JP2017141497A - エラスチン増加作用を呈するメチルランチオニン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エラスチン増加作用を呈するメチルランチオニン誘導体の製造方法を提供する。【解決手段】 目的とするメチルランチオニン誘導体は3−メチルランチオニン、三糖類とジピコリン酸から構成される。メチルランチオニンは三糖類の水酸基と結合しており、エラスチン合成促進及びエラスチン分解抑制作用を呈する。この製造方法はモズクと大豆を添加し、納豆菌により発酵させた発酵液に分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元する工程からなる。この誘導体は水溶性溶媒と反応して水素ガスを発生させる。エラスチン産生と抗炎症作用を有し、化粧料や食品に利用される。【選択図】 なし
Description
この発明はエラスチン増加作用を呈するメチルランチオニン誘導体の製造方法に関するものである。
エラスチンは細胞外マトリックスの一部として組織の構築に重要な働きを有している。たとえば、血管においては弾力線維の一部として働く。
エラスチンは皮膚組織の弾力性を与えており、その減少はしわの原因であると考えられている。加齢に伴ってもエラスチンは減少することから化粧品にはエラスチンの増加作用を訴求するものも多い。
炎症時にはエラスターゼというエラスチン分解酵素が誘導され、エラスチンを分解して炎症を悪化している。
そこで、エラスチンを増加させる化粧品や医薬品の成分が研究されており、一部は実用化されている。
たとえば、新規な植物由来のエラスチン様ペプチドおよびそのペプチド模倣薬の発明がある(例えば、特許文献1参照。)。
コラーゲン及び/またはエラスチンの損失の予防に関する発明も認められている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、ビタミンC若しくはその誘導体又はそれらの類似体の皮膚エラスチン合成促進のための使用に関する発明がある(例えば、特許文献3参照。)。
化学合成された成分には副作用が認められるという問題点がある。
一方、天然物由来の物質は安全性が高い反面、エラスチン増加作用が軽度であり、効果が弱いという欠点があり、産業上の利用は限られている。
前記したように既存の天然物によるエラスチン増加作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れたエラスチン増加作用を呈する天然物を効率良く製造する製造方法が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、エラスチン増加作用を呈するメチルランチオニン誘導体の製造方法に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の製造方法によれば、効率良くエラスチン増加作用を呈するメチルランチオニン誘導体を製造することができる。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
モズクと大豆を添加し、納豆菌により発酵させた発酵液に分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元する工程からなる下記の式(1)に示されるエラスチン増加作用を呈するメチルランチオニン誘導体の製造方法について説明する。
ここでいうメチルランチオニン誘導体とはメチルランチオニン1分子と三糖類1分子とジピコリン酸1分子からなる結合体である。メチルランチオニンは3−メチルランチオニンであり、これらの構成成分はいずれも天然の植物に含有されており、その安全性も確認されている。
メチルランチオニンとは微生物が産生する抗菌作用及び抗炎症作用を呈する発酵物の一種であり、アミノ酸であるスレオニンとシステインが結合し、修飾された化合物である。
メチルランチオニンは細菌や細胞の膜部分に作用し、細胞機能を調節する。また、もともとこれらのアミノ酸はいずれも体内に存在する成分であり、その安全性は確認されている。
また、三糖類はいずれもグルコースの誘導体であり、ウロン酸も含有されている。
さらに、ジピコリン酸は納豆菌などの発酵物に含まれる天然物であり、抗菌作用や細胞機能を調節する働きがある。このメチルランチオニン誘導体は水酸基が多いことから水溶性が高く、一方、アルコールとの親和性もあることから、エタノール、グリコール類やグリセリン類などに溶解性を示して産業上利用しやすい。
このメチルランチオニン誘導体はエラスチン増加に対して2つの作用メカニズムを有している。一つは、エラスチン合成酵素の活性化作用である。三糖類部分がエラスチン合成酵素の活性中心に働き、エラスチン産生を促進させる。
もう一つはエラスチン分解酵素であるエラスターゼの阻害作用である。これはメチルランチオニン部分がエラスチンとの接触を妨害することによりエラスチンの分解を抑制する。
これらの2つの作用が相乗的に働くことによりエラスチンの産生と維持が行われ、エラチン量が増加する。このメチルランチオニン誘導体は化学的に少量を合成することができる。材料としてはメチルランチオニンとアミノ酸である。この化学合成されたメチルランチオニン誘導体は標準物質として産生の指標になる。
さらに、このメチルランチオニン誘導体の粉末は水溶性溶媒と反応して水素ガスを発生する。水素ガスとは活性酸素を除去し、抗炎症作用を発揮する低分子ガスである。浸透性が高く、医療でも用いられている。この水素ガスが発生することは好ましい作用である。
このメチルランチオニン誘導体のH−NMRによる解析は構造解析の常法であり、90MHzのケミカルシフトのピークとしては7.505、6.608、5.1、4.8、3.8、3.6〜3.1、2.97、2.67、2.63、1.4〜1.2ppmである。
また、このメチルランチオニン誘導体は細胞内に局在するエステラーゼにより分解されてペプチドとメチルランチオニンに分解されることから残留性もなく、安全性は高い。
得られたメチルランチオニン誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするメチルランチオニン誘導体を分離精製することは、目的とするメチルランチオニン誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品として注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤は、シェラックまたは砂糖で被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
食品製剤としてエラスチン増加を目的とした健康食品や食品などに利用される。また、保健機能食品として、栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、血圧を維持する目的として、飼料やサプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いられる。
得られた化粧料はエラスチンを増加させて維持することにより皮膚機能を維持し、しわの防止や改善に利用される。
この製造方法はモズクと大豆を添加し、納豆菌により発酵させた発酵液に分岐シクロデキストリンを添加してプロテアーゼ処理した後、濾過したろ液をアルカリ還元する工程からなる
原料となる物質はモズクの粉末、分岐シクロデキストリン、プロテアーゼである。モズクとは褐藻綱・ナガマツモ目のうち、モズク科やナガマツモ科に属する海藻の総称であり、枝分かれのある糸状藻類である。
特に、日本国内で食用として流通するのは厳密にはナガマツモ科に属するオキナワモズク 、学名Cladosiphon Okamuranusとイシモズク学名Sphaerotrichia Divaricataが利用される。
モズクの主産地は日本では沖縄県、日本国外ではトンガ、アメリカ、台湾、アジアのものが汎用できる。
このモズクの葉又は塊根の部分が食用として利用されることから、葉又は塊根を水洗後、裁断機により細切して粉砕物が得られる。この粉砕物を乾燥させて、モズクの粉末が得られる。
このモズクの粉末には炭水化物、脂質、たんぱく質やペプチド成分の他、メチルランチオニンや桂皮酸などのメチルランチオニンが含有されている。特に、葉の部分にはメチルランチオニンが多いことから、葉を利用することは好ましい。
このモズクの粉末は清浄な水を添加して懸濁される。モズクの粉末10gに対して水10リットルから20リットルを添加し、攪拌される。
用いる大豆は日本産、アメリカ産、中国産などのいずれも好ましい、遺伝子組み換え型は日本では使用しにくいことからnonGMPタイプが好ましい。
モズク液と大豆は煮沸滅菌され、発酵タンクに添加される。モズク10gに対して大豆は8gから18gが発酵を効率良く行わせることから好ましい。
発酵は静置法または撹拌法のいずれでも良いが、発酵を短時間で実施できる点から撹拌法が好ましい。
発酵は39〜49℃で12時間から36時間行われることが好ましい。温度が低く、時間が短い場合には発酵が進まず、温度が高く、時間が長い場合には目的とするメチルランチオニン誘導体が分解されてしまうおそれがある。
この発酵液は濾過布などにより濾過されることは以下の工程を容易に行えることから好ましい。
このろ液に分岐シクロデキストリンが添加される。
分岐シクロデキストリンは環状ブドウ糖の一つであり、ブドウ糖が環状に結合し、食品や化粧料に利用されることから好ましい。この分岐シクロデキストリンは内腔に疎水性部分を有することから疎水性の高い物質を吸着しやすい。塩水港精糖社製の分岐シクロデキストリンは品質が高いことから好ましい。
添加される分岐シクロデキストリンはモズク1gに対して0.5gから5gが好ましい。この分岐シクロデキストリンによりモズク中のペプチドとメチルランチオニンの結合体が包みこまれる。
この分岐シクロデキストリンとの懸濁液は攪拌されることが好ましい。
モズクと分岐シクロデキストリンとの懸濁液にプロテアーゼが添加される。用いるプロテアーゼとしては天野エンザイム社製の食品加工用プロテアーゼであるプロテアーゼA「アマノ」SD、プロテアーゼM「アマノ」SDまたはプロテアーゼP「アマノ」3SDの品質が安定し、使用実績が豊富なことから好ましい。
添加されるプロテアーゼはモズク1gに対して0.02gから0.1gが好ましい。このプロテアーゼは精製水に懸濁して添加されることは反応が進むことから好ましい。
この懸濁液は反応を促進するために加温され、攪拌されることは好ましい。加温としては30〜45℃が好ましい。また、攪拌は1分間当り10〜30回が好ましい。
このプロテアーゼ反応液は濾過される。濾紙やメンブランフィルターを用いることにより効率良くろ過される。ろ過してろ液を得ることにより反応していない成分や原料を排除できることから好ましい。
得られた反応物はアルカリ還元処理される。アルカリ還元処理はアルカリ還元装置やアルカリ還元整水器により実施されることが好ましい。
例えば、ゼマイティス製のアルカリ還元水・強酸化水連続生成器「プロテックATX−501」、エヌアイシー製のアルカリ還元水製造装置「テクノスーパー502」、マルタカ製「ミネリア・CE−212」、クレッセント製「アキュラブルー」、株式会社日本鉱泉研究所製「ミネラル還元整水器」などの装置を用いることがさらに好ましい。
電気分解されて陰極側から目的とするメチルランチオニン誘導体と三糖類とジピコリン酸との結合体が溶液として得られる。このアルカリ還元によりメチルランチオニンと三糖類の結合が安定化する。特に、三糖類の水酸基が保護される。
アルカリ還元処理を2〜10回繰り返すことにより反応が高まることから好ましい。得られた結合体は、凍結乾燥することにより粉末化され、用いられる。
前記の還元反応物から、目的とするメチルランチオニン誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするメチルランチオニン誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して1〜30倍量が好ましく、5〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から4〜30℃が好ましく、10〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
メチルランチオニン誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするメチルランチオニン誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから、好ましい。
また、このメチルランチオニン誘導体を粉末化することは防腐の目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
沖縄産のオキナワモズクの10kgを沖縄県もずく振興協議会から購入した。これを水洗後、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)に精製水とともに粉砕して粉砕物9kgを得た。
この粉砕物を乾燥器により乾燥し、モズク粉末を得た。このモズク粉末120gを清浄なステンレス製の寸胴に移し、精製水を10L添加して懸濁した。
さらに、日本産の大豆120gを購入し、洗浄後、前記の寸胴に添加し、95℃で1時間煮沸滅菌した。これらを100kg容量の横河電機社製の撹拌式発酵タンク(FP211)に移し、42℃で18時間発酵させた。
得られた発酵液の上清を濾過布により粗濾過してろ液を得た。
このろ液に塩水港精糖社製の分岐シクロデキストリン120gを添加して攪拌した。
さらに、天野エンザイム製のプロテアーゼM「アマノ」SD12gを添加し、37℃に加温して1時間攪拌した。
攪拌は攪拌装置を用いて室温で3時間実施した。得られた反応液を東洋濾紙の濾紙により吸引ろ過し、ろ液を得た。
得られた反応液をパールウォーターDX−7000に供し、電気分解し、陰極側からアルカリ還元された溶液を得た。
この溶液を凍結乾燥させて目的とする粉末20gを得た。これを検体1とした。この検体1の0.1gを精製水に溶解してガスクロマトグラフィー(島津製作所製)にて定量した結果、1.6ppmの水素ガスが発生していた。
以下に、メチルランチオニン誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
(試験例1)
上記のように得られた検体1を精製水に溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、核磁気共鳴装置(NMR、ブルカー製、AC−250)で解析した。構造解析の結果、検体1から3−メチルランチオニン、三糖類及びジピコリン酸が結合した結合体が検出された。
90MHzのH−NMRの解析の結果、1.213、1.485、2.633、2.678、2.924、2.979、3.052、3.061、3.122、3.275、3.28、3.656、3.67、3.879、4.821、5.102、6.608及び7.505ppmのピークが認められた。
また、MASSスペクトルとIR分析装置(島津製作所製)により3−メチルランチオニンとジピコリン酸と三糖類による構造が同定された。
以下に、ヒト皮膚細胞を用いたエラスチン生成の確認試験について述べる。
(試験例2)
(試験例2)
以下に、ヒト皮膚細胞を用いたエラスチン産生試験について説明する。この試験は、カルシウムチャネルの働きを指標とした血管弛緩反応を観察する方法として普及している。正常ヒト由来皮膚細胞を専用培養液にて培養した。これに、実施例1で得られた検体1、メチルランチオニン、アルギニンのそれぞれ0.1mg、0.3mg及び1mgを添加し、37℃で、1時間培養した。
細胞数を計数後、細胞懸濁液を超音波破砕して細胞懸濁液を調製した。この液に含まれるエラスチン量をELISA法により定量した。
その結果、実施例1の0.1mg、0.3mg及び1mgでは溶媒対照群に対するエラスチン量はそれぞれ156%、233%及び330%であり、対照群に比して有意な増加が認められた。なお、メチルランチオニンのみの1mgでは、溶媒対照群の値に比してそれぞれ100%となり、変化はなかった。
一方、検体1により生細胞数に変化はなく、血管細胞に対する毒性は認められなかった。
以下に、ヒト皮膚細胞を用いたエラスチン分解試験について述べる。
(試験例3)
(試験例3)
精製エラスチンをSigma社より購入した。エラスチンをトリス緩衝液(pH7.4)に溶解した。これにエラスターゼを処理してエラスチンを分解し、280nmの吸光度の変化を指標としてエラスチンの分解率を計数した。
この条件下で検体1の1mg/mL溶液を添加してエラスチンの分解率を測定した。
その結果、溶媒対照に比して検体1の1mg/mL溶液を添加した場合、エラスチンの分解率は46%に低下した。検体1にはエラスチン分解抑制作用が認められた。
本発明で得られるメチルランチオニン誘導体はエラスチン増加作用を呈し、かつ、副作用が少ないことから、抗炎症剤として国民のQOLを改善し、医療費を削減できる。
本発明で得られるメチルランチオニン誘導体の製造方法は食品としても利用できることから、食品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるメチルランチオニン誘導体は化粧料としてしわの改善に利用され、化粧品業界の発展に寄与する。
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