JP2017146217A - 光周波数コム測定装置 - Google Patents

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Kenichi Hidachi
研一 日達
修 忠永
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修 忠永
淳 石澤
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淳 石澤
秀樹 後藤
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Abstract

【課題】装置コストの上昇を抑制した状態で、光周波数コムにおける実質的な周波数の不確かさの測定が実施できるようにする。【解決手段】光周波数コム発生部101,分岐部102,第1非線形光学媒質103,第1波長変換干渉部104,第1検出部105,帰還制御部106,第2非線形光学媒質113,第2波長変換干渉部114,および第2検出部115を備える。光周波数コム発生部101,第1非線形光学媒質103,第1波長変換干渉部104,第1検出部105,帰還制御部106により、第1の干渉計を構成し、光周波数コム発生部101,第2非線形光学媒質113,第2波長変換干渉部114,および第2検出部115により、第2の干渉計を構成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、光の周波数を測定するためなどに用いる光周波数コムの状態を測定する光周波数コム測定装置に関する。
高精度な周波数標準として、光周波数コムの研究が盛んに行われている。光周波数コムは、図9の(a)に示すように、周波数軸上に等しい周波数間隔frepで櫛状に並ぶ多数の輝線スペクトルの集合体である。光周波数コムのスペクトル周波数fnは、周波数間隔frepとキャリアエンベロープオフセット周波数fCEOを用い、「fn=n×frep+fCEO(ただし、nは整数)」と記述することができる。
また、光周波数コムを時間軸上で見ると、図9の(b)の「光搬送波包絡線」に示すようなパルスが、時間軸上に等しい間隔T(=1/frep)で並ぶパルスレーザー光である。光搬送波包絡線内には「光搬送波電界」が存在する。光搬送波包絡線と光搬送波電界のピークの差を「キャリアエンベロープ位相(CEP)」と呼び、時間軸上で隣り合うパルス間のCEPの差を「キャリアエンベロープ位相差(Δφ)」と呼ぶ。キャリアエンベロープ位相差(Δφ)は、レーザー共振器中の媒質を通過する光の群速度と位相速度の差に起因する。
このキャリアエンベロープ位相差(Δφ)と光周波数コムのキャリアエンベロープオフセット周波数(fCEO)の間には、「fCEO=(Δφ/2π)×frep」という関係がある。
repは、数MHzから数GHzが一般的であり、fCEOは0<fCEO<frepなので、これらはマイクロ波領域に存在する。マイクロ波領域に存在するfrep、fCEOを安定化させることによって、数百THz程度の光周波数コムを安定化させることが可能になる。
光周波数コムの安定化には、位相同期回路(phase-locked loop回路,PLL回路)などが用いられる。基準となるマイクロ波周波数に対して、レーザーの繰り返し周波数frepやCEO周波数fCEOを合わせるように、レーザー側のパラメータにフィードバックをかけることによって周波数制御ができる。従って、光周波数コムの周波数安定化には、frepやfCEOを検出する必要がある。frepは、光周波数コムの光をそのままフォトダイオードに当てると、パルスレーザー光の繰り返し信号として検出可能であり、fCEOは後述する自己参照干渉計によって検出可能である。
自己参照干渉計によるキャリアエンベロープオフセット周波数fCEOの検出方法としては、f−2f自己参照干渉法や2f−3f自己参照干渉法がある。f−2f自己参照干渉法は、光周波数コムの基本周波数と2倍波成分の干渉信号をとることによりfCEOを検出する。
まず、光周波数コムをフォトニック結晶ファイバーなどの高非線形性ファイバーに入射し、スーパーコンティニューム光(SC光)を生成する。次に、SC光低周波数成分(オフセット周波数:fCEO)を非線形媒質に入射して2倍波(オフセット周波数:2fCEO)を生成し、SC光高周波数成分(オフセット周波数:fCEO)と干渉させる。
もともとの光周波数コムの周波数fn=n×frep+fCEOの2倍波をとると、2fn=2n×frep+2fCEOとなる。基本波と2倍波がオーバーラップする領域では、基本波のm番目の周波数fm=m×frep+fCEOと2倍波のn番目の周波数2fn=2n×frep+2fCEOの干渉信号が現れる[図10(a)]。干渉信号の最低次の項はm=2nのときで、周波数2fn−fm=fCEOの信号を検出することができる。
今度は、f−2f自己参照干渉法で干渉信号を検出できるためのスペクトル条件を、波長領域に直して考える[図10(b)]。例えば、2100nmの光周波数コムの2倍波は1050nmに位置するが、この位置までもともとの光周波数コムが広がっていないといけない。従って、f−2f自己参照干渉法では、1050−2100nm、一般的には1オクターブ以上スペクトル帯域が広がっていないといけない。スペクトル帯域の拡大は、高非線形性ファイバーなどに光周波数コムを入射させることで実現できる。スペクトル帯域が拡大した光周波数コムは、スーパーコンティニューム光(SC光)と呼ばれている。
次に、2f−3f自己参照干渉法について説明する。2f−3f自己参照干渉法は、光周波数コムの2倍波成分と3倍波成分の干渉信号をとることによりfCEOを検出する。例えば、1800nmの3倍波(600nm)と1200nmの2倍波(600nm)を干渉させる[図10(c)]。従って、2f−3f自己参照干渉法では、1200−1800nm、一般的には2/3オクターブ以上のSC光でCEO周波数fCEOを検出できる可能性がある。
前述したf−2f自己参照干渉法の利点は、2倍波を生成するために1回だけ非線形過程を用いればfCEOを検出できる点にある。ただし、f−2f自己参照干渉法では、SC光を1オクターブ以上広げなければならない。これに対し、2f−3f自己参照干渉法は、2/3オクターブ以上のSC光を生成すれば安定化可能である。
ところで、光周波数コムの周波数の不確かさを測定するためには、2つの自己参照干渉計が必要である。
一方は、光周波数コムの周波数安定化をするための自己参照干渉計であり、in−loop干渉計と呼ばれている。in−loop干渉計により測定される周波数安定度は、通常、周波数安定化回路によって、どれだけ周波数安定化をすることができるのかという能力を示す指標であるが、実際の光周波数コムの不確かさを表しているわけではない。
光周波数コムの周波数安定化は、共振器長やポンプ電流など、キャビティー内のパラメータにフィードバックをかけているため、キャビティー外にあるファイバーや干渉計部分に周波数揺らぎがあった場合、これらの揺らぎを解消するようにフィードバックがかかる。このため、実際の光コムの周波数揺らぎはin−loop干渉計の示す値よりも大きくなることが一般的である。
キャビティー外にある光学系の周波数揺らぎがどの程度であるのかを調べるのが、他方の干渉計であり、これは、out−of−loop干渉計と呼ばれている。この干渉計は、in−loop干渉計で周波数安定化した光周波数コムのCEO周波数検出に用いる。
過去の文献では、in−loop干渉計とout−of−loop干渉計を、f−2f自己参照干渉計から構成し、チタン・サファイアレーザーの安定性を調べている(非特許文献6,7,8参照)。それぞれの自己参照干渉計で、CEO周波数を安定化するのに十分なSN比(100kHz分解能帯域幅で35dB以上)の信号を検出する必要があるため、ハイパワーの光増幅器を用いているか、レーザーの繰り返し周波数を落とすように共振器を設計してパルスエネルギーを大きくしている。また、ファイバーレーザーの実質的な周波数安定性を調べるために、レーザー共振器の出力を幾つかのブランチに分け、それぞれの出力を光増幅器で増幅することにより、in−loop干渉計とout−of−loop干渉計を構成した例がある(非特許文献9参照)。
特開2015−155984号公報
T. M. Ramond et al., "Phase-coherent link from optical to microwave frequencies by means of the broadband continuum from a 1-GHz Ti:sapphire femtosecond oscillator", Optics Letters, vol.27, no.20, pp.1842-1844, 2002. C.R. Locke et al., "Frequency stabilisation of a fibre-laser comb using a novel microstructured fibre", Optics Express, vol.17, no.7, pp.5897-5904, 2009. I. Hartl et al., "Integrated Fiber-Frequency Comb using a PPLN Waveguide for Spectral Broadening and CEO Phase Detection", Optical Society of America, CLEO/QELS, paper CTuH5, 2006. C. Langrock et al., "Generation of octave-spanning spectra inside reverse-proton-exchanged periodically poled lithium niobate waveguides", Optics Letters, vol.32, no.17, pp.2478-2480, 2007. K. Hitachi et al., "Frequency stabilization of an Er-doped fiber laser with a collinear 2f-to-3f self-referencing interferometer", Applied Physics Letters, vol.106, 231106, 2015. T. M. Fortier et al., "Long-term carrier-envelope phase coherence", Optics Letters, vol.27, no.16, pp.1436-1438, 2002. C. Grebing et al., "Performance comparison of interferometer topologies for carrier-envelope phase detection", Applied Physics B, vol.95, pp.81-84, 2009. E. B. Kim et al., "Long-term maintenance of the carrier-envelope phase coherence of a femtosecond laser", Optics Express, vol.18, no.25, pp.26365-26372, 2010. Y. Nakajima et al., Optics Express, "A multi-branch, fiber-based frequency comb with millihertz-level relative linewidths using an intra-cavity electro-optic modulator", vol.18, no.2, pp.1667-1676, 2010.
以上のように、in−loop干渉計とout−of−loop干渉計を備えた自己参照干渉計は、光周波数コムの周波数安定化と、安定化した周波数の実質的な安定性を調べる上で重要であった。これら2つの系統を使うためには、ハイパワーの光増幅器か、通常の光増幅器が2台必要であった。しかしながら、2つの光増幅器を用いると、別々の光増幅器を用いることにより周波数ノイズが増幅し、実質的な安定性が低下する可能性がある。また、2つの光増幅器を用意することになるので、装置コストが上昇するという問題があった。あるいは、レーザーの繰り返し周波数を落としてパルスエネルギーを大きくするように、長い共振器に作り変えるという方法もあるが、既存の発振器をもつレーザーには適用できないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、装置コストの上昇を抑制した状態で、光周波数コムにおける実質的な周波数の不確かさの測定が実施できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光周波数コム測定装置は、等しい周波数間隔である複数の輝線スペクトルを有する光周波数コムを生成する光周波数コム発生部と、光周波数コム発生部より生成される光周波数コムを第1光周波数コムおよび第2光周波数コムに分岐する分岐部と、第1光周波数コムを入力して第1光周波数コムの光スペクトル帯域を2/3オクターブ以上に拡大させて第1SC光を生成する第1帯域拡大部と、第1SC光の短波長成分より2倍波である第1の変換光を生成し、かつ第1SC光の長波長成分より3倍波である第2の変換光を生成し、生成した第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる第1波長変換干渉部と、第1波長変換干渉部において第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する差周波成分を検出する第1検出部と、第1検出部で検出した差周波成分を元に光周波数コム発生部をフィードバック制御する帰還制御部と、第2光周波数コムを入力して第2光周波数コムの光スペクトル帯域を2/3オクターブ以上に拡大させて第2SC光を生成する第2帯域拡大部と、第2SC光の短波長成分より2倍波である第1の変換光を生成し、かつ第2SC光の長波長成分より3倍波である第2の変換光を生成し、生成した第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる第2波長変換干渉部と、第2波長変換干渉部において第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する差周波成分を検出する第2検出部とを備え、第1波長変換干渉部および第2波長変換干渉部は、前段に位置する第1の周期分極反転配列結晶部および後段に位置する第2の周期分極反転配列結晶部を備え、第1の周期分極反転配列結晶部は、周期的に隣り合う領域で結晶の分極が反転し、各領域の配列方向の長さが光周波数コムの長波長成分の2倍波発生に対応した1群の非線形光学結晶から構成され、第2の周期分極反転配列結晶部は、周期的に隣り合う領域で結晶の分極が反転し、各領域の配列方向の長さが光周波数コムの短波長成分の2倍波発生に対応した1群の非線形光学結晶から構成され、第2の変換光は、第1の周期分極反転配列結晶部において生成される光周波数コムの第1の長波長成分の2倍波と、光周波数コムの第2の長波長成分とが、第2の周期分極反転配列結晶部において和周波をとることで生成され、第1の変換光は、第2の周期分極反転配列結晶部において光周波数コムの短波長成分より2倍波を発生することで生成される。
上記光周波数コム測定装置おいて、第2の変換光を生成するための光周波数コムの第1の長波長成分と光周波数コムの第2の長波長成分とは、同じ波長であればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、装置コストの上昇を抑制した状態で、光周波数コムにおける実質的な周波数の不確かさの測定が実施できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における光周波数コム測定装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態における光周波数コム測定装置を構成する第1波長変換干渉部104の構成を示す構成図である。 図3は、3倍波発生に同じ波長を用いた第1波長変換干渉部104におけるSC光のパワー依存性を示す特性図である。 図4は、3倍波発生に異なる波長を用いた第1波長変換干渉部104におけるSC光のパワー依存性を示す特性図である。 図5は、f−2f自己参照干渉計用のシングルピッチPPLN導波路におけるSC光のパワー依存性を示す特性図である。 図6は、3倍波発生に異なる波長を用いた第1波長変換干渉部104,3倍波発生に異なる波長を用いた第1波長変換干渉部104,およびf−2f自己参照干渉計用のシングルピッチPPLN導波路の各々におけるCEO信号SN比の入射光パワー依存性を示す特性図である。 図7は、本発明の実施の形態における光周波数コム測定装置の第1干渉計、第2の干渉計によるアラン分散を示す特性図である。 図8は、本発明の実施の形態における光周波数コム測定装置の第1の干渉計、第2の干渉計によって測定された位相ノイズを示す特性図である。 図9は、光パルスの周波数軸上における線スペクトルの状態(a)、および光パルスにおける光搬送波のキャリアエンベロープ位相(b)について示す説明図である。 図10は、光周波数コムのキャリアエンベロープオフセット周波数(fCEO)を検出する概念についての説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における光周波数コム測定装置の構成を示す構成図である。この光周波数コム測定装置は、光周波数コム発生部101,分岐部102,第1非線形光学媒質(第1帯域拡大部)103,第1波長変換干渉部104,第1検出部105,帰還制御部106,第2非線形光学媒質(第2帯域拡大部)113,第2波長変換干渉部114,および第2検出部115を備える。光周波数コム発生部101,第1非線形光学媒質103,第1波長変換干渉部104,第1検出部105,帰還制御部106により、第1の干渉計を構成している。また、光周波数コム発生部101,第2非線形光学媒質113,第2波長変換干渉部114,および第2検出部115により、第2の干渉計を構成している。
光周波数コム発生部101は、等しい周波数間隔である複数の輝線スペクトルを有する光周波数コムを生成する。例えば、光周波数コム発生部101は、繰り返し周波数frepの光パルス列を生成する。このような光パルス列のスペクトルは、等しい周波数間隔frepである複数の輝線スペクトルとなる。この場合、光周波数コム発生部101は、周波数間隔frepの光周波数コムを出力する。光周波数コム発生部101は、例えば、共振器長Lによって繰り返し周波数frepが決まる受動モード同期レーザーであればよく、モード同期Erドープファイバーレーザーや、チタンサファイアレーザー・ファイバーレーザーなどであればよい。
また、光周波数コム発生部101は、連続(CW)光を発生するCW光源に対して外部から繰り返し周波数frepのマイクロ波を強度変調器・位相変調器などに印加することで、CW光源の強度および位相を変調し、繰り返し周波数(frep)一定の光パルス列に変換して出力する強度/位相変調方式によるパルスレーザー光源でもよい。
分岐部102は、光周波数コム発生部101より生成される光周波数コムを第1光周波数コムおよび第2光周波数コムに分岐する。
第1非線形光学媒質103は、第1光周波数コムを入力して第1光周波数コムの光スペクトル帯域を2/3オクターブ以上に拡大させて第1SC光を生成する。第1非線形光学媒質103は、高非線形性ファイバーから構成すればよく、例えば、フォトニック結晶ファイバーから構成すればよい。あるいは、非線形光学効果を有する非線形光学結晶であってもよい。第1非線形光学媒質103により、等しい周波数間隔frepである複数の輝線スペクトルを有し、光スペクトル帯域が2/3オクターブ以上にわたって広がる第1SC光が得られる。
第1波長変換干渉部104は、第1SC光の短波長成分より2倍波である第1の変換光を生成し、かつ第1SC光の長波長成分より3倍波である第2の変換光を生成し、生成した第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる。
第1検出部105は、第1波長変換干渉部104において第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する差周波成分を含むビート信号を検出する。第1検出部105は、例えば、フォトダイオードから構成されている。第1検出部105が検出する差周波成分には、キャリアエンベロープオフセット周波数fCEOが含まれる。
帰還制御部106は、第1検出部105で検出した差周波成分を元に光周波数コム発生部101をフィードバック制御する。帰還制御部106は、第1検出部105で検出されたビート信号(fCEO)を外部から得られるマイクロ波参照周波数fref2と比較し、fCEOとfref2の差がゼロになるように、光周波数コム発生部101をフィードバック制御する。例えば、光周波数コム発生部101におけるレーザー共振器内媒質の非線形分散にフィードバック制御する。また、光周波数コムの繰り返し周波数(frep)もマイクロ波参照周波数(fref1)と比較し、その差がゼロになるように、光周波数コム発生部101におけるレーザー共振器長などにフィードバック制御する。
第1波長変換干渉部104では、まず、周波数が「(キャリアエンベロープオフセット周波数fCEO)×2+(繰り返し周波数frepの整数倍)」の2倍波を発生する。また、第1波長変換干渉部104では、周波数が「(キャリアエンベロープオフセット周波数fCEO)×3+(繰り返し周波数frepの整数倍)」の3倍波を発生する。これらの2倍波と3倍波が干渉し、この結果得られるビート信号を測定することで、キャリアエンベロープオフセット周波数(fCEO)を検出することができる。
従って、光周波数コム発生部101,第1非線形光学媒質103,第1波長変換干渉部104,第1検出部105,および帰還制御部106による第1の干渉計は、光パスを分けず、第1波長変換干渉部104で、SC光短波長成分の2倍波とSC光長波長成分の3倍波を干渉させるコリニア(Collinear;共線状)型の2f−3f自己参照干渉計を構成していることになる。
また、上述した第1検出部105による測定値を、外部からのマイクロ波基準周波数と比較し、マイクロ波基準周波数fref2との差がゼロになるように、帰還制御部106で光周波数コム発生部101にフィードバック制御を行うことで、出力される光周波数コムのオフセット周波数(fCEO)を安定化することができる。
例えば、帰還制御部106は、光周波数コム発生部101を構成している共振器内の非線形分散の大きさにフィードバックを行えばよい。また、レーザーの繰り返し周波数(frep)は、第1検出部105からの繰り返し周波数信号を元に、光周波数コム発生部101を構成しているレーザーの共振器長などにフィードバックすることにより安定化することが可能である。
また、第2非線形光学媒質113は、第2光周波数コムを入力して第2光周波数コムの光スペクトル帯域を2/3オクターブ以上に拡大させて第2SC光を生成する。第2非線形光学媒質113は、例えば、フォトニック結晶ファイバーから構成すればよい。あるいは、非線形光学効果を有する非線形光学結晶であってもよい。第2非線形光学媒質113は、等しい周波数間隔frepである複数の輝線スペクトルを有し、光スペクトル帯域が2/3オクターブ以上にわたって広がる第2SC光が得られる。この構成は、第1非線形光学媒質103と同様である。
第2波長変換干渉部114は、第2SC光の短波長成分より2倍波である第1の変換光を生成し、かつ第2SC光の長波長成分より3倍波である第2の変換光を生成し、生成した第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる。この構成は、第1波長変換干渉部104と同様である。
第2検出部115は、第2波長変換干渉部114において第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する差周波成分を検出する。この構成は、第1検出部105と同様である。
上述した光周波数コム発生部101,第2非線形光学媒質113,第2波長変換干渉部114,および第2検出部115による第2の干渉計も、前述した第1の干渉計と同様に、第2波長変換干渉部114で、SC光短波長成分の2倍波とSC光長波長成分の3倍波を干渉させるコリニア型の2f−3f自己参照干渉計を構成している。
ここで、第1波長変換干渉部104および第2波長変換干渉部114について、より詳細に説明する。第1波長変換干渉部104および第2波長変換干渉部114は、同一の構成とされており、以下では、第1波長変換干渉部104を代表として説明する。第1波長変換干渉部104は、図2に示すように、前段に位置する第1の周期分極反転配列結晶部104aおよび後段に位置する第2の周期分極反転配列結晶部104bを備える。
第1非線形光学媒質103より生成した第1SC光は、第1の周期分極反転配列結晶部104aの先端(入射端)より入射し、第2の周期分極反転配列結晶部104bの後端(出射端)より出射する。本例では、第1の周期分極反転配列結晶部104aと第2の周期分極反転配列結晶部104bとが一体である。
第1の周期分極反転配列結晶部104aは、複数の領域141が直列に配列した1群の非線形光学結晶から構成され、隣り合う領域141で結晶の分極が反転している。また、各々の領域141の配列方向の長さが、SC光長波長成分の2倍波発生に対応している。なお、図2では、互いに分極が反転している隣り合う2つの領域141の長さを、ピッチ長Λ1としている。
第2の周期分極反転配列結晶部104bは、複数の領域142が直列に配列した1群の非線形光学結晶から構成され、隣り合う領域142で結晶の分極が反転している。また、各々の領域142の配列方向の長さが、SC光短波長成分の2倍波発生に対応している。なお、図2では、互いに分極が反転している隣り合う2つの領域142の長さを、ピッチ長Λ2としている。
上述した構成の第1波長変換干渉部104において、第1の周期分極反転配列結晶部104aにおいて生成されるSC光の第1の長波長成分の2倍波と、SC光の第2の長波長成分とが、第2の周期分極反転配列結晶部において和周波(3倍波)をとることで第2の変換光が生成される。また、第2の周期分極反転配列結晶部104bにおいては、SC光短波長成分の2倍波をとることで第1の変換光が生成される。
上述したように、第1波長変換干渉部104の第1の周期分極反転配列結晶部104aで、SC光のある基本光(波長λ1L;第1の長波長成分)の2倍波(λ2L=λ1L/2)を生成し、第2の周期分極反転配列結晶部104bで、この2倍波(λ2L)とSC光のある基本光(波長λ1L';第2の長波長成分)との和周波(波長λ3L;第2の変換光)を生成する(ここで、1/λ3L=1/λ2L+1/λ1L'である)。
また、これと同時に、第2の周期分極反転配列結晶部104bで、SC光のある基本光(波長λ1R;短波長成分)の2倍波(λ2R=λ1R/2;第1の変換光)を生成する。生成した3倍波(λ3L;第2の変換光)と2倍波(λ2R;第1の変換光)が波長領域でオーバーラップすると、両者が干渉し、ビート信号を検出することが可能になる。
ここで、SC光の第1の長波長成分(λ1L)と第2の長波長成分(λ1L')とは、同じ波長であっても異なる波長であっても、原理的には自己参照干渉計を構成することが可能である。なお、後述するように、光周波数コム発生部101(光源)からの光パワーによっては、これらの波長が異なる条件の方が、より効率的に第1の変換光ないしは第2の変換光を生成できる場合と、これらの波長が同じ条件の方が、より効率的に第1の変換光ないしは第2の変換光を生成できる場合とがある。
次に、光源からの特定の光パワー条件において、上述した2倍波(第1の変換光)と、3倍波(第2の変換光)との中心波長を近づけるような、2種類(第1の周期分極反転配列結晶部104a,第2の周期分極反転配列結晶部104b)の擬似位相整合長(Λ1,Λ2)の決定方法について説明する。
2種類の擬似位相整合デバイスにおける3倍波生成過程は、前段である第1の周期分極反転配列結晶部104aで、SC光基本波(波長λ1L)の2倍波をとり、後段である第2の周期分極反転配列結晶部104bで、2倍波とSC光基本波(波長λ1L')の和周波をとる2段階の2次非線形過程から構成され、λ1Lとλ1L'が等しいことが一般的である。
波長領域でのオーバーラップを大きくするためには、意図的にλ1L’をλ1Lよりも短くする方が、等しい場合(λ1L=λ1L’)と比べると有利であり、このようにピッチ長(Λ1,Λ2)を決定することが重要である。実際には、SC光が広がっている範囲内でλ1Lをできるだけ大きくとり、λ1L’を小さくとるように2種類のピッチ長を設計すれば、これらのオーバーラップが大きくなる。
擬似位相整合デバイスである第1波長変換干渉部104のピッチ長(Λ1,Λ2)の決め方について説明するために、まず、ピッチ長をいくつに定めると、どの波長の光がどの波長に変換されるのかについて述べる。
通常の非線形光学結晶媒質では、基本波光と波長変換光の位相速度が異なることにより、結晶中のどの位置で波長変換するかによって位相が異なる。このため、波長変換光の位相はバラバラで互いに打ち消しあい、この結果、変換効率が大幅に低下する。これが、擬似位相整合デバイスにより解消可能である。擬似位相整合デバイスでは、基本波光と波長変換光との位相がπずれたところで、非線形結晶の分極を反転させ、波長変換光の位相をπずらして高効率に波長変換を行う。このことを言い換えると、基本波光と波長変換光の位相がπずれるときの距離が、擬似位相整合のピッチ長の半分(Λ/2)と一致するような基本波光と波長変換光の組み合わせのときに、高効率に波長変換が行われる。この条件を、擬似位相整合条件と呼ぶ。
非線形光学結晶中に入射した光の波長がλのときの屈折率をn(λ)とすると、基本波(λs,λi)から和周波(λf)を高効率に生成するように、擬似位相整合のピッチ長Λを決めるためには、「1/Λ={n(λf)}/λf−{n(λs)}/λs−{n(λi)}/λi・・・(1)」を満たせばよい。ここで、和周波の波長λfと基本波λs,λiの間には、「1/λf=1/λs+1/λi・・・(2)」の関係式が成り立つ。
特に、2倍波の場合は、λsとλiが等しいので、式(2)よりλf=λs/2となり、式(1)の擬似位相整合条件は、「1/Λ={n(λf)−n(2λf)}/λf・・・(3)」となる。
次に、上述した3つの関係式を用い、2つのピッチ長(Λ1,Λ2)を有するときの第1波長変換干渉部104の動作を説明する。第1波長変換干渉部104の第1の周期分極反転配列結晶部104aおよび第2の周期分極反転配列結晶部104bで、どのSC光成分(λ1L,λ1L',λ1R)が波長変換に用いられ、どの2倍波(λ2L,λ2R)が生成し、第1の周期分極反転配列結晶部104aで生成する2倍波(λ2L)とSC光成分(λ1L')の和周波の波長(λ3L)がいくつになるのかについて説明する。
第1の周期分極反転配列結晶部104a(ピッチ長Λ1)で発生する2倍波(λ2L)と波長変換に用いられる基本波(λ1L)との関係式は、式(3)より「1/Λ1={n(λ2L)−n(2λ2L)}/λ2L・・・(4)」であり、また「λ2L=λ1L/2・・・(5)」である。式(4)より、SC光の2倍波(波長:λ1L/2)が生成する。
次に、第2の周期分極反転配列結晶部104b(ピッチ長Λ2)では、第1の周期分極反転配列結晶部104aで生成した2倍波(λ2L)と、SC光のある成分(λ1L')との和周波が生成される。ピッチ長Λ2を固定すると、用いられるSC光成分(λ1L')と生成する和周波の波長(λ3L)が決まり、これらの関係式は、各々「1/Λ2={n(λ3L)}/λ3L−{n(λ2L)}/λ2L−{n(λ1L ')}/λ1L'・・・(6)」、「1/λ3L=1/λ2L+1/λ1L '・・・(7)」である。
最後に、第2の周期分極反転配列結晶部104bのピッチ長Λ2と発生する2倍波(λ2R)、および波長変換に用いられるSC光成分(λ1R)との関係式は、「1/Λ2={n(λ2R)−n(2λ2R)}/λ2R・・・(8)」であり、また「λ2R=λ1R/2・・・(9)」である。結果として、ビート信号をとるための2倍波(波長:λ2R)と3倍波(波長:λ3L)が決定される。
第1波長変換干渉部104は、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3;LN)を結晶材料とする周期分極反転LN(Periodically Poled lithium niobate;PPLN)から構成したリッジ構造の光導波路(リッジ導波路)とすればよい。上述した第1波長変換干渉部104(第2波長変換干渉部114)は、前段と後段とで異なる(2つの)ピッチの周期反転構造を備えるデュアルピッチPPLNである。ただし、結晶材料は、LNに限定されるものではなく、和周波や2倍波などが生成可能な非線形光学結晶であればよい。例えば、MgLN、MgSLTなどを用いればよい(特許文献1参照)。
前述したように、f−2f自己参照干渉法に対し、2f−3f自己参照干渉法は、2/3オクターブ以上のSC光を生成すれば安定化可能であるという利点がある。例えば、1200nmの2倍波と1800nmの3倍波を600nmで干渉させる。しかしながら、2f−3f自己参照干渉計では、3倍波生成に2回の非線形過程を用いるため、変換効率が低くなるという難点があった。
過去の文献では、3倍波生成に固体結晶を2枚組み合わせているが、周波数安定化に十分なSN比(100kHz分解能帯域幅で35dB)の光周波数コム(CEO信号)は得られていなかった(非特許文献1,2参照)。また、位相整合条件が完全に揃わないシングルピッチPPLN導波路を用いた2f−3f自己参照干渉法により、35dBのCEO信号が得られることが報告されているが、f−2f自己参照干渉法と同程度のパルスエネルギーが必要であった(非特許文献3,4参照)。シングルピッチPPLNは、全域にわたって同一のピッチとされた周期反転構造である。
これに対し、上述した第1波長変換干渉部104,第2波長変換干渉部114を用いた2f−3f自己参照干渉計によれば、f−2f自己参照干渉法と同程度のパルスエネルギーで、SN比最大52dBのCEO信号が得られる(非特許文献5参照)。
以下、周波数安定化に必要なパルスエネルギー閾値の評価を行った結果について説明する。この評価では、モード同期Erドープファイバーレーザー(繰り返し周波数250MHz)に固定減衰器を入れてパルスエネルギーを調整した光周波数コム発生部101を用い、第1非線形光学媒質103に入射してSC光を発生させた。
また、波長変換干渉部には、前述した第1波長変換干渉部104を用いた場合(デュアルピッチPPLN導波路)と、比較のためのシングルピッチPPLN導波路を用いた場合f−2f自己参照干渉計)とについて評価を実施した。また、第1検出部105でCEO信号を検出することで評価を行った。なお、周波数安定化に十分なCEO信号のSN比は、100kHz分解能帯域幅で35dBのため、このSN比を与えるSC光パワーを用いて、周波数安定化に必要なパルスエネルギー閾値の評価を行った。
また、デュアルピッチPPLN導波路としている第1波長変換干渉部104としては、3倍波発生に同じ波長を用いるType−Aと、大きく異なる波長を用いるType−Bを使用した。
Type−Aは、第1波長変換干渉部104の第1の周期分極反転配列結晶部104aで、波長1800nmの基本光(第1の長波長成分)の2倍波(900nm)を生成し、第2の周期分極反転配列結晶部104bで、この2倍波(900nm)と波長1800nmの基本光(第2の長波長成分)との和周波(600nm;第2の変換光)を生成する。また、これと同時に、第2の周期分極反転配列結晶部104bで、SC光のある基本光(1230nm)の2倍波(615nm;第1の変換光)を生成する。
Type−Bは、第1波長変換干渉部104の第1の周期分極反転配列結晶部104aで、波長1940nmの基本光(第1の長波長成分)の2倍波(970nm)を生成し、第2の周期分極反転配列結晶部104bで、この2倍波(970nm)と波長1310nmの基本光(第2の長波長成分)との和周波(555nm;第2の変換光)を生成する。また、これと同時に、第2の周期分極反転配列結晶部104bで、SC光のある基本光(1120nm)の2倍波(560nm;第1の変換光)を生成する。
Type−Bの利点は、異なるSC光波長成分を用いるため3倍波の変換効率が大きくなることである。また、周期分極反転構造の位相整合条件を考えると、和周波をとる際に短い波長を使うType−Bの方が、同じ波長を使うType−Aよりも2倍波と3倍波の変換波長の差が小さくなるため、2倍波・3倍波のオーバーラップが大きくなる。
一方、Type−Bの不利な点は、2倍波・3倍波を生成する際に、2/3オクターブよりも広いSC光が必要なため、このSC光を発生させるために強いパルスエネルギーが必要なことである。実験ではType−A、Type−Bどちらの方が低パルスエネルギーでCEO信号が安定化できるのかについても調べた。
図3(a)は、Type−Aを測定したときのSC光のパワー依存性を表している。SC光のパワーが0.37nJでも、Type−Aの波長変換に必要な1200,1800nmのSC光成分は広がっていた。図3(b)、(c)は、パワーが0.51、0.37nJのときのCEO信号を示している。CEO信号のSN比は、0.51nJで38dB、0.37nJで29dBであった。
図4(a)は、Type−Bのデバイスを測定したときのSC光のパワー依存性を表している。Type−Bの波長変換に必要な1120,1310,1940nmのSC光成分は、パワーが0.53nJではすべて得られているが、0.36nJでは1120nm付近のSC光が得られていない。図4(b)は0.53nJのときのCEO信号である。このときのSN比は35dBであった。なお、0.36nJのときはCEO信号が得られなかった。
図5(a)は、f−2f自己参照干渉計用のシングルピッチPPLN導波路を測定したときのSC光のパワー依存性を表している。波長変換に必要な1080,2160nmの成分は1.11nJでは得られているが、0.95nJでは得られなかった。図5(b)は、1.11nJのときのCEO信号である。このときのSN比は35dBであった。なお、0.95nJのときはCEO信号が得られなかった。
以上の結果を、CEO信号SN比の入射光パワー依存性としてまとめた結果を図6に示す。CEO周波数安定化に十分なSN比である35dB以上のCEO信号は、f−2f自己参照干渉計では1.11nJとなり[図6(c)]、2f−3f自己参照干渉計ではType−Aで0.51nJ[図6(a)]、Type−Bで0.53nJ[図6(b)]であった。
また、実際にType−A方式で入射光パワー0.37nJ(CEO信号29dB)での周波数安定化に成功した。Type−Aの構成とすることで、2f−3f自己参照干渉法ではf−2f自己参照干渉法の半分以下のエネルギーで周波数安定化できることが判明した。
なお、パルスエネルギーが0.5−0.7nJではType−Aの方がType−BよりもSN比が大きいが、パルスエネルギーが0.8−1.0nJではSN比の大小関係が逆転した。これは、パルスエネルギーが大きくなるにつれて、SC光がだんだん広くなり、より広いSC光成分を用いるType−Bの方がType−AよりもCEO信号SN比の上で有利になるからであると考えられる。
次に、本発明の実施の形態における第1の干渉計および第2の干渉計による光周波数コム測定装置について、より詳細に説明する。実施の形態においては、第1の干渉計において、周波数安定化を実施し、第1の干渉計により安定化したCEO周波数を第2の干渉計においてモニターし、周波数安定性を周波数カウンターや位相ノイズ測定器などで測定する。ここで、第1の干渉計の周波数安定度は、周波数安定化回路によって、どれだけ周波数安定化をすることができるのかという能力を示す指標となり、第2の干渉計の周波数安定度は、安定化した光周波数コムの実質的な周波数安定性を示す。
一般には、上述したような2系統の干渉計を作る場合には、周波数安定化に十分なSN比(100kHz分解能帯域幅で35dB)のCEO信号を2つモニターできる必要があり、CEO周波数計測にf−2f自己参照干渉計を用いる場合には、パワーの強い光増幅器や通常のパワーの光増幅器が2台必要であった。あるいは、レーザーの繰り返し周波数を落としてパルスエネルギーを大きくするように、長い共振器に作り変えなければならなかった。
これに対し、本発明における第1の干渉計および第2の干渉計によれば、いずれも前段と後段とで異なるピッチの周期反転構造を備える周期分極反転配列結晶による波長変換干渉部を用いる構成としたことにより、シングルピッチのものを使う場合と比べて半分以下のパルスエネルギーで周波数安定化に十分なSN比のCEO信号が得られる。この結果、本発明によれば、通常のパワーの光増幅器でCEO周波数の安定化とCEO周波数の実質的安定性を計測することが可能になる。
光増幅器を共通にすることによって、光増幅器からの周波数ノイズの影響を低減することも可能である。図7は、第1干渉計、第2の干渉計によるアラン分散を示す特性図である。図7において、「+」は、第1の干渉計のアラン分散を示し、「○」は、第2の干渉計のアラン分散を示す。計測されたアラン分散は、ゲート時間に反比例した。また、CEO周波数の安定度は1秒積算で1Hz以下であった。さらに、第1の干渉計と第2の干渉計のアラン分散は完全に一致していた。これは、作製した2f−3f自己参照干渉計内の帯域拡大部による周波数ノイズや、波長変換干渉部による周波数ノイズが十分小さいことを意味していて、実質的に1秒積算で1Hz以下の周波数揺らぎに抑えられたことを示している。
図8は、第1の干渉計、第2の干渉計によって測定された位相ノイズである。図8において、実線は、第1の干渉計の位相ノイズを示し、破線は、第2の干渉計の位相ノイズを示す。この結果も、第1の干渉計と第2の干渉計による位相ノイズの値は一致していた。従って、本発明の構成により、位相ノイズにおいても高非線形性ファイバーや干渉計による周波数ノイズの影響がでないことが確認できた。
以上に説明したように、本発明によれば、前段と後段とで異なるピッチの周期反転構造を備える周期分極反転配列結晶による第1波長変換干渉部,第2波長変換干渉部による第1の干渉計,第2の干渉計を備えるようにしたので、装置コストの上昇を抑制した状態で、光周波数コムにおける実質的な周波数の不確かさの測定ができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…光周波数コム発生部、102…分岐部、103…第1非線形光学媒質(第1帯域拡大部)、104…第1波長変換干渉部、105…第1検出部、106…帰還制御部、113…第2非線形光学媒質(第2帯域拡大部)、114…第2波長変換干渉部、115…第2検出部。

Claims (2)

  1. 等しい周波数間隔である複数の輝線スペクトルを有する光周波数コムを生成する光周波数コム発生部と、
    前記光周波数コム発生部より生成される光周波数コムを第1光周波数コムおよび第2光周波数コムに分岐する分岐部と、
    前記第1光周波数コムを入力して前記第1光周波数コムの光スペクトル帯域を2/3オクターブ以上に拡大させて第1SC光を生成する第1帯域拡大部と、
    前記第1SC光の短波長成分より2倍波である第1の変換光を生成し、かつ前記第1SC光の長波長成分より3倍波である第2の変換光を生成し、生成した前記第1の変換光と前記第2の変換光とを干渉させる第1波長変換干渉部と、
    前記第1波長変換干渉部において前記第1の変換光と前記第2の変換光との干渉により発生する差周波成分を検出する第1検出部と、
    前記第1検出部で検出した差周波成分を元に前記光周波数コム発生部をフィードバック制御する帰還制御部と、
    前記第2光周波数コムを入力して前記第2光周波数コムの光スペクトル帯域を2/3オクターブ以上に拡大させて第2SC光を生成する第2帯域拡大部と、
    前記第2SC光の短波長成分より2倍波である第1の変換光を生成し、かつ前記第2SC光の長波長成分より3倍波である第2の変換光を生成し、生成した前記第1の変換光と前記第2の変換光とを干渉させる第2波長変換干渉部と、
    前記第2波長変換干渉部において前記第1の変換光と前記第2の変換光との干渉により発生する差周波成分を検出する第2検出部と
    を備え、
    前記第1波長変換干渉部および前記第2波長変換干渉部は、前段に位置する第1の周期分極反転配列結晶部および後段に位置する第2の周期分極反転配列結晶部を備え、
    前記第1の周期分極反転配列結晶部は、周期的に隣り合う領域で結晶の分極が反転し、各領域の配列方向の長さが前記光周波数コムの長波長成分の2倍波発生に対応した1群の非線形光学結晶から構成され、
    前記第2の周期分極反転配列結晶部は、周期的に隣り合う領域で結晶の分極が反転し、各領域の配列方向の長さが前記光周波数コムの短波長成分の2倍波発生に対応した1群の非線形光学結晶から構成され、
    前記第2の変換光は、前記第1の周期分極反転配列結晶部において生成される前記光周波数コムの第1の長波長成分の2倍波と、前記光周波数コムの第2の長波長成分とが、前記第2の周期分極反転配列結晶部において和周波をとることで生成され、
    前記第1の変換光は、前記第2の周期分極反転配列結晶部において前記光周波数コムの短波長成分より2倍波を発生することで生成される
    ことを特徴とする光周波数コム測定装置。
  2. 請求項1記載の光周波数コム測定装置において、
    前記第2の変換光を生成するための前記光周波数コムの第1の長波長成分と前記光周波数コムの第2の長波長成分とは、同じ波長であることを特徴とする光周波数コム測定装置。
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