JP2017143062A - 蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、ポリオレフィン層と絶縁層とを備える構成を有する蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルムであって、上記絶縁層の厚み方向における断面に対して、ナノインデンテーション法により測定したときの硬度が10MPa以上300MPa以下であることを特徴とする蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム。
【選択図】図1
Description
リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミニウム)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子正極材料)/電解質(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチルメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活性物質層(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリアクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材(銅)からなるリチウム電池本体及びそれらを包装する外装体等からなる。
このようなリチウム2次電池の用途としては、例えば、パソコン、携帯端末(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星等多岐にわたる。なお、本明細書において、上記正極集電材と正極活性物質層とを正極ともいい、上記負極集電材と負極活性物質層とを負極ともいう。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用の包装材料として、例えば、基材層/接着層/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている。このようなフィルム状の包装材料では、シーラント層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱溶着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。
また、上記フィルム状の包装材料が用いられる傾向にある理由としては、電池が高温下で使用されて内部圧力が異常に高まった場合、金属製缶からなる外装体は、爆発、発火が起こるまで外装体が耐えるために危険であるといった問題があるのに対し、熱接着部で密封される上記フィルム状の包装材料は、内部圧力が異常に高まった場合、該熱接着部が剥離して内部圧力を逃がす安全弁の働きをするため、電池としての機能は失われるものの金属製缶からなる外装体に比べて爆発、発火の危険性を少なくすることができるためでもある。
そして、この積層体Aを図3(a)に示すように袋状〔図3(a)上はピロータイプの包装袋であるが三方タイプ、四方タイプ等の包装袋であってもよい〕に加工し、リチウム電池本体30と、これの正極及び負極の各々に接続された金属端子31とを外側に突出した状態で収納し、開口部を熱接着して密封するなり、或いは、この積層体Aを図4(a)に示すように上記熱接着性樹脂層A3が内側に位置するようにプレス成形して凹部を形成し、この凹部にリチウム電池本体30と、これの正極及び負極の各々に接続された金属端子31とを外側に突出した状態で収納し、別途用意したシート状の積層体A(図示せず)の上記熱接着性樹脂層A3が、上記凹部側に位置するようにして上記凹部を被覆した後、該凹部の周縁を熱接着して密封することにより、図3(b)、或いは、図4(b)に示すリチウム電池10として用いられている。なお、符号Sは熱接着部を示す。
このため、金属端子31と熱接着性樹脂層A3との間には、これらの接着性を高めることなどを目的として、接着性フィルムが配されることがある。
そして、プレス成形して凹部を形成した図4(a)に示す積層体Aの該凹部にリチウム電池本体30を収納すると共に、別途用意したシート状の積層体A(図示せず)で上記凹部を被覆してリチウム電池本体30の金属端子31を備える周縁を含む3つの周縁を熱接着して後に1つの未接着部の周縁から電解質を注入し、その後に上記未接着部を熱接着して密封することにより図4(b)に示すリチウム電池10となる。
ところで、リチウム電池10の金属端子31は、接着性フィルム1’を備えた部位で上記包装体(積層体A)に挟持された状態で熱接着されるが、金属端子31は、その厚さが少なくとも50μm程度、巾としては少なくとも2.5mm程度であり、金属端子31の両側部の空隙を接着性フィルム1’と上記包装体(積層体A)の熱接着性樹脂層A3とで埋めて密封状態を確保するためには、熱接着するための熱と圧力とが必要となる。
しかしながら、これにより接着性フィルム1’と上記包装体(積層体A)の熱接着性樹脂層A3とが加圧部の外に押出されて該加圧部が薄肉となり、また、一般に金属端子31の両側端部には小幅に裁断するときに数μm〜数十μmのバリが発生しており、これが原因となり上記包装体(積層体A)のアルミニウム等の金属箔からなるバリアー層A2と金属端子31とが接触して短絡するという問題があった。
しかしながら、特許文献1に記載の金属端子部密封用接着性シートは、樹脂成分として酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いたフィルムであったため、熱接着する際に加えられる熱及び圧力により薄肉となって絶縁性の面で充分とは言えないことがあり、より絶縁性を向上させた金属端子部密封用接着性シートが求められていた。
なお、このような問題は、リチウム電池本体を収納したリチウム電池以外に、キャパシタ、電気二重層キャパシタを収納した場合にも同様の問題が生じる。
また、本発明の蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルムにおいて、上記絶縁層の軟化温度が180℃以上240℃以下であることが好ましい。
また、上記絶縁層は、不飽和カルボン酸又はその酸無水物で変性された変性ポリオレフィンと、硬化剤とを含む絶縁層用組成物の硬化物からなることが好ましく、上記硬化剤は、多官能イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物及びオキサゾリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類であることが好ましい。
本発明者らは、鋭意検討した結果、蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム(以下、単に接着性フィルムともいう)として、ポリオレフィン層と所定の硬度を備えた絶縁層とが積層された構成とすることで、絶縁性を極めて向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記包装体としては、図2に示す、少なくとも基材層A1、アルミニウム等の金属箔からなるバリアー層A2、ポリオレフィン系樹脂からなる熱接着性樹脂層A3が積層された構成を有する積層体Aが用いられる。
基材層A1としては、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ナイロンフィルム、或いは、これらの積層体を挙げることができ、その厚さとしては概ね6μm以上30μm以下程度である。
また、バリアー層A2としては、例えば、アルミニウムやニッケル、ステンレス等の金属箔を挙げることができ、その厚さとしては概ね15μm以上80μm以下程度である。
また、熱接着性樹脂層A3を形成するポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体等のエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂の単体ないし混合物を挙げることができ、その厚さとしては概ね20μm以上100μm以下である。
なお、図1(a)は、本発明の接着性フィルムの代表的な層構成を図解的に示す図であり、図2は、蓄電デバイスに用いる包装体の基本的な層構成を図解的に示す図、図3は、蓄電デバイスに用いる包装体の一実施例を説明する図、図4は、蓄電デバイスに用いる包装体の他の実施例を説明する図、図5は、蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルムの設け方の一例を説明する図であり、図中の1、1’は蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム、2はポリオレフィン層、3は絶縁層、10はリチウム電池、30はリチウム電池本体、31は金属端子、Aは積層体、A1は基材層、A2は金属箔からなるバリアー層、A3は熱接着性樹脂層をそれぞれ示す。
ポリオレフィン層2は、本発明の接着性フィルムの支持層であり、本発明の接着性フィルムを蓄電デバイスの金属端子31又は熱接着性樹脂層A3に密着させる層である。該ポリオレフィン層2を有さないと、リチウム電池等の蓄電デバイス製造時の熱接着時にハンドリングが困難となってしわが発生したり位置精度が低下したりして、電池にした時の金属端子31の絶縁性が低下したり、蓄電デバイスの金属端子31を密封できなかったりすることがある。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系樹脂(ホモタイプ、エチレンとプロピレンとの共重合体物、エチレンとプロピレンとブテンとの共重合体物)、エチレン系樹脂(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレンとブテンとの共重合体物、エチレンとアクリル酸又はメタクリル酸誘導体との共重合体物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体物、金属イオン含有ポリエチレン及び不飽和カルボン酸をグラフトさせたポリエチレン若しくはポリプロピレンの単体、又は、ブレンド物)等が挙げられる。なかでも、耐熱性の観点から、上記ポリオレフィン系樹脂としては、プロピレン系樹脂が好ましい。
なお、防湿性、耐熱性を考慮すると、上記酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン樹脂、特に、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリプロピレン樹脂が好ましい。
また、ポリオレフィン層2は、MFR(230℃)が3以上12以下であることが好ましい。上記MFRが12を超えると、上記熱接着時に本発明の接着性フィルムが流動してシール痩せが起こり、絶縁性が低下するおそれがある。一方、上記MFRが3未満であると、上記ポリオレフィン層を形成する際の組成物の流動性が悪く、加工適性に問題が生じる場合がある。
このような融点とMFRとを満たす樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン、エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー等が挙げられる。
上記のポリオレフィンをカルボン酸等でブロック重合又はグラフト重合することにより変性した酸変性ポリオレフィン等も挙げられる。
このような絶縁層3は、該絶縁層3の厚み方向における断面に対して、ナノインデンテーション法により測定したときの硬度が10MPa以上300MPa以下である。より具体的には、図1(b)に示したように、ナノインデンター(HYSITRON社製のTriboIndenterTI950)を用いて、絶縁層3の断面3aの中央(A−A線)に該断面3aに対して垂直方向から先端形状が三角錐(バーコビッチ圧子)のダイヤモンドチップからなる圧子12を押し込んでくぼみ13を形成し、荷重−変位曲線を測定することで算出される硬度(インデンテーション硬度)をいう。
絶縁層3の硬度が上記範囲内にあることで、本発明の接着性フィルムは、絶縁性能に極めて優れたものとなる。これは、このような硬度を備えた絶縁層3は、上記熱接着時に潰されることが無く、加圧部が肉薄となることがなく、電極活物質や電極タブの破片などの微小な異物が、電極タブと熱接着性樹脂層A3との間などのヒートシールされる部分に存在する場合にも、異物によってつぶされにくいため、優れた絶縁性能が発揮されると考えられる。
さらに、本発明の接着性フィルムにおいて、上記絶縁層は、2層以上の多層構造としてもよい。これにより、第1の絶縁層に薄肉部分や貫通孔が形成された場合にも、第2、第3の絶縁層で絶縁性を保つことができる。
絶縁層3の硬度の好ましい下限は15MPa、好ましい上限は250MPaであり、より好ましい下限は20MPa、より好ましい上限は220MPaである。
なお、絶縁層3の軟化温度の測定方法は、JIS K7196:2012の規定に準拠した方法で測定された値であり、具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定された値である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル」又は「メタアクリル酸エステル」を意味する。
上記酸変性ポリオレフィンは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも一方により構成されたものが挙げられ、ポリプロピレンにより構成されたものであることが好ましい。
また、上記ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン及びプロピレンコポリマーの少なくとも一方により構成されたものが挙げられる。
また、上記プロピレンコポリマーとしては、例えば、エチレン−プロピレンコポリマー、プロピレン−ブテンコポリマー、エチレン−プロピレン−ブテンコポリマー等のプロピレンと他のオレフィンとのコポリマー等が挙げられる。
また、上記ポリエチレンに含まれるエチレン単位の割合は、電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより高める観点から、50モル%以上100モル%以下程度とすることが好ましく、80モル%以上100モル%以下程度とすることがより好ましい。
また、上記エチレンコポリマー及びプロピレンコポリマーは、それぞれ、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれであってもよい。
また、上記エチレンコポリマー及びプロピレンコポリマーは、それぞれ、結晶性、非晶性のいずれであってもよく、これらの共重合物または混合物であってもよい。
また、上記ポリオレフィンは、1種類のホモポリマー又はコポリマーにより形成されていてもよいし、2種類以上のホモポリマー又はコポリマーにより形成されていてもよい。
また、上記酸無水物としては、上記例示した不飽和カルボン酸の酸無水物が好ましく、無水マレイン酸及び無水イタコン酸がより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
上記ポリオレフィンの変性において、(メタ)アクリル酸エステルは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を用いてもよい。
上記変性ポリオレフィンの重量平均分子量は8000以上15万以下程度であることがより好ましい。なお、本発明において、上記変性ポリオレフィンの重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
上記変性ポリオレフィンの融点は50℃以上100℃以下程度であることがより好ましい。なお、本発明において、変性ポリオレフィンの融点とは、示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。
このような共重合としては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられ、好ましくはグラフト共重合が挙げられる。
上記多官能イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、これらをポリマー化やヌレート化したもの、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物等が挙げられる。
なかでも、上記カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
特に好ましいカルボジイミド化合物の具体例としては、下記一般式(1):
で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミド化合物、
下記一般式(2):
で表される繰り返し単位を有するポリカルボジイミド化合物、
及び下記一般式(3):
で表されるポリカルボジイミド化合物が挙げられる。一般式(1)〜(3)において、nは、通常30以下の整数であり、好ましくは3〜20の整数である。
上記エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記エポキシ化合物は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、上記エポキシ化合物としては、分子内に存在するエポキシ基によって架橋構造を形成することが可能な樹脂であれば特に制限されず、公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
上記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、50〜2000の範囲が好ましい。電池用包装材料の絶縁性や耐久性をより一層高める観点からは、エポキシ樹脂の重量平均分子量としては、好ましくは100〜1000程度、より好ましくは200〜800程度が挙げられる。なお、本発明において、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、標準サンプルとしてポリスチレンを用いた条件で測定された、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値である。
上記オキサゾリン化合物としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズ等が挙げられる。
上記絶縁層用組成物において、上記硬化剤の含有量は、変性ポリオレフィン100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下の範囲にあることが好ましく、0.1質量部以上30質量部以下の範囲にあることがより好ましい。
また、上記絶縁層用組成物において、上記硬化剤の含有量は、変性ポリオレフィン中のカルボキシル基1当量に対して、硬化剤中の反応基として1当量以上30当量以下の範囲にあることが好ましく、1当量以上20当量以下の範囲にあることがより好ましい。これにより、絶縁性や耐久性をより高め得る。
なお、上記変性ポリオレフィンの溶融温度は、JIS K7196:2012の規定に準拠した方法で測定された値であり、具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定された値である。
すなわち、本発明の接着性フィルムの好ましい構成としては、例えば、酸変性ポリオレフィン系樹脂層/絶縁層、ポリオレフィン系樹脂層/絶縁層、酸変性ポリオレフィン系樹脂層/ポリオレフィン系樹脂層/絶縁層、酸変性ポリオレフィン系樹脂層/絶縁層/酸変性ポリオレフィン系樹脂層、ポリオレフィン系樹脂層/絶縁層/酸変性ポリオレフィン系樹脂層、ポリオレフィン系樹脂層/酸変性ポリオレフィン系樹脂層/絶縁層/酸変性ポリオレフィン系樹脂層等が挙げられる。
上記残存率のより好ましい下限は75%であり、より好ましい上限は90%である。
このような本発明の接着性フィルムは、上述した蓄電デバイスの金属端子31の密封に極めて好適に用いられる。
なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
予め、フェノール樹脂、フッ化クロム(三価)化合物、リン酸の3成分からなる化成処理液で両面を化成処理(リン酸クロメート処理)したアルミニウム箔(40μm厚さ)の一方の面と、25μm厚さの二軸延伸ナイロンフィルムとをウレタン系接着剤を介して積層し、上記アルミニウム箔の他方の面と30μm厚さの未延伸ポリプロピレンフィルムとを酸変性ポリプロピレン樹脂(不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリプロピレン)でサンドイッチラミネーションすると共に、熱風により上記酸変性ポリプロピレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して実施例に供する積層体を作製した。
PET(二軸延伸ポリエチレンテレフタレート)フィルム(12μm)の片面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(融点140℃、MFR9.0)を80μm厚みで押出して酸変性ポリプロピレン層を形成した。
次いで、この酸変性ポリプロピレン層の上に、主剤として変性ポリプロピレン系樹脂(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量10万、融点100℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量2.1mol%、無水マレイン酸変性度3.0重量%)を、硬化剤としてプレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート(NCO含有量;31重量%)を含む絶縁層用組成物を、10μmの厚さになるように塗布し、80℃で60秒乾燥させて絶縁層を形成した。
なお、硬化剤の含有量は、変性ポリプロピレン系樹脂中のカルボキシル基1当量に対して、硬化剤中の反応基として、実施例1では10当量、実施例2では1当量、実施例3では30当量とした。
その後、70℃で24時間エージングした後、PETフィルムを除去して実施例1〜3の接着性フィルムを得た。
硬化剤としてカルボジイミド化合物(重量平均分子量2000、カルボジイミド当量200)を使用した以外は実施例1と同様にして接着性フィルムを得た。
硬化剤としてエポキシ化合物(jER828、三菱化学製)を使用した以外は実施例1と同様にして接着性フィルムを得た。
硬化剤としてオキサゾリン化合物(エポクロスWS−500、日本触媒製)を使用した以外は実施例1と同様にして接着性フィルムを得た。
PET(二軸延伸ポリエチレンテレフタレート)フィルム(12μm)の片面に、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(融点140℃、MFR9.0)を50μm厚みで押出して酸変性ポリプロピレン層を形成した。
この酸変性ポリプロピレン層の上に、主剤として変性ポリプロピレン系樹脂(無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体、重量平均分子量10万、融点100℃、ポリプロピレン主骨格中のエチレン含有量2.1mol%、無水マレイン酸変性度3.0重量%)を、硬化剤としてプレポリマータイプのジフェニルメタンジイソシアネート(NCO含有量;31重量%)を含む絶縁層用組成物を10μmの厚さになるように塗布し、80℃で60秒乾燥させて絶縁層を形成した。
その後、絶縁層の上に更に無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(融点140℃、MFR9.0)を50μm厚みで押出した。
なお、硬化剤の含有量は変性ポリプロピレン系樹脂中のカルボキシル基1当量に対して、硬化剤の官能基として1当量とした。
その後、70℃で24時間エージングした後、PETフィルムを除去して実施例7の接着性フィルムを得た。
硬化剤を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1の接着性フィルムを得た。
厚さ100μmの酸変性ポリプロピレンフィルムを比較例2の接着性フィルムとした。
・軟化温度
JIS7196:2012の規定に準拠し、セイコーインスツルメンツ社製のEXSTAR6000を用いて測定した。
・絶縁性
蓄電デバイス包装用の積層体を60mm×60mm(2枚)、接着性フィルムを60mm×60mm(2枚)に裁断する。
次いで、積層体を未延伸プロピレンフィルム同士が対面するように重ね、その間に接着性フィルムを挟み、さらに接着性フィルム同士の間に、幅4mm、長さ80mm、厚さ100μmのニッケル箔を挟む。
ニッケル箔とラミネートフィルムのアルミニウム箔にテスターの端子を接続し、その状態でニッケル箔の長さ方向に直交する方向に7mm幅の熱板でシール(シール条件:190℃、1MPa)した。このとき、ニッケル箔とアルミニウム箔とが短絡するまでの時間を測定し、以下の基準で絶縁性を評価した。
○:50秒以上
△:30秒以上50秒未満
×:30秒未満
ナノインデンター(HYSITRON社製のTriboIndenterTI950)を用いて、絶縁層の硬度を測定した。ナノインデンターにおいて、先端がダイヤモンドチップからなる正三角錐の圧子(バーコビッチ圧子)を用いた。実施例及び比較例で得られた接着性フィルムをそれぞれ積層方向に切断して絶縁層の断面を露出させた。
次に、ナノインデンターを用い、以下の条件で絶縁層の断面に対して垂直方向に圧子を押し込み荷重−変位曲線を測定し硬度を測定した。
測定条件
・測定温度 23℃
・相対湿度 70%
・押し込み深さ 150nm
・押し込み深さ到達時間 10sec
・荷重保持時間 5sec
・押し込み深さ除荷時間 10sec
実施例及び比較例で得られた接着性フィルムを、190℃・1MPa・3秒間の熱圧をかける前後で、それぞれ積層方向に切断した断面から絶縁層の厚みを測定し、下記計算式により残存率(%)を求めた。
残存率(%)=熱圧をかけた後の絶縁層厚み/熱圧をかける前の絶縁層厚み×100
一方、比較例1の接着性フィルムは絶縁層の厚み残存率が低かった為に絶縁性に劣り、酸変性ポリオレフィン層のみを用いた比較例2に係る接着性フィルムは、絶縁性に劣っていた。
2 ポリオレフィン層
3 絶縁層
3a 断面
10 リチウム電池
12 圧子
13 くぼみ
30 リチウム電池本体
31 金属端子
A 積層体
A1 基材層
A2 金属箔からなるバリアー層
A3 熱接着性樹脂層
Claims (5)
- 少なくとも、ポリオレフィン層と絶縁層とを備える構成を有する蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルムであって、
前記絶縁層の厚み方向における断面に対して、ナノインデンテーション法により測定したときの硬度が10MPa以上300MPa以下である
ことを特徴とする蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム。 - 190℃、1MPa、3秒の条件で熱圧をかけたときの前記絶縁層の厚み残存率が70%以上95%以下である請求項1記載の蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム。
- 前記絶縁層の軟化温度が180℃以上240℃以下である請求項1又は2記載の蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム。
- 前記絶縁層は、不飽和カルボン酸又はその酸無水物で変性された変性ポリオレフィンと、硬化剤とを含む絶縁層用組成物の硬化物である請求項1、2又は3記載の蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム。
- 前記硬化剤は、多官能イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物及びオキサゾリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種類である請求項4記載の蓄電デバイス金属端子部密封用接着性フィルム。
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