JP2017141354A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間連続して成形を行っても異物混入量が少なく、ホルムアルデヒド発生量が少ないポリアセタール樹脂成形体を製造できるポリアセタール樹脂組成物提供すること。【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂、(B)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物、(C)酸化防止剤、(D)エチレン/α—オレフィン共重合体、及び、(E)ポリアルキレングリコールを含むポリアセタール樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、成形性に優れたポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は結晶性樹脂であり、剛性、強度、靭性、摺動性、クリープ性に優れた樹脂材料である。ポリアセタール樹脂の用途は、自動車部品、電気・電子部品及び工業部品などの各種機構部品用樹脂材料として、広範囲に亘っている。
これらの各種の機構部品は、通常次のように連続生産される。先ずポリアセタール樹脂に安定剤等の各種添加剤を配合し、押出し機等により溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを得る。得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを用いて所望の成形品を射出成形し、各種機構部品を連続生産する。
このような連続生産を長期間に亘り行う場合、ポリアセタール樹脂は、押出し機等により所定の滞留時間および温度で溶融混練されることにより熱分解し、ホルムアルデヒドを放出する。そして、放出されたホルムアルデヒドは、糖化反応(ホルモース反応)により炭化物となる。また、ポリアセタール樹脂中に添加されている安定剤等の各種添加剤は、押出し機等により所定の滞留時間および温度で溶融混練されることにより、いわゆる焼けによる変性が起こり、変性物となる。
ポリアセタール樹脂成形品を長期間連続使用した際、上記炭化物や変性物が存在する箇所は、成形品使用時の応力が集中し、破壊の起点となる。したがって、上記炭化物や変性物が混入したポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品は、本来有するポリアセタール樹脂由来の耐久性が阻害される。
そのため、ポリアセタール樹脂組成物を用いて各種の機構部品を連続生産する場合、ポリアセタール樹脂を含む原料を押出し機等により溶融混練する際の温度をポリアセタール樹脂の融点近傍まで極力下げ、更には滞留時間を抑えるなどの条件で、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを生産し、上記炭化物および変性物の発生を抑制している。また定期的に押出し機等の溶融混練装置を洗浄するなどの処置を施し、上記炭化物および変性物が成形品に混入することを防止している。さらには、ポリアセタール樹脂組成物を用いた成形品中に上記炭化物および変性物等の異物が混入していないか、目視で検査するなどの工程検査を行い、品質管理に多大な労力を要しているのが現状である。
従来、ポリアセタール樹脂の熱安定性を改良する方法として、3元共重合ポリアミドを添加配合する方法(例えば、特許文献1参照)、ポリ−β−アラニン重合体を添加配合する方法(例えば、特許文献2参照)、2種以上のポリアミド樹脂を添加配合する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。また、近年自動車内装部品を中心に、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)の放出量の更なる低減要求がある。そのため、ホルムアルデヒド放出抑制剤を添加し、成形品から放出されるホルムアルデヒド量を低減する試みがなされている(例えば、特許文献4参照)。
特公昭34−005440号公報 特開平02−247247号公報 特開昭51−064559号公報 特開平10−298401号公報
上記従来提案されている方法によると、短時間で連続してポリアセタール樹脂を含む原料を押出し機等により溶融混練する場合には、ポリアセタール樹脂の熱分解や、各種添加剤の変性を抑制できる。
しかしながら、上記従来提案されている方法でも、長期間連続してポリアセタール樹脂成形体を生産した場合は、ポリアセタール樹脂の熱分解により発生するホルムアルデヒド起因の炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物が成形体に混入し、所謂異物の混入を抑制することはできない。ポリアセタール樹脂成形体に異物が混入すると、異物存在箇所から応力集中し、長期耐久性が悪化する。
そこで本発明は、長時間連続して成形を行っても異物混入量が少なく、ホルムアルデヒド発生量が少ないポリアセタール樹脂成形体を製造できるポリアセタール樹脂組成物提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に特定の添加剤を組み合わせて配合する事により、長時間連続して成形を行っても、ポリアセタール樹脂の熱分解により発生するホルムアルデヒドに起因する炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を効果的に抑制することができ、且つ金型汚染性を著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1](A)ポリアセタール樹脂、(B)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物、(C)酸化防止剤、(D)エチレン/α―オレフィン共重合体、及び、(E)ポリアルキレングリコールを含むポリアセタール樹脂組成物。
[2]前記ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(B)が、アミノ置換トリアジン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド誘導体、アミド化合物、ポリアミド、及び、ポリアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種である、[1]記載のポリアセタール樹脂組成物。
[3]前記エチレン/α―オレフィン共重合体(D)が、1,000〜10,000の数平均分子量(Mn)を有する、[1]又は[2]記載のポリアセタール樹脂組成物。
[4]前記ポリアルキレングリコール(E)が、分子量1,000〜20,000のポリアルキレングリコールである、[1]〜[3]の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によれば、長時間連続成形した際に発生するホルムアルデヒド起因及び各種添加剤起因の炭化物、変性物の発生を抑制し、且つ金型のメンテナンス頻度を著しく低減(改善)した金型汚染性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、説明する。本発明は、以下の記載に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂、(B)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物、(C)酸化防止剤、(D)エチレン/α―オレフィン共重合体、及び、(E)ポリアルキレングリコールを含有する。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂(A)とは、オキシメチレン基を主鎖に有するポリマーをいい、中でも、重合体連鎖の両末端がエステル基により封鎖された、ポリオキシメチレンホモポリマーであることが好ましい。
ポリアセタール樹脂(A)の230℃で窒素環境雰囲気条件下でのホルムアルデヒド発生量は、0.001〜2.0質量%であることが好ましい。より好ましくは、ホルムアルデヒド発生量が0.001〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.001〜0.8質量%である。ポリアセタール樹脂(A)から発生するホルムアルデヒドの量が上記の範囲にある時、とりわけ効果的である。
上記ホルムアルデヒド発生量とは、主に不安定末端基から放出されるホルムアルデヒドの量であり、以下に示す方法により定量する事ができる。
230℃のオイルバスに、配管を有するSUS製の容器に入れたポリアセタール樹脂を90分間浸漬させる。その後、前記配管に窒素ガスを流し、熱分解によって発生したホルムアルデヒドガスを外部に取り出し、亜硫酸ナトリウム水溶液に吸収させ硫酸で滴定し、ホルムアルデヒド発生量を求める。
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(B)としては、例えば、アミノ置換トリアジン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド誘導体、アミド化合物、ポリアミド、アクリルアミド重合体等が挙げられる。これらは、各々を単独、或いは併用して用いることができる。
前記アミノ置換トリアジン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン等が挙げられる。
前記尿素誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物等が挙げられる。
前記N−置換尿素としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル基等の置換基を有するメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素が挙げられる。
前記尿素縮合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。
前記ヒダントイン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。
前記ウレイド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アラントイン等が挙げられる。
前記ヒドラジド誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒドラジド化合物を挙げることができる。
ヒドラジド化合物は、カルボン酸(含芳香族、脂環)とヒドラジンとの反応により合成される、カルボン酸モノ/又はジヒドラジド化合物やアルキル基置換モノ/又はジヒドラジド化合物である。カルボン酸モノ/又はジヒドラジド化合物を構成するカルボン酸とは、モノカルボン酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸である。ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタリン酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸、ピルビン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アコニット酸、アミノ酸、ニトロカルボン酸が挙げられる。また不飽和カルボン酸の例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸が挙げられる。これらカルボン酸を用いて合成されるカルボン酸モノ(ジ)ヒドラジド化合物は、例えば、カルボジヒドラジン、シュウ酸モノ(ジ)ヒドラジド、マロン酸モノ(ジ)ヒドラジド、コハク酸モノ(ジ)ヒドラジド、グルタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノ(ジ)ヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、プロピオン酸モノヒドラジド、ラウリン酸モノヒドラジド、ステアリン酸モノヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタリン酸ジヒドラジド、p―ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、p―ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、1,4−シクロへキサンジカルボン酸ジヒドラジン、アセトヒドラジド、アクリロヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ベンゾヒドラジド、ニコチノヒドラジド、イソニコチノヒドラジド、イソブチルヒドラジン、オレイン酸ヒドラジド等が挙げられる。これらカルボン酸の中でも、アジピン酸、セバシン酸、ラウリン酸等のジカルボン酸が好ましく、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノ(ジ)ヒドラジドが、最も好ましいカルボン酸ヒドラジド化合物である。
これらカルボン酸ヒドラジド化合物の中でも、モノヒドラジド化合物とジヒドラジド化合物の含有率が特定の範囲にある時、とりわけ、長時間連続成形時に発生する炭化物及び変性物の発生抑制と、金型汚染性を改良する事ができる。モノヒドラジド化合物とジヒドラジド化合物の含有率は、カルボン酸モノヒドラジド化合物とジヒドラジド化合物の合計量に対して、モノヒドラジド化合物の含有率が、0.0001〜1.0質量%の範囲であることが好ましい。中でも好ましいモノヒドラジド化合物の含有率が、0.0001〜0.5質量%であり、最も好ましい含有率は、0.0001〜0.1質量%の範囲である。カルボン酸モノヒドラジド化合物の含有率の調整方法は、カルボン酸ジヒドラジド化合物にモノヒドラジド化合物を添加し調整する方法や、前述のカルボン酸とヒドラジンの反応により合成する際、その合成反応条件を調整する方法がある。カルボン酸とヒドラジンとの合成反応条件を調整する方法では、合成反応時に中間体としてモノヒドラジド化合物が生成する。このモノヒドラジド化合物を洗浄除去により、モノヒドラジド化合物の含有率を調整する事が可能である。
前記アミド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミド、ポリアクリルアミド共重合体が挙げられる。
前記ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド4,6、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6,10、ポリアミド6,11、ポリアミド6,12、ポリアミド6,66,610の3元共重合体が挙げられる。
前記ポリアクリルアミドとしては、第一級アミド基が30〜70mol%であり、0.1〜10μmの平均粒子径を有する粒子状のものが好ましい。
中でも好ましいポリアクリルアミドは、架橋型ポリアクリルアミドで且つ平均粒子径が10μm以下のものである。更に好ましくは、平均粒子径が5μm以下のポリアクリルアミドであり、最も好ましくは、架橋型で平均粒子径が3μm以下のポリアクリルアミドである。
前記ポリアミドと上述のポリアクリルアミドとを併用することにより、ポリアセタール樹脂組成物の押出し生産性を更に向上させる傾向にある。前述のポリアミドの中でも、ポリアセタール樹脂の加工温度近傍に融点を有するポリアミド6,66,610の3元共重合体(融点:186℃)、ポリアミド66(融点:265℃)、ポリアミド6(融点:230℃)が好ましい。最も好ましいポリアミドは、ポリアミド6/66/610の3元共重合体(融点:186℃)である。
エチレン/α―オレフィン共重合体(D)としては、限定はないが、下記一般式(I)で表される、少なくとも1種のオレフィン単位を含む、1,000〜10,000の数平均分子量(Mn)を有するエチレン/α―オレフィン共重合体が好ましい。中でも好ましいエチレン/α―オレフィン共重合体は、数平均分子量(Mn)が1,200〜8,000であり、より好ましくは2,000〜3,500の数平均分子量(Mn)を有するエチレン/α―オレフィン共重合体である。
Figure 2017141354
(R1、R2は、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、及びエーテル基よりなる群から選ばれ、各々同一であってもよく、異なっていても良い。n=30〜200の整数である。)
ポリアルキレングリコール(E)としては、限定はないが、下記一般式(II)で表されるポリアルキレングリコール単独重合体が好ましい。
Figure 2017141354
(R3は、水素、アルキル基、置換アルキル基及びアリール基よりなる群から選ばれ、2つのR3は各々同一であっても異なっていても良い。X=2〜6の整数、Y=1,000〜20,000の整数である。)
中でも好ましくは、数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000のポリエチレングリコールであり、より好ましくは2,000〜6,000の数平均分子量(Mn)を有するポリエチレングリコールグリコールである。
酸化防止剤(C)の具体例としては、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n− オクタデシル−3−(3'−メチル−5−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6―ヘキサンジオールービスー(3−(3,5−ジ−t− ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオールービスー(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピ オネート)、トリエチレングリコールービスー(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N'−ビス−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N'−テトラメチレンビス−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N, N'−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N'−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N'−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等が挙げられる。
上記酸化防止剤の中でも、トリエチレングリコールービスー(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、及び、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。
これらの酸化防止剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、ポリアセタール樹脂(A)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(B)、酸化防止剤(C)、エチレン/αーオレフィン共重合体(D)、及び、ポリアルキレングリコール(E)を組合せる事により、長時間連続成形時に発生する炭化物及び変性物の発生抑制と、金型汚染性を改良を達成する事ができる。
本実施形態の樹脂組成物には、ポリアセタール樹脂の特性を損なわない範囲で、更に紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料及び各種強化材等の各種添加剤を添加する事が可能である。
本実施形態の樹脂組成物から、単軸押出し機、或いは2軸押出し機を用いて溶融混練しペレット状の製品を得る事ができる。得られたペレット状の製品を用いて、目的とする成形体を得る事ができる。成形体を調整する方法は、特に限定するものではなく、通常用いられる射出成形機や押出し成形で調整可能である。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。以下、評価方法を説明する。
(1)ポリアセタール樹脂から発生するホルムアルデヒドの定量
230℃(窒素下)のオイルバスに、配管を有するステンレス製容器に入れたポリアセタール樹脂を90分浸漬し、その後、配管から窒素ガスを流し、ポリアセタール樹脂から発生したホルムアルデヒドを窒素ガスにて外部に取出し、亜硫酸ナトリウム水溶液に吸収させた。ホルムアルデヒドを吸収させた亜硫酸ナトリウム水溶液を硫酸にて中和滴定した。硫酸滴定量から発生したホルムアルデヒド量を算出した。
(2)ポリアセタール樹脂組成物成形体から発生するホルムアルデヒドの定量(VDA275値の測定)
実施例、比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、シリンダー設定温度が220℃の射出成形機(金型温度:80℃、ゲートサイズ:3*3mmのサイドゲート)(東芝製、IS−100GN)を用いて、10,000ショット連続して長期間連続成形し、100*40*3mmのサイズの試験片を得た。成形サイクルは、射出と冷却を併せて、30秒/サイクルとした。得られた成形体を、23℃で50%湿度に調整した恒温室に1昼夜放置した。
その後、ドイツ自動車工業会規定の方法(条件)に従ってVDA275値(100*40mmの平板試験片を1リットルの容器内に吊るし、水を50ミリリットル入れて密閉後、加熱処理を行った後、容器内の水に吸収されたホルムアルデヒドガスを化学分析で定量して得られた値)を測定した。ただし、加熱処理条件は65℃の温度で2時間とし、試験片サイズは、100*40*3mmとした。
(3)異物混入量測定
実施例、比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを、前述の(2)VDA275値の測定の際と同じ条件で長期間連続成形し、得られた成形品中に混入した異物を目視にて定量し求めた。ただし、成形品内部に混入した異物については、目視では見つける事ができない為、ここで規定している異物点数は成形品表面に存在する、目視で観察できる異物点数のみとした。
(4)実施例、比較例で使用した成分
(A)ポリアセタール樹脂
・A−1:MFR値=15g/10min、ホルムアルデヒド発生量が0.4%の、末端基をアセチル化により安定化したホルムアルデヒド単独重合体。
・A−2:MFR値=15g/10min、ホルムアルデヒド発生量が2.1%のホルムアルデヒド単独重合体。
・A−3:MFR値=9g/10min、ホルムアルデヒド発生量が0.2%の、不安定末端基を除去し安定化した、1,3−ジオキソランが4mol%のポリアセタールコポリマー。
・A−4:MFR値=9g/10min、ホルムアルデヒド発生量が2.2%の1,3−ジオキソランが4mol%のポリアセタールコポリマー。
(B)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物
・B−1 :ポリアクリルアミド(平均粒子径:2.3μm)
・B―2 :セバシン酸ジヒドラジド(融点:186℃)
・B−3 :ポリアミド6/66/610の3元共重合体(融点:186℃)
(C)酸化防止剤
・C−1 :トリエチレングリコールービスー(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)―プロピオネート)
(D)エチレン/α―オレフィン共重合体
・D−1 :ルーカントHLC600(三井化学社製:液状オレフィンオリゴマー 数平均分子量2600) ・D−2 :ルーカントHC2000(三井化学社製:液状オレフィンオリゴマー 数平均分子量3700)
・D−3 :ルーカントHC40(三井化学社製:液状オレフィンオリゴマー 数平均分子量1000)
(E)ポリアルキレングリコール
・E−1 :ポリエチレングリコール(数平均分子量:6,000)
[実施例1]
ポリアセタール樹脂(A−1)100質量部に、酸化防止剤(C−1)0.1部、含窒素化合物(B−1)0.1部、エチレン/α―オレフィン共重合体(D−1)0.1部、ポリエチレングルコール(E−1)0.1部添加し、30φ単軸押出し機にて溶融混練した。この時の押出し条件は、シリンダー設定温度は200℃、吐出量は4kg/hr、スクリュー回転数は50rpm、ベント減圧度は−720mmHgとした。得られたペレット状の製品を80℃で3時間乾燥した後、ホルムアルデヒド発生量と異物発生量を測定した。結果を表1に示した。
[実施例2〜10]
組成を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
含窒素化合物(B−1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
[比較例2〜4]
エチレン/α―オレフィン共重合体(D−1)及び/又はポリエチレングルコール(E−1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
Figure 2017141354
表1の結果から明らかなように、(A)ポリアセタール樹脂の他に、他の成分(B)〜(E)すべてを含む本発明のポリアセタール樹脂組成物は、長期間連続成形しても、成型体からのホルムアルデヒドの発生や成型体への異物混入量が少ないことが確認された。特に、(A)ポリアセタール樹脂自体のホルムアルデヒドの発生量が多い場合であっても(A−2、A−4)、ホルムアルデヒドの発生量及び異物混入量は比較的低く抑えられていた(実施例9、10)。
これに対し、成分(B)〜(E)のいずれかを含まないポリアセタール樹脂組成物は、ホルムアルデヒドの発生量及び異物混入量が共に多かった。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、各種用途、例えば、電子・電気機器部品や自動車機構部品及び工業用機構部品の製造等に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)ポリアセタール樹脂、(B)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物、(C)酸化防止剤、(D)エチレン/α―オレフィン共重合体、及び、(E)ポリアルキレングリコールを含むポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(B)が、アミノ置換トリアジン化合物、尿素誘導体、ヒドラジド誘導体、アミド化合物、ポリアミド、及び、ポリアクリルアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記エチレン/α―オレフィン共重合体(D)が、1,000〜10,000の数平均分子量(Mn)を有する、請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記ポリアルキレングリコール(E)が、分子量1,000〜20,000のポリアルキレングリコールである、請求項1〜3の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
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