JP2017145008A - タンク用通気口構造 - Google Patents

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【課題】タンク屋根に設けた通気口構造からのタンク内ガスの流出を抑制して環境負荷を低減する。【解決手段】屋根3のうち側壁2近傍に形成された通気穴10と、通気穴10の上方を覆い、タンク側壁2側が開口するカバー11の組合せで通気口構造が構成される場合、タンク側壁2と交差する方向に突出する遮蔽板13をカバー11のタンク側壁側開口部12の下方から突設することで、タンク1の側壁2に沿って上昇する風がカバー11の開口部12から通気穴10に流入するのを抑制し、もって他の通気穴10からタンク内ガスが流出するのを抑制する。遮蔽板13の突出先端部を上方に折り曲げれば、カバー11の開口部12に吹込む横風が通気穴10に流入するのも抑制することができ、他の通気穴10からタンク内ガスが流出するのをより一層抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、タンク用通気口構造に関し、特に蒸発する液体を貯留し且つ側壁と屋根を有するタンクに好適なものである。
石油などの蒸発する液体を貯留するタンクとしては、例えば浮蓋付屋外貯蔵タンクがある。この浮蓋付屋外貯蔵タンクは、屋根(固定屋根)のついた屋外タンクの内部に、浮蓋を設置した構造のタンクである。固定屋根のみの場合、揮発性の高い液体は液面と固定屋根の間の空間に揮発し、長期的には、この揮発分が損失となる。この揮発損失を抑えるために内部に浮蓋を設置したものが浮蓋付屋外貯蔵タンクである。このようなタンクでは、浮蓋が上下動することで、揮発分を抑制する仕組みとなっているが、浮蓋が上下動した際に貯留液体の蒸気が浮蓋の上方、つまり屋根の下方に溜まる場合がある。この液体の蒸気を屋外に有効に排出する設備として、例えば下記特許文献1に記載されるように、屋根に通気口をもうける。この通気口は、例えば屋根のうちタンク側壁近傍に通気穴を形成し、タンク側壁側が開口するカバーで通気穴の上方を覆うようにして構成される。
実開昭60−193093号公報
タンクの屋根の側壁近傍に設けられた通気口は、外気を有効に取り入れてタンク内部の蒸気の濃度を規定限界以下に管理するものであるが、その一方で、蒸気を積極的に環境中へ排出するため、環境負荷が増加する傾向にある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、環境負荷を低減可能なタンク用通気口構造を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、蒸発する液体を貯留し且つ側壁と屋根を有するタンクの通気口構造であって、屋根のうち側壁近傍に形成された通気穴と、通気穴の少なくとも上方を覆い、少なくとも側壁側が開口するカバーと、カバーの側壁側開口部の下方から、側壁と交差する方向に突設された遮蔽板と、を備えたタンク用通気口構造が提供される。
本発明のタンク用通気口構造では、側壁に沿って上昇する風がカバーの側壁側開口部から通気穴内に流入するのを抑制することができるので、他の通気穴からカバーを通じて環境中に排出されるタンク内蒸気を低減することができ、これにより環境負荷を低減することが可能となる。
本発明のタンク用通気口構造が適用された浮蓋付屋外貯蔵タンクの一例を示す縦断面図である。 図1のタンクに設けられた通気口構造の一実施形態を示す斜視図である。 タンク用通気口構造の他の実施形態を示す斜視図である。 図1のタンクに設けられた通気口の平面図である。 従来のタンク用通気口構造を示す斜視図である。 タンク用通気口構造の比較例を示す斜視図である。
以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下に、本発明のタンク用通気口構造の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この実施形態のタンク用通気口構造が適用された浮蓋付屋外貯蔵タンク1の一例を示す概略縦断面図である。この浮蓋付屋外貯蔵タンク1は、円筒形状の側壁2と高さの低い円錐形状の屋根(固定屋根)3でタンクの外形が形成されている。タンク1の内部には、タンク1の内部を上下に区分する円板形状の浮蓋4が設置されている。この浮蓋4の外周部には、タンク内部に貯留する液体の上面に浮かぶフロート5が設けられ、タンク1の側壁2とフロート5の間には、浮蓋4と側壁2を液密に遮蔽するシール6が設けられている。この浮蓋付屋外貯蔵タンク1には、蒸発する液体L、特に揮発性の液体Lが浮蓋4の下方に貯留し、浮蓋4は液体Lの上面に浮かぶ。これにより、液体Lの揮発を抑えて損失を抑制する。なお、この浮蓋付屋外貯蔵タンク1の屋根3の頂部には、管外径204.7mm、肉厚5.8mmである200A鋼管からなり、タンク内部の揮発蒸気を吸引するための吸引配管7が設置され、その頂部周辺には、管外径21.7mm、肉厚2.8mmである15A鋼管からなる不活性ガス封入用の窒素配管8が設置されている。
この浮蓋付屋外貯蔵タンク1の屋根3には、タンク内部の揮発蒸気の濃度を規定限界以下に管理するための通気口構造9が設けられている。この実施形態では、通気口構造9は、平面視円形のタンク1の屋根3に計7個等配されている。この実施形態の通気口構造9は、図2に示すように、タンク1の屋根3のうちタンク1の側壁2近傍に形成された通気穴10と、通気穴10の少なくとも上方を覆い、少なくともタンク1の側壁2側が開口するカバー11と、カバー11のタンク側壁側開口部12の下方から、タンク1の側壁2と交差する方向に突設された遮蔽板13とを備えて構成される。具体的には、通気穴10は、タンク1の側壁2近傍にあってタンク1の屋根3を貫通する円穴である。カバー11は、タンク側壁2側だけが開口する例えば金属板製の略半球形状のフード部材であり、側壁側開口部12を除いてフード部材の下端縁がタンク1の屋根3に密着している。このカバー11によって、通気穴10に直接落下する、或いは円錐形状のタンク1の屋根3をつたって通気穴10に入り込む雨雪などの侵入物の侵入を防止する。なお、カバー11のタンク側壁側開口部12は、下端部がタンク側壁2とほぼ同位置であり、上端部は、タンク側壁2よりも少しタンク外側に位置するように斜めに開口している。また、通気穴10とカバー11だけで構成される通気口構造9は、従来、既存の場合もある。
この実施形態の遮蔽板13は、例えば金属製の平板で構成され、平板の両面が上下に向くようにして、カバー11のタンク側壁側開口部12の直下から水平方向に突設されている。前述したように、カバー11のタンク側壁側開口部12は、上端部がタンク側壁2よりも外側に位置するように斜めに開口していることもあいまって、タンク1の側壁2にあたった風がタンク側壁2に沿って上昇し、その上昇する風がカバー11の開口部12を通って通気穴10に流入する。通気穴10から風(外気)が流入すると、他の通気穴10からタンク内部の揮発蒸気(ガス)が流出し、環境負荷が増加してしまう。この実施形態の遮蔽板13は、このタンク側壁2に沿って上昇する風を抑えてカバー11から通気穴10内への流入を抑制しようとするものである。そのため、この実施形態の遮蔽板13は、タンク側壁垂直方向から見たカバー11のタンク側壁側開口部12の幅以上の幅を有する。この実施形態の遮蔽板13は、遮蔽板13全体が上昇風遮蔽部14を構成している。なお、この実施形態における遮蔽板13の突出方向は、必ずしも水平方向でなくともよく、少し上下に斜めに向いていてもよい。
図3は、遮蔽板13の他の実施形態を示す斜視図である。この実施形態の遮蔽板13は、図2の遮蔽板13と同じく、例えば金属製平板で構成され、一旦、タンク側壁2と交差する方向、具体的には水平方向に突出した後、その突出先端部を上方(斜め上方)に折り曲げて横風遮蔽部15が形成されている。カバー11を通じて通気穴10に流入する風(外気)は、タンク側壁2に沿って上昇する風だけではなく、カバー11の形状からも分かるように、カバー11の側壁側開口部12に向かう風、つまり横風もある。この実施形態の遮蔽板13は、水平方向に突出する上昇風遮蔽部14だけでなく、上方に折り曲げて形成された横風遮蔽部15を有するため、タンク側壁2に沿って上昇する風だけでなく、カバー11の側壁側開口部12に向かう横風も通気穴10に流入するのを抑制することができる。そのため、遮蔽板13のうち上方に折り曲げられた部分、つまり横風遮蔽部15は、タンク側壁垂直方向から見たカバー11のタンク側壁側開口部12を覆う形状並びに大きさを有する。
次に、図2の遮蔽板(以下、実施例1の遮蔽板とも記す)13及び図3の遮蔽板(以下、実施例2の遮蔽板とも記す)13の効果について、汎用流体ソフトを用いて、コンピュータによりタンク1内及び排出口構造9近傍の流体解析を行った。解析の種類は、非圧縮整流対の三次元定常乱流解析であり、タンク1内の揮発蒸気に含まれるベンゼン及び空気の2成分系で検討した。図4には、前述した浮蓋付屋外貯蔵タンク1の屋根3に配置された計7個の通気口構造9の配置レイアウトを示す。タンク1の構造は、直径φ20750mm、高さ9140mmを想定し、通気穴10はφ530mmとした。タンク設置箇所における北向きを0°として、タンク屋根3の外周の時計回り方向に30°、80°、130°、180°、230°、280°、340°の夫々に通気口構造9を設置したものとし、夫々の通気口構造番号には、30°の箇所をB、80°の箇所をC、の順にD〜Gを付し、340°の箇所をAとした。
風は、北向きを0°として、225°の方向から南西の風が風速2.0m/sで吹くものとした。タンク屋根3の頂部に設けた窒素配管8からは0.409m/sで一定量の窒素を封入し続け、タンク屋根3の頂部周辺に設けた吸引配管7からは−3mmH2O(水柱ミリメートル)でタンク1内のガス(揮発蒸気)を吸引し、吸引先で燃焼処理を施した。なお、この窒素封入とガス吸引によって、原理的には各通気口構造9からタンク内ガスは流出しない。また、浮蓋4の上下動によるタンク内壁の濡れ状態を再現するため、タンク内壁におけるベンゼン濃度を飽和濃度である30wt%とした。実施例1の遮蔽板13、及び実施例2の遮蔽板13によるベンゼン流出量低減効果を明らかにするため、図5に示すように、遮蔽板のない通気口構造9を従来例とした。また、この従来例に対し、図6のような遮蔽板13を設けた通気口構造9を比較例とした。この比較例の遮蔽板13は、上に凸の山型に折り曲げた例えば金属製平板をカバー11のタンク側壁側開口部12に密着して取付け、カバー11のタンク側壁側開口部12を遮蔽板13の内部に開口したものである。ちなみに、この比較例の遮蔽板13は、主としてカバー11のタンク側壁側開口部12に吹込む横風を抑制することを目的として設定した。従って、上に凸の山型に折り曲げた比較例の遮蔽板13の底部は、タンク側壁2の上端部に開口している。表1に解析結果を示す。
Figure 2017145008
表中の総流出量は、各通気口構造9から流出するガス(空気とベンゼン)の総量であり、ベンゼン濃度は、各通気口構造9からの流出ガス中のベンゼン濃度、ベンゼン流出量は、各通気口構造9から流出するベンゼンの流量であり、ベンゼン流出量=総流出量×ベンゼン濃度である。また、表中の「−」は、各通気口構造9からのガスの流出が見られないことを意味し、翻って、その通気口構造9には風(外気)が流入しているものと考えられる。遮蔽板のない従来例では、ベンゼン流出量の合計は392.9kg/hであった。実施例1の遮蔽板13を設けた通気口構造9の場合、ベンゼン流出量の合計は176.4kg/hであり、従来例に対して、55.1%のベンゼン流出量低減効果があった。また、実施例2の遮蔽板13を設けた通気口構造9の場合、ベンゼン流出量の合計は125.6kg/hであり、従来例に対して、68.0%のベンゼン流出量低減効果があった。これに対し、比較例の遮蔽板13を設けた通気口構造9の場合、ベンゼン流出量の合計は943.3kg/hであり、従来例に対して、−140.1%のベンゼン流出量低減、つまり140.1%、ベンゼン流出量が増加した。
このことから、タンク側壁側開口部12を有するカバー11と通気穴10の組合せからなる通気口構造9では、タンク側壁2を上昇する風を抑えることが、他の通気口構造9からのタンク内ガス流出を低減するために最も重要で、これに次いで、カバー11のタンク側壁側開口部12に向けて吹く横風を抑えることが重要である。そのため、実施例1の遮蔽板13のように、タンク側壁2と交差する方向、具体的には水平方向に突設された平板からなる上昇風遮蔽部14だけの遮蔽板13であっても、タンク内ガスの大幅な流出量低減効果が得られる。更に、実施例2の遮蔽板13のように、タンク側壁2と交差する方向、具体的には水平方向に突設された上昇風遮蔽部14と、その突出先端部を上方に折り曲げた横風遮蔽部15を備えた遮蔽板13であれば、より一層、タンク内ガスの流出量低減効果が得られる。逆に、横風の通気穴10への流入を抑制できても、タンク側壁2に沿った上昇風の通気穴10への流入を抑制できない比較例の遮蔽板13では、むしろタンク内ガスの流出量低減効果が得られない。
このように、この実施形態の通気口構造9では、蒸発する液体を貯留し且つ側壁2と屋根3を有するタンク1にあって、屋根3のうち側壁2近傍に通気穴10を形成し、タンク側壁2側が開口するカバー11で通気穴10の上方を覆い、タンク側壁2と交差する方向に突出する遮蔽板13をカバー11のタンク側壁側開口部12の下方から突設する。これにより、タンク側壁2に沿って上昇する風がカバー11のタンク側壁側開口部12を通って通気穴10に流入するのを抑制することができ、これにより他の通気穴10からのタンク内ガスの流出量を低減することができるので、環境負荷を低減することが可能となる。
また、遮蔽板13の幅を、タンク側壁垂直方向から見たカバー11のタンク側壁側開口部12の幅以上とすることで、タンク側壁2に沿って上昇する風がカバー11のタンク側壁側開口部12を通って通気穴10に流入するのをより一層抑制することができ、環境負荷をより一層低減することが可能となる。
また、遮蔽板13をタンク側壁2と交差する方向に突出し且つその突出先端部を上方に折り曲げることにより、タンク側壁2に沿って上昇する風だけでなく、カバー11のタンク側壁側開口部12に吹込む横風も通気穴10に流入するのを抑制することができ、環境負荷をより一層低減することが可能となる。
また、遮蔽板13のうち上方に折り曲げられた部分で、タンク側壁垂直方向から見たカバー11のタンク側壁側開口部12を覆うことにより、カバー11のタンク側壁側開口部12に吹込む横風が通気穴10に流入するのをより一層抑制することができ、環境負荷をより一層低減することが可能となる。
なお、通気穴10の形状、カバー11の形状、遮蔽板13の形状は、実施形態に限定されるものではない。また、通気口構造9のタンク屋根3への設置数も実施形態に限定されるものではない。
本発明がここに記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 タンク
2 側壁
3 屋根
4 浮蓋
5 フロート
6 シール
7 吸引配管
8 窒素配管
9 通気口構造
10 通気穴
11 カバー
12 開口部
13 遮蔽板
14 上昇風遮蔽部
15 横風遮蔽部

Claims (4)

  1. 蒸発する液体を貯留し且つ側壁と屋根を有するタンクの通気口構造であって、
    前記屋根のうち前記側壁近傍に形成された通気穴と、
    前記通気穴の少なくとも上方を覆い、少なくとも前記側壁側が開口するカバーと、
    前記カバーの前記側壁側開口部の下方から、前記側壁と交差する方向に突設された遮蔽板と、
    を備えたタンク用通気口構造。
  2. 前記遮蔽板は、前記側壁垂直方向から見た前記カバーの前記側壁側開口部の幅以上の幅を有することを特徴とする請求項1に記載のタンク用通気口構造。
  3. 前記遮蔽板は、前記側壁と交差する方向に突出し且つその突出先端部が上方に折り曲げられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタンク用通気口構造。
  4. 前記遮蔽板のうち前記上方に折り曲げられた部分は、前記側壁垂直方向から見た前記カバーの前記側壁側開口部を覆うことを特徴とする請求項3に記載のタンク用通気口構造。
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