JP2017146221A - 液レベル測定システム及び液レベル測定システムの管理方法 - Google Patents

液レベル測定システム及び液レベル測定システムの管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線式レベル計において、検出部の故障を適切に判断することができ、安定的にタンク等の容器内の液レベルを測定することができる液レベル測定システム提供する。【解決手段】本発明に係る液レベル測定システム1は、容器(タンク3)内の液レベルを測定する液レベル測定システムであって、放射線を照射するm台(mはn以下の整数)の線源部11と、放射線の量を検出するn台(nは2以上の整数)の検出部12a、12bと、n台の検出部12a、12bのそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、そのn個のスペクトルの相関を監視する監視部13と、を備え、監視部13では、そのn個のスペクトルが同様の挙動を示すか否かを監視する。【選択図】図3

Description

本発明は、液レベル測定システム及び液レベル測定システムの管理方法に関する。
従来より、リモナイト鉱等に代表される低品位ニッケル酸化鉱石からニッケル、コバルト等の有価金属を回収する湿式製錬法として、硫酸を用いた高圧酸浸出法(HPAL:High Pressure Acid Leaching)である高温加圧硫酸浸出法が知られている。
高温加圧硫酸浸出法による湿式製錬(以下、「HPALプロセス」と呼ぶことがある)では、例えば、原料スラリーを、加熱用耐圧容器(ヒータータンク)内で蒸気と混合することにより加熱し、続いて、加熱された原料スラリーを浸出用耐圧容器(オートクレーブ)内で蒸気等による高温高圧下で酸と混合することにより浸出し、浸出後には、減圧用耐圧容器(フラッシュベッセル)内で浸出後スラリーから水分を蒸気として分離回収することにより冷却する。なお、このフラッシュベッセルで回収した蒸気は、ヒータータンクに移送され、原料スラリーを加熱するために用いることができる。
これら3種の耐圧容器(以下、「タンク」と呼ぶことがある)は、内部がそれぞれ異なる温度と圧力に制御される。また、これらの耐圧容器間は配管で接続されており、その配管を通じて原料スラリーや温度制御用の蒸気が輸送される。このようなタンク内において、スラリーの温度や圧力を短時間で目標値に到達させるには、スラリーと蒸気の間で効率的に熱交換させる必要がある。また、3種の耐圧容器内にあるスラリー量と蒸気量を適切に制御することも必要となる。
ところで、タンク内で効率的に熱交換されている場合、タンク内のスラリーは、深部に吹き込まれた蒸気によって持ち上がったり、スラリーの深部から発生する蒸気により沸き立ったりして、その液面の高さは激しく変動する。そのため、液面のみを測定してもタンク内にあるスラリーの液レベルを正確に把握することは難しい。
また、タンク内のスラリー温度はおよそ100℃〜250℃であり、またタンク内は蒸気で充満しているため、そのタンク内の蒸気に晒された状態でレベル計を取り付けると、レベル計が熱により故障する可能性がある。また、タンク内のスラリーがレベル計のセンサー部に付着することもあり、正確にレベルを計測できない事態も生じる。なお、タンクは密閉されているため、レベル計にスラリーが付着しているかどうかを確認することはできない。
したがって、例えば、超音波式レベル計やマイクロウェーブ式レベル計のような、センサーがタンクの内部に向けられて取り付けられるレベル計を使用することはできない。そこで、タンクの外部から測定することができる放射線式レベル計が選定される(例えば、特許文献1、2参照)。
放射線式レベル計は、放射線を照射する線源部と、照射した放射線を検出する検出部とから構成され、両者はタンクを挟んで向かい合って設置される。例えば、タンク内のスラリーが多ければ、そのスラリーによって照射した多くの放射線が遮へいされるため、検出部での受線量は小さくなる。一方で、タンク内のスラリーが少なければ、照射した放射線を遮へいするものが少ないため、検出部での受線量は多くなる。このように放射線式レベル計では、検出部にて検出される受け放射線量から、タンク内のスラリー量を測定することができる。このような放射線式のレベル計を、HPALプロセスにおけるオートクレーブ、ヒータータンク、フラッシュベッセル等のタンクにも設置することによって、スラリーレベルを適切に測定することができる。
ところが、放射線式レベル計の検出部は電子機器であるため、熱や振動に非常に弱い。したがって、例えば1年半に1回程度の頻度で故障が発生し、故障の発生の都度、検出部を交換することを要する。
しかしながら、放射線式のレベル計は、検出部の故障についての自己診断機能を持たないため、検出部に故障が発生し、レベル計測ができない状態になってもすぐに知ることができない。このような故障が発生した状態のままとしていると、ヒータータンクやフラッシュベッセルにおいてスラリーと蒸気との熱交換が効率的に進行せず、非効率的な湿式製錬プロセスの運転がなされるおそれがある。
このように、従来の放射線式のレベル計による液レベルの監視は、タンク等の密閉容器内の液レベルを測定するために重要な技術であるが、操業中における検出部の故障の発生を考慮しながら、安定的に液レベルを測定できるようにすることが求められている。
特開平5−172611号公報 特開平6−323890号公報
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、放射線式のレベル計において、検出部の故障を適切に判断することができ、安定的にタンク等の容器内の液レベルを測定することができる液レベル測定システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、液レベル測定システムにおいて、複数の検出部を設けるとともに、各検出部より得られた複数の液レベルの経時的なスペクトルがそれぞれ同様の挙動を示すか否かを監視することで、検出部の故障の発生が即時判断できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、容器内の液レベルを測定する液レベル測定システムであって、放射線を照射するm台(mはn以下の整数)の線源部と、前記放射線の量を検出するn台(nは2以上の整数)の検出部と、前記n台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、n個の該スペクトルの相関を監視する監視部と、を備え、前記監視部では、前記n個のスペクトルが同様の挙動を示すか否かを監視する液レベル測定システムである。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記線源部を1台(m=1)備え、前記容器を真上から平面視したとき、前記線源部と前記容器の重心とを結ぶ直線を対称軸として、該対称軸を隔てて線対称となる位置に、前記n台の検出部が互いに配置されている、液レベル測定システムである。
(3)本発明の第3の発明は、第2の発明において、前記検出部を2台(n=2)備える、液レベル測定システムである。
(4)本発明の第4の発明は、第1の発明において、前記線源部と前記検出部とをそれぞれn台ずつ備え、前記容器を真上から平面視したとき、第k(kは1からnの整数)の線源部と前記容器の重心とを結ぶ直線の延長上に、該第kの線源部に対応する第kの検出部が配置され、該第kの線源部から照射された放射線の量が該第kの検出部で検出される、液レベル測定システムである。
(5)本発明の第5の発明は、第4の発明において、前記線源部と、前記検出部とは、前記第kの線源部と前記第kの検出部とを直線で結んだとき、得られるk本の直線のうちの隣り合う直線同士のなす角度が、いずれも30°以上となるように配置されている、液レベル測定システムである。
(6)本発明の第6の発明は、容器内の液レベルを測定する液レベル測定システムの管理方法であって、m台(mはn以下の整数)の線源部により放射線を照射する照射工程と、n台(nは2以上の整数)の検出部により前記放射線の量を計測する検出工程と、前記n台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、n個の該スペクトルの相関の有無を監視する監視工程と、を有し、前記監視工程では、前記n個のスペクトルが同様の挙動を示さなくなった場合に、前記相関が無くなったと判定し、前記検出部のいずれかが故障していると判断する液レベル測定システムの管理方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第6の発明において、前記照射工程では、1台(m=1)の前記線源部により放射線を照射し、前記検出工程では、2台(n=2)の前記検出部により前記線源部から照射された放射線の量をそれぞれ計測し、前記監視工程では、前記2台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルに基づく経時的な2個のスペクトルにおいて、同一時間における該2個のスペクトルの差分が、前記容器の最大の液レベルを100%としたときに30%超となった場合に、前記相関が無くなったと判定する、液レベル測定システムの管理方法である。
本発明によれば、検出部の故障を適切に判断することができ、安定的にタンク等の容器内の液レベルを測定することができる。
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスの工程図である。 浸出工程におけるタンクを用いた操業の流れを説明するための図である。 液レベル測定システムの構成を説明するための図である。 液レベルを測定するしくみを説明するための模式図である。 液レベル測定システムの監視部にて作成された経時的なスペクトルの一例を示す図である。 液レベル測定システムの管理方法について流れを説明するための図である。 他の態様に係る液レベル測定システムの構成を説明するための図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセス≫
本実施の形態に係る液レベル測定システムは、例えば、高圧酸浸出処理を用いたニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおける、浸出工程での処理に使用するオートクレーブ、ヒータータンク、フラッシュベッセル等のタンクの内部に収容された液(スラリー)レベルを測定するためのものである。
以下では、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにて使用するタンクに適用される液レベル測定システムを一例として具体的に説明する。なお、液レベル測定システムとしては、上述したタンクへの適用に限られるものではなく、種々のプロセスで使用する容器内の液レベルを測定するための設備として使用することができる。
先ず、液レベル測定システムの具体的な説明に先立ち、高圧酸浸出法によるニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスの概要について説明する。
<1−1.湿式製錬プロセスの工程概要>
図1は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスの工程図である。図1に示すように、湿式製錬プロセスは、原料のニッケル酸化鉱石のスラリー(以下、単に「鉱石スラリー」という)に硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施す浸出工程S1と、得られた浸出スラリーを多段洗浄しながら浸出液と浸出残渣とを固液分離する固液分離工程S2と、浸出液のpHを調整して不純物元素を含む中和澱物を分離しニッケル及びコバルトを含む中和終液を得る中和工程S3と、中和終液に硫化剤を添加することでニッケル及びコバルトの混合硫化物を生成させる硫化工程S4とを有する。
(1)浸出工程
浸出工程S1では、オートクレーブ等の加圧反応容器に原料である鉱石スラリーを装入し、例えば温度230℃〜270℃、圧力3MPa〜5MPaの高温高圧下の条件で、硫酸等の酸を添加して浸出処理を施す。
原料のニッケル酸化鉱石は、ニッケルやコバルトを含有する鉱石であり、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱である。ラテライト鉱のニッケル含有量は0.5%〜2.5%程度であり、ニッケルは水酸化物又は含水ケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は30%〜50%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態である。ニッケル酸化鉱石は、例えば所定の分級点で分級され、アンダーサイズの鉱石粒子に水が添加されて鉱石スラリーとなる。
具体的に、浸出工程S1における浸出処理では、例えば下記式(a)〜(e)で表される浸出反応と高温熱加水分解反応が生じ、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。
・浸出反応
MO+HSO⇒MSO+HO ・・(a)
(なお、式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す)
2Fe(OH)+3HSO⇒Fe(SO+6HO ・・(b)
FeO+HSO⇒FeSO+HO ・・(c)
・高温熱加水分解反応
2FeSO+HSO+1/2O⇒Fe(SO+HO ・・(d)
Fe(SO+3HO⇒Fe+3HSO ・・(e)
浸出工程S1における硫酸の添加量としては、特に限定されないが、鉱石中の鉄が浸出されるような過剰量が用いられる。例えば、得られる浸出液のpHが0.1〜1.0となるように調整する。
このような浸出工程S1における浸出処理により、ニッケル及びコバルトと不純物成分を含む浸出液と、ヘマタイト等を含む浸出残渣とからなる浸出スラリーが生成する。
なお、得られた浸出スラリーは、次工程の固液分離工程S2において固液分離処理が施されるが、その固液分離処理の前に、浸出スラリーに対して、浸出反応に関与しなかった余剰の硫酸を部分的に中和する予備中和処理を施すことができる。予備中和処理の条件としては、特に限定されないが、例えば、浸出スラリーのpHが2.8〜3.2程度となるように中和剤を添加することができる。
(2)固液分離工程
固液分離工程S2では、得られた浸出スラリーを多段洗浄しながら、ニッケルやコバルト等の有価金属を含む浸出液と浸出残渣とに固液分離する。
具体的に、固液分離工程S2では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の沈降分離による装置を用いて固液分離処理を施す。例えば、先ず、浸出スラリーを洗浄液により希釈し、次に、浸出スラリー中の浸出残渣をシックナーの沈降物として濃縮させる。これにより、浸出残渣に付着するニッケル分をその希釈度合に応じて減少させることができる。なお、洗浄液としては、工程に影響を及ぼさないものを用いることができ、例えば硫化工程S4で得られる低pHの貧液を繰り返して利用することができる。
このような固液分離処理により、シックナー等の固液分離装置から得られるオーバーフロー液は、浸出液として浸出残渣と分離して回収され、次工程に移送される。
(3)中和工程
中和工程S3では、固液分離工程S2で分離回収された浸出液に中和剤を添加して中和処理を施し、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用の母液である中和終液とを得る。
具体的に、中和工程S3では、得られる中和終液のpHが4.0以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように、その浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加し、ニッケル及びコバルト回収用の母液となる中和終液と、不純物元素として3価の鉄を含む中和澱物スラリーとを生成させる。
なお、中和終液は、中和処理により得られたスラリーを固液分離することによって回収され、次工程の硫化工程S4に移送される。
(4)硫化工程
硫化工程S4では、ニッケル及びコバルト回収用母液である中和終液を硫化反応始液とし、その硫化反応始液に硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトの混合硫化物と、ニッケル及びコバルトの濃度を低い水準で安定させた貧液とを生成させる。
硫化工程S4における硫化処理は、硫化反応槽等を用いて行うことができ、その反応槽内の気相部分に硫化水素ガスを吹き込み、反応槽に装入した硫化反応始液中に硫化水素ガスを溶解させることで硫化反応を生じさせる。この硫化処理により、硫化反応始液中に含まれるニッケル及びコバルトを混合硫化物として固定化する。硫化反応の終了後、得られたニッケル及びコバルト混合硫化物を含むスラリーをシックナー等の固液分離装置に装入して沈降分離処理を施し、その混合硫化物のみをシックナーの底部より分離回収する。
なお、硫化工程S4を経て分離された水溶液成分は、シックナーの上部からオーバーフローさせて貧液として回収する。回収した貧液は、ニッケル等の有価金属濃度の極めて低い溶液である。
<1−2.浸出工程におけるタンクを用いた操業について>
上述したように、湿式製錬プロセスにおける浸出工程S1では、オートクレーブ等の加圧反応容器内において、例えば温度230℃〜270℃、圧力3MPa〜5MPaの高温高圧下の条件として、処理対象である鉱石スラリーに酸を添加して浸出処理を施す。
具体的に、浸出工程S1では、図2の浸出工程S1内での流れを示す図にあるように、先ず、処理対象である鉱石スラリーを例えばヒータータンクに装入し、そのヒータータンク内を昇温するとともに加圧していく。ヒータータンクは、所望とする高温高圧条件にまで昇温、加圧を行うための耐圧容器であり、昇温、加圧に際しては、例えば高温の蒸気等をタンク内に吹き込むことによって行うことができる。また、ヒータータンクを複数設けるようにして、その複数のヒータータンクによって段階的に昇温、加圧させることもできる。このようにして、原料スラリーを段階的に昇温、加圧することによって、所望とする温度及び圧力を達成する。なお、昇温、加圧に用いる蒸気としては、HPALプロセス内で発生した高温の回収蒸気等を再利用することができる。
次に、所望とする温度条件、圧力条件とした鉱石スラリーを、例えばオートクレーブに装入する。オートクレーブは、原料スラリーに対して硫酸等の酸を添加して浸出処理を行うための耐圧容器である。このオートクレーブでは、高温高圧下において、原料スラリーに過剰の硫酸が添加されるとともに、撹拌処理が施され、鉱石に含まれるニッケルやコバルト等の金属が浸出される。なお、この浸出処理により、ニッケルやコバルトを含有する浸出液と、ヘマタイト等を含有する浸出残渣とからなる浸出スラリーが得られる。
次に、オートクレーブにて浸出処理が施されて生成した浸出スラリーを例えばフラッシュベッセルに移送する。上述したように、浸出処理は高温高圧下の条件で施されるものであるため、得られた浸出スラリーは高い温度を保持しており、その圧力も高い。そのため、湿式製錬プロセスにおける固液分離工程S2にて分離処理を施すに先立って、得られた浸出スラリーの温度を下げるとともに、圧力も下げる必要がある。フラッシュベッセルは、得られた浸出スラリーに対して降温、減圧の処理を行うための耐圧容器である。フラッシュベッセルでは、高温高圧の浸出スラリーを、ハンドリングできる程度まで徐々に降温、減圧させる。また、ヒータータンクと同様に、フラッシュベッセルも複数設けるようにし、段階的に降温、減圧させることもできる。なお、フラッシュベッセルから回収された高温の蒸気は、回収蒸気としてヒータータンクでの昇温、加圧処理に利用することができる。
このように、浸出工程S2では、ヒータータンク、オートクレーブ、フラッシュベッセル等のタンクを用いて、所望とする条件として浸出処理を行っているが、操業中においては、高温、高圧条件であり、かつ硫酸等の酸を過剰量使用した密閉空間であるため、それらのタンク内の液(スラリー)のレベルを外部から測定することは難しい。一方で、タンク内のスラリーの温度や圧力を短時間で目標値に到達させるには、スラリーと蒸気との間で効率的に熱交換させることが重要となり、そのためには、タンク内のスラリーのレベルを正確に測定し続ける必要がある。
≪2.液レベル測定システム≫
本実施の形態に係る液レベル測定システムは、例えば、上述した高圧酸浸出法による湿式製錬プロセスにて使用されるオートクレーブ、ヒータータンク、フラッシュベッセル等のタンクの内部の液レベルを測定するための設備である。
具体的に、この液レベル測定システムは、放射線を照射するm台(mはn以下の整数)の線源部と、放射線の量を検出するn台(nは2以上の整数)検出部と、n台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、得られるn個のスペクトルの相関を監視する監視部とを備えている。
(1)第1の態様の液レベル測定システム
図3は、液レベル測定システムの構成を説明するための図であり、レベル測定する液(スラリー)を収容したタンクを真上から平面視したときの図である。なお、図3では、1台(m=1)の線源部と、2台(n=2)の検出部とを備えている液レベル測定システムの例を示している。
図3に示すように、液レベル測定システム1は、1台の線源部11と、2台の検出部12(12a,12b)と、監視部13とを備えている。また、線源部11と、2台の検出部12a,12bとの間には、レベル測定の対象である液(スラリー)を収容したタンク3が配置されている。なお、タンク3は、円柱形状である場合を一例として示しているが、その形状は特に限定されない。また、タンク3の大きさも、特に限定されない。
[線源部]
線源部11は、放射線を照射する装置である。照射する放射線の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、X線源、中性子線源、γ線源等を用いることができる。
線源部11は、タンク3を真上から平面視したとき、タンク3の中心(重心)方向に向かって放射線が照射されるように配置されている。このように、液を収容したタンク3の中心方向に放射線が照射されるように線源部11を設けることで、タンク3内に収容された液の全域に亘って、レベルをより正確に測定することができる。また、タンク3内に収容された液量としては、相対的にタンク3の中央部ほど多くなることからしても、タンク3の中心方向に放射線が照射されるように線源部11を設けることで、タンク3に収容された液レベルをより正確に測定することができる。
また、液レベル測定システム1のように、2台の検出部12a,12bが設けられた態様においては、例えば、その2台の検出部12a,12bを結ぶ線分の中点に向かって放射線が照射されるように配置することが好ましい。このように、2台の検出部12a,12bを結ぶ線の中点に向かって放射線が照射されるように線源部11を設けることで、詳しくは後述するが、その2台の検出部12a,12bから、より相関性の高い経時的なスペクトルを得ることができ、検出部12の作動状態の良、不良をより的確に判断することができる。
また、線源部11の設置高さは、特に限定されないが、検出部12a,12bが検出する信号強度の確保の観点から、スラリー高さに微調整を要する高さ(例えば、タンク3の上部)に設けることが好ましい。
なお、線源部11は高価であり且つその寿命は長い。後述する2台の検出部12a,12bに対して、1台の線源部11のみを用いることで、その線源部11の増設費用を過度にかけることなく、簡易にシステムを構成することができる。
[検出部]
検出部12(12a,12b)は、上述した線源部11から照射された放射線を受線部(図示しない)にて受線し、受線した放射線の量を検出する装置である。より具体的に、検出部12は、線源部11から照射され、タンク3内の液量によって減衰された放射線の量を、定量的な数値として計測する。
そして、この検出部12は、検出した放射線量の信号強度に基づいて、タンク3内の液レベルを算出する。放射線量の信号強度から液レベルを算出する方法としては、特に限定されないが、液レベルと放射線量との関係の検量線から求めることができ、検量線としては、複数の液レベルで測定した、液レベルと放射線の量との関係について、横軸を液レベル、縦軸を信号強度とし、それらに近似の直線を用いることができる。このとき、検量線として用いることができる近似の直線は、負の関数(特に、一次関数)になる。なお、検出部12としては、放射線を定量的に検出可能であって、定量的に検出した放射線量に基づいて液レベルを算出できるものであれば、特に限定されない。
液レベル測定システム1では、1台の線源部11に対して検出部12が2台(12a,12b)設けられており、それぞれの検出部12a,12bにおいて、線源部11から照射されて所定の割合が減衰された放射線を受線し、その受線量を定量的に計測する。詳しくは後述するが、このように複数台の検出部12を設けることで、それぞれの検出部12にて計測された液レベルの値に基づいてその相関性を判定するようにし、これにより、いずれかの検出部12の動作不良(故障)の発生有無を、的確に判断することができる。
(線源部と検出部とによる液レベルの測定について)
ここで、図4に、タンク3内の液レベルを測定するしくみを説明するための模式図を示す。図4(a),(b)の模式図に示すように、線源部11から放射線が照射されると、照射された放射線はタンク3の内部を通過し、タンク3を挟んで略対向する位置に配置されている検出部12により受線される。
このとき、照射された放射線の一部は、タンクの外壁やタンク3内の液によって遮へいされる。すなわち、例えば図4(a)に示すように、タンク3内の液量が多ければ、その液によって照射した多くの放射線が遮へいされるため、検出部12での受線量は小さくなる。一方で、図4(b)に示すように、タンク3内の液量が少なければ、照射した放射線を遮へいするものが少ないため、検出部12での受線量は多くなる。このように、検出部12では、線源部11から照射されてタンク3内部を通過した放射線量のうち、タンク3内の液によって遮へいされて減衰した残余の放射線の量を検出し、それを定量的な数値として計測する。放射線式の液レベル測定システム1では、このようにして検出部12にて計測された受け放射線量から、タンク3内の液レベルを測定することができる。
なお、検出部12は、タンク3内に収容した液の多様なレベルを検出可能なように(図4を参照)、図示しない受線部がタンク3の高さ方向の全体にわたって位置するように設置される。
(線源部と検出部の配置について)
液レベル測定システム1においては、図3に示すように、線源部11とタンク3の重心Cとを結ぶ直線を対称軸として、その対称軸を隔てて線対称となる位置に、2台の検出部12a,12bが互いに配置されている。
上述したように、検出部12では、線源部11から照射された放射線を、タンク3内の液による遮へいを加味して受線し、その放射線の受線量に基づいて液レベルを測定している。したがって、タンク3内の液レベルを高い精度で測定するにあたっては、タンク3内に収容された液以外の要素によって、線源部11から照射された放射線が遮へいされないことが好ましくなる。本実施の形態に係る液レベル測定システム1においては、1台の線源部11に対して、検出部12を2台(12a,12b)備えており、線源部11から照射された放射線が、タンク3内に収容された液以外の要素によって遮へいされることなく、それぞれの検出部12a,12bにて受線されることが好ましい。
この点、液レベル測定システム1では、上述したように、検出部12a,12bが、線源部11とタンク3の重心Cとを結ぶ直線を対称軸としたときに線対称となるような位置に互いに配置されていることから、それぞれの検出部12a,12bでは、タンク3内の液のみが放射線を遮へいする要素となり、他の要素によって放射線が遮へいされない。これにより、それぞれの検出部12a,12bにおいて、タンク3の液レベルをより正確に計測することができる。
また、このように検出部12a,12bを配置することで、線源部11から照射された放射線が、タンク3内を通過して検出部12a,12bのそれぞれにまで到達するまでの距離が略同等となる。すると、詳しくは後述するように、検出部12aにて検出される放射線の量より求められる液レベルの経時的なスペクトルと、検出部12aにて検出される放射線の量より求められる液レベルの経時的なスペクトルとの相関性がより一層に高くなり、監視部13でのスペクトルの相関性に基づく、検出部12の故障の発生の有無をより的確に判断することができる。
なお、複数の検出部を設ける態様においては、放射線を照射する線源部とその複数の検出部との配置として、線源部と複数の検出部のそれぞれとが1本の直線上に存在するように配置することも考えられる。しかしながら、このような配置では、例えば、線源部と一の検出部(例えば、第1の検出部)との間に、他の検出部(例えば、第2の検出部)が配置されるようになり、線源部から照射された放射線は、タンク内の液のみならず、第2の検出部によっても遮へいされることとなる。すると、第1の検出部で計測される放射線量は、タンク内の液のみを考慮した量ではなくなり、その結果として正確に液レベルを測定することができない可能性がある。
[監視部]
監視部13は、数値計算を行う計算機等の装置であり、検出部12a,12bによって測定された放射線の量の信号を経時的に受信し、その信号の強度に基づいて、液レベルの経時的なスペクトルに変換する。監視部13としては、例えば、具体的には分散制御システム(DCS)を用いる。
監視部13は、2台の検出部12a,12bのそれぞれと電気的に接続されており、それぞれの検出部12a,12bにて経時的に受線した放射線量に関する信号を受信する。より具体的に、監視部13は、タンク3内に収容された液レベルに対応する放射線量の信号情報を、その強度に基づいて、経時的なスペクトルに変換する。
液レベル測定システム1においては、2台の検出部12a,12bにて受線した放射線量の信号強度に基づき、経時的なスペクトルが2つ作成される。すなわち、監視部13は、検出部12aにて受線した放射線量の信号強度に基づくスペクトルと、検出部12bにて受線した放射線量の信号強度に基づくスペクトルとを、それぞれ作成する。
図5に、液レベル測定システム1における監視部13にて作成された経時的なスペクトルの例を示す。図5に示すように、例えば、スペクトルAが、検出部12aにおいて経時的に受線した放射線量の信号強度に基づいて作成されたスペクトルである。また、スペクトルBが、検出部12bにおいて経時的に受線した放射線量の信号強度に基づいて作成されたスペクトルである。それぞれのスペクトルA,Bは、横軸を時間とし、縦軸を液レベルとする継時的なスペクトルである。
図5の例に示すように、2台の検出部12a,12bがそれぞれ正常に動作し、すなわち故障した状態にないときには、監視部13にて作成されるスペクトルA,Bは、それぞれ相関する関係性を有するものとなっている。ここで「相関」とは、正の相関であって、ある時間幅において、一方の検出部12aから検出される液レベルが増加した場合には、もう一方の検出部12bから検出される液レベルも増加し、また、一方の検出部12aから検出される液レベルが減少した場合には、もう一方の検出部12bから検出される液レベルも減少する関係をいう。すなわち、2台の検出部12a,12bが正常に動作している場合には、監視部13にて作成されるそれぞれのスペクトルが同様の挙動を示し、各スペクトルが互いに相似する。
そして、監視部13では、作成した2つのスペクトルから、それらのスペクトルが、相関関係を維持して同様の挙動を示しているか否かを監視することを特徴としている。
具体的には、図5に一例を示したように、検出部12aにて検出された放射線量に基づく液レベルに対応するスペクトルAと、検出部12bにて検出された放射線量に基づく液レベルに対応するスペクトルBとは、時間経過に沿って、同様の挙動を示していることが分かる。すなわち、スペクトルA,Bが、互いに相似な関係となる相関性を有している。監視部13では、経時的なスペクトルA,Bがこのように同様の挙動を示しているか否かを判断する。
そして、例えばこのとき、2つのスペクトルにおいて、ある時刻で、一方のスペクトルの強度が上昇したときに、他方のスペクトルの強度が減少する、あるいは強度変化が起こらない、といったように、互いのスペクトルが同様の挙動を示さない場合には、監視部13は、それぞれのスペクトルに相関が無いと判定する。このように、それぞれのスペクトルが同様の挙動を示さない場合、2台設けられた検出部12a,12bのいずれかが動作不良の状態、つまり故障している状態にあると判断することができる。
ここで、2つのスペクトルの相関の有無は、図5に一例を示したように、時間経過と共に変化するそれぞれのスペクトルの形状の相似性でもって判断することができる。また、相関の有無を、定量的な基準によって判断してもよい。例えば、図5に示すスペクトルA,Bを例に挙げると、同一の時間における2つのスペクトルAとBの差分の絶対値が、所定の閾値の範囲内にあるか否かに基づいて定量的に判断することができる。具体例としては、タンクの高さを100%としたときに、スペクトルA,Bの差分の絶対値が30%以内(閾値)の範囲にあるか否かに基づいて、定量的に判断する。そして、例えば30%という閾値の範囲に、スペクトルA,Bの差分の絶対値が収まらなくなったときに、相関が無いと判定することができる。
なお、その定量的な判断における閾値としては、タンク3内での液の挙動を実情(粘性、粒子径、スラリー濃度、泡の有無など)に即して適宜決めればよいが、タンクの高さを100%としたときに、30%以内の範囲として設定することが好ましく、25%以内の範囲として設定することがより好ましく、20%以内の範囲として設定することがさらに好ましい。このような範囲の閾値を設定することで、検出部12a又は12bの故障の発生をより的確に且つ簡易に判断することができる。
このように、液レベル測定システム1においては、複数の検出部12a,12bを備えるとともに、検出部12a,12bのそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、それぞれのスペクトルの相関を監視する監視部13を備えている。そして、その監視部13では、それぞれのスペクトルが同様の挙動を示すか否かを監視している。このような液レベル測定システム1によれば、複数の検出部12a,12bのそれぞれで検出された放射線量に基づく各スペクトルを比較することで、それぞれのスペクトルが同様の挙動を示しているか否かという簡易な基準で、いずれかの検出部12の故障の発生の有無を的確に判断することができる。
なお、いずれの検出部12が故障しているかについては、タンク3内の液レベルと、その検出部12が示す放射線量の信号強度との対応関係によって確認することができる。確認方法としては、例えば、タンク3内へ液の装入を停止するとともに、タンク3から液を排出する際の液レベルの継時的なスペクトルを観察する方法が挙げられる。このような観察を行った場合、正常に動作している検出部12においては、液レベルの経時的なスペクトルが減少傾向を示す一方、故障している検出部12においては、液レベルの経時的なスペクトルが減少傾向を示さないから、故障している検出部12がいずれであるか特定することができる。
そして、このような故障の有無の発生を的確に判断できることにより、故障が発生したと判明した検出部12(例えば検出部12b)からの液レベルに関する情報を無視し、正常に動作している検出部12aにて測定される液レベルに関する情報に基づいて、継続的に運転操業を行うことができる。故障した検出部12bに関しては、定期点検等の際に交換すればよく、故障の疑いが生じた都度、操業を停止して交換やメンテナンス等を行う必要がなくなる。このように、液レベル測定システム1によれば、タンク3内の液レベルを安定的に測定することができ、安定的な操業を行うことができる。なお、2台の検出部12a,12bが同時に故障することは極めて稀であることから、実質的に、検出部12の故障に起因するHPALプロセス全体の停止を防ぐことができる。
また、高温、高圧状態であり、かつ酸性雰囲気を扱う、HPALプロセスにおいては検出部12に故障が発生する頻度が高い。液レベル測定システム1によれば、このように故障が発生する頻度が高いプロセスであっても、検出部12(例えば検出部12b)の故障の発生を検出し、故障した検出部12bを特定できるので、故障した検出部12b以外の検出部12aから測定される液レベルに関する情報を用いて、安定的にタンク3内の液レベルを測定することができる。
以下に、液レベル測定システム1の管理方法について流れを、図6に示すフローチャートと図3を用いて説明する。
まず、タンク3に液(スラリー)が収容されはじめると、そのタンク3に設置された液レベル測定システム1の運転を開始する(ステップSP1)。
具体的に、先ず、タンク3の中心方向に向かって放射線が照射されるように配置された線源部11が、液を収容したタンク3に向けて放射線を照射する(ステップSP2)。
次に、タンク3を挟んで線源部11と略対向する位置に配置された検出部12が、線源部11から照射され、タンク3内の液による遮へいで減衰した放射線を検出する(ステップSP3)。検出部12は、2台(12a,12b)設けられており、それぞれの検出部12a,12bにおいて放射線量を検出する。
なお、図6のフローチャートにおいて点線で囲んでいるように、線源部11による放射線の照射(ステップSP2)と、検出部12a,12bによる放射線の検出(ステップSP3)とは、それぞれ常時連続的に行われ、これによりタンク3の液レベルを測定する。
次に、液レベル測定システム1では、監視部13において、検出部12a,12bのそれぞれで検出された放射線の量の信号強度より求めた液レベルを経時的なスペクトルに変換し、2個のスペクトルを比較して相関の有無を監視する(ステップSP4)。例えば、図5に一例を示すような、検出部12aで検出された放射線量より求めた経時的なスペクトルAと、検出部12bで検出された放射線量より求めた経時的なスペクトルBと作成し、そのスペクトルA,Bに基づいて、互いに相関があるか否かを判定する。
そして、監視部13が、2個のスペクトルに相関がある(YES)と判定すると、ステップSP3に戻って引き続き経時的な放射線の検出を行う。例えば、図5に一例を示すスペクトルAとスペクトルBとでは、同様の挙動を示し、スペクトルの形状として互いに相似しており、したがって正の相関があると判定することができる。
一方で、監視部13が、2個のスペクトルに相関がない(NO)と判定すると、ステップSP5に進む。2個のスペクトルに相関がない場合とは、スペクトルAとスペクトルBのような同様の挙動を示さず、スペクトル波形が異なるような場合である。
ステップSP5では、監視部13が、2個のスペクトルに相関がないとの判定に基づき、2個の検出部12a,12bのいずれかが故障していると判断する。なお、検出部12aと検出部12bのどちらが故障しているかについては、例えば、タンク3内の液レベルと、その検出部12が示す放射線量の信号強度との対応関係によって確認できる。
続いて、ステップSP6では、故障した検出部12(例えば、検出部12b)を交換する。交換のタイミングとしては、特に限定されないが、例えば定期点検時とすることができ、その定期点検までの間は、正常に動作している検出部12aから検出される放射線量の信号強度のみを監視して、タンク3内の液レベルを測定する。
(2)第2の態様の液レベル測定システム
図7は、液レベルシステムの他の態様について説明するための図であり、レベル測定される液を収容したタンクを真上から平面視したときの図である。なお、図7では、2台(m=2)の線源部と、2台(n=2)の検出部とを備えている液レベル測定システムの例を示している。
図7に示すように、液レベル測定システム2は、2台の線源部21(21a,21b)と、2台の検出部22(22a,22b)と、監視部23とを備えている。また、線源部21aと検出部22a(線源部21bと検出部22b)の間には、液レベル測定の対象であるタンク3が配置されている。なお、タンク3は、円柱形状である場合を一例として示している。
なお、液レベル測定システム2における線源部21a,21b、検出部22a,22b、及び監視部23は、上述した第1の態様として示した液レベル測定システム1における線源部11、検出部12a,12b、及び監視部13と、それぞれ機能として同様である。そのため、各構成についてのここでの詳細な説明は省略する。
液レベル測定システム2においては、上述したように、線源部21と検出部22とをそれぞれ2台ずつ備えている。そして、当該液レベル測定システム2を設置したタンク3を真上から平面視したとき、第k(kは1〜2の整数)の線源部21とタンク3の重心Cとを結ぶ直線の延長上に、第kの線源部21に対応する第kの検出部22が配置されている。すなわち、線源部21a(第1の線源部21a)とタンク3の重心Cとを結ぶ直線の延長線上には、その第1の線源部21aに対する検出部22a(第1の検出部22a)が配置されている。また、線源部21b(第2の線源部21b)とタンク3の重心Cとを結ぶ直線の延長線上には、その第2の線源部21bに対する検出部22b(第2の検出部22b)が配置されている。
ここで、線源部21と検出部22との「対応する」関係とは、線源部21から照射された放射線をその検出部22が受線する関係をいう。つまり、液レベル測定システム2においては、第1の線源部21aから照射された放射線は、対応する第1の検出部22aにおいて受線されその放射線量が検出され、一方で、第2の線源部21bから照射された放射線は、対応する第2の検出部22bにおいて受線されその放射線量が検出される。このように、液レベル測定システム2においては、特定の1つの線源部21から照射される放射線は、特定の1つの検出部22によって検出されるように配置されている。
このように2台の線源部21を用いることによって、放射線の照射領域を、より広範囲にすることができる。これにより、タンク3内で液中のスラリー濃度や液面高さに偏りが生じても、検出部22a,22bのそれぞれから検出された放射線の量より求めた液レベルを平均化し、より広範囲における検出結果を反映した、タンク3内の液レベルを正確に測定することができる。
液レベル測定システム2では、図7の構成図に示すように、第1の線源部21aとそれに対応する第1の検出部22aとを直線で結び、また第2の線源部21bとそれに対応する第2の検出部22bとを直線で結んだとき、得られる2本の直線のなす角度が90°となっている。このように、線源部21と、検出部22とは、第k(kは1〜2の整数)の線源部と第kの検出部とを直線で結んだとき、得られるk本の直線のうちの隣り合う直線同士のなす角度としては、いずれも30°以上となるように配置されていることが好ましく、45°以上がより好ましく、60°以上が特に好ましい。このように、2本の直線のなす角度を大きくするほど、2台の線源部21からタンク3内に照射される放射線の照射領域をより広範囲にすることができ、タンク3内の液レベルを正確に測定することができる。
一方で、2本の直線のなす角度が大きくなるほど、2台の線源部21から照射された放射線が、それらに対応する検出部22まで到達する2つの経路に差異が生じる。上述したとおり、タンク3内では、液中のスラリー濃度や液面高さに偏りが生じ得るため、2台の線源部21から照射された放射線の経路が異なることに起因して、例えば、図5のスペクトルAとスペクトルBのように、2台の検出部22によって測定された液レベルのベースライン(基準線)に差異が生じる可能性がある。しかしながら、このような差異が生じても、2個の液レベルの継時的なスペクトルは正の相関性を有するため、これらを比較することで線源部21の故障の発生を把握することができる。
1,2 液レベル測定システム
11,21,21a,21b 線源部
12,12a,12b,22,22a,22b 検出部
13,23 監視部
3 タンク

Claims (7)

  1. 容器内の液レベルを測定する液レベル測定システムであって、
    放射線を照射するm台(mはn以下の整数)の線源部と、
    前記放射線の量を検出するn台(nは2以上の整数)の検出部と、
    前記n台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、n個の該スペクトルの相関を監視する監視部と、を備え、
    前記監視部では、前記n個のスペクトルが同様の挙動を示すか否かを監視する
    液レベル測定システム。
  2. 前記線源部を1台(m=1)備え、
    前記容器を真上から平面視したとき、
    前記線源部と前記容器の重心とを結ぶ直線を対称軸として、該対称軸を隔てて線対称となる位置に、前記n台の検出部が互いに配置されている
    請求項1に記載の液レベル測定システム。
  3. 前記検出部を2台(n=2)備える
    請求項2に記載の液レベル測定システム。
  4. 前記線源部と前記検出部とをそれぞれn台ずつ備え、
    前記容器を真上から平面視したとき、
    第k(kは1からnの整数)の線源部と前記容器の重心とを結ぶ直線の延長上に、該第kの線源部に対応する第kの検出部が配置され、該第kの線源部から照射された放射線の量が該第kの検出部で検出される
    請求項1に記載の液レベル測定システム。
  5. 前記線源部と、前記検出部とは、
    前記第kの線源部と前記第kの検出部とを直線で結んだとき、得られるk本の直線のうちの隣り合う直線同士のなす角度が、いずれも30°以上となるように配置されている
    請求項4に記載の液レベル測定システム。
  6. 容器内の液レベルを測定する液レベル測定システムの管理方法であって、
    m台(mはn以下の整数)の線源部により放射線を照射する照射工程と、
    n台(nは2以上の整数)の検出部により前記放射線の量を計測する検出工程と、
    前記n台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルを経時的なスペクトルとし、n個の該スペクトルの相関の有無を監視する監視工程と、を有し、
    前記監視工程では、前記n個のスペクトルが同様の挙動を示さなくなった場合に、前記相関が無くなったと判定し、前記検出部のいずれかが故障していると判断する
    液レベル測定システムの管理方法。
  7. 前記照射工程では、1台(m=1)の前記線源部により放射線を照射し、
    前記検出工程では、2台(n=2)の前記検出部により前記線源部から照射された放射線の量をそれぞれ計測し、
    前記監視工程では、前記2台の検出部のそれぞれで検出された放射線の量より求めた液レベルに基づく経時的な2個のスペクトルにおいて、同一時間における該2個のスペクトルの差分が、前記容器の最大の液レベルを100%としたときに30%超となった場合に、前記相関が無くなったと判定する
    請求項6に記載の液レベル測定システムの管理方法。
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