JP2017145731A - 高圧燃料供給ポンプ - Google Patents

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悟史 臼井
菅波 正幸
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正幸 菅波
俊亮 有冨
Toshiaki Aritomi
俊亮 有冨
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Masamichi Yagai
将通 谷貝
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Junji Saito
淳治 斉藤
稔 橋田
Minoru Hashida
橋田  稔
徳尾 健一郎
Kenichiro Tokuo
健一郎 徳尾
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政彦 早谷
淳 伯耆田
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淳 伯耆田
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Abstract

【課題】アンカとロッドを別体としながらも、吸入弁の衝突で発生する衝突音を低減する高圧燃料供給ポンプを提供する。【解決手段】シート部に着座、又は離座することで加圧室の吸入通路を開閉する吸入弁と、前記吸入弁と別体に構成され、前記吸入弁を前記シート部に対して開弁方向に移動させる突起部が形成された第一部材と、前記第一部材と別体に構成され、前記第一部材を開弁方向に移動させる第二部材と、前記第二部材と別体に構成され、前記第二部材が挿入される挿入孔が形成されるとともに、前記第二部材と係合して前記第二部材を閉弁方向に移動させる可動子と、を備えた高圧燃料供給ポンプとした。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に燃料を圧送する高圧燃料供給ポンプに関し、特に吐出する燃料の量を調節する電磁吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプに関する。
自動車等の内燃機関の内、燃焼室内部へ直接的に燃料を噴射する直接噴射タイプの内燃機関において、燃料を高圧化し所望の燃料流量を吐出する電磁吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプが広く用いられている。
特許文献1には、電磁吸入弁を備えた高圧燃料供給ポンプの一例として、電磁力によって運動をする電磁吸入弁の可動部品を2つに分割(アンカーとロッド)し、電磁力を負荷した時に、可動部が固定部(コア)と衝突する際の衝突エネルギーをアンカーのみとすることで、衝突音を低減する構造を有する高圧燃料供給ポンプが記載されている。
特許5537498号公報
しかしながら、上記従来技術においては、高圧燃料供給ポンプが吐出行程に入るべく電流が印加され稼動部(アンカー)と固定部(コア)間に電磁力が負荷されると、吸入弁が閉弁し加圧行程が始まるが、そのとき吸入弁と弁シート部が衝突する。吸入弁の質量が大きいためにこの衝突により発生する衝撃音が大きいと言う問題があった。
さらに加圧行程が終了し吸入行程へ移行するとき、吸入弁が開弁し開弁側のストッパへ衝突するが、やはり吸入弁の質量が大きいために衝撃による音が大きいと言う問題があった。
さらに、吸入弁の質量が大きいために吸入弁の応答性(追従性)が悪く、特に内燃機関(または高圧燃料ポンプ)の駆動速度が速いときに燃料を効率的に加圧することができずに、高圧燃料ポンプのポンプとしての容積効率が悪化すると言う問題があった。
このことから本発明の目的は、アンカとロッドを別体としながらも、吸入弁の衝突で発生する衝突音を低減する高圧燃料供給ポンプを提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、シート部に着座、又は離座することで加圧室の吸入通路を開閉する吸入弁と、前記吸入弁と別体に構成され、前記吸入弁を前記シート部に対して開弁方向に移動させる突起部が形成された第一部材と、前記第一部材と別体に構成され、前記第一部材を開弁方向に移動させる第二部材と、前記第二部材と別体に構成され、前記第二部材が挿入される挿入孔が形成されるとともに、前記第二部材と係合して前記第二部材を閉弁方向に移動させる可動子と、を備えた高圧燃料供給ポンプとした。
これにより、特許文献1のようにアンカとロッドを別体としながらも、吸入弁の開弁側にストッパを設ける必要がなく、吸入弁による開弁衝突による音低減が可能である。本発明のその他の構成、作用、効果については以下の実施例において詳細に説明する。
機構的に一体に構成されたポンプボディ1の具体事例を示した図。 本発明が適用可能な高圧燃料供給ポンプを含む燃料供給システムの全体構成の一例を示す図。 取り付け部150が内燃機関本体に埋め込まれて、固定された状態を示した図。 ポンプ作動における各行程のうち、吸入行程における各部状態を示した図。 ポンプ作動における各行程のうち、吸入行程の吸入弁部周辺の各部状態を示した図。 ポンプ作動における各行程のうち、吐出行程の電磁力作用中における吸入弁周辺の各部状態を示した図。 ポンプ作動における各行程のうち、吐出行程の電磁力作用中における吸入弁周辺の各部状態を示した図。 ポンプ作動における各行程のうち、吐出行程の電磁力作用後における吸入弁周辺の各部状態を示した図。 ポンプ作動における各行程における各部状態などを示したタイムチャート。 本発明が実施された第二実施例による高圧燃料供給ポンプの電磁吸入弁の断面図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明が適用可能な高圧燃料供給ポンプを含む燃料供給システムの全体構成の一例を示す図である。この図を用いて、まず全体システムの構成と動作を説明する。
図2において、破線で囲まれた部分が高圧燃料供給ポンプのポンプボディ1を示し、この破線の中に示されている機構、部品はポンプボディ1に一体に組み込まれていることを示す。ポンプボディ1には、燃料タンク20からフィードポンプ21を経由して燃料が送り込まれ、ポンプボディ1からインジェクタ24の側に高圧化された燃料が送られる。エンジンコントロールユニット27(ECU)は圧力センサ26から燃料の圧力を取り込み、これを最適化すべくフィードポンプ21、ポンプボディ1の内部の電磁コイル43、インジェクタ24を制御する。
図2において、まず燃料タンク20の燃料は、エンジンコントロールユニット27からの制御信号S1に基づきフィードポンプ21によって汲み上げられ、適切なフィード圧力に加圧されて吸入配管28を通してポンプボディ1の低圧燃料吸入口(吸入ジョイント)10aに送られる。低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、圧力脈動低減機構9、吸入通路10dを介して容量可変機構を構成する電磁吸入弁300の吸入ポート31bに至る。なお圧力脈動低減機構9は、エンジンのカム機構(図示せず)により往復運動を行うプランジャ2に連動して圧力を可変とする、環状低圧燃料室7aに連通することで、電磁吸入弁300の吸入ポート31bに吸入する燃料圧力の脈動を低減している。
電磁吸入弁300の吸入ポート31bに流入した燃料は、吸入弁30を通過し加圧室11に流入する。なお吸入弁30の弁位置は、エンジンコントロールユニット27からの制御信号S2に基づき、ポンプボディ1内の電磁コイル43が制御されることで定まる。加圧室11では、エンジンのカム機構(図示せず)により、プランジャ2に往復運動する動力が与えられている。プランジャ2の往復運動により、プランジャ2の下降行程では吸入弁30から燃料を吸入し、プランジャ2の上昇行程では吸入した燃料が加圧され、吐出弁機構8を介して圧力センサ26が装着されているコモンレール23へ燃料が圧送される。この後、エンジンコントロールユニット27からの制御信号S3に基づきインジェクタ24がエンジンへ燃料を噴射する。
なお、加圧室11の出口に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8a、吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8cなどで構成されている。この吐出弁機構8によれば、加圧室11内部圧力が吐出弁8bの下流側の吐出通路12側圧力よりも高く、かつ吐出弁ばね8cが定める抗力に打ち勝つときに吐出弁8bが開放し、加圧室11から吐出通路12側に高圧化された燃料が圧送供給される。
また図2の電磁吸入弁300は、吸入通路31bを開閉する吸入弁30、吸入弁30を付勢する第一部材(先端付勢部33)、を介して吸入弁30を開弁保持する第二部材(ロッド部35)、40はロッド付勢ばね、41はアンカー付勢ばねである。吸入弁30はプレスされた金属板で構成されており、ロッド35によって開弁保持されないときは、吸入弁30それ自体が有するばね定数によって、閉弁する。
この機構によれば吸入弁30は、先端付勢部33とロッド35を介してロッド付勢ばね40により開放方向に駆動されている。吸入弁30の弁位置は、電磁コイル43により制御されている。
このようにポンプボディ1は、エンジンコントロールユニット27が電磁吸入弁300へ与える制御信号S2によりポンプボディ1内の電磁コイル43が制御され、吐出弁機構8を介してコモンレール23へ圧送される燃料が所望の供給燃料となるように燃料流量を吐出する。
またポンプボディ1においては、加圧室11とコモンレール23の間が、リリーフバルブ100により連通されている。このリリーフバルブ100は、吐出弁機構8と並列配置された弁機構である。リリーフバルブ100は、コモンレール23側の圧力がリリーフバルブ100の設定圧力以上に上昇すると、リリーフバルブ100が開弁しポンプボディ1の加圧室11内に燃料が戻されることでコモンレール23内の異常な高圧状態を防止する。
リリーフバルブ100は、ポンプボディ1の吐出弁8bの下流側の吐出通路12と加圧室11とを連通する高圧流路110を形成し、ここに吐出弁8bをバイパスするように設けられたものである。高圧流路110には燃料の流れを吐出流路から加圧室11への一方向のみに制限するリリーフ弁102が設けられている。リリーフ弁102は、押付力を発生するリリーフばね105によりリリーフ弁シート101に押付けられており、加圧室11内と高圧流路110内との間の圧力差がリリーフばね105で定まる規定の圧力以上になるとリリーフ弁102がリリーフ弁シート101から離れ、開弁するように設定されている。
この結果、ポンプボディ1の電磁吸入弁300の故障等によりコモンレール23が異常な高圧となった場合、吐出流路110と加圧室11の差圧がリリーフ弁102の開弁圧力以上になると、リリーフ弁102が開弁し、異常高圧となった燃料は吐出流路110から加圧室11へと戻され、コモンレール23等の高圧部配管が保護される。
図2は高圧燃料供給ポンプを含む燃料供給システムの全体構成の一例を示しており、このうち点線で示した高圧燃料供給ポンプのポンプボディ1が機構的に一体に構成されていることを先に説明した。
図1は、機構的に一体に構成されたポンプボディ1を具体的に示した図である。この図によれば、エンジンのカム機構(図示せず)により往復運動を行うプランジャ2がシリンダ6内に配置され、プランジャ上部のシリンダ6内に加圧室11が形成されている。このプランジャ2の往復運動は図1において上下方向において行われる。
また、図1の中央左側に電磁吸入弁300の機構を配置し、図1の中央右側に吐出弁機構8を配置している。また図1の上部には、燃料吸入側の機構として低圧燃料吸入口10a、圧力脈動低減機構9、吸入通路10dなどを配置している。さらに、図1の中央下部にはプランジャ内燃機関側機構150を示す。プランジャ内燃機関側機構150は、図3に示すように内燃機関本体に埋め込まれて固定される部分であることから、ここでは取り付け部と称することにする。なお、図1の表示断面図では、リリーフバルブ100機構を図示していない。リリーフバルブ100機構は、別角度の表示断面図には表示可能であるが、説明、表示を割愛する。
次に取り付け部の取り付けについて図3で説明する。図3は、取り付け部(プランジャ内燃機関側機構150)が内燃機関本体に埋め込まれて、固定された状態を示したものである。但し図3では取り付け部150を中心として記述しているので、他の部分の記述を割愛している。図3において、90は内燃機関のシリンダヘッドの肉厚部分を示している。内燃機関のシリンダヘッド90には、予め取り付け部取り付け用孔95が形成されている。取り付け部取り付け用孔95は、取り付け部150の形状に合わせて2段の径で構成されており、この取り付け部取り付け用孔95に、取り付け部150が嵌め込まれて配置される。
そのうえで、取り付け部150が内燃機関のシリンダヘッド90に気密に固定される。図3の気密固定配置例では、高圧燃料供給ポンプはポンプボディ1に設けられたフランジ1eを用い内燃機関のシリンダヘッド90の平面に密着し、複数のボルト91で固定される。そのうえで取付けフランジ1eは、溶接部1fにてポンプボディ1に全周を溶接結合されて環状固定部を形成している。本実施例では、溶接部1fの溶接のためにレーザー溶接を用いている。またシリンダヘッド90とポンプボディ1間のシールのためにOリング61がポンプボディ1に嵌め込まれ、エンジンオイルが外部に漏れるのを防止する。
このように気密固定配置された取り付け部150は、プランジャ2の下端2bにおいて、内燃機関のカムシャフトに取り付けられたカム93の回転運動を上下運動に変換し、プランジャ2に伝達するタペット92が設けられている。プランジャ2はリテーナ15を介してばね4にてタペット92に圧着されている。これによりカム93の回転運動に伴い、プランジャ2を上下に往復運動させている。
また、シールホルダ7の内周下端部に保持されたプランジャシール13がシリンダ6の下方部においてプランジャ2の外周に摺動可能に接触する状態で設置されており、環状低圧燃料室7aの燃料をプランジャ2が摺動した場合にでもシール可能な構造とし、外部に燃料が漏れることを防止する。同時に内燃機関内の摺動部を潤滑する潤滑油(エンジンオイルも含む)がポンプボディ1の内部に流入するのを防止する。
図3のように気密固定配置された取り付け部(プランジャ内燃機関側機構150)は、その内部のプランジャ2が内燃機関の回転運動に伴い、シリンダ6内で往復運動をすることになる。プランジャ内燃機関側機構150をプランジャ根部150といっても良い。
この往復運動に伴う各部の働きについて、図1に戻り説明する。図1において、ポンプボディ1にはプランジャ2の往復運動をガイドし、かつ内部に加圧室11を形成するよう上側端部が有底筒型状に形成されたシリンダ6が取り付けられている。さらに加圧室11は燃料を供給するための電磁吸入弁300と加圧室11から吐出通路に燃料を吐出するための吐出弁機構8に連通するよう、外周側に環状の溝6aと、環状の溝6aと加圧室とを連通する複数個の連通穴6bが設けられている。
シリンダ6はその外径において、ポンプボディ1に形成された孔部に対し圧入固定され、ポンプボディ1との隙間から加圧した燃料が低圧側に漏れないよう圧入部円筒面でシールしている。また、シリンダ6の加圧室側外径に小径部6cを有する。加圧室11の燃料が加圧されることによりシリンダ6が低圧燃料室10c側に力が作用するが、ポンプボディ1に小径部1aを設けることで、シリンダ6が低圧燃料室10c側に抜けることを防止している。お互いの面を軸方向に平面に接触させることで、ポンプボディ1とシリンダ6との前記接触円筒面のシールに加え、二重のシールの機能をも果たす。
ポンプボディ1の頭部にはダンパカバー14が固定されている。ダンパカバー14には吸入ジョイント51が設けられており、低圧燃料吸入口10aを形成している。低圧燃料吸入口10aを通過した燃料は、吸入ジョイント51の内側に固定されたフィルタ52を通過し、圧力脈動低減機構9、低圧燃料流路10dを介して電磁吸入弁300の吸入ポート31bに至る。
吸入ジョイント51内の吸入フィルタ52は、燃料タンク20から低圧燃料吸入口10aまでの間に存在する異物を燃料の流れによって高圧燃料供給ポンプ内に吸収することを防ぐ役目がある。
プランジャ2は、大径部2aと小径部2bを有することにより、プランジャの往復運動によって環状低圧燃料室7aの体積は増減を行う。体積の増減分は、燃料通路1d(図3)により低圧燃料室10と連通していることにより、プランジャ2の下降時は、環状低圧燃料室7aから低圧燃料室10へ、上昇時は、低圧燃料室10から環状低圧燃料室7aへと燃料の流れが発生する。このことにより、ポンプの吸入行程もしくは、戻し行程におけるポンプ内外への燃料流量を低減することができ、脈動を低減する機能を有している。
低圧燃料室10には高圧燃料供給ポンプ内で発生した圧力脈動が燃料配管28(図2)へ波及するのを低減させる圧力脈動低減機構9が設置されている。一度加圧室11に流入した燃料が、容量制御のため再び開弁状態の吸入弁体30を通して吸入通路10d(吸入ポート31b)へと戻される場合、吸入通路10d(吸入ポート31b)へ戻された燃料により低圧燃料室10には圧力脈動が発生する。しかし、低圧燃料室10に設けた圧力脈動低減機構9は、波板状の円盤型金属板2枚をその外周で張り合わせ、内部にアルゴンのような不活性ガスを注入した金属ダンパで形成されており、圧力脈動はこの金属ダンパが膨張・収縮することで吸収低減される。9bは金属ダンパをポンプボディ1の内周部に固定するための取付金具であり、燃料通路上に設置されるため、複数の穴を設け前記取付金具9bの表裏に流体が自由に行き来できるようにしている。
加圧室11の出口に設けられた吐出弁機構8は、吐出弁シート8a、吐出弁シート8aと接離する吐出弁8b、吐出弁8bを吐出弁シート8aに向かって付勢する吐出弁ばね8c、吐出弁8bと吐出弁シート8aとを収容する吐出弁ホルダ8dから構成され、吐出弁シート8aと吐出弁ホルダ8dとは当接部8eで溶接により接合されて一体の吐出弁機構8を形成している。なお、吐出弁ホルダ8dの内部には、吐出弁8bのストロークを規制するストッパーを形成する段付部8fが設けられている。
図1において、加圧室11と燃料吐出口12に燃料差圧が無い状態では、吐出弁8bは吐出弁ばね8cによる付勢力で吐出弁シート8aに圧着され閉弁状態となっている。加圧室11の燃料圧力が、燃料吐出口12の燃料圧力よりも大きくなった時に始めて、吐出弁8bは吐出弁ばね8cに逆らって開弁し、加圧室11内の燃料は燃料吐出口12を経てコモンレール23へと高圧吐出される。吐出弁8bは開弁した際、吐出弁ストッパ8fと接触し、ストロークが制限される。したがって、吐出弁8bのストロークは吐出弁ストッパ8dによって適切に決定される。これによりストロークが大きすぎて、吐出弁8bの閉じ遅れにより、燃料吐出口12へ高圧吐出された燃料が、再び加圧室11内に逆流してしまうのを防止でき、高圧燃料供給ポンプの効率低下が抑制できる。また、吐出弁8bが開弁および閉弁運動を繰り返す時に、吐出弁8bがストローク方向にのみ運動するように、吐出弁ホルダ8dの内周面にてガイドしている。以上のようにすることで、吐出弁機構8は燃料の流通方向を制限する逆止弁となる。
次に本発明の主要部である電磁吸入弁300の構造について、図4、図5、図6、図7、図8を用いて説明する。なお図4はポンプ作動における吸入、戻し、吐出の各行程のうち、吸入行程における状態、図5は戻し行程、図6、図7、図8は吐出行程における状態を表している。
まず図4により、電磁吸入弁300側の構造について説明する。電磁吸入弁300側の構造は、吸入弁30を主体に構成された吸入弁部Aと、ロッド35とアンカー36を主体に構成されたソレノイド機構部Bと、電磁コイル43を主体に構成されたコイル部Cに大別して説明するのがよい。
まず吸入弁部Aは、吸入弁30、吸入弁シート31、先端付勢部33からなる。吸入弁30はプレスされた金属板となっており、以下の部分からなる。接合部30bにて吸入弁30が吸入弁シート31に溶接で固定されている。シート部30cは図6、図7にあるように閉弁状態のときに、吸入弁シート31のシート部31aと協働して加圧室11と通路37aの連通・非連通を切り替える。ばね部30dは吸入弁30が図4、図5にあるようにシート部30cが開弁位置にあるとき、図6、図7にあるような閉弁位置の方向へシート部30cを戻そうとするばね力を発生する部位である。シート部30cの最大移動量は30eである。吸入弁シート31は以下の部分からなる。シート部31aは吸入弁30と協働して、加圧室11と通路37aの連通・非連通を切り替える。吸入通路31bは燃料通路37cから加圧室11へ、または加圧室11から燃料通路37cへ燃料が流れるときの燃料通路である。吸入通路31bは吸入弁シート31を吸入弁軸方向(図中、左右方向)に見て、周方向に複数個、設けてある。吸入通路31bを通過した燃料はポンプボディ1に形成された燃料通路32aを通って、加圧室11へ流れる。
摺動ガイド部31cは、先端付勢部33の外周部をガイドして先端付勢部33が吸入弁30の開閉弁方向(図中の左右方向)のみに運動可能に保持する。先端付勢部33は以下の部位からなる。吸入弁接触部33aは吸入弁30と接触して、吸入弁30を開弁状態に保持する。このとき、コイル43には通電されておらず、吸入弁30を開弁方向(図中右方向)に負荷する力はロッド付勢ばね40により発生するばね力のみとなる。ロッド接触部33bはロッド付勢ばね40からの開弁方向の付勢力をロッド35を介して受ける面である。ストッパ部33cは弁シート31と接触しそれ以上の開弁方向(図中右方向)への移動を制限する。吸入弁シート31から先端付勢部33の突出長さ33dは吸入弁30の最大移動量30eより小さく設定する。
この様に吸入弁部Aを構成することで、ポンプの吸入行程において吸入通路31bを通過し内部に入った燃料が、吸入弁30とシート部31aの間を通過しさらにポンプボディ1及びシリンダの通路を通過して加圧室11へ流入する。また、ポンプの吐出行程においては、吸入弁30のシート部30cが吸入弁シート31のシート部31aと接触シールすることで、燃料の入口側への逆流を防ぐ逆止弁の機能を果たす。
吸入行程中の吸入弁30の軸方向の移動量30eは、通路37aから加圧室11へ吸入通路31bを通って流入する燃料により発生する動圧により発生する開弁方向の力とばね部31dによって発生する閉弁方向の力がつりあう位置であり、そのように設計する。
次にソレノイド機構部Bについて述べる。ソレノイド機構部Bは、可動部であるロッド35、アンカー36、固定部であるロッドガイド37、第一コア38、第二コア39、そして、ロッド付勢ばね40、アンカー付勢ばね41からなる。
可動部であるロッド35とアンカー36は、別部材に構成している。ロッド35はロッドガイド37の内周側で軸方向に摺動自在に保持され、アンカー36の内周側は、ロッド35の外周側で摺動自在に保持される。すなわち、ロッド35及びアンカー36共に幾何学的に規制される範囲で軸方向に摺動可能に構成されている。
アンカー36は燃料中で軸方向に自在に滑らかに動くために、部品軸方向に貫通する貫通穴36aを1つ以上有し、アンカー前後の圧力差による動きの制限を極力排除している。
ロッドガイド37は、径方向には、ポンプボディ1の吸入弁が挿入される穴の内周側に挿入され、軸方向には、吸入弁シートの一端部に突き当てられ、ポンプボディ1に溶接固定される第一コア38とポンプボディ1との間に挟み込まれる形で配置される構成としている。ロッドガイド37にもアンカー36と同様に軸方向に貫通する貫通穴(通路37a)が設けられ、アンカーが自在に滑らかに動くことができる様、アンカー側の燃料室の圧力がアンカーの動きを妨げない様に構成している。
第一コア38は、高圧燃料供給ポンプ本体と溶接される部位との反対側の形状を薄肉円筒形状としており、その内周側に第二コア39が挿入される形で溶接固定される。第二コア39の内周側にはロッド付勢ばね40が、細径部をガイドに配置され、ロッド35が吸入弁30と接触し、前記吸入弁が吸入弁シート部31aから引き離す方向、すなわち吸入弁の開弁方向に付勢力を与える。
アンカー付勢ばね41は、ロッドガイド37の中心側に設けた円筒径のガイド部37bに方端を挿入し同軸を保ちながら、アンカー36にロッドつば部35a方向に付勢力を与える配置としている。
アンカー36の移動量36eは先端付勢部33の吸入弁シート31からの突出長さ33dよりも大きく設定される。確実に吸入弁30が閉弁するためである。
ロッド35とロッドガイド37にはお互い摺動するため、またロッド35は吸入弁30と衝突を繰返すため、硬度と耐食性を考慮しマルテンサイト系ステンレスに熱処理を施したものを使用する。アンカー36と第二コア39は磁気回路を形成するため磁性ステンレスを用い、さらにアンカー36と第二コアのそれぞれの衝突面には、硬度を向上させるための表面処理を施している。特には硬質Crめっき等であるがその限りでは無い。ロッド付勢ばね40、アンカー付勢ばね41には耐食性を考慮しオーステナイト系ステンレスを用いる。
上記構成によれば、吸入弁部Aとソレノイド機構部Bには、3つのばねが有機的に配置されて構成されている。吸入弁部Aに構成される吸入弁30のばね部30dと、ソレノイド機構部Bに構成されるロッド付勢ばね40、アンカー付勢ばね41がこれに相当する。
この3つのばね力の関係は、下記の式で構成する。
[数1]
ロッド付勢ばね40力>アンカー付勢ばね41力+吸入弁30のばね部30d力+流体により吸入弁が閉じようとする力 ‥‥(1)
(1)式の関係により、無通電時では、各ばね力により、ロッド35は吸入弁30を吸入弁シート部31aから引き離す方向、すなわち弁が開弁する方向に力f1として作用する。(1)式より、弁が開弁する方向の力f1は下記の(2)式で表現される。
[数2]
f1=ロッド付勢ばね力−(アンカー付勢ばね力+吸入弁付勢ばね力+流体により吸入弁が閉じようとする力) ‥‥(2)
ここで、ロッドガイド37のガイド部37bの直径(内径)は、先端付勢部33のストッパ部33cの外形より小さい。ストッパ部33cは吸入弁シート31と衝突するために、その衝突面積を十分に保持することが出来る。衝突面積が十分でない場合は衝突部で磨耗が発生してストッパ部33cが破損してしまうなどの問題が発生する。または、先端付勢部33の吸入弁シート31からの突出長さ33dが変化してしまい、高圧燃料ポンプの特性が変わってしまうなどの問題が発生する。
アンカー36とロッド35のつば部35aも衝突部材なので、つば部35aの面積も磨耗の観点から十分確保する必要が有る。
さらに、第二コア39とアンカー36は対面する面で前述の様に磁気力を発生するが、この面積は大きいほうが良い。アンカー36の内穴の内径を小さくすることで、この面積を大きくすることが出来る。
以上の様に、ロッド35と先端保持部材33を別体とすることで、各衝突部位の耐磨耗性と第二コア39とアンカー36間で発生する時期力確保と言う二つの課題の両立が可能となる。
最後に、コイル部Cの構成について述べる。コイル部Cは、第一ヨーク42、電磁コイル43、第2ヨーク44、ボビン45、端子46、コネクタ47から成る。ボビン45に銅線が複数回巻かれたコイル43が、第一ヨーク42と第二ヨーク44により取り囲まれる形で配置され、樹脂部材であるコネクタと一体にモールドされ固定される。二つの端子46のそれぞれの方端はコイルの銅線の両端にそれぞれ通電可能に接続される。端子46も同様にコネクタと一体にモールドされ残りの方端がエンジン制御ユニット側と接続可能な構成としている。
コイル部Cは第一ヨーク42の中心部の穴部が、第一コアに圧入され固定される。その時、第二ヨーク44の内径側は、第二コアと接触もしくは僅かなクリアランス近接する構成となる。
第一ヨーク42、第二ヨーク44共に、磁気回路を構成するために、また耐食性を考慮し磁性ステンレス材料とし、ボビン45、コネクタ47は強度特性、耐熱特性を考慮し、高強度耐熱樹脂を用いる。コイルに43は銅、端子46には真鍮に金属めっきを施した物を使用する。
上述の様にソレノイド機構部Bとコイル部Cとを構成することで、図4の矢印部に示す様に、第一コア38、第一ヨーク42、第二ヨーク44、第二コア39、アンカー36で磁気回路を形成し、コイルに電流を与えると、第二コア39、アンカー36間に電磁力が発生し、互いに引き寄せられる力が発生する。第一コア38において、第二コア39とアンカー36とがお互い吸引力を発生させる軸方向部位を極力薄肉にすることで、磁束のほぼ全てが第二コアとアンカーの間を通過するため、効率良く電磁力を得ることができる。
上記電磁力が前記(2)式の弁が開弁する方向の力f1を上回った時に、可動部であるアンカー36がロッド35と共に第二コア39に引き寄せられる運動、またコア39とアンカー36が接触し、接触を継続することを可能とする。
本実施例に係る高圧燃料供給ポンプの上記構成によれば、ポンプ作動における吸入、戻し、吐出の各行程において、各部位は図9の様に作動する。以下、図9に従って各部位の動きについて説明する。
まず吸入行程について説明する。このときの電磁吸入弁300の状態が図4で示される。吸入行程では、図3のカム93の回転により、プランジャ2がカム93方向に移動(プランジャ2が下降)する。つまりプランジャ2の位置が上死点から下死点に移動している。吸入行程状態にある時は、加圧室11の容積は増加し加圧室11内の燃料圧力が低下し、この差圧と、ロッド35により付勢された先端付勢部33による付勢力とにより時刻t1で吸入弁30が開弁方向への移動を開始する。この行程で加圧室11内の燃料圧力が吸入通路10dの圧力よりも低くなると、燃料は、開口状態にある吸入弁30を通り、ポンプボディ1に設けられた連通穴1bと、シリンダ外周通路6a、6bを通過し、加圧室11に流入する。
先端付勢部33のストッパ部33cは弁シート31と衝突して開弁方向への運動を停止するが、このときに、衝突エネルギーに寄与する部材は、先端付勢部33とロッド35のみであり、アンカー36はこの衝突には寄与しない。これによって、衝突音を低減することができる。時刻t2で先端付勢部33のストッパ部33cが弁シート31と衝突してロッド35が開弁位置まで移動すると先端付勢部33とロッド35は停止する。これに対しアンカー36は、当初ロッド35と同速度で吸入弁30開弁方向に移動するが、ロッド35が吸入弁30に接触し停止した時刻t2後でも慣性力で移動を続けようとする。
よってアンカー36はロッド35から離れて、さらに開弁方向に移動し、その後、アンカー付勢ばね41による閉弁方向への付勢力により時刻t3でアンカー36の開弁位置に戻る。図9のOAに示す部分がこのオーバーシュートの領域である。このオーバーシュートは、アンカー付勢ばね41がその慣性力に打ち勝ち、アンカー36は再び第二コア39に近付く方向に移動をし、ロッドつば部35aにアンカー36が押し当てられる形で接触する位置で停止することができる。ロッド35とアンカー36の再接触によるアンカー36の停止時刻がt3で示されている。
停止時刻t3以降の安定状態における時刻t4でのアンカー36、ロッド35、吸入弁30の各位置を示す状態が図4に示されている。この状態では、電磁コイル43は無通電状態を維持したままであり磁気付勢力は作用していない。よって、吸入弁30は、ロッド付勢ばね40の付勢力により、ロッド35・先端付勢部33に押圧された状態であり開弁したままであり、さらに吸入行程中の吸入弁30の軸方向の移動量30eの最大値は、通路37aから加圧室11へ吸入通路31bを通って流入する燃料により発生する動圧の最大値により発生する開弁方向の力とばね部30dによって発生する閉弁方向の力がつりあう位置である。吸入弁シート31から先端付勢部33の突出長さ33dは吸入弁30の最大移動量30eより小さい。このように構成することで、吸入弁30は開弁方向にストッパが無いので、衝突音の発生を抑制できる。
次に戻し行程について説明する。このときの電磁吸入弁300の状態は図5で示される。図9に示すように時刻t5でプランジャ2は下死店から上死点に向かって上昇運動を開始する。戻し行程では、図3のカム93の回転により、プランジャ2が上昇方向に移動する。このとき加圧室11の容積は、プランジャ2における吸入後の圧縮運動に伴い減少する。この状態では、一度加圧室11に吸入された燃料が、再び開弁状態の吸入弁30を通して吸入通路10dへと戻されるので、加圧室の圧力が上昇することは無い。この行程を戻し行程と称する。吸入弁30には閉弁方向(図中左方向)に流体による動圧(流体力)が発生し、図5に示すように吸入弁30は最大移動量30eの位置より閉弁方向へ移動して、先端付勢部33の吸入弁接触部33aと接触し運動を止める。先端付勢部33にはロッド35を介してロッド付勢ばね40のばね力が開弁方向に付加されており、完全に閉弁する事は無い。
戻し行程においては電磁コイル43は非通電状態であるが、この状態からエンジンコントロールユニット27からの制御信号が電磁吸入弁300に送られると時刻t6でコイル43が通電状態となることで、戻し行程から吐出行程に移行する。なお、このときの電磁コイル43に流れる吸引電流は最大駆動電流であり後で流れる保持電流よりも大きい。制御信号が電磁吸入弁300に送られると、コイル部Cにおいて電磁力が発生し、これが各部に作用することになる。電磁力作用時における電磁吸入弁300の各部の位置関係が図6、図7、図8に示されている。
この状態では、第一コア38、第一ヨーク42、第二ヨーク44、第二コア39、アンカー36で磁気回路を形成し、コイルに電流を与えると、第二コア39、アンカー36間に電磁力が発生し、互いに引き寄せられる力が発生する。時刻t7でアンカー36が固定部である第二コア39に吸引されると、アンカー36とロッドつば部35aの係止機構により、ロッド35が吸入弁30から離れる方向に移動する。このとき、吸入弁30のばね部30dによる付勢力と燃料が吸入通路10dに流れ込むことによる流体力が吸入弁30にかかることで、先端付勢部33とともに吸入弁30が閉弁方向に移動して時刻t9で
閉弁する。アンカー36が閉弁方向に移動開始した後には時刻t8でコイル43に流れる駆動電流を最大駆動電流よりも小さい保持電流に落とすことで、吸引は維持するものの消費電力を低減する。なお、先端付勢部33は質量が小さく、吸入弁30の閉弁運動と共に閉弁方向へ移動する。
ここで図6は吸入弁30が完全に閉弁した状態において、先端付勢部33がロッド接触部33bに衝突するより先にアンカー36が第二コア39に吸引された状態を示す。この場合、先端付勢部33がまだ吸入弁30に付勢されていて、ロッド接触部33bとの間に所定の隙間が形成される。すると、吸入弁30により先端付勢部33は閉弁方向への付勢力が与えられているので、図6の状態の後に先端付勢部33は図7に示すようにロッド接触部33bとの間の隙間が無くなるように動き、ロッド接触部33bに衝突する。
一方で吸入弁30が完全に閉弁した状態において、アンカー36が第二コア39に吸引されるのと同時に先端付勢部33がロッド接触部33bとの間の隙間が無い状態で図7に示すように動く場合もある。この場合、ロッド35の閉弁方向への動作が止まると、バネ等で支持されていない先端付勢部33がロッド接触部33bから跳ね返る動きをして、再び、図6に示す位置に戻る、あるいは、図6と図7の間の中間位置に戻るように動く。
閉弁後、加圧室11の燃料圧力はプランジャ2の上昇運動と共に上昇し、燃料吐出口12の圧力以上になると、吐出弁機構8を介して高圧燃料が吐出され、コモンレール23へと供給される。この行程を吐出行程と称する。
吸入弁30をプレスされた金属板することで質量を低減できるので、開閉運動、特に閉弁運動の応答性が良くなる。閉弁運動の応答性が悪いと、加圧行程の開始直前において、吸入弁30が完全に閉弁する前に加圧室11内の燃料が低圧室側に戻ってしまい、高圧燃料ポンプのポンプとしての容積効率が低下する。閉弁運動の応答性が良いと、この低圧側へ戻る燃料が低下するので、容積効率が改善する。
以上から、プランジャ2の圧縮行程(下始点から上始点までの間の上昇行程)は、戻し行程と吐出行程からなる。そして、電磁吸入弁300のコイル43への通電タイミングを制御することで、吐出される高圧燃料の量を制御することができる。電磁コイル43へ通電するタイミングを早くすれば、圧縮行程中の、戻し行程の割合が小さく、吐出行程の割合が大きい。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が少なく、高圧吐出される燃料は多くなる。一方、通電するタイミングを遅くすれば圧縮行程中の、戻し行程の割合が大きく吐出行程の割合が小さい。すなわち、吸入通路10dに戻される燃料が多く、高圧吐出される燃料は少なくなる。電磁コイル43への通電タイミングは、エンジンコントロールユニット27からの指令によって制御される。
以上のように構成することで、電磁コイル43への通電タイミングを制御することで、高圧吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することが出来る
加圧行程中のアンカー36については、第二コア39に衝突し停止する。ロッド35はアンカー36停止後も慣性力で運動を続けるが、ロッド付勢ばね40が慣性力に打ち勝ち押し戻され、つば部35aがアンカーに接触する位置まで戻ることができる構成としている。
アンカー36が第二コア39に衝突する時には異音の問題が発生する。異音の大きさは前記衝突時のエネルギーの大きさに起因するが、ロッド35とアンカー36とを別体に構成しているために、第二コア39に衝突するエネルギーは、アンカー36の質量のみで発生することとなる。すなわちロッド35の質量は衝突エネルギーに寄与しないため、ロッド35とアンカー36とを別体に構成することで、異音の問題を低減している。
一度アンカー36が第二コア39に接触した時刻t8後は、接触することにより十分な磁気吸引力が発生しているため、接触を保持するためだけの小さな電流値(保持電流)とすることができる。
吐出行程開始後に、省電力の観点からコイルに与える電力を削減することが望ましいため、時刻t10でコイルに与える電流を切断する。これにより電磁力が付加されなくなり、アンカー36、先端付勢部33及びロッド35が、ロッド付勢ばね40とアンカー付勢ばね41の合力により、第二コア39から離れる方向へ移動する。吸入弁30は加圧室11内の高圧によって閉弁位置に圧着されており、先端付勢部33・ロッド35は閉弁状態の吸入弁30に衝突した位置で停止する。
先端付勢部33、ロッド35とアンカー36は電流切断後同時に移動するが、ロッド35が閉弁している吸入弁30とが接触した状態で停止した後も、アンカー36は慣性力で吸入弁30方向へ移動を続けようとする。図9のOBの状態である。アンカー付勢ばね41が慣性力に打ち勝ち、アンカー36に第二コア39方向に付勢力を与えるため、アンカー36はロッド35のつば部35aに接触した状態で停止することができる。図8はこの状態について示す図である。
以上のように本実施例の高圧燃料供給ポンプは、シート部31aに着座、又は離座することで加圧室の吸入通路(31b、32a)を開閉する吸入弁30と、吸入弁30と別体に構成され、吸入弁30をシート部31aに対して開弁方向に移動させる突起部が形成された第一部材(先端付勢部33)と、第一部材(先端付勢部33)と別体に構成され、第一部材(先端付勢部33)を開弁方向に移動させる第二部材(ロッド部35)と、を備えている。そして、高圧燃料供給ポンプは、第二部材(ロッド部35)と別体に構成され、第二部材(ロッド部35)が挿入される挿入孔が形成されるとともに、第二部材(ロッド部35)と係合して第二部材(ロッド部35)を閉弁方向に移動させる可動子(アンカー36)と、を備えた。
また、先端付勢部33の突起部の外径はアンカ−36に形成されたロッド部35を通す挿入孔の外径よりも大きくなる。これにより、特許文献1のようにアンカとロッドを別体としながらも、吸入弁の開弁側にストッパを設ける必要がなく、吸入弁による開弁衝突による音低減が可能である。なお、ロッド部35はアンカー36の挿入孔に挿入して組み付けるため、ロッド部35の加圧室側先端部を外周側に突出させてストッパ機能を持たせようとすると、この突出部に合わせてアンカー36の挿入孔を形成する必要が生じる。しかし、この場合、アンカー36の挿入孔内周面とロッド部35の外周面との間に隙間ができてしまうため、ロッド部35の動作が不安定になる虞がある。そこで本実施例では上記したように、アンカー36と先端付勢部33とロッド部35とを別体にすることで、この問題を解決し、ロッド部35の動作を基本的には吸入弁軸方向のみとして、その動作を安定させることができる。
また本実施例での高圧燃料供給ポンプは、通路37aよりも内周側に第二部材(ロッド部35)が挿入される挿入孔(ロッドガイド37b)が形成され、挿入孔(ロッドガイド37b)により第二部材(ロッド部35)をガイドするロッドガイド37と、を備えた。また、先端付勢部33の突起部の外径は挿入孔(ロッドガイド37b)の外径よりも大きくなる。
これにより、ロッド35、アンカー36の動きがガイドされガイド方向にのみ運動を制限でき流量を正確に制御できる。なお、ロッド部35はロッドガイド37の挿入孔(ロッドガイド37b)に挿入して組み付けるため、ロッド部35の加圧室側先端部を外周側に突出させてストッパ機能を持たせようとすると、この突出部に合わせて挿入孔(ロッドガイド37b)を形成する必要が生じる。しかし、この場合、挿入孔(ロッドガイド37b)の挿入孔内周面とロッド部35の外周面との間に隙間ができてしまうため、ロッド部35をガイドすることができなくなる。そこで本実施例では上記したように、先端付勢部33とロッド部35とを別体にすることで、この問題を解決し、ロッドガイド37bによりロッド部35を安定してガイドすることができる。
また、先端付勢部33の開弁方向への動きを規制する吸入弁シート31(ストッパ部)を備え、先端付勢部33の突起部のストッパ部33cが吸入弁シート31(ストッパ部)にぶつかった状態で吸入弁30は、少なくともシート部31aからの先端付勢部33の突出長さ33dの分だけ開弁方向にストロークする。吸入弁シート31(ストッパ部)は先端付勢部33の円筒部が挿入される挿入孔が形成されている。また先端付勢部33の突起部のストッパ部33cの開弁方向の側には複数の孔31bが形成された吸入弁30が取り付けられ、先端付勢部33が開弁方向に移動して吸入弁30を開弁方向に付勢することで吸入弁30が開弁して複数の孔31bにより流路が形成される。
吸入弁シート31(ストッパ部)はプレスされた金属板により構成することで安価に製造することが可能である。また図5に示すように先端付勢部33が開弁方向に移動して吸入弁30を開弁方向に付勢した状態で、吸入弁30は開弁方向において何れの部品とも非接触である。つまり、吸入弁30のうち先端付勢部33により変形した部位は開弁方向において何れの部品とも非接触である。よって、吸入弁30の開弁方向への動きを規制するストッパが必要ないため、吸入弁30とストッパとの衝突音を無くすことができる。またストッパを不要とするため、部品点数を低減することが可能である。
また、吸入弁30はプレスされた薄い金属板により構成され、これは吸入弁シート31(ストッパ部)の吸入弁軸方向の厚みよりも薄い。これにより、吸入弁の閉弁時に発生する衝突音を低減可能となる。
以上の通り、本実施例によれば、高圧燃料供給ポンプが吐出行程に入るべく電流が印加され稼動部(アンカー)と固定部(コア)間に電磁力が負荷されると、吸入弁が閉弁し加圧行程が始まり、稼動部(アンカー)と固定部(コア)が衝突する。第二部材(ロッド)の質量は衝撃に寄与せず、でこの衝突により発生する衝撃音を小さくできる。そして、そのとき吸入弁と弁シート部が衝突するが、吸入弁の質量が小さいので、衝突により発生する衝撃音を小さく出来る。
さらに、加圧行程が終了し吸入行程へ移行するとき、吸入弁が開弁するが開弁側のストッパは設けていないので、やはり吸入弁のストッパに衝突することによる衝撃音を発生しないようにできる。
実施例1では、先端付勢部33にストッパ部を設けてロッド35の開弁方向への運動を規制していた。本実施例では、これをアンカー36とロッドガイド37bを衝突させて運動を規制する。図10に、実施例2の構造を示す実施例1に対して、ロッド25と先端付勢部33が一体構造となっている。
以上のように本実施例の高圧燃料供給ポンプは、シート部31aに着座、又は離座することで加圧室の吸入通路(31b、32a)を開閉する吸入弁30と、吸入弁30と別体に構成され、吸入弁30をシート部31aに対して開弁方向に移動させるロッド部35と、を備えている。そして、高圧燃料供給ポンプは、ロッド部35と別体に構成され、前記ロッド部が挿入される挿入孔が形成されるとともに、ロッド部35の係合部35aと係合してロッド部35を閉弁方向に移動させる可動子(アンカー36)と、可動子(アンカー36)とロッド部35との係合部35aよりも開弁方向側にアンカー36の開弁方向への移動を規制するストッパ部を設けた。図10に示すようにロッド部35が挿入される挿入孔(ガイド部37b)が形成され、挿入孔(ガイド部37b)によりロッド部35をガイドするロッドガイド37を備え、ロッドガイド37の閉弁方向端部(図中、左方向端部)によりアンカー36のストッパ部を構成すると良い。
それ以外の構成については実施例1と同様であるため、説明を省略する。磁気保持力の確保、各部衝突部の磨耗、などの問題は実施例1と同様に解決できる。衝突音に関しても、吸入弁30の衝突によって発生する音、アンカー36と第二コア39の衝突により発生する音の低減は実施例1と同じ効果が望める。
1:ポンプ本体
2:プランジャ
6:シリンダ
7:シールホルダ
8:吐出弁機構
9:圧力脈動低減機構
10a:低圧燃料吸入口
11:加圧室
12:燃料吐出口
13:プランジャシール
30:吸入弁
31:吸入弁シート
33:先端付勢部
35:ロッド
36:アンカー
38:第一コア
39:第二コア
40:ロッド付勢ばね
41:アンカー付勢ばね
43:電磁コイル
300:電磁吸入弁

Claims (15)

  1. シート部に着座、又は離座することで加圧室の吸入通路を開閉する吸入弁と、
    前記吸入弁と別体に構成され、前記吸入弁を前記シート部に対して開弁方向に移動させる突起部が形成された第一部材と、
    前記第一部材と別体に構成され、前記第一部材を開弁方向に移動させる第二部材と、
    前記第二部材と別体に構成され、前記第二部材が挿入される挿入孔が形成されるとともに、前記第二部材と係合して前記第二部材を閉弁方向に移動させる可動子と、を備えた高圧燃料供給ポンプ。
  2. シート部に着座、又は離座することで加圧室の吸入通路を開閉する吸入弁と、
    前記吸入弁と別体に構成され、前記吸入弁を前記シート部に対して開弁方向に移動させる突起部が形成された第一部材と、
    前記第一部材と別体に構成され、前記第一部材を開弁方向に移動させる第二部材と、
    前記第二部材が挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔により前記第二部材をガイドするガイド部と、を備えた高圧燃料供給ポンプ。
  3. 請求項1に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記突起部の外径は前記可動子に形成された前記挿入孔の外径よりも大きくなるように構成された高圧燃料供給ポンプ。
  4. 請求項2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記突起部の外径は前記ガイド部に形成された前記挿入孔の外径よりも大きくなるように構成された高圧燃料供給ポンプ。
  5. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記第一部材の開弁方向への動きを規制するストッパ部を備え、前記第一部材の突起部が前記ストッパ部にぶつかった状態で前記吸入弁は、少なくとも前記シート部からの前記先端付勢部の突出長さの分だけ開弁方向にストロークする高圧燃料供給ポンプ。
  6. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記第一部材の開弁方向への動きを規制するストッパ部を備え、前記ストッパ部は前記第一部材の円筒部が挿入される挿入孔が形成された高圧燃料供給ポンプ。
  7. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記第一部材の開弁方向への動きを規制するストッパ部を備え、前記ストッパ部の開弁方向の側には複数の孔が形成された前記吸入弁が取り付けられ、前記第一部材が開弁方向に移動して前記吸入弁を開弁方向に付勢することで前記複数の孔により流路が形成された高圧燃料供給ポンプ。
  8. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記第一部材の開弁方向への動きを規制するストッパ部を備え、ストッパ部はプレスされた金属板により構成された高圧燃料供給ポンプ。
  9. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記ストッパ部の開弁方向の側には複数の孔が形成された前記吸入弁が取り付けられ、前記第一部材が開弁方向に移動して前記吸入弁を開弁方向に付勢した状態で、前記吸入弁は開弁方向において何れの部品とも非接触である高圧燃料供給ポンプ。
  10. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記ストッパ部の開弁方向の側には複数の孔が形成された前記吸入弁が取り付けられ、前記第一部材が開弁方向に移動して前記吸入弁を開弁方向に付勢した状態で、前記吸入弁のうち前記第一部材により変形した部位は開弁方向において何れの部品とも非接触である高圧燃料供給ポンプ。
  11. 請求項1又は2に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記ストッパ部の開弁方向の側には複数の孔が形成された前記吸入弁が取り付けられ、前記第一部材が開弁方向に移動して前記吸入弁を開弁方向に付勢した状態で、前記吸入弁は開弁方向において何れの部品とも非接触であり、かつ前記吸入弁はプレスされた金属板により構成された高圧燃料供給ポンプ。
  12. シート部に着座、又は離座することで加圧室の吸入通路を開閉する吸入弁と、
    前記吸入弁と別体に構成され、前記吸入弁を前記シート部に対して開弁方向に移動させるロッド部と、
    前記ロッド部と別体に構成され、前記ロッド部が挿入される挿入孔が形成されるとともに、前記ロッド部と係合して前記ロッド部を閉弁方向に移動させる可動子と、
    前記可動子と前記ロッド部との係合部よりも開弁方向側に前記可動子の開弁方向への移動を規制するストッパ部を設けた高圧燃料供給ポンプ。
  13. 請求項12に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記ロッド部が挿入される挿入孔が形成され、前記挿入孔により前記ロッド部をガイドするガイド部を備え、当該ガイド部により前記ストッパ部を構成した高圧燃料供給ポンプ。
  14. 請求項12に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記ロッド部の開弁方向の側には複数の孔が形成された前記吸入弁が取り付けられ、前記ロッド部が開弁方向に移動して前記吸入弁を開弁方向に付勢した状態で、前記吸入弁のうち前記ロッド部により変形した部位は開弁方向において何れの部品とも非接触である高圧燃料供給ポンプ。
  15. 請求項12に記載の高圧燃料供給ポンプにおいて、
    前記ロッド部の開弁方向の側には複数の孔が形成された前記吸入弁が取り付けられ、前記ロッド部が開弁方向に移動して前記吸入弁を開弁方向に付勢した状態で、前記吸入弁は開弁方向において何れの部品とも非接触であり、かつ前記吸入弁はプレスされた金属板により構成された高圧燃料供給ポンプ。
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