JP2017145249A - 表面に反応基を多く有する有機無機複合フィラー及びそれらを配合した歯科用硬化性組成物 - Google Patents
表面に反応基を多く有する有機無機複合フィラー及びそれらを配合した歯科用硬化性組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017145249A JP2017145249A JP2017027486A JP2017027486A JP2017145249A JP 2017145249 A JP2017145249 A JP 2017145249A JP 2017027486 A JP2017027486 A JP 2017027486A JP 2017027486 A JP2017027486 A JP 2017027486A JP 2017145249 A JP2017145249 A JP 2017145249A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic
- inorganic composite
- filler
- composite filler
- inorganic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/60—Preparations for dentistry comprising organic or organo-metallic additives
- A61K6/64—Thermal radical initiators
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/15—Compositions characterised by their physical properties
- A61K6/16—Refractive index
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/60—Preparations for dentistry comprising organic or organo-metallic additives
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/60—Preparations for dentistry comprising organic or organo-metallic additives
- A61K6/62—Photochemical radical initiators
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/70—Preparations for dentistry comprising inorganic additives
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/70—Preparations for dentistry comprising inorganic additives
- A61K6/71—Fillers
- A61K6/76—Fillers comprising silicon-containing compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K6/00—Preparations for dentistry
- A61K6/80—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
- A61K6/884—Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
- A61K6/887—Compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- A61K6/889—Polycarboxylate cements; Glass ionomer cements
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
- Public Health (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Abstract
Description
歯科充填用コンポジットレジンに求められる要件として、咬合圧に耐えうる高い機械的強度、天然歯類似の色調及び光透過性、重合硬化時にコントラクションギャップの発生を抑制する低重合収縮性、研磨時の表面滑沢性及び艶の維持性、予後診断を容易にする高いX線造影性、歯質を強化及び二次う蝕を抑制するフッ素などの各種イオン徐放性、歯科医師が充填操作を行う際の操作性に優れること等が挙げられる。特に最近では、患者の歯に対する審美的要求が高まり、研磨時の高い表面滑沢性や艶の維持性を有する歯科充填用コンポジットレジンのニーズは増加する傾向にある。
この有機無機複合フィラーを歯科充填用コンポジットレジンに配合することで、優れた仕上げ研磨後の表面滑沢性及び光沢性等の審美的特性を発現する。しかし、有機無機複合フィラーはシランカップリング材による表面処理効果が効きにくく、レジンに対するヌレ性が悪いという欠点があった。そのため、有機無機複合フィラーを配合した歯科充填用コンポジットレジンは機械的強度または操作性に大きな問題を抱えていた。有機無機複合フィラーに対するシランカップリング材の表面処理効果が効きにくい理由は以下のように考えられる。
そこで有機無機複合フィラーにおける機械的特性や操作性の向上を目的として、いくつかの発明が開示されている。
以上述べたように、有機無機複合フィラーを配合した歯科用硬化性組成物に優れた研磨後の表面滑沢性や光沢性、高い透明性、優れた機械的強度や操作性を発現させることができ、且つ煩雑なフィラー製造工程を含まず簡便に製造することができる有機無機複合フィラーはなかった。
本発明の有機無機複合フィラーの製造過程においてシラン化合物は重合性単量体または無機フィラーに含まれる微量の水分によって加水分解され、−OH基を生成する。−OH基を生成したシラン化合物は本発明の有機無機複合フィラーの製造過程において以下の挙動を示すと考えられる。
(2) 複数のシラン化合物が加水分解及び縮合し、シロキサンネットワークを形成した低縮合物を生成し、このシロキサンネットワークがレジンマトリックスと複雑に絡み合う構造を形成する。
(4) 無機フィラー表面のシラノール基とシラン化合物の加水分解により生成した−OH基が相互作用して共有結合または水素結合により、無機フィラー表面にシラン化合物が反応する。シラン化合物に有機基が存在しない場合は無機フィラーに反応したシラン化合物の残りの−OH基がレジンマトリックス内の特定の官能基とも反応して無機フィラーとレジンマトリックスを結合させる結合材として作用する。またシラン化合物に有機基(重合性基を含まない)が存在する場合は無機フィラーを疎水化できるためにレジンマトリックスとのヌレ性が向上し、より分散性と凝集性が向上することとなる。さらにシラン化合物の有機基に重合性基が含まれる場合は重合性単量体(a)と重合性単量体(b)が共重合してレジンマトリックスを形成する際に一緒に無機フィラーに反応したシラン化合物も共重合するために、レジンマトリックスの側鎖に無機フィラーが結合した状態となる。
特定の官能基を有した重合性単量体、特定の官能基を有していない重合性単量体、無機フィラー、重合開始材及び加水分解により−OH基を生成するシラン化合物を用いた本発明の有機無機複合フィラーの製造において、上記の(1)〜(4)の挙動が複雑に起こっているものと考えられる。その結果、本発明の有機無機複合フィラー自体の機械的特性が従来の有機無機複合フィラーに比較して格段向上するのである。また、本発明の有機無機複合フィラーにおけるレジンマトリックス内においてもシラン化合物に基因した多くのOH基が存在するために、本発明の有機無機複合フィラーをシランカップリング材で表面処理した際に均一に処理することが可能となり、有機無機複合フィラーが高度に疎水化することができるのである。そのため本発明の有機無機複合フィラーを配合した歯科用硬化性組成物は本発明の効果を発現することができるのである。
−OH基、−NH−基、−NH2基の中から少なくとも一つの官能基を含有する重合性単量体(a)、前記記載の官能基を含有しない重合性単量体(b)、重合開始材(c)、無機フィラー(d)、下記式(1)で表され、加水分解により−OH基を生成するシラン化合物(e)
を含有して製造されたことを特徴とする有機無機複合フィラー。
Xはハロゲンまたは−NCO、
Yは−OR(R:Hまたは炭素数1〜4のアルキル基)、
l+m+n=4、l=0〜3、m=1〜4、n=0〜3
Zはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の飽和炭化水素基及び/または不飽和炭化水素基である。
本発明の有機無機複合フィラーの製造に用いることができる−OH基、−NH−基、−NH2基の中から少なくとも一つの官能基を含有する重合性単量体(a)はこれらの官能基を含有しない重合性単量体(b)と共重合することにより、有機無機複合フィラー中のレジンマトリックスを形成する。
この重合性単量体(a)はこれらの官能基の中から少なくとも一つを含有するものであれば何等制限なく用いることができ、歯科分野で一般に用いられる公知の単官能性及び/または多官能性の重合性単量体を好適に用いることができる。それらの代表的な重合性単量体を例示すれば、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基を有する重合性単量体が挙げられる。なお、本発明においては、(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリロイルをもってアクリロイル基含有重合性単量体とメタクリロイル基含有重合性単量体の両者を包括的に表記する。
−NH−基を有する重合性単量体(a)を具体的に例示すれば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体とメチルシクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルメチルベンゼン、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートのようなジイソシアネート化合物との付加物から誘導される二官能性または三官能性以上のウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに上記の重合性単量体(a)は単独だけでなく、複数を組み合わせて用いることもできる。本発明においては重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及び重合開始材(c)からなるレジンマトリックスの硬化後における屈折率を無機フィラー(d)の屈折率に近似させる必要があるため、重合性単量体(a)は重合性単量体(b)と共に、複数の種類の重合性単量体を組み合わせてレジンマトリックスの屈折率を制御することが好ましい態様である。また、上記の重合性単量体(a)以外に、リン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等の酸性基を有する重合性単量体、硫黄原子を分子内に有する重合性単量体、フルオロ基を有する重合性単量体、ハロゲンや他の有機基を有する重合性単量体、(メタ)アクリルアミド誘導体等、前述の特定の官能基(−OH基、−NH−基、−NH2基)を含んでおり、且つ少なくとも1個以上の重合性基を有しているいずれの単量体(モノマー)、オリゴマーまたはポリマー等を何等制限なく用いることができる。
(1)単官能性重合性単量体:
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(2)芳香族系二官能性重合性単量体:
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(4)三官能性重合性単量体:
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(5)四官能性重合性単量体:
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
有機過酸化物を具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエード等が挙げられる。
アゾ化合物を具体的に例示すると、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシアノ吉草酸等が挙げられる。
有機金属化合物を具体的に例示すると、トリフェニルボラン、トリブチルボラン、トリブチルボラン部分酸化物等の有機ホウ素化合物類等が挙げられる。
これらの熱重合開始材は単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの重合開始材は必要に応じてマイクロカプセルに内包するなどの二次的な処理を施しても何等問題はない。
化学重合開始材としての有機過酸化物や有機金属化合物は前述の熱重合開始材として用いるものと同じものが挙げられる。
スルフィン酸塩類を具体的に例示すると、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p−トルエンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。
ボレート化合物を具体的に例示すると、トリアルキルフェニルホウ素、トリアルキル(p−フロロフェニル)ホウ素(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)のナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらの化学重合開始材は単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの重合開始材は必要に応じてマイクロカプセルに内包するなどの二次的な処理を施しても何等問題はない。
これらの光重合開始材は単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの重合開始材は必要に応じてマイクロカプセルに内包するなどの二次的な処理を施しても何等問題はない。
さらにこれらの様々な種類の重合開始材は重合様式や重合方法に関係なく、単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始材(c)の含有量は、好ましくは重合性単量体(a)及び重合性単量体(b)を含む重合性単量体の総量に対して0.01〜10重量%の範囲から適宜選択すればよい。より好ましくは0.05〜7重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。重合開始材(c)の含有量が0.01重量%未満では、有機無機複合フィラーの製造において重合性単量体を十分に重合硬化させることができず、機械的特性を含めた様々な効果を得ることができない場合が生じうる。また10重量%を超えて含有する場合は、重合性単量体に対する重合硬化性は変わらないものの、重合開始材が多く残存し変色などを引き起こす恐れがある。
無機フィラー(d)を具体的に例示すると、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化イッテルビウム等の無機酸化物、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−チタニア−ジルコニア等の無機複合酸化物、溶融シリカ、石英、ホウ珪酸ガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボレートガラス、ボロアルミノシリケートガラス等のガラス類、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化イットリウム、フッ化ランタン、フッ化イッテルビウム等の金属フッ化物等が挙げられる。
有機無機複合フィラーの製造に用いる無機フィラー(d)の含有量は、好ましくは30〜90重量%の範囲から適宜選択することができるが、より好ましくは50〜90重量%の範囲、さらに好ましくは60〜90重量%の範囲である。無機フィラーの含有量が30重量%未満では、有機無機複合フィラーが有するX線造影性、硬度、機械的強度が低くなるため、その有機無機複合フィラーを歯科用硬化性組成物に配合しても本発明の効果をもたらすことができなくなる場合がある。また90重量%を超えると無機フィラーが均一に分散せず安定した有機無機複合フィラーの製造を実施することができなくなる場合がある。
Xはハロゲンまたは−NCO、
Yは−OR(R:Hまたは炭素数1〜4のアルキル基)、
l+m+n=4、l=0〜3、m=1〜4、n=0〜3
Zはヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の飽和炭化水素基及び/または不飽和炭化水素基である。
さらにシラン化合物の有機基に重合性基が含まれることがより好ましい。シラン化合物の有機基に重合性基が含まれる場合は重合性単量体(a)と重合性単量体(b)が共重合してレジンマトリックスを形成する際に一緒に無機フィラーに反応したシラン化合物も共重合するために、レジンマトリックスの側鎖に無機フィラーが結合した状態となる。これらの重合性基が含まれる有機基を有するシラン化合物を具体的に例示すると、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その中でもγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを用いることがさらに好ましい。
0≦|nR-nD|<0.03・・・・・(2)
レジンマトリックスの硬化後における屈折率:nRと無機フィラー(d)の屈折率:nDの差が0.03以上では、硬化後のレジンマトリックスと無機フィラーとの屈折率差が大きくなり、有機無機複合フィラーに濁りが生じる。そのため、有機無機複合フィラーを配合した歯科用硬化性組成物においても透明性の調整が難しく、その結果他の特性を犠牲にしなければ有機無機複合フィラーを配合した歯科用硬化性組成物に高い透明性をもたらすことができない場合がある。
本発明の有機無機複合フィラーを製造する段階において、重合性単量体(a)及び/または重合性単量体(b)として用いる重合性単量体の種類や混合割合を調整することによって、それらの重合性単量体の混合物が重合硬化したレジンマトリックスの屈折率を無機フィラーの屈折率に近似させて高い透明性を本発明の有機無機複合フィラーに付与することができる。また重合開始材もレジンマトリックスの構成成分であり、その屈折率に少なからず影響を与えるものの、その含有量が少ないために屈折率への影響は少ないものと考えられる。しかし、含有量が多い場合は屈折率に影響を与えるために重合性単量体だけでなく重合開始材も含めて混合割合等を調整する必要がある。
本発明の有機無機複合フィラーの製造時においては、重合性単量体、重合開始材及びシラン化合物を含むレジン混合物と予めシランカップリング材による表面処理を行っていない無機フィラーを混合(インテグラルブレンド)することで、無機フィラーをレジン混合物中で均一に分散させることができ、無機フィラーが高充填化されたペーストを調製することが可能となる。これは予めシランカップリング材を用いて無機フィラーを表面処理した場合と比較してもペースト中の無機フィラー充填量をさらに高めることができる。また、この製造方法は予め無機フィラーをシランカップリング材により表面処理するという製造工程を省略できるために製造工程を簡略化することができ、また製造コストも抑えることができることも本発明の効果の一つである。
次に、この重合物を粉砕して有機無機複合フィラーを得る。粉砕方法は特に限定されないが、当該分野で一般に採用されている方法で行うことができる。例えば、ボールミルや振動ミル等の容器駆動媒体ミル、ハンマーミルやターボミル等の高速回転ミル、サンドグライダーやアトライター等の媒体攪拌ミルが挙げられ、必要な平均粒子径に応じて適宜選定できる。また、粉砕時に粉砕物が着色しないように不活性ガス雰囲気下またはアルコール等の溶媒中で行うこともできる。また、酸化防止材、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の公知のフェノール類を添加して粉砕することもできる。粉砕した有機無機複合フィラーの平均粒子径は1〜100μmの範囲が好ましい。より好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
また、有機無機複合フィラーの疎水化の程度を測定する別の方法としては、実施例中の<稠度>の項目に示した方法で判断することもできる。ペーストの稠度が高いということは有機無機複合フィラーと重合性単量体であるレジン成分とのヌレ性が向上し、ペースト中における有機無機複合フィラーの高充填化が可能となることである。
歯科用硬化性組成物中の有機無機複合フィラーの配合量は、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは10〜75重量%、さらに好ましくは15〜70重量%である。歯科用硬化性組成物中の有機無機複合フィラーの配合量が5重量%未満では、ペーストの粘着性が高くなり、重合収縮も大きくなりうるため好ましくない。また80重量%を超えるとペーストのざらつきが増して滑らかさが低下するとともに、スパチュラ等でペーストを伸ばしにくくなりうるため好ましくない。
本発明の歯科用硬化性組成物は、有機無機複合フィラー(f)及び無機フィラー(h)を組み合わせて歯科用硬化性組成物中に高充填することで、機械的強度が高く、重合収縮率が低く、研磨後の表面滑沢性及び光沢性に優れ、且つ充填器に付着しにくく付形性に優れたペースト性状を付与することが可能となる。歯科用硬化性組成物における有機無機複合フィラー(f)と無機フィラー(h)の配合量合計は、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。歯科用硬化性組成物における有機無機複合フィラー(f)と無機フィラー(h)の配合量合計が60重量%未満では、ペーストの粘着性が高く、付形性の悪いペースト性状になり、さらに重合収縮も大きくなる恐れがある。
これらの重合開始材の中でも、光照射によりラジカルを発生する光重合開始材を用いることが好ましい態様であり、空気の混入が少ない状態で歯科用硬化性組成物を重合させることができる点で最も好適に使用される。また、光重合開始材の中でも、α−ジケトンと第三級アミンの組み合わせがより好ましく、カンファーキノンとp−N、N−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミノ基がベンゼン環に直結した芳香族アミンまたはN、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の分子内に二重結合を有した脂肪族アミン等の組み合わせが最も好ましい。また、使用用途に応じて他に、クマリン系、シアニン系、チアジン系等の増感色素類、ハロメチル基置換−s−トリアジン誘導体、ジフェニルヨードニウム塩化合物等の光照射によりブレンステッド酸またはルイス酸を生成する光酸発生材、第四級アンモニウムハライド類、遷移金属化合物類等も適宜使用することができる。
本発明の歯科用硬化性組成物は、以上に示した各成分を混合することで調製される。
本発明の歯科用硬化性組成物の包装形態は、特に限定されず、重合開始材の種類、または使用目的により、1パック包装形態または2パック包装形態、またはそれ以外の形態のいずれも可能であり、用途に応じて適宜選択することができる。
実施例及び比較例で使用した材料とその略称を以下に示す。
・Bis-GMA: 2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(硬化前の屈折率:1.55)
・UDMA: N,N−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス[2−(アミノカルボキシ)エタノール]メタクリレート(硬化前の屈折率:1.48)
〔−OH基、−NH−基、−NH2基をいずれも含有しない重合性単量体;重合性単量体(b)〕
・Bis―MPEPP: 2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(硬化前の屈折率:1.54)
・3G: トリエチレングリコールジメタクリレート(硬化前の屈折率:1.46)
〔無機フィラー〕
・無機フィラーA: フルオロアルミノシリケートガラスフィラー(平均粒子径0.4μm、屈折率nD:1.53)
・無機フィラーB: フルオロアルミノシリケートガラスフィラー(平均粒子径0.4μm、屈折率nD:1.53) 100重量部を通法に従い、9重量部のMPSで表面処理を行ったもの
・無機フィラーC: フルオロアルミノシリケートガラスフィラー(平均粒子径1μm、屈折率nD:1.53) 100重量部を通法に従い、6重量部のMPSで表面処理を行ったもの
・アエロジルR711(超微粒子フィラー)
・TEOS:テトラエトキシシラン
・MEOS:メチルトリエトキシシラン
・MPS:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
〔重合開始材〕
・DMABE: N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル
・BPO: 過酸化ベンゾイル
・CQ: α−カンファーキノン
〔シランカップリング材〕
・MPS: γ‐メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
(1)接触角
接触角の測定方法は、表面処理された有機無機複合フィラーを荷重20tfにて1分間プレスすることで成型した粉体のブロック表面に対して5.0ccの水を滴下し、滴下直後から10秒後の接触角を測定した。
表面処理された有機無機複合フィラー 72.5重量部、アエロジルR711 2.5重量部、透明性確認用の液体状混合レジン 25重量部を混合して混練し均一なペーストを調製した。なお、透明性確認用の液体状混合レジンは当該有機無機複合フィラーの製造に用いたレジンマトリックスを形成する重合性単量体(a)及び(b)を同じ比率で混合した混合重合性単量体 100重量部、DMABE 1重量部、CQ 0.3重量部の混合物からなる。その後、ステンレス製金型(内径15mm、厚さ1mm)に充填し、両面にカバーガラスを置いて圧接した後、可視光線照射器(ソリディライトV:松風社製)を用いて両面からそれぞれ3分間光照射することにより硬化体を得た。この硬化体を文字が印字された紙の上に置き、透明性を目視により判定した。背景の文字が容易に判別でき透明性に優れるものについては○、背景の文字が明瞭に判別でき特に透明性に優れるものについては◎、背景の文字が明瞭に判別できず、透明性の劣るものについては×と判定した。
歯科用硬化性組成物をステンレス製金型に充填した後、両面にカバーガラスを置き、ガラス練板で圧接した後、光重合照射器(ブルーショット:松風製)を用いて5ヶ所10秒間ずつ光照射を行い、硬化させた。硬化後、金型から硬化物を取り出した後、再び同様に裏面も光照射を行い、それを試験体(25×2×2mm:直方体型)とした。その試験体を37℃、24時間水中に浸漬した後、曲げ試験を行った。
曲げ試験は、インストロン万能試験機(インストロン5567、インストロン社製)を用い支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/minにて行った。
なお、試験は試験体数10個で行い、その平均値をもって評価した。
歯科用硬化性組成物を25℃の恒温室(湿度50%)に1日間静置後、ガラス板上に歯科用硬化性組成物を300mm3計量した。その上にガラス板を載せ、更に385gの重りを載せた後、3分間放置した。3分間経過後、重りを外し、円状に広がった歯科用硬化性組成物の平行切線間の寸法を2点測定し、その2点の平均値を初期稠度(mm)とした。
歯科用硬化性組成物をステンレス製金型(内径10mm、厚さ2mm)に充填し、両面にカバーガラスを置いて圧接した後、可視光線照射器(ソリディライトV:松風社製)を用いて両面からそれぞれ3分間光照射することにより歯科用硬化性組成物の硬化体を得た。
硬化前と硬化後における歯科用硬化性組成物の密度をガスピクノメーター(アキュピック1303:Micromeritics社製)を用いて測定し、得られた測定値から式(3)に従い、重合収縮率を算出した。なお、密度の測定は25℃にて行った。
重合収縮率(vol%)=(1−Dbefore/Dafter)×100 ・・・(3)
(Dbefore:歯科用硬化性組成物の硬化前の密度、Dafter:歯科用硬化性組成物の硬化後の密度)
歯科用硬化性組成物を37℃湿度100%の環境下にて1級窩洞の模型に充填することでペーストの操作性を評価した。組成物を充填する際の操作性を、ベタつきやパサつきが少なく、充填操作がしやすいものについては○、特に充填操作性に優れるものは◎、ベタつきやパサつきが強く充填操作が困難なものについては×と評価した。
歯科用硬化性組成物の硬化体について、表面を耐水研磨紙320番で研磨後、コンポマスター(松風社製)にて30秒間仕上げ研磨し、表面の光沢度を目視により判定した。滑沢性に優れるものについては○、特に滑沢性に優れるものについては◎、滑沢性の劣るものについては×と判定した。
(有機無機複合フィラーの製造A)
Bis-GMA 47重量部、3G 47重量部、TEOS 6重量部、BPO 0.5重量部の混合物からなる液体状レジン 25重量部に、アエロジルR711 2.5重量部、無機フィラーB 72.5重量部を混合して混練し均一なペーストを調製した。その後、窒素雰囲気下、100℃にて4時間加熱して硬化させたものを粉砕及び分級することにより、平均粒子径が25μmの粉末を得た。さらにこの粉末 100重量部を通法に従い、6重量部のMPSで表面処理を行い、有機無機複合フィラーAを得た。この有機無機複合フィラーAは透明性に優れ、接触角を測定したところ、112°であった。
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーBを得た。ただし、無機フィラーBに代えて無機フィラーAを用いた。この有機無機複合フィラーBは透明性に優れ、接触角を測定したところ、118°であった。
(有機無機複合フィラーの製造C)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーCを得た。ただし、TEOSに代えてMEOSを用いた。この有機無機複合フィラーCは透明性に優れ、接触角を測定したところ、115°であった。
有機無機複合フィラーCと同様に製造を行い、 有機無機複合フィラーDを得た。ただし、無機フィラーBに代えて無機フィラーAを用いた。この有機無機複合フィラーDは透明性に優れ、接触角を測定したところ、114°であった。
(有機無機複合フィラーの製造E)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーEを得た。ただし、TEOSに代えてMPSを用いた。この有機無機複合フィラーEは透明性に優れ、接触角を測定したところ、118°であった。
有機無機複合フィラーEと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーFを得た。ただし、無機フィラーBに代えて無機フィラーAを用いた。この有機無機複合フィラーFは透明性に優れ、接触角を測定したところ、117°であった。
(有機無機複合フィラーの製造G)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーGを得た。ただし、無機フィラーBに代えて無機フィラーCを用いた。この有機無機複合フィラーGは透明性に優れ、接触角を測定したところ、114°であった。
UDMA 56.4重量部、Bis−MPEPP 28.2重量部、3G 9.4重量部、TEOS 6重量部、BPO 0.5重量部の混合物からなる液体状レジン 25重量部に、アエロジルR711 2.5重量部、無機フィラーB 72.5重量部を混合して混練し均一なペーストを調製した。その後、窒素雰囲気下、100℃にて4時間加熱して硬化させたものを粉砕及び分級することにより、平均粒子径が25μmの粉末を得た。さらにこの粉末 100重量部を通法に従い、6重量部のMPSで表面処理を行い、有機無機複合フィラーHを得た。この有機無機複合フィラーHは透明性に優れ、接触角を測定したところ、115°であった。
(有機無機複合フィラーの製造I)
UDMA 47重量部、3G 47重量部、TEOS 6重量部、BPO 0.5重量部の混合物からなる液体状レジン 25重量部に、アエロジルR711 2.5重量部、無機フィラーB 72.5重量部を混合して均一に混練し均一なペーストを調製した。その後、窒素雰囲気下、100℃にて4時間加熱して硬化させたものを粉砕及び分級することにより、平均粒子径が25μmの粉末を得た。さらにこの粉末 100重量部を通法に従い、6重量部のMPSで表面処理を行い、有機無機複合フィラーIを得た。この有機無機複合フィラーは透明性に劣り、接触角を測定したところ、115°であった。
Bis-GMA 50重量部、3G 50重量部、BPO 0.5重量部の混合物からなる液体状レジン 25重量部に、アエロジルR711 2.5重量部、無機フィラーB 72.5重量部を混合して混練し均一なペーストを調製した。その後、窒素雰囲気下、100℃にて4時間加熱して硬化させたものを粉砕及び分級することにより、平均粒子径が25μmの粉末を得た。さらにこの粉末 100重量部を通法に従い、6重量部のMPSで表面処理を行い、有機無機複合フィラーJを得た。この有機無機複合フィラーは良好な透明性を有し、接触角を測定したところ、95°であった。
(有機無機複合フィラーの製造K)
有機無機複合フィラーJと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーKを得た。ただし、無機フィラーBに代えて無機フィラーAを用いた。この有機無機複合フィラーKは良好な透明性を有し、接触角を測定したところ、90°であった。
Bis−MPEPP 47重量部、3G 47重量部、BPO 0.5重量部、6重量部のTEOSの混合物からなる液体状レジン 25重量部に、アエロジルR711 2.5重量部、無機フィラーB 72.5重量部を混合して均一に混練し均一なペーストを調製した。その後、窒素雰囲気下、100℃にて4時間加熱して硬化させたものを粉砕及び分級することにより、平均粒子径が25μmの粉末を得た。さらにこの粉末 100重量部を通法に従い、6重量部のMPSで表面処理を行い、有機無機複合フィラーLを得た。この有機無機複合フィラーは透明性に優れ、接触角を測定したところ、102°であった。
(有機無機複合フィラーの製造M)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーMを得た。ただし、液体状レジンと無機フィラーBとの混合割合が有機無機複合フィラーAとは異なる。この有機無機複合フィラーMは透明性に優れ、接触角を測定したところ、121°であった。
(有機無機複合フィラーの製造N)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーNを得た。ただし、液体状レジンと無機フィラーBとの混合割合が有機無機複合フィラーAとは異なる。この有機無機複合フィラーNは透明性に優れ、接触角を測定したところ、119°であった。
(有機無機複合フィラーの製造O)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーOを得た。ただし、液体状レジンと無機フィラーBとの混合割合が有機無機複合フィラーAとは異なる。この有機無機複合フィラーOは透明性に優れ、接触角を測定したところ、110°であった。
(有機無機複合フィラーの製造P)
有機無機複合フィラーAと同様に製造を行い、有機無機複合フィラーPを得た。ただし、液体状レジンと無機フィラーBとの混合割合が有機無機複合フィラーAとは異なる。この有機無機複合フィラーPは透明性に優れ、接触角を測定したところ、106°であった。
実施例1〜16及び比較例1〜3
表2に示す割合にて各成分を混練した後、真空下で脱泡することによりペースト状の歯科用硬化性組成物(実施例1〜16、比較例1〜3)を調製した。
調製した歯科用硬化性組成物について、上述の方法に従い曲げ強度、稠度、重合収縮率、操作性、滑沢性の評価を行った。それらの試験結果を表2に示す。
比較例3については、有機無機複合フィラーの重合性単量体に−OH基、−NH−基、−NH2基の中から少なくとも一つの官能基を含有する重合性単量体を用いていない。そのため、有機無機複合フィラーに含まれるシラン化合物とレジンとの相互作用が減少し、曲げ強度が低くなることが分かる。
実施例7では歯科用硬化性組成物の重合性単量体に有機無機複合フィラーの製造に用いた重合性単量体とは異なる成分を用いている。そのため、歯科用硬化性組成物の重合性単量体に有機無機複合フィラーの製造に用いた重合性単量体と同一のものを用いた他の実施例と比較して、有機無機複合フィラーのレジンに対する親和性がやや低下し曲げ強度及び稠度がやや低くなることが分かる。
実施例15では有機無機複合フィラーにおいて30重量部の無機フィラーを用いている。そのため、無機フィラーの含有量が少なく、表面の疎水性が低下し、実施例1と比較して、有機無機複合フィラーの接触角及び稠度が低下するため、曲げ強度がやや劣ることが分かる。
実施例16では有機無機複合フィラーにおいて無機フィラーの使用量が30重量部未満である。そのため、表面の疎水性がさらに低下し、有機無機複合フィラーの接触角及び稠度がさらに低下するため、曲げ強度が他の実施例と比較してやや劣ることが分かる。
以上の結果から、本発明の歯科用硬化性組成物は、優れた研磨後の表面滑沢性、透明性、低重合収縮性、高い機械的強度を有し、かつ優れた操作性を有することが確認された。
Claims (6)
- 無機フィラー(d)の平均粒子径が0.01〜3.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機複合フィラー。
- 有機無機複合フィラーに含まれる無機フィラー(d)の含有量が、30〜90重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜2に記載の有機無機複合フィラー。
- 重合性単量体(a)、重合性単量体(b)及び重合開始材(c)を含むレジンマトリックスの硬化後における屈折率:nRと無機フィラー(d)の屈折率:nDの関係が、下記式(2)で表されることを特徴とする請求項1〜3に記載の有機無機複合フィラー。
0≦|nR-nD|<0.03・・・・・(2)
- 有機無機複合フィラーをシランカップリング材により表面処理することを特徴とする請求項1〜4に記載の有機無機複合フィラー。
- 請求項5に記載の有機無機複合フィラー(f)、重合性単量体(g)、無機フィラー(h)及び重合開始材(i)、を含有してなる歯科用硬化性組成物。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016027504 | 2016-02-17 | ||
| JP2016027504 | 2016-02-17 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017145249A true JP2017145249A (ja) | 2017-08-24 |
| JP6869741B2 JP6869741B2 (ja) | 2021-05-12 |
Family
ID=58212904
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2017027486A Active JP6869741B2 (ja) | 2016-02-17 | 2017-02-17 | 表面に反応基を多く有する有機無機複合フィラー及びそれらを配合した歯科用硬化性組成物 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US11000453B2 (ja) |
| EP (1) | EP3207916B1 (ja) |
| JP (1) | JP6869741B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2022209201A1 (ja) * | 2021-03-30 | 2022-10-06 | 株式会社ジーシー | イオン徐放性複合粒子、及びイオン徐放性複合粒子の製造方法 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113085229B (zh) * | 2021-04-22 | 2022-02-15 | 同济大学 | 碳纤维增强热固性树脂基复合材料分层损伤修复装置及方法 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010229420A (ja) * | 2010-07-09 | 2010-10-14 | Shofu Inc | 歯科用表面改質有機複合フィラー |
| JP2012121814A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Kuraray Medical Inc | 歯科用充填材の製造方法 |
| JP2012180310A (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-20 | Tokuyama Dental Corp | 歯科コンポジットレジン用接着材 |
Family Cites Families (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE60032858T2 (de) | 1999-11-17 | 2007-09-06 | Kabushiki Kaisha Shofu | Dentales Füllungsmaterial |
| JP4486263B2 (ja) | 2000-02-04 | 2010-06-23 | サンメディカル株式会社 | 歯科用複合充填材および重合性組成物 |
| JP2003095836A (ja) | 2001-09-26 | 2003-04-03 | Gc Corp | 歯科用修復材組成物 |
| US9132068B2 (en) * | 2010-06-18 | 2015-09-15 | Tokuyama Dental Corporation | Dental composite restorative material |
| JP6294785B2 (ja) * | 2014-08-01 | 2018-03-14 | 株式会社松風 | 歯科用硬化性組成物 |
| US9526667B1 (en) * | 2015-06-10 | 2016-12-27 | Beto Engineering & Marketing Co., Ltd. | Tilting inversion exerciser |
-
2017
- 2017-02-17 JP JP2017027486A patent/JP6869741B2/ja active Active
- 2017-02-17 US US15/435,506 patent/US11000453B2/en active Active
- 2017-02-17 EP EP17156647.4A patent/EP3207916B1/en active Active
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010229420A (ja) * | 2010-07-09 | 2010-10-14 | Shofu Inc | 歯科用表面改質有機複合フィラー |
| JP2012121814A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Kuraray Medical Inc | 歯科用充填材の製造方法 |
| JP2012180310A (ja) * | 2011-03-02 | 2012-09-20 | Tokuyama Dental Corp | 歯科コンポジットレジン用接着材 |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2022209201A1 (ja) * | 2021-03-30 | 2022-10-06 | 株式会社ジーシー | イオン徐放性複合粒子、及びイオン徐放性複合粒子の製造方法 |
| JP2022155210A (ja) * | 2021-03-30 | 2022-10-13 | 株式会社ジーシー | イオン徐放性複合粒子、及びイオン徐放性複合粒子の製造方法 |
| JP7749892B2 (ja) | 2021-03-30 | 2025-10-07 | 株式会社ジーシーMfg | イオン徐放性複合粒子、及びイオン徐放性複合粒子の製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US11000453B2 (en) | 2021-05-11 |
| EP3207916A2 (en) | 2017-08-23 |
| EP3207916A3 (en) | 2017-11-15 |
| JP6869741B2 (ja) | 2021-05-12 |
| US20170231872A1 (en) | 2017-08-17 |
| EP3207916B1 (en) | 2019-07-03 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP3363424B1 (en) | Dental curable composition having high mechanical strength | |
| JP2006299201A (ja) | 2ペースト型グラスアイオノマー系セメント | |
| EP3566689B1 (en) | Dental adhesive composition including chain transfer agent | |
| JP6294785B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| EP3682862B1 (en) | Curable dental composition | |
| JP6487793B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP6869741B2 (ja) | 表面に反応基を多く有する有機無機複合フィラー及びそれらを配合した歯科用硬化性組成物 | |
| JP6615549B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JPH11335220A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP4917692B1 (ja) | 切削装置用の歯科用組成物 | |
| JP4798680B2 (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP4576035B2 (ja) | 歯科用表面改質有機複合フィラー | |
| JP6124533B2 (ja) | 歯科用セメントキット | |
| JP4573319B2 (ja) | 高フッ素徐放性歯科用組成物 | |
| CN112135598A (zh) | 基于大分子单体的可光固化性牙科印模材料 | |
| JP2019189637A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP5350335B2 (ja) | 歯科用表面改質有機複合フィラー | |
| JP4818615B2 (ja) | X線造影性歯科用接着性組成物 | |
| JP2021054785A (ja) | 低感水性コンポジットレジン | |
| JP2016153382A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP4580534B2 (ja) | 歯科用ポリマーハイブリッド充填材およびその製造方法ならびにそれを含む歯科用組成物 | |
| US20260083642A1 (en) | Dental composition | |
| JP2010202560A (ja) | 歯科用複合硬化性組成物 | |
| JP2021195356A (ja) | 歯科用硬化性樹脂組成物 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200203 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201228 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210216 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210413 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210414 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6869741 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
