JP2017145733A - 風力発電装置および風力発電装置の制御方法 - Google Patents

風力発電装置および風力発電装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
過回転を検出して素早く抑制することで、安定した発電を可能にする風力発電装置を提供する。
【解決手段】
風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置であって、前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記ロータまたは前記機器の回転速度が定格回転速度以上の所定値を超えた場合、当該制御装置の応答特性を向上させる様に、前記制御装置の回転速度制御係数を変化させることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、風力発電装置に係り、特にロータの過回転を抑制する風力発電装置に関する。
近年、環境保護の面から、二酸化炭素の排出による地球温暖化や、化石燃料の枯渇等が問題視されている。そこで、化石燃料を使用せず、また、二酸化炭素の排出を抑えられる発電装置として、風力や太陽光などの自然から得られる再生可能エネルギーを利用した発電装置が注目を浴びている。
再生可能エネルギーを利用した発電装置の中では、太陽光発電装置が一般的であるが、日射によって直接的に出力が変化するため、出力変動が大きく、夜間は発電できない。それに対して風力発電装置は、風速や風向などの風況が安定した場所を選んで設置することで、昼夜を問わず比較的安定な発電が可能である。また、陸上よりも高風速で風況変化が少ない洋上に設置することも可能であるため、注目されている。
風況変化の少ない場所に設置された風力発電装置でも、天候の悪化等によって風向や風速が大幅に変化する場合があり、そのような場合でも極力安定した発電を継続する必要がある。このような風向や風速が大幅に変化する場合に問題になるのが、風力発電装置のロータや発電機等の回転系の回転速度を制御しきれず、定格回転速度を超えて過回転になることであり、装置に過大な負荷を与えることになる。さらに、過回転状態が継続して回転速度が所定値を超えると、装置保護のためのシャットダウン動作に移行するため、発電を継続できなくなる。
このような過回転の問題に対して、例えば特許文献1では、突風による加速度を抑制する制御方法として、「風車に連結された発電機を、風車の回転速度に応じてコンバータにより制御し、コンバータの出力を任意の電圧と周波数に変換して電力系統へ出力するインバータを備えた風力発電方法において、前記風車の回転速度の速度変化率を検出し、速度変化率と予め設定された過速抑制開始変化率の変化率偏差を求め、過速抑制トルク演算部によって変化率偏差>過速抑制開始変化率ときにPI演算を実行して過速抑制トルクを生成し、変化率偏差<過速抑制開始変化率のとき過速抑制トルクをゼロとし、生成された過速抑制トルクと風車コントローラからのトルク指令の加算値をコンバータへのトルク指令としたこと特徴とした風車の過速抑制制御方法。」が開示されている。
また、特許文献2では、過大風速時にブレーキなどを用いずに回転を減速する制御方法として、「風車と、発電機と、発電機の回転に応じた保護トルク指令パターンを有して発電機の制御を行うコンバータと、前記コンバータの出力を所定の電圧と周波数に変換して系統へ出力するインバータと、を備えた風力発電装置の発電機制御方法であって、前記発電機の回転に応じて決まる前記保護トルク指令パターンを決める要素としてゲインKを含み、速度ωの関数f(ω)との積として、トルク指令T_ref=K・f(ω)で与えられる構成において、所定のレベルに満たない風速で平常に運転する場合は平常時用のゲインKnormで運転し、風速がある所定のレベルを超えた場合に、前記所定のレベルを超えたことを判定し、前記所定のレベルを超えたと判断した場合には、前記保護トルク指令パターンを決めるゲインを所定の変化量で増加させ、前記ゲインを上昇させたことにより回転数が低下し、前記発電機トルクが所定のレベルより小さくなったと判断した場合に、その時点でゲインの大きさでゲインを固定し運転を継続することを特徴とする風力発電装置の発電機制御方法。」が開示されている。
特開2013−233045号公報 特開2006−296189号公報
しかしながら、特許文献1の風車の過速抑制制御方法では、突風等の風速が急速に変化した場合に動作するため、急速ではない風速や風向の変化によって発生する過回転に対応することは困難である。また、過回転時以外の突風にも対応するため、必要以上に速度制御を行うことで制御が振動的になり荷重が増大する可能性がある。
特許文献2の風力発電装置の発電機制御方法では、過大風速時に風速と回転速度の関係を決定するトルク指令パターンを決めるゲインKを上げ、風速に対する回転速度を低減させて過回転を抑制することで、ブレーキやブレードのピッチ角調整装置が不要になる。ただし、高風速域でのピッチ角調整装置等による一定回転速度制御ができないため、発電可能な風速の範囲が狭くなり、高風速域での発電効率が低下する。また、ゲインKの増減は上記のように過回転抑制の応答性を変化させるものではなく、過回転抑制の応答性については特に考慮されていないため、風速が急激に変化した場合に過回転抑制が遅れる可能性がある。
本発明の目的は、過回転を検出して素早く抑制することで、安定した発電を可能にする風力発電装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置であって、前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記ロータまたは前記機器の回転速度が定格回転速度以上の所定値を超えた場合、当該制御装置の応答特性を向上させる様に、前記制御装置の回転速度制御係数を変化させることを特徴とする。
また、本発明は、風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置の制御方法であって、前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度および目標回転速度から回転速度偏差を算出し、前記ロータまたは前記機器の回転速度から回転速度制御係数を算出し、前記回転速度偏差および前記回転速度制御係数に基づき、前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする。
また、本発明は、風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置の制御方法であって、前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度および目標回転速度から目標回転速度調整値を算出し、前記ロータまたは前記機器の回転速度および前記目標回転速度調整値から回転速度偏差を算出し、前記回転速度偏差に基づき、前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする。
本発明によれば、過回転を検出して素早く抑制することで、安定した発電を可能にする風力発電装置を実現できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る風力発電装置の構成概要を示す図である。 風力発電装置における発電電力、発電機回転速度、発電機トルク、およびピッチ角の関係の一例を示す概略図である。 実施例1に係る風力発電装置の回転速度制御装置の概要を示すブロック図である。 実施例1に係る回転速度と制御ゲインの関係の一例を示す概略図である。 実施例1に係る回転速度と制御ゲインの関係の他の例を示す概略図である。 実施例1に係る本発明適用有無における風速、回転速度、および制御ゲインの関係を示す概略図である。 実施例2に係る風力発電装置の回転速度制御装置の概要を示すブロック図である。 実施例2に係る回転速度と目標回転速度調整値の関係の一例を示す概略図である。 実施例2に係る本発明適用有無における風速、回転速度、および目標回転速度調整値の関係を示す概略図である。 実施例1に係る風力発電装置の回転速度制御方法を示すフローチャートである。 実施例2に係る風力発電装置の回転速度制御方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図6を用いて、実施例1における風力発電装置について説明する。図1は、本発明を適用可能な風力発電装置全体の概略構成図である。
図1の風力発電装置1は、回転軸(図では省略)を有するハブ2と、ハブ2に取付けられた複数のブレード3とで構成される、回転可能なロータ4を備えている。ロータ4は、図示しない回転軸を介してナセル5により回転可能に支持されており、ロータ4の回転力をナセル5内の発電機6に伝達するようになっている。ブレード2が風を受けることでロータ4が回転し、ロータ4の回転力で発電機6を回転させて電力を発生させている。
発電機6内には、発電機トルクQを調整可能な発電機トルク調整装置7を備えており、発電機トルクQを変更することで、ロータ4や発電機6の回転速度Wや風力発電装置1の発電電力Pを制御すること可能である。
個々のブレード3は、風に対するブレード3の角度(ピッチ角)を調整可能なピッチ角調整装置8を備えており、このピッチ角を変更することによりブレード3の受ける風力(風量)を調整して、風に対するロータ4の回転エネルギーを変更するようになっている。これにより、広い風速領域において回転速度W及び発電電力Pを制御することが可能となっている。
風力発電装置1において、ナセル5はタワー9上に設置されており、タワー9に対して回転可能な機構(図では省略)を有している。タワー9は、ハブ2やナセル5を介してブレード3の荷重を支持するようになっており、地上または洋上等の所定位置に設置された基部(図では省略)に固定されている。
風力発電装置1はコントローラ10を備えており、回転速度Wに基づいてコントローラ10で発電機トルク調整装置7とピッチ角調整装置8を調整することで、風力発電装置1の発電電力Pや回転速度Wを調整する。回転速度Wは、ロータ4や発電機6に備えられた回転速度センサ(図では省略)で測定することができ、また、ロータ4に備えられたブレード3の回転位置(アジマス角)を検出するセンサ出力(図では省略)の角度値から算出することも可能である。
なお、風力発電装置1は、風向や風速を計測する風向風速センサ(図では省略)や、発電機が出力する有効電力を計測する電力センサ(図では省略)等も、適宜所定位置に備えている。
図1では、コントローラ10はナセル5またはタワー9の外部に設置するように図示されているが、ナセル5またはタワー9の内部に配置してもよく、風力発電装置1の外部に設置することも可能である。
図2に、風力発電装置1の発電動作概要を示す。図2は、風速Vに対する発電電力P、発電機の回転速度W、発電機トルクQおよびピッチ角Θの関係を示しており、この図を用いて風力発電装置1の発電動作概要を説明する。各グラフの横軸は風速Vを示し、右側に行くほど風速が速くなる。また、各グラフの縦軸は上方に行くほど発電電力P、回転速度W、発電機トルクQの各値が大きくなることを示している。ピッチ角Θに関しては、上方がフェザー(風を逃がす)側、下方がファイン(風を受ける)側となる。
発電は、ロータ4の回転を開始するカットイン風速Vinから回転を停止するカットアウト風速Voutの範囲で行われ、風速Vdまでは風速Vの増加に伴って発電電力値Pも増加するが、それ以上の風速では発電電力Pは一定となる。
コントローラ10では、カットイン風速Vinから風速Vaまでは回転速度Wが一定(Wlow)になるように発電機トルクQを制御し、回転速度Wが定格回転速度Wrat以下となる風速Vaから風速Vbまでの範囲では、風速Vに対する発電電力Pが最大になるように回転速度Wから発電機トルクQを算出して制御を行う。風速Vbを超えて回転速度Wが定格回転速度Wratに達したら、定格回転速度Wratを維持するように発電機トルクQ及びピッチ角Θを制御する。基本的には、発電電力Pを確保するために、発電機トルクQの制御を行う。発電機トルクQの制御では、風速Vbから風速Vdの範囲で、風速Vに応じて発電機トルクQを定格発電機トルクQratになるまで変化させ、風速Vdからカットアウト風速Voutまでの範囲では、定格発電機トルクQratを保持する。
ピッチ角の制御では、風速Vcまではピッチ角Θをファイン側Θminに保持し、風速VcからカットアウトVoutの範囲で、風速Vに応じてピッチ角Θをファイン側Θminからフェザー側Θmaxまで変化させる。ただし、図2の例においては、風速Vcから風速Vdの範囲で発電機トルクQとピッチ角Θの制御をオーバラップさせているが、これはVc=Vdとしてオーバラップをなくし、発電機トルクQの制御とピッチ角Θの制御を独立に実行させるようにしてもよい。
本発明は、図2に示すような風速Vb以上の一定回転速度Wratで発電運転を行っている際に、急激に風速が増大する等で回転速度Wが定格回転速度Wratを大幅に超える過回転状態が発生した際に、過回転状態を検出して、発電機トルク制御やピッチ角制御等の回転速度Vの制御の応答性を向上させて、過回転状態をすばやく抑制するものである。
図3は、本発明の実施例1における風力発電装置1の回転速度制御装置300の概要を示すブロック図である。実施例1の回転速度制御装置300は、減算手段301、発電機トルク制御手段302、ピッチ角制御手段303、制御ゲイン調整手段304、発電機トルク調整装置7およびピッチ角調整装置8から構成される。なお、減算手段301、発電機トルク制御手段302、ピッチ角制御手段303および制御ゲイン調整手段304は、コントローラ10内に設けられている。
減算手段301によって、目標回転速度Wdemと回転速度Wから回転速度偏差Wdifを算出し、発電機トルク制御手段302およびピッチ角制御手段303に入力する。発電機トルク制御手段302では、回転速度偏差Wdifから発電機トルク目標値Qdemを算出して発電機トルク調整装置7に入力し、発電機トルクQを制御する。また、ピッチ角制御手段303では、回転速度偏差Wdifからピッチ角目標値Θdemを算出してピッチ角調整装置8に入力し、ピッチ角Qを制御する。
さらに、制御ゲイン調整手段304では、回転速度Wの値に基づいて発電機トルク制御ゲインGctおよびピッチ角制御ゲインGcpを決定して出力し、発電機トルク制御手段302およびピッチ角制御手段303の応答性を変化させる。なお、目標回転速度Wdemは、一般的には定格回転速度Wratとなるが、状況等に応じて別の値を設定することも可能である。
図4に、実施例1における回転速度Wと制御ゲインGcの関係の一例を示す。図4の横軸は回転速度W、縦軸は回転速度Wに基づいて制御ゲイン調整手段304が決定する制御ゲインGcを示す。回転速度Wが過回転速度閾値Wthr以下では制御ゲインGcは一定(Gnrm)であるが、過回転速度閾値Wthrを超えると制御ゲインGcは一定の比率で増加するようになっている。なお、回転速度Wが増大してシャットダウン回転速度Wsdnを超えると、装置保護のために発電を停止してシャットダウン動作に移行するため、制御ゲインの増加はその時点で停止させ、シャットダウン動作に合せた制御ゲインGcに設定する。
制御ゲインGcとしては、制御系のループゲインの他に、制御系の個々の構成要素のゲイン、例えばPI(比例−積分)制御であれば比例ゲインや積分ゲインを対象として、回転速度制御の応答性が向上する値に変更するようにしてもよい。
通常の回転制御状態では、回転制御が不安定になって振動的になり、疲労荷重等が増大することを避けるため、安定性を重視して制御ゲインを決定している。そのため、過回転状態になったときの応答が遅くなり、場合によっては回転速度Wがシャットダウン回転速度Wsdnを超えてシャットダウン動作に移行し、発電が停止してしまう。
そこで、本実施例では、図4に示すように過回転速度閾値Wthrで過回転状態を検出し、回転速度Wが過回転速度閾値Wthr超えた場合には、回転速度Wに基づいて制御ゲインGcを増加させることで、回転速度制御の応答性を向上させて、過回転状態の抑制を図ることができる。なお、通常の回転制御状態への干渉を避けるために、過回転速度閾値Wthrは定格回転速度Wrat以上の値に設定する。図4では、通常の回転制御状態での回転速度変動範囲を避けるように、過回転速度閾値Wthrを定格回転速度Wratより若干大きな値に設定している。
図5は、実施例1における回転速度Wと制御ゲインGcの関係の他の例を示したものである。図4と同様に、横軸は回転速度W、縦軸は回転速度Wに基づいて制御ゲイン調整手段304が決定する制御ゲインGcを示す。図5では、過回転速度閾値Wthrと定格回転速度Wratを一致させているが、過回転速度閾値Wthrの近傍では制御ゲインGcの増加率を抑えるような増加曲線とすることで、通常の回転制御状態への干渉を低減させ、かつ過回転状態の制御へスムーズに移行させている。
なお、図3では、発電機トルク制御ゲインGctとピッチ角制御ゲインGcpを分けているが、これは同じ値を使用するようにしてもよいし、個々の要素ごとに異なった回転速度Wと制御ゲインGcの関係を使用して決定するようにすることもできる。
また、回転速度Wと制御ゲインGcの関係は上記の例に限定されるものではなく、例えば、制御ゲインGcがステップ状や階段状に変化するものでもよい。つまり、回転速度制御装置300は、ロータ4または発電機6などの機器の回転速度Wが定格回転速度以上の所定値(Wthr)を超えた場合、回転速度Wの増減に対応して制御ゲイン(発電機トルク制御ゲインGct,ピッチ角制御ゲインGcp)などの回転速度制御係数を変化させることで、回転速度制御の応答性を向上させる。
図10のフローチャートを用いて、上記で説明した本実施例の風力発電装置の制御方法を順に説明する。
先ず、風力発電装置1のロータ4または発電機6の回転数(回転速度W)のデータを取得する。風力発電装置1のロータ4や発電機6に回転数計測装置や回転速度計測装置が設置されている場合は、それらの計測装置からデータを取得する。また、風力発電装置1の電力出力値などから演算によりデータを取得することも可能である。(ステップS1)
続いて、ステップS1で取得したデータ(回転速度W)と、風力発電装置の過去の稼働データベースなどに基づき予め設定した過回転速度閾値(Wthr)を比較判定する。(ステップS2)
回転速度Wが過回転速度閾値(Wthr)以下の場合、すなわちW≦Wthrの場合、風力発電装置1は定常時の運転制御を継続する。一方、回転速度Wが過回転速度閾値(Wthr)を越えた場合、すなわちW>Wthrの場合、ステップS3およびステップS4へ移行する。
ステップS3では、回転速度Wおよび目標回転速度(Wdem)から回転速度偏差(Wdif)を算出する。(ステップS3)また、ステップS4では、回転速度Wから制御ゲイン(回転速度制御係数)を算出する。(ステップS4)
次に、ステップS3で算出した回転速度偏差(Wdif)およびステップS4で算出した制御ゲイン(回転速度制御係数)から、発電機トルク目標値(Qdem)およびピッチ角目標値(Θdem)を算出する。(ステップS5)
続いて、発電機トルク目標値(Qdem)およびピッチ角目標値(Θdem)に基づき、発電機6の発電機トルク、ブレード3のピッチ角を調整する。(ステップS6)これにより、ロータ4や発電機6の回転数(回転速度W)を制御する。
図6は、実施例1における発明の効果を示す概要図である。図6の横軸は時刻Tを示し、縦軸は図上方より風速V、回転速度W、および制御ゲインGcを示す。また、図6の回転速度Wおよび制御ゲインGcに示す破線は、本発明を適用しない場合の結果であり、実線が本発明を適用した場合の結果を示している。
図6は、時刻T1からT4の間に風速Vが一時的に増大する例であり、風速Vの増大に伴って時刻T2において回転速度Wが過回転速度閾値Wthrを超える。本発明を適用しない場合には、回転速度制御の応答性が遅いため、回転速度Wは風速Vの増大に伴って増加し、シャットダウン回転速度Wsdnを超えてしまい、その時点でシャットダウン動作に移行して発電は停止する。
それに対して、本発明を適用した場合には、回転速度Wが過回転速度閾値Wthrを超えている時刻T2からT3の期間に制御ゲインGcが回転速度Wに伴って増加し、回転速度制御の応答性の向上によって過回転状態を抑制するため、シャットダウン動作に移行せずに発電を継続することができる。
図7から図9を用いて、実施例2における風力発電装置について説明する。なお、実施例1と重複する点については詳細な説明を省略する。
図7は、本発明の実施例2における風力発電装置1の回転速度制御装置700の概要を示すブロック図である。実施例2の回転速度制御装置700は、減算手段701、発電機トルク制御手段702、ピッチ角制御手段703、目標回転速度調整手段704、発電機トルク調整装置7およびピッチ角調整装置8から構成される。なお、減算手段701、発電機トルク制御手段702、ピッチ角制御手段703および目標回転速度調整手段704は、コントローラ10内に設けられている。
減算手段701によって、目標回転速度調整値Wdem’と回転速度Wから回転速度偏差Wdifを算出し、発電機トルク制御手段702およびピッチ角制御手段703に入力する。発電機トルク制御手段702では、回転速度偏差Wdifから発電機トルク目標値Qdemを算出して発電機トルク調整装置7に入力し、発電機トルクQを制御する。また、ピッチ角制御手段703では、回転速度偏差Wdifからピッチ角目標値Θdemを算出してピッチ角調整装置8に入力し、ピッチ角Qを制御する。さらに、目標回転速度調整手段704では、回転速度Wと目標回転速度Wdemから目標回転速度調整値Wdem’を決定して出力する。
図8に、実施例2における回転速度Wと目標回転速度調整値Wdem’の関係の一例を示す。図8の横軸は回転速度W、縦軸は回転速度Wに基づいて目標回転速度調整手段704が決定する目標回転速度調整値Wdem’を示す。回転速度Wが過回転速度閾値Wthr以下では目標回転速度調整値Wdem’は目標回転速度Wdemと一致して一定であるが、過回転速度閾値Wthrを超えると目標回転速度調整値Wdem’は一定の比率で減少するようになっている。
過回転速度閾値Wthrで過回転状態を検出し、回転速度Wが過回転速度閾値Wthr超えた場合には、回転速度Wに基づいて目標回転速度調整値Wdem’を本来の目標回転速度Wdemより下げることで、回転速度偏差Wdifを増加させる。その結果、回転速度Wに対して、発電機トルク制御手段702およびピッチ角制御手段703の入力が増大するため、回転速度制御の応答性を向上させることができ、過回転状態の抑制を図ることが可能となる。
なお、回転速度Wと目標回転速度調整値Wdem’の関係は図8の例に限定されるものではなく、例えば目標回転速度調整値Wdem’が曲線状やステップ状、階段状に変化するものでもよい。
図11のフローチャートを用いて、上記で説明した本実施例の風力発電装置の制御方法を順に説明する。
先ず、風力発電装置1のロータ4または発電機6の回転数(回転速度W)のデータを取得する。(ステップS1)
続いて、ステップS1で取得したデータ(回転速度W)と、風力発電装置の過去の稼働データベースなどに基づき予め設定した過回転速度閾値(Wthr)を比較判定する。(ステップS2)ステップS1およびステップS2は、実施例1の図10と同様である。
回転速度Wが過回転速度閾値(Wthr)以下の場合、すなわちW≦Wthrの場合、風力発電装置1は定常時の運転制御を継続する。一方、回転速度Wが過回転速度閾値(Wthr)を越えた場合、すなわちW>Wthrの場合、ステップS3’へ移行する。
ステップS3’では、回転速度Wおよび目標回転速度(Wdem)から目標回転速度調整値(Wdem’)を算出する。(ステップS3’)
次に、回転速度WおよびステップS3’で算出した目標回転速度調整値(Wdem’)から回転速度偏差(Wdif)を算出する。(ステップS4’)
続いて、ステップS4’で算出した回転速度偏差(Wdif)から、発電機トルク目標値(Qdem)およびピッチ角目標値(Θdem)を算出する。(ステップS5’)
続いて、発電機トルク目標値(Qdem)およびピッチ角目標値(Θdem)に基づき、発電機6の発電機トルク、ブレード3のピッチ角を調整する。(ステップS6)これにより、ロータ4や発電機6の回転数(回転速度W)を制御する。
図9は、実施例2における発明の効果を示す概要図である。図9の横軸は時刻Tを示し、縦軸は図上方より風速V、回転速度W、および目標回転速度調整値Wdem’を示す。また、図9の回転速度Wおよび目標回転速度調整値Wdem’に示す破線は、本発明を適用しない場合の結果であり、実線が本発明を適用した場合の結果を示している。
図9は、時刻T1からT4の間に風速Vが一時的に増大する例であり、風速Vの増大に伴って時刻T2において回転速度Wが過回転速度閾値Wthrを超える。本発明を適用しない場合には、回転速度制御の応答性が遅いため、回転速度Wは風速Vの増大に伴って増加し、シャットダウン回転速度Wsdnを超えてしまい、その時点でシャットダウン動作に移行して発電は停止する。
それに対して、本発明を適用した場合には、回転速度Wが過回転速度閾値Wthrを超えている時刻T2からT3の期間に目標回転速度調整値Wdem’が回転速度Wに伴って目標回転速度Wdemより減少しており、その分回転速度偏差Wdifが本来の値より増大して回転速度制御の応答性が向上するため、過回転状態を抑制して、シャットダウン動作に移行せずに発電を継続することができる。
なお、上記の各実施例では、風力発電装置の例を用いて本発明を詳細に説明したが、例えば、海流のエネルギーを利用して発電する海流発電装置や潮流のエネルギーを利用して発電する潮流発電装置に本発明の制御方法を適用することも可能である。海流や潮流の急激な上昇が生じた場合でも安定した電力供給が可能となる。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…風力発電装置、2…ハブ、3…ブレード、4…ロータ、5…ナセル、6…発電機、7…発電機トルク調整装置、8…ピッチ角調整装置、9…タワー、10…コントローラ、300,700…回転速度制御装置、301,701…減算手段、302,702…発電機トルク制御手段、303,703…ピッチ角制御手段、304…制御ゲイン調整手段、704…目標回転速度調整手段。

Claims (15)

  1. 風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置であって、
    前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記ロータまたは前記機器の回転速度が定格回転速度以上の所定値を超えた場合、当該制御装置の応答特性を向上させる様に、前記制御装置の回転速度制御係数を変化させることを特徴とする風力発電装置。
  2. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記制御装置は、前記ロータまたは前記機器の回転速度が前記所定値未満では前記回転速度制御係数を一定に保持することを特徴とする風力発電装置。
  3. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記制御装置は、前記ロータまたは前記機器の回転速度が定格回転速度以上の所定値を超えた場合、前記回転速度の増減に対応して前記回転速度制御係数を変化させることを特徴とする風力発電装置。
  4. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記制御装置は、前記ロータを構成するブレードのピッチ角を調整するピッチ角調整装置と、発電機の発電機トルクを調整する発電機トルク調整装置と、を備え、
    前記ピッチ角調整装置および前記発電機トルク調整装置のうち、少なくともいずれか一方を調整することにより前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする風力発電装置。
  5. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記回転速度制御係数は制御ゲインであり、前記制御ゲインを変化させることにより、前記制御装置の応答特性を向上させることを特徴とする風力発電装置。
  6. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記回転速度制御係数は前記ロータまたは前記機器の目標回転速度であり、前記目標回転速度を変化させることにより、前記制御装置の応答特性を向上させることを特徴とする風力発電装置。
  7. 請求項1項に記載の風力発電装置であって、
    前記ロータまたは前記機器の回転速度は、計測装置により計測した回転速度または演算により算出した回転速度のいずれかであることを特徴とする風力発電装置。
  8. 風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置の制御方法であって、
    前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度および目標回転速度から回転速度偏差を算出し、
    前記ロータまたは前記機器の回転速度から回転速度制御係数を算出し、
    前記回転速度偏差および前記回転速度制御係数に基づき、前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  9. 請求項8に記載の風力発電装置の制御方法であって、
    前記ロータまたは前記機器の回転速度が定格回転速度以上の所定値を超えた場合、
    前記制御方法により制御を行う風力発電装置の制御方法。
  10. 風を受けて回転するロータを備え、前記ロータの回転エネルギーを用いて発電する風力発電装置の制御方法であって、
    前記ロータまたは前記ロータの回転に伴い回転する機器の回転速度および目標回転速度から目標回転速度調整値を算出し、
    前記ロータまたは前記機器の回転速度および前記目標回転速度調整値から回転速度偏差を算出し、
    前記回転速度偏差に基づき、前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載の風力発電装置の制御方法であって、
    前記ロータまたは前記機器の回転速度が定格回転速度以上の所定値を超えた場合、
    前記制御方法により制御を行う風力発電装置の制御方法。
  12. 請求項8から11のいずれか1項に記載の風力発電装置の制御方法であって、
    前記ロータを構成するブレードのピッチ角および発電機の発電機トルクのうち、少なくともいずれか一方を調整することにより前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  13. 請求項8または9に記載の風力発電装置の制御方法であって、
    前記回転速度制御係数は制御ゲインであり、前記制御ゲインに基づき、前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  14. 請求項8または9に記載の風力発電装置の制御方法であって、
    前記回転速度制御係数は前記ロータの目標回転速度であり、前記目標回転速度に基づき、前記ロータまたは前記機器の回転速度を制御することを特徴とする風力発電装置の制御方法。
  15. 請求項8から11のいずれか1項に記載の風力発電装置の制御方法であって、
    前記ロータまたは前記機器の回転速度は、計測装置により計測した回転速度または演算により算出した回転速度のいずれかであることを特徴とする風力発電装置の制御方法。
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