JP2017145302A - 光学的立体造形用光硬化性組成物 - Google Patents

光学的立体造形用光硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ウレタン(メタ)アクリレートおよび反応性希釈成分を含有する光学的立体造形用光硬化性組成物であって、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を与える、光学的立体造形用光硬化性組成物を提供する。【解決手段】ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、下記式(I)で表される重合性モノマー(B)、および光重合開始剤(C)を含有し、全重合性モノマー中の前記下記式(I)で表される重合性モノマー(B)の含有率が、20〜70質量%である、光学的立体造形用光硬化性組成物とする。(式中、R1は、水素原子、またはメチル基を示し、R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜5のアルキレン基を示す。)【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、光学的立体造形用光硬化性組成物に関する。
近年、立体物を表すデータに基づいて立体物を造形する三次元(3D)プリンタが注目を集めており、その開発が進められている。光造形式3Dプリンタにより光学的立体造形を行う場合には、一般に、ラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む光硬化性組成物が用いられる。
光造形式3Dプリンタにより作製される造形物は、その機械特性に応じて様々な用途が想定されている。例えば、造形物が軟質の機械特性を有していた場合には、ゴム製品、シリコーン部品等の再現に有用である。造形物の機械特性を決定する一つの要因は、光硬化性組成物に含まれるラジカル重合性モノマーの化学構造にある。ウレタン結合を含む(メタ)アクリレート、すなわちウレタン(メタ)アクリレートを含む光硬化性組成物は、柔軟性が高く(硬度が低く)伸び率が大きい軟質の硬化物を与えることが広く知られている。光学的立体造形用光硬化性組成物においても、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を与える組成物として、ウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許第3705511号公報 特許第4993535号公報
一般に、ウレタン(メタ)アクリレートは高粘度であるため、光学的立体造形にウレタン(メタ)アクリレートを単体で重合性モノマーとして含む組成物を用いることは困難である。そのため、光学的立体造形用光硬化性組成物には、粘度調整のために反応性希釈成分として他の重合性モノマーが添加される。しかしながら、この他の重合性モノマーの添加により、造形物の柔軟性の低下や伸び率の低下が起こるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウレタン(メタ)アクリレートおよび反応性希釈成分を含有する光学的立体造形用光硬化性組成物であって、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を与える、光学的立体造形用光硬化性組成物を提供することである。
本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、下記式(I)で表される重合性モノマー(B)、および光重合開始剤(C)を含有する。全重合性モノマー中の前記下記式(I)で表される重合性モノマー(B)の含有率は、20〜70質量%である。
Figure 2017145302
(式中、R1は、水素原子、またはメチル基を示し、R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜5のアルキレン基を示す。)
本発明においては、全重合性モノマー中の前記ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)の含有率が、10〜40質量%であることが好ましい。
本発明の組成物は、下記式(II)で表される重合性モノマー(D)を、全重合性モノマー中45質量%以下さらに含有することが好ましい。
Figure 2017145302
(式中、R3は、水素原子、またはメチル基を示し、nは1〜4の整数である。)
本発明においては、前記重合性モノマー(B)が、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明においては、前記光重合開始剤(C)が、(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物であることが好ましい。
本発明の組成物は、第三級有機リン化合物(E)をさらに含有することが好ましい。
本発明の組成物は、好ましくは、面露光方式の光学的立体造形用である。
本発明によれば、ウレタン(メタ)アクリレートおよび反応性希釈成分を含有する光学的立体造形用光硬化性組成物であって、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を与える、光学的立体造形用光硬化性組成物が提供される。
本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、下記式(I)で表される重合性モノマー(B)、および光重合開始剤(C)を含有する。全重合性モノマー中の前記下記式(I)で表される重合性モノマー(B)の含有率は、20〜70質量%である。
Figure 2017145302
式(I)中、R1は、水素原子、またはメチル基を示し、R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜5のアルキレン基を示す。
本発明の組成物は、下記式(II)で表される重合性モノマー(D)をさらに含有していてもよい。また、本発明の組成物は、重合促進剤、特に、第三級有機リン化合物(E)をさらに含有していてもよい。
Figure 2017145302
式(II)中、R3は、水素原子、またはメチル基を示し、nは1〜4の整数である。
以下、本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物の各成分について説明する。
〔ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)〕
ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)は、(メタ)アクリロイル基、およびウレタン結合(−NH−C(=O)−O−)を有する(メタ)アクリレート化合物である。重合性モノマーがウレタン結合を有することによって、造形物に高い柔軟性(低い硬度)と大きな伸び率を付与することができる。ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)は、典型的には、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」との記載は、「メタクリロイル」または「アクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリレート」との記載は、「メタクリレート」または「アクリレート」を意味する。
本発明に用いられるウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)は、(メタ)アクリロイル基およびウレタン結合を有する化合物である限り、その種類には特に制限はなく、公知のウレタン(メタ)アクリレート化合物を用いることができる。その例としては、特許第3705511号公報、特許第4993535号公報、特開平11−035657号公報、特開平11−349660号公報、特開2000−239341号公報、特開2000−264939号公報、特開2002−060456号公報、特開2004−292712号公報、特開2006−273895号公報、特開2010−180319号公報等に記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。なお、本明細書においては、(メタ)アクリロイル基およびウレタン結合を有する限り、オリゴマー形態にある化合物もウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)に含まれる。ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)は、所望する造形物の特性に応じて、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物が好ましく、2個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、2個のアクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましい。
全重合性モノマー中のウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)の含有率は、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)による造形物の軟質化の効果を十分に得る観点からは、8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。一方、組成物の粘度、造形物の柔軟性および伸び率の観点からは、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。なお、本明細書において、「全重合性モノマー」は、組成物に含まれる光重合開始剤(C)により、重合反応を起こす組成物中の全成分を指し、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、重合性モノマー(B)、重合性モノマー(D)、および後述のその他の重合性モノマーを含む。
〔重合性モノマー(B)〕
重合性モノマー(B)は、下記式(I)で表される化合物である。重合性モノマー(B)は反応性希釈成分(すなわち、重合性を有し、組成物を低粘度化する反応性希釈剤として機能する成分)である。下記式(I)に示されるように、ヒドロキシル基を有する適度な長さのアルキレン鎖と、フェノキシ基を有する重合性モノマー(B)を用いることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)が有する柔軟性が高く伸び率が大きい造形物を与えるという特性を生かしつつ(伸び率を維持しつつ柔軟性を向上させることも可能である)、組成物の粘度を適正化することができる。
Figure 2017145302
式(I)中、R1は、水素原子、またはメチル基を示し、R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜5のアルキレン基を示す。
R1は、高い光硬化性の観点から、水素原子が好ましい。R2で表される少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜5のアルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。その例としては、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、n−ペンチレン基等の基の水素原子の1個以上がヒドロキシル基で置換された基が挙げられる。R2は、好ましくは、1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜4のアルキレン基であり、より好ましくは、2−ヒドロキシプロピレン基である。よって、重合性モノマー(B)としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましく、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートが最も好ましい。
重合性モノマー(B)は、所望する造形物の特性に応じて、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。全重合性モノマー中の重合性モノマー(B)の含有率は、20〜70質量%である。重合性モノマー(B)の含有率が20質量%未満だと、得られる造形物の高い柔軟性と大きな伸び率が得られない。一方、重合性モノマー(B)の含有率が70質量%を超えると、組成物の反応性が低くなり、光学的立体造形用光硬化性組成物として十分に機能することができない。重合性モノマー(B)の含有率は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。一方、重合性モノマー(B)の含有率は、好ましくは65質量%以下である。
〔重合性モノマー(D)〕
重合性モノマー(D)は、下記式(II)で表される化合物である。重合性モノマー(D)は、反応性希釈成分であり、本発明の組成物の任意成分である。下記式(II)に示されるように、オキシエチレン鎖と、フェノキシ基を有する重合性モノマー(D)を、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)および重合性モノマー(B)と組み合わせることにより、柔軟性がより高く伸び率がより大きい造形物を与えることができる。
Figure 2017145302
式(II)中、R3は、水素原子、またはメチル基を示し、nは1〜4の整数である。R3は、高い光硬化性の観点から、水素原子が好ましい。nは、1〜3の整数が好ましく、2がより好ましい。
重合性モノマー(D)は、所望する造形物の特性に応じて、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。全重合性モノマー中の重合性モノマー(D)の含有率は、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。一方、全重合性モノマー中の重合性モノマー(D)の含有率は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
〔その他の重合性モノマー〕
本発明の組成物は、上記ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、重合性モノマー(B)、および重合性モノマー(D)以外にも、任意成分としてその他の重合性モノマーを含んでいてもよい。その他の重合性モノマーは、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチレン基等のラジカル重合性基を少なくとも1個有し、好ましくは、少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する。その他の重合性モノマーとして具体的には、オキシエチレン鎖またはオキシプロピレン鎖を有する(メタ)アクリレート(特にジ(メタ)アクリレート)、ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート(特にジ(メタ)アクリレート)、オキシエチレン鎖またはオキシプロピレン鎖、およびビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート(特にジ(メタ)アクリレート)等が例示される。
〔光重合開始剤(C)〕
光重合開始剤(C)は、光照射によりラジカルを発生させて、重合を開始させる成分である。光重合開始剤(C)としては、従来の光学的立体造形用光硬化性組成物に用いられている公知のものを特に制限なく使用することができる。光重合開始剤(C)としては、光ラジカル重合開始能が高いことから、(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物が好ましい。なお、「(ビス)アシルホスフィンオキサイド」との記載は、「アシルホスフィンオキサイド」または「ビスアシルホスフィンオキサイド」を意味する。
(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物のうち、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。
(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物のうち、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
光重合開始剤(C)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤(C)の含有量としては、重合性モノマーの総量100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。なお、本明細書において、「重合性モノマーの総量」とは、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、重合性モノマー(B)、重合性モノマー(D)、およびその他の重合性モノマーの合計量を指す。
〔第三級有機リン化合物(E)〕
第三級有機リン化合物(E)は、ラジカル重合を促進させる成分であり、本発明の組成物の任意成分である。第三級有機リン化合物(E)は、光重合開始剤(C)として(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物を用いた場合に、特に高いラジカル重合促進効果を発揮する。第三級有機リン化合物(E)は、例えば、光硬化性組成物に用いられている公知の第三級有機リン化合物を、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。第三級有機リン化合物(E)としては、例えば下記式(III)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2017145302
式(III)中、R4〜R6はそれぞれ、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
R4〜R6はそれぞれ、置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましい。高い造形性の観点からは、R4〜R6はそれぞれ、メタ位またはパラ位に置換基を有するフェニル基であることがより好ましい。フェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基(例、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等)、炭素数1〜5のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基等)などが挙げられ、メチル基、またはメトキシ基が好ましい。したがって、第三級有機リン化合物(E)として特に好ましくは、前記式(III)のR4〜R6がそれぞれ、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、m−メトキシフェニル基、またはp−メトキシフェニル基である化合物である。すなわち、第三級有機リン化合物(E)として特に好ましくは、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリ(m−アニシル)ホスフィン、またはトリ(p−アニシル)ホスフィンである。これらの化合物を使用した場合には、特に高い造形性が得られる。また、これらの化合物は、R4〜R6がフェニル基である化合物(すなわち、トリフェニルホスフィン)よりも人体に対する安全性が高い。第三級有機リン化合物(E)として最も好ましくは、トリ(p−トリル)ホスフィンである。
第三級有機リン化合物(E)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。第三級有機リン化合物(E)の含有量としては、重合性モノマーの総量100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.03〜3質量部がより好ましい。
本発明の組成物は、各成分を公知方法に従い混合することにより作製することができる。本発明の組成物は、基本的に液状の性状を有し、25℃における粘度は、100〜2000mPa・s程度であってよい。
本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物は、必要に応じ、本発明の効果を顕著に損なわない範囲内で、顔料や染料等の着色剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等の添加剤や、充填材(架橋ポリマー粒子、シリカ、ガラス粉、セラミックス粉、金属粉等)等を含有していてもよい。
本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物を光学的立体造形に使用することにより、反応性希釈成分を含んでいるにも関わらず、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を作製することができる。光学的立体造形は、好ましくは、面露光方式により行われる。よって、本発明の組成物は、好ましくは、面露光方式による光学的立体造形用光硬化性組成物である。
立体造形物は、本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物を光学的立体造形装置(特に、面露光方式光学的立体造形装置)により硬化させる工程を含む方法により製造することができる。当該製造方法によれば、精度の高い立体造形物を得ることができる。光学的立体造形装置には、公知の光造形式3Dプリンタ等を用いることができる。面露光方式の光学的立体造形の具体例として、本発明の組成物の液面に所望のパターンが得られるように紫外光を照射して所定厚みを有する光硬化層を形成し、次いでこの光硬化層に本発明の組成物を供給し、同様に紫外光を照射して前記光硬化層と連続した光硬化層を積層させ、この光硬化層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を得ることができる。
立体造形物は、軟質であるため、自由に動かすことができるという利点を有する。立体造形物は、ゴム製品、シリコーン部品等の再現に有用である。また、人肌に近い柔軟性(硬度)および伸び率を有する立体造形物を作製することもでき、人体のモデリング用途にも使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
〔光硬化性組成物の調製および造形物の作製〕
表1に記載の各成分を、表1に示す質量割合で均一に混合して、各実施例および各比較例の光学的立体造形用光硬化性組成物を得た。得られた各組成物を用いて、伸び率測定試験片およびショアA硬度測定試験片を作製するために、面露光方式立体造形により造形物を作製した。このとき、光源にはLED(波長405nm)を用い、光強度は0.2mW/cm2、積層ピッチは0.15mm、照射時間は50秒とした。
〔伸び率の測定〕
得られた各実施例および各比較例の組成物の造形物を用いて試験片を作製し、引張試験機を用いて、JIS K 6251:2010に準拠して伸び率を測定した。測定にあたって、試験片形状は、JIS K 6251:2010に記載のダンベル状3号形(t=2mm)とし、標線間距離は20mmとした。引張速度は、200mm/minとした。伸び率の大きい軟質の造形物を得る観点からは、伸び率は100%以上であることが望ましい。
〔ショアA硬度の評価〕
得られた各実施例および各比較例の組成物の造形物を用いて試験片を作製し、タイプAデュロメータを用いてJIS K 6253:2012に準拠してショアA硬度を測定した。測定にあたって、試験片形状は、約40mm×40mm×t6mmとし、荷重は1kgfとした。柔軟性の高い軟質の造形物を得る観点からは、ショアA硬度は50以下であることが望ましい。
Figure 2017145302
(表中の各成分についての数値は、質量割合を示す。)
ウレタンアクリレートAおよびウレタンアクリレートB:共栄社化学社より構造の異なる2種のウレタンアクリレートを入手
M−5700(東亞合成社製):2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート
P−200A(共栄社化学社製):フェノキシポリエチングリコールアクリレート(オキシエチレン単位の繰り返し数:約2)
A−BPE−10(新中村化学工業社製):エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(オキシエチレン単位の繰り返し数の合計:10)
Irgacure TPO(BASF社製):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
TPTP(北興化学工業社製):トリ(p−トリル)ホスフィン
比較例1と実施例1〜8との比較により、重合性モノマー(B)を添加しない場合には、造形物の伸び率が100%未満、ショアA硬度が50超えと、十分に軟質な造形物が得られないことがわかる。また、比較例2では、光造形の際に光硬化が十分に起こらない場合があり、光学的立体造形用光硬化性組成物として十分に機能し得ない。以上の結果を総合すると、ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、重合性モノマー(B)、および光重合開始剤(C)を含有し、全重合性モノマー中の重合性モノマー(B)の含有率が、20〜70質量%である光学的立体造形用光硬化性組成物によれば、光学的立体造形により、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を提供できることがわかる。
本発明の光学的立体造形用光硬化性組成物を光学的立体造形に使用することにより、反応性希釈成分を含んでいるにも関わらず、柔軟性が高く伸び率が大きい軟質の造形物を作製することができる。

Claims (7)

  1. ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)、下記式(I)で表される重合性モノマー(B)、および光重合開始剤(C)を含有し、
    全重合性モノマー中の前記下記式(I)で表される重合性モノマー(B)の含有率が、20〜70質量%である、
    光学的立体造形用光硬化性組成物。
    Figure 2017145302
    (式中、R1は、水素原子、またはメチル基を示し、R2は、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル基で置換された炭素数2〜5のアルキレン基を示す。)
  2. 全重合性モノマー中の前記ウレタン(メタ)アクリレート系重合性モノマー(A)の含有率が、10〜40質量%である、請求項1に記載の組成物。
  3. 下記式(II)で表される重合性モノマー(D)を、全重合性モノマー中45質量%以下さらに含有する、請求項1または2に記載の組成物。
    Figure 2017145302
    (式中、R3は、水素原子、またはメチル基を示し、nは1〜4の整数である。)
  4. 前記重合性モノマー(B)が、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記光重合開始剤(C)が、(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 第三級有機リン化合物(E)をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 面露光方式の光学的立体造形用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
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