JP2017149887A - 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、および繊維強化複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性率や靭性、耐熱性に優れ、さらに高速硬化性を有することから繊維強化複合材料の成形硬化中に高剛性な粒子と高靭性な粒子がいずれも凝集することなく、均一に分布した高強度かつ耐衝撃性が高い繊維強化複合材料が得られる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供する。【解決手段】次の(A)〜(E)の成分を含む繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。(A)エポキシ樹脂(B)芳香族アミン(C)フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物(D)平均粒径が1000nm以下の無機粒子(E)平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子【選択図】なし
Description
本発明は、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材等の繊維強化複合材料に好適に用いられる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた繊維強化複合材料に関するものである。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、強化繊維とマトリックス樹脂の利点を生かした材料設計が出来るため、航空宇宙分野を始め、スポーツ分野、一般産業分野等に用途が拡大しており、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)法等の方法により製造される。
強化繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ボロン繊維等が用いられる。マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いられるが、強化繊維への含浸が容易な熱硬化樹脂が用いられることが多い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂等が用いられる。この中で、樹脂と強化繊維との接着性や寸法安定性、および得られる複合材料の強度や剛性といった力学特性の観点からエポキシ樹脂が好適に用いられる。
エポキシ樹脂からなるマトリックス樹脂は、優れた耐熱性と良好な機械物性を示す一方、エポキシ樹脂の伸度および/または靱性が熱可塑性樹脂に比べて低いため、複合材料としたときに、耐衝撃性が低くなることがあり、改善を要求されている。
従来、エポキシ樹脂の靱性を向上させる方法としては、熱可塑性樹脂や靱性に優れるゴムを配合する方法などが試されてきた。例えば、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂を配合する方法としては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンおよびポリエーテルイミドのような熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂に溶解、あるいは微粉末で配合することにより、エポキシ樹脂中に熱可塑性樹脂を均一に分散させることによってエポキシ樹脂のもつ機械物性を損なうことなしに靱性を向上させることが知られている(特許文献1)。
近年、ジブロックまたはトリブロックからなるブロック共重合体を使用して、靱性や耐衝撃性が向上させることが検討されている。たとえば、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンーブタジエンーメタクリル酸共重合体、ブタジエンーメタクリル酸共重合体を用いることにより、靱性を向上させる方法が提案されている(特許文献2)。この方法において、エポキシ樹脂として、室温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、硬化剤として4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)を用いた組み合わせにおいて、靱性向上効果が確認され、また耐熱性は数〜十数℃の低下で抑えられている。
また、カルボキシル末端アクリロニトリルーブタジエンゴムのようなゴムをエポキシ樹脂に配合する検討は、1970年代から検討されてきており、一般に良く知られている。しかしながら、ゴムは弾性率やガラス転移温度などの物性がエポキシ樹脂に比べて大幅に低いため配合した場合、弾性率・ガラス転移温度の低下がみられ、靱性向上と、弾性率やガラス転移温度とのバランスを取ることは困難であった。この欠点を改良するためにコアシェルゴムのごとく粒子化したゴムを用いるケースがあるが、靱性を十分に向上させるために配合量を増やしていくと弾性率やガラス転移温度の低下がみられることがある。さらに、コアシェルゴム粒子とシリカ、アルミナ、酸化チタンなどからなる高剛性な無機粒子を添加し、弾性率を補う方法が提案されている(特許文献3)。
また、ビスフェノール類をエポキシ樹脂に添加することで高速硬化性を実現し、生産性良く高品位な繊維強化複合材料を得る方法が提案されている(特許文献4)。
前述の特許文献1に記載の方法では、熱可塑性樹脂を多量に配合する必要があるため、エポキシ樹脂組成物の粘度が大幅に上昇し、プロセス性や取り扱い性に問題が生じることがある。また特許文献2に記載の方法では、靱性の向上効果は未だ十分といえない。さらに特許文献3に記載の方法では、繊維強化複合材料の成形硬化中に粒子が凝集するため、繊維強化複合材料中の粒子が不均一となる。その結果、応力付与時に応力が局所的に集中するため、圧縮強度等の力学特性が十分発揮されていなかった。また特許文献4に記載の方法では、得られる繊維強化複合材料の圧縮強度が不十分であった。
そこで本発明の目的は、斯かる従来技術の欠点を改良し、弾性率や靭性、耐熱性に優れ、さらに高速硬化性を有することから繊維強化複合材料の成形硬化中に高剛性な粒子と高靭性な粒子がいずれも凝集することなく、均一に分布した高強度かつ耐衝撃性が高い繊維強化複合材料が得られる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は次の構成を有する。すなわち、次の(A)〜(E)の成分を含む繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物である。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族アミン
(C)フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
(D)平均粒径が1000nm以下の無機粒子
(E)平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子
また、上記課題を解決するため、本発明の繊維強化複合材料は、前述の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせて、硬化してなる、繊維強化複合材料である。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族アミン
(C)フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
(D)平均粒径が1000nm以下の無機粒子
(E)平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子
また、上記課題を解決するため、本発明の繊維強化複合材料は、前述の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせて、硬化してなる、繊維強化複合材料である。
本発明によれば、弾性率や靭性、耐熱性に優れ、さらに高速硬化性を有することから繊維強化複合材料の成形硬化中に高剛性な粒子と高靭性な粒子がいずれも凝集することなく、均一に分布した高強度かつ耐衝撃性が高い繊維強化複合材料が得られる繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することが可能になる。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、説明する。
まず、本発明に係る繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明に係る繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、次の(A)〜(E)の成分を含む繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物である。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族アミン
(C)フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
(D)平均粒径が1000nm以下の無機粒子
(E)平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子
本発明における成分(A)は、耐熱性や機械特性発現のために必要な成分である。ここで成分(A)のエポキシ樹脂とは、分子内にエポキシ基を1つ以上含む化合物を意味する。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族アミン
(C)フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
(D)平均粒径が1000nm以下の無機粒子
(E)平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子
本発明における成分(A)は、耐熱性や機械特性発現のために必要な成分である。ここで成分(A)のエポキシ樹脂とは、分子内にエポキシ基を1つ以上含む化合物を意味する。
成分(A)のエポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を1つ以上含む化合物であれば特に限定されないが、具体的には、アミン類、フェノール類、カルボン酸類、分子内不飽和炭素などの化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。
アミン類を前駆体とするグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノールや、グリシジルアニリンのそれぞれの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体が挙げられる。中でも、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンは耐熱性に優れるため航空機構造材としての複合材料用樹脂として好ましい。一方、グリシジルアニリン類は高い弾性率が得られるため好ましい。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、スミエポキシ(登録商標)ELM434(住友化学(株)製)や、アラルダイト(登録商標)MY720、アラルダイトMY721、アラルダイトMY9512、アラルダイトMY9612、アラルダイトMY9634、アラルダイトMY9663(以上ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、jER(登録商標)604(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
キシレンジアミンのグリシジル化合物の市販品としてはTETRAD(登録商標)−X(三菱瓦斯化学(株)製)が挙げられる。
トリグリシジルアミノフェノールの市販品としてはjER630(三菱化学(株)製)、アラルダイトMY0500、MY0510、MY0600(以上ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、スミエポキシELM100(住友化学(株)製)などが挙げられる。
グリシジルアニリン類の市販品としては、GAN、GOT(以上日本化薬(株)製)などが挙げられる。
フェノール類を前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂やそれぞれの各種異性体やアルキル、ハロゲン置換体などが挙げられる。また、フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂なども、このタイプに含まれる。
特に、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂や、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、イソシアネート変性によりオキサゾリドン環を有するエポキシ樹脂は、低吸水率や耐熱性の観点から好ましく用いられる。
また、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を臭素化したものは、耐熱性、耐水性、難燃性の面で好ましく用いられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、jER825、jER826、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1004AF、jER1007、jER1009(以上三菱化学(株)製)、エピクロン(登録商標)850(DIC(株)製)、エポトート(登録商標)YD−128(新日鐵住金化学(株)製)、DER(登録商標)−331、DER−332(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としてはjER806、jER807、jER1750、jER4004P、jER4007P、jER4009P(以上三菱化学(株)製)、エピクロン830(大DIC(株)製)、エポトートYDF−170、エポトートYDF2001、エポトートYDF2004(以上新日鐵住金化学(株))などが挙げられる。また、アルキル置換体であるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、エポトートYSLV−80XY(新日鐵住金化学(株))などが挙げられる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、エピクロンEXA−1515(DIC(株)製)などがあげられる。
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、jERYX4000H、jERYX4000、jERYL6616、jERYL6121H、jERYL6640(以上三菱化学(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としてはjER152、jER154(以上三菱化学(株)製)、エピクロンN−740、エピクロンN−770、エピクロンN−775(以上DIC(株)製)などが挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、エピクロンN−660、エピクロンN−665、エピクロンN−670、エピクロンN−673、エピクロンN−695(以上DIC(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上日本化薬(株)製)などが挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、デナコール(登録商標)EX−201(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、エピクロンHP4032(DIC(株)製)、NC−7000、NC−7300(以上日本化薬(株)製)などが挙げられる。
トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としてはTMH−574(住友化学(株)社製)、Tactix(登録商標)742(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)などが挙げられる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としてはエピクロンHP7200、エピクロンHP7200L、エピクロンHP7200H(以上DIC(株)製)、Tactix558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成イーマテリアルズ(株)製)やACR1348(ADEKA(株)製)などが挙げられる。
ダイマー酸変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、jER872(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
カルボン酸を前駆体とするエポキシ樹脂としては、フタル酸のグリシジル化合物や、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸のグリシジル化合物の各種異性体が挙げられる。
フタル酸ジグリシジルエステルの市販品としてはエポミック(登録商標)R508(三井化学(株)製)、デナコールEX−721(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの市販品としてはエポミックR540(三井化学(株)製)、AK−601(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ダイマー酸ジグリシジルエステルの市販品としては、jER871(三菱化学(株)製)や、エポトートYD−171(新日鐵住金化学(株))などが挙げられる。
分子内不飽和炭素を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。その市販品としては、セロキサイド(登録商標)2021、セロキサイド2080(以上ダイセル化学工業(株)製)、CY183(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)が挙げられる。
本発明における成分(B)は、芳香族アミンである。芳香族アミンとしては、エポキシ樹脂硬化剤として用いられる芳香族アミン類であれば特に限定されるものではないが、固体状芳香族アミンを用いる場合には、プロセス性や取り扱い性の観点から液状アミンを加えて、液状アミンと固体状芳香族アミンの混合物とすることが好ましく、特に、高耐熱性かつ高力学特性を有する樹脂硬化物を得る観点からは、成分(B)の芳香族アミンは液状芳香族アミンと固体状芳香族アミンの混合物とすることがより好ましい。
なお、本発明において、「液状」とは、25℃における粘度が1000Pa・s以下であることを指し、「固体状」とは、25℃において流動性をもたない、もしくは極めて流動性が低く、具体的には25℃における粘度が1000Pa・sより大きいことを指す。ここで、粘度は、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計(例えば、(株)トキメック製TVE−30H)を使用して測定する。
液状アミンとしては具体的には、脂肪族アミンに分類されるものとして、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられ、脂環式アミンに分類されるものとして、メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、アミノシクロヘキサンアルキルアミン、イソホロンジアミン等が挙げられ、芳香族アミンに分類されるものとして、2,2’−ジエチルジアミノジフェニルメタン、2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−m−フェニレンジアミン等のジエチルトルエンジアミン、4,4’−メチレンビス(N−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。液状の芳香族アミンを用いる場合、高ガラス転移温度、高弾性率のエポキシ樹脂硬化物が得られるため、好ましい。液状の芳香族アミンの市販品としては、jERキュア(登録商標)W(三菱化学(株)製)やAradur(登録商標)5200US(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)が挙げられる。
また、固体状の芳香族アミンとしては具体的には、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
本発明において、硬化剤に、液状アミンと固体状芳香族アミンの混合物を用いる場合、その割合は、特に限定されるものではないが、強化繊維への含浸性と樹脂硬化物の力学特性のバランスの観点から、成分(B)である芳香族アミンの全量100質量%に対して固体状芳香族アミンが80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、エポキシ樹脂組成物中の硬化剤の含有割合は、全硬化剤中の活性水素総数(H)と、全エポキシ樹脂中のエポキシ基総数(E)との比であるH/Eが0.8以上1.1以下の範囲を満たすことが好ましく、0.85以上1.05以下の範囲を満たすことがより好ましく、0.9以上1以下の範囲を満たすことがさらに好ましい。H/Eが0.8を下回る場合、樹脂硬化物の反応率が不足し、耐熱性や材料強度が低下する場合がある。また、H/Eが1.1を上回る場合は樹脂硬化物の反応率は充分であるが、塑性変形能力が不足するため、繊維強化複合材料の耐衝撃性が不足する場合がある。硬化剤として成分(B)のみを含む場合には、Hは成分(B)中の全活性水素数に一致するため、成分(B)の含有割合が、H/Eで示される。
本発明における成分(C)は、フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物である。すなわち、成分(C)の化合物は、ヒドロキシフェニル構造を有している。エポキシ樹脂組成物に成分(C)を含有させることにより、得られる樹脂硬化物について高い耐熱性が確保されるばかりか、高速硬化が可能となり、また硬化過程での揮発の問題も生じない。
この成分(C)の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ビフェノール、ビスフェノールフルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、ビフェノール、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。特に、成分(C)は、フェノール性水酸基を2つ以上含むビスフェノール類であることが好ましい。
また、高速硬化性と粘度安定性の観点から、成分(C)は、その酸解離定数pKaが、7以上9.8以下であることが好ましく、特に好ましくは7以上9以下である。成分(C)の酸解離定数pKaは、希薄水溶液条件下で、Ka=[H3O+][B−]/[BH](ここで[H3O+]は水素イオン濃度、[BH]は成分(C)の濃度、[B−]は成分(C)がプロトンを放出した共役塩基の濃度を表す)を測定し、pKa=−logKaに従い求める。pKaの測定方法は、例えばpHメーターを用いて水素イオン濃度を測定し、該当物質の濃度と水素イオン濃度から算出することができる。
成分(C)として、単一の化合物を用いても、複数の化合物を用いても良く、単一の化合物を用いる場合には、その化合物の酸解離定数pKaが上記範囲内であることが好ましい。一方で成分(C)として複数の化合物を用いる場合には、少なくとも一種の化合物における酸解離定数pKaが上記範囲内であることが好ましい。
成分(C)として酸解離定数pKaが7未満のもののみを用いた場合では、エポキシ樹脂と硬化剤を混合した後のエポキシ樹脂組成物の粘度安定性が著しく低下、増粘し、強化繊維とエポキシ樹脂組成物を組み合わせてプリプレグ化する際や強化繊維から成る基材に樹脂を注入する場合にプロセス性が低下することがある。また、pKaが9.8より大きいもののみを用いた場合、十分な硬化促進効果が得られないことがある。
成分(C)は、調製の容易さ、低温での粘度安定性の観点から、通常は低分子量化合物である。ここでいう低分子量化合物とは分子量が1000以下である化合物を意味する。
成分(C)の含有割合は、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100質量部、つまり成分(A)100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上15質量部以下がより好ましく、1質量部以上10質量部以下が特に好ましい。成分(A)100質量部に対して成分(C)の含有割合が1質量部未満では、十分な硬化促進効果が得られないことがあり、一方、20質量部より多い場合では、著しく樹脂硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
本発明における成分(D)は、平均粒径が1000nm以下の無機粒子である。成分(D)が存在することで、成分(D)がエポキシ樹脂中に分散してエポキシ樹脂組成物に高い弾性率と開口モードの靱性(KIc)を付与し、ひいては繊維強化複合材料としたときに高い圧縮強度やねじり強度を与えるために必須の成分である。また、成分(D)は、強化繊維とエポキシ樹脂組成物を組み合わせてプリプレグにする場合や強化繊維から成る基材に樹脂を注入する場合に、流動性が良く、また強化繊維束を傷つけにくいという理由から球形であることが好ましい。
成分(D)の無機粒子の平均粒径は1000nm以下である。1000nmより大きいと、強化繊維とエポキシ樹脂組成物を組み合わせてプリプレグにする場合や強化繊維から成る基材に樹脂を注入、含浸させる場合に、強化繊維で粒子が濾別され、繊維強化複合材料としたときに分散状態が不均一になる場合があるので好ましくない。成分(D)の無機粒子の平均粒径は、より好ましくは1nm以上700nm以下、更に好ましくは5nm以上500nm以下、もっとも好ましくは5nm以上100nm以下である。
成分(D)の無機粒子の平均粒径は、樹脂硬化物の断面を走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により観察し、少なくとも50個以上の粒子の直径を測定して粒子の粒径として、それを平均することにより平均粒径を求めることが出来る。前記観察において、粒子が真円状でない場合、即ち粒子が楕円状のような場合は、粒子の最大径をその粒子の粒径とする。
成分(D)の無機粒子としては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの球状粒子が少なくとも1種類以上含まれていることが、エポキシ樹脂組成物に高い弾性率や耐熱性を与えるために好ましく、特に好ましくはシリカ、アルミナ、及び酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類である。
本発明の成分(D)として用いられる無機粒子は、エポキシ樹脂との接着性が高まるため、表面処理剤によって処理された無機粒子が好ましく用いられる。表面処理剤としては、特に制限はなく、表面処理剤がカップリング剤であれば、無機粒子との親和性が高く、強固な結合を形成しうる点から、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤が好ましい。無機粒子がシリカ粒子である場合は、表面処理剤としてはシラン系カップリング剤が特に好ましい。
上記のシラン系カップリング剤としては、特に分子内にアミノ基あるいは一置換アミノ基を有するシラン系カップリング剤は、広範囲な樹脂に適用可能で、反応性も高いため、特に好ましい。その具体的な例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどを挙げることができる。これらの中では、熱硬化性樹脂中での保存安定性に優れ、かつ、熱硬化性樹脂との反応性が適度である芳香族一置換アミノ基を有するシラン系カップリング剤、例えば、3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシランがより好ましい。
また、分子内にエポキシ基を有するシラン系カップリング剤も、広範囲な樹脂に適用可能で、反応性も高いため、好ましい。その具体的な例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシランなどを挙げることができる。これらの中では、熱硬化性樹脂中での保存安定性に優れ、かつ、熱硬化性樹脂との反応性が適度である点から、グリシジル基を有するシラン系カップリング剤、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
上記表面処理剤の配合量は、無機粒子100質量部に対し、表面処理剤が1質量部以上150質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、1質量部以上120質量部以下、さらに好ましくは、1質量部以上100質量部以下である。1質量部より少ない場合、無機粒子と熱硬化性樹脂を硬化したマトリックス樹脂との接着性が低いことがある。また、150質量部を越えると、マトリックス樹脂の耐熱性が低下したり、カップリング剤の官能基の種類によっては熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が低下することがある。
こうした成分(D)として好適な無機粒子の市販品のものとしては、親水性のシリカ粒子として、AEROSIL(登録商標)50(平均粒径50nm)、AEROSIL200(平均粒径12nm)、AEROSIL300(平均粒径7nm)(以上、日本アエロジル(株)製)、アドマファイン(登録商標)SO‐C1(平均粒径250nm)、アドマファインSO‐C2(平均粒径500nm)(以上、(株)アドマテックス製)、Sciqas(登録商標)(平均粒径50、100、400、700nm)(堺化学工業(株)製)が挙げられる。疎水性のシリカ粒子としては、AEROSIL R202(平均粒径14nm)、AEROSIL R805(平均粒径12nm)、AEROSIL R812(平均粒径7nm)(以上、日本アエロジル(株)製)が挙げられる。親水性のアルミナ粒子としては、酸化アルミニウムC (平均粒径13nm)(日本アエロジル(株)製)、アドマファインAO‐502(平均粒径700nm)が挙げられる。親水性酸化チタン粒子としては二酸化チタンP25(平均粒径21nm)(日本アエロジル(株)製)が挙げられ、疎水性酸化チタン粒子としては、二酸化チタンT805(平均粒径21nm)(日本アエロジル(株)製)があげられ挙げられる。
本発明における成分(D)は、エポキシ樹脂組成物の総質量100質量%に対して、1質量%以上20質量%未満含まれていることが好ましい。1質量%未満であると、エポキシ樹脂組成物の靭性向上効果が不十分になることがある。また、20重量%を超えて添加すると、粘度が高くなりすぎて、プリプレグ化する際や強化繊維から成る基材に樹脂を注入する場合にプロセス性が低下することがある。
本発明における成分(D)は、液状の溶媒や樹脂に分散させたマスターバッチとして用いてもよい。無機粒子をマスターバッチ化することで、成分(D)の分散性がよくなり、エポキシ樹脂組成物の靭性や弾性率などの機械物性が高くなることがあり好ましく用いられる。この際用いられるエポキシ樹脂は、取り扱い性の観点から、室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。また、分散性や、貯蔵安定性の観点から界面活性剤を添加してもよい。
マスターバッチにおける無機粒子の比率としては、エポキシ樹脂との組み合わせにおいては、マスターバッチに用いられるエポキシ樹脂100重量部に対して、無機粒子は0.5重量部以上300重量部以下であることが好ましい。より好ましくは、5重量部以上200重量部以下である。0.5重量部未満であると、エポキシ樹脂組成物におけるマスターバッチの比率が大きくなるため、エポキシ樹脂組成物の組成設計の自由度が低くなり好ましくない。300重量部を超えると、取り扱い性が悪くなることがある。
マスターバッチ化する方法としては、超音波、3本ロール、自公転式ミキサー、プラネタリー、ミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、ボールミルおよびビーズミルなど一般的な、固液混合用の方法のいずれでも可能であり、いくつかの方法を組み合わせて調製してもよい。マスターバッチ化時、必要時応じて、加温や加減圧を行っても良い。ホモミキサー、ホモジナイザー、ボールミルおよびビーズミルのごとく剪断力の強い混合方法を使うと、粒子同士が凝集したクラスターが出来ている場合でも、クラスターを解砕でき分散性が良くなるため好ましく用いられる。このマスターバッチは分散後、再凝集したり、沈降したりすることを防ぐために、−10℃以下で保管することが好ましい。
本発明における成分(E)は、平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子である。コアシェルポリマー粒子とは、架橋されたゴム状ポリマーまたはエラストマーを主成分とする粒子状のコア成分の表面に、コア成分とは異種のシェル成分ポリマーをグラフト重合することで、粒子状コア成分の表面の一部あるいは全体をシェル成分で被覆したものであり、少量の添加で硬化物の破壊靭性を大きく向上することが可能である。ここで主成分とは、コア成分の総質量100質量%としたときに、50質量%以上100質量%以下含まれる成分を意味する。
コアシェルポリマーを構成するコア成分としては、共役ジエン系モノマー、アクリル酸および/またはメタクリル酸エステル系モノマーより選ばれる1種または複数種から重合されたポリマーまたはシリコーン樹脂などがあるが、特に共役ジエン系モノマーであるブタジエンを重合した架橋ポリブタジエンをコア成分として適用したものが、極低温下における破壊靭性の向上に優れているため好適に用いることができる。
コアシェルポリマーを構成するシェル成分は、前記したコア成分にグラフト重合されており、コア成分を構成するポリマーと化学結合していることが好ましい。かかるシェル成分を構成する成分としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物等から選ばれた1種または複数種から重合された重合体である。
また、該シェル成分には分散状態を安定化させるために、本発明のエポキシ樹脂組成物と反応する官能基が導入されていることが好ましい。かかる官能基としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に適用できるコアシェルポリマーとしては特に制限はなく、周知の方法で製造されたものを使用できる。しかしながら、通常コアシェルポリマーは塊状で取り出されたものを粉砕して粉体として取り扱われており、粉体状コアシェルポリマーを再度エポキシ樹脂中に分散させることが多いが、この方法では、一次粒子の状態で安定に分散させることが難しい。よって、コアシェルポリマーの製造過程から一度も塊状で取り出すことなく、最終的にはエポキシ樹脂中に一次粒子で分散したマスターバッチの状態で取り扱うことができるものが好ましく、例えば、特開2004−315572号公報に記載の方法、すなわち、コアシェルポリマーを乳化重合、分散重合、懸濁重合に代表される水媒体中で重合する方法で重合を行い、コアシェルポリマーが分散した懸濁液を得
て、得られた懸濁液に水と部分溶解性を示す有機溶媒、例えばアセトンやメチルエチルケトンなどのエーテル系溶媒を混合後、水溶性電解質、例えば塩化ナトリウムや塩化カリウムを接触させ、有機溶媒層と水層を相分離させ、水層を分離除去して得られたコアシェルポリマー分散有機溶媒に適宜エポキシ樹脂を混合した後、有機溶媒を蒸発除去する方法などが使用できる。該製造方法で製造されたコアシェルポリマー分散エポキシマスターバッチとしては、株式会社カネカ社から市販されているカネエース(登録商標)を好適に使用できる。
て、得られた懸濁液に水と部分溶解性を示す有機溶媒、例えばアセトンやメチルエチルケトンなどのエーテル系溶媒を混合後、水溶性電解質、例えば塩化ナトリウムや塩化カリウムを接触させ、有機溶媒層と水層を相分離させ、水層を分離除去して得られたコアシェルポリマー分散有機溶媒に適宜エポキシ樹脂を混合した後、有機溶媒を蒸発除去する方法などが使用できる。該製造方法で製造されたコアシェルポリマー分散エポキシマスターバッチとしては、株式会社カネカ社から市販されているカネエース(登録商標)を好適に使用できる。
成分(E)のコアシェルポリマーの平均粒径は1000nm以下である。1000nmより大きいと、強化繊維とエポキシ樹脂組成物を組み合わせてプリプレグにする場合や強化繊維から成る基材に樹脂を注入、含浸させる場合に、強化繊維で粒子が濾別され、繊維強化複合材料としたときに分散状態が不均一になる場合があるので好ましくない。より好ましくは、1nm以上700nm以下、更にこのましくは、5nm以上500nm以下、もっとも好ましくは5nm以上100nm以下である。
コアシェルポリマー粒子の平均粒径は、樹脂硬化物の断面を走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により観察し、少なくとも50個以上の粒子の直径を測定して粒子の粒径として、それを平均することにより平均粒径を求めることが出来る。前記観察において、粒子が真円状でない場合、即ち粒子が楕円状のような場合は、粒子の最大径をその粒子の粒径とする。
本発明における成分(E)は、エポキシ樹脂組成物の総質量100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%未満含まれていることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上8質量%未満含まれていることである。含有量が0.1質量%未満では成形後の繊維強化複合材料に必要とされる十分な破壊靭性が得られないことがあり、さらに、含有量が10質量%以上であれば、得られるエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて、プリプレグ化する際や強化繊維から成る基材に樹脂を注入する場合にプロセス性が低下することがある。
エポキシ樹脂組成物には一般に、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂を硬化させうる成分である硬化剤を予め配合している一液型のものと、エポキシ樹脂と硬化剤を別々に保管し、使用直前に両者を混合して使用する二液型のものが存在する。
一液型のエポキシ樹脂組成物の場合、保管中にも硬化反応が進行するため硬化剤成分は反応性の低く、固形状のものを選択する場合が多い。しかしながら、室温中では少しずつ硬化反応が進行するため冷凍保管が必要になるため、管理費用が増加する。また、固形状の硬化剤を使用するため、強化繊維に一液型エポキシ樹脂組成物を含浸させるためにはプレスロールを使用して高い圧力で押し込む必要があり製造コストも増加する。
一方、二液型のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂から構成される主剤と硬化剤を別々に保管するため、保管条件に特に制限なく長期保管も可能である。また、主剤および硬化剤とも液状のものとすることで、該主剤と該硬化剤を混合した混合物も低粘度な液状とすることができ、レジン・トランスファー・モールディング法などの簡便な方法で強化繊維に含浸、成形まで行うことができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は一液型および二液型に特に限定されるものではないが、前述した利点から二液型が推奨される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を二液型とする場合、エポキシ樹脂組成物は、成分(A)を含むエポキシ主剤液と、成分(B)を含む硬化剤液で構成されることが好ましい。さらに本発明のエポキシ樹脂組成物をこのような二液型とする場合、全硬化剤中の活性水素総数(H)と、全エポキシ樹脂中のエポキシ基総数(E)が前記した含有割合となるように、使用直前にエポキシ主剤液と硬化剤液を混合して用いる。なお、成分(C)、成分(D)、成分(E)は、反応性を示さない限り、エポキシ主剤液、硬化剤液のいずれに含有されるようにしても構わないが、成分(C)は成分(B)を含む硬化剤液に、成分(D)、成分(E)は成分(A)を含むエポキシ主剤液に含有されるようにすることが好ましい。エポキシ主剤液と硬化剤液は、混合前に、別々に加温しておくのが良く、成形型への注入等、使用の直前にミキサーを用いて混合してエポキシ樹脂組成物を得るのが、樹脂の可使時間の点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、E型粘度計で測定した80℃における粘度が10mPa・s以上500mPa・s以下であるようにすることが好ましく、10mPa・s以上400mPa・s以下であるようにすることがより好ましい。80℃における粘度を500mPa・s以下としたエポキシ樹脂組成物は強化繊維への含浸性が優れ、それにより高品位な繊維強化複合材料が得られる。また、粘度を10mPa・s以上としたエポキシ樹脂組成物は、成形温度での粘度が低くなりすぎず、それにより強化繊維基材への注入時に空気を巻き込んで生じるピットの生成が抑制され、含浸が不均一になりにくい。なお、粘度はエポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物を測定するものとする。
また、繊維強化複合材料中の粒子分散性は、それに使用されるエポキシ樹脂組成物のゲル化時間に依存しており、エポキシ樹脂組成物のゲル化時間が短時間であるほど、エポキシ樹脂組成物が短時間で増粘するため、粒子が凝集しにくく、均一に分散した繊維強化複合材が得られる。よって、繊維強化複合材料中の粒子を均一に分散させる目的においては、成形温度におけるゲル化時間が5分以下であるエポキシ樹脂組成物であることが好ましく、特に、4分以下であるエポキシ樹脂組成物であることが好ましく、短時間であるほど好ましい。ここで、ゲル化時間は次のようにして測定することができる。すなわち、加硫/硬化特性試験機(例えば、JSRトレーディング(株)製“キュラストメーター”(登録商標)V型)を用いて、180℃に加熱したダイスに、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物をサンプルとして投入し、ねじり応力をかけて、サンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇を、ダイスに伝わるトルクとして測定する。測定開始後、トルクが0.001N・mに達するまでの時間をゲル化時間とする。成形温度は、用いられる成分(B)および成分(C)の種類によって、通常120℃以上200℃以下の温度範囲の中で適宜調節される。例えば、成分(B)としてジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの混合物、成分(C)としてビスフェノールAを用いる場合、ゲル化時間を5分以下とするためには、硬化温度は180℃以上200℃以下の温度範囲に調整される。
本発明の繊維強化複合材料は、前述した本発明のエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせて、硬化してなるものである。
エポキシ樹脂組成物を使用して得られる繊維強化複合材料の耐熱性は、そのエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる樹脂硬化物のガラス転移温度に依存するため、高耐熱性を有した繊維強化複合材料を得るためには、エポキシ樹脂組成物を、例えば180℃の温度下で2時間加熱する等して、完全硬化して得られる樹脂硬化物のガラス転移温度が、170℃以上250℃以下であることが好ましく、180℃以上220℃以下であればさらに好ましい。ガラス転移温度が170℃に満たない樹脂硬化物は、耐熱性が不十分な場合がある。ガラス転移温度が250℃を越える樹脂硬化物は、3次元架橋構造の架橋密度が高くなることから、脆くなり、繊維強化複合材料の引張強度や耐衝撃性が低下する場合がある。ここで樹脂硬化物のガラス転移温度は、DMA測定により求められる。なお、ガラス転移温度はTgと略記されることもある。
本発明のエポキシ樹脂組成物を180℃、2時間で硬化させた硬化物の開口モードの樹脂靱性(KIc)は、0.7MPa・m0.5以上2.0MPa・m0.5以下であることが好ましい。開口モードの靱性(KIc)が0.7MPa・m0.5未満であると、耐衝撃性が不足することがあり、2.0MPa・m0.5を超えると、繊維強化複合材料とした時に切削加工する際、切削面が荒れることがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料の製造方法として、例えばハンドレイアップ法、ホットメルト含浸プリプレグ法、ウェット含浸プリプレグ法、フィラメントワインディング法などの方法を用いることは可能であるが、本発明のエポキシ樹脂組成物は、強化繊維を配置した成形型に対して樹脂を注入する工程を含む成形法を利用した繊維強化複合材料の製造に好適に用いることができる。例えば、強化繊維からなる繊維基材あるいはプリフォームを成形型内に設置し、その成形型内に液状の本発明のエポキシ樹脂組成物(マトリックス樹脂)を注入して強化繊維に含浸させ、その後に加熱して該エポキシ樹脂組成物を硬化させて、成形品である繊維強化複合材料を得る成形法、レジン・トランスファー・モールディング法等が挙げられる。
強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、PBO繊維、高強力ポリエチレン繊維、アルミナ繊維および炭化ケイ素繊維等を用いることができる。これらの繊維を、2種類以上混合して用いても構わない。強化繊維の形態や配列については限定されず、例えば、一方向に引き揃えられた長繊維、単一のトウ、織物、ニット、不織布、マットおよび組紐等の繊維構造物(繊維基材)が用いられる。
特に、材料の軽量化や高強度化の要求が高い用途においては、その優れた比弾性率と比強度のため、強化繊維として炭素繊維を好適に用いることができる。
強化繊維として炭素繊維を用いる場合、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維を用いることが可能であるが、層間靭性や耐衝撃性の点から、高くとも400GPa、好ましくは230〜400GPaの引張弾性率を有する炭素繊維を用いることが好ましい。また、高い剛性および機械強度を有する繊維強化複合材料を得る観点から、引張強度が少なくとも4.4GPa、好ましくは4.4〜6.5GPaである炭素繊維を用いることが好ましい。また、引張伸度も重要な要素であり、少なくとも1.7%、好ましくは1.7〜2.3%の引張伸度を有する炭素繊維を用いることが好ましい。従って、引張弾性率、引張強度 、および引張伸度が前記した範囲内である特性を兼ね備えた炭素繊維が最も適している。
炭素繊維の市販品としては、トレカ(登録商標)T800G−24K、トレカ(登録商標)T800S−24K、 トレカ(登録商標)T700G−24K、トレカ(登録商標)T300−3K、およびトレカ(登録商標)T700S−12K(以上、東レ(株)製)等が挙げられる。
航空機分野で用いられる繊維強化複合材料には、高い耐熱性や耐湿熱性、圧縮強度等の力学特性が要求される。本発明の繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂であるエポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度を通常、170℃以上250℃以下とすることができるため、耐熱性、耐湿熱性に優れる。さらに、本発明の繊維強化複合材料は、マトリックス樹脂であるエポキシ樹脂硬化物の靭性の指標であるK1cを通常、0.7MPa・m0.5以上2.0MPa・m0.5以下とすることができるため、圧縮強度に優れる。また、繊維強化複合材料の圧縮強度は、繊維強化複合材料中の粒子分散性にも影響されるため、均一に分散していることが好ましい。ここで繊維強化複合材料中の粒子分散性は、以下のよう評価する。すなわち、繊維強化複合材料の断面を透過型電子顕微鏡で3万倍で観察し、8μm四方の視野の中で粒子が5個以上接触している凝集体が5個以下であった場合を均一に分散しているとみなし、分散性良好とし、5個より多く、10個以下であった場合は概ね良好、10個より多い場合を不良と判定する。
上記のように高耐熱かつ高靭性で、粒子分散性が良好な繊維強化複合材料は、湿熱時の0°圧縮強度であるH/W0°圧縮強度が高く、例えば、1300MPa以上、より好ましい様態では1400MPa以上という、高いH/W0°圧縮強度を示すことができる。
以下、実施例により、本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物についてさらに詳細に説明する。
〈樹脂原料〉
各実施例・比較例の樹脂組成物を得るために、以下の樹脂原料を用いた。なお、表中の樹脂組成物の欄における各成分の数値は含有量を示し、その単位は、特に断らない限り「質量部」である。
各実施例・比較例の樹脂組成物を得るために、以下の樹脂原料を用いた。なお、表中の樹脂組成物の欄における各成分の数値は含有量を示し、その単位は、特に断らない限り「質量部」である。
1.成分(A)であるエポキシ樹脂
・アラルダイト(登録商標)MY721(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ社製):テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
・jER(登録商標)825(三菱化学(株)製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(粘度:7000mPa・s(25℃))
2.成分(B)である芳香族アミン
・jERキュア(登録商標)W(三菱化学(株)製):ジエチルトルエンジアミン(粘度:160mPa・s(25℃))
・カヤハード(登録商標)A−A(日本化薬(株)製):2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:2000mPa・s(25℃))
・ロンザキュア(登録商標)M−MIPA(ロンザジャパン(株)製):3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:>1000Pa・s(25℃))
・ロンザキュア(登録商標)M−DIPA(ロンザジャパン(株)製):3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:>1000Pa・s(25℃))
3.脂環式アミン
・アンカミン(登録商標)2049(エア−プロダクツジャパン(株)製):4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)(粘度:120mPa・s(25℃))
4.成分(C)であるフェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
・ビスフェノールA(関東化学(株)製):4,4’−イソプロピリデンジフェノール(pKa:10.2)
・ビスフェノールS(関東化学(株)製):4,4’−スルホニルジフェノール(pKa:7.8)
5.成分(C)以外のフェノール化合物
・4−tert−ブチルカテコール:DIC−TBC(DIC(株)製)
6.成分(D)である無機粒子
・AEROSIL(登録商標)50(日本アエロジル(株)製):シリカ粒子(平均粒径50nm)
・アドマファイン(登録商標)SO‐C2((株)アドマテックス製):シリカ粒子(平均粒径500nm)
・アドマファイン(登録商標)AO‐502((株)アドマテックス製):アルミナ粒子(平均粒径700nm)
・P25(日本アエロジル(株)製):酸化チタン粒子(平均粒径21nm)
7.表面処理剤
・3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン:KBM573(信越化学工業(株)製)
・プレンアクト(登録商標)TTS(味の素ファインテクノ(株)製):イソプロピルトリイソステアロイルチタネート
・プレンアクト(登録商標)AL−M(味の素ファインテクノ(株)製):アセトアルコキシアルミイニウムジイソプロピレート
8.成分(E)であるコアシェルポリマー粒子
・カネエース(登録商標)MX416((株)カネカ製)(アラルダイトMY721:75質量部/コアシェルポリマー粒子(平均粒径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25質量部のマスターバッチ)
・カネエース(登録商標)MX153((株)カネカ製)(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:67質量部/コアシェルポリマー粒子(平均粒径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):33質量部のマスターバッチ)
・カネエース(登録商標)MX257((株)カネカ製)(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:63質量部/コアシェルポリマー粒子(平均粒径:200nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):37質量部のマスターバッチ)
〈エポキシ樹脂組成物の調製〉
成分(D)の無機粒子をミキサーで攪拌しながら、これに対し表面処理剤を噴霧した後、100℃で12時間加熱し、表面処理を行った。こうして得られた無機粒子と成分(A)のエポキシ樹脂、成分(E)のコアシェルポリマー粒子のマスターバッチを用いてエポキシ主剤液とし、成分(B)の芳香族アミン等のアミン化合物、および成分(C)のフェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物等のフェノール化合物を用いて硬化剤液として、表に記載した含有割合で混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
・アラルダイト(登録商標)MY721(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ社製):テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
・jER(登録商標)825(三菱化学(株)製):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(粘度:7000mPa・s(25℃))
2.成分(B)である芳香族アミン
・jERキュア(登録商標)W(三菱化学(株)製):ジエチルトルエンジアミン(粘度:160mPa・s(25℃))
・カヤハード(登録商標)A−A(日本化薬(株)製):2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:2000mPa・s(25℃))
・ロンザキュア(登録商標)M−MIPA(ロンザジャパン(株)製):3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:>1000Pa・s(25℃))
・ロンザキュア(登録商標)M−DIPA(ロンザジャパン(株)製):3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(粘度:>1000Pa・s(25℃))
3.脂環式アミン
・アンカミン(登録商標)2049(エア−プロダクツジャパン(株)製):4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)(粘度:120mPa・s(25℃))
4.成分(C)であるフェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
・ビスフェノールA(関東化学(株)製):4,4’−イソプロピリデンジフェノール(pKa:10.2)
・ビスフェノールS(関東化学(株)製):4,4’−スルホニルジフェノール(pKa:7.8)
5.成分(C)以外のフェノール化合物
・4−tert−ブチルカテコール:DIC−TBC(DIC(株)製)
6.成分(D)である無機粒子
・AEROSIL(登録商標)50(日本アエロジル(株)製):シリカ粒子(平均粒径50nm)
・アドマファイン(登録商標)SO‐C2((株)アドマテックス製):シリカ粒子(平均粒径500nm)
・アドマファイン(登録商標)AO‐502((株)アドマテックス製):アルミナ粒子(平均粒径700nm)
・P25(日本アエロジル(株)製):酸化チタン粒子(平均粒径21nm)
7.表面処理剤
・3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン:KBM573(信越化学工業(株)製)
・プレンアクト(登録商標)TTS(味の素ファインテクノ(株)製):イソプロピルトリイソステアロイルチタネート
・プレンアクト(登録商標)AL−M(味の素ファインテクノ(株)製):アセトアルコキシアルミイニウムジイソプロピレート
8.成分(E)であるコアシェルポリマー粒子
・カネエース(登録商標)MX416((株)カネカ製)(アラルダイトMY721:75質量部/コアシェルポリマー粒子(平均粒径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):25質量部のマスターバッチ)
・カネエース(登録商標)MX153((株)カネカ製)(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:67質量部/コアシェルポリマー粒子(平均粒径:100nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):33質量部のマスターバッチ)
・カネエース(登録商標)MX257((株)カネカ製)(ビスフェノールA型エポキシ樹脂:63質量部/コアシェルポリマー粒子(平均粒径:200nm、コア成分:架橋ポリブタジエン(ガラス転移温度:−70℃)、シェル:PMMA/グリシジルメタクリレート/スチレン共重合物):37質量部のマスターバッチ)
〈エポキシ樹脂組成物の調製〉
成分(D)の無機粒子をミキサーで攪拌しながら、これに対し表面処理剤を噴霧した後、100℃で12時間加熱し、表面処理を行った。こうして得られた無機粒子と成分(A)のエポキシ樹脂、成分(E)のコアシェルポリマー粒子のマスターバッチを用いてエポキシ主剤液とし、成分(B)の芳香族アミン等のアミン化合物、および成分(C)のフェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物等のフェノール化合物を用いて硬化剤液として、表に記載した含有割合で混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
〈組成物の粘度の測定〉
測定すべき検体を、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計を使用して、測定すべき温度に保持した状態で測定した。E型粘度計としては、(株)トキメック製TVE−30Hを用いた。なお、検体としては、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物を用いた。
測定すべき検体を、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計を使用して、測定すべき温度に保持した状態で測定した。E型粘度計としては、(株)トキメック製TVE−30Hを用いた。なお、検体としては、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物を用いた。
〈ゲル化時間の測定〉
加硫/硬化特性試験機として、JSRトレーディング(株)製“キュラストメーター”(登録商標)V型を用いて、180℃に加熱したダイスに、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物をサンプルとして投入し、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇を、ダイスに伝わるトルクとして測定した。測定開始後、トルクが0.001N・mに達するまでの時間をゲル化時間とした。
加硫/硬化特性試験機として、JSRトレーディング(株)製“キュラストメーター”(登録商標)V型を用いて、180℃に加熱したダイスに、エポキシ主剤液と硬化剤液の2液を混合した直後のエポキシ樹脂組成物をサンプルとして投入し、ねじり応力をかけてサンプルの硬化の進行にともなう粘度上昇を、ダイスに伝わるトルクとして測定した。測定開始後、トルクが0.001N・mに達するまでの時間をゲル化時間とした。
〈樹脂硬化板の作製〉
上記で調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン”(登録商標)製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中に注入した。180℃の温度で2時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化板を得た。
上記で調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン”(登録商標)製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中に注入した。180℃の温度で2時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化板を得た。
〈樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)測定〉
厚さ2mmの樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ40mmの試験片を切り出し、DMA(TAインスツルメンツ社製ARES)を用いてTg測定を行った。測定条件は、昇温速度5℃/分である。測定で得られた貯蔵弾性率G’の変曲点での温度をTgとした。
厚さ2mmの樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ40mmの試験片を切り出し、DMA(TAインスツルメンツ社製ARES)を用いてTg測定を行った。測定条件は、昇温速度5℃/分である。測定で得られた貯蔵弾性率G’の変曲点での温度をTgとした。
〈樹脂硬化物のK1c測定〉
厚さ6mmの樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ150mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用いてK1c測定を行った。測定は、ASTM D5045(1999)に従っておこなった。試験片への初期の与亀裂の導入は、剃刀の刃を試験片にあてハンマーで剃刀に衝撃を加えることで行った。
厚さ6mmの樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ150mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用いてK1c測定を行った。測定は、ASTM D5045(1999)に従っておこなった。試験片への初期の与亀裂の導入は、剃刀の刃を試験片にあてハンマーで剃刀に衝撃を加えることで行った。
〈繊維強化複合材料の作製〉
400mm×400mm×1.2mmの板状キャビティーを有する金型に、395mm×395mmに切り出した炭素繊維一方向織物(平織、縦糸:炭素繊維T800S−24K−10C 東レ(株)製、炭素繊維目付295g/m2、縦糸密度7.2本/25mm、横糸:ガラス繊維ECE225 1/0 1Z 日東紡(株)製、横糸密度7.5本/25mm)を、炭素繊維方向を0°として、0°方向に揃えて4枚積層したものをセットし、型締めを行った。続いて、金型を80℃に加温した後、前記のようにして調整され、予め80℃に加温されたエポキシ樹脂組成物を、樹脂注入装置を用いて、注入圧0.2MPaで金型内に注入した。樹脂注入後、予備硬化工程を経てから、繊維強化複合材料の中間体を脱型した。予備硬化工程では、金型を昇温速度1.5℃/minで180℃まで昇温して、180℃で2時間加熱した後、30℃まで降温した。
400mm×400mm×1.2mmの板状キャビティーを有する金型に、395mm×395mmに切り出した炭素繊維一方向織物(平織、縦糸:炭素繊維T800S−24K−10C 東レ(株)製、炭素繊維目付295g/m2、縦糸密度7.2本/25mm、横糸:ガラス繊維ECE225 1/0 1Z 日東紡(株)製、横糸密度7.5本/25mm)を、炭素繊維方向を0°として、0°方向に揃えて4枚積層したものをセットし、型締めを行った。続いて、金型を80℃に加温した後、前記のようにして調整され、予め80℃に加温されたエポキシ樹脂組成物を、樹脂注入装置を用いて、注入圧0.2MPaで金型内に注入した。樹脂注入後、予備硬化工程を経てから、繊維強化複合材料の中間体を脱型した。予備硬化工程では、金型を昇温速度1.5℃/minで180℃まで昇温して、180℃で2時間加熱した後、30℃まで降温した。
〈繊維強化複合材料中の粒子分散性評価〉
繊維強化複合材料の断面を透過型電子顕微鏡で3万倍で観察し、8μm四方の視野の中で粒子が5個以上接触している凝集体が5個以下であった場合を均一に分散しているとみなし、分散性良好(○)とし、5個より多く、10個以下であった場合は概ね良好(△)、10個より多い場合を不良(×)と判定する。
繊維強化複合材料の断面を透過型電子顕微鏡で3万倍で観察し、8μm四方の視野の中で粒子が5個以上接触している凝集体が5個以下であった場合を均一に分散しているとみなし、分散性良好(○)とし、5個より多く、10個以下であった場合は概ね良好(△)、10個より多い場合を不良(×)と判定する。
〈繊維強化複合材料のH/W0°圧縮強度測定〉
前記のようにして得られた繊維強化複合材料を、0°方向と長さ方向とが同じになるようにして、長さ79.4mm×幅12.7mmにカットし、0°圧縮強度用試験片を作製した。この試験片について、72℃温水中に14日間浸漬した後、繊維強化複合材料の0°圧縮強度を測定した。0°圧縮強度の測定は、ASTM D695(1996)に準拠し、試験機として、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製 4208型インストロン)を用い、測定時のクロスヘッドスピードを1.27mm/min、測定温度を82℃とした。
前記のようにして得られた繊維強化複合材料を、0°方向と長さ方向とが同じになるようにして、長さ79.4mm×幅12.7mmにカットし、0°圧縮強度用試験片を作製した。この試験片について、72℃温水中に14日間浸漬した後、繊維強化複合材料の0°圧縮強度を測定した。0°圧縮強度の測定は、ASTM D695(1996)に準拠し、試験機として、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製 4208型インストロン)を用い、測定時のクロスヘッドスピードを1.27mm/min、測定温度を82℃とした。
(実施例1〜4)
前記のようにして、無機粒子を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
前記のようにして、無機粒子を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
(実施例5〜8)
前記のようにして、無機粒子配合量を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・cm−1以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は概ね良好であったが、実施例8では、無機粒子配合量が多いため、樹脂粘度が高く、やや分散性が劣る結果であった。そのため、実施例5〜7ではH/W0°圧縮強度が1400MPa以上であるのに対し、実施例8では1390MPaと若干劣る結果ではあったが、いずれの場合も品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
前記のようにして、無機粒子配合量を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・cm−1以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は概ね良好であったが、実施例8では、無機粒子配合量が多いため、樹脂粘度が高く、やや分散性が劣る結果であった。そのため、実施例5〜7ではH/W0°圧縮強度が1400MPa以上であるのに対し、実施例8では1390MPaと若干劣る結果ではあったが、いずれの場合も品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
(実施例9、10)
前記のようにして、コアシェルポリマーを変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
前記のようにして、コアシェルポリマーを変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
(実施例11〜13)
前記のようにして、コアシェルポリマー粒子配合量を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は概ね良好であったが、実施例13では、コアシェルポリマー粒子配合量が多いため、樹脂粘度が高く、やや分散性が劣る結果であった。そのため、実施例11、12ではH/W0°圧縮強度が1400MPa以上であるのに対し、実施例13では1370MPaと若干劣る結果ではあったが、いずれの場合も品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
前記のようにして、コアシェルポリマー粒子配合量を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は概ね良好であったが、実施例13では、コアシェルポリマー粒子配合量が多いため、樹脂粘度が高く、やや分散性が劣る結果であった。そのため、実施例11、12ではH/W0°圧縮強度が1400MPa以上であるのに対し、実施例13では1370MPaと若干劣る結果ではあったが、いずれの場合も品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
(実施例14、15)
前記のようにして、成分(C)の配合量あるいは種類を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
前記のようにして、成分(C)の配合量あるいは種類を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
(実施例16〜18)
前記のようにして、アミンの配合量あるいは種類を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
前記のようにして、アミンの配合量あるいは種類を変更して、表に記載した含有割合で、エポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、それぞれのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合も、ゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上、K1cも0.7MPa・m0.5以上であり、高速硬化性、耐熱性、靭性共に良好であった。さらに、繊維強化複合材料についても粒子分散性は良好であり、H/W0°圧縮強度も1400MPa以上と、品位、耐熱性、力学特性の全てにおいて良好であった。
(比較例1)
実施例1において、成分(C)、(D)、(E)を添加せずに表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、このエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が8.3分、樹脂硬化物のTgが190℃、K1cが0.5MPa・m0.5であった。耐熱性は良好であるものの、実施例に比べ硬化性、靭性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1260MPaと低い結果であった。
実施例1において、成分(C)、(D)、(E)を添加せずに表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、このエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が8.3分、樹脂硬化物のTgが190℃、K1cが0.5MPa・m0.5であった。耐熱性は良好であるものの、実施例に比べ硬化性、靭性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、H/W0°圧縮強度が1260MPaと低い結果であった。
(比較例2〜4)
実施例1において、成分(C)あるいは、成分(C)と(D)、成分(C)と(E)のみを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合もゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上であったが、K1cが0.7MPa・m0.5未満と低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、粒子添加時は粒子分散性が良好であったが、H/W0°圧縮強度は1300MPa未満と低い結果であった。
実施例1において、成分(C)あるいは、成分(C)と(D)、成分(C)と(E)のみを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。いずれの場合もゲル化時間を5分以下に短縮することができ、その樹脂硬化物のTgは170℃以上であったが、K1cが0.7MPa・m0.5未満と低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料については、粒子添加時は粒子分散性が良好であったが、H/W0°圧縮強度は1300MPa未満と低い結果であった。
(比較例5)
実施例1において、成分(D)と(E)のみを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が8.3分、樹脂硬化物のTgが190℃、K1cが0.9MPa・m0.5であり、耐熱性、靭性は良好であるものの、実施例に比べ硬化性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料についても粒子分散性は不良であり、H/W0°圧縮強度が1280MPaと低い結果であった。
実施例1において、成分(D)と(E)のみを添加して表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が8.3分、樹脂硬化物のTgが190℃、K1cが0.9MPa・m0.5であり、耐熱性、靭性は良好であるものの、実施例に比べ硬化性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料についても粒子分散性は不良であり、H/W0°圧縮強度が1280MPaと低い結果であった。
(比較例6)
実施例1において、成分(C)の代わりに4−tert−ブチルカテコールを配合して、表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が5.1分、樹脂硬化物のTgが178℃、K1cが0.9MPa・m0.5であり、耐熱性、靭性は良好であるものの、実施例に比べ硬化性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料についても粒子分散性は不良であり、H/W0°圧縮強度が1260MPaと低い結果であった。
実施例1において、成分(C)の代わりに4−tert−ブチルカテコールを配合して、表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が5.1分、樹脂硬化物のTgが178℃、K1cが0.9MPa・m0.5であり、耐熱性、靭性は良好であるものの、実施例に比べ硬化性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料についても粒子分散性は不良であり、H/W0°圧縮強度が1260MPaと低い結果であった。
(比較例7)
実施例1において、成分(B)の代わりに脂環式アミンを配合して、表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が2.0分、樹脂硬化物のTgが163℃、K1cが0.66MPa・m0.5であった。硬化性は良好であるものの、実施例に比べ耐熱性、靭性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料について粒子分散性は良好であったものの、H/W0°圧縮強度は1200MPaと低い結果であった。
実施例1において、成分(B)の代わりに脂環式アミンを配合して、表に記載した含有割合でエポキシ樹脂組成物を作製し、80℃における粘度およびゲル化時間を測定した。また、これらのエポキシ樹脂組成物を用いて、樹脂硬化板および繊維強化複合材料を作製し、Tg、K1c、粒子分散性、H/W0°圧縮強度を測定した。ゲル化時間が2.0分、樹脂硬化物のTgが163℃、K1cが0.66MPa・m0.5であった。硬化性は良好であるものの、実施例に比べ耐熱性、靭性は低く、高速硬化性、耐熱性、靭性の全てを満足するという結果は得られなかった。また、繊維強化複合材料について粒子分散性は良好であったものの、H/W0°圧縮強度は1200MPaと低い結果であった。
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、弾性率や靭性、耐熱性、高速硬化性に優れ、さらに該樹脂を用いることで均一に粒子が分布した高強度な繊維強化複合材料が得られる。これにより、特に航空機、自動車用途への繊維強化複合材料の適用が進み、更なる軽量化による燃費向上、地球温暖化ガス排出削減への貢献が期待できる。
Claims (13)
- 次の(A)〜(E)の成分を含む繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族アミン
(C)フェノール性水酸基を有する芳香族環を2個以上有する化合物
(D)平均粒径が1000nm以下の無機粒子
(E)平均粒径が1000nm以下のコアシェルポリマー粒子 - 成分(D)が、シリカ、アルミナ、及び酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種類の成分からなる、請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(D)が、エポキシ樹脂組成物の総質量100質量%に対して1質量%以上20質量%未満含まれる、請求項1または2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(E)が、エポキシ樹脂組成物の総質量100質量%に対して0.1質量%以上10質量%未満含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(C)が、フェノール性水酸基を2つ以上含むビスフェノール類である、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(C)のpKaが、7以上9.8以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(C)が、成分(A)100質量部に対して1質量部以上20質量部以下含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(B)が、液状芳香族アミンと固体状芳香族アミンの混合物である、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 成分(A)を含むエポキシ主剤液と、成分(B)を含む硬化剤液からなる、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- E型粘度計で測定した80℃における粘度が10mPa・s以上500mPa・s以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 強化繊維を配置した成形型に対して樹脂を注入する工程を含む繊維強化複合材料の成形法で使用される、請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせて、硬化してなる、繊維強化複合材料。
- 強化繊維が炭素繊維である、請求項12に記載の繊維強化複合材料。
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