JP2017149702A - カルボン酸エステルの製造方法、エステル化剤、及び開環付加触媒 - Google Patents

カルボン酸エステルの製造方法、エステル化剤、及び開環付加触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが容易であり、活性の高い触媒化合物を用いるカルボン酸エステルの製造方法と、当該製造方法に好適に使用されるエステル化剤及び開環付加触媒とを提供すること。【解決手段】(A)フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つのヒドロキシ基提供化合物と、エポキシ化合物からなるエポキシ基提供化合物と、からなる群より選択される少なくとも1つの求電子体と、(B)カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つの求核体と、を反応させてカルボン酸エステルを製造する際に、反応時に特定の構造のイミダゾール化合物を存在させる。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸エステルの製造方法、エステル化剤、及び開環付加触媒に関する。
油脂、界面活性剤、医薬品、有機溶媒、及び機能性ポリマー合成用の単量体化合物等、カルボン酸エステルは幅広い分野で使用されている。このため、エステル化反応は、工業的に非常に重要な反応である。
エステル化反応には、一般的に、硫酸、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等の強酸又は強塩基が触媒として使用されることが多い。しかし、これらの強酸や強塩基には、劇物であるものが多く、その使用に十分な注意を要する。また、金属やガラス製の反応装置の腐食の原因となる点でも問題ある。
他方で、取扱が容易であり、反応装置の腐食を起こしにくい触媒として、イオン交換樹脂触媒(特許文献1を参照。)や、含水酸化ジルコニウム(特許文献2を参照。)等の固体酸触媒が知られている。
国際公開第98/25876号パンフレット 特公平4−28250号公報
しかし、特許文献1に開示されるようなイオン交換樹脂触媒には、高温での使用や、溶媒による膨潤に起因する強度低下が起こりやすく、使用条件における制約が多い。
また、特許文献2に開示されるような含水酸化ジルコニウムは、活性が低く、多量の触媒を用いる必要があったり、高温で反応を行う必要があったりする問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、取り扱いが容易であり、活性の高い触媒化合物を用いるカルボン酸エステルの製造方法と、当該製造方法に好適に使用されるエステル化剤及び開環付加触媒とを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた。その結果、(A)フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つのヒドロキシ基提供化合物と、エポキシ化合物からなるエポキシ基提供化合物と、からなる群より選択される少なくとも1つの求電子体と、(B)カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つの求核体と、を反応させてカルボン酸エステルを製造する際に、反応時に特定の構造のイミダゾール化合物を存在させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明の第一の態様は、
(A)フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つのヒドロキシ基提供化合物と、エポキシ化合物からなるエポキシ基提供化合物と、からなる群より選択される少なくとも1つの求電子体と、
(B)カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つの求核体とを、
下記式(1):
Figure 2017149702
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表されるイミダゾール化合物の存在下に反応させることを含む、カルボン酸エステルの製造方法である。
本発明の第二の態様は、下記式(1):
Figure 2017149702
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表されるイミダゾール化合物を含有する、エステル化剤である。
本発明の第三の態様は、下記式(1):
Figure 2017149702
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表されるイミダゾール化合物を含有する、開環付加触媒である。
本発明によれば、取り扱いが容易であり、活性の高い触媒化合物を用いるカルボン酸エステルの製造方法と、当該製造方法に好適に使用されるエステル化剤及び開環付加触媒とを提供することができる。
≪カルボン酸エステルの製造方法≫
カルボン酸エステルの製造方法では、
(A)フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つのヒドロキシ基提供化合物と、エポキシ化合物からなるエポキシ基提供化合物と、からなる群より選択される少なくとも1つの求電子体(以下「(A)求電子体」とも記す。)と、
(B)カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つの求核体(以下「(B)求核体」とも記す。)と、
を反応させてカルボン酸エステルを製造する。
上記の(A)求電子体と、(B)求核体との反応は、下記式(1):
Figure 2017149702
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
で表されるイミダゾール化合物の存在下に行われる。
(A)求電子体と、(B)求核体とを、式(1)で表されるイミダゾール化合物の存在下に反応させることで、低温でも良好にエステル化反応を進行させたり、所望する程度まで反応を進行させるのに要する時間を短縮できたりする。
また、式(1)で表されるイミダゾール化合物は、硫酸、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等のような強酸又は強塩基でないため、カルボン酸エステルの製造に使用される反応装置を腐食させにくい。
<イミダゾール化合物>
以下、エステル化合物の製造方法において使用されるイミダゾール化合物について説明する。イミダゾール化合物は、下記式(1)で表される化合物である。以下、下記式(1)で表される化合物について、単に「イミダゾール化合物」とも記す。
Figure 2017149702
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
なお、式(1)で表されるイミダゾール化合物は、例えば、ヒドロキシ基やカルボキシ基を有する化合物であったり、カルボン酸エステルであったりする場合がある。つまり、式(1)で表されるイミダゾール化合物は、(A)求電子体、又は(B)求核体に該当する化合物である場合がある。
しかし、式(1)で表されるイミダゾール化合物の使用量は、通常(A)求電子体、及び(B)求核体の使用量に対して少量であるため、式(1)で表されるイミダゾール化合物が(A)求電子体、又は(B)求核体に該当する化合物であっても、目的のエステル化反応への悪影響は無いか殆ど無い。
(A)求電子体、又は(B)求核体に該当する式(1)で表されるイミダゾール化合物を用いる場合、イミダゾール化合物の使用量によっては、イミダゾール化合物に由来するカルボン酸エステルが不純物として生成する場合がある。
しかし、この場合、蒸留、再結晶、カラム精製等の常法により目的のカルボン酸エステルを精製することで、イミダゾール化合物に由来するカルボン酸エステルの含有量を低減させることができる。
また、合成の目的物であるカルボン酸エステルが、(A)求電子体、又は(B)求核体に該当する式(1)で表されるイミダゾール化合物に由来するカルボン酸エステルである場合、(A)求電子体と(B)求核体との反応は、(A)求電子体と(B)求核体とは別にイミダゾール化合物が加えられなくとも、自己触媒的に良好に進行する。
かかる場合も、当然、式(1)で表されるイミダゾール化合物の存在下での、(A)球電子体と(B)求核体との反応による、カルボン酸エステルの製造方法に該当する。
式(1)中、Rは、水素原子又は1価の有機基である。1価の有機基としては、特に限定されず、例えば、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい芳香族基等であってもよい。Rがアルキル基である場合、当該アルキル基は鎖中にエステル結合等を有してもよい。
アルキル基としては、例えば後述の式(1a)におけるR等と同様であってよい。アルキル基の炭素原子数は1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜20が特に好ましく、1〜10が最も好ましい。
当該アルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば後述の式(1a)におけるRであるアルキレン基が有していてもよい置換基と同様であってよい。
置換基を有してもよい芳香族基としては、後述の式(1a)におけるRと同様であり、アリール基が好ましく、フェニル基がより好ましい。Rとしての置換基を有してもよい芳香族基は、Rと同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中、一方のRは水素原子であることが好ましく、一方のRが水素原子であり他方のRが置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよい芳香族基であることがより好ましい。
式(1)中、Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成していてもよい。例えば、少なくとも1つのRが置換基を有してもよいアルキル基である場合、Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成していてもよい。
イミダゾール化合物は、下記式(1a)で表される化合物であってもよい。
Figure 2017149702
(式(1a)中、Rは水素原子又はアルキル基であり、Rは置換基を有してもよい芳香族基であり、Rは置換基を有してもよいアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、nは0〜3の整数である。RはRと結合して環状構造を形成してもよい。)
式(1a)中、Rは水素原子又はアルキル基である。Rがアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
として好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。
式(1a)中、Rは、置換基を有してもよい芳香族基である。置換基を有してもよい芳香族基は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基でもよく、置換基を有してもよい芳香族複素環基でもよい。
芳香族炭化水素基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族炭化水素基は、単環式の芳香族基であってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が縮合して形成されたものであってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が単結合により結合して形成されたものであってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、フェナンスレニル基が好ましい。
芳香族複素環基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族複素環基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましい。
フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、及び有機基が挙げられる。フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が複数の置換基を有する場合、当該複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
芳香族基が有する置換基が有機基である場合、当該有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられる。この有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状、及びこれらの構造の組み合わせのいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
芳香族基が隣接する炭素原子上に置換基を有する場合、隣接する炭素原子上に結合する2つの置換基はそれが結合して環状構造を形成してもよい。環状構造としては、脂肪族炭化水素環や、ヘテロ原子を含む脂肪族環が挙げられる。
芳香族基が有する置換基が有機基である場合に、当該有機基に含まれる結合は本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、有機基は、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含む結合の具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
有機基が有してもよいヘテロ原子を含む結合としては、式(1)又は式(1a)で表されるイミダゾール化合物の耐熱性の観点から、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、アミノ結合(−NR−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
有機基が炭化水素基以外の置換基である場合、炭化水素基以外の置換基の種類は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。炭化水素基以外の置換基の具体例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアルミ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
フェニル基、多環芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアリール基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアリールオキシ基、炭素原子数1〜12のアリールアミノ基、及びハロゲン原子が好ましい。
としては、式(1)又は式(1a)で表されるイミダゾール化合物を安価且つ容易に合成でき、イミダゾール化合物の水や有機溶媒に対する溶解性が良好であることから、それぞれ置換基を有してもよいフェニル基、フリル基、チエニル基が好ましい。
式(1a)中、Rは、置換基を有してもよいアルキレン基である。アルキレン基が有していてもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。アルキレン基が有していてもよい置換基の具体例としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。アルキレン基は、直鎖アルキレン基であっても、分岐鎖アルキレン基であってもよく、直鎖アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素原子数は特に限定されず、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が特に好ましい。なお、アルキレン基の炭素原子数には、アルキレン基に結合する置換基の炭素原子を含まない。
アルキレン基に結合する置換基としてのアルコキシ基は、直鎖アルコキシ基であっても、分岐鎖アルコキシ基であってもよい。置換基としてのアルコキシ基の炭素原子数は特に限定されず、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
アルキレン基に結合する置換基としてのアミノ基は、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であってもよい。モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基に含まれるアルキル基は、直鎖アルキル基であっても分岐鎖アルキル基であってもよい。モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基に含まれるアルキル基の炭素原子数は特に限定されず、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
として好適なアルキレン基の具体例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、n−プロパン−1,3−ジイル基、n−プロパン−2,2−ジイル基、n−ブタン−1,4−ジイル基、n−ペンタン−1,5−ジイル基、n−ヘキサン−1,6−ジイル基、n−ヘプタン−1,7−ジイル基、n−オクタン−1,8−ジイル基、n−ノナン−1,9−ジイル基、n−デカン−1,10−ジイル基、n−ウンデカン−1,11−ジイル基、n−ドデカン−1,12−ジイル基、n−トリデカン−1,13−ジイル基、n−テトラデカン−1,14−ジイル基、n−ペンタデカン−1,15−ジイル基、n−ヘキサデカン−1,16−ジイル基、n−ヘプタデカン−1,17−ジイル基、n−オクタデカン−1,18−ジイル基、n−ノナデカン−1,19−ジイル基、及びn−イコサン−1,20−ジイル基が挙げられる。
は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、nは0〜3の整数である。nが2〜3の整数である場合、複数のRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
が有機基である場合、当該有機基は、Rについて、芳香族基が置換基として有していてもよい有機基と同様である。
が有機基である場合、有機基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基がより好ましい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、及びフェナンスレニル基が好ましく、フェニル基、及びナフチル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましく、フリル基、及びチエニル基がより好ましい。
がアルキル基である場合、アルキル基のイミダゾール環上での結合位置は、2位、4位、5位のいずれも好ましく、2位がより好ましい。Rが芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基である場合、これらの基のイミダゾール上での結合位置は、2位が好ましい。
上記式(1)で表されるイミダゾール化合物の中では、安価且つ容易に合成可能である点から、下記式(1−1a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017149702
(式(1−1a)中、R、R及びnは、式(1)と同じであり、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも2つが結合して環状構造を形成してもよい。RはRと結合して環状構造を形成してもよい。)
、R、R、R、及びR10は、後述の式(1−1)と同じである。式(1−1a)中、RはRと結合して環状構造を形成していてもよく、例えば、Rが置換基を有してもよいアルキル基である場合、RはRと結合して環状構造を形成していてもよい。
上記式(1a)又は式(1−1a)で表されるイミダゾール化合物の中では、安価且つ容易に合成可能であり、水や有機溶媒に対する溶解性に優れる点から、下記式(1−1)で表される化合物が好ましく、式(1−1)で表され、Rがメチレン基である化合物がより好ましい。
Figure 2017149702
(式(1−1)中、R、R、R、及びnは、式(1a)と同様であり、R、R、R、R、及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも2つが結合して環状構造を形成してもよい。RはRと結合して環状構造を形成してもよい。)
、R、R、R、及びR10が有機基である場合、当該有機基は、式(1a)におけるRが置換基として有する有機基と同様である。R、R、R、及びRは、イミダゾール化合物の溶媒に対する溶解性の点から水素原子であるのが好ましい。
中でも、R、R、R、R、及びR10のうち少なくとも1つは、下記置換基であることが好ましく、R10が下記置換基であるのが特に好ましい。R10が下記置換基である場合、R、R、R、及びRは水素原子であるのが好ましい。
−O−R11
(R11は水素原子又は有機基である。)
11が有機基である場合、当該有機基は、式(1a)におけるRが置換基として有する有機基と同様である。R11としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
上記式(1−1)で表される化合物の中では、下記式(1−1−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017149702
(式(1−1−1)において、R、R、及びnは、式(1a)と同様であり、R12、R13、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。ただし、R12、R13、R14、R15、及びR16のうち少なくとも1つは水素原子以外の基である。)
式(1−1−1)で表される化合物の中でも、R12、R13、R14、R15、及びR16のうち少なくとも1つが、前述の−O−R11で表される基であることが好ましく、R16が−O−R11で表される基であるのが特に好ましい。R16が−O−R11で表される基である場合、R12、R13、R14、及びR15は水素原子であるのが好ましい。
上記式(1)で表されるイミダゾール化合物の合成方法は特に限定されない。例えば、RCR(Hal)R(R及びRは、式(1)と同じであり、Halはハロゲン原子である。)で表されるハロゲン化物と、後述の式(II)で表されるイミダゾール化合物とを、常法に従って反応させてイミダゾリル化を行うことによって、上記式(1)で表されるイミダゾール化合物を合成することができる。
上記式(1a)で表されるイミダゾール化合物の合成方法は特に限定されない。例えば、下記式(I)で表されるハロゲン含有カルボン酸誘導体と、下記式(II)で表されるイミダゾール化合物とを、常法に従って反応させてイミダゾリル化を行うことによって、上記式(1a)で表されるイミダゾール化合物を合成することができる。
Figure 2017149702
(式(I)及び式(II)中、R、R、R、R及びnは、式(1a)と同様である。式(I)において、Halはハロゲン原子である。)
また、イミダゾール化合物が、式(1a)で表され、且つRがメチレン基である化合物である場合、すなわち、イミダゾール化合物が下記式(1−2)で表される化合物である場合、以下に説明するMichael付加反応による方法によっても、イミダゾール化合物を合成することができる。
Figure 2017149702
(式(1−2)中、R、R、R及びnは、式(1a)と同様である。)
具体的には、例えば、下記式(III)で表される3−置換アクリル酸誘導体と、上記式(II)で表されるイミダゾール化合物とを溶媒中で混合してMichael付加反応を生じさせることによって、上記式(1−2)で表されるイミダゾール化合物が得られる。
Figure 2017149702
(式(III)中、R、及びRは、式(1a)と同様である。)
また、下記式(IV)で表される、イミダゾリル基を含む3−置換アクリル酸誘導体を、水を含む溶媒中に加えることによって、下記式(1−3)で表されるイミダゾール化合物が得られる。
Figure 2017149702
(式(IV)及び式(1−3)中、R、R及びnは、式(1)と同様である。)
この場合、上記式(IV)で表される3−置換アクリル酸誘導体の加水分解により、上記式(II)で表されるイミダゾール化合物と、下記式(V)で表される3−置換アクリル酸とが生成する。そして、下記式(V)で表される3−置換アクリル酸と、上記式(II)で表されるイミダゾール化合物との間でMichael付加反応が生じ、上記式(1−3)で表されるイミダゾール化合物が生成する。
Figure 2017149702
(式(V)中、Rは、式(1a)と同様である。)
式(1)又は式(1a)で表されるイミダゾール化合物の好適な具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2017149702
カルボン酸エステルを製造する際のイミダゾール化合物の使用量は特に限定されず、(A)求電子体の種類、(B)求核体の種類、及び反応温度等の反応条件を勘案して適宜定められる。例えば、(A)求電子体1モルに対してイミダゾール化合物の使用量は、0.00001モル〜0.3モルであり、好ましくは、0.00005〜0.03モルである。
以上説明したイミダゾール化合物は、前述の(A)求電子体と、(B)求核体とを反応させてカルボン酸エステルを生成させるためのエステル化剤の成分として好適に使用される。
特に上述のイミダゾール化合物は、エポキシ基の(B)求核体に対する開環付加及び環状の酸無水物の(A)求電子体に対する開環付加でカルボン酸エステルを生成させるための開環付加触媒の成分として好適に使用される。
<(A)求電子体>
(A)求電子体としては、フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つの(A1)ヒドロキシ基提供化合物と、エポキシ化合物からなる(A2)エポキシ基提供化合物と、からなる群より選択される少なくとも1つの化合物が用いられる。
なお、(A)求電子体は、後述する(B)求核体としての性質を兼ね備えていてもよい。この場合、(A)求電子体と、(B)求核体とが同一の化合物であってよい。このような(A)求電子体としては、ヒドロキシカルボン酸類が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸類の好適な具体例としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシペンタン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニル等や、これらの酸ハライド、これらのC−Cアルキルエステル等が挙げられる。
(A)求電子体の性質と(B)求核体の性質を兼ね備える化合物を、上記のイミダゾール化合物の存在下に反応させると、自己重縮合により、オリゴエステル化合物や、ポリエステルが生成し得る。
また、(A)求電子体の性質と(B)求核体の性質を兼ね備える化合物が、ヒドロキシ酪酸や5−ヒドロキシペンタン酸のような脂肪族ヒドロキシカルボン酸である場合、希薄な系で反応を行うことにより、自己閉環反応によりラクトンが生成し得る。
[(A1)ヒドロキシ基提供化合物]
(A1)ヒドロキシ基提供化合物は、フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である。
これらの化合物は、1つのヒドロキシ基を有する単官能ヒドロキシ基提供化合物であってよく、2以上のヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ基提供化合物であってもよい。
多官能ヒドロキシ基提供化合物は、フェノール性のヒドロキシ基、及びアルコール性ヒドロキシ基を組み合わせて有する化合物であってもよい。
多官能ヒドロキシ基提供化合物を、多官能性の(B)求核体と反応させる場合、いわゆる重縮合によってポリエステルが生成し得る。
生成するポリエステルは、直鎖状ポリエステルであっても、分岐鎖状ポリエステルであっても、網目状ポリエステルであってもよく、直鎖状ポリエステルが好ましい。
多官能ヒドロキシ基提供化合物と、多官能性の(B)求核体との少なくとも一方が3官能以上である場合、分岐鎖状ポリエステル、又は網目状ポリエステルが生成する。
ポリエステルが生成し得る反応の典型例としては、エチレングリコールや1,4−ブタンジオール等のジオールと、テレフタル酸、テレフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル等の(B)求核体との反応が挙げられる。かかる反応により、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルが生成し得る。
〔フェノール化合物〕
フェノール化合物は、フェノール性のヒドロキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。
フェノール化合物の好適な例としては、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(前記いずれのアルキル基も炭素原子数1〜4である);α−ナフトール、β−ナフトール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール等のナフトール類;ヒドロキシジフェニル等が挙げられる。
また、後述する式(A1−4)における、基Zを与える多価フェノール類も、フェノール化合物として好適に使用される。
また、フェノール化合物は、高分子であってもよい。かかる高分子としては、上記のフェノール化合物に由来するノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレン等の不飽和結合とフェノール性ヒドロキシ基とを有する化合物の単独重合体、不飽和結合とフェノール性ヒドロキシ基とを有する化合物と、他の単量体との共重合体が挙げられる。
ノボラック樹脂としては、特に限定されないが、上記のフェノール類1モルに対して、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒド等の縮合剤を0.5〜1.0モルの割合で、酸性触媒下で縮合反応させることにより得られるものが好ましい。
酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類、蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸性触媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
フェノール類の中でも、m−クレゾール及びp−クレゾールが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用することがより好ましい。両者の配合比率を調整することによって、耐熱性等の諸特性を調節することができる。m−クレゾールとp−クレゾールの配合比率は特に限定されないが、m−クレゾール/p−クレゾール=3/7〜8/2(質量比)が好ましい。
〔アルコール〕
アルコールは、アルコール性のヒドロキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。アルコールは脂肪族アルコールであってもよく、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、キシリレングリコール等の芳香族基を含むアルコールであってもよい。アルコールが芳香族基を含む場合、当該芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても芳香族複素環基であってもよい。
(A1)ヒドロキシ基提供化合物のうち、アルコールの好適な例としては、
(A1−1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコール、
(A1−2)置換基を有していてもよい飽和炭化水素基を有するアルコール、又は、
(A1−3)飽和ヘテロ環を構成するヘテロ原子が酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択される少なくとも1つの原子であり、置換基を有していてもよい飽和ヘテロ環含有基を有するアルコールが挙げられる。
((A1−1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコール)
(A1−1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールは、アルコール性ヒドロキシ基と、(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する化合物であれば特に限定されない。
(A1−1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールとしては、例えば、脂肪族ジオールのモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂肪族ジオールのモノ(メタ)アクリレートを、例えば、アルカリ可溶性基としてカルボキシ基を有する樹脂中のカルボキシ基と、常法に従って反応させてエステル化させると、アルカリ可溶性樹脂に不飽和二重結合が導入され、重合性が付与される。
かかるエステル化反応は、前述のイミダゾール化合物の存在下に行われてもよい。
脂肪族ジオールのモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
こられの脂肪族ジオールに由来する(A1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコール類の製造方法は特に限定されない。脂肪族ジオールに由来する(A1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコール類は、例えば、過剰量の脂肪族ジオールと、(メタ)アクリル酸とを前述のイミダゾール化合物の存在下に反応させることで好適に製造しうる。
また、(A1−2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールとしては、下記式(y0)で表されるアルコールが好ましい。
Figure 2017149702
式(y0)中、Zは、s+j+k価の有機基であって、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素環を1〜4個有する基、不飽和二重結合からなる末端を有しエステル結合(−CO−O−)、エーテル結合又はカルボニル基(−CO−)を含んでいてもよい脂肪族基、炭素原子数6〜10の芳香族基で置換されていてもよくヘテロ原子を有していてもよい炭素原子数5〜30の飽和脂肪族基である。
a1は、水素原子又はメチル基である。
及びYは、それぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。
p及びrは0〜4の整数であり、q+j+kは1〜6の整数である。
〜Y、p〜p、j1、及びk1は式(A1)と同様である。
式(y0)として、j+kは0であることが好ましいので、(A1−1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールとしては、下記式(y)で表されるアルコールが好ましい。
Figure 2017149702
式(y)中、Zは、q価の有機基であって、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素環を1〜4個有する基、不飽和二重結合からなる末端を有しエステル結合(−CO−O−)、エーテル結合又はカルボニル基(−CO−)を含んでいてもよい脂肪族基、炭素原子数6〜10の芳香族基で置換されていてもよくヘテロ原子を有していてもよい炭素原子数5〜30の飽和脂肪族基である。
a1は、水素原子又はメチル基である。
及びYは、それぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。
pは0〜4の整数であり、qは1〜6の整数であり、rは0〜4の整数である。
及びYは直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、炭素原子数1〜20のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基が特に好ましく、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、及びプロパン1,3−ジイル基が最も好ましい。
式(y)で表されるアルコールの製造方法は特に限定されない。例えば、式(y)で表されるアルコールは、下記式(x)で表されるヒドロキシ基提供化合物を用いて、以下の方法で製造しうる。式(x)中の、Z、Y、p、及びqは式(y)と同様である。
なお、式(x)で表されるヒドロキシ基提供化合物については詳細に後述する。
−(−O−[−Y−O−]−H)・・・(x)
まず、上記式(x)で表されるヒドロキシ基提供化合物を、常法に従ってグリシジルエーテル化し、下記式(x1)で表されるエポキシ化合物を製造する。式(x1)中の、Z、Y、p、及びqは式(y)と同様であり、Glyは原料に用いたグリシジル基含有化合物の残基である。
−(−O−[−Y−O−]−Gly)・・・(x1)
かかる常法としては、式(x)で表されるヒドロキシ基提供化合物と、エピクロルヒドリン等の末端にハロゲン元素を有するグリシジル基含有化合物とを相間移動触媒等の触媒の存在下に反応させた後に、水酸化ナトリウム等の塩基により閉環エポキシ化を行う方法が挙げられる。
次いで、式(x1)で表されるエポキシ化合物と、HO−[−Y−O−]−Hで表されるグリコールとを反応させて、下記式(x1a)で表されるアルコールを得る。
Figure 2017149702
次いで、(A)求電子体として、式(x1a)で表されるアルコールをヒドロキシ基提供化合物として用い、(B)求核体として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸エステル、又はジ(メタ)アクリル酸無水物を用いてエステル化反応を行い、式(y)で表されるアルコールが得られる。
かかるエステル化反応を行う際には、前述の所定の構造のイミダゾール化合物を存在させるのが好ましい。
また、式(x1)で表されるエポキシ化合物を、下記式(x2)で表される(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとを、反応させることにより、式(y)で表されるアルコールが生成する。
CH=C(Ra1)−CO−[−O−Y−]−OH・・・(x2)
rが0であり、式(x2)で表される化合物が(メタ)アクリル酸である場合には、式(x1)で表されるエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを、前述の所定の構造のイミダゾール化合物の存在下に反応させても、式(y)で表されるアルコールが得られる。
この場合、式(x1)で表されるエポキシ化合物が(A)求電子体であり、(メタ)アクリル酸が(B)求核体である。
また、式(x1)で表されるエポキシ化合物と、ラクトン化合物とを反応させてもよい。ラクトン化合物としては、β−プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、2−メチル−ε−カプロラクトン、3−メチル−ε−カプロラクトン、4−メチル−ε−カプロラクトン、5−第三級ブチル−ε−カプロラクトン、7−メチル−4,4,6−トリメチル−ε−カプロラクトン、及び4,6,6−トリメチル−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
また、原料の末端にハロゲン元素を有するグリシジル基含有化合物として、−[−Y−O−]−基を有する化合物を式(x)の化合物と反応させてもよい。
式(y)で表されるアルコールとしては、下記式(y1)で表されるアルコールが好ましい。式(y1)中、Z、Ra1、p、r、及びqは式(y)と同様である。
Figure 2017149702
式(y1)においては、p及びrが0であるのが好ましい。この場合、式(y1)で表されるアルコールは、下記式(y2)で表される。式(y2)中、Z、Ra1、及びqは式(y)と同様である。
Figure 2017149702
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールとして、式(y0)で表されるアルコール(j+kは1〜5となる場合)を得る場合は、式(x)と末端にハロゲン元素を有するグリシジル基含有化合物のモル比を適宜調整すればよい。
((A1−2)飽和炭化水素基を有するアルコール)
(A1−2)飽和炭化水素基を有するアルコールは、置換基を有していてもよい飽和炭化水素基を有するアルコールである。
(A1−2)飽和炭化水素基を有するアルコールは、不飽和カルボン酸エステルの合成に特に好適に用いられる。
(A1−2)飽和炭化水素基を有するアルコールとしては、例えば、以下の式(A1−2−1a)〜(A1−2−1d)で表されるアルコールが挙げられる。
式(A1−2−1a)で表されるアルコールと、式(A1−2−1b)で表されるアルコールとは、酸の作用により容易にカルボキシ基に分解されるカルボン酸エステルを与える。特に式(A1−2−1a)で表されるアルコールは、三級ヒドロキシ基を有することが特徴である。
式(A1−2−1a)で表されるアルコール、又は式(A1−2−1b)で表されるアルコールと、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸や、不飽和カルボン酸に由来する酸ハライド又は酸無水物とを反応させて得られるカルボン酸エステルは、フォトレジストのような感光性樹脂組成物に配合される樹脂に、酸の作用によりアルカリに対して可溶化する性能を与える単位を導入する単量体として有用である。
式(A1−2−1c)で表されるアルコールは、一級又は二級ヒドロキシ基を有するアルコールである。代表的なものとしては、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール等が挙げられ、幅広い分野で使用される種々のカルボン酸エステルの合成原料として好適である。
また、式(A1−2−1d)で表されるアルコールは、アルコキシ基やアルコキシアルコキシ基等により置換されたアルカノールである。
式(A1−2−1c)で表されるアルコール、又は式(A1−2−1d)で表されるアルコールに由来するカルボン酸エステルは、酸の作用により容易に分解されない。
Figure 2017149702
上記式(A1−2−1a)中、Rq1〜Rq3は、それぞれ独立に炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、Rq2及びRq3は互いに結合して、両者が結合している炭素原子とともに炭素原子数5〜20の炭化水素環を形成してもよい。Lq1は、炭素原子数1〜6のアルカンジイル基;シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、パーヒドロナフタレン(デカリン)環、アダマンタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等の脂環式環(単環又は架橋環)に対応する2価の脂環式炭化水素基;ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭化水素環に対応する2価の芳香族炭化水素基;これらの基を複数個、酸素原子やエステル基等を介して又は介することなく連結した基である。nq1は0又は1である。
上記式(A1−2−1b)中、Rq4及びRq5は、それぞれ独立に炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、Yq1は、置換基を有してもよい脂肪族環式基又はアルキル基であり、nq1は0又は1であり、nq2は0〜4の整数である。
上記式(A1−2−1c)中、Rq6は、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、Rq6中のヒドロキシ基と結合する炭素原子は、一級炭素原子、又は二級炭素原子である。Lq1は、炭素原子数1〜6のアルカンジイル基;シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、パーヒドロナフタレン(デカリン)環、アダマンタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等の脂環式環(単環又は架橋環)に対応する2価の脂環式炭化水素基;ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭化水素環に対応する2価の芳香族炭化水素基;これらの基を複数個、酸素原子やエステル基等を介して又は介することなく連結した基である。nq1は0又は1である。
上記式(A1−2−1d)中、Rq7及びLq1は、炭素原子数1〜6のアルカンジイル基;シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、パーヒドロナフタレン(デカリン)環、アダマンタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等の脂環式環(単環又は架橋環)に対応する2価の脂環式炭化水素基;ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭化水素環に対応する2価の芳香族炭化水素基;これらの基を複数個、酸素原子やエステル基等を介して又は介することなく連結した基であり、Rq8は、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、nq3は0〜30の整数である。
なお、上記直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。また、フッ素化アルキル基とは、上記アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものである。
上記Rq2及びRq3が互いに結合して炭化水素間を形成しない場合、上記Rq1、Rq2、及びRq3としては、炭素原子数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。上記Rq4、及びRq5としては、水素原子又はメチル基が好ましい。
上記Rq2及びRq3は、両者が結合している炭素原子とともに炭素原子数5〜20の脂肪族環式基を形成してもよい。このような脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記Rq2及びRq3が形成する脂肪族環式基は、その環骨格上に置換基を有してもよい。当該置換基の例としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基等の極性基や、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記Yq1は、脂肪族環式基又はアルキル基であり、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。特に、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、上記Yq1の脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、当該置換基の例としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基等の極性基や、炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
また、Yq1がアルキル基である場合、炭素原子数1〜20、好ましくは6〜15の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基は、特にアルコキシアルキル基であることが好ましく、このようなアルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられる。
上記式(A1−2−1a)で表されるアルコールの好ましい具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017149702
上記式(A1−2−1b)で表されるアルコールの好ましい具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017149702
上記式(A1−2−1c)中、Rq6は、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、Rq6中のヒドロキシ基と結合する炭素原子は、一級炭素原子、又は二級炭素原子である。
式(A1−2−1c)で表されるアルコールの好ましい具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチル−n−ヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、1−アダマンタノール、2−アダマンタノール、ベンジルアルコール、及びフェネチルチルアルコール等が挙げられる。
上記式(A1−2−1d)中、Rq7及びLq1は、炭素原子数1〜6のアルカンジイル基であり、Rq8は、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、nq3は0〜30の整数である。
式(A1−2−1d)で表されるアルコールの好ましい具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノメチルエーテル、ヘキサメチレングリコールモノメチルエーテル、ノナエチレングリコールモノメチルエーテル、及びオクタエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
((A1−3)飽和ヘテロ環含有基を有するアルコール)
(A1−3)飽和ヘテロ環含有基を有するアルコールにおいて、飽和ヘテロ環を構成するヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択される少なくとも1つの原子である。また、飽和ヘテロ環含有基は置換基を有していてもよい。
(A1−3)飽和ヘテロ環含有基を有するアルコールにおいて、アルコール性ヒドロキシ基は、飽和ヘテロ環に結合していても、飽和ヘテロ環状に結合していなくてもよい。
アルコール性ヒドロキシル基が飽和ヘテロ環に結合していない場合、アルコール性ヒドロキシル基と、飽和ヘテロ環とは2価の有機基で連結される。
かかる2価の有機基としては、少なくとも一部のメチレン基が、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)又はエステル結合(−CO−O−)で置換されていてもよい飽和炭化水素基が挙げられる。飽和炭化水素基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましい。
飽和ヘテロ環含有基を有するアルコールとしては、例えば、下式(A1−3−1)で表されるアルコールが好ましい。
Figure 2017149702
(式(A1−3−1)中、Lr1及びLr2はそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表し、
nr1は1〜3の整数を表し、
nr2は0〜3の整数を表し、
r1は、単結合、又は*−(CHnr3−CO−Lr3−を表し、nr3は1〜4の整数を表し、*は、酸素原子と結合する結合手の末端を表す。)
式(A1−3−1)で表されるアルコールの好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017149702
また、下式(A1−3−2)で表されるアルコールも、(A1−3)飽和ヘテロ環を構成するヘテロ原子が酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より選択される少なくとも1つの原子であり置換基を有していてもよい飽和ヘテロ環含有基を有するアルコールとして好ましい。
r1−OH・・・(A1−3−2)
(式(A1−3−2)中、Ar1は、飽和ヘテロ環式基であって、−CO−O−含有環式基、−SO−含有環式基、−O−CO−O−含有環式基、−NRr14−SO−含有環式基、又は−NRr14−CO−含有環式基である。Rr14は水素原子、又は飽和炭化水素基である。)
式(A1−3−2)中のAr1は、以下の式(A1−3−2a)〜式(A1−3−2i)で表される飽和ヘテロ環式基であるのが好ましい。
Figure 2017149702
式(A1−3−2a)〜式(A1−3−2i)中、Rr1、Rr2、Rr3、Rr4、Rr5、Rr6、Rr7、Rr8、Rr9、Rr10、Rr12、Rr13、Rr15、Rr16、Rr18、及びRr19は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜10の環状炭化水素基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜5のハロゲン化アルキル基、−CO−O−Rr11、−O−CO−Rr11、又はシアノ基である。
r11は、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素原子数3〜10の環状炭化水素基である。
r8とRr9と、又はRr18とRr19とは、互いに連結して炭素原子数1〜5のアルキレン基、−O−、又は−S−を形成してもよい。
r1は、−O−、又は>N−Rr14であり、Rr14は水素原子、又は飽和炭化水素基である。
r2は、−CO−、又は−SO−である。
nr3及びnr4は、それぞれ独立に、0又は1である。
式(A1−3−2a)〜式(A1−3−2i)で表される基の好適な具体例としては、以下の基が挙げられる。なお、*はヒドロキシ基中の酸素原子に結合する結合手の末端である。
Figure 2017149702
Figure 2017149702
Figure 2017149702
Figure 2017149702
(ヒドロキシ基提供化合物の特に好ましい例)
ヒドロキシ基提供化合物の特に好ましい例を、以下にまとめる。なお、以下に記す特に好ましい例については、前述のヒドロキシ基提供化合物と重複する場合がある。
具体的には、下記式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物が、(A)求電子体として特に好ましく使用される。
(H−[−O−Y−]−O−)−Z−[−O−Y−]−OH・・・(A1−4)
式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と反応させる(B)求核体の種類は特に限定されない。式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と反応させる(B)求核体としては、テトラカルボン酸二無水物等の多価カルボン酸の多価無水物が好ましい。
式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と、多価カルボン酸の多価無水物との反応生成物は、感光性組成物にアルカリ可溶性成分として配合されるエステル化合物ないし樹脂や、それらの中間体として好適に使用される。
式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と多価カルボン酸の多価無水物との反応生成物の好ましい一例としては、カルド樹脂として知られるアルカリ可溶性成分やその中間体が挙げられる。
式(A1−4)中、Yは2価の有機基であり、Zはj+1価の有機基であり、jは0〜7の整数であり、pは0〜4の整数である。Yの炭素原子数は1〜50が好ましく、1〜20がより好ましい。
Yは、炭素原子数1〜20の2価の有機基であって、脂肪族基であっても、芳香族基であっても、脂肪族基と芳香族基との組み合わせであってもよい。
Yに含まれる脂肪族基は、飽和脂肪族基であっても不飽和脂肪族基であってもよく、飽和脂肪族基が好ましい。
Yに含まれる芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても、芳香族複素環基であってもよく、芳香族炭化水素基が好ましい。
Yの好適な例としては、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、n−ブタン−1,4−ジイル基、n−ペンタン−1,5−ジイル基、n−ヘキサン−1,6−ジイル基、p−フェニレン基、m−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基、及びナフタレン−1,4−ジイル基等が挙げられる。これらの中では、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基が好ましい。
Zはj+1価の有機基である。Zは、脂肪族基であっても、芳香族基であっても、脂肪族基と芳香族基との組み合わせであってもよい。
Zに含まれる脂肪族基は、飽和脂肪族基であっても不飽和脂肪族基であってもよく、飽和脂肪族基が好ましい。
Zに含まれる芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても、芳香族複素環基であってもよく、芳香族炭化水素基が好ましい。
Zが2価の有機基である場合、Zとしては、下記式(Z1)で表されるビスフェノール化合物から2つのヒドロキシ基を除いた残基が好ましい。
Figure 2017149702
式(Z1)中、Rz1は、単結合、又は−C(Rz2)(Rz3)−で表される2価の基である。Rz2及びRz3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原子数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。
z2及びRz3は、互いに結合して炭素原子数4〜20の炭化水素環を形成してもよい。
z4及びRz5は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原子数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はハロゲン原子である。Rz4又はRz5が複数である場合、複数のRz4又はRz5は同一であっても異なっていてもよい。
nz1及びnz2は、それぞれ独立に0〜4の整数である。
z2及びRz3について、炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びtert−ブチル基が好ましく、メチル基、及びエチル基がより好ましい。
z2及びRz3がハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、及び塩素原子が好ましい。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
z2及びRz3について、炭素原子数4〜10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基が好ましい。
z2及びRz3が、互いに結合して炭素原子数4〜20の炭化水素環を形成する場合、当該炭化水素環の好適な例としては、炭素原子数4〜10のシクロアルカン環やフルオレン環が挙げられ、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、及びフルオレン環がより好ましい。Rz2及びRz3が形成する環がフルオレン環である場合、Rz2及びRz3は、9H−フルオレン−9,9−ジイル基を形成する。
z4及びRz5について、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、及び炭素原子数4〜10のシクロアルキル基の好適な例は、Rz2及びRz3と同様である。
式(Z1)で表されるビスフェノール化合物の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017149702
また、Zが2価の有機基である場合、以下の脂肪族ジオールから2つのヒドロキシ基を除いた残基も基Zとして好ましい。
Figure 2017149702
Zが3価の有機基である場合、下記式(Z2)で表されるトリスフェノール化合物から3つのヒドロキシ基を除いた残基が基Zとして好ましい。
Figure 2017149702
式(Z1)中、Rz6は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。
z7、Rz8、及びRz9それぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原子数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、又はハロゲン原子である。
z10は、単結合、又は炭素原子数1〜4のアルカンジイル基である。
nz3、nz4、及びnz5は、それぞれ独立に0〜4の整数である。
nz6は、0又は1である。
z6、Rz7、及びRz8について、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、及び炭素原子数4〜10のシクロアルキル基の好適な例は、前述のRz2及びRz3と同様である。
z9が炭素原子数1〜4のアルカンジイル基である場合、メチレン基、エタン−1,2−ジイル基、及びプロパン−2,2−ジイル基が好ましい。
式(Z2)で表されるトリスフェノール化合物の好適な具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2017149702
Zが3価の有機基である場合、以下のトリスフェノール化合物から3つのヒドロキシ基を除いた残基も基Zとして好ましい。
Figure 2017149702
Zが4価以上の多価有機基である場合、下記のポリフェノール化合物から全てのヒドロキシ基を除いた残基が基Zとして好ましい。
Figure 2017149702
式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物としては、下記式(x)で表される化合物が好ましく、下記式(A1−4−1)で表される化合物がより好ましい
−(−[−Y−O−]−H)・・・(x)
式(x)中、Zは、q価の有機基であって、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素環を1〜4個有する基、不飽和二重結合からなる末端を有しエステル結合(−CO−O−)、エーテル結合又はカルボニル基(−CO−)を含んでいてもよい脂肪族基、炭素原子数6〜10の芳香族基で置換されていてもよくヘテロ原子を有していてもよい炭素原子数5〜30の飽和脂肪族基である。
はそれぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。
pは0〜4の整数であり、qは1〜6の整数である。
−(−[−CHCH−O−]−H)・・・(A1−4−1)
式(A1−4−1)中、Z、p及びqは式(x)同様である。る。
式(A1−4−1)中のZとして好適な基の一例としては、カルド構造を有する有機基が挙げられる。カルド構造を有する有機基としては、下記式(A1−4−1a)で表される2価基が好ましい。
式(A1−4−1a)中、Rz11は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。
Figure 2017149702
式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例としては、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール等のメトキシフェノール類;ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(前記いずれのアルキル基も炭素原子数1〜4である);α−ナフトール、β−ナフトール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール等のナフトール類;ヒドロキシジフェニル;ビスフェノールA等が挙げられる。
また、前述の式(Z2)で表されるトリスフェノール化合物自体も、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例として挙げられる。
さらに、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例として、以下のフェノール化合物も挙げられる。フェノール化合物の具体例としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,及び4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール、及び3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等のビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類;トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、及びビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等のトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、及びビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン等のビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体が挙げられる。
式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例として以下のアルコールも挙げられる。アルコールの具体例としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールモノ(メタ)アクリレート、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート等の不飽和結合含有アルコール;1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、1−ノナノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコール等の炭素原子数5〜30の脂肪族又は炭素原子数6〜30の芳香族アルコール類が挙げられる。
以上、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例として説明した化合物中の少なくとも1つのヒドロキシ基、好ましくは全てのヒドロキシ基中の水素原子を、下式(y1a)で表される基で置換した化合物も、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物として好ましい。式(y1a)中、Ra1は水素原子又はメチル基であり、p及びrは0〜4の整数である。
Figure 2017149702
式(y1a)で表される基としては、下記式(y2a)で表される基が好ましい。
Figure 2017149702
[(A2)エポキシ基提供化合物]
前述のイミダゾール化合物は、(A2)エポキシ基提供化合物と、(B)求核体との間でのエステル生成反応の進行も促進させる。
例えば、(B)求核体がカルボン酸である場合、以下のエステル生成反応が進行する。
Figure 2017149702
また、(B)求核体が、カルボン酸無水物である場合、反応条件に応じて、以下に示す、エステル生成反応や、エステル生成を含む重縮合反応が進行する。なお、以下の反応式では、C−C単結合の両端に結合する2つのカルボキシ基が閉環したカルボン酸無水物について反応を説明したが、カルボン酸無水物の種類は、以下の反応式に示されるものに限定されない。
Figure 2017149702
(A2)エポキシ基提供化合物は、エポキシ基を有する化合物であれば特に限定されない。(A2)エポキシ基提供化合物としては、ビスフェノールAに代表される種々のビスフェノールに由来するビスフェノール型のエポキシ樹脂やノボラック型のエポキシ樹脂等、従来知られる種々のエポキシ化合物を用いることができる。
(A2)エポキシ基提供化合物としては、例えば、前述の式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物のグリシジルエーテルが好ましい。つまり、下記式(A2−1)で表されるグリシジルエーテルが好ましい。式(A2−1)中、Glyはグリシジル基を表し、Y、Z、p、jは、式(A1−4)と同様である。
(Gly−[−O−Y−]−O−)−Z−[−O−Y−]−O−Gly
・・・(A2−1)
式(A2−1)で表される(A2)エポキシ基提供化合物の中では、下記式(A2−1−1)で表されるグリシジルエーテルが好ましい。下記式(A2−1−1)で表されるグリシジルエーテルは、前述の式(A1−4−1)で表されるヒドロキシ基提供化合物のグリシジルエーテルである。
Z−(−O−[−CHCH−O−]−Gly)・・・(A2−1−1)
式(A2−1)で表されるエポキシ化合物の好適な具体例としては、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例として挙げられた化合物のグリシジルエーテル体が挙げられる。つまり、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物の好適な具体例として挙げられた化合物に含まれる全てのヒドロキシ基において、ヒドロキシ基中の水素原子がグリシジル基に置換された化合物である。
<(B)求核体>
(B)求核体としては、カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つが使用される。
(B)求核体として使用される、カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物は、特に限定されず、いずれも従来知られる化合物から適宜選択して用いることができる。
カルボン酸は、1つのカルボキシ基を有するモノカルボン酸であってもよく、2以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸であってもよい。
カルボン酸ハライドは、1つのハロカルボニル基を有するモノカルボン酸ハライドであってもよく、2以上のハロカルボニル基を有する多価カルボン酸ハライドであってもよい。
カルボン酸エステルは、カルボン酸エステル基を有するモノカルボン酸エステルであってもよく、2以上のカルボン酸基を有する多価カルボン酸エステルあってもよい。
カルボン酸無水物は、分子中に1つのカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有する一無水物であってもよく、分子中に2以上のカルボン酸無水物基を有する多価無水物であってもよい。
また、カルボキシ基、ハロカルボニル基、カルボン酸エステル基、及びカルボン酸無水物基からなる群より選択される2種以上の基を有する化合物も(B)求核体として使用できる。
(B)求核体として使用されうる化合物の典型例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、n−ブタン酸、n−ペンタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、n−ノナン酸、及びn−デカン酸等の脂肪族カルボン酸や、これらの酸ハライド、これらのC−Cアルキルエステル、これらの酸無水物が挙げられる。
他の典型例としては、安息香酸、1−ナフトエ酸、及び2−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸や、これらの酸ハライド、これらのC−Cアルキルエステル、これらの酸無水物が挙げられる。
以下のカルボン酸無水物も(B)求核体として好ましい。具体的には、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族の二塩基又は三塩基酸無水物、あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は芳香族四塩基酸二無水物が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、脂環式二塩基酸無水物が特に好ましい。
不飽和二重結合を有するカルボン酸又はその誘導体も(B)求核体として好適に使用される。かかる(B)求核体として好適な化合物の例としては、下記式(x−1)〜(x−13)で表される化合物が挙げられる。また、下記式(x−1)〜(x−13)で表される、Rx1が水素原子であるカルボン酸の酸無水物も、(B)求核体として好ましく使用される。
Figure 2017149702
下記式(x−1)〜(x−13)において、Rx1は、水素原子、又は有機基である。有機基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素原子数1〜3の脂肪族炭化水素基がより好ましい。脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。また、−ORx1の部分が、ハロゲン原子に置き換わった化合物も好適に挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
x2は、水素原子、炭素原子数1〜3の脂肪族炭化水素基、シアノ基、又は−COORx4で表される基であり、Rx3は水素原子又はメチル基である。
x4は、水素原子、又は炭素原子数1〜8の脂肪族炭化水素基であり、当該脂肪族炭化水素基に含まれる1以上のメチレン基が酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−CO−)で置換されてもよい。
なお、式(x−1)で表される化合物は、(メタ)アクリル酸、又は(メタ)アクリル酸エステルである。式(x−1)で表される化合物中の−ORx1をハロゲン原子に置換した化合物は、(メタ)アクリル酸ハライドである。
また、テトラカルボン酸二無水物等の多価カルボン酸の多価無水物も、(B)求核体として好ましく使用される。多価カルボン酸の多価無水物を、例えば、前述の式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と反応させることにより、感光性組成物にアルカリ可溶性成分として配合されるエステル化合物ないし樹脂や、それらの中間体を製造しうる。
多価カルボン酸の多価水物としては多価無水物としては、テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
テトラカルボン酸二無水物類の好適な例としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.1.2]−ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、テトラシクロ[2.1.0.1.2]−ドデカン−2,3,7,8−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、耐熱性に優れるエステル化合物を得やすいことから、下記式(b1)で表されるノルボルナン−2−スピロ−α−シクロアルカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物類もテトラカルボン酸二無水物として好ましい。
Figure 2017149702
(式(b1)中、Rb1、Rb2、及びRb3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基及びフッ素原子からなる群より選択される1種を示し、mは0〜12の整数を示す。)
式(b1)中のRb1として選択され得るアルキル基は、炭素原子数が1〜10のアルキル基である。アルキル基の炭素原子数が10を超える場合、得られるカルボン酸エステルの耐熱性が良好でない場合がある。Rb1がアルキル基である場合、その炭素原子数は、耐熱性に優れるカルボン酸エステルを得やすい点から、1〜6が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。
b1がアルキル基である場合、当該アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
式(b1)中のRb1としては、耐熱性に優れるエステル化合物を得やすい点から、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましい。式(b1)中のRb1は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基でがより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
式(b1)中の複数のRb1は、高純度のテトラカルボン酸二無水物の調製が容易であることから、同一の基であるのが好ましい。
式(b1)中のmは0〜12の整数を示す。mの値が12超である場合、テトラカルボン酸二無水物の精製が困難である。
テトラカルボン酸二無水物の精製が容易である点から、mの上限は5が好ましく、3がより好ましい。
テトラカルボン酸二無水物の化学的安定性の点から、mの下限は1が好ましく、2がより好ましい。
式(b1)中のmは、2又は3が特に好ましい。
式(b1)中のRb2、及びRb3として選択され得る炭素原子数1〜10のアルキル基は、Rb1として選択され得る炭素原子数1〜10のアルキル基と同様である。
b2、及びRb3は、テトラカルボン酸二無水物の精製が容易である点から、水素原子、又は炭素原子数1〜10(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3)のアルキル基であるのが好ましく、水素原子又はメチル基であるのが特に好ましい。
式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(別名「ノルボルナン−2−スピロ−2’−シクロペンタノン−5’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物」)、メチルノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−(メチルノルボルナン)−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(別名「ノルボルナン−2−スピロ−2’−シクロヘキサノン−6’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物」)、メチルノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−(メチルノルボルナン)−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロプロパノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロブタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘプタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロオクタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロノナノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロウンデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロドデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロトリデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロテトラデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−(メチルシクロペンタノン)−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−(メチルシクロヘキサノン)−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、フィルム特性、熱物性、機械物性、光学特性、電気特性の調整の観点から、下記式(b1−1):
Figure 2017149702
(式(b1−1)中、Rb1、Rb2、Rb3、mは、式(b1)中のRb1、Rb2、Rb3、mと同義である。)
で表される化合物(B1−1)及び下記式(b1−2):
Figure 2017149702
(式(b1−2)中、Rb1、Rb2、Rb3、mは、式(b1)中のRb1、Rb2、Rb3、mと同義である。)
で表される化合物(B1−2)のうちの少なくとも1種を含有し、且つ、化合物(B1−1)及び化合物(B1−2)の総量が30モル%以上であるものが好ましい。
式(b1−1)で表される化合物(B1−1)は、2つのノルボルナン基がトランス配置し且つ該2つのノルボルナン基のそれぞれに対してシクロアルカノンのカルボニル基がエンドの立体配置となる式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の異性体である。
式(b1−2)で表される化合物(B1−2)は、2つのノルボルナン基がシス配置し且つ該2つのノルボルナン基のそれぞれに対してシクロアルカノンのカルボニル基がエンドの立体配置となる式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物の異性体である。
なお、このような異性体を上記比率で含有するテトラカルボン酸二無水物の製造方法も特に制限されず、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、国際公開第2014/034760号に記載の方法等を適宜採用してもよい。
<好適な反応例>
前述の通り、(A)求電子体と(B)求核体との反応は、所定の構造のイミダゾール化合物の存在下に行われる限り特に限定されない。
エステル化合物を合成する際には、エステル化反応を阻害しない溶媒を用いてもよい。また、(A)求電子体と(B)求核体との少なくとも一方が、反応温度において液状である場合、必ずしも溶媒は必要ない。
(A)成分と、(B)成分との反応に使用できる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ピリジン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)等の含窒素極性溶剤;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、及びε−カプロラクトン等のラクトン系極性溶剤;ジメチルスルホキシド;ヘキサメチルホスホリックトリアミド;アセトニトリル;乳酸エチル、及び乳酸ブチル等の脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブアセテート、及びエチルセルソルブアセテート、グライム等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が挙げられる。
反応温度は、(A)求電子体の種類や、(B)求核体の種類や、溶媒の沸点等を考慮したうえで、良好に反応が進行するように適宜選択される。
また、エステル化反応が脱水縮合反応である場合、反応により副生する水分を除去しながらエステル化反応を進行させるのが好ましい。
(B)求核体が酸ハライドである場合、反応系内にトリエチルアミン等の塩基を加えたり、還流下に反応を行うか、反応液中で不活性ガスのバブリングを行って反応系内から副生するハロゲン化水素を除去してもよい。
好適な反応の例としては、前述の(A)求電子体と、(B)求核体について前述した、式(x−1)〜(x−13)で表される不飽和化合物との反応が挙げられる。かかる反応における(B)求核体の好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸エステル、及びジ(メタ)アクリル酸無水物が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハライド、及びジ(メタ)アクリル酸無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸ハライド、及びジ(メタ)アクリル酸無水物がより好ましい。
(A)求電子体としては、前述のヒドロキシ基提供化合物を好ましく使用できる。
かかる反応により生成する不飽和結合を有するカルボン酸エステルは、感光性樹脂組成物等に配合される樹脂合成用の単量体として好適に使用される。
また、下記式(y)で表されるアルコールを生成させる反応も好ましい。
Figure 2017149702
式(y)中、Zは、q価の有機基であって、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素環を1〜4個有する基、不飽和二重結合からなる末端を有しエステル結合(−CO−O−)、エーテル結合又はカルボニル基(−CO−)を含んでいてもよい脂肪族基、炭素原子数6〜10の芳香族基で置換されていてもよくヘテロ原子を有していてもよい炭素原子数5〜30の飽和脂肪族基である。
a1は、水素原子又はメチル基である。
及びYは、それぞれ独立して直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。
pは0〜4の整数であり、qは1〜6の整数であり、rは0〜4の整数である。
かかる反応では、(A)求電子体として、以下に示す、前述の式(x1a)で表されるアルコールをヒドロキシ基提供化合物として用い、(B)求核体として、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸エステル、又はジ(メタ)アクリル酸無水物を用いる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハライド、及びジ(メタ)アクリル酸無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸ハライド、及びジ(メタ)アクリル酸無水物がより好ましい。
Figure 2017149702
式(x1a)で表されるアルコールは、以下に示す前述の式(x1)で表されるエポキシ化合物に、HO−[−Y−O−]−Hで表されるグリコールを反応させることにより得られる。
−(−O−[−Y−O−]−Gly)・・・(x1)
また、rが0である場合は、式(x1)で表されるエポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸とを、前述の所定の構造のイミダゾール化合物の存在下に反応させても、式(y)で表されるアルコールが得られる。
この場合、式(x1)で表されるエポキシ化合物が(A)求電子体であり、(メタ)アクリル酸が(B)求核体である。
式(x1)で表されるエポキシ化合物としては、qが2である化合物が好ましい。つまり下記式(x1−1)で表される化合物が好ましい。
Gly−(−O−Y−)−O−Z−O−(−Y−O−)−Gly
・・・(x1−1)
この場合、式(y)で表されるアルコールとして、下記式(y1−1)で表されるアルコールが得られる。
Figure 2017149702
イミダゾール化合物の存在下に行われる特に好ましいエステル生成反応としては、下式(Ba)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、以下に示す前述の式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物との反応が挙げられる。式(Ba)において、Xは4価の有機基である。
(H−[−O−Y−]−O−)−Z−[−O−Y−]−OH・・・(A1−4)
この反応において好適なテトラカルボン酸二無水物としては、(B)求核体について前述したものが挙げられ、中でも、前述の式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
Figure 2017149702
なお、テトラカルボン酸二無水物として、前述の式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いる場合、テトラカルボン酸二無水物をヒドロキシ基提供化合物等の(A)求電子体と反応させるためには、130℃以上の温度が必要であった。
しかし、前述の所定の構造のイミダゾール化合物の存在下に、式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物をヒドロキシ基提供化合物等の(A)求電子体と反応させる場合、130℃未満、好ましくは100℃以上130℃未満の温度にて良好に反応が進行する。
なお、この反応温度の低温化の効果は、式(b1)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外のカルボン酸無水物と、(A)求電子体とを反応させる場合にも得られる。
上記反応によれば、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と、式(Ba)で表されるテトラカルボン酸二無水物との使用量の比率に応じて、エステル化合物である種々の縮合生成物が生成する。
特に、式(Ba)で表されるテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物を2モル以上用いる場合、下記式(AB1)で表されるエステル化合物が主生成物として生成する。かかるエステル化合物中のカルボキシ基の少なくとも一方を常法に従って還元することで、アルデヒド基に変換することができる。
以上の方法により、カルボキシ基及び/又はアルデヒド基を有する式(AB2)で表されるエステル化合物が得られる。式(AB2)において、Rc1及びRc2は、それぞれ独立に水素原子又はヒドロキシ基である。
Figure 2017149702
なお、テトラアルキルアンモニウムハロゲン化物のような触媒を用いる従来の方法により、式(A1−4)で表されるヒドロキシ基提供化合物と、式(Ba)で表されるテトラカルボン酸二無水物とを縮合させて、式(AB1)で表されるエステル化合物を製造する場合、低温での反応では分子量分布の狭い生成物を得やすい一方で、反応速度が遅い。
他方、高温での反応では反応速度は良好であっても、反応の制御が困難であり、分子量分布の狭い生成物を得にくい。
対して、所定の構造のイミダゾール化合物の存在下で、式(AB1)で表される化合物を生成させる場合、反応温度によらず、所望する反応を良好に進行させることができ、分子量分布の狭い生成物を得やすい。
また、(A)求電子体として、前述の式(y1−1)で表されるジオールをヒドロキシ基提供化合物として用い、(B)求核体として、前述の式(Ba)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いる場合、下記式(AB3)で表されるエステル化合物が生成する。かかるエステル化合物中のカルボキシ基の少なくとも一方を常法に従って還元することで、アルデヒド基に変換することができる。
以上の方法により、カルボキシ基及び/又はアルデヒド基を有する式(AB4)で表されるエステル化合物が得られる。式(AB4)において、Rc1及びRc2は、それぞれ独立に水素原子又はヒドロキシ基である。
Figure 2017149702
・・・(AB3)
Figure 2017149702
・・・(AB4)
式(AB2)又は式(AB4)で表されるエステル化合物は、感光性樹脂組成物等の種々の組成物にアルカリ可溶性や、耐熱性を付与するための添加成分として好適に使用され得る。
式(AB3)又は式(AB4)で表されるエステル化合物に含まれるヒドロキシ基を、酸無水物と反応させることで、ヒドロキシ基を封鎖してもよい。かかるヒドロキシ基の封鎖反応は、前述の所定の構造のイミダゾール化合物の存在下に行うのが好ましい。
かかる封鎖に用いられる酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の脂環式二塩基酸無水物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の脂肪族又は芳香族の二塩基又は三塩基酸無水物、あるいはビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は芳香族四塩基酸二無水物が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例では、以下の方法に従って製造した化合物1及び化合物2を反応時の添加剤として用いた。
<化合物1>
Figure 2017149702
<化合物2>
Figure 2017149702
1.化合物1の合成例
まず、下記式の構造の桂皮酸誘導体30gをメタノール200gに溶解させた後、メタノール中に水酸化カリウム7gを添加した。次いで、メタノール溶液を40℃で撹拌した。メタノールを留去し、残渣を水200gに懸濁させた。得られた懸濁液にテトラヒドロフラン200gを混合、撹拌し、水相を分液した。氷冷下、塩酸4gを添加、撹拌した後に酢酸エチル100gを混合、撹拌した。混合液を静置した後、油相を分取した。油相から目的物を晶析させ、析出物を回収して、上記構造のイミダゾール化合物(化合物1)を得た。
Figure 2017149702
化合物1のH−NMRの測定結果は以下の通りである。
H−NMR(DMSO):11.724(s,1H),7.838(s,1H),7.340(d,2H,J=4.3Hz),7.321(d,1H,J=7.2Hz),6.893(d,2H,J=4.3Hz),6.876(d,1H,J=6.1Hz),5.695(dd,1H,J=4.3Hz,3.2Hz),3.720(s,3H),3.250(m,2H)
2.化合物2の合成例
具体的には、原料化合物を下記式の構造の桂皮酸誘導体に変更することの他は、1.化合物1の合成例と同様にして上述の化合物2を得た。
Figure 2017149702
〔実施例1〕
(工程1)
1500mL四つ口フラスコ中に、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9H−フルオレンのジグリシジルエーテル235g(0.5モル、エポキシ当量235)と、0.24gの化合物1、2,6−ジ−tertブチル−4−メチルフェノール100mg及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25mL/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。
(工程2)
次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。ここで溶液は次第に透明粘稠になったがそのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標に達するまで12時間を要した。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状の下式の構造のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
Figure 2017149702
(工程3)
次いで、このようにして得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0g(0.5モル)にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート600gを加えて溶解した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(0.3モル)、及び1.2gの化合物1を混合し、徐々に昇温して110℃、又は130℃で4時間反応させた。
(工程4)
酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸30gを混合し、90℃で6時間反応させ、ビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートと、酸無水物とから生成したカルボン酸エステルを得た。酸無水物の消失はIRスペクトルにより確認した。
110℃で反応を行って得たカルボン酸エステルと、130℃で反応を行って得たカルボン酸エステルとについて、それぞれ数平均分子量と、質量平均分子量とを測定して分散度を求めた。分散度が低いほど、未反応原料の残存量や、高分子量体の生成量が少なく、所望する反応が速やかに進行したと言える。
分散度について、1.5以下を○と判定し、1.5超2.5以下を△と判定し、2.5超を×と判定した。得られたカルボン酸エステルの分散度の評価結果を表1に記す。
〔実施例2〜6、及び比較例1〜6〕
(工程3)において、表1に記載の量(モル)及び種類の酸無水物を用いることと、表1に記載の種類の添加剤を用いることとの他は、実施例1と同様に、110℃と、130℃とで反応を行い、得られたカルボン酸エステルについて分散度を評価した。分散度の評価結果を表1に記す。ただし、(工程3)において、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸を用いた場合(実施例5〜6、比較例1,比較例3,比較例5)は、(工程4)を行わず、分散度を評価した。
なお、表1における酸無水物の種類は以下の通りである。
(B)−1:1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸
(B)−2:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(B)−3:下記式で表されるテトラカルボン酸二無水物(ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物)
Figure 2017149702
表1における添加剤について、化合物3〜化合物5は以下の通りである。
化合物3:ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド
化合物4:2−エチル−4−イミダゾール
化合物5:トリフェニルホスフィン
Figure 2017149702
実施例1〜6によれば、化合物1や化合物2等の式(1)で表されるイミダゾール化合物の存在下に、(A)求電子体としてヒドロキシ基提供化合物であるエポキシアクリレートと、(B)求核体として表1に記載のカルボン酸無水物とを反応させる場合、反応原料の残存や、過度の高分子量化が抑制され、反応温度によらず所望する反応が良好に進行し、その結果分散度の低いカルボン酸エステルが得られたことが分かる。
他方、比較例から、化合物3〜5を反応時の添加剤として用いる場合、分散度の低いカルボン酸エステルを得にくいことが分かる。
また、実施例2及び4によれば、(B)−3のカルボン酸無水物基を開環させて反応を進めるには、通常130℃以上の温度が必要であるところ、式(1)で表されるイミダゾール化合物の存在下に反応を行えば、110℃程度の低い温度でも良好に反応が進行することが分かる。
なお、化合物1や化合物2等の式(1)で表されるイミダゾール化合物は、ハロゲン化物イオンを含まない点でもメリットがある。従来使用されている、化合物3(ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド)のようなハロゲン化物イオンを含む触媒を用いると、生成するカルボン酸エステルにもハロゲン化物イオンが残留してしまう。
他方で、透明な膜を形成するために使用される感光性樹脂組成物では、ハロゲン化物イオンの含有量が多いと、形成される膜の透明性が低下する場合がある。このため、感光性樹脂組成物に配合されるエステル化合物では、ハロゲン化物イオン含有量が極めて少ないことが望ましい。
この点、式(1)で表されるイミダゾール化合物はハロゲン化物イオンを含まないため、イミダゾール化合物を用いて得られたエステル化合物を感光性樹脂組成物に配合しても、感光性組成物を用いて透明性に優れる膜を形成しやすい。
〔実施例8〕
撹拌機、温度計、ジムロート冷却菅、滴下ロートを備えたガラス製のフラスコに、トルエン5.55g、化合物1を0.17g(0.7mmol)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)を0.049g、6−tert−ブチル−2,4−キシレノールを0.049g、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン(下記のアルコール化合物)を1.50g(14.7mmol)を投入し、70℃で撹拌した。滴下ロートにはメタクリル酸無水物を2.49g(16.2mmol)を投入し、5分間でフラスコに滴下した。滴下終了後、反応温度を70℃になるように調節しながら、反応を行った。反応中にサンプリングを行い、サンプリング物をGCで分析して3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失するまで反応を行い、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレート(=γ−ブチロラクトン−3−イルメタクリレート)を得た。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。
Figure 2017149702
〔比較例7〕
反応温度を50℃に変更したことと、化合物1を4−ジメチルアミノピリジン0.18g(1.5mmol)に変更したことと以外は、実施例8と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンの含有量が観測された。
実施例8と比較例7の結果から、化合物1で表されるイミダゾール化合物は、毒性の高い4−ジメチルアミノピリジンの代替になるだけでなく、反応副生成物を生じない効果もあることがわかる。

Claims (3)

  1. (A)フェノール化合物及びアルコールからなる群より選択される少なくとも1つのヒドロキシ基提供化合物と、エポキシ化合物からなるエポキシ基提供化合物と、からなる群より選択される少なくとも1つの求電子体と、
    (B)カルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸エステル、及びカルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1つの求核体とを、
    下記式(1):
    Figure 2017149702
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
    で表されるイミダゾール化合物の存在下に反応させることを含む、カルボン酸エステルの製造方法。
  2. 下記式(1):
    Figure 2017149702
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
    で表されるイミダゾール化合物を含有する、エステル化剤。
  3. 下記式(1):
    Figure 2017149702
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子もしくは1価の有機基を表し、Rは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Rはそれぞれ独立にハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す。前記Rは他方のR又はRと結合して環状構造を形成してもよい。)
    で表されるイミダゾール化合物を含有する、開環付加触媒。
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