が現れる。機械が共振動作を示すとき、その大きさ(移動距離)及び位相が、印加した電圧に完全に一致しなくなる。すなわち、印加した電圧をモニタしても、可動ミラーがそれに応じた動作をしていることにはならなくなる。
MEMS技術が用いられたフーリエ変換型赤外分光分析器(以下、「MEMS−FTIR」という)では、アクチュエータ10を共振周波数或いはそれに近い周波数で動作させるのが一般的である。それは、印加する電圧を小さくし、且つ測定時間を短くすることができるからである(或いは、同一時間内に測定することができるサンプル数が増え、S/N比の改善に繋がるからである)。よって、電圧モニタ方式は、MEMS−FTIRでは、役に立たないことが殆どである。
次に、静電容量モニタ方式は、第1櫛歯部12と第2櫛歯部15との間に生じる静電容量に基づいて可動ミラーの位置を検出する方式である。静電容量モニタ方式は、電子回路の構築のみで実現可能であり、MEMSデバイスへの構造の追加が不要であるため、現在、多くのMEMSデバイスで採用されている。しかし、静電容量モニタ方式にも問題点がある。
通常、MEMS−FTIRでは、可動ミラーの移動距離は、250μm程度、すなわち、光学距離(OPD:Optical Path Length)で500μm程度である。波長精度は、このOPDをどの程度正確に決定し得るかで決まる。例えば、1nmの波長精度を得たければ、1nm/500μm=2×10−6の相対精度が必要となる。通常、第1櫛歯部12と第2櫛歯部15との間に生じる静電容量は、数pF〜10pF程度であるため、容量測定精度として、10pF×2×10−6=20aFが必要となる。この値を安定に測定するのに必要なS/N比を10dB程度と考えると、測定系のノイズレベルは2aF以下に抑えなければならない。
これは、簡単なレベルとは言えず、かなり高度な容量測定アルゴリズム及び電子回路設計が要求される。加えて、容量測定を電子回路で行う限り、温度特性を無視することはできない。したがって、最終的には温度補正も含めて考えなくてはならなくなり、更に難易度は上がる。そのため、実際には、数nm〜10nm程度の波長精度を保証するのが限界であり、1nmの波長精度を保証することはできない。
次に、レーザ光モニタ方式は、レーザ光の干渉波に基づいて可動ミラーの位置を検出する方式である。従来、レーザ光モニタ方式は、据置型のフーリエ変換型赤外分光分析器(以下、「据置型FTIR」という)には採用されているものの、MEMS−FTIRには採用されていない。その理由は次のとおりである。
図5に示されるように、可動ミラーの位置(光学距離)を横軸にとり、レーザ光の干渉信号を縦軸にとると、点Pが位置決定ポイントとなる。点Pは、干渉信号とその平均値(DC成分)とのクロスポイントであり、レーザ光の波長をλとすると、0,λ/2,λ,3λ/2,2λ,5λ/2,・・・という光学位置を示す。これは、正弦波では位置の特定精度が最も高い点がゼロクロスポイントだからである。
このように、波長λのレーザ光を使用すると、λ/2の間隔でサンプリングポイントを決定し得ることになる。理想的には、ゼロクロスポイントをトリガとして実信号をサンプリングすればよい。
一方、フーリエ変換型のデータ処理で考慮しなければならない事項に、サンプリング定理がある。サンプリング定理とは、一定間隔でサンプリングした離散データから元の信号を正確に再現する場合、要求する最大波数の2倍以上の周波数でデータをサンプリングする必要があるというものである。
例えば、波数10000cm−1(波長1μm)を得たければ、周波数20000cm−1(波長にして0.5μm間隔)でデータをサンプリングしなければならない。よって、このときに必要なレーザ光の波長λは1μm以下でなくてはならないことが分かる。
ところで、MEMS−FTIRでは、ビームスプリッタとして、シリコンからなる光学ブロックの側面が利用されており、分割されたレーザ光が、シリコンからなる光学ブロック内を進行する。そのため、波長1.1μm以下のレーザ光は、光学ブロックで吸収されてしまう。よって、MEMS−FTIRでは、使用し得るレーザ光の波長の最小値は、1.1μmとなる。ここで、波長1.3μm、1.55μmのレーザ光源は入手し易いが、レーザ光の干渉波に基づく位置検出の分解能を高めることが困難である。
そこで、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、ビームスプリッタと可動ミラーとの間において可動ミラーの可動方向に沿ってレーザ光が2回以上往復するように、位置検出用の干渉光学系(第2干渉光学系30)を構成している。これは、より短い波長を有するレーザ光を使用しているのと等価であり、レーザ光の干渉波に基づく位置検出の分解能が高いことを意味する。例えば、波長1.3μmのレーザ光を使用して往復回数を2回とした場合、波長0.65μmのレーザ光を使用しているのと等価となり、1.1μmまでの波長範囲を十分にカバーすることができる。
[第2実施形態の光モジュールによる校正例]
まず、測定前に実施する校正例について説明する。アクチュエータ10を一定条件下で動作させた場合には、第1電極17と第2電極18との間に印加する電圧と、可動ミラーの位置との間に一定の相関関係が存在する。そのため、印加する電圧のプロファイルを決めておき、その電圧を印加したときの可動ミラーの位置をモニタしておけば、そのデータを校正データとして利用することができる。すなわち、測定用の光(第1光L1)の入射をカットした状態で校正用のレーザ光(第2光L2)を点灯させて、校正データを取得する。続いて、校正用のレーザ光(第2光L2)を消灯させた状態で測定用の光(第1光L1)を入射させて測定を行い、測定信号を得る。その測定信号を予め取得した校正データに基づいて補正すれば、正しいスペクトルを得ることができる。必要に応じて、定期的に校正データを取得する等の手順を決めれば、より安定したデータの取得が可能となる。
次に、測定前に校正を実施し且つ測定の安定性を監視する校正例について説明する。この校正例では、測定時に校正用のレーザ光(第2光L2)を点灯させていても、図6に示されるように、校正信号のスペクトルは、測定信号のスペクトルとは異なる領域に現れる。図6では、レーザ光として示されるスペクトルが校正信号のスペクトルであり、白色光として示されるスペクトルが測定信号のスペクトルである。
例えば、赤外検出素子に長波長用のInGaAsを用いた場合には、感度範囲は、4500cm−1(波長2.2μm)〜9000cm−1(波長1.1μm)程度となる。当該赤外検出素子自体は、11000cm−1(波長0.9μm)まで感度を有するが、上述したように、MEMS−FTIRでは、約9000cm−1(波長1.1μm)以上の光はシリコンに吸収され、感度はゼロになる。一方、校正用のレーザ光の波長が1.3μm(波数7692cm−1)であるため、その半分(波数では2倍)の位置である0.65μm(波数15385cm−1)に校正信号のスペクトルが現れる。
このように、測定信号のスペクトル(MEMS−FTIRとしての検出波長範囲)とは別の領域に校正信号のスペクトルが現れるため、それらを容易に分離することができる。測定前に校正を実施し且つ測定の安定性を監視する校正例においても、測定前に実施する校正例と同様に、測定時と同一環境と想定される段階で、校正データを取得しておき、測定時には、その校正データを利用する。
測定前に校正を実施し且つ測定の安定性を監視する校正例の利点は、測定信号のスペクトルと同時に校正信号のスペクトルを取得することができるので、補正結果が正しいか否かを検証し得ることにある。校正信号のスペクトルのピーク点の波長及びスペクトルの半値幅を校正データ取得時のそれらと比較し、ずれが生じたら、校正値がずれたと判断し、校正データの再取得を測定者に警告するようにすればよい。なお、測定用の白色光は、インコヒーレントな光であるため、校正用のレーザ光と測定用の白色光との干渉を考慮する必要性は低い。
次に、自動で校正を実施する校正例について説明する。図7に、校正にエラーが発生した場合の校正信号のスペクトルの例を示す。図7では、エラーとして示されるスペクトルが、エラー発生時の校正信号のスペクトルである。計算は、アクチュエータ10の振幅が10%程度増え、且つ動作の位相が動作周期に対して10%程度ずれた場合を想定している。例えば、アクチュエータ10を共振周波数で駆動している際に、電子回路系の基準クロックの周波数が温度の影響でずれたと仮定する。通常、システムは、基準クロックに同期して動作しているため、基準クロックの周波数が正しいか否かは特別な手段を用意しておかない限り判別することができない。よって、このような状況は十分に想定し得る。その場合、アクチュエータ10の共振周波数と実際に駆動しようとする周波数とがずれるため、動作の振幅及び位相がずれることも同様に想定し得る。
この例では、本来の正しい校正信号のスペクトルは検出されないはずであるが、図7には、比較のために、本来の正しい校正信号のスペクトルも示している。また、校正にエラーが発生した場合には、測定信号のスペクトルもエラーを含むため、測定信号のスペクトルも、図7に示されるものとは異なる形になるはずであるが、その部分の詳細は省略する。
ここで注目すべきは、エラー発生時の校正信号のスペクトルの形である。中心波長がずれ、振幅が小さくなり、スペクトルの半値幅が広くなっているが、その影響が測定波長域にまで及んでいるということはない。逆に言えば、測定信号のスペクトルにもエラーが発生するが、その影響が、校正信号のスペクトルにまで及ぶことはないということである。これは、校正にエラーが発生した場合にも、測定信号成分と校正信号成分とをスペクトル上で分離し得ることを意味する。この状態で、スペクトルデータを分離し、校正信号成分のデータのみ、再度、エラーのある校正信号のデータを用いて逆フーリエ変換をかければ、校正信号のみの実時間データを取得することが可能となる。
取得した校正信号のみの実時間データに基づいて校正データを再計算し、その校正データを使って元のデータをフーリエ変換すれば、正しいスペクトルを得ることが可能となる。このとき、使用する実時間データに校正信号成分も含めたデータを用い、変換後の校正信号のスペクトルが本来のスペクトルとして得られたか否かを確認すれば、再校正データが正しいか否かを検証することができる。
もし、本来の校正信号のスペクトルが得られなかった場合には、ずれの程度が大きく、エラーのある校正データで求めた校正信号成分が測定信号成分と混ざってしまい、完全に分離することができなかったことを意味する。そのような場合には、測定者に再校正を行うよう警告する必要がある。
なお、温度特性による微小なずれ等の場合には、図7に示されるように、校正信号のスペクトルの分布は、ある範囲に十分収まり、測定信号との分離は可能となるため、本方式は十分に実用性がある。再校正をすることができないほどの大きなずれが発生するのは、振動や衝撃のような想定しない現象が発生したときである。このような現象が頻繁に発生するような環境の場合、仕様の範囲外となるであろうし、突発的なものならば、その際のデータのみ破棄すればよい。このような場合にも、測定信号と校正信号とを同時にモニタしていれば、異常の発生をリアルタイムに検出することができる。
[変形例]
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、第1光L1bを1回往復させ、第2光L2bを2回往復させたが、本発明は、それに限定されない。本発明では、第1干渉光学系は、第1ビームスプリッタと第1可動ミラーとの間において所定方向(可動部の可動方向)に沿って第1光がm回(mは自然数)往復するように構成されていればよく、第2干渉光学系は、第2ビームスプリッタと第2可動ミラーとの間において所定方向(可動部の可動方向)に沿って第2光がn回(nはmよりも大きい自然数)往復するように構成されていればよい。ただし、mが1であり、nが2であれば、第1干渉光学系及び第2干渉光学系の構成が複雑になるのを抑制しつつ、測定用の干渉光学系を構成する可動ミラー(すなわち、第1可動ミラー)の位置を十分な精度で検出することができる。
ところで、第1実施形態の光モジュール1Aでは、第1光の干渉波L10及び第2光の干渉波L20を別々に取得することができるため、第1光の干渉波L10をアナログ処理することが可能となる。具体的には、まずハイパスフィルタを通して、DC成分をカットする。続いて、コンパレータを通して、プラスからマイナス或いはマイナスからプラスに転じるポイントで変化する矩形信号を得る。そして、この矩形信号の立ち上がり及び立下りで測定信号のA/D変換データのトリガをかけるようにすればよい。一方、第2実施形態の光モジュール1Bでは、第1光の干渉波L10及び第2光の干渉波L20の両方をデジタルデータとして取り込む必要があるため、サンプリング周期は、最低でも8点、可能であれば16点程度、設定する必要がある。よって、むやみに往復回数を増やすことはオーバースペックとなるおそれがある。なお、第1実施形態の光モジュール1Aにおいて、第1光出射部7を伝播する第1光の干渉波L10、及び第2光出射部9を伝播する第2光の干渉波L20を1本の光ファイバに合流させて、1つの受光素子に入射させるようにしてもよい。
また、第1実施形態の光モジュール1Aは、第2光入射部8、第2光出射部9に替えて、第2光L2を出力する発光素子と、第2光の干渉波L20を検出する受光素子と、を備え、更には、第1光入射部6に替えて、測定用の発光素子として第1光L1を出力する白色光源を備えてもよい。その場合、第1光出射部7から出射された第1光の干渉波L10が測定試料に照射され、その反射波或いは透過波が、外部に準備された受光素子によって受光される。これによれば、第2光L2を出力する発光素子、第2光の干渉波L20を検出する受光素子、及び測定用の発光素子が光モジュール1Aに搭載されるので、光モジュール1Aの取り扱いを容易化することができる。なお、第1光の干渉波L10は、外部に準備された受光素子によって受光される。そのため、第1光の干渉波L10を検出する受光素子を光モジュール1Aに搭載する必要性は低い。
また、第1実施形態の光モジュール1Aは、第2光入射部8、第2光出射部9に替えて、第2光L2を出力する発光素子と、第2光の干渉波L20を検出する受光素子と、を備え、更には、第1光出射部7に替えて、第1光の干渉波L10を検出する受光素子を備えてもよい。その場合、測定用の発光素子として外部に準備された白色光源から出力された第1光L1が測定試料に照射され、その反射波或いは透過波が、第1光入射部6及び第1干渉光学系20を介して受光素子によって受光される。これによれば、第2光L2を出力する発光素子、第2光の干渉波L20を検出する受光素子、及び第1光の干渉波L10を検出する受光素子が光モジュール1Aに搭載されるので、光モジュール1Aの取り扱いを容易化することができる。なお、第1光L1は、測定用の発光素子として外部に準備された白色光源から出力される。そのため、測定用の発光素子を光モジュール1Aに搭載する必要性は低い。
また、第2実施形態の光モジュール1Bは、発光素子106及び受光素子107に替えて、第2光L2を入射させる第2光入射部と、第1光の干渉波L10及び第2光の干渉波L20を出射させる光出射部と、を更に備えてもよい。この場合、光モジュール1Bの使用時には、例えば、光ファイバである光入射部105の光入射端に白色光源が接続され、光ファイバである第2光入射部の光入射端にレーザ光源が接続され、光ファイバである光出射部の光出射端に光検出素子が接続される。このように、光源及び光検出素子を光モジュール1Bに搭載する必要がなくなるため、干渉光学系(第1干渉光学系及び第2干渉光学系)の設計の自由度を向上させることができる。
また、各第1固定部11に電気的に接続された第1貫通電極、及び各第2固定部13に電気的に接続された第2貫通電極を基板2及び絶縁層3に設け、第1貫通電極と第2貫通電極との間に電圧を印加してもよい。また、アクチュエータ10は、静電アクチュエータに限定されず、例えば、圧電式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ等であってもよい。
1A,1B…光モジュール、6…第1光入射部、7…第1光出射部、8…第2光入射部、9…第2光出射部、10…アクチュエータ、16…可動部、16a…一端部、16b…他端部、20…第1干渉光学系、21…第1可動ミラー、22…第1固定ミラー、23a…第1ビームスプリッタ、30…第2干渉光学系、31…第2可動ミラー、32…第2固定ミラー、33a…第2ビームスプリッタ、101…可動ミラー(第1可動ミラー、第2可動ミラー)、102…固定ミラー(第1固定ミラー)、103a…光入出射面(第1ビームスプリッタ、第2固定ミラー)、103b…光入出射面(第2ビームスプリッタ)、105…光入射部(第1光入射部)、106…発光素子、107…受光素子、A…方向(所定方向)、L1,L1a,L1b…第1光、L10…第1光の干渉波、L2,L2a,L2b…第2光、L20…第2光の干渉波。

Claims (9)

  1. 所定方向に沿って移動する可動部を有するアクチュエータと、
    前記可動部に設けられた第1可動ミラー、並びに、位置が固定された第1固定ミラー及び第1ビームスプリッタを有し、第1光の干渉波を得る第1干渉光学系と、
    前記可動部に設けられた第2可動ミラー、並びに、位置が固定された第2固定ミラー及び第2ビームスプリッタを有し、第2光の干渉波を得る第2干渉光学系と、を備え、
    前記第1干渉光学系は、前記第1ビームスプリッタと前記第1可動ミラーとの間において前記所定方向に沿って前記第1光がm回(mは自然数)往復するように構成されており、
    前記第2干渉光学系は、前記第2ビームスプリッタと前記第2可動ミラーとの間において前記所定方向に沿って前記第2光がn回(nは前記mよりも大きい自然数)往復するように構成されている、光モジュール。
  2. 前記mは1であり、前記nは2である、請求項1記載の光モジュール。
  3. 前記第2光はレーザ光である、請求項1又は2記載の光モジュール。
  4. 前記第1可動ミラーは、前記所定方向における前記可動部の一端部に設けられており、
    前記第2可動ミラーは、前記所定方向における前記可動部の他端部に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項記載の光モジュール。
  5. 前記第1光を入射させる第1光入射部と、
    前記第1光の干渉波を出射させる第1光出射部と、
    前記第2光を入射させる第2光入射部と、
    前記第2光の干渉波を出射させる第2光出射部と、を更に備える、請求項4記載の光モジュール。
  6. 前記第2光を出力する発光素子と、
    前記第2光の干渉波を検出する受光素子と、を更に備える、請求項4記載の光モジュール。
  7. 前記第1可動ミラー及び前記第2可動ミラーは、前記所定方向における前記可動部の端部に設けられており、少なくとも一部を共有している、請求項1〜3のいずれか一項記載の光モジュール。
  8. 前記第1光を入射させる第1光入射部と、
    前記第2光を入射させる第2光入射部と、
    前記第1光の干渉波及び前記第2光の干渉波を出射させる光出射部と、を更に備える、請求項7記載の光モジュール。
  9. 前記第2光を出力する発光素子と、
    前記第1光の干渉波及び前記第2光の干渉波を検出する受光素子と、を更に備える、請求項7記載の光モジュール。
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