JP2017144414A - キャニスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Tetsuya Kume
哲也 久米
雄二 望月
Yuji Mochizuki
雄二 望月
瀬戸山 徳彦
Norihiko Setoyama
徳彦 瀬戸山
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Abstract

【課題】少ないパージガス量でのVOC脱着性能に優れたキャニスタを提供する。
【解決手段】本発明のキャニスタ10は、容器11と前記容器11に収容された炭素多孔体とを備え、前記炭素多孔体は、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量が1500cm3(STP)/g以上である。
【選択図】図6

Description

本発明は、キャニスタに関する。
燃焼機関によって発生する動力を推進力として利用する自動推進車両の殆どは、その燃料として、ガソリンや軽油などの液体燃料を使用している。この液体燃料は、揮発性有機化合物(以下、VOCという)を含んでいる。そのため、燃焼機関を停止している停止期間に、燃料タンク内でVOCの揮発を生じる。VOCの気化は、燃料タンクの内圧を高める可能性がある。
内燃機関を有する自動車では、気化したVOCは、密閉容器内に吸着材を収容してなるキャニスタに捕集している。具体的には、停止期間に、この密閉容器の内部と燃料タンク内の上部空間とを連絡して、気化したVOCを、活性炭からなる吸着材に吸着させている。なお、活性炭は、VOCを吸着すると、その吸着量に応じて吸着力が低下する。したがって、キャニスタを搭載した自動車では、内燃機関を動作させている動作期間において、吸着材層にパージガスとして空気を流通させ、活性炭からVOCを脱着させている。また、これによってキャニスタから排気されるガスは、内燃機関で燃焼させている。
キャニスタには、停止期間に活性炭が十分な量のVOCを吸着し、吸着したVOCの多くが動作期間に活性炭から脱着することが要求される。特許文献1に記載された蒸発燃料処理装置及び特許文献2に記載されたキャニスタによると、十分なVOC吸着量及び脱着量を達成することができる。
特開2012−31785号公報 特開2008−38688号公報
しかしながら、本発明者らは、キャニスタにおけるパージガス量が少ないときのVOC脱着性能について、改善の余地があると考えている。
そこで、本発明は、少ないパージガス量でのVOC脱着性能に優れたキャニスタを提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、容器と前記容器に収容された炭素多孔体とを備え、前記炭素多孔体は、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量が1500cm3(STP)/g以上であるキャニスタが提供される。
本発明の第2側面によると、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩を、炭化水素ガスを吸着するトラップ材の存在下、不活性雰囲気中で、550℃乃至700℃の範囲内の温度で加熱して、炭素とアルカリ土類金属炭酸塩との複合体を形成する工程と、前記炭酸塩を溶解可能な洗浄液を用いて前記複合体を洗浄し、前記複合体から前記炭酸塩を除去して炭素多孔体を得る工程とを含むキャニスタの製造方法が提供される。
本発明によると、少ないパージガス量でのVOC脱着性能に優れたキャニスタが提供される。
本発明の一態様に係るキャニスタを概略的に示す斜視図。 図1に示すキャニスタのII−II線に沿った断面図。 IUPAC分類でIV型に属する吸着等温線の一例を示すグラフ。 図1及び図2に示すキャニスタに採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図。 図1及び図2に示すキャニスタに採用可能な構造の更に他の例を概略的に示す断面図。 温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量とペンタン脱離率との関係の一例を示すグラフ。
以下、本発明の態様について説明する。
図1は、本発明の一態様に係るキャニスタを概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示すキャニスタのII−II線に沿った断面図である。
このキャニスタ10は、内面が絶縁性の容器11を含んでいる。容器11は、例えば、給気口と排気口とが設けられた密閉容器である。
ここでは、一例として、容器11の上板部に、容器11内にVOCを含んだガスを供給するための第1給気口IP1と、容器11内にパージガスを供給するための第2給気口IP2と、容器11内のパージガスを排気するための排気口OPとを設けている。なお、パージガスは、例えば、空気などのように、第1給気口IP1から容器11内に供給するガスと比較して、VOC濃度がより低いガスである。
また、ここでは、一例として、容器11には、第2給気口IP2と排気口OPとの間に、上板部から底板部に向けて延びた仕切板PPを設けている。この仕切板PPは、容器11内の上部空間を、第2給気口IP2が連通した前室、及び、第1給気口IP1及び排気口OPが連通した後室へと仕切っている。
容器11内の底部近傍には、絶縁体からなる多孔質板12が設置されている。多孔質板12は、容器11の底板部から離間している。典型的には、多孔質板12は、その上面が仕切板PPと接触するように設置する。こうすると、先の前室と後室との連絡は、容器11の底板部と多孔質板12との間の下部空間のみを介して為される。なお、多孔質板12は、必ずしも設けなくてもよい。
容器11内であって多孔質板12の上方には、吸着材13からなる吸着材層14が設けられている。仕切板PPを設置する場合、吸着材層14は、仕切板PPの多孔質板12側の端部を埋め込む程度の厚さとする。
吸着材13は、炭素多孔体と、これらを互いに結合させたバインダとからなる。
この炭素多孔体の窒素吸着量A3は、1500cm3(STP)/g以上であり、典型的には、1600cm3(STP)/g以上であり、好ましくは、1700cm3(STP)/g以上であり、更に好ましくは、1800cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量A3に上限値はないが、例えば、2500cm3(STP)/g以下であり、典型的には、2000cm3(STP)/g以下である。窒素吸着量A3が大きな炭素多孔体は、VOC脱着性能が高い傾向にある。なお、STP(Standard Temperature and Pressure)は、0℃、105Paを表している。ここで、窒素吸着量A3は、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量を意味している。
この窒素吸着等温線は、以下のようにして求めることができる。先ず、77K(窒素の沸点)の窒素ガス中で、窒素ガスの圧力P(mmHg)を徐々に高めながら、各圧力P毎に、炭素多孔体の窒素ガス吸着量(mL/mL)を測定する。次いで、圧力P(mmHg)を窒素ガスの飽和蒸気圧P0(mmHg)で除した値を相対圧力P/P0として、各相対圧力P/P0に対する窒素ガス吸着量をプロットすることにより吸着等温線を得ることができる。
図3は、このようにして得られた窒素吸着等温線の一例を示すグラフである。図3に示す窒素吸着等温線は、IUPAC分類でIV型に属する。IUPAC分類でIV型に属する窒素吸着等温線は、圧力を増加させたときの窒素吸着量と、圧力を減少させたときの窒素吸着量とが、特定の相対圧力範囲において一致しない。このような窒素吸着等温線は、炭素多孔体に、2nmよりも大きく50nm以下の直径を有する細孔、すなわち、メソ細孔が存在する可能性を示している。
この炭素多孔体の窒素吸着量A4は、例えば、800cm3(STP)/g乃至1500cm3(STP)/gの範囲内にあり、好ましくは、1000cm3(STP)/g乃至1300cm3(STP)/gの範囲内にあり、より好ましくは、1100cm3(STP)/g乃至1300cm3(STP)/gの範囲内にある。窒素吸着量A4がこの範囲内にある炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量A4は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.9のときの窒素吸着量を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量A2は、例えば、600cm3(STP)/g乃至1100cm3(STP)/gの範囲内にあり、典型的には、800cm3(STP)/g乃至1100cm3(STP)/gの範囲内にあり、好ましくは、900cm3(STP)/g乃至で1000cm3(STP)/gの範囲内にある。窒素吸着量A2がこの範囲内にある炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量A2は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量A1は、例えば、500cm3(STP)/g以下であり、典型的には、400cm3(STP)/g以下である。なお、この窒素吸着量A1に下限値はないが、例えば、50cm3(STP)/g以上であり、典型的には、100cm3(STP)/g以上である。窒素吸着量A1が小さな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量A1は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量を意味している。
この炭素多孔体のミクロ細孔容積は、例えば、0.1cm3/g以下であり、典型的には、0.01cm3/g以下である。なお、このミクロ細孔の容積に下限値はないが、例えば、0.001cm3/g以上であり、典型的には、0.005cm3/g以上である。ここで、ミクロ細孔容積は、2nm以下の直径を有する細孔の容積を意味している。ミクロ細孔容積が小さな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。
このミクロ細孔容積は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線について、αsプロット解析を行うことにより求めることができる。αsプロット解析では、比較用の標準等温線として、“Characterization of porous carbons with high resolution alpha(s)-analysis and low temperature magnetic susceptibility” Kaneko,K; Ishii, C; Kanoh, H; Hanazawa, Y; Setoyama, N; Suzuki, T ADVANCES IN COLLOID AND INTERFACE SCIENCE vol.76, p295-320(1998)に記載された標準等温線を用いる。
この炭素多孔体の窒素吸着量差ΔA3−A4は、例えば、300cm3(STP)/g以上であり、典型的には、400cm3(STP)/g以上であり、好ましくは500cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量差ΔA3−A4に上限値はないが、例えば、1300cm3(STP)/g以下であり、典型的には、1000cm3(STP)/g以下である。この窒素吸着量差ΔA3−A4が大きな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量差ΔA3−A4は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3から、窒素相対圧力P/P0が0.9のときの窒素吸着量A4を差し引いた値を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量差ΔA3−A2は、例えば、500cm3(STP)/g以上であり、典型的には、700cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量差ΔA3−A2に上限値はないが、例えば、1300cm3(STP)/g以下であり、典型的には、1000cm3(STP)/g以下である。この窒素吸着量差ΔA3−A2が大きな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量差ΔA3−A2は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3から、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2を差し引いた値を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量差ΔA3−A1は、例えば、1000cm3(STP)/g以上であり、典型的には、1200cm3(STP)/g以上であり、好ましくは、1400cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量差ΔA3−A1に上限値はないが、例えば、1800cm3(STP)/g以下であり、典型的には、1500cm3(STP)/g以下である。窒素吸着量差ΔA3−A1が大きな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量差ΔA3−A1は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3から、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を差し引いた値を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量差ΔA4−A2は、例えば、150cm3(STP)/g以上であり、典型的には、200cm3(STP)/g以上であり、好ましくは、250cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量差ΔA4−A2に上限値はないが、例えば、400cm3(STP)/g以下であり、典型的には、300cm3(STP)/g以下である。窒素吸着量差ΔA4−A2が大きな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量差ΔA4−A2は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.9のときの窒素吸着量A4から、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2を差し引いた値を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量差ΔA4−A1は、例えば、500cm3(STP)/g以上であり、典型的には、700cm3(STP)/g以上であり、好ましくは800cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量差ΔA4−A1に上限値はないが、例えば、1200cm3(STP)/g以下であり、典型的には、1000cm3(STP)/g以下である。窒素吸着量差ΔA4−A1が大きな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量差ΔA4−A1は、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.9のときの窒素吸着量A4から、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を差し引いた値を意味している。
この炭素多孔体の窒素吸着量差ΔAは、例えば、100cm3(STP)/g以上であり、典型的には、300cm3(STP)/g以上であり、好ましくは、500cm3(STP)/g以上であり、更に好ましくは、600cm3(STP)/g以上である。なお、この窒素吸着量差ΔAに上限値はないが、例えば、1200cm3(STP)/g以下であり、典型的には、1000cm3(STP)/g以下である。窒素吸着量差ΔAが大きな炭素多孔体は、他の炭素多孔体と比較して、VOC脱着性能がより高い傾向にある。ここで、窒素吸着量差ΔAは、上記の温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2から、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を差し引いた値を意味している。
この炭素多孔体の比表面積は、例えば、700m2/g以上であり、典型的には、800m2/g以上である。ここで、「比表面積」は、BET吸着等温式(Brunauer, Emmet and Teller's equation)を利用して得られる比表面積、即ち、BET比表面積を意味している。なお、この比表面積に上限値はないが、例えば、1400m2/g以下であり、典型的には、1200m2/g以下であり、好ましくは、1100m2/g以下である。
このような炭素多孔体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
先ず、ベンゼンジカルボン酸とアルカリ土類金属の水酸化物とを混合し、水浴中で50℃乃至100℃の温度で加熱することにより、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩を生成させる。次いで、この生成塩をろ過により分取し、室温で乾燥させる。
ベンゼンジカルボン酸は、例えば、フタル酸(ベンゼン−1,2−ジカルボン酸)、イソフタル酸(ベンゼン−1,3−ジカルボン酸)、テレフタル酸(ベンゼン−1,4−ジカルボン酸)又はこれらの混合物であり、好ましくは、テレフタル酸である。
アルカリ土類金属は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム又はこれらの混合物であり、好ましくは、カルシウムである。
ベンゼンジカルボン酸とアルカリ土類金属の水酸化物とのモル比は、中和反応式に基づく化学量論比としてもよく、化学量論比から逸脱してもよい。このモル比は、例えば、1.5:1乃至1:1.5の範囲内にある。
なお、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩は、上記の方法により得てもよいが、市販品を用いてもよい。
次いで、この生成塩を、トラップ材の存在下、不活性雰囲気中で550℃乃至700℃の温度で加熱して、炭素とアルカリ土類金属炭酸塩との複合体を形成する。この複合体は、層状炭化物の層間にアルカリ土類金属炭酸塩が入り込んだ構造をとっていると推察される。後述するように、この複合体から、アルカリ土類金属炭酸塩を除去することにより、上述した炭素多孔体を得ることができる。
トラップ材は、炭化水素ガスを吸着(吸着除去)する。ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩を加熱する際にトラップ材を共存させると、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩を加熱した時に発生する炭化水素ガスの濃度を、炭素多孔体について上述した細孔部分を達成する上で好適な範囲とすることが容易である。トラップ材は、例えば、活性炭、シリカゲル、ゼオライト及び珪藻土からなる群より選ばれる1以上のものであり、好ましくは、活性炭である。
トラップ材は、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩と混合してもよい。また、トラップ材は、フィルター状に形成し、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩の上方に設置してもよい。あるいは、一部のトラップ材はベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩と混合し、残りのトラップ材はフィルター状に形成し、ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩の上方に設置してもよい。フィルター状に形成したトラップ材としては、例えば、トラップ材そのものをハニカム形状に成型したもの、セラミックや金属製のハニカム担体にトラップ材を担持させたもの、及びトラップ材を複数の金属メッシュ材に挟んで固定したものを挙げることができる。
トラップ材の量は、好ましくは、ベンゼンジカルボン酸100質量部に対して100質量部以上1000質量部以下の範囲内とし、より好ましくは、200質量部以上300質量部以下の範囲内とする。
加熱温度は、好ましくは、550℃乃至700℃の範囲内とする。加熱温度が低いと、得られる炭素多孔体において、77Kでの窒素吸着等温線の窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3が、十分に大きくならない傾向にある。加熱温度が高いと、炭素多孔体が形成されない傾向にある。加熱時間は、例えば、50時間以下とし、好ましくは、0.5乃至20時間とし、より好ましくは、1乃至10時間とする。加熱時間が短いと、炭素とアルカリ土類金属炭酸塩との複合体の形成が十分に行われない傾向にある。加熱時間が長いと、BET比表面積の比較的大きな炭素多孔体が得られない傾向にある。不活性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気及びアルゴン雰囲気が挙げられる。
次いで、炭酸塩を溶解可能な洗浄液を用いてこの複合体を洗浄し、複合体から炭酸塩を除去して、炭素多孔体を得る。こうした洗浄を行うことにより、複合体中のアルカリ土類金属炭酸塩が存在していた箇所は空洞になると推察される。
なお、アルカリ土類金属炭酸塩が炭酸カルシウムの場合、アルカリ土類金属炭酸塩を溶解可能な洗浄液として、水や塩酸等の酸性水溶液を用いることが好ましい。
ここで、吸着材13は、製造方法が異なる2種類以上の炭素多孔体を含んでいてもよい。吸着材13が、製造方法が異なる2種類以上の炭素多孔体を含んでいる場合、この吸着材13に含まれる炭素多孔体の窒素吸着等温線は、製造方法が異なる2種類以上の炭素多孔体の混合物について、上述の方法により得られた窒素吸着等温線である。なお、この吸着材13に含まれる炭素多孔体の窒素吸着等温線は、各炭素多孔体について上述の方法により得られた各窒素吸着等温線を、各炭素多孔体の質量比に応じて加重平均することにより得ることもできる。
吸着材13の全体量に占める炭素多孔体の割合は、例えば、60質量%乃至90質量%の範囲内にあり、典型的には、70質量%乃至80質量%の範囲内にある。
バインダは、例えば、セルロース系材料、スチレンブタジエンゴム系樹脂、ウレタン系樹脂又はこれらの混合物である。
吸着材13は、例えば、粒状、ペレット状又はハニカム状である。吸着材13の平均粒径は、例えば、0.1mm乃至10mmの範囲内にある。この平均粒径は、日本工業規格JIS K 1474:2014(7.5)で規定されている平均粒径の算出方法に従って求めることができる。吸着材13は、粉体状であってもよい。この場合、吸着材13は、典型的には、ハニカム基材及び多孔質基材などの基材に担持させてもよい。
なお、吸着材層14は、2種類以上の吸着材13を含んでいてもよい。図4は、図1及び図2に示すキャニスタに採用可能な構造の他の例を概略的に示す断面図である。図5は、図1及び図2に示すキャニスタに採用可能な構造の更に他の例を概略的に示す断面図である。図4及び図5において、吸着材層14は、第1吸着材13a及び第2吸着材13bを含んでいる。
第1吸着材13aは、例えば、上述した製造方法により得られた炭素多孔体とバインダとからなる。バインダは、例えば、吸着材13で挙げたものと同じものを用いることができる。
第2吸着材13bは、例えば、第1吸着材13aを構成する炭素多孔体とは異なる製造方法により得られた炭素多孔体とバインダとからなる。このような炭素多孔体としては、例えば、BAX−1500(MeadWestvaco Corp.製)を挙げることができる。BAX−1500は、上述した条件を満たさない活性炭である。バインダは、例えば、吸着材13で挙げたものと同じものを用いることができる。
第1吸着材13aが含む炭素多孔体と第2吸着材13bが含む炭素多孔体とからなる集合は、全体で、上述した条件を満たしている。この集合体が、上述した条件を満たしていれば、第1吸着材13a及び第2吸着材13bの一方のみが上述した条件を満たしていてもよく、双方が満たしていてもよい。
図5に示すように、第1吸着材13aと第2吸着材13bとは、混合してもよい。あるいは、第1吸着材13aからなる領域と、第2吸着材13bからなる領域とを、パージガスの経路に沿って、直列に配置してもよい。この場合、図4に示すように、第2吸着材13bからなる領域は、前室及び後室のどちらか一方に配置してもよく、双方に配置してもよい。
上述した条件を満たす炭素多孔体を吸着材料に用いたキャニスタ10は、少ないパージガス量でのVOC脱着性能に優れている。したがって、このキャニスタ10は、上述した条件を満たさない炭素多孔体を吸着材料に用いたキャニスタと比べて、吸着材13の使用量を低減することができる。それゆえ、この炭素多孔体をキャニスタ10の吸着材料に用いると、キャニスタ10を小型化できるとともに、キャニスタ10を搭載する自動推進車両の軽量化を実現できる。
以上で説明したキャニスタ10は、様々な変形が可能である。
例えば、このキャニスタ10は、図示しない電熱ヒータを含んでいてもよい。電熱ヒータは、吸着材層14に接して設置してもよく、吸着材層14内に埋め込んでもよい。あるいは、電熱ヒータは、容器11の外周に設置してもよい。第2給気口IP2から容器11内にパージガスを供給する際に、電熱ヒータの抵抗発熱体に通電すると、吸着材13からVOCが脱着するのに伴う吸着材層14の温度低下を防止することができる。
このキャニスタ10は、電熱ヒータの代わりに、図示しない一対の電極を含んでいてもよい。この一対の電極は、容器11の内壁上に配置してもよく、仕切板PPの主面上とこれらと向き合った容器11の内壁上とにそれぞれ配置してもよい。この一対の電極は、それぞれ、容器11の外側に位置した端子に接続されている。各電極は、金属板や金属箔等の金属層を含んでいる。このようなキャニスタ10では、吸着材層14を抵抗発熱体として利用することができる。
あるいは、このキャニスタ10は、図示しない蓄熱材を含んでいてもよい。蓄熱材の材料としては、例えば、鉄や銅等の金属材料、セラミックやガラス等の無機材料又はヘキサデカン等の液体材料を用いることができる。蓄熱材は、吸着材層14に接していてもよく、吸着材層14内に埋め込んでもよい。蓄熱材が液体材料である場合には、蓄熱材は、蓄熱材容器に収容し、この蓄熱材容器を吸着材層14に接するように設置してもよく、吸着材層14内に埋め込んでもよい。蓄熱材容器の材料としては、例えば、吸着材13よりも熱伝導率が高い材料を用いることができる。あるいは、容器11の壁を二重構造として、外壁と内壁との間に蓄熱材を収容してもよい。
吸着材13がVOCを吸着すると、吸着材13から蓄熱材へと熱が移動する。また、吸着材13がVOCを脱着すると、蓄熱材から吸着材13へと熱が移動する。したがって、蓄熱材は、吸着材13の温度変化を抑制することができる。
あるいは、このキャニスタ10は、電熱ヒータ又は電極と蓄熱材との双方を含んでいてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
[実験例1]
(炭素多孔体PC1の作成)
先ず、テレフタル酸と水酸化カルシウムとを1:1のモル比で量り取り、これらを水とともに反応炉に投入した。次いで、この混合物を80℃に加熱したウォーターバス中で反応させて、テレフタル酸カルシウム塩を生成させた。次いで、この生成塩をろ過により分取した。次いで、この分取した生成塩と、生成塩と同量のヤシ殻活性炭とを混合し、この混合物を不活性雰囲気中で、590℃の温度で熱処理して、炭化物と炭酸カルシウムとの複合体を得た。次いで、この複合体及びヤシ殻活性炭の混合物を水に分散させ、この分散液に塩酸を滴下することにより、炭酸カルシウムを分解させた。次いで、この分散液から炭化物及びヤシ殻活性炭をろ過分離し、得られた混合物を乾燥させた。次いで、この混合物をふるい分けすることにより、ヤシ殻活性炭を除去して、炭化物を得た。なお、ヤシ殻活性炭は、炭化物からろ別するのに十分な寸法を有していた。以下、この炭化物を炭素多孔体PC1という。
(吸着材AM1の作成)
100質量部の炭素多孔体PC1と30質量部のバインダと水との混合物を十分に混練した。次いで、この混合物を押出し成型方法により、ペレットへと成型した。このペレットは、直径が3±1mmであり、高さが9±3mmである円形形状とした。次いで、このペレットを十分に乾燥させた。以下、このペレットを、吸着材AM1という。
(キャニスタC1の作成)
先ず、図1及び図2を参照しながら説明した樹脂製容器11を準備した。なお、この容器において、前室の容積と後室の容積とは同一であった。次いで、この容器の前室及び後室に、等量の吸着材AM1を充填し、キャニスタC1を作成した。
[実験例2]
生成塩と同量のヤシ殻活性炭の存在下で熱処理を行う代わりに、100質量部の生成塩に対して25質量部のヤシ殻活性炭の存在下で熱処理を行ったこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、炭素多孔体PC2、吸着材AM2及びキャニスタC2を得た。
[実験例3]
熱処理温度を590℃の温度から550℃の温度に変更したこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、炭素多孔体PC3、吸着材AM3及びキャニスタC3を得た。
[実験例4]
熱処理において、ヤシ殻活性炭を用いなかったこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、炭素多孔体PC4、吸着材AM4及びキャニスタC4を得た。
[実験例5]
熱処理において、ヤシ殻活性炭を用いず、熱処理温度を590℃から550℃に変更したこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、炭素多孔体PC5、吸着材AM5及びキャニスタC5を得た。
[実験例6]
吸着材AM1を用いる代わりに、BAX−1500(MeadWestvaco Corp.製)を吸着材AM6として用いたこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、キャニスタC6を得た。
[実験例7]
図4に示すように、吸着材AM1の一部を吸着材AM6で置き換えたこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、キャニスタC7を得た。
具体的には、先ず、前室に、実験例1と同量の吸着材AM1を充填した。次いで、後室に、吸着材AM1を充填し、この吸着材AM1からなる領域の上に、吸着材AM6を充填した。後室に充填した、吸着材AM1と吸着材AM6との質量比は16:34であった。また、これらの吸着材の合計量は、前室に充填した吸着材AM1の量と同量であった。
[実験例8]
先ず、66質量部の吸着材AM1と、34質量部の吸着材AM6とを均一に混合して、混合物を得た。次いで、吸着材AM1を充填する代わりに、上記混合物を充填したこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、キャニスタC8を得た。
[実験例9]
前室に、吸着材AM1を充填する代わりに、吸着材AM5を充填し、後室に、吸着材AM1を充填する代わりに、吸着材AM6を充填したこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、キャニスタC9を得た。
[実験例10]
後室に吸着材AM1を充填する代わりに、吸着材AM6を充填したこと以外は、実験例1に記載したのと同様の方法により、キャニスタC10を得た。
[特性値測定]
(窒素吸着量の測定)
炭素多孔体PC1乃至PC5及び吸着材AM6に用いられる炭素多孔体(活性炭)について、温度77Kで窒素吸着等温線を測定した。具体的には、先ず、各炭素多孔体を窒素吸着量測定装置(Quadrasorb SI:Quantachrome Instruments社製)にセットした。次いで、各炭素多孔体にマイナス196℃の温度で圧力を変化させながら窒素ガスを吸着させ、各圧力時の吸着量を測定して、窒素吸着等温線を得た。
なお、実験例7乃至10の各々については、上記の測定により得られた炭素多孔体の窒素吸着等温線を、その実験例で用いた炭素多孔体の質量比に応じて加重平均することにより、窒素吸着等温線を算出した。
この結果を、表1に示す。
(BET比表面積の測定)
上記の試験により得られた窒素吸着等温線における相対圧力が0.05乃至0.35の範囲について、BET式を用いてBETプロットを算出し、このBETプロットを利用して各実験例に係る比表面積を得た。なお、BETプロットの算出には、BET多点法を用いた。
この結果を、表1に示す。
上記表1において、「窒素吸着量(cm3(STP)/g)」という見出しの下方の列のうち、「A3(P/P0=0.99)」と表記した列には、上記窒素吸着量測定で得られた、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3を記載している。「A4(P/P0=0.90)」と表記した列には、上記窒素吸着量測定で得られた、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.90のときの窒素吸着量A4を記載している。「A2(P/P0=0.85)」と表記した列には、上記窒素吸着量測定で得られた、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2を記載している。「A1(P/P0=0.5)」と表記した列には、上記窒素吸着量測定で得られた、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を記載している。
また、上記表1において、「窒素吸着量差(cm3(STP)/g)」という見出しの下方の列のうち、「ΔA3−A4」と表記した列には、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3から、窒素相対圧力P/P0が0.90のときの窒素吸着量A4を差し引いた窒素吸着量差を記載している。「ΔA3−A2」と表記した列には、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3から、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2を差し引いた窒素吸着量差を記載している。「ΔA3−A1」と表記した列には、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3から、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を差し引いた窒素吸着量差を記載している。「ΔA4−A2」と表記した列には、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.90のときの窒素吸着量A4から、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2を差し引いた窒素吸着量差を記載している。「ΔA4−A1」と表記した列には、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.90のときの窒素吸着量A4から、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を差し引いた窒素吸着量差を記載している。「ΔA」と表記した列には、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.85のときの窒素吸着量A2から、窒素相対圧力P/P0が0.5のときの窒素吸着量A1を差し引いた窒素吸着量差を記載している。
更に、上記表1において、「BET比表面積(m2/g)」と表記した列には、上記BET比表面積測定で得られたBET比表面積を記載している。
表1に示すように、ヤシ殻活性炭の存在下で熱処理して得られた炭素多孔体PC1乃至PC3の窒素吸着量A3は、ヤシ殻活性炭の存在下で熱処理を行わなかった、炭素多孔体PC4、PC5及び吸着材AM6に含まれる炭素多孔体の窒素吸着量A3に比べて大きかった。
(ペンタン脱離率の測定)
炭素多孔体PC1乃至PC5及び吸着材AM6に用いられる炭素多孔体(活性炭)について、ペンタン脱離率を測定した。
具体的には、先ず、各炭素多孔体を3g秤量し、ガラスカラムに充填した。次いで、各カラムをガス吸着装置に取り付けた。このときの炭素多孔体の質量を炭素多孔体量Aとした。
次いで、温度25±1℃の窒素ガスでペンタンをバブリングし、窒素ガスとペンタンガスとの混合ガスを発生させ、この混合ガスを各カラムに流通させて、炭素多孔体にペンタンを吸着させた。この吸着処理に際しては、混合ガスの温度は25℃とし、この混合ガスにおいてペンタンは飽和濃度で含まれていた。
次いで、一定時間経過後に各カラムをガス吸着装置から取り外し、カラム質量を測定し、その後、各カラムをガス吸着装置に再度取り付けた。そして、ある時点におけるカラム質量と、その直前の測定によって得られたカラム質量とが同一であったときに飽和吸着状態に達したと判断し、この時点におけるカラム質量から炭素多孔体の質量を算出して、吸着後質量Bとした。
次いで、温度25℃の窒素ガスを各カラムに流通させて、炭素多孔体からペンタンを脱着させた。
次いで、窒素ガスの流量が炭素多孔体容積の150倍に到達したときのカラム質量を測定し、このカラム質量から炭素多孔体の質量を算出した。このようにして、ベッドボリュームが150のときの脱着後質量Cを得た。
次いで、窒素ガスの流量が炭素多孔体容積の300倍に到達したときのカラム質量を測定し、このカラム質量から炭素多孔体の質量を算出した。このようにして、ベッドボリュームが300のときの脱着後質量Dを得た。
ここで、吸着後質量Bから炭素多孔体量Aを減じた値をカラム当りの吸着量(B−A)とした。また、このカラム当りの吸着量を炭素多孔体の質量で除した値を各炭素多孔体の単位質量当りのペンタン吸着量(g/g)とした。
また、吸着後質量Bから脱着後質量Cを減じた値をベッドボリュームが150のときのカラム当りの脱着量(B−C)とした。次いで、カラム当りの脱着量(B−C)をカラム当りの吸着量(B−A)で除した値を、ベッドボリュームが150のときのペンタン脱離率[(B−C)/(B−A)×100](%)とした。
同様に、吸着後質量Bからベッドボリュームが300のときの脱着後質量Dを減じた値をカラム当りの脱着量(B−D)とした。次いで、カラム当りの脱着量(B−D)をカラム当りの吸着量(B−A)で除した値を、ベッドボリュームが300のときのペンタン脱離率[(B−D)/(B−A)×100](%)とした。
なお、実験例7乃至10の各々については、炭素多孔体の単位質量当りのペンタン吸着量は、上記の測定により得られた炭素多孔体の単位質量当りのペンタン吸着量を、その実験例で用いた炭素多孔体の質量比に応じて加重平均することにより算出した。
実験例7乃至10に係るベッドボリュームが150のときのペンタン脱離率及びベッドボリュームが300のときのペンタン脱離率についても、ペンタン吸着量と同様に加重平均することにより算出した。
この結果を、表2に示す。
上記表2において、「キャニスタ」という見出しの下方の列のうち、「前室」と表記した列には、前室に含まれる吸着材の種類と、吸着材の全体量に占める各吸着材の割合とを記載している。「後室」と表記した列には、後室に含まれる吸着材の種類と、吸着材の全体量に占める各吸着材の割合とを記載している。
また、上記表2において、「ペンタン吸着量(g/g)」と表記した列には、上記のペンタン脱離試験により得られた、炭素多孔体の単位質量当りのペンタン吸着量を記載している。
更に、上記表2において、「ペンタン脱離率(%)」という見出しの下方の列のうち、「150B.V.」と表記した列には、上記のペンタン脱離試験により得られた、ベッドボリュームが150のときのペンタン脱離率を記載している。「300B.V.」と表記した列には、上記のペンタン脱離試験により得られた、ベッドボリュームが300のときのペンタン脱離率を記載している。
図6は、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3とペンタン脱離率との関係の一例を示すグラフである。図6は、実験例1乃至10で得られたデータを利用して作成している。図6に示すグラフにおいて、横軸は、炭素多孔体PC1乃至PC5、吸着材AM6に使用した炭素多孔体及びキャニスタC7乃至C10に含まれる炭素多孔体全体の窒素吸着量A3を表している。縦軸は、炭素多孔体PC1乃至PC5、吸着材AM6に使用した炭素多孔体及びキャニスタC7乃至C10に含まれる炭素多孔体全体のベッドボリュームが150のときのペンタン脱離率を表している。
図6に示すように、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量A3が大きな炭素多孔体を吸着材料に用いたキャニスタは、ペンタン脱離率が高い傾向にある。
10…キャニスタ、11…容器、12…多孔質板、13…吸着材、13a…第1吸着材、13b…第2吸着材、14…吸着材層、IP1…給気口、IP2…給気口、OP…排気口、PP…仕切板。

Claims (2)

  1. 容器と前記容器に収容された炭素多孔体とを備え、
    前記炭素多孔体は、温度77Kで測定した窒素吸着等温線において、窒素相対圧力P/P0が0.99のときの窒素吸着量が1500cm3(STP)/g以上であるキャニスタ。
  2. ベンゼンジカルボン酸のアルカリ土類金属塩を、炭化水素ガスを吸着するトラップ材の存在下、不活性雰囲気中で、550℃乃至700℃の範囲内の温度で加熱して、炭素とアルカリ土類金属炭酸塩との複合体を形成する工程と、
    前記炭酸塩を溶解可能な洗浄液を用いて前記複合体を洗浄し、前記複合体から前記炭酸塩を除去して炭素多孔体を得る工程と
    を含むキャニスタの製造方法。
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