JP2017145752A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Takahiro Tsukakoshi
崇博 塚越
北浦 浩一
Koichi Kitaura
浩一 北浦
星 幸一
Koichi Hoshi
幸一 星
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Abstract

【課題】本発明は、気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置において、未暖機状態の排気浄化触媒に到達する未燃燃料の量を少なく抑えつつ、該排気浄化触媒の暖機を図る。【解決手段】本発明は、排気浄化触媒が未活性状態にあるときに、主噴射の燃料噴射量を混合気の空燃比が理論空燃比より高いリーン空燃比となるように制御し、且つ前記主噴射された燃料の燃焼後に前記第一燃料噴射弁から後燃え用ポスト噴射を行わせる内燃機関の制御装置において、前記後燃え用ポスト噴射の目標噴射量が前記第一燃料噴射弁の最小噴射量より少なければ、前記最小噴射量が前記ポスト噴射の目標噴射量以下となるように、前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力を低下させ、且つ前記主噴射を前記第二燃料噴射弁から行わせるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、1気筒あたりに、気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置に関する。
気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えた内燃機関において、該内燃機関の排気通路に配置される排気浄化触媒の暖機を促進させる方法として、吸気行程又は圧縮行程において混合気の空燃比がリーン空燃比となるように主噴射を行うとともに、膨張行程でポスト噴射を行うことにより、ポスト噴射された燃料を燃焼室内ないし排気通路内で燃焼(後燃え)させて、排気温度の上昇を図る方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2000−120471号公報
ところで、ポスト噴射された燃料の後燃えを発生させるときは、排気浄化触媒が未活性状態にあるため、ポスト噴射された燃料が後燃えせずに未燃のまま排気浄化触媒に到達すると、その未燃燃料が排気浄化触媒で浄化されずに大気中に排出される可能性がある。このような事態を避けるためには、後燃えを目的としてポスト噴射される燃料量は、混合気の既燃ガスに含まれる残留酸素と反応し得る量に抑える必要がある。しかしながら、燃料噴射弁は、その構造上の制約により最小開弁時間が決まっており、その最小開弁時間より短い開弁時間で適量の燃料を噴射することが困難となる。そのため、既燃ガス中の残留酸素と酸化し得る量の燃料をポスト噴射するために必要となる開弁時間が、前記最小開弁時間より短くなると、既燃ガス中の残留酸素と酸化し得る量より多くの燃料をポスト噴射させざるを得ず、それによって排気浄化触媒に到達する未燃燃料の量が多くなってしまう可能性がある。
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、1気筒あたりに、気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置において、未活性状態の排気浄化触媒に到達する未燃燃料の量を少なく抑えつつ、該排気浄化触媒の暖機を図ることにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、内燃機関の気筒内に燃料を噴射する第一燃料噴射弁と、前記内燃機関の吸気通路へ燃料を噴射する第二燃料噴射弁と、前記内燃機関の排気通路に配置される排気浄化触媒と、前記排気浄化触媒が未活性状態にあるときに、前記内燃機関の出力を発生させるための燃料噴射である主噴射の燃料噴射量を、混合気の空燃比が理論空燃比より高いリーン空燃比となるように制御し、且つ前記主噴射された燃料の燃焼後に前記第一燃料噴射弁から後燃え用のポスト噴射を行わせる制御手段と、を備える内燃機関の制御装置である。そして、前記制御手段は、前記後燃え用ポスト噴射の目標噴射量が、前記排気浄化触媒が活性状態にあるときに前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力における前記第一燃料噴射弁の最小開弁時間に対応する燃料噴射量である最小噴射量より少なければ、前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力を、前記排気浄化触媒が活性状態にあるときに前記第一燃料
噴射弁に印加される燃料圧力より低い燃料圧力まで低下させて、前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力を低下させる前の前記最小噴射量より少ない量の燃料を、前記後燃え用ポスト噴射で噴射させ、且つ前記主噴射を前記第二燃料噴射弁から行わせるようにした。
本発明によれば、1気筒あたりに、気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁と吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えた内燃機関の制御装置において、未暖機状態の排気浄化触媒に到達する未燃燃料の量を少なく抑えつつ、該排気浄化触媒の暖機を図ることができる。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 最小開弁時間に第一燃料噴射弁から噴射される燃料量(最小噴射量Qmin)と第一デリバリパイプ内の燃料圧力Pfuとの相関を示す図である。 触媒暖機制御が実施される際にECUによって実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、複数の気筒2を有する4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。なお、図1に示す例では、内燃機関1は、4つの気筒2を有しているが、これに限定されるものではない。例えば、内燃機関1の気筒数は、3つ以下であってもよく、又は5つ以上であってもよい。内燃機関1の各気筒2には、気筒2内へ直接燃料を噴射するための第一燃料噴射弁5と、気筒2内の燃料に点火するための点火プラグ20と、が設けられている。
内燃機関1は、吸気通路3と排気通路4とに接続されている。吸気通路3は、大気中から取り込まれた新気(空気)を各気筒2へ導くための通路である。吸気通路3の途中には、スロットル弁30が取り付けられている。スロットル弁30は、吸気通路3の通路断面積を変更することにより、内燃機関1へ吸入される空気量(吸入空気量)を調整する弁装置である。なお、図1に示す例では、スロットル弁30より下流の吸気通路3は、4つの枝管に分岐され、各枝管が各気筒2に接続されている。吸気通路3の各枝管には、該枝管内又は吸気ポート内へ向けて燃料を噴射する第二燃料噴射弁6が取り付けられている。
また、排気通路4は、内燃機関1の各気筒2から排出される既燃ガス(排気)を流通させるための通路である。排気通路4の途中には、排気中に含まれる所定成分を浄化するための排気浄化触媒40が配置されている。ここでいう排気浄化触媒40としては、三元触媒やNO吸蔵還元型触媒等のように酸素吸蔵能(OSC)を備えた触媒を用いることができる。なお、排気浄化触媒40より上流の排気通路4には、該排気浄化触媒40へ流入する排気の空燃比を検出するための空燃比センサ41が取り付けられている。また、排気浄化触媒40より下流の排気通路4には、該排気浄化触媒40から流出する排気の温度を検出するための排気温度センサ42が取り付けられている。
ここで、上記した4つの第一燃料噴射弁5は、第一デリバリパイプ50に接続されている。第一デリバリパイプ50は、第一燃料通路51を介して、第二燃料通路61の途中に接続されている。第二燃料通路61は、燃料タンク63に貯留されている燃料を汲み上げ
るためのフィードポンプ62と、該フィードポンプ62から供給される燃料を上記した4つの第二燃料噴射弁6に分配するための第二デリバリパイプ60と、を接続する通路である。第一燃料通路51の途中には、内燃機関1の図示しないカムシャフト又はクランクシャフトの動力を利用して、燃料を昇圧させるサプライポンプ52が取り付けられている。サプライポンプ52により昇圧された燃料は、第二燃料通路61を介して第一デリバリパイプ50に供給され、該第一デリバリパイプ50内に高圧な状態で蓄えられる。そして、第一デリバリパイプ50内の高圧燃料は、各気筒2の第一燃料噴射弁5が開弁されたときに、気筒2内へ噴射されることになる。一方、フィードポンプ62から第二燃料通路61を介して第二デリバリパイプ60に供給された燃料は、該第二デリバリパイプ60内に定圧な状態で蓄えられる。そして、第二デリバリパイプ60内の低圧燃料は、各気筒2の第二燃料噴射弁6が開弁されたときに、吸気通路3内又は吸気ポート内へ噴射される。なお、第一デリバリパイプ50には、該第一デリバリパイプ50内の燃料圧力を検出するための燃圧センサ53が取り付けられている。
このように構成された内燃機関1には、ECU7が搭載されている。ECU7は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどから構成される電子制御ユニットである。ECU7には、上記した空燃比センサ41、排気温度センサ42、燃圧センサ53に加え、アクセルポジションセンサ8、クランクポジションセンサ9、水温センサ10、及びエアフローメータ11等の各種センサが電気的に接続されている。なお、アクセルポジションセンサ8は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するためのセンサである。クランクポジションセンサ9は、内燃機関1のクランクシャフトの回転位置を検出するためのセンサである。水温センサ10は、内燃機関1を循環する冷却水の温度を検出するためのセンサである。
ECU7は、上記した各種センサの検出値に基づいて、第一燃料噴射弁5、第二燃料噴射弁6、点火プラグ20、スロットル弁30、サプライポンプ52、フィードポンプ62等の各種機器を制御する。例えば、ECU7は、アクセルポジションセンサ8の検出値から演算される機関負荷、クランクポジションセンサ9の検出値から演算される機関回転速度、又はエアフローメータ11の検出値(吸入空気量)等をパラメータとして、内燃機関1の出力を発生させるために必要な燃料量である総燃料噴射量を演算する。また、ECU7は、上記した機関負荷、機関回転速度、及び吸入空気量をパラメータとして、1サイクルあたりに第二燃料噴射弁6から噴射される燃料量に対して、1サイクルあたりに第一燃料噴射弁5から噴射される燃料量の比率(筒内噴射比率)を演算する。そして、ECU7は、上記した総燃料噴射量と筒内噴射比率とに基づいて、第一燃料噴射弁5及び第二燃料噴射弁6の各々の目標燃料噴射量を演算し、それらの目標燃料噴射量に従って第一燃料噴射弁5及び第二燃料噴射弁6を制御する。本実施形態においては、ECU7は、上記したような既知の制御に加え、排気浄化触媒40の早期活性を図るための触媒暖機制御を実行する。以下では、本実施形態における触媒暖機制御の実行方法について述べる。
触媒暖機制御は、排気浄化触媒40が未活性状態で内燃機関1が始動されてから排気浄化触媒40の活性が完了したと判定されるまでの期間において実行される。詳細には、先ず、内燃機関1が始動されてから排気浄化触媒40の一部が活性するまでの期間(以下、「未活性期間」と称する)では、ECU7は、排気浄化触媒40へ流入する排気の温度を高めることで、排気浄化触媒40の昇温を促進させる処理を行う。そして、排気浄化触媒40の一部が活性してから活性完了までの期間(以下、「部分活性期間」と称する)では、ECU7は、排気浄化触媒40へ流入する排気の温度を高めつつ、未燃燃料を排気浄化触媒40へ供給して該未燃燃料の酸化反応熱により排気浄化触媒40の昇温を促進させる処理を実行する。なお、ここでいう排気浄化触媒40の活性完了とは、排気浄化触媒40の全体が活性した状態である必要はなく、排気浄化触媒40が所望の浄化性能を発揮することができる程度に活性した状態であればよい。
前記未活性期間においては、ECU7は、上記した総燃料噴射量を混合気の空燃比がリーン空燃比となるように調整し、且つ該筒内噴射比率を100%にする。そして、ECU7は、第一燃料噴射弁5から前記総燃料噴射量の燃料を噴射(主噴射)させた後であって、該主噴射された燃料(以下、「主噴射燃料」と称する)の燃焼後に、第一燃料噴射弁5から後燃え用ポスト噴射を行わせる。その際、後燃え用ポスト噴射のタイミングは、噴射燃料(以下、「ポスト噴射燃料」と称する)が後燃えした際に発生する熱エネルギが内燃機関1の出力に寄与しないタイミング、例えば、膨張行程において図示しない排気弁が開弁した直後のタイミングであって、ブローダウン圧力が最大となるタイミングに設定されるものとする。このように後燃え用ポスト噴射のタイミングが設定されると、ブローダウン流によってポスト噴射燃料の微粒化及び拡散が促進されるとともに、ポスト噴射燃料と残留酸素(混合気の既燃ガスに含まれる酸素)との衝突速度が大きくなるため、ポスト噴射燃料が後燃えし易くなる。そして、ポスト噴射燃料の後燃えによって発生した熱エネルギは、混合気の既燃ガスによって排気浄化触媒40へ伝達され、排気浄化触媒40を暖めることになる。
前記部分活性期間においては、ECU7は、主噴射については前記未活性期間と同様の方法によって行うが、後燃え用ポスト噴射については前記未活性期間とは異なる方法によって行う。具体的には、ECU7は、後燃え用ポスト噴射のタイミングを、ポスト噴射燃料が後燃えした際に発生する熱エネルギが内燃機関1の出力に寄与しないタイミングであって、膨張行程において排気弁が開弁する前のタイミングに設定する。このように後燃え用ポスト噴射のタイミングが設定されると、ポスト噴射燃料の一部が後燃えするが、残りのポスト噴射燃料が部分酸化されて活性種に改質される。活性種に改質されたポスト噴射燃料は、混合気の既燃ガスとともに排気浄化触媒40へ流入して、該排気浄化触媒40によって排気中の残留酸素や排気浄化触媒40のOSCによって吸蔵されていた酸素と反応せしめられる。その結果、排気浄化触媒40は、後燃えによって昇温させられた排気の熱と活性種の反応熱とによって暖められる。
ここで、前記未活性期間においては、排気浄化触媒40が未燃燃料を殆ど浄化することができない。そのため、ポスト噴射燃料のうち、後燃えせずに未燃のまま排気浄化触媒40に到達した燃料は、該排気浄化触媒40で浄化されずに大気中に排出される可能性が高い。よって、前記未活性期間においては、後燃え用ポスト噴射の目標噴射量である目標ポスト噴射量は、混合気の既燃ガスに含まれる残留酸素と反応し得る量に制限するものとする。
ところで、ポスト噴射燃料を後燃えさせるためには、上記したように、混合気の空燃比をリーン空燃比にして、該混合気の既燃ガス中に酸素を残存させる必要がある。しかしながら、前記未活性期間においては、内燃機関1の暖機も十分に為されていない可能性が高い。そのため、混合気のリーン度合が過剰に大きくされると、内燃機関1の燃焼安定性が低下する可能性がある。よって、前記未活性期間においては、混合気のリーン度合を比較的小さく抑える必要がある。このように、前記未活性期間において、混合気のリーン度合が小さく制限されると、目標ポスト噴射量が比較的少ない量となるため、そのような量の燃料を第一燃料噴射弁5から精度良く噴射させることができない可能性がある。これは、第一燃料噴射弁5においては、その構造的な制約から最小開弁時間が決まっており、その最小開弁時間に第一燃料噴射弁5から噴射される燃料量(最小噴射量)より少ない量の燃料を噴射することができないことに因る。つまり、目標ポスト噴射量が前記最小噴射量より少ない場合には、後燃え用ポスト噴射によって実際に噴射される燃料量が前記最小噴射量以上となり、それに応じて未燃のまま排気浄化触媒40へ到達する燃料量が増加してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、前記未活性期間において、目標ポスト噴射量が、排気浄化触媒40が活性状態にあるときに前記第一燃料噴射弁5に印加される燃料圧力(すなわち、第一デリバリパイプ50内の燃料圧力)における前記第一燃料噴射弁5の最小噴射量より少ないときは、前記第一燃料噴射弁5に印加される燃料圧力を、排気浄化触媒40が活性状態にあるときに前記第一燃料噴射弁5に印加される燃料圧力より低い燃圧まで低下させて、その燃料圧力の変更前の最小噴射量より少ない量の燃料を後燃え用ポスト噴射で噴射させるようにした。
ここで、第一燃料噴射弁5の最小噴射量(Qmin)と第一デリバリパイプ50内の燃料圧力(Pfu)との関係を図2に示す。図2中の横軸は、第一デリバリパイプ50内の燃料圧力Pfuを示し、図2中の縦軸は、第一燃料噴射弁5の最小噴射量Qminを示している。図2に示すように、第一燃料噴射弁5の最小噴射量Qminは、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuが高い場合より低い場合の方が多くなる。そこで、前記未活性期間において、目標ポスト噴射量(図2中のQpst)が、その時点における燃圧センサ53の検出値(第一デリバリパイプ50の燃料圧力(図2中のPfu0))と前記最小開弁時間とから定まる最小噴射量(図2中のQmin0)より少ない場合には、ECU7は、第一燃料噴射弁5の最小噴射量Qminが目標ポスト噴射量Qpstと同等の量(図2中のQmin1)になる燃料圧力(図2中のPfu1)を求める。そして、ECU7は、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuが前記Pfu1まで低下するように、サプライポンプ52を制御する。このような方法によれば、前記未活性期間において、後燃え用ポスト噴射による燃料噴射量を、混合気の既燃ガスに含まれる残留酸素と反応し得る量にすることができる。その結果、未燃のまま排気浄化触媒40へ到達する燃料量の増加を抑制しつつ、排気浄化触媒40の昇温を図ることができる。
なお、最小噴射量Qminを目標ポスト噴射量Qpst以上にすることを目的として、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuが低下せしめられると、第一燃料噴射弁5から主噴射する際の燃料圧力も低下することになるため、主噴射燃料の粒径の拡大や拡散性の低下を招く可能性がある。その場合は、気筒2内の壁面付着燃料量が増加したり、又は混合気の均質性が低下したりするため、混合気の既燃ガスに含まれる炭化水素の量やPM(Particulate Matter)の量が増加する可能性がある。そこで、本実施形態では、最小噴射量Qminを目標ポスト噴射量Qpst以上にすることを目的として、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuを低下させるときに、その低下後の燃料圧力Pfuが所定の下限値Pfulmtを下回っていれば、筒内噴射比率を0%にして、総燃料噴射量の燃料を第二燃料噴射弁6から噴射させるようにした。ここでいう下限値Pfulmtは、燃料圧力Pfuが該下限値Pfulmtを下回ると、混合気の既燃ガスに含まれる炭化水素の量やPMの量が、同一の条件下で筒内噴射比率が0%にされた場合(前記総燃料噴射量を第二燃料噴射弁6から噴射させる場合)よりも多くなると判定される値であり、予め実験的に求めておくものとする。このような方法によれば、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuを低下させることに起因する、排気エミッションの悪化を抑制することができる。
以下、本実施形態における触媒暖機制御の実行手順について、図3に沿って説明する。図3は、触媒暖機制御が実施される際にECU7によって実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、予めECU7のROM等に記憶されており、内燃機関1が始動されるとき(具体的には、図示しないイグニッションスイッチがオンにされたとき)に、ECU7によって実行される処理ルーチンである。
図3の処理ルーチンでは、ECU7は、先ずS101の処理において水温センサ10の検出値(始動時冷却水温度)Thwstを読み込み、その始動時冷却水温度Thwstが所定の閾値より低いか否かを判別する。ここでいう所定の閾値は、始動時冷却水温度Thwstが該閾値より低ければ、排気浄化触媒40が未活性状態、又は部分活性状態にある
と判定することができる値であり、予め実験等を利用した適合作業によって求めておくものとする。前記S101の処理において否定判定された場合は、排気浄化触媒40が活性状態にあって、触媒暖機制御を実行する必要がないため、ECU7は、本処理ルーチンの実行を終了する。一方、前記S101の処理において肯定判定された場合は、排気浄化触媒40が未活性状態、又は部分活性状態にあって、触媒暖機制御を実行する必要があるため、ECU7は、S102の処理へ進む。
S102の処理では、ECU7は、クランクポジションセンサ9の検出値から演算される機関回転速度Neが所定の始動完了判定値より高いか否かを判別する。ここでいう所定の始動完了判定値は、機関回転速度Neが該始動完了判定値より高ければ、内燃機関1の始動が完了していると判定することができる値である。S102の処理において否定判定された場合は、内燃機関1が始動途中の状態にあって、触媒暖機制御を未だ開始することができない状態にあるため、ECU7は、該S102の処理を繰り返し実行する。一方、S102の処理において肯定判定された場合は、内燃機関1が始動完了後の運転状態にあって、触媒暖機制御を開始することができる状態にあるため、ECU7は、S103以降の処理において触媒暖機制御を実行する。
S103の処理では、ECU7は、排気浄化触媒40の温度Tcatを取得する。詳細には、ECU7は、内燃機関1の運転状態(点火時期や吸入空気量)をパラメータとして排気浄化触媒40の温度Tcatを推定し、又は排気温度センサ42の検出値から排気浄化触媒40の温度Tcatを推定する。
S104の処理では、ECU7は、前記S103の処理で取得された排気浄化触媒40の温度Tcatに基づいて、目標ポスト噴射量Qpstを演算する。詳細には、ECU7は、先ず、排気浄化触媒40の温度Tcatが部分活性判定温度より低いか否かを判別する。ここでいう部分活性判定温度は、排気浄化触媒40の一部が活性し始める温度であって、排気浄化触媒40の温度Tcatが該部分活性判定温度より低いときは排気浄化触媒40が未活性状態にあり、排気浄化触媒40の温度Tcatが該部分活性判定温度以上であるときは排気浄化触媒40が部分活性状態にあると判定することができる温度である。
排気浄化触媒40の温度Tcatが前記部分活性判定温度より低いとき(排気浄化触媒40が未活性状態にあるとき)は、ECU7は、混合気の既燃ガスに含まれる残留酸素と反応し得る燃料量を演算し、その燃料量を目標ポスト噴射量Qpstに設定する。その際、ECU7は、エアフローメータ11の検出値(吸入空気量)と主噴射燃料量とをパラメータとして、既燃ガスに含まれる残留酸素の量を演算する。続いて、ECU7は、残留酸素の量に基づいて、目標ポスト噴射量Qpstを設定する。なお、冷却水温度がある程度高ければ、既燃ガスの温度が十分に高くなるため、残留酸素の量と当量の燃料が後燃えすると考えられるが、冷却水温度が比較的低ければ、既燃ガスの温度も低くなるため、後燃えし得る燃料量が残留酸素と当量の燃料量より少なくなる可能性がある。そのため、目標ポスト噴射量Qpstは、残留酸素の量に加え、冷却水温度も考慮して設定されることが望ましい。そこで、本実施形態では、残留酸素の量と冷却水温度と目標ポスト噴射量Qpstとの関係を予め実験的に求めておき、残留酸素の量と冷却水温度とを引数として目標ポスト噴射量Qpstを導出する。
一方、排気浄化触媒40の温度が前記部分活性判定温度以上であるとき(排気浄化触媒40が部分活性状態にあるとき)は、ECU7は、混合気の既燃ガスに含まれる残留酸素と反応し得る燃料量と、排気浄化触媒40において酸化され得る未燃燃料の量と、の総量を演算し、その総量を目標ポスト噴射量Qpstに設定する。残留酸素と反応し得る燃料量は、排気浄化触媒40が未活性状態にある場合と同様の方法によって求められる。一方、排気浄化触媒40において酸化され得る未燃燃料の量は、排気浄化触媒40の温度Tc
atをパラメータとして演算される。ここで、排気浄化触媒40の温度Tcatが高い場合は低い場合に比べ、排気浄化触媒40の活性部位が多くなるとともに、OSCの活性部位も多くなるため、より多くの未燃燃料を酸化させることができる。よって、排気浄化触媒40において酸化され得る未燃燃料の量は、排気浄化触媒40の温度Tcatが低い場合より高い場合の方が多くなる。そこで、排気浄化触媒40の温度Tcatと、排気浄化触媒40において酸化され得る未燃燃料の量との関係を予め実験的に求めておき、排気浄化触媒40の温度Tcatを引数として、排気浄化触媒40において酸化され得る未燃燃料の量を導出する。
ここで図3の処理ルーチンに戻り、ECU7は、上記した手順によって前記S104の処理を実行した後に、S105の処理へ進む。S105の処理では、ECU7は、前記S104の処理で求められた目標ポスト噴射量Qpstが、その時点における第一燃料噴射弁5の最小噴射量Qminより少ないか否かを判別する。その際の最小噴射量Qminは、その時点における燃圧センサ53の検出値(燃料圧力)Pfuを引数として、前述の図2に示したようなマップにアクセスすることで導出される。S105の処理において肯定判定された場合は、ECU7は、S106の処理へ進み、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuが低下するように、サプライポンプ52を制御する。詳細には、ECU7は、先ず、前述した図2の説明で述べたように、第一燃料噴射弁5の最小噴射量Qminが前記目標ポスト噴射量Qpstと同等の量になる燃料圧力Pfu1を求め、その燃料圧力Pfu1を目標燃料圧力Pfutrgに設定する。そして、ECU7は、前記目標燃料圧力Pfutrgに従って、サプライポンプ52を制御する。ECU7は、S106の処理を実行し終えると、S107の処理へ進む。また、前記S105の処理において否定判定された場合は、ECU7は、S106の処理をスキップしてS107の処理へ進む。
S107の処理では、ECU7は、燃圧センサ53の検出値(燃料圧力)Pfuを読み込み、その燃料圧力Pfuが前述した所定の下限値Pfulmtより低いか否かを判別する。S107の処理において肯定判定された場合は、ECU7は、S108の処理へ進み、筒内噴射比率を0%に設定して、前記総燃料噴射量の燃料を第二燃料噴射弁6から噴射させる。一方、S107の処理において否定判定された場合は、ECU7は、S109の処理へ進み、筒内噴射比率を100%に設定して、前記総燃料噴射量の燃料を第一燃料噴射弁5から噴射させる。
ECU7は、前記S108又は前記S109の処理を実行した後に、S110の処理へ進み、前記S104の処理で設定された目標ポスト噴射量Qpstに従って、第一燃料噴射弁5から後燃え用ポスト噴射を行わせる。その際、排気浄化触媒40が未活性状態にあれば、ECU7は、膨張行程における排気弁が開弁した直後のタイミングで、後燃え用ポスト噴射を行わせるものとする。一方、排気浄化触媒40が部分活性状態にあれば、ECU7は、ポスト噴射燃料が後燃えした際に発生する熱エネルギが内燃機関1の出力に寄与しないタイミングであって、膨張行程において排気弁が開弁する前のタイミングで、後燃え用ポスト噴射を行わせるものとする。
S111の処理では、ECU7は、内燃機関1の始動時からの積算吸入空気量ΣGaが活性完了判定値より大きいか否かを判別する。ここでいう活性完了判定値は、積算吸入空気量ΣGaが該活性完了判定値より大きければ、排気浄化触媒40の活性が完了しているとみなすことができる値である。S111の処理において否定判定された場合は、排気浄化触媒40の活性が未だ完了していないため、ECU7は、S103の処理へ戻り、触媒暖機制御を継続して実行する。一方、S111の処理において肯定判定された場合は、排気浄化触媒40の活性が完了しているため、ECU7は、S112の処理へ進み、触媒暖機制御を終了する。具体的には、ECU7は、第一デリバリパイプ50の目標燃料圧力Pfutrgを、内燃機関1の運転状態に応じた圧力に設定し、且つ筒内噴射比率を内燃機
関1の運転状態に応じた比率に設定する。
このようにECU7が図3の処理ルーチンを実行することにより、本発明に係わる「制御手段」が実現される。その結果、後燃え用ポスト噴射により噴射された燃料のうち、未燃のまま排気浄化触媒40へ到達する燃料の量を少なく抑えつつ、排気浄化触媒40の暖機を図ることができる。なお、最小噴射量Qminを目標ポスト噴射量Qpst以上にすることを目的として、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuを低下させた場合において、排気浄化触媒40の暖機が進むにつれて、第一デリバリパイプ50の燃料圧力Pfuを、内燃機関1の運転状態に応じた圧力(排気浄化触媒40が活性状態にあるときの目標燃料圧力Pfutrg)に向けて徐々に高めるようにしてもよい。
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 第一燃料噴射弁
6 第二燃料噴射弁
7 ECU
20 点火プラグ
30 スロットル弁
40 排気浄化触媒
41 空燃比センサ
42 排気温度センサ
50 第一デリバリパイプ
51 第一燃料通路
52 サプライポンプ
53 燃圧センサ
60 第二デリバリパイプ
61 第二燃料通路
62 フィードポンプ
63 燃料タンク

Claims (1)

  1. 内燃機関の気筒内に燃料を噴射する第一燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の吸気通路へ燃料を噴射する第二燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の排気通路に配置される排気浄化触媒と、
    前記排気浄化触媒が未活性状態にあるときに、前記内燃機関の出力を発生させるための燃料噴射である主噴射の燃料噴射量を、混合気の空燃比が理論空燃比より高いリーン空燃比となるように制御し、且つ前記主噴射された燃料の燃焼後に前記第一燃料噴射弁から後燃え用のポスト噴射を行わせる制御手段と、
    を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、前記後燃え用ポスト噴射の目標噴射量である目標ポスト噴射量が、前記排気浄化触媒が活性状態にあるときに前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力における前記第一燃料噴射弁の最小開弁時間に対応する燃料噴射量である最小噴射量より少なければ、前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力を、前記排気浄化触媒が活性状態にあるときに前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力より低い燃料圧力まで低下させ、且つ前記第一燃料噴射弁に印加される燃料圧力を低下させる前の前記最小噴射量より少ない量の燃料を、前記後燃え用ポスト噴射で噴射させ、さらに前記主噴射を前記第二燃料噴射弁から行わせることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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