JP2017143394A - 超音波センサー及び圧電素子の駆動方法 - Google Patents

超音波センサー及び圧電素子の駆動方法 Download PDF

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泰裕 板山
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Abstract

【課題】超音波センサー用の圧電素子を対象として、送受信感度のばらつきの抑制、及び、受信感度の向上化のうち、少なくとも1つを達成することが可能な超音波センサー及び圧電素子の駆動方法を提供する。
【解決手段】超音波センサーの駆動回路は、第1の電位V1によって圧電素子の分極を維持する第1工程P1と、最大電位VHと最小電位VLを少なくとも1回ずつ付与することによって、圧電素子に超音波を送信させる第2工程P2と、第2の電位V2で圧電素子を待機させる第3工程P3と、第3の電位V3を付与することによって、圧電素子に超音波を受信させる第4工程P4とを有する駆動波形によって、圧電素子を駆動し、各電位の中で、最大電位VHが最も高く、最小電位VLが最も低く、第1の電位V1及び第2の電位V2は同じ電位であり、第3の電位V3は、第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い電位である。
【選択図】図13

Description

本発明は、超音波センサー及び圧電素子の駆動方法に関する。
現在、圧電素子は、液体噴射ヘッドや超音波センサー等の様々なデバイスに応用されている。各種デバイスのうち、例えば、超音波センサーは、空間が形成された基板、空間を塞ぐように基板上に設けられた振動板、振動板上に設けられた圧電素子等を具備している。
超音波センサーでは、電圧を印加して圧電素子を変位させることで振動板が変位し、これに伴い、空間内の媒質(音響整合層や空気層等)に圧力変動が生じて、超音波(送信超音波)が送信される。また、測定対象物に反射された超音波(反射超音波)を受けて空間内の媒質に圧力変動が生じると、かかる圧力変動が伝達して振動板が変位し、これに伴い圧電素子が変位して、圧電素子から電圧が得られる。そして、これらの電圧、即ち、送信超音波や反射超音波の波形に基づき、測定対象物に関する情報(位置や形状等)が検出される。
超音波センサーには、振動板の圧電素子とは反対側が超音波の通過領域となる型(CAV面型)や、振動板の圧電素子側が超音波の通過領域となる型(ACT面型)がある。また、超音波センサーには、超音波の送信に最適化させた送信専用型や、超音波の受信に最適化させた受信専用型の他、超音波の送信及び受信の両方に最適化させた送受信一体型等の分類もある。何れの型の超音波センサーでも、送信超音波の送信時には、圧電素子に電圧が印加されることで圧電体層に分極が生じ、この分極の状態に応じて電気機械変換能力が発揮される。
例えば、特許文献1にはバルク圧電体を用いた圧電センサーが記載されている。この文献によれば、バルク圧電体は分極処理を施した後に当該センサーに組み込まれるため、その分極を維持するためのバイアス電圧を印加する必要が無い。従って、バルク圧電体における、分極特性の経時的な劣化は殆ど無い。
しかしながら、バルク圧電体のかわりに薄膜圧電体を各種デバイスに用いた場合には、経時的に分極特性が劣化する。例えば、特許文献2には薄膜圧電体を用いた圧電センサーが記載されている。この文献によれば、薄膜圧電体には圧力の検出や温度の変化に伴って、基板から受ける応力の影響により分極特性が経時的に劣化し、感度が低下するという問題がある。そこで、特許文献2では、電子回路による分極処理を一定時間毎に実施しているが、具体的な分極処理を実施するための駆動波形は開示されていない。
また、特許文献3には薄膜圧電体を用いた液体噴射ヘッドが記載されており、薄膜圧電体に施す分極処理を実施するための駆動波形が開示されている(図10参照)。即ち、特許文献3によれば、図10の電位維持期a4のバイアス電位によって、分極の維持が可能となっている。
特開2015−36056号公報 特許第4984943号公報 特許第4374551号公報
しかしながら、特許文献2に記載の圧電センサーでは、分極してから送受信の動作に入るまでの時間が一定ではないため、感度にばらつき(分極量の変動)が生じる可能性がある。また、特許文献3に記載の駆動波形は、液体噴射ヘッド用の波形であり、同じ圧電素子を使っているとはいえ、液体を噴射するのに適した波形が圧電センサーの受信感度を向上させるのに適しているとは限らない。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、特に、超音波センサー用の圧電素子を対象として、送受信感度のばらつきの抑制、及び、受信感度の向上化のうち、少なくとも1つを達成することが可能な超音波センサー及び圧電素子の駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の態様は、第1電極と、第2電極と、これらの間に設けられた厚さ0.3μm以上1.5μm以下の薄膜の圧電体層とを備えた圧電素子と、前記圧電素子を駆動する駆動回路とを有する超音波センサーであって、前記駆動回路は、第1の電位V1によって前記圧電素子の分極を維持する第1工程と、前記第1工程の後、最大電位VHと最小電位VLを少なくとも1回ずつ付与することによって、前記圧電素子に超音波を送信させる第2工程と、前記第2工程の後、第2の電位V2で前記圧電素子を待機させる第3工程と、前記第3工程の後、第3の電位V3を付与することによって、前記圧電素子に超音波を受信させる第4工程とを有する駆動波形によって、前記圧電素子を駆動し、前記最大電位VH、第1の電位V1、第2の電位V2、第3の電位V3及び最小電位VLの中で、前記最大電位VHが最も高く、前記最小電位VLが最も低く、前記第1の電位V1及び第2の電位V2は同じ電位であり、前記第3の電位V3は、前記第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い電位であることを特徴とする超音波センサーにある。
かかる態様では、第1の電位V1によって分極を維持した状態で送受信動作を行うことにより、感度のばらつきを抑えた超音波センサーを得ることができる。また、受信時に、第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い第3の電位V3を付与することで、圧電体層の歪みに対する分極の変化量が大きくなり、その結果、起電圧が高くなることで、受信感度が向上した超音波センサーを得ることができる。
ここで、前記第1工程及び前記第3工程における圧電体層の比誘電率をεr1、前記第2工程において前記最大電位VHとした圧電体層の比誘電率をεr2、前記第4工程における圧電体層の比誘電率をεr3としたとき、εr1はεr2よりも大きく、εr3はεr2に対して95%以上100%以下であることが好ましい。
これによれば、εr1をεr2よりも大きくすることで、圧電体層の分極量を安定に保ちつつ、εr3をεr2に対して95%以上100%以下にすることで、分極が緩和されて膜の硬度が下がり、薄膜の圧電体層を撓みやすくして受信感度を向上することが可能な超音波センサーを得ることができる。
上記目的を達成する本発明の他の態様は、第1の電位V1によって圧電素子の分極を維持する第1工程と、前記第1工程の後、最大電位VHと最小電位VLを少なくとも1回ずつ付与することによって、前記圧電素子に超音波を送信させる第2工程と、前記第2工程の後、第2の電位V2で前記圧電素子を待機させる第3工程と、前記第3工程の後、第3の電位V3を付与することによって、前記圧電素子に超音波を受信させる第4工程とを有し、前記最大電位VH、第1の電位V1、第2の電位V2、第3の電位V3及び最小電位VLの中で、前記最大電位VHが最も高く、前記最小電位VLが最も低く、前記第1の電位V1及び第2の電位V2は同じ電位であり、前記第3の電位V3は、前記第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い電位である駆動波形によって、前記圧電素子を駆動することを特徴とする圧電素子の駆動方法にある。
かかる態様では、第1の電位V1によって分極を維持した状態で送受信動作を行うため、超音波センサーの感度のばらつきを抑えることができる。また、受信時に、第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い第3の電位V3を付与することで、圧電体層の歪みに対する分極の変化量が大きくなり、その結果、起電圧が高くなることで、超音波センサーの受信感度を向上させることができる。
ここで、前記第1工程及び前記第3工程における圧電体層の比誘電率をεr1、前記第2工程において前記最大電位VHとした圧電体層の比誘電率をεr2、前記第4工程における圧電体層の比誘電率をεr3としたとき、εr1はεr2よりも大きく、εr3はεr2に対して95%以上100%以下であることが好ましい。
これによれば、εr1をεr2よりも大きくすることで、圧電体層の分極量を安定に保ちつつ、εr3をεr2に対して95%以上100%以下にすることで、分極が緩和されて膜の硬度が下がり、薄膜の圧電体層を撓みやすくして受信感度を向上することができる。
超音波デバイスの構成例を示す断面図。 超音波センサーの構成例を示す分解斜視図。 超音波素子アレイの構成例を示す拡大斜視図。 超音波素子の概略構成の一例を示す平面図。 図4の超音波素子のA−A′線断面図。 図4の超音波素子のB−B′線断面図。 超音波センサーの製造方法の一例を示す断面図。 超音波センサーの製造方法の一例を示す断面図。 超音波センサーの製造方法の一例を示す断面図。 超音波センサーの製造方法の一例を示す断面図。 超音波センサーの製造方法の一例を示す断面図。 超音波デバイスの制御構成例を示すブロック図。 超音波センサーの駆動波形の一例を示す図。 比誘電率の平方根と圧電定数との関係を示す図。 実施例1の駆動波形を示す図。 比較例1の駆動波形を示す図。 第3の電位と起電圧との関係を示す図。 超音波診断装置の一例を示す斜視図。 超音波プローブの一例を示す正面図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の範囲内で任意に変更可能である。各図において、同じ符号を付したものは、同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
また、図面において示す構成要素、即ち、各部の形状や大きさ、層の厚さ、相対的な位置関係、繰り返し単位等は、本発明を説明する上で誇張して示されている場合がある。更に、本明細書の「上」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」であることを限定するものではない。例えば、「基板上の第1電極」や「第1電極上の圧電体層」という表現は、基板と第1電極との間や、第1電極と圧電体層との間に、他の構成要素を含むものを除外しない。
(実施形態1)
(超音波デバイス)
図1は、本発明の実施形態1にかかる超音波センサーを搭載した超音波デバイスの構成例を示す断面図である。図示するように、超音波プローブIは、CAV面型の超音波センサー1と、超音波センサー1に接続されたフレキシブルプリント基板(FPC基板2)と、装置端末(不図示)から引き出されたケーブル3と、FPC基板2及びケーブル3を中継ぎする中継基板4と、超音波センサー1、FPC基板2及び中継基板4を保護する筐体5と、筐体5及び超音波センサー1の間に充填された耐水性樹脂6とを具備して構成されている。また、詳細は後述するが、超音波センサー1は、超音波素子10、音響整合層30、レンズ部材31及び包囲板40を含んで構成されている。なお、超音波プローブIは、上記の構成に限定されず、必要に応じて他の要素を含んで構成されてもよい。
超音波プローブIに搭載された超音波センサー1は、送受信一体型に構成されている。この超音波センサー1では、超音波センサー1の繰り返し発信周期に応じ、送信超音波が、音響整合層30及びレンズ部材31を通じて送信される。送信超音波が所定の間隔で送信されるなかで、測定対象物から反射された反射超音波が、音響整合層30及びレンズ部材31を通って受信される。これらの送信超音波や反射超音波の波形信号に基づき、超音波プローブIの装置端末において、測定対象物に関する情報(位置や形状等)が検出される。
超音波センサー1によれば、後述のように、送受信感度のばらつきを抑制し、受信感度の向上化を図ることができる。従って、超音波プローブIに超音波センサー1を搭載することで、検出感度に優れた超音波デバイスとなる。超音波センサー1は、CAV面型に限定されず、ACT面型にも適用できる。また、超音波センサー1は、送受信一体型に限定されず、送信専用型や受信専用型等にも適用できる。超音波センサー1を搭載可能な超音波デバイスは、超音波プローブIに限定されない。
また、詳細は後述するが、CAV面型の超音波センサー1は、ACT面側の超音波センサーと比べて、測定対象物に対して超音波素子10を構成する圧電素子17が離れた位置にある。従って、外部からの水分が圧電素子17に極めて到達し難い構成となり、使用時の電気的安全性に優れる超音波センサー1となる。しかも、圧電素子17が薄膜である場合、製造時のハンドリング性も向上させることができるので、超音波センサー1の取り扱いが容易となる。
(超音波センサー)
図2は、超音波センサーの分解斜視図であり、図3は、超音波素子アレイの構成例を示す拡大斜視図である。図4は、超音波素子の概略構成を示す平面図、図5は、そのA−A′線断面図、図6は、B−B′線断面図である。
図2〜図6において、互いに直交する2つの軸をX軸及びY軸とし、X軸及びY軸によって形成される平面をXY平面としたとき、基板11は、XY平面に沿っている。以降、X軸を第1の方向X(X方向)と称し、Y軸を第2の方向Y(Y方向)と称し、X方向及びY方向の何れにも直交するZ軸を第3の方向Z(Z方向)と称する。
図1及び図2に示すように、超音波センサー1は、超音波素子10、音響整合層30、レンズ部材31及び包囲板40を含んで構成されている。図2において、包囲板40と支持部材41とは別体に示されているが、実際には、図1に示すように、両者は一体的に構成されている。なお、超音波センサー1は、上記の構成に限定されず、他の要素を含んで構成されてもよい。
超音波センサー1がCAV面型に構成されていることから、音響整合層30は、空間20内に設けられている。音響整合能を有する樹脂等が基板11の空間20内等に充填されて音響整合層30が設けられることで、超音波素子10及び測定対象物の間で音響インピーダンスが急激に変化することを防止でき、その結果、超音波の伝播効率の低下を防止することができる。音響整合層30は、例えば、シリコーンオイル、シリコーン樹脂又はシリコーンゴムから構成できるが、前記の例に限定されず、超音波センサー1の用途等に応じた材料を適宜選択して用いることができる。
レンズ部材31は、基板11上の振動板50とは反対側に設けられている。レンズ部材31は、超音波を収束させる役割を有している。超音波を電子フォーカス法で収束させる場合等には、レンズ部材31は省略可能である。また、レンズ部材31は、超音波の収束機能を有しない保護板等に代替させることも可能である。本実施形態では、上記の音響整合層30が、レンズ部材31と基板11との接着機能も有している。レンズ部材31と基板11との間に音響整合層30を介在させ、超音波センサー1が構成されている。なお、振動板50の詳細については、後述する。
包囲板40は、振動板50の第2面50b側に設けられている。包囲板40の中央には凹部(圧電素子保持部32)が形成され、この圧電素子保持部32の周囲は、包囲板40の縁部40a及び圧電素子17側の面40bで囲われている。圧電素子保持部32によって、超音波素子10(圧電素子17)の周囲の領域(圧電素子17の上面及び側面を含む領域)が覆われる。従って、圧電素子17の上面は包囲板40の圧電素子17側の面40bで覆われ、側面は縁部40aで覆われることになる。なお、圧電素子17の詳細については、後述する。
包囲板40は、縁部40aにおいて超音波素子10側に接合されている。包囲板40の接合は接着剤を用いることができるが、前記の例に限定されない。圧電素子保持部32のZ方向の長さは約80μmであるが、前記の値に限定されない。圧電素子保持部32の長さは、圧電素子17の駆動を阻害しない程度のスペースが確保される値であればよい。また、圧電素子保持部32は、空気で満たされていてもよく、樹脂で満たされていてもよい。包囲板40の厚さは約400μmであるが、前記の値に限定されない。
超音波センサー1には、包囲板40の圧電素子17側の面40bと振動板50の第2面50bとの間、且つ、圧電素子17と重ならない位置に、支持部材41が設けられており、この支持部材41により振動板50を支持できる。このため、例えば、レンズ部材31を超音波素子10に実装する際や、超音波素子10とレンズ部材31の密着性を確保する際に、レンズ部材31を音響整合層30側に押圧することがある。レンズ部材31を具備していない場合や、レンズ部材31の代わりに他の部材を設けた場合にも、各部の密着性を確保するため、音響整合層30側から振動板50に押圧力を付すこともある。超音波センサー1では、支持部材41を具備して構成されているため、上記の通り、所定の外圧が振動板50に加わったとしても、構造歪みが生じることを抑制でき、高い信頼性を確保できる。
また、支持部材41が圧電素子17と重ならない位置に設けられているため、圧電素子17が支持部材41によって過度に拘束されることが回避される。よって、支持部材41を設けていない場合と比べて、超音波の送信効率や受信効率が過度に低下することも防止される。
ここで、圧電素子17と重ならない位置とは、Z方向から見たとき、後述する能動部(第1電極14と第2電極16とで挟まれた部分(図3参照))に重ならない位置である。特に、超音波センサー1では、後述する隔壁19よりも狭い幅を有している支持部材41が、X方向に沿って整列する圧電素子17間に設けられている。つまり、超音波センサー1では、Z方向から見たとき、支持部材41が、後述する可動部(振動板50の第2面50b側のうち空間20に対応する部分)にすら重なっていない。このため、支持部材41を設けていない場合と比べ、超音波送信効率や受信効率が過度に低下することが確実に防止される。支持部材41は、接着剤により超音波素子10側に接合されているが、接合の手法は前の例に限定されない。
支持部材41は、Y方向に沿って延びる梁形状を有している。これによれば、Y方向に亘る広い範囲で振動板50を支持できる。梁形状の支持部材41は、Y方向ではなく、X方向に沿って延在していてもよい。梁形状の支持部材41は、延在する片方の端部が包囲板40の縁部40aから離れていてもよい。延在方向の少なくとも片方の端部が包囲板40の縁部40aに接していれば、梁形状の支持部材41に含まれる。
勿論、支持部材41は、梁形状を有していなくてもよい。支持部材41は、延在方向に直線状でなくてもよい。支持部材41の作製手法によっては、支持部材41のXY平面の断面積がZ方向に応じて異なる態様となる場合があるものの、かかる態様も、振動板50を支持できる限り、本発明の支持部材41に含まれる。
梁形状の支持部材41は、包囲板40をウエットエッチングすることで作製されたものである。このように、支持部材41は、包囲板40の構成材料を活かして作製されており、包囲板40と同一の構成を有している。ウエットエッチングは、例えばドライエッチングに比べ、加工精度は劣るものの、短時間で多くの領域を削ることができるため、梁形状の支持部材41を作製するのには好適な手法である。
圧電素子保持部32の中心部分は、包囲板40の縁部40aから比較的離れている。従って、振動板50において、圧電素子保持部32の中心部分に対応する中心箇所Cでは、支持部材41がない場合に剛性が低くなりやすい。そこで、支持部材41は、そのような振動板50の中心箇所Cを支持するように、圧電素子保持部32の中心部分に設けられている。これにより、より高い信頼性を確保できる。
超音波センサー1において、支持部材41の数、配置、形状等は種々に選択が可能である。例えば、支持部材41は複数であってもよい。その場合、支持部材41は、圧電素子保持部32内に、等間隔に設けられることが好ましい。これによれば、振動板50を万遍なく支持できる。従って、振動板50の数は、3つ以上の奇数であることが好ましい。これは、圧電素子保持部32内に支持部材41を等間隔に設けたとき、その真ん中の支持部材41が、振動板50の中心箇所Cの近傍に位置し得るためである。例えば、支持部材41の数は、3つ程度であるとバランスがよい。勿論、支持部材41は、振動板50の中心箇所Cからずれた部分のみに設けられてもよい。
図3に示すように、超音波素子10は、基板11、振動板50及び圧電素子17を含んで構成されている。なお、超音波素子10は、上記の構成に限定されず、他の要素を含んで構成されてもよい。
図1に示すように、基板11には、複数の隔壁19が形成されている。この複数の隔壁19により、図2に示すように、X方向及びY方向に沿って、複数の空間20が区画されている。空間20は、Z方向に基板11を貫通するように形成されている。つまり、基板11には、開口部18が形成されている。空間20は、二次元状、即ち、X方向に複数且つY方向に複数形成されている。空間20の配列や形状は、種々に変形が可能である。例えば、図3に示すように、空間20は、一次元状、即ち、X方向及びY方向の何れか一方の方向に沿って複数形成されてもよい。また、図4に示すように、空間20(開口部18)は、Z方向から見たときに正方形状(X方向とY方向との長さの比が1:1)に形成されてもよいし、長方形状(X方向とY方向との長さの比が1:1以外)に形成されてもよい。
基板11は、例えばシリコン(Si)単結晶基板を用いることができるが、これに限定されるものではない。例えば、SOI基板やガラス基板等を用いてもよい。
図3に示すように、振動板50は、開口部18(空間20)を塞ぐように基板11上に設けられており、基板11上に形成された弾性膜12と、弾性膜12上に形成された絶縁体膜13とによって構成されている。以降、振動板50の基板11側の面を第1面50aと称し、第1面50aに対向する面を第2面50bと称する。振動板50は、この場合、弾性膜12によって第1面50aが構成され、絶縁体膜13によって第2面50bが構成される。ここで、振動板50の第2面50b側のうち空間20に対応する部分を可動部と称する。可動部は、圧電素子17の変位によって振動が生じる部分である。例えば、圧電素子17に電圧を印加したとき、可動部に振動が生じる。この振動によって空間20内の媒質である音響整合層30(図1参照)に圧力変動が生じ、この圧力変動に応じて超音波センサー1から送信超音波が送信され、或いは、受信超音波が受信される。
振動板50は、空間20に対応する領域(可動部)が、圧電素子17に電圧を印加していない状態で、空間20とは反対側に凸(即ち上凸)となる撓みを有している。かかる撓みをする振動板50となるように、超音波センサー1、特に圧電素子17が構成されている。本明細書において、空間20とは反対側に凸であることは「上凸」で表される。また、空間20側に凸であることは「下凸」で表される。超音波センサー1の型によって圧電素子17近傍の構成が異なるが、振動板50の空間20に対向する側に圧電素子17が設けられている超音波センサー1であれば、何れの型でも、上記のように「上凸」及び「下凸」と解釈される。
本実施形態では、二酸化シリコン(SiO)等からなる弾性膜12と、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなる絶縁体膜13とで振動板50を構成するが、これに限定されるものではない。例えば、弾性膜12又は絶縁体膜13の何れか一方でもよく、又は他の膜としてもよい。或いは、振動板50を設けずに、後述する第1電極14のみが振動板として機能するようにしてもよい。基板11上に第1電極14を直接設ける場合には、第1電極14を絶縁性の保護膜等で保護することが好ましい。また、弾性膜12は、基板11と別部材でなくてもよい。基板11の一部を薄く加工し、これを弾性膜12として使用してもよい。
図5及び図6に示すように、圧電素子17は、弾性膜12及び絶縁体膜13からなる振動板50上に設けられており、振動板50の開口部18(空間20)に対向する位置に設けられている。圧電素子17は、第1電極14と、厚さが3μm以下、好ましくは0.3μm以上1.5μm以下の薄膜である圧電体層15と、第2電極16とを含んで構成されている。ここで、圧電素子17は、第1電極14、圧電体層15及び第2電極16を含む部分をいう(図4参照)。この圧電素子17に対応する領域には開口部18(空間20)が形成され、開口部18は隔壁19により区切られている。圧電素子17のうち、第1電極14と第2電極16とがZ方向で重なった部分を能動部と称する。能動部は、選択された第1電極14と第2電極16による電圧の印加により駆動される領域であり、上述した可動部内に存在する。
図示しないものの、圧電素子17と振動板50との間に、他の層が設けられてもよい。例えば、圧電素子17と振動板50との間に、密着性を向上させるための密着層が設けられてもよい。このような密着層は、例えば、酸化チタン(TiO)層、チタン(Ti)層又は窒化シリコン(SiN)層等から構成できる。
図4に示すように、圧電素子17は、Z方向から見たとき、空間20の内側の領域にある。即ち、圧電素子17のX方向及びY方向は、何れも空間20より短い。ただし、圧電素子17のX方向が空間20より長い場合や、圧電素子17の第2の方向Yが空間20より長い場合も、本発明に含まれる。
ここで、本実施形態では、圧電素子17と、弾性膜12及び絶縁体膜13からなる振動板50とを合わせてアクチュエーター装置と称する。図3に示すように、アクチュエーター装置では、圧電素子17を構成する第1電極14及び第2電極16が駆動回路201(図12参照)に電気的に接続されており、この駆動回路201から第1電極14及び第2電極16に電気信号(駆動信号)が入力されることで、圧電素子17に電圧が印加され、圧電体層15に分極が生じて圧電素子17及び振動板50が変位する。また、圧電素子17が変位すると、圧電体層15に分極が生じて表面電荷が発生する。表面電荷は、駆動回路201にて電圧として検出される。
圧電素子17は、超音波の送信のみに最適化して構成されていてもよく、超音波の受信のみに最適化して構成されていてもよく、超音波の送信及び受信の両方に最適化して構成されていてもよい。超音波センサー1は、送受信一体型に構成されているが、圧電素子17は、送信専用型、受信専用型、送受信一体型等の何れの型にも適用でき、CAV型、AVT型、送信専用型、受信専用型、送受信一体型等に応じて、高い検出感度を有するように設計することが可能である。
通常、超音波センサーでは、超音波素子をX方向及びこれに直交するY方向に、二次元的に並設しており、X方向をスキャン方向、Y方向をスライス方向とする。本実施形態の構成例では、スライス方向であるY方向に、16個の超音波素子10が並設され、スキャン方向であるX方向に、64個の超音波素子10が並設されているが、図3には、それぞれその一部のみを示している。このような超音波センサー1では、スキャン方向にスキャンしながら、スライス方向に延びる列毎に駆動、即ち、超音波の送信及び受信を行うことにより、スライス方向のセンシング情報を、スキャン方向に連続して取得することができる。
また、通常、圧電素子を駆動する場合、何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極を個別電極とするが、本実施形態の超音波素子10では、複数の超音波素子10毎に駆動し、スキャンすることが行われるので、何れか一方が共通電極で他方が個別電極という区別は現実的ではない。何れにしても、超音波素子10を一次元的又は二次元的に並列させた態様とする場合には、第1電極14を一方向に亘るように設け、第2電極16を一方向に直交する方向に亘るように設け、適宜選択した第1電極14と第2電極16との間に電圧を印加することにより、所定の圧電素子17のみを駆動することができる。また、所定の圧電素子17を選択する際に、一列又は複数列を一つのグループとして選択して駆動することが一般的に行われる。
本実施形態では、第1電極14は4列が束ねられて共通化されている。これを仮に1チャンネルと呼び、このチャンネルはX方向に亘って複数設けられている。つまり、第1電極14は、4列毎に共通化し、4列1チャンネル毎に駆動可能となっている。
一方、第2電極16は、X方向に沿って一列に連続して設けられ、Y方向に沿って複数列設けられている。このような構成においては、第2電極16を1列毎に共通化して、1チャンネル内の全ての圧電素子17を同時に駆動し、順次各チャンネルを駆動すると、X方向に沿った1次元のデータが取得できる。また、第2電極16を1列毎、又は複数列毎に共通化し、1チャンネル内の圧電素子17を第2電極16で共通化してグループ毎に順次駆動し、順次各チャンネルを駆動すると、XY方向の二次元データが取得できる。
第1電極14や第2電極16は、導電性を有するものであれば制限されず、例えば白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、ステンレス鋼等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等の酸化スズ系導電材料、酸化亜鉛系導電材料、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)、ニッケル酸ランタン(LaNiO)、元素ドープチタン酸ストロンチウム等の酸化物導電材料や、導電性ポリマー等を用いることができる。ただし、前記の材料に制限されない。
図5及び図6に示すように、圧電素子17を構成する圧電体層15は、空間20(開口部18)毎にパターニングして構成されている。この圧電体層15は、電気機械変換能力を有している。
圧電体層15は、電気機械変換能力を有していればよく、必要に応じて構成材料を適宜選定することができる。圧電体層15は、代表的にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のペロブスカイト構造の複合酸化物を用いることができる。これによれば、圧電素子17の変位量を確保しやすくなる。また、この他に、鉛、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)及びチタンを含むPMN−PT系やPMN−PZT系の多成分系の複合酸化物等も適用できる。
また、圧電体層15は、鉛を含まないもの、例えば、ビスマス(Bi)及び鉄(Fe)を含むBFO系の複合酸化物、ビスマス、バリウム(Ba)、鉄及びチタンを含むBF−BT系の複合酸化物、ビスマス、鉄、マンガン(Mn)、バリウム及びチタンを含むBFM−BT系の複合酸化物、カリウム(K)、ナトリウム(Na)及びニオブを含むKNN系の複合酸化物等のペロブスカイト構造の複合酸化物を用いることもできる。これによれば、環境への負荷が少ない非鉛系材料を用いて超音波素子10を実現できる。
例えば、Bi、Ba、Fe及びTiを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物では、その組成式は(Bi、Ba)(Fe、Ti)Oとして表されるが、代表的な組成としては、鉄酸ビスマスとチタン酸バリウムとの混晶として表されるものである。かかる混晶は、X線回折パターンで、鉄酸ビスマスやチタン酸バリウムが単独では検出できないものをいう。混晶の組成から外れる組成も含むものである。
このようなペロブスカイト型構造、即ち、ABO型構造のAサイトは、酸素が12配位しており、また、Bサイトは酸素が6配位して8面体(オクタヘドロン)をつくっている。鉛を含まない上記の圧電体層15の例では、AサイトにBi及びBaが、BサイトにFe、Tiが位置している。
ここでのペロブスカイト構造の複合酸化物には、欠損・過剰により化学量論の組成からずれたものや、元素の一部が他の元素に置換されたものも含まれる。即ち、ペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、格子不整合、酸素欠損等による不可避な組成のずれは勿論、元素の一部置換等も許容される。
そして、ペロブスカイト構造の複合酸化物の構成は前記の例に制限されず、他の元素を含んで構成してもよい。例えば、圧電体層15は、マンガン(Mn)を更に含むことが好ましい。これによれば、リーク電流を抑制しやすくなり、例えば非鉛系の材料として信頼性の高い超音波素子10を実現できる。
或いは、圧電体層15のAサイトのBiをリチウム(Li)、サマリウム(Sm)、セリウム(Ce)等で置換するようにしてもよく、BサイトのFeをアルミニウム(Al)、コバルト(Co)等で置換するようにしてもよい。これによれば、各種特性を向上させて構成や機能の多様化を図りやすくなる。これら他の元素を含む複合酸化物である場合も、ペロブスカイト構造を有するように構成されることが好ましい。
(超音波センサーの製造方法)
次に、超音波センサー1の製造方法について説明する。図7〜図11は、超音波センサーの製造方法の一例を示す断面図である。まず、基板11の表面に、熱酸化等によって酸化シリコンからなる弾性膜12を形成する。その後、弾性膜12上にジルコニウムをスパッタリング法や蒸着法等で成膜し、熱酸化等によって酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜13を形成する。弾性膜12と絶縁体膜13とによって、振動板50が構成される。そして、振動板50の絶縁体膜13上に、第1電極14をスパッタリング法や蒸着法等で成膜し、第1電極14が所定形状となるようにパターニングして形成する。
次いで、第1電極14及び振動板50上に圧電体層15を積層する。圧電体層15は、金属錯体(例えば、PZT系のペロブスカイト構造の複合酸化物を構成するPb、Zr及びTiを含む金属錯体)を溶媒に溶解・分散した溶液を塗布乾燥し、更に高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電材料を得る、CSD(Chemical Solution Deposition)法を用いて形成できる。圧電体層15の積層方法は、CSD法に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法や、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD(Pulsed Laser Deposition)法)、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、エアロゾル・デポジション法等を用いてもよい。圧電体層15は、湿式法(液相法)や固相法、或いは気相法等の何れの方法でも形成することができる。
湿式法によって形成された層や膜は、界面を有する。湿式法によって形成された層や膜には、塗布または焼成の形跡が残り、このような形跡は、その断面を観察したり、層内(あるいは膜内)における元素の濃度分布を解析したりすることによって確認可能な「界面」となる。「界面」とは、厳密には層間あるいは膜間の境界を意味するが、ここでは、層あるいは膜の境界付近を意味するものとする。湿式法によって形成された層や膜の断面を観察した場合、このような界面は、隣の層や膜との境界付近に、他よりも色が濃い部分、あるいは他よりも色が薄い部分として確認される。また、元素の濃度分布を解析した場合、このような界面は、隣の層や膜との境界付近に、他よりも元素の濃度が高い部分、あるいは他よりも元素の濃度が低い部分として確認される。詳細は後述するが、圧電体層15は、塗布工程や焼成工程を複数繰り返して形成される(複数の圧電体膜74によって構成される)ため、各圧電体膜74に対応して、複数の界面を有することとなる。
具体的には、図7に示すように、第1電極14上に1層目の圧電体膜74を形成した段階で、第1電極14及び1層目の圧電体膜74を同時にパターニングする。そして、図8に示すように、2層目以降の圧電体膜74を積層することにより、複数層の圧電体膜74からなる圧電体層15を形成する。因みに、2層目以降の圧電体膜74は、振動板50上、第1電極14及び1層目の圧電体膜74の側面上、並びに1層目の圧電体膜74上に亘って連続して形成される。更に、図9に示すように、圧電体層15をパターニングして凹部71等を形成する。
次に、図10に示すように、圧電体層15をパターニングした側面上、振動板50上、及び第1電極14上等に亘って第2電極16を形成すると共にパターニングする(図3参照)。その後は、不要部分をダイシング等により切断・除去する。図11に示すように、常法により、図1等に示す空間20、音響整合層30や包囲板40等を設け、超音波センサー1とする。なお、超音波センサー1の製造方法は、上記製法に限定されない。
(超音波センサーの制御系)
次に、超音波センサー1の制御系について説明する。図12は、超音波センサーを搭載した超音波デバイスの制御構成例を示すブロック図である。
図示するように、超音波プローブIは、圧電素子17が駆動回路201に電気的に接続されてなる超音波センサー1と、超音波センサー1の駆動を制御する制御装置200とを含んで構成されている。制御装置200は、外部インターフェース(外部I/F)202と、各種データを一時的に記憶するRAM203と、制御プログラム等を記憶したROM204と、CPU等を含む制御部205と、クロック信号を発生する発振回路206と、超音波センサー1へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号形成回路207と、この駆動信号形成回路207で使用するための電源を生成する電源生成部208と、クロック信号や駆動信号等を駆動回路201に送信する内部インターフェース(内部I/F)209とを含んで構成されている。
このうち、電源生成部208は、駆動信号形成回路207に対し、駆動電源を供給する。そして、駆動信号形成回路207は、電源生成部208が生成した駆動電源に基づいて駆動信号を生成する。
また、超音波センサー1の駆動回路201には、接続配線(不図示)を介して、各部からCOM信号や駆動波形、更に、所定のセンサー制御信号(クロック信号(CLK)、ラッチ信号(LAT)、チェンジ信号(CH)、画素データ(SI)、設定データ(SP)等)等が入力される。
制御装置200は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されている。制御装置200の各部の動作は、具体的には、マイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。上記の制御装置200を具備することで、本実施形態に係る圧電素子17の駆動方法を実現できる圧電素子応用デバイス(超音波センサー1)が提供される。
(超音波センサーの駆動方法)
超音波センサー1は、上述した駆動回路201から第1電極14及び第2電極16の何れか一方にCOM信号が、他方に所定の駆動波形(入力波形)がそれぞれ入力されることで、圧電素子17に電圧が印加され、圧電体層15に分極が生じて圧電素子17及び振動板50が変位して、超音波の送受信が行われる。
ここで、所定の駆動波形とは、COM信号が入力される電極に対して他方の電極に印加される電位状態を示す波形であり、圧電素子17を基準となる状態(基準電位)から変位(又は変形)させた後、再び基準となる状態に戻すように圧電素子17を駆動する、一連の駆動電圧の変化を示す波形の単位である。圧電素子17を基準となる状態から変位(又は変形)させた後、再び基準となる状態へ戻すための駆動は、第1電極14と第2電極16との間に印加される電圧(即ち、圧電体層15に印加される電圧)を変化させる一連の工程によって実施される。以下、より詳細に説明する。
図13は、超音波センサーの駆動波形の一例である。図示するように、超音波センサー1の駆動波形100は、次のような第1工程P1〜第5工程P5を含む。即ち、第1の電位V1によって圧電素子17の分極を維持する第1工程P1と、第1工程P1の後、最大電位VHと最小電位VLを少なくとも1回ずつ付与することによって圧電素子17に超音波を送信させる第2工程P2と、第2工程P2の後、第2の電位V2で圧電素子17を待機させる第3工程P3と、第3工程P3の後、第3の電位V3を付与することによって圧電素子17に超音波を受信させる第4工程P4と、次回の工程に続く第5工程P5とで構成される。
第1工程P1では、超音波センサー1の駆動波形100が駆動回路201から第1電極14及び第2電極16に入力されると、圧電素子17に電圧Vaが印加され、電位は電圧Vaが印加される前の基準電位(0V)から第1の電位V1に上昇し、圧電体層15に分極が生じる。そして、第1工程P1では、第1の電位V1が所定時間保持され、圧電素子17の分極が維持される。
次いで、第2工程P2では、第1工程P1において圧電素子17の分極が維持された状態(第1の電位V1を保持)で、圧電素子17に最大電圧Vbが印加されると、電位は第1の電位V1から最大電位VHに上昇する。その後、圧電素子17に最小電圧Vcが印加されると、電位は最大電位VHから最小電位VLに下降し、電位の変化に伴って圧電素子17の分極方向が揃う。第2工程P2では、圧電素子17の分極方向が揃った状態で、圧電素子17及び振動板50が変位して測定対象物に超音波を送信させる。ただし、最大電圧Vb及び最小電圧Vcの印加は、少なくとも1回ずつ行われればよく、各電圧の印加順序は問わない。
次いで、第3工程P3では、第2工程P2において圧電素子17の分極方向が揃った状態(最小電位VLを保持)で、圧電素子17に電圧Vdが印加されると、電位は最小電位VLから第2の電位V2に上昇する。そして、第2の電位V2が所定時間保持され、圧電素子17の分極が維持される。
ここで、圧電素子17に印加される電圧Vdは、第1工程P1において印加された電圧Vaと等しいため、第3工程P3でも第1工程P1と同等の電位が維持される。即ち、第3工程P3では、第2の電位V2が所定時間保持されることにより、圧電素子17の分極が維持されて受信の準備が整った状態で待機させることができ、超音波の受信時におけるノイズを除去することができる。
次いで、第4工程P4では、第3工程P3において圧電素子17の待機状態(第2の電位V2を保持)で、圧電素子17に電圧Veが印加されると、電位は第2の電位V2から第3の電位V3に下降し、圧電体層15の分極が緩和される。そして、第3の電位V3が所定時間保持されることにより、圧電素子17の分極緩和状態が維持され、圧電素子17における圧電体層15の硬度が下がって撓みやすくなる。そして、かかる状態で維持された圧電素子17に測定対象物からの超音波(反射波)を受信させることにより、受信感度を向上させることができる。
なお、第4工程P4における超音波の受信のタイミングは、超音波センサー1と測定対象物との距離に応じて適宜変更され得る。例えば、測定対象物が臓器の場合には、その深さに応じて受信のタイミングが変わり、それに応じて超音波センサー1の駆動波形100が変更される。
次いで、次回の工程に続く第5工程P5では、次工程における電圧(ここでは、圧電素子17に分極を生じさせる電圧)を印加して電位を変化させ、圧電素子17が分極を保持した状態から超音波の送受信が可能となるように準備する。
ここで、超音波センサー1の駆動波形100においては、第1の電位V1、最大電位VH、最小電位VL、第2の電位V2及び第3の電位V3の各電位の中で、最大電位VHが最も高く設定され、最小電位VLが最も低く設定されている。このような設定により、双極子の持つ分極に変化が加わり圧電体層15の分極方向を揃えることができる。
超音波センサー1の駆動波形100では、第1の電位V1と第2の電位V2は、互いに等しくなるように設定されている。即ち、超音波センサー1の駆動波形100を用いて駆動させた場合には、第1工程P1で圧電素子17の分極を維持し、第2工程P2で超音波の送信動作を行い、第3工程P3で圧電素子17の分極を再度維持し、第4工程P4で受信動作を行うため、常に圧電素子17の分極を維持した状態で送受信動作を行うことになる。従って、超音波センサー1の感度のばらつきを抑制することができる。
また、超音波センサー1の駆動波形100では、第3の電位V3は、第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低くなるように設定され、特に、第3の電位V3の下限値は、第1の電位V1及び第2の電位V2に対して40%以内の電位に設定されることが好ましい。即ち、常に圧電素子17の分極を維持する中で、電極保持電位(第1の電位V1及び第2の電位V2)より低い電位(第3の電位V3)を所定時間保持する工程(第4工程P4)を設けることで、圧電体層15の硬度が下がって撓みやすくなる。そして、かかる状態で圧電素子17に測定対象物からの超音波(反射波)を受信させることにより、圧電体層15の歪みに対する分極の変化量が大きくなる。その結果、圧電素子17の起電圧が高くなることにより、受信感度を向上させることができる。
更に、超音波センサー1の駆動波形100では、各工程における処理後の圧電体層15の比誘電率εが後述の値となるように、各工程における電位を適宜設定されることが好ましい。即ち、好適な電位設定により、第1工程P1及び第3工程P3における圧電体層15の比誘電率をεr1、第2工程P2において最大電位VHとした圧電体層15の比誘電率をεr2、第4工程P4における圧電体層15の比誘電率をεr3としたとき、εr1はεr2よりも大きく(εr1>εr2)、εr3はεr2と略等しく(εr3≒εr2)なる。ここで、「εr3はεr2と略等しい」とは、εr3とεr2が等しい場合(εr3=εr2)の他、εr3がεr2を超えない程度である場合(εr3<εr2)も含む。より詳細には、εr3は、εr2に対して95%以上100%以下である。
(メカニズム)
(I.起電圧を決定する因子)
圧電体膜(薄膜の圧電体層15)に外部応力が印加されて膜が歪むと、膜内に存在する分極量が変化する(双極子の電極間距離が変化する)。分極の変化量に応じて、圧電体表面には電荷が発生し、これを補償する電荷が外部から電極表面に供給される。これが起電圧である。従って、起電圧ΔVは下記式(1)及び(2)に基づき、下記式(3)のように定まる。なお、下記式(1)〜(3)において、Pは分極量、εは真空の誘電率、εは圧電体の比誘電率、Eは電界強度、ΔPは分極の変化量、ΔEは電界強度の変化量、dは圧電体の膜厚をそれぞれ示す。
P=εεE ・・・(1)
ΔP=εεΔE ・・・(2)
ΔV=ΔPd/εε ・・・(3)
起電圧の大きさを左右する因子は、分極の変化量ΔP、膜厚d、及び比誘電率εである。即ち、圧電体の組成と振動板の構成が同一(膜厚dと比誘電率εが固定)であるとき、起電圧の高低(良し悪し)を左右するのは分極の変化量ΔPである。
分極の変化量ΔPは、分極Pの大きさに依存する。従って、バルク圧電体の場合には、圧電体膜を分極処理することで分極を発生させることは必須である。一方、薄膜圧電体(薄膜の圧電体層15)の場合には、薄膜作製時における各処理(加熱等)によって分極が起こり、分極処理を施さなくても分極を有しているが、この所謂自然分極の大きさは極めて小さいので、分極処理は必要である。
しかしながら、薄膜圧電体に分極が発生すると、膜は分極の大きさを変化させる外力に対しては抗力を発揮するようになる。即ち、分極量に応じたヤング率の増大が発現する。膜が硬化すると、分極の変化量ΔPは減少する。従って、起電圧ΔVを向上させるためには分極の変化量ΔPを大きくすればよいが、分極量Pが大きければよいという訳ではない。つまり、分極の変化量ΔPを大きくするためには、分極量Pを程よい大きさに保ち、且つ膜のヤング率を小さくすることが望ましい。
(II.分極と膜のヤング率の関係)
圧電体膜(薄膜の圧電体層15)のヤング率は一定ではなく、膜中に発生する分極の大きさによって変化する。ここで、ヤング率とは、膜に印加される応力と膜に発生する歪みとの比であるが、分極が生じると分極が変化するときに圧電体表面に電荷が生じる。この発生電荷によって新たに電界が発生するが、この電界は変化した分極を復元する様に働く。即ち、同じ応力に対して膜は歪み難くなり、膜のヤング率は分極が大きい程大きくなる。
本願発明者らは、このことを実験により確かめた。後述の試験例1において、詳細に説明する。
(試験例1)
試験例1では、後述する超音波センサー1を用いて実験を行った。図14は、比誘電率εの電界依存性と圧電定数d33の電界依存性とから、比誘電率の平方根(√(ε))と圧電定数d33の関係を求めた図である。ここで、圧電性の指標である圧電定数d33は、比誘電率εに対し下記式(4)の関係を持つ。なお、k33は電気機械結合係数、Y33はヤング率である。また、下付きの数字は方位を表し、前記33であれば、圧力と電圧方位が同一方向であることを示す。
33=k33[√(ε)/√(Y33)] ・・・(4)
図14では、グラフの傾きが一定である領域が3つ存在する。グラフの傾きは、電気機械結合係数k33とヤング率Y33の平方根の比で決まる(式(4)参照)が、圧電体層15のリーク電流は印加電圧0V〜30Vの範囲で一定であるから、電圧印加時の熱損失は変化がないと考えるのが妥当である。従って、電気機械結合係数k33は一定であると推定される。
このことから、ヤング率Y33(同時に圧電定数d11に関係するヤング率Y11も)は、電界を印加するのにつれて小さくなり、薄膜の圧電体層15(PZT膜)が軟化し、比誘電率が最大値を超えると、ヤング率Y33は大きくなり、逆にPZT膜が硬化することが分かる。比誘電率が最大となる電界は、分極の回転が終了する電界である。試験例1では、PZT膜の膜厚を1200nmに設定しており、比誘電率が最大となる電圧は8Vであることが確認できた。
次に、下記超音波素子について、実施例1及び比較例1の各入力パルス(駆動波形)を用いて反射受信電圧をそれぞれ測定した。
(超音波センサーの構造)
基本的な構造は、上述した超音波センサー1と同様な構造であり、圧電体層15は、厚さ1200nmのPZTとし、開口部18は大きさが33μm×66μmでアスペクト比1:2の長方形であり、開口部18毎に超音波素子10(圧電素子17)が形成されている。また、超音波センサー1は、1チャンネル36セグメントであり、全64チャンネルを有する。
(実施例1)
実施例1では、水中において、超音波センサー1の1チャンネル36セグメントの超音波素子10に、図15に示す入力パルス(駆動波形)100aを入力して超音波を送信し、20mm先のSUS板から反射された超音波を受信し、オシロスコープで反射受信電圧を計測した。
図15に示す入力パルス100aは、第1の電位10Vによって圧電素子17の分極を維持する第1工程P1と、第1工程P1の後、最大電位20Vを2回と最小電位0Vを1回付与することによって圧電素子17に超音波を送信させる第2工程P2と、第2工程P2の後、第2の電位10Vで圧電素子17を待機させる第3工程P3と、第3工程P3の後、第3の電位8Vを付与することによって圧電素子17に超音波を受信させる第4工程P4と、第1工程P1に続く第5工程P5とからなる、モノポーラの波形であり、第1の電位10V、最大電位20V、最小電位0V、最大電位20V、第2の電位10V、及び第3の電位8Vであり、周波数7.5MHzの1.5波の波形を10kHz間隔で繰り返す波形である。なお、入力パルス100aにおける第3の電位は、試験例1により得られた比誘電率が最大となる電圧(8V)を用いた。
(比較例1)
図16に示す入力パルス(駆動波形)100bを入力した以外は実施例1と同様にして、オシロスコープで反射受信電圧を計測した。
図16に示す入力パルス100bは、実施例1の入力パルス100aにおける第4工程P4を含んでおらず、分極電位(第1の電位10V)と受信電位が同一であり、第1の電位10V、最大電位20V、最小電位0V、最大電位20V、及び第2の電位10Vであり、周波数7.5MHzの1.5波の波形を10kHz間隔で繰り返す波形である。
反射波を受信する際の振動板50の変位量は、実施例1及び比較例1共に同一(100nm)であった。その変位量から圧電体層15に振動板50(圧電体層15以外)から加わる応力(即ち圧電素子17の発生応力)を求めた結果と測定された起電圧を、下記表1に示した。
表1に示した通り、実施例1及び比較例1では、発生応力は同一であるが、電極表面に発生する起電圧は、比較例1が30mVであるのに対して、実施例1では50mVを達成し、相違が認められた。これは、実施例1は比較例1と比べて受信感度が高いことを示している。
また、実施例1では、常に圧電素子17の分極を維持した状態で送受信動作を行うので、超音波センサー1の感度のばらつきを抑制することができる。
(実施例2)
実施例2では、上述の超音波センサー1に図15に示す入力パルス(駆動波形)100aを入力して最大電位を20Vに固定したまま、第1の電位を15Vと10Vに可変し、第3の電位と起電圧との関係を調べた。
図17は、実施例2の第3の電位と起電圧との関係を示した図である。図示するように、第3の電位が第1の電位より低い領域、特に第3の電位が概ね4Vから10V程度の範囲(図中の範囲T)で起電圧が高くなる。即ち、かかる範囲Tにおいて、第3の電位=10Vのときより起電圧が向上する。第1の電位の電位のみを上げたときの起電圧を向上させる効果は小さいことが分かる。例えば、第1の電位=第3の電位=10Vと、第1の電位=第3の電位=15Vの起電圧を比べると、30mVが35mVへ増加しているだけである。即ち、分極量を増大させるだけでは起電圧は上昇しない。
実施例2によれば、少なくとも第3の電位の下限値を第1の電位の40%以内に設定することで、分極量を増大させ、且つ、起電圧を上昇させることができる。従って、起電圧を上昇させて、超音波センサー1の受信感度を向上させることができる。
(他の実施形態)
以上説明した各本実施形態では説明は省略したが、例えば、振動板50の圧電素子17とは反対側が、測定対象物に向けて発信される超音波や測定対象物から反射した超音波(エコー信号)の通過領域となる構成とすることができる。これによれば、振動板50の圧電素子17とは反対側の構成を簡素化させ、超音波等の良好な通過領域を確保できる。また、電極や配線等の電気的領域や各部材の接着固定領域を測定対象物から遠ざけて、これらと測定対象物との間での汚染や漏れ電流を防止しやすくなる。従って、汚染や漏れ電流を特に嫌う医療用の機器、例えば超音波診断装置、血圧計及び眼圧計にも好適に適用できる。
更に、上述した各実施形態では省略したが、圧電素子17を含む領域を封止する封止板を基板11に接合するのが好ましい。これによれば、圧電素子17を物理的に保護でき、また超音波センサー1の強度も増加するため、構造安定性を高めることができる。更に、圧電素子17が薄膜として構成される場合には、その圧電素子17を含む超音波センサー1のハンドリング性も向上させることができる。
また、上述した各実施形態では、開口部18は、圧電素子17毎に形成した例を示したが、これに限定されず、複数の圧電素子17に対応して開口部18を形成してもよい。例えば、スキャン方向(X方向)に亘って並設される圧電素子17の列に共通する開口部18を設けてもよく、又は全体に1つの開口部18としてもよい。なお、このような複数の圧電素子17に対して共通する開口部18を設けた場合には、圧電素子17の振動状態が異なるようになるが、振動板50の基板11とは反対側から、各圧電素子17の間を押さえ込む部材等を設けて、独立した開口部18を設けた場合と同様な振動を行うようにしてもよい。
本発明の超音波センサーは、種々の圧力センサーとして用いることができる。例えば、プリンター等の液体噴射装置において、インクの圧力を検知するセンサーとしても適用できる。また、本発明の超音波センサーの構成は、超音波モーター、圧電トランス、振動式ダスト除去装置、圧力電気変換機、超音波発信機及び加速度センサー等に好適に応用できる。この種の超音波センサーの構成を利用して得られた完成体、例えば、上記の超音波センサーを搭載したロボット等も、超音波デバイスに含まれる。
ここで、上述した超音波センサーを用いた超音波診断装置の一例について説明する。図18は超音波診断装置の一例の概略構成を示す斜視図、図19は超音波プローブを示す平面図である。
図18に示すように、超音波診断装置101は、装置端末102と超音波プローブ(プローブ)103とを備える。装置端末102と超音波プローブ103とはケーブル104で接続される。装置端末102と超音波プローブ103とはケーブル104を通じて電気信号をやり取りする。装置端末102にはディスプレイパネル(表示装置)105が組み込まれる。ディスプレイパネル105の画面は、装置端末102の表面に露出する。装置端末102では、超音波プローブ103の超音波センサー1(図19参照)から送信され、検出された超音波に基づき画像が生成される。画像化された検出結果は、ディスプレイパネル105の画面に表示される。
図19に示すように、超音波プローブ103は、筐体106を有する。筐体106内には、複数の超音波素子10(図2参照)がX方向及びY方向の二次元に配列された超音波センサー1が収納される。超音波センサー1は、その表面が筐体106の表面に露出するように設けられる。超音波センサー1は、表面から超音波を出力すると共に、超音波の反射波を受信する。また、超音波プローブ103は、プローブ本体103aに着脱自在となるプローブヘッド103bを備えることができる。このとき、超音波センサー1は、プローブヘッド103bの筐体106内に組み込むことができる。
I…超音波プローブ、1…超音波センサー、2…FPC基板、3…ケーブル、4…中継基板、5,106…筐体、6…耐水性樹脂、10…超音波素子、11…基板、12…弾性膜、13…絶縁体膜、14…第1電極、15…圧電体層、16…第2電極、17…圧電素子、18…開口部、19…隔壁、20…空間、30…音響整合層、31…レンズ部材、32…圧電素子保持部、40…包囲板、40a…包囲板の縁部、40b…包囲板の圧電素子側の面、41…支持部材、50…振動板、50a…第1面、50b…第2面、71…凹部、74…圧電体膜、100…超音波センサーの駆動波形、100a,100b…入力パルス(駆動波形)、101…超音波診断装置、102…装置端末、103…超音波プローブ(プローブ)、103a…プローブ本体、103b…プローブヘッド、104…ケーブル、105…ディスプレイパネル(表示装置)、200…制御装置、201…駆動回路、202…外部インターフェース(外部I/F)、203…RAM、204…ROM、205…制御部、206…発振回路、207…駆動信号形成回路、208…電源生成部、209…内部インターフェース(内部I/F)

Claims (4)

  1. 第1電極と、第2電極と、これらの間に設けられた厚さ0.3μm以上1.5μm以下の薄膜の圧電体層とを備えた圧電素子と、
    前記圧電素子を駆動する駆動回路と
    を有する超音波センサーであって、
    前記駆動回路は、
    第1の電位V1によって前記圧電素子の分極を維持する第1工程と、
    前記第1工程の後、最大電位VHと最小電位VLを少なくとも1回ずつ付与することによって、前記圧電素子に超音波を送信させる第2工程と、
    前記第2工程の後、第2の電位V2で前記圧電素子を待機させる第3工程と、
    前記第3工程の後、第3の電位V3を付与することによって、前記圧電素子に超音波を受信させる第4工程と
    を有する駆動波形によって、前記圧電素子を駆動し、
    前記最大電位VH、第1の電位V1、第2の電位V2、第3の電位V3及び最小電位VLの中で、前記最大電位VHが最も高く、前記最小電位VLが最も低く、
    前記第1の電位V1及び第2の電位V2は同じ電位であり、
    前記第3の電位V3は、前記第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い電位であることを特徴とする超音波センサー。
  2. 前記第1工程及び前記第3工程における圧電体層の比誘電率をεr1、前記第2工程において前記最大電位VHとした圧電体層の比誘電率をεr2、前記第4工程における圧電体層の比誘電率をεr3としたとき、εr1はεr2よりも大きく、εr3はεr2に対して95%以上100%以下であることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサー。
  3. 第1の電位V1によって圧電素子の分極を維持する第1工程と、
    前記第1工程の後、最大電位VHと最小電位VLを少なくとも1回ずつ付与することによって、前記圧電素子に超音波を送信させる第2工程と、
    前記第2工程の後、第2の電位V2で前記圧電素子を待機させる第3工程と、
    前記第3工程の後、第3の電位V3を付与することによって、前記圧電素子に超音波を受信させる第4工程と
    を有し、
    前記最大電位VH、第1の電位V1、第2の電位V2、第3の電位V3及び最小電位VLの中で、前記最大電位VHが最も高く、前記最小電位VLが最も低く、
    前記第1の電位V1及び第2の電位V2は同じ電位であり、
    前記第3の電位V3は、前記第1の電位V1及び第2の電位V2よりも低い電位である駆動波形によって、前記圧電素子を駆動することを特徴とする圧電素子の駆動方法。
  4. 前記第1工程及び前記第3工程における圧電体層の比誘電率をεr1、前記第2工程において前記最大電位VHとした圧電体層の比誘電率をεr2、前記第4工程における圧電体層の比誘電率をεr3としたとき、εr1はεr2よりも大きく、εr3はεr2に対して95%以上100%以下であることを特徴とする請求項3に記載の圧電素子の駆動方法。
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