〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「シート」、「フィルム」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」は、フィルムとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられ、また「フィルム」は、シートとも呼ばれ得るような部材も含む意味で用いられる。図1は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図であり、図2は図1に示されるレンズシートの斜視図であり、図3は図2のレンズシートのI−I線に沿った断面図であり、図4は図1に示される光波長変換シートの概略構成図である。図5は図4に示される光波長変換シートの作用を示す図であり、図6は図4に示される光波長変換シートの製造工程を模式的に示す図であり、図7は図4に示される光波長変換シートの製造工程を模式的に示す図である。図8は本実施形態に係る他の画像表示装置の概略構成図である。
[画像表示装置]
図1に示される画像表示装置10は、バックライト装置20と、バックライト装置20の出光側に配置された表示パネル80とを備えている。画像表示装置10は、画像を表示する表示面10Aを有している。図1に示される画像表示装置10においては、表示パネル80の表面が表示面10Aとなっている。
バックライト装置20は、表示パネル80を背面側から面状に照らすものである。表示パネル80は、バックライト装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面10Aに像を表示するように構成されている。
<<<表示パネル>>>
図1に示される表示パネル80は、入光側に配置された偏光板81と、出光側に配置された偏光板82と、偏光板81と偏光板82との間に配置された表示素子83とを備えている。表示パネル80は、表示素子83を備えていればよく、偏光板81、82は備えていなくともよい。偏光板81、82は、入射した光を直交する二つの直線偏光成分(S偏光およびP偏光)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P偏光)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収する機能を有している。なお、図1に示される表示パネル80は、液晶表示パネルである。
表示素子83が液晶表示素子の場合には、表示素子83は一つの画素を形成する領域毎に、電圧の印加がなされ得るように構成されている。そして、電圧印加の有無によって表示素子83中の液晶分子の配向方向が変化するようになる。一例として、入光側に配置された偏光板81を透過した特定方向の直線偏光成分は、電圧印加がなされた表示素子83を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電圧印加がなされていない表示素子83を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、表示素子83への電圧印加の有無によって、偏光板81を透過した特定方向に振動する直線偏光成分を偏光板82に対して透過させ、または偏光板82で吸収して遮断することができる。このようにして、表示パネル80では、バックライト装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るように構成されている。なお、液晶表示パネルの詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
<<<バックライト装置>>>
図1に示されるバックライト装置20は、エッジライト型のバックライト装置として構成され、光源25と、光源25の側方に配置された導光板としての光学板30と、光学板30の出光側に配置された光波長変換シート40と、光波長変換シート40の出光側に配置されたレンズシート60と、レンズシート60の出光側に配置されたレンズシート65と、レンズシート65の出光側に配置された反射型偏光分離シート70と、光学板30の出光側とは反対側に配置された反射シート75とを備えている。バックライト装置20は、光学板30、レンズシート60、65、反射型偏光分離シート70、反射シート75を備えているが、これらのシート等は備えられていなくともよい。本明細書において、「出光側」とは、各部材においてバックライト装置から出射する方向に向かう光が出射される側を意味する。
バックライト装置20は、面状に光を発光する発光面20Aを有している。図1に示されるバックライト装置20においては、反射型偏光分離シート70の出光面がバックライト装置20の発光面20Aとなっている。
<<光源>>
光源25は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状の発光ダイオード(LED)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源25は、光学板40の後述する入光面40C側に、線状に並べて配置された多数の点状発光体、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。
バックライト装置20においては光波長変換シート40が配置されていることに伴い、光源25は、単一の波長域の光を放出する発光体のみを用いることができる。例えば、光源は、色純度の高い青色光を発する青色発光ダイオードのみを用いることができる。
<<光学板>>
導光板としての光学板30は、平面視形状が四角形形状に形成されている。光学板30は、表示パネル80側の一方の主面によって構成された出光面30Aと、出光面30Aに対向するもう一方の主面からなる裏面30Bと、出光面30Aおよび裏面30Bの間を延びる側面と、を有している。側面のうちの光源25側の側面が、光源25からの光を受ける入光面30Cとなっている。入光面30Cから光学板30内に入射した光は、入光面30Cと、入光面30Cと対向する反対面とを結ぶ方向(導光方向)に光学板内を導光され、出光面30Aから出射される。
光学板30を構成する材料としては、画像表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。なお、必要に応じて、光学板30中に光を拡散させる機能を有する光拡散材を添加することもできる。光拡散材としては、例えば、平均粒子径が0.5μm以上100μm以下のシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を用いることができる。
<<レンズシート>>
レンズシート60、65は、入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させる機能を有する。本実施形態においては、図3に示されるように、入射角度が大きい光L1の進行方向を変化させて出光側から出射させて、正面方向の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)とともに、入射角度が小さい光L2を反射させて、光波長変換シート40側に戻す機能(再帰反射機能)を有している。レンズシート60、65は、図2に示されるように光透過性基材61と、光透過性基材61の一方の面に設けられたレンズ層62とを備えている。
<光透過性基材>
光透過性基材61は、後述する光透過性基材50、51と同様のものであるので、ここでは説明を省略するものとする。
<レンズ層>
レンズ層62は、図2および図3に示されるように、シート状の本体部63、および本体部63の出光側に並べて配置された複数の単位レンズ64を備えている。
本体部63は、単位レンズ64を支持するシート状部材として機能する。図3に示されるように、本体部63の出光側面63A上には、単位レンズ64が隙間をあけることなく並べられている。したがって、レンズシート60、65の出光面60B、65Bは、レンズ面によって形成されている。その一方で、図3に示すように、本体部63における出光側面63Aに対向する入光側面63Bは、レンズ層62の入光側面をなす平滑な面となっている。
単位レンズ64は、本体部63の出光側面63A上に並べて配列されている。図2に示されるように単位レンズ64は、単位レンズ64の配列方向ADと交差する方向に線状、とりわけ本実施の形態においては直線状に、延びている。また本実施の形態において、レンズシート60、65に含まれる多数の単位レンズ64は、互いに平行に延びている。また、レンズシート60、65の単位レンズ64の長手方向LDは、レンズシート60、65における単位レンズ64の配列方向ADと直交している。
単位レンズ64は、三角柱状であってもよいし、波状や例えば半球状のような椀状であってもよい。具体的には、単位レンズとしては、単位プリズム、単位シリンドリカルレンズ、単位マイクロレンズ等が挙げられる。本実施形態では、単位レンズとして、出光側に向けて幅が狭くなる三角柱状の単位プリズムについて説明する。レンズシート60、65のシート面の法線方向NDおよび単位レンズ64の配列方向ADの両方に平行な断面(レンズシートの主切断面とも呼ぶ)の形状は、出光側に突出する三角形形状となっている。とりわけ、正面方向輝度を集中的に向上させるという観点から、主切断面における単位レンズ64の断面形状は二等辺三角形形状であるとともに、等辺の間に位置する頂角が本体部63の出光側面63Aから出光側に突出するように、各単位レンズ64が構成されている。
単位レンズ64は、光の利用効率を向上させる観点から、80°以上100°以下の頂角を有することが好ましく、約90°の頂角を有することがより好ましい。ただし、光波長変換シートの巻き取りの際における単位レンズの先端の破損を考慮すると、単位レンズ64の先端は曲面であってもよい。
レンズシート60、65の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、単位レンズ64の具体例として、単位レンズ64の配列ピッチ(図示された例では、単位レンズ64の幅に相当)を10μm以上200μm以下とすることができる。ただし、昨今においては、単位レンズ64の配列の高精細化が急速に進んでおり、単位レンズ64の配列ピッチを10μm以上50μm以下とすることが好ましい。また、レンズシート60、65のシート面への法線方向NDに沿った本体部63からの単位レンズ64の突出高さを5μm以上100μm以下とすることができる。さらに、単位レンズ64の頂角θを60°以上120°以下とすることができる。
図1から理解され得るように、レンズシート60の単位レンズ64の配列方向とレンズシート60の単位レンズ64の配列方向とは交差、さらに限定的には直交している。
<<反射型偏光分離シート>>
反射型偏光分離シート70は、レンズシート65から出射される光のうち、第1の直線偏光成分(例えば、P偏光)のみを透過し、かつ第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分(例えば、S偏光)を吸収せずに反射する機能を有する。反射型偏光分離シート70で反射された第2の直線偏光成分は再度反射され、偏光が解消された状態(第1の直線偏光成分と第2の直線偏光成分とを両方含んだ状態)で、再度、反射型偏光分離シート70に入射する。よって、反射型偏光分離シート70は再度入射する光のうち第1の直線偏光成分を透過し、第1の直線偏光成分と直交する第2の直線偏光成分は再度反射される。以下、同上の過程を繰り返す事により、レンズシート65から出光した光の70〜80%程度が第1の直線偏光成分となった光源光として出光される。したがって、反射型偏光分離シート70の第1の直線偏光成分(透過軸成分)の偏光方向と表示パネル80の偏光板81の透過軸方向とを一致させることにより、バックライト装置20からの出射光は全て表示パネル80で画像形成に利用可能となる。したがって、光源25から投入される光エネルギーが同じであっても、反射型偏光分離シート70を未配置の場合に比べて、より高輝度の画像形成が可能となり、また光源25のエネルギー利用効率も向上する。とりわけ、反射型偏光分離シート70で反射された光は、光波長変換シート40で波長変換が行われ得る。したがって、反射型偏光分離シート70を配置することによって、光波長変換シート40の波長変換効率がさらに上昇させることができる。したがって、更なる光の利用効率の改善を期待することができる。
反射型偏光分離シート70としては、3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。また、「DBEF」以外にも、Shinwha Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」やワイヤーグリッド偏光子等を、反射型偏光分離シート70として用いることができる。
<<反射シート>>
反射シート75は、光学板30の裏面30Bから漏れ出した光を反射して、再び光学板30内に入射させる機能を有する。反射シート75は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。反射シート75での反射は、正反射(鏡面反射)でもよく、拡散反射でもよい。反射シート75での反射が拡散反射の場合には、当該拡散反射は、等方性拡散反射であってもよいし、異方性拡散反射であってもよい。
<<光波長変換シート>>
図4に示される光波長変換シート40は、入射する光のうち一部の光の波長を他の波長に変換し、入射した光の他の一部および波長変換された光を出射させるシートである。
光波長変換シート10における光学板30側の面が入光面40Aとなっており、光波長変換シート40におけるレンズシート60側の面が出光面40Bとなっている。
光波長変換シート40は、光波長変換層41と、光波長変換層41の両面に設けられたバリアフィルム42、43と、バリアフィルム42、43における光波長変換層41側の面とは反対側の面に設けられた光拡散層44、45とを備えている。光波長変換シート40においては、光拡散層44、45の表面が光波長変換シート40の入光面40Aおよび出光面40Bを構成している。
光波長変換シート40は、光拡散層44/バリアフィルム42/光波長変換層41/バリアフィルム43/光拡散層45の構造となっているが、光波長変換シートが光波長変換層を有していれば、光波長変換シートの構造は特に限定されない。例えば、光波長変換シートは、光波長変換層のみ、光拡散層/バリアフィルム/光波長変換層/バリアフィルム、光拡散層/バリアフィルム/光波長変換層、バリアフィルム/光波長変換層、またはバリアフィルム/光波長変換層/バリアフィルムの構成であってもよい。
光波長変換シート40においては、光波長変換シート40の外部ヘイズ値は光波長変換シート40の内部ヘイズ値よりも小さくなっていることが好ましい。すなわち、光波長変換シート40は、下記式(1)の関係を満たしていることが好ましい。
内部ヘイズ値>外部ヘイズ値 …(1)
内部ヘイズは、光波長変換シートの内部に起因するヘイズ値であり、光波長変換シートにおける表面の凹凸形状を加味しないものである。これに対し、外部ヘイズ値は、光波長変換シートにおける表面の凹凸形状のみに起因するものである。
内部ヘイズ値および外部ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、求めることができる。具体的には、まず、ヘイズメーターを用いて、JIS K7136に従って光波長変換シートの全ヘイズ値を測定する。その後、光波長変換シートの両面に、膜厚が25μmの透明光学粘着層(製品名「パナクリーンPD−S1」、パナック社製)を介して厚みが60μmのトリアセチルセルロース基材(製品名「TD60UL」、富士フイルム社製)を貼り付ける。これによって、光波長変換シートの表面の凹凸形状が潰れ、光波長変換シートの表面が平坦化される。そして、この状態で、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従ってヘイズ値を測定することで内部ヘイズ値を求める。また、外部ヘイズ値は、全ヘイズから内部ヘイズを差し引くことによって求められる。本明細書における「外部ヘイズ値」は、光波長変換シート全体の外部ヘイズ値を意味する。すなわち、本明細書における外部ヘイズ値は、光波長変換シートの一方の表面における外部ヘイズ値と光波長変換シートの他方の表面における外部ヘイズ値の合計を意味する。
内部ヘイズ値と外部ヘイズ値は関係性がある。具体的には、内部ヘイズ値が大きくなると、同一の表面凹凸を有する場合でも外部ヘイズが小さくなる傾向がある。これは、以下の理由からであると考えられる。JIS K7136には、ヘイズは、試験片を通過する透過光のうち、前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率であることが規定されている。すなわち、ヘイズの定義においては入射光に対し2.5°以上それた透過光はヘイズとして測定されるが、入射光に対し2.5°未満の透過光であればヘイズとして測定されない。一方で、内部ヘイズが大きい光波長変換シートにおいては、内部ヘイズがそれよりも小さい光波長変換シートに比べて、光はシート内部でより散乱されるので、シート表面に到達する入射光に対して2.5°未満の透過光は少なくなる。このため、内部ヘイズが大きい光波長変換シートと内部ヘイズがそれよりも小さい光波長変換シートが同一の表面凹凸を有する場合、内部ヘイズが大きい光波長変換シートの方が、内部ヘイズがそれよりも小さい光波長変換シートに比べて、表面凹凸による影響が少なくなる。したがって、シート表面に存在する表面凹凸の影響のみを考えた場合、内部ヘイズが大きい光波長変換シートと内部ヘイズがそれよりも小さい光波長変換シートが同じ表面凹凸を有していたとしても、内部ヘイズが大きい光波長変換シートの方が、内部ヘイズがそれよりも小さい光波長変換シートに比べて、表面凹凸から出射する入射光に対して2.5°未満の透過光のみならず、表面凹凸から出射する入射光に対して2.5°以上それた透過光も、少なくなる。よって、内部ヘイズ値が大きくなると、同一の表面凹凸を有する場合でも外部ヘイズが小さくなると考えられる。
光波長変換シート40において、光波長変換シート40の外部ヘイズ値を光波長変換シート40より小さくするためには、例えば、光波長変換シート40の内部に光散乱性粒子を添加することが挙げられる。光散乱性粒子は、光波長変換層41の他、基材となるバリアフィルム42、43中にも添加されてもよく、また光拡散層44、45中にも添加されてもよい。光散乱性粒子が添加された層が最外層である場合には、外部ヘイズを伴うことがあるため、最外層の表面凹凸を制御することにより上記の内部ヘイズと外部ヘイズの関係性を満たすことができる。
光波長変換シート40における内部ヘイズ値に対する外部ヘイズ値の割合(外部ヘイズ値/内部ヘイズ値)は、0以上0.1以下であることが好ましく、0以上0.05以下であることがより好ましい。この割合がこの範囲内にあれば、内部ヘイズによって光を充分に拡散させて、量子ドットを複数回励起させることができる。
光波長変換シート40における外部ヘイズ値は10%以下(0%を含む)であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。外部ヘイズ値が10%以下であることにより、レンズシート等の再帰反射性シートで再帰反射が生じやすくなる。
光波長変換シート40における内部ヘイズ値は60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。内部ヘイズ値が60%以上であることにより、内部ヘイズによって光を充分に拡散させて、量子ドットを複数回励起させることができ、また、外部ヘイズ値をより小さくすることができる。
光波長変換シート40の入光面10Aおよび出光面10Bは、貼り付き防止の観点から、凹凸形状を有していることが好ましい。すなわち、光波長変換シートはバックライト装置内では光学板やレンズシートと接触しているが、光波長変換シートと光学板やレンズシートとが貼り付いてしまうと、光波長変換シートと光学板との間の界面や光波長変換シートとレンズシートとの間の界面にウエットアウトと呼ばれる水で濡らしたようなパターンが形成されてしまうおそれがある。これに対し、光波長変換シート40のように入光面10Aおよび出光面10Bが凹凸形状を有している場合には、光学板30の出光面30Aが入光面40Aの一部(例えば、凸部)に密着し、またレンズシート60の入光面60Aが出光面40Bの一部(例えば、凸部)に密着するが、光学板30の出光面30Aは入光面40Aの他の部分(例えば、凹部)と離間し、またレンズシート60の入光面60Aは出光面40Bの他の部分(例えば、凹部)と離間している。この場合、出光面30Aと入光面40Aの他の部分との隙間および入光面60Aと出光面40Bの他の部分との隙間は空気層となっている。この空気層が存在することにより、出光面30Aと入光面40Aおよび入光面60Aと出光面40Bが光学的に密着するように光波長変換シート40と光学板30およびレンズシート60とを固定した場合であっても、光波長変換シート40と光学板30およびレンズシート65とが貼り付くことを抑制できるので、光波長変換シート40と光学板30との間の界面および光波長変換シート40とレンズシート60との間の界面にウエットアウトが形成されることを抑制できる。
光波長変換シート40の入光面40Aおよび出光面40Bの算術平均粗さ(Ra)は、光波長変換シートと光学板やレンズシートとの貼り付きをより防止するために、それぞれ0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
上記「Ra」の定義は、JIS B0601−1994に従うものとする。Raは、例えば、表面粗さ測定器(製品名「SE−3400」、小坂研究所社製)を用いて測定することができる。
青色光を発する光源を用い、青色光を緑色光に変換する量子ドットおよび青色光を赤色光に変換する量子ドットの両方を含む光波長変換シート40に照射したとき、光波長変換シートにおける透過光のうち青色光の光強度のピーク値に対する緑色光の光強度のピーク値の割合(緑色光の光強度のピーク値/青色光の光強度のピーク値)は、0.3以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上1.5以下であることがより好ましい。
また光波長変換シート40における透過光のうち青色光の光強度のピーク値に対する赤色光の光強度のピーク値の割合(赤色光の光強度のピーク値/青色光の光強度のピーク値)は、0.3以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上1.5以下であることがより好ましい。
本明細書における「青色光」とは、380nm以上480nm未満の波長域を有する光であり、「緑色光」とは、480nm以上590nm未満の波長域を有する光であり、「赤色光」とは、590nm以上750nm以下の波長域を有する光である。また、上記各光の光強度は、分光放射輝度計(例えば、製品名「CS2000」、コニカミノルタ社製)を用いて測定することができる。
青色光を発する光源を用い、青色光を緑色光に変換する量子ドットおよび青色光を赤色光に変換する量子ドットの両方を含む光波長変換シート40に照射したとき、光波長変換シートにおける透過光の色度x、yは、それぞれ0.1以上0.35以下であることが好ましく、0.15以上0.25以下であることがより好ましい。光波長変換シートにおける透過光の色度がこの範囲にあることにより、白色光または白色に近い色の光を得ることができる。色度x、yはCIE1931−XYZ表色系の色度である。光波長変換シートにおける透過光の色度x、yは、分光放射計(製品名「SR−UL2」、トプコン社製)を用いてJIS Z8701に準拠して測定することができる。
光波長変換シート40の平均厚みは、10μm以上500μm以下となっていることが好ましい。光波長変換シート40の平均厚みがこの範囲であれば、バックライト装置の軽量化および薄膜化に適している。
光波長変換シート40の平均厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)でランダムに20ヶ所撮影した断面の画像を用いて算出できる。これらの中でも、光波長変換シート40の膜厚がμmオーダーであることを考慮すると、SEMを用いることが好ましい。SEMの場合、加速電圧は30kV、倍率は1000〜7000倍とすることが好ましく、TEM又はSTEMの場合、加速電圧は30kV、倍率は5万〜30万倍とすることが好ましい。
<光波長変換層>
光波長変換層41は、ホストマトリクス46と、ホストマトリクス46に分散された蛍光体としての量子ドット47と、ホストマトリクス46に分散された表面プラズモン励起粒子48とを含んでいる。光波長変換層41は、光散乱性粒子49をさらに含んでいてもよい。光波長変換層41が光散乱性粒子49を含むことにより、内部ヘイズを高めることができる。
光波長変換層41の平均膜厚は、10μm以上200μm以下となっていることが好ましく、30μm以上200μm以下であることがより好ましい。この光波長変換層41の平均厚みがこの範囲であれば、バックライト装置の軽量化および薄膜化に適している。光波長変換層の膜厚は、光波長変換シートの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、20箇所ランダムに撮影し、その断面の画像から算出することができる。
本実施形態および本実施形態以降の実施形態においては、蛍光体として量子ドットを用いて説明しているが、蛍光体は量子ドットに限定されず、量子ドットの代わりにまたは量子ドットとともに量子ドット以外の蛍光体を光波長変換層に含ませてもよい。量子ドット以外の蛍光体としては、特に限定されないが、例えば、無機蛍光体、有機色素、および/または有機金属錯体等が挙げられる。また、青色光を発する光源を用いる場合には、青色光を緑色光に変換する蛍光体(緑色発光蛍光体)および青色光を赤色光に変換する蛍光体(赤色発光蛍光体)を用いることができる。
緑色発光蛍光体としては、例えばY3Al5O12:Ce3+、Tb3Al5O12:Ce3+、BaY2SiAl4O12:Ce3+、Ca3Sc2Si3O12:Ce3+、(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+、CaSc2O4:Ce3+、Ba3Si6O12N2:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+(Si6−zAlzOzN8−z:Eu2+、0<z≦4.2)、SrGa2S4:Eu2+、LaSiN:Ce3+、CaSi2O2N2:Eu2+、Lu3Al5O12:Ce3+(LAG)又はSrSi2O2N2:Eu2+等の緑色発光無機蛍光体、緑色発光有機色素、緑色発光有機金属錯体等が挙げられる。
赤色発光蛍光体としては、例えば、CaAlSiN3:Eu2+、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+、Sr2Si5N8:Eu2+、Sr2(Si,Al)5(N,O)8:Eu2+、CaS:Eu2+、La2O2S:Eu3+、K2SiF6:Mn4+等の赤色発光蛍光体、赤色発光有機色素、赤色発光有機金属錯体等が挙げられる。
(ホストマトリクス)
光波長変換シート40に用いられる光波長変換層41中のホストマトリクス46としては、特に限定されないが、バインダ樹脂、シリカガラス等のガラス、およびシリカゲルの少なくともいずれかが挙げられる。バインダ樹脂としては、特に限定されないが、硬化性バインダ樹脂前駆体の硬化物(重合物、架橋物)が挙げられる。硬化性バインダ樹脂前駆体としては、電離放射線重合性化合物および/または熱硬性樹脂が挙げられる。電離放射線重合性化合物は、電離放射線重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「電離放射線重合性官能基」とは、電離放射線照射により重合反応し得る官能基である。電離放射線重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、本明細書における電離放射線としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線が挙げられる。
電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマー、電離放射線重合性オリゴマー、または電離放射線重合性プレポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して、用いることができる。電離放射線重合性化合物としては、電離放射線重合性モノマーと、電離放射線重合性オリゴマーまたは電離放射線重合性プレポリマーとの組み合わせが好ましい。
電離放射線重合性モノマーは、重量平均分子量が1000以下のものである。電離放射線重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を含むモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
電離放射線重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え10000以下のものである。上記電離放射線重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましく、電離放射線重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。上記多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線重合性プレポリマーは、重量平均分子量が1万を超えるものであり、重量平均分子量としては1万以上8万以下が好ましく、1万以上4万以下がより好ましい。重量平均分子量が8万を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光波長変換層の外観が悪化するおそれがある。このため、重量平均分子量が8万を超える電離放射線重合性プレポリマーを用いている場合には、上記電離放射線重合性モノマーや上記電離放射線重合性オリゴマーを混合して用いることが好ましい。多官能プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、硬化性や耐熱性の観点から、エポキシ樹脂やウレタン樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂(主剤)と、酸無水物、アミン化合物、又はアミノ樹脂(硬化剤)と、光カチオン重合開始剤との組み合わせが挙げられる。主剤としてのエポキシ樹脂としては、一分子中にエポキシ基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを使用できる。
ウレタン樹脂としては、ポリオール化合物(主剤)と、イソシアネート系化合物(硬化剤)の組み合わせが挙げられる。ウレタン樹脂において、主剤として使用されるポリオール化合物については、特に制限されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ウレタン樹脂において、硬化剤として使用されるイソシアネート系化合物については、特に制限されないが、例えば、例えば、ポリイソシアネート、そのアダクト体、そのイソシアヌレート変性体、そのカルボジイミド変性体、そのアロハネート変性体、そのビュレット変性体等が挙げられる。前記ポリイソシアネートとしては、具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ジイソシアネート;トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。前記アダクト体としては、具体的には、前記ポリイソシアネートに、トリメチロールプロパン、グリコール等を付加したものが挙げられる。これらのイソシアネート系化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(量子ドット)
量子ドット47は、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有するナノサイズの半導体粒子である。量子ドット47の粒子径および平均粒子径は、例えば、1nm以上20nm以下となっている。量子ドット47は、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドット47のエネルギーバンドギャップに該当するエネルギーを放出する。よって、量子ドット47の粒子径又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。とりわけ、量子ドット47は、狭い波長帯で強い蛍光を発生することができる。
具体的には、量子ドット47は粒子径が小さくなるに従い、エネルギーバンドギャップが大きくなる。すなわち、結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトする。そのため、量子ドットの粒子径を変化させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長全域にわたって、その発光波長を調節することができる。例えば、量子ドットの粒子径が2.0nm以上3.5nm以下の場合は青色光を発し、量子ドットの粒子径が4.0nm以上5.0nm以下の場合は緑色光を発し、量子ドットの粒子径が5.5nm以上6.5nm以下の場合は赤色光を発する。
量子ドット47としては、1種類の量子ドットを用いてもよいが、粒子径または材料等が異なることにより、それぞれ単独の波長域の発光帯を有する2種類以上の量子ドットを用いることも可能である。光波長変換シート40は、図4に示されるように、量子ドット47として、第1の量子ドット47Aと、第1の量子ドット47Aとは異なる波長域の発光帯を有する第2の量子ドット47Bとを含んでいる。
図5に示されるように、光波長変換シート40の入光面40Aから光を入射させた場合には、量子ドット47に入射した光L3は光L3とは異なる波長の光L4に変換されて、出光面40Bから出射する。一方、入光面40Aから光を入射させた場合であっても、量子ドット47間を通過する光L3は波長変換されずに、出光面40Bから出射する。
上記したように光波長変換シート40から出射される光としては波長変換されない光も存在するので、光源として青色光を発する光源を用い、第1の量子ドット47Aとして青色光を緑色光に変換する量子ドットを用い、第2の量子ドット47Bとして青色光を赤色光に変換する量子ドットを用いた場合には、光波長変換シート40から、青色光、緑色光、赤色光が混合した光を出射させることができる。
量子ドット47は、所望の狭い波長域で強い蛍光を発生することができる。このため、光波長変換シート40を用いたバックライト装置は、色純度の優れた三原色の光で、表示パネルを照明することができる。この場合、表示パネルは、優れた色再現性を有することになる。
量子ドット47は、主に、約2nm以上10nm以下の半導体化合物からなるコアと、このコアと異なる半導体化合物からなるシェルとを有するコアシェル型構造を有していてもよい。シェルはコアを保護する保護層としての機能を有する。
コアとなる材料としては、例えば、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe及びHgTeのようなII−VI族半導体化合物、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InN、InAs、InP、InSb、TiN、TiP、TiAs及びTiSbのようなIII−V族半導体化合物、Si、Ge及びPbのようなIV族半導体、等の半導体化合物又は半導体を含有する半導体結晶が挙げられる。また、InGaPのような3元素以上を含んだ半導体化合物を含む半導体結晶を用いることもできる。これらの中でも、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒子径の制御性等の観点から、CdS、CdSe、CdTe、InP、InGaP等の半導体結晶が好適である。
シェルは、励起子がコアに閉じ込められるように、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い半導体化合物を用いることで、量子ドットの発光効率を高めることができる。このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
量子ドット47の形状は特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。量子ドット16の粒子径は、量子ドット47の形状が球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
量子ドット47の粒子径、平均粒子径、形状、分散状態等の情報については、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)により得ることができる。量子ドットの平均粒子径は、透過型電子顕微鏡または走査透過型電子顕微鏡を用いて光波長変換層の断面を観察し、この観察画像から測定された20個の量子ドットの直径の平均値として求めることができる。また、量子ドットは粒子径によって発光色が変化するので、量子ドットの発光色の確認から量子ドットの粒子径を求めることも可能である。また、量子ドットの結晶構造、結晶子サイズについては、X線結晶回折(XRD)により知ることができる。さらには、紫外−可視(UV−Vis)吸収スペクトルによって、量子ドットの粒子径等に関する情報を得ることもできる。
光波長変換層41中の量子ドット47の含有量は、0.01質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。量子ドット47の含有量が0.01質量%未満であると、充分な発光強度が得られないおそれがあり、また、量子ドット47子の含有量が2質量%を超えると、充分な励起光の透過光強度が得られないおそれがある。なお、硬化物である光波長変換層中の量子ドットの質量%、表面プラズモン励起粒子の質量%、および後述する光散乱性粒子の質量%は、以下の方法によって概略算出することができる。まず、光波長変換シートから光波長変換層の少なくとも一部をサンプリングし、その質量を測定する。次いで、酸処理等によってホストマトリクス成分を溶解した後、誘導結合プラズマ発光分光分析法等によって、量子ドットの成分の質量、および表面プラズモン励起粒子の成分の質量、光散乱性粒子の成分の質量をそれぞれ測定する。そして、サンプリングした光波長変換層の少なくとも一部の質量と測定された量子ドットの質量に基づいてサンプリングした光波長変換層の少なくとも一部に含まれる量子ドットの質量の割合を算出する。同様に、サンプリングした光波長変換層の少なくとも一部の質量と測定された表面プラズモン励起粒子の質量に基づいてサンプリングした光波長変換層の少なくとも一部に含まれる表面プラズモン励起粒子の質量の割合を算出する。また、サンプリングした光波長変換層の少なくとも一部の質量と測定された光散乱性粒子の質量に基づいてサンプリングした光波長変換層の少なくとも一部に含まれる光散乱性粒子の質量の割合を算出する。
(表面プラズモン励起粒子)
表面プラズモン励起粒子48は、光照射によって、表面プラズモンを励起可能な平均粒子径200nm以下の粒子である。表面プラズモン励起粒子に照射する光としては、特に限定されないが、例えば、青色光が挙げられる。
表面プラズモン励起粒子48としては、例えば、金属粒子および酸化物半導体粒子の少なくともいずれかが挙げられる。金属粒子の中でも、特に、金、銀、および白金からなる群から選択される1以上の貴金属からなる粒子が好ましく、コスト面から、銀粒子が好ましい。酸化物半導体粒子としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)等が挙げられる。
表面プラズモン励起粒子48の平均粒子径は、表面プラズモンを励起させる観点から200nm以下としているが、10nm以上150nm以下であることがより好ましい。表面プラズモン励起粒子の平均粒子径は、量子ドットの平均粒子径と同様の測定方法によって測定することができる。
表面プラズモン励起粒子48から最も近い量子ドット47までの平均距離は、5nm以上1μm以下であることが好ましい。この平均距離が5nm未満であると、表面プラズモン励起粒子から量子ドットまでの距離が近すぎるために、量子ドットが光源からの光を吸収することによって得たエネルギーが表面プラズモン励起粒子に移動してしまい、量子ドットが失活してしまうおそれがあるからである。またこの平均距離が1μmを超えると、表面プラズモン励起粒子から量子ドットまでの距離が遠すぎるために、表面プラズモンが励起することによる電場増強効果を得ることができず、発光効率の向上を図ることができないおそれがある。「表面プラズモン粒子から最も近い粒子ドットまでの距離」とは、表面プラズモン励起粒子の表面から、この表面プラズモン粒子から最も近い量子ドットの表面までの最短距離とする。この表面プラズモン励起粒子に最も近い量子ドットまでの平均距離は、透過型電子顕微鏡または走査透過型電子顕微鏡を用いて光波長変換層の断面を観察し、この観察画像において20個の表面プラズモン励起粒子からそれぞれ最も近い量子ドットまでの距離を測定し、その平均値として求めることができる。量子ドット47と表面プラズモン励起粒子48の平均距離の下限は、10nm以上であることがより好ましく、量子ドット47と表面プラズモン励起粒子48の平均距離の上限は、0.5μm以下であることがより好ましい。
光波長変換層41中の表面プラズモン励起粒子48の含有量は、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。表面プラズモン励起粒子の含有量が0.01質量%未満であると、発光効率の向上を図ることができないおそれがあり、また、表面プラズモン励起粒子の含有量が20質量%を超えると、上記エネルギー移動による失活が起こり易くなるおそれがある。
表面プラズモン励起粒子48の形状は特に限定されず、例えば、球状(真球状、略真球状、楕円球状等)、多面体状、棒状(円柱状、角柱状等)、平板状、りん片状、不定形状等が挙げられる。なお、表面プラズモン励起粒子の形状が球状でない場合、表面プラズモン励起粒子の粒子径は同体積を有する真球状の値とすることができる。
(光散乱性粒子)
光散乱性粒子49は、光波長変換シート40に進入した光を散乱させることによって光の進行方向を変化させる作用を有する粒子である。
光波長変換層41中の光散乱性粒子49の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。光散乱性粒子の含有量が1質量%未満であると、光散乱効果が充分に得られないおそれがあり、また、光散乱性粒子の含有量が50質量%を超えると、ミー散乱が起こり難くなるので、光散乱効果を充分に得られないおそれがあり、さらに光散乱性粒子が多すぎるために加工性が低下するおそれがある。
光散乱性粒子49の平均粒子径は、量子ドット47の平均粒子径の20倍以上2000倍以下であることが好ましく、50倍以上1000倍以下であることがより好ましい。光散乱性粒子の平均粒子径が量子ドットの平均粒子径の20倍未満であると、光波長変換層において充分な光散乱性能が得られないことがあり、光散乱性粒子の平均粒子径が量子ドットの平均粒子径の2000倍を超えると、添加量が同じであっても光散乱性粒子の数が少なくなるため、散乱点の数が減り充分な光散乱効果が得られない。なお、光散乱性粒子の平均粒子径は、上述した量子ドットの平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
また、光散乱性粒子49の平均粒子径は、光波長変換層41の平均膜厚の1/300以上1/20以下であることが好ましく、1/200以上1/30以下であることがより好ましい。光散乱性粒子の平均粒子径が光波長変換層の平均膜厚の1/300未満であると、光波長変換層において充分な光散乱性能が得られないことがあり、光散乱性粒子の平均粒子径が光波長変換層の平均膜厚の1/20を超えると、添加量が同じであっても光波長変換層に対する光散乱性粒子の割合が低下するため、散乱点の数が減り充分な光散乱効果が得られない。
具体的には、光散乱性粒子49の平均粒子径は、例えば、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上5μm以下であることがより好ましい。光散乱性粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、光波長変換シートの光波長変換効率が不充分となることがあり、充分な光散乱性を出すためには光散乱性粒子の添加量を多くする必要がある。一方、光散乱性粒子の平均粒子径が10μmを超えると、添加量(質量%)が同じであっても光散乱粒子の数が少なくなるため、散乱点の数が減り充分な光散乱効果が得られない。
光散乱性粒子49とホストマトリクス46との屈折率差の絶対値は、充分な光散乱を得る観点から、0.05以上であることが好ましく、0.10以上であることがより好ましい。なお、光散乱性粒子49の屈折率とホストマトリクス46の屈折率とは、いずれの方が大きくてもよい。ここで、光波長変換層に含有させる前の光散乱性粒子の屈折率の測定方法としては、例えば、ベッケ法、最小偏角法、偏角解析、モード・ライン法、エリプソメトリ法等によって測定することができる。光波長変換層中のホストマトリクス(硬化物)、光散乱性粒子の屈折率の測定方法としては、例えば、硬化作製した光波長変換層中から光散乱性粒子のかけら、あるいはホストマトリクスのかけらをなんらかの形で取り出したものについてベッケ法を用いることができる。このほか、位相シフトレーザー干渉顕微鏡(エフケー光学研究所製の位相シフトレーザー干渉顕微鏡や溝尻光学工業所製の二光束干渉顕微鏡等)を用いてホストマトリクスと光散乱性粒子との屈折率差を測定することができる。なお、ホストマトリクスが、上述する(メタ)アクリレートとそれ以外の樹脂とを含有する場合、ホストマトリクスの屈折率とは、量子ドットおよび光散乱性粒子を除いた含有する全ての樹脂成分による硬化物の平均屈折率を意味する。
光散乱性粒子49の形状は特に限定されず、例えば、球状(真球状、略真球状、楕円球状等)、多面体状、棒状(円柱状、角柱状等)、平板状、りん片状、不定形状等が挙げられる。なお、光散乱性粒子49の粒子径は、光散乱性粒子の形状が球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
光散乱性粒子49は、光散乱性粒子49をホストマトリクス46中に強固に固定する観点から、ホストマトリクス46と化学結合していることが好ましい。この化学結合は、シランカップリング剤で表面処理された光散乱性粒子を用いることによって実現できる。
シランカップリング剤としては、用いる硬化性バインダ樹脂前駆体の種類にもよるが、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基およびイソシアネート基からなる群から選択される1種以上の反応性官能基を有するものを使用することが可能である。硬化性バインダ樹脂前駆体として(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いる場合には、カップリング剤は、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびスチリル基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有することが好ましい。また、硬化性バインダ樹脂前駆体としてエポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群から選択される少なくとも1種の基を有する化合物を用いる場合には、シランカップリング剤はエポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有することが好ましい。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(メタ)アクリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。スチリル基含有シランカップリング剤としては、例えば、p−スチリルトリメトキシシランが挙げられる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
イソシアネート基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメオキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などが挙げられる。
光散乱性粒子49をシランカップリング剤で表面処理する方法としては、光散乱性粒子49にシランカップリング剤をスプレーする乾式法や、光散乱性粒子49を溶剤に分散させてからシランカップリング剤を加えて反応させる湿式法等が挙げられる。
光散乱性粒子49は、有機粒子であってもよいが、光波長変換シート40への入射光を好適に散乱させることが可能となり、この入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることできることから、無機粒子であることが好ましい。
無機粒子としては、Al2O3等のアルミニウム含有化合物、ZrO2等のジルコニウム含有化合物、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)や酸化インジウムスズ(ITO)等のスズ含有化合物、MgOやMgF2等のマグネシウム含有化合物、TiO2やBaTiO3等のチタン含有化合物、Sb2O5等のアンチモン含有化合物、SiO2等のケイ素含有化合物、およびZnO等の亜鉛含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、ホストマトリクスとの屈折率差を大きくすることができるので、大きなミー散乱強度を得ることができる観点からも好ましい。
光散乱性粒子49が無機粒子である場合、光波長変換シート40への入射光を好適に散乱させることが可能となり、該入射光に対する光波長変換効率の向上を好適に図ることが可能となる。特に、光散乱性粒子49は、アルミニウム含有化合物、ジルコニウム含有化合物、チタン含有化合物、アンチモン含有化合物、ケイ素含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる粒子が好ましい。
有機粒子としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、およびウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる粒子が好ましい。
また、光波長変換シート40による入射光に対する光波長変換効率の向上をより好適に図ることができることから、光散乱性粒子49は、2種以上の材料からなるものであってもよい。
<バリアフィルム>
バリアフィルム42、43は、量子ドット47を水分や酸素から保護するためのフィルムである。バリアフィルム42、43は、量子ドット47を水分や酸素から保護する機能を有する光透過性基材またはバリア層のみであってもよいが、図4に示されるように量子ドット47を水分や酸素から保護する機能を有する光透過性基材50、51と光透過性基材50、51の表面に設けられ、かつ量子ドット47を水分や酸素から保護する機能を有するバリア層52、53との多層構造が好ましい。
バリアフィルム42、43の酸素透過率(OTR: Oxygen Transmission Rate)は、23℃、相対湿度90%の条件下において、1.0×10−1cc/m2/day/atm以下であることが好ましく、1.0×10−2cc/m2/day/atm以下であることが更に好ましい。なお、上記酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/21)を用いて測定することができる。
バリアフィルム42、43の水蒸気透過率(WVTR:Water Vaper Transmission Rate)は、40℃、相対湿度90%の条件下において、1.0×10−1g/m2/day以下であることが好ましく、1.0×10−2g/m2/day以下であることが更に好ましい。なお、上記水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(DELTAPERM(Technolox社製))を用いて測定することができる。
バリアフィルムに光散乱性粒子を添加する場合には、光散乱性粒子は光透過性基材に練り込むことによってバリアフィルムに光散乱性粒子を添加することができる。バリアフィルムに光散乱性粒子を添加する場合には、光拡散層は設ける必要がない。なお、この場合、光透過性基材における光波長変換層側とは反対側に傷つき防止のためのオーバーコート層を形成してもよい。
(光透過性基材)
光透過性基材50、51の厚みは、特に限定されないが、10μm以上500μm以下であることが好ましい。光透過性基材50、51の厚みが、10μm未満であると、光波長変換シートのアッセンブリ、取扱い時における皺や折れが発生するおそれがあり、また150μmを超えると、ディスプレイの軽量化および薄膜化に適さないおそれがある。光透過性基材50、51の厚みのより好ましい下限は50μm以上、より好ましい上限は400μm以下である。
光透過性基材50、51の平均厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)で撮影した断面の画像を用いて算出できる。
光透過性基材50、51の構成原料としては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。基材フィルムの構成材料としては、好ましくは、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
光透過性基材50、51は、単一の基材から構成されていてもよいが、複数の基材から構成される積層基材であってもよい。このような積層基材は、用途に応じて、同種の構成原料の層からなる複数の層から構成されていてもよく、異なる種類の構成原料の層からなる複数の層から構成されていてもよい。
(バリア層)
バリア層52、53の形成材料としては、バリア性が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、無機酸化物、金属、ゾルゲル材料等が挙げられる。具体的には、上記無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(SiOx)、酸化アルミニウム(AlnOm)、酸化チタン(TiO2)、酸化イットリウム、酸化ホウ素(B2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化窒化炭化ケイ素(SiOxNyCz)等が挙げられ、上記金属としては、例えば、Ti、Al、Mg、Zr等が挙げられ、上記ゾルゲル材料としては、例えば、シロキサン系ゾルゲル材料等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いられてもよく2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
バリア層52、53の厚みは、特に限定されないが、0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。0.01μm未満であると、バリア層のバリア性能が不充分となることがあり、1μmを超えると、バリア層のクラック等によりバリア性能の劣化が起こりやすくなることがある。上記バリア層の厚みのより好ましい下限は0.03μmであり、より好ましい上限は0.5μmである。
バリア層の厚みは、透過型電子顕微鏡又は走査透過型電子顕微鏡を用いて、20箇所について測定したバリア層の厚みの平均値として求めることができる。また、バリア層52、53は、単一の層であってもよく、複数の層が積層されたものであってもよい。バリア層が複数層積層されたものである場合、バリア層を構成する各層は、直接積層形成されていてもよく、貼り合わされていてもよい。
バリア層52、53の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長(PVD)法や化学気相成長(CVD)法等の蒸着法、又は、ロールコート法、スピンコート法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
バリア層52、53としては、上述したバリア性を有する層であれば特に限定されるものではないが、そのバリア性の高さ等の観点から、蒸着法により形成された蒸着層を用いることが好ましい。
このような蒸着層としては、蒸着法により形成される層であれば、その蒸着法の種類等は特に限定されるものではなく、CVD法によって形成した層であってもよく、またPVD法によって形成した層であってもよい。
上記蒸着層が、例えばプラズマCVD法等のCVD法により形成される場合、緻密でバリア性の高い層を形成することが可能となるが、製造効率やコスト等の面からはPVD法で蒸着層を形成することが好ましい。
PVD法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、そのなかでも、そのバリア性等の面から真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法としては、例えば、エレクトロンビーム(EB)加熱方式による真空蒸着法、又は、高周波誘電加熱方式による真空蒸着法等が挙げられる。
上記蒸着層の材料としては、金属又は無機酸化物が好ましく、具体的には、Ti、Al、Mg、Zr等の金属、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化窒化ケイ素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化イットリウム、B2O3、CaO等の無機酸化物等が挙げられる。そのなかでも、高いバリア性及び透明性を有する点から、酸化ケイ素や酸化アルミニウムが好ましい。
上記蒸着層の厚さは、用いられる材料の種類や構成により最適条件が異なり適宜選択されるが、0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、より好ましい上限は200nmである。上記蒸着層の厚さが上記の範囲より薄い場合には、均一な層とすることが困難な場合があり、上記バリア性を得ることができないことがある。また、上記蒸着層の厚さが上記の範囲より厚い場合、蒸着層の成膜後に引っ張り等の外的要因により蒸着層に亀裂が生じること等により、バリア性が著しく損なわれる可能性があり、また、形成に時間を要し、生産性も低下することがある。
バリア層52、53の下地層として、アンカー層が形成されていてもよい。これにより、バリア性や耐候性を高めることができる。アンカー層の形成材料としては、例えば、接着性樹脂、無機酸化物、有機酸化物、金属等が挙げられる。
上記アンカー層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法、ロールコート法、スピンコート法などが挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。量産性に優れ、アンカー層の密着性を高めることができることから、そのなかでも、成膜時のインラインコートが好ましい。
<光拡散層>
光拡散層44、45は、表面に凹凸形状を有しており、この凹凸形状によって光波長変換シート40に入射する光および出射する光を拡散させることができる。また、光拡散層44、45を設けることにより、光波長変換シート40における光波長変換効率をより高めることができる。光拡散層44、45は、表面凹凸形成粒子とバインダ樹脂とを含んでいる。
(表面凹凸形成粒子)
表面凹凸形成粒子は、主に、光拡散層の表面に凹凸形状を形成するためのものである。ただし、表面凹凸形成粒子自体が光散乱性能を発揮することもある。
表面凹凸形成粒子の平均粒子径は、上述した量子ドット47の平均粒子径の10倍以上2万倍以下であることが好ましく、10〜5000倍であることがより好ましい。表面凹凸形成粒子の平均粒子径が量子ドットの平均粒子径の10倍未満であると、光拡散層に充分な光拡散性が得られないことがあり、また表面凹凸形成粒子の平均粒子径が量子ドットの平均粒子径の2万倍を超えると、光拡散層の光拡散性能は優れたものとなるが、光拡散層の光の透過率が大幅にダウンしやすくなる。なお、表面凹凸形成粒子の平均粒子径は、上述した量子ドットの平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
具体的には、表面凹凸形成粒子の平均粒子径は、例えば、1μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上20μm以下であることがより好ましい。表面凹凸形成粒子の平均粒子径が1μm未満であると、光波長変換シートの光波長変換効率が不充分となることがあり、充分な光拡散性を出すためには表面凹凸形成粒子の添加量を多くする必要がある。一方、表面凹凸形成粒子の平均粒子径が30μmを超えると、光拡散性能は優れたものとなるが、光拡散層の光の透過率が大幅にダウンしやすくなる。
表面凹凸形成粒子とバインダ樹脂との屈折率差の絶対値は、0.02以上0.15以下であることが好ましい。0.02未満であると、光学的に表面凹凸形成粒子の持つ屈折率による光拡散性が得られず、光波長変換シートの光波長変換効率の向上が不充分となることがあり、0.15を超えると、光拡散層の透過率が低下してしまうことがある。表面凹凸形成粒子とバインダ樹脂との屈折率差のより好ましい下限は0.03以上、より好ましい上限は0.12以下である。なお、表面凹凸形成粒子の屈折率とバインダ樹脂の屈折率とは、いずれの方が大きくてもよい。表面凹凸形成粒子およびバインダ樹脂の屈折率は、光散乱性粒子49およびホストマトリクスの屈折率と同様の手法によって測定することができる。
表面凹凸形成粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状(真球状、略真球状、楕円球状等)、多面体状、棒状(円柱状、角柱状等)、平板状、りん片状、不定形状等が挙げられる。なお、表面凹凸形成粒子の粒子径は、表面凹凸形成粒子の形状が球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
表面凹凸形成粒子は、表面凹凸形成粒子をバインダ樹脂中に強固に固定する観点から、バインダ樹脂と化学結合していることが好ましい。この化学結合は、シランカップリング剤で表面修飾された表面凹凸形成粒子を用いることによって実現できる。シランカップリング剤は、光散乱性粒子の欄で説明したシランカップリング剤と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
表面凹凸形成粒子は、有機材料からなる粒子または無機材料からなる粒子であってもよい。表面凹凸形成粒子を構成する有機材料としては特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、メラミン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。なかでも、架橋アクリル樹脂が好適に用いられる。また、上記光拡散粒子を構成する無機材料としては特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物等が挙げられる。なかでも、シリカ及び/又はアルミナが好適に用いられる。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としては、特に限定されないが、光波長変換層41の欄で説明したバインダ樹脂と同様のバインダ樹脂を用いることができるので、ここでは説明を省略するものとする。
<<光波長変換シートの製造方法>>
光波長変換シート40は、例えば、以下のようにして作製することができる。なお、以下、ホストマトリクス46がバインダ樹脂である例について説明する。まず、図6(A)に示されるように、光透過性基材50の一方の面に蒸着法等によりバリア層52を形成し、バリアフィルム42を形成する。また、同様にして、光透過性基材51の一方の面に蒸着法等によりバリア層53を形成して、バリアフィルム43を形成する。
次いで、バリアフィルム42におけるバリア層52側の面とは反対側の面に、表面凹凸形成粒子および硬化性バインダ樹脂前駆体を含む光拡散層用組成物を塗布し、乾燥させて、光拡散層用組成物の塗膜を形成する。また同様に、バリアフィルム43におけるバリア層53側の面とは反対側の面に、光拡散層用組成物の塗膜を形成する。
次いで、電離放射線照射等によって、光拡散層用組成物の塗膜を硬化させる。これにより、図6(B)に示されるように、バリアフィルム42におけるバリア層52側の面とは反対側の面に光拡散層44が形成されて、光拡散層44付きバリアフィルム42が形成される。また、同様にして、光拡散層45付きバリアフィルム43を形成する。
光拡散層44付きバリアフィルム42および光拡散層45付きバリアフィルム43を形成した後、光拡散層45付きバリアフィルム43における光拡散層45側の面とは反対側の面(バリア層53の表面)に、硬化性ホストマトリクス前駆体、量子ドット47、表面プラズモン励起粒子48および光散乱性粒子49を含む光波長変換層用組成物を塗布し、乾燥させて、図6(C)に示されるように光波長変換層用組成物の塗膜54を形成する。なお、表面プラズモン励起粒子48の分散性を向上させるために、光波長変換層用組成物に分散剤を添加することも可能である。
光波長変換層用組成物中の量子ドット47の含有量は、0.01質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。量子ドット47の含有量が0.01質量%未満であると、充分な発光強度が得られないおそれがあり、また、量子ドット47の含有量が2質量%を超えると、充分な励起光の透過光強度が得られないおそれがある。
光波長変換層用組成物中の表面プラズモン励起粒子48の含有量は、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。表面プラズモン励起粒子の含有量が0.01質量%未満であると、発光効率の向上を図ることができないおそれがあり、また、表面プラズモン励起粒子の含有量が20質量%を超えると、上記エネルギー移動による失活が起こり易くなるおそれがある。
光波長変換層用組成物中の光散乱性粒子49の含有量は、1質量%以上50質量%以下であり、3質量%以上30質量%以下であることが好ましい。光散乱性粒子の含有量が1質量%未満であると、光散乱効果が充分に得られないおそれがあり、また、光散乱性粒子の含有量が50質量%を超えると、ミー散乱が起こり難くなるので、光散乱効果を充分に得られないおそれがあり、さらに光散乱性粒子が多すぎるために加工性が低下するおそれがある。
光波長変換層用組成物には重合開始剤を含ませることが好ましい。重合開始剤は、光または熱により分解されて、ラジカルやイオン種を発生させて硬化性ホストマトリクス前駆体の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。光波長変換層用組成物に用いられる重合開始剤は、光重合開始剤(例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤)、熱重合開始剤(例えば、熱ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、熱アニオン重合開始剤)、またはこれらの混合物が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASFジャパン社製)、NCI−930(ADEKA社製)、SPEEDCURE EMK(日本シーベルヘグナー社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。これらの中でも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤が好ましい。高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類等が挙げられる。上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77(いずれもADEKA社製)、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L(いずれも三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられる。
光波長変換層用組成物の粘度は、10mPa・s以上10000mPa・s以下であることが好ましい。光波長変換層用組成物の粘度が、10mPa・s未満であると、充分な膜厚を有する光波長変換層を形成することが困難な場合があり、また10000mPa・sを超えると、光波長変換層用組成物を塗布する際に塗出が困難であったり、レベリング性が悪くなるおそれがある。
光波長変換層用組成物の塗膜54形成後、図7(A)に示されるように光拡散層44付きバリアフィルム42における光拡散層44側の面とは反対側の面(バリア層52の表面)が光波長変換層用組成物の塗膜54と接するように、光波長変換層用組成物の塗膜54上に光拡散層44付きバリアフィルム42を配置する。これにより、光波長変換層用組成物の塗膜54が、バリアフィルム42、43間で挟まれる。
次いで、図7(B)に示されるようにバリアフィルム42を介して光波長変換層用組成物の塗膜54に電離放射線を照射して、または熱を加えて、硬化性ホストマトリクス前駆体を硬化させて、光波長変換層41を形成するとともに、光波長変換層41と、光拡散層44付きバリアフィルム42および光拡散層45付きバリアフィルム43とを一体化させる。これにより、図4に示される光波長変換シート40が得られる。
光波長変換シート40は、他の画像表示装置に組み込んで使用することができる。以下、光波長変換シート40を他の画像表示装置に組み込んだ例について説明する。
<<他のバックライト装置>>
光波長変換シート40は、図8に示されるような直下型のバックライト装置を備えた画像表示装置に組み込んでもよい。図8に示される画像表示装置90は、バックライト装置100と、バックライト装置100の出光側に配置された表示パネル80とを備えている。
バックライト装置100は、光源25と、光源25の光を受け、かつ光拡散板として機能する光学板101と、光学板101の出光側に配置された光波長変換シート40、光波長変換シート40の出光側に配置されたレンズシート60と、レンズシート60の出光側に配置されたレンズシート65と、レンズシート65の出光側に配置された反射型偏光分離シート70とを備えている。本実施形態においては、光源25は、光学板101の側方ではなく、光学板101の直下に配置されている。図8において、図1と同じ符号が付されている部材は、図1で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。なお、バックライト装置100においては、反射シート75は備えられていない。
<光学板>
光拡散板としての光学板101は、平面視形状が四角形形状に形成されている。光学板101は、光源75側の一方の主面によって構成された入光面101Aと、光波長変換シート40側の他方の主面によって構成された出光面101Bとを有している。入光面101Aから光学板101内に入射した光は、光学板101内で拡散され、出光面101Bから出射される。
光学板101としては、光源25からの光を拡散させることができれば、特に限定されないが、例えば、透明材料中に光拡散性粒子を分散させた板が挙げられる。透明材料としては、特に限定されないが、例えば透明樹脂、無機ガラス等が挙げられる。前記透明樹脂としては、成形が容易である点で、透明熱可塑性樹脂が好適に用いられる。この透明熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)などが挙げられる。これらのうちの1種を用いても良いし、或いはこれらの2種以上を混合して用いても良い。
<光拡散性粒子>
光学板101中の光拡散性粒子としては、拡散板として一般的に用いられる光拡散性粒子が挙げられる。
本実施形態によれば、光波長変換層41に、量子ドット47の他、表面プラズモン励起粒子48を含ませているので、量子ドット47の発光効率を向上させることができる。すなわち、表面プラズモン励起粒子48においては、光源25からの光によって、表面プラズモンが励起される。表面プラズモン励起粒子48に表面プラズモンが励起されると、表面プラズモンの電場増強効果によって、表面プラズモン励起粒子48の近傍にある量子ドット47の光吸収および発光が誘起されやすくなる。これにより、量子ドット47の発光効率を向上させることができる。
従来から、光波長変換シートの出光側に、光波長変換シートから出射される量子ドットによって波長変換された光を集光し、かつ光波長変換シートによって波長変換されなかった光を光波長変換シート側に戻すレンズシートを配置して、光波長変換効率を高めることが検討されている。しかしながら、このようなレンズシートを配置するだけでは光波長変換効率が充分ではなく、更なる光波長変換効率の向上が望まれている。本実施形態によれば、光波長変換シート40の外部ヘイズ値が光波長変換シート40の内部ヘイズ値よりも小さくした場合には、光波長変換効率をさらに向上させることができる。すなわち、光源から発せられる光は直進性を有しているので、光波長変換シートに入射して、量子ドットによって波長変換されずに、光波長変換シートを出射する光も直進性を有している。ここで、光波長変換シートの外部ヘイズ値が高いと、光波長変換シートの表面で直進性を有する波長変換されていない光が屈折し、光波長変換シートから出射する波長変換されていない光においては出射角度が大きい成分が多くなってしまう。一方、集光機能および再帰反射機能を有するレンズシートは、レンズシートへの入射角度が小さい光ほどレンズシートを再帰反射させやすい傾向がある。すなわち、レンズシートへの入射角度が大きい光ほどレンズシートを透過しやすいという傾向がある。本実施形態においては、光波長変換シート40においては、外部ヘイズ値が内部ヘイズ値よりも小さくなっているので、光波長変換シート40の表面で波長変換されていない光が屈折したとしても、出射角度が小さい状態で出射させることができ、これにより、光波長変換シート40から出射される波長変換されていない光においては出射角度が小さい成分を多くすることができる。したがって、レンズシート60によって、波長変換されずに光波長変換シートから出射した光を再帰反射させて、光波長変換シート40側に戻すことができるので、波長変換される機会が増える。また、内部ヘイズ値が外部ヘイズ値より大きくなっているので、光波長変換シート内部で光が複数回散乱されることにより光路長が伸び、波長変換される機会がさらに増える。これにより、光波長変換効率を向上させることができる。なお、量子ドット47は等方的に発光するので、量子ドット47によって波長変換された光は様々な方向を向いており、光波長変換シート40の表面に到達すると、さらに光波長変換シート40の表面で光が屈折し、波長変換された光は角度が大きい光となって光波長変換シートから出射しやすい。このため、波長変換された光は比較的レンズシート60を透過しやすい。
上記において、外部ヘイズ値を用いて光波長変換シートの表面における光拡散特性(外部拡散特性)を表したのは、以下の理由からである。まず、光波長変換シートの光拡散特性はゴニオフォトメータのような公知の変角光度計により透過光の光強度を角度毎に測定することによって評価することができるが、測定された透過光の光強度の結果を用いて光波長変換シートの光拡散特性を規定することは極めて困難である。一方、上記したように、ヘイズの定義においては入射光に対し2.5°以上それた透過光はヘイズとして測定されるが、入射光に対し2.5°未満の透過光であればヘイズとして測定されない。このようにヘイズとしては入射光に対し2.5°未満の透過光は測定されないが、上記したようにレンズシートへの入射角度が大きい光、すなわち光波長変換シートにおける出射角度が大きい透過光が問題となっているので、入射光に対し2.5°未満の透過光よりも2.5°以上それた透過光がどの程度存在するかが重要である。このため、光波長変換シートの光拡散特性は、変角光度計による透過光の角度毎の光強度を測定しなくとも、光波長変換シートのヘイズ値の大きさで表すことができる。一方で、光波長変換シートの表面で光が屈折してしまい、出射角度が大きくなるということを考慮する必要があるので、光波長変換シートの表面での光拡散特性を表すために、外部ヘイズ値を用いた。
本実施形態によれば、光波長変換層41が光散乱性粒子49を含んでいるので、光波長変換効率を一層向上させることができる。したがって、例えば、光源25として青色光を発する光源を用い、第1の量子ドット47Aとして青色光を緑色光に変換する量子ドットを用い、第2の量子ドット47Bとして青色光を赤色光に変換する量子ドットを含む光波長変換シートに青色光を照射した場合、光散乱性粒子を含んでいない光波長変換シートと比べて、色度x、yを上昇させることでき、白色光または白色に近い色味の光を得ることができる。
本実施形態によれば、光波長変換シート40が光散乱性粒子49を含んでいるので、緑色の発光が赤色の発光よりも優先的に増強させることができる。この理由は明確ではないが、光散乱性粒子は、青色光を緑色光に変換する第1の量子ドットから、青色光を赤色光に変換する第2の量子ドットへのエネルギー移動を阻害するような役割を果たしていると考えられ、本来上記エネルギー移動により失活していた緑色の発光が失活することなく発光過程に至り、結果として緑色の発光が増加するためであると考えられる。
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態に係る画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態以降の実施形態において、第1の実施形態の内容と重複する内容および本実施形態以降の実施形態で用いられる図面において、第1の実施形態の説明で用いられた図面と同じ符号が付されている部材は、第1の実施形態の説明で用いた図面に示された部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。図9は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図であり、図10は図9に示される光波長変換シートの概略構成図である。
[画像表示装置]
図9に示される画像表示装置110は、光波長変換シート40の代わりに光波長変換シート120を備えていること以外は、図1に示される画像表示装置10と同様の構成となっている。
<<光波長変換シート>>
図10に示されるように、光波長変換シート120は、単層構造となっている。すなわち、光波長変換シート120は、光波長変換層121のみからなり、光波長変換シート120はバリアフィルムを備えていない。ただし、後述する光透過性粒子122がバリア性を有していない場合には、バリアフィルムを備えていることが好ましい。また、光波長変換シート120は、光波長変換層121の他、光波長変換層121を支持する光透過性基材をさらに備えるものであってもよい。光透過性基材を備えることにより、光波長変換シート120の強度を高めることができる。また、光波長変換シートは、レンズ部を備える光波長変換層のみからなるものであってもよい。光波長変換層がレンズ部を備えることにより、光波長変換シートが、光波長変換機能の他、レンズ機能を有するので、レンズシートを1枚省略することが可能であり、更なる薄型化を図ることができる。
光波長変換シート120においては、シート全体で、40℃、相対湿度90%での水蒸気透過率(WVTR:Water Vaper Transmission Rate)が1g/m2・24h以上となっていてもよい。水蒸気透過率はJIS K7129に準拠した手法で得られる数値である。水蒸気透過率は、水蒸気透過率測定装置(DELTAPERM(Technolox社製))を用いて測定することができる。光波長変換シート120における40℃、相対湿度90%での水蒸気透過率は1×101g/m2・24h以上となっていてもよい。
光波長変換シート120においては、シート全体で、23℃、相対湿度90%での酸素透過率(OTR: Oxygen Transmission Rate)が1cm3/m2・24h・atm以上となってもよい。酸素透過率はJIS K7126に準拠した手法で得られる数値である。酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/21)を用いて測定することができる。光波長変換シート120における23℃、相対湿度90%での酸素透過率が1×101cm3/m2・24h・atm以上となっていてもよい。
<光波長変換層>
光波長変換層121は、ホストマトリクス46と、ホストマトリクス46に分散された量子ドット47と、表面プラズモン励起粒子48と、量子ドット47を包む光透過性粒子122とを含んでいる。光波長変換層121は、光散乱性粒子49をさらに含んでいてもよい。量子ドット47と光透過性粒子122との間には空気層は存在せず、量子ドット47の表面は光透過性粒子122に密着している。
(光透過性粒子)
光透過性粒子122は、量子ドット47を包み、光透過性を有するものであればよいが、量子ドットを水分および酸素から保護するバリア性を有するものであることが好ましい。本実施形態においては、光透過性粒子122がバリア性を有するものとして説明する。量子ドット48を光透過性粒子122で包むことにより、光透過性粒子122の厚みによって量子ドット47と表面プラズモン励起粒子48との距離を調節することができる。また、量子ドット47を、バリア性を有する光透過性粒子122で包むことにより、量子ドット47が水分や酸素に接触することを抑制できるので、量子ドット47が水分や酸素によって劣化することを抑制できる。これにより、バリアフィルムを設けなくとも量子ドット47の発光効率の低下を抑制できる。本明細書において、「光透過性」とは、光を透過させる性質を有することを意味し、「光透過性」には透明も含まれる。ここで、本実施形態においては、量子ドットは光透過性粒子で包まれているので、光波長変換シートから出射される量子ドットからの発光を確認することができれば、光透過性粒子は光透過性を有すると言える。量子ドットの発光は蛍光光度計を用いて確認することができる。「バリア性」は、光波長変換シートにおいて、40℃、相対湿度90%環境下に300時間放置する耐久性試験を行い、耐久性試験前後における光波長変換シートの発光ピーク強度の低下率が10%以内であれば、光透過性粒子はバリア性があると判断することができる。ただし、光波長変換シートを透過した光源からの光は、光波長変換シートの発光により生じた光ではないので、光波長変換シートを透過した光源からの光のピーク強度は光波長変換シートの発光ピーク強度には含めないものとする。また、光波長変換シートから出射される光の発光ピークが複数存在する場合において、「発光ピーク強度の低下率が10%以内である」とはそれぞれの発光ピークにおける強度の低下率が10%以内であることを意味する。耐久性試験前後における光波長変換シートの発光ピークの低下率をAとし、耐久試験前の光波長変換シートの発光ピーク強度をBとし、耐久試験後の光波長変換シートの発光ピーク強度をCとすると、耐久性試験前後における光波長変換シートの発光ピークの低下率(A)は、下記式(2)によって求められる。
A=(B−C)/B×100 …(2)
光透過性粒子122の形成材料としては、光透過性を有すれば、特に限定されないが、例えば、無機酸化物が挙げられる。具体的には、上記無機酸化物としては、例えば、シリカ等の酸化ケイ素(SiOx)、アルミナ等の酸化アルミニウム(AlnOm)、酸化チタン(TiO2)、酸化イットリウム、酸化ホウ素(B2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化窒化炭化ケイ素(SiOxNyCz)等が挙げられ、これらの中でも、酸素や水蒸気の透過性が低いという観点からガラス等のシリカまたはアルミナが好ましい。これらの材料は、単独で用いられてもよく2種以上を組み合わせて用いられてもよい。また、酸化物半導体を除く無機酸化物を用いることも可能である。
量子ドット47がCdを含んでいる場合、量子ドット47に含まれるCdの溶出を防ぐために、光透過性粒子122の厚み(量子ドット47の表面から光透過性粒子122の外表面までの距離)が2nm以上であることが好ましく、4nm以上であることがより好ましい。光透過性粒子122の平均粒子径が50nm程度である場合には、光透過性粒子122の厚みは10nm以上とすることも可能である。また、光透過性粒子122の平均粒子径が100nm程度である場合には、光透過性粒子122の厚みは20nm以上とすることも可能である。光透過性粒子の厚みは、透過型電子顕微鏡観察において量子ドットを含まない外側の部分として容易に測定できる。光透過性粒子の周縁の位置によって厚みが異なる場合には、光透過性粒子周縁全体の平均により光透過性粒子の厚みとする。
光透過性粒子122は、ホストマトリクス46との密着性を向上させる観点から、ホストマトリクス46と化学結合していることが好ましい。この化学結合は、シランカップリング剤で表面修飾された光透過性粒子122によって行うことが可能である。シランカップリング剤としては、第1の実施形態の光散乱性粒子の欄で説明したシランカップリング剤と同様のものを使用することができるので、ここでは説明を省略するものとする。
光透過性粒子122は、例えば、ゾルゲル法を用いて作製することができる(特許第5682069号参照)。具体的には、まず、量子ドットを用意し、量子ドットに、適量の金属アルコキシド(1)を添加して、適度に加水分解させることで、量子ドットの表面を金属アルコキシド(1)の加水分解物で置換する。このような液体を有機溶剤Aとする。一方で、水溶液中に金属アルコキシド(2)を分散させ、部分的に加水分解することで水溶液Bを得る。ここで、金属アルコキシド(2)は金属アルコキシド(1)よりも加水分解速度が遅いものを選択する。そして、有機溶液Aと水溶液Bを混合することで、金属アルコキシド(1)が覆われた量子ドットの表面にさらに金属アルコキシド(2)の層が形成される。水に触れた量子ドットは、その表面の金属アルコキシドの加水分解が進むので親水性となり、水相に移動する。このとき、量子ドット同士が集合体を作る。表面付近にある金属アルコキシド(2)は金属アルコキシド(1)よりも加水分解の速度が遅いので、水相に移動したときに量子ドットの表面のアルコキシドが一気に脱水縮合し、大きな塊となることを防ぐ。水相中の集合体にさらにシリカガラス層等の無機酸化物層を堆積させる。これは、通常のストーバー法により、アルカリ性領域でわずかな量の金属アルコキシド(3)を、大量の水とアルコールで加水分解し、核となる量子ドットの集合体に堆積させることで行える。これにより、量子ドット47を包んだ光透過性粒子122を得ることができる。
<<光波長変換シートの製造方法>>
光波長変換シート120は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、基材の一方の面に、硬化性ホストマトリクス前駆体、量子ドット47を包んだ光透過性粒子122、表面プラズモン励起粒子48および光散乱性粒子49を含む光波長変換層用組成物を塗布し、乾燥させて、光波長変換層用組成物の塗膜を形成する。基材としては、光透過性基材であってもよいが、光透過性基材でなくともよい。光波長変換層用組成物には重合開始剤を含ませることが好ましい。
そして、光波長変換層用組成物の塗膜に電離放射線を照射して、または熱を加えて、塗膜を硬化させて、光波長変換層121を形成する。最後に、光波長変換層121から基材を剥離する。これにより、光波長変換層121のみからなる光波長変換シート120が得られる。
光波長変換シートが光透過性基材を備えている場合には、基材として光透過性基材を用い、かつ光波長変換層121形成後に基材を剥離せずにそのまま残存させることにより得ることができる。
本実施形態によれば、光波長変換層121に、量子ドット47の他、表面プラズモン励起粒子48を含ませているので、第1の実施形態と同様の理由から、量子ドット47の発光効率を向上させることができる。
本実施形態によれば、量子ドット47を光透過性粒子122で包んでいるので、光透過性粒子122の厚みによって量子ドット47と表面プラズモン励起粒子48との距離を調節することができる。これにより、量子ドット47と表面プラズモン励起粒子48との距離が近くなりすぎることがなくなり、量子ドット47の失活を抑制することができる。これにより、量子ドット47の発光効率をより向上させることができる。
本実施形態のようにバリア性を有する光透過性粒子122で量子ドット47を包んだ場合には、量子ドット47を水分や酸素から保護することができる。これにより、光波長変換シート120における40℃、相対湿度90%での水蒸気透過率が1g/m2・24h以上であったとしても、別途バリアフィルムを設ける必要がなく、光波長変換シート120を単層として使用することができる。
通常、従来の光波長変換シートにおいては側面が露出しているので、光波長変換シートの周縁部の量子ドットが劣化しやすい。これに対し、本実施形態のようにバリア性を有する光透過性粒子122で量子ドット47を包んだ場合には、光波長変換シート120における40℃、相対湿度90%での水蒸気透過率が1g/m2・24h以上であったとしても、光波長変換シート120の周縁部に存在する量子ドット47の劣化を抑制できる。
上記したように、通常、従来の光波長変換シートにおいては側面が露出しているので、光波長変換シートの周縁部の量子ドットが劣化しやすい。そして、光波長変換シートの周縁部の量子ドットが劣化してしまうと、波長変換効率が低下してしまう。このことが原因の一つとなって、光源からの光を光波長変換シートに入射させた場合に、光波長変換シートの周縁部から出射される光の色味が中央部から出射される光の色味に比べて際立ってしまうことがある。これに対し、本実施形態においては、バリア性を有する光透過性粒子120によって量子ドット47を包んだ場合には、光波長変換シート120の周縁部に存在する量子ドット47の劣化を抑制できるので、光波長変換シート120の周縁部から出射される光の色味が中央部の色味に比べて際立つことを抑制することができる。
バリアフィルムのバリア層を、蒸着法で形成した場合、光波長変換シートを折り曲げると、バリア層にクラックが入り、そこから水分や酸素が光波長変換シートに浸入し、量子ドットが劣化してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態においては、バリアフィルムを設けていないので、フォールダブルにも対応することができる。
本実施形態によれば、別途バリアフィルムを設ける必要がないので、厚みに厳しい要件があるモバイル製品(いわゆるスマートフォンと称される機器を含む携帯用コンピュータ端末機器)にも対応することができる。
〔第3の実施形態〕
以下、本発明の第3の実施形態に係る画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図11は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図であり、図12は図11に示される光波長変換シートの概略構成図であり、図13は本実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図である。
[画像表示装置]
図11に示される画像表示装置130は、光波長変換シート40の代わりに光波長変換シート140を備えていること以外は、図1に示される画像表示装置10と同様の構成となっている。
<<光波長変換シート>>
図12に示されるように、光波長変換シート140は、光波長変換層141と、光波長変換層141の両面に設けられた光透過性の表面プラズモン励起粒子層142、143と、表面プラズモン励起粒子層142、143における光波長変換層141側の面とは反対側の面に設けられたバリアフィルム42、43と、バリアフィルム42、43における表面プラズモン励起粒子層141、142側の面とは反対側の面に設けられた光拡散層44、45とを備えている。すなわち、この形態においては、表面プラズモン励起粒子層142は光波長変換層141に隣接しており、また光波長変換層141は、表面プラズモン励起粒子層142によって挟まれている。ここで、表面プラズモン励起粒子層141、142は光透過性を有しているので、従来から液晶ディスプレイ装置に用いられている反射シートや反射板とは異なる。なお、本実施形態においては、表面プラズモン励起粒子層は光波長変換層の両面に配置されているが、光波長変換層の片面のみに配置されていてもよい。
<光波長変換層>
光波長変換層141は、表面プラズモン励起粒子を含んでいないこと以外は、光波長変換層41と同様であるので、説明を省略するものとする。なお、本実施形態においては、光波長変換層141は、表面プラズモン励起粒子を含んでいないが、表面プラズモン励起粒子を含んでいてもよい。
<表面プラズモン励起粒子層>
表面プラズモン励起粒子層142、143は、光透過性を有し、かつ少なくとも表面プラズモン励起粒子48を含む層である。表面プラズモン励起粒子層142、143中の表面プラズモン励起粒子48は、第1の実施形態で説明した表面プラズモン励起粒子48と同様であるので、下記以外は説明を省略するものとする。
表面プラズモン励起粒子層142、143中の表面プラズモン励起粒子48から最も近い量子ドット47までの平均距離は、5nm以上1μm以下であることが好ましい。この平均距離が5nm未満であると、表面プラズモン励起粒子から量子ドットまでの距離が近すぎるために、量子ドットが光源からの光を吸収することによって得たエネルギーが表面プラズモン励起粒子に移動してしまい、量子ドットが失活してしまうおそれがあるからである。またこの平均距離が1μmを超えると、表面プラズモン励起粒子から量子ドットまでの距離が遠すぎるために、表面プラズモンが励起することによる電場増強効果を得ることができず、発光効率の向上を図ることができないおそれがある。量子ドット48と表面プラズモン励起粒子層142、143中の表面プラズモン励起粒子48の平均距離の下限は、10nm以上であることがより好ましく、この平均距離の上限は、0.5μm以下であることがより好ましい。
表面プラズモン励起粒子層142、143は、表面プラズモンを励起させる機能を有しているが、その他の機能を有していてもよい。本実施形態においては、表面プラズモン励起粒子層142、143は、光波長変換層141とバリアフィルム42、43との密着性を高めるためのプライマー層としての機能を有している。この場合、表面プラズモン励起粒子層142、143は、バリアフィルム42、43と光波長変換層141に密着している。
表面プラズモン励起粒子層142、143がプライマー層としても機能する場合、表面プラズモン励起粒子層142、143は、表面プラズモン励起粒子48の他、プライマー層としての機能を発揮するための、熱硬化性又は熱可塑性のポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等の公知の材料を含んでいる。
表面プラズモン励起粒子層142、143の膜厚は、特に限定されないが、5nm以上1μm以下であることが好ましい。表面プラズモン励起粒子層の膜厚が5nm未満であると、表面プラズモン励起粒子を層中に固定することが難しくなるおそれがあり、また表面プラズモン励起粒子層の膜厚が1μmを超えると、量子ドットに対する表面プラズモン共鳴効果が弱まるおそれがある。表面プラズモン励起粒子層の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、20箇所について測定した表面プラズモン励起粒子層の膜厚の平均値として求めることができる。表面プラズモン励起粒子層142、143の膜厚の下限は、10nm以上であることがより好ましく、この膜厚の上限は、0.5μm以下であることがより好ましい。
表面プラズモン励起粒子層142、143中の表面プラズモン励起粒子48の含有量は、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。表面プラズモン励起粒子の含有量が0.01質量%未満であると、発光効率の向上を図ることができないおそれがあり、また、表面プラズモン励起粒子の含有量が20質量%を超えると、上記エネルギー移動による失活が起こり易くなるおそれがある。
<<他の光波長変換シート>>
図11においては、光拡散層44、バリアフィルム42、表面プラズモン励起粒子層142、光波長変換層141、表面プラズモン励起粒子層143、バリアフィルム43、光拡散層45がこの順で積層された光波長変換シート140が図示されているが、図13に示される光波長変換シート150のように、光波長変換層および表面プラズモン励起粒子層がそれぞれ2層以上存在し、光波長変換層間に表面プラズモン励起粒子層が配置されていてもよい。図13に示される光波長変換シート150は、光拡散層44、バリアフィルム42、表面プラズモン励起粒子層153、光波長変換層151、表面プラズモン励起粒子層154、光波長変換層152、表面プラズモン励起粒子層155、バリアフィルム43、光拡散層45がこの順で積層されているものである。
光波長変換層151、152は、光波長変換層141と同様であるので、ここでは、説明を省略するものとする。ただし、図13に示されるように光波長変換層が2層以上存在する場合には、光波長変換層の合計の平均膜厚が30μm以上200μm以下となっていることが好ましい。
表面プラズモン励起粒子層153〜155は、表面プラズモン励起粒子層142、143と同様であるので、ここでは、説明を省略するものとする。
本実施形態によれば、光波長変換層141に隣接した表面プラズモン励起粒子層142、143を配置しているので、光源25からの光によって、表面プラズモン励起粒子48に表面プラズモンが励起されると、表面プラズモンの電場増強効果によって、表面プラズモン励起粒子48の近傍にある光波長変換層141中の量子ドット47の発光が誘起されやすくなる。これにより、量子ドット47の発光効率を向上させることができる。
光波長変換シート150の場合も、光波長変換シート140と同様に、量子ドット47の発光効率を向上させることができるが、光波長変換シート150の場合は、光波長変換層を多層化しているので、量子ドット47の近傍に存在する表面プラズモン励起粒子48の量が増大する。これにより、光波長変換シート140の場合よりも、量子ドット47の発光効率をより向上させることができる。
〔第4の実施形態〕
以下、本発明の第4の実施形態に係る画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図14は本実施形態に係る画像表示装置の概略構成図であり、図15は本実施形態に係る画像表示装置に含まれる他のEL素子の概略構成図である。
[画像表示装置]
図14に示される画像表示装置160は、エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、この装置を「EL表示装置」と称する)である。画像表示装置160は、エレクトロルミネッセンス素子170(以下、この素子を「EL素子」と称する。)を備えている。
<<<EL素子>>>
EL素子170は、図14に示されるように、支持基材171、第1の電極層172、発光部材としてのエレクトロルミネッセンス層173(以下、この層を「EL層」と称する)、第2の電極層174、封止部材175をこの順に積層したものである。すなわち、EL層173は、第1の電極層172および第2の電極層174の間に配置されている。
<<支持基材>>
支持基材171は、EL層173を支持することができるものであればよく、一般的なEL素子基板に用いられるものを使用することができる。また、本発明においては、封止部材175側から光が取り出されるため、支持基材171は光透過性基材であってもよいが光透過性基材でなくともよい。
支持基板171としては、例えば石英ガラスのようなガラス、合成石英板等の可撓性のないリジッド材、あるいは樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブル材等を用いることができる。また、樹脂フィルムにバリア層が形成されたものを用いてもよい。
<<第1の電極層>>
第1の電極層172は、第2の電極層174との間に電圧が印加され、EL層173で発光を起こさせるために設けられたものである。第1の電極層172は、陽極および陰極のいずれであってもよい。
第1の電極層172が陽極の場合には、正孔が注入しやすいように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。このような導電性材料としては、例えば、Li、Na、Mg、Al、Ca、Ag、In等の金属、またはこれらの金属の1種以上を含む合金、具体的にはMgAg、AlLi、AlCa、AlMg等の合金が挙げられる。
<<第2の電極層>>
第2の電極層174の材料としては、所望の光透過性を有する導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物を用いることができる。
第2の電極層174の光透過率としては全光線透過率が60%以上であることが好ましく、中でも70%以上、特に80%以上であることが好ましい。第2の電極層174にて発光層から出射された光を十分に透過することができるからである。全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K7361に準拠した方法により測定することができる。
第2の電極層174は、画素領域における発光層に対応してパターン状に形成される。透明電極層のパターンとしては、発光層のパターンにより設定されるものであるが、例えば、線状、ストライプ状等が挙げられる。
第2の電極層174の膜厚、形成方法等については、一般的なEL素子と同様とすることができる。また、第2の電極層174はEL層173上に形成されるものであるが、さらに非発光エリア上に形成されていてもよい。
<<EL層>>
EL層173は、発光層176を含む。発光層176以外のEL層173を構成する層としては、正孔注入層177、正孔輸送層178、電子注入層179、電子輸送層180等を挙げることができる。図14に示されるEL素子170においては、正孔注入層177および正孔輸送層178は第1の電極172と発光層176との間に位置しており、正孔注入層177が正孔輸送層178よりも第1の電極172側に位置している。また、電子注入層179および電子輸送層180は第2の電極174と発光層176との間に位置しており、電子注入層179が電子輸送層180よりも第2の電極174側に位置している。正孔輸送層は、正孔注入層に正孔輸送の機能を付与することにより、正孔注入層と一体化される場合が多い。
EL層を構成する層としては、正孔ブロック層や電子ブロック層のような正孔もしくは電子の突き抜けを防止し、さらに励起子の拡散を防止して発光層内に励起子を閉じ込めることにより、再結合効率を高めるための層等をさらに設けてもよい。
EL層の構成としては、図14に示される構造の他、例えば、発光層のみ、正孔注入層/発光層、正孔注入層/発光層/電子注入層、正孔注入層/正孔ブロック層/発光層/電子注入層、正孔注入層/発光層/電子輸送層等を例示することができる。
<発光層>
発光層176は、ホストマトリクス181と、ホストマトリクス181に分散された量子ドット47と、表面プラズモン励起粒子49とを含んでいる。発光層176中の量子ドット47および表面プラズモン励起粒子48は、第1の実施形態で説明した量子ドット47および表面プラズモン励起粒子48と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
ホストマトリクス181としては、例えば、EL素子の発光層におけるホストマトリクス(ホスト材料)として使用されている発光材料が挙げられる。具体的には、以下のような、色素系発光材料、金属錯体系発光材料、高分子系発光材料を挙げることができる。これらの発光材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
色素系材料としては、例えば、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等を挙げることができる。
金属錯体系材料としては、例えば、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、あるいは、中心金属にAl、Zn、Be等またはTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体を挙げることができる。具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)を用いることができる。
高分子系材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリジアルキルフルオレン誘導体、およびそれらの共重合体等を挙げることができる。また、高分子系材料として、上記の色素系材料および金属錯体系材料を高分子化したものも用いることができる。
発光層176の膜厚としては、電子および正孔の再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる膜厚であれば特に限定されるものではなく、例えば5nm以上500nm以下とすることができる。
発光層176の形成方法としては、印刷法、インクジェット法、真空蒸着法等、一般的な有機EL素子における発光層の形成方法と同様とすることができる。
<正孔注入層>
正孔注入層177は、陽極(第1の電極層172)からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔注入層177は、陽極(第1の電極層172)と正孔輸送層178との間に設けることができる。正孔注入層177を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔注入層177の膜厚は、5nm以上300nm以下であることが好ましい。この厚みが5nm未満では、製造が困難になる傾向があり、他方、300nmを超えると、駆動電圧、および正孔注入層に印加される電圧が大きくなる傾向となる。
<正孔輸送層>
正孔輸送層178は、正孔注入層177または第1の電極層172により近い層(正孔輸送層)からの正孔注入を改善する機能を有する層である。正孔輸送層178を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、正孔輸送層178に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、バインダ樹脂に分散させて用いることが好ましい。
正孔輸送層178の膜厚は、特に制限されないが、目的とする設計に応じて適宜変更することができ、1nm以上1000nm以下であることが好ましい。この厚みが1nm未満となると、製造が困難になり、または正孔輸送の効果が十分に得られないなどの傾向があり、他方、1000nmを超えると、駆動電圧および正孔輸送層に印加される電圧が大きくなる傾向がある。したがって正孔輸送層178の厚みは、2nm以上500nm以下であることがより好ましく、5nm以上200nm以下であることがさらに好ましい。
<電子注入層>
電子注入層179は、陰極(第2の電極層174)からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子注入層179は、電子輸送層180と陰極(第2の電極層174)との間に設けられる。電子注入層179としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
上記アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、フッ化ナトリウム、酸化カリウム、フッ化カリウム、酸化ルビジウム、フッ化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム等が挙げられる。
上記アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物の例としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化カルシウム、酸化バリウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
さらに、金属、金属酸化物、金属塩をドーピングした有機金属化合物、および有機金属錯体化合物、またはこれらの混合物も、電子注入層の材料として用いることができる。
電子注入層179は、2層以上を積層した積層構造を有していても良い。具体的には、Li層/Ca層の積層構造などが挙げられる。電子注入層179の膜厚は、1nm以上1μm以下であることが好ましい。
<電子輸送層>
電子輸送層180は、電子注入層179または陰極(第2の電極層174)により近い層(電子輸送層)からの電子注入を改善する機能を有する層である。電子輸送層180を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
<<封止部材>>
封止部材175は、EL層173における水分や酸素による劣化を防ぐためのものである。封止部材175としては、例えば、ガラス板等が挙げられる。具体的には、ガラス板としては、ソーダライムガラス板、無アルカリガラス板等が挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため、製造コストを抑えることが可能になる。
本実施形態によれば、発光層176に、表面プラズモン励起粒子48を含ませているので、電圧の印加によって励起された量子ドット47中のエキシトンと表面プラズモン励起粒子48から励起された表面プラズモンのカップリングにより、表面プラズモン励起粒子48の近傍にある量子ドット47のエキシトン励起や発光が誘起されやすくなる。これにより、量子ドット47の発光効率を向上させることができる。
<<<他のEL素子>>>
第2の実施形態と同様に、図14に示される発光層176においても、量子ドット47を光透過性粒子によって包んでもよい。光透過性粒子は、光波長変換シート120の光波長変換層121で説明した光透過性粒子122と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
また、図14に示されるEL素子170は、発光層176に表面プラズモン励起粒子48を含ませているが、図15に示されるEL素子190のように、表面プラズモン励起粒子48を発光層191に含有させるのではなく、発光層191に隣接する層、例えば、正孔輸送層192や電子輸送層193中に含有させてもよい。この場合、量子ドット191に隣接する正孔輸送層192や電子輸送層193が表面プラズモン励起粒子層となるので、発光層191は表面プラズモン励起粒子層によって挟まれていることになる。
図15に示されるEL素子190によれば、発光層191に隣接した正孔輸送層192や電子輸送層193に表面プラズモン励起粒子48を含ませているので、図14に示されるEL素子170と同様の理由から、量子ドット47の発光効率を向上させることができる。
上記第1の実施形態〜第4の実施形態においては、蛍光体として量子ドットを用いているが、量子ドット以外の蛍光体を用いた場合であっても、量子ドットと同様に、表面プラズモン励起粒子による表面プラズモンの電場増強効果によって、表面プラズモン励起粒子の近傍にある蛍光体の光吸収および発光が誘起されやすくなる。これにより、量子ドット以外の蛍光体を用いた場合であっても、発光効率を向上させることができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<光波長変換粒子の作製>
まず、下記に示す手順で、光波長変換粒子を得た。
(光波長変換粒子A)
まず、0.2質量部の緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径3.3nm)および0.2質量部の赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径5.2nm)を用意した。緑色発光量子ドットおよび赤色発光量子ドットを用意した後、緑色発光量子ドットおよび赤色発光量子ドットの表面をドデシルアミンで覆い、これらの量子ドットをトルエン溶液(0.4mL、1.5μM/L)に分散させた。次いで、この溶液にテトラエトキシシラン(TEOS、10μL)を添加し、3時間攪拌して、有機溶液1を作製した。
一方で、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS、1μL)をエタノール(25mL)とアンモニア水(4mL、アンモニア濃度10wt%)に混合して水溶液2を作製した。
そして、有機溶液1と水溶液2を混合し、3時間攪拌したところ、緑色発光量子ドットおよび赤色発光量子ドットは水相に移動し、さらに水相で緑色発光量子ドットおよび赤色発光量子ドットの集合体が形成された。この集合体を遠心分離によって取り出した。
最後に、上記の集合体が分散した水溶液0.5mLを取り出し、エタノール(8mL)とアンモニア水(0.1mL、25wt%)を加え、さらにTEOS(14μL)を添加した。これにより、緑色発光量子ドットおよび赤色発光量子ドットからなる集合体がシリカガラスで包まれ、平均粒子径50nmの光波長変換粒子Aを得た。
<光波長変換層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、光波長変換層用組成物を得た。
(光波長変換層用組成物1)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径5.2nm):0.20質量部
・銀粒子(製品名「730815」、SIGMA−ALDRICH社製):1質量部
・アルミナ粒子(製品名「DAM−03」、電気化学工業社製、平均粒子径4μm):5質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物2)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径5.2nm):0.20質量部
・銀粒子(製品名「730815」、SIGMA−ALDRICH社製):1質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物3)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径5.2nm):0.20質量部
・銀粒子(製品名「730777」、SIGMA−ALDRICH社製):1質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物4)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・光波長変換粒子A:5質量部
・銀粒子(製品名「730815」、SIGMA−ALDRICH社製):1質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物5)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光無機蛍光体(β−SiAlON:Eu2+):0.20質量部
・赤色発光無機蛍光体(CaAlSiN3:Eu2+):0.20質量部
・銀粒子(製品名「730815」、SIGMA−ALDRICH社製):1質量部
・アルミナ粒子(製品名「DAM−03」、電気化学工業社製、平均粒子径4μm):5質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物6)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径5.2nm):0.20質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物7)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光無機蛍光体(β−SiAlON:Eu2+):0.20質量部
・赤色発光無機蛍光体(CaAlSiN3:Eu2+):0.20質量部
・アルミナ粒子(製品名「DAM−03」、電気化学工業社製、平均粒子径4μm):5質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
(光波長変換層用組成物8)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・緑色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 530」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径3.3nm):0.20質量部
・赤色発光量子ドット(製品名「CdSe/ZnS 610」、SIGMA−ALDRICH社製、コア:CdSe、シェル:ZnS、平均粒子径5.2nm):0.20質量部
・銀粒子:1質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
<表面プラズモン励起粒子層用組成物の調整>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、表面プラズモン励起粒子層用組成物を得た。
(表面プラズモン励起粒子層用組成物1)
・エポキシアクリレート(製品名「ユニディックV−5500」、DIC社製):99質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184」、BASFジャパン社製):1質量部
・銀粒子(製品名「730815」、SIGMA−ALDRICH社製):10質量部
<光拡散層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、光拡散層用組成物を得た。
(光拡散層用組成物1)
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:99質量部
・表面凹凸形成粒子(架橋ポリスチレン樹脂ビーズ、製品名「SBX−4」、積水化成品工業株式会社製、平均粒子径4μm):158質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Irgacure(登録商標)184、BASFジャパン社製):1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1(質量比)):170質量部
<実施例1>
まず、2枚のバリアフィルムを次のような方法で作製した。高周波スパッタリング装置において、電極に周波数13.56MHz、電力5kWの高周波電力を印加することにより、チャンバー内で放電を生じさせて、大きさ7インチおよび厚みが50μmの光透過性基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「ルミラーT60」、東レ社製)の片面にターゲット物質(シリカ)からなる、厚みが50nmであり、かつ屈折率が1.46であるバリア層としてのシリカ蒸着層を形成し、これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にシリカ蒸着層が形成されたバリアフィルムを2枚形成した。
次いで、両方のバリアフィルムにおけるシリカ蒸着層側の面とは反対側の面に光拡散層用組成物1を、塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、80℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させた。その後、紫外線を積算光量が500mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより膜厚が10μmの光拡散層を形成し、光拡散層付きバリアフィルムを形成した。
次いで、一方の光拡散層付きバリアフィルムのシリカ蒸着層側に光波長変換層用組成物1を塗布し、80℃で乾燥させて、塗膜を形成した。そして、塗膜における光拡散層付きバリアフィルムのシリカ蒸着層側の面とは反対側の面に、シリカ蒸着層が接するように他方の光拡散層付きバリアフィルムを積層した。この状態で、紫外線を積算光量が500mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、両方の光拡散層付きバリアフィルムに密着した膜厚が100μmの光波長変換層を形成した。これにより、実施例1に係る光波長変換シートを得た。なお、光波長変換層の膜厚は、光波長変換シートの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、20箇所ランダムに撮影し、その断面の画像から求めた。
<実施例2>
実施例2においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<実施例3>
実施例3においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<実施例4>
実施例4においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<実施例5>
実施例5においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<実施例6>
まず、2枚のバリアフィルムを次のような方法で作製した。高周波スパッタリング装置において、電極に周波数13.56MHz、電力5kWの高周波電力を印加することにより、チャンバー内で放電を生じさせて、大きさ7インチおよび厚みが50μmの光透過性基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(製品名「ルミラーT60」、東レ社製)の片面にターゲット物質(シリカ)からなる、厚みが50nmであり、かつ屈折率が1.46であるバリア層としてのシリカ蒸着層を形成し、これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にシリカ蒸着層が形成されたバリアフィルムを2枚形成した。
次いで、両方のバリアフィルムにおけるシリカ蒸着層側の面とは反対側の面に光拡散層用組成物1を、塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、80℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させた。その後、紫外線を積算光量が500mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより膜厚が10μmの光拡散層を形成し、光拡散層付きバリアフィルムを形成した。
次いで、両方の光拡散層付きバリアフィルムのシリカ蒸着層側に表面プラズモン励起粒子層用組成物1を塗布し、膜厚が100nmの表面プラズモン励起粒子層を形成し、光拡散層および表面プラズモン励起粒子層付きバリアフィルムを形成した。その後、一方の光拡散層および表面プラズモン励起粒子層付きバリアフィルムの表面プラズモン励起粒子層の表面に光波長変換層用組成物6を塗布し、80℃で乾燥させて、塗膜を形成した。そして、塗膜における光拡散層および表面プラズモン励起粒子付きバリアフィルムの表面プラズモン励起粒子層側の面とは反対側の面に、表面プラズモン励起粒子層が接するように他方の光拡散層および表面プラズモン励起粒子層付きバリアフィルムを積層した。この状態で、紫外線を積算光量が500mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、両方の光拡散層および表面プラズモン励起粒子層付きバリアフィルムに密着した膜厚が100μmの光波長変換層を形成した。これにより、実施例6に係る光波長変換シートを得た。
<実施例7>
実施例7においては、光波長変換層の片側のみに表面プラズモン励起粒子層を形成したこと以外は、実施例6と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<比較例1>
比較例1においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<比較例2>
比較例2においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<比較例3>
比較例3においては、光波長変換層用組成物1の代わりに光波長変換層用組成物8を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、光波長変換シートを作製した。
<銀粒子の平均粒子径測定>
上記実施例および比較例3に係る光波長変換シートにおいて、光波長変換層または表面プラズモン励起粒子層に含まれる銀粒子の平均粒子径を測定した。銀粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(製品名「S−4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて光波長変換シートの断面を倍率20万倍で観察し、この観察画像から測定された20個の銀粒子の直径の平均値として求めた。
<銀粒子−量子ドット間の平均距離測定>
上記実施例および比較例3に係る光波長変換シートにおいて、銀粒子から最も近い量子ドットまでの平均距離を求めた。銀粒子から最も近い量子ドットまでの平均距離は、透過型電子顕微鏡(製品名「S−4800」、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて光波長変換シートの断面を倍率20万倍で観察し、この観察画像において20個の銀粒子からそれぞれ最も近い量子ドットまでの距離を測定し、その平均値として求めた。
<輝度測定>
上記実施例および比較例に係る光波長変換シートにおいて、バックライト装置に組み込んだ状態で、輝度を測定した。具体的には、まず、Kindle Fire(登録商標)HDX7のバックライト装置を用意し、各光波長変換シートをこのバックライト装置に組み込んだ。このバックライト装置は、発光ピーク波長が450nmの青色発光ダイオード、光拡散板、第1のプリズムシート、および第2のプリズムシートをこの順に備えているものであり、実施例および比較例に係る光波長変換シートは光拡散板と第1のプリズムシートの間に配置された。第1のプリズムシートおよび第2のプリズムシートは、シート状の本体部と、この本体部上に並べて配置され、かつ各々が配列方向と交差する方向に延びた三角柱状の複数の単位プリズムとを備え、単位プリズムの頂角が90°となっているものであった。第1のプリズムシートは、単位プリズムの配列方向が第2のプリズムシートの単位プリズムの配列方向と直交するように配置された。
そして、光波長変換シートを組み込んだバックライト装置の青色発光ダイオードを点灯させ、青色光を光波長変換シートの一方の表面に照射して、光波長変換シートの他方の表面を介してバックライト装置の発光面(第2のプリズムシートの表面)から出射する光の輝度を、光波長変換シートの厚み方向から、分光放射輝度計(製品名「CS2000」、コニカミノルタ社製)を用いて、測定角1°の条件で、測定した。
以下、結果について述べる。比較例1に係る光波長変換シートは、光波長変換層中または光波長変換層に隣接する層に銀粒子を含んでおらず、また比較例3に係る光波長変換シートは、光波長変換層中に銀粒子を含んでいるが、銀粒子の平均粒子径が200nmを超えているので、表面プラズモンの電場増強効果が得られず、バックライト装置から出射された光の輝度が低かった。これに対し、実施例1〜4、6、7に係る光波長変換シートは、光波長変換層または表面プラズモン励起粒子層中に平均粒子径が200nm以下の銀粒子を含んでいたので、表面プラズモンの電場増強効果が得られ、バックライト装置から出射された光の輝度は比較例1、3に係る光波長変換シートを用いたバックライト装置から出射された光の輝度よりも高かった。また、比較例2に係る光波長変換シートは、光波長変換層中または光波長変換層に隣接する層に銀粒子を含んでいないため、表面プラズモンの電場増強効果が得られず、バックライト装置から出射された光の輝度が低かった。これに対し、実施例5に係る光波長変換シートは、光波長変換層または表面プラズモン励起粒子層中に平均粒子径が200nm以下の銀粒子を含んでいたので、表面プラズモンの電場増強効果が得られ、バックライト装置から出射された光の輝度は比較例2に係る光波長変換シートを用いたバックライト装置から出射された光の輝度よりも高かった。これにより、実施例1〜7においては、量子ドットの発光効率を向上できることが確認された。