JP2017147134A - 燃料電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池セルにおいて、膜電極接合体の変形を抑制可能な技術を提供する。【解決手段】燃料電池セルは、膜電極接合体と、膜電極接合体に隣接するガス拡散層と、ガス拡散層に隣接するセパレータと、を備える。セパレータは、ガス拡散層と接触する接触部分と、接触しない非接触部分とを有し、非接触部分が、反応ガスが流れるセパレータ溝部を構成し、セパレータ溝部は、第1の溝部と第1の溝部よりも幅の広い第2の溝部とを含み、ガス拡散層の第2の溝部に対向する部分の弾性率が、ガス拡散層の第1の溝部に対向する弾性率よりも高い。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池セルに関する。
燃料電池セルは、例えば、特許文献1に記載されているような波形状のセパレータを備えている。
燃料電池セルは、生成水により膜電極接合体が湿潤することで膨張し、乾燥することで収縮する。これにより膜電極接合体は、引張応力がかかり変形する場合がある。膜電極接合体が、特許文献1に記載されたような波形状のセパレータにて挟持されている場合には、セパレータと接触している箇所は面圧が高く、変形に有利だが、セパレータとの接点からの距離が長い箇所は面圧が低く、この変形に対して不利となる。そのため、波形状のセパレータにてガス流路を形成する場合に、ガス入口からガス流路が複数に分岐すると、この分岐前後で溝幅が広くなり特に変形に対して不利となる。そのため、溝幅の広い部分と狭い部分とを有するセパレータを用いた燃料電池セルにおいて、膜電極接合体の変形を抑制可能な技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池セルが提供される。この燃料電池セルは、膜電極接合体と、;前記膜電極接合体に隣接するガス拡散層と;前記ガス拡散層に隣接するセパレータと、を備え;前記セパレータは、前記ガス拡散層と接触する接触部分と、接触しない非接触部分とを有し;前記非接触部分が、反応ガスが流れるセパレータ溝部を構成し;前記セパレータ溝部は、第1の溝部と前記第1の溝部よりも幅の広い第2の溝部とを含み;前記ガス拡散層の前記第2の溝部に対向する部分の弾性率が、前記ガス拡散層の前記第1の溝部に対向する部分の弾性率よりも高い。この形態の燃料電池セルによれば、膜電極接合体の変形を抑制することが可能になる。また、ガス拡散層の全体ではなく、一部のみ弾性率を高くしているので、ガス拡散性の大幅な低下を抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックや燃料電池としての形態の他、燃料電池セルの製造方法としての形態で実現することができる。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としての燃料電池セル100の概略構造を示す断面図である。図1には、後述する図2のA−A断面の一部を示している。燃料電池セル100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子型の燃料電池セルである。燃料電池セル100は、膜電極接合体10と、一対のガス拡散層20と、一対のセパレータ30と、を備える。
図1は、本発明の第1実施形態としての燃料電池セル100の概略構造を示す断面図である。図1には、後述する図2のA−A断面の一部を示している。燃料電池セル100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子型の燃料電池セルである。燃料電池セル100は、膜電極接合体10と、一対のガス拡散層20と、一対のセパレータ30と、を備える。
膜電極接合体10は、電解質膜11と、電解質膜11の両面にそれぞれ隣接して形成されたアノード側触媒層12a及びカソード側触媒層12bと、を備える。電解質膜11は湿潤状態において良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である。電解質膜11はフッ素系樹脂のイオン交換膜によって構成される。アノード側触媒層12a及びカソード側触媒層12bは水素と酸素の化学反応を促進する触媒と、触媒を担持したカーボン粒子とを備える。
ガス拡散層20は、膜電極接合体10のアノード側触媒層12a側の面とカソード側触媒層12b側の面とにそれぞれ隣接して設けられている。ガス拡散層20は、電極反応に用いられる反応ガスを電解質膜11の面方向に沿って拡散させる層であり、多孔質の拡散層用基材により構成されている。拡散層用基材としては、炭素繊維基材や黒鉛繊維基材、発砲金属など、導電性及びガス拡散性を有する多孔質の基材が用いられる。ガス拡散層20の膜電極接合体10側には、撥水処理が施されている。
セパレータ30は、各ガス拡散層20の膜電極接合体10側とは反対側の面にそれぞれ隣接して設けられている。本実施形態のセパレータ30は、波状のセパレータであり、ガス拡散層20と接触する接触部分31と、接触しない非接触部分32と、を有する。非接触部分32は。ガス拡散層20との間で反応ガスが流れるセパレータ溝部33を構成する。セパレータ30は例えば、ステンレスやチタン、あるいはそれらの合金からなる金属板をプレス成型することによって形成されている。
図2は、セパレータ30をアノード側触媒層12a側から見た平面図である。セパレータ30は、水素ガスがセパレータ溝部33に流入する水素入口34と、水素ガスがセパレータ溝部33から排出する水素出口35と、を備える。水素入口34と水素出口35との間には、反応ガスが流れるセパレータ溝部33が形成されている。セパレータ溝部33は水素入口34付近においてより多くのセパレータ溝部33に分岐し、水素出口35付近において分岐したセパレータ溝部33が合流している。セパレータ溝部33の構成は、カソード側触媒層12b側においても同様である。
図3は、セパレータ溝部33の分岐前後箇所の拡大図であり、図4は、図3をB−Bラインで切断した断面の斜視図である。セパレータ溝部33は、その分岐前後で溝幅を確保するため、直線部分の溝幅a1よりも溝幅の広い溝幅a2の部分を備える。以下ではセパレータ溝部33の溝幅a1の部分を第1の溝部33aといい、溝幅a2の部分を第2の溝部33bという。
本実施形態におけるガス拡散層20(図1参照)は、弾性率の異なる第1部分21と、第2部分22と、を備える。第2部分22は、セパレータ溝部33の第2の溝部33bに対向する部分であり、第1部分21は、セパレータ溝部33の第1の溝部33aに対向する部分である。本実施形態では、第2部分22の樹脂バインダ量(含有量)を第1部分21よりも多くすることで、第2部分22の弾性率を第1部分21より高くしている。本実施形態において、弾性率とは、せん断試験により測定した横弾性係数(MPa=N/mm2)である。
図5は、本実施形態のガス拡散層20の製造方法の概要を表わす工程図である。ガス拡散層20を作製する際には、まず、拡散層用基材の、セパレータ30からの面圧が低い部分である第2部分22にセパレータ30側からPTFE樹脂溶液を塗布する(ステップS200)。
次に、拡散層用基材の膜電極接合体10側に撥水ペーストを塗布する(ステップS210)。撥水ペーストは、例えば、カーボン粒子とPTFE樹脂などの撥水性物質とを含有するペーストを用いることができる。次に、拡散層用基材の焼成を行なう(ステップS220)。焼成されると、ガス拡散層20が作製される。このように作製されたガス拡散層20は、第2部分22の樹脂バインダ量が第1部分21を含む他の部分よりも多くなり、第2部分22の弾性率が第1部分21よりも高くなる。
以上で説明した本実施形態の燃料電池セル100によれば、セパレータ溝部33の溝幅a2に対向する部分である第2部分22の樹脂のバインダ量を、第1部分21よりも多くすることで、弾性率を高くしているので、第2部分22に対向する膜電極接合体10部分に加わるセパレータ30からの面圧を、第1部分21に対向する膜電極接合体10部分に加わる面圧と同程度にすることができる。この結果、膜電極接合体10の変形を抑制することが可能になる。また、ガス拡散層20の全面ではなく、一部のみ弾性率を高くしているため、全面の樹脂バインダ量を多くするよりもガス拡散性の低下を抑制することができる。
B.第2実施形態:
第2実施形態では、ガス拡散層20の製造方法が第1実施形態と異なり、燃料電池セル100の構成は第1実施形態と同じである。
第2実施形態では、ガス拡散層20の製造方法が第1実施形態と異なり、燃料電池セル100の構成は第1実施形態と同じである。
図6は、第2実施形態におけるガス拡散層20の製造方法の概要を表わす工程図である。本実施形態においてガス拡散層20を作製する際には、まず、拡散層用基材の膜電極接合体10側に撥水ペーストを塗布する(ステップS300)。次に、拡散層用基材の焼成を行なう(ステップS310)。
次に、焼成した拡散層用基材を2MPaで5分間、平板でプレスすることにより、厚みを調整する。このとき、拡散層用基材の、セパレータ30からの面圧が低い部分である第2部分22のプレス圧を他の部分よりも低くする(ステップS320)。拡散層用基材のプレス圧が低い部分は樹脂バインダの破壊が起こりにくく、他の部分よりも剛性が保たれる。
以上で説明した本実施形態の燃料電池セル100によれば、セパレータ溝部33の溝幅a2に対向する部分である第2部分22のプレス圧を、第1部分21よりも低くすることで、ガス拡散層20の第2部分22の剛性を他の部分よりも高くすることができる。そのため、第2部分22に対向する膜電極接合体10部分に加わるセパレータ30からの面圧を、第1部分21に対向する膜電極接合体10部分に加わる面圧と同程度にすることができる。この結果、膜電極接合体10の変形を抑制することが可能になる。
C.変形例:
<変形例1>
上記実施形態において、弾性率は、せん断試験により測定した弾性率(横弾性係数)としたが、その代わりに、引張試験により測定した弾性率(縦弾性係数)、または曲げ試験により測定した弾性率(縦弾性係数)、のどちらかを用いてもよい。いずれも単位はMPa=N/mm2である。また、弾性率の指標の代わりに破壊強度を用いてもよく、(1)せん断試験により測定した破壊強度と、(2)引張試験により測定した破壊強度と、(3)曲げ試験により測定した破壊強度と、のいずれか1つとしてもよい。
<変形例1>
上記実施形態において、弾性率は、せん断試験により測定した弾性率(横弾性係数)としたが、その代わりに、引張試験により測定した弾性率(縦弾性係数)、または曲げ試験により測定した弾性率(縦弾性係数)、のどちらかを用いてもよい。いずれも単位はMPa=N/mm2である。また、弾性率の指標の代わりに破壊強度を用いてもよく、(1)せん断試験により測定した破壊強度と、(2)引張試験により測定した破壊強度と、(3)曲げ試験により測定した破壊強度と、のいずれか1つとしてもよい。
<変形例2>
上記実施形態において、第2部分は、セパレータ溝部33の第2の溝部33bに対向する部分を含む一定の領域であってもよい。例えば、図2において、セパレータ溝部33が直線状の部分が集中する中央の領域に対向する部分を第1部分とし、セパレータ溝部33が分岐した部分や屈曲した部分が集中する左右の領域に対向する部分を第2部分として、その第2部分の弾性率を高めてもよい。
上記実施形態において、第2部分は、セパレータ溝部33の第2の溝部33bに対向する部分を含む一定の領域であってもよい。例えば、図2において、セパレータ溝部33が直線状の部分が集中する中央の領域に対向する部分を第1部分とし、セパレータ溝部33が分岐した部分や屈曲した部分が集中する左右の領域に対向する部分を第2部分として、その第2部分の弾性率を高めてもよい。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述した課題を解決するために、あるいは上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜削除することが可能である。
10…膜電極接合体
11…電解質膜
12a…アノード側触媒層
12b…カソード側触媒層
20…ガス拡散層
21…第1部分
22…第2部分
30…セパレータ
31…接触部分
32…非接触部分
33…セパレータ溝部
33a…第1の溝部
33b…第2の溝部
34…水素入口
35…水素出口
100…燃料電池セル
a1,a2…溝幅
11…電解質膜
12a…アノード側触媒層
12b…カソード側触媒層
20…ガス拡散層
21…第1部分
22…第2部分
30…セパレータ
31…接触部分
32…非接触部分
33…セパレータ溝部
33a…第1の溝部
33b…第2の溝部
34…水素入口
35…水素出口
100…燃料電池セル
a1,a2…溝幅
Claims (1)
- 燃料電池セルであって、
膜電極接合体と、
前記膜電極接合体に隣接するガス拡散層と、
前記ガス拡散層に隣接するセパレータと、を備え、
前記セパレータは、前記ガス拡散層と接触する接触部分と、接触しない非接触部分とを有し、
前記非接触部分が、反応ガスが流れるセパレータ溝部を構成し、
前記セパレータ溝部は、第1の溝部と前記第1の溝部よりも幅の広い第2の溝部とを含み、
前記ガス拡散層の前記第2の溝部に対向する部分の弾性率が、前記ガス拡散層の前記第1の溝部に対向する部分の弾性率よりも高い、燃料電池セル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016028661A JP2017147134A (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | 燃料電池セル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016028661A JP2017147134A (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | 燃料電池セル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017147134A true JP2017147134A (ja) | 2017-08-24 |
Family
ID=59681529
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016028661A Pending JP2017147134A (ja) | 2016-02-18 | 2016-02-18 | 燃料電池セル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2017147134A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019148711A1 (zh) | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 上海旭济动力科技有限公司 | 燃料电池及其电池单元和电堆结构体 |
| CN113745556A (zh) * | 2020-05-14 | 2021-12-03 | 松下知识产权经营株式会社 | 燃料电池单体、燃料电池以及燃料电池单体的制造方法 |
-
2016
- 2016-02-18 JP JP2016028661A patent/JP2017147134A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2019148711A1 (zh) | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 上海旭济动力科技有限公司 | 燃料电池及其电池单元和电堆结构体 |
| WO2019148338A1 (zh) | 2018-01-31 | 2019-08-08 | 上海旭济动力有限公司 | 燃料电池及其电池单元和电堆结构体 |
| KR20200111196A (ko) | 2018-01-31 | 2020-09-28 | 상하이 썬브릿지 파워 테크놀로지스 컴퍼니 리미티드 | 연료전지 및 그의 단위셀과 전지 스택 구조체 |
| CN113745556A (zh) * | 2020-05-14 | 2021-12-03 | 松下知识产权经营株式会社 | 燃料电池单体、燃料电池以及燃料电池单体的制造方法 |
| JP7466095B2 (ja) | 2020-05-14 | 2024-04-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 燃料電池セル、燃料電池、および燃料電池セルの製造方法 |
| CN113745556B (zh) * | 2020-05-14 | 2026-03-24 | 松下知识产权经营株式会社 | 燃料电池单体、燃料电池以及燃料电池单体的制造方法 |
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