JP2017145518A - 抄紙用織物 - Google Patents

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Masanori Yasuno
正徳 安野
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Abstract

【課題】 抄紙用織物において、紙面性を向上させる。【解決手段】抄紙用織物(10)は、製紙面側緯糸(11)及び走行面側緯糸(12)と経糸(13)とが織り込まれて形成される。完全組織において、経糸のそれぞれは、平織り組織を連続して3つ以上備えた平織部(14)を有する。平織りが緯方向に段違いにずれながら連続するように、任意の経糸の平織部は、1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの経糸の平織部に、緯方向にずれて境界を接する。すべての製紙面側緯糸は、少なくとも1つの平織部において、端部以外の製紙面側緯糸を構成する。【選択図】 図4

Description

本開示は、抄紙用織物に関し、例えば抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において使用される抄紙用ワイヤーに適した抄紙用織物に関する。
経糸及び緯糸を製織することによって構成した抄紙用織物は、抄紙用のワイヤーやプレスフェルト、プレスベルト、ドライヤーカンバス等の多くの用途に使用されている。抄紙機のワイヤーパートにおいて使用される抄紙用ワイヤーは、製造される紙の品質向上や、製造速度の高速化による生産効率向上の要請に応えるため、皺なく蛇行せずに安定して走行する走行性、原料液から水をより多く除去する脱水性や通気性、表面の凹凸が転写して紙に残ることを抑制する紙面性(表面平滑性)、目詰まりや粘着成分の付着を抑制する防汚性、磨耗や高圧洗浄による損傷に耐える耐久性等が求められている。このような要求を満たすために、抄紙用ワイヤーにおいて、直径が異なる2種の緯糸を使用し、直径が小さい緯糸を抄紙用ワイヤーの製紙面側に配置し、直径が大きい緯糸を抄紙用ワイヤーの走行面側に配置し、製紙面に配置された緯糸及び走行面に配置された緯糸に経糸を織り込んだ、いわゆる経1重緯2重組織としたものがある(例えば、特許文献1)。多くの場合、このような抄紙用ワイヤーでは、製紙面側に配置された緯糸の本数が、走行面側に配置された緯糸の本数に対して多くなっている。そのため、製紙面が走行面に対して緻密に形成され、製造される紙の表面平滑性が向上する。また、走行面側の緯糸の本数が製紙面側に対して少ないため、空隙率が高くなり、脱水性が向上する。また、走行面側の緯糸の直径が製紙面側に対して大きいため、耐久性が向上する。
また、特許文献1に係る抄紙用織物1では、図1〜図3に示すように、経糸2が製紙面側緯糸3を平織状に3回織り込んだ後、数本の製紙面側緯糸3と走行面側緯糸4の間を通り、1本の走行面側緯糸を織り込んでいる。図1の紙面の方向で見ると、ある経糸2は、その右方にある経糸2に対して3本の製紙面側緯糸分だけ下方にずれている。抄紙用織物1において、経糸番号(No.)7',5',3',1'の経糸2による平織部5をこの順で繋げると、連続する24本の製紙面側緯糸3に平織が形成される。経糸No.8',6',4',2'の経糸2による平織部5によっても同様である。
特表2009−533560号公報
平織部5自体は、経糸2が製紙面側緯糸3に密に織り込まれるため、製造される紙に付くマークが目立ちにくい。しかし、図3に示すように、複数の経糸2を跨って平織部5が連続して配置される抄紙用織物1では、連続するように配置された2つの平織部5の境界に織り込まれた製紙面側緯糸3は、その平織部5を形成する経糸2による下方からの支持力が周囲の製紙面側緯糸3より弱い。このような部分は、周囲より凹みやすく、製造される紙にマークを残すこととなる。この凹み部分6を、図1に薄いドットパターンで示す(なお、濃いドットパターンは、走行面側緯糸4が経糸2の上を通っている部分を示している)。例えば、緯糸No.6Tの製紙面側緯糸3は、経糸No.1'及び5'の経糸2の平織部5と経糸No.3'及び7'との経糸2の平織部5の境界とに配置され、下方から支える経糸2の支持力が弱い(経糸2が緯糸No.5T〜7Tの製紙面側緯糸3を上、下、上と通らない)ため、凹み部分6が緯方向に連続的に発生する。前後の平織部5に対して凹みやすい凹み部分が緯方向に連続するため、特許文献1に係る抄紙用織物1には、製造される紙に長い緯マークが付いて、マークが目立つという問題があった。
本発明は、以上の問題を鑑み、抄紙用織物において、製造される紙に大きな緯マークが発生することを防止し、紙面性を向上させることを課題とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、製紙面側緯糸(11)及び走行面側緯糸(12)と、前記製紙面側緯糸及び前記走行面側緯糸に織り込まれた経糸(13)とを有する抄紙用織物(10,20,30,40,50,60,70)であって、複数の前記製紙面側緯糸、複数の前記走行面側緯糸、及び複数の前記経糸によって繰り返しパターンの最小単位である完全組織が形成され、前記完全組織において、前記経糸のそれぞれは、前記製紙面側緯糸の製紙面側を通過し、その隣の前記製紙面側緯糸の走行面側かつ前記走行面側緯糸の製紙面側を通過する平織り組織を連続して少なくとも3つ以上備えた平織部(14,31,61)を少なくとも1つ有すると共に、前記走行面側緯糸の少なくとも1つの走行面側を通過し[図4に示す第1実施形態において、例えば、緯糸No.4T〜9Tが経糸No.1'に織り込まれた部分。以下、大括弧内は第1実施形態中の例を示す]、任意の前記経糸[経糸No.1']の前記平織部の前記経糸の延在方向における一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸[製紙面側緯糸No.9T]の前記平織部と相反する側における1本隣の前記製紙面側緯糸[その平織部の一部を構成する製紙面側緯糸No8Tではなく、その反対側に隣接する製紙面側緯糸No.10T]は、前記任意の前記経糸の1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの前記経糸[経糸No.3'(経糸No.1'の2本隣)]の前記平織部の前記経糸の延在方向における他方の端部を構成し、前記完全組織の前記製紙面側緯糸の全て[製紙面側緯糸No.5T,7T]は、少なくとも1箇所において、前記平織部の1つにおいて前記経糸[経糸No.1']が前記製紙面側緯糸の製紙面側を通過する2つの部分の間[製紙面側緯糸No.4Tと8Tとの間]において、前記経糸の製紙面側を通過することを特徴とする。
この構成によれば、全ての製紙面側緯糸が経糸に強く支持される部分を有して抄紙用織物が製造中の紙をバランスよく支持するとともに、支持力が経方向の前後部分よりも相対的に低い凹み部分(15,32,62)が緯方向に連続しないため、製造される紙に緯マークが目立つことが防止される。
本発明の少なくともいくつかの実施形態においては、上記構成において、前記完全組織において、1つの前記製紙面側緯糸に織り込まれて前記平織部を構成する前記経糸の本数は、前記完全組織を構成する前記経糸の総数の1/2よりも少ないことを特徴とする。
この構成によれば、紙面性と通気性及び脱水性とのバランスの取れた抄紙用織物を提供することができる。
上記実施形態において、更に具体的に構成を記載すると、少なくともいくつかの実施形態における抄紙用織物(10,20)は、前記完全組織が、16本の前記経糸と、16本の前記製紙面側緯糸と、8本の前記走行面側緯糸とを含み、前記経糸のそれぞれの前記平織部(14)は、6本の前記製紙面側緯糸を含み、任意の前記経糸の前記平織部の前記一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の2本隣の前記経糸の前記平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする。また、少なくともいくつかの実施形態における抄紙用織物(30,40)が、前記完全組織は、16本の前記経糸と、24本の前記製紙面側緯糸と、8本又は16本の前記走行面側緯糸とを含み、順に並べたときに奇数番号となる前記経糸及び偶数番号となる前記経糸の一方のそれぞれの前記平織部(31a)は、8本の前記製紙面側緯糸を含み、前記奇数番号となる前記経糸及び前記偶数番号となる前記経糸の他方のそれぞれの前記平織部(31b)は、10本の前記製紙面側緯糸を含み、任意の前記経糸の前記平織部の前記一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の1本隣又は3本隣の前記経糸の前記平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする。また、少なくともいくつかの実施形態における抄紙用織物(50)が、前記完全組織は、16本の前記経糸と、24本の前記製紙面側緯糸と、4本の前記走行面側緯糸とを含み、前記経糸のそれぞれの前記平織部(31)は、8本の前記製紙面側緯糸を含む第1平織部(31a)、又は10本の前記製紙面側緯糸を含む第2平織部(31b)からなり、前記第1平織部を有する前記経糸の2本隣の前記経糸は、前記第2平織部を有し、任意の前記経糸の前記平織部の前記一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の2本隣の前記経糸の前記平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする。また、少なくともいくつかの実施形態における抄紙用織物(60,70)が、前記完全組織は、16本の前記経糸と、48本の前記製紙面側緯糸と、16本の前記走行面側緯糸とを含み、前記経糸のそれぞれの前記平織部(61)は、8本の前記製紙面側緯糸を含む第1平織部(61a)と、10本の前記製紙面側緯糸を含み、前記第1平織部と離れて配置された第2平織部(61b)とを含み、任意の前記経糸の前記第1平織部の前記一側の端部は、前記任意の前記経糸の1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの前記経糸の前記第2平織部の前記他側の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合い、任意の前記経糸の前記第2平織部の前記一側の端部は、前記任意の前記経糸の1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの前記経糸の前記第1平織部の前記他側の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする。
以上の構成によれば、抄紙用織物において、製造される紙に大きな緯マークが発生することを防止し、紙面性を向上させることができる。
従来技術に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 従来技術に係る抄紙用織物を経方向から見た模式的断面図 従来技術に係る抄紙用織物の平織部を有する部分を緯方向から見た模式的断面図 第1実施形態に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 第1実施形態に係る抄紙用織物を経方向から見た模式的断面図 第1実施形態の変形例に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 第2実施形態に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 第2実施形態の第1変形例に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 第2実施形態の第2変形例に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 第3実施形態に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図 第3実施形態の変形例に係る抄紙用織物を製紙面側から見た説明図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態に係る抄紙用織物は、抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において、紙料(液)から湿紙を形成するためのワイヤーとして使用されるものである。抄紙機に取り付けられた抄紙用織物は、無端のベルト状の形状となるが、以下の説明においては、便宜上、製紙面側を上方、走行面側を下方とし、緯糸No.の小さい緯糸の存在する側(製紙面側から見た説明図の上方)を前方、緯糸No.の大きい緯糸の存在する側(同図の下方)を後方とし、経糸No.の小さい経糸が存在する側(同図の右方)を右方、経糸No.の大きい経糸が存在する側(同図の左方)を左方とする。
≪第1実施形態≫
図4及び図5は、第1実施形態に係る抄紙用織物10を製紙面側から見た模式的平面図及び経方向から見た模式的断面図である。抄紙用織物10は、抄紙機のロールに掛け渡され、ロールの回転に応じて走行する。抄紙用織物10の紙料及び湿紙と接触する面を製紙面、製紙面と相反する側の面を走行面という。抄紙用織物10の製紙面上には、紙料が載せられ、脱水によって湿紙が形成される。
抄紙用織物10は、製紙面側緯糸11と、走行面側緯糸12と、両者に織り込まれた経糸13とを有する。織り込まれる糸の繰り返しパターンの最小単位である完全組織には、16本の製紙面側緯糸11と、8本の走行面側緯糸12と、16本の経糸13とが含まれる。
完全組織において、経糸13のそれぞれは、製紙面側緯糸11の上方(製紙面側)を通過し、その隣の製紙面側緯糸11の下方(走行面側)を通過する平織り組織を連続して3つ備えた平織部14を1つ有し、1箇所で走行面側緯糸12の1本の下方(走行面側)を通過する。経糸13は、平織部14においては、走行面側緯糸12を織り込まず、走行面側緯糸12の上方を通過している。例えば、図4に示す経糸No.1'の経糸13(以下、「経糸No.n'の経糸13」を「経糸No.n'」と記す)は、製紙面側緯糸No.4T〜9Tの6本の製紙面側緯糸11(以下、「製紙面側緯糸No.nTの製紙面側緯糸11」を「製紙面側緯糸No.nT」と記す)を織り込んで平織部14を形成し、走行面側緯糸No.8Bの走行面側緯糸12(以下、「走行面側緯糸No.nBの走行面側緯糸12」を「走行面側緯糸No.nB」と記す)を下方から織り込み、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。ここで、上記の「平織り組織」は、前方に配置された製紙面側緯糸11の上方を通過し、その後方に隣接する製紙面側緯糸11の下方を通過するものとして、平織部14に該当する製紙面側緯糸11のNo.を記載した(なお、上記の「平織り組織」を後方から前方に向かう経糸13の織り込み方と捉えれば、経糸No.1'の平織部14を形成する製紙面側緯糸11は製紙面側緯糸No.8T〜3Tとなるが、以下の説明において、上記の「平織り組織」を前方から後方に向かう経糸13の織り込み方と捉えた場合の製紙面側緯糸No.を記載する)。
抄紙用織物10において、例えば、経糸No.1'の平織部14の後方の端部を形成する製紙面側緯糸No.9Tは、経糸No.3'(経糸No.1'の左方に2本隣の経糸13)の平織部14の前方の端部を形成する製紙面側緯糸No.10Tに隣接する。経糸No.3'の平織部14と経糸No.5'の平織部14との関係についても同様であり、この関係は、任意の経糸13の平織部14とその左方の2本隣に位置する経糸13の平織部14とに当てはまる。従って、図4中に「○」印で示すように、経糸No.1',3',5',7',9',11',13'及び15'において、平織部14は、前方から後方に向かって、左方へ2本隣の経糸13にずれながら、連続して形成される。このようにして、全体として連続する平織りが形成される。経糸No.2',4',6',8',10',12',14'及び16'においても同様であり、別の平織りの連続が形成される。
各々の製紙面側緯糸11に着目して、平織部14を説明する。図4及び図5に示すように、例えば、製紙面側緯糸No.3Tは、経糸No.4',5',8',11',14'及び15'の6本の経糸13と平織部14を形成している(経糸No.1'は、本明細書における平織部14の定義では、製紙面側緯糸No.3Tと平織部14を形成していない)。他の製紙面側緯糸11も6本の経糸13と平織部14を形成している。このように、完全組織において、任意の1本の製紙面側緯糸11が平織部14を形成するように織り込む経糸13の本数は、完全組織を構成する経糸13の総本数である16本の1/2の8本よりも少ない。このような構成をとることにより、製紙面側の表面において平織部14の割合が過大になることが防止される。平織部14は、経糸13が製紙面側緯糸11の上下を1本ずつ交互に通るため、紙面性は高いが、通気性及び脱水性に劣る。従って、上記の構成をとることにより、所望の通気性及び脱水性を確保している。
抄紙用織物10は、製紙面側の表面で紙料や湿紙を保持する。紙料や湿紙に接触するのは、製紙面側緯糸11及び経糸13である。製紙面側緯糸11を直接支持するのは経糸13であるため、製紙面側緯糸11において、紙料や湿紙を最も大きく支持するのは、経糸13が織り込まれた平織部14である。特に、前後の両隣の製紙面側緯糸11の上方に経糸13が配置され、自身の下方に経糸13が配置された製紙面側緯糸11の支持力が大きくなる。例えば、経糸No.1'を織り込んだ製紙面側緯糸11を見ると、製紙面側緯糸No.5T及び7Tの支持力が大きい。平織部14は、経糸No.1'を織り込んだ6本の製紙面側緯糸No.4T〜9Tによって構成されるが、支持力の大きい緯糸No.5T及び7Tの製紙面側緯糸11は、経糸13が自身の下方を通る製紙面側緯糸11の内、平織部14に含まれる製紙面側緯糸11から平織部14の端部に該当するもの(製紙面側緯糸No.9T)を除いたものである。換言すると、経糸No.1'に沿った位置においては支持力の大きい製紙面側緯糸No.5T及び7Tは、平織部14において経糸13が製紙面側緯糸11の上方を通過する2つの製紙面側緯糸No.4T及び8Tの間において、経糸13の上方を通過している。図4に示すように、他の経糸13と製紙面側緯糸11との間にも同様の関係が成り立つ。この関係を製紙面側緯糸11に沿った方向から見ると、任意の製紙面側緯糸11は、対応する2つの経糸13に沿った位置で支持力が大きくなる。例えば、製紙面側緯糸No.5Tは、経糸No.1'に沿った位置以外にも、それぞれ、経糸No.11'に沿った位置で支持力が大きくなり、製紙面側緯糸No.7Tは、経糸No.1'に沿った位置以外にも、経糸No.7'に沿った位置で支持力が大きくなる。従って、全ての製紙面側緯糸11において、相対的に大きな支持力を発揮する部分は、各々の平織部14の一部分であって、そのような部分は、すべての製紙面側緯糸11に含まれ、抄紙用織物10の全体にバランスよく配置される。従って、大きな緯マークが製造される紙に付かず、紙面性が向上する。
このような関係を凹み部分15という観点から説明する。凹み部分15は、図4に薄いドットパターンで示した部分であり、その前後の部分に比べて相対的に紙料や湿紙を支える支持力が弱い部分である。本実施形態における各々の凹み部分15は、従来技術に関して図3で示した凹み部分6と同様の原因から生じるものであり、前方から後方に向かう平織りの連続が、任意の経糸13の平織部14から、左方に2本隣の経糸13の平織部14に切り替わる部分に生じる。例えば、製紙面側緯糸No.9Tに着目すると、経糸No.1'と経糸No.3'との間に凹み部分15が生じており、その他の部分には凹み部分15は生じていない。さらに、製紙面側緯糸No.9Tは、経糸No.7'及び13'に沿った位置で、平織部14の支持力が相対的に強い部分に相当する。このように、製紙面側緯糸No.9Tに凹み部分15が形成されるのは、緯方向の全体に渡ってではなく、16本の経糸13の内、経糸No.1'と経糸No.3'との間の部分のみであるため、大きな緯マークが製造される紙に付くことが抑制される。図4に示すように、他の製紙面側緯糸11でも同様である。さらに、経方向においても凹み部分15は、分散して配置されているため、製造される紙において、比較的短い緯マークが経方向の短い区間に集中することが防止され、マークが目立たない。
走行面側緯糸12の直径は、製紙面側緯糸11の直径より大きいことが好ましい。全体として平織りの連続を形成する奇数No.の経糸13は、平織部14の後端の製紙面側緯糸11から6〜7つ後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込んでいる。別の平織りの連続を形成する偶数No.の経糸13では、平織部14の後端の製紙面側緯糸11から3〜4つ後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込んでいる。そのため、奇数No.の経糸13とその左方に隣接する偶数No.の経糸13とが、同じ走行面側緯糸12の1本を織り込んでいる。また、各々の走行面側緯糸12は、完全組織において、1本の経糸13によって1回のみ織り込まれている。
製紙面側緯糸11、走行面側緯糸12及び経糸13の形態は特に限定されないが、モノフィラメントの単糸及び撚糸を用いることができ、特に単糸を用いることが好ましい。更に、各糸は捲縮加工や嵩高加工等を施した加工糸でもよく、非加工糸であってもよい。これらのなかでは非加工糸が好ましい。
製紙面側緯糸11、走行面側緯糸12及び経糸13を構成する材料は特に限定されないが、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。ポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、更には、ナイロンが好ましい。ナイロンとしては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルであれば特にその種類に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等であってよい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、製紙面側緯糸11、走行面側緯糸12及び経糸13は、互いに同一材料から構成されても、異なる材料から構成されてもよい。また、各糸は、各々単一材質で構成されていてもよく、材質が異なる2種以上の材質で構成されていてもよい。更に、各糸には、無機フィラー及び/又は有機フィラーが含有されていてもよい。
<第1実施形態の変形例>
次に、図6を参照して、第1実施形態の変形例に係る抄紙用織物20について説明する。説明に当たって、上記の実施形態と異なる部分のみ説明する。
抄紙用織物20は、製紙面側緯糸11と経糸13との織り込み方は上記実施形態と同じであるが、走行面側緯糸12と経糸13との織り込み方が上記の実施形態と異なる。全体として平織りの連続を形成する奇数No.の経糸13では、平織部14の後端の製紙面側緯糸11から3〜4つ後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込んでいる。別の平織りの連続を形成する偶数No.の経糸13では、平織部14の後端の製紙面側緯糸11から6〜7つ後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込んでいる。そのため、奇数No.の経糸13とその右方の3本隣に配置された偶数No.の経糸13とが、同じ走行面側緯糸12の1本を織り込んでいる。なお、各々の走行面側緯糸12が、完全組織において、1本の経糸13によって1回のみ織り込まれている点は、上記実施形態と同様である。
≪第2実施形態≫
次に、図7を参照して、第2実施形態に係る抄紙用織物30について説明する。抄紙用織物30の完全組織には、24本の製紙面側緯糸11と、8本の走行面側緯糸12と、16本の経糸13とが含まれる。
完全組織において、奇数No.の経糸13のそれぞれは、平織り組織を連続して4つ備えた第1平織部31aを1つ有し、偶数No.の経糸13のそれぞれは、平織り組織を連続して5つ備えた第2平織部31bを1つ有する(以下、「第1平織部31a」及び「第2平織部31b」を総称する場合は、単に「平織部31」と記す)。いずれの経糸13も、1箇所で走行面側緯糸12の1本の下方(走行面側)を通過する。なお、経糸13は、平織部31においては、走行面側緯糸12を織り込まず、走行面側緯糸12の上方を通過している。経糸13は、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。例えば、経糸No.1'は、8本の製紙面側緯糸No.1T〜8Tを織り込んで第1平織部31aを形成し、1本の走行面側緯糸No.5Bを下方から織り込み、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。また、経糸No.4'は、10本の製紙面側緯糸No.9T〜18Tを織り込んで平織部31bを形成し、1本の走行面側緯糸No.8Bを下方から織り込み、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。
図7中の「○」印で示すように、抄紙用織物30において、経糸No.1',4',5',8',9',12',13'及び16'において、平織部31が前方から後方に向かうにつれ、左方へずれながら、連続している。左方へのずれは、3本隣の経糸13へのずれと1本隣の経糸13へのずれとが交互に現れる。このようにして、全体として連続する平織りが形成される。具体的には、経糸No.1'の平織部31の後方の端部を形成する製紙面側緯糸No.8Tは、経糸No.4'(経糸No.1'の左方に3本隣の経糸13)の平織部31の前方の端部を形成する製紙面側緯糸No.9Tに隣接する。そして、経糸No.4'の平織部31における後方の端部を形成する製紙面側緯糸No.18Tは、経糸No.5'(経糸No.4'の左方に1本隣の経糸13)の平織部31における前方の端部を形成する製紙面側緯糸No.19Tに隣接する。このような関係が、上記の他の経糸13間にも成立している。同様に、経糸No.2',3',6',7',10',11',14'及び15'によっても、別の平織りの連続が形成される。
第2実施形態に係る抄紙用織物30においても、完全組織において、任意の1本の製紙面側緯糸11が平織部31を形成するように織り込む経糸13の本数は、完全組織を構成する経糸13の総本数である16本の1/2の8本よりも少ない。例えば、製紙面側緯糸No.3Tは、6本の経糸No.1',3',8',10',12'及び14'の6本と平織部31を形成している。
平織部31を構成するとともに経糸13が自身の下方を通過する製紙面側緯糸11は、平織部31の後方の端部を構成するものを除いて、紙料や湿紙を支持する支持力が高く、このような箇所は、各々の製紙面側緯糸11に2箇所又は3箇所あり、抄紙用織物30の全体にバランスよく配置される。従って、大きな緯マークが製造される紙に付かず、紙面性が向上する。例えば、製紙面側緯糸No.4Tでは、経糸No.1',8'及び12'を織り込む箇所で支持力が大きく、製紙面側緯糸No.5Tでは、経糸No.10'及び15'を織り込む箇所で支持力が大きい。
図7において薄いドットパターンで示すように、その前後の部分に比べて相対的に紙料や湿紙を支える支持力が小さい凹み部分32は、全体として連続する平織りにおいて、任意の経糸13の平織部31からその左方に1本隣又は3本隣の経糸13の平織部31に切り替わる部分に生じている。1本隣に切り替わる部分では、経糸2本分の凹み部分32(例えば、製紙面側緯糸No.6Tと経糸No.12'及び13'とが交差する部分)が形成され、3本隣に切り替わる部分では、経糸4本分の凹み部分32(例えば、製紙面側緯糸No.2Tと経糸No.5'〜8'とが交差する部分)が形成される。完全組織において、各々の製紙面側緯糸11の凹み部分32は、1箇所であるため、大きな緯マークが製造される紙に付くことは抑制される。さらに、経方向においても凹み部分32は、分散して配置されているため、製造される紙において、比較的短い緯マークが経方向の短い区間に集中することが防止され、マークが目立たない。
経糸13と走行面側緯糸12との織り込みにおいて、経糸13に着目すると、(a)経糸No.1',5',9'及び13'(第1平織部31aを有し、一方の平織りの連続を形成する経糸13)は、平織部31aの後端の製紙面側緯糸11から6〜7本後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込み、(b)経糸No.4',8',12'及び16'(第2平織部31bを有し、一方の平織りの連続を形成する経糸13)は、平織部31aの後端の製紙面側緯糸11から5〜6本後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込み、(c)経糸No.3',7',11'及び15'(第1平織部31aを有し、他方の平織りの連続を形成する経糸13)は、平織部31aの後端の製紙面側緯糸11から9〜10本後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込み、(d)経糸No.2',6',10'及び14'(第2平織部31bを有し、他方の平織りの連続を形成する経糸13)は、平織部31aの後端の製紙面側緯糸11から8〜9本後方の製紙面側緯糸11に最も近接している走行面側緯糸12を下方から織り込む。また、走行面側緯糸12に着目すると、各々の走行面側緯糸12は、互いに2本隣に位置する2本の経糸13を1本ずつ織り込んでいる。
<第2実施形態の第1変形例>
次に、図8を参照して、第2実施形態の第1変形例に係る抄紙用織物40について説明する。説明に当たって、第2実施形態に係る抄紙用織物30と異なる部分のみ説明する。抄紙用織物40は、走行面側緯糸12の本数とその織り込み方が第2実施形態と異なる。抄紙用織物40の完全組織には、16本の走行面側緯糸12が含まれる。
各々の経糸13は、2箇所で、1本の走行面側緯糸12下方から織り込む。各々の走行面側緯糸12は、互いに3本隣に位置する2本の経糸13を1本ずつ織り込んでいる。
<第2実施形態の第2変形例>
次に、図9を参照して、第2実施形態の第1変形例に係る抄紙用織物50について説明する。説明に当たって、第2実施形態に係る抄紙用織物30と異なる部分のみ説明する。抄紙用織物50は、一部の経糸13と製紙面側緯糸12との織り込み方が変わり、平織りの連続を形成する経糸13の組み合わせが第2実施形態と異なるとともに、走行面側緯糸12の本数及び織り込み方が第2実施形態と異なる。
図9中の「○」印で示すように、抄紙用織物50において、奇数No.の経糸13によって全体として連続する平織りが形成される。偶数No.の経糸13によっても、別の平織りの連続が形成される。
図9において薄いドットパターンで示すように、凹み部分32は、全体として連続する平織りにおいて、任意の経糸13の平織部31からその左方に2本隣の経糸13の平織部31に切り替わる部分に生じている。その結果、第2実施形態と同様に、平織りの連続においては、第1平織部31aと第2平織部31bとが交互に現れる。また、全ての凹み部分32は、経糸3本分の長さとなる。形成される凹み部分32が全体に分散される点は、第2実施形態と同様である。
完全組織には、4本の走行面側緯糸12が含まれる。走行面側緯糸12の各々が、1箇所で2本の経糸13を連続して織り込み、2箇所で経糸13を1本ずつ織り込む。
≪第3実施形態≫
次に、図10を参照して、第3実施形態に係る抄紙用織物60について説明する。抄紙用織物60の完全組織には、48本の製紙面側緯糸11と、16本の走行面側緯糸12と、16本の経糸13とが含まれる。
完全組織において、各々の経糸13は、平織り組織を連続して4つ備えた1つの第1平織部61aと、平織り組織を連続して5つ備えた1つの第2平織部61bとを有する(以下、「第1平織部61a」及び「第2平織部61b」を総称する場合は、単に「平織部61」と記す)。経糸No.1'〜4'及び9'〜12'は、第1平織部61aの後端を構成する製紙面側緯糸11から後方に4本目の製紙面側緯糸12が第2平織部61bの前端を構成している。経糸No.5'〜8'及び13'〜16'は、第1平織部61aの前端を構成する製紙面側緯糸11から前方に4本目の製紙面側緯糸12が第2平織部61bの後端を構成している。いずれの経糸13も、4箇所で走行面側緯糸12の1本の下方を通過する。なお、経糸13は、平織部61においては、走行面側緯糸12を織り込まず、走行面側緯糸12の上方を通過している。経糸13は、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。例えば、経糸No.1'の経糸13は、8本の製紙面側緯糸No.1T〜8Tを織り込んで第1平織部61aを形成し、10本の製紙面側緯糸No.12T〜21Tを織り込んで第2平織部61bを形成し、4本の走行面側緯糸No.8B,10B,12B,14Bを下方から織り込み、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。また、経糸No.5'の経糸13は、8本の製紙面側緯糸No.19T〜26Tを織り込んで第1平織部61aを形成し、10本の製紙面側緯糸No.6T〜15Tを織り込んで第2平織部61bを形成し、4本の走行面側緯糸No.1B,11B,13B,15Bを下方から織り込み、その他の部分では、製紙面側緯糸11と走行面側緯糸12との間を通っている。
抄紙用織物60では、16本の経糸13によって、2つの平織りの連続が形成される。その1つは、図10中の「○」印及び「◎」で示すように、経糸No.1'の第1平織部61a、その左方に2本隣の経糸No.3'の第2平織部61b、その左方に2本隣の経糸No.5'の第1平織部61a、その左方に3本隣の経糸No.8'の第2平織部61b、その左方に1本隣の経糸No.9'の第1平織部61a、その左方に2本隣の経糸No.11'の第2平織部61b、その左方に3本隣の経糸No.14'の第1平織部61a、その左方に1本隣の経糸No.15'の第2平織部61b、その左方に3本隣に経糸No.2'の第1平織部61a、その左方に2本隣の経糸No.4'の第2平織部61b、その左方に2本隣の経糸No.6'の第1平織部61a、その左方に1本隣の経糸No.7'の第2平織部61b、その左方に3本隣の経糸No.10'の第1平織部61a、その左方に2本隣の経糸No.12'の第2平織部61b、その左方に1本隣の経糸No.13'の第1平織部61a、その左方に3本隣の経糸No.16'の第2平織部61bで構成され、その後、その左方に1本隣の経糸No.1'の第1平織部61a(最初に記載したものより完全組織で左方に2つ分、後方に3つ分ずれたもの)へと続く。また、別の1つは、経糸No.3'の第1平織部61a、その左方に2本隣の経糸No.5'の第2平織部61b、その左方に2本隣の経糸No.7'の第1平織部61a、その左方に3本隣の経糸No.10'の第2平織部61b、その左方に1本隣の経糸No.11'の第1平織部61a、その左方に3本隣の経糸No.14'の第2平織部61b、その左方に2本隣の経糸No.16'の第1平織部61a、その左方に1本隣の経糸No.1'の第2平織部61b、その左方に3本隣に経糸No.4'の第1平織部61a、その左方に2本隣の経糸No.6'の第2平織部61b、その左方に2本隣の経糸No.8'の第1平織部61a、その左方に1本隣の経糸No.9'の第2平織部61b、その左方に3本隣の経糸No.12'の第1平織部61a、その左方に1本隣の経糸No.13'の第2平織部61b、その左方に2本隣の経糸No.15'の第1平織部61a、その左方に3本隣の経糸No.2'の第2平織部61bで構成される。
第3実施形態に係る抄紙用織物60においても、完全組織において、任意の1本の製紙面側緯糸11が平織部31を形成するように織り込む経糸13の本数は、完全組織を構成する経糸13の総本数である16本の1/2の8本よりも少ない。例えば、製紙面側緯糸No.3Tは、6本の経糸No.1',3',7',9',11'及び14'と平織部31を形成している。
平織部61を構成するとともに経糸13が自身の下方を通過する製紙面側緯糸11は、平織部61の後方の端部を構成するものを除いて、紙料や湿紙を支持する支持力が高く、このような箇所は、各々の製紙面側緯糸11に2箇所又は3箇所あり、抄紙用織物30の全体にバランスよく配置される。従って、大きな緯マークが製造される紙に付かず、紙面性が向上する。例えば、製紙面側緯糸No.4Tでは、経糸No.1',7'及び11'を織り込む箇所で支持力が大きく、製紙面側緯糸No.5Tでは、経糸No.9'及び16'を織り込む箇所で支持力が大きい。
図10において薄いドットパターンで示すように、その前後の部分に比べて相対的に紙料や湿紙を支える支持力が小さい凹み部分62は、全体として連続する平織りにおいて、任意の経糸13の平織部61からその左方に1本〜3本隣の経糸13の平織部61に切り替わる部分に生じている。1本隣に切り替わる部分では、経糸2本分の凹み部分62が形成され、2本隣に切り替わる部分では、経糸3本分の凹み部分62が形成され、3本隣に切り替わる部分では、経糸4本分の凹み部分62が形成される。完全組織において、各々の製紙面側緯糸11の凹み部分62は、1箇所であるため、大きな緯マークが製造される紙に付くことが抑制される。さらに、経方向においても凹み部分62は、分散して配置されているため、製造される紙において、比較的短い緯マークが経方向の短い区間に集中することが防止され、マークが目立たない。
経糸13と走行面側緯糸12との織り込みを経糸13に着目すると、平織部61aの下方に位置する2本と平織部61bの下方に位置する3本と平織部61aと平織部61bの間の1本と平織部61aの前1本と平織部61bの後ろの1本の走行面側緯糸12は、経糸13を織り込まないが、他の部分では、平織り状に経糸13が走行面側緯糸12に織り込まれている。各々の走行面側緯糸12は、一部を除いて4箇所で1本の経糸13を織り込んでおり、一部の走行面側緯糸12(走行面側緯糸No.9B及び13B)は、1箇所で2本の経糸13を連続して織り込み、かつ2箇所で経糸13を1本織り込んでいる。
<第3実施形態の変形例>
次に、図11を参照して、第3実施形態の変形例に係る抄紙用織物70について説明する。説明に当たって、第3実施形態に係る抄紙用織物60と異なる部分のみ説明する。抄紙用織物70は、走行面側緯糸12の織り込み方が第2実施形態に係る抄紙用織物60と異なる。各々の経糸13は、2箇所で、1本の走行面側緯糸12を下方から織り込む。各々の走行面側緯糸12は、互いに2本隣に位置する2本の経糸13のそれぞれを1本ずつ下方から織り込んでいる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。各実施形態の左右を逆にするように経糸と緯糸とを織り込んでもよい。また、走行面側緯糸の本数や、織り込む位置及び数、織り込み方を変更してもよい。また、平織部の配置を変更して、連続する平織りの構成を変更してもよい。完全組織における平織部の個数を3つ以上にしてもよく、平織部を6つ以上の平織り組織から構成してもよい。
10,20,30,40,50,60,70:抄紙用織物
11:製紙面側緯糸
12:走行面側緯糸
13:経糸
14,31,61:平織部
15,32,62:凹み部分

Claims (6)

  1. 製紙面側緯糸及び走行面側緯糸と、前記製紙面側緯糸及び前記走行面側緯糸に織り込まれた経糸とを有する抄紙用織物であって、
    複数の前記製紙面側緯糸、複数の前記走行面側緯糸、及び複数の前記経糸によって繰り返しパターンの最小単位である完全組織が形成され、
    前記完全組織において、前記経糸のそれぞれは、前記製紙面側緯糸の製紙面側を通過し、その隣の前記製紙面側緯糸の走行面側かつ前記走行面側緯糸の製紙面側を通過する平織り組織を連続して少なくとも3つ以上備えた平織部を少なくとも1つ有すると共に、前記走行面側緯糸の少なくとも1つの走行面側を通過し、
    任意の前記経糸の前記平織部の前記経糸の延在方向における一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸の前記平織部と相反する側における1本隣の前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの前記経糸の前記平織部の前記経糸の延在方向における他方の端部を構成し、
    前記完全組織の前記製紙面側緯糸の全ては、少なくとも1箇所において、前記平織部の1つにおいて前記経糸が前記製紙面側緯糸の製紙面側を通過する2つの部分の間において、前記経糸の製紙面側を通過することを特徴とする抄紙用織物。
  2. 前記完全組織において、1つの前記製紙面側緯糸に織り込まれて前記平織部を構成する前記経糸の本数は、前記完全組織を構成する前記経糸の総数の1/2よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の抄紙用織物。
  3. 前記完全組織は、16本の前記経糸と、16本の前記製紙面側緯糸と、8本の前記走行面側緯糸とを含み、
    前記経糸のそれぞれの前記平織部は、6本の前記製紙面側緯糸を含み、
    任意の前記経糸の前記平織部の前記一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の2本隣の前記経糸の前記平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする請求項2に記載の抄紙用織物。
  4. 前記完全組織は、16本の前記経糸と、24本の前記製紙面側緯糸と、8本又は16本の前記走行面側緯糸とを含み、
    順に並べたときに奇数番号となる前記経糸及び偶数番号となる前記経糸の一方のそれぞれの前記平織部は、8本の前記製紙面側緯糸を含み、
    前記奇数番号となる前記経糸及び前記偶数番号となる前記経糸の他方のそれぞれの前記平織部は、10本の前記製紙面側緯糸を含み、
    任意の前記経糸の前記平織部の前記一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の1本隣又は3本隣の前記経糸の前記平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする請求項2に記載の抄紙用織物。
  5. 前記完全組織は、16本の前記経糸と、24本の前記製紙面側緯糸と、4本の前記走行面側緯糸とを含み、
    前記経糸のそれぞれの前記平織部は、8本の前記製紙面側緯糸を含む第1平織部、又は10本の前記製紙面側緯糸を含む第2平織部からなり、
    前記第1平織部を有する前記経糸の2本隣の前記経糸は、前記第2平織部を有し、
    任意の前記経糸の前記平織部の前記一方の端部を構成する前記製紙面側緯糸は、前記任意の前記経糸の2本隣の前記経糸の前記平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする請求項2に記載の抄紙用織物。
  6. 前記完全組織は、16本の前記経糸と、48本の前記製紙面側緯糸と、16本の前記走行面側緯糸とを含み、
    前記経糸のそれぞれの前記平織部は、8本の前記製紙面側緯糸を含む第1平織部と、10本の前記製紙面側緯糸を含み、前記第1平織部と離れて配置された第2平織部とを含み、
    任意の前記経糸の前記第1平織部の前記一方の端部は、前記任意の前記経糸の1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの前記経糸の前記第2平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合い、
    任意の前記経糸の前記第2平織部の前記一方の端部は、前記任意の前記経糸の1本隣、2本隣、及び3本隣のいずれかの前記経糸の前記第1平織部の前記他方の端部を構成する前記製紙面側緯糸と隣り合うことを特徴とする請求項2に記載の抄紙用織物。
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