JP2017140294A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンボスパターンを表面シートと吸収体とを共に圧縮して形成した吸収性物品において、やわらかな肌触りを着用者に与え、かつ、やぶれにくい吸収性物品を提供すること。【解決手段】吸収性物品10は、液透過性の表面シート14と、液不透過性の裏面シート12と、表面シート14と裏面シート12との間に配された吸収体13とを備え、表面シート14側には、表面シート14と吸収体13とを圧縮して形成された複数の凹部21が配置された圧縮列22が複数延在し、複数の圧縮列22は、互いに交差する交差領域23を形成し、凹部21は、第1凹部211と、第1凹部211よりもさらに凹んだ複数の第2凹部212とからなり、複数の第2凹部212は、それぞれ環状の溝であることを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、吸収性物品に関し、特に、使い捨ておむつや吸収パッドに関する。
使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」とも言う)等の吸収性物品においては、さまざまな改良が行われ、その機能や着用感の向上が図られている。
吸収性物品は、吸収体によって排出された体液のほとんどを吸収する。ここで、おむつは、腹、尻および股部分を覆うものであるので、歩行や寝返り、赤ちゃんのハイハイなどのさまざまな体、特に脚の動きの影響を受ける。特に、吸収体は、体のさまざまな動きによって、よれたり、折れたり、割れたりする場合がある。そうすると、おむつの股間へのフィット性が低下し、液漏れを起こしやすくなる。
そこで、特許文献1に見られるように、吸収体の肌当接面側に、おむつの前身頃から後身頃にわたる方向に対して傾斜して伸びる斜め格子状の圧縮溝であるエンボス加工を施したものがある。このように、吸収体にエンボス加工を施すことにより、脚の前後運動や臀部の丸みに追従しておむつの股間へのフィット性を高め、体液の漏れを抑制してきた。
また、このようなエンボス加工は、表面にエンボスパターンが突起するエンボスロールを、長尺の吸収体シート上で回転移動させること等で施される。おむつ製造では、例えば、長尺の吸収体シート等上でエンボスロールを回転させてエンボス加工した後、各種シートを積層する等して必要な大きさに切断していた。
ところで、着用者の体重による圧力が加わっても、溝がへたらないようにするために、吸収体の肌当接面側に配置される表面シート(トップシート)側から、表面シートと吸収体とを共に圧縮し、よりへたりにくい圧縮溝が提案されている。この場合も上述したように、エンボスロールを表面シートが積層された吸収体上に回転させることにより圧縮溝を形成する。このようにして圧縮溝を形成する際、エンボスロールの回転によって、吸収体よりも上層に位置する表面シート等が、溝に向かって食いこんでいき、表面シート等は強く張った状態となりやすい。特に、斜め格子状など、斜め方向に伸びる成分を有するエンボスパターンは、格子点付近など、同時に圧縮される地点間の距離が短くなる(間隔が狭くなる)部分がある。同時に圧縮される地点間の距離が短いと、隣接する圧縮地点双方から表面シートを引っ張る力が強く働き、表面シートが強く張った状態となりやすい。
圧縮溝自体は、圧縮されていない箇所に比べて低い位置にあるため、着用者の肌に直接ふれないが、格子点近傍、すなわち格子の角付近は表面シートおよび吸収体が引っ張られて強く張った状態で固定されている。このため、吸収体内の粉末状の高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」とも言う)が表面シートに当たる場合があった。そうすると、表面シートの肌当接面における格子の角付近は、高吸収性樹脂のごつごつ感が手触りとして伝わってしまうなど、他の部分に比べて硬いものとなってしまう。
この格子の角付近は圧縮溝の底に比べて高い位置にあるため、着用者の肌に触れて、着用者に肌触りの硬さやごわごわした感触を与えてしまい、好ましくなかった。特におむつは股間などのデリケートな肌部分に接するため、柔らかな肌触りが求められ、格子の角部分が硬いと、肌に当たる感触は好ましくなかった。
一方、着用者に違和感を与えにくくするため、特許文献2に見られるように、吸収体の肌当接面側に、高圧縮部と、高圧縮部を囲繞する低圧縮部とを有する圧縮溝であるエンボス加工を施したものがある。このような高圧縮部と低圧縮部とを有する圧縮溝のエンボス加工が施された吸収体は、着用者による着用中に、大腿部によって幅方向に圧縮される力を受けたときに、高圧縮部が突っ張り棒のようには働かず、高圧縮部の周囲に存在する低圧縮部がクッションとなって、吸収体の幅方向からの圧力を柔軟に受け止める。
特開2015−016218号公報 特開2015−097717号公報
しかしながら、特許文献2に記載されるような、吸収体の肌当接面側に、高圧縮部と低圧縮部とを有する圧縮溝であるエンボス加工を施したものは、より一層の柔軟性向上が望まれているのが現状であり、未だ改良の余地がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、エンボスパターンを表面シートと吸収体とを共に圧縮して形成した吸収性物品において、やわらかな肌触りを着用者に与え、かつ、やぶれにくい吸収性物品を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の吸収性物品は、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配された吸収体とを備える吸収性物品であって、表面シート側には、表面シートと吸収体とを圧縮して形成された複数の凹部が配置された圧縮列が複数延在し、複数の圧縮列は、互いに交差する交差領域を形成し、凹部は、第1凹部と、第1凹部よりもさらに凹んだ複数の第2凹部とからなり、複数の第2凹部は、それぞれ環状の溝であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、やわらかな肌触りを着用者に与え、かつ、やぶれにくい吸収性物品を提供することができる。
本発明による吸収性物品を展開型使い捨ておむつに応用した実施形態1の外観を示す立体投影図である。 図1に示したおむつを展開し、肌当接面側から見た部分破断平面図である。 図3に示したおむつをIII−III線で切断した断面図である。 図1に示したおむつを展開して分解状態で示す立体投影図である。 図1に示したおむつの吸収体部分をトップシート側から見た部分上面図である。 図5における圧縮列の一部を拡大した拡大部分上面図である。 図6のVII−VII線での断面図である。 図6のVIII−VIII線での断面図である。 図5に示す部分上面図の流路部分を拡大した他の拡大部分上面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施形態のみに限らず、本発明の概念に帰属する他の吸収性物品も包含するものである。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る展開型使い捨ておむつ(いわゆるテープ型使い捨ておむつ)における正面側から見た斜視図を図1に示す。図1に示すおむつを展開し、肌当接面側から見た平面図を図2に示す。図2のIII−III線破断断面図を図3に示す。さらに、図1および図2に示す展開型使い捨ておむつを破断展開した分割状態を図4に示す。
本実施形態における展開型使い捨ておむつ(以下、単におむつと記述する場合がある)10は、前身頃領域10Fと、後身頃領域10Rと、これら前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rをつなぐ股下領域10Cとを有する。また、着用時に前身頃領域10Fと後身頃領域10Rとで着用者のウエストの部分を取り囲むウエスト周り開口部10Wが形成されている。同様に、前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rの下端部股下領域10Cとで着用者の両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lが形成されている。
おむつ10の着用時に前身頃領域10Fは、着用者の腹側に位置し、後身頃領域10Rは着用者の背側に位置する。そして、股下領域10Cは、着用者の股下を覆い、左右一対の脚周り開口部10Lに、着用者の脚がそれぞれ通された形となる。したがって、脚周り開口部10Lは、着用者の両脚の付け根から太ももあたりのいずれかに位置することとなる。
おむつ10を適正な向きで着用した際に、着用者の頭から股下への体の中心軸に沿う線を仮想線Pとして、必要に応じ、以下の説明で用いる。図1に示すように、仮想線Pは、おむつ10の中央部において腹側から背側に向かって、股下部分を通って延びるものである。具体的には、仮想線Pは、例えば、おむつ10のウエスト側を上、股下側を下とすると、おむつ10の表面に沿って、かつ上下方向に延びると共に、股下部分を経由して、背側においても上下方向に延びるものである。言い換えれば、この上下方向とは、着用者の頭から股下への体の中心軸に沿う方向であり、仮想線Pは、体の中心軸に沿って延びるものである。
おむつ10の外側に位置するカバーシート11の後身頃領域10Rの左右両端縁部には、着用時に前身頃領域10Fの左右両端縁部に重ね合わせてこれらをつなぎ、脚周り開口部10Lを形成し得る左右一対のファスニングテープ10Aが接合されている。このファスニングテープ10Aは、前身頃領域10Fのカバーシート11上に接合されたフロントパッチシート10Bに対して繰り返し剥離可能に接合される。また、カバーシート11の後身頃領域10Rの上端部には、カバーシート11の幅方向に沿って延在し、着用者に対してウエスト周りに適度な着用感を与えるための弾性シート10Dが接合されている。
図2ないし図4に示されるように、本実施形態におけるおむつ10は、着用者の肌側から見て、外側から順にカバーシート11と、液不透過性のバックシート12と、親水性の薄いシートであるコアラップ(ティシュ)15で包まれた吸収体13(以下、単に吸収体13ともいう。)と、着用者の肌に触れる液透過性のトップシート14とを順に重ねて接合したものである。なお、バックシート12、コアラップ15で包まれた吸収体13およびトップシート14で、下着等に取り付けて液体を吸収する吸収性物品を形成することもできる。
カバーシート11の股下領域10Cの左右両側には、それぞれ脚周り開口部10Lとなる半円弧状をなす一対の切欠き部11Aが形成されている。液不透過性のバックシート12は、このカバーシート11に接合され、先の吸収体13は、このバックシート12と液透過性のトップシート14との間に配され、この吸収体13を介してトップシート14がバックシート12に接合される。バックシート12の幅方向の左右両側縁部の中央付近には、脚周りギャザーを形成するための糸ゴム16がそれぞれ伸長状態で接合されている。
本実施形態における液透過性のトップシート14の幅方向の左右両側縁部には、立体ギャザーを形成する液不透過性の一対のサイドシート18が備えられている。一対のサイドシート18は、外側端縁部がカバーシート11の一対の切欠き部11Aと同様の形状に形成され、着用時に吸収体13の左右両側縁部に沿って起立し、着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。一対のサイドシート18のそれぞれには、その内側端縁部を吸収体13側に折り返して把持させる形で立体ギャザー伸縮材としての糸ゴム19が伸張状態で配置され、糸ゴム19が収縮した際に、着用者の肌当接方向に向かって立ち上がる。立体ギャザーは従来の使い捨ておむつに用いられている公知の構成を採用することができる。例えば、撥水性シートの層間に伸張状態の立体ギャザー伸縮材を挟み込んで固定することにより、形成することができる。
図2に示されるように、サイドシート18は糸ゴム19の伸縮によって、長手方向に引き寄せられる。そして、図3に示されるように、内側端縁部が立ち上がった立体ギャザーとなる。
なお、本実施形態におけるおむつ10は、吸収体13が仮想線Pに沿って長くなるものであり、その長手方向は仮想線Pに平行である。そして、仮想線Pに対して直交する方向を幅方向とする。なお、おむつ10の長手方向と幅方向の比率は本実施形態に限定されない。着用者の体型に応じてこの比率は適宜変更されるものである。
次に本実施形態における吸収体部分の構造を説明する。
図5は、吸収体13およびトップシート14が位置する部分を、トップシート14側から見た部分上面図である。
トップシート14の下に位置する本実施形態の吸収体13は、主にパルプとSAPとからなるものである。吸収体13は、前身頃、股下、後身頃にわたるように、細長い形状をしている。そして、前身頃部分M1、股下部分M2、後身頃部分M3に三区分されている。股下部分M2には、両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部10Lに合わせて、円弧状をなす一対の切欠き部13Aが形成されている。なお、この切欠き部13Aは、吸収体13の大きさに応じて形成しなくてもよい。また、本実施形態の吸収体13は、切欠き部13Aが設けられており、中央部の幅が前後端に比べて狭い砂時計型のものであるが、本発明の吸収体の形状はこれに限らない。前身頃部分から後身頃部分を前後(上下)方向とし、それに直交する方向を左右方向とすると、例えば、前後(上下)端の角が丸く落とされているもの、前後(上下)に延びる楕円形のもの、円形のもの、前後(上下)左右の長さが同程度の矩形のものなど、さまざまな形状を含む。
また、吸収体13は、細長い形状であり、その形状を保持するために、例えば、端部同士が糊づけで接合された親水性の薄いシートであるコアラップ15で包まれている。コアラップ15で包まれた吸収体13は、バックシート12とトップシート14との間に配される。トップシート14は、コアラップ15で包まれた吸収体13を介してバックシート12に接合される。なお、本実施形態では、コアラップ15で包まれた吸収体13を用いているが、本発明における吸収体は、コアラップで包まれていなくてもよい。
そして、図5に示されるように、おむつ10は、トップシート14表面から吸収体13に向かって規則的なエンボス加工による圧縮を施した圧縮部形成領域(エンボスパターン形成領域)N1を有する。圧縮部形成領域N1には、圧縮して形成された複数の凹部21が斜め格子状のパターンに配置された圧縮列22が複数延在している。また、圧縮部形成領域N1のち、圧縮列22が形成されていない領域には、主吸収領域25が設けられている。主吸収領域25は、圧縮されない非圧縮領域であってもよいし、一部圧縮される準圧縮領域と非圧縮領域とを有してもよい。
なお、エンボスパターンは上下端、すなわち前身頃部分M1の上端部および後身頃部分M3の下端部まで形成されていてもよい。このように、エンボスパターンを上下端まで形成することにより、おむつ10の通気性が高まるとともに、吸収体13が折れ曲がりやすくなり着用者の体におむつ10がフィットするという効果が生じる。
本実施形態における凹部21は、おむつ着用時に着用者の体の中心軸に沿う仮想線Pに対し、傾斜したものである。具体的には、凹部21は、仮想線Pに対し、所定角度αで、第1方向である図中右方向に傾斜した右向き凹部21aと、所定角度βで、第2方向である図中左方向に傾斜した左向き凹部21bとが設けられている。そして、同方向に傾斜した凹部21は、格子1つの枡の対角線が長さL1で列を形成するように配置されており、遠視的にそれぞれ斜めに伸びる格子状となるエンボスパターンを形成している。図5には示されていないが、凹部21は、トップシート14表面から、コアラップ15および吸収体13を共に圧縮して形成されている。
なお、図5に示されるように、エンボスパターンは、吸収体13の両端には形成されていない。したがって、吸収体13は圧縮部形成領域(エンボスパターン形成領域)N1の両側に、圧縮部非形成領域(エンボスパターン非形成領域)N2が位置するものである。これは、エンボスパターンを伝って、体液が脚周り開口部10Lから漏れることを防ぐためである。
図5に示されるように、右向き凹部21aが複数並ぶ列を第1圧縮列22aとし、左向き凹部21bが複数並ぶ列を第2圧縮列22bとする。これらの圧縮列22は、仮想線Pに対して凹部21の傾斜角度と同じ角度傾いた直線状となるものである。第1圧縮列22aは、互いに間隔S1をあけて平行に延在している。また、第2圧縮列22bは、互いに間隔S2をあけて平行に延在している。このように、第1圧縮列22aと第2圧縮列22bとを延在させて、斜め格子状のエンボスパターンを形成している。本実施形態では、第1圧縮列22aと第2圧縮列22bとが互いに交差することで、交差領域23が形成されている。本実施形態においては、間隔S1とS2は同じ値としたが、両者は異なる値であってもよい。また、本実施形態においては、所定角度αと所定角度βは同じ値としたが、両者は異なる値であってもよい。
図6は、図5における円Q部分の圧縮列22の一部を拡大した模式図である。図7は、図6のVII−VII線による断面を示す図である。図8は、図7のVIII−VIII線による断面を示す図である。
図6および図7に示されるように、凹部21は、圧縮列22に間欠的に配置された、平面形状が円形の第1凹部211と、第1凹部211の周囲で第1凹部211よりもさらに深く凹み、平面形状が環状の溝である第2凹部212と、第2凹部212の周辺で第1凹部211と同じ深さで圧縮された第3凹部24と、から構成されている。第2凹部212は、第1凹部211よりも吸収体13の厚み方向に深く圧縮され、複数の第2凹部212が圧縮列22の延在方向に配列されている。そして、第1凹部211は、圧縮列22の延在方向の中央に一列に並べて配置されている。なお、本実施形態では、凹部21は、第1凹部211と第2凹部212と第3凹部24とからなるが、本発明では、凹部21は、第1凹部211と第2凹部212とから少なくとも構成されていれば、第3凹部24はあってもなくてもいい。
図7および図8に示されるように、凹部21において、最も深い地点に第2凹部212が位置し、第2凹部212の底部からわずかに上がった位置に第1凹部211が位置する。図7に示される第1凹部211の断面形状は、開口端部が底部よりも広がっている。なお、本発明では、第1凹部211および第2凹部212は、着用者への肌触りを良くするため、連続した曲面で連なっていてもよい。
凹部21の最も深い位置、すなわち第1凹部211の表面から第2凹部212の底までの深さをD1とし、主吸収領域25におけるコアラップ15で包まれた吸収体13とトップシート14からなる最大の厚みをD2とすると、深さD1は、厚みD2の1.0%〜7.0%程度である。このように、本実施形態における凹部21は、吸収体13をバックシート12方向へ深く圧縮して形成されている。そして、二段階の深さを有する形状となっている。
凹部21を形成するエンボス加工は、トップシート14と吸収体13との間に接着剤を介在させて、トップシート14表面からトップシート14と吸収体13とを共に圧縮するものである。凹部21は、エンボスロールに形成された所定の型によって、トップシート14の表面からトップシート14と吸収体13とを共に圧縮して形成されたものである。そして、第2凹部212は、平面形状が環状であり、その面積は小さい。したがって、エンボスロールによる押圧において、第2凹部212に圧力が集中し、吸収体13とトップシート14は強く圧縮される。この圧縮の際に、吸収体13のパルプ繊維とトップシート14の繊維とがしっかりと絡み合い、両者が一体となった状態で接合される。次に、第1凹部211および第3凹部24においても圧縮の際に同じ押圧力が加わるが、第2凹部212よりも面積が広く浅いため、圧力は第2凹部212ほど集中しない。そのため、吸収体13とトップシート14との接合は第2凹部212に比べるとわずかに弱いが、第1凹部211および第3凹部24の形状を形成するには十分である。このように、第2凹部212において吸収体13が強く圧縮されているとともに、吸収体13とトップシート14とがしっかりと接合することにより、凹部21の形状が維持される。例えば、着用者が着座するなどして、吸収体13表面に着用者の体重による圧力が加わった際にも、この凹部21はへたることなく、その形状を維持する。そして、脚の様々な動きによって、おむつ10が強く引っ張られたりしても、トップシート14と吸収体13がしっかりと接合し、凹部21はその形状を維持する。
ここで、第1凹部211および第3凹部24と第2凹部212との二段階構造とするのではなく、凹部21全体に強い圧縮力を加えて形成することも考えられる。すなわち、エンボス加工において、表面が平らな略円状の突起のみの型を用いて圧縮することも考えられる。しかしながら、そのような型では圧力が集中する箇所が作られていないので、全体的に強く圧力を加えないと表面シートと吸収体とが繊維が絡み合った状態で接合する箇所を作り出せない。したがって、必要な押圧力は大変強くなり、トップシート14が破れてしまう場合がある。また、全体に弱い押圧力での圧縮では、着用者の体重や様々な動きに耐えられる凹部21を形成することができない。
本実施形態では、エンボス加工の型において第2凹部212に対応する突起を設けて、部分的に強く圧縮することにより、トップシート14と吸収体13とがしっかりと接合する箇所を作るとともに、製造時にトップシート14が破れるなどの不良発生を防ぐ。なお、本実施形態では、凹部21は、二段階構造となっているが、三段階以上の複数階構造としてもよい。
また変形例として、図6において、第1凹部211と第2凹部212とから構成された凹部21の周囲を取り囲む圧縮列22の領域を、準圧縮領域24とすることもできる。すなわち、凹部21を形成するためにトップシート14と吸収体13とを強く圧縮することにより、凹部21の周囲のトップシート14および吸収体13が引っ張られて圧縮され、準圧縮領域24が形成されることになる。したがって、圧縮列22で囲まれた格子形状の主吸収領域25に比べて、準圧縮領域24は吸収体13が圧縮されている状態となる。
図7に示されるように、吸収体13の第2凹部212の底面部分は、密度が最も高い高密度部13Dである。第1凹部211および第3凹部24の底面部分は、中密度部13Eである。そして、主吸収領域25は、吸収体の密度が最も低い低密度部13Fである。なお、第3凹部24が準圧縮領域の場合、第3凹部24は、主吸収領域25に向かって密度がしだいに低くなっていく密度変化部となる。
ここで、吸収体13は、上述したように、主にSAPとパルプからなるものであり、密度は主にパルプ繊維密度が関与している。したがって、高密度部13Dはパルプが圧縮され、パルプ間の隙間が少ない状態である一方、低密度部13Fは、パルプ間の隙間が高密度部13Dに比べて多い状態である。
加えて、凹部21は、合成繊維であるトップシート14と主成分がパルプの吸収体13とを共に圧縮接合してフィルム状に形成されているので、凹部21の底面は、体液を吸収するまでは、圧縮列22の延在方向へ体液が拡散するのを促進する。
一方、凹部21で体液を吸収した場合、凹部21の厚みが急激に増加する。同時に、中密度部13Eの第3凹部24に隣接する低密度部13Fの主吸収領域25の厚みも増加するため、主吸収領域25には凹部21に吸収された体液を引き込む力が発生する。主吸収領域25に引き込まれた体液は、その主吸収領域25に隣接する他の圧縮列22に浸透し、さらにその圧縮列22内の凹部21の厚みを増加させ、連続的に体液拡散を促進させる。その引き込み速度が速いため、体液が通過した領域のSAPは、吸収余力を持った状態で維持される。
一定時間経過後、最初に体液を吸収した凹部21に再び体液が浸透したとき、凹部21の膨潤により凹部21と主吸収領域25とが一体平面化したおむつ表面を素早く体液が流れることで、体液の未浸透領域(体液の通過していない領域)に体液が達する。同時に、体液の通過した領域のSAPは吸収余力を持つため、素早く体液を吸収する。また、未浸透領域に達した体液は、さらに他の圧縮列22の凹部21の底面に浸透し、上述の機構により体液が拡散する。
本実施形態では、斜め格子状のエンボスパターンの凹部21は、凹部21にあわせた型が表面に形成されているエンボスロールを回転させながら押し当てることにより形成される。図5および図6に示されるように、エンボスロールが回転しながら矢印W方向(前身頃部分M1から後身頃部分M3へ向かう方向)に進行すると、エンボスロールの進行方向Wに対して直交する方向に並ぶ凹部21部分は全て同時に押圧されることとなる。本実施形態では、エンボスロールの円周は、吸収体13の長手方向の長さに相当するように、エンボスロールの大きさが決定されているが、これに限るものではない。
なお、本実施形態では、エンボスロールの進行方向Wは、おむつ10が完成した際に、先の仮想線Pとなる方向に平行である。上述したように、トップシート14と吸収体13とをともにエンボスロールで圧縮した後、必要な他のシート等を積層するなどして、おむつ10のサイズに切断される。切断は、おむつ10の前身頃、股下、後身頃にわたる長さで成されるため、エンボスロールの進行方向Wも仮想線Pと平行とすることにより、仮想線Pに対して傾斜した斜め格子状のエンボスパターンを形成できる。
したがって、右向き凹部21aは、進行方向Wに対しても右方向に傾斜し、左向き凹部21bは、左方向に傾斜することとなる。このため、進行方向Wにエンボスロールが進むにつれて、交差部分23に向かって隣接する右向き凹部21aと左向き凹部21b間の距離が短くなっていく。
ここで、凹部21を形成するエンボスロールの押圧の際、トップシート14は凹部21内に引き込まれるように引っ張られることになる。隣接する右向き凹部21aと左向き凹部21bは同時に押圧して形成されるので、その間に位置するトップシート14は左右から引っ張られることになる。つまり、図6において、矢印Aで示す引き込み力が左右同時に加わってトップシート14が引っ張られることになる。隣接する右向き凹部21aと左向き凹部21bの距離が短くなるほど、トップシート14の引き込み力Aの引っ張りに対する余裕部分が少なくなるため、トップシート14が強く張った状態となっていく。このため、吸収体13中のSAPがトップシート14に当たり、トップシート14表面がごつごつとした手触りとなる。これは、着用者の肌に対して刺激となるため、好ましくない。
また、いきなり深くまで凹部21を形成するとトップシート14が伝熱等で伸ばされていないうちにエンボスロールを深く押圧することになるため、トップシート14が破れてしまうおそれがある。ただし、単にエンボスロールを浅く押圧して凹部21を形成しただけでは、トップシート14と吸収体13との間の接着効果が弱まり、トップシート14が吸収体13からはがれやすくなってしまい、くっきりとしたエンボスパターンを形成することもできなくなってしまう。
そこで、本実施形態の凹部21は、エンボスロールを浅く押圧して、低圧縮部である中密度部13Eの第1凹部211および第3凹部24が形成され、エンボスロールからの熱が伝わってトップシート14が伸ばされて、高圧縮部である高密度部13Dの第2凹部212が形成される。低圧縮部である第1凹部211および第3凹部24を形成したことにより、トップシート14の引き込み力Aに対して交差領域23に余裕を持たせることができ、吸収体13を押さえこまないため、トップシート14の表面が手触りよく滑らかな仕上がりとなる。さらに、トップシート14および吸収体13の柔らかさを保ちつつ、トップシート14が吸収体13からはがれるのを防止することができる。
さらに、例えば、二段階構造の凹部において、円形の第1凹部の中心部をさらに深く押圧して第2凹部を形成すると、凹部中央の最も厚みが薄い第2凹部で屈曲性が高まり、曲げ伸ばしが容易となる。しかし、吸収体は、凹部が配列された圧縮列の延在方向の両側縁部で屈曲性を高めることが望ましい。
したがって、本実施形態の凹部21は、円形の第1凹部211の周囲にさらに深く押圧した環状の溝からなる第2凹部212を形成しているため、図7のように圧縮列の延在方向の両側縁部(高密度部13D)で最も厚みが薄く屈曲性を高めることができる。これにより、圧縮列22の両側縁部で吸収体13が折れ曲がりやすく柔軟性をさらに向上させることができ、おむつ10の着用者に柔らかい肌触りを与えることができる。また、第2凹部212の周辺に第3凹部24を設けることにより、尿などの体液の通り道を確保することができ、拡散性を高めることができるとともに、通気性を保つこともできる。
なお、本実施形態では、エンボス加工はエンボスロールを用いて行うものを説明したが、この方法に限らず、おむつの大きさに合わせた板状のエンボス板によって、おむつの大きさ単位でエンボスを押していくものなどでもよい。
加えて、吸収体13を親水性シートによってくるんだ後トップシート14を配したものだけでなく、吸収体13の上に直接、トップシート14を配したものであってもよい。また、トップシート14と親水性シートとの間に、液拡散性を向上させる液拡散シートを設けてもよい。このシートにより、体液はより拡散しやすくなる。また、親水性シートは、吸収体13をくるむように取り付けられてもよいし、単に、吸収体13の端部をくるむことなく、表、裏に重ねて配置されたものであってもよい。
次にエンボス加工によるエンボスパターンの実施例について、説明する。
図5に示すように、本実施例のエンボスパターンは、ドット状の凹部21を連ねた格子状であり、格子1つの枡の対角線の長さは42mm(4.2cm)となるように凹部21が配置されている。また、図6に示すように、圧縮列22の幅Q1は、3.0mmである。また、第2凹部212の直径Q2は2.0mmであり、第2凹部212の配列間隔Q3(隣接する第2凹部212の中心間の距離)は、3.16mmである。さらに、エンボス加工をする前の吸収体13とトップシート14との厚さは、8.0mmである。
なお、エンボス加工前の吸収体13とトップシート14との厚さは、5.0mm〜20.0mmが好ましい。また、この吸収体13とトップシート14の構成に対しては、圧縮列22の幅Q1は、2.0mm〜5.0mmが好ましく、第2凹部212の直径Q2は、1.0mm〜4.0mmが好ましく、配列間隔Q3は、2.0mm〜8.0mmが好ましい。
また、図5および図6に示されるように、本実施例のエンボスパターンは、第1圧縮列22aが間隔S1で平行に延在し、第2圧縮列22bが間隔S2で平行に延在している。そして、これら第1圧縮列22aと第2圧縮列22bとによって、斜め格子状となるエンボスパターンが形成される。本実施例における格子の1辺の長さS1およびS2は等しく、29.7mmである。格子の間隔は、8.0mm以上40.0mm以下が好ましい。また、図5に示されるように、格子1つの枡の対角線の長さL1は、約42.0mmである。長さL1は、13.0mm〜54.0mmの範囲が好ましい。
また、本実施形態において、エンボス加工をする前の吸収体13とトップシート14との厚さは、8.0mmであり、図7に示されるように、凹部21の最も深い第2凹部212の深さD1は0.78mmである。そして、主吸収領域25の最大の厚みは8.0mmである。
なお、エンボス加工前の吸収体13とトップシート14との厚さは、5.0mm〜20.0mmが好ましい。そして、第2凹部212の最大深さD1は、0.3mm〜0.8mmが好ましい。また、主吸収領域25の最大の厚みは、5.0mm〜20.0mmが好ましい。
各凹部21をこのような深さ及び間隔で形成することにより、体重が加わっても、その溝を維持することができるとともに、おむつの股下部の肌当接面において、柔らかい肌触りを維持することができる。したがって、斜め格子状のエンボスパターンにより、脚の様々な動きに対しておむつがよれるなど変形を抑制できるとともに、その肌触りを柔らかいものとして、肌への刺激を極力抑えることができる。
また、本実施形態では、複数の凹部21によって格子形状の圧縮列22を形成しているが、圧縮列22方向に延在した略楕円形の一つの凹部21によって、格子形状の枡の一辺を形成するようにしてもよい。なお、第2凹部212の形状は本実施形態に示した形状に限らず、四角形、楕円形、三角形など様々な形状を取り得る。
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る吸収体部分の構造を説明する。
図9は、本発明の実施形態2に係る圧縮列22の一部を拡大した模式図である。本実施形態の圧縮列22のエンボスパターンが実施形態1の圧縮列22のエンボスパターンと相違する点は、第1凹部211および第2凹部212が吸収体13の幅方向に一箇所だけ形成されている点である。
本実施形態のおむつ10は、実施形態1と同様に、円形の第1凹部211の周囲にさらに深く押圧した環状の溝からなる第2凹部212を形成しているため、やわらかな肌触りを着用者に与え、かつ、やぶれにくいという効果を有する。
さらに、圧縮列22の延在方向において隣接する第2凹部212の配列間隔Q3が、交差領域23を除き、実施形態1の配列間隔Q3に対して2倍の間隔に形成されている。このように、図9の矢印W方向に進行させたエンボスロールで吸収体13の表面にエンボスパターンを形成すると、吸収体13の幅方向に形成される第2凹部212が一箇所だけとなるため、エンボスロールの先端から吸収体13の表面に形成される凹部21へ加わる力が分散することなく長手方向のどの位置でも一定にすることができる。したがって、トップシート14と吸収体13との間の接着ムラを低減することができ、トップシート14を吸収体13からはがれにくくさせることができる。また、深く押圧された第2凹部212を形成することにより、くっきりとしたエンボスパターンを形成することができる。
本実施形態では、実施形態1と同様、図5および図6に示されるように、エンボスロールが回転しながら矢印W方向(前身頃部分M1から後身頃部分M3へ向かう方向)に進行すると、エンボスロールの進行方向Wに対して直交する方向に並ぶ凹部21部分は全て同時に押圧されることとなる。
図9に示す圧縮列22の幅Q1および第2凹部212の直径Q2は、実施形態1と同様に、それぞれ3.0mmおよび2.0mmである。また、本実施形態の第2凹部212の配列間隔Q3(隣接する第2凹部212の中心間の距離)は、6.32mmである。なお、本実施形態の圧縮列22の幅Q1は、2.0mm〜5.0mmが好ましく、第2凹部212の直径Q2は、1.0mm〜4.0mmが好ましく、配列間隔Q3は、2.0mm〜8.0mmが好ましい。
本実施形態では、凹部21は、圧縮列22の延在方向の両側縁部側に交互に近接して配列されているが、本発明はこれに限らず、圧縮列22aの延在方向に第1凹部211および第2凹部212が連続して配置され、その次に圧縮列22bの延在方向に第1凹部211および第2凹部212が連続して配置されるなど、第1凹部211および第2凹部212がランダムに配置されるものであってもよい。
本発明の上記実施形態に係る使い捨ておむつ10は、大人用、子供用のいずれにも適用可能である。また、本実施形態では、展開型おむつ10(いわゆるテープ型おむつ)を例にして説明したが、パンツ型おむつにも適用可能であるのはいうまでもない。また、本発明の吸収性物品はおむつのみに特定されるものではなく、吸収パッドや尿漏れパッド等、他の一般的な各種吸収性物品全般に適用されるものである。例えば、図5に示されるように、吸収体13およびトップシート14部分の構造から、本発明は、吸収パッド等にも適用可能であり、おむつと同様の作用効果を有するものである。
10 使い捨ておむつ
10A ファスニングテープ
10B フロントパッチシート
10F 前身頃領域
10R 後身頃領域
10C 股下領域
10W ウエスト周り開口部
10L 脚周り開口部
10D 弾性シート
11 カバーシート
11A、13A 切欠き部
12 バックシート(裏面シート)
13 吸収体
14 トップシート(表面シート)
15 コアラップ
16、19 糸ゴム
18 サイドシート
21 凹部
21a 右向き凹部(第1方向に傾斜した凹部)
21b 左向き凹部(第2方向に傾斜した凹部)
211 第1凹部
212 第2凹部(凹部における最も深い底を形成する部分)
22 圧縮列
22a 第1圧縮列
22b 第2圧縮列
23 交差領域
24 第3凹部
25 主吸収領域
S1 複数の第1圧縮列の形成間隔
S2 複数の第2圧縮列の形成間隔
Q1 圧縮列の幅
Q2 凹部の直径
Q3 凹部の配列間隔
D1 第2凹部の底までの凹部の最大深さ
D2 主吸収領域の厚み
L1 1つの枡の対角線

Claims (5)

  1. 液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配された吸収体とを備える吸収性物品であって、
    前記表面シート側には、前記表面シートと前記吸収体とを圧縮して形成された複数の凹部が配置された圧縮列が複数延在し、
    前記複数の圧縮列は、互いに交差する交差領域を形成し、
    前記凹部は、第1凹部と、該第1凹部よりもさらに凹んだ複数の第2凹部とからなり、
    前記複数の第2凹部は、それぞれ環状の溝であることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記圧縮列の延在方向と交差する方向の前記第1凹部の断面形状は、開口端部が底部よりも広がっていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第1凹部および前記第2凹部は、連続した曲面で連なっていることを特徴とする請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記複数の第2凹部は、前記圧縮列の延在方向に配列されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記複数の第2凹部は、前記圧縮列の延在方向の一方の側縁部側に近接して形成されたものと他方の側縁部側に近接して形成されたものとを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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