JP2017146470A - 画像形成装置 - Google Patents

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邦忠 加藤
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剛 新藤
浩大 林
Kodai Hayashi
浩大 林
駿介 松下
Shunsuke Matsushita
駿介 松下
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Abstract

【課題】 現像剤を用いた画像形成において、現像ゴーストとベタ追従性不良の低減することが求められている。
【解決手段】 1つの記録材に画像を形成する画像形成開始時から画像形成終了時までの時間を画像形成時間とした場合に、前記記録材の搬送方向における前記記録材の長さに応じて現像バイアスと供給バイアスとの電位差の変化量を変える画像形成装置を提供する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置あるいは静電記録装置(以下、画像形成装置)の中には、非磁性1成分トナーを用いて静電潜像を可視化するための現像装置を備えているものがある。現像装置としては、従来から、トナーを担持搬送する現像剤担持体としての現像ローラと、現像ローラの周囲に配置され現像ローラにトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラと、を備えたものが知られている。この現像装置においては、供給ローラと現像ローラとの機械的摺擦によりトナーが摩擦帯電されながら現像ローラに供給される。供給されたトナーは、現像剤規制部材によって、現像ローラ上のトナー層厚が一定量に規制された後、静電潜像を担持する像担持体である感光ドラムとの近接領域である現像領域に搬送され、静電潜像をトナー像として可視化する。
現像領域で現像に使用されずに現像ローラ上に残留するトナー(以下、「現像残トナー」という)は、供給ローラとの当接部で供給ローラと現像ローラとの機械的摺擦により現像ローラ上から掻き取られる。それと同時に、供給ローラから現像ローラに対してトナーが供給される。一方、掻き取られたトナーは、供給ローラ内部及びその周囲のトナーと混合される。
従来、このような現像装置において画像形成中の印字パターンによっては、背景色直後のハーフトーン濃度と、ベタ印字直後のハーフトーン濃度とが異なる現象(以下、「現像ゴースト」という)が発生する場合があった。ここで、背景色直後とは、印字率が0%又は0%に近い状態で記録材の背景色がそのまま見えるような状態の画像形成を行った直後のことをいう。また、ベタ印字直後とは、記録材の全面を印字(印字率100%又は100%に近い印字率)するため、記録材表面がトナーで密に被覆されるような画像形成がなされた直後のことである。
ハーフトーン濃度での画像形成で異なる画像になる現象が生じる現像ゴーストは、印字パターンの違いによるトナー帯電量の差によって発生し、供給ローラの掻き取り性能が低い場合に発生しやすい。
これに対して、供給ローラの機械的剥ぎ取りを強めるという対応を行うと、現像ゴーストが軽減するものの、現像ローラと供給ローラとの間の機械的摺擦が増加するため、トナー劣化が促進される。トナー劣化とは、トナーの表面における外添剤の遊離・埋没が促進されることをいい。このトナー劣化により、トナーの凝集度の増加や帯電性能の低下を招き、現像ローラ表面にトナーが融着するトナーフィルミングなどが発生し、現像装置の長寿命化が妨げられる。そのため、機械的摺擦を高める以外の方法で現像ゴーストの発生を低減することが必要であった。
これに対して、現像ローラである現像剤担持体と供給ローラである供給部材との間に電位差を設けるためのバイアスを印加する方法がある(特許文献1)。この方法では、静電的な力によって供給部材から現像剤担持体へのトナーである現像剤の供給や、現像剤担持体からの現像剤の回収を行っている。特許文献1では非画像形成時に現像剤担持体にあたる中間ローラ上の現像剤を回収するバイアスを印加し、画像形成時には、中間ローラに現像剤層を形成するためのバイアスを印加する制御を行う方法が提案されている。この制御を用いれば確かに非画像形成時に現像剤帯電量の上昇が低減できる。しかし、画像形成時においては、背景色後の現像剤担持体である中間ローラ上の現像剤帯電量が上昇してしまう恐れがある。その結果、印字パターンの違いによる現像剤帯電量の違いが発生してしまい、現像ゴーストが発生する可能性がある。これに対して、画像形成時にも現像剤担持体上の現像剤が供給部材へ回収されるバイアス制御を行えば、画像形成時の現像剤帯電量上昇も低減されるが、一方で画像形成時に十分な量の現像剤が現像剤担持体上へ供給されなくなる。その結果、全ベタ画像のような高印字の印刷が行われた場合に、現像剤の供給量が不足することによる画像抜け(以下、「ベタ追従性不良」という)が発生する恐れがある。
特開平9−15976号公報 特開2015−175999 号公報
これらの課題を解決するために、1枚の記録材に画像を形成する際の現像バイアスと供給バイアスの大きさを変えることにより現像ゴーストとベタ追従性不良を改善する提案がなされている(特許文献2)。
しかし、現像ゴーストやベタ追従性不良の発生は、画像を印刷する記録材のサイズの違いによる影響があり、より長尺な紙を印刷する場合に、これらの現象が発生する可能性が高くなる。
そこで、本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材と、を備え、
1つの前記記録材に画像を形成する画像形成開始時から画像形成終了時までの時間を画像形成時間とした場合に、
前記現像剤担持に印加する現像バイアスの大きさと前記供給部材に印加する供給バイアスの大きさとの差が画像形成開始時と画像形成終了時で異なるように変化させ、かつ
前記記録材の搬送方向における前記記録材の長さに応じて前記差の変化量を変える画像形成装置を提供するものである。
本発明によれば、記録材の長さに応じて、画像形成時間での現像バイアスの大きさと供給バイアスの大きさとの差を変化させることにより、現像ゴーストやベタ追従性不良の発生を低減することができる。
本実施例に係る画像形成装置の概略断面図 本実施例におけるプロセスカートリッジの概略断面図 実施例1における電圧制御のタイミングチャート 実施例2における電圧制御のタイミングチャート 本発明の変形例である電圧制御を示すタイミングチャート バイアスの電位差とトナー付勢力の関係を説明する模式図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[画像形成装置]
図1を参照して、本発明の実施例に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本実施例に係る画像形成装置100の模式的断面図である。本実施例では、画像形成装置の一例として、インライン方式かつ中間転写方式を採用したフルカラーレーザービームプリンタについて説明する。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体に接続された画像読み取り装置、或いは画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体に入力される。
画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための複数の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と水平方向とに交差する方向で、断面から見ると水平方向に対して斜めに傾いて一列に配置されている。また、画像形成部には、プロセスカートリッジ7が含まれ、画像形成部と同様に鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。各色用のプロセスカートリッジ7は全て同一形状を有しており、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の現像剤であるトナーが収容されている。なお、使用頻度の高いブラック用のプロセスカートリッジを、他のプロセスカートリッジよりも大型とする構成としてもよい。
プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体(以下、装置本体)に設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、装置本体に着脱可能となっている。ここで、装置本体とは、画像形成装置100の構成から少なくともプロセスカートリッジ7を除いた装置構成部分のことをいう。なお、後述する現像装置3が単独で装置本体に着脱可能な構成としても良く、その場合は、画像形成装置100の構成から現像装置3を除いた装置構成部分を装置本体とする場合もある。
像担持体である感光ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)により、プロセスカートリッジに設けられた駆動力伝達部材であるギアを介して回転駆動される。感光ドラム1の周囲にはスキャナユニット(露光装置)30が配置されている。スキャナユニット30は、画像情報に基づきレーザを照射して感光ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段である。レーザ露光の書き出しは、主走査方向(記録材12の搬送方向と直交する方向)では、走査ラインごとにBDと呼ばれるポリゴンスキャナ内の位置信号から行われる。一方で、副走査方向(記録材12の搬送方向)では、記録材12搬送路内のスイッチ(不図示)を起点とするTОP信号から所定の時間だけ遅延させて行われる。これにより、4つのプロセスカートリッジにおいて、感光ドラム1上の同じ位置に対してレーザ露光を行うことができる。
4個の感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上の現像剤像であるトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト31が配置されている。中間転写体としての無端状のベルトの中間転写ベルト31は、全ての感光ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト31の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、一次転写手段としての4個の一次転写ローラ32が並設されている。
そして、一次転写ローラ32に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト31上に転写(一次転写)される。
また、中間転写ベルト31の外周面側において二次転写手段としての二次転写ローラ33が配置されている。そして、二次転写ローラ33に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト31上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト31上に各色のトナー像が順次に重ね合わせて一次転写される。その後、中間転写ベルト31の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部へと搬送される。そして、記録材12を介して中間転写ベルト31に当接している二次転写ローラ33の作用によって、中間転写ベルト31上の4色トナー像は、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置34に搬送される。定着装置34において記録材12に熱および圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。その後、トナー像が定着された記録材12は、装置本体上面に設けられた排紙トレーに排出される。
[プロセスカートリッジ]
図2を参照して、本実施例に係る画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の構成について説明する。図2は、本実施例におけるプロセスカートリッジ7の感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に垂直な断面を模式的に示す断面図である。尚、本実施例では、収容している現像剤であるトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成および動作は実質的に同一である。
プロセスカートリッジ7は、像担持体である感光ドラム1等を備えた感光ユニット13と、現像剤担持体である現像ローラ4等を備えた現像ユニット3とを有する。感光ユニット13には、図示しない軸受を介して感光ドラム1が回転可能に取り付けられている。感光ドラム1は、感光ドラム駆動手段アとしての駆動モータの駆動力を受けることによって、画像形成動作に応じて図示矢印A方向に回転駆動される。また、感光ユニット13には、感光ドラム1の周面上に接触するように、帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。帯電ローラ2には、図示しない帯電バイアス印加手段としての帯電バイアス電源(高圧電源)から、感光ドラム1上に任意の電荷を載せられるのに十分なバイアスが印加される。本実施例では、感光ドラム1上の電位(帯電電位:Vd)が−500Vとなるように印加するバイアスを設定した。帯電ローラ2によって帯電された感光ドラム1上には、スキャナユニット30から画像情報に基づきレーザ11が照射され、感光ドラム1上に静電像(静電潜像)が形成される。
一方、現像ユニット3は、枠体から構成される現像室18aと現像剤収容室18bとを有し、現像剤収容室18bは現像室18aの下方に配置されている。現像剤収容室18bの内部には、現像剤としてのトナー10が収容されている。つまり、枠体が現像剤を収容している。また、現像剤収容室18bには、このトナー10を現像室18aに搬送するための現像剤搬送部材22が設けられており、図中矢印Gの方向へ回転することによってトナーを現像室18aへと搬送している。現像剤搬送部材22の軸中心は、現像剤担持体である現像ローラの下方に設けられており、現像剤搬送部材の有するシート部材の弾性変形を利用してトナーを現像ローラに向けて汲み上げ搬送を行う構成である。
また、本実施例では、トナー10の正規の帯電極性を負極性としたものを用いている。このため、以下の説明は、負帯電性トナーを用いた場合を前提としている。ただし、本発明で用いることができるトナーは負帯電性トナーに限定されるものではなく、装置構成によっては正規の帯電極性が正極性のトナー(正帯電性トナー)を用いてもよい。
現像室18aには、感光ドラム1と接触し、現像駆動手段イとしての駆動モータの駆動力を受けることによって図示矢印D方向に回転する現像剤担持体としての現像ローラ4が設けられている。本実施例では、現像ローラ4と感光ドラム1とは、対向部(接触位置)において互いの表面が同じ方向に移動するようにそれぞれ回転する。また、現像ローラ4には、現像ローラバイアス印加手段(現像バイアス印加部)としての現像ローラバイアス電源(高圧電源)40から、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像、可視化するのに十分な現像バイアスが印加される。
現像室18aにはさらに、現像剤供給部材である供給ローラ5と、現像剤量規制部材である規制部材8が配置されている。現像剤供給部材である供給ローラ5は、現像剤収容室18bから搬送されたトナーを現像ローラ4に供給するためのローラであり、規制部材8は、供給ローラ5によって供給された現像ローラ4上のトナーのコート量規制及び電荷付与を行う。供給ローラ5には、供給ローラバイアス印加手段(供給バイアス印加部)としての供給ローラバイアス電源(高圧電源)50から供給バイアスが印加される。
ここで、現像ローラバイアス電源40と供給ローラバイアス電源50によって印加される現像バイアスや供給バイアスは、記録材情報取得部70で得られた情報に基づいて制御部60によって制御される。記録材情報取得部70は、画像形成装置100の操作パネル72やプリンタドライバから入力される情報を用いる。その情報以外に、画像形成装置100内部に設けられている光学センサや機械センサなどの記録材検出部71で検出した自動入力情報などを取得する。また、記録材情報取得手段70としては、給紙カセットに収容された記録材のサイズを自動検出する記録材検出部からの情報を用いても良い。これらの検出結果を基に、電位差の変化量を変える制御を行う。
供給ローラ5は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラであり、現像ローラ4との対向部(接触位置)において、現像ローラ4の周面上に所定の接触部を形成して配設されている。そして、現像駆動手段イとしての駆動モータの駆動力を受けることによって、供給ローラ5は、図示矢印Eの方向に回転する。本実施例においては、現像ローラ4は100rpm、供給ローラ5は200rpmで駆動回転している。また、本実施例で用いた供給ローラ5は、抵抗値が4×10^6Ω、硬度が190gfのものを用いた。ただし、本実施例における供給ローラ5の硬度は、長手幅50mmの平板を供給ローラ5の表面から1mm侵入させたときの荷重を測定した値である。
供給ローラ5によって現像ローラ4に供給されたトナーは、現像ローラ4の矢印D方向への回転によって、規制部材8と現像ローラ4との接触当接部へ進入する。そして、現像ローラ4に担持されたトナーは、現像ローラ4の表面と規制部材8との摺擦により摩擦帯電され、電荷を付与されると同時にその層厚が規制される。規制された現像ローラ4上のトナーは、現像ローラ4の回転により、感光ドラム1との対向部に搬送され、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像、可視化する。なお、供給ローラ5と現像ローラ4の回転方向は、対向部(接触位置)においては同方向(供給ローラが時計回りで現像ローラが逆時計回りでローラ自体は逆回転)である。しかし、これに限定されず、ローラ同士の対向部(接触位置)における相対的な移動方向(回転方向)が逆方向(例えば、現像ローラと供給ローラとも時計回り)となる構成でもよい。
現像ローラ4上の現像領域で現像に使用されずに残留するトナー(現像残トナー)は、現像ローラ4の矢印D方向の回転によって供給ローラ5との接触部(対向部)へ進入する。現像残トナーの一部は、現像ローラ4と供給ローラ5との機械的摺擦および現像ローラ4と供給ローラ5との間の電位差によって供給ローラ5に回収され、供給ローラ5内のトナー及び周囲のトナーと混合される。一方、現像残トナーのうち供給ローラ5に回収されず現像ローラ4上に残留したトナーは、供給ローラ5との摺擦によって電荷を付与されると同時に、供給ローラ5から新たに供給されたトナーと混合される。
[トナーに働く付勢力]
ここで、供給ローラ5と現像ローラ4の接触部のトナーには、供給ローラ5に印加する供給バイアスと現像ローラ4に印加する現像バイアスの大小関係に応じて、トナーを供給ローラ5と現像ローラ4のいずれかの側に付勢する力が働く。図6を参照して、供給ローラ5と現像ローラ4の接触部のトナーに作用する付勢力について説明する。図6は、縦軸を電位、横軸を時間とし、変化する供給バイアスと現像バイアスの種々のパターン(a)〜(f)を示している。
[[バイアスの電位差が一定の場合]]
トナーに働く付勢力の方向が供給ローラ5と現像ローラ4のいずれの方向となるかは、供給ローラ5に印加するバイアスの値から現像ローラ4に印加するバイアスの値を引いた値の極性によって決まる。すなわち、現像バイアスの電位に対する供給バイアスとの電位の差が、どちらの極性で形成されているかにより、トナーを付勢する方向が決まる。このバイアス電位差の極性がトナーの正規帯電極性と同極性の場合、トナーを供給ローラ5から現像ローラ4側に付勢する力が対向部のトナーに働く(パターン(b))。逆に、バイアス電位差の極性がトナーの正規帯電極性と逆極性の場合、トナーを現像ローラ4から供給ローラ5側に付勢する力が対向部のトナーに働く(パターン(a))。
具体的には、図6のパターン(a)のように、現像バイアスが−400V、供給バイアスが−300Vの場合、バイアス電位差は(−300V)−(−400V)=+100Vとなり、その極性はプラスとなる。トナーの正規帯電極性がマイナスの場合、バイアス電位差の極性はトナーの正規帯電極性と逆極性となるため、トナーには現像ローラ4から供給ローラ5側に付勢する力が働くことになる。よって図5(a)では、バイアス電位差が0(ゼロ)の時に比べて現像ローラ4へのトナー供給量が減少し、コートされるトナー量も減少する。
一方、図6のパターン(b)のように、現像バイアスが−400V、供給バイアスが−500Vの場合、バイアス電位差は(−500V)−(−400V)=−100Vとなり、その極性はマイナスとなる。トナーの正規帯電極性がマイナスの場合、バイアス電位差の極性はトナーの正規帯電極性と同極性となるため、トナーには供給ローラ5から現像ローラ4側に付勢する力が働くことになる。よって図5(b)では、バイアス電位差が0(ゼロ)の時に比べて現像ローラ4へのトナー供給量が増加し、コートされるトナー量も増加する。
また、トナーに働く付勢力の大きさは、供給ローラ5と現像ローラ4のバイアス電位差が大きいほど大きくなる。すなわち、トナーに作用する力において、トナーを供給ローラ5側に付勢する力と現像ローラ4側に付勢する力のどちらがより支配的なのかが、供給ローラ5と現像ローラ4の電位差の極性と大きさとによって決まるということである。したがって、電位差がゼロのときは、上記2つの付勢力が拮抗した状態であり、結果としてトナーに働く付勢力がゼロになる。
[[バイアス電位差が変化する場合]]
図6を用いてバイアス電位差が変化する場合について説明する。
図6のパターン(c)のように、現像バイアスが−400Vの一定値であるのに対し、供給バイアスが所定の時間の間に−300Vから−350Vに変化した場合、バイアス電位差は+100Vから+50Vに変化する。このとき、バイアス電位差の極性は常にプラスなので、前述のようにトナーには現像ローラ4から供給ローラ5へ付勢する力が働き続ける。ただしバイアス電位差が減少している分、その付勢力は徐々に弱まっていく。
同様に、図6のパターン(d)のように、現像バイアスが−400Vの一定値であるのに対し、供給バイアスが所定の時間の間に−500Vから−450Vに変化した場合、バイアス電位差は−100Vから−50Vに変化する。このとき、バイアス電位差の極性は常にマイナスなので、前述のようにトナーには供給ローラ5から現像ローラ4へ付勢する力が働き続ける。ただしバイアス電位差が減少している分、その付勢力は徐々に弱まっていく。
一方、バイアス電位差が、その極性によって方向が決まる付勢力の大きさを増大させるように変化する場合には、当該付勢力がさらに支配的となり、トナーに作用する付勢力の方向は変化せず、維持される(パターン(e)、(f))。
図6のパターン(e)のように、現像バイアスが−400Vの一定値であるのに対し、供給バイアスが所定の時間の間に−350Vから−300Vに変化した場合、バイアス電位差は+50Vから+100Vに変化する。このとき、バイアス電位差の極性は常にプラスなので、前述のようにトナーには現像ローラ4から供給ローラ5へ付勢する力が働き続ける。ただしバイアス電位差が増加している分、その付勢力は徐々に強まっていく。
同様に、図6のパターン(f)のように、現像バイアスが−400Vの一定値であるのに対し、供給バイアスが所定の時間の間に−450Vから−500Vに変化した場合、バイアス電位差は−50Vから−100Vに変化する。このとき、バイアス電位差の極性は常にマイナスなので、前述のようにトナーには供給ローラ5から現像ローラ4へ付勢する力が働き続ける。ただしバイアス電位差が増加している分、その付勢力は徐々に強まっていく。
[現像ゴースト発生メカニズム]
現像ゴーストの発生メカニズムと、現像ゴーストと供給ローラ5による現像残トナーの回収量の関係について説明する。ただし、本実施例における現像ゴーストは、ベタ印字直後(以下、「黒後」という)のハーフトーン濃度が背景部直後(以下、「白後」という)のハーフトーン濃度よりも濃くなる現象をいう。現像ゴーストは、白後のトナー帯電量と黒後のトナー帯電量との間の差によって、感光ドラム1上の静電潜像に対して現像されるトナー量に差が生じることが原因となって発生する。
黒後では、現像ローラ4上のトナーがその都度消費されるために、規制部材8を通過したトナーの帯電量は、規制部材8の摩擦帯電能力の寄与が大きい。一方、白後では、あらかじめ帯電されている現像残トナーに対して、供給ローラ5と現像ローラ4との間の摩擦帯電と規制部材8による摩擦帯電が加わる。そのため、白後のトナー帯電量は黒後のトナー帯電量と比較して高くなりやすい。つまり、現像残トナーが供給ローラ5によって回収されず現像ローラ上に残ってしまうことが原因であり、供給ローラ5で回収される現像残トナー量を多くすることができれば、黒後のトナー帯電量に近づけることができる。これによって黒後のトナー帯電量と白後のトナー帯電量の差を少なくでき、現像ゴーストを軽減できる。
現像残トナーの供給ローラ5への回収量を多くするためには、現像ローラ4と供給ローラ5との間の電位差をトナーが供給ローラ5へ付勢される方向に設定し、現像残トナーの供給ローラ5への回収量を増加することが有効である。しかし、単に画像形成時にトナーが供給ローラ5に付勢される方向に現像ローラ4と供給ローラ5の間の電位差を設定してしまうと、供給ローラ5から現像ローラ4へのトナー供給量が不十分になってしまうことが懸念される。その結果、ベタ画像のような高印字の印刷を行ったときにベタ追従性不良が発生してしまう可能性がある。
以上のことを鑑みると、ベタ追従性不良を低減しつつ、かつ現像残トナーの供給ローラ5への回収量を増加させることによって現像ゴーストの発生を低減する方法が必要である。
更に、現像ゴーストの発生とベタ追従性不良の発生は、画像形成領域の長さ、つまり使用する記録材のサイズによっても影響を受ける。具体的には、より長尺な記録材への印刷時には、現像ゴーストとベタ追従性不良とが発生する可能性が高まってしまう。ここで、記録材のサイズとベタ追従性不良の発生と現像ゴーストの発生について説明する。
まず、現像ゴーストは上記説明したように白後のトナー帯電量が上昇してしまうことによって発生する問題であり、背景部の長さが長ければ長いほど悪化していく。これに関して、より長尺な記録材への印刷時には、1枚プリントの画像形成中における背景部の長さが長くなる可能性が高まる。その結果、白後のトナー帯電量がより高くなってしまい、現像ゴーストが発生しやすくなる。
また、ベタ追従性不良に関して説明する。同じ画像を印刷した場合、より長尺な1枚の記録材への印刷時の方が長さの短い1枚の記録材への印刷時に対して、1枚プリントに対して多くのトナー量が必要となる。つまり、ベタ画像のような高印字の印刷を行った場合には、画像後半部での供給ローラ5から現像ローラ4へのトナー供給量が不十分になる可能性が高くなる。その結果、長尺な記録材への印刷時には、ベタ追従性不良が発生しやすくなる。これまで説明したように、記録材の長さは、画像形成方向(又は記録材の搬送方向)における長さが長い場合や短い場合における現像ゴーストやベタ追従性に関するものである。
本実施例では、より長尺な記録材を使用した場合にも、現像ローラ4と供給ローラ5との間の電位差の制御(電圧の制御)を記録材サイズに応じて適正化することによってこれを達成することができる。以下、制御の詳細とその効果について実施例を用いて説明する。
[実施例1]
本発明の実施例における現像ローラ4と供給ローラ5間のバイアス制御について、図3を用いて説明する。本実施例では現像ローラ4や供給ローラ5に印加される電圧を制御している。また、本実施例の記録材としては、レターサイズ紙(幅216mm×搬送方向長さ279mm)とリーガルサイズ紙(幅216mm×搬送方向長さ356mm)を印刷する場合を例に挙げて説明する。レターサイズ紙を第1の記録材とし、リーガルサイズ紙を第2の記録材とすると、紙の搬送方向での長さが異なり、第2の記録材であるリーガルサイズ紙の方がレターサイズ紙の長さより長い。
図3はレターサイズ紙の1枚プリントを行った場合と、リーガルサイズ紙の1枚プリントを行った場合のバイアス制御の違いを説明するタイミングチャートである。また、比較例1−1と比較して示してある。
ここで、タイミングチャート内の各タイミングについて詳しく説明する。以下の各タイミングは、1枚の記録材のプリント中(画像形成時間中)におけるそれぞれのタイミングである。
「画像形成開始時」とは、副走査方向のレーザ露光の書き出しタイミングである。
「画像形成終了時」とは、副走査方向のレーザ露光が終了するタイミングとしてあり、レターサイズ紙の場合とリーガルサイズ紙の場合のそれぞれについて示してある。
ただし、上記各タイミングは、1枚の記録材のプリント(画像形成時間)中で完結する範囲であれば、上記に限られるものではない。例えば、「画像形成開始時」を副走査方向のレーザ露光の書き出しタイミングより所定の時間(所定期間)だけ前に設定してもよい。また、「画像形成終了時」についても、例えばレーザ露光終了タイミングより所定の時間だけ後に設定してもよい。現像装置および画像形成装置の構成に応じて最適になるよう変更して良い。また、画像形成開始時から画像形成終了時までの時間を画像形成時間としている。
現像ローラ4に印加するバイアスは、レターサイズ紙の場合とリーガルサイズ紙の場合ともに、「画像形成開始時」から「画像形成終了時」まで一定のバイアスであり、本実施例では−400V印加する。
供給ローラ5に印加する供給バイアスは、「画像形成開始時」から「画像形成終了時」まで印加するバイアスに傾きを持たせ、トナーが供給ローラ5から現像ローラ4へ付勢される方向に徐々に電位差を大きくする制御を行う。これにより、現像ローラ4と供給ローラ5との間の電位差に対する応答性の高いトナーから徐々に供給ローラ5から現像ローラ4へ供給されるようになる。したがって、画像先端部においては、必要以上の量のトナーが供給ローラ5から現像ローラ4上に供給されるのを低減できる。その結果、画像形成中においても白後のトナー帯電量の上昇が低減でき、白後のトナー帯電量と黒後のトナー帯電量との差を小さくすることが可能となる。
また、画像後半部の画像形成中においては、現像ローラ4と供給ローラ5との間の電位差を十分に設けているため、十分な量のトナー供給量が現像ローラ4上に供給されている。その結果、例えば全ベタ画像のような高印字画像が印刷された場合においても、トナー供給量不足によるベタ追従性不良が発生することなく、高品質な画像を提供することができる。
このとき、レターサイズ紙を印刷する場合とリーガルサイズ紙を印刷する場合とで、画像形成中に供給ローラ5に印加するバイアスの単位時間当たりの変化量(以下、「供給バイアス傾き」という。)を変えている。
本実施例においては、記録材情報取得部70が「画像形成開始時」前に画像形成装置100の操作パネル72に入力された情報を受け取る。その記録材情報に基づいて画像形成中の供給ローラ5に印加するバイアスの単位時間当たりの変化量を制御している。
レターサイズ紙を印刷する場合には、「画像形成開始時」に印加する供給バイアスを−300Vとし、「画像形成終了時」に印加する供給バイアスを−500Vとし、供給バイアス傾きを画像形成時間中一定とする制御を行った。別の言い方をすると、変化量は直線的に変化している。一方、リーガルサイズ紙を印刷する場合にも同様に、「画像形成開始時」に印加する供給バイアスを−300Vとし、「画像形成終了時」に印加する供給バイアスを−500Vとし、供給バイアス傾きを画像形成時間中一定とする制御を行った。この時、レターサイズ紙を印刷する場合の供給バイアス傾きとリーガルサイズ紙を印刷する場合との供給ローラバイアス傾きを比較すると、リーガルサイズ紙を印刷する場合の方が、レターサイズ紙を印刷する場合に比べて傾きを小さくしている。また、別の観点から見ると、レターサイズ紙の場合に、画像形成開始時から電位差が0になるまでの時間は、レターサイズ紙よりもリーガルサイズ紙の方が長い。さらに、画像形成開始時から所定時間(おおむねレターサイズ紙の画像形成時間の中間時より前)経過後における電位差は、リーガルサイズ紙の方がレターサイズ紙よりも大きい。概念的に記載すると、次のようになる。まず、第1の記録材と長さが長い第2の記録材がある場合に、画像形成開始時から電位差が0になるまでの時間が、第2の記録材に画像を形成する場合の方が第1の記録材に画像を形成する場合よりも長い。さらに、画像形成開始時から所定時間経過後の第1の記録材における電位差を第1の差(D1)、画像形成開始時から所定時間経過後の第2の記録材における電位差を第2の差(D2)とする。この場合に、第2の差(D2)が第1の差(D1)よりも大きい。ここで所定時間とは、第1の記録材の画像形成時間の中で、画像形成開始時を除き、画像形成時間の中間時より前までの時間である。
これにより、画像先端部での供給ローラ5から現像ローラ4へのトナー供給量を低減でき、画像後半部までトナー供給量不足によるベタ追従性不良が発生することなく、高品質な画像を提供することができる。また、画像先端部でのトナー供給量を低減することにより、画像形成中に白後のトナー帯電量が上昇するのを低減でき、白後のトナー帯電量と黒後のトナー帯電量との差を小さくすることが可能となる。
[実験]
ここで、本実施例の効果を示すために行った実験について説明する。本実験は、常温常湿条件の環境下(温度23℃、湿度60%)にて、レターサイズ紙とリーガルサイズ紙を用いて評価用画像の印刷を行い、現像ゴーストとベタ追従性不良の評価を行った。
現像ゴーストの判定は、用紙前半部に現像ゴースト判定画像として、紙先端に5mm×5mmのベタ黒パッチを10mm間隔で紙の搬送方向に対して直角方向に配置し、それ以降にハーフトーン画像を印刷するという評価画像を用いて行った。また、用紙後半部の現像ゴースト判定画像として、用紙先端から200mm位置に、5mm×5mmのベタ黒パッチを10mm間隔で配置し、それ以降にハーフトーン画像を印刷するという評価画像を用いて行った。ベタ黒パッチ後のハーフトーン画像濃度と、それ以外の部分でのハーフトーン画像濃度をX−Rite製SPECTORDENSITOMETER 500用いて測定し、その濃度差から以下のような基準でランク付けを行った。
A:ハーフトーン画像において、濃度差が0.04未満
B:ハーフトーン画像において、濃度差が0.04〜0.08未満
C:ハーフトーン画像において、濃度差が0.08以上
ベタ追従性不良の評価は、ベタ黒画像を連続3枚出力し、3枚目のベタ黒画像の出力先端と後端の濃度差から下記に示す評価を、X−Rite製SPECTORDENSITOMETER 500を用いて行った。尚、印字テスト及び評価画像は単色で出力した。
A:全ベタ画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2未満
B:全ベタ画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2〜0.3未満
C:全ベタ画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.3以上
また、本実施例の効果を比較する例として、図3中に示してある比較例のバイアス制御を行った場合に対して同様の実験を行い、現像ゴーストとベタ追従性不良の評価を行った。比較例は、「画像形成開始時」から「画像形成終了時」までレターサイズ紙印刷時の供給バイアス傾きとリーガルサイズ紙印刷時の供給バイアス傾きの値を同じにしたものである。実験の結果を表1に示す。
比較例の制御を行った場合には、用紙前半部の現像ゴーストはレターサイズ紙の印刷時と同様にその発生を低減することができたが、用紙後半部における現像ゴーストの発生を十分に低減できないことがあった。これは、用紙後半部に至るまでに現像ローラ4上にトナーが必要以上に供給され、供給ローラ5による現像残トナーの回収不足が起こった結果、トナーの帯電量の上昇を招き、白後のトナー帯電量と黒後のトナー帯電量との差が広がったためである。
一方、リーガルサイズ紙印刷時の供給バイアス傾きをレターサイズ紙印刷時に比べて小さくする実施例1の制御を行った場合、用紙後半部に至るまでの現像ローラ4上のトナー帯電量の上昇が低減された。その結果、用紙後半部においても現像ゴーストのレベルを軽減することができた。
これまで説明したように、本実施例の構成であれば、より高品質の画像を形成することができるが、比較例のような構成でも一定の画像は形成することが可能である。
[実施例2]
実施例2に係る画像形成装置は、現像ローラの対ドラム周速比を上げるとともに、供給バイアスの傾きを変える制御を行うことで、実施例1より更に長い紙長さである長尺紙に対応するものである。実施例2はA3紙よりも長い長尺紙印刷時に、現像ローラへのトナー供給が十分ではないときに行う。本実施例の制御を行うことで、印刷する記録材の種類(記録材の長さ)によって用紙の後半部に現像ゴーストの発生しやすい場合においても、現像ゴーストの発生を低減できるという効果がある。これは、現像ローラ上に現像残トナーを残すことで、供給バイアス傾きを小さくすることが可能であるため、用紙後半部でのトナー供給量を低減できるからである。なお、実施例2の説明において、上述した実施例1と重複する部分については、その説明を省略する。
図4のタイミングチャートを用いて、実施例2の制御を説明する。図4はA3紙(幅297mm×搬送方向長さ420mm)の1枚プリントを行った場合と、長尺紙(幅297mm×搬送方向長さ600mm)の1枚プリントを行った場合のバイアス制御を比較例2−1、比較例2−2と比較して示したタイミングチャートである。本実施例では、画像形成中において感光ドラム表面の移動速度(周速)を小さくすることで、現像ローラの対感光ドラム周速比を上げる制御を行う。本実施例での感光ドラム表面の移動速度は、200mm/secである。このとき、現像ローラに印加するバイアスは一定であり、現像ローラ上のトナーをすべて感光ドラム上に現像させなくしている。この制御により、現像残トナーを残すことでベタ追従性不良の発生を防止できる。そのため、供給ローラバイアスの傾きを小さくすることが可能となり、画像後半部におけるトナー供給量を低減できる。これによって、トナーが供給されやすい状態になった場合においても、現像ゴーストの発生を低減することが可能となる。比較例2−1は、「画像形成開始時」から「画像形成終了時」までの画像形成時間において、A3紙印刷時の供給バイアス傾きと長尺紙印刷時の供給バイアス傾きの値を同じにした。また、比較例2−2は、感光ドラム周速を下げない場合に、供給バイアスの制御を比較例2−1と同じにしたものである。なお、本実施例はA3紙よりも長い長尺紙を使用した場合に有効である。
[実験]
本実施例においても、実施例1で行ったものと同様の実験を行った。ただし、本実施例の実験では、A3紙と長尺紙を用いて行いそれぞれについて現像ゴーストの判定を行った。本実施例では、A3紙が第1の記録材で長尺紙が第2の記録材になる。なお、本実施例の制御において、「画像形成開始時」から「画像形成終了時」まで現像ローラに印加する現像バイアスは−400Vで一定とした。また、A3紙を印刷する場合には、「画像形成開始時」に印加する供給バイアスを−300Vとし、「画像形成終了時」に印加する供給バイアスを−500Vとし、供給バイアス傾きを一定とする制御を行った。一方、長尺紙を印刷する場合にも同様に、「画像形成開始時」に印加する供給バイアスを−300Vとし、「画像形成終了時」に印加する供給バイアスを−500Vとし、供給バイアス傾きを一定とする制御を行った。また、現像ローラの対感光ドラム周速比は、実施例2と比較例2−1では110%とし、一方、比較例2−2では130%となる制御を行った。ここで、周速比とは、現像ローラの表面の移動速度と感光ドラムの表面の移動速度との比であり、周速比=(現像ローラ表面の移動速度)÷(感光ドラム表面の移動速度)×100の式になる。
実験の結果を表2に示す。
表2に示した通り、比較例の制御を行った場合には、用紙前半部の現像ゴーストの発生を低減することができたが、用紙後半部において現像ゴーストの発生を十分に低減できないことがあった。比較例2−1の制御を行った場合では、画像形成中において必要以上のトナーが現像ローラへ供給されるため、供給ローラによる回収量が不足する。その結果、白後のトナー帯電量が上昇し、黒後のトナー帯電量と白後のトナー帯電量との差が広がり、現像ゴーストが発生してしまう。また、比較例2−2では、用紙後半部においてトナー供給量が不十分になり、全ベタ画像においてベタ追従性不良が発生してしまう。
一方、実施例2の制御を行った場合、用紙後半部に至るまでの現像ローラ上のトナー帯電量の上昇が低減された。その結果、用紙後半部においても発生する現像ゴーストのレベルを軽減することができた。なお、本実施例では「画像形成開始時」から「画像形成終了時」までの画像形成時間において、供給バイアスが現像バイアスをまたぐ制御について説明したが、現像バイアスをまたがない場合についても同様の制御を行うことができる。
[変形例]
なお、本実施例では、画像形成中の供給バイアスの傾きが一定になるように制御した場合について説明したが、これに限ったものではない。本発明の趣旨を外れない範囲内であれば、種々の変形が可能である。以下に、変形例を挙げて説明する。
図5に示す変形例1では、供給ローラバイアス傾きを「画像形成開始時」から「画像形成終了時」まで連続的に変化させる制御を行っている。この制御を行った場合でも、画像先端部で供給ローラ5から現像ローラ4へ必要量以上のトナーが供給されるのを低減することができ、用紙の後半部においてベタ追従性不良の発生を低減しつつ、現像ゴーストの発生レベルを低減できる。変化量は、画像形成時間の前半は小さく、画像形成時間の後半で大きくするような制御でもよい。別の言い方をすれば、画像形成時間の前半は、バイアスの傾きが小さく、画像形成時間の後半で、バイアスの傾きを大きくする制御をしてもよい。画像形成開始時この場合、供給バイアスの時間経過に伴う変化は曲線上になっていてもよい。
また、図5に示す変形例2では、画像形成中の所定のタイミングにおいて、「電位差変化切り替え」タイミングを設け、このタイミングにおいて、供給バイアス傾きを変える制御を行っている。本変形例でも本発明の効果が得られる。図に示すように本変形例では、用紙の後半部に「電位差変化切り替え」タイミングを設け、画像後半部での供給ローラバイアス傾きを小さくする制御を行っている。具体的には、切り替え後は、供給バイアスを一定(傾きを0にしている)にしている。用紙後半部でのトナー供給量が十分であり、ベタ追従性不良の発生が低減できる条件であれば、用紙後半部でのトナー帯電の上昇が抑制でき、その結果、用紙後半部において発生する現像ゴーストのレベルを低減できる。
なお、供給バイアス傾きの切り替え回数は1回に限定されるものではなく、「電位差変化切り替え」タイミングを複数設定し、供給ローラバイアス傾きを複数回変化させるようにしても良い。
また、ベタ追従性不良の防止に十分量のトナーが供給ローラ5から現像ローラ4へ供給できる条件であれば、任意の区間において、供給ローラバイアス傾きを0とすることも可能である。任意の区間において供給ローラバイアス傾きを0とすれば、用紙後半部に至るまでの現像ローラ4上のトナー帯電量の上昇が低減でき、その結果、用紙後半部においても発生する現像ゴーストのレベルを低減することが可能となる。
また、図5に示す変形例3では、変形例1のように供給ローラバイアス傾きを連続的に変化させつつ、途中に変曲点を設けるような制御を行っている。この制御を行った場合でも、トナー供給量が十分でベタ追従性不良の発生が低減できる条件であれば、現像ゴーストの発生も防ぐことができる。なお供給ローラバイアスの変曲点は1回に限定されるものではなく、複数回持つようにしても良い。
また、実施例と比較例では供給ローラ5に印加するバイアスの制御を行う場合について説明したが、これに限るものではない。現像ローラ4に印加するバイアスの制御を行ってもよい。現像ローラ4と供給ローラ5との間の電位差の制御を行えれば良い。
また、実施例2では、感光ドラム周速を下げることで対現像ローラ周速比を変える場合について説明したが、これに限るものではない。感光ドラムの移動速度(周速)を変えることなく、現像ローラの移動速度(周速)を上げる制御で現像ローラと感光ドラムとの間の周速差制御を行ってもよい。現像ローラの移動速度を上げることにより、感光ドラムの単位面積上のトナー質量を大きくすることができる。これにより色領域を広げることができる。例えば、通常の画像形成モードでの周速比を150%とし、色域拡大モードとして周速比を230%としてより高画質の出力が可能な画像形成装置の構成にもすることが可能になる。比較実験結果にあるように周速比をあげるとベタ追従性が悪くなるので、記録材の長さに加え周速比も考慮して電位差を制御することも構成によっては可能である。
[その他]
図3の挙動を更に詳しく説明すると、電位差は、画像形成開始時から画像形成時間の中間に向かって小さくなる。そして、画像形成時間の中間から画像形成終了時に向かって再度大きくなる。
また、画像形成開始時の電位差の絶対値を開始時差(S1)、画像形成終了時の電位差の絶対値を終了時差(S2)、開始時差(S1)と終了時差(S2)との合算を合算差(S3)とする。そして、第1の記録材と第1の記録材よりも長さが長い第2の記録材がある場合を見る。この場合、第1の記録材の合算差(1−S3)と第2の記録材の合算差(2−S3)との差の絶対値である総合差(S4)は、0(ゼロ)である。ただし、0(ゼロ)である必要はなく、開始時差(S1)よりも小さければよい。より好ましくは、開始時差の大きさに対して10分の1以下から0以上である。
総合差(S4)が0(ゼロ)であるのは、第1の記録材における画像形成開始時の電位差と第2の記録材における画像形成開始時の電位差とが同じであることがある。同様に、第1の記録材における画像形成終了時の電位差と第2の記録材における画像形成終了時の電位差とが同じであるためである。
また、図3からも分かるように、実施例1では、画像形成開始時と画像形成終了時を除く画像形成時間内で電位差が0になる時がある。図3では画像形成時間の中間時であるが、少し前半部や後半部に電位差が0になる時がずれていてもよい。
100 画像形成装置
1 像担持体
10 現像剤
4 現像剤担持体
5 現像剤供給部材

Claims (17)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成装置であって、
    現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材と、を備え、
    1つの前記記録材に画像を形成する画像形成の開始時から画像形成の終了時までの時間を画像形成時間とした場合に、
    前記現像剤担持体に印加する現像バイアスの大きさと前記供給部材に印加する供給バイアスの大きさとの差が前記画像形成の開始時と前記画像形成の終了時で異なるように変化させ、かつ
    前記記録材の搬送方向における前記記録材の長さに応じて前記差の変化量を変えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 第1の記録材と第1の記録材よりも長さが長い第2の記録材がある場合に、前記画像形成の開始時から前記差が0になるまでの時間が、前記第2の記録材よりも前記第1の記録材の方が長いことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 第1の記録材と第1の記録材よりも長さが長い第2の記録材がある場合に、画像形成の開始時から所定時間の経過後の第1の記録材における前記差を第1の差(D1)、画像形成の開始時から所定時間の経過後の第2の記録材における前記差を第2の差(D2)とした場合に、第2の差(D2)が第1の差(D1)よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記所定時間は、前記第1の記録材の画像形成時間の中で、前記画像形成の開始時を除き、前記画像形成時間の中間時より前までの時間であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記差は、前記画像形成時間の中間時から前記画像形成の終了時に向かって大きくなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記差は、前記画像形成の開始時から前記画像形成時間の中間時に向かって小さくなることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記供給バイアスの大きさを変化させることにより、前記差を変化させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成の開始時の前記差の絶対値を開始時差(S1)、前記画像形成の終了時の前記差の絶対値を終了時差(S2)、前記開始時差(S1)と前記終了時差(S2)の合算を合算差(S3)とし、第1の記録材と第1の記録材よりも長さが長い第2の記録材がある場合に、
    前記第1の記録材の合算差(1−S3)と前記第2の記録材の合算差(2−S3)との差の絶対値である総合差(S4)は、前記開始時差(S1)よりも小さいことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記総合差(S4)は、前記開始時差の大きさに対して10分の1以下から0以上であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 第1の記録材と第1の記録材よりも長さが長い第2の記録材がある場合に、前記第1の記録材における画像形成の開始時の前記差と前記第2の記録材における画像形成の開始時の前記差とが同じであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 第1の記録材と第1の記録材よりも長さが長い第2の記録材がある場合に、前記第1の記録材における画像形成の終了時の前記差と前記第2の記録材における画像形成の終了時の前記差とが同じであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成の開始時と前記画像形成の終了時を除く前記画像形成時間のうちで前記差が0になる時があることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記変化量は直線的に変化することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記記録材の種類を検出する記録材検出部を有し、
    前記記録材検出部の検出結果をもとに、前記差の変化量を変えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記現像剤担持体の回転方向と前記供給部材の回転方向とは、前記現像剤担持体と前記供給部材の接触位置で同じであることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  16. 現像剤を収容する枠体と、
    前記現像剤を搬送する搬送部材と、を備え、
    前記搬送部材の軸は、前記現像剤担持体の下方に位置することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記現像剤担持体と前記供給部材とを有する現像装置または像担持体と前記現像剤担持と前記供給部材とを有するプロセスカートリッジが着脱可能であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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