以下、本発明の一実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ10及び偏心継手120について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、一軸偏心ねじポンプ10は、偏心継手120に特徴を有するものではあるが、以下の説明では偏心継手120の説明に先立って全体構造について説明する。
≪一軸偏心ねじポンプ10の全体構造について≫
一軸偏心ねじポンプ10は、いわゆる回転容積型のポンプであり、図1に示すように、ケーシング12の内部にステータ20や、ロータ30、動力伝達機構50などが収容された構成とされている。ケーシング12は、金属製で筒状の部材あり、長手方向一端側に取り付けられた円板形のエンドスタッド12aに第1開口14aが設けられている。また、ケーシング12の外周部分には、第2開口14bが設けられている。第2開口14bは、ケーシング12の長手方向中間部分に位置する中間部12dにおいてケーシング12の内部空間に連通している。
第1開口14a及び第2開口14bは、それぞれ一軸偏心ねじポンプ10の吸込口および吐出口として機能する部分である。さらに詳細に説明すると、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10は、ロータ30を正方向に回転させることにより、第1開口14aが吐出口として機能し、第2開口14bが吸込口として機能するように流動物(流体)を圧送することが可能である。またこれとは逆に、一軸偏心ねじポンプ10は、ロータ30を逆方向に回転させることにより、第1開口14aが吸込口として機能し、第2開口14bが吐出口として機能するように流動物を圧送させることが可能である。本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10は、第1開口14aが吐出口として機能し、第2開口14bが吸込口として機能するように作動する。
ステータ20は、ゴムに代表される弾性体や樹脂などで作成され、ほぼ円筒形の外観形状を有する部材である。ステータ20の材質は、一軸偏心ねじポンプ10を用いて移送する被搬送物である流動物の種類や性状などにあわせて適宜選択される。ステータ20は、ケーシング12において第1開口14aに隣接する位置にあるステータ取付部12b内に収容されている。ステータ20の外径は、ステータ取付部12bの内径とほぼ同一である。そのため、ステータ20は、その外周面がステータ取付部12bの内周面にほぼ密着するような状態で取り付けられている。また、ステータ20は、一端側にあるフランジ部20aをケーシング12の端部においてエンドスタッド12aによって挟み込み、エンドスタッド12aとケーシング12の本体部分とに亘ってステーボルト16を取り付けて締め付けることにより固定されている。そのため、ステータ20は、ケーシング12のステータ取付部12b内において位置ずれ等を起こさない。図1に示すように、ステータ20の内周面24は、2条で多段の雌ねじ形状とされている。
ロータ30は、金属製の軸体であり、1条で多段の雄ねじ形状とされている。ロータ30は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状がほぼ真円形となるように形成されている。ロータ30は、上述したステータ20に形成された貫通孔22に挿通され、貫通孔22の内部において偏心回転可能とされている。
ロータ30をステータ20に対して挿通すると、ロータ30の外周面33とステータ20の内周面24とが両者の接線にわたって当接した状態になる。また、この状態において、貫通孔22を形成しているステータ20の内周面24と、ロータ30の外周面との間には、流体搬送路40が形成される。流体搬送路40は、上述したステータ20やロータ30のリードの長さLを基準長Sとした場合に、ステータ20やロータ30の軸方向にリードの基準長Sのd倍の長さを有する多段(d段)の流路となっている。
流体搬送路40は、ステータ20やロータ30の長手方向に向けて螺旋状に延びている。また、流体搬送路40は、ロータ30をステータ20の貫通孔22内において回転させると、ステータ20内を回転しながらステータ20の長手方向に進む。そのため、ロータ30を回転させると、ステータ20の一端側から流体搬送路40内に流動物を吸い込むと共に、この流動物を流体搬送路40内に閉じこめた状態でステータ20の他端側に向けて移送し、ステータ20の他端側において吐出させることが可能である。すなわち、ロータ30を正方向に回転させると、第2開口14bから吸い込んだ流動物を圧送し、第1開口14aから吐出することが可能である。また、ロータ30を逆方向に回転させると、第1開口14aから吸い込んだ流動物を第2開口14bから吐出することが可能である。
動力伝達機構50は、ケーシング12の外部に設けられたモータなどの動力源(図示せず)から上述したロータ30に対して動力を伝達するために設けられている。動力伝達機構50は、動力接続部52と偏心継手120とを有する。動力接続部52は、ケーシング12の長手方向の一端側、さらに詳細には上述したエンドスタッド12aやステータ取付部12bが設けられたのとは反対側(以下、単に「基端側」とも称す)に設けられた軸収容部12c内に設けられている。また、偏心継手120は、軸収容部12cとステータ取付部12bとの間に形成された中間部12dに設けられている。
動力接続部52は、ドライブシャフト56を有し、これが2つの軸受58a,58bによって自由に回転可能なように支持されている。ドライブシャフト56は、ケーシング12の基端側の閉塞部分から外部に取り出されており、動力源に接続されている。そのため、動力源を作動させることにより、ドライブシャフト56を回転させることが可能である。動力接続部52が設けられた軸収容部12cと中間部12dとの間には、例えばメカニカルシールやグランドパッキンなどからなる軸封装置60が設けられており、これにより中間部12d側から軸収容部12c側に被搬送物たる流動物が漏れ出さない構造とされている。
偏心継手120は、上述したドライブシャフト56とロータ30とを動力伝達可能なように接続する部分である。偏心継手120は、ドライブシャフト56を介して伝達されてきた回転動力をロータ30に伝達し、ロータ30を偏心回転させることが可能とされている。偏心継手120を介してドライブシャフト56の回転動力を伝達されたロータ30は、貫通孔22の内部において自由に偏心回転可能とされている。
≪第一実施形態に係る偏心継手120の構造について≫
続いて、偏心継手120の構造について詳細に説明する。図1に示すとおり、ロータ30の軸線c2は、ドライブシャフト56の軸線c1と沿う方向であって、ドライブシャフト56の軸線c1に対して偏心量eとなる位置に配置されている。偏心継手120は、ドライブシャフト56の軸線c1が延びる方向(以下、「動力伝達方向C」とも称す)に向けてドライブシャフト56の回転動力をロータ30へと伝達する。
なお、以下においては、偏心継手120を介してドライブシャフト56とロータ30とが接続された状態を「接続状態」ともいう。さらに、中間体150を介して第一接続部130と第二接続部140とを連結した状態を「連結状態」と、中間体150と第一接続部130又は第二接続部140とを分離した状態を「分離状態」とも称す。また、後述する偏心継手220,320の説明においても同様とする。また、「交差」とは、線と線、あるいは線と面とがある1点において交わっている場合のほか、線と線とが接点を持たず互い違いとなっている状態のいずれも含む。
図2に示すとおり、偏心継手120は、第一接続部130、第二接続部140、及び中間体150を有している。第一接続部130と第二接続部140とは、中間体150を介して連結される。第一接続部130はドライブシャフト56の端部に設けられ、第二接続部140はロータ30の端部に設けられている。偏心継手120は、第一接続部130と第二接続部140とが中間体150を介して連結されて「連結状態」となる。
第一接続部130は、図2及び図5に示すような外観とされ、第一取付部132及び第一突出部134a,134bを有する。また、第一突出部134a,134bには、それぞれ第一ガイド部136a,136bが設けられている。第一取付部132はいかなる形状であっても良いが、本実施形態では略短円柱状の外観形状とされている。第一取付部132のドライブシャフト56と接続される側とは異なる側の面には、径方向に互いに対向するように第一突出部134a,134bが形成される。また、第一突出部134a,134bは、第一取付部132の軸線方向に向けて延びるように形成され、第一取付部132と外周面が面一となるように形成される。第一取付部132及び第一突出部134a,134bの構成により、第一接続部130は正面視において「コの字」型の外観形状となるように設けられている(図5(b)参照)。第一突出部134a,134bは、接続状態において第二接続部140に向けて突出した姿勢となるよう配置される。
第一ガイド部136a,136bは、第一突出部134a,134bにそれぞれ形成されている。第一ガイド部136a,136bは、後に詳述する中間体150の第一軸部152をガイドするためのものである。本実施形態では第一ガイド部136a,136bは、第一軸部152を挿通して支持することでガイド可能なものとされている。さらに具体的には、本実施形態では第一ガイド部136a,136bは、第一突出部134a,134bにおいて、第一接続部130の径方向外側から内側に亘り略同一径で貫通する円形の開口形状を有する貫通孔として形成されている。また、第一ガイド部136aの開口径中心から第一ガイド部136bの開口径中心を貫通して延びる軸線は、ドライブシャフト56の軸線c1が延びる方向(動力伝達方向C)と交差して構成される。第一ガイド部136a,136bには、後に詳述する中間体150の第一軸部152が挿通される。
第二接続部140は、図2に示すとおり、第二取付部142と、第二突出部144a,144bとを有する。また、第二突出部144a,144bには第二ガイド部146a,146bが設けられている。なお、第二接続部140の基本的構成は第一接続部130と同様の構成とされている。以下においては、第一接続部130と同様の構成については説明を一部省略する。
第二取付部142は、第一接続部130の第一取付部132に対応する部分である。第二取付部142は、第一取付部132と同様の構成とされている。第二取付部142は、ロータ30の軸線と同軸とする短円柱の形状を構成する。
第二突出部144a,144bは、第一接続部130の第一突出部134a,134bに対応する部分である。第二突出部144a,144bは、第一突出部134a,134bと同様の構成を有する。第二突出部144a,144bは、接続状態においてそれぞれ第二取付部142から第一接続部130に向けて突出して形成されている。
第二ガイド部146a,146bは、後述の中間体150の第二軸部154をガイドするためのものである。第二ガイド部146a,146bは、第二突出部144a,144bにそれぞれ形成されている。第二ガイド部146a,146bは、第二軸部154をガイド可能なものであればいかなるものであっても良いが、本実施形態では第二接続部140の径方向外側から内側へと略同一径で貫通する円形の開口を有する貫通孔として形成されている。第二ガイド部146a,146bは、第二接続部140の径方向に互いに対向するように配置される。第二ガイド部146aの開口径中心から第二ガイド部146bの開口径中心を貫通する軸線は、接続状態において、ドライブシャフト56(駆動軸)の軸線c1が延びる方向(動力伝達方向C)と交差している。第二ガイド部146a,146bには、後に詳述する中間体150の第二軸部154が挿通される。
中間体150は、第一接続部130と第二接続部140とを連結し、ドライブシャフト56の回転動力をロータ30へと伝達するための部材である。図2及び図3(a)に示すとおり、中間体150は一体化された状態において十字状の外観形状を有する。また、中間体150は、第一軸部152及び第二軸部154を有し、これらの長手方向略中央に設けられた交差部158において、互いに略直交して一体的に形成されている。本実施形態における中間体150は、図3(b)に示すように第一軸部152と第二軸部154とに分解できる構成とされている。
図3(a)に示すとおり、第一軸部152と第二軸部154とを組み立てて中間体150を一体化した状態において、第一軸部152の軸線a1は第一方向A(第一の方向)に延びるように構成され、第二軸部154の軸線b1は、第一方向Aと略直交する第二方向B(第二の方向)に延びるように構成される。
第一軸部152は、上述した第一ガイド部136a,136bの開口径と略同一の外径を有する円柱状の形状として一体的に形成されている。第一軸部152の長さは、第一ガイド部136aから第一ガイド部136bに亘る距離と概ね同一とされている。また、図3(b)に示すとおり、第一軸部152は、軸挿入部156を有する。軸挿入部156は、第一軸部152の長手方向略中央において径方向に貫通する孔として設けられている。後に詳述するように、第一軸部152の長手方向の両端部は、接続状態において第一ガイド部136a,136bに差し込まれて、それぞれ支持される。すなわち、第一軸部152は、連結状態において両端部付近の周方向全域に亘り第一ガイド部136a,136bにより支持される。また、後に詳述するように、第一軸部152の両端部の外周面は接続状態において第一ガイド部136a,136bの内周面に当接し、第一軸部152の長手方向への摺動を許容する。
第二軸部154は、図3(b)に示すように分解可能とされている。第二軸部154は、第一構成体154a、第二構成体154b及びピン154cから構成され、これらを分解及び一体化することができる。
第二軸部154は、第一構成体154a、第二構成体154b及びピン154cを一体化した状態において、第二ガイド部146a,146bの開口径と略同一の外径を有する円柱状の形状とされている。第二軸部154の長手方向の長さは、第二ガイド部146aから第二ガイド部146bに亘る距離と概ね同一とされている。第二軸部154は、接続状態において長手方向の両端部が第二ガイド部146a,146bにそれぞれ支持される。また、第二軸部154の両端部の外周面は、接続状態において第二ガイド部146a,146bの内周面に当接し、第二軸部154の長手方向への摺動を許容する。
第一構成体154aには、ピン154cを軸線方向へ挿通可能とするピン孔154dが設けられている。第二構成体154bには、ピン154cを挿通することができるピン穴154eが設けられている。なお、ピン穴154eには、ねじ溝154gが設けられている。ピン154cには、第二構成体154bのねじ溝154gと螺合するねじ山154fが設けられている。第一構成体154a、第二構成体154b、ピン154c及び第一軸部152を分解された状態から一体化する場合には、先ず第一構成体154a及び第二構成体154bを、軸挿入部156の開口に対して互いに対向する方向からそれぞれ軸挿入部156に対して差し込む。続いて、ピン154cを第一構成体154aの一端側から他端側に向けて第二構成体154bまで到達するよう挿通させ、ピン154cのねじ山154fと第二構成体154bのねじ溝154gとを螺合させる。このようにして、中間体150は一体化できる。また、逆の操作を行うことにより、中間体150は第一軸部152と第二軸部154とに分解できる。
続いて、中間体150と第一接続部130及び第二接続部140との連結及び分離について以下説明する。
図2の状態から図4の状態、すなわち、ドライブシャフト56とロータ30とを偏心継手120を介して接続する場合、先ず、中間体150を第一軸部152と第二軸部154へと分解した状態で準備する(図3(b)参照)。なお、第二軸部154についても、第一構成体154a、第二構成体154b及びピン154cへと分解された状態で準備する。次に、第一軸部152を第一ガイド部136aから第一ガイド部136bへと到達するように差し込み、第一軸部152を第一接続部130に対して装着する。続いて、第一軸部152を装着した状態の第一接続部130に対して第二接続部140を近接させ、第二ガイド部146a,146bの開口軸線と第一軸部152の軸挿入部156の開口軸線が略同一線上に位置するように、第二接続部140及び第一軸部152の位置を合わせる。その後、第一構成体154aを、第二ガイド部146aの外側から第一軸部152の軸挿入部156へと差し込み、第二構成体154bを第二ガイド部146bの外側から第一軸部152の軸挿入部156へと差し込む。そして、ピン154cを第一構成体154aへと貫通させて、第二構成体154bへ到達するように挿通させる。最後に、ピン154cのねじ山154fと第二構成体154bのねじ溝154gとを螺合させて固定する。
上述の手順により、図4に示すように偏心継手120が組み立てられた状態となり、第一接続部130と第二接続部140とが中間体150により連結状態とされる。これにより、ドライブシャフト56及びロータ30が、偏心継手120を介して接続された接続状態とされる。また、上述した組み立て手順とは逆の手順により、偏心継手120を分解し、非接続状態とすることができる。このように、偏心継手120は、組み立て及び分解を容易に行うことができる。そのため、偏心継手120によれば、ドライブシャフト56及びロータ30の接続及び分離を容易に行うことができる。なお、第一接続部130及び第二接続部140は、それぞれ、予めドライブシャフト56及びロータ30に形成されたものであってもよい。あるいは、第一接続部130及び第二接続部140は、それぞれ、予めドライブシャフト56及びロータ30に対して着脱可能としてもよい。
続いて、図4、図5、図9及び図10を参照しつつ、偏心継手120の動力伝達について詳細に説明する。図4に示すとおり、ロータ30の軸線c2は、ドライブシャフト56の軸線c1に対して偏心量eだけ偏心している。また、ドライブシャフト56及びロータ30は、一軸偏心ねじポンプの内部において位置決めされた状態で接続されている。
図4及び図5に示すとおり、接続状態において、第一軸部152の両端部は、第一ガイド部136a,136bに支持されている。また、第二軸部154の両端部は、第二ガイド部146a,146bに支持されている。すなわち、第一軸部152は、第一ガイド部136a,136bに挿通されて、軸線a1方向(第一方向A)への相対的な摺動が許容されつつ動力伝達方向Cにおいて位置決めされる。また、第二軸部154は、第二ガイド部146a、146bに挿通されて、軸線b1方向(第二方向B)への相対的な摺動が許容されつつ動力伝達方向Cにおいて位置決めされる。これにより、中間体150は、第一ガイド部136a,136b及び第二ガイド部146a,146bにより、動力伝達方向Cへの移動を規制されつつ、第一軸部152の軸線a1方向(第一方向A)及び第二軸部154の軸線b1方向(第二方向B)に相対的に摺動可能とされている。
また、図9の偏心継手120の接続状態における概念図に示すように、接続状態において中間体150はドライブシャフト56の軸線c1の延びる方向(動力伝達方向C)と交差する仮想面(以下「摺動面F」とも称す)上に配置される。すなわち、接続状態において、第一軸部152の軸線a1及び第二軸部154の軸線b1は、動力伝達方向Cと交差(本実施形態では略直交)して配置される。さらに具体的には、一軸偏心ねじポンプ10の動力伝達方向CをX方向に向け、幅方向(奥行き方向)をY方向に向け、高さ方向をZ方向に向くように配置した場合、図2や図4、図9に示す状態においては、第一軸部152の軸線a1の延びる第一方向A(第一の方向)がY方向に向き、第二軸部154の軸線b1の延びる第二方向B(第二の方向)がZ方向に向く。
ドライブシャフト56が回転すると、回転動力が、偏心継手120を介してロータ30に伝達される。ここで、ドライブシャフト56に追従して偏心継手120が回転する際に、中間体150は、第一軸部152及び第二軸部154が軸線c1を中心として回動しつつ、第一軸部152の軸線a1方向(第一方向A)、及び第二軸部154の軸線b1方向(第二方向B)に相対的に摺動する。すなわち、中間体は軸線c1を中心とする回転運動と、第一軸部152及び第二軸部154の軸線方向への往復運動(摺動運動)の組み合わせからなる複合的な運動を行う。
図10を参照しつつ、ドライブシャフト56側からロータ30側への回転動力伝達時における中間体150の運動について、さらに詳細に説明する。図10(a)の状態からドライブシャフト56を正方向(図10において反時計回り)へ回転させると、図10(b)に示すように、中間体150はドライブシャフト56の回転に従って正方向へと回転しつつ、第一ガイド部136aから第一ガイド部136bに向かうよう(図10中の矢印a2)、軸線a1の延びる方向に沿って摺動する。また、同時に中間体150は、第二ガイド部146a,146bに対して相対的に摺動する。すなわち、中間体150は、第二ガイド部146bから第二ガイド部146aに向かうように(図10中の矢印b2)軸線b1の延びる方向に沿って摺動する。
図10(b)の状態からさらにドライブシャフト56を正方向へ回転させると、図10(c)に示すように、中間体150はドライブシャフト56の回転に従って正回転しつつ、第一ガイド部136bから第一ガイド部136aに向かうよう(図10中の矢印a3)、軸線a1が延びる方向に沿って摺動する。また、同時に中間体150は、第二ガイド部146a,146bに対して相対的に摺動する。すなわち、中間体150は、第二ガイド部146bから第二ガイド部146aに向かうように(図10中の矢印b3)軸線b1が延びる方向に沿って摺動する。
このように、中間体150は、ドライブシャフト56からロータ30へと回転動力を伝達する間、摺動面F上をドライブシャフト56の回転に従って軸線a1が延びる方向(第一方向A)及び軸線b1が延びる方向(第二方向B)に沿って相対的に摺動する。また、中間体150は、軸線c1を中心として1回転する間に第一方向A及び第二方向Bの双方に往復運動をする。
なお、本実施形態における中間体150は、上述のとおり十字状の外観形状とされ、交差部158を有している。中間体150が、第一方向Aのうち第一ガイド部136bから第一ガイド部136aに向かって、あるいはその逆向きに摺動し続けると、中間体150の交差部158が第一ガイド部136a又は第一ガイド部136bの内側に接触して、中間体150の第一ガイド部136aに向かう方向への移動が規制される。また、中間体150が第二方向Bに沿って摺動し続けた場合にも、同様に中間体150の交差部158は第二ガイド部146a又は第二ガイド部146bの内側に接触して移動が規制される。このように、交差部158を有する偏心継手120は、接続状態において第一接続部130及び第二接続部140から中間体150の脱落を防止することができる。そのため、中間体150の脱落を防止するために別途の部材を必要としない。
また、上述のとおり、本実施形態における偏心継手120は、第一軸部152及び第二軸部154の外周面と、第一ガイド部136a,136b及び第二ガイド部146a,146bの内周面との、いずれも円形の形状とされている。そのため、後に詳述する第一ガイド部136a,136b及び第二ガイド部146a,146bの内周面と第一軸部152又は第二軸部154の外周面とが接触して相対的に摺動しても、これらの内周面及び外周面の偏摩耗を抑制することができる。
さらに、本実施形態における偏心継手120は、中間体150の第一軸部152及び第二軸部154の両側端部を第一ガイド部136a,136b及び第二ガイド部146a,146bへと貫通させて支持される。そのため、ドライブシャフト56とロータ30とが離間する方向にスラスト負荷が与えられた場合であっても、偏心継手120の連結状態を維持することができる。
≪第二実施形態に係る偏心継手について≫
続いて、第二実施形態に係る偏心継手220について図面を参照しつつ説明する。偏心継手220は、図6に示すとおり、第一接続部230、第二接続部240及び中間体250を有する。偏心継手220は、中間体250が一体的に形成され、第一接続部230及び第二接続部240がそれぞれ分解可能とされている。
第一接続部230は、偏心継手120の第一接続部130に対応する構成であり、ドライブシャフト56に対して取り付けられる。また、第二接続部240は、偏心継手120の第二接続部140に対応する構成であり、ロータ30に対して取り付けられる。なお、第一接続部230と第二接続部240とは、一部を除き同様の構成とされている。以下においては、偏心継手120と異なる構成を中心に説明し、偏心継手120と同様の構成については一部説明を省略する。また、第一接続部230は第二接続部240と同様の構成とされているため、第二接続部240の構成を中心に説明し、第一接続部230の説明については、一部省略する。
第二接続部240は、図6及び図7に示すように、第二取付部242a,242bと、第二突出部244a,244bと、第二ガイド部246a,246bとを有する。第二接続部240は、径方向に2つの構成体241a,241bへと分割可能とされている。構成体241aは第二取付部242a、第二突出部244a及び第二ガイド部246aから構成され、構成体241bは第二取付部242b、第二突出部244b及び第二ガイド部246bから構成される。
第二取付部242a,242bは、第二接続部240をロータ30(従動軸)に取り付けて固定するために設けられている。第二取付部242a,242bは、接続状態での外観視において、短円柱状の形状を構成する。図7に示すとおり、第二取付部242a,242bは、ロータ30の端部に形成された被接続部32に対して取り付けられる。また、第二取付部242a,242bには、軸線方向に貫通して設けられる4つの取付孔243a,243b,243c,243dが形成されている。これらの4つの取付孔243a,243b,243c,243dは、それぞれ、4つの固定具248a,248b,248c,248dが挿通可能に構成されている。これらの4つの固定具248a,248b,248c,248dによって、第二取付部242a,242bがそれぞれ被接続部32に対して取り付けられる。
第二突出部244a,244bは、偏心継手120の第二突出部144a,144bに対応する構成である。また、第二ガイド部246a,246bは、偏心継手120の第二ガイド部146a,146bに対応する構成である。第二ガイド部246a,246bは、後述する中間体250の第二軸部254の両端部を支持する一対の支持部264として設けられている。また、上述のとおり、第二接続部240は、構成体241aと構成体241bへと分解可能とされている。後に詳述するように、構成体241a,241bを分解して第二ガイド部246a,246bの間隔が拡張した状態から、構成体241a,241bを第二ガイド部246a,246bの間隔が縮小するように移動させることにより、第二接続部240と第二軸部254との着脱をすることができる。
第一接続部230は、図6に示すとおり、第一取付部232a,232bと、第一突出部234a,234bとを有する。また、第一突出部234a,234bには、それぞれ、第一ガイド部236a,236bが形成されている。また、第一接続部230は、2つの構成体231a,231bへと分割可能とされている。さらに、第一ガイド部236a,236bは、後に説明する第一軸部252の両端部を支持する一対の支持部262として設けられている。
中間体250は、偏心継手120の中間体150に対応する構成である。中間体250は、図6に示すとおり、中間体150と同様に十字状の外観形状を有する。また、中間体250は、第一軸部252及び第二軸部254とを有し、これらの長手方向略中央に設けられた交差部258において、互いに略直交して一体的に形成されている。
続いて、中間体250と第一接続部230及び第二接続部240との連結及び分離、さらに偏心継手220とドライブシャフト56(駆動軸)及びロータ30(従動軸)との接続について、以下図面を参照しつつ説明する。
第一接続部230と中間体250との連結構造、及び第二接続部240と中間体250との連結構造は同様とされている。そのため以下において、第二接続部240と中間体250との連結及び分離について説明し、第一接続部230と中間体250との連結及び分離については説明を一部省略する。
中間体250及び第二接続部240は、図8(a)に示すように、第二軸部254の両端部を第二ガイド部246a,246bへと挿通することにより連結される。すなわち、中間体250に対して第二接続部240を連結する場合には、第二軸部254の長手方向の両側から、第二ガイド部246a,246b(一対の支持部264)の間隔が縮小するように構成体241aと構成体241bとを移動させる。
また、中間体250と第二接続部240とは、第二ガイド部246a,246b(一対の支持部264)の間隔が拡張するように構成体241aと構成体241bとを移動させ、取り外すことができる。具体的には、図8(b)に示すように、第二軸部254の軸線方向に第二ガイド部246a,246b間の距離が拡張するよう構成体241a,241bを移動させて、第二軸部254から構成体241a,241bを取り外す。
このようにして、偏心継手220は、中間体250と第二接続部240とを連結及び分離することが可能となる。また、中間体250と第一接続部230との連結及び分離についても、上述と同様に第一ガイド部236a,236b(一対の支持部262)の間隔が拡張及び縮小するよう、構成体231a,231bを移動可能とされている。すなわち、第一接続部230は構成体231a,231bへと分離することができるため、第一軸部252の両側から挟み込む、あるいは離間させるように構成体231a,231bを移動させることができる。このように、偏心継手220は、第一接続部230及び第二接続部240を分割可能とする構成により、中間体250と第一接続部230及び第二接続部240の連結及び分離を可能としている。
なお、本実施形態においては、第一接続部230及び第二接続部240をそれぞれ分割可能とした例を示したが、第一接続部230及び第二接続部240をそれぞれ変形可能(湾曲可能)として一対の支持部間の間隔を拡張又は縮小可能としてもよい。
続いて、図7及び図8を参照して、偏心継手220を介してロータ30とドライブシャフト56とを接続する方法について説明する。先ず、偏心継手220とロータ30(従動軸)との接続について、図7を参照しつつ以下説明する。なお、図7においては中間体250の図示を省略している。
偏心継手220をロータ30に接続する場合には、先ず、上述のとおり図8(a)に示すようにして構成体241a,241bの間に中間体250が配される。その後、図7に示すように、第二接続部240の構成体241aをロータ30へと取り付ける。この際、第二取付部242aの取付孔243a,243bに対して、固定具248a,248bを挿通させる。次に、固定具248a,248bの端部をロータ30のねじ穴34a、34bへと差し込み、固定具248a,248bをねじ穴34a,34bに締結させる。これにより、構成体241aがロータ30に固定される。また、第二取付部242bの取付孔243c,243dに対して、固定具248c,248dを挿通させ、固定具248c,248dの端部をロータ30のねじ穴34c、34dへと差し込み締結させる。これにより、構成体241bがロータ30に固定される。このようにして、構成体241a,241bをロータ30に固定することにより、第二接続部240がロータ30へと接続される。
また、第一接続部230についても、第二接続部240と同様の手順により構成体231a,231bが中間体250及びドライブシャフト56(駆動軸)に取り付けられる。これにより、第一接続部230とドライブシャフト56とが接続される。上述したようにして、構成体241a,241bを介してロータ30と中間体250とを接続しつつ、構成体231a,231bを介してドライブシャフト56と中間体250とを接続することにより、偏心継手220が組み立てられると共に、ロータ30とドライブシャフト56とが偏心継手220を介して接続された状態となる。
なお、偏心継手220とドライブシャフト56(駆動軸)との接続においては、先ず構成体231a及び構成体231bのうちいずれか一方をドライブシャフト56へと取り付け、続いて中間体250を第一ガイド部236a又は第一ガイド部236bへと挿通させてから他方の構成体231a又は構成体231bをドライブシャフト56へと固定させてもよい。あるいは、先に中間体250に対して第一接続部230及び第二接続部240を連結させて(連結状態)から、第一接続部230をドライブシャフト56へ、第二接続部240をロータ30へと取り付けて、ドライブシャフト56及びロータ30を中間体250を介して接続状態としてもよい。また、第一接続部230及び第二接続部240を、ドライブシャフト56又はロータ30に対して、ドライブシャフト56又はロータ30の軸線方向へと取り付けて固定してもよいし、あるいは、径方向に取り付けて固定してもよい。
なお、偏心継手220のドライブシャフト56からロータ30への回転動力伝達については、偏心継手120と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
≪偏心継手の変形例≫
次に、図11を参照して、本発明の偏心継手120,220の変形例について説明する。図11は、偏心継手120の変形例である偏心継手320を示している。以下の説明では、偏心継手320において偏心継手120と同様の構成を有する部分については、偏心継手120の説明において各構成に付した符号に200を付加したものを符号として用い詳細の説明は省略する。図11に示すとおり、偏心継手320の基本的構成は偏心継手120と同様とされ、偏心継手320は偏心継手120と同様に第一接続部330、第二接続部340及び中間体350を有する。第一接続部330、第二接続部340、中間体350は、それぞれ偏心継手120の第一接続部130、第二接続部140、中間体150に相当する。
偏心継手320は、ドライブシャフト56及びロータ30を互いの軸線が略平行となるように位置決めされた状態としたときに(図11(a−1)及び(a−2)参照)、第一接続部330と第二接続部340との間に隙間が形成される。より具体的に説明すると、図11(a−1)に示すように、第一突出部334aのロータ30側の端部(以下、「端部E1」とも称す)と第二取付部342との間には、隙間H1が形成される。また、第二突出部344aのドライブシャフト56側の端部(以下、「端部E2」とも称す)と第一取付部332との間は、隙間H2が形成される。一方、ドライブシャフト56の位置決めを解除すると、第一接続部330及びドライブシャフト56は、軸線a1を揺動支点として揺動が許容される。図11(b)を参照しつつさらに詳細に説明する。ドライブシャフト56の位置決めが解除された状態において、第一接続部330及びドライブシャフト56は、端部E1と第二接続部340とが当接する位置まで、あるいは、端部E2と第一接続部330とが当接する位置まで揺動可能とされる。本変形例においては、図11(b)に示すように、第一接続部330は、端部E1と第二接続部340の第二突出部344bとが接触する位置まで揺動可能とされている。すなわち、偏心継手320は、ロータ30の軸線c2に対してドライブシャフト56の軸線c1がなす角度θ1を、第一接続部330の揺動が許容される範囲内で増減させることができる。
偏心継手320は、第一ガイド部336a,336bの内周面及び第一軸部352の外周面のいずれも円形の形状とされている。そのため、軸線c1が軸線c2に対して角度変化可能なように、ドライブシャフト56を解放した状態においては、第一ガイド部336a,336bの内周面は、第一軸部352の外周面に対して周方向に摺動可能となる。その結果、第一接続部330及びドライブシャフト56は、第一軸部352の軸線a1を回転軸として揺動可能となる。
すなわち、偏心継手320は、軸線c1に対して軸線c2が沿うように(本変形例では略平行となるように)ドライブシャフト56及びロータ30が位置決めされている状態において、中間体350の軸線a1方向(第一方向A)及び軸線b1方向(第二方向B)へと相対的に摺動することを許容して、軸線a1を回転中心とした周方向への摺動を規制する。一方、偏心継手320は、ドライブシャフト56及びロータ30の双方又はいずれか一方を軸線方向の位置決め状態から解放したときは、中間体350の軸線a1方向(第一方向A)及び軸線b1方向(第二方向B)への相対的な摺動を許容すると共に、第一接続部330の軸線a1を回転中心とした周方向の揺動を許容する。
続いて、図12を参照して、偏心継手320の運用例について説明する。図12(a)に示すように、偏心継手320を介してドライブシャフト56とロータ30とを接続した状態において、ドライブシャフト56の軸線c1とロータ30の軸線c2とは、θ2(θ2<θ1)の角度をなすように位置決めされている。
偏心継手320を用いれば、図1等に示すようにロータ30の延長線上にドライブシャフト56を配置するだけでなく、図12(a)に示すようにロータ30の軸線c2に対してドライブシャフト56の軸線c1が角度θ2をなすように位置決めして配置した状態で一軸偏心ねじポンプ10を作動させることができる。この状態においては、図12(a)に示すように、ドライブシャフト56の軸線c1を第一基準線J1、ロータ30の軸線c2を第二基準線J2とした場合に、第一基準線J1と第二基準線J2とが交差する。
図12(a)に示すように、軸線c1(第一基準線J1)と軸線c2(第二基準線J2)とが交差するようにロータ30及びドライブシャフト56を配置した場合でも、ロータ30の略延長線上にドライブシャフト56を配置した場合と同様に、ドライブシャフト56の回転動力をロータ30へと伝達することができる。また、偏心継手320は、軸線c1(第一基準線J1)と軸線c2(第二基準線J2)とがなす角度を、中間体350を基点として変更することができる。より詳細に説明すると、先述の図11を用いた説明のとおり、偏心継手320は、軸線c1と軸線c2とのなす角度がθ1となるまで第一接続部330及びドライブシャフト56の揺動を可能とされている。この場合において、第一接続部330の揺動支点は、第一軸部352の軸線a1とされる。すなわち、偏心継手320は、第一軸部352の軸線a1を基点として、ロータ30の軸線c2(第二基準線J2)に対するドライブシャフト56の軸線c1(第一基準線J1)のなす角度θ2を変更することができる。
なお、図12(a)においては、摺動面F(図示を省略)は軸線c2に対して略直交する角度で配置されている。偏心継手320の中間体350は、偏心継手120と同様に、摺動面F上を相対的に摺動しつつ回転動力を伝達し、ロータ30を偏心回転させることができる。また、摺動面Fは、軸線c1又は軸線c2と任意の角度で交差するものであれば良く、軸線c1又は軸線c2と略直交するものとしても良いし、あるいは軸線c1及び軸線c2のいずれとも略直交しないものとしても良い。さらに、図12においては、ドライブシャフト56の軸線c1とロータ30の軸線c2とが角度θ2をなすよう位置決めして配置した例を示したが、軸線c1と軸線c2とがなす角度θ2はこれに限定されない。すなわち、一軸偏心ねじポンプ10を所定の場所に設置した状態において、軸線c1及び軸線c2が、水平方向又は鉛直方向のいずれかの方向に所定の角度をなすよう構成してもよい。
このように、偏心継手320は、ドライブシャフト56の軸線c1とロータ30の軸線c2との所定の角度θ2を保持しつつ、ドライブシャフト56の回転動力をロータ30へと伝達することができる。これにより、動力伝達方向の設計についての制約を減少することができる。例えば、一軸偏心ねじポンプのドライブシャフト56とロータ30との位置について、従来と比較して自由な設計を実現することができる。
≪一軸偏心ねじポンプの第二実施形態≫
次に、図13及び図14を参照して、本発明の一軸偏心ねじポンプの第二実施形態について説明する。
図13に示すとおり、一軸偏心ねじポンプ400は、偏心継手320と、ロータ430と、ステータ420とを備えている。一軸偏心ねじポンプ400のこれら以外の構成については、一軸偏心ねじポンプ10と同様であるため、ここでは一軸偏心ねじポンプ10と同じ符号を用いて説明を省略する。
ロータ430は、断面径が偏心継手320を接続する側の一端側(基端側)から他端側に向けて連続的に縮小されるよう形成されている。一方、ステータ420は、ロータ430の外径に対応するように、動力接続部52側からエンドスタッド12aに向けて内径が小さくなるよう形成されている。このように、一軸偏心ねじポンプ400は、ロータ430の外径とステータ420の内径とが、動力伝達機構50側からエンドスタッド12a側に向かうに従って小さくなるように形成されている。これにより、一軸偏心ねじポンプ400は、ロータ430とステータ420との相対的な位置を、ロータ430の外面とステータ420の内面とが互いに離隔又は接近する方向に簡単に進退移動させることができる(図14(a)参照)。そのため、一軸偏心ねじポンプ400を分解して洗浄等を行う場合に、ステータ420とロータ430とを容易に分離できる。
また、一軸偏心ねじポンプ400は、ステータ420からロータ430を動力接続部52側に移動させると(図14(a)中の矢印c3方向)、ステータ420の内周面とロータ430の外周面との間の隙間が大きくなる。そのため、図14(b)に示すとおり、ロータ430をステータ420に対して傾斜させつつ、ロータ430をステータ420から引き出して取り外すことができる。これにより、ロータ430の取り外し作業に必要となる動力伝達方向Cの距離のうち、ロータ430をステータ420に対して傾斜させない場合と比較してD1分の距離を短縮することができる。
さらに、偏心継手320は、ドライブシャフト56をロータ430の軸線c2に対する角度θ1まで傾斜を許容する。そのため、図14(c)に示すように、偏心継手320は、ロータ430に対してドライブシャフト56の傾斜が許容されない場合と比較して、分解作業に要するポンプ長手方向(動力伝達方向C)の距離をD2分の長さを短縮することができる。すなわち、一軸偏心ねじポンプ400に偏心継手320を用いることにより、ロータ430をステータ420から取り外す際、D1に加えてD2分の距離を縮小することができる。
このように、テーパ形状のロータ430を有する一軸偏心ねじポンプ400に偏心継手320を用いることにより、ロータ430とステータ420との組み立て及び分解を容易としつつ、分解作業に要するスペースを縮小することができる。
以上、本発明の実施形態に係る一軸偏心ねじポンプ10,400及び偏心継手120,220,320について説明したが、本発明の一軸偏心ねじポンプ及び偏心継手は、これに限定されない。
偏心継手120,220,320においては、第一ガイド部及び第二ガイド部を円形の開口形状とし、第一突出部に貫通する貫通孔を形成する例を示したが、第一ガイド部及び第二ガイド部の形状はこれに限定されない。例えば、第一ガイド部及び第二ガイド部の双方又は一方を矩形等の多角形の形状としてもよいし、また楕円形状としてもよい。さらに、第一ガイド部及び第二ガイド部は貫通孔ではなく、突出部の内側に設けられる凹状の穴(凹み、窪み、溝など)としてもよい。さらには、第一ガイド部及び第二ガイド部は、孔又は穴ではなく、第一軸部又は第二軸部を第一方向A又は第二方向Bへガイドするためのガイド部材として設けてもよい。第一ガイド部及び第二ガイド部は、第一軸部及び第二軸部の外径形状に応じて、様々な形状を選択することが可能である。
また、偏心継手120,220,320においては、中間体を第一軸部と第二軸部とが交差して形成される十字状の形状とした例を示したが、中間体の形状はこれに限定されない。例えば、中間体は、第一軸部の略中間から第二軸部が交差して形成される「T字」の形状としてもよい。さらに、第一軸部の端部に第二軸部の端部が交差して形成される「L字」の形状とすることもできる。
さらに、第一突出部及び第二突出部は、中間体を「T字」又は「L字」の形状とした場合、第一突出部及び第二突出部のいずれか一方、又は双方を中間体の形状に応じて第一接続部の径方向の両側に設ける、又は径方向の1カ所に設ける等、種々選択することができる。
上述した偏心継手120や偏心継手220は、中間体150を分解可能としたり、第一突出部234a,234b及び第二突出部244a,244bを分離可能とすることにより、第一接続部130,230及び第二接続部140,240の接続作業や分解作業を実施可能としたものである。具体的には、上述した偏心継手120は、中間体150を分解可能な構成とすることにより、第一接続部130及び第二接続部140の接続作業や分解作業を実施可能としたものである。また、偏心継手220は、第一突出部234a,234b及び第二突出部244a,244bを分離可能な構成とすることにより、第一接続部230及び第二接続部240の接続作業や分解作業を実施可能としたものである。
さらに詳細に説明すると、上述した偏心継手120においては、第一接続部130の第一突出部134a,134b、及び第二接続部140の第二突出部144a,144bが、それぞれ一定の間隔となるように対向させた状態で固定されているのに対し、中間体150が分解可能とされている。そのため、偏心継手120は、第一接続部130及び第二接続部140に対して中間体150を装着しつつ組み立てていくことにより、中間体150を介して第一接続部130及び第二接続部140を連結できる。
また、上述した偏心継手220においては、第一接続部230の構成体231a,231b、及び第二接続部240の構成体241a,241bが、それぞれ固定具248a〜248dなどの固定具により着脱可能とされている。そのため、偏心継手220においては、固定具248a〜248dなどの固定具を取り外したり、緩めたりすることにより、第一接続部230、及び第二接続部240を分離させたり、第一ガイド部236a,236bの間隔や第二ガイド部246a,246bの間隔を調整することができる。従って、偏心継手220においては、中間体250として分解不可能なものを採用したとしても、第一接続部230及び第二接続部240を中間体250に対して装着しつつ、第一接続部230、及び第二接続部240を固定具で固定することにより、第一接続部230及び第二接続部240を連結できる。
しかしながら、本発明は上述した偏心継手120や偏心継手220のようなものに限定されるものではない。具体的には、偏心継手120をなす第一接続部130及び第二接続部140のいずれか一方又は双方を、例えば偏心継手220の第一接続部230や第二接続部240のように離間させたり、間隔を拡縮可能な構成としても良い。また、偏心継手220について、中間体250に代えて中間体150のように分解可能なものを採用しても良い。さらに、偏心継手120や偏心継手220のように組み立て及び分解が可能な構成とするのではなく、いわゆる3Dプリンタなどを用いて中間体150,250や、第一接続部130,230、第二接続部140,240などの構成部材を組み立てた状態となるように形成したものとしても良い。
上述の実施形態における偏心継手120,220,320は、中間体150,250,350をドライブシャフト56の軸線c1と略直交する摺動面F上に配置される構成としたが、本発明の偏心継手はこれに限定されない。すなわち、摺動面Fは、ドライブシャフト56と所定の角度において交差する構成としてもよい。