JP2017149922A - ポリカーボネートポリオール - Google Patents

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JP2017149922A JP2016104001A JP2016104001A JP2017149922A JP 2017149922 A JP2017149922 A JP 2017149922A JP 2016104001 A JP2016104001 A JP 2016104001A JP 2016104001 A JP2016104001 A JP 2016104001A JP 2017149922 A JP2017149922 A JP 2017149922A
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Kiyotaka Akao
清隆 赤尾
哲郎 河下
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哲郎 河下
克生 鈴木
Katsuo Suzuki
克生 鈴木
基次 瀬谷
Mototsugu SEYA
基次 瀬谷
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Abstract

【課題】ポリウレタンに誘導化した際に、有用な効果を発現するスピログリコール由来のポリカーボネートポリオールの提供。
【解決手段】炭素原子数2〜12の直鎖状の二価の脂肪族炭化水素ジオール、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素ジオール、又は炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素ジオールからなるカーボネートの繰り返し単位と、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンからなるカーボネートの繰り返し単位とを有し、末端が水酸基であるポリカーボネートポリオール。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なポリカーボネートポリオールに関する。ポリカーボネートポリオールは、各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。
従来、各種ポリウレタン樹脂の原料として、ポリカーボネートポリオールが盛んに使用されている。
その中でも、スピログリコール(3,3’−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン)に由来するポリカーボネートポリオールとしては、例えば、
触媒の存在下、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンや1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどの芳香族ジオール、スピログリコール、及び炭酸エステルを反応させて、芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
炭酸水素ナトリウムの存在下、イソソルビド、スピログリコール、及びジフェニルカーボネートを反応させてポリカーボネート樹脂を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2000−7778号公報 特開平11−343335号公報 特開平10−120777号公報 特開平9−268225号公報 特開2003−160660号公報 特許第5526545号
以上、いずれの特許文献においても、スピログリコール由来のポリカーボネートポリオール(ポリカーボネート樹脂)について、そのものの特性や機能が評価されているものの、当該ポリオールから誘導されるポリウレタンについての評価がほとんどなされていなかった。即ち、スピログリコール由来のポリカーボネートポリオールであっても、その繰り返し単位がどのような構成の場合にポリウレタンなどとして有効な機能を発現するかなどについて、詳細な検討はなされていなかった。
また、特許文献4には、スピログリコールのみ原料としてポリカーボネートを重合中に結晶化が起こる旨の記載があり(比較例2参照)、芳香族ポリオールなどと組み合わせて共重合体とすることを示唆する記載がある。
それゆえ、ポリウレタンなどの誘導体とした際の機能を満足するような、スピログリコール由来のポリカーボネートポリオールが求められていた。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、ポリウレタンなどに誘導した際に、有用な効果を発現するスピログリコール由来のポリカーボネートポリオールを提供するものである。
本発明の課題は、
少なくとも1種の下記式(1)で示される繰り返し単位と、
下記式(2)で示される繰り返し単位とを有し、
末端が水酸基である、
ポリカーボネートポリオール。
によって解決される。
Figure 2017149922
(式中、Zは炭素原子数2〜12の直鎖状の二価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。)
本発明により、ポリウレタンに誘導した際に弾性率及び破断点応力が高い、ポリカーボネートポリオールを提供することができる。
(ポリカーボネートポリオール)
本発明のポリカーボネートポリオールは、
少なくとも1種の下記式(1)で示される繰り返し単位と、
下記式(2)で示される繰り返し単位とを有し、
末端が水酸基である、ポリカーボネートポリオールである。
Figure 2017149922
(式中、Zは炭素原子数2〜12の直鎖状の二価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。)
前記「炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数2〜12の直鎖状の脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、エチレン基、トリメチレン基(プロピレン基)、テトラメチレン基(ブチレン基)、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられるが、好ましくはテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基である。
なお、当該繰り返し単位は、異なる繰り返し単位は複数種が含まれていても良い。
前記「炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素」から2つの水素原子を除いた基を示し、例えば、2−メチル−1,3−トリメチル基、2−又は3−メチル−1,5−ペンチル基、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基などが挙げられる。
なお、当該繰り返し単位は、異なる繰り返し単位は複数種が含まれていても良い。
前記「炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数6〜18の環状脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−ジメチレンシクロヘキシレン基(メチレン−シクロヘキシレン−メチレン基)などが挙げられる。
なお、当該繰り返し単位は、異なる繰り返し単位は複数種が含まれていても良い。
前記式(1)で示される繰り返し単位と、前記式(2)で示される繰り返し単位とのモル比は、好ましくは50/50〜99/1、更に好ましくは60/40〜98/2、より好ましくは65/35〜97/3、特に好ましくは70/30〜95/5である。
この範囲とすることで、破断点伸度の低下を損なうことなく、弾性率及び破断点応力が高くなる。
なお、本発明のポリカーボネートポリオールは、機能や特性を損なわない程度において、エステル結合やエーテル結合を有していても良い。エステル結合を有することにより、ポリウレタンとした際の相溶性が増すことが予想される。また、エーテル結合を有することによって、ポリウレタンとした際の柔軟性がより増すと予想される。
(ポリカーボネートポリオールの数平均分子量)
本発明のポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、目的に応じて適宜調整するが、好ましくは100〜5000、更に好ましくは200〜4000、より好ましくは300〜3000である。
なお、数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量とする。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1000×価数)/水酸基価を用いて算出する(この式において、水酸基価の単位は[mgKOH/g]である)。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数である。
この範囲とすることで、ポリカーボネートポリオールの取り扱いが容易な液状となるとともに、ポリカーボネートポリオールから誘導化されたポリウレタンの低温特性が良好となる。
(ポリカーボネートポリオールの製造)
本発明のポリカーボネートポリオールの製造方法(以下、「本発明の反応」と称することもある)は特に限定されないが、例えば、
脂肪族ポリオール、スピログリコール、炭酸エステル及び触媒を混合して、低沸点成分(例えば、副生するアルコールなど)を留去しながら反応させる方法(以下、一段法と称することもある)や、
脂肪族ポリオール、炭酸エステル及び触媒を混合して、低沸点成分(例えば、副生するアルコールなど)を留去しながら反応させてポリカーボネートオリオール(スピログリコールを含まない)を製造し、更にスピログルリコールを反応させる方法(以下、二段法と称することもある)
が適用できる。
式(2)で示される繰り返し単位(スピログリコール由来の繰り返し単位)の量を調節するために、後者の方法が好適に採用される。
なお、本発明の反応は、一旦、ポリカーボネートポリオールのプレポリマー(目的とするポリカーボネートポリオールより低分子量)を得た後、更に分子量を上げるために反応させるなど、反応を複数回に分けて行うこともできる。
(脂肪族ポリオール)
本発明の反応において使用する脂肪族ポリオールは、前記式(1)で示される構成単位の由来となるポリオールであり、
炭素原子数2〜12の直鎖状の二価の脂肪族炭化水素基を有する脂肪族ポリオールとしては、例えば、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオールなどが挙げられるが、好ましくは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが使用される。
なお、当該ポリオールは、2種以上を併用しても良い。
炭素原子数3〜18の二価の分岐状脂肪族炭化水素基を有する脂肪族ポリオールとしては、例えば、
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−又は3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサンジオールなどが挙げられる。
なお、当該ポリオールは、2種以上を併用しても良い。
炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を有する脂肪族ポリオールとしては、例えば、
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる、
なお、当該ポリオールは、2種以上を併用しても良い。
(スピログリコール)
本発明の反応において使用するスピログリコールは、公知の方法で合成したものを使用でき、例えば、酸触媒の存在下、ペンタエリスリトールとヒドロキシピバルアルデヒドとを反応させる方法により合成することができる。
本発明の反応においては、市販品をそのまま使用することができる。
前記スピログリコールの使用量は、脂肪族ポリオール1モルに対して、好ましくは0.01〜1モル、更に好ましくは0.02〜0.7モル、より好ましくは0.03〜0.55モル、特に好ましくは0.05〜0.45モルである。
この範囲とすることで、本発明の繰り返し単位のモル比を満たすポリカーボネートポリオールを製造することができる。
(炭酸エステル)
本発明の反応において使用する炭酸エステルは、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチルエチルなどの炭酸ジアルキル;炭酸ジフェニルなどの炭酸ジアリール;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、トリメチレンカーボネート)、ブチレンカーボネート(4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラメチレンカーボネート)、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの環状カーボネートが挙げられるが、好ましくはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネートが使用される。
なお、これらの炭酸エステルが、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記炭酸エステルの使用量は、脂肪族ポリオール1モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、更に好ましくは0.9〜1.5モルである。
この範囲することで、十分な反応速度で、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(反応温度、及び反応圧力)
本発明の反応における反応温度は、炭酸エステルの種類に応じて適宜調整するが、好ましくは50〜250℃、更に好ましくは70〜230℃であり、一段法、二段法のいずれを採用する場合も同じである。
また、本発明の反応における反応圧力は、低沸点成分を除去しながら反応させる態様となるような圧力ならば特に制限されず、好ましくは常圧又は減圧下で行われる。
この範囲とすることで、逐次反応や副反応が起こることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
(触媒)
本発明の反応で使用する触媒として、公知のエステル交換触媒を使用することができ、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、コバルト、ゲルマニウム、スズ、セリウムなどの金属、及びそれらの水酸化物、アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、有機金属などが挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズオキサイドが使用される。
なお、これらの触媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記触媒の使用量は、脂肪族ポリオール1モルに対して、好ましくは0.001〜0.1ミリモル、更に好ましくは0.005〜0.05ミリモル、より好ましくは0.01〜0.03ミリモルである。
この範囲とすることで、後処理を煩雑とすることなく、効率良く目的とするポリカーボネートポリオールを得ることができる。
なお、当該触媒は、反応開始時に一括で使用しても、反応開始時、及び反応開始後に分割して使用(添加)しても良い。
(ポリウレタン)
以上のようにして得られる本発明のポリカーボネートポリオールをポリイソシアネートと反応(以下、「ポリウレタン化反応」と称することもある)させることにより、ポリウレタンを得ることができる。
本発明のポリカーボネートポリオールから誘導されるポリウレタンは、破断点応力が高い極めて有用な材料である。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、目的や用途に応じて適宜選択するが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが使用される。
なお、これらのポリイソシアネートは、単独又は二種以上を混合して使用しても良く、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていても良い。
ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリカーボネートポリオールの水酸基との比(イソシアネート基/水酸基(モル比))が、好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1である。
(鎖延長剤)
ポリウレタン化反応においては、分子量を増大させることを目的として、鎖延長剤を用いることができる。使用する鎖延長剤としては、目的や用途に応じて適宜選択できるが、例えば、
水;
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサンなどの低分子ポリオール;
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオールなどの高分子ポリオール;
エチレンジアミン、イソホロンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアミン
が使用される。
なお、鎖延長剤については、例えば、「最新ポリウレタン応用技術」(株式会社CMC社、1985年に発行)を参照することができ、前記高分子ポリオールについては、例えば、「ポリウレタンフオーム」(高分子刊行会、1987年)を参照することができる。
(ウレタン化触媒)
ポリウレタンを化反応においては、反応速度を向上させるために公知の重合触媒を用いることができ、例えば、第三級アミン、スズ又はチタンなどの有機金属塩が使用される。
なお、重合触媒については、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁を参照することができる。
(溶媒)
ポリウレタン化反応は溶媒の存在下で行うことができ、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−カプロラクトンなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−エトキシエタノールなどのエーテル類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類が使用される。
ポリウレタン化反応は、分子量を調整するために末端停止剤を添加して行うことができる。
また、ポリウレタンには、目的に応じて、熱安定剤、光安定剤、可塑剤、無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤などを存在させることができる。
得られたポリウレタンは、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、熱可塑性ポリウレタン、溶剤系ポリウレタン溶液、水系ポリウレタン分散体などとすることができる。また、これらを使って、人工皮革や合成皮革、断熱材、クッション材、接着剤、塗料、コーティング剤、フィルム等の成形体などに加工することができる。
本発明のポリカーボネートポリオールは、また、ポリカーボネートポリオールと4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)となるように混合した後、固形分が約30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し反応させて得られた混合物を、ガラス板上に塗布して硬化させたときのポリウレタンフィルムの破断点伸度が700%以上であり、弾性率が5.5MPa以上であり、破断点応力が50MPa以上であるポリカーボネートポリオールである。
[水性ポリウレタン樹脂分散体]
前記水性ポリウレタン樹脂分散体は、具体的には、例えば、本発明のポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールを、溶媒の存在下、または非存在下で反応させてウレタンプレポリマーとする工程、前記プレポリマー中の酸性基を中和剤により中和する工程、中和されたプレポリマーを水系媒体に分散させる工程、水系媒体に分散されたプレポリマーと鎖延長剤とを反応させる工程を順次行うことによって製造することができる。
なお、各工程では、必要に応じて触媒を使用することで、反応を促進させたり、副生成物を制御することができる。
本発明のポリカーボネートポリオールから誘導される水性ポリウレタン樹脂分散体は、密着性、柔軟性、触感に優れる膜を与えるため、特に人工皮革や合成皮革に適用することができる。
ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート、溶媒、及び鎖延長剤は、前記に記載のものを用いることができる。
水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する場合には、水系媒体へ分散させるために後述する酸性基含有ポリオールを使用する。そのため、前記ポリイソシアネートの使用量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と、ポリオール(ポリカーボネートポリオール、後述する酸性基含有ポリオール、及び後述する低分子ポリオールなどの全てのポリオール)の合計水酸基との比(イソシアネート基/水酸基(モル比))が、好ましくは0.8〜2.0、更に好ましくは0.9〜1.8である。
(酸性基含有ポリオール)
前記酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸などが挙げられるが、好ましくはジメチロールアルカン酸、より好ましくは2個のメチロール基を含む炭素数4〜12のアルカン酸が使用される。
なお、これらの酸性基含有ポリオールは、単独又は二種以上を混合して使用しても良いく、その使用量はポリウレタン樹脂が水系媒体にポリウレタン樹脂が分散できる量であれば特に制限されない。
(中和剤)
前記中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ塩類、アンモニアが挙げられるが、好ましくは有機アミン類、更に好ましくは三級アミンが使用される。
なお、これらの中和剤は、単独又は二種以上を混合して使用しても良いく、その使用量はポリウレタン樹脂中の酸性基を中和できる量であれば特に制限されない。
(水系媒体)
前記水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどのピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;出光興産社製「エクアミド」に代表されるβ−アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;2−(ジメチルアミノ)−2−メチル−1−プロパノール(DMAP)などの水酸基含有三級アミンが挙げられる。
前記水系媒体中の前記親水性有機溶媒の量としては、好ましくは0〜20質量%である。
(鎖延長剤)
前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、アジポイルヒドラジド、ヒドラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール化合物;ポリエチレングリコールに代表されるポリアルキレングリコール類、水などが挙げられる。
なお、これらの鎖延長剤は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
(低分子ポリオール)
本発明のウレタン化反応においては、分子量を調整するために、低分子ポリオールを存在させることができる。使用できる低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
なお、これらの低分子ポリオールは、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(数平均分子量)
数平均分子量の算出は下記式に基づいて行った。
数平均分子量=(56100×2)/水酸基価
なお、ポリカーボネートポリオールの水酸基価は、JIS K 1557に準拠して、滴定で求めた。ここで、水酸基価の単位は、mgKOH/gである。
(ポリカーボネートポリオール中の繰り返し単位)
ポリカーボネートポリオール1g、エタノール30g及び水酸化カリウム4gを混合し、95〜105℃で1時間攪拌した。
攪拌終了後、塩酸で中和し、生成した塩化ナトリウムを濾過した後、濾液をエタノールで3倍に希釈し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
検出されたポリオール及びスピログリコールを一点検量線法により定量し、それぞれの繰り返し単位(モル%)を算出した。
ガスクロマトグラフィーによる分析条件は下記の通りである。
装置;ガスクロマトグラフGC−2010(島津製作所製)
カラム;DB−WAX(米国J&W社製)、膜厚0.25μm、長さ30m
カラム温度;60℃(5分間保持)→250℃(保持)
昇温速度;10℃/分
キャリアーガス;ヘリウム
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
注入量;1μL
(実施例1;ポリカーボネートポリオール(1)の合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、ポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−200、1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとから製造されたポリカーボネートジオール)300.0g(0.15モル)、スピログリコール65.8g(三菱ガス化学社製、0.22モル)、及びテトラ(n−ブトキシ)チタン0.037g(0.11ミリモル)を混合し、減圧下(13.3kPa)、180℃で4時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(1)を得た。
得られたポリカーボネートポリオール(1)の数平均分子量は1009、水酸基価は111.2であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(1);90.7モル%
繰り返し単位(2);9.3モル%
(実施例2;ポリカーボネートポリオール(2)の合成)
精留塔、攪拌装置、温度計及び窒素導入管を備えたガラス製丸底フラスコに、1,4−シクロヘキサンジメタノール440.9g(3.06モル)、スピログリコール51.2g(三菱ガス化学製、0.17モル)、炭酸ジメチル269.5g(2.99モル、99%以上)及びテトラ(n−ブトキシ)チタン0.057g(0.2ミリモル)を混合し、常圧下、低沸点成分を留去しながら120〜200℃で12時間反応させた。
更に、減圧下(13.3kPa)、190℃で10時間反応を行い、粘ちょうな液体としてポリカーボネートポリオール(2)を得た。
得られたポリカーボネートポリオール(2)の数平均分子量は527、水酸基価は213.0であり、組成は以下の通りであった。
繰り返し単位(1);94.8モル%
繰り返し単位(2);5.2モル%
(ポリウレタンの合成)
実施例で合成したポリカーボネートポリオール70.6g及び4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート10.5g(イソシアネート基/水酸基=0.99(モル比)なるように調整)、固形分30%となるようにγ−ブチロラクトンで希釈し、ジラウリン酸ジブチルスズ0.08gを混合して、75〜85℃で10時間反応させポリウレタンのγ−ブチロラクトン溶液を得た。
得られたポリウレタンの溶液をガラス板上に塗布し、70℃で1時間、120℃で3時間乾燥させてポリウレタンフィルムを得た。
得られたポリウレタンフィルムについて、下記の評価方法により、弾性率及び破断点応力を測定した。
なお、比較として市販のポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−100)も同様にポリウレタンフィルムに誘導して各評価を行った。
(弾性率)
硬化物の弾性率は、JIS K 7311に準拠する方法で測定した。なお、測定条件は、測定温度23℃、湿度50%、引張速度100mm/分である。
(破断点応力)
厚さ約0.05mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを評価サンプルとした。
当該サンプルを23℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間20mm、引張速度100mm/分で引っ張り、破断点応力応力(MPa)を測定した。
その結果、本発明のポリカーボネートポリオール(1)から誘導されたポリウレタンは、弾性率が5.9MPaであり、破断点応力が78.7MPaであった。
一方、市販のポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−100)から誘導されたポリウレタンの弾性率は5.2MPaであり、破断点応力が43.7MPaであった。
この結果より、本発明の式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位とを有するポリカーボネート、即ち、脂肪族ポリオール−スピログリコール共重合体は、弾性率、破断点応力のいずれも良好であることが分かった。
(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機及び加熱器を備えた反応装置で、実施例1で得られたポリカーボネートポリオール(1)185g、2,2−ジメチロールプロピオン酸24.8g(0.19モル)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート163.6g(0.63モル)、N−メチル−2−ピロリドン159.5g、及びジブチルスズ(IV)ジラウレート0.3g(0.47ミリモル)を混合し、窒素雰囲気下、80〜90℃で6時間反応させた(反応終了時のイソシアネート基残量;0.89mmol/g)。
得られた反応液を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン18.5g(0.18モル)を加えて中和した後に、上記の操作で得られた反応液413gを、強く攪拌させた水531gに加えた。
更に、35質量%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液56.1gを加え、水性ポリウレタン樹脂分散体A1を得た。
(ポリウレタン樹脂フィルムの合成)
前記水性ポリウレタン樹脂分散体を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に乾燥後の膜厚が約80μmになるように均一に塗布した。次いで、室温にて15時間放置後、60℃にて1時間、120℃にて2時間乾燥してポリウレタン樹脂を形成させた。
次いで、PETフィルムからポリウレタン樹脂を剥離し、120℃にて2時間乾燥させることで、ポリウレタン樹脂フィルムA1を得た。
なお、実施例2で得られたポリカーボネートポリオール(2)についても同様な操作を行い、水性ポリウレタン樹脂分散体A2を用いたポリウレタン樹脂フィルムA2を得た。
比較として、市販のポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−100)を用いて、前記と同様な方法により、水性ポリウレタン樹脂分散体Bを合成し、更に、ポリウレタン樹脂フィルムBを誘導した。
得られたポリウレタン樹脂フィルムの弾性率(MPa)と破断点応力(MPa)の測定は下記の方法で行った。
(弾性率)
硬化物の弾性率は、JIS K 7311に準拠する方法で測定した。なお、測定条件は、測定温度23℃、湿度50%、引張速度100mm/分である。
(破断点応力)
厚さ約0.05mmのポリウレタンフィルムを形成し、このフィルムを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室にて1日養生したものを評価サンプルとした。
当該サンプルを23℃、50%RHの恒温室において、テンシロン引張試験器(ORIENTEC製、RTC−1250A)を用いて、チャック間20mm、引張速度100mm/分で引っ張り、破断点伸度(%)及び破断点応力(MPa)を測定した。
その結果、本発明のポリカーボネートポリオール(1)から誘導された水性ポリウレタン樹脂分散体A1を用いたポリウレタンフィルムA1は、弾性率が810MPaであり、破断点応力が89MPaであった。
また、ポリカーボネートポリオール(2)から誘導された水性ポリウレタン樹脂分散体A2を用いたポリウレタンフィルムA2は、弾性率が835MPaであり、破断点応力が87MPaであった。
一方、市販のポリカーボネートポリオール(宇部興産株式会社製、ETERNACOLL(登録商標)UH−100)から誘導された水性ポリウレタン樹脂分散体Bを用いたポリウレタンフィルムBの弾性率は525MPaであり、破断点応力が83MPaであった。
この結果より、本発明の式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位とを有するポリカーボネートは、弾性率、破断点応力のいずれも良好であることが分かった。
本発明は、新規なポリカーボネートポリオールに関する。ポリカーボネートポリオールは、各種ポリウレタン樹脂の原料として有用な化合物である。

Claims (5)

  1. 少なくとも1種の下記式(1)で示される繰り返し単位と、
    下記式(2)で示される繰り返し単位とを有し、
    末端が水酸基である、
    ポリカーボネートポリオール。
    Figure 2017149922
    (式中、Zは炭素原子数2〜12の直鎖状の二価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基を示す。)
  2. 式(1)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位とのモル比が50/50〜99/1である、請求項1記載のポリカーボネートポリオール。
  3. Zが1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基、1,5−ヘキサメチレン基、1,6−ヘキサメチレン基、2−メチル−1,3−トリメチレン基、3−メチル−1,5−ペンタンメチレン基、及び1,4−ジメチレンシクロヘキシレン基(メチレン−シクロヘキシレン−メチレン基)からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である、請求項1〜2のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオール。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られるポリウレタン。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネートポリオールを用いて得られる水性ポリウレタン樹脂分散体。
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