JP2017144403A - プレート型反応器 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の反応器より圧力損失が少なく、しかも反応効率のよいプレート型反応器を提供する。
【解決手段】流路を形成するためのスリットを有するガスケットを2枚のプレートで挟むようにサンドイッチ構造にし、前記2枚のプレートのいずれか一方または両方に前記スリットに連通する少なくとも1つの流体入口及び少なくとも1つの流体出口を設けたプレート型反応器であって、前記2枚のプレートの流路に面する壁面に設けた溝部に固体触媒を埋設固定したことを特徴とするプレート型反応器。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体触媒を用いた気相反応または液相反応または気液混合反応に用いるプレート型反応器に関し、特に、大きな圧力損失を回避するために好適なプレート型反応器に関する。
従来固体触媒を用いて気相反応または液相反応をさせる流通式触媒反応器として、粉末もしくはそれ以上の大きさに成形された固体触媒が流路に充填された充填層型反応器が知られている(例えば、非特許文献1参照)。一般に固体触媒は粒子サイズが小さいほど量あたりの反応流体の転化率が高まるが、しかしながら、充填層型反応器では、粉末のような細かな固体触媒を流路に充填すると反応流体の通り道が狭まり結果として大きな圧力損失を生じさせてしまい、さらに、反応により析出を伴う場合(例えば、メタンあるいは天然ガス等の改質では炭素析出を伴う場合がある)には反応の進行に伴い析出によってさらに通り道が狭まり圧力損失が漸次増大する。それだからといって、粒子サイズの大きな固体触媒を充填させた充填層型反応器を用いて大きな圧力損失を回避しようとすると、粒子サイズが大きいので量あたりの反応流体の転化率が逆に低下してしまう。
上記充填層型反応器の圧力損失を改善するものとして、プレートにより流路空間を確保したプレート型反応器(特許文献1〜3参照)も従来から知られている。特許文献1、2では、固体触媒を流路壁面に塗布していた。また、塗布に代わるものとして、特許文献3では、流路プレートの表面に微小溝からなる流路を形成し、触媒プレートの表面には、流路プレートの流路領域を全て覆う円柱形状の凹部を形成し粉末状触媒を圧縮固定化して該凹部を埋め、流路プレートと触媒プレートを互いに密着させて流路となる反応空間を構成していた。
特表2014−505578号公報 特開2003−245562号公報 特開2007−160227号公報
M.V.Twigg, J.T.Richardson, "Fundamentals and Applications of Structured Ceramic Foam Catalysts"; Ind.Eng.Chem.Res.,46,4166-4177 (2007)
本発明は従来のプレート型反応器の改良を図るものであって、例えば特許文献1、2の流路壁面に固体触媒を塗布するタイプのものでは、塗布層の厚みだけ流路空間を狭めることにより圧力損失が大きくなり、反応により析出を伴う場合には析出によりさらに流路空間が漸次狭まり圧力損失が増大し、また、うすい塗布層では剥がれが生じやすいなどの問題があった。特許文献3の円柱形状凹部に粉末状触媒を圧縮固化して埋める方式では、このような問題は生じないが、触媒プレートの円柱形状凹部に埋めた触媒面の大部分は微小溝に対向していないのでこの対向していない部分の触媒は無駄となるという問題があり、また、流路プレートの微小溝で画定された流路壁面には触媒が存在せず反応に寄与することができないので効率的でないという問題があった。
本発明の解決すべき課題は、上記従来のプレート型反応器における問題点を解決した新規なプレート型反応器を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明は、流路を形成するためのスリットを有するガスケットを2枚のプレートで挟むようにサンドイッチ構造にし、前記2枚のプレートのいずれか一方または両方に前記スリットに連通する少なくとも1つの流体入口及び少なくとも1つの流体出口を設けたプレート型反応器であって、前記2枚のプレートの流路に面する壁面に設けた溝部に固体触媒を埋設固定したことを特徴とする。
また、本発明は、上記プレート型反応器において、前記ガスケットの前記スリットの壁面に設けた凹部に固体触媒を埋設固定したことを特徴とする。
また、本発明は、上記プレート型反応器において、前記溝部または凹部の底部に固体触媒埋設量調整用の上げ底を固定したことを特徴とする。
また、本発明は、上記プレート型反応器を製造するための製造方法であって、前記固体触媒の埋設固定は、粉末状触媒を圧縮成形により埋設固定するか、または、粉末状触媒を固定液により埋設固定したことを特徴とする。
本発明では、流路を形成するためのスリットを有するガスケットを2枚のプレートで挟むようにサンドイッチ構造にして、2枚のプレートの流路に面する壁面に設けた溝部に固体触媒を埋設固定したので、従来の充填式や塗布式に比べて流路を狭めることがないので圧力損失が増加することがなく、また、2枚のプレートの流路に面する壁面に溝部を設けて固体触媒を埋設固定し、流路に面しない壁面には埋設しないので、固体触媒の使用量が節約できる。
さらに、ガスケットのスリットの壁面に設けた凹部に固体触媒を埋設固定すれば、プレートの溝部に埋設固定した固体触媒とあわせて、流路を画定する4つの壁面全てに固体触媒が埋設固定されているので反応効率が向上する。
さらに、前記固体触媒の埋設固定は、圧縮成形や、固定液を用いて簡便に固定することができる。
図1は、本発明のプレート型反応器の全体斜視図。 図2は、本発明のプレート型反応器の分解組み立て図。 図3は、本発明のプレート型反応器の断面図。 図4は、従来の充填層型反応器と本発明のプレート型反応器の圧力損失を比較した図。 図5は、従来の充填層型反応器の圧力損失の経時変化を示した図である。 図6は、本発明のプレート型反応器と従来の充填層型反応器を用いたメタン改質の例で、メタン転化率の比較を示した図である。 図7は、本発明のプレート型反応器において、ガスケットの壁面にも凹所を設けてプレートの溝部と合わせて4つの壁面に固体触媒を埋設固定した例である。 図8は、本発明のプレート型反応器において、触媒埋設用溝を随所に設けて異なる固体触媒を設けた例を示す。 図9は、本発明のプレート型反応器において、反応流体の出口及び入口を複数箇所も受けた例を示す。 図10は、本発明のプレート型反応器において、上げ底の設置例を示す。
本発明では、流路を形成するためのスリットを設けたガスケットを2枚のプレートで挟むようにサンドイッチ構造にし、前記プレートのいずれか一方または両方に前記スリットに連通する少なくとも1つの流体入口及び少なくとも1つの流体出口を設けたプレート型反応器であって、前記スリットに前記2枚のプレートの流路に面する壁面に設けた溝部に固体触媒を埋設固定したことを特徴とする。さらにガスケットのスリットの壁面に設けた凹部に固体触媒を埋設固定すれば、流路を画定する4つの壁面全てに固体触媒が埋設固定されて反応効率の向上が図れる。なお、プレート、ガスケット等のプレート型反応器を構成する部品の材質に制限はない。また、流路が形成されていればスリットの形状に制限はない。
固体触媒の埋設固定は、粉末状触媒を圧縮成形や、固定液を用いて簡便な方法で固定することができる。
本発明のプレート型反応器は、気相反応にも液相反応にも気液混合反応にも用いることができ、例えばメタン改質や、天然ガス改質などに利用するのに好適である。
図1〜3に、本発明のプレート型反応器の一実施例を示す。図1は本発明のプレート型反応器の全体斜視図、図2は分解組み立て図、図3は断面図(中央の図がプレートの長手方向に沿った垂直断面図、右図がプレートの横手方向に沿った垂直断面図、上図がプレート面に平行な断面図)である。ガスケットに流路を形成するためのスリットが設けられており、ガスケットの上下から2枚のプレートでサンドイッチ構造に固定すればスリット部分が流路として形成され、図示の例では、下側のプレートに前記流路に連通する入口が設けられ、上側のプレートに流路に連通する出口が設けてある。また、2枚のプレートの流路に面する壁面には溝部が設けられており、溝部には固体触媒を埋設固定した触媒部が図示されている。固体触媒を埋設固定するには、粉末状触媒を圧縮成形して固定しても良いし、固定液(例えば硝酸アルミニウム溶液等)で埋設固定してもよい。
このように、2枚のプレートの流路に面する壁面に設けられた溝部に固体触媒が埋設固定されているので、触媒が流路を狭めることがなく圧力損失が小さく、また、塗布型のように塗布した触媒が剥がれ落ちることもない。
図4は、横軸に実流量[mL/min]、縦軸に圧力損失[kPa]をとり、従来の充填層型反応器と本発明のプレート型反応器を用いて圧力損失を比較測定した結果と理論値とを示したものであり、比較のために、流量、温度、触媒量、触媒サイズを両者で統一し、不活性ガスを流通した。充填層型反応器は内径4.35mmのSUS管に固体触媒(Ni/ゼオライト触媒、粒径300μm以下)0.78gを充填させた反応器を使用した。本発明のプレート型反応器では反応流体が通過する流路を高さ0.4mmとした(流路の水力相当直径は0.73mmである)ものを使用した。充填層型反応器では、プレート型反応器よりも大きな圧力損失が測定(図中+印参照)された。一方、プレート型反応器では、流路断面の水力相当直径とハーゲン-ポアズイユ式(圧力損失の計算式)から計算された圧力損失(図中の実線参照)と同等の圧力損失が測定(図中○印参照)された。これにより本発明を用いることで、固定層の流通式触媒反応装置において、課題となる大きな圧力損失を回避する効果が得られた。なお、図4は、不活性ガス流通なので触媒に析出は生じない。図4から、本発明のプレート型反応器では、充填層型反応器で生じる大きな圧力損失を回避できることがわかる。
図5は、横軸に時間[min]、縦軸に圧力損失[kPa]をとり、固体触媒を用いた従来の充填層型反応器における圧力損失の経時変化を示したものである。内径4.35mmのSUS管に固体触媒(Ni/ゼオライト触媒、粒径300μm以下)0.78gを充填させた充填層型反応器を用いたメタン改質の結果である。反応流体の流量をCH4/CO2/He=20sccm/40sccm/100sccmとし、反応温度を500℃として実施した。このときの反応器内の実流量は約444mL/minである。図から炭素析出由来の圧力損失の増加がみられた。一方、本発明のプレート型反応器では圧力損失は検出限界以下で、圧力損失の増加も見られなかった。
図6は、横軸に温度[℃]、縦軸にCH転化率をとり、従来の充填層型反応器(×印参照)と、本発明のプレート型反応器I(片方のプレートに触媒部形成、*印参照)、本発明のプレート型反応器II(両方のプレートに触媒部形成、●印参照)を用いて、反応流体の流量をCH4/CO2/He=10sccm/20sccm/50sccmとし、反応器毎のメタン転化率を比較したものである。充填層型反応器は内径4.35mmのSUS管に固体触媒(粒径300μm〜1000μm)0.78gを充填させた反応器を使用した。本発明のプレート型反応器Iは、プレート下面の触媒部(幅4mm×長さ80mm×深さ3mm)に固体触媒を0.78g設置し、反応流体が通過する流路は高さ2.2mmとした(流路の水力相当直径は2.84mmである)ものを使用し、本発明のプレート型反応器IIは、プレート下面と上面の触媒部(幅4mm×長さ80mm×深さ3mm)に固体触媒を0.78gずつ設置し、反応流体が通過する流路は高さ2.7mmとした(流路の水力相当直径は3.22mmである)ものを使用した。図6からは、反応条件では充填層型反応器のメタン転化率が最も高く、本発明のプレート型反応器Iのメタン転化率が最も低かった。本発明のプレート型反応器IIは、流路壁面を多く使用することでプレート型反応器Iの2倍量の固体触媒を使用でき、メタン転化率が向上された。
(本発明の変形例1)
図7は、本発明のプレート型反応器の変形例1を示したもので、図に示すとおりガスケットの流路壁面にも凹部を設け、凹部内に固体触媒を埋設固定した点に特徴を有するものであり、他の構成は図1〜3の例と同じである。この変形例1では、プレートに設けた溝部に埋設固定した固体触媒と合わせれば、流路を画定する4つの壁面全てに固体触媒が埋設固定されるのでさらに、触媒の反応効率が向上する。
(本発明の変形例2)
図8は、本発明のプレート型反応器の変形例2を示したもので、触媒部用溝を随所に設けた例であり、また、異なる種類の固体触媒を使用した例をしめす。この変形例2のように、固体触媒を埋設する溝あるいは凹所は流路壁面の一部(複数箇所を含む)あるいは全部に設けることができ、使用する固体触媒についても一種類に限定されるものではない。
(本発明の変形例3)
図9は、本発明のプレート型反応器の変形例3を示したもので、入口、出口を複数設けた例を示す。図1〜3、図7、8に示した本発明のプレート型反応器の例では入口、出口は各1個ずつしか設けていなかったが、これに限定されることなく、図9に示すように複数設けることもできる。
(本発明の変形例4)
図10は、本発明のプレート型反応器の変形例4を示したもので、溝底部に固体触媒使用量調整用の上げ底を設置した例を示す。図では上げ底にSUS製上げ底を示しているが材料はSUS製に限定されるものではない。
本発明のプレート型反応器は気相反応にも液相反応にも気液混合反応に対しても使用することができる。

Claims (4)

  1. 流路を形成するためのスリットを有するガスケットを2枚のプレートで挟むようにサンドイッチ構造にし、前記2枚のプレートのいずれか一方または両方に前記スリットに連通する少なくとも1つの流体入口及び少なくとも1つの流体出口を設けたプレート型反応器であって、
    前記2枚のプレートの流路に面する壁面に設けた溝部に固体触媒を埋設固定したことを特徴とするプレート型反応器。
  2. 前記ガスケットの前記スリットの壁面に設けた凹部に固体触媒を埋設固定したことを特徴とする請求項1記載のプレート型反応器。
  3. 前記溝部または凹部の底部に固体触媒埋設量調整用の上げ底を固定したことを特徴とする請求項1または2記載のプレート型反応器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプレート型反応器を製造するための製造方法であって、
    前記固体触媒の埋設固定は、粉末状触媒を圧縮成形により埋設固定するか、または、粉末状触媒を固定液を用いて埋設固定したことを特徴とする製造方法。
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